JP5894827B2 - 地絡検出装置および系統連系インバータシステム - Google Patents

地絡検出装置および系統連系インバータシステム Download PDF

Info

Publication number
JP5894827B2
JP5894827B2 JP2012065218A JP2012065218A JP5894827B2 JP 5894827 B2 JP5894827 B2 JP 5894827B2 JP 2012065218 A JP2012065218 A JP 2012065218A JP 2012065218 A JP2012065218 A JP 2012065218A JP 5894827 B2 JP5894827 B2 JP 5894827B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ground fault
current
inverter
current value
circuit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012065218A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013198354A (ja
Inventor
徳行 諸富
徳行 諸富
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daihen Corp
Original Assignee
Daihen Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daihen Corp filed Critical Daihen Corp
Priority to JP2012065218A priority Critical patent/JP5894827B2/ja
Publication of JP2013198354A publication Critical patent/JP2013198354A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5894827B2 publication Critical patent/JP5894827B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Inverter Devices (AREA)

Description

本発明は、並列接続されるインバータ装置において地絡事故の発生を検出する地絡検出装置、および、当該地絡検出装置を備えている系統連系インバータシステムに関する。
従来、太陽電池などによって生成される直流電力を交流電力に変換して、電力系統に供給する系統連系インバータシステムが開発されている。また、近年、系統連系インバータシステムの大容量化が必要となっている。系統連系インバータシステムをメガワットレベルにまで大容量化するため、図6に示すように、複数台(図6においては3台)のインバータ装置200a,200b,200cを並列接続した系統連系インバータシステムA100が製作されている。
図6に示すインバータ装置200a内のインバータ回路202は、直流電源10aから入力される直流電圧をスイッチング素子(図示しない)のスイッチングにより交流電圧に変換する回路である。インバータ回路202は、各センサ(図示しない)から電流信号および電圧信号を入力され、内蔵する制御回路(図示しない)が生成するPWM信号に基づいてスイッチング素子のスイッチングを行う。また、フィルタ回路203はインバータ回路202から出力される交流電圧に含まれるスイッチング周波数成分を除去する回路であり、変圧器204は、フィルタ回路203から出力される交流電圧を電力系統40の系統電圧に昇圧(または降圧)すると同時にインバータ装置200aと電力系統40とを電気的に絶縁するためのものである。
直流電源10aの出力ラインの負極は、接地線LG1aによって接地されている。近年普及傾向にある薄膜系太陽電池は、負極を接地しないと劣化する。また、例えばアメリカなどの国では、太陽電池の一方の極を接地することが義務付けられている。また、地絡電流を検出するためにも、直流電源10aの一方の出力ライン(一般的には負極側)を接地する必要がある。電力系統40も接地線LG2によって接地されているが、インバータ装置200a内に設けられた変圧器204によってインバータ装置200aと電力系統40とが絶縁されているので電流経路が形成されず、直流電流が電力系統40に流出しないようになっている。
インバータ装置200bおよび200cの構成も、インバータ装置200aと同様である。インバータ装置200a,200b,200cは並列接続されて、電力系統40に接続されている。
図6に示す系統連系インバータシステムA100では、インバータ装置200a,200b,200cにそれぞれ変圧器204が内蔵されているので、各インバータ装置200a,200b,200cから電力系統40への直流電流の流出や、インバータ装置200a,200b,200c間の循環電流を防止することができる利点がある。しかし、各インバータ装置200a,200b,200cにそれぞれ変圧器204が設けられるので、3台の変圧器204が必要になる。変圧器204は、商用周波数(50Hzまたは60Hz)で使用されるものであるため、一般的に、サイズが大きく、重量が重く、単価が高い。したがって、この変圧器204を3台必要とする系統連系インバータシステムA100は、全体のサイズが大きくなる、重量が重くなる、製造コストが高くなるなどの不都合がある。この不都合は、並列接続されるインバータ装置の数が増加するほど、さらに顕著となる。
また、変圧器204では、巻線抵抗や鉄芯の渦電流による電力ロスが発生する。各インバータ装置200a,200b,200cの変圧器204でそれぞれ電力ロスが発生するので、系統連系インバータシステムA100全体での電力変換効率が低下するという不都合もある。
これらの問題点を解決するために、複数のインバータ装置を並列接続した場合でも、必要な変圧器の数を抑制することができる系統連系インバータシステムが開発されている。
図7は、変圧器の数を抑制した系統連系インバータシステムを説明するためのブロック図である。
系統連系インバータシステムA200は、インバータ装置201a,201b,201cを並列接続したものであるが、各インバータ装置201a,201b,201cには変圧器204が設けられておらず、インバータ装置201a,201b,201cの出力側の接続点と電力系統40との間に変圧器30が設けられている点が、図6に示す系統連系インバータシステムA100と異なる。なお、インバータ回路22およびフィルタ回路23は図6に示すインバータ回路202およびフィルタ回路203と同様のものであり、DC/DCコンバータ回路21は直流電源10aから入力される直流電圧を昇圧するものである。
