[第一実施形態]
図1を用いて、本実施形態に係る携帯電子機器を含む制御システム100の全体的な構成について説明する。本実施形態に係る携帯電子機器は、例えば、携帯電話機の一種であるスマートフォン1である。スマートフォン1は歩端末と呼ばれることがある。制御システム100は、路側機110と、スマートフォン1とを含む。図1においては、1つの路側機110と、1台のスマートフォン1とを示しているが、制御システム100は、1つ以上の路側機110と、1つ以上のスマートフォン1とを含めばよく、路側機110及びスマートフォン1の数は限定されない。図1には、歩道橋が配置された道路が示されている。
図1ないし図3を用いて、路側機110の全体的な構成について説明する。路側機110は、歩道橋に対応付けられている。路側機110は、例えば、図1,2に示されるように、歩道橋上に配置されている。路側機110は、交差点に設けられた信号機を制御するものであってもよい。
路側機110は、自機の識別情報を無線で出力することが可能である。路側機110の識別情報とは、当該路側機110を識別するための情報であって、例えば、当該路側機110に固有の識別番号である。路側機110は、自機の識別情報とともにデータを無線で出力することが可能である。図3に示されるように、路側機110は、通信部111と、記憶部112と、気圧センサ113と、制御部120とを有する。
通信部111は、無線により通信することが可能である。通信部111は、例えば、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、IEEE802.11(a,b,n,pを含む)、Bluetooth(登録商標)、IrDA(Infrared Data Association)及びNFC(Near Field Communication)等を含む無線通信規格をサポートしている。または、通信部111は、2G、3G、4G等のセルラーフォンの通信規格をサポートしていてもよい。セルラーフォンの通信規格には、例えば、LTE(Long Term Evolution)、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、CDMA2000、PDC(Personal Digital Cellular)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)及びPHS(Personal Handy−phone System)等が含まれる。通信部111は、上述した通信規格の1つ又は複数をサポートしている。通信部111は、例えば、イーサネット(登録商標)あるいはファイバーチャネル等の有線による通信をサポートしてもよい。
通信部111は、他の路側機110及び信号機と通信を行うことが可能である。通信部111は、近距離無線通信で所定距離内にある通信機器を行い、当該通信機器とデータの送受信を行うことが可能である。通信部111は、例えば、近距離無線通信で所定距離内にあるスマートフォン1と通信を行う。また通信部111は、近距離無線通信で所定距離内にある、車両に搭載されている通信機器と通信を行う。本実施形態において、通信部111は、スマートフォン1と通信を行い、自機の識別情報を含むデータの送信を行う。
気圧センサ113は、路側機110の周囲の気圧値Ap(図2参照)を検出することが可能である。気圧センサ113は、例えば、路側機110の図示しないハウジングの内部に配置されている。ハウジングには、水は通過させないが空気を通過させる穴が設けられており、当該穴で、当該ハウジングの内部と外部の気圧が連動している。これにより、気圧センサ113は、ハウジングの内部に位置した状態で、路側機110の周囲の気圧値Apを検出することが可能である。気圧センサ113の検出結果は制御部120に入力される。気圧センサ113の検出結果は、ローパスフィルタなどのフィルタ処理が行われた後に制御部120に入力されてもよい。
記憶部112は、プログラム及びデータを記憶することが可能である。記憶部112は、制御部120の処理結果を一時的に記憶する作業領域としても利用される。記憶部112は、半導体記憶媒体及び磁気記憶媒体等の任意の非一過的(non−transitory)な記憶媒体を含んでよい。非一過的な記憶媒体は、例えば、CD(登録商標)、DVD(登録商標)及びBlu−ray(登録商標)等の光ディスク、光磁気ディスク、磁気記憶媒体、メモリカード、及びソリッドステート記憶媒体を含むが、これらに限定されない。記憶部112は、複数の種類の記憶媒体を含んでよい。記憶部112は、メモリカード、光ディスク、又は光磁気ディスク等の可搬の記憶媒体と、記憶媒体の読み取り装置との組み合わせを含んでよい。記憶部112は、RAM(Random Access Memory)等の一時的な記憶領域として利用される記憶デバイスを含んでよい。
記憶部112に記憶されるプログラムには、所定距離内にある通信機器との通信確立及びデータの送受信の制御を実行するプログラムを含む。記憶部112に記憶されるデータには、例えば、自機の識別情報など他の通信機器に送信するデータ等を含む。
記憶部112は、例えば、制御プログラム112A、路側機海抜データ112B、歩道橋海抜データ112C、道路海抜データ112D及び設定データ112Zを記憶する。
路側機海抜データ112Bは、路側機110の識別情報と、路側機110の位置情報と、路側機110の海抜Ah[m]とをあらかじめ対応付けて記憶している。より詳しくは、路側機海抜データ112Bは、路側機110の識別情報ごとに、その路側機110の設置位置を緯度と経度とで示す位置情報と、その路側機110の海抜Ahとを記憶している。
歩道橋海抜データ112Cは、歩道橋の識別情報と、歩道橋の位置情報と、歩道橋の海抜Bh[m]とをあらかじめ対応付けて記憶している。より詳しくは、歩道橋海抜データ112Cは、歩道橋の識別情報ごとに、その歩道橋の設置位置を緯度と経度とで示す位置情報と、その歩道橋の海抜Bhとを記憶している。
道路海抜データ112Dは、道路の識別情報と、当該道路での、歩道橋が存在する地点の位置情報と、当該地点の海抜Ch[m]とをあらかじめ対応付けて記憶している。より詳しくは、道路海抜データ112Dは、道路の識別情報ごとに、その道路での、歩道橋が存在する地点の位置を緯度と経度とで示す位置情報と、当該地点の海抜Chとを記憶している。
設定データ112Zは、路側機110の動作に関する各種の設定に関する情報を含む。
制御プログラム112Aは、路側機110を稼働させるための各種制御に関する機能を提供する。
制御プログラム112Aは、気圧センサ113で検出した気圧値Apと、路側機110の海抜Ahと、歩道橋の海抜Bhと、道路での、歩道橋が存在する地点の海抜Chとに基づいて、歩道橋上の気圧値Bpを算出する。歩道橋上の気圧値Bpは、歩行者が歩行する、歩道橋の上側の平坦部の気圧である。図2には、気圧値Ap,Bpと、海抜Ah,Bh,Chとの関係の一例が示されている。
制御部120は、演算処理装置である。演算処理装置は、以下に詳細に述べられるように、種々の機能を実行するための制御および処理能力を提供するために、少なくとも1つのプロセッサを含む。種々の実施形態によれば、少なくとも1つのプロセッサは、単一の集積回路(IC)として、又は複数の通信可能に接続された集積回路及び/又はディスクリート回路(discrete circuits)として実行されてもよい。少なくとも1つのプロセッサは、種々の既知の技術に従って実行されることが可能である。
