以下の例示的な実施形態や変形例には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、同様の構成要素には共通の符号が付されるとともに、重複する説明が部分的に省略される。実施形態や変形例に含まれる部分は、他の実施形態や変形例の対応する部分と置き換えて構成されることができる。また、実施形態や変形例に含まれる部分の構成や位置等は、特に言及しない限りは、他の実施形態や変形例と同様である。
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用、結果、および効果は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能であるとともに、基本的な構成に基づく種々の効果や、派生的な効果のうちの少なくとも一つを得ることが可能である。
本実施形態の車両1は、例えば、不図示の内燃機関を駆動源とする自動車、すなわち内燃機関自動車であってもよいし、不図示の電動機を駆動源とする自動車、すなわち電気自動車や燃料電池自動車等であってもよいし、それらの双方を駆動源とするハイブリッド自動車であってもよいし、他の駆動源を備えた自動車であってもよい。また、車両1は、種々の変速装置を搭載することができるし、内燃機関や電動機を駆動するのに必要な種々の装置、例えばシステムや部品等を搭載することができる。また、車両1における車輪3の駆動に関わる装置の方式や、数、レイアウト等は、種々に設定することができる。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の車両の車室の一部が透視された状態が示された例示的な斜視図である。図2は、第1実施形態の車両の例示的な平面図(俯瞰図)である。
図1に例示されるように、車体2は、不図示の乗員が乗車する車室2aを構成している。車室2a内には、乗員としての運転者の座席2bに臨む状態で、操舵部4や、加速操作部5、制動操作部6、変速操作部7等が設けられている。
操舵部4は、例えば、ダッシュボード24から突出したステアリングホイールであり、加速操作部5は、例えば、運転者の足下に位置されたアクセルペダルであり、制動操作部6は、例えば、運転者の足下に位置されたブレーキペダルであり、変速操作部7は、例えば、センターコンソールから突出したシフトレバーである。なお、操舵部4や、加速操作部5、制動操作部6、変速操作部7等は、これらには限定されない。
また、車両1の車室2a内には、画像を表示する表示出力部としての表示装置8や、音声出力部としての音声出力装置9が設けられている。表示装置8は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や、OELD(Organic Electroluminescent Display)等である。音声出力装置9は、例えば、スピーカである。また、表示装置8は、例えば、タッチパネル等、透明な操作入力部10で覆われている。乗員は、操作入力部10を介して表示装置8の表示画面に表示される画像を視認することができる。また、乗員は、表示装置8の表示画面に表示される画像に対応した位置において手指等で操作入力部10を触れたり押したり動かしたりして操作することで、操作入力を実行することができる。これら表示装置8や、音声出力装置9、操作入力部10等は、例えば、ダッシュボード24の車幅方向すなわち左右方向の中央部に位置されたモニタ装置11に設けられている。モニタ装置11は、スイッチや、ダイヤル、ジョイスティック、押しボタン等の不図示の操作入力部を有することができる。また、モニタ装置11とは異なる車室2a内の他の位置に不図示の音声出力装置を設けることができるし、モニタ装置11の音声出力装置9と他の音声出力装置から、音声を出力することができる。なお、モニタ装置11は、例えば、ナビゲーションシステムやオーディオシステムと兼用されうる。
また、図1及び図2に例示されるように、車両1は、例えば、四輪自動車であり、左右二つの前輪3Fと、左右二つの後輪3Rとを有する。これら四つの車輪3は、いずれも転舵可能に構成されうる。
図3は、第1実施形態の駐車支援システムの構成の例示的なブロック図である。
図3に例示されるように、車両1は、少なくとも二つの車輪3を操舵する操舵システム13を有している。操舵システム13は、アクチュエータ13aと、トルクセンサ13bとを有する。操舵システム13は、ECU14(Electronic Control Unit)等によって電気的に制御されて、アクチュエータ13aを動作させる。操舵システム13は、例えば、電動パワーステアリングシステムや、SBW(Steer By Wire)システム等である。操舵システム13は、アクチュエータ13aによって操舵部4にトルク、すなわちアシストトルクを付加して操舵力を補ったり、アクチュエータ13aによって車輪3を転舵したりする。この場合、アクチュエータ13aは、一つの車輪3を転舵してもよいし、複数の車輪3を転舵してもよい。また、トルクセンサ13bは、例えば、運転者が操舵部4に与えるトルクを検出する。
また、図2に例示されるように、車両1には、複数の撮像部15として、例えば四つの撮像部15a〜15dが設けられている。撮像部15は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCIS(CMOS Image Sensor)等の撮像素子を内蔵するデジタルカメラである。撮像部15は、所定のフレームレートで動画データを出力することができる。撮像部15は、それぞれ、広角レンズまたは魚眼レンズを有し、水平方向には例えば140°〜190°の範囲を撮影することができる。例えば、撮像部15は、車両1の周辺を撮像して、撮像画像データを出力する。また、撮像部15の光軸は斜め下方に向けて設定されている。よって、撮像部15は、車両1が移動可能な路面や車両1が駐車可能な領域を含む車体2の周辺の外部の環境を逐次撮影し、撮像画像データとして出力する。
撮像部15aは、例えば、車体2の後側の端部2eに位置され、リヤトランクのドア2hの下方の壁部に設けられている。撮像部15bは、例えば、車体2の右側の端部2fに位置され、右側の突出部としてのドアミラー2gに設けられている。撮像部15cは、例えば、車体2の前側、すなわち車両前後方向の前方側の端部2cに位置され、フロントバンパー等に設けられている。撮像部15dは、例えば、車体2の左側、すなわち車幅方向の左側の端部2dに位置され、左側の突出部としてのドアミラー2gに設けられている。ECU14は、複数の撮像部15から得られた撮像画像データに基づいて演算処理や画像処理を実行し、より広い視野角の画像を生成したり、車両1を上方から見た仮想的な俯瞰画像を生成したりすることができる。なお、俯瞰画像は、車両1よりも上方から見た画像であって、平面画像または鳥瞰画像とも称されうる。
また、ECU14は、撮像部15の画像から、車両1の周辺の路面に示された区画線等を識別し、区画線等に示された駐車区画を検出(抽出)する。
また、図1、図2に例示されるように、車体2には、複数の測距センサ16、17として、例えば四つの測距センサ16a〜16dと、八つの測距センサ17a〜17hとが設けられている。測距センサ16、17は、例えば、超音波を発射してその反射波を捉えるソナーである。ソナーは、ソナーセンサ、あるいは超音波探知器とも称されうる。ECU14は、測距センサ16、17の検出結果により、車両1の周囲に位置された障害物等の物体の有無や当該物体までの距離を測定することができる。すなわち、測距センサ16、17は、物体を検出する検出部の一例である。なお、測距センサ17は、例えば、比較的近距離の物体の検出に用いられ、測距センサ16は、例えば、測距センサ17よりも遠い比較的長距離の物体の検出に用いられうる。また、測距センサ17は、例えば、車両1の前方および後方の物体の検出に用いられ、測距センサ16は、車両1の側方の物体の検出に用いられうる。また、ECU14は、複数の測距センサ16、17で得られた周辺の物体までの距離データに基づいて演算処理や画像処理を実行し、より広い視野角の画像を生成したり、車両1を上方から見た仮想的な俯瞰画像を生成したりすることができる。
また、図3に例示されるように、駐車支援システム100では、ECU14や、モニタ装置11、操舵システム13、測距センサ16、17等の他、ブレーキシステム18、舵角センサ19、アクセルセンサ20、シフトセンサ21、車輪速センサ22等が、電気通信回線としての車内ネットワーク23を介して電気的に接続されている。
車内ネットワーク23は、例えば、CAN(Controller Area Network)として構成されている。ECU14は、車内ネットワーク23を通じて制御信号を送ることで、操舵システム13、ブレーキシステム18等を制御することができる。また、ECU14は、車内ネットワーク23を介して、トルクセンサ13b、ブレーキセンサ18b、舵角センサ19、測距センサ16、測距センサ17、アクセルセンサ20、シフトセンサ21、車輪速センサ22等の検出結果や、操作入力部10等の操作信号等を、受け取ることができる。
ECU14は、例えば、CPU14a(Central Processing Unit)や、ROM14b(Read Only Memory)、RAM14c(Random Access Memory)、表示制御部14d、音声制御部14e、SSD14f(Solid State Drive、フラッシュメモリ)等を有している。CPU14aは、例えば、表示装置8で表示される画像に関連した画像処理や、車両1の駐車目標位置の決定、車両1の移動経路の演算、物体との干渉の有無の判断、車両1の自動制御、自動制御の解除等の、各種の演算処理および制御を実行することができる。CPU14aは、ROM14b等の不揮発性の記憶装置にインストールされ記憶されたプログラムを読み出し、当該プログラムにしたがって演算処理を実行することができる。RAM14cは、CPU14aでの演算で用いられる各種のデータを一時的に記憶する。また、表示制御部14dは、ECU14での演算処理のうち、主として、撮像部15で得られた画像データを用いた画像処理や、表示装置8で表示される画像データの合成等を実行する。また、音声制御部14eは、ECU14での演算処理のうち、主として、音声出力装置9で出力される音声データの処理を実行する。また、SSD14fは、書き換え可能な不揮発性の記憶部であって、ECU14の電源がオフされた場合にあってもデータを記憶することができる。なお、CPU14aや、ROM14b、RAM14c等は、同一パッケージ内に集積されうる。また、ECU14は、CPU14aに替えて、DSP(Digital Signal Processor)等の他の論理演算プロセッサや論理回路等が用いられる構成であってもよい。また、SSD14fに替えてHDD(Hard Disk Drive)が設けられてもよいし、SSD14fやHDDは、ECU14とは別に設けられてもよい。
ブレーキシステム18は、例えば、ブレーキのロックを抑制するABS(Anti-lock Brake System)や、コーナリング時の車両1の横滑りを抑制する横滑り防止装置(ESC:Electronic Stability Control)、ブレーキ力を増強させる(ブレーキアシストを実行する)電動ブレーキシステム、BBW(Brake By Wire)等である。ブレーキシステム18は、アクチュエータ18aを介して、車輪3ひいては車両1に制動力を与える。また、ブレーキシステム18は、左右の車輪3の回転差などからブレーキのロックや、車輪3の空回り、横滑りの兆候等を検出して、各種制御を実行することができる。ブレーキセンサ18bは、例えば、制動操作部6の可動部の位置を検出するセンサである。ブレーキセンサ18bは、制動操作部6の可動部としてのブレーキペダルの位置を検出することができる。ブレーキセンサ18bは、変位センサを含む。
舵角センサ19は、例えば、ステアリングホイール等の操舵部4の操舵量を検出するセンサである。舵角センサ19は、例えば、ホール素子などを用いて構成される。ECU14は、運転者による操舵部4の操舵量や、自動操舵時の各車輪3の操舵量等を、舵角センサ19から取得して各種制御を実行する。なお、舵角センサ19は、操舵部4に含まれる回転部分の回転角度を検出する。舵角センサ19は、角度センサの一例である。
アクセルセンサ20は、例えば、加速操作部5の可動部の位置を検出するセンサである。アクセルセンサ20は、加速操作部5の可動部としてのアクセルペダルの位置を検出することができる。アクセルセンサ20は、変位センサを含む。
シフトセンサ21は、例えば、変速操作部7の可動部の位置を検出するセンサである。シフトセンサ21は、変速操作部7の可動部としての、レバーや、アーム、ボタン等の位置を検出することができる。シフトセンサ21は、変位センサを含んでもよいし、スイッチとして構成されてもよい。
車輪速センサ22は、車輪3の回転量や単位時間当たりの回転数を検出するセンサである。車輪速センサ22は、検出した回転数を示す車輪速パルス数をセンサ値として出力する。車輪速センサ22は、例えば、ホール素子などを用いて構成されうる。ECU14は、車輪速センサ22から取得したセンサ値に基づいて車両1の移動量などを演算し、各種制御を実行する。なお、車輪速センサ22は、ブレーキシステム18に設けられている場合もある。その場合、ECU14は、車輪速センサ22の検出結果をブレーキシステム18を介して取得する。
なお、上述した各種センサやアクチュエータの構成や、配置、電気的な接続形態等は、一例であって、種々に設定(変更)することができる。
本実施形態では、ECU14は、ハードウェアとソフトウェア(制御プログラム)が協働することにより、表示制御装置としての機能の少なくとも一部を実現している。
図4は、第1実施形態にかかるECU14の構成を示すブロック図である。ECU14、表示装置8及び撮像部15は、表示制御装置の一例である。図4に示すように、ECU14は、ECU14として構成されたCPU14aが、ROM14bまたはSSD14f内に格納されたソフトウェアを実行する。これにより、ECU14は、入力インターフェース部801と、曲率半径算出部802と、移動距離算出部803と、進行方向判定部804と、距離取得部805と、映像取得部806と、車両位置推定部807と、3Dマップ位置変換部808と、投影変換部809と、第1生成部の一例である第1俯瞰画像生成部811と、第2生成部の一例である第2俯瞰画像生成部812と、画像合成部813と、を実現する。また、RAM14c上に、位置記憶部810が設けられる。
入力インターフェース部801は、舵角センサ19からの舵角情報と、車輪速センサ22からの車輪速情報と、シフトセンサ21からのシフト情報と、測距センサ16、17からの測距情報と、撮像部15からの撮像画像データと、を入力処理する。
測距情報は、車両1に設けられた測距センサ16、17から、車両1の周囲に存在する物体までの距離と共に、当該物体の高さ情報を算出可能なデータとする。撮像画像データは、車両1に設けられた撮像部15から、車両1の周囲に存在する物体を撮像したデータとする。
曲率半径算出部802は、舵角センサ19からの舵角情報に基づいて、車両1の旋回半径を算出する。
移動距離算出部803は、車輪速センサ22からの車輪速情報に基づいて、車両1の移動距離を算出する。
進行方向判定部804は、シフトセンサ21からのシフト情報と、車輪速センサ22からの車輪速情報と、に基づいて、車両1の進行方向を特定する。
距離取得部805は、測距センサ16、17からの測距情報に基づいて、車両1から、車両1の周辺に存在する物体までの距離と、当該物体が検出された高さと、を取得する。
映像取得部806は、撮像部15から出力された撮像画像データを取得する。
車両位置推定部807は、算出された車両1の旋回半径、移動距離、及び進行方向に基づいて、車両1の位置を推定する。
3Dマップ位置変換部808は、車両1の位置と、当該車両1から物体までの距離と、当該物体が検出された高さと、に基づいて、車両1の位置と、当該物体の位置とを、車両1の周辺の環境を表した3Dマップ上における車両1の位置座標、及び当該物体の位置座標に変換して3Dマップを生成する。
投影変換部809は、撮像画像データにおいて生じているレンズ等による歪みを取り除くと共に撮像画像データに含まれている表示領域毎に区切った画像データを、3Dマップに貼り付けるためのテクスチャとして、3Dマップに含まれている各領域と対応付ける。
第1俯瞰画像生成部811は、車両1の少なくとも一部の画像である第1車両画像及び車両1の周辺の画像である第1周辺画像を含む第1俯瞰画像を生成する。例えば、第1俯瞰画像生成部811は、投影変換部809によって歪みが取り除かれた撮像画像データを撮像部15が撮像した視点とは異なる仮想視点からの仮想画像データに変換して第1俯瞰画像を生成する。第1俯瞰画像生成部811は、時間の経過とともに、第1俯瞰画像を繰り返し生成する。例えば、第1俯瞰画像に含まれる第1周辺画像は、撮像部15によってリアルタイムに撮像された撮像画像データから、投影変換部809によって歪みが取り除かれた撮像画像データを撮像部15が撮像した視点とは異なる仮想視点からの仮想画像データに変換して生成した画像である。第1俯瞰画像に含まれる第1車両画像の一例は、予め撮像または生成されてROM14b等に格納されている画像である。
本実施形態では、第1俯瞰画像生成部811は、撮像画像データを車両1に仮想視点が固定された仮想画像データへ変換して第1俯瞰画像TV1を生成する。当該固定は、第1車両固定制御の一例である。これにより、第1俯瞰画像生成部811は、第1車両画像の位置を第1俯瞰画像TV1内で固定する。従って、第1俯瞰画像生成部811は、第1車両画像の位置を第1俯瞰画像の中心に固定した場合、車両1が移動すると、第1周辺画像を第1俯瞰画像内で移動させる。第1俯瞰画像生成部811は、生成した第1俯瞰画像を画像合成部813へ出力する。
第2俯瞰画像生成部812は、車両1の少なくとも一部の画像である第2車両画像及び車両1の周辺の画像である第2周辺画像を含む第2俯瞰画像を生成する。例えば、第2俯瞰画像生成部812は、投影変換部809によって歪みが取り除かれた撮像画像データを撮像部15が撮像した視点とは異なる仮想視点からの仮想画像データに変換して第2俯瞰画像を生成する。第2俯瞰画像生成部812は、時間の経過とともに、第2俯瞰画像を繰り返し生成する。ここで、第2俯瞰画像生成部812は、第1俯瞰画像よりも拡大率の小さい第2俯瞰画像を生成する。ここでいう拡大率は、実物に対する、第1俯瞰画像及び第2俯瞰画像内に含まれる当該実物の画像の大きさの比率である。例えば、拡大率は、実際の車両1の大きさに対する、第1俯瞰画像の第1車両画像の大きさの比率及び第2俯瞰画像の第2車両画像の大きさの比率である。
第2俯瞰画像の第2周辺画像に含まれる物体の画像及び第2車両画像は、第1俯瞰画像の第1周辺画像に含まれる物体の画像及び第1車両画像よりも小さい。これにより、第2周辺画像は、第1周辺画像と比べて車両1の周辺の広い範囲の画像を含む。第2俯瞰画像生成部812は、第1俯瞰画像と比べて広い範囲を第2俯瞰画像で表示するために、例えば、リアルタイム及び過去の測距情報等に基づいて3Dマップ位置変換部808が生成した3Dマップによる画像に、仮想画像データから変換されて3Dマップ上の領域毎に割り当てられたテクスチャを貼り付けた画像を、第2周辺画像として用いる。過去の3Dマップは、車両1が通過した領域に対応している。従って、第2俯瞰画像に含まれる第2周辺画像は、過去の周辺の状態に対応した画像を含む。第2俯瞰画像に含まれる第2車両画像の一例は、予め撮像または生成されてROM14b等に格納されている画像である。
本実施形態では、第2俯瞰画像生成部812は、撮像画像データを車両1に仮想視点が固定された仮想画像データへ変換して第2俯瞰画像TV2を生成する。当該固定は、第2車両固定制御の一例である。これにより、第2俯瞰画像生成部812は、第2車両画像の位置を第2俯瞰画像内で固定する。従って、第2俯瞰画像生成部812は、第2車両画像の位置を第2俯瞰画像の中心に固定した場合、車両1が移動すると、第2周辺画像を第2俯瞰画像内で移動させる。第2俯瞰画像生成部812は、生成した第2俯瞰画像を画像合成部813へ出力する。
画像合成部813は、第1俯瞰画像生成部811から第1俯瞰画像を取得するとともに、第2俯瞰画像生成部812から第2俯瞰画像を取得する。画像合成部813は、第1俯瞰画像と、第2俯瞰画像とを並べて合成した合成画像を生成する。画像合成部813は、生成した合成画像を表示装置8へ出力して、合成画像を表示させる。
図5は、第1実施形態における合成画像SIの一例を示す図である。図5に示すように、画像合成部813は、第1車両画像30及び第1周辺画像32を含む第1俯瞰画像TV1と、第2車両画像34及び第2周辺画像36を含む第2俯瞰画像TV2とを横方向に並べて合成した合成画像SIを生成する。尚、図5において、第1俯瞰画像TV1の領域は荒いメッシュのハッチングを付与して、第2俯瞰画像TV2の領域は細かいメッシュのハッチングを付与している。画像合成部813は、例えば、表示装置8の左半分の領域に第1俯瞰画像TV1を表示させ、表示装置8の右半分の領域に第2俯瞰画像TV2を表示させるように、合成画像SIを生成する。これにより、合成画像SIでは、第1俯瞰画像TV1が車両1の近傍の障害物等の物体の画像である物体画像70を詳細に表示するとともに、第2俯瞰画像TV2が第1俯瞰画像TV1では表示できない遠方の物体の画像である物体画像72を表示することができる。尚、画像合成部813は、第1俯瞰画像TV1を右側に配置して、第2俯瞰画像TV2を左側に配置した合成画像SIを生成してもよい。また、画像合成部813は、上下方向に第1俯瞰画像TV1と第2俯瞰画像TV2とを配列してもよい。
次に、本実施形態のECU14における、表示画像データを表示するまでの処理について説明する。図6は、本実施形態のECU14における上述した処理の手順を示すフローチャートである。図7は、図5に示す状況から車両が前方に移動した場合の合成画像SIの一例である。
まず、入力インターフェース部801が、各種センサからの情報を入力処理する(ステップS1101)。
次に、曲率半径算出部802が、車両1の旋回半径を算出する(ステップS1102)。移動距離算出部803は、車輪速センサ22の車輪速情報に基づいて、車両1の移動距離を算出する(ステップS1103)。
進行方向判定部804は、シフトセンサ21からのシフト情報と、車輪速センサ22からの車輪速情報と、に基づいて、車両1の進行方向を特定する(ステップS1104)。なお、ステップS1102〜S1104までの処理の順序は一例として記載したもので、処理の順序を制限するものではない。
次に、車両位置推定部807が、旋回半径、移動距離、及び進行方向に基づいて、車両1の位置を推定する(ステップS1105)。
そして、距離取得部805は、測距センサ17からの測距情報に基づいて、車両1から車両1周辺の物体までの距離と、当該物体の高さと、を取得する(ステップS1106)。
次に、3Dマップ位置変換部808が、車両1の位置、車両1と物体との間の距離、及び物体の高さに基づいて、3Dマップ上における車両1の位置座標、及び当該物体の位置座標に変換する(ステップS1107)。
映像取得部806は、入力インターフェース部801を介して、撮像部15により撮像された、車両1周辺を撮像した撮像画像データを取得する(ステップS1108)。
次に、第1俯瞰画像生成部811は、投影変換部809によって歪みが取り除かれた撮像画像データを撮像部15が撮像した視点とは異なる仮想視点からの仮想画像データに変換して第1俯瞰画像TV1を生成する(ステップS1109)。
次に、第2俯瞰画像生成部812は、第2俯瞰画像TV2を生成する(ステップS1110)。具体的には、第2俯瞰画像生成部812は、投影変換部809によって歪みが取り除かれた撮像画像データを撮像部15が撮像した視点とは異なる仮想視点からの仮想画像データに変換し、当該仮想画像データに基づくテクスチャを3Dマップの各領域に貼り付けた第2周辺画像を用いて第2俯瞰画像TV2を生成する。
画像合成部813は、第1俯瞰画像TV1及び第2俯瞰画像TV2を合成して、合成画像SIを生成する(ステップS1111)。
画像合成部813は、生成した合成画像SIのデータを表示装置8へ出力して、合成画像SIを表示させる(ステップS1112)。
この後、ステップS1101以降を繰り返すことによって、時間の経過とともに、第1俯瞰画像生成部811及び第2俯瞰画像生成部812は、第1俯瞰画像TV1及び第2俯瞰画像TV2を繰り返し生成して、画像合成部813が合成画像SIを更新する。例えば、図5に示す状態から車両1が前方に移動した場合、図7に示すように、第1俯瞰画像TV1及び第2俯瞰画像TV2内の例えば中心で第1車両画像30及び第2車両画像34の位置が固定されたまま、物体画像70、72を含む第1周辺画像32及び第2周辺画像36が第1車両画像30及び第2車両画像34に対して後方に移動した第1俯瞰画像TV1及び第2俯瞰画像TV2を合成した合成画像SIが表示装置8に表示される。
上述したように、ECU14は、第1俯瞰画像TV1及び第1俯瞰画像TV1よりも拡大率の小さい第2俯瞰画像TV2を合成した合成画像SIを表示装置8に表示させている。これにより、ECU14は、第1俯瞰画像TV1により車両1の周辺のうち近傍の状況に関する情報をユーザに提供して、第2俯瞰画像TV2により車両1の周辺のうち遠方の状況に関する情報をユーザに提供することができる。この結果、ECU14は、車両1の周辺の状況に関する情報を多く提供できるので、ユーザが車両1の周辺の状況を認識しやすくすることができる。
また、ECU14は、第1俯瞰画像TV1及び第2俯瞰画像TV2内で第1車両画像30及び第2車両画像34を固定している。これにより、ECU14は、周辺に対する車両1の位置等の車両1の状況をユーザが認識しやすくすることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態では、第1俯瞰画像生成部811は、撮像画像データを車両1の周辺に仮想視点が固定された仮想画像データへ変換して、第1俯瞰画像TV1を生成する。当該固定は、第1周辺固定制御の一例である。例えば、第1俯瞰画像生成部811が、第1俯瞰画像TV1内で第1周辺画像32を固定して、第1車両画像30を移動させる。第1俯瞰画像生成部811は、時間の経過とともに、第1俯瞰画像TV1を繰り返し生成する。第2俯瞰画像生成部812は、撮像画像データを車両1の周辺に仮想視点が固定された仮想画像データへ変換して、第2俯瞰画像TV2を生成する。当該固定は、第2周辺固定制御の一例である。例えば、第2俯瞰画像生成部812は、第2俯瞰画像TV2内で第2周辺画像36を固定して、第2車両画像34を移動させる。第2俯瞰画像生成部812は、時間の経過とともに、第2俯瞰画像TV2を繰り返し生成する。図8は、第2実施形態における合成画像SIの一例を示す図である。
例えば、第2実施形態では、図5に示す状態から車両1が前方に移動した場合について説明する。この場合、図8に示すように、第1俯瞰画像生成部811は、第1俯瞰画像TV1内で物体画像70を含む第1周辺画像32を固定しつつ、第1車両画像30を前方に対応する方向に移動させる。また、第2俯瞰画像生成部812は、第2俯瞰画像TV2内で物体画像70、72を含む第2周辺画像36を固定しつつ、第2車両画像34を前方に対応する方向に移動させる。画像合成部813は、第1俯瞰画像生成部811及び第2俯瞰画像生成部812が生成した第1俯瞰画像TV1及び第2俯瞰画像TV2によって図8に示す合成画像SIを生成して、表示装置8に表示させる。
上述したようにECU14は、第1俯瞰画像TV1及び第2俯瞰画像TV2内で第1周辺画像32及び第2周辺画像36を固定している。これにより、ECU14は、車両1が移動している状況でも、車両1の周辺の状況をユーザが認識しやすくすることができる。
(第3実施形態)
第3実施形態では、第1俯瞰画像生成部811及び第2俯瞰画像生成部812のいずれか一方が、俯瞰画像内で車両画像を固定して、他方が俯瞰画像内で周辺画像を固定する。第1俯瞰画像生成部811は、時間の経過とともに、第1俯瞰画像TV1を繰り返し生成する。第2俯瞰画像生成部812は、時間の経過とともに、第2俯瞰画像TV2を繰り返し生成する。図9は、第3実施形態における合成画像SIの一例を示す図である。
例えば、第3実施形態では、図5に示す状態から車両1が前方に移動した場合において、第1俯瞰画像TV1では第1車両画像30を固定(上述の第1車両固定制御)して、第2俯瞰画像TV2では物体画像70、72を含む第2周辺画像36を固定(上述の第2周辺固定制御)する場合について説明する。この場合、図9に示すように、第1俯瞰画像生成部811は、車両1が前方に移動した場合でも、第1車両画像30を第1俯瞰画像TV1内で固定して、第1周辺画像32を移動させた第1俯瞰画像TV1を生成する。第2俯瞰画像生成部812は、第2俯瞰画像TV2内で物体画像70、72を含む第2周辺画像36を固定して、車両1の移動に合わせて第2車両画像34を第2俯瞰画像TV2内で移動させて、第2俯瞰画像TV2を生成する。画像合成部813は、第1俯瞰画像生成部811及び第2俯瞰画像生成部812が生成した第1俯瞰画像TV1及び第2俯瞰画像TV2によって図9に示す合成画像SIを生成して、表示装置8に表示させる。
(第4実施形態)
第4実施形態では、第1俯瞰画像生成部811が、第1車両固定制御と、第1周辺固定制御とを切り替える。また、第2俯瞰画像生成部812が、第2車両固定制御と、第2周辺固定制御とを切り替える。第1俯瞰画像生成部811及び第2俯瞰画像生成部812の少なくともいずれか一方が、当該固定に関する切り替えを実行してもよい。例えば、第4実施形態では、第1俯瞰画像生成部811または第2俯瞰画像生成部812が、車両1を停車させる停車位置74の存在の有無によって、当該切り替えを実行する。
図10は、車両1が停車位置74を検出する前の状況を示す平面図である。図11は、図10の状況において生成される第4実施形態の合成画像SIの一例を示す図である。図12は、車両1が停車位置74を検出した状況を示す平面図である。図13は、図12の状況において生成される第4実施形態の合成画像SIの一例を示す図である。具体的には、図10に示すように、自己の車両1が、周辺に複数の他の車両76が停車している中を前方に移動する。この状況では、第1俯瞰画像生成部811は第1車両画像30を固定した第1俯瞰画像TV1を生成する。第2俯瞰画像生成部812は第2車両画像34を固定した第2俯瞰画像TV2を生成する。画像合成部813は、これらの第1俯瞰画像TV1及び第2俯瞰画像TV2を含む図11に示す合成画像SIを生成する。
この後、図12に示すように、自己の車両1が、例えば他の車両76間に形成された停車可能な停車位置74の前を横切って移動する。これにより、自己の車両1は、撮像部15からの撮像画像データ及び測距センサ16、17からの測距情報等に基づいて、第1俯瞰画像生成部811または第2俯瞰画像生成部812が車両1を停車させる停車位置74を検出する。このように、停車位置74が存在する場合、第1俯瞰画像生成部811は第1俯瞰画像TV1内で他の車両76の画像である他車両画像78を含む第1周辺画像32を固定する第1周辺固定制御を実行する。また、停車位置74が存在する場合、第2俯瞰画像生成部812が第2俯瞰画像TV2内で他の車両76の画像である他車両画像78を含む第2周辺画像36を固定する第2周辺固定制御を実行する。尚、停車位置が存在する場合、第1周辺固定制御及び第2周辺固定制御のいずれか一方への切り替えを実行してもよい。画像合成部813は、これらの第1俯瞰画像TV1及び第2俯瞰画像TV2を合成して、合成画像SIを生成する。例えば、図13に示す例では、第1俯瞰画像生成部811は、停車位置74の画像である停車位置画像80及び他車両画像78を含む第1周辺画像32を固定した第1俯瞰画像TV1を生成する。第2俯瞰画像生成部812は、停車位置画像80及び他車両画像78を含む第2周辺画像36を固定した第2俯瞰画像TV2を生成する。画像合成部813は、これらの第1俯瞰画像TV1及び第2俯瞰画像TV2を合成して、図13に示す合成画像SIを生成する。
更に、停車位置74を検出した場合、第1俯瞰画像生成部811は、第1俯瞰画像TV1を回転させてもよい。また、第2俯瞰画像生成部812は、第2俯瞰画像TV2を回転させてもよい。図14は、図13の合成画像SIを回転させた第4実施形態における合成画像SIの一例を示す図である。例えば、図13に示す第1俯瞰画像TV1及び第2俯瞰画像TV2から、図14に示すように停車位置画像80が表示装置8の中央の下部に表示されるように、第1俯瞰画像生成部811及び第2俯瞰画像生成部812は、第1俯瞰画像TV1及び第2俯瞰画像TV2を左回りに90°回転させて生成する。
上述したように、ECU14は、停車位置74が存在する場合に、第1俯瞰画像TV1、及び、第2俯瞰画像TV2内の少なくともいずれか一方で他車両画像78を含む周辺画像を固定する。これにより、ECU14は、ユーザが車両1を停車位置74に停車させる場合に、車両1の周辺の状況を認識しやすくすることができる。
更に、ECU14は、第1俯瞰画像TV1、及び、第2俯瞰画像TV2の少なくともいずれか一方を回転させて、停車位置74が表示装置8の中央の下部に表示することによって、表示装置8の画面内で横方向の移動が大きい車両1が第1俯瞰画像TV1、及び、第2俯瞰画像TV2の少なくとも一方からはみ出すことを抑制できる。
(第5実施形態)
第5実施形態では、第1俯瞰画像生成部811は、状況に応じて、第1俯瞰画像TV1の拡大率を変更する。例えば、第1俯瞰画像生成部811は、車両1の周辺のいずれかの位置に設定された基準としての基準位置と車両1との距離に応じて、第1俯瞰画像TV1の拡大率を変更してもよい。基準位置の一例は、車両1の近傍の道路上の位置である。具体的には、第1俯瞰画像生成部811は、基準位置と車両1との距離が長くなるにつれて、第1俯瞰画像TV1の拡大率を小さくする。当該拡大率を小さくすることは、第1拡大率制御の一例である。また、第2俯瞰画像生成部812は、状況に応じて、第2俯瞰画像TV2の拡大率を変更する。例えば、第2俯瞰画像生成部812は、車両1の周辺のいずれかの位置に設定された基準としての基準位置と車両1との距離が長くなるにつれて、第2俯瞰画像TV2の拡大率を小さくする。当該拡大率を小さくすることは、第2拡大率制御の一例である。尚、第1拡大率制御及び第2拡大率制御の少なくとも一方を行ってもよい。
ECU14は、基準位置と車両1との距離が長くなるにつれて、第1俯瞰画像TV1の拡大率を小さくしている。これにより、ECU14は、第1周辺画像32が第1俯瞰画像TV1内で固定された場合でも、第1車両画像30が第1俯瞰画像TV1からはみ出すことを抑制できる。ECU14は、基準位置と車両1との距離が長くなるにつれて、第2俯瞰画像TV2の拡大率を小さくしている。これにより、ECU14は、車両1の第2周辺画像36が第2俯瞰画像TV2内で固定された場合でも、第2車両画像34が第2俯瞰画像TV2からはみ出すことを抑制できる。
(第6実施形態)
第6実施形態では、第1俯瞰画像生成部811は、第1俯瞰画像TV1内で第1車両画像30及び第1周辺画像32の両方を移動させる。また、第2俯瞰画像生成部812は、第2俯瞰画像TV2内で第2車両画像34及び第2周辺画像36の両方を移動させる。例えば、第1俯瞰画像生成部811は、基準位置と車両1との間の位置(例えば、中間位置)を第1俯瞰画像TV1内の例えば中心位置で固定して、当該固定位置を中心にして、第1車両画像30及び第1周辺画像32を第1俯瞰画像TV1内で移動させてもよい。また、第2俯瞰画像生成部812は、基準位置と車両1との間の位置(例えば、中間位置)を第2俯瞰画像TV2内の例えば中心位置で固定して、当該固定位置を中心にして、第2車両画像34及び第2周辺画像36を第2俯瞰画像TV2内で移動させてもよい。
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、第1俯瞰画像生成部811及び第2俯瞰画像生成部812は、車両1の斜め上方からの第1俯瞰画像TV1及び第2俯瞰画像TV2を生成してもよい。
第1俯瞰画像生成部811は、測距センサ16、17が測定した測距情報等による3Dマップに基づいて、第1俯瞰画像TV1を生成してもよい。また、第2俯瞰画像生成部812は、撮像部15が撮像した撮像画像データに基づいて、第2俯瞰画像TV2を生成してもよい。
第2俯瞰画像生成部812は、測距センサに代えて、レーザセンサ等によって測定された情報による3Dマップに基づいて、第2俯瞰画像TV2を生成してもよい。