系統連系インバータシステムA200は、各インバータ装置201a,201b,201cに変圧器204が設けられていないので、従来の系統連系インバータシステムA100(図6参照)と比較して、全体のサイズを小さくし、重量を軽減し、製造コストを抑制することができる。また、電力ロスを削減して電力変換効率を向上することができる。また、変圧器30がインバータ装置201a,201b,201cの出力側の接続点と電力系統40との間に設けられ、インバータ装置201a,201b,201cが電力系統40から電気的に絶縁されているので、各インバータ装置201a,201b,201cから電力系統40への直流電流の流出を防止することができる。
実際に系統連系インバータシステムA200を電力系統40に連系させるためには、各インバータ装置201a,201b,201cに地絡事故や過電流を検出して運転を停止するための構成を設ける必要がある。
図8は、系統連系インバータシステムA200に設けられる、地絡事故および過電流検出のための構成を説明するための図である。なお、同図においては、インバータ装置201a、直流電源10a、および接地線LG1aのみを記載しており、それ以外の構成(インバータ装置201b,201c、直流電源10b,10c、接地線LG1b,LG1c、変圧器30、および電力系統40)の記載を省略している。なお、インバータ装置201b,201cおよび接地線LG1b,LG1cの構成も、それぞれインバータ装置201aおよび接地線LG1aと同様である。
インバータ装置201aには、遮断器24、過電流判定回路25、地絡判定回路28、および論理和回路29が設けられ、インバータ装置201aの各相の出力ラインには出力電流用の電流センサCTa’が配置されている。また、接地線LG1aには遮断器Saが設けられ、地絡電流用の電流センサCTaが配置されている。
過電流判定回路25は、電流センサCTa’によって検出された出力電流に基づいて過電流を判定する。過電流判定回路25によって過電流が流れたと判定された場合、DC/DCコンバータ回路21およびインバータ回路22は停止され、遮断器24は接続を遮断される。これにより、過電流の影響が波及することを防止することができる。地絡判定回路28は、電流センサCTaによって検出される地絡電流に基づいて地絡事故の発生を判定する。地絡判定回路28によって地絡事故が発生したと判定された場合、DC/DCコンバータ回路21およびインバータ回路22は停止され、遮断器24および遮断器Saは接続を遮断される。これにより、地絡事故の影響が波及することを防止することができる。
特開2011−36045号公報
しかしながら、1つのインバータ装置で地絡事故が発生した場合に、並列接続された他のインバータ装置の地絡判定回路28でも地絡事故が誤検出される場合がある。
図9は、地絡判定回路28による地絡事故の誤検出を説明するための回路図である。なお、同図においては、説明の簡略化のため、インバータ装置201aとインバータ装置201bcのみが並列接続されている場合について説明している。
インバータ装置201aの正極入力側で地絡事故が発生した場合、地絡箇所からグランドに破線矢印で示す地絡電流Igが流れる。このとき、接地線LG1aには破線矢印で示す地絡電流Ig1が流れるので、電流センサCTaが電流を検出して、インバータ装置201aの地絡判定回路28が地絡事故の発生を検出する。
直流電源10aの負極および直流電源10bの負極はそれぞれ接地されているので、インバータ装置201aとインバータ装置201bとは入力側で電気的に接続されている。また、インバータ装置201aとインバータ装置201bとは出力側でも電気的に接続されている。これにより、インバータ装置201aとインバータ装置201bとの間で電流経路が形成されている。したがって、インバータ装置201aで地絡事故が発生して地絡電流Igが流れた場合、この電流経路を同図に破線矢印で示す地絡電流Ig2が流れる場合がある。なお、同図では、インバータ装置201a,201bともW相の負極側のスイッチング素子がオン状態になった場合を示している。接地線LG1bを流れる地絡電流Ig2は電流センサCTbによって検出される。インバータ装置201aとインバータ装置201bとが同様の構成の場合、地絡電流Ig2は地絡電流Ig1と同程度となるので、インバータ装置201bの地絡判定回路28も地絡事故の発生を検出してしまう。これにより、実際には地絡事故が発生していないインバータ装置201bも停止してしまう。
本発明は上記した事情のもとで考え出されたものであって、並列接続されたインバータ装置間に電流経路が形成される場合でも、適切に地絡事故の発生を検出することができる地絡検出装置を提供することをその目的としている。
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明の第1の側面によって提供される地絡検出装置は、直流電源を備えたシステムにおいて、直流回路部分での地絡事故の発生を検出する地絡検出装置であって、前記直流電源の一対の出力端の一方を接地する接地線を流れる電流を検出した第1の電流値と前記システムの所定のラインの所定の位置での零相電流を検出した第2の電流値とに基づいて、前記所定のラインの所定の位置より前記直流電源側での地絡事故の発生を検出することを特徴とする。
なお、本発明における「所定のライン」とは、直流電源の出力ラインや、その後段に設けられる例えば電力変換装置の出力ライン(または入力ライン)、電力変換装置の内部に備えられる各回路(例えば、DC/DCコンバータ回路、インバータ回路、フィルタ回路など)間の接続ラインなどを示している。また、本発明における「零相電流」とは、「所定のライン」を構成する各ラインを流れる電流を合わせた電流である。零相電流は、各ラインを流れる電流の電流値をそれぞれ検出して合算することで検出することができるし、「所定のライン」を構成するすべてのラインを貫通型の変流器に貫通させて変流器の出力から検出することもできる。
本発明の第2の側面によって提供される地絡検出装置は、直流電源を備えたシステムにおいて、直流回路部分での地絡事故の発生を検出する地絡検出装置であって、前記直流電源の出力ラインの所定の位置での零相電流を検出した第1の電流値と前記システムの所定のラインの所定の位置での零相電流を検出した第2の電流値とに基づいて、前記出力ラインの所定の位置と前記所定のラインの所定の位置との間での地絡事故の発生を検出することを特徴とする。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1の電流値と前記第2の電流値との差である参照電流値を算出する減算手段と、前記参照電流値が所定の電流値範囲にあるか否かを判定する判定手段とを備え、前記判定手段によって、前記参照電流値が前記所定の電流値範囲にないと判定された場合に、地絡事故の発生を検出する。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記システムは前記直流電源に接続する電力変換装置をさらに備えており、前記所定のラインは前記電力変換装置の出力ラインである。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記電力変換装置の各出力ラインに流れる電流の電流値を合算することで前記第2の電流値を算出する合算手段をさらに備えている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記電力変換装置は、各出力ラインに流れる電流を検出してこれに基づいて過電流を検出する過電流検出装置を備えており、前記合算手段は前記過電流検出装置が検出する電流値を合算する。
