JP6601659B2 - 天板付什器 - Google Patents
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Description
また、接地体を接地させてテーブル装置の移動を拘束するには、接地体を接地させた後、キャスターが床面から上方に離間させるために、テーブル装置の全体を持ち上げる必要があり、持ち上げる操作に大きな力を必要とする。
しかし、接地体は一方のキャスターのみに設けられ、他方のキャスターは床面に接地しており制動力が得られない。
この発明に係る天板付什器は、物品を載置可能な上面を有した天板と、前記天板を支持し、床面に沿った方向に間隔を空けて設けられた第一接地部および第二接地部を有した支持脚と、前記第一接地部に設けられた第一キャスター部材と、前記第二接地部に設けられた第二キャスター部材と、前記第一接地部に固定され、前記床面に接地する固定接地部材と、前記第二接地部に設けられ、前記床面に接地可能な可動接地部材と、前記可動接地部材を前記床面に接地させた状態と離間させた状態とに進退させる駆動機構と、を備え、前記可動接地部材を前記床面から離間させるように前記第二キャスター部材よりも上方に退避させることによって、前記第一接地部に対して前記第二接地部が低くなるように傾動し、前記第一キャスター部材および前記第二キャスター部材が前記床面に接地するとともに、前記固定接地部材が前記床面から上方に離間することを特徴とする。
この状態から、駆動機構を作動させ、可動接地部材を第二キャスター部材よりも上方に退避させると、第二キャスター部材が床面に接地するとともに、第一接地部に対して第二接地部が低くなるように傾動することによって、固定接地部材が床面から上方に離間して第一キャスター部材が床面に接地する。これにより、第一キャスター部材と第二キャスター部材とが床面に接地し、天板付什器が床面上で走行移動自在となる。
可動接地部材を作動させるときには、固定接地部材が接地したままであり、固定接地部材に天板付什器の荷重を支持させつつ、可動接地部材を上方に退避させればよいため、操作に要する力は少なくて済む。
さらに、このような構成によれば、駆動機構を多数のリンク材で構成する場合に比較し、部品点数が少なくて済む。また、上記のように大きな制動力を有するため、2個の接地部材のうち一方の接地部材を可動する構成とすればよい。よって、駆動機構を1個設ければよいため、部品点数をさらに抑えることができる。
このような構成によれば、可動接地部材を第二キャスター部材よりも上方に退避させ、第二キャスター部材を床面に接地させたときに、確実に、固定接地部材を床面から上方に離間させて第一キャスター部材を床面に接地させることができる。
このような構成によれば、固定接地部材と可動接地部材とを床面に接地させた天板付什器の使用状態において、固定接地部材の接地面と可動接地部材の接地面とが床面に対して面接触し、大きな制動力を得ることができる。
このような構成によれば、固定接地部材と可動接地部材とが接地した状態における安定度を高めることができる。
このような構成によれば、第一接地部と第二接地部とが共通のベース部に設けられるので、設置角度等に誤差が生じにくい。
なお、以下の説明において、テーブル装置10が設置される床面F側を「下方」、その反対方向を「上方」、ユーザがテーブル装置10に対向する側を「前方」、その反対側を「後方」、水平面内で前方と後方とを結ぶ方向に対して直交する方向を「幅方向」と適宜称する。
なお、本発明においては、支持脚20を二本一対に限定するものではなく、天板30のサイズや形状によっては、一本のみ、あるいは三本以上の支持脚20を備える構成とすることもできる。
また、一対の支持脚20、20の支柱部23、23どうしは、天板30の幅方向に延びる連結杆23jによって一体的に連結されている。
天板30の下面には、幅方向両側に、前後方向に延びる支持ブラケット33がそれぞれ固定されている。支持ブラケット33には、サポートプレート31が装着されている。これにより、天板30は、支持ブラケット33とともに、シャフト32回りに回動可能とされている。
