JP6604055B2 - 積層シートの製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、建築物の内装材に用いられる積層シートの製造方法及び製造装置
に関する。
従来から塗工技術を用いてPET、PEN、PES、ブラチールまたはナイロン等の樹脂材料を基材として用い、基材上に塗工層を形成した積層シートが様々な用途に用いられている。
この種の積層シートの製造方法として、例えば特許文献1に記載されているように、長尺の基材(特許文献1では複合材料シートと称している)をローラー等の搬送装置によって塗工位置まで搬送し、この塗工位置に搬送された基材上にダイコートやグラビアコートなどの塗工方法を用いて塗工液を塗布する。そして、塗工液が塗布された基材を、搬送装置によって乾燥炉内に搬送した上で、乾燥炉内において基材上の塗工液を硬化した塗工層を形成し、積層シートを作製している。
特開2006−231149号公報
ところで、特許文献1の積層シートの製造方法は、乾燥炉内で基板上に塗工層を形成する際に、塗工層表面が先に乾燥硬化し、基材との接触面に近い側(塗工層の深さ方向)が乾燥硬化途中の状態となるので、均一な硬さの塗工層とならない。このような現象は、塗工層の厚さが厚い場合に顕著となる。
塗工液を均一に乾燥固化するためには自然乾燥に近い状態で行なうことが好ましいが、積層シートの生産効率の面で問題がある。
また、塗工液を迅速に乾燥固化させるために、乾燥炉内の乾燥温度を高くすることも考えられるが、乾燥温度を高めることで基材が変質するおそれがある。
そこで本発明は、生産効率が大幅に向上し、塗工層が厚い場合であっても均一な硬さを持った積層シートを製造することができる積層シートの製造方法及び装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る積層シートの製造方法は、基材の上面に塗工液を塗布する塗布工程と、基材の上面に塗布した塗工液に過熱蒸気を噴霧する過熱蒸気発生工程と、この過熱蒸気発生工程に並行して基材の下面を冷却する冷却工程と、を備えている。
また、本発明の一態様に係る積層シートの製造装置は、基材を塗工位置まで搬送する搬送装置と、塗工位置に搬送された基材の上面に塗工液を塗布する塗布装置と、基材の上面に塗布した塗工液に過熱蒸気を噴霧する過熱蒸気発生装置と、過熱蒸気発生装置による過熱蒸気の噴霧に並行して基材の下面を冷却する冷却装置と、を備えている。
ここで、過熱蒸気とは、飽和蒸気をさらに加熱して飽和温度以上の蒸気温度を持たせた蒸気である。
本発明の積層シートの製造方法及び製造装置によれば、基材に塗布した塗工液に過熱蒸気を噴霧し、並行して基材の下面を冷却して積層シートを製造することで、過熱蒸気の潜熱を利用して塗工液の表面から内部(基材側)までを均一に乾燥固化するとともに、基材の熱による変質を防止することができるので、生産効率が大幅に向上し、塗工層が厚い場合であっても均一な硬さを持った積層シートを製造することができる。
本発明に係る第1実施形態の積層シートの製造装置を示す概略構成図である。 本発明に係る第2実施形態の積層シートの製造装置を示す概略構成図である。 本発明に係る積層シートの断面を示す模式図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という。)を、図面を参照しながら詳細に説明する。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という。)を、図面を参照しながら詳細に説明する。ここで、図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係、各層の厚さの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、図面の具体的な厚さや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。
[第1実施形態の積層シートの製造装置]
図1は、本発明に係る第1実施形態の積層シートの製造装置を示す図である。
第1実施形態の積層シートの製造装置は、長尺な基材1を製造ラインに搬送する基材搬送装置2と、製造ラインの上流に配置されて基材1の上面に塗工液3を塗布する塗布装置4と、製造ラインの下流に配置されて基材1に塗布した塗工液3を乾燥固化して塗工層5を形成する乾燥室6と、を備えている。
