JP2014145754A - 非接地回路の絶縁監視装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】太陽電池パネルまたは直流電路の地絡故障を検出する地絡検出装置に関し、地絡故障時の地絡抵抗値の検出および地絡部位を分類する絶縁監視装置を提供する。
【解決手段】電源の正極と負極に各々抵抗R1,R2を接続し、抵抗間に抵抗R3を接続して少なくとも2箇所の異なる電位を得ることを可能とする第一の回路、第一の回路の異なる2箇所の電位点に接続されたスイッチ素子SW1,SW2及びスイッチ素子各々に直列に接続した抵抗R4,R5を接続結合した第二の回路、第二の回路の抵抗の接続結合部を大地に接地する第三の回路、抵抗R4,R5の電圧を測定する電圧計測手段3、これらのスイッチ素子を所定のタイミングでオンオフ制御する制御回路4を備え、スイッチ素子SW1,SW2をオンオフ制御し、その制御に対応して測定した回路抵抗R4,R5の電圧値より、直流非接地回路部および電源部の対地絶縁抵抗値を演算検出することを可能とした。
【選択図】図1
【解決手段】電源の正極と負極に各々抵抗R1,R2を接続し、抵抗間に抵抗R3を接続して少なくとも2箇所の異なる電位を得ることを可能とする第一の回路、第一の回路の異なる2箇所の電位点に接続されたスイッチ素子SW1,SW2及びスイッチ素子各々に直列に接続した抵抗R4,R5を接続結合した第二の回路、第二の回路の抵抗の接続結合部を大地に接地する第三の回路、抵抗R4,R5の電圧を測定する電圧計測手段3、これらのスイッチ素子を所定のタイミングでオンオフ制御する制御回路4を備え、スイッチ素子SW1,SW2をオンオフ制御し、その制御に対応して測定した回路抵抗R4,R5の電圧値より、直流非接地回路部および電源部の対地絶縁抵抗値を演算検出することを可能とした。
【選択図】図1
Description
本発明は、主に複数の太陽電池モジュールを直列に接続して構成される太陽電池パネルを用いた直流非接地回路において、太陽電池パネルまたは直流電路の地絡故障を検出する地絡検出装置に関し、地絡故障時の地絡抵抗値の検出および地絡部位を分類する絶縁監視装置に関するものである。
太陽電池パネルは太陽光を電気に変換して利用するものであることから屋外に設置され寒暖の温度変動も大きく、風雨、風雪にもさらされる過酷な自然環境で使用されるものである。このような使用環境から太陽電池を構成する絶縁材料の寿命・劣化などを考えると、太陽電池の地絡故障は太陽電池パネルのいずれの場所でも起こり得るものである。絶縁材料の劣化はある抵抗値を持った不完全な地絡故障から地絡事故へと拡大することが想定され、太陽電池非接地回路の地絡事故を放置することは、感電などの危険が生じるのみでなく、漏電火災発生の危険もある重大な問題である。
また一般の直流電源装置による直流配電回路と太陽電池パネルの直流回路を比較したときの大きな相違点は、緩やかでは有るが大きな直流電圧の変動の有る点が太陽電池パネルの特徴である。太陽電池パネルは太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換して利用するものであることから、日変動、天候による変動、季節変動が極めて大きく、太陽電池パネル直流回路に用いる絶縁監視装置においては緩やかでは有るが大きな電圧変動においても特性が影響されない安定した地絡検出性能を提供することが要求される。
さて、複数の太陽電池モジュールを直列に接続して構成される太陽電池パネルを用いた太陽光発電設備において、太陽電池パネルのいかなる部位における地絡をも検出可能とする方式として、直流回路電圧の少なくとも異なる2箇所の電位に接地電位を切替えて地絡電流を検出する方式が知られている。図10は従来の直流地絡検出装置例を示すものである(以下、本文では本方式を「接地電位切替え方式」と称す)。直流回路電圧を抵抗R1,R2,およびR3で分圧し、電位選択スイッチSW1あるいはSW2で2箇所の異なる電位を切替え選択可能としたことにより、太陽電池パネルのいかなる部位の地絡故障においても地絡電流の検出を可能としている。