サポートプレート31には、シャフト32を中心とした同心円上において周方向に間隔を空けた2カ所にロックピン33p、33qが設けられている。
ロックレバー34のロックプレート34tは、係合凹部34uにロックピン33pまたは33qを係合させることで、天板30を、上面30fが水平面内に位置する使用状態(図2、図3において実線で示す状態)と、前端部30a側が上方に跳ね上げられた不使用状態(図2、図3において二点鎖線で示す状態)とにそれぞれロックすることができる。
幕板15の下端部には、ジョイント部材17を介し、リンクプレート18が前後方向を含む鉛直面内で回動自在に連結されている。支柱部23には、支柱部23が延びる方向に連続するスリット(図示無し)が形成されている。リンクプレート18の下端部は、スリット(図示無し)に沿ってスライド移動自在に係止されている。
幕板15は、天板30を使用状態としたときに、天板30の後端部30bの下側からほぼ鉛直下方に延びるように配置される(図2において実線で示す状態)。この使用状態から、天板30の前端部30a側を上方に跳ね上げると、天板30がシャフト32回りに回動するにともなって天板30と一体に回動するサポートアーム35に連動し、幕板15が下方かつ前方に移動する。これにともなって、リンクプレート18は、スリット(図示無し)に沿って下方にスライドする。これによって、幕板15は、支柱部23の後方に沿う位置に移動する(図2において二点鎖線で示す状態)。
本実施形態では、スイング部材55と、ガイド溝57と、連係部材61とが、駆動機構60を構成している。
図6に示すように、ガイド溝57は、連係部材61の第二支持軸61sの鉛直下方となる位置P1を含む領域に形成されている。すなわち、ガイド溝57は、連係部材61の第二支持軸61sの鉛直下方となる位置P1が、ガイド溝57の前方の端部57aと後方の端部57bとの間に位置するよう形成されている。ここで、第二支持軸61sの鉛直下方となる位置P1は、ガイド溝57の前方の端部57aと後方の端部57bとの中心に対し後方にオフセットしている。これにより、ガイド溝57の後方の端部57bは、第二支持軸61sの鉛直下方となる位置P1よりも僅かに後方に位置するよう形成されている。
図7は、支持脚の上部に設けられたケーブルガイドの斜視図である。
図7に示すように、ケーブルガイド66は、その前側面66aに、上下方向に連続し、ガイドスリーブ65(図2参照)が挿入されるガイド溝66mが形成されている。ガイド溝66mには、その下部に前側面66a側に膨出する膨出部66bが形成されている。これにより、ガイド溝66m内に挿入配置されたガイドスリーブ65は、膨出部66bに沿う部分が前側面66a側に凸となるように湾曲する。
図8に示すように、ケーブル支持部材38は、天板30(図2参照)の下面に固定されるベース部38aと、ベース部38aに対して下方に凹み、前後方向に連続して形成された案内溝38bと、ベース部38aから下方に向かって膨出した膨出部38cと、を備えている。膨出部38cには、案内溝38bの後方に連続して形成され、挿通孔66hから上方に延びるケーブル62が後方から挿入されるケーブル挿入スリット38fが形成されている。
図3、図8に示すように、ケーブル挿入スリット38fの下端部は、ケーブル62の下端部62aと上端部62bとの間の中間部の所定位置に設けられた中間タイコ62Rよりもスリット幅が狭く形成された中間ケーブル係止部38gとされている。中間ケーブル係止部38gに中間タイコ62Rが突き当たることにより、中間ケーブル係止部38gに対するケーブル62の下方への相対的な変位が拘束される。
図9は、第一ケーブル操作部材の構成を示す平面図である。
図3、図9に示すように、第一ケーブル操作部材63は、天板30の下面に直交する軸回りに回動自在に支持された基部63aと、基部63aから外周側に延出するレバー部63bと、を一体に備えている。基部63aには、ケーブル62の上端部62bに設けられた上端タイコ62Qが係止されている。