本発明の第3の側面によって提供される系統連系インバータシステムは、複数の直流電源と、前記各直流電源にそれぞれ接続するインバータ装置と、前記各直流電源における地絡事故をそれぞれ検出する、本発明の第1または第2の側面によって提供される地絡検出装置とを備えており、前記複数のインバータ装置は、それぞれ変圧器を介さずに交流電力を出力するものであり、出力側で互いに接続されていることを特徴とする。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記直流電源は太陽電池を備えている。
本発明によれば、接地線を流れる電流を検出した第1の電流値と所定のラインの零相電流を検出した第2の電流値とに基づいて地絡事故の発生を検出する。複数の直流電源が並列接続されており、直流電源間に電流経路が形成される場合、いずれかの直流電源で地絡事故が発生すると、すべての第1の電流値がほぼ等しくなって、いずれの直流電源で地絡事故が発生しているかを特定することができないが、第1の電流値と第2の電流値とに基づくと地絡事故が発生している直流電源を特定することができる。したがって、適切に地絡事故の発生を検出することができる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
第1実施形態に係る地絡検出装置を説明するためのブロック図である。 地絡事故発生時の地絡電流の流れを説明するための図である。 第2実施形態に係る地絡検出装置を説明するためのブロック図である。 第3実施形態に係る地絡検出装置を説明するためのブロック図である。 第4実施形態に係る地絡検出装置を説明するためのブロック図である。 従来の系統連系インバータシステムを説明するためのブロック図である。 従来の系統連系インバータシステムを説明するためのブロック図である。 系統連系インバータシステムに設けられる、地絡事故および過電流検出のための構成を説明するための図である。 地絡判定回路による地絡事故の誤検出を説明するための回路図である。
以下、本発明の実施の形態を、本発明に係る地絡検出装置を系統連系インバータシステムに用いた場合を例として、図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明に係る地絡検出装置を説明するためのものであり、系統連系インバータシステムを示すブロック図である。
同図に示すように、系統連系インバータシステムAは、3台の直流電源10a,10b,10c、3台のインバータ装置20a,20b,20c、および1台の変圧器30を備えている。直流電源10a,10b,10cは、それぞれインバータ装置20a,20b,20cに接続されている。インバータ装置20a,20b,20cの出力端は、それぞれ互いに並列に接続されている。変圧器30は、インバータ装置20a,20b,20cの接続点と電力系統40との間に接続されている。したがって、系統連系インバータシステムAは、直流電源およびインバータ装置からなる3台の分散型電源が1台の変圧器30を介して電力系統40に並列に接続される構成を備え、直流電源10a,10b,10cが出力する直流電力を交流電力に変換して電力系統40に供給する。電力系統40は三相3線式(又は三相4線式)の電力系統で、いずれか一相(例えば、V相)が接地線LG2によって接地されている。なお、電力系統40は三相に限定されず、単相3線式の電力系統であってもよい。
なお、本実施形態では、分散型電源の台数を3台としているが、これは一例であって、並列接続する台数は2台でも、4台以上でもよく、任意に設定することができる。
直流電源10a,10b,10cは、系統連系インバータシステムAに直流電力を供給するものであり、太陽電池を備えている。太陽電池は薄膜系太陽電池であり、直流電源10a,10b,10cの各出力ラインの一方(図1では、負極の出力ライン)が接地線LG1a,G1b,G1cによって接地されている。なお、太陽電池は、薄膜系太陽電池に限定されるものではなく、他の種類の太陽電池であってもよい。太陽電池は、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換することで、直流電力を生成する。直流電源10a,10b,10cが出力する直流電圧は、それぞれインバータ装置20a,20b,20cに入力される。
接地線LG1aには、遮断器Saが設けられ、地絡電流用の電流センサCTaが配置されている。電流センサCTaは、接地線LG1aに流れる電流を検出するものであり、検出した電流の電流値をインバータ装置20aに出力する。接地線LG1bおよび接地線LG1cにも、それぞれ、電流センサCTbおよびCTcが配置されており、検出された電流値はそれぞれインバータ装置20bおよびインバータ装置20cに出力される。
遮断器Saは、地絡事故が発生したときに、直流電源10aの出力ラインと接地線LG1aとの接続を遮断するものである。遮断器Saは、通常は直流電源10aの出力ラインと接地線LG1aとを接続しているが、地絡判定回路28(後述)から検出信号(遮断信号)を入力されたときには当該接続を遮断する。これにより、地絡事故の影響が波及することを防いでいる。なお、接地線LG1bに設けられている遮断器Sbおよび接地線LG1cに設けられている遮断器Scも、接地線LG1aに設けられている遮断器Saと同様の構成である。
インバータ装置20a,20b,20cは、それぞれ直流電源10a,10b,10cから入力される直流電圧を交流電圧に変換して、変圧器30に出力するものである。
同図に示すように、インバータ装置20aは、DC/DCコンバータ回路21、インバータ回路22、フィルタ回路23、遮断器24、過電流判定回路25、合算回路26、減算回路27、地絡判定回路28、および、論理和回路29を備えている。
DC/DCコンバータ回路21は、昇圧形コンバータであり、直流電源10aから入力される直流電圧を昇圧してインバータ回路22に出力する。DC/DCコンバータ回路21は、内蔵する制御回路(図示しない)が生成するPWM信号に基づいてスイッチング素子(図示しない)のオンとオフとを切り替えることで、直流電源10aから入力される直流電圧を所定の電圧レベルに昇圧して出力する。なお、DC/DCコンバータ回路21の構成はこれに限定されず、周知の昇圧形コンバータであればよい。また、DC/DCコンバータ回路21は、論理和回路29から検出信号(停止信号)を入力された場合、制御回路によるPWM信号の生成を停止することで、昇圧動作を停止する。これにより、地絡事故または過電流の影響が波及することを防止することができる。
