JP6603795B2 - 感圧粘着フィルム - Google Patents

感圧粘着フィルム Download PDF

Info

Publication number
JP6603795B2
JP6603795B2 JP2018509044A JP2018509044A JP6603795B2 JP 6603795 B2 JP6603795 B2 JP 6603795B2 JP 2018509044 A JP2018509044 A JP 2018509044A JP 2018509044 A JP2018509044 A JP 2018509044A JP 6603795 B2 JP6603795 B2 JP 6603795B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
sensitive adhesive
film
fine particles
particle size
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2018509044A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2017169895A1 (ja
Inventor
直貴 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Publication of JPWO2017169895A1 publication Critical patent/JPWO2017169895A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6603795B2 publication Critical patent/JP6603795B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin
    • B32B27/18Layered products comprising a layer of synthetic resin characterised by the use of special additives
    • B32B27/20Layered products comprising a layer of synthetic resin characterised by the use of special additives using fillers, pigments, thixotroping agents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09JADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
    • C09J11/00Features of adhesives not provided for in group C09J9/00, e.g. additives
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09JADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
    • C09J7/00Adhesives in the form of films or foils
    • C09J7/20Adhesives in the form of films or foils characterised by their carriers

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

本発明は、感圧粘着フィルムに関する。
貼り付ける対象物(以下、貼付対象物と称する)へ位置合わせをし、その状態で仮留めをし、その後強い圧力を付与することにより貼り付けることができる感圧粘着フィルムが知られている。このように感圧粘着フィルムは付与された圧力に応じた粘着性能をもち、フィルム基材の表面に粘着剤を付与したものであり、種々提案されている。
例えば、特許文献1には、フィルム基材と粘着層と剥離紙とがこの順で重なった感圧粘着フィルムが提案されている。粘着層には複数の突起が形成されている。各突起は微粒子により形成されており、微粒子は10μm未満の平均粒径、最も好ましくは2μm以下の平均粒径をもつ。この感圧粘着フィルムは、剥離紙を剥がしてから貼付対象物へ貼り付けられる。
感圧粘着フィルムには、特許文献1に記載されるように、剥離紙が設けられる。剥離紙は、感圧粘着フィルム同士を複数枚重ねた状態で置いておくことにより重なった一方の感圧粘着フィルムの粘着層と他方のフィルム基材とが貼り付くこと、すなわちブロッキングを防止する。
ところで、微粒子を含んだ粘着層を備える粘着フィルムは各種提案されている。例えば特許文献2には、フィルム基材と第1粘着層と第2粘着層とがこの順で重なり、第1粘着層が微粒子を含まず、第2粘着層が微粒子を含むマスキング用粘着テープとしての粘着フィルムが記載されている。微粒子の粒径は好ましくは10μm以下とされている。
また、特許文献3と特許文献4とにも、フィルム基材と第1粘着層と第2粘着層とがこの順で重なり、第1粘着層が微粒子を含まず、第2粘着層が微粒子を含む粘着フィルムが記載されている。
特許文献3と特許文献4とに記載される微粒子は粒径分布において、2つの粒径ピークをもつ。特許文献3の粘着フィルムは導電性粘着フィルムであり、2つの粒径ピークの一方であるピークAは、0.2μm〜0.8μmの粒径範囲にあり、他方であるピークBは3μm〜15μmの粒径範囲にある。これにより、特許文献3は、微粒子同士の接触点を多数形成している。特許文献3は、微粒子同士の接触点を多数形成するために、第2粘着層の微粒子の含有率を特に好ましくは70重量%以上としている。特許文献4は、2つの粒径ピークの一方と他方との差を1μm以上としている。
特開昭58−13682号公報 特開2001−064604号公報 特開2015−130418号公報 特開2009−074067号公報
特許文献1は、上記の仮留めを考慮し、初期粘着性を小さく抑えているものの、剥離紙を設けてある。剥離紙は、貼付対象物への貼り付けの際に剥がす手間がかかり、作業の効率化を阻む。また、剥がした剥離紙は、回収及び/または廃棄といった後処理を要する。さらに、剥離紙が設けられている感圧接着フィルムは剥離紙の厚み分で、保管及び/または輸送におけるスペース及び/または重量がかさむ。そこで、こうした観点から、剥離紙が不要にも関わらず、ブロッキングを発生しないものが望まれる。
そして、ブロッキングを防止する手法については特許文献2〜4には記載されていない。また、特許文献2,3に記載される粘着フィルムは、前述の粒径をもつ微粒子を、導電性を確保するために多量に用いているが、こうした微粒子の多量の使用は、感圧粘着フィルムの場合には、例えば透明性を損なわせることになるなどの理由から、用途が制限されるなどのデメリットがある。
そこで、本発明は、ブロッキングの発生を抑制し、用途に広がりをもつ感圧粘着フィルムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の感圧粘着フィルムは、透明なフィルム基材と、第1粘着層と、第2粘着層とを備え、一方のフィルム面に複数の突起が形成されており、突起を成す微粒子を複数有する。第1粘着層は、フィルム基材上に設けられ、第1の粘着剤を含む。第2粘着層は、第1粘着層のフィルム基材側と反対側の表面に設けられ、上記の一方のフィルム面を成し、第2の粘着剤と複数の上記微粒子とを有する。複数の微粒子の粒径分布は、互いに異なる2つの粒径ピークを有する。2つの粒径ピークが2μm以上15μm以下の範囲内である。
第1粘着層は、微粒子が非含有であることが好ましい。
2つの粒径ピークのうち大きい一方の第1ピークを構成する第1微粒子群の質量をM1とし、小さい他方の第2ピークを構成する第2微粒子群の質量をM2とするときに、M1≧M2であることが好ましい。
2つの粒径ピークのうち大きい一方の第1ピークは、8μm以上15μm以下の範囲内であることが好ましい。
2つの粒径ピークのうち小さい他方の第2ピークは、第1ピークとの差が大きくても13μmであることが好ましい。
第2粘着層の微粒子の含有率は大きくても40%であることが好ましい。
本発明によれば、剥離紙が不要であり、用途に広がりがある。
感圧粘着フィルムの断面図である。 第1フィルム面の微粒子での被覆率の求め方の説明図である。 感圧粘着フィルムに対して厚み方向で付与した圧力と感圧粘着フィルムの粘着力との関係を示すグラフである。 感圧粘着フィルムの製造設備の概略図である。 感圧粘着シート材の幅方向に沿った断面の端面説明図である。 ナーリング装置の概略図である。 第1ナーリングローラの周面の展開説明図である。 第1ナーリングローラの突起の説明図である。
図1において、本発明を実施した感圧粘着フィルム10は、フィルム基材11と、フィルム基材11の一方の表面(以下、基材面と称する)に配される第1粘着層12と、この第1粘着層12上に密着して設けられる第2粘着層13とを備える。この感圧粘着フィルム10は、長尺のいわゆるウェブであってもよいし、例えば矩形のシートであってもよい。第2粘着層13により構成される一方のフィルム面(以下、第1フィルム面と称する)10aが、貼り付ける対象物(以下、貼付対象物と称する)に対する粘着面である。また、フィルム基材11が他方のフィルム面(以下、第2フィルム面と称する)10bを成しており、この第2フィルム面10b側から押す、すなわち圧力をかけることによって感圧粘着フィルム10は貼付対象物へ貼り付けられる。