1つの実施形態において、プロセッサは、例えば、関連するメモリに記憶された指示を実行することによって1以上のデータ計算手続又は処理を実行するように構成された1以上の回路又はユニットを含む。他の実施形態において、プロセッサは、1以上のデータ計算手続き又は処理を実行するように構成されたファームウェア(例えば、ディスクリートロジックコンポーネント)であってもよい。
種々の実施形態によれば、プロセッサは、1以上のプロセッサ、コントローラ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号処理装置、プログラマブルロジックデバイス、フィールドプログラマブルゲートアレイ、又はこれらのデバイス若しくは構成の任意の組み合わせ、又は他の既知のデバイス及び構成の組み合わせを含み、以下に説明される機能を実行してもよい。
本実施の形態では、制御部120は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、SoC(System−on−a−Chip)、MCU(Micro Control Unit)、及びFPGA(Field−Programmable Gate Array)を含むが、これらに限定されない。制御部120は、路側機110の動作を統括的に制御して各種の機能を実現する。
制御部120は、記憶部112に記憶されているデータを必要に応じて参照しつつ、記憶部112に記憶されているプログラムに含まれる命令を実行する。そして、制御部120は、データ及び命令に応じて機能部を制御し、それによって各種機能を実現する。
路側機110は、自機の識別情報とともに、例えば、歩道橋上の気圧値Bpを、通信部111を介して無線で出力する。
図4から図6を用いて、本実施形態に係るスマートフォン1の全体的な構成について説明する。スマートフォン1は、ハウジング20を有する。ハウジング20は、フロントフェイス1Aと、バックフェイス1Bと、サイドフェイス1C1〜1C4とを有する。フロントフェイス1Aは、ハウジング20の正面である。バックフェイス1Bは、ハウジング20の背面である。サイドフェイス1C1〜1C4は、フロントフェイス1Aとバックフェイス1Bとを接続する側面である。以下では、サイドフェイス1C1〜1C4を、どの側面であるかを特定することなく、サイドフェイス1Cと総称することがある。図4から図6に示したスマートフォン1の構成は例であり、本開示の要旨を損なわない範囲において適宜変更してよい。
スマートフォン1は、タッチスクリーンディスプレイ2と、ボタン3A〜3Cと、照度センサ4と、近接センサ5と、レシーバ7と、マイク8と、カメラ12とをフロントフェイス1Aに有する。スマートフォン1は、スピーカ11と、カメラ13とをバックフェイス1Bに有する。スマートフォン1は、ボタン3D〜3Fと、コネクタ14とをサイドフェイス1Cに有する。以下では、ボタン3A〜3Fを、どのボタンであるかを特定することなく、ボタン3と総称することがある。
タッチスクリーンディスプレイ2は、ディスプレイ2Aと、タッチスクリーン2Bとを有する。図4の例では、ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bはそれぞれ略長方形状であるが、ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bの形状はこれに限定されない。ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bは、それぞれが正方形又は円形等のどのような形状もとりうる。図4の例では、ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bは重なって位置しているが、ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bの位置はこれに限定されない。ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bは、例えば、並んで位置してもよいし、離れて位置してもよい。図4の例では、ディスプレイ2Aの長辺はタッチスクリーン2Bの長辺に沿っており、ディスプレイ2Aの短辺はタッチスクリーン2Bの短辺に沿っているが、ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bの重ね方はこれに限定されない。ディスプレイ2Aとタッチスクリーン2Bとが重なって位置する場合、例えば、ディスプレイ2Aの1ないし複数の辺は、タッチスクリーン2Bのいずれの辺とも沿っていなくてもよい。
ディスプレイ2Aは、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro−Luminescence Display)、又は無機ELディスプレイ(IELD:Inorganic Electro−Luminescence Display)等の表示デバイスを備える。ディスプレイ2Aは、文字、画像、記号、及び図形等のオブジェクトを表示することが可能である。
タッチスクリーン2Bは、タッチスクリーン2Bに対する指、ペン、又はスタイラスペン等の接触を検出することが可能である。タッチスクリーン2Bは、複数の指、ペン、又はスタイラスペン等がタッチスクリーン2Bに接触した位置を検出することができる。タッチスクリーン2Bの検出方式は、静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式(又は超音波方式)、赤外線方式、電磁誘導方式、及び荷重検出方式等の任意の方式でよい。以下の説明では、説明を簡単にするため、ユーザはスマートフォン1を操作するために指を用いてタッチスクリーン2Bに接触するものと想定する。
スマートフォン1は、タッチスクリーン2Bにより検出された接触、接触が検出された位置、接触が検出された位置の変化、接触が検出された間隔、及び接触が検出された回数の少なくとも1つに基づいて、タッチスクリーン2Bに対して行われる操作(ジェスチャ)を判別することが可能である。タッチスクリーン2Bに対して行われる操作は、例えば、タッチ、ロングタッチ、リリース、スワイプ、タップ、ダブルタップ、ロングタップ、ドラッグ、フリック、ピンチイン、及びピンチアウトを含むがこれらに限定されない。
次に、図7を用いて、本実施形態に係るスマートフォン1の機能的な構成について説明する。図7に示すスマートフォン1の構成は例であり、本開示の要旨を損なわない範囲において適宜変更してよい。
スマートフォン1は、タッチスクリーンディスプレイ2と、ボタン3と、照度センサ4と、近接センサ5と、通信ユニット(通信部)6と、レシーバ7と、マイク8と、ストレージ9と、コントローラ10と、スピーカ11と、カメラ12及びカメラ13と、コネクタ14と、加速度センサ15と、方位センサ16と、ジャイロスコープ17と、気圧センサ(位置検出部)18とを有する。
タッチスクリーンディスプレイ2は、上述したように、ディスプレイ2Aと、タッチスクリーン2Bとを有する。ディスプレイ2Aは、文字、画像、記号、又は図形等を表示することが可能である。タッチスクリーン2Bは、接触を検出することが可能である。タッチスクリーン2Bは、検出した接触に係る情報をコントローラ10に出力することが可能である。