上記したようなストッパ機構50によれば、天板30の上面30fが水平面内に位置する使用状態においては、図10に示すように、前部ストッパ部材51と後部ストッパ部材52とが床面Fに接地し、前後のキャスター26、27は、床面Fから上方に浮いている。これにより、テーブル装置10の全自重が、二本一対の支持脚20にそれぞれ設けられた前部ストッパ部材51および後部ストッパ部材52に作用し、テーブル装置10の床面F上での移動を拘束する。
また、前部ストッパ部材51と後部ストッパ部材52とを床面Fに接地させた状態では、前部ストッパ部材51の接地面51sと後部ストッパ部材52の接地面52sとがそれぞれ床面Fに平行となるよう形成されている。これにより、前部ストッパ部材51と後部ストッパ部材52とが床面Fに接地させた状態では、前部ストッパ部材51の接地面51sと後部ストッパ部材52の接地面52sとが床面Fに対して面接触する。
キャスター27が接地した状態にあっては、図3に示すように、ロックピン33qがロックレバー34の係合凹部34uに係合することによって、天板30が、前端部30a側が上方に跳ね上げられた不使用状態(図2、図3において二点鎖線で示す状態)にロックされるので、このロックを解除しない限り、ケーブル62が初期位置へ戻ることがない。
ここで、上記のようにベース部21が前端部21fの下端部22fに対して後端部21rの下端部22rが低くなるように傾動した状態では、前方のキャスター26が床面Fに接地するまでの間、前部ストッパ部材51の接地面51sは、ベース部21の後端部21rに近い側の端部51tのみが床面Fに接地している。
操作し、第一ケーブル操作部材63を回動させることもできる。すると、第一ケーブル操作部材63の基部63aに係止されたケーブル62の上端タイコ62Qが前方に引っ張られ、支柱部23内のケーブル62が上方に向かって引き上げられる。これにより、ケーブル62の下端タイコ62Pが連係部材61の下端部を前方に変位させ、スイング部材55が、後端部55rが上方に向かうように揺動し、後部ストッパ部材52が上方に引き上げられる。
このような第一ケーブル操作部材63のレバー操作によっても、図11に示すように、二本一対の支持脚20においては、前後のキャスター26、27のみが床面Fに接地し、テーブル装置10は拘束が解除されて床面F上で走行移動自在となる。
この状態から、後部ストッパ部材52をキャスター27よりも上方に退避させると、キャスター27が床面Fに接地するとともに、ベース部21材が前端部21fに対して後端部21rが低くなるように傾動することによって、前部ストッパ部材51が床面Fから上方に離間してキャスター26が床面Fに接地する。これにより、キャスター26とキャスター27とが床面Fに接地し、テーブル装置10が床面F上で走行移動自在となる。
後部ストッパ部材52を作動させるときには、前部ストッパ部材51が接地したままであり、前部ストッパ部材51にテーブル装置10の荷重を支持させつつ、後部ストッパ部材52を上方に退避させればよいため、操作に要する力は少なくて済む。
さらに、このような構成によれば、駆動機構60を多数のリンク材で構成する場合に比較し、部品点数が少なくて済む。また、上記のように大きな制動力を有するため、2個の接地部材のうち一方の接地部材(後部ストッパ部材52)を可動する構成とすればよい。よって、駆動機構60を1個設ければよいため、部品点数をさらに抑えることができる。
このような構成によれば、後部ストッパ部材52をキャスター27よりも上方に退避させ、キャスター27を床面Fに接地させたときに、確実に、前部ストッパ部材51を床面Fから上方に離間させてキャスター26を床面Fに接地させることができる。
このような構成によれば、テーブル装置10の使用状態において、前部ストッパ部材51と後部ストッパ部材52とを床面Fに接地させた使用状態では、前部ストッパ部材51の接地面51sと後部ストッパ部材52の接地面52sとが床面Fに対して面接触し、大きな制動力を得ることができる。
一方、後部ストッパ部材52をキャスター27よりも上方に退避させることによって、ベース部21が前端部21fに対して後端部21rが低くなるように傾動すると、前部ストッパ部材51の接地面51sは、ベース部21の後端部21rに近い側の端部51tのみが床面Fに接地する。これにより、前部ストッパ部材51の床面Fに対する接触面積が小さくなるので、前部ストッパ部材51と床面Fとの間に生じる摩擦力、すなわちキャスター26が接地するまでの間に生じる抵抗力が小さくなり、操作に必要な力が少なくて済む。