インバータ回路22は、DC/DCコンバータ回路21から入力される直流電圧を交流電圧に変換して出力するものである。本実施形態では、電力系統40が三相3線式の電力系統であるので、インバータ回路22は、三相フルブリッジインバータを備えている。したがって、インバータ回路22からフィルタ回路23、遮断器24および変圧器30を介して電力系統40までは、U相、V相、W相の出力電圧の3本の出力ラインによって接続されている。なお、インバータ回路22の構成は、三相フルブリッジインバータに限られず、接続される電力系統40やその他の条件に合わせて、適宜決定すればよい。すなわち、インバータ回路22は、三相インバータではなく、単相インバータを備えていてもよいし、フルブリッジインバータではなく、ハーフブリッジインバータを備えていてもよい。
インバータ回路22は、2個のスイッチング素子が直列に接続されたアームを3個含む三相ブリッジ回路(図示しない)を有しており、図示しない制御回路が生成するPWM信号に基づいて各スイッチング素子のオンとオフとを切り替えることで、DC/DCコンバータ回路21から入力される直流電圧を交流電圧に変換する。インバータ回路22から出力される交流電圧はフィルタ回路23に入力される。
インバータ回路22の制御回路は、指令値信号を三角波のキャリア信号と比較する三角波比較法によりPWM信号を生成する。指令値信号は、電力系統40の周波数(50Hz又は60Hz)に近い周波数を有する正弦波信号である。指令値信号は、DC/DCコンバータ回路21に入力される直流電流および直流電圧、DC/DCコンバータ回路21から出力される(インバータ回路22に入力される)直流電圧(以下、「バス電圧」とする。)、インバータ回路22から出力される交流電流、フィルタ回路23から出力される交流電流および交流電圧、およびこれらの目標値を用いて生成される。なお、同図においては、上記のDC/DCコンバータ回路21への入力電流及び入力電圧、バス電圧、インバータ回路22の出力電流、フィルタ回路23の出力電流及び出力電圧を検出するための検出回路の記載を省略している。キャリア信号は、指令値信号に対して数倍若しくは数十倍の周波数(例えば、4kHz)を有する三角波である。インバータ回路22は、PWM信号で各スイッチング素子のオンとオフの切り替えを制御することにより、インバータ回路22の出力電圧を調整する。
また、インバータ回路22は、論理和回路29から検出信号(停止信号)を入力された場合、制御回路によるPWM信号の生成を停止することで、電力変換動作を停止する。これにより、地絡事故または過電流の影響が波及することを防止することができる。
フィルタ回路23は、インバータ回路22より入力される交流電圧から、スイッチング周波数成分を除去するものである。フィルタ回路23は、図示しないリアクトルとキャパシタからなるローパスフィルタを備えている。フィルタ回路23でスイッチング周波数成分を除去された交流電圧は、変圧器30に出力される。なお、フィルタ回路23の構成はこれに限定されず、スイッチング周波数成分を除去するための周知のフィルタ回路であればよい。
遮断器24は、地絡事故が発生したとき、又は、過電流が発生したときに、インバータ装置20aの出力ラインと変圧器30との接続を遮断するものである。遮断器24は、通常はインバータ装置20aの出力ラインと変圧器30とを接続しているが、論理和回路29から検出信号(遮断信号)を入力されたときには当該接続を遮断する。これにより、インバータ装置20aが系統連系インバータシステムAから切り離され、地絡事故または過電流の影響が波及することを防いでいる。
過電流判定回路25は、インバータ装置20aから出力される電流が過電流となっていることを検出するものである。過電流判定回路25は、出力電流用の電流センサCTa’が検出した各相の出力ラインを流れる電流の電流値とあらかじめ設定されている規定電流値とを比較して、検出した電流値が規定電流値を超えた場合に過電流であると判定する。過電流判定回路25は、過電流を検出した場合に、論理和回路29に検出信号(例えば、ハイレベル信号)を出力する。
合算回路26は、電流センサCTa’が検出した各相の出力ラインを流れる電流の電流値を合算して、零相電流値を算出するものである。各電流値はインバータ装置20aから出力される向き(図1においては左から右の向き)を正として検出される。各相から出力される電流が平衡している場合は、零相電流値はゼロになる。合算回路26は、算出された零相電流値を減算回路27に出力する。
減算回路27は、電流センサCTaが検出した電流値から、合算回路26より入力された零相電流値を減算するものである。電流センサCTaは、グランドから入力される向き(図1においては下から上の向き)を正として電流値を検出する。減算回路27は、算出された値を参照電流値として地絡判定回路28に出力する。
地絡判定回路28は、地絡事故の発生を検出するものである。地絡判定回路28は、減算回路27より入力された参照電流値と所定の閾値とを比較して、参照電流値が閾値を超えた場合に地絡事故が発生したと判定する。地絡事故が発生していない場合、電流センサCTaが検出した電流値および零相電流値はゼロになる。したがって、参照電流値もゼロになる。所定の閾値としては、参照電流値の誤差の最大値より大きな値が設定されている。地絡判定回路28は、地絡事故が発生したと判定した場合に、論理和回路29および遮断器Saに検出信号(例えば、ハイレベル信号)を出力する。
電流センサCTa、電流センサCTa’、合算回路26、減算回路27、および、地絡判定回路28によって、地絡検出装置が構成されている。以下に、当該地絡検出装置の作用について、図2を参照して説明する。
図2は、地絡事故発生時の地絡電流の流れを説明するための図であり、系統連系インバータシステムAを簡略化した回路図である。同図は、インバータ装置20a,20b,20c間を循環するための電流経路のみを抽出したものであり、その他の構成を省略して記載している。
同図に示すように、インバータ装置20a,20b,20c間の電流経路は、接地されている点aと出力側の接続点bとで、3つの電流経路が並列接続されたものとして表すことができる。インバータ装置20aで発生した地絡事故は、直流電源10aの正極側の点cとグランドとを接続する破線の電流経路50で示している。
電流経路50を流れる地絡電流Igは、点aで3つに分流される。分流されて接地線LG1a,LG1b,LG1cを流れる地絡電流をそれぞれIg1,Ig2,Ig3としている。各電流経路の直流成分についてのインピーダンスの差は小さいので、地絡電流Ig1,Ig2,Ig3はほぼ等しくなる。地絡電流Ig,Ig1,Ig2,Ig3の電流値もそれぞれIg,Ig1,Ig2,Ig3で表すと、