ボタン3は、ユーザによって操作される。ボタン3は、ボタン3A〜ボタン3Fを有する。コントローラ10はボタン3と協働することによってボタン3に対する操作を検出することが可能である。ボタン3に対する操作は、例えば、クリック、ダブルクリック、トリプルクリック、プッシュ、及びマルチプッシュを含むが、これらに限定されない。
ボタン3A〜3Cは、例えば、ホームボタン、バックボタン及びメニューボタンである。ボタン3Dは、例えば、スマートフォン1のパワーオン/オフボタンである。ボタン3Dは、スリープ/スリープ解除ボタンを兼ねてもよい。ボタン3E及び3Fは、例えば、音量ボタンである。
照度センサ4は、スマートフォン1の周囲光の照度を検出することが可能である。照度は、光の強さ、明るさ、又は輝度を示す。照度センサ4は、例えば、ディスプレイ2Aの輝度の調整に用いられる。近接センサ5は、近隣の物体の存在を非接触で検出することが可能である。近接センサ5は、磁界の変化または超音波の反射波の帰還時間の変化等に基づいて物体の存在を検出することが可能である。近接センサ5は、例えば、タッチスクリーンディスプレイ2が顔に近付けられたことを検出する。照度センサ4及び近接センサ5は、一つのセンサとして構成されていてもよい。照度センサ4は、近接センサとして用いられてもよい。
通信ユニット6は、無線により通信することが可能である。本実施形態において、通信ユニット6は、少なくとも近距離無線の機能を備えている。通信ユニット6によってサポートされる通信方式は、無線通信規格である。通信ユニット6は、例えば、2G、3G、4G、5G等のセルラーフォンの通信規格をサポートしている。セルラーフォンの通信規格は、例えば、LTE、W−CDMA、CDMA2000、PDC、GSM(登録商標)、PHS等を含む。通信ユニット6は、例えば、WiMAX、IEEE802.11、Bluetooth(登録商標)、IrDA及びNFC等を含む無線通信規格をサポートしていてもよい。通信ユニット6は、上述した通信規格の1つ又は複数をサポートしていてもよい。
通信ユニット6は、有線による通信をサポートしてもよい。有線による通信は、例えば、イーサネット(登録商標)及びファイバーチャネル等を含む。
本実施形態において、通信ユニット6は、路側機110との通信を可能とするための通信規格をサポートしている。例えば、スマートフォン1は、通信ユニット6を介して路側機110と通信することにより、路側機110の情報を取得する。本実施形態において、通信ユニット6は、車両に搭載される通信機器との通信を可能とするための通信規格をサポートしてもよい。例えば、スマートフォン1は、通信ユニット6を介して車両と通信することにより、車両の情報を取得してもよい。
通信ユニット6は、歩道橋上に設置された路側機110から、歩道橋上の気圧値Bpを取得する。
レシーバ7及びスピーカ11は、音出力部である。レシーバ7及びスピーカ11は、コントローラ10から送信される音信号を音として出力することが可能である。レシーバ7は、例えば、通話時に相手の音声を出力するために用いられる。スピーカ11は、例えば、着信音及び音楽を出力するために用いられる。レシーバ7及びスピーカ11の一方が、他方の機能を兼ねてもよい。
マイク8は、音入力部である。マイク8は、ユーザの音声等を音信号へ変換してコントローラ10へ送信することが可能である。
ストレージ9は、プログラム及びデータを記憶することが可能である。ストレージ9は、コントローラ10の処理結果を一時的に記憶する作業領域としても利用される。ストレージ9は、半導体記憶媒体及び磁気記憶媒体等の任意の非一過的な記憶媒体を含んでよい。ストレージ9は、複数の種類の記憶媒体を含んでよい。ストレージ9は、メモリカード、光ディスク、又は光磁気ディスク等の可搬の記憶媒体と、記憶媒体の読み取り装置との組み合わせを含んでよい。ストレージ9は、RAM等の一時的な記憶領域として利用される記憶デバイスを含んでよい。
ストレージ9が記憶するプログラム及びデータの一部又は全部は、通信ユニット6による通信で他の装置からダウンロードされてもよい。ストレージ9が記憶するプログラム及びデータの一部又は全部は、ストレージ9に含まれる読み取り装置が読み取り可能な非一過的な記憶媒体に記憶されていてもよい。ストレージ9が記憶するプログラム及びデータの一部又は全部は、図示しないコネクタに接続される読み取り装置が読み取り可能な非一過的な記憶媒体に記憶されていてもよい。
ストレージ9に記憶されるプログラムには、フォアグランド又はバックグランドで実行されるアプリケーションと、アプリケーションの動作を支援する制御プログラムとが含まれる。アプリケーションは、例えば、ディスプレイ2Aに画面を表示させ、タッチスクリーン2Bを介して検出されるジェスチャに応じた処理をコントローラ10に実行させる。制御プログラムは、例えば、OSである。
ストレージ9は、例えば、制御プログラム9A、気圧データ9B及び設定データ9Zを記憶する。
設定データ9Zは、スマートフォン1の動作に関する各種の設定に関する情報を含む。
制御プログラム9Aは、スマートフォン1を稼働させるための各種制御に関する機能を提供する。制御プログラム9Aは、例えば、通信ユニット6、レシーバ7、及びマイク8等を制御することによって、スマートフォン1に通話を実現させる。制御プログラム9Aが提供する機能には、ディスプレイ2Aに表示する情報を制御する機能が含まれる。制御プログラム9Aが提供する機能には、タッチスクリーン2Bを介して検出された操作に応じて、ディスプレイ2Aに表示されている情報を変更する等の各種制御を行う機能が含まれる。制御プログラム9Aが提供する機能は、メールアプリケーション等の他のプログラムが提供する機能と組み合わせて利用されることがある。
制御プログラム9Aは、歩道橋に対する自機の位置が所定条件を満たす場合、路側機110から取得した歩道橋上の気圧値Bpに基づいて、気圧センサ18で検出する自機の周囲の大気圧の気圧値Xpのオフセット値C1oを、スマートフォン1に補正させる。より詳しくは、制御プログラム9Aは、歩道橋上の気圧値Bpと、気圧センサ18の検出結果である、歩道橋の最上部における自機の周囲の気圧値(以下、「歩道橋上の自機の周囲の気圧値」という)Xpとの差分ΔXBpをスマートフォン1に算出させる。算出された差分ΔXBpは、気圧センサ18の誤差である。
そして、制御プログラム9Aは、スマートフォン1に、算出された差分ΔXBpに所定の重み付け係数を乗じて得られる値をオフセット値C1oに加算させ、オフセット値C1oの補正値を算出させる。算出された差分ΔXBpに所定の重み付け係数を乗じることで、イレギュラーな測定がされたとしても、誤差が大幅に増大することを抑制することができる。
重み付け係数は、歩道橋上の気圧値Bpと歩道橋上の自機の周囲の気圧値Xpとの差分ΔXBpに基づいて、制御プログラム9Aで決定される。重み付け係数は、差分ΔXBpが所定値以上の場合、例えば、1[hPa]以上の場合、ゼロに決定される。重み付け係数は、差分ΔXBpが所定値未満の場合、例えば、1/10に決定される。
本実施形態では、制御プログラム9Aは、差分ΔXBpが所定値未満の場合、次の数式1で、オフセット値C1oの補正値を算出することができる。
C1o+(1/10)・ΔXBp・・・(1)
本実施形態では、制御プログラム9Aは、次の数式2で、オフセット値C1oの補正値に基づいて、補正後の自機の周囲の気圧値Xpaを算出することができる。
Xpa=Xp−(C1o+(1/10)・ΔXBp)・・・(2)
気圧データ9Bは、気圧センサ18の検出結果である自機の周囲の気圧値Xpの値のデータを含む。
