JP6604230B2 - 電力変換装置および地絡検出方法 - Google Patents
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Description
本実施の形態には、少なくとも以下のものが含まれる。
上記の電力変換装置によれば、漏洩電流が検出されたが、その原因が実は地絡ではなく直流電源の電圧の変化によって生じたものである場合(たとえば日照変化による太陽光発電パネルの出力電圧の変化など)に、これを地絡として誤検出することを防止できる。電圧センサおよび漏洩電流センサは、元来、電力変換装置に装備されるセンサである。したがって、この電力変換装置によれば、新たなセンサ等を搭載するためのコストアップを抑えつつ地絡の誤検出を防止することができる。
この場合、第1の閾値および変化量閾値として適切な値を設定することにより、地絡を高精度に検出し、また、誤検出を防止することができる。
この場合、通常想定される電圧の急激な変化では起こり得ない漏洩電流検出値の場合に、迅速に地絡と判定することができる。
前記電圧センサの電圧検出値および漏洩電流センサからの漏洩電流検出値を受け付ける制御部と、を備え、制御部は、漏洩電流検出値と、電圧検出値の変化量に応じて変化する閾値とを比較して地絡の発生の有無を判定する、電力変換装置。
上記の電力変換装置によれば、漏洩電流が検出されたが、その原因が実は地絡ではなく直流電源の電圧の変化によって生じたものである場合(たとえば日照変化による太陽光発電パネルの出力電圧の変化など)に、これを地絡として誤検出することを防止できる。電圧センサおよび漏洩電流センサは、元来、電力変換装置に装備されるセンサである。したがって、この電力変換装置によれば、新たなセンサ等を搭載するためのコストアップを抑えつつ地絡の誤検出を防止することができる。
この構成によれば、漏洩電流が検出されたが、その原因が実は地絡ではなく直流電源の電圧の変化によって生じたものである場合(たとえば日照変化による太陽光発電パネルの出力電圧の変化など)に、これを地絡として誤検出することを防止できる。電圧センサおよび漏洩電流センサは、元来、電力変換装置に装備されるセンサである。したがって、この電力変換装置によれば、新たなセンサ等を搭載するためのコストアップを抑えつつ地絡の誤検出を防止することができる。なお、フィルタリング処理部はソフトウェアによって実現できるが、ハードウェアにより実現してもよい。
以下に、図面を参照しつつ、好ましい実施の形態について説明する。
<全体構成>
図1は、本実施の形態にかかる電力変換装置(パワーコンディショナ)100の回路構成の一例を表した図である。本実施の形態にかかる電力変換装置100は、たとえば太陽光発電パネル80などの再生可能エネルギーに基づく直流電源と商用電力系統70との間に設けられる。
第1の電圧センサ22は、電力変換装置100に接続された太陽光発電パネル80が出力し、昇圧回路30に入力される直流電力の直流入力電圧検出値Vg(直流入力電圧値)を検出する。第1の電圧センサ22は、検出値Vgを示すセンサ信号を制御部10に出力する。検出値Vgは、当該電力変換装置100に接続された太陽光発電パネル80にて生成される電力の電圧を表している。
第1の電流センサ24は、直流リアクトル31に流れる電流である昇圧回路電流検出値Iin(直流入力電流値)を検出する。第1の電流センサ24は、検出値Iinを示すセンサ信号を制御部10に出力する。
制御部10は、検出値Vgおよび検出値Iinから入力電力Pinを演算し、昇圧回路30を制御して太陽光発電パネル80に対するMPPT(Maximum Power Point Tracking:最大電力点追従)制御を行う。
スイッチング素子51a〜51dはそれぞれ制御部10に接続されており、制御部10によって制御される。制御部10は、各スイッチング素子51a〜51dの動作をPWM(Pulse Width Modulation)制御する。これにより、インバータ回路50は、昇圧回路30から与えられる電力を交流電力に変換する。
制御部10は、第1の電圧センサ22によって検出された電圧の検出値Vgおよび差分|Vggr|を用いて、後述する地絡判定処理を行う。
本実施の形態にかかる電力変換装置100は、図1に表されたように、センサ60を用いてインバータ回路50と商用電力系統70とをつなぐU相およびW相のACバス間の電流の差分|Vggr|を検出している。一般的な地絡判定においては、差分|Vggr|が閾値を超えた場合に地絡が生じていると判定される。
なお、変化後の生成電圧で対地静電容量Cが充電されると、電流は流れなくなる。しかしながら、誤検出を抑制するために電流が流れなくなるのを待っていると、本当の地絡の場合は検出が遅れてしまう。一方、本当に地絡が生じた場合、太陽光発電パネル80内の電圧発生部位の対地絶縁抵抗は、たとえば正常値の数MΩから数kΩまで低下する。その結果、差分|Vggr|の値は相応に大きな値となる。