感圧粘着フィルム10は、例えば、分析機器のカバーフィルムと、マーキングフィルム等に使用される。例えばカバーフィルムに使用される場合には、感圧粘着フィルム10の第2フィルム面10bとなるフィルム基材11の基材面に防汚処理が予め施されることが好ましい。また、例えばマーキングフィルムに使用される場合には、感圧粘着フィルム10の第2フィルム面10bとなるフィルム基材11の基材面に印刷が予め施されたり、装飾が予め付与される。
感圧粘着フィルム10は、厚み方向で付与された圧力が5N/cm以下である場合には、粘着力が0N/25mmとされている。なお、以下に記載する圧力はいずれも厚み方向で付与される圧力である。5N/cm以下の圧力を、以下第1圧力と称する。第1圧力は、後述の使用前場面で付与される可能性がある圧力に相当する。
粘着力は、日本工業規格JIS Z0237に基づいて求められ、本実施形態でもこれに基づいている。本実施形態では、まず、感圧粘着フィルム10から測定用のサンプルとして0.025m×0.1mの大きさで切り出す。第1フィルム面10aを上に向けた状態でサンプルを台の上に置き、第1フィルム面10aの上に、所定のサイズ(0.025m×0.13mの大きさ)に切り出した厚みが12μmのポリプロピレンフィルム(王子製紙(株)製、アルファンE−501)を被せ、専用ゴムロール(株式会社井元製作所製、手動式テープ圧着ロール、IMC−B2)を用いてJIS Z0237に基づく方法でサンプルに押付けている。そしてポリプロピレンフィルムがサンプルから剥がれる際の荷重を粘着力としている。荷重の測定は、電動式ヨコ型デジタルフォースゲージスタンド(日本電産シンポ(株)製、FGS−50XB)に取り付けたデジタルフォースゲージ(日本電産シンポ製、FGP−5)にて行っている。
感圧粘着フィルム10は、5N/cmより大きい圧力が付与された場合の粘着力が0N/25mmより大きく10N/25mm以下の範囲内とされている。なお、5N/cmより大きい圧力を、以下、第2圧力と称する。第2圧力が付与された場合の上記粘着力は、第2圧力が付与されることにより発現するものであり、この圧力が解除された後にも持続する。第2圧力は、後述の使用場面で付与する圧力に相当する。
フィルム基材11は、感圧粘着フィルム10のフィルム本体であり、透明である。本実施形態のフィルム基材11はポリエチレンテレフタレート(以下、PETと称する)から形成されており、添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤及び/または紫外線吸収剤等が挙げられる。フィルム基材11の素材は、PETに限られない。例えば、フィルム基材11は、ポリ塩化ビニル(以下、PVCと称する)、ポリエチレン(以下、PEと称する)などから形成されていてもよく、この場合にも上記の各種添加剤を含んでいてよい。
フィルム基材11の厚みT11は、用途等に応じて適宜設定され、特に限定されない。フィルム基材11を上記のPET、PVC、PE等から形成する場合の厚みT11は、例えば12μm以上350μm以下の範囲内とされ、本実施形態では40μmとしてある。
フィルム基材11上に設けられる第1粘着層12と、第1粘着層12のフィルム基材11側と反対側の表面に設けられる第2粘着層13とは、感圧粘着フィルム10を取り扱う場面に応じた粘着機能(粘着しないいわゆる非粘着の機能も含む)を担う。取り扱いの場面としては、保管及び/または輸送などのいわゆる使用前場面と、貼付対象物への貼り付け作業及び/またはこの作業後の放置状態(貼り付けた状態)下でのいわゆる使用場面とである。第1粘着層12は、これらの取り扱い場面のうち使用場面における粘着性能を発現するためのものであり、具体的には、貼付対象物に対して迅速に貼り付き、その貼り付き状態を、目的とする期間保持するためのものである。
第1粘着層12は、第1の粘着剤としての第1のシリコーン系粘着剤15から形成されており、これにより、第2圧力が付与された場合の感圧粘着フィルム10の粘着力が、第2粘着層13と協働して確実に0N/25mmより大きく10N/25mm以下の範囲内となる。第1粘着層12は微粒子を非含有としており、これにより第2圧力が付与された場合の感圧粘着フィルム10の粘着力がより確実に0N/25mmより大きく10N/25mm以下の範囲内となる。第1のシリコーン系粘着剤15は透明である。
第1のシリコーン系粘着剤15と後述の第2のシリコーン系粘着剤16としては、主骨格であるシロキサン結合に有機基がついたオルガノポリシロキサンが好ましく、ポリジメチルシロキサンがより好ましく、中でも硬化型ポリジメチルシロキサンがさらに好ましい。硬化型ポリジメチルシロキサンは、加熱によって架橋(硬化)する性質をもつ硬化性ポリジメチルシロキサンの架橋によって得られる。硬化型ポリジメチルシロキサンとしては、過酸化物硬化型ポリジメチルシロキサンと、付加反応型ポリジメチルシロキサンとのいずれか一方であることが特に好ましく、本実施形態では付加反応型シリコーン系粘着剤としてある。過酸化物硬化型ジメチルシロキサンは、後述の過酸化物硬化性ポリジメチルシロキサンを、過酸化ベンゾイル等の架橋剤を使用して加熱架橋させることによって得られ、架橋のための加熱における温度は例えば150℃以上である。付加反応型ポリジメチルシロキサンは、後述の付加反応型ポリジメチルシロキサンを、白金などの触媒を使用して加熱架橋させることによって得られる。
第1のシリコーン系粘着剤15と第2のシリコーン系粘着剤16とは、互いに同じ物質でもよいし、異なる物質であってもよい。ただし、第1粘着層12と第2粘着層13との密着力をより高める観点と、感圧粘着フィルム10の透明性をより高める観点とから、第1のシリコーン系粘着剤15と後述の第2のシリコーン系粘着剤16とは互いに同じ物質である方が好ましい。第1のシリコーン系粘着剤15と第2のシリコーン系粘着剤16とを互いに異なる物質とする場合には、感圧粘着フィルム10の透明性を高める観点から、屈折率の差は小さいほど好ましく、0.1以内であることが好ましい。
付加反応型シリコーン系粘着剤は、平均分子量が3000以上800000以下の範囲内にピークをもつことが好ましく、本実施形態では5000と500000の2箇所にピークをもつ。付加反応型シリコーン系粘着剤は、オルガノポリシロキサンとしてのポリジメチルシロキサンの末端がビニル基(HC=CH−)である。
上記の平均分子量は重量平均分子量であり、GPC(Gel Permeation Chromatography)法(ゲル浸透クロマトグラフィ法)によりポリスチレン換算で求められ、本実施形態では、東ソー(株)製のHLC−8320GPCを用いて、溶剤としてトルエン、カラムとして昭和電工(株)製のLF−804(830mmφ×300mm)を使用して求めている。
第1粘着層12は、第1のシリコーン系粘着剤15に加えて、他の物質を含んでいてもよいが、第1のシリコーン系粘着剤15のみから構成されている方が好ましい。ただし、本実施形態のように第1のシリコーン系粘着剤15が触媒により架橋して得られる付加反応型シリコーン系粘着剤である場合には、触媒はその架橋における硬化反応を促進するものとして含んでいて構わない。
第1粘着層12の厚みT1は、本実施形態では20μmとしているが、これに限られない。第1粘着層12の厚みT1は、使用場面において必要とされる粘着力に応じて設定され、必要とされる粘着力は、貼付対象物の素材及び/または表面状態、長期に貼付されている間の環境等を考慮される。
第2粘着層13は、使用前場面と使用場面とにおいて、これら各場面に応じた粘着性能を発現するためのものであり、これらの中でも主に使用前場面での粘着性能を発現する。具体的には、使用前場面においてはブロッキングを防止し、使用場面においては貼付対象物に対して迅速に貼り付き、その貼り付き状態を目的とする期間保持するためのものである。
第2粘着層13は、第2の粘着剤としての第2のシリコーン系粘着剤16と、第1フィルム面10aに形成された複数の突起17とを有し、これら第2のシリコーン系粘着剤16と複数の突起17とによって感圧粘着フィルム10の第1フィルム面10aを成している。突起17は微粒子18により構成されており、微粒子18の第1フィルム面10aから突出した部分の表面には第2のシリコーン系粘着剤16が付いている場合もある。複数の微粒子18は、一部が第2のシリコーン系粘着剤16とともに第1フィルム面10aを成しており、他のものは第2のシリコーン系粘着剤16に包埋された状態すなわち第2粘着層13中にある。第2粘着層13は、第2のシリコーン系粘着剤16を含み、第2圧力では第1のシリコーン系粘着剤15を含む第1粘着層12と協働して、0N/25mmより大きく10N/25mm以下の範囲内の粘着力を発現する。なお、第2のシリコーン系粘着剤16は、貼付対象物に対する粘着機能と、微粒子18を保持するバインダ機能との両方を担っており、透明である。
各突起17を成している微粒子18はこの例では球状であるので、突起17は球冠状に形成されている。第2粘着層13の微粒子18の含有率(以下、単に微粒子含有率と称する)は、透明性の指標であるヘイズを考慮しなくてよい場合には、大きくてもよい。ただし、感圧粘着フィルム10の用途に、より広がりを与えることを考慮した場合には、ヘイズを小さく抑える方が好ましく、ヘイズを小さく抑える観点では、微粒子含有率は小さい方が好ましい。そこで、微粒子含有率は、大きくても40%であること、すなわち40%以下であることが好ましく、25%以下であることがより好ましく、15%以下であることがさらに好ましい。本実施形態では25%としている。なお、微粒子含有率は、第2粘着層13の質量をM13とし、微粒子18の質量をM18とするときに、(M18/M13)×100で求める百分率である。一方、使用前場面でのブロッキングを抑える観点では、微粒子含有率は大きい方が好ましい。この観点を考慮して、微粒子含有率は、少なくとも10%、すなわち10%以上が好ましく、15%以上がより好ましく、20%以上がさらに好ましい。