Ig=Ig1+Ig2+Ig3
Ig1≒Ig2≒Ig3

となる。電流センサCTa,CTb,CTcでそれぞれ検出される電流値ICTa,ICTb,ICTcは、グランドから入力される向き(図2においては左から右の向き)を正とすると、

CTa=Ig1
CTb=Ig2
CTc=Ig3

となる。したがって、電流センサCTa,CTb,CTcによる検出値だけで判断すると、地絡事故が発生していないインバータ装置20b,20cでも地絡事故の発生が誤検出される可能性が高い。
一方、電流センサCTa’,CTb’,CTc’でそれぞれ検出されて、合算回路26でそれぞれ算出された零相電流値ICTa',ICTb',ICTc'は、各インバータ装置20a,20b,20cから出力される向き(図2においては左から右の向き)を正とすると、

CTa'=−(Ig2+Ig3)
CTb'=Ig2
CTc'=Ig3

となる。
電流値ICTa,ICTb,ICTcから電流値ICTa',ICTb',ICTc'をそれぞれ減算して参照電流値を算出すると、

CTa−ICTa'=Ig1+(Ig2+Ig3)=Ig
CTb−ICTb'=Ig2−Ig2=0
CTc−ICTc'=Ig3−Ig3=0

となる。すなわち、実際に地絡事故が発生したインバータ装置20aにおいては、参照電流値は地絡電流Igの電流値となり、その他のインバータ装置20b,20cにおいては打ち消しあって、参照電流値はゼロになる。したがって、参照電流値を地絡判定回路28で判定することで、適切に地絡事故の発生を検出することができる。
図1に戻って、論理和回路29は、過電流判定回路25から入力される信号と地絡判定回路28から入力される信号とに基づいて検出信号を出力する。すなわち、過電流判定回路25から検出信号を入力された場合、または、地絡判定回路28から検出信号を入力された場合に、DC/DCコンバータ回路21、インバータ回路22、および遮断器24に検出信号(例えば、ハイレベル信号)を出力する。つまり、過電流判定回路25による検出信号および地絡判定回路28による検出信号をハイレベル信号としている場合、論理和回路29は過電流判定回路25および地絡判定回路28から入力される信号の論理和を出力する。DC/DCコンバータ回路21およびインバータ回路22は、論理和回路29から検出信号(停止信号)を入力されると停止する。また、遮断器24は、論理和回路29から検出信号(遮断信号)を入力されると接続を遮断する。これにより、地絡事故が発生した場合、または、過電流が検出された場合に、これらの影響が波及することを防止することができる。
図1においては省略して記載されているが、インバータ装置20b,20cの内部構成は、インバータ装置20aと同様である。
変圧器30は、インバータ装置20a,20b,20cから出力される交流電圧を電力系統40に供給するための電圧に昇圧(または降圧)するものである。また、変圧器30は、相互に接続された3台のインバータ装置20a,20b,20cの出力側の接続点と電力系統40との間に接続されており、インバータ装置20a,20b,20cを電力系統40から電気的に絶縁している。したがって、インバータ装置20a,20b,20cから電力系統40への直流電流の流出を防止することができる。
本実施形態においては、電流センサCTaが検出した電流値から、合算回路26より入力された零相電流値を減算した参照電流値を所定の閾値と比較することで、地絡事故の発生を検出している。並列接続された他のインバータ装置で地絡事故が発生した場合、電流センサCTaが検出した電流値と合算回路26より入力された零相電流値とが等しくなるので、参照電流値はゼロになる。したがって、地絡事故の発生は検出されない。これにより、他のインバータ装置で地絡事故が発生した場合に地絡事故の発生を誤検出することを防止することができる。
一方、対象とするインバータ装置で地絡事故が発生した場合、対象とするインバータ装置の出力ラインには逆向き(対象とするインバータ装置に向かう向き)の地絡電流が流れる。この地絡電流は、並列接続された他のインバータ装置の接地線を流れる地絡電流を合計した電流(例えば、図2におけるIg2+Ig3)であり、地絡箇所での地絡電流から対象とするインバータ装置の接地線を流れる地絡電流(例えば、図2におけるIg1)を減じたものである。したがって、参照電流値は地絡箇所での地絡電流(例えば、図2におけるIg1+Ig2+Ig3=Ig)の電流値となる。したがって、地絡箇所での地絡電流が所定の閾値を越えていた場合は、地絡事故の発生が検出される。これにより、対象とするインバータ装置で地絡事故が発生した場合に適切に地絡事故の発生を検出することができる。
なお、本実施形態にかかる地絡検出装置は、並列接続されていないインバータ装置や、内部に変圧器を備えるインバータ装置にも用いることができる。すなわち、他のインバータ装置との間で電流経路が形成されないので、インバータ装置の各相の出力電流の合算値(零相電流値)はゼロになる。したがって、接地線を流れる電流の電流値が参照電流値として地絡判定回路28に入力される。したがって、地絡事故が発生して接地線に地絡電流が流れた場合のみ、当該地絡電流によって地絡の発生が検出される。
上記実施形態においては、直流電源およびインバータ装置をそれぞれ3台ずつ備えている場合について説明したが、これに限られない。直流電源およびインバータ装置をそれぞれ2台ずつ備えている場合や、4台ずつ以上備えている場合でも、本発明を適用することができる。
上記実施形態(以下では、「第1実施形態」とする。)は、地絡判定回路28が接地線を流れる電流に基づいて地絡事故の発生を検出する場合について説明したが、これに限られない。例えば、地絡判定回路が直流電源の出力ラインの零相電流に基づいて地絡事故の発生を検出するものであってもよい。以下に、地絡判定回路が直流電源の出力ラインの零相電流に基づいて地絡事故の発生を検出する場合の例を第2実施形態として説明する。
図3は、第2実施形態に係る系統連系インバータシステムを説明するためのブロック図である。
なお、同図においては、インバータ装置20a、直流電源10a、および接地線LG1aのみを記載しており、それ以外の構成(インバータ装置20b,20c、直流電源10b,10c、接地線LG1b,LG1c、変圧器30、および電力系統40)の記載を省略している。なお、インバータ装置20b,20cおよび接地線LG1b,LG1cの構成も、それぞれインバータ装置20aおよび接地線LG1aと同様である。なお、同図において、図1に示す系統連系インバータシステムAと同一または類似の要素には、同一の符号を付している。
