JP6605941B2 - ジェル状化粧料 - Google Patents
ジェル状化粧料Info
- Publication number
- JP6605941B2 JP6605941B2 JP2015246434A JP2015246434A JP6605941B2 JP 6605941 B2 JP6605941 B2 JP 6605941B2 JP 2015246434 A JP2015246434 A JP 2015246434A JP 2015246434 A JP2015246434 A JP 2015246434A JP 6605941 B2 JP6605941 B2 JP 6605941B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gel
- cosmetic
- mass
- comparative example
- glycerin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Cosmetics (AREA)
Description
前記の水溶性高分子として、アクリル系高分子が知られている。例えば、高粘度でありながら不快な使用感のないジェル状皮膚化粧料として、アクリル系高分子化合物と、水溶性多糖類とを併用したジェル状皮膚化粧料が知られている(特許文献1)。また、アクリル系高分子として、アクリロイルジメチルタウレート・ビニルピロリドン共重合体と、アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル・ポリオキシエチレン共重合体、ポリアクリル酸又はその塩、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリン)コポリマー、ポリアクリルアミド、(アクリルアミド/アクリル酸アンモニウム)コポリマー、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選択される1種以上の増粘剤と水と香料と炭素数1〜6の1〜3価アルコールとを含有するゲル状フレグランス組成物が知られている(特許文献2)。さらにまた、特許文献3には、アクリル系高分子として、アクリル酸系ポリマーを含有し、自己サンタン剤を配合した透明な自己サンタン性水性ゲルが記載されている。しかし、これらのゲル組成物は、厚み感や密着感などの使用感に問題があった。
この(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーと高配合のグリセリンを含む組成物に、ソルビトール、マルチトール及びジグリセリンから選ばれる一種以上の多価アルコールを組み合わせて配合すると、得られたジェル状化粧料は、皮膚や口唇に塗布したとき、なめらかな伸びの良さと良好な厚み感を有すること、さらに、このジェル状化粧料にシリル化シリカを組み合わせて配合すると、より良好な密着感が得られることを見出し、本発明を完成させた。
(1)(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーを化粧料あたり0.75〜1.2質量%と多価アルコールを含有するジェル状化粧料であって、多価アルコールとしてグリセリンを化粧料あたり50〜75質量%と、ソルビトール、マルチトール、ジグリセリンから選ばれるいずれか一種以上を含有し、グリセリンと、ソルビトール、マルチトール、ジグリセリンのいずれか一種以上の比率が20:1〜4:1であるジェル状化粧料。
(2)多価アルコールの合計含有量が化粧料あたり70〜90質量%である(1)に記載のジェル状化粧料。
(3)さらに、シリル化シリカを含有する(1)または(2)に記載のジェル状化粧料。
(4)油剤を含有しないか、又は油剤の含有量が化粧料あたり1質量%未満である(1)〜(3)のいずれかに記載のジェル状化粧料。
(5)水の含有量が25質量%以下である(1)〜(4)のいずれかに記載のジェル状化粧料。
(6)B型粘度計(測定条件;4号ローター、6rpm、30秒、25℃)で測定した粘度が48000〜95000mPa・sである(1)〜(5)のいずれかに記載のジェル状化粧料。
(7)口唇用途である(1)〜(6)のいずれかに記載のジェル状化粧料。
(8)チューブ容器用である(1)〜(7)のいずれかに記載のジェル状化粧料。
また、本発明のジェル状化粧料は、なめらかな伸びの良さと、厚み感、密着感に加えて、グリセリン等の多価アルコールによる高い保湿効果を有し、特に口唇用途の化粧料として最適である。
さらに、本発明のジェル状化粧料の示す48000〜95000mPa・sという粘度は、チューブ容器に充填する化粧料として最適であり、液だれもなく、使用時に適量を容易にチューブから押し出すことができる。
以下に、本発明の構成成分について詳細に説明する。
<(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー>