複数の微粒子18の粒径分布は、互いに異なる粒径のピーク(以下、粒径ピークと称する)を2つ有する。これら2つの粒径ピークは、2μm以上15μm以下の範囲内にある。なお、粒径ピークが2μm以上15μm以下の範囲内に2つあるとは、少なくとも2つあればよい意味であり、3以上ある場合も含まれる。微粒子18は、一次粒子と、一次粒子が凝集した二次粒子とのいずれでもよく、二次粒子の場合には二次粒子での粒径分布において、粒径ピークが2μm以上15μm以下の範囲内に2つあればよい。
複数の微粒子18は、粒径が2μm未満の微粒子と15μmを超える微粒子とを含まないことが好ましく、本実施形態でもそのようにしてある。すなわち、複数の微粒子18は、粒径分布の粒径ピークのすべてが2μm以上15μm以下の範囲内にあり、この範囲内に少なくとも2つの粒径ピークがあることが好ましい。
粒径ピークは、以下の方法で求められる。まず、感圧粘着フィルム10から微粒子18を採取する。感圧粘着フィルム10の微粒子18を溶解せず、かつ微粒子18以外の成分溶解する液を溶剤として選択し、この溶剤に感圧粘着フィルム10を浸漬するなどして微粒子18以外の成分を溶解し、除去することにより、微粒子18は採取される。本実施形態では、トルエンを上記溶剤として選択し、この溶剤に感圧粘着フィルム10に含まれる第1のシリコーン系粘着剤15と第2のシリコーン系粘着剤16とを溶解することにより、微粒子18を採取している。採取された微粒子18の粒径分布は、コールター法により求められる。コールター法は、個々の粒子の体積を直接計測して相当径を求め、粒径分布を得る手法である。例えばBeckman Coulter, Inc.社製の粒度分布測定装置であるMultisizer 3によって求めることができ、本実施形態でもこれを用いている。
得られた微粒子18の粒径分布のデータから粒径ピークを求めるにあたり、粒径のばらつきである変動係数CV(coefficient of variation)を考慮する。変動係数CVが0より大きく70以下である微粒子の集団(微粒子群)がひとつの粒径ピークを成すものとする。ここで、変動係数CVは以下のように定義される。
CV=σ/D×100
ここで、σは、個数基準の粒径分布における標準偏差である。また、Dは平均粒径であり、コールター法によって求めた粒径分布に対して、微粒子の数を粒径が小さい側から数えていき、全微粒子数の50%になったところの粒径である。粒径分布において、極大値が粒径ピークとして特定される。本実施形態では、2μm以上15μm以下の粒径の範囲内に少なくとも2つの粒径ピークがある。
2つの粒径ピークのうち大きい粒径を示す一方を第1ピークと称し、小さい粒径を示す他方を第2ピークと称する。2μm以上15μm以下の粒径の範囲内に3つ以上の粒径ピークがある場合には、それらのうちの最大の粒径ピークを第1ピークとし、最小の粒径ピークを第2ピークとする。第1ピークを構成する微粒子群(以下、第1微粒子群と称する)の質量をM1とし、第2ピークを構成する微粒子群(以下、第2微粒子群)の質量をM2とするときに、M1≧M2であること、すなわちM1はM2以上であることが好ましく、M1>M2であること、すなわちM1がM2よりも大きいことがより好ましく、M1≧1.5×M2であること、すなわちM1がM2の1.5倍以上であることがさらに好ましい。本実施形態では、M1を1.5×M2、すなわちM2の1.5倍としている。
M1は具体的には以下の方法で求める。まず、前述の方法で採取した微粒子18の粒径分布を求め、縦軸を個数頻度(各粒径の微粒子の個数を全体の微粒子の個数で除したもの)、横軸を粒径(μm)としてグラフ化する。そのグラフから粒径の第1ピークおよび第2ピークを前述の方法でそれぞれ特定し、第1ピークと第2ピークとの面積をそれぞれ求める。第1ピークの面積は、具体的には、グラフの第1ピークから粒径の小さな側に横軸をたどり、最初に個数頻度がゼロなる、または最初に極小値をとった点の粒径値を第1ピークの開始点(最小の粒径値)とし、第1ピークから粒径の大きな側に横軸をたどり、個数頻度が最初に個数頻度がゼロなる、または最初に極小値をとった点の粒径値を終了点(最大の粒径値)とし、開始点と終了点との間のグラフを積分することにより求める。このようにして求めた第1ピークの面積をM1とする。同様に第2ピークの面積を求め、求めた第2ピークの面積をM2とする。
第1ピークは、8μm以上15μm以下の範囲内が好ましく、10μm以上15μm以下の範囲内がより好ましく、12μm以上15μm以下の範囲内がさらに好ましい。本実施形態の第1ピークは例えば12μmとしている。また、本実施形態の第2ピークは例えば6μmとしている。
第2ピークは、第1ピークとの差が大きくても13μm、すなわち13μm以下であることが好ましく、9μm以下であることがより好ましく、6μm以下であることがさらに好ましい。本実施形態での第1ピークと第2ピークとの差は例えば6μmである。
微粒子18は、第2のシリコーン系粘着剤16より硬い。ここでの硬さは、微粒子18と第2のシリコーン系粘着剤16とについて、これらのそれぞれを圧縮し塑性変形した際の圧力を測定することで求める(定量化する)ことができる。本実施形態において圧縮と圧力の測定とは、(株)島津製作所製、微小圧縮試験器MCTM−500にて行っている。微粒子18の硬さをHP(単位;MPa)、第2のシリコーン系粘着剤16の硬さをHA2(単位;MPa)とするときに、HP−HA2で求める硬さの差は、少なくとも10MPaであることが好ましい。
微粒子18の屈折率をNP、第2のシリコーン系粘着剤16の屈折率をNA2とするときに、|NP−NA2|で求める屈折率差は0より大きく0.1以下の範囲内であることが好ましい。本実施形態では、第2のシリコーン系粘着剤16として前述の付加反応型シリコーン系粘着剤(屈折率は1.43)を使用し、微粒子18としてシリコーンからなる微粒子(屈折率は1.42)を使用することにより、上記屈折率差を0.01としている。
微粒子18は、本実施形態では前述のようシリコーンからなる微粒子としており、二次粒子となっている。シリコーンからなる微粒子としては、例えばメチルシルセスキオキサン(CHSiO1.5)からなる架橋したシリコーンの構造をもつトスパール(登録商標)(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)、KMP−590、X−52−1621(信越化学株式会社製)等が用いられる。微粒子18は、シリコーンからなる微粒子に限られず、例えば、シリカ(二酸化ケイ素)、アクリル樹脂、ガラスを用いてもよい。また、微粒子18には、構成する物質が互いに異なる複数種類を併用してよい。
本実施形態では第2のシリコーン系粘着剤16として、第1粘着層12の第1のシリコーン系粘着剤15と同じものを用いている。このため、第1粘着層12と第2粘着層13との境界は、断面において目視で図1におけるように線状には認められない。ただし、厚み方向において、第1粘着層12は微粒子18が含まれている領域として、第2粘着層13は微粒子18が含まれていない領域として認められるので、図1では、説明の便宜上第1粘着層12と第2粘着層13との境界を描いている。このように、第1粘着層12と第2粘着層13との境界は、用いる第1のシリコーン系粘着剤15と第2のシリコーン系粘着剤16とによっては、厚み方向における微粒子18の有無の領域の境界で判断される。
第2粘着層13は、第2のシリコーン系粘着剤16と微粒子18とに加えて、他の物質を含んでいてもよいが、第2のシリコーン系粘着剤16と微粒子18とのみから構成されている方が好ましい。ただし、本実施形態のように第2のシリコーン系粘着剤16が、触媒により架橋して得られる付加反応型シリコーン系粘着剤である場合には、触媒はその架橋における硬化反応を促進するものとして含んでいて構わない。
第2粘着層13の厚みT2は、本実施形態では20μmとしているが、これに限られない。第1粘着層12の厚みT1と第2粘着層13の厚みT2との和は5μm以上150μm以下の範囲内であることが好ましい。第1粘着層12の厚みT1と第2粘着層13の厚みT2との和を5μm以上とすることにより、5μmよりも小さい場合に比べて、第1圧力による粘着力を0N/25mm以下に維持しながらも、第2圧力により発現する粘着力がより確実に0N/25mmを超え、2N/25mm以上になる。また、第1粘着層12の厚みT1と第2粘着層13の厚みT2との和を150μm以下とすることにより、150μmよりも大きい場合に比べて、第2圧力により発現する粘着力が10N/25mm以下により確実に抑えられる。
第1粘着層12の厚みT1に対する第2粘着層13の厚みT2の比T2/T1は、0.1以上3以下の範囲内とされることが好ましく、本実施形態では1である。第1粘着層12の厚みT1に対する第2粘着層13の厚みT2の比T2/T1は、0.3以上2.0以下の範囲内とされることがより好ましく、0.6以上1.2以下の範囲内とされることがさらに好ましい。
図2において、第1フィルム面10aをその垂直な方向から見たときに、微粒子18で被覆された第1フィルム面10aの被覆領域APはクロスハッチングで示しており、被覆領域APを除く非被覆領域ANは平行線によるハッチングで示している。被覆領域APの面積は、複数の微粒子18の個々により被覆された領域の面積の和であり、これをS1とする。また、非被覆領域NPの面積をS2とする。第1フィルム面10aの微粒子18による被覆率RCは、(S1/S2)×100で求められ、10%以上70%以下の範囲内とされている。被覆率RCは、30%以上70%以下の範囲内であることがより好ましく、40%以上70%以下の範囲内であることがさらに好ましい。