上記した誤検出を回避するために、本実施の形態にかかる電力変換装置100は、漏洩電流測定用のセンサ60での検出結果に加えて、電力変換装置100に接続された太陽光発電パネル80における電圧変動を考慮して地絡を判定する。
変化量dVg/dtが閾値△V以上である場合、地絡ではなく太陽光発電パネル80における電圧変動によってU相とW相との電流値の不均衡が生じていると判断し得る。そこで、制御部10は、この場合は地絡と判定しない。
変化量dVg/dtが閾値△Vよりも小さい場合には、太陽光発電パネル80における電圧変動によるU相とW相との電流値の不均衡が生じていない状態において電力変換装置100のU相およびW相のACバス間に電流の差分|Vggr|が閾値V1以上生じているために、地絡が生じていると判定し得る。そこで、制御部10は、この場合に地絡と判定する。
図2は、制御部10において行われる地絡判定処理の流れ、すなわち、電力変換装置100での地絡の検出方法を表すフローチャートである。
好ましくは、制御部10は、地絡の可能性をより高く示す閾値V2を予め記憶していて、差分|Vggr|が閾値V1以上であった場合(ステップS101でYES)、さらに、差分|Vggr|と閾値V2とを比較する(ステップS103)。そして、差分|Vggr|が閾値V2より小さい場合に(ステップS103でNO)、変化量dVg/dtと閾値△Vとを比較する(ステップS107)。差分|Vggr|が閾値V2以上であった場合には(ステップS103でYES)、制御部10は地絡と判定する(ステップS105)。
一方、変化量dVg/dtと閾値△Vとの比較の結果、変化量dVg/dtが閾値△Vより小さい場合、つまり、差分|Vggr|が閾値V1以上であり、かつ、変化量dVg/dtが閾値△Vより小さい場合に(ステップS101でYES、かつ、ステップS107でNO)、制御部10は地絡と判定する(ステップS111)。
本実施の形態にかかる電力変換装置100では、当該電力変換装置100から商用電力系統70に供給される交流電力の漏洩の検出値が閾値に達した場合に、たとえば太陽光発電パネル80などである再生可能エネルギー発電システムから昇圧回路30に供給される直流電力の電圧検出値の変化量をさらに用いて地絡の発生の有無が判定される。電力変換装置100において上記交流電力の漏洩が検出された場合であっても、その原因が、実は、地絡ではなく太陽光発電パネル80などの直流電源の電圧の変化によって生じたものである場合がある。この場合にも、上記の判定が行われることで地絡として誤検出することが防止される。また、太陽光発電パネル80から供給される直流電力の電圧を検出するためのセンサや、漏洩電流を検出するためのセンサは、元来、電力変換装置に装備されるセンサである。したがって、本実施の形態にかかる電力変換装置100では、地絡検出のための新たなセンサ等を搭載するためのコストアップを抑えつつ地絡の誤検出を防止することができる。
以下の説明では、第1の実施の形態と同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も第1の実施の形態で表されたものと同じである。したがって、これらの説明は繰り返さない。続く第3の実施の形態においても同様である。
言い換えると、制御部10は、差分|Vggr|から変化量dVg/dtの絶対値|dVg/dt|に所定の定数Cを乗じて得られる値を減じた値(|Vggr|−C・|dVg/dt|)を予め記憶している閾値V1と比較し、閾値V1以上である場合に地絡と判定する。
なお、上記の閾値は、さらに、太陽光発電パネル80から昇圧回路30に入力される直流電力の電圧Vgに応じて変化する値であってもよい。たとえば、定数Cは、第1の電圧センサ22のセンサ信号によって表される電圧Vgに応じて変化する値であってもよい。この場合、制御部10が第1の電圧センサ22のセンサ信号に基づいて定数Cを決定してもよい。
上記のような方法で地絡を検出する場合であっても、電力変換装置100においては、新たなセンサ等を搭載するためのコストアップを抑えつつ地絡の誤検出を防止することができる。すなわち、この場合も、再生可能エネルギー発電システムにおける電圧値の急激な変化に起因した一時的な電流の不均衡が地絡と誤検出されることを防止できる。
地絡判定方法の他の例として、電力変換装置100から商用電力系統70に供給される交流電力よりセンサ60によって検出される差分|Vggr|から、太陽光発電パネル80において生成される電力に生じた急激な圧力変化によって対地との間で流れる電流の影響を排した上で、地絡を判定してもよい。そこで、第3の実施の形態にかかる電力変換装置100は、センサ60による検出値から太陽光発電パネル80から昇圧回路30に供給される直流電力の電圧変動による交流電力の漏洩成分を除去するためのフィルタリングが行われる。
