JP7176384B2 - 蓄電システム及び、電流センサの異常判定方法 - Google Patents
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Description
本発明の実施形態の要旨としては、少なくとも以下のものが含まれる。
このように、いわば意図的に変化させた無効電流は、出力追従制御による出力変動に埋もれることがないので、電流センサが正常であれば、無効電流の変化を検出することができる。
この場合、変化の同期を見ることにより、正確かつ迅速に異常の有無を判定することができる。
この場合、まず第1の異常判定部により異常可能性の有無を判定し、判定結果が異常可能性有りの場合にのみ、第2の異常判定部により異常の有無の判定を行うことができる。言い換えれば、第1の異常判定部による判定結果が異常可能性無しの場合は、行っても異常無しとなる蓋然性が高い第2の異常判定部による判定を省略することができる。
この場合、N周期分の期間における平均の無効電力を求めることで、より正確に無効電力を求めることができる。なお、Nの値は多いほど正確になると考えられるが、多すぎると判定に時間がかかるので、5周期分(N=5)程度が好ましいと考えられる。
この場合、交流電路における電圧フリッカの発生を抑制することができる。
以下、本発明の一実施形態に係る蓄電装置及び電流センサの異常判定方法について、図面を参照して説明する。
図1は、蓄電システム10が、単相3線式の交流電路4に接続されている状態を示す回路図である。図において、需要家の交流電路4には、単相3線式の商用電力系統3から交流電力が供給される。交流電路4の3線をU線,O線(中性線),W線とすると、U線及びW線には、蓄電装置1が接続されている。なお、O線の電位を蓄電装置1に取り込むため、実際にはO線と蓄電装置1も接続されるが、O線との接続は、蓄電装置1の入出力とは関係が無いので図示を省略している。需要家の負荷としては、U相(U-O線間)に接続された負荷5uと、W相(W-O線間)に接続された負荷5Wと、U-W線間に接続された負荷5uwとがある。
また、本開示では、蓄電システム10において逆潮流を検出するために設けられている電流センサの異常判定の点に主眼を置いて説明しているので、図1,図2では、蓄電システム10にのみ注目した回路図を示している。実際には、蓄電装置単独ではなく、太陽光発電装置等の他の分散型電源と併用されることが多い。
異常判定対象のCTは、図1,図2におけるCT2u,2wであるが、以下、単にCTという。図6について説明したように、CTに異常は無くても、検出する電流が基準値に満たない0に近い値になることがある。このような場合に、本当に異常なのか、正常なのかを判定するには別の判定手段が必要である。
図3は、CTの異常判定を行うフローチャートの一例である。制御部13は、処理を開始すると、異常可能性の有無をチェックする(ステップS1)。具体的には、CTが検出した電流の実効値が一定値(例えば0.5A)以下であり、かつ、その電流の周波数を移動平均にて算出して求めた周波数と、電力変換部12内で検出した交流電圧の周波数と比べて偏差の絶対値が一定値(例えば3Hz)以上であった場合に、「異常可能性有り」となる。「異常可能性有り」ではない場合は、制御部13は、ステップS1,S2の処理を繰り返す。ステップS1,S2は、図2における第1の異常判定部13aの機能である。
図4及び図5は、無効電流の注入がどのような結果となって現れるかを示す波形図の例である。図4は、正常なCTについての波形図、図5は異常なCTについての波形図である。図4(図5も同様)の上段の波形は、実線がU相の電圧、点線はW相の電圧をそれぞれ表している。単相3線式であるので、位相は互いに180度ずれている。中段は無効電流の注入信号である。Lレベルが注入無し、Hレベルが注入有り、である。下段は、図6に示したような状態におけるCTの検出出力(電流)である。実線はCT2uの検出する電流を表し、点線はCT2wの検出する電流を表している。
Pu:U相の有効電力[W]
iu:U線の有効電流[A]
vu:U相の電圧[V]
Su:U相の皮相電力[VA]
Qu:U相の無効電力[var]
Pw:W相の有効電力[W]
iw:W線の有効電流[A]
vw:W相の電圧[V]
Sw:W相の皮相電力[VA]
Qw:W相の無効電力[var]