上記構成の作用を説明する。感圧粘着フィルム10は、第1フィルム面10aに複数の突起17が形成されており、各突起17は微粒子18から成る。第1圧力下においては、第1フィルム面10aにおいて突出している突起17が第2のシリコーン系粘着剤16と第1フィルム面10aに触れた他の物とのスペーサ(spacer)として機能する。複数の微粒子18は2μm以上15μm以下の範囲内に粒径ピークを2つ有するから、感圧粘着フィルム10における微粒子18の質量を抑えながらも第1フィルム面10aの全域にわたり微粒子18が満遍なく分布し、これにより、ヘイズが小さくおさえられながらも図4に示すように第1圧力における粘着力が0N/25mmになる。ヘイズが小さく抑えられるから、透明であることが要求される製品や着色による装飾が望まれる製品へと用途が広がる。第1圧力における粘着力が0N/25mmであるから、剥離紙が設けられなくても使用前場面においてブロッキングの発生が抑えられる。そのため、例えばシート状にされた感圧粘着フィルム10が複数枚積層されたフィルム群から所定枚数を引き抜くこともできる。
第1のシリコーン系粘着剤15から形成されており微粒子を非含有としている第1粘着層12と、第2のシリコーン系粘着剤16と微粒子18とを含む第2粘着層13とが協働して、図3に示すように第2圧力が付与された場合の粘着力が、2N/25mm以上とされている。これにより、使用場面において安定した貼り付き状態が保持される。また、第2圧力による粘着力が10N/25mm以下とされているから、長期間の貼付状態を経た後に感圧粘着フィルム10を剥がしても、第1のシリコーン系粘着剤15と第2のシリコーン系粘着剤16とは凝集破壊を起こさず、貼付対象物上に残らない。
なお、図3に示す粘着力のデータは、小数点第二位の有効数字で求めた値であるが、明瞭化を図るために各プロットを大きく誇張して描いている。このように、図3のプロットの大きさは、誤差を考慮したものではない。
微粒子18のすべての粒径ピークが15μm以下であるから、15μmよりも大きい粒径ピークがある場合に比べて、感圧粘着フィルム10のヘイズがより確実に小さく抑えられ、これにより感圧粘着フィルム10の用途が広がる。すべての粒径ピークが2μm以上であるから、2μmよりも小さい粒径ピークがある場合に比べて、微粒子18の量を少なく抑えた状態で第1フィルム面10aは微粒子18で敷き詰められた状態になる。このため、第1圧力における粘着力がより確実に0N/25mmになり、その結果、ブロッキングの発生がより確実に抑えられる。
微粒子18のうち粒径が大きいものでできるだけ突起17を形成する方が好ましいが、粒径が大きいもののみでは、第1フィルム面10aには突起17と突起17との隙間が大きく形成されてしまう。また、粒径が過度に大きい場合には、感圧粘着フィルムのヘイズが大きくなってしまう。そこで、大きくても15μmの粒径ピークをもつ第1微粒子群をできるだけ多く用い、第1フィルム面10aにおける上記の隙間に第1微粒子群よりも小さな微粒子を存在させる。ただし、その隙間に存在する微粒子の径が過度に小さい場合には、隙間を埋めるだけの個数が多量に必要になり、多量になるほどヘイズが大きくなってしまう。そこで、上記隙間には、小さくても2μmの粒径ピークをもつ第2微粒子群を存在させてあり、これにより、ヘイズがより確実に小さく抑えられ、さらに、第1圧力における粘着力がより確実に0N/25mmになる。第2ピークは、第1ピークとの差が大きくても13μmとされているから、ヘイズがより確実に小さく抑えられ、かつ、第1圧力における粘着力がより確実に0N/25mmになる。
また第1フィルム面10aにおける微粒子18の被覆率RCは10%以上70%以下の範囲内とされている。突起17が形成されており被覆率RCが10%以上であることにより、第1圧力においては第2のシリコーン系粘着剤16が突起17のスペーサ機能により他の物へより確実に接触しないので0N/25mmの粘着力がより確実に発現する。また、被覆率RCが70%以下であることにより、第2圧力においては突起17を成す微粒子18のうちの大部分もしくはすべてが第2のシリコーン系粘着剤16中に埋まって第2のシリコーン系粘着剤16が貼付対象物に密着するから2N/25mm以上10N/25mm以下の範囲内の粘着力をより確実に発現する。
微粒子18は第2のシリコーン系粘着剤16よりも硬いから、第2圧力が付与されても微粒子18は非破壊で第2のシリコーン系粘着剤16に埋まる。これにより、微粒子18の破壊による粘着力の低下が防止される。微粒子18と第2のシリコーン系粘着剤16との屈折率差を0より大きく0.1以下の範囲内としているから、感圧粘着フィルム10のヘイズはより小さく抑えられ、感圧粘着フィルム10は透明性により優れたものとなる。
感圧粘着フィルム10は、例えば図4に示す感圧粘着フィルムの製造設備(以下、フィルム製造設備と称する)30により製造される。フィルム製造設備30は、感圧粘着フィルム10を長尺に製造するためのものであり、塗布液調製装置31と、送出装置32と、塗布装置33と、乾燥装置36と、巻取装置37とを、上流側から順に備える。
塗布液調製装置31は、第1塗布液41と第2塗布液42とをつくるためのものである。第1塗布液41は第1粘着層12(図1参照)を形成し、第2塗布液42は第2粘着層13(図1参照)を形成する。塗布液調製装置31は、フィルム製造設備30内ではなくフィルム製造設備30の外部に設けられていてもよい。その場合には、つくられた第1塗布液41と第2塗布液42とは、一旦、保存容器等に保存される。塗布液調製装置31は、第1溶解部45と、第2溶解部46と、混合部47等から構成される。
第1溶解部45は、供給されてくる第1のオルガノポリシロキサン48と第1のオルガノポリシロキサン48の溶剤である第1溶剤51とに対して加熱及び/または攪拌等を行う。これにより、第1のオルガノポリシロキサン48が第1溶剤51に溶解した第1塗布液41をつくる。
第2溶解部46は、供給されてくる第2のオルガノポリシロキサン49と第2のオルガノポリシロキサン49の溶剤である第2溶剤52とに対して加熱及び/または攪拌等を行う。これにより、第2のオルガノポリシロキサン49が第2溶剤52に溶解した粘着剤液53をつくる。混合部47は、供給されてくる微粒子分散液54と粘着剤液53とを攪拌し、これにより、第2塗布液42をつくる。微粒子分散液54は、微粒子18が分散媒に分散している液である。
第1のオルガノポリシロキサン48と第2のオルガノポリシロキサン49とは、ポリジメチルシロキサンがより好ましく、中でも前述の硬化性ポリジメチルシロキサンがさらに好ましい。
硬化性ポリジメチルシロキサンとしては、過酸化物硬化性ポリジメチルシロキサン、付加反応性ポリジメチルシロキサンが好ましく、本実施形態では付加反応性ポリジメチルシロキサンを用いている。過酸化物硬化性ポリジメチルシロキサンは、架橋剤を使用するもとで、加熱により縮合反応して架橋するものであり、この架橋によって前述の過酸化物硬化型ポリジメチルシロキサンを生成する。架橋剤としては例えば過酸化ベンゾイル等が好ましい。付加反応性ポリジメチルシロキサンは、分子内にビニルシリル基(Si−CH=CH基)及び/またはハイドロシリル基(Si−H基)などを有し、触媒を使用するもとで、加熱により架橋するものであり、この架橋によって前述の付加反応型ポリジメチルシロキサンを生成する。触媒としては例えば白金等が好ましく、本実施形態でも白金を用いている。
過酸化物硬化性ポリジメチルシロキサン、付加反応性ポリジメチルシロキサンは、粘着剤の材料として市販されているものがあり、過酸化物硬化性ポリジメチルシロキサンとしては、例えば、信越化学工業株式会社のKR−100、KR−130、KR−101−10、東レ・ダウコーニング株式会社のSH−4280を用いることができる。付加反応性ポリジメチルシロキサンとしては、例えば、信越化学工業株式会社のKR−3700、KR−3701、東レ・ダウコーニング株式会社のSD4580、SD4584を用いることができ、本実施形態では東レ・ダウコーニング株式会社のSD4584を用いている。
第1塗布液41と第2塗布液42とは、後述のようにひとつの塗布ダイ58の中で流れを合流させて流出口58aから流出する場合には、固形分の濃度は、互いの差が小さいほど好ましく、同じであることがより好ましい。本実施形態では第1塗布液41と第2塗布液42との固形分の濃度は同じにしてある。固形分とは、第1塗布液41と、第2塗布液42とをそれぞれ構成するもののうち、感圧粘着フィルム10を構成する物質またはその物質を生成する成分である。生成する成分とは、例えば硬化型ポリジメチルシロキサンを生成する硬化性ポリジメチルシロキサンである。
第1のオルガノポリシロキサン48と第2のオルガノポリシロキサン49としては、溶剤に溶解された溶液の状態で市販されているものがある。このような場合には、第1塗布液41及び第2塗布液42との目的とする各処方に応じて、第1溶剤51、第2溶剤52を非使用としたり、あるいは、これらの各量を増減してよい。また、第1のシリコーン系粘着剤15を第1のオルガノポリシロキサン48として用い、第2のシリコーン系粘着剤16を第2のオルガノポリシロキサン49として用いてもよい。