具体的動作例を以下に説明する。選択スイッチSW1の選択電位と太陽電池パネルの地絡抵抗Rgによる地絡点電位が等しい場合、地絡電流検出用の電流変成器CT等には地絡電流は流れないため選択スイッチSW1の選択電位における地絡事故の検出は不可能となる。しかしながら、選択スイッチSW2の選択時においては、選択スイッチSW2の選択電位と太陽電池パネルの地絡点電位は必ず異なるため、地絡電流検出用の電流変成器CT等には地絡電流が流れ、その地絡電流の大きさにより地絡事故の検出が可能である。これにより太陽電池パネルのいかなる部位における地絡をも検出可能としている。
しかしながら太陽電池パネルの絶縁劣化監視装置として考えたときの図10に示す本方式の課題は、地絡電流の大きさをもって地絡故障を判定している点にある。図10において太陽電池パネルの地絡抵抗Rgが同等レベルであったとしても、地絡発生の電位点が異なる場合地絡電流検出用の電流変成器CT等に流れる地絡電流値が異なることより、地絡電流の大きさのみで地絡故障を判定した場合、地絡抵抗値としては判定にばらつきが生じることとなる。すなわち、不感帯を無くすことは出来るが、地絡抵抗値を基準とする絶縁監視装置としては必ずしも満足できるもので無い。
図11は従来の前記直流地絡検出装置を用いて、正極回路に地絡故障が生じた場合を示すものである。太陽電池パネルの発電電圧は天候による日変動や季節変動が極めて大きい。このため、仮に絶縁劣化状態、すなわち対地地絡抵抗Rgに変化が生じていない場合でも電圧変動にともない地絡電流が変化することとなり、安定した絶縁監視性能の提供や、予防保全も踏まえた高感度レベルでの地絡検出装置の提供においては難点がある。
また、以下には太陽電池パネルによる直流電源装置の固有の解決すべき課題を記載する。太陽電池パネルは大地と太陽電池パネル間に静電容量成分を有している。図3に対地静電容量例を示す。この静電容量はメガソーラーのような大規模太陽発電システムにおいてはきわめて大きな容量と成ることより、接地電位切替え方式においては電位切替え時において対地静電容量の充放電に起因する過度現象が生じる。この絶縁劣化以外の漏れ電流や過度現象に起因した誤検出や不要動作を防止する必要がある。
更に、太陽電池パネルは屋外に使用される場合が多いことより、太陽電池パネル回路上に水滴が付着した場合も大地と太陽電池パネル間で容量成分が増加し、その容量成分の影響により漏れ電流にも増加が生じる。この絶縁劣化以外の漏れ電流変動においても誤検出や不要動作を防止することが必要である。
本発明の解決課題は、従来よりの機能は保有した上で、太陽電池パネル電圧の大きな日変動や季節変動においても、あるいは太陽電池パネルの大きな対地静電容量、およびその変動においても安定した高感度の絶縁監視装置を提供することにある。
本発明は、太陽電池パネルのいかなる部位における地絡をも検出可能とする接地電位切替え方式による直流非接地回路の絶縁監視装置であって、切替えスイッチSW1、あるいはSW2の一方を選択オン時における各々の地絡電流の大きさと電流方向の検出機能、切替えスイッチSW1およびSW2の双方を同時オン時における直流電圧値の分圧測定による直流非接地回路の電圧検出機能を有することにより、測定した地絡電流値と正極と負極間電圧より電路および太陽電池パネルの地絡部位の検出や地絡抵抗値を演算抽出することが可能となり太陽電池パネルの電圧変動には一切影響されない安定した高感度の絶縁監視装置を提供することが出来る。
本発明はまた、接地電位切替えスイッチのオンオフ制御タイミング時間を太陽電池発電パネル規模等に応じて可変設定する機能を持たせることにより、スイッチ切替え後の地絡電流計測や、電圧計測において大地静電容量に起因した過度的変化の影響を除いた計測を可能とする方式とすることにより、絶縁劣化以外の過度現象に起因した不要動作を防止することが出来る。
本発明はまた、接地電位切替えスイッチのオンオフ制御切替え後、計測電圧の単位時間における変化量や両端電圧の安定するまでの時間を計測演算する機能を有することにより、水滴等の付着に起因する運転状態の変化においても自動補正を可能とした。
本発明はまた、地絡故障時において多数の太陽電池ストリング回線より故障回線の判別を容易にするための支援手段を有することにより、故障時における対応も容易とした。