コントローラ10は、演算処理装置である。演算処理装置は、以下に詳細に述べられるように、種々の機能を実行するための制御および処理能力を提供するために、少なくとも1つのプロセッサを含む。コントローラ10が含むプロセッサについては、上述した、路側機110の制御部120が含むプロセッサについての説明と同様のことが言える。本実施の形態では、演算処理装置は、例えば、CPU、SoC、MCU、及びFPGAを含むが、これらに限定されない。コントローラ10は、スマートフォン1の動作を統括的に制御して各種の機能を実現する。
コントローラ10は、ストレージ9に記憶されているデータを必要に応じて参照しつつ、ストレージ9に記憶されているプログラムに含まれる命令を実行する。そして、コントローラ10は、データ及び命令に応じて機能部を制御し、それによって各種機能を実現する。機能部は、例えば、ディスプレイ2A、通信ユニット6、レシーバ7、及びスピーカ11の少なくとも1つを含んでもよくこれらに限定されない。コントローラ10は、検出部の検出結果に応じて、制御を変更することがある。検出部は、例えば、タッチスクリーン2B、ボタン3、照度センサ4、近接センサ5、マイク8、カメラ12、カメラ13、加速度センサ15、方位センサ16、ジャイロスコープ17及び気圧センサ18の少なくとも1つを含んでもよいが、これらに限定されない。
コントローラ10は、スマートフォン1に対する操作を検出する。具体的には、コントローラ10は、タッチスクリーン2Bと協働することによって、タッチスクリーン2B(タッチスクリーンディスプレイ2)に対する操作を検出する。
コントローラ10は、例えば、制御プログラム9Aを実行することにより、タッチスクリーン2Bを介して検出された操作に応じて、ディスプレイ2Aに表示されている情報を変更する等の各種制御を実行する。
カメラ12は、フロントフェイス1Aに面している物体を撮影することが可能なインカメラである。カメラ13は、バックフェイス1Bに面している物体を撮影することが可能なアウトカメラである。
コネクタ14は、他の装置が接続される端子である。コネクタ14は、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標)(High−Definition Multimedia Interface)、ライトピーク(サンダーボルト(登録商標))及びイヤホンマイクコネクタのような汎用的な端子であってもよい。コネクタ14は、Dockコネクタのような専用の端子でもよい。コネクタ14に接続される装置は、例えば、外部ストレージ、スピーカ、及び通信装置を含むが、これらに限定されない。
加速度センサ15は、スマートフォン1に働く加速度の方向及び大きさを示す情報を検出することが可能である。方位センサ16は、地磁気の向きを示す情報を検出することが可能である。ジャイロスコープ17は、スマートフォン1の角度及び角速度の情報を検出することが可能である。加速度センサ15、方位センサ16及びジャイロスコープ17の検出結果は、例えば、スマートフォン1の位置及び姿勢の変化を検出するために、組み合わせて利用される。
図7に示した例では、スマートフォン1が位置及び姿勢を検出するために3種類のセンサを備えるが、スマートフォン1は、このうちの少なくとも一つのセンサを備えなくてもよい。あるいは、スマートフォン1は、位置及び姿勢の少なくとも1つを検出するための他の種類のセンサを備えてもよい。
気圧センサ18は、自機の周囲の気圧値Xpを検出する。気圧センサ18は、自機の数10[m]〜数[m]程度の鉛直方向の移動に伴う気圧値Xpの変化を検出可能な精度を有する。気圧センサ18は、ハウジング20の内部に配置されている。ハウジング20には、水は通過させないが空気を通過させる穴が設けられており、当該穴で、ハウジング20の内部と外部の気圧が連動している。これにより、気圧センサ18は、ハウジング20の内部に位置した状態で、自機の周囲の気圧値Xpを検出することが可能である。本実施形態では、気圧センサ18の検出精度は、路側機110の気圧センサ113の検出精度よりも低くなっている。そして、気圧センサ18は、検出した自機の周囲の気圧値Xpにオフセットを生じる。上記のオフセット値C1oは、このオフセットを示している。気圧センサ18に生じるオフセットは、例えば、温度及び天候などに起因する。気圧センサ18の検出結果はコントローラ10に入力される。気圧センサ18の検出結果は、ローパスフィルタなどのフィルタ処理が行われた後にコントローラ10に入力されてもよい。
次に、図8を用いて、スマートフォン1の制御方法及び制御プログラム9Aとその作用について説明する。
スマートフォン1は、コントローラ10でストレージ9に記憶されている制御プログラム9Aを実行することで、図8に示す機能を実現することができる。また、コントローラ10は、図8に示す処理手順と並行して、他の機能の処理手順を実行してもよい。図8に示される一連の処理は、例えば、定期的にあるいは不定期的に繰り返し実行される。
コントローラ10は、自機が歩道橋上の路側機110の通信エリア内であるか否かを判定する(ステップS11)。より詳しくは、コントローラ10は、自機が路側機110の所定距離内に近づくと、路側機110が無線で出力している情報を受信する。言い換えると、コントローラ10は、センサの検出結果に基づいて、通信可能な路側機110を検出した場合、路側機110が無線で送信している情報を受信する。通信可能とは、データを送受信できる信号が到達していることである。コントローラ10は、自機が路側機110の所定距離内に近づいたか否かを、例えば、路側機110が出力する無線信号の受信信号強度が所定の値以上であるか否かで判定してよい。具体的には、コントローラ10は、路側機110が出力する無線の受信信号強度が所定の値以上であるとき、自機が歩道橋上の路側機110の通信エリア内である(ステップS11でYes)と判定する。コントローラ10は、路側機110が出力する無線の受信信号強度が所定の値未満であるとき、自機が歩道橋上の路側機110の通信エリア内ではない(ステップS11でNo)と判定する。
ステップS11でYESと判定されると、コントローラ10は、自機の周囲の気圧を検出する(ステップS12)。本実施形態では、コントローラ10は、気圧センサ18をONにする。そして、コントローラ10は、気圧センサ18の検出結果である自機の周囲の気圧値Xpを取得する。そして、コントローラ10は、自機の周囲の気圧値Xpを気圧データ9Bとしてストレージ9に記憶する。コントローラ10は、気圧センサ18から、自機の周囲の気圧値Xpを繰り返し取得する。
ステップS11の後、コントローラ10は、自機が歩道橋の最上部にあるか否かを判定する(ステップS13)。より詳しくは、コントローラ10は、繰り返し取得する自機の周囲の気圧値Xpに基づいて、自機が歩道橋の最上部に位置するか否かを判定する。言い換えれば、コントローラ10は、気圧センサ18で検出した自機の周囲の気圧値Xpの変化に基づいて、歩道橋の平坦部を歩いているか否かを判定する。
ユーザが歩道橋を渡る場合における、自機の周囲の気圧値Xpの変化を説明する。ユーザが歩道橋の階段を昇っているとき、自機の周囲の気圧値Xpは階段状に減少する。ユーザが歩道橋をエレベータまたはスロープで昇っているとき、自機の周囲の気圧値Xpは直線状に減少する。ユーザが歩道橋の最上部の平坦部を歩いているとき、自機の周囲の気圧値Xpは略一定に保たれる。ユーザが歩道橋の階段を降りているとき、自機の周囲の気圧値Xpは階段状に増加する。ユーザが歩道橋をエレベータまたはスロープで降りているとき、自機の周囲の気圧値Xpは直線状に増加する。このように、自機の周囲の気圧値Xpの変化が、減少している状態から略一定に保たれる状態に転じると、ユーザが歩道橋の最上部の平坦部を歩いている、言い換えると、自機が歩道橋の最上部にあると判定することができる。