送出装置32は、長尺のフィルム基材11が巻かれた基材ロール57から、フィルム基材11を連続的に送り出すためのものである。送出装置32は、例えば巻き芯57aにフィルム基材11が巻かれた基材ロール57がセットされ、巻き芯57aを周方向に回転させることによりフィルム基材11を送り出す。フィルム基材11の送出速度(搬送速度と同じである)は、本実施形態では10m/分としているがこれに限られない。なお、フィルム基材11の搬送速度は送出速度と概ね同じである。
塗布装置33は、塗布ダイ58と支持ローラ59などから構成される。支持ローラ59は、フィルム基材11を下方から支持し、塗布ダイ58の下方に備えられている。塗布ダイ58は、第1塗布液41と第2塗布液42とを連続的に流出するためのものである。塗布ダイ58には、第1塗布液41と第2塗布液42とが独立して供給されてくる。塗布ダイ58は、内部に形成された流路により第1塗布液41の流れと第2塗布液42の流れとを層状に重ねる。塗布ダイ58は、フィルム基材11の搬送方向において第1塗布液41の流れの下流に第2塗布液の流れが重なるように第1塗布液41と第2塗布液42との流れを重ねる。そして、これらの流れを重ねた状態で第1塗布液41と第2塗布液42とを流出口58aから流出することにより、フィルム基材11に第1塗布液41が接し、第2塗布液42が第1塗布液41上に重なる塗布膜61が形成される。
乾燥装置36は、塗布膜61を乾燥し、感圧粘着フィルム10を得るためのものである。本実施形態では、第1のオルガノポリシロキサン48と第2のオルガノポリシロキサン49として、前述のように、加熱によって架橋する付加反応性ポリジメチルシロキサンを用いているので、乾燥装置36は、塗布膜61を加熱することにより付加反応性ポリジメチルシロキサンを架橋する架橋装置としても用いている。乾燥装置36には、塗布膜61が形成されたフィルム基材11を周面で支持する複数のローラ(図示無し)が備えられており、乾燥気体(例えば乾燥空気)が供給される。複数のローラの中には、周方向に回転駆動することにより、塗布膜61が形成されたフィルム基材11を搬送する駆動ローラが含まれる。供給される乾燥気体は、所定温度及び湿度に調整されており、この乾燥気体により、塗布膜61は搬送されながら乾燥をすすめられて感圧粘着フィルム10になる。本実施形態では、乾燥気体は塗布膜61を加熱する温度にされており、この乾燥気体により塗布膜61に含まれる第1のオルガノポリシロキサン48は架橋し、第1のシリコーン系粘着剤15にされ、第2のオルガノポリシロキサン49は架橋し、第2のシリコーン系粘着剤16にされる。なお、本実施形態では、乾燥気体は、100℃の空気としているが、これに限られず、温度及び気体の種類は、第1のオルガノポリシロキサン48と第2のオルガノポリシロキサン49と微粒子18との種類などによって適宜決定する。また、本実施形態では、塗布膜61に対して乾燥気体を供給する時間(乾燥の時間)は3分としているが、これに限られず、第1のオルガノポリシロキサン48と第2のオルガノポリシロキサン49と微粒子18との種類、第1溶剤51と第2溶剤52との量などに応じて適宜決定する。
巻取装置37は長尺に形成された感圧粘着フィルム10を巻き芯63に巻き取ることによりロール状にする。これにより、巻き芯63と感圧粘着フィルム10とを備える感圧粘着フィルムロール64が得られる。この感圧粘着フィルム10は、例えばスリッタなどの切断装置によりシート状にしてもよい。
感圧粘着フィルム10が長尺に形成されている場合には、幅方向の各側端に下記のような膜厚部を備えることがより好ましい。図5において、長尺の感圧粘着フィルム10は、幅方向Xにおける両側端に、膜厚部の一例としてのナーリング101を備える。一方の側端と他方の側端とは同様の構成とされているから、図5においては一方の側端側のみ図示している。感圧粘着フィルム10は、幅方向Xにおいて、両ナーリング101の間である中央に感圧粘着部102を備える。感圧粘着部102は、フィルム基材11と第1粘着層12と第2粘着層13との前述の積層構造をもつ。なお、図5においては、図の煩雑化を避けるため、断面を示すハッチングは略してある。
感圧粘着フィルム10の幅は特に限定されず、例えば100mm以上1500mm以下の範囲内とされ、本実施形態では200mmとしてある。幅方向Xにおけるナーリング101の長さ(以降、ナーリング幅と称する)W101は特に限定されず、例えば5mm以上50mm以下の範囲内とされ、本実施形態では25mmとしてある。ナーリング幅W101は、感圧粘着フィルム10の側縁10eから幅方向Xにおけるナーリング101の内側側縁までの距離である。幅方向Xにおける感圧粘着部102の長さ(以降、感圧粘着部幅と称する)W102は特に限定されず、例えば50mm以上1000mm以下の範囲内とされ、本実施形態では120mmとしてある。感圧粘着部幅W102は、幅方向Xにおける感圧粘着部102の一方の側縁から他方の側縁までの距離である。
ナーリング101は、本実施形態においては、一方の基材面11aと他方の基材面11bとのそれぞれに複数の凸部105を有するフィルム基材11から形成されている。凸部105と凸部105との間の凹部には符号106を付す。この例では、フィルム基材11は、ナーリング101と感圧粘着部102との両方の構成部材であり、第1粘着層12及び第2粘着層13よりも大きな幅に形成してある。一方の基材面11aにおける凸部105と、他方の基材面11bにおける凹部106とは厚み方向において対向する表裏関係にあるが、これら凸部105の頂部と凹部106の谷部とは、幅方向Xと長手方向(図5の紙面奥行方向)との少なくともいずれか一方において多少ずれていても構わない。
本実施形態において凸部105と凹部106との形状は、後述の第1ナーリングローラ121及び第2ナーリングローラ122の形状と同様に角錐台状とされている。しかし、凸部105と凹部106との各形状は、第1ナーリングローラ121及び第2ナーリングローラ122の温度と、これらにより感圧粘着フィルム10を押圧する押圧力とに応じて、例えば円錐台状に形成される。また、第1ナーリングローラ121及び第2ナーリングローラ122との突起の形状を他の形状にすることにより、凸部105と凹部106とは他の形状となる場合もある。幅方向Xにおける凸部105と凸部105との距離(以下、凸部ピッチ)は特に限定されず、本実施形態では概ね1.5mmで一定とされている。図6においては、凸部ピッチをフィルム基材11及び感圧粘着部102の厚みに対して大きく誇張して描いてある。
ここで、感圧粘着部102における一方の表面から第1粘着部12とフィルム基材11との境界までの積層部分を粘着積層部と称し、符号107を付す。感圧粘着部102は前述の通り、図1に示すフィルム基材11と第1粘着層12と第2粘着層13とを有する積層構造とされているから、感圧粘着部102の上記「一方の表面」は前述の第1フィルム面10aに対応する。ナーリング101における一方の基材面11aの凸部105の頂部と他方の基材面11bの凸部105の頂部との、厚み方向における距離をナーリング101の厚みT101とする。ナーリング101の厚みT101は、粘着積層部107の厚みT107よりも大きい。これにより、感圧粘着フィルムロール64は、例えば長期の保存あるいは輸送の間にも、重なった感圧粘着フィルム10同士の貼り付きがより確実に防止される。厚みT101は、厚みT107の1.0倍より大きければよいが、少なくとも1.5倍すなわち1.5倍以上であることがより好ましい。
本実施形態では、一方の基材面11aに形成されている凸部105は、感圧粘着部102における一方の基材面11aよりも突出して形成され、他方の基材面11aに形成されている凸部105は、感圧粘着部102における他方の基材面11bよりも突出して形成されているが、これに限定されない。例えば、一方の基材面11aに形成された凸部105は、感圧粘着部102における一方の基材面11aと同じ高さに形成されていてもよいし、他方の基材面11bに形成された凸部105は、感圧粘着部102における他方の基材面11aと同じ高さに形成されていてもよい。また、本実施形態では、凸部105は、両基材面11a,11bに形成されているが、いずれか一方の基材面に形成されていればよい。
膜厚部はナーリング101に限られず、感圧粘着部102の粘着積層部107よりも厚みが大きく形成され、表面に第2粘着層13が露呈していない、すなわち非露呈であるものであればよい。例えば、フィルム基材11の少なくとも一方の基材面11aの各側端に厚みを付与するためのテープ材が設けられた膜厚部であってもよい。あるいは粘着積層部107を一方の基材面11aの幅方向Xにおける全域に設けてあり、各側端の第2粘着層13(図1参照)上に、非粘着性の保護層が設けられた膜厚部であってもよい。また、ナーリング101を含む上記の各膜厚部は、感圧粘着部102が粘着積層部107を備える構成の感圧粘着フィルム10に限られず、剥離紙が不要な粘着層もしくは粘着積層部を備える長尺の感圧粘着フィルムに設けることができ、これにより、剥離紙がなくても、ロール状の状態でフィルム同士の貼り付きが防止される。
ナーリング101のような各膜厚部を備える感圧粘着フィルム10は、感圧粘着部102からシート状に切り出してからそのシートの状態で保管及び/または輸送してもよい。しかし、感圧粘着フィルムロール64の状態であっても、膜厚部を備える長尺の感圧粘着フィルム10は感圧剥離紙がなくても互いにより確実に貼り付かないから、保管及び/または輸送することができる。そして、使用時に、目的とするサイズに切り出して使用することができる。
