JP6600911B2 - 植物性バイオマスの加水分解方法及び装置 - Google Patents

植物性バイオマスの加水分解方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、植物性バイオマスの加水分解方法及び装置に関する。さらに詳しく言えば、固体触媒を用いて植物性バイオマスを水熱反応により連続的に加水分解する方法、その方法を実施する、固体触媒と植物バイオマスの原料スラリー流通式の加水分解装置に関する。本発明の加水分解方法及び装置によれば、植物バイオマスから連続的にグルコース収率及びオリゴ糖収率が高い反応液を安定的に製造することができる。
従来、植物性バイオマスを水熱反応により解重合して可溶化糖を合成する方法としては、回分式(バッチ式)反応器が多く用いられている(非特許文献1:Green Chem., 16, 4816-4834 (2014))。しかし、回分式では、反応の生産性が装置の大きさで限定されるため、生成物収量には限界がある。この問題を解決するには流通式反応の適用が考えられるが、スラリー状の反応液を、高温高圧を維持して安定的に流通させて、回収させることが課題となっている。
これまでの流通式連続反応装置によるバイオマスの水熱反応としては、材料粉砕ニーダーとスラリーポンプと供給ポンプにより構成される材料供給装置と、ヒーター及び水冷式冷却管により温度制御されるチューブ式反応管と、二連の電磁式シャッターバルブにより構成される材料排出装置からなる連続式高圧水熱反応装置を用いた報告例がある(特許文献1:特開2008−253861号公報)。しかしながら、特許文献1には、スラリー流通における送液時の目詰まりなどによる反応トラブルに関しては言及していない。またバイオマスの水熱処理の加水分解は目的生成物のグルコースやオリゴ糖は逐次的反応の中間生成物であるため生成物収率を向上させるために必要な急速昇降温の観点から、リグノセルロースを水スラリーとして反応管内に供給し急速加熱により速やかに反応温度まで昇温させ、反応後は急速冷却により生成したグルコースの分解を抑制する方法の報告例がある(特許文献2:特許4765073号公報)。
しかしながら、特許文献1及び2は、常圧から高圧条件下にある流通管への供給、及び高圧条件下にある流通管からの常圧への回収において、流通液がスラリー液であるため供給や回収おける目詰まりや流速の大幅な変動のトラブルが懸念され、長時間の安定的な反応継続という点で課題がある。
水熱処理装置における安定した連続運転の実現という観点では、高圧反応装置から排出される処理水中の固体微粒子を、減圧手段手前の高圧側に設置したフィルターによりろ過して排出する方法が提唱されている(特許文献3:特開2006−55729号公報)。しかしながら、特許文献3では、高圧側から常圧側に、被処理物の常圧から高圧条件の反応槽への供給は高圧ポンプが使用されており、被処理物がスラリー液である場合の安定的な供給には言及していない。また、水熱処理の対象は廃棄物であり、装置に設けられた反応槽において処理することを想定しており、特に固体触媒を用いたバイオマスの加水分解により目的の生成物を精度よく安定的に取得することを目的とした流通下で温度と速度を制御する反応を想定していない。
以上のことから、固体触媒を用いたバイオマス加水分解における反応生成物収率まで考慮した、安定的なスラリー流通式連続反応の装置や方法法は確立されておらず、その技術の確立が求められていた。
特開2008−253861号公報 特許第5633878号公報 特開2006−55729公報
Green Chem., 16, 4816-4834 (2014)
本発明は、植物性バイオマスの加水分解方法において、グルコース収率及び/またはオリゴ糖収率が高い反応液を連続的に安定して取得し得る方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、植物性バイオマス由来の炭素触媒を用いたスラリー流通式連続反応において、反応装置排出側に反応液の沈降槽、フィルター、反応液流通チューブ末端、上清排出バルブを設置することにより、スラリーの排出ロの目詰まりによる流量の不安定化による反応生成物収率のばらつきが解消されてグルコース収率及び/またはオリゴ糖収率が高い反応液を安定的に連続的に取得できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[7]の植物性バイオマスの加水分解装置、及び[8]〜[16]の植物性バイオマスの加水分解方法に関する。
[1] 炭素触媒を用いて植物性バイオマスを水熱反応により連続的に加水分解するスラリー流通式の装置であって、供給ユニット、反応ユニット及び回収ユニットから構成され、
前記供給ユニットは、ガス供給部及び混合機能を保有する原液槽からなり;
前記反応ユニットは、反応液流通管、反応液の昇温と温度保持をする加熱部、及び反応液を冷却する冷却部からなり;そして
前記回収ユニットは、反応液の固形分を沈降させる沈降槽、沈降した固形分を回収する固形分回収バルブ、反応液中の固形分を分離するろ過器、ろ液を流通するろ液流通管、及びろ液を回収する背圧弁からなることを特徴とする植物性バイオマスの加水分解装置。
[2] 前記沈降槽内の反応液固形分を除去するろ過器が、反応液流通管排出口より上部にあり、ろ液が上方向に流れる前項1に記載の植物性バイオマスの加水分解装置。
[3] 前記固形分回収バルブの出口側に、ガス供給源からのガスを供給する配管が接続されている前項1または2に記載の植物性バイオマスの加水分解装置。
[4] 反応ろ液の出口側に、ガス供給源からガスを供給する配管とバルブが接続され、ろ過器の入口側に圧力を開放するためのバルブが接続されかつ/または反応ろ液回収槽、反応ろ液回収槽のろ液をろ過器側に送液できポンプ、ろ液流通配管を閉止するバルブが設置され、ろ過器を逆洗する機能を有する前項1〜3のいずれかに記載の植物性バイオマスの加水分解装置。
[5] 反応液流通管の加熱部直前に逆止弁を設置した前項1〜4のいずれかに記載の植物性バイオマスの加水分解装置。
[6] 複数の原液槽が、加熱部の手前、または加熱部直前の逆止弁の手前の反応液流通管に接続され、バルブによりそれぞれの原液槽に切り替えることが可能である前項1〜5のいずれかに記載の植物性バイオマスの加水分解装置。
[7] 複数の沈降槽が、反応ユニットの出口側の反応液流通管に接続され、バルブによりそれぞれの沈降槽に切り替えることが可能である前項1〜6のいずれかに記載の植物性バイオマスの加水分解装置。
[8] 前項1〜7のいずれかに記載の装置を使用し、植物性バイオマスと炭素触媒のスラリーを連続的に反応液流通管に流通して水熱反応を行うことを特徴とする植物性バイオマスの加水分解方法。
[9] 植物性バイオマスと炭素触媒を予め混合し同時粉砕した原料を用いる前項8に記載の植物性バイオマスの加水分解方法。
[10] 反応液流通管に流通させる反応液の温度が160〜290℃、通過時間が0.1〜30分である前項8または9に記載の植物性バイオマスの加水分解方法。
[11] 炭素触媒がアルカリ賦活活性炭、水蒸気賦活活性炭、薬剤賦活活性炭、及びメソポーラスカーボンから選択される前項8〜10のいずれかに記載の植物性バイオマスの加水分解方法。
[12] 炭素触媒が空気酸化処理されたものである前項11に記載の植物性バイオマスの加水分解方法。
[13] 前記植物性バイオマスと炭素触媒のスラリー調整の懸濁溶媒に水を用いてセロオリゴ糖を製造する前項8〜12のいずれかに記載の植物性バイオマスの加水分解方法。
[14] 前記懸濁溶媒にpH4〜7に調整した水を用いてセロオリゴ糖を製造する前項8〜13のいずれかに記載の植物性バイオマスの加水分解方法。
[15] 前記懸濁溶媒にpH1〜4の酸性水を用い、グルコースを製造する前項9〜14のいずれかに記載の植物性バイオマスの加水分解方法。
[16] 塩酸、リン酸、硫酸、硝酸、及びホウ酸から選ばれる少なくとも1種によりpHを調整する前項14または15に記載の植物性バイオマスの加水分解方法。
本発明の装置を使用する本発明の植物性バイオマスの加水分解方法によれば、グルコース収率及び/またはオリゴ糖収率が高い反応液を安定的に連続的に取得することができる。
実施例1〜4で使用したスラリー流通式の連続反応装置1の概略図である。 比較例1で使用したスラリー流通式の連続反応装置2の概略図である。 比較例2及び3で使用したスラリー流通式の連続反応装置3の概略図である。 比較例3の結果(オリゴ糖及びグルコース収率の経時変化)を示すグラフである。 実施例1におけるオリゴ糖及びグルコース収率の経時変化を示す。 実施例2におけるオリゴ糖及びグルコース収率の経時変化を示す。 実施例3におけるオリゴ糖及びグルコース収率の経時変化を示す。 実施例4におけるオリゴ糖及びグルコース収率の経時変化を示す。 スラリー流通式の連続反応装置の別の態様の概略図である。 スラリー流通式の連続反応装置の別の態様の概略図である。 スラリー流通式の連続反応装置の別の態様の概略図である。
以下、本発明の好適な形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例であり、本発明はそれらに限定されるものではなく、それらにより本発明の範囲が狭く解釈されるべきでない。
[植物性バイオマス(固体基質)]
バイオマスとは一般的には「再生可能な生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの」を指すが、本発明で使用する「植物性バイオマス」(以下、固体基質ということがある。)は、例えば、稲わら、麦わら、サトウキビわら、籾殻、バガス、広葉樹、竹、針葉樹、ケナフ、家具廃材、建築廃材、古紙、食品残渣等の主にセルロースやヘミセルロースを含むバイオマスである。
植物性バイオマスは、精製処理してあるものでも、精製処理してないものでも用いることができる。精製処理してあるものとしては、アルカリ蒸煮、アルカリ性亜硫酸塩蒸煮、中性亜硫酸塩蒸煮、アルカリ性硫化ソーダ蒸煮、アンモニア蒸煮などの処理をした後に固液分離し水洗することにより脱リグニン処理を行い、少なくともセルロースを含有するものが挙げられる。さらに、工業的に調製したセルロースなどでも良い。
植物性バイオマスは、不純物として原料由来の珪素、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムなどの灰分を含有してもかまわない。
植物性バイオマスは、乾体でも湿体でもかまわず、結晶性でも非結晶性でもかまわない。植物性バイオマスは反応に先立ち粉砕することが望ましい。粉砕により固体触媒との接触性が増加して、加水分解反応が促進される。したがって、植物性バイオマスの形状・大きさは、粉砕するのに適していることが好ましい。そのような形状・大きさとしては、例えば粒径が20〜1000μmの粉体状が挙げられる。
[固体触媒]
本発明において用いる固体触媒は、植物系バイオマスに含まれる多糖を加水分解できる触媒であれば特に限定されるものではなく、例えば、主成分であるセルロースを形成しているグルコース間のβ−1,4グルコシド結合に代表されるグリコシド結合を加水分解する活性を有する触媒が好ましい。
固体触媒としては、例えば炭素材料、遷移金属などを、単独でまたは2種類以上を併用して用いることができる。
炭素材料としては、例えば活性炭、カーボンブラック、グラファイト、空気酸化した木粉などが挙げられる。これら炭素材料は、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。炭素材料の形状は、基質との接触面積の拡大により反応性を向上させるという点で、多孔性及び/または微粒子であることが好ましく、酸点を発現して加水分解を促進させるという点で、フェノール性水酸基、カルボキシル基、スルホニル基、リン酸基などの表面官能基を有する炭素材料が好ましい。
表面官能基を保有する多孔性炭素材料としては、ヤシガラ、ユーカリ、竹、松、くるみガラ、バガスなどの木質材料や、コークス、フェノールなどを、水蒸気、二酸化炭素、空気などのガスを用いて高温処理する方法(物理法)や、アルカリ、塩化亜鉛などの化学薬品を用いて高温処理する方法(化学法)により調製した活性炭を用いることができる。活性炭をさらに空気存在下で均一に加熱処理した(空気酸化した)炭素材料も使用できる。
遷移金属としては、例えば、ルテニウム、白金、ロジウム、パラジウム、イリジウム、ニッケル、コバルト、鉄、銅、銀及び金からなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これら遷移金属は、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。触媒活性が高いという観点からは、ルテニウム、白金、ロジウム、パラジウム、イリジウムの白金族金属から選ばれるものが好ましい。
[植物性バイオマスの粉砕]
植物性バイオマスの主成分であるセルロースは、2本またはそれ以上のセルロース分子が水素結合により結合して結晶性を示す。本発明では、そのような結晶性を有するセルロースをそのまま原料として使用することができるが、結晶性低下処理を施して結晶性を低下させたセルロースも用いることが好ましい。結晶性を低下させたセルロースは、結晶性を部分的に低下させたものでも、完全にまたはほぼ完全に消失させたものでもよい。結晶性低下処理の種類には特に制限はないが、上記水素結合を切断して、1本鎖のセルロース分子を少なくとも部分的に生成できる結晶性低下処理であることが好ましい。少なくとも部分的に1本鎖のセルロース分子を含むセルロースを原料とすることで、加水分解の効率を大幅に向上することができる。
物理的にセルロース分子間の水素結合を切断する方法は、例えば粉砕処理が挙げられる。粉砕手段は微粉化できる機能を備えているものであれば特に限定されない。例えば、粉砕装置の方式は乾式と湿式のいずれでもよく、また装置の粉砕システムは回分式と連続式いずれでもよい。さらに、装置の粉砕力は、衝撃、圧縮、せん断、摩擦などのいかなるものでも用いることができる。
粉砕処理に用いることができる装置としては、ポットミル、チューブミル、コニカルミルなどの転動ボールミル、円振動型振動ミル、旋回型振動ミル、遠心ミルなどの振動ボールミル、撹拌槽ミル、アニュラミル、流通型ミル、塔式粉砕機などの撹拌ミル、旋回流型ジェットミル、衝突タイプジェットミル、流動層型ジェットミル、湿式タイプジェットミルなどのジェット粉砕機、らいかい機(擂潰機)、オングミルなどのせん断ミル、乳鉢、石うすなどのコロイドミル、ハンマーミル、ケージミル、ピンミル、ディスインテグレータ、スクリーンミル、ターボ型ミル、遠心分級ミルなどの衝撃式粉砕機、さらには自転及び公転の運動を採用した種類の粉砕機である遊星ボールミルなどが挙げられる。
固体触媒を用いる植物性バイオマスの加水分解反応は、固体基質と固体触媒の反応であり、基質と触媒の接触が律速となるため、反応性を向上させる方法として、固体基質と固体触媒を予め混合し同時粉砕処理をすることが有効である。
同時粉砕処理は、混合に加え、基質の結晶性を低下させる前処理を兼ねることができる。その観点から、用いる粉砕装置は、基質の結晶性を低下させる前処理に用いられる、転動ボールミル、振動ボールミル、撹拌ミル、遊星ボールミルが好ましく、転動ボールミルに分類されるポットミル、撹拌ミルに分類される撹拌槽ミル、遊星ボールミルがより好ましい。さらに、固体触媒と固体基質との同時粉砕処理された原料の嵩密度は大きい方が反応性が高い傾向が認められることから、固体触媒の粉砕物と固体基質の粉砕物とが食い込むような圧縮力が強く加わる転動ボールミル、撹拌ミル、遊星ボールミルを用いることがより好ましい。
個別に基質を粉砕した原料と、基質と触媒を同時粉砕した原料はいずれも、微粉砕後の平均粒径(累計中位径(メジアン径):粉体の集団の全体積を100%として求めた累計カーブが50%となる点の粒子径(D50))は1〜100μmであり、反応性を高めるという観点から、1〜30μmが好ましく、1〜20μmがより好ましい。
処理する原料の粒径が大きい場合は、微粉砕を効率的に行うために、微粉砕の前に予備的粉砕処理を行うことが好ましい。予備的粉砕処理は、例えば、シュレッダー、ジョークラッシャー、ジャイレトリクラッシャー、コーンクラッシャー、ハンマークラッシャー、ロールクラッシャー、及びロールミルなどの粗粉砕機、スタンプミル、エッジランナ、切断・せん断ミル、ロッドミル、自生粉砕機及びローラミルなどの中粉砕機を用いて実施することができる。原料の処理時間は、処理後原料が均一に微粉化されるのであれば限定されるものではない。
固体触媒と固体基質の比率は、個別に基質を粉砕する場合、基質と触媒を同時粉砕する場合のいずれにおいても、特に限定されるものではないが、反応時の加水分解効率、反応後の基質残渣低減、生成糖の回収率の観点から、固体基質100質量部に対して固体触媒1〜100質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましい。
[反応装置]
本発明の加水分解装置は、図1に概略図を示すように、供給ユニット、反応ユニット及び回収ユニットの3ユニットが上流側からこの順に配設された構成からなる。
供給ユニットは、ガス供給部(ガス加圧ライン)12及び混合機能13を保有する原液槽1;反応ユニットは、反応液流通管4、反応液の昇温と温度保持をする加熱部41、及び反応液を冷却する冷却部42;そして回収ユニットは、反応液の固形分を沈降させる沈降槽2、沈降した固形分を回収する固形分回収バルブ25、反応液中の固形分を分離するろ過器22、ろ液を流通するろ液流通管23、及びろ液を回収する背圧弁24が主要構成要素となる。以下ユニットごと説明をする。
供給ユニット:
ガス供給部は、反応液を流通させるための高圧ガスを供給する。空気、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドンなどの不活性ガスを用いることができる。経済性の観点から、空気、窒素が好ましい。ガスの供給源は、エアーコンプレッサー、ガスボンベ、ガスタンクなどにすることができる。ガスは、圧力調整器、マスフローコントローラーを設置したガス供給配管により、ガスの供給源と原液槽とを接続して、ガスの圧力と流量を調整して原液槽に供給させることができる。また、ガスの配管には、フィルターや逆止弁を使用することもできる。
十分混合し分散したスラリー反応原液を加圧状態の中で加圧圧送することが、本発明のポイントである。一般的にはスラリー液を高圧スララリーポンプなどで常圧環境下から高圧環境下に圧入するため供給液中のスラリーの目つまり等により安定的な給液を阻害されるのに対し、本発明では、高圧ガスにより原液槽1から、反応流通管4、沈降槽2、ろ過器22、ろ液流通管23を経由し、背圧弁24に至るまでの空間が同じ加圧空間を形成し、背圧弁でのろ液流出に連動して反応液が送液するものであり、送液ポンプを使用しないシステムであるため、高圧ポンプによる安定給液の阻害の問題は解消される。
加圧空間を形成させるための原料槽に供給するガスの圧力は、反応ろ液を通過させる背圧弁の設定圧力よりも高くすることで加圧圧送の駆動力が得られる。また背圧弁の設定圧力は反応液の反応温度を保持させるために、少なくとも反応温度の飽和蒸気圧より高くする必要がある。供給するガス圧力の設定値は1〜100MPaで行うことができ、好ましくは2〜50MPa、より好ましくは3〜20MPaとすることが適当である。反応液を流通させる流速の調整は、供給するガスの圧力及び流量と背圧弁の設定圧力を変えることにより行うことができる。
原液槽は、反応液の原液を加圧下で分散状態にできるものであれば限定されるものではない。装備としては、原料の投入口、加圧のためのガス供給配管、混合機、ガス及び反応液のブローバルブ、温度計、圧力計などを設置できる。ガス供給配管の接続箇所は1か所にすることも複数することもできる。混合機は撹拌羽根、スターラーなどの撹拌機、原料液の循環ポンプなどの混合機などを用いることができる。また原液槽は複数設置して切り替え運転により原液槽の容量以上の大量の原料液を継続的に供給することができる。
反応ユニット:
反応液流通管4は、原液槽から沈降槽に反応液を流通させる機能を持ち、その途中に加熱部41と冷却部42を有する。
反応液流通管4に用いる配管材料は、反応を実施できる耐熱性、耐圧性、耐腐食性、伝熱性を有するものであれば特に限定されるものではない。例えば、ステンレス、鉄、銅、アルミニウム等の金属、アルミナ、ジルコニア、石英、カーボン等のセラミックス、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリアミド、フェノール樹脂等の樹脂等などを用いることができる。耐熱性、伝熱性の点からステンレスが好ましい。
本発明において使用する反応液流通管のサイズは、任意の内径のものを使用することができる。内径が小さくする場合においては、反応液単位容積あたりの伝熱面積が大きくなり昇降温速度を上げ生成糖の過分解を低減できるメリットがある反面、処理量を多くとれないデメリットがあるので、例えば温度と流速を上げて高温短時間の反応条件にしたり、複数の反応管を設置したりして処理量を上げることができる。一方 内径が大きくする場合は、処理量を多くとれるが、昇降温速度が低くなり生成糖の過分解が増えるデメリットが生ずるので、例えば温度と流速を下げて過分解が比較的起きにくい低温での長時間の反応条件にしたり、反応管を大きくする代わりに複数の反応管を設置したりして、過分解物の抑制をすることができる。
加熱部41は、反応液を反応温度に昇温し保持するため流通管を加熱する部分である。加熱方法は反応液を目的の温度に制御できれば限定されるものではない。例えば、反応液流通管を油浴、溶融塩浴、電熱炉、ボイラー、燃焼炉などの加熱空間に設置したり、反応液流通管の表面をバンドヒーター、ベルトヒータ、テープヒータ、電熱線、加熱ジャケットなどの加熱源で被覆したりするなどの方法を用いることができる。反応温度の昇温速度を上げるため設定温度を加熱部位により温度を変えることができる。例えば、下流側より上流側の方を高温にしたり、上流部分の温度を反応温度より高い温度に設定することができる。
また、反応液の温度は、流通管内に熱電対などの温度センサーを複数個所設置して測定することができる。本明細書では、加熱部の内、反応温度に到達しその温度が保持されている部分を反応部と称する。反応部の容積と反応液の流速から、反応液が反応温度に保持される時間(反応時間)を算出することができる。本発明の植物性バイオマスと炭素触媒を用いた加水分解による糖の生成は、流通する反応液の温度(反応温度)を160〜290℃、時間(反応時間)を0.1〜30分とすることにより行うことができる。また加熱された反応液が逆流することを防止するために、加熱部の上流側の手前に逆止弁を設置することもできる。
冷却部42は、反応液を冷却するために流通管を冷却する部分である。冷却方法は反応液を目的の温度に制御できれば限定されるものではない。例えば、反応液流通管4を水、冷水、冷媒、窒素やヘリウムなどの液化ガスに浸漬したり、反応液流通管表面をジャケットなどの冷却源で被覆したりするなどの方法を用いることができる。反応液の温度は、流通管内に熱電対などの温度センサーを複数個所設置して測定することができる。冷却部で回収された熱は、加熱部に熱交換器を介して利用することもできる。
回収ユニット:
回収ユニットは、上流から順に、反応液を高圧の反応系内で沈降させる沈降槽2、沈降槽の底部に設置された反応液の固形分を回収するための固形分回収バルブ25、沈降槽の上部に設置された上向する反応液の固形分を除去するための一次ろ過器21、ろ過器の下流側に設置された反応液のろ液を流通させるろ液流通管23、ろ液流通管の下流側に設置された設定圧力に応じてろ液を連続的に常圧環境に回収する背圧弁24から構成される。上向流の反応液をろ過するように一次ろ過器21を設けることにより、目詰まりを軽減することができる。また、前記背圧弁24と一次ろ過器21の間のろ液流通管23に二次ろ過器22を設置することができる。本発明の、ポイントは、反応液中の生成物を、固形分を除去したろ液として回収することにより、反応液の回収バルブにおける固形分の目詰まりによるトラブルを解消できることにある。
沈降槽は、反応液の固形分を沈降させる機能を有するものであれば特に限定されない。装備としては、底部に沈降した固形分を回収する固形分回収バルブ25、上部に反応液中の固形分を除去するためのろ過器22を設置し、反応流通管の出口側の末端をろ過器の下部に配置することができる。
固形分回収バルブ25は、沈降槽に反応液中の固形分が蓄積してきたら、随時固形分回収バルブを開放して断続的に実施できる機能を備えていれば特に限定されない。バルブの出口には、例えば三方弁を設置して、ガス供給源からガスを供給できる配管を接続させて、バルブ内が固形分で目詰まりした場合にガスを沈降槽に流通させ逆洗して解消することができる。
ろ過器22は、反応液の固形分を補足できるものであれば特に限定されるものでなく、材質はグラスウール、石英ウール、セラミックフィルター、ポリマーフィルター、ろ紙などを用いることができ。空孔のサイズは、下限はろ速を確保でき、上限は固形分リークを大きく生じない範囲で設定することができ、例えば0.1〜100μm、好ましくは0.5〜50μm、より好ましくは1〜20μmである。また、ろ過器は、下流側の背圧弁手前までの位置に複数個追加して設置して多段階にろ過する形を取ることもできる。またろ液の下流側に、ガス供給源からガスを供給できる配管を接続させ、ろ過器の入口側に圧抜きのバルブを接続したり、反応ろ液回収槽からろ液をろ過器側に送液できるポンプ、ろ液流通配管を閉止するバルブを設置させるなどしてガスやろ液によりろ過器のフィルターを逆洗することができる。これらの態様のスラリー流通式の連続反応装置の概略図を図9〜11に示す。図9は回収ユニット部に逆洗用ガス供給ライン27、逆洗用ガス供給バルブ28及び逆洗用ガスブローバルブ29を設けた例、図10は回収ユニット部に逆洗用ろ液供給バルブ210及び逆洗用ろ液供給ポンプ211を設けた例、図11は反応ニット部に逆止弁46を設けた例である。
ろ液流通管23は、ろ液を流通させる機能を有すれば特に限定されるものではなく、反応液流通管と同様な材質やサイズのものを使用することができる。
背圧弁は、原料槽からろ液流通管に至る高圧空間の圧力を一定に保持しつつろ液を回収できる機能があれば特に限定されるものではない。背圧弁の設定圧力は、反応液の反応温度を保持させるために少なくとも反応温度の飽和蒸気圧より高くする必要がある。例えば0.7〜50MPaで行うことができ、好ましくは0.8〜30MPa、より好ましくは1〜15MPaとすることが適当である。反応液を流通させる流速の調整は、供給するガスの圧力及び流量と背圧弁の設定圧力を変えることにより行うことができる。実際の反応液の流速は背圧弁から回収されるろ液の量と時間を測定して算出される。このため背圧弁の下流側の出口にはろ液回収槽と回収液の重量や体積を測定できる装置を設置することができる。
回収ユニットでは、沈降槽を複数設置して切り替え運転により沈降槽の容量以上の大量の反応液を継続的に固液分離し回収することができる。この場合、反応液流通管の排出側末端を復数に分岐して切替用のバルブと、バルブの下流側に保圧用のガス供給ラインとバルブを設置することにより切替時の流通反応液の回収を途切れさせず継続することができる。また切替時にろ過器の洗浄や交換などの作業も実施することもできる。原液槽と回収ユニットの双方を複数設置することにより、供給と回収ともに継続でき流通反応全体を継続することができる。
[連続反応装置での加水分解]
加水分解に用いる水の量(木質バイオマス1質量部に対する水の質量比)は、少なくともバイオマスのセルロース及び/またはヘミセルロースを全量加水分解できる量であるが、反応混合物の流動性や撹拌性等を考慮して、好ましくは1〜500質量部、より好ましくは2〜350質量部、さらに好ましくは2〜200質量部である。当該範囲とすることにより、バイオマスの加水分解反応において高い糖化率と糖濃度を両立できる。
加水分解における触媒とバイオマスの混合比率は特に限定されないが、反応時の加水分解効率、反応後のバイオマス残渣の低減、生成糖の回収率の観点から、触媒とバイオマスの乾燥質量比は1:100〜1:1が好ましく、1:10〜1:1がより好ましい。
加水分解における反応開始時のpHは、グルコースの収率を高める場合は、好ましくは1〜7、より好ましくは1〜4、さらに好ましくは2〜3である。またセロオリゴの収率を高める場合は、好ましくは3〜8、より好ましくは4〜7、さらに好ましくは4〜6である。
加水分解における加熱部の反応液温度は、グルコースの収率を高める場合は、好ましくは180〜290℃、より好ましくは200〜260℃、さらに好ましくは210〜250℃である。またセロオリゴの収率を高める場合は、好ましくは160〜260℃、より好ましくは170〜250℃、さらに好ましくは180〜240℃である。ただし上記温度は、pH及び反応時間の影響を受けるため適宜変更してもよい。例えば、反応開始時のpHを2〜3に調整することにより、グルコースを収得するための最適反応温度を20℃程度下げることができる。
特定のpHにするためには酸を用いることができる。酸の種類は、好ましくは塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸、酢酸、クエン酸、コハク酸、マレイン酸であり、より好ましくは塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、クエン酸、さらに好ましくはリン酸、塩酸である。
加水分解の反応温度と反応時間は、好ましくは150〜350℃、0〜60分より好ましくは160〜290℃、0.1〜30分、さらに好ましくは170〜250℃、0.5〜20分である。当該範囲とすることで、糖含有液の製造収率を高めることができる。
以下、実施例により本発明の効果をより明らかなものとする。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
(1)固体基質
固体基質としてアビセル(Merck社製結晶性微粉セルロース)及びユーカリ粉末を、それぞれ以下の方法で粉砕処理したものを用いた。
ユーカリ粉末は、粒径150〜355μmのユーカリの木の粉末(20g)と水(500mL)を2Lのナス型フラスコに入れて0.5時間煮沸した後、ろ紙(厚さ0.22mm)でろ過を行い回収した粉末を100mLのナス型フラスコに移してロータリーエバポレータを用いて12kPa、60℃の条件で乾燥し、さらに−196℃のトラップを付けた1Paのロータリーポンプを用いて60℃で乾燥して作製した。
(2)固体触媒
コークスを700℃で加熱処理し、ジェットミルにて微粉砕した後、水酸化カリウムを添加し再度700℃で加熱処理して賦活化した。得られた賦活化コークスを、水洗後、塩酸で中和し、さらに熱水で煮沸した後、乾燥したものを篩分し、粒径1〜30μmのアルカリ賦活多孔質炭素材料(メジアン径13μm)を得た。得られた固体触媒(以下、SK261と称する)は、以下の方法で粉砕処理したものを用いた。
固体触媒として水蒸気賦活活性炭であるBA50(味の素ファインテクノ株式会社製)を425℃で10時間、電気炉中で加熱して空気酸化したもの(以下、空気酸化BA50と略記する。)を直接用いるか、以下の(3)の方法で粉砕処理したものを用いた。
(3)混合粉砕原料
固体基質としてアビセル10.00gと、固体触媒としてSK261 1.54g(基質と触媒の質量比6.5:1.0)を、容量3600mLのセラミックポットミルの中に直径1.5cmのアルミナ球2000gと共に入れた。このセラミックポットミルを卓上ポットミル回転台(日陶科学(株)製,卓上ポットミル型式ANZ−51S)にセットし、60rpmで48時間ボールミル処理して混合同時粉砕した。得られた原料を、以下、混合粉砕アビセルと略記する。
固体基質としてのアビセルまたはユーカリ粉末5.00gと固体触媒として空気酸化BA500.771gを混合し、遊星ボールミル粉砕機(Fritsch P−6、アルミナボール)を用い、500rpmで2時間、粉砕処理を行った。その後、150μm以下にふるい分けした。得られた原料を、以下、空気酸化混合粉砕アビセル、空気酸化混合粉砕ユーカリ粉と称する。混合粉砕処理したものを混合粉砕原料と略記する。
比較例1:
装置構成を表1に記載した装置1(図2参照)を用いて流通反応試験を行った。装置1の構成として、反応原液を仕込む原液槽1にスターラー撹拌13と圧力計14が付いた100mLのSUSオートクレーブ、原液を流す流通管に内径0.80mmの1/8インチSUS配管、送液用ポンプ45を原液槽の出口直後の流通管に設置した耐圧スラリーポンプ(株式会社AQUATH製8210SSV型)、原液を反応させる流通管4の加熱部41に油浴(装置:理工化学産業株式会社製MSB−15、熱媒体油:松村石油株式会社製サームオイル90A)、反応液を冷却させる流通管の冷却部42に水浴、流通管排出側で反応液を回収するための回収バルブ25にニードルバルブ(Swagelok SS−SS2−VH)を使用した。流通管の油浴及び水浴に浸漬している部分は、長さ100cm、内容積0.5cm3にそれぞれ調整した。原液槽からニードルバルブの手前側までの内部空間が一体化した加圧空間となる。
流通反応試験は、原液槽に混合粉砕アビセル0.75gと水80mLを加えて撹拌しスラリーとし、ポンプの送液圧力を4mPa以上、湯浴温度を温度250℃、流速0.5mL/分(=g/分)、加熱部の滞留時間(以降、反応時間と称す。)1.0分になるように、反応液はニードルバルブを手動で流量調整し、反応液はニードルバルブの下部に秤りに載せた回収容器に時間と重量を記録しながら回収し、反応液の流量調整は初留分約45mLを回収する間に実施し、その後約30mLを分割して回収する操作手順を計画して試験を行った(表2参照)。
試験の評価として、流通結果は、(1)送液側の脈動、閉塞の状況(項目1)、(2)回収バルブ直前の配管の閉塞状況(項目2)、(3)回収バルブの目詰まり、噴出の状況(項目3)、反応結果の評価は、(4)生成物収率の経時安定性(項目4)、(5)オリゴ糖及びグルコース収率(項目5)を調べた。
生成物収率は、固形分を除去した液相サンプルを(株)島津製作所製高速液体クロマトグラフ(条件1 カラム:Shodex(登録商標)SH−1011,移動相:水0.5mL/min,50℃,検出:示差屈折率)によりグルコース、セロビオースからセロテトラオースまでのオリゴ糖を定量分析し、以下の計算式で算出した。
その結果、流通開始直後に送液側の脈動し、閉塞したため(項目1)試験を中止し、項目2以降は評価できなかった(表3参照)。
比較例2:
装置構成を表1に記載した装置2(図3参照)を用いて流通反応試験を行った。装置2の構成として、送液用の加圧部に窒素ボンベから原液槽上面を接続し途中にレギュレーター、開閉バルブを設置した窒素加圧配管(内径0.8mm1/8インチ)SUS配管)、原液槽にスターラー攪拌と圧力計が付いた100mLのSUSオートクレーブ、流通管に内径0.80mmの1/8インチSUS配管、加熱部に油浴(装置:理工化学産業株式会社製MSB−15、熱媒体油:松村石油株式会社製サームオイル90A)、冷却部に水浴、回収バルブにニードルバルブ(Swagelok SS−SS2−VH)を使用した。流通管の油浴及び水浴に浸漬している部分の長さ、内容積は、比較例1の装置の条件と同一とした。加圧部のレギュレーターからニードルバルブの手前側までの内部空間が一体化した加圧空間となる。
流通反応試験と評価は、送液の窒素ガス圧力を8mPaとする以外は比較例1と同一の方法で実施した(表2参照)。
その結果、開始数分後に回収バルブ直前の配管の閉塞し流通が停止したため(項目2))試験を中止した。なお送液側の閉塞はなく(項目1)、本発明で用いる植物バイオマスと炭素触媒のスラリー液の送液には耐圧スラリーポンプは適さず、ガス圧送液方式が好ましいことが確認された(表3参照)。
比較例3:
装置構成を表1に記載した装置3(図3参照)を用いて流通反応試験を行った。装置の構成は、流通管の条件を内径0.8mm、油浴及び水浴の浸漬部分の長さ100cm、内容積2.4cm3とした以外は、比較例2の装置2の条件と同一とした(表2参照)。
流通反応試験と評価は、流速2.4mL/分とする以外は比較例2と同一の方法で実施した。
その結果、送液側の閉塞(項目1)回収バルブ直前の配管の閉塞による流通停止(項目3)はなく、開始後15.2分に流速調整を完了し、その後評価サンプルを安定して取得できたが23分頃ニードルバルブの目詰まりによる流速低下が発生しバルブの手動調整による対処後、24分頃に発生した閉塞に対するバルブ調整後に大量噴出が起き(項目(3))試験を中止した(表3参照)。回収した反応液の収率は目詰まり、閉塞の発生後はグルコース、オリゴ糖いずれも低下した(項目4,5)(図4)。この結果は反応後に残留した炭素触媒と未反応の基質から成る固形分が回収バルブの目詰まりや閉塞を起こしたためと推測され、安定な反応液の流通、反応収率の実現には回収バルブ以前に固形分を除去しろ液回収する方法が考えられた。
実施例1:セロオリゴ糖の製造
表1に記載の装置4(図1参照)を用いて流通反応試験を行った。まず供給ユニットは、ガス供給部として窒素ボンベから原液槽1上面にガス供給配管を接続し、途中に圧力調整器15(ヤマト産業株式会社製 YR−0561S)、マスフローコントローラー(ブロンコスト社製 F−211CV−500−AAD−11−V)を設置した。原液槽1は撹拌翼13と圧力計15が付いた220mLのSUSオートクレーブを用いた。
反応ユニットは、反応液流通管4に内径1.0mmの1/16インチSUS配管を使用し、上流側の末端は沈降槽2の上部を経由して底部に配置するよう接続した。加熱部41には油浴(装置:株式会社三商製 SAO−240D)を用い、反応流通管の油浴浸漬部分が長さ191cm、内容積1.5cm3となるように調整した。冷却部42には水浴を用いて、反応液流通管の水浴浸漬部分が、長さ50cm、内容積0.4cm3となるように調整した。
最後に回収ユニットは、反応液を回収し沈降する沈降槽には図1に記載の通り二重管構造のSUS製容器を作製した。沈降槽本体となる 3/8インチ外管を縦置きにし、内管に反応液流通管の下流側末端を上面から外管の中ほどまで挿入して配置し、反応流通管(内管)から反応液が入ってくると、触媒などの固形分は外管の中で沈殿し、上澄み液が上から抜ける構造とした。 外管の上澄み液の出口部にはろ過器として、石英ウール(東ソー製,、ファイン、2−6ミクロン)を設置し、固形分をろ過する構造にした。
外管の下部には、固形分回収バルブとして三方タイプのストップバルブ(Swagelok、SS−41GXS2、1/8インチ)を設置した。バルブ出口の一つにはガス供給配管の末端を接続し、もう一つを固形部回収口としてスラリー回収のための配管を設置した。
外管の上部には、ろ液流通管として内径1.0mmの1/16インチSUS配管を接続し、固形分を完全に除去するために背圧弁手前に設置する2次ろ過器に5μmのインラインフィルター(Swagelok SS−2F−T7−05)、ろ液回収背圧弁(Swagelok KPB1N0G422P20000)を設置した。原液槽からろ液回収背圧弁の手前側までが一体化したまでの内部空間が一体化した加圧空間となる。
流通反応試験は、原液槽に空気酸化混合粉砕アビセル1.87gと水200mLを加えて撹拌しスラリーとし、送液用の窒素ガスの圧力と流量を4.5mPa、34mL/分、背圧弁の設定圧力を3.2mPa、油浴温度を230℃として流量約1mL/分、加熱部の滞留時間1.5分の条件で流通させて行った。ろ液出口に容器を設置して回収し、評価サンプルは時間と液量を測定しながら採取して、分析した。なお、流量の確認は、ろ液を回収した時間と重量の測定値から算出して行った(表2参照)。
試験の評価は比較例1〜3と同一の方法で行った。
その結果、送液側の閉塞(項目1)、回収バルブ直前の配管の閉塞による流通停止(項目2)、回収バルブの目詰まり、噴出(項目3)は発生せず、50〜140分までは安定した定常的な流通を実現し、その間の反応ろ液の生成物収率も安定した(項目4)。122分後サンプルの生成物収率はセロオリゴ糖(重合度2以上)58%、グルコース25%、それらの合計(以降、糖収率と称する)83%となった(表3、図5参照。)
以上の結果より、送液をガス加圧方式にし、回収バルブ(背圧弁)手前の加圧空間の流通管出口側に反応液の沈降槽と固形分を除去するためのろ過器を設置し、回収バルブを背圧弁として反応ろ液を回収することにより、本発明で用いる植物バイオマスと炭素触媒のスラリー反応液の流通と反応収率を安定化できることが確認された。さらには、原液槽、沈降槽、ろ過器をそれぞれ複数設置して、交互切り替えすることにより長時間連続反応が可能にできる。
実施例2:グルコースの製造
装置構成を表1に記載した装置1(図1参照)を用いて流通反応試験を行った。流通反応試験と評価は、溶媒をpH2.5の塩酸水溶液、湯浴温度を220℃とする以外は実施例1と同一の方法で実施した(表2参照)。その結果、送液側の閉塞(項目1)、回収バルブ直前の配管の閉塞による流通停止(項目2)、回収バルブの目詰まり、噴出(項目3)は発生せず、50〜140分までは安定した定常的な流通を実現し、その間の反応ろ液の生成物収率も安定した(項目4)。120分後サンプルの生成物収率はセロオリゴ糖(重合度2以上)2%、グルコース77%、糖収率79%となった(表3、図6参照)。
以上の結果より、装置4での安定した反応液の流通と反応収率の再現性が確認できた。また溶媒をpH2.5の塩酸水溶液、湯浴温度を220℃にすることより糖収率をほぼ維持して、グルコース収率が得られることが確認された。
実施例3:グルコースの製造
装置構成を表1に記載した装置1(図1参照)を用いて流通反応試験を行った。流通反応試験と評価は、溶媒をpH2.5のリン酸水溶液、湯浴温度を240℃とする以外は実施例1と同一の方法で実施した(表2参照)。その結果、送液側の閉塞(項目1)、回収バルブ直前の配管の閉塞による流通停止(項目2)、回収バルブの目詰まり、噴出(項目3)は発生せず、50〜140分までは安定した定常的な流通を実現し、その間の反応ろ液の生成物収率も安定した(項目4)。120分後サンプルの生成物収率はセロオリゴ糖(重合度2以上)2%、グルコース68%、糖収率70%となった(表3、図7参照)。
以上の結果より、装置4での安定した反応液の流通と反応収率の再現性が確認できた。また高収率のグルコースを得る方法として、溶媒を塩酸より腐食性の低い希リン酸で代替できることも確認された。
実施例4:グルコースの製造
装置構成を表1に記載した装置1(図1参照)を用いて流通反応試験を行った。流通反応試験と評価は、原料を空気酸化混合粉砕ユーカリ粉とする以外は実施例3と同一の方法で実施した(表2参照)。その結果、送液側の閉塞(項目1)、回収バルブ直前の配管の閉塞による流通停止(項目2)、回収バルブの目詰まり、噴出(項目4)は発生せず、50〜140分までは安定した定常的な流通を実現し、その間の反応ろ液の生成物収率も安定した(項目5)。120分後サンプルの含有セルロース換算の生成物収率はセロオリゴ糖(重合度2以上)6%、グルコース70%、糖収率76%となった(表3、図8参照)。
以上の結果より、実バイオマスであるユーカリ粉を用いても、装置4での安定した反応液の流通と反応収率の再現性が確認できた。また高収率のグルコースを得る方法として、溶媒を塩酸より腐食性の低い希リン酸で代替できることも確認された。









本発明は、固体触媒を用いた植物性バイオマスの流通式連続加水分解反応において、排出口手前に反応液の沈降槽、固液分離フィルター、ろ液排出回収バルブを設置することによりグルコース及び/またはオリゴ糖の高収率反応液を安定的に連続的に取得することができ、バイオマス資源の有効利用に有用である。
1 原液槽1
12 ガス加圧ライン
13 混合機能
14 圧力計
15 圧力調整器
2 沈降槽
21 一次ろ過器
22 二次ろ過器
23 ろ液流通管
24 ろ液回収背圧弁
25 回収バルブ
27 逆洗用ガス供給ライン
28 逆洗用ガス供給バルブ
29 逆洗用ガスブローバルブ
210 逆洗用ろ液供給バルブ
211 逆洗用ろ液供給ポンプ
3 反応ろ液回収槽
4 応液流通管
41 加熱部
42 冷却部
45 送液用ポンプ
46 逆止弁

Claims (16)

  1. 炭素触媒を用いて植物性バイオマスを水熱反応により連続的に加水分解するスラリー流通式の装置であって、供給ユニット、反応ユニット及び回収ユニットから構成され、
    前記供給ユニットは、ガス供給部及び混合機能を保有する原液槽からなり;
    前記反応ユニットは、反応液流通管、反応液の昇温と温度保持をする加熱部、及び反応液を冷却する冷却部からなり;そして
    前記回収ユニットは、反応液の固形分を沈降させる沈降槽、沈降した固形分を回収する固形分回収バルブ、反応液中の固形分を分離するろ過器、ろ液を流通するろ液流通管、及びろ液を回収する背圧弁からなることを特徴とする植物性バイオマスの加水分解装置。
  2. 前記沈降槽内の反応液固形分を除去するろ過器が、反応液流通管排出口より上部にあり、ろ液が上方向に流れる請求項1に記載の植物性バイオマスの加水分解装置。
  3. 前記固形分回収バルブの出口側に、ガス供給源からのガスを供給する配管が接続されている請求項1または2に記載の植物性バイオマスの加水分解装置。
  4. ろ過器の下流側に、ガス供給源からガスを供給する配管とバルブが接続され、ろ過器の入口側に圧力を開放するためのバルブが接続されかつ/または反応ろ液回収槽、反応ろ液回収槽のろ液をろ過器の下流側に送液できポンプ、ろ液流通配管を閉止するバルブが設置され、ろ過器を逆洗する機能を有する請求項1〜3のいずれかに記載の植物性バイオマスの加水分解装置。
  5. 反応液流通管の加熱部直前に逆止弁を設置した請求項1〜4のいずれかに記載の植物性バイオマスの加水分解装置。
  6. 複数の原液槽が、加熱部の手前、または加熱部直前の逆止弁の手前の反応液流通管に接続され、バルブによりそれぞれの原液槽に切り替えることが可能である請求項1〜5のいずれかに記載の植物性バイオマスの加水分解装置。
  7. 複数の沈降槽が、反応ユニットの出口側の反応液流通管に接続され、バルブによりそれぞれの沈降槽に切り替えることが可能である請求項1〜6のいずれかに記載の植物性バイオマスの加水分解装置。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の装置を使用し、植物性バイオマスと炭素触媒のスラリーを連続的に反応液流通管に流通して水熱反応を行うことを特徴とする植物性バイオマスの加水分解方法。
  9. 植物性バイオマスと炭素触媒を予め混合し同時粉砕した原料を用いる請求項8に記載の植物性バイオマスの加水分解方法。
  10. 反応液流通管に流通させる反応液の温度が160〜290℃、通過時間が0.1〜30分である請求項8または9に記載の植物性バイオマスの加水分解方法。
  11. 炭素触媒がアルカリ賦活活性炭、水蒸気賦活活性炭、薬剤賦活活性炭、及びメソポーラスカーボンから選択される請求項8〜10のいずれかに記載の植物性バイオマスの加水分解方法。
  12. 炭素触媒が空気酸化処理されたものである請求項11に記載の植物性バイオマスの加水分解方法。
  13. 前記植物性バイオマスと炭素触媒のスラリー調整の懸濁溶媒に水を用いてセロオリゴ糖を製造する請求項8〜12のいずれかに記載の植物性バイオマスの加水分解方法。
  14. 前記懸濁溶媒にpH4〜7に調整した水を用いてセロオリゴ糖を製造する請求項13に記載の植物性バイオマスの加水分解方法。
  15. 前記懸濁溶媒にpH1〜4の酸性水を用い、グルコースを製造する請求項13に記載の植物性バイオマスの加水分解方法。

  16. 塩酸、リン酸、硫酸、硝酸、及びホウ酸から選ばれる少なくとも1種によりpHを調整する請求項14または15に記載の植物性バイオマスの加水分解方法。
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