以上のように、本発明によれば、太陽電池パネル装置の直流非接地回路において、太陽電池パネルの内部地絡故障、直流非接地回路正極側地絡故障、および直流非接地回路負極側地絡故障において、いずれの場合も地絡抵抗値による絶縁劣化監視方式としたことにより、太陽電池パネルの大きな電圧変動においても故障判定レベルは安定している。また、メガソーラーのような大地静電容量が大きい大規模太陽発電システムにおいては、接地電位切替えスイッチの制御タイミング時間を可変選択可能とすることにより絶縁劣化以外の過度的変化に起因した誤検出や不要動作を防止するとともに、太陽電池パネルの屋外設置等に伴う水滴、積雪等による環境影響も自動補正を可能とすることにより、高感度で安定した絶縁監視装置を実現できる。
以下、本発明の実施例について添付図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の絶縁監視装置の一実施例に係わる直流非接地電源回路および絶縁監視装置のブロック図を示す。太陽電池ストリングなどの直流電源1、非接地直流電路の正極2.1と負極2.2、絶縁監視装置5で形成される。絶縁監視装置5の内部が本発明の実施例を示すものであり、正負極間の直列抵抗回路R1,R2,R3、切替えスイッチSW1,SW2、前記切替えスイチと直列に接続し接続点を接地される抵抗R4,R5、電圧計測3、およびスイッチ制御4とによって構成される。
次に図1において、非接地直流電路の正極2.1に地絡故障が地絡抵抗Rgで生じた場合の計測動作およびそれら計測値を用いた演算を図4.1、図4.2、図4.3を参照して説明する。尚、ここにおいて抵抗R1,R2,R3は総て抵抗値が等しいRとして以下の計算例は示す。
図4.1は切替えスイッチSW1,SW2ともオンした状態で抵抗R4,R5の電圧測定し、その測定値を各々V4,V5とする。太陽電池などの直流電源1の電圧Vは、計測値V4,V5と既知の抵抗値R(R1,R2,R3),R4,R5を用いて、V=V4×(R+R4)/R4+V5×(R+R5)/R5で求められる。尚,前式において、R4,R5の抵抗値を抵抗R3(R)に比べ極めて小さい値とすることによりR3の影響は無視できると判断できることより、R3は省略している。
図4.2は切替スイッチSW1をオン,切替スイッチSW2をオフした状態を示し、地絡抵抗Rgを流れる地絡電流Ig1は抵抗R4を介して流れ、抵抗R4の電圧はR4×Ig1となることより、抵抗R4の電圧を測定することにより地絡電流Ig1が求められる。
図4.3は切替スイッチSW1をオフ,切替スイッチSW2をオンした状態を示し、地絡抵抗Rgを流れる地絡電流Ig2は抵抗R5を介して流れ、抵抗R5の電圧はR5×Ig2となることより、抵抗R5の電圧を測定することにより地絡電流Ig2が求められる。
地絡電流Ig1,Ig2,および直流電源1の電圧Vが求められると、絶縁監視装置に内蔵した既知の抵抗値と組合せ、地絡抵抗Rgは次の2式のどちらでも求められる。式▲1▼:Rg={V−(3・R4+2・R)・Ig1}/3・Ig1、式▲2▼:Rg={2・V−(3・R5+2・R)・Ig2}/3・Ig1。式▲1▼は切替えスイッチSW1がオン時の地絡電流Ig1から求まるものであり、式▲2▼は切替えスイッチSW2がオン時の地絡電流Ig2から求まるものである。尚,正極地絡時は2・Ig1=Ig2となることから、SW1,SW2各々の地絡電流値Ig1,Ig2より正極の地絡であることが判定できる。
電路の負極地絡の説明例は省略するが、正極地絡と比べ地絡電流Ig1,Ig2の電流の流れる方向が逆になり、地絡電流の相対比はIg1=2・Ig2となり負極の地絡が判定可能となると共に、正極地絡と同様な演算でRgを求めることができる。
次に図1において、直流電源1の太陽電池パネル内部のV1とV2に電圧分圧した部位に地絡故障が地絡抵抗Rgで生じた場合の計測値およびそれを用いた演算を図5.1、図5.2、図5.3を参照して説明する。尚、ここにおいて抵抗R1,R2,R3は総て抵抗値が等しいRとし、抵抗R4,R5も等しい抵抗rとして計算例を示す。