基材搬送装置2は、基材1をコイル状に巻き付けた状態でストックしている供給用コイラー7と、供給用コイラー7から引き出された基材1を案内する上流側ガイドローラ8と、乾燥室6で基材1上に塗工層5を形成して製造された積層シート9を製品回収装置(不図示)に案内する下流側ガイドローラ10と、を備えている。
乾燥室6には、基材1の上面に塗布された塗工液3に過熱蒸気を噴霧する過熱蒸気発生装置11と、塗工液3に過熱蒸気が噴霧されている基材1の下面が接触しながら移動する複数の冷却ロール12とが配置されている。
ここで、過熱蒸気発生装置11は、過熱蒸気の温度が塗工液3の表面或いは表面近傍において120℃以上600℃以下となるように、基材1上の塗工液3に所定量の過熱蒸気を噴霧している。
また、複数の冷却ロール12は、基材1の下面の温度が100℃以下30℃以上となるように基材1の下面に接触しながら冷却している。
ここで、本発明に係る塗工位置は、塗布装置4が基材1に塗工液3を塗布する位置に対応し、本発明に係る搬送装置が基材搬送装置2に対応している。また、本発明において過熱蒸気の温度が120℃以上600℃以下となる箇所を塗工液の表面と記載しているが、この塗工液の表面は、塗工液3の表面と表面近傍とを含んでいるものとする。
また、過熱蒸気発生装置11は、乾燥室6内部に複数箇所設けてもよく、複数箇所設ける場合には、それぞれ同じ温度に設定してもよいし、それぞれ異なる温度に設定してもよい。また、複数の冷却ロール12は、それぞれ異なる温度に設定してもよい。
[基材の材料]
基材1に用いる材料としてポリオレフィン系樹脂がある。オレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテンなどの他に、αオレフィン(例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、9−メチル−1−デセン、11−メチル−1−ドデセン、12−エチル−1−テトラデセンなどを)を単独重合あるいは2種類以上共重合させたものや、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン・メチルメタクリレート共重合体、エチレン・エチルメタクリレート共重合体、エチレン・ブチルメタクリレート共重合体、エチレン・メチルアクリレート共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・ブチルアクリレート共重合体などのように、エチレンまたはαオレフィンとそれ以外のモノマーとを共重合させたものが挙げられる。また、強度の向上を図る場合には、高結晶性のポリプロピレンを用いることが好ましい。さらに、樹脂に核剤を添加してもかまわない。
また、基材1に用いられる樹脂に無機顔料を配合してもよく、延伸加工処理(一軸延伸加工、二軸延伸加工)を施したものでもよい。
無機顔料は何でも良く、天然無機顔料、合成無機顔料を選定できる。天然無機顔料としては、例えば、土系顔料、焼成土、鉱物性顔料などが挙げられる。合成無機顔料としては、酸化物顔料、水酸化物顔料、硫化物顔料、珪酸塩顔料、燐酸塩顔料、炭酸塩顔料、金属粉顔料、炭酸顔料などが挙げられる。また、天然無機顔料、合成顔料の中から、一種類もしくは二種類以上の混合物としても選定することが出来る。
さらに、基材1の材料として、紙基材を用いても良い。紙基材としては、スルファミン酸グアジニンやリン酸グアジニンなどの水溶性難燃剤を含浸させたパルプ主体の難燃紙、または、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの無機質剤を配合した無機質紙などを用いることが出来る。
[塗工液の材料]
基材1の上面に塗布する塗工液3の材料として、ポリウレタン系、アクリルシリコン系、フッ素系、エポキシ系、ビニル系、ポリエステル系、メラミン系、アミノアルキッド系、尿素系などから適宜選択して用いることができる。材料の形態は、水性、エマルジョン、溶剤系など特に限定されるものではない。また、無機材料と有機材料を同時に混ぜてもよいし、その種類は2種類以上でもよい。
塗工液3の主成分としては、イソシアネートを用いたウレタン系のものが作業性、価格、樹脂自体の凝集力などの観点から好適である。イソシアネートには、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、メタジイソシアネート(MDI)、リジンジイソシアネート(LDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、メチルヘキサンジイソシアネート(HTDI)、メチルシクロヘキサノンジイソシアネート(HXDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)などから適宜選択し、熱硬化型と、光硬化型樹脂とを混合したハイブリット型とすることもできる。