第2実施形態においては、零相電流センサZTaが直流電源10aの出力ラインの零相電流を検出する点が、第1実施形態の場合と異なる。直流電源10aの出力ラインの零相電流は、接地線LG1aに流れる電流と等しくなる。したがって、零相電流センサZTaが検出した零相電流値から、合算回路26より入力された零相電流値を減算した参照電流値は、第1実施形態の場合と同じになる。したがって、第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。なお、零相電流センサZTaより直流電源10a側で地絡事故が発生した場合、零相電流センサZTaが検出した零相電流値はゼロとなるので、地絡の発生を検出することができない。
上記第1および第2実施形態は、電流センサCTa’が検出した各相の出力電流の電流値を合算回路26が合算することで零相電流値を算出していたが、これに限られない。例えば、出力ラインの零相電流を直接検出するようにしてもよい。以下に、出力ラインの零相電流を直接検出する場合の例を第3実施形態として説明する。
図4は、第3実施形態に係る系統連系インバータシステムを説明するためのブロック図である。
なお、同図においては、インバータ装置20a、直流電源10a、および接地線LG1aのみを記載しており、それ以外の構成(インバータ装置20b,20c、直流電源10b,10c、接地線LG1b,LG1c、変圧器30、および電力系統40)の記載を省略している。なお、インバータ装置20b,20cおよび接地線LG1b,LG1cの構成も、それぞれインバータ装置20aおよび接地線LG1aと同様である。なお、同図において、図1に示す系統連系インバータシステムAと同一または類似の要素には、同一の符号を付している。
第3実施形態においては、零相電流センサZTa’がインバータ装置20aの出力ラインの零相電流を検出する点が、第1実施形態の場合と異なる。零相電流センサZTa’が検出する零相電流値は、電流センサCTa’が検出した各相の出力ラインを流れる電流の電流値を合算した零相電流値と等しくなる。したがって、電流センサCTaが検出した電流値から零相電流センサZTa’が検出した零相電流値を減算した参照電流値は、第1実施形態の場合と同じになる。したがって、第3実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
なお、零相電流センサZTa’を配置する位置は図4に示す位置に限定されない。例えば、DC/DCコンバータ回路21とインバータ回路22との間に配置してもよいし、DC/DCコンバータ回路21の前段に配置してもよい。しかし、零相電流センサZTa’を配置した位置より後段で発生した地絡事故を検出できなくなるので、できるだけ後段に配置するのが望ましい。
上記第1ないし第3実施形態においては、直流電源10a,10b,10cが太陽電池により直流電力を生成する場合について説明したが、これに限られない。例えば、直流電源10a,10b,10cは、燃料電池、蓄電池、電気二重層コンデンサやリチウムイオン電池であってもよいし、ディーゼルエンジン発電機、マイクロガスタービン発電機や風力タービン発電機などにより生成された交流電力を直流電力に変換して出力する装置であってもよい。
上記第1ないし第3実施形態においては、減算回路27が電流センサCTa(または、零相電流センサZTa)が検出した電流値から、合算回路26より入力された(または、零相電流センサZTa’が検出した)零相電流値を減算する場合について説明したが、これに限られない。例えば、合算回路26より入力された(または、零相電流センサZTa’が検出した)零相電流値から電流センサCTa(または、零相電流センサZTa)が検出した電流値を減算するようにしてもよい。この場合、参照電流値は負の値(またはゼロ)になるので、地絡判定回路28は参照電流値が負の値である所定の閾値より小さい場合に地絡事故が発生したと判定するようにすればよい。
また、減算する場合に限定されず、加算、乗算、除算により電流参照値を算出するようにしてもよい。この場合、閾値との比較により地絡事故の発生を判定するのではなく、各電流参照値を比較することで判定するようにしてもよい。以下に、加算により電流参照値を算出して各電流参照値を比較することで、地絡事故の発生を判定する場合を第4実施形態として説明する。
図5は、第4実施形態に係る系統連系インバータシステムを説明するためのブロック図である。
なお、同図においては、インバータ装置20a、直流電源10a、接地線LG1a、および地絡判定回路28’のみを記載しており、それ以外の構成(インバータ装置20b,20c、直流電源10b,10c、接地線LG1b,LG1c、変圧器30、および電力系統40)の記載を省略している。なお、インバータ装置20b,20cおよび接地線LG1b,LG1cの構成も、それぞれインバータ装置20aおよび接地線LG1aと同様である。なお、同図において、図1に示す系統連系インバータシステムAと同一または類似の要素には、同一の符号を付している。
第4実施形態においては、減算回路27の代わりに加算回路27’を設けた点と、地絡判定回路28の代わりに地絡判定回路28’を設けた点とが、第1実施形態の場合と異なる。
加算回路27’は電流センサCTaが検出した電流値に合算回路26より入力された零相電流値を加算するものである。加算回路27’は、算出された値を参照電流値として地絡判定回路28’に出力する。
地絡判定回路28’は、各インバータ装置20a,20b,20cの加算回路27’から入力される参照電流値に基づいて、地絡事故の発生を判定するものである。地絡判定回路28’は、入力された3つの参照電流値を比較して、他の2つとは大きく異なる参照電流値を入力したインバータ装置で地絡事故が発生したと判定する。地絡事故が発生していない場合は3つの参照電流値がいずれもゼロなので、地絡事故の発生を検出しない。しかし、地絡事故が発生した場合、地絡事故が発生したインバータ装置から入力される参照電流値は、他の2つとは大きく異なる参照電流値となる。
図2を参照して、参照電流値の違いを説明する。同図の状態において、電流値ICTa,ICTb,ICTcに電流値ICTa',ICTb',ICTc'をそれぞれ加算して参照電流値を算出すると、Ig1≒Ig2≒Ig3≒(1/3)Igなので、

CTa+ICTa'=Ig1−(Ig2+Ig3)≒−(1/3)Ig
CTb+ICTb'=Ig2+Ig2≒(2/3)Ig
CTc+ICTc'=Ig3+Ig3≒(2/3)Ig

となる。つまり、インバータ装置20b,20cより入力された参照電流値は同等であり、インバータ装置20aより入力された参照電流値は他の2つとは大きく異なる。
地絡判定回路28’は、この参照電流値の違いにより、地絡事故が発生したと判定し、地絡事故が発生したインバータ装置を特定する。地絡判定回路28’は、地絡事故が発生したと判定したインバータ装置の論理和回路29および遮断器Saに検出信号(例えば、ハイレベル信号)を出力する。
地絡判定回路28’は、並列接続されたインバータ装置20a,20b,20cの加算回路27’からそれぞれ入力される参照電流値に基づいて、地絡事故が発生したインバータ装置を判定することができる。したがって、第4実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、図2の状態において、電流値ICTa,ICTb,ICTcに電流値ICTa',ICTb',ICTc'をそれぞれ乗算して参照電流値を算出すると、

CTa×ICTa'=Ig1×{−(Ig2+Ig3)}≒−(2/9)Ig2
CTb×ICTb'=Ig2×Ig2≒(1/9)Ig2
CTc×ICTc'=Ig3×Ig3≒(1/9)Ig2

となる。つまり、インバータ装置20b,20cにおける参照電流値は同等であり、インバータ装置20aにおける参照電流値は他の2つとは大きく異なる。
また、図2の状態において、電流値ICTa,ICTb,ICTcを電流値ICTa',ICTb',ICTc'でそれぞれ除算して参照電流値を算出すると、

CTa÷ICTa'=Ig1÷{−(Ig2+Ig3)}≒−(1/2)
CTb÷ICTb'=Ig2÷Ig2≒1
CTc÷ICTc'=Ig3÷Ig3≒1

となる。つまり、インバータ装置20b,20cにおける参照電流値は同等であり、インバータ装置20aにおける参照電流値は他の2つとは大きく異なる。
以上のように、第4実施形態において加算回路27’を乗算回路や除算回路とした場合でも、地絡判定回路28’は、並列接続されたインバータ装置20a,20b,20cからそれぞれ入力される参照電流値に基づいて、地絡事故が発生したインバータ装置を判定することができる。したがって、これらの場合でも、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
上記第1ないし第4実施形態においては、系統連系インバータシステムに用いた場合について説明したが、これに限られない。本発明に係る地絡検出装置は、例えば、DC/DCコンバータ回路を並列接続して負荷に直流電力を供給するシステムに用いても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。また、直流電源を並列接続して負荷に直流電力を供給するシステムに用いても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
本発明に係る地絡検出装置および系統連系インバータシステムは、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る地絡検出装置および系統連系インバータシステムの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
A 系統連系インバータシステム
10a,10b,10c 直流電源
20a,20b,20c インバータ装置(電力変換装置)
21 DC/DCコンバータ回路
22 インバータ回路
23 フィルタ回路
24 遮断器
25 過電流判定回路(過電流検出装置)
26 合算回路(合算手段)
27 減算回路(減算手段)
27’ 加算回路
28 地絡判定回路(判定手段)
28’ 地絡判定回路
29 論理和回路
CTa,CTa’ 電流センサ
ZTa,ZTa’ 零相電流センサ
30 変圧器
40 電力系統
G1a,LG1b,LG1c,LG2 接地線
Sa,Sb,Sc 遮断器

Claims (8)

  1. 直流電源を備えたシステムにおいて、直流回路部分での地絡事故の発生を検出する地絡検出装置であって、
    前記直流電源の一対の出力端の一方を接地する接地線を流れる電流を検出した第1の電流値と前記システムの所定のラインの所定の位置での零相電流を検出した第2の電流値とに基づいて、前記所定のラインの所定の位置より前記直流電源側での地絡事故の発生を検出することを特徴とする地絡検出装置。
  2. 直流電源を備えたシステムにおいて、直流回路部分での地絡事故の発生を検出する地絡検出装置であって、
    前記直流電源の出力ラインの所定の位置での零相電流を検出した第1の電流値と前記システムの所定のラインの所定の位置での零相電流を検出した第2の電流値とに基づいて、前記出力ラインの所定の位置と前記所定のラインの所定の位置との間での地絡事故の発生を検出することを特徴とする地絡検出装置。
  3. 前記第1の電流値と前記第2の電流値との差である参照電流値を算出する減算手段と、
    前記参照電流値が所定の電流値範囲にあるか否かを判定する判定手段と、
    を備え、
    前記判定手段によって、前記参照電流値が前記所定の電流値範囲にないと判定された場合に、地絡事故の発生を検出する、
    請求項1または2に記載の地絡検出装置。
  4. 前記システムは前記直流電源に接続する電力変換装置をさらに備えており、
    前記所定のラインは前記電力変換装置の出力ラインである、
    請求項1ないし3のいずれかに記載の地絡検出装置。
  5. 前記電力変換装置の各出力ラインに流れる電流の電流値を合算することで前記第2の電流値を算出する合算手段をさらに備えている、
    請求項4に記載の地絡検出装置。
  6. 前記電力変換装置は、各出力ラインに流れる電流を検出してこれに基づいて過電流を検出する過電流検出装置を備えており、
    前記合算手段は前記過電流検出装置が検出する電流値を合算する、
    請求項5に記載の地絡検出装置。
  7. 複数の直流電源と、
    前記各直流電源にそれぞれ接続するインバータ装置と、
    前記各直流電源における地絡事故をそれぞれ検出する、請求項1ないし6のいずれかに記載の地絡検出装置と、
    を備えており、
    前記複数のインバータ装置は、それぞれ変圧器を介さずに交流電力を出力するものであり、出力側で互いに接続されている、
    ことを特徴とする系統連系インバータシステム。
  8. 前記直流電源は太陽電池を備えている、請求項7に記載の系統連系インバータシステム。
JP2012065218A 2012-03-22 2012-03-22 地絡検出装置および系統連系インバータシステム Active JP5894827B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012065218A JP5894827B2 (ja) 2012-03-22 2012-03-22 地絡検出装置および系統連系インバータシステム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012065218A JP5894827B2 (ja) 2012-03-22 2012-03-22 地絡検出装置および系統連系インバータシステム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013198354A JP2013198354A (ja) 2013-09-30
JP5894827B2 true JP5894827B2 (ja) 2016-03-30

Family

ID=49396651

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012065218A Active JP5894827B2 (ja) 2012-03-22 2012-03-22 地絡検出装置および系統連系インバータシステム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5894827B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6604230B2 (ja) * 2016-02-25 2019-11-13 住友電気工業株式会社 電力変換装置および地絡検出方法
JP6897058B2 (ja) * 2016-10-24 2021-06-30 富士電機株式会社 無停電電源装置
WO2019044979A1 (ja) * 2017-08-30 2019-03-07 京セラ株式会社 分散電源装置、および分散電源装置の制御方法
JP7066566B2 (ja) * 2018-07-31 2022-05-13 株式会社日立産機システム パワーコンディショナおよびその制御方法、並びにパワ-コンディショナを備える発電システム
CN110212628B (zh) * 2019-04-24 2021-12-10 广东工业大学 一种太阳能光伏发电逆变控制切换系统的切换方法
US20230216429A1 (en) * 2020-04-27 2023-07-06 Toshiba Mitsubishi-Electric Industrial Systems Corporation Electric power conversion apparatus and electric power conversion system
WO2022091249A1 (ja) * 2020-10-28 2022-05-05 東芝三菱電機産業システム株式会社 電力変換器
CN114389540B (zh) * 2022-01-18 2023-08-11 阳光电源股份有限公司 变换装置及其电流传感器失效检测方法、新能源发电系统

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05328739A (ja) * 1992-05-15 1993-12-10 Hitachi Ltd 電力変換装置及びその地絡検出方法
JPH0984254A (ja) * 1995-09-14 1997-03-28 Omron Corp 電源装置、インバータ装置および分散型電源装置
JP4422164B2 (ja) * 2007-03-28 2010-02-24 株式会社日立製作所 電力変換装置及び電力変換方法
JP5389566B2 (ja) * 2009-08-03 2014-01-15 株式会社ダイヘン 系統連系インバータシステム
JP2011229322A (ja) * 2010-04-22 2011-11-10 Panasonic Corp 産業用機械
JP5520722B2 (ja) * 2010-07-15 2014-06-11 株式会社ダイヘン 系統連系インバータシステム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013198354A (ja) 2013-09-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5894827B2 (ja) 地絡検出装置および系統連系インバータシステム
JP5520722B2 (ja) 系統連系インバータシステム
JP5468816B2 (ja) 系統連系インバータシステム
JP6559388B1 (ja) 電力変換システム
CN106537752B (zh) 电力变换控制装置以及太阳能发电系统
JP5939069B2 (ja) パワーコンディショナ
JP6087531B2 (ja) 電力変換装置
JP2017135889A (ja) 電力変換装置、及び電力変換システム
JP5919483B2 (ja) 系統連系装置
Todd et al. DC-bus power quality for aircraft power systems during generator fault conditions
Park et al. Study of neutral point potential variation for three-level NPC inverter under fault condition
Morello et al. Upstream fault detection using second harmonic magnitudes in a grid tied microgrid setting
JP5640541B2 (ja) 系統連系インバータ装置
Prince et al. Total harmonic distortion based fault detection in islanded DC microgrid
JP2020036511A (ja) パワーコンディショナ
Akagi et al. A battery energy storage system based on a multilevel cascade PWM converter
JP6886764B2 (ja) 電力変換装置
KR101414887B1 (ko) 멀티 레벨 인버터 및 그 구동방법
Kumar et al. Active power decoupling topology with fault tolerant ability for a single phase grid connected inverter
JPH07213072A (ja) 単相3線式インバータの接地保護装置
JP6422247B2 (ja) パワーコンディショナ
Mhiesan et al. A fault-tolerant hybrid cascaded H-bridge topology
JP2021175200A (ja) 電力変換装置
CN111907352A (zh) 车辆接地故障检测
Park et al. Start-up techniques of three-phase AC/DC PWM converter with diode rectifier under full load in DC distribution systems

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151208

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151209

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160204

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160223

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160229

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5894827

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250