ナーリング101は、例えば図6に示す膜厚化装置としてのナーリング装置120により形成することができる。本実施形態においては、ナーリング101を有する感圧粘着フィルム10を製造する場合には、ナーリング装置120が乾燥装置36(図5参照)と巻取装置37(図5参照)との間に設けられたシート材製造設備により製造している。前述の塗布装置33により、塗布膜は、長尺のフィルム基材11の両側端には形成せず、幅方向X(図6参照)における一方の側端と他方の側端との間の中央にのみ形成する。しかし、シート材製造設備30(図4参照)により、ナーリング101が非形成である感圧粘着フィルム10をつくり、得られた感圧粘着フィルムロール64から感圧粘着フィルム10を送出装置によりナーリング装置120へ送り出し、フィルム基材11の両側端にナーリング101を付与してもよい。この場合にも、塗布膜は、幅方向Xにおける一方の側端と他方の側端との間の中央にのみ形成する。
本実施形態では感圧粘着フィルム10の両側端にナーリング101を付与するので、ナーリング装置120は、図6に示すように、第1ナーリングローラ121と第2ナーリングローラ122とからなるローラ対を、2対備える。ローラ対は、感圧粘着フィルム10の搬送路のうち感圧粘着フィルム10の各側端が通過する通過領域に配される。
ナーリング装置120は、温度制御機構125を備えており、温度制御機構125は、第1ナーリングローラ121と第2ナーリングローラ122とにそれぞれ内蔵されているヒータ(図示無し)を制御することにより第1ナーリングローラ121と第2ナーリングローラ122との周面の温度を調節する。
対を成す第1ナーリングローラ121と第2ナーリングローラ122とは、回転軸が互いに平行な姿勢となるように対向して回転自在に設けてあり、協働してナーリング101を感圧粘着フィルム10に付与する。
第1ナーリングローラ121と第2ナーリングローラ122との周面は同様に構成されているので、第1ナーリングローラ121の周面121Aについて図7及び図8を用いて詳細に説明し、第2ナーリングローラ122の周面については説明を略す。図7に示すように、第1ナーリングローラ121の周面には、感圧粘着フィルム10にナーリング101を付与するために、突起(ナーリング歯)131が複数形成されている。図8に示すように、突起131は本実施形態では角錐台形状、より具体的には四角錐台状としてある。複数の突起131はマトリックス状に多数並べて形成されているが、複数の突起131の並び方は正方配列でもよい。本実施形態では、幅方向Xにおける個数である列数が15列とされた突起群と、列数が16列とされた突起群とが、周方向(紙面上下方向)に交互に並んでいる。幅方向Xにおける突起131のピッチP131は、1.0mm以上3.0mm以下の範囲内であることが好ましい。
図8において、突起131の高さH131は0.5mmであり、底面の一辺のL2は0.5mmであり、上面131aの一辺の長さL3は0.2mmである。突起131の高さH131は0.1mm以上1.0mm以下の範囲内、長さL2は0.1mm以上1.0mm以下の範囲内、L3は0.05mm以上0.5mm以下の範囲内が好ましい。突起131は角錐台に限られず、円錐台やその他の形状であってもよい。
第1ナーリングローラ121の突起131と、第2ナーリングローラ122の突起131と突起131との間の凹みとが対向するように、第1ナーリングローラ121と第2ナーリングローラ122とは設けられる。第1ナーリングローラ121と第2ナーリングローラ122との間に感圧粘着フィルム10を狭持した状態で、第1ナーリングローラ121と第2ナーリングローラ122とはモータ(図示無し)により回転する。回転方向は、感圧粘着フィルム10の搬送方向、すなわち、第1ナーリングローラ121は図6中における反時計周り、第2ナーリングローラ122については図6中における時計周りの方向である。これらの第1ナーリングローラ121と第2ナーリングローラ122とは、搬送中の感圧粘着フィルム10を厚み方向で押圧し、これにより、感圧粘着フィルム10にナーリング101を連続的に形成する(膜厚化工程としてのナーリング付与工程)。
第1ナーリングローラ121と第2ナーリングローラ122とにより感圧粘着フィルム10を押圧する押圧力は、本実施形態では17MPaとしてあるが、これに限られず、フィルム基材11の厚み及び温度に応じて適宜調節すればよい。第1ナーリングローラ121と第2ナーリングローラ122との各周面温度は、温度制御機構125により、本実施形態では90℃に調節してあるが、この温度に限定されず、例えば70℃以上200℃以下の範囲内が好ましい。この例では、膜厚化工程は、塗布工程の後としているが、これに限定されず、塗布工程の前であってもよい。すなわち、フィルム基材11を膜厚化工程に供してから、塗布工程に供してもよい。
以下、本発明の実施例と、本発明に対する比較例とを挙げる。
[実施例1]〜[実施例9]
フィルム製造設備30により、9種類の感圧粘着フィルム10を製造し、実施例1〜9とした。付加反応型シリコーン系粘着剤(東レ・ダウコーニング(株)製、SD4584、固形分濃度は60質量%)に白金触媒(東レ・ダウコーニング(株)製、NC−25 CATALYST)を1質量%添加し、さらに第1溶剤51としてのトルエンを加えて固形分の濃度が40質量%の第1塗布液41をつくった。この第1塗布液41に対し、固形分に対する微粒子18の割合が25質量%となるように、微粒子18と第2溶剤52としてのトルエンとを加えて、固形分の濃度が40質量%である第2塗布液42をつくった。微粒子18としてはシリコーンからなる微粒子を用いた。用いた微粒子18は、2種の微粒子の混合物であり、これら2種の微粒子はそれぞれ粒径ピークを1つのみ有するものであり、粒径分布において互いに異なる粒径ピークをもつ。
フィルム基材11の送出速度は10m/分とした。感圧粘着フィルム10における第1粘着層12の厚みT1が20μm、第2粘着層13の厚みT2が20μmとなるように、第1塗布液41と第2塗布液42とを、塗布ダイ58を用いて塗布した。第1のオルガノポリシロキサン48と第2のオルガノポリシロキサン49との各架橋と、第1溶剤51及び第2溶剤52の蒸発とのために、乾燥装置36での乾燥気体の温度を100℃とし、この乾燥装置36を通過させることで塗布膜61の乾燥と加熱とを行った。
得られた感圧粘着フィルム10から、前述の方法により微粒子18を採取し、その後、粒径ピークを求めた。各感圧粘着フィルム10の微粒子は、粒径分布における粒径ピークが、いずれも2つのみであり、第1ピークと第2ピークとはそれぞれ表1に示す。なお、この第1ピークと第2ピークとは、原料として混合して用いた2種の微粒子の各粒径ピークに一致した。
得られた各感圧粘着フィルム10について、ブロッキングと、ヘイズとを評価した。
1.ブロッキング
得られた感圧粘着フィルム10を、PETフィルムの上に、第2粘着層13を下方に向けて置いた。感圧粘着フィルム10に対して、第2フィルム面10b側から0.2kPaの荷重を付与し、この荷重を付与した状態で2日間放置した。2日経過時に、荷重を除去したうえで感圧粘着フィルム10をPETフィルムから剥がした。貼りついた部分の感圧粘着フィルム10の表面には凹凸が形成されるため、貼り付きが生じた部分は目視にて視認できた。その貼り付き部の面積に応じて、以下の評価基準により貼り付きの程度を評価した。そして、以下の評価基準により、評価した。AとBとCとは合格であり、Dは不合格である。
A;貼り付かなかった。
B;一部が貼り付いたが、貼り付き部の面積は第1フィルム面10aの5%未満であった。
C;第1フィルム面10aの5%以上50%未満の面積が貼り付いた。
D;第1フィルム面10aのほぼ全面が貼り付いた。
2.ヘイズ
各感圧粘着フィルム10のヘイズは、JIS−K−7136に準じた方法により、拡散透過光の全光線透過光に対する割合から算出した。なお、A〜Cは合格レベルであり、Dは不合格レベルである。評価結果は、表1の「ヘイズ」欄に示す。
A:5%未満である。
B:5%より大きく10%以下の範囲内である。
C:10%より大きく30%以下の範囲内である。
D:30%より大きい。
Figure 0006603795
[比較例1]〜[比較例5]
実施例1〜6と異なる微粒子を用いて、感圧粘着フィルムを5種類つくり、比較例1〜5とした。各感圧粘着フィルムは、粒径ピークをひとつのみ有していたから、各感圧粘着フィルムの粒径ピークは表1の「第2ピーク」欄に示し、「第1ピーク」欄には「無し」と記載している。
実施例1〜9と同様の方法及び基準で、ブロッキングとヘイズとの評価を行った。結果は表1に示す。
10 感圧粘着フィルム
10a 第1フィルム面
10b 第2フィルム面
10e 側縁
11 フィルム基材
11a 一方の基材面
11b 他方の基材面
12 第1粘着層
13 第2粘着層
15 第1のシリコーン系粘着剤
16 第2のシリコーン系粘着剤
17 突起
18 微粒子
30 フィルム製造設備
31 塗布液調製装置
32 送出装置
33 塗布装置
36 乾燥装置
37 巻取装置
41 第1塗布液
42 第2塗布液
45 第1溶解部
46 第2溶解部
47 混合部
48 第1のオルガノポリシロキサン
49 第2のオルガノポリシロキサン
51 第1溶剤
52 第2溶剤
53 粘着剤液
54 微粒子分散液
57 基材ロール
57a 巻き芯
58 塗布ダイ
58a 流出口
59 支持ローラ
61 塗布膜
63 巻き芯
64 感圧粘着フィルムロール
71 混合層
101 ナーリング
102 感圧粘着部
105 凸部
106 凹部
107 粘着積層部
120 ナーリング装置
121 第1ナーリングローラ
121A 周面
122 第2ナーリングローラ
125 温度制御機構
131 突起
131a 上面
AP 被覆領域
AN 非被覆領域
H131 突起の高さ
L2 上面の一辺の長さ
L3 底面の一辺の長さ
P131 突起のピッチ
T1 第1粘着層の厚み
T2 第2粘着層の厚み
T11 フィルム基材の厚み
T101 ナーリングの厚み
T107 粘着積層部の厚み