[第1実施形態の積層シートの製造方法]
図1を参照して第1実施形態の積層シート9の製造方法について説明する。
基材搬送装置2の供給用コイラー7に巻き付いていた基材1が、上流側ガイドローラ8に案内されて塗布装置4の直下に搬送されてくると、塗布装置4が基材1の上面に塗工液3を塗布する。
塗工液3が塗布されてから乾燥室6に搬送されていった基材1は、複数の冷却ロール12に下面に接触しながら移動する。この際、複数の冷却ロール12は、基材1の下面の温度が100℃以下30℃以上となるように冷却する。
また、乾燥室6内で基材1が冷却されていると同時に、過熱蒸気発生装置11が、塗工液3の表面に過熱蒸気を噴霧する。この際、過熱蒸気発生装置11は、過熱蒸気の温度が塗工液3の表面或いは表面近傍において120℃以上600℃以下となるように、塗工液3に所定量の過熱蒸気を噴霧する。
ここで、過熱蒸気とは、飽和蒸気をさらに加熱して飽和温度以上の蒸気温度を持たせた蒸気である。水を加熱していくと、100℃で非常に大きな潜熱(凝縮潜熱:539kcal)を持つ。そのため、100℃以上に加熱した気体の中に、低温の物質を入れると、低温の物質表面で凝縮が生じ、その際に潜熱を物質に放出する。潜熱は、通常の加熱炉による加熱方式(気体の対流による伝熱)に比べて、大量の熱(凝縮伝熱、対流伝熱による伝熱、通常の加熱は対流伝熱のみ)を加えることができ、急速に加熱することが可能となる。
そして、基材1に塗布された塗工液3が、120℃以上600℃以下の過熱蒸気により乾燥固化されている状況において、基材1の下面の温度が100℃よりも高いと、凝縮の効果が小さくなるが、複数の冷却ロール12が基材1の下面の温度を100℃以下に設定していることで、潜熱による凝縮伝熱が最大限に生かされる。
ここで、基材1の下面の温度が100℃よりも高い値で冷却されると、上述したように、凝縮の効果が少なくなって塗工液3を乾燥固化するために多くの時間が必要となる。また、基材1の下面の温度を30℃よりも低い値で冷却すると、複数の冷却ロール12を冷却するための大量の冷却熱源が必要となり、基材1の冷却効率の面で問題がある。
また、過熱蒸気の温度が塗工液3の表面或いは表面近傍において600℃を上回ると基材1が変質するおそれがあるとともに、過熱蒸気の温度が塗工液3の表面或いは表面近傍において120℃を下回ると、過熱蒸気の潜熱が利用できず、乾燥効率が悪くなって硬化が十分に行なわれない。
そして、乾燥室6内での塗工液3の乾燥固化が完了し、基材1の上面に塗工層5を形成して製造された積層シート9は、下流側ガイドローラ10に案内されて製品回収装置に回収されていく。
[第1実施形態の積層シートの製造方法及び製造装置の効果]
第1実施形態の積層シートの製造方法によると、基材1に塗布した塗工液3に過熱蒸気を噴霧し、同時に基材1を冷却して積層シート9を製造することで、過熱蒸気の潜熱を利用して塗工液3の表面から内部(基材1側)までを均一に乾燥固化するとともに、基材1の熱による変質を防止することができるので、生産効率が大幅に向上し、塗工層5が厚い場合であっても均一な硬さを持った積層シート9を製造することができる。
また、過熱蒸気の温度を塗工液3の表面或いは表面近傍において120℃以上600℃以下としたことで、過熱蒸気の潜熱を最大限利用して乾燥効率を向上させることができる。
また、複数の冷却ロール12で基材1を冷却することで、塗工液3に過熱蒸気が噴霧されていても基材1の変質を防止することができる。また、過熱蒸気の潜熱による凝縮伝熱を最大限に生かすことができ、通常の乾燥炉による乾燥で乾燥固化できなかった塗工液3の乾燥固化が可能となる。さらに、低温部位に凝縮するために、加熱ムラが抑制されるといった特徴をもつために、均一な硬さの塗工層5を形成することができる。
また、過熱蒸気の温度が塗工液3の表面或いは表面近傍において120℃以上600℃以下であるので基材1の温度も上昇する。基材1の下面の温度が100℃を超えると、凝縮潜熱の効果が小さくなる。そこで、基材1の下面を冷却ロール12で冷却し、塗工液3が過熱蒸気により乾燥固化されている状況においても基材1の下面の温度を100℃以下30℃以上に設定し、凝縮潜熱の効果を最大限に高め、塗工液3の乾燥固化を促進することができる。