制御部10は、上記周波数成分が除去された後の差分|Vggr|と閾値V1とを比較することで地絡を判定する。
たとえば、電力変換装置100の制御部10はフィルタリング処理を行うためのモジュールを有し、ソフトウェアによってフィルタリング処理を実行してもよい。すなわち、制御部10は、第1の電圧センサ22から電圧値Vgを示すセンサ信号、および、センサ60からU相およびW相のACバス間の電流の差分|Vggr|を示すセンサ信号の入力を受け付けると、センサ60からのセンサ信号より検出される差分|Vggr|から、第1の電圧センサ22からのセンサ信号より検出される電圧値Vgの単位時間あたりの変化量dVg/dtの周波数成分を除去するフィルタリング処理を実行し、除去後の差分|Vggr|と閾値V1とを比較することで地絡を判定してもよい。
上記のような方法で地絡を検出する場合であっても、電力変換装置100においては、新たなセンサ等を搭載するためのコストアップを抑えつつ地絡の誤検出を防止することができる。すなわち、この場合も、再生可能エネルギー発電システムにおける電圧値の急激な変化に起因した一時的な電流の不均衡が地絡と誤検出されることを防止できる。
22 第1の電圧センサ
23,28 コンデンサ
24 第1の電流センサ
25 電圧センサ
26 中間コンデンサ
27a,27b 交流リアクトル
29 ノイズフィルタ
30 昇圧回路
31 直流リアクトル
32a,32b,51a〜51d スイッチング素子
33a33b,52a〜52d ダイオード
50 インバータ回路
60 センサ
70 商用電力系統
80 太陽光発電パネル
90 フィルタ
100 電力変換装置
Claims (6)
- 再生可能エネルギーに基づく直流電源と商用電力系統との間に設けられ、直流/交流の電力変換を行う電力変換装置であって、
前記直流電源から供給される電圧を検出する電圧センサと、
前記商用電力系統に出力する電流から漏洩電流を検出する漏洩電流センサと、
前記電圧センサの電圧検出値および前記漏洩電流センサからの漏洩電流検出値を受け付ける制御部と、を備え、
前記制御部は、前記漏洩電流検出値が閾値に達した場合に、前記電圧検出値の変化量をさらに用いて前記直流電源における地絡の発生の有無を判定する機能を有する、電力変換装置。 - 前記制御部は、前記漏洩電流検出値が地絡の可能性を示す第1の閾値に達していても、前記変化量が所定の変化量閾値よりも大きい場合には地絡と判定せず、小さい場合に地絡と判定する、請求項1に記載の電力変換装置。
- 前記制御部は、前記漏洩電流検出値が前記第1の閾値より大きい第2の閾値に達しているときに直ちに地絡と判定する、請求項2に記載の電力変換装置。
- 再生可能エネルギーに基づく直流電源と商用電力系統との間に設けられ、直流/交流の電力変換を行う電力変換装置であって、
前記直流電源から供給される電圧を検出する電圧センサと、
前記商用電力系統に出力する電流から漏洩電流を検出する漏洩電流センサと、
前記電圧センサの電圧検出値および前記漏洩電流センサからの漏洩電流検出値を受け付ける制御部と、を備え、
前記制御部は、前記漏洩電流検出値と、前記電圧検出値の変化量に応じて変化する閾値とを比較して地絡の発生の有無を判定する、電力変換装置。 - 再生可能エネルギーに基づく直流電源と商用電力系統との間に設けられ、直流/交流の電力変換を行う電力変換装置であって、
前記直流電源から供給される電圧を検出する電圧センサと、
前記商用電力系統に出力する電流から漏洩電流を検出する漏洩電流センサと、
前記電圧センサの電圧検出値および前記漏洩電流センサからの漏洩電流検出値を受け付ける制御部と、
前記電圧検出値の変化が前記漏洩電流検出値に与える変動を除去するフィルタリング処理部と、を備え、
前記フィルタリング処理部は、前記電圧検出値の変化に応じて前記変動の周波数を特定し、特定された周波数成分を前記漏洩電流検出値から除去するように構成され、
前記制御部は、前記フィルタリング処理部によって前記周波数成分が除去された後の前記漏洩電流検出値に基づいて前記直流電源における地絡の発生の有無を判定する、電力変換装置。 - 再生可能エネルギーに基づく直流電源と商用電力系統との間に設けられ、直流/交流の電力変換を行う電力変換装置における地絡の発生を検出する方法であって、
電圧センサによって前記直流電源から供給される電圧を検出するステップと、
漏洩電流センサによって前記商用電力系統に出力する電流から漏洩電流を検出するステップと、
前記漏洩電流センサによる漏洩電流検出値に基づいて地絡の発生の有無を判定するステップと、を備え、
前記地絡の発生の有無を判定するステップでは、前記漏洩電流検出値が地絡の可能性を示す閾値に達しているとき、前記電圧センサによる電圧検出値の変化量が所定の変化量閾値より大きい場合には地絡と判定せず、小さい場合に地絡と判定する、地絡検出方法。
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