Claims (6)

  1. 一方のフィルム面に複数の突起が形成されており、前記突起を成す微粒子を複数有する感圧粘着フィルムにおいて、
    透明なフィルム基材と、
    前記フィルム基材上に設けられ、第1の粘着剤を含む第1粘着層と、
    前記第1粘着層の前記フィルム基材側と反対側の表面に設けられ、前記一方のフィルム面を成し、第2の粘着剤と複数の前記微粒子とを有する第2粘着層と、
    を備え、
    前記複数の微粒子の粒径分布は、互いに異なる2つの粒径ピークを有し、
    前記2つの粒径ピークが2μm以上15μm以下の範囲内である感圧粘着フィルム。
  2. 前記第1粘着層は、微粒子が非含有である請求項1に記載の感圧粘着フィルム。
  3. 前記2つの粒径ピークのうち大きい一方の第1ピークを構成する第1微粒子群の質量をM1とし、小さい他方の第2ピークを構成する第2微粒子群の質量をM2とするときに、M1≧M2である請求項1または2に記載の感圧粘着フィルム。
  4. 前記2つの粒径ピークのうち大きい一方の第1ピークは、8μm以上15μm以下の範囲内である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の感圧粘着フィルム。
  5. 前記2つの粒径ピークのうち小さい他方の第2ピークは、前記第1ピークとの差が大きくても13μmである請求項4に記載の感圧粘着フィルム。
  6. 前記第2粘着層の前記微粒子の含有率は大きくても40%である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の感圧粘着フィルム。
JP2018509044A 2016-03-31 2017-03-17 感圧粘着フィルム Expired - Fee Related JP6603795B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016070693 2016-03-31
JP2016070693 2016-03-31
PCT/JP2017/010888 WO2017169895A1 (ja) 2016-03-31 2017-03-17 感圧粘着フィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2017169895A1 JPWO2017169895A1 (ja) 2018-12-20
JP6603795B2 true JP6603795B2 (ja) 2019-11-06

Family

ID=59964399

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018509044A Expired - Fee Related JP6603795B2 (ja) 2016-03-31 2017-03-17 感圧粘着フィルム

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6603795B2 (ja)
WO (1) WO2017169895A1 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7001475B2 (en) * 2001-12-11 2006-02-21 3M Innovative Properties Company Film structures and methods of making film structures
JP5169292B2 (ja) * 2008-02-20 2013-03-27 日本ゼオン株式会社 熱伝導性感圧接着剤組成物、及び、熱伝導性感圧接着性シート
CN102648259B (zh) * 2009-12-08 2015-04-29 3M创新有限公司 光漫射粘合剂及其制备方法
JP6029932B2 (ja) * 2012-10-30 2016-11-24 日東電工株式会社 熱伝導性粘着シートおよびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2017169895A1 (ja) 2018-12-20
WO2017169895A1 (ja) 2017-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101968935B1 (ko) 박리성이 우수한 이형 필름
JP4923165B2 (ja) 光学用透明粘着体、光学用透明粘着積層体及びその製造方法
JP2019534192A (ja) 積層造形のための多材料分離層
KR20200004639A (ko) 재사용 가능한 이형필름
CN105339453A (zh) 具有包括第一压敏粘合剂条带和第二压敏粘合剂条带的粘合剂层的制品
JP6603258B2 (ja) 保護シート
JP2014159515A (ja) 粘着ラベル、粘着ラベルの製造方法及びラベル発行装置
KR20190086429A (ko) 양면 실리콘 점착 시트 및 양면 실리콘 점착 시트의 제조 방법
KR20140105819A (ko) 광학적으로 투명한 필름을 위한 개선된 이형 코팅
JPWO2008117677A1 (ja) フォトマスク保護用粘着テープ
JP6603795B2 (ja) 感圧粘着フィルム
JP4448897B2 (ja) フォトマスク保護用粘着テープ
JP6427521B2 (ja) 感圧粘着シート及びその製造方法、感圧粘着シート材、感圧粘着シート材ロール
JP2019081376A (ja) 剥離性に優れた離型フィルム
WO2017010140A1 (ja) 感圧粘着シート及びその製造方法、感圧粘着シート材
CN108368413A (zh) 粘着剂组合物及粘着带
TW201718228A (zh) 壓印用模具的製造方法
JP4708874B2 (ja) 定着器の加圧ローラ
JP6857396B2 (ja) 基材レスシリコーン吸着シート
US20150045504A1 (en) Release sheet
JP2008200880A (ja) 剥離シートおよび粘着体
JP6677812B2 (ja) 感圧粘着シート
JP6144942B2 (ja) 剥離フィルム
JPH1161062A (ja) クラフト粘着テープ
CN211892260U (zh) Oca光学胶用离型膜

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180816

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191001

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191011

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6603795

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees