以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。本実施形態においては、シート処理装置の例として、画像形成ユニットに連結され若しくは内蔵され、その画像形成ユニットにより画像が形成された画像形成済みのシートを折るための折り処理ユニットについて説明する。
まず、本実施形態に係る画像形成装置1の全体構成について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置1の全体構成を簡略化して示す図である。図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、画像形成ユニット2、折り処理ユニット3、後処理ユニット4、スキャナユニット5により構成されている。
画像形成ユニット2は、入力された画像データに基づいてCMYK(Cyan Magenta Yellow Key Plate)の描画情報を生成し、生成された描画情報に基づいて、給紙された用紙に対して画像形成出力を実行する。折り処理ユニット3は、画像形成ユニット2から搬送されてきた画像形成済みの用紙に対して折り処理及び増し折り処理を実行する。後処理ユニット4は、折り処理ユニット3から搬送されてきた折り処理済みの用紙に対して製本やステープル、パンチ等の後処理を実行する。
スキャナユニット5は、複数のフォトダイオードが一列に並べられ、これに並列にCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の受光素子が配置されたリニアイメージセンサにより原稿を読み取ることで原稿を電子化する。尚、本実施形態に係る画像形成装置1はこの他に、撮像機能、画像形成機能及び通信機能等を備えることにより、プリンタ、ファクシミリ、スキャナ、複写機として利用可能なMFP(MultiFunction Peripheral:複合機)である。
尚、図1においては、画像形成装置1が、画像形成ユニット2の胴内に折り処理ユニット3を備える構成について示したが、図2に示すように、画像形成装置1が、折り処理ユニット3を単独で備えるように構成されていても良い。図2は、本実施形態に係る画像形成装置1の全体構成を簡略化して示す図である。
次に、本実施形態に係る画像形成装置1のハードウェア構成について図3を参照して説明する。図3は、本実施形態に係る画像形成装置1のハードウェア構成を模式的に示すブロック図である。
図3に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、一般的なサーバやPC(Personal Computer)等と同様の構成を含む。即ち、本実施形態に係る画像形成装置1は、CPU(Central Processing Unit)10、RAM(Random Access Memory)20、ROM(Read Only Memory)30、HDD(Hard Disk Drive)40及びI/F50がバス90を介して接続されている。また、I/F50には表示部60、操作部70及び専用デバイス80が接続されている。
CPU10は演算手段であり、画像形成装置1全体の動作を制御する。RAM20は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU10が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM30は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。HDD40は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーション・プログラム等が格納される。
I/F50は、バス90と各種のハードウェアやネットワーク等を接続し制御する。表示部60は、ユーザが画像形成装置1の状態を確認するための視覚的ユーザインタフェースであり、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置によって実現される。操作部70は、キーボードやマウス等、ユーザが画像形成装置1に情報を入力するためのユーザインタフェースである。
専用デバイス80は、画像形成ユニット2、折り処理ユニット3、後処理ユニット4及びスキャナユニット5において専用の機能を実現するためのハードウェアであり、画像形成ユニット2においては、紙面上に画像形成出力を実行するプロッタ装置である。
また、折り処理ユニット3においては、用紙を搬送する搬送機構や、搬送される用紙を折るための折り処理機構、用紙に形成された折り目を増し折りする増し折り処理機構である。この折り処理ユニット3に含まれる増し折り処理機構の構成が、本実施形態に係る要旨の1つである。
また、また、後処理ユニット4においては、画像形成ユニット2若しくは折り処理ユニット3から搬送される用紙に対して後処理を施す後処理機構である。また、スキャナユニット5においては、原稿を光学的に読み取る原稿読取機構や、用紙を自動で搬送する自動搬送機構である。
このようなハードウェア構成において、ROM30やHDD40若しくは図示しない光学ディスク等の記憶媒体に格納されたプログラムがRAM20に読み出され、CPU10がRAM20にロードされたプログラムに従って演算を行うことにより、ソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、ハードウェアとの組み合わせによって、本実施形態に係る画像形成装置1の機能を実現する機能ブロックが構成される。
次に、本実施形態に係る画像形成装置1の機能構成について、図4を参照して説明する。図4は、本実施形態に係る画像形成装置1の機能構成を模式的に示すブロック図である。尚、図4においては、電気的接続を実線の矢印で示しており、用紙若しくは文書束の流れを破線の矢印で示している。
図4に示すように、本実施形態に係る画像形成装置1は、コントローラ100、プリントエンジン200、給紙テーブル201、プリント用排紙トレイ202、折り処理エンジン300、後処理エンジン400、処理後排紙トレイ401、スキャナエンジン500、原稿台501、ADF(Auto Document Feeder:原稿自動搬送装置)502、原稿用排紙トレイ503、ディスプレイパネル600、ネットワークI/F700を有する。また、コントローラ100は、主制御部101、エンジン制御部102、入出力制御部103、画像処理部104及び操作表示制御部105を有する。
プリントエンジン200は、画像形成ユニット2に備えられた画像形成部であり、給紙テーブル201から搬送されてきた用紙に対して画像形成出力を実行することにより画像を描画する。プリントエンジン200の具体的態様としては、インクジェット方式による画像形成機構や電子写真方式による画像形成機構等を用いることが可能である。
このプリントエンジン200により画像が描画された画像形成済みの用紙は、折り処理ユニット3に搬送され、若しくは、プリント用排紙トレイ202に排紙される。このプリントエンジン200は、図3に示す専用デバイス80によって実現される。給紙テーブル201は、画像形成部であるプリントエンジン200に用紙を給紙する。
尚、折り処理ユニット3は、画像形成ユニット2に内蔵されて構成される場合、図1に示すように、プリントエンジン200の上方に配置されて構成される。また、折り処理ユニット3は、画像形成ユニット2に接続されて構成される場合、図2に示すように、画像形成ユニット2の水平方向に配置されて構成される。
折り処理エンジン300は、折り処理ユニット3に備えられ、画像形成ユニット2から搬送されてきた画像形成済みの用紙に対して折り処理及び増し折り処理を施す。この折り処理エンジン300により折り処理が施された折り処理済みの用紙は、後処理ユニット4に搬送される。この折り処理エンジン300は、図3に示す専用デバイス80によって実現される。
後処理エンジン400は、後処理ユニット4に備えられ、折り処理エンジン300から搬送されてきた用紙に対してステープルやパンチ、製本処理等の後処理を施す。この後処理エンジン400により後処理が施された用紙は、処理後排紙トレイ401に排紙される。この後処理エンジン400は、図3に示す専用デバイス80によって実現される。
スキャナエンジン500は、スキャナユニット5に備えられ、光学情報を電気信号に変換する光電変換素子を含む原稿読取部であり、ADF502により原稿台501から自動搬送されてきた原稿、若しくは、原稿台ガラスにセットされた原稿を光学的に走査して読み取って画像情報を生成する。
原稿台501からADF502により自動搬送されてスキャナエンジン500により読み取られた原稿は、原稿用排紙トレイ503に排紙される。このスキャナエンジン500は、図3に示す専用デバイス80によって実現される。ADF502は、スキャナユニット5に備えられ、原稿台501にセットされた原稿をスキャナエンジン500に自動搬送する。このADF502は、図3に示す専用デバイス80によって実現される。
ディスプレイパネル600は、画像形成装置1の状態を視覚的に表示する出力インタフェースであると共に、タッチパネルとしてユーザが画像形成装置1を直接操作し若しくは画像形成装置1に対して情報を入力する際の入力インタフェースでもある。即ち、ディスプレイパネル600は、ユーザによる操作を受けるための画像を表示する機能を含む。ディスプレイパネル600は、図3に示す表示部60及び操作部70によって実現される。
ネットワークI/F700は、画像形成装置1がネットワークを介して管理者用端末やPC(Personal Computer)等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、Ethernet(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)インタフェース、Bluetooth(登録商標)、Wi−Fi(Wireless Fidelity)(登録商標)、FeliCa(登録商標)等のインタフェースが用いられる。このように、本実施形態に係る画像形成装置1は、ネットワークI/F900を介して接続された端末から印刷依頼の画像データや、印刷要求等の各種制御コマンドを受信する。ネットワークI/F700は、図3に示すI/F50によって実現される。
コントローラ100は、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって構成される。具体的には、ROM30やHDD40等の不揮発性記憶媒体に格納されたファームウェア等の制御プログラムが、RAM20にロードされ、それらのプログラムに従ってCPU10が演算を行うことにより構成されるソフトウェア制御部と集積回路などのハードウェアとによってコントローラ100が構成される。コントローラ100は、画像形成装置1全体を制御する制御部として機能する。
主制御部101は、コントローラ100に含まれる各部を制御する役割を担い、コントローラ100の各部に命令を与える。また、主制御部101は、入出力制御部103を制御し、ネットワークI/F700及びネットワークを介して他の装置にアクセスする。
エンジン制御部102は、プリントエンジン200、折り処理エンジン300、後処理エンジン400、スキャナエンジン500等の駆動部を制御し若しくは駆動させる。入出力制御部103は、ネットワークI/F190及びネットワークを介して入力される信号や命令を主制御部101に入力する。
画像処理部104は、主制御部101の制御に従い、PDL(Page Description Language)等により記述された画像情報、例えば、入力された印刷ジョブに含まれる文書データ若しくは画像データに基づいて描画情報を出力情報として生成する。この描画情報とは、CMYKのビットマップデータ等の情報であり、画像形成部であるプリントエンジン200が画像形成動作において形成すべき画像を描画するための情報である。
また、画像処理部104は、スキャナエンジン500から入力される撮像データを処理し、画像データを生成する。この画像データとは、スキャナ動作の結果物として画像形成装置1に格納され若しくはネットワークI/F700及びネットワークを介して他の機器に送信される情報である。尚、本実施形態に係る画像形成装置1は、画像情報の代わりに描画情報が直接入力され、直接入力された描画情報に基づいて画像形成出力を実行することも可能である。
操作表示制御部105は、ディスプレイパネル600に情報表示を行い若しくはディスプレイパネル600を介して入力された情報を主制御部101に通知する。
次に、本実施形態に係る折り処理ユニット3が取り得るモードについて、図5(a)、(b)を参照して説明する。図5(a)、(b)はそれぞれ、本実施形態に係る折り処理ユニット3がスルーモード、折りモードにあるときの形態を示す図である。
図5(a)に示すように、本実施形態に係る折り処理ユニット3がスルーモードにあるとき、分岐爪320は、第一の折り処理ローラ対340に対して閉じた状態、即ち、画像形成ユニット2から搬送されてきた用紙を第一の正逆回転ローラ対330に誘導する形態となる。
一方、図5(b)に示すように、本実施形態に係る折り処理ユニット3が折りモードにあるとき、分岐爪320は、第一の折り処理ローラ対340に対して開いた状態、即ち、画像形成ユニット2から搬送されてきた用紙を第一の折り処理ローラ対340に誘導する形態となる。即ち、本実施形態においては、分岐爪320が第一案内部として機能し、エンジン制御部102が第一案内制御部として機能する。
尚、本実施形態に係る折り処理ユニット3は、通常の状態として、図5(a)に示すように、分岐爪320が第一の折り処理ローラ対340に対して綴じた状態となっている。
このように構成された場合、折り処理ユニット3は、後述するように、折りモードにあるとき、用紙6に形成された第一の折り位置に撓みを形成させる際に、分岐爪320を第一の折り処理ローラ対340に対して閉じた状態から開いた状態に遷移させる。そして、折り処理ユニット3は、折り処理動作が完了すると、分岐爪320を第一の折り処理ローラ対340に対して開いた状態から閉じた状態に遷移させることで通常状態に戻る。
また、本実施形態に係る折り処理ユニット3は、通常の状態として、図5(b)に示すように、分岐爪320が第一の折り処理ローラ対340に対して開いた状態となっていても良い。
このように構成された場合、折り処理ユニット3は、入口搬送ローラ対310から第一の正逆回転ローラ対330に向けて用紙6を搬送する際に、分岐爪320を第一の折り処理ローラ対340に対して開いた状態から閉じた状態に遷移させるようになっている。そして、用紙6が第一の正逆回転ローラ対330による搬送が開始された際に、分岐爪320を第一の折り処理ローラ対340に対して閉じた状態から開いた状態に遷移させることで通常状態に戻る。
従って、折り処理ユニット3は、このように構成された場合、入口搬送ローラ対310から第一の正逆回転ローラ対330に向けて用紙6を搬送するとき以外に用紙6の搬送を停止した場合には既に、分岐爪320が第一の折り処理ローラ対340に対して開いた状態となっている。そのため、折り処理ユニット3は、このような場合、分岐爪320を第一の折り処理ローラ対340に対して閉じた状態から開いた状態に遷移させる動作が不要となる。
そして、折り処理ユニット3は、スルーモードにあるとき、入口搬送ローラ対310から第一の正逆回転ローラ対330に向けて搬送されてきた用紙6の搬送方向後端が第一の正逆回転ローラ対330を抜け、若しくは、第二の用紙検知センサ372に検知されると、分岐爪320を第一の折り処理ローラ対340に対して閉じた状態から開いた状態に遷移させることで通常状態に戻る。
一方、折り処理ユニット3は、折りモードにあるとき、入口搬送ローラ対310から第一の正逆回転ローラ対330に向けて搬送されてきた用紙6の第一の折り位置に撓みを形成させる際に、分岐爪320を第一の折り処理ローラ対340に対して閉じた状態から開いた状態に遷移させることで通常状態に戻る。
次に、本実施形態に係る折り処理ユニット3がスルーモードにあるときの動作例について、図6(a)〜(c)を参照して説明する。図6(a)〜(c)は、本実施形態に係る画像形成装置1において、スルーモード中の折り処理ユニット3を主走査方向から示す断面図である。
本実施形態に係る折り処理ユニット3が折りモードにあるときにはまず、図6(a)に示すように、折り処理ユニット3は、画像形成ユニット2から用紙6が搬送されてくると、第一の用紙検知センサ371によりその用紙6の搬送方向先端を検知して、各ローラの回転を開始させる。そして、折り処理ユニット3は、画像形成ユニット2から用紙6が搬送されてきた用紙6を入口搬送ローラ対310により受け入れ、その用紙6を第一の正逆回転ローラ対330に向けて搬送する。
折り処理ユニット3は、入口搬送ローラ対310により搬送されてきた用紙6を、図6(b)に示すように、第一の正逆回転ローラ対330により搬送方向下流側にさらに搬送し、図6(c)に示すように、その用紙6を後処理ユニット4に向けて搬送する。
次に、本実施形態に係る折り処理ユニット3が折りモードにあるときの動作例について、図7〜9を参照して説明する。図7〜9は、本実施形態に係る画像形成装置1において、折りモード中の折り処理ユニット3を主走査方向から示す断面図である。尚、図7〜図9においては、折り処理ユニット3が三つ折りを行う際の動作例について示している。
本実施形態に係る折り処理ユニット3が折りモードにあるときにはまず、図7(a)に示すように、折り処理ユニット3は、画像形成ユニット2から用紙6が搬送されてくると、第一の用紙検知センサ371によりその用紙6の搬送方向先端を検知して、各ローラの回転を開始させる。
そして、折り処理ユニット3は、画像形成ユニット2から用紙6が搬送されてきた用紙6を入口搬送ローラ対310により受け入れ、その用紙6を第一の正逆回転ローラ対330に向けて搬送する。即ち、本実施形態においては、入口搬送ローラ対310が第一搬送ローラ対として機能する。
折り処理ユニット3は、入口搬送ローラ対310により搬送されてきた用紙6を、図5(b)に示すように、第一の正逆回転ローラ対330により搬送方向下流側にさらに搬送する。
その後、折り処理ユニット3は、第二の用紙検知センサ372により用紙6の搬送方向先端を検知してから用紙6を所定の距離S1だけ搬送すると、図7(b)に示すように、分岐爪320を第一の折り処理ローラ対340に対して閉じた状態から開いた状態に遷移させる共に、第一の正逆回転ローラ対330の回転方向を反転させる。
これにより、折り処理ユニット3は、図7(c)、に示すように、用紙6の第一の折り位置を第一の折り処理ローラ対340側に撓ませつつ、形成された撓みの位置がずれないようにしてさらに用紙6を搬送することでその撓みを第一の折り処理ローラ対340のニップ部分に誘導する。即ち、本実施形態においては、第一の正逆回転ローラ対330が第二搬送ローラ対として機能する。
そして、折り処理ユニット3は、図8(a)に示すように、第一の折り処理ローラ対340のニップ部分にて用紙6に形成された撓みを両面から挟み込んで上記第一の折り位置に折り目をつけると共に、図8(b)、(c)に示すように、用紙6を第二の正逆回転ローラ対350に向けて搬送し、さらに搬送方向下流側に搬送する。即ち、本実施形態においては、第一の折り処理ローラ対340が第一折りローラ対として機能する。
その後、折り処理ユニット3は、第三の用紙検知センサ373により用紙6の搬送方向先端を検知してから用紙6を所定の距離S2だけ搬送すると、図9(a)に示すように、第二の正逆回転ローラ対350の回転方向を逆転させることにより、用紙6の第二の折り位置を第二の折り処理ローラ対360側に撓ませつつ、形成された撓みの位置がずれないようにしてさらに用紙6を搬送することでその撓みを第二の折り処理ローラ対360のニップ部分に誘導する。即ち、本実施形態においては、第二の正逆回転ローラ対350が第三搬送ローラ対として機能する。
そして、折り処理ユニット3は、図9(b)に示すように、第二の折り処理ローラ対360のニップ部分にて用紙6に形成された撓みを両面から挟み込んで上記第二の折り位置に折り目をつけると共に、図9(c)に示すように、その用紙6を後処理ユニット4に向けて搬送する。即ち、本実施形態においては、第二の折り処理ローラ対360が第二折りローラ対として機能する。
尚、本実施形態においては、第一の正逆回転ローラ対330、第一の折り処理ローラ対340、第二の折り処理ローラ対360において共通するローラが共通ローラとして機能する。
図7〜図9に示すような動作の結果、用紙6は、図10に示すような外三つ折りが施された状態となる。
尚、図7〜図9においては、折り処理ユニット3が用紙6を外三つ折りする例について説明した。この他、折り処理ユニット3は、図7〜図9において説明した動作と同様であるが、折り方や用紙6のサイズ等の折り情報に応じてそれぞれ距離S1、距離S2を変えることで内三つ折りやZ折り等、他の折り方で用紙6を折ることが可能である。このS1、S2は、折り情報に応じて予め定められており、ROM30やHDD40等の不揮発性の記憶媒体に記憶されている。
即ち、折り処理ユニット3は、折り情報に応じて、第一の正逆回転ローラ対330及び第二の正逆回転ローラ対350の回転方向を反転させるタイミングを変えることで内三つ折りやZ折り等、他の折り方で用紙6を折ることが可能である。
このように構成された折り処理ユニット3は、紙詰まりやセンサ異常、カバー開等の異常により用紙6の搬送を停止した場合、停止した要因が解消されるまで自力で用紙6を搬送することができなくなってしまうことがある。このような場合、利用者自らが装置内で停止したシートを除去することになるが、容易ではない。
そこで、本実施形態に係る折り処理ユニット3は、回転させられることでその回転に連動して第二の折り処理ローラ対360を用紙6が搬送される際に回転する方向に回転させる第一の回転ノブ362を折り処理ローラ361に備えることを要旨の一つとしている。従って、折り処理ユニット3が異常発生時に用紙6の搬送を停止した場合であっても、利用者は、第一の回転ノブ362を回転させることで用紙6を容易に除去することが可能となる。
次に、本実施形態に係る折り処理ユニット3が折りモード時に異常発生により用紙6の搬送を停止した場合に、利用者がその用紙6を除去する際の手順について、図11〜図13を参照して説明する。図11〜図13は、本実施形態に係る折り処理ユニット3が折りモード時に異常発生により用紙6の搬送を停止した場合に、利用者がその用紙6を除去する際の手順を示す図である。
図11(a)に示すように、本実施形態に係る折り処理ユニット3が折りモード時に異常発生により用紙6の搬送を停止した場合にはまず、利用者は、図11(b)に示す矢印の方向に第一の回転ノブ362を手動で回転させる。
そして、第一の回転ノブ362が図11(b)に示す矢印の方向に回転すると、その回転力が折り処理ローラ361に伝達される。その結果、第二の折り処理ローラ対360は、第一の回転ノブ362の回転に連動して図11(b)に示す矢印の方向に回転する。即ち、本実施形態においては、第一の回転ノブ362が第一回転部として機能する。
尚、本実施形態においては、この第一の回転ノブ362は、扉内に配置されており、必要に応じて利用者がその扉を開けて第一の回転ノブ362を回転させるように構成されている。また、この他、第一の回転ノブ362は脱着可能で、必要に応じて利用者が第一の回転ノブ362を折り処理ローラ361に装着することで第一の回転ノブ362を回転させるように構成されていても良い。また、第一の回転ノブ362は、第一の正逆回転ローラ対330、第一の折り処理ローラ対340、第二の折り処理ローラ対360の少なくともいずれかのローラに配置されていれば良い。
そして、第二の折り処理ローラ対360が回転すると、第一の正逆回転ローラ対330及び第一の折り処理ローラ対340は、第二の折り処理ローラ対360の回転に追従して図11(b)に示す矢印の方向に回転する。
このときの第一の正逆回転ローラ対330、第一の折り処理ローラ対340、第二の折り処理ローラ対360の回転方向は、折りモードにあるときに用紙6を搬送するときの回転方向と同じ方向である。
尚、この第一の回転ノブ362は、図11(b)に示す矢印の方向に回転した場合にのみ折り処理ローラ361に回転力が伝達されて折り処理ローラ361を回転させるが、反対方向に回転した場合には空転して折り処理ローラ361に回転力が伝達されないように構成されている。
折り処理ユニット3は、利用者が第一の回転ノブ362をそのまま回転させると、図11(c)、に示すように、用紙6の第一の折り位置を第一の折り処理ローラ対340側に撓ませつつさらに用紙6を搬送することでその撓みを第一の折り処理ローラ対340のニップ部分に誘導する。
そして、折り処理ユニット3は、利用者が第一の回転ノブ362をさらに回転させると、図12(a)に示すように、第一の折り処理ローラ対340のニップ部分にて用紙6に形成された撓みを両面から挟み込んで上記第一の折り位置に折り目をつけると共に、図12(b)に示すように、用紙6を第二の正逆回転ローラ対350に向けて搬送し、さらに搬送方向下流側に搬送する。
その後、折り処理ユニット3は、利用者が第一の回転ノブ362をさらに回転させると、図12(c)に示すように、第二の正逆回転ローラ対350に用紙6の先端が突き当たった状態となる。この状態で、利用者が第一の回転ノブ362をさらに回転させると、折り処理ユニット3は、図13(a)に示すように、用紙6の第二の折り位置を第二の折り処理ローラ対360側に撓ませつつさらに用紙6を搬送することでその撓みを第二の折り処理ローラ対360のニップ部分に誘導する。
そして、折り処理ユニット3は、利用者が第一の回転ノブ362をさらに回転させると、図13(b)に示すように、第二の折り処理ローラ対360のニップ部分にて用紙6に形成された撓みを両面から挟み込んで上記第二の折り位置に折り目をつけると共に、図13(c)に示すように、その用紙6を後処理ユニット4に向けて搬送する。その結果、用紙6は、折られた状態で排紙されることになる。
このように、本実施形態に係る折り処理ユニット3によれば、折りモード時に異常発生により用紙6の搬送が停止した場合であっても、利用者は、第一の回転ノブ362を回転させるだけで容易に用紙6を除去することが可能となる。
尚、図11〜図13においては、図11(a)に示す位置で搬送を停止された用紙6を除去する際の手順について説明したが、図11(b)、(c)、図12(a)〜(c)、図13(a)〜(c)に示す各位置で搬送を停止された用紙6を除去する際も同様の手順である。
即ち、本実施形態に係る折り処理ユニット3が折りモードにあるときに、図11〜図13に示した各位置で用紙6の搬送を停止させた場合、利用者は、第一の回転ノブ362を回転させるだけで容易に用紙6を除去することが可能となる。
以下では、このように、折り処理ユニット3が折りモードにあるときに用紙6の搬送を停止させた場合に、第一の回転ノブ362を回転させることで用紙6を除去することができるときの用紙6の位置を「折りモード除去位置」とする。
次に、本実施形態に係る折り処理ユニット3がスルーモード時に異常発生により用紙6の搬送を停止した場合に、利用者がその用紙6を除去する際の手順について、図14を参照して説明する。図14は、本実施形態に係る折り処理ユニット3がスルーモード時に異常発生により用紙6の搬送を停止した場合に、利用者がその用紙6を除去する際の手順を示す図である。
本実施形態に係る折り処理ユニット3がスルーモードにあるとき、図14(a)に示すように、分岐爪320は、第一の折り処理ローラ対340に対して閉じた状態となっている。そのため、本実施形態に係る折り処理ユニット3は、スルーモードにあるときに異常が発生した場合には、図14(b)に示すように、分岐爪320を第一の折り処理ローラ対340に対して閉じた状態から開いた状態に遷移させてから用紙6の搬送を停止する。
このように、本実施形態に係る折り処理ユニット3は、スルーモードにあるときに用紙6の搬送を停止する場合であっても、分岐爪320を第一の折り処理ローラ対340に対して閉じた状態から開いた状態に遷移させることで、折りモードにあるときに用紙6の搬送を停止した状態と同じ状態となる。
その後は、図11〜図13を参照して説明した手順と同様である。その結果、用紙6は、折られた状態で排紙されることになる。
尚、本実施形態に係る折り処理ユニット3は、折りモード、スルーモードのいずれにおいても、用紙6が第一の正逆回転ローラ対330によりニップにされた状態で用紙6の搬送を停止する場合、分岐爪320を第一の折り処理ローラ対340に対して閉じた状態から開いた状態に遷移させてか停止するように構成されていても良い。
このとき、本実施形態に係る折り処理ユニット3は、第一の用紙検知センサ371により用紙6の搬送方向先端が検知されてから所定のパルス数分だけ用紙6が搬送されたか否かを判断することにより、用紙6が第一の正逆回転ローラ対330によりニップにされたか否かを判断する。若しくは、本実施形態に係る折り処理ユニット3は、第二の用紙検知センサ372により用紙6の搬送方向先端が検知されたか否かを判断することにより、用紙6が第一の正逆回転ローラ対330によりニップにされたか否かを判断する。
このように、本実施形態に係る折り処理ユニット3によれば、スルーモード時に異常発生により用紙6の搬送が停止した場合であっても、利用者は、第一の回転ノブ362を回転させるだけで容易に用紙6を除去することが可能となる。
尚、仮に、分岐爪320が第一の折り処理ローラ対340に対して閉じた状態のままで第一の回転ノブ362を回転させると、用紙6は逃げ場がなくなってしまう。その結果、用紙6は、図15に示すように、入口搬送ローラ対310と第一の正逆回転ローラ対330との間で蛇腹状になってしまい、除去が困難となってしまう。
そのため、本実施形態に係る折り処理ユニット3は、スルーモードにあるときには、図14(b)に示すように、分岐爪320を第一の折り処理ローラ対340に対して閉じた状態から開いた状態に遷移させてから用紙6の搬送を停止するようになっている。
次に、本実施形態に係る折り処理ユニット3における用紙6の停止位置と各停止位置における用紙6の除去方法とについて、図16〜図19を参照して説明する。
まず、図16(a)〜(c)に示すように、第一の正逆回転ローラ対330に挟まれていない状態で用紙6の搬送が停止した場合について説明する。図16(a)〜(c)は、本実施形態に係る折り処理ユニット3が異常発生により用紙6の搬送を停止した場合に、利用者がその用紙6を除去する方法を説明するための図である。
このような場合、用紙6は、第一の正逆回転ローラ対330に挟まれていないため、第一の回転ノブ362が回転しても除去されない。そのため、このような場合、利用者は、第一の回転ノブ362を回転させても用紙6を除去することができない。従って、このような場合、利用者は、搬送方向上流側から用紙6を引き抜くだけで良い。
尚、このとき、上述したように、用紙6は、搬送方向上流側から引き抜かれることで除去されるため、分岐爪320は、第一の折り処理ローラ対340に対して閉じた状態のままで良い。
次に、図17(a)に示すように、用紙6の先端が第二の用紙検知センサ372により検知されていないが第一の正逆回転ローラ対330に挟まれている状態で用紙6の搬送が停止した場合について説明する。図17(a)、(b)は、本実施形態に係る折り処理ユニット3が異常発生により用紙6の搬送を停止した場合に、利用者がその用紙6を除去する方法を説明するための図である。
このような場合、用紙6は、第一の正逆回転ローラ対330に挟まれているが、第一の回転ノブ362が回転しても、図17(b)に示すように、形成された撓みが第二の折り処理ローラ対360のニップ部分に挟まれる前に、先端が第一の正逆回転ローラ対330を抜けてしまう。
そのため、このような場合、利用者は、第一の回転ノブ362を回転させても用紙6を除去することができない。従って、このような場合、利用者は、搬送方向上流側から用紙6を引き抜くだけで良い。
尚、このとき、上述したように、用紙6は、搬送方向上流側から引き抜かれることで除去されるため、分岐爪320は、第一の折り処理ローラ対340に対して閉じた状態のままで良い。但し、このとき、第一の回転ノブ362が回転することで、用紙6が除去される可能性がある。そのため、折り処理ユニット3は、図17(a)に示す状態で用紙6の搬送を停止する際には、分岐爪320を第一の折り処理ローラ対340に対して閉じた状態から開いた状態に遷移させても良い。
次に、図18(a)〜(c)に示すように、第一の回転ノブ362が回転しても、形成された撓みが第二の折り処理ローラ対360のニップ部分に挟まれる前に、先端が第一の正逆回転ローラ対330を抜けてしまうことがない状態で用紙6の搬送が停止した場合について説明する。図18(a)〜(c)は、本実施形態に係る折り処理ユニット3が異常発生により用紙6の搬送を停止した場合に、利用者がその用紙6を除去する方法を説明するための図である。このような場合、利用者は、図11〜図13を参照して説明した手順で用紙6を除去する。
このように、第一の回転ノブ362を回転させることで用紙6を除去することができるときの用紙6の位置は、第一の用紙検知センサ371により用紙6の搬送方向先端若しくは搬送方向後端が検知されてから所定の距離だけ搬送されまでの位置となる。
又は、第二の用紙検知センサ372により用紙6の搬送方向先端が検知されてから所定の距離だけ搬送されるまでの位置となる。この所定の距離は、用紙6の搬送方向におけるサイズに応じて予め定められており、ROM30やHDD40等の不揮発性の記憶媒体に記憶されている。
また、この他、第一の用紙検知センサ371及び第二の用紙検知センサ372が共に用紙6を検知することができる位置であっても良い。また、この他、用紙6が入口搬送ローラ対310及び第一の正逆回転ローラ対330の間に位置し、且つ、第二の用紙検知センサ372が用紙6を検知することができる位置であっても良い。
尚、本実施形態においては、用紙6の搬送方向のサイズは少なくとも、入口搬送ローラ対310と第一の正逆回転ローラ対330との間の長さよりも大きいものとする。そのため、本実施形態においては、用紙6は、入口搬送ローラ対310と第一の正逆回転ローラ対330と間で身動きが取れなくなってしまうことがない。
以下では、このように、本実施形態に係る折り処理ユニット3が用紙6の搬送を停止させた場合に、第一の回転ノブ362を回転させることで用紙6を除去することができるときの用紙6の位置を「スルーモード除去位置」とする。
次に、図19に示すように、第一の正逆回転ローラ対330に挟まれていない状態で用紙6の搬送が停止した場合について説明する。図19は、本実施形態に係る折り処理ユニット3が異常発生により用紙6の搬送を停止した場合に、利用者がその用紙6を除去する方法を説明するための図である。
このような場合、用紙6は、第一の正逆回転ローラ対330に挟まれていないため、第一の回転ノブ362が回転しても除去されない。そのため、このような場合、利用者は、第一の回転ノブ362を回転させても用紙6を除去することができない。従って、このような場合、利用者は、搬送方向下流側から用紙6を引き抜くだけで良い。
尚、このとき、上述したように、用紙6は、搬送方向下流側から引き抜かれることで除去されるため、分岐爪320は、第一の折り処理ローラ対340に対して閉じた状態のままで良い。
このように、本実施形態に係る折り処理ユニット3において用紙6の搬送が停止した場合、利用者は、停止位置に応じて適した方法で用紙6を除去することができるようになっている。
次に、本実施形態に係る折り処理ユニット3が異常発生により用紙6の搬送を停止した際の処理について、図20を参照して説明する。図20は、本実施形態に係る折り処理ユニット3が異常発生により用紙6の搬送を停止した際の処理について説明するためのフローチャートである。
尚、本実施形態に係る折り処理ユニット3は、第一の用紙検知センサ371により用紙6の搬送方向先端を検知してから一定時間経過しても第二の用紙検知センサ372により用紙6の搬送方向先端を検知することができない場合に異常を発生する。この一定時間は、少なくとも、用紙6が第一の用紙検知センサ371を通過するために要する時間よりも長く設定される。また、この一定時間は、少なくとも、用紙6の搬送方向先端が第一の用紙検知センサ371を通過してから第二の用紙検知センサ372を通過するために要する時間よりも長く設定されても良い。
本実施形態に係る折り処理ユニット3は、異常発生により用紙6の搬送を停止した際にはまず、現在のモードが折りモードであるかスルーモードであるかを判断する(S2001)。
折り処理ユニット3は、S2001の判断処理において、現在のモードがスルーモードであると判断した場合には(S2001/スルー)、用紙6がスルーモード除去位置あるか否かを判断する(S2002)。
折り処理ユニット3は、S2002の判断処理において、用紙6がスルーモード除去位置にはないと判断した場合には(S2002/NO)、搬送方向上流側若しくは搬送方向下流側から用紙6を除去するように利用者に促す画面をディスプレイパネル600に表示する(S2003)。そして、折り処理ユニット3は、用紙6が除去されると、異常発生により用紙6の搬送を停止した際の処理を終了する。
一方、折り処理ユニット3は、S2002の判断処理において、用紙6がスルーモード除去位置にあると判断した場合には(S2002/YES)、発生した異常が、カバー開など、駆動系への電力が遮断されるような異常であるか否かを判断する(S2004)。
折り処理ユニット3は、S2004の判断処理において、発生した異常が駆動系への電力が遮断されるような異常であると判断した場合には(S2004/YES)、カバーを閉じるなど、異常が発生した要因を解消するように利用者に促す画面をディスプレイパネル600に表示する(S2005)。このとき、折り処理ユニット3は、駆動系への電力が遮断されているため、分岐爪320を第一の折り処理ローラ対340に対して開いた状態に遷移させることができない状態となっている。
折り処理ユニット3は、異常が発生した要因が解消されると、駆動系への電力の供給を開始することにより電力供給を復旧させ、分岐爪320を第一の折り処理ローラ対340に対して開いた状態に遷移させる(S2006)。
折り処理ユニット3は、分岐爪320を上述したように遷移させると、第一の回転ノブ362を回転させることで用紙6を除去するように利用者に促す画面をディスプレイパネル600に表示する(S2007)。そして、折り処理ユニット3は、用紙6が除去されると、異常発生により用紙6の搬送を停止した際の処理を終了する。
一方、折り処理ユニット3は、S2004の判断処理において、発生した異常が駆動系への電力が遮断されるような異常ではないと判断した場合には(S2004/NO)、第一の回転ノブ362を回転させることで用紙6を除去するように利用者に促す画面をディスプレイパネル600に表示する(S2007)。そして、折り処理ユニット3は、用紙6が除去されると、異常発生により用紙6の搬送を停止した際の処理を終了する。