また、第1実施形態の積層シートの製造装置によると、長尺な基材1を製造ラインに搬送する基材搬送装置2と、製造ラインの上流に配置されて基材1の上面に塗工液3を塗布する塗布装置4と、製造ラインの下流に配置されて基材1に塗布した塗工液3を乾燥固化して塗工層5を形成する乾燥室6とを備え、乾燥室6には、基材1の上面に塗布された塗工液3に過熱蒸気を噴霧する過熱蒸気発生装置11と、塗工液3に過熱蒸気が噴霧されている基材1の下面が接触しながら移動する複数の冷却ロール12とが配置されているので、高品質の積層シート9を、生産効率を大幅に向上させて製造することができる。
[第2実施形態の積層シートの製造装置]
図2は、本発明に係る第2実施形態の積層シートの製造装置を示す図である。
第2実施形態の積層シートの製造装置は、図1で示した第1実施形態の装置で使用していた複数の冷却ロール12に替えて、室温より低い温度の冷却窒素が噴射する冷却窒素噴射装置13を配置している。
この冷却窒素噴射装置13は、乾燥室6に搬送ローラ(不図示)で搬送されてきた基材1の下面に冷却窒素を噴射することで、基材1の下面の温度が100℃以下30℃以上となるように冷却している。
ここで、本発明に係る冷却材が冷却窒素に対応している。
[第2実施形態の積層シートの製造方法及び製造装置の効果]
第2実施形態の積層シートの製造装置を使用した製造方法によると、基材1に塗布した塗工液3に過熱蒸気を噴霧し、同時に基材1に冷却窒素噴射装置13から冷却窒素を噴射して冷却して積層シート9を製造することで、過熱蒸気の潜熱を利用して塗工液3の表面から内部(基材1側)までを均一に乾燥固化するとともに、基材1の熱による変質を防止することができるので、生産効率が大幅に向上し、塗工層5が厚い場合であっても均一な硬さを持った積層シート9を製造することができる。
また、冷却窒素で基材1を冷却することで、過熱蒸気の潜熱による凝縮伝熱を最大限に生かすことができ、通常の乾燥炉による乾燥で乾燥固化できなかった塗工液3の乾燥固化が可能となるとともに、低温部位に凝縮するために、加熱ムラが抑制されるといった特徴をもつために、均一な硬さの塗工層5を形成することができる。
また、第2実施形態の積層シートの製造装置によると、長尺な基材1を製造ラインに搬送する基材搬送装置2と、製造ラインの上流に配置されて基材1の上面に塗工液3を塗布する塗布装置4と、製造ラインの下流に配置されて基材1に塗布した塗工液3を乾燥固化して塗工層5を形成する乾燥室6とを備え、乾燥室6には、基材1の上面に塗布された塗工液3に過熱蒸気を噴霧する過熱蒸気発生装置11と、基材1の下面に冷却窒素を噴射する冷却窒素噴射装置13とが配置されているので、高品質の積層シート9を、生産効率を大幅に向上させて製造することができる。
[他の実施形態の積層シートの製造方法及び製造装置の効果]
第2実施形態は、基材1を冷却する装置として、基材1の下面に冷却窒素を噴射する冷却窒素噴射装置13を使用したが、冷却窒素、冷却アルゴン、冷却空気、液体窒素及びドライアイスのうち少なくとも1種類の冷却材を基材1の下面に噴射しても、第2実施形態の積層シートの製造方法及び製造装置の効果と同様のものを得ることができる。
先ず、基材1の構造について図3を参照して説明する
ペンタッド分率が97.8%、MFR(メルトフローレート)が15g/10min(230℃)、分子量分布MWD(Mw/Mn)が2.3の高結晶化ホモポリプロピレン樹脂に、ヒンダードフェノール系酸化防止剤(イルガノックス1010:チバスペシャリティケミカルズ社製)を500PPMと、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チヌビン328:チバスペシャリティケミカルズ社製)を2000PPMと、ヒンダードアミン系光安定剤(キマソーブ944:チバスペシャリティケミカルズ社製)を2000PPMと、リン酸エステル金属塩系造核剤(アデカスタブNA−21:ADEKA社製)を1000PPMとを添加した樹脂を、溶融押出機を用いて押し出し、厚さ200μmの高結晶性ポリプロピレン製の透明樹脂層20を形成した。
また、透明樹脂層20の両面にコロナ処理を施して表面の濡れを40dyn/cm以上とした。なお、押し出し時の冷却条件のコントロールにより、透明樹脂層20の結晶性ポリプロピレン樹脂のヘイズ値は8.5%となった。
また、透明樹脂層20の片面に、2液硬化型ウレタンインキ(V180:東洋インキ製造(株)製)にて柄印刷を行って絵柄層21を形成した。