コントローラ10は、自機の周囲の気圧値Xpの変化が、減少している状態から略一定に保たれる状態に変わった場合、自機が歩道橋の最上部にある(ステップS13でYes)と判定する。コントローラ10は、自機の周囲の気圧値Xpの変化が、減少している状態から略一定に保たれる状態に変わり、かつ、略一定に保たれる状態で所定時間が経過した場合、自機が歩道橋の最上部にあると判定してもよい。コントローラ10は、自機の周囲の気圧値Xpの変化が、増加している状態または減少している状態である場合、自機が歩道橋の最上部ではない(ステップS13でNo)と判定する。
コントローラ10は、路側機110から歩道橋上の気圧値Bpを取得する(ステップS14)。本実施形態では、コントローラ10は、ステップS13において歩道橋の最上部の平坦部を歩いていると判定した場合、路側機110から歩道橋上の気圧値Bpを取得する。
ステップS14の後、コントローラ10は、気圧センサ18のオフセット値C1oの補正が必要か否かを判定する(ステップS15)。より詳しくは、コントローラ10は、歩道橋上の自機の周囲の気圧値Xpと、路側機110から取得した歩道橋上の気圧値Bpとに基づいて、気圧センサ18のオフセット値C1oの補正が必要であるか否かを判定する。例えば、コントローラ10は、歩道橋上の自機の周囲の気圧値Xpと、歩道橋上の気圧値Bpとの差分ΔXBpが所定値以上の場合、気圧センサ18のオフセット値C1oの補正が必要であると判定する(ステップS15でYes)。または、例えば、コントローラ10は、差分ΔXBpが第一所定値以上、かつ、当該第一所定値より大きい第二所定値未満の場合、気圧センサ18のオフセット値C1oの補正が必要であると判定してもよい(ステップS15でYes)。これは、差分ΔXBpが第二所定値以上の場合、言い換えると、差分ΔXBpが想定以上に大きい場合、歩道橋上の自機の周囲の気圧値Xpまたは歩道橋上の気圧値Bpのどちらかが不正な値であるおそれがあるため、気圧センサ18のオフセット値C1oの補正を行わないようにするためである。例えば、コントローラ10は、差分ΔXBpが所定値(あるいは第一所定値)未満の場合、気圧センサ18のオフセット値C1oの補正が必要ではないと判定する(ステップS15でNo)。
ステップS15でYESと判定されると、コントローラ10は、自機の気圧センサ18のオフセット値C1oの補正値を算出する(ステップS16)。より詳しくは、コントローラ10は、歩道橋上の気圧値Bpに基づいて、気圧センサ18のオフセット値C1oの補正値を算出する。コントローラ10は、差分ΔXBpに基づいて重み付け係数を決定する。コントローラ10は、差分ΔXBpに決定した重み付け係数を乗じて得られる値をオフセット値C1oに加算し、オフセット値C1oの補正値を算出する。
このようにして、コントローラ10で、歩道橋上の気圧値Bpに基づいて、気圧センサ18のオフセット値C1oの補正値が算出され、気圧センサ18に対する補正が実行される。
上記実施形態によれば、スマートフォン1は、路側機110から取得した歩道橋上の気圧値Bpに基づいて、気圧センサ18のオフセット値C1oを補正することができる。そして、スマートフォン1は、数式2を用いて、オフセット値C1oの補正値に基づいて、補正後の自機の周囲の気圧値Xpaを算出することができる。これにより、スマートフォン1は、気圧センサ18で自機の周囲の気圧値Xpをより正確に取得することができる。このように、スマートフォン1は、気圧センサ18の検出結果の誤差を低減することができる。
スマートフォン1は、差分ΔXBpに所定の重み付け係数を乗じて得られる値をオフセット値C1oに加算して、オフセット値C1oの補正値を算出する。これにより、スマートフォン1は、イレギュラーな測定によって、歩道橋上の気圧値Bpまたは歩道橋上の自機の周囲の気圧値Xpが得られたとしても、誤差が大幅に増大する可能性を低減することができる。なお、スマートフォン1は、重み付け係数を使用せずに差分ΔXBpをそのままオフセット値C1oに加算して、オフセット値C1oの補正値を算出してもよい。
スマートフォン1は、例えば、ユーザによるアプリケーションのアップデートを含むメンテナンスが行われなくても、ユーザが自機を携帯して歩道橋を渡るたびに、路側機110から取得した歩道橋上の気圧値Bpに基づいて、気圧センサ18のオフセット値C1oを補正することができる。このように、スマートフォン1は、ユーザの操作によらず、気圧センサ18のオフセット値C1oを補正することができる。
スマートフォン1は、歩道橋上の路側機110の通信エリア内に入ったときだけ、気圧センサ18をONにして自機の周囲の気圧を検出することが好ましい。これにより、スマートフォン1は、気圧センサ18で自機の周囲の気圧を常時検出する場合に比べて、自機の消費電力を低減することができる。
[第二実施形態]
図9、図10を用いて、本実施形態に係るスマートフォン1を含む制御システム100について説明する。制御システム100は、基本的な構成は第一実施形態の制御システム100と同様である。以下の説明においては、制御システム100と同様の構成要素には、同一の符号または対応する符号を付し、その詳細な説明は省略する。本実施形態は、コントローラ10において、スマートフォン1の気圧センサ18の感度を補正する感度補正値(補正値)C1sを算出する点が第一実施形態と異なる。
路側機110の制御プログラム112Aは、路側機110に、気圧センサ113で検出した気圧値Apと、路側機110の海抜Ahと、歩道橋の海抜Bhと、道路での、歩道橋が存在する地点の海抜Chとに基づいて、歩道橋下の道路の気圧値Cpを算出させる。
路側機110は、自機の識別情報とともに、例えば、歩道橋上の気圧値Bp及び道路の気圧値Cpを、通信部111を介して無線で出力する。
制御プログラム9Aは、歩道橋に対する自機の位置が所定条件を満たす場合、スマートフォン1に、路側機110から取得した歩道橋上の気圧値Bp及び道路の気圧値Cpに基づいて、気圧センサ18の感度補正値C1sを算出させる。より詳しくは、制御プログラム9Aは、スマートフォン1に、歩道橋上の気圧値Bp及び道路の気圧値Cpと、道路から歩道橋を最上部まで昇ったときの自機の周囲の気圧値Xpの変化量ΔXpとに基づいて、気圧センサ18の感度補正値C1sを算出させる。
ここで、歩道橋上の気圧値Bpと道路の気圧値Cpとの差分を基準変化量ΔBCpとする。基準変化量ΔBCpは、道路から歩道橋を最上部まで昇ったときの、自機の周囲の気圧値Xpの変化量ΔXpのあるべき値であると言える。基準変化量ΔBCpと、自機の周囲の気圧値Xpの変化量ΔXpとの差分は、気圧センサ18の感度誤差である。
本実施形態では、制御プログラム9Aは、次の数式3で、感度補正した、補正後の自機の周囲の気圧値Xpaを算出することができる。
Xpa=Xp*C1s・・・(3)
感度補正値C1sは、次の数式4で算出できる。
C1s=ΔBCp/ΔXp・・・(4)
次に、図10を用いて、スマートフォン1の制御方法及び制御プログラム9Aとその作用について説明する。図10に示される一連の処理は、例えば、定期的にあるいは不定期的に繰り返し実行される。ステップS21〜ステップS24は、図8に示すフローチャートのステップS11〜ステップS14と同様の処理である。