他方、折り処理ユニット3は、S2001の判断処理において、現在のモードが折りモードであると判断した場合には(S2001/折り)、用紙6が折りモード除去位置あるか否かを判断する(S2008)。
折り処理ユニット3は、S2008の判断処理において、用紙6がスルーモード除去位置にはないと判断した場合には(S2002/NO)、搬送方向上流側若しくは搬送方向下流側から用紙6を除去するように利用者に促す画面をディスプレイパネル600に表示する(S2009)。そして、折り処理ユニット3は、用紙6が除去されると、異常発生により用紙6の搬送を停止した際の処理を終了する。
一方、折り処理ユニット3は、S2008の判断処理において、用紙6がスルーモード除去位置にあると判断した場合には(S2008/YES)、第一の回転ノブ362を回転させることで用紙6を除去するように利用者に促す画面をディスプレイパネル600に表示する(S2003)。そして、折り処理ユニット3は、用紙6が除去されると、異常発生により用紙6の搬送を停止した際の処理を終了する。
以上、説明したように、本実施形態に係る折り処理ユニット3は、回転させられることでその回転に連動して第二の折り処理ローラ対360を用紙6が搬送される際に回転する方向に回転させる第一の回転ノブ362を備えることを要旨の一つとしている。従って、折り処理ユニット3が異常発生時に用紙6の搬送を停止した場合であっても、利用者は、第一の回転ノブ362を回転させることで用紙6を容易に除去することが可能となる。
尚、本実施形態においては、折り処理ユニット3において用紙6が停止した場合について説明したが、画像形成ユニット2や後処理ユニット4が第一の回転ノブ362を備えることで、画像形成ユニット2や後処理ユニット4において用紙6が停止した場合についても同様に適用可能である。
また、本実施形態においては、画像形成ユニット2、折り処理ユニット3、後処理ユニット4、スキャナユニット5が、画像形成装置1に備えられる構成について説明したが、各ユニットそれぞれが異なる独立した装置として構成され、それらの装置が連結されて画像形成システムを構成するようにしても良い。
また、本実施形態においては、第一の回転ノブ362は、折り処理ローラ361を同じ方向に回転させるように構成されている例について説明したが、折り処理ローラ361を用紙6が搬送される際の回転方向と同じ方向に回転させることができれば反対方向に回転しても良い。
また、本実施形態においては、第一の回転ノブ362が折り処理ローラ361に備えられている例について説明したが、ベルトを介する等、第一の回転ノブ362の回転力が折り処理ローラ361に伝達されればどこに備えられていても良い。
また、本実施形態においては、第一の回転ノブ362が折り処理ローラ361に備えられている例について説明したが、第一の正逆回転ローラ対330、第一の折り処理ローラ対340、第二の折り処理ローラ対360が備えるいずれかのローラに備えられていても良い。
また、本実施形態に係る折り処理ユニット3は、用紙6を三つ折りするように構成されている例について説明したが、二つ折りするように構成されていても良い。このように構成された場合、本実施形態に係る折り処理ユニット3は、用紙6を第一の正逆回転ローラ対330に搬送することなく、入口搬送ローラ対310から直接、第一の折り処理ローラ対340に向けて搬送する。従って、このとき、分岐爪320は、第一の折り処理ローラ対340に対して開いた状態となっている。
ここで、本実施形態に係る折り処理ユニット3がこのように構成され、折りモード時に異常発生により用紙6の搬送を停止した場合に、利用者がその用紙6を除去する際の手順について、図21を参照して説明する。図21は、本実施形態に係る折り処理ユニット3が折りモード時に異常発生により用紙6の搬送を停止した場合に、利用者がその用紙6を除去する際の手順を示す図である。
図21(a)に示すように、本実施形態に係る折り処理ユニット3が折りモード時に異常発生により用紙6の搬送を停止した場合にはまず、利用者は、図22(b)に示す矢印の方向に第一の回転ノブ362を手動で回転させる。第一の回転ノブ362が図22(b)に示す矢印の方向に回転するとその回転力が折り処理ローラ361に伝達される。その結果、第二の折り処理ローラ対360は、第一の回転ノブ362の回転に連動して図22(b)に示す矢印の方向に回転する。
折り処理ユニット3は、利用者が第一の回転ノブ362をそのまま回転させると、図21(b)に示すように、用紙6を第二の折り処理ローラ対360側に撓ませつつさらに搬送することでその撓みを第二の折り処理ローラ対360のニップ部分に誘導する。
そして、折り処理ユニット3は、利用者が第一の回転ノブ362をさらに回転させると、図21(c)に示すように、第二の折り処理ローラ対360のニップ部分にて用紙6に形成された撓みを両面から挟み込んで折り目をつけると共に、図21(d)に示すように、その用紙6を後処理ユニット4に向けて搬送する。その結果、用紙6は、折られた状態で排紙されることになる。
このように、本実施形態に係る折り処理ユニット3によれば、折りモード時に異常発生により用紙6の搬送が停止した場合であっても、利用者は、第一の回転ノブ362を回転させるだけで容易に用紙6を除去することが可能となる。
尚、図21においては、図21(a)に示す位置で搬送を停止された用紙6を除去する際の手順について説明したが、図21(b)、(c)に示す各位置で搬送を停止された用紙6を除去する際も同様の手順である。
次に、本実施形態に係る折り処理ユニット3の内部構成について、図22を参照して説明する。図22は、本実施形態に係る折り処理ユニット3を主走査方向から示す断面図である。
図22に示すように、本実施形態に係る折り処理ユニット3は、第二の回転ノブ351、入口下部ガイド板380、中間搬送上部ガイド板381、増し折り上部ガイド板382、折り紙排紙ユニット383、中継排紙部ガイド板384、入口上部ガイド板385、増し折り下部ガイド板386、増し折りローラ対387、残紙除去スペース388を備える。
第二の回転ノブ351は、回転させられることでその回転に連動して第二の折り処理ローラ対360を回転させる。即ち、本実施形態においては、第二の回転ノブ351が第二回転部として機能する。入口下部ガイド板380、入口上部ガイド板385は、画像形成ユニット2から搬送されてきた用紙を入口搬送ローラ対310に案内する。即ち、本実施形態においては、入口下部ガイド板380が第三案内部として機能する。
中間搬送上部ガイド板381、増し折り上部ガイド板382は、第一の正逆回転ローラ対330により搬送方向下流側に搬送される用紙をさらに搬送方向下流側の増し折りローラ対387に案内する。即ち、本実施形態においては、中間搬送上部ガイド板381が第二案内部として機能する。
増し折り上部ガイド板382、増し折り下部ガイド板386は、第二の折り処理ローラ対360により搬送方向下流側に搬送される用紙をさらに搬送方向下流側に案内する。即ち、本実施形態においては、増し折り上部ガイド板382が第四案内部として機能する。
中継排紙部ガイド板384は、折り処理ユニット3の外部に用紙を排紙する。増し折りローラ対387は、第一の折り処理ローラ対340や第二の折り処理ローラ対360により折られた用紙に形成された折り目をさらに押圧することで、その折り目を強化する。
残紙除去スペース388は、第二の正逆回転ローラ対350により排出された用紙を利用者が除去するためのスペースである。即ち、本実施形態においては、残紙除去スペース388が空間部として機能する。
次に、本実施形態に係る折り処理ユニット3における用紙6の停止位置と各停止位置における用紙6の除去方法とについて、図23〜図29を参照して説明する。図23〜図29は、本実施形態に係る折り処理ユニット3が異常発生により用紙6の搬送を停止した場合に、利用者がその用紙6を除去する方法を説明するための図である。
まず、図23に示すように、第三の用紙検知センサ373により用紙6が検知されている状態で用紙6の搬送が停止した場合について説明する。このような場合、利用者はまず、図23に示す矢印の方向に第二の回転ノブ351を手動で回転させる。
そして、第二の回転ノブ351が図23に示す矢印の方向に回転すると、その回転力が第二の正逆回転ローラ対350に伝達される。その結果、第二の正逆回転ローラ対350は、第二の回転ノブ351の回転に連動して図23に示す矢印の方向に回転する。
これにより、用紙6は、搬送方向下流側に搬送され、残紙除去スペース388に排出される。そして、利用者は、残紙除去スペース388に排出された用紙6を除去する。
このように、本実施形態に係る折り処理ユニット3によれば、折りモード時に異常発生により用紙6の搬送が停止した場合であっても、利用者は、第二の回転ノブ351を回転させるだけで容易に用紙6を除去することが可能となる。
次に、図24、図25に示すように、画像形成ユニット2から搬送されてきた用紙6が入口搬送ローラ対310へと搬送される途中で停止した場合について説明する。
このような場合、利用者は、図24に示すように、入口下部ガイド板380を矢印の方向に、即ち、残紙除去スペース388側に開くことで用紙6を除去する。若しくは、このような場合、利用者は、図25に示すように、入口上部ガイド板385を矢印の方向に、即ち、残紙除去スペース388側とは反対側に開くことで用紙6を除去する。
尚、本実施形態に係る折り処理ユニット3は、画像形成ユニット2から搬送されてきた用紙6が入口搬送ローラ対310へと搬送される途中で停止していることを、第一の用紙検知センサ371若しくは第四の用紙検知センサ374により検知する。
次に、図26、図27に示すように、用紙6が第一の正逆回転ローラ対330と増し折りローラ対387との間で停止した場合について説明する。
このような場合、利用者は、図26に示すように、折り紙排紙ユニット383を矢印の方向に、即ち、上部に開いた上で、中間搬送上部ガイド板381を矢印の方向に、即ち、上部に開くことで用紙6を除去する。
若しくは、このような場合、利用者は、図27に示すように、中間搬送上部ガイド板381を矢印の方向に、即ち、上部に開いた上で、増し折り上部ガイド板382及び増し折り下部ガイド板386を矢印の方向に、即ち、下部に開くことで用紙6を除去する。
尚、折り紙排紙ユニット383の外装部には折り紙排紙ユニット383を開閉するための取手が取り付けられており、これにより、利用者は、容易に折り紙排紙ユニット383を開閉することができる。
また、本実施形態に係る折り処理ユニット3は、折り紙排紙ユニット383が開いた状態で中間搬送上部ガイド板381が開閉可能なように構成されているが、折り紙排紙ユニット383の開閉状態に関係なく中間搬送上部ガイド板381が開閉可能なように構成されていても良い。
また、本実施形態に係る折り処理ユニット3は、折り紙排紙ユニット383が開いた状態で増し折り上部ガイド板382及び増し折り下部ガイド板386が開閉可能なように構成されているが、折り紙排紙ユニット383の開閉状態に関係なく増し折り上部ガイド板382及び増し折り下部ガイド板386が開閉可能なように構成されていても良い。
尚、本実施形態に係る折り処理ユニット3は、用紙6が第一の正逆回転ローラ対330と増し折りローラ対387との間で停止していることを、第二の用紙検知センサ372により検知する。
次に、図28、図29に示すように、用紙6が第二の折り処理ローラ対360と増し折りローラ対387との間で停止した場合について説明する。
このような場合、利用者は、図28に示すように、折り紙排紙ユニット383を矢印の方向に、即ち、上部に開いた上で、中間搬送上部ガイド板381及び増し折り上部ガイド板382を矢印の方向に、即ち、上部に開くことで用紙6を除去する。
若しくは、このような場合、利用者は、図29に示すように、折り紙排紙ユニット383を矢印の方向に、即ち、上部に開いた上で、増し折り下部ガイド板386を矢印の方向に、即ち、下部に開くことで用紙6を除去する。
尚、本実施形態に係る折り処理ユニット3は、折り紙排紙ユニット383が開いた状態で中間搬送上部ガイド板381及び増し折り上部ガイド板382が開閉可能なように構成されているが、折り紙排紙ユニット383の開閉状態に関係なく中間搬送上部ガイド板381及び増し折り上部ガイド板382が開閉可能なように構成されていても良い。
また、本実施形態に係る折り処理ユニット3は、折り紙排紙ユニット383が開いた状態で増し折り下部ガイド板386が開閉可能なように構成されているが、折り紙排紙ユニット383の開閉状態に関係なく増し折り下部ガイド板386が開閉可能なように構成されていても良い。
尚、本実施形態に係る折り処理ユニット3は、用紙6が第二の折り処理ローラ対360と増し折りローラ対387との間で停止していることを、第五の用紙検知センサ375により検知する。