このような構成によれば、前部ストッパ部材51と後部ストッパ部材52とが接地した状態における安定度を高めることができる。
このような構成によれば、前部ストッパ部材51、後部ストッパ部材52、キャスター26、キャスター27が共通のベース部21に設けられるので、各部材の設置角度、設置間隔等に誤差が生じにくく、容易に高精度に組み立てることができる。
なお、本発明の天板付什器は、図面を参照して説明した上述の各実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記実施形態では、テーブル装置10を例に挙げたが、天板を備える天板付什器であれば、他のいかなる什器であってもよい。
また、上記実施形態では、ベース部21の後方にのみ揺動可能な後部ストッパ部材52を設けたが、これに限るものではなく、前方のみに揺動可能な接地部材を備えるようにしてもよい。
また、後部ストッパ部材52を動作させる駆動機構60については、上記に示した構成に限らず、他のいかなる構成であってもよい。
20 支持脚
21 ベース部
21f 前端部(第一接地部)
21r 後端部(第二接地部)
21u 上面
26 キャスター(第一キャスター部材)
27 キャスター(第二キャスター部材)
30 天板
30f 上面
51 前部ストッパ部材(固定接地部材)
51s 接地面
52 後部ストッパ部材(可動接地部材)
52s 接地面
55 スイング部材
56 第一支持軸
60 駆動機構
F 床面
Claims (5)
- 物品を載置可能な上面を有した天板と、
前記天板を支持し、床面に沿った方向に間隔を空けて設けられた第一接地部および第二接地部を有した支持脚と、
前記第一接地部に設けられた第一キャスター部材と、
前記第二接地部に設けられた第二キャスター部材と、
前記第一接地部に固定され、前記床面に接地する固定接地部材と、
前記第二接地部に設けられ、前記床面に接地可能な可動接地部材と、
前記可動接地部材を前記床面に接地させた状態と離間させた状態とに進退させる駆動機構と、を備え、
前記可動接地部材を前記床面から離間させるように前記第二キャスター部材よりも上方に退避させることによって、前記第一接地部に対して前記第二接地部が低くなるように傾動し、前記第一キャスター部材および前記第二キャスター部材が前記床面に接地するとともに、前記固定接地部材が前記床面から上方に離間することを特徴とする天板付什器。 - 前記固定接地部材と前記可動接地部材とを前記床面に接地させた状態で、前記第二キャスター部材と前記床面との隙間が、前記第一キャスター部材と前記床面との隙間よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の天板付什器。
- 前記可動接地部材は、一端部が水平軸回りに支持されたスイング部材に設けられ、
前記固定接地部材と前記可動接地部材とを前記床面に接地させた状態で、前記固定接地部材の接地面と前記可動接地部材の接地面とがそれぞれ前記床面に平行となるよう形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の天板付什器。 - 前記固定接地部材および前記可動接地部材は、前記第一キャスター部材および前記第二キャスター部材に対し、前記第一接地部と前記第二接地部とが互いに離間する方向において外方に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の天板付什器。
- 床面に沿って延びるよう設けられたベース部をさらに備え、
前記第一接地部が前記ベース部の一端側に設けられ、前記第二接地部が前記ベース部の他端側に設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の天板付什器。
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