ステップS24の後、コントローラ10は、気圧センサ18の感度補正が必要か否かを判定する(ステップS25)。より詳しくは、コントローラ10は、気圧センサ18の検出結果である自機の周囲の気圧値Xpの変化量ΔXpと、路側機110から取得した歩道橋上の気圧値Bp及び道路の気圧値Cpとに基づいて、気圧センサ18の感度補正が必要であるか否かを判定する。例えば、コントローラ10は、歩道橋上の気圧値Bpと道路の気圧値Cpとの差分である基準変化量ΔBCpと、自機の周囲の気圧値Xpの変化量ΔXpとの差分である感度誤差が所定値以上の場合、気圧センサ18の感度補正が必要であると判定する(ステップS25でYes)。または、例えば、コントローラ10は、感度誤差が第一所定値以上、かつ、当該第一所定値より大きい第二所定値未満の場合、気圧センサ18の感度補正が必要であると判定してもよい(ステップS25でYes)。これは、感度誤差が第二所定値以上の場合、言い換えると、感度誤差が想定以上に大きい場合、歩道橋上の自機の周囲の気圧値Xpまたは歩道橋上の気圧値Bpのどちらかが不正な値であるおそれがあるため、気圧センサ18の感度補正を行わないようにするためである。例えば、コントローラ10は、感度誤差が所定値未満の場合、気圧センサ18の感度補正が必要ではないと判定する(ステップS25でNo)。
ステップS25でYESと判定されると、コントローラ10は、自機の気圧センサ18の感度補正値C1sを算出する(ステップS26)。より詳しくは、コントローラ10は、自機の周囲の気圧値Xpの変化量ΔXpと、基準変化量ΔBCpとの差分に基づいて、自機の感度補正値C1sを算出する。
このようにして、コントローラ10は、路側機110から取得した歩道橋上の気圧値Bp及び道路の気圧値Cpに基づいて、気圧センサ18の感度補正値C1sを算出し、算出した感度補正値C1sを用いて気圧センサ18に対する補正を実行する。
上記実施形態によれば、スマートフォン1は、路側機110から取得した歩道橋上の気圧値Bp及び道路の気圧値Cpに基づいて、気圧センサ18の感度補正値C1sを算出することができる。そして、スマートフォン1は、数式3を用いて、算出した感度補正値C1sに基づいて、補正後の自機の周囲の気圧値Xpaを算出することができる。これにより、スマートフォン1は、気圧センサ18で自機の周囲の気圧値Xpをより正確に取得することができる。このように、スマートフォン1は、気圧センサ18の検出結果の誤差を低減することができる。
スマートフォン1は、例えば、ユーザによるアプリケーションのアップデートを含むメンテナンスが行われなくても、ユーザが自機を携帯して歩道橋を渡るたびに、路側機110から取得した歩道橋上の気圧値Bp及び道路の気圧値Cpに基づいて、気圧センサ18の感度補正値C1sを算出することができる。このように、スマートフォン1は、ユーザの操作によらず、気圧センサ18の感度補正値C1sを算出することができる。
[第三実施形態]
図11を用いて、本実施形態に係る路側機110を含む制御システム100について説明する。本実施形態は、路側機110で、スマートフォン(携帯電子機器)1の気圧センサ18のオフセット値C1oの補正値を算出する点が第一実施形態と異なる。
路側機110の通信部111は、スマートフォン1と通信を行い、スマートフォン1の識別情報とスマートフォン1の周囲の気圧値Xpとを含む気圧データ9Bを受信する。
制御プログラム112Aは、路側機110に、スマートフォン1から取得したスマートフォン1の周囲の気圧値Xpに基づいて、歩道橋に対するスマートフォン1の位置が所定条件を満たす場合、スマートフォン1の気圧センサ18のオフセット値C1oの補正値を算出させる。制御プログラム112Aは、路側機110に、気圧センサ18のオフセット値C1oの補正値をスマートフォン1に対して送信させる。
スマートフォン1は、通信ユニット6を介して路側機110と通信することにより、路側機110に、自機の周囲の気圧値Xpを送信する。
制御プログラム9Aは、スマートフォン1に、通信ユニット6を介して、自機の周囲の気圧値Xpを路側機110に対して送信させる。
次に、路側機110の制御方法及び制御プログラム112Aとその作用について説明する。
路側機110は、制御部120で記憶部112に記憶されている制御プログラム112Aを実行することで、図11に示す機能を実現することができる。また、制御部120は、図11に示す処理手順と並行して、他の機能の処理手順を実行してもよい。図11に示される一連の処理は、例えば、定期的にあるいは不定期的に繰り返し実行される。
制御部120は、歩道橋上の路側機110の通信エリア内に存在するスマートフォン1の有無を判定する(ステップS31)。より詳しくは、スマートフォン1が路側機110の所定距離内に近づくと、路側機110が無線で出力している情報がスマートフォン1で受信される。スマートフォン1は、路側機110からの情報を受信すると、応答信号を路側機110に送信する。路側機110では、制御部120は、通信部111が応答信号を受信すると、路側機110が無線で出力している情報がスマートフォン1で受信されたと判定する。制御部120は、路側機110が無線で出力している情報がスマートフォン1で受信されたと判定すると、歩道橋上の路側機110の通信エリア内にスマートフォン1が存在する(ステップS31でYes)と判定する。一方で、制御部120は、通信部111が応答信号を受信しない場合、つまり、路側機110が無線で出力している情報がスマートフォン1で受信されていない場合、歩道橋上の路側機110の通信エリア内にスマートフォン1が存在しない(ステップS31でNo)と判定する。
ステップS31でYESと判定されると、制御部120は、スマートフォン1に周囲の気圧を検出させる(ステップS32)。より詳しくは、制御部120は、スマートフォン1に気圧センサ18をONにさせる。そして、制御部120は、スマートフォン1に気圧センサ18でスマートフォン1の周囲の気圧を検出させる。そして、制御部120は、スマートフォン1に、スマートフォン1の周囲の気圧値Xpを気圧データ9Bとしてストレージ9に記憶させる。スマートフォン1は、気圧値Xpを繰り返し取得する。
ステップS32の後、制御部120は、スマートフォン1から、当該スマートフォン1で繰り返し取得された気圧値Xpを取得する(ステップS33)。
ステップS33の後、制御部120は、スマートフォン1が歩道橋の最上部にあるか否かを判定する(ステップS34)。より詳しくは、制御部120は、ステップS33で取得したスマートフォン1の周囲の気圧値Xpに基づいて、スマートフォン1が歩道橋の最上部に位置するか否かを判定する。制御部120は、スマートフォン1の周囲の気圧値Xpの変化に基づいて、歩道橋の平坦部を歩いているか否かを判定する。
制御部120は、スマートフォン1の周囲の気圧値Xpの変化が、減少している状態から略一定に保たれる状態に変わった場合、スマートフォン1が歩道橋の最上部にある(ステップS34でYes)と判定する。制御部120は、スマートフォン1の周囲の気圧値Xpの変化が、減少している状態から略一定に保たれる状態に変わり、かつ、略一定に保たれる状態で所定時間が経過した場合、スマートフォン1が歩道橋の最上部にあると判定してもよい。制御部120は、スマートフォン1の周囲の気圧値Xpの変化が、増加している状態または減少している状態である場合、スマートフォン1が歩道橋の最上部ではない(ステップS34でNo)と判定する。
ステップS34でYESと判定されると、制御部120は、スマートフォン1の気圧センサ18がオフセット値C1oの補正が必要か否かを判定する(ステップS35)。より詳しくは、制御部120は、スマートフォン1から取得した、歩道橋の最上部におけるスマートフォン1の周囲の気圧値Xpと、歩道橋上の気圧値Bpとに基づいて、気圧センサ18のオフセット値C1oの補正が必要であるか否かを判定する。例えば、制御部120は、歩道橋の最上部におけるスマートフォン1の周囲の気圧値Xpと、歩道橋上の気圧値Bpとの差分ΔXBpが所定値以上の場合、気圧センサ18のオフセット値C1oの補正が必要であると判定する(ステップS35でYes)。または、例えば、制御部120は、差分ΔXBpが第一所定値以上、かつ、当該第一所定値より大きい第二所定値未満の場合、気圧センサ18のオフセット値C1oの補正が必要であると判定してもよい(ステップS35でYes)。例えば、制御部120は、差分ΔXBpが所定値(あるいは第一所定値)未満の場合、気圧センサ18のオフセット値C1oの補正が必要ではないと判定する(ステップS35でNo)。
ステップS35においてYESと判定されると、制御部120は、スマートフォン1の気圧センサ18のオフセット値C1oの補正値を算出する(ステップS36)。より詳しくは、制御部120は、歩道橋上の気圧値Bpに基づいて、気圧センサ18のオフセット値C1oの補正値を算出する。制御部120は、差分ΔXBpに基づいて重み付け係数を決定する。制御部120は、差分ΔXBpに決定した重み付け係数を乗じて得られる値をオフセット値C1oに加算し、オフセット値C1oの補正値を算出する。
ステップS36の後、制御部120は、スマートフォン1に対して、スマートフォン1の気圧センサ18のオフセット値C1oの補正値を送信する(ステップS37)。そして、スマートフォン1においては、気圧センサ18のオフセット値C1oの補正値に基づいて、気圧センサ18に対する補正が実行される。
このようにして、路側機110の制御部120は、歩道橋上の気圧値Bpに基づいて、スマートフォン1の気圧センサ18のオフセット値C1oの補正値を算出し、スマートフォン1は、算出された当該補正値に基づいて気圧センサ18に対する補正を実行する。
上記実施形態によれば、路側機110は、歩道橋上の気圧値Bpに基づいて、スマートフォン1の気圧センサ18のオフセット値C1oを補正することができる。これにより、スマートフォン1は、気圧センサ18に対する補正を実行することができ、その結果、気圧センサ18で自機の周囲の気圧値Xpをより正確に取得することができる。このように、スマートフォン1は、気圧センサ18の検出結果の誤差を低減することができる。なお、路側機110は、重み付け係数を使用せずに差分ΔXBpをそのままオフセット値C1oに加算して、オフセット値C1oの補正値を算出してもよい。
[第四実施形態]
図12を用いて、本実施形態に係る路側機110を含む制御システム100について説明する。本実施形態は、路側機110で、気圧センサ113のオフセット値C2oの補正値を算出する点が第三実施形態と異なる。
本実施形態では、路側機110の気圧センサ113の検出精度は、スマートフォン1の気圧センサ18の検出精度よりも低くなっている。そして、気圧センサ113は、検出した路側機110の周囲の気圧値Apにオフセットを生じる。気圧センサ113に生じるオフセットは、例えば、温度及び天候などに起因する。オフセット値C2oは、このオフセットを示している。
制御プログラム112Aは、路側機110に、スマートフォン1から取得した、歩道橋の最上部におけるスマートフォン1の周囲の気圧値Xpに基づいて、歩道橋に対するスマートフォン1の位置が所定条件を満たす場合、気圧センサ113のオフセット値C2oの補正値を算出させる。
スマートフォン1は、通信ユニット6を介して路側機110と通信することにより、路側機110に、自機の周囲の気圧値Xpを含む気圧データ9Bを送信する。
制御プログラム9Aは、スマートフォン1に、通信ユニット6を介して、自機の周囲の気圧値Xpを含む気圧データ9Bを路側機110に対して送信させる。
次に、路側機110の制御方法及び制御プログラム112Aとその作用について説明する。ステップS41〜ステップS44は、図11に示すフローチャートのステップS31〜ステップS34と同様の処理を行う。図12に示される一連の処理は、例えば、定期的にあるいは不定期的に繰り返し実行される。ステップS41〜ステップS44は、図11に示すフローチャートのステップS31〜ステップS34と同様の処理である。
ステップS44でYESと判定されると、制御部120は、気圧センサ113のオフセット値C2oの補正が必要か否かを判定する(ステップS45)。より詳しくは、制御部120は、スマートフォン1から取得した、歩道橋の最上部におけるスマートフォン1の周囲の気圧値Xpと、歩道橋上の気圧値Bpとに基づいて、気圧センサ113のオフセット値C2oの補正が必要であるか否かを判定する。例えば、制御部120は、歩道橋の最上部におけるスマートフォン1の周囲の気圧値Xpと、歩道橋上の気圧値Bpとの差分ΔXBpが所定値以上の場合、気圧センサ113のオフセット値C2oの補正が必要であると判定する(ステップS45でYes)。
または、例えば、制御部120は、差分ΔXBpが第一所定値以上、かつ、当該第一所定値より大きい第二所定値未満の場合、気圧センサ113のオフセット値C2oの補正が必要であると判定してもよい(ステップ45でYes)。例えば、制御部120は、差分ΔXBpが所定値(あるいは第一所定値)未満の場合、気圧センサ113のオフセット値C2oの補正が必要ではないと判定する(ステップS45でNo)。
ステップS45でYESと判定されると、制御部120は、気圧センサ113のオフセット値C2oの補正値を算出する(ステップS46)。より詳しくは、制御部120は、歩道橋の最上部におけるスマートフォン1の周囲の気圧値Xpに基づいて、気圧センサ113のオフセット値C2oの補正値を算出する。制御部120は、差分ΔXBpに基づいて重み付け係数を決定する。制御部120は、差分ΔXBpに決定した重み付け係数を乗じて得られる値をオフセット値C2oに加算し、オフセット値C2oの補正値を算出する。本実施形態では、決定した重み付け係数を1/10000とすると、制御部120は、次の数式5で、オフセット値C2oの補正値を算出することができる。
C2o+(1/10000)・ΔXBp・・・(5)
このようにして、制御部120は、歩道橋の最上部におけるスマートフォン1の周囲の気圧値Xpに基づいて、気圧センサ113のオフセット値C2oの補正値を算出し、算出した当該補正値に基づいて、気圧センサ113に対する補正を実行する。
上記実施形態によれば、路側機110は、歩道橋の最上部におけるスマートフォン1の周囲の気圧値Xpに基づいて、気圧センサ113のオフセット値C2oの補正値を算出することができる。このように、路側機110は、気圧センサ113に対する補正が実行されることで、気圧センサ113で歩道橋上の気圧値Bpをより正確に取得することができる。このように、路側機110は、気圧センサ113の検出結果の誤差を低減することができる。
路側機110は、例えば、気圧センサ113の点検を含むメンテナンスが行われなくても、スマートフォン1を携帯したユーザが歩道橋を渡るたびに、気圧センサ113のオフセット値C2oを補正することができる。なお、路側機110は、重み付け係数を使用せずに差分ΔXBpをそのままオフセット値C2oに加算して、オフセット値C2oの補正値を算出してもよい。
[第五実施形態]
図13を用いて、本実施形態に係る路側機110を含む制御システム100について説明する。本実施形態は、スマートフォン1の気圧センサ18の感度補正がされている場合、気圧センサ113のオフセット値C2oの補正値を算出する点が第四実施形態と異なる。
制御プログラム112Aは、路側機110に、歩道橋に対するスマートフォン1の位置が所定条件を満たす場合であって、かつ、スマートフォン1の気圧センサ18の感度補正がされている場合、スマートフォン1から取得した、歩道橋の最上部におけるスマートフォン1の周囲の気圧値Xpに基づいて、気圧センサ113のオフセット値C2oの補正値を算出させる。
スマートフォン1は、通信ユニット6を介して路側機110と通信することにより、路側機110に、自機の周囲の気圧値Xpを含む気圧データ9Bとともに設定データ9Zを送信する。
設定データ9Zは、気圧センサ18の感度補正がされた場合、「感度補正済」である旨を示す情報を含む。設定データ9Zには、気圧センサ18の感度補正が不要な場合にも、「感度補正済」である旨を示す情報が含められる。
制御プログラム9Aは、スマートフォン1に、通信ユニット6を介して、自機の周囲の気圧値Xpを含む気圧データ9Bとともに設定データ9Zを路側機110に対して送信させる。
次に、図13を用いて、路側機110の制御方法及び制御プログラム112Aとその作用について説明する。ステップS51〜ステップS55、ステップS57は、図12に示すフローチャートのステップS41〜ステップS45、ステップS46と同様である。図13に示される一連の処理は、例えば、定期的にあるいは不定期的に実行される。
ステップS55でYESと判定されると、制御部120は、感度補正がされているか否かを判定する(ステップS56)。より詳しくは、制御部120は、スマートフォン1から取得した設定データ9Zに基づいて、スマートフォン1の気圧センサ18の感度補正がされているか否かを判定する。制御部120は、感度補正がされていると判定された場合(ステップS56でYes)、ステップS57に進む。制御部120は、感度補正がされていないと判定された場合(ステップS56でNo)、処理を終了する。
このようにして、制御部120は、スマートフォン1の気圧センサ18の感度補正がされている場合、歩道橋の最上部におけるスマートフォン1の周囲の気圧値Xpに基づいて、気圧センサ113のオフセット値C2oの補正値を算出する。
上記実施形態によれば、路側機110は、スマートフォン1の気圧センサ18の感度補正がされている場合、歩道橋の最上部におけるスマートフォン1の周囲の気圧値Xpに基づいて、気圧センサ113のオフセット値C2oの補正値を算出することができる。これにより、路側機110は、スマートフォン1の気圧センサ18の感度が正しい場合に、路側機110の気圧センサ113のオフセット値C2oの補正値を算出することができる。これにより、路側機110は、気圧センサ113で歩道橋上の気圧値Bpをより正確に取得することができる。言い換えると、路側機110は、気圧センサ113の検出結果の誤差を低減することができる。
本出願の開示する実施形態は、本開示の要旨及び範囲を逸脱しない範囲で変更することができる。さらに、本出願の開示する実施形態及びその変形例は、適宜組み合わせることができる。例えば、上記の実施形態は、以下のように変形してもよい。
携帯電子機器の例として、スマートフォンについて説明したが、添付の請求項に係る装置は、スマートフォンに限定されない。添付の請求項に係る装置は、スマートフォン以外の携帯電子機器であってもよい。携帯電子機器は、例えば、モバイルフォン、タブレット、携帯型パソコン、デジタルカメラ、メディアプレイヤ、電子書籍リーダ、ナビゲータ、及びゲーム機を含むが、これらに限定されない。
スマートフォン1のユーザの一例として、歩行者について説明したが、自転車に乗車しているユーザであってもよい。
上記の実施形態において、スマートフォン1の周囲の気圧値Xpは、ユーザの足元からスマートフォン1の高さを考慮せずに説明した。ユーザの足元からスマートフォン1の高さを考慮して、歩道橋の最上部におけるスマートフォン1の周囲の気圧値Xpをより正確に算出するようにしてもよい。例えば、スマートフォン1のディスプレイ2Aに画面が表示されている場合、スマートフォン1の高さは、ユーザの胸の高さとしてもよい。または、例えば、スマートフォン1の移動状態が自転車であると判定された場合、スマートフォン1の高さは、自転車のかごの高さとしてもよい。
歩道橋に対する路側機110の高さを一律に所定値とすれば、路側機110の海抜Ahが不要となる。これにより、路側機110の海抜Ahを登録する手間を削減できる。また、登録時に誤設定が行われる可能性を低減することができる。
さらに、道路に対する歩道橋の高さを一律に所定値とすれば、事前の高さ情報の登録が不要となる。また、登録時に誤設定が行われる可能性を低減することができる。
歩道橋を渡る場合における、スマートフォン1の周囲の気圧値Xpの変化をあらかじめリスト化して記憶し、歩道橋を通常通り渡り切ったユーザについて、図12に示すフローチャートのステップS44以降の処理を行うようにしてもよい。これにより、歩道橋で立ち止まっていたユーザや、歩道橋を途中で引き返したユーザを除き、歩道橋を通常通り渡り切ったユーザのスマートフォン1の周囲の気圧値Xpに基づいて、気圧センサ113のオフセット値C2oの補正値を算出することができる。このため、気圧センサ113のオフセット値C2oの補正値をより正確に算出することができる。
気圧センサ113及び気圧センサ18で測定された気圧値の誤差には、オフセット値あるいは感度補正で補正できない非線形のリニアリティ誤差が含まれることがある。そこで、気圧センサ113及び気圧センサ18のそれぞれについて、例えば、1000[hPa]、900[hPa]等の各測定値に対応する補正値をリスト化して記憶しておくことで、リニアリティ誤差を補正することができる。
リニアリティ誤差は、例えば、次の数式6で補正できる。
Xpa=Xp+f(Xp)・・・(6)
数式6において、Xpaは補正後の気圧値、Xpは補正前の気圧値、f(Xp)は、リスト化して記憶しておいた、各測定値に対応する補正値の分布を近似する関数である。近似関数f(Xp)は、測定値に対応する補正値の分布を多項式近似などして算出してよい。
気圧センサ113及び気圧センサ18で測定された気圧値は、温度特性による誤差が含まれていることがある。各温度に応じた補正値をあらかじめリスト化して記憶することで、温度特性も補正することができる。このため、気圧センサ113のオフセット値C2oの補正値をより正確に算出することができる。
温度特性による気圧値の誤差は、例えば、次の数式7で補正できる。
Xpa=Xp+f(Xp,Xt)・・・(7)
数式7において、Xpaは補正後の気圧値、Xpは補正前の気圧値、Xtは温度、f(Xp,Xt)は、各温度に応じた補正値の分布を近似する関数である。近似関数f(Xp,Xt)は、各温度に応じた補正値の分布を多項式近似などして算出してよい。
添付の請求項に係る技術を明瞭に開示するために特徴的な実施形態に関し記載してきた。しかし、添付の請求項は、上記実施形態に限定されるべきものでなく、本明細書に示した基礎的事項の範囲内で当該技術分野の当業者が創作しうるすべての変形例及び代替可能な構成を具現化するように構成されるべきである。