図5.1は切替えスイッチSW1,SW2ともオンした状態で抵抗R4(r),R5(r)の電圧を測定し、その測定値を各々V4,V5とする。太陽電池などの直流電源1の電圧V(V=V1+V2)は、計測値V4,V5と既知の抵抗値R(R1,R2,R3),R4(r),R5(r)を用いて、V=V4×(R+r)/r+V5×(R+r)/rで求められる。尚,前式において、R4(r),R5(r)の抵抗値をR3(R)に比べ極めて小さい値とすることによりR3の影響は無視できると判断できることより、R3は省略している。
図5.2は切替えスイッチSW1をオン,切替えスイッチSW2をオフした状態を示し、地絡抵抗Rgを流れる地絡電流Ig1は抵抗R4を介して流れ、抵抗R4の電圧はR4×Ig1となることより、抵抗R4の電圧を測定することにより地絡電流Ig1が求められる。
図5.3は切替えスイッチSW1をオフ,切替えスイッチSW2をオンした状態を示し、地絡抵抗Rgを流れる地絡電流Ig2は抵抗R5を介して流れ、抵抗R5の電圧はR5×Ig2となることより、抵抗R5の電圧を測定することにより地絡電流Ig2が求められる。
地絡電流Ig1,Ig2,および直流電源1の電圧Vが求められると、絶縁監視装置内の既知の抵抗値と組合せ、地絡抵抗RgはRg=V/3・(Ig2−Ig1)−2・R/3−rで求められる。また、太陽電池パネル内部のV1とV2に電圧分担した故障電圧部位は、V1=[V−Ig1・{3・(Rg+r)+2・R}]/3、V2=V−V2で求められる。尚,太陽電池パネル内部の地絡時はIg1とIg2の正極地絡又は負極地絡とは異なる比率であることやIg1とIg2の電流方向により、太陽電池パネル内部の地絡であることが区分可能である。
以上の通り、直流電源1の電圧計測、地絡電流Ig1の計測、および地絡電流Ig2の計測を1サイクルとして繰り返して行うことにより、太陽電池パネル等の直流電源においても電圧変動の影響を受けない高精度の地絡抵抗値をその都度求めることが可能となる。
図3.1は直流電源1に太陽電池パネルを用いた場合の太陽電池パネルの対地寄生静電容量Cpvを図1に追加記載したものである。対地寄生静電容量Cpvは概略太陽電池パネルの面積に比例するものであることから、太陽電池パネルを用いた直流電源1の発電容量の大きさにほぼ比例すると判断できる。この対地静電容量Cpvが大きくなるほど切替えスイッチSW1,SW2切替え制御後の抵抗R4,R5の電圧値には過度現象が生じ、最終値に到達するまでに時間遅れが生じる。そこで、太陽電池パネルの規模等に応じて切替えスイッチのオンオフ制御タイミング時間を可変設定する機能を持たせ、対地静電容量に起因した過度的変化が無くなった後の計測を行う方式とすることにより、絶縁劣化以外の過度現象に起因した不要動作を防止することができる。
上記の具体的動作例を図3.2、図3.3を用いて説明する。図3.2は直流非接地の絶縁監視回路に太陽電池パネルの対地静電容量を追記したものである。CPV1は正極と大地アース間の静電容量に、CPV2は負極と大地アース間の静電容量に置き換えて示している。本図は地絡故障が生じていない健全状態を示すものであり、切替えスイッチSW1がオフ、切替えスイッチSW2がオン状態において抵抗R4,R5の電圧は双方とも零ボルトである。
この状態から、切替えスイッチSW2はオンのままで、切替えスイッチSW1をオンしたときの抵抗R4,R5の電圧変化を過度状態も含め図3.3に示す。切替えスイッチSW1がオフ、切替えスイッチSW2がオン状態においては、直流電圧をV、R1=R2=R3=Rとすれば、対地静電容量CPV1には抵抗分圧により2V/3の電圧が、CPV2にはV/3の電圧が充電された状態で安定している。これにより、切替えスイッチSW1をオンした瞬間の抵抗R4の電圧はCPV1の充電電圧2V/3によって決まり、R5の電圧はCPV2の充電電圧V/3の電圧によって決まる。一方、スイッチSW1,SW2ともオンした後のCPV1、CPV2の充電電圧は過度電圧を経た後、双方ともV/2となり、抵抗R4,R5の電圧ともV/2の電圧で決まる。図3.3はSW1,2のオン、オフ状態、およびその前後の抵抗R4,R5の過度電圧も含んだ電圧チャート図を示すものである。この図から分かるとおり、スイッチ切替直後においては変動が大きいことより一定時間経過して過度状態が安定した後に電圧測定を行う必要があることが分かる。尚,切替えスイッチのオンオフ制御タイミング時間を可変設定する方法や制御方法は、スイッチ制御回路部に外部の設定スイッチ等を設け、制御部にマイクロコンピュータ等を用いることにより容易に実現可能である。
更に、水滴等の付着に起因する静電容量への増加影響に対する対策例を図3.3の電圧V5のチャート拡大図を例に説明する。切替えスイッチのオン/オフ切替え直後において、想定される電圧変化に係わる時定数時間より十分短い時間間隔で電圧値のA/D変換データの取得を行う。その変化勾配より時定数τの概算値を求めることができる。ここで求まった概算時定数τの5倍時間程度をスイッチ切替え後の安定時間考えてデータ取得すれば、十分安定した状態の測定を自動調整可能であり、水滴、積雪等の付着に起因する運転状態の変化を補正することも容易に実現可能である。
図6は本発明に係わる絶縁監視装置の構成例において、図1に対しフィルタ回路6を追加した例である。太陽光発電装置においては多くの場合系統連系を行うため、直流電圧を交流に変換するパワーコンディショナー等を組合せて用いる。これにより、地絡故障時に限らず、通常運転状態においても対地静電容量等を介した商用周波数や高周波漏れ電流が生じている。そこでハードのフィルタ回路やソフトフィルタにより必要な成分のみを抽出することにより不要動作を防止することが行われており、本発明においてもフィルタ回路6を併用した例を示すものである。
図7は本発明に係わる絶縁監視装置の構成例において、図1に対し地絡電流の計測用として抵抗R6を専用に設けた例である。図1に示すとおり、抵抗R4,R5で地絡電流の計測も可能であるが、抵抗R4,R5を切替えスイッチSW1,SW2双方オン時の電圧計測に最適の抵抗定数とし、切替えスイッチSW1,あるいはSW2の一方のみオンした時の地絡電流計測の計測を別置した専用抵抗R6で行うものである。抵抗6の抵抗値は極めて小さな地絡電流領域を計測する場合と、比較的大きな地絡電流を計測する場合等に応じ選定することにより、よりきめこまかな地絡電流計測を可能とする特徴がある。
図8は請求項5に係る本発明の構成例を示すものであり、図1の実施例に対し分圧個所数および切替えスイッチ数を増やし、この例では抵抗R7,R8、R9,R10および切替えスイッチSW3,SW4を追加したものである。絶縁監視装置としての動作や地絡故障時の地絡抵抗の検出・演算は、前記多数の分岐切替えスイッチからいずれかの2個を選択することにより、図1と同様の処理で求めることができる。
図9に太陽光発電システムの回路ブロック図と地絡に係る関連適用機器例を示す。複数の太陽電池モジュールが直列接続されてなる太陽電池ストリングPVは、集電箱7で複数の太陽電池ストリングを並列接続して統合し、正極と負極の2線の直流回路として配線される。この全ストリングを含めた直流非接地回路全体の絶縁監視装置として本発明に係る絶縁監視装置5を設置する。ここで課題となるのは絶縁監視装置5が地絡故障検出時において、複数の太陽電池ストリングPVから故障ストリングを容易に特定する手段の提供にある。
その対応として太陽電池ストリングPV各回線ごとに直流零相変流器ZCTおよび漏電リレーELRを設置する方法が考えられる。ここで課題となるのが、絶縁監視装置5と漏電リレーELRの地絡電流検出感度の違いである。絶縁監視装置の検出レベルは予防保全も踏まえ微少の地絡電流検出レベルにより対地絶縁抵抗の演算を可能としている。一方、零相変流器ZCTと組合せた漏電リレーELRの検出可能な地絡電流検出レベルは、前記絶縁監視装置の微少の地絡電流検出レベルより大きなものとなり、必ずしも絶縁監視装置5と漏電リレーELRの協調が取れない点にある。
そこで図8の本発明に係わる絶縁監視装置5では、電源回路の対地絶縁抵抗が所定の抵抗値より小さくなった時、すなわち絶縁劣化故障と判断した場合、その絶縁劣化レベルに応じて適当な切替えスイッチを選択オンする機能を有し、これにより直流正極電路2.1または直流負極電路2.2と絶縁監視装置5の接地端子間の内部抵抗インピーダンスを小さくする。これにより地絡故障に伴う地絡電流を増加させ、故障回線の零相変流器ZCTを介して漏電リレーELRにて故障の判別を容易とするものである。
具体的動作例として、図9は太陽電池ストリング回線の負極側が地絡抵抗Rgで地絡している例を示す。図8に示す絶縁監視装置5において、常時の絶縁監視を切替えスイッチSW1,SW2を用いて行い、この場合直流負極側の地絡故障Rgを検出する。地絡故障検出後はスイッチ3をオンさせることにより、直流電源正極から抵抗R1,SW3,R9,およびRgを介して流れる地絡電流値を前記計測状態より大きくし漏電リレーELRによる地絡故障の判別を容易とするものである。また絶縁監視装置5においては抵抗R9の電圧計測値よりスイッチ3をオンしているときの地絡電流値の検出が可能であることより、前記漏電リレーELRの検出動作にて故障回線を切離した場合地絡電流が無くなることから故障回線の切離し確認も可能である。本方式によれば、地絡故障時において多数の太陽電池ストリングPV回線より故障回線を容易にかつ短時間で判別可能となることより、省力化のみでなく安全面においても極めて有効である。
1 直流電源
2.1 直流正極電路
2.2 直流負極電路
3 電圧計測部
4 スイッチ制御部
5 絶縁監視装置
6 フィルタ回路
7 接続箱
R1〜10 抵抗器
SW1〜4 切替えスイッチ
Cpv 太陽電池パネルの対地寄生静電容量
Cpv1 直流正極と大地間の太陽電池パネルの静電容量
Cpv2 直流負極と大地間の太陽電池パネルの静電容量
Rg 地絡抵抗
Ig 地絡電流
PV 太陽電池ストリング
ELR 直流用漏電リレー
ZCT 直流用零相変流器
2.1 直流正極電路
2.2 直流負極電路
3 電圧計測部
4 スイッチ制御部
5 絶縁監視装置
6 フィルタ回路
7 接続箱
R1〜10 抵抗器
SW1〜4 切替えスイッチ
Cpv 太陽電池パネルの対地寄生静電容量
Cpv1 直流正極と大地間の太陽電池パネルの静電容量
Cpv2 直流負極と大地間の太陽電池パネルの静電容量
Rg 地絡抵抗
Ig 地絡電流
PV 太陽電池ストリング
ELR 直流用漏電リレー
ZCT 直流用零相変流器
Claims (5)
- 非接地回路における絶縁監視装置において、電源の2線間に抵抗または定電圧素子を接続して少なくとも2箇所の異なる分圧した電位を得ることを可能とする第一の回路、前記第一の回路の少なくとも2箇所の異なる電位点に接続されたスイッチ素子及び前記各々のスイッチ素子に直列に接続した抵抗を結合した第二の回路、前記第二の回路の双方の抵抗の結合部を大地に接地する第三の回路、前記第二の回路の各々の抵抗の電圧を測定する電圧計測手段、およびスイッチ素子のスイッチ制御回路を備え、前記スイッチ素子を所定のタイミングでオンオフ制御するとともに、その制御に対応して測定した前記第二の回路の抵抗の電圧値より、非接地回路および電源部の対地絶縁抵抗値を演算する手段を備えたことを特徴とする絶縁監視装置。
- 請求項1に記載した絶縁監視装置において、前記スイッチ素子をオンオフ制御する制御タイミングにおいて、オンオフ制御時間幅、あるいはオンオフ制御のサイクル時間を可変設定する機能を有することを特徴とする直流回路の絶縁監視装置。
- 請求項1又は2に記載した絶縁監視装置において、前記スイッチ素子を所定のタイミングでオンオフ制御する制御タイミングにおいて、スイッチ素子オンオフ制御後の前記第二回路の抵抗の両端電圧の単位時間における変化量や両端電圧の安定するまでの時間を計測する機能を有し、それに応じてオンオフ制御時間幅、あるいはオンオフ制御のサイクル時間を自動的に可変制御することを特徴とする直流回路の絶縁監視装置。
- 請求項1又は2又は3に記載した絶縁監視装置であって太陽電池パネルを用いた太陽光発電設備において、直流非接地電路あるいは太陽電池モジュールの地絡故障時、その地絡抵抗値を検出するとともに、直流非接地回路の正極、負極、あるいは太陽電池モジュールの電位部位等の地絡発生箇所の検出あるいは推定する手段を備えたことを特徴とする直流回路の絶縁監視装置。
- 請求項1又は2又は3又は4に記載した絶縁監視装置において、監視回路の対地絶縁抵抗が所定の抵抗値より小さくなったとき、複数の前記スイッチ素子のいずれかを連続または所定の時間オンし、その間、接地点を経由して所定の地絡電流が流れるようにすることを特徴とする直流回路の絶縁監視装置。
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