また、絵柄層21に重ねて隠蔽性のある2液硬化型ウレタンインキ(V180:東洋インキ製造(株)製)を塗布量6g/m にて塗布して隠蔽層22を形成した。
また、隠蔽層22に重ねて、プライマーコートとして2液硬化型ウレタンインキ(PET−E、レジウサー:大日精化(株)製)を塗布量1g/m にて塗布してプライマー層23を形成した。
さらに、透明樹脂層20にエンボス用の金型ロールを用いてプレスすることで、エンボス模様20aを施した。
このように、基材1は、エンボス模様20aを施した透明樹脂層20、絵柄層21、隠蔽層22及びプライマー層23で構成されている。
そして、基材1のエンボス模様20aの上部に、塗工液3(W184:大日本インキ(株)製)を塗布量6g/mにて塗布した。
そして、第1実施形態の積層シートの製造方法及び装置を使用し、表1で示す基材1に対する過熱蒸気温度及び冷却温度(表1では基板温度と記載)を変化させて、厚さ320μmの積層シート9を形成した。
Figure 0006604055
(性能評価)
性能評価は、鉛筆硬度試験にて行った。鉛筆硬度Hの鉛筆を用い、鉛筆の先端を乾燥固化させて形成した積層シート9の塗工層5上に接触させ、さらに鉛筆に500gの荷重を掛けて、鉛筆を固定したまま、積層シート9を600ミリ/分で20往復させた。その後、表面の傷の有無により乾燥、固化を評価した。乾燥、固化が不十分な場合には、この鉛筆硬度試験により、塗工層5上に凹みが観察されたり、ひどい場合には、塗工層5がえぐられたりする。
表1の性能評価の結果から、過熱蒸気の温度が塗工液3の表面或いは表面近傍において120℃以上600℃以下であって、基材1の下面の温度が100℃以下30℃以上となるように冷却すると、乾燥固化が最適化された均一な硬さの積層シート9を形成できることを確認した。
1 基材
2 基材搬送装置
3 塗工液
4 塗布装置
5 塗工層
6 乾燥室
7 供給用コイラー
8 上流側ガイドローラ
9 積層シート
10 下流側ガイドローラ
11 過熱蒸気発生装置
12 冷却ロール
13 冷却窒素噴射装置

Claims (8)

  1. 基材の上面に塗工液を塗布する塗布工程と、
    前記基材の前記上面に塗布した前記塗工液に過熱蒸気を噴霧する過熱蒸気発生工程と、
    この過熱蒸気発生工程に並行して前記基材の下面を冷却する冷却工程と、
    を備え
    前記冷却工程において、室温より低い温度の冷却材を前記基材の下面に接触させて前記基材を冷却し、
    前記冷却材は、窒素、アルゴン、冷却窒素、液体窒素及びドライアイスのうち少なくとも1種類であることを特徴とする積層シートの製造方法。
  2. 前記過熱蒸気の温度が前記塗工液の表面において120℃以上600℃以下となるように、前記過熱蒸気発生工程を行なうことを特徴とする請求項1記載の積層シートの製造方法。
  3. 前記冷却工程は、前記基材の前記下面の温度が100℃以下に設定されるように前記基材を冷却することを特徴とする請求項1又は2に記載の積層シートの製造方法。
  4. 前記冷却工程は、前記基材の前記下面の温度が100℃以下30℃以上に設定されるように前記基材を冷却することを特徴とする請求項3記載の積層シートの製造方法。
  5. 基材を塗工位置まで搬送する搬送装置と、
    前記塗工位置に搬送された前記基材の上面に塗工液を塗布する塗布装置と、
    前記基材の前記上面に塗布した前記塗工液に過熱蒸気を噴霧する過熱蒸気発生装置と、
    前記過熱蒸気発生装置による前記過熱蒸気の噴霧に並行して前記基材の下面を冷却する冷却装置と、
    を備え
    前記冷却装置は、室温より低い温度の冷却材を前記基材の下面に接触させる装置であり、
    前記冷却材は、窒素、アルゴン、冷却窒素、液体窒素及びドライアイスのうち少なくとも1種類であることを特徴とする積層シートの製造装置。
  6. 前記過熱蒸気発生装置は、前記過熱蒸気が前記塗工液の表面において120℃以上600℃以下となるように噴霧することを特徴とする請求項5に記載の積層シートの製造装置。
  7. 前記冷却装置は、前記基材の前記下面の温度が100℃以下に設定されるように前記基材を冷却することを特徴とする請求項又はに記載の積層シートの製造装置。
  8. 前記冷却装置は、前記基材の前記下面の温度が100℃以下30℃以上に設定されるように前記基材を冷却することを特徴とする請求項7に記載の積層シートの製造装置。
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