なお、上記開示において、電流センサはCTとして説明した。これは、交流電流の測定には安価なCTが使用されることが多いこと、しかも、クランプ型CTが使用されることが多いために取り付け後の脱落という可能性があること、が理由である。しかしながら、電流センサがCT以外(例えばホール素子を用いたもの)であっても故障や断線等の異常が発生する可能性はあるので、本開示の異常判定方法は、CT以外の電流センサであっても同様に適用することができる。
上述のように、本開示の蓄電システム10は、商用電力系統3と繋がる交流電路4に接続されるものであって、蓄電池11と、蓄電池11と交流電路4との間にあって、蓄電池11を充電し又は放電させるための電力変換を行う電力変換部12と、電力変換部12と交流電路4との接続点Pよりも商用電力系統側に取り付けられ、接続点Pと商用電力系統3との間に流れる電流を検出する電流センサ(CT2u,2w)と、電力変換部12を制御するとともに、電流センサの検出出力に基づいてそれらの異常の有無を検出する制御部13と、を備えている。そして、制御部13は、蓄電池11の充電又は放電の電流に注入する無効電流を電力変換部12によって変化させ、当該無効電流の変化に反応して電流センサの検出出力が変化するか否かに基づいて、電流センサの異常の有無を判定する。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
2u,2w CT(電流センサ)
3 商用電力系統
4 交流電路
5u,5w,5uw 負荷
10 蓄電システム
11 蓄電池
12 電力変換部
13 制御部
13a (第1の)異常判定部
13b (第2の)異常判定部
100 蓄電システム
101 蓄電装置
102u,102w CT
103 商用電力系統
104 交流電路
105u,105w 負荷
P 接続点
Claims (6)
- 商用電力系統と繋がる交流電路に接続される蓄電システムであって、
蓄電池と、
前記蓄電池と前記交流電路との間にあって、前記蓄電池を充電し又は放電させるための電力変換を行う電力変換部と、
前記電力変換部と前記交流電路との接続点よりも商用電力系統側に取り付けられ、前記接続点と前記商用電力系統との間に流れる電流を検出する電流センサと、
前記電力変換部を制御するとともに、前記電流センサの検出出力に基づいて前記電流センサの異常の有無を検出する制御部と、を備え、
前記制御部は、2以上の自然数をNとして、前記蓄電池の充電又は放電の電流に注入する無効電流を前記電力変換部によって変化させた場合と変化させない場合とでそれぞれ、前記交流電路の周波数のN周期分の期間で前記電流センサの検出出力に基づく平均の無効電力を求め、2つの無効電力の差に基づいて、前記電流センサの異常の有無を判定する、蓄電システム。 - 前記無効電流の変化は、前記交流電路に接続されている負荷の変動とは関係なく、前記制御部の一方的な指令により生じさせるものである請求項1に記載の蓄電システム。
- 前記制御部は、前記無効電流の変化に同期して前記検出出力に変化が現れるか否かにより前記電流センサの異常の有無を判定する請求項1又は請求項2に記載の蓄電システム。
- 前記制御部は、
前記検出出力と基準値とを比較して前記電流センサの異常可能性の有無を判定する第1の異常判定部と、
前記第1の異常判定部による判定結果が異常可能性有りの場合、前記異常の有無の判定を行う第2の異常判定部と、
を含む請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の蓄電システム。 - 変化させた無効電流に基づく無効電力が、定格電力の5%以下になるようにする請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の蓄電システム。
- 蓄電池を充電し又は放電させるための電力変換を行う電力変換部と交流電路との接続点よりも商用電力系統側に電流センサが設けられている場合の、当該電流センサの異常判定方法であって、
2以上の自然数をNとして、前記蓄電池の充電又は放電の電流に注入する無効電流を変化させた場合と変化させない場合とでそれぞれ、前記交流電路の周波数のN周期分の期間で前記電流センサの検出出力に基づく平均の無効電力を求め、2つの無効電力の差に基づいて、前記電流センサの異常の有無を判定する、電流センサの異常判定方法。
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