本発明で用いる(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーとは、ヒドロキシエチルアクリル酸とアクリルジメチルタウリンナトリウムの共重合体であり、市販されているものを使用することができる。例えば、SEPPIC社(フランス)製のSIMULGEL NS、SEPINOV EMT10を使用することができる。SIMULGEL NSは、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー37.5質量%、スクワラン25.5質量%、ポリソルベート60が5.5質量%、水30質量%、イソステアリン酸ソルビタン1.5質量%からなる混合原料である。SEPINOV EMT10は、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー100質量%である。
本発明のジェル状化粧料は、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーを0.75〜1.2質量%、より好ましくは0.9〜1質量%配合することが好ましい。(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーは、この範囲の配合量で、本発明で選択した多価アルコールとにより化粧料として最適な使用感が得られる。したがって、1.2質量%を超えて配合することは不経済であるし、好ましくない使用感が生じる恐れがある。
本発明では、ジェル状化粧料を得るため、多価アルコールとしてグリセリンを配合する。さらにソルビトール、マルチトール及びジグリセリンから選ばれる一種以上の多価アルコールを配合する。
(1)グリセリン
グリセリンは3価のアルコールである。グリセリンは化粧品原料として広く普及している。ライオン(株)製の化粧品用濃グリセリン、花王(株)製の濃グリセリン等の市販製品を入手して用いることができる。
ジグリセリンは、グリセリン2分子を脱水縮合反応させ、蒸留、精製してつくられ、4つの水酸基を持つ多価アルコールである。阪本薬品工業(株)製のジグリセリン801等市販されている化粧料規格の製品を入手して用いることができる。
ソルビトールは、グルコースを還元し、アルデヒド基をヒドロキシ基に変換して得られる糖アルコールの一種である。ソルビットまたはグルシトールともいう。三菱商事フードテック(株)社製のソルビットD−70等の市販されている製品を入手して用いることができる。ソルビットD−70は、ソルビトール70質量%と水30質量%から成る混合原料である。
マルチトールは、酵素糖化法によって澱粉からつくられる二糖類のマルトースを原料として高圧下で接触還元して得られる糖アルコールの一種である。三菱商事フードテック(株)製のアマルティシロップ等の市販されている製品を入手して用いることができる。アマルティシロップは、マルチトール75質量%と水25質量%から成る混合原料である。
なお、本発明においては、グリセリンとこれら3成分の他にも、本発明の効果を損なわない範囲であれば任意でその他の多価アルコールを適量含有させることができる。このような多価アルコールとして、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール等を例示できる。その他の多価アルコールは抗菌目的で配合してもよい。
「グリセリン」と、「ジグリセリン、ソルビトール及びマルチトールから選ばれる一種以上の多価アルコール」の配合比率が20:1〜4:1であることが好ましい。この比率の範囲だと、多価アルコールを多く含む系において(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーの増粘を抑制しつつ(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーの含有量を多くすることができ、適正な粘度と、なめらかな伸び、厚み感と密着感のある使用感を実現することができるので好ましい。
本発明では、さらに、シリル化シリカを配合すると、より密着感が向上するので好ましい。無水ケイ酸をジメチルクロロシランやトリメチルクロロシランで処理することにより得られ、白色の流動性粉体であり、エステル油やシリコーン油を増粘する機能を有している。0.01〜0.5質量%、より好ましくは、0.05〜0.3質量%配合することが好ましい。より具体的には、旭硝子(株)によりSunsphere(登録商標) H33の名称、Dow Corning社によりDow Corning VM-2270 Aerogel Fine Particlesの名称で販売されている製品を例示することができる。
本発明のジェル状化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲で、植物油のような油脂類、炭化水素類、高級脂肪酸、高級アルコール、シリコーンを含有させることができる。アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、防腐剤、金属イオン封鎖剤、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー以外の水溶性高分子、増粘剤、粉体成分、紫外線吸収剤、紫外線遮断剤、香料、pH調整剤、乾燥剤等を含有させることができる。また、ビタミン類、皮膚賦活剤、血行促進剤、常在菌コントロール剤、活性酸素消去剤、抗炎症剤、抗癌剤、美白剤、殺菌剤等の他の薬効成分、生理活性成分を含有させることもできる。
紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸、サリチル酸フェニル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、等を挙げることができる。
また、プラセンタエキス、グルタチオン、ユキノシタ抽出物等の美白剤、ローヤルゼリー、ぶなの木エキス等の皮膚賦活剤、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸γ−オリザノール等の血行促進剤、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、アズレン等の消炎剤、アルギニン、セリン、ロイシン、トリプトファン等のアミノ酸類、常在菌コントロール剤のマルトースショ糖縮合物、塩化リゾチーム等を挙げることができる。
さらに、カミツレエキス、パセリエキス、ワイン酵母エキス、グレープフルーツエキス、スイカズラエキス、コメエキス、ブドウエキス、ホップエキス、コメヌカエキス、ビワエキス、オウバクエキス、ヨクイニンエキス、センブリエキス、メリロートエキス、バーチエキス、カンゾウエキス、シャクヤクエキス、サボンソウエキス、ヘチマエキス、トウガラシエキス、レモンエキス、ゲンチアナエキス、シソエキス、アロエエキス、ローズマリーエキス、セージエキス、タイムエキス、茶エキス、海藻エキス、キューカンバーエキス、チョウジエキス、ニンジンエキス、マロニエエキス、ハマメリスエキス、クワエキス等の各種抽出物を挙げることができる。
表1に実施例1〜6の組成、表2に比較例1〜17の組成を示す。
[粘度の測定]
化粧料を直径約3cmのガラス容器に充填後25℃に保存して、製造翌日の粘度をB型粘度計(4号ローター、6rpm、30秒)にて測定した。
2名の熟練した専門の官能評価員により評価した。
○:なめらかに伸びる
×:なめらかに伸びない
化粧料を前腕内側部に一定量塗布し、塗布中に感じる化粧料の厚みについて、下記の基準により評価した。
○:厚み感がある
△:やや厚み感がある
×:厚み感がない
化粧料を前腕内側部に一定量塗布し、塗布後に化粧料が皮膚に密着している感じがするかどうか指腹でタッピングし、下記の基準により評価した。
○:密着感がある
△:やや密着感がある
×:密着感がない
「伸び」、「厚み感」については、実施例1〜5はどちらも「〇」評価であり、実施例6は厚み感が「△」評価であった。「密着感」は、実施例1、2、6が「△」評価、実施例3〜5は「〇」評価であった。実施例1、2及び6の「△」評価は「やや密着感がある」というものであり、「○」評価(密着感がある)とわずかな差であり、実用上問題はなかった。実施例1〜6の化粧料の粘度は、48800〜91400mPa・sであった。この粘度は、チューブ容器に充填して使用するに適した粘性であった。また、実施例1〜6の化粧料は、いずれも透明な外観の美しいジェル状を呈していた。
比較例5は、ジグリセリンを90質量%配合し、その他の多価アルコールを配合しない組成である。この組成では粘度は73300mPa・sであり、「密着感」は「×」評価であった。
比較例6は、比較例5のジグリセリンに代えてマルチトール(75%水溶液)を90質量%配合した組成である。この組成では、粘度は81300mPa・sであり、「伸び」と「密着感」が「×」となった。比較例7は、比較例5のジグリセリンに代えてソルビトール(70%水溶液)を90質量%配合した組成である。この組成では、粘度は51700mPa・sであり、「伸び」が「×」となった。比較例8は、グリセリンを90質量%配合し、それ以外の多価アルコールを含有しない組成である。この組成では、粘度は31300mPa・sと低く、さらに「厚み感」と「密着感」の評価が「×」であった。比較例9は、比較例5のジグリセリンに代えて1,3−ブチレンブリコールを90質量%配合した組成である。この組成では、本発明の目的とするゲル化が起こらなかった。
(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーの配合量を実施例と同程度の0.975質量%とした比較例10〜15、同ポリマーの配合量を1.5質量%に増やした比較例16、17の試験は、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーの配合量を増やすことによって使用感が改善されるかどうか試験したものであるが、「伸び」、「厚み感」、「密着感」のいずれかに「×」評価があり目的とする使用感の化粧料は得られなかった。
比較例5〜9は、多価アルコールとしてジグリセリン90質量%(比較例5)、マルチトール67.5質量%(比較例6)、ソルビトール63質量%(比較例7)、グリセリン90質量%(比較例8)、1,3−ブチレングリコール90質量%(比較例9)を含む組成であり、組成物の粘度は、73300mPa・s(比較例5)、81300mPa・s(比較例6)、51700mPa・s(比較例7)、31300mPa・s(比較例8)、ゲル化せず(比較例9)であった。
比較例5〜9から、グリセリンを高配合することで(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーの増粘が抑えられることが分かった。グリセリン90質量%を含む比較例8は、なめらかな伸びの良さはあったが、厚み感、密着感が不十分であり、また、チューブ容器に充填するには粘度が低かった。伸びの評価が「○」であった比較例8の組成からキサンタンガムを削除し(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーの配合量を1.5質量%に増やすと、厚み感は「○」と改善したが、密着感は改善せず、伸びは逆に悪くなり「×」と評価された(比較例16)。また、比較例16のグリセリンを水に置き換えると伸びは「○」と評価されたが、厚み感や密着感は「×」と評価された(比較例17)。(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーの配合量を0.975質量%とした比較例15も同様の結果であった。このことから、なめらかな伸びの良さを維持しながら厚み感や密着感をも良好なものにするためには、多価アルコールとしてグリセリンを選択し、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーの配合量を多くするだけでは達成できないことが分かった。
次に、比較例5〜9では(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーの配合量は0.6質量%でありキサンタンガムも0.1質量%含んでいるが、キサンタンガムを含まず(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーの配合量を0.975質量%と増やして多価アルコールの純分量が70〜75質量%範囲に収まるようにした組成を組み、比較例10〜13とした。多価アルコールの純分量を70〜75質量%範囲に収まるようにしたのは、汎用される市販品が70%水溶液(ソルビトール)や75%水溶液(マルチトール)であり、これを用いて比較試験を行った為である。比較例10〜13は、多価アルコールとしてジグリセリン75質量%(比較例10)、マルチトール73.05質量%(比較例11)、ソルビトール68.18質量%(比較例12)、グリセリン75質量%(比較例13)を含む組成であるが、組成物の粘度は、78500mPa・s(比較例10)、231000mPa・s(比較例11)、138900mPa・s(比較例12)、81200mPa・s(比較例13)であった。この試験でも、グリセリンを高配合することで(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーの増粘が抑えられることが確認できた(比較例13)が、ジグリセンにも(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーの増粘を抑える傾向が見られた(比較例10)。そして、比較例10、比較例13ともに厚み感、密着感が「×」の評価であった。比較例11は比較例6に近い組成であるが、使用感(厚み感)評価は△から×となり悪くなった。比較例12は比較例7に近い組成であるが、使用感(厚み感)評価は△から○となり改善した。
これらの結果を踏まえ、ジグリセリン、グリセリンを高配合した組成に、ソルビトールやマルチトールを組み合わせた組成を検討したのが、比較例1〜4、実施例1〜6である。ジグリセリンを高配合した組成が比較例1〜4であり、グリセリンを高配合した組成が実施例1〜6である。
まず、ジグリセリンを高配合して、ソルビトールやマルチトールを複数組み合わせて比較例1〜4を作成したところ、厚み感や密着感が改善したものが認められたが、いずれの組成でも著しく増粘してしまい、伸びが悪くなってしまった。比較例1〜4の組成物の粘度は、148000mPa・s(比較例1)、128400mPa・s(比較例2)、115700mPa・s(比較例3)、133000mPa・s(比較例4)であり、この粘度はチューブ容器への充填にも不適であった。
これに対して、グリセリンを主として配合し、さらに、ソルビトールやマルチトール、ジグリセリンを一種以上組み合わせて配合した実施例1〜6の組成物は、粘度が48800〜91400mPa・sであり、なめらかな伸びの良さと、良好な厚み感、良好な密着感が実現した。このなめらかな伸びと良好な厚み感は、粘度の増加を抑制しつつ(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーの配合量を比較例の組成と比較して約1.5倍量も含有させたことと、組み合わせたソルビトールやマルチトール、ジグリセリンの性質が効果的に作用しているからと考えられる。さらに、シリル化シリカを組み合わせて配合した実施例3、4の組成物は、実施例1、2より良好な密着感が感じられたと評価されたことから、本発明の構成にさらにシリル化シリカを配合することは、ジェル状化粧料の密着感の改善に効果を示すものと考えられた。
本発明の構成のジェル状化粧料は、良好な使用感と、グリセリンの高配合によって高い保湿効果を有するので、特に口唇用途の化粧料として最適である。
さらに、本発明のジェル状化粧料の粘度は、チューブ容器に充填する化粧料として最適なものであった。
口唇用保湿ジェル
(配合成分) (質量%)
1.SEPINOV EMT10(SEPPIC社) 1.2
2.グリセリン 70
3.マルチトール(75%水溶液) 5
4.1,2−ペンタンジオール 1
5.ソルビトール(70%水溶液) 5
6.グリチルリチン酸ジカリウム 0.2
7.精製水 残余
1〜7の成分を混合し口唇用保湿ジェルを得た。チューブ容器に充填した処方例1の口唇用保湿ジェルは、なめらかな伸びと、厚み感、密着感に優れ、さらに長時間しっとり感が持続する優れた使用感であった。
口唇用保湿ジェル
(配合成分) (質量%)
1.SIMULGEL NS(SEPPIC社) 3
2.グリセリン 60
3.ジグリセリン 10
4.1,2−ペンタンジオール 1
5.マルチトール(75%水溶液) 5
6.ジプロピレングリコール 2
7.キサンタンガム 0.2
8.ユーカリ油 0.01
9.精製水 残余
1〜9の成分を混合し口唇用保湿ジェルを得た。チューブ容器に充填した処方例2の口唇用保湿ジェルは、なめらかな伸びと、厚み感、密着感に優れ、長時間しっとり感が持続する優れた使用感であった。
Claims (8)
- (アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーを化粧料あたり0.75〜1.2質量%と多価アルコールを含有するジェル状化粧料であって、多価アルコールとしてグリセリンを化粧料あたり50〜75質量%と、ソルビトール、マルチトール、ジグリセリンから選ばれるいずれか一種以上を含有し、グリセリンと、ソルビトール、マルチトール、ジグリセリンのいずれか一種以上の比率が20:1〜4:1であるジェル状化粧料。
- 多価アルコールの合計含有量が化粧料あたり70〜90質量%である請求項1に記載のジェル状化粧料。
- さらに、シリル化シリカを含有する請求項1または2に記載のジェル状化粧料。
- 油剤を含有しないか、又は油剤の含有量が化粧料あたり1質量%未満である請求項1〜3のいずれかに記載のジェル状化粧料。
- 水の含有量が25質量%以下である請求項1〜4のいずれかに記載のジェル状化粧料。
- B型粘度計(測定条件;4号ローター、6rpm、30秒、25℃)で測定した粘度が
48000〜95000mPa・sである請求項1〜5のいずれかに記載のジェル状化粧
料。 - 口唇用途である請求項1〜6のいずれかに記載のジェル状化粧料。
- チューブ容器用である請求項1〜7のいずれかに記載のジェル状化粧料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015246434A JP6605941B2 (ja) | 2015-12-17 | 2015-12-17 | ジェル状化粧料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015246434A JP6605941B2 (ja) | 2015-12-17 | 2015-12-17 | ジェル状化粧料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017109962A JP2017109962A (ja) | 2017-06-22 |
JP6605941B2 true JP6605941B2 (ja) | 2019-11-13 |
Family
ID=59079254
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015246434A Active JP6605941B2 (ja) | 2015-12-17 | 2015-12-17 | ジェル状化粧料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6605941B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20220071859A1 (en) * | 2018-12-28 | 2022-03-10 | Shiseido Company, Ltd. | Gel-type cosmetic |
Family Cites Families (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0742212B2 (ja) * | 1986-12-05 | 1995-05-10 | ライオン株式会社 | ゲル状毛髪化粧料 |
JP2003300839A (ja) * | 2002-04-10 | 2003-10-21 | Sakamoto Yakuhin Kogyo Co Ltd | 温感ゲル状組成物 |
JP5421554B2 (ja) * | 2008-06-24 | 2014-02-19 | 株式会社ファンケル | αゲルを含む組成物 |
JP5793056B2 (ja) * | 2011-10-26 | 2015-10-14 | 株式会社ファンケル | 化粧料 |
JP2013107862A (ja) * | 2011-11-24 | 2013-06-06 | Dhc Co | ジェル状皮膚化粧料 |
FR3002449B1 (fr) * | 2013-02-25 | 2015-04-03 | Oreal | Composition cosmetique de type gel |
JP5766337B2 (ja) * | 2013-06-28 | 2015-08-19 | 花王株式会社 | 化粧料 |
JP6371519B2 (ja) * | 2013-12-25 | 2018-08-08 | ロート製薬株式会社 | 皮膚外用組成物 |
JP6592233B2 (ja) * | 2013-12-25 | 2019-10-16 | ロート製薬株式会社 | 皮膚外用組成物 |
-
2015
- 2015-12-17 JP JP2015246434A patent/JP6605941B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2017109962A (ja) | 2017-06-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2014114289A (ja) | 化粧料または皮膚外用剤 | |
JP6836017B2 (ja) | 皮膚外用組成物 | |
WO2015195304A1 (en) | Compositions and methods for enhancing the topical application of a benefit agent including powder to liquid particles and a second powder | |
JP5991343B2 (ja) | 化粧料 | |
JP6278612B2 (ja) | 透明液状クレンジング化粧料 | |
JP2013107862A (ja) | ジェル状皮膚化粧料 | |
JPWO2014069385A1 (ja) | 外用組成物 | |
JP6639816B2 (ja) | 化粧料 | |
JP2005060234A (ja) | 皮膚外用剤 | |
JP6812099B2 (ja) | 皮膚洗浄剤 | |
JP6605941B2 (ja) | ジェル状化粧料 | |
JP2003300856A (ja) | 化粧料組成物 | |
JP2023178448A (ja) | 皮膚外用組成物 | |
JP5393998B2 (ja) | 乳液状化粧料 | |
US20220202685A1 (en) | Gel-type skin external composition | |
JP2021059525A (ja) | 水中油型乳化組成物、及び水中油型乳化組成物の液だれ抑制方法 | |
JP2021169433A (ja) | 皮膚外用剤 | |
JP6605940B2 (ja) | ジェル状化粧料 | |
JP2003306410A (ja) | 粉末含有油中水型乳化化粧料 | |
JP6273117B2 (ja) | 液状化粧料 | |
JP4365281B2 (ja) | Dfa含有皮膚外用剤、化粧料、眼科用液剤 | |
JP2021020865A (ja) | 水中油乳化型化粧料 | |
JP5873617B2 (ja) | 油中水型乳化化粧料 | |
JP2006282600A (ja) | 低刺激性皮膚外用剤 | |
JP5476013B2 (ja) | 皮膚外用剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180710 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190521 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190604 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190731 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20190731 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20191008 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20191017 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6605941 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |