JP6600586B2 - 駆動装置、輸送機器及び制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、2つの蓄電器を備えた駆動装置、輸送機器及び制御方法に関する。
特許文献1には、3つの蓄電装置と、3つの蓄電装置からの電力を用いて、駆動力を発生するように構成された駆動装置と、3つの蓄電装置にそれぞれ対応して設けられ、3つの蓄電装置からの電力の供給と遮断とを切り替えるための3つのリレーとを含む車両が記載されている。当該車両のECUは、3つの蓄電装置の故障を検出し、検出された蓄電装置の故障状態に応じて、駆動装置と3つの蓄電装置との接続状態を変更するように3つのリレーを制御する。なお、駆動装置は、3つの蓄電装置からの電圧を昇圧するように構成された複数のコンバータを含む。
特開2011−041386号公報
特許文献1に記載の車両は、検出された3つの蓄電装置の故障状態に応じて、駆動装置と3つの蓄電装置との接続状態を3つのリレーの開閉によって制御し、走行の継続を図っている。しかし、駆動装置に含まれるコンバータが故障した際の制御については、何ら記載がない。仮に複数のコンバータの少なくとも1つが故障して、故障したコンバータと蓄電装置とを結ぶ経路上のリレーが開制御されると、蓄電装置は正常であるにもかかわらず、当該蓄電装置に残された電力はリレーが開かれた時点で使用不能となる。このように、コンバータが故障してリレーを開くと、車両の航続可能距離は使用不能となった電力の分だけ短くなる。
本発明の目的は、2つの蓄電器の少なくとも一方の電圧を変換する変換部が機能しない状態となっても、航続可能距離の減少を抑制可能な駆動装置、輸送機器及び制御方法を提供することである。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、
第1蓄電器(例えば、後述の実施形態での高出力型バッテリES−P)と、
第2蓄電器(例えば、後述の実施形態での高容量型バッテリES−E)と、
前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の少なくとも一方から供給される電力により駆動する駆動部(例えば、後述の実施形態でのモータジェネレータ101、PDU105)と、
前記第1蓄電器の出力電圧を変換する第1変換部(例えば、後述の実施形態でのVCU103)及び前記第2蓄電器の出力電圧を変換する第2変換部(例えば、後述の実施形態でのVCU203)を含み、前記第1蓄電器と前記第2蓄電器と前記駆動部の間の電流経路を構成する充放電回路(例えば、後述の実施形態でのVCU103,203、スイッチ部113)と、
前記第1蓄電器の充電率又は出力電圧である第1変数を検出する第1検出部(例えば、後述の実施形態での電圧センサ107p、電流センサ109p)と、
前記第1変換部が機能しない状態を検知する検知部(例えば、後述の実施形態でのECU1152)と、
前記充放電回路を介した前記第1蓄電器と前記第2蓄電器と前記駆動部の間の充放電を制御する制御部(例えば、後述の実施形態でのECU1152)と、を備えた駆動装置であって、
前記制御部は、
前記第1変数と前記第1蓄電器の劣化因子との関係に基づき、前記検知部が前記状態を検知した場合は、前記劣化因子がしきい値以下となる好適領域内の第1所定値に前記第1変数が低下するまで、前記第1蓄電器のみが前記駆動部に電力を供給する第1制御及び前記第1蓄電器の電力を前記第2蓄電器に移す第2制御のいずれか一方を行うよう前記充放電回路を制御する、駆動装置である。
ここで、用語について補足する。上述した「前記変換部が機能しない状態」とは、例えば、スイッチング素子、または、当該スイッチング素子にスイッチング信号を送信する制御装置や制御信号線の故障などにより、ハイサイドスイッチが常にオフとなるいわゆる直結状態を指す。この状態では、前記変換部の昇降圧機能は喪失し、前記第1蓄電部の放電はハイサイドスイッチの寄生ダイオードを介して可能だが、前記第1蓄電部への充電は当該寄生ダイオードによって禁止される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記制御部は、前記検知部が前記状態を検知した場合、
前記第1制御の実行可否及び前記第2制御の実行可否を判定し、
前記第1制御及び前記第2制御の双方が実行可能であれば、前記第1制御より前記第2制御を優先して行うよう前記充放電回路を制御する。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、
前記第2蓄電器の充電率又は出力電圧である第2変数を検出する第2検出部(例えば、後述の実施形態での電圧センサ107e、電流センサ109e)を備え、
前記制御部は、前記第2制御の実行可否を、前記第1変数、前記第2変数及び前記第2変換部の変換率に基づき判定する。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、
前記制御部は、
前記第2変換部が前記第2蓄電器の出力電圧に対する昇圧と降圧のうち昇圧が可能な場合は、前記第1変数に応じた前記第1蓄電器の出力電圧が、前記第2変数に応じた前記第2蓄電器の出力電圧よりも高ければ、前記第2制御が実行可能と判定し、
前記第2変換部が前記第2蓄電器の出力電圧に対する昇圧と降圧のうち降圧が可能な場合は、前記第1変数に応じた前記第1蓄電器の出力電圧を前記第2変換部の最大の変換率で変換した値が、前記第2変数に応じた前記第2蓄電器の出力電圧よりも高ければ、前記第2制御が実行可能と判定する。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載の発明において、
前記第2蓄電器の充電率又は出力電圧である第2変数を検出する第2検出部(例えば、後述の実施形態での電圧センサ107e、電流センサ109e)を備え、
前記制御部は、前記検知部が前記状態を検知した場合、前記第1変数が前記第1所定値未満であれば、前記第2変数が第2所定値に低下するまで、前記第2蓄電器のみが前記駆動部に電力を供給するよう前記充放電回路を制御する。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、
前記第2所定値は、前記駆動部が所定値以上の駆動力を出力可能な前記第2変数の最低値である。
請求項7に記載の発明では、請求項5又は6に記載の発明において、
前記制御部は、前記検知部が前記状態を検知した場合、前記第1変数が前記第1所定値未満、かつ、前記第2変数が前記第2所定値未満であれば、前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の双方が前記駆動部に電力を供給可能であるよう前記充放電回路を制御する。
ここで、用語について補足する。「前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の双方が前記駆動部に電力を供給可能」とは、充放電回路において第1蓄電部と第2蓄電部のそれぞれから駆動部への放電を阻害する要因を排除した状態を指す。換言すれば、第1蓄電部と第2蓄電部のそれぞれと駆動部が電気回路を介して接続された状態である。このような状態においては、常に第1蓄電部と第2蓄電部の双方が駆動部へ電力を供給する必要はなく、結果として、一方の蓄電部のみが供給していても良い。いずれか一方の蓄電部のみが駆動部に対して放電を行うか、または、双方の蓄電部が駆動部に放電を行うかは、第1蓄電部と第2蓄電部のそれぞれの電圧に基づき決定されるに過ぎない。
請求項8に記載の発明では、請求項5又は6に記載の発明において、
前記制御部は、前記検知部が前記状態を検知した場合、前記第1変数が前記第1所定値未満、かつ、前記第2変数が前記第2所定値未満であれば、前記第2変換部が、前記第2蓄電器の出力電圧を、前記第1蓄電器の出力電圧と同レベルに変換し、前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の双方が前記駆動部に電力を供給するよう前記充放電回路を制御する。
請求項9に記載の発明は、請求項1から8のいずれか1項に記載の発明において、
前記制御部は、前記検知部が前記状態を検知した場合、前記第2蓄電器における前記駆動部が回生発電した電力の受け入れ量を、前記検知部が前記状態を検知しない場合に比べて増大するよう前記充放電回路を制御する。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、
前記制御部は、前記検知部が前記状態を検知しない場合、前記駆動部が回生発電した電力を前記第2蓄電器が受け入れないよう前記充放電回路を制御する。
請求項11に記載の発明は、請求項1から10のいずれか1項に記載の発明において、
前記第1所定値は、前記好適領域における前記第1変数の最小値である。
請求項12に記載の発明は、請求項1から11のいずれか1項に記載の発明において、
前記第1蓄電器は、前記第2蓄電器に比べて、出力重量密度が優れ、かつ、エネルギー重量密度が劣る。
請求項13に記載の発明は、請求項1から12のいずれか1項に記載の駆動装置を有する、輸送機器である。
請求項14に記載の発明は、
第1蓄電器(例えば、後述の実施形態での高出力型バッテリES−P)と、
第2蓄電器(例えば、後述の実施形態での高容量型バッテリES−E)と、
前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の少なくとも一方から供給される電力により駆動する駆動部(例えば、後述の実施形態でのモータジェネレータ101、PDU105)と、
前記第1蓄電器の出力電圧を変換する第1変換部(例えば、後述の実施形態でのVCU103)及び前記第2蓄電器の出力電圧を変換する第2変換部(例えば、後述の実施形態でのVCU203)を含み、前記第1蓄電器と前記第2蓄電器と前記駆動部の間の電流経路を構成する充放電回路(例えば、後述の実施形態でのVCU103,203、スイッチ部113)と、
前記第1蓄電器の充電率又は出力電圧である第1変数を検出する第1検出部(例えば、後述の実施形態での電圧センサ107p、電流センサ109p)と、
前記第1変換部が機能しない状態を検知する検知部(例えば、後述の実施形態でのECU1152)と、
前記充放電回路を介した前記第1蓄電器と前記第2蓄電器と前記駆動部の間の充放電を制御する制御部(例えば、後述の実施形態でのECU1152)と、を備えた駆動装置が行う制御方法であって、
前記制御部は、
前記第1変数と前記第1蓄電器の劣化因子との関係に基づき、前記検知部が前記状態を検知した場合は、前記劣化因子がしきい値以下となる好適領域内の第1所定値に前記第1変数が低下するまで、前記第1蓄電器のみが前記駆動部に電力を供給する第1制御及び前記第1蓄電器の電力を前記第2蓄電器に移す第2制御のいずれか一方を行うよう前記充放電回路を制御する、制御方法である。
請求項1、請求項13及び請求項14の発明によれば、第1蓄電器の出力電圧を変換する第1変換部が機能しない場合、第1蓄電器の状態を示す第1変数が第1所定値に低下するまでは、第1蓄電器のみが駆動部に電力を供給する第1制御を行うか、第1蓄電器の電力を第2蓄電器に移す第2制御を行う。このように、第1変換部が機能しない状態となっても第1蓄電器の電力は有効に利用され、第1制御を行えば第1蓄電器が駆動部に電力を供給する際の車両の航続可能距離の減少を抑制でき、第2制御を行えば第2蓄電器が駆動部に電力を供給する際の車両の航続可能距離の減少を抑制できる。特に第2制御を行った第1蓄電器の電力は、第2蓄電器に移ることにより、電圧と電流が制御不能な状態から、制御可能な状態に戻るため、その制御性が格別に向上する。
請求項2の発明によれば、第1制御及び第2制御の双方が実行可能であれば第2制御が優先して行われる。駆動部に印加される電圧は調整可能である方が良く、第2蓄電器からの電力供給であれば第2変換部によって電圧変換されるため、第2制御によって第1蓄電器の電力を第2蓄電器に移した方が、第1制御を行うよりも好ましい。
請求項3及び請求項4の発明によれば、第2制御の実行可否は、第1変数、第2変数及び第2変換部の変換率に基づき判定され、第2変換部が第2蓄電器の出力電圧を昇圧する場合は、第1変数に応じた第1蓄電器の出力電圧が、第2変数に応じた第2蓄電器の電圧よりも高ければ、第2制御が実行可能と判定し、第2変換部が第2蓄電器の出力電圧を降圧する場合は、第1変数に応じた第1蓄電器の出力電圧を第2変換部の最大の変換率で変換した値が、第2変数に応じた第2蓄電器の出力電圧よりも高ければ、第2制御が実行可能と判定する。したがって、第2制御は、第1蓄電器から第2蓄電器への電力移行が可能な場合に限って行われる。
請求項5の発明によれば、第1変換部が機能しない状態において、第1変数が第1所定値未満であっても、第2蓄電器の状態を示す第2変数が第2所定値に低下するまでは、第2蓄電器のみが駆動部に電力を供給する。このように、第1変換部が機能しない状態において、駆動部への電力供給を第1蓄電器が行った後には、第2蓄電器が当該電力供給を行うことによって、車両の航続可能距離の減少をさらに抑制できる。
請求項6の発明によれば、第2所定値は駆動部が所定値以上の駆動力を出力可能な第2変数の最低値であるため、第2蓄電器のみからの駆動部への電力供給であっても駆動部が出力不足に陥ることを抑制できる。その結果、車両は充分な距離を走行できる。
請求項7の発明によれば、第1変換部が機能しない状態において、第1変数が第1所定値未満であり、第2変数が第2所定値未満であっても、第1蓄電器及び第2蓄電器の双方が駆動部に電力を供給可能である。このように、第1変換部が機能しない状態において、駆動部への電力供給を第2蓄電器が行った後には、第1蓄電器及び第2蓄電器が可能な限り出力を駆動部に供給するため、車両の航続可能距離の減少を最大限に抑制できる。
請求項8の発明によれば、第1変換部が機能しない状態において、第1変数が第1所定値未満であり、第2変数が第2所定値未満であっても、第2変換部が第2蓄電器の出力電圧を第1蓄電器の出力電圧と同レベルに変換することによって、第1蓄電器及び第2蓄電器の双方が駆動部に電力を供給する。このように、第1変換部が機能しない状態において、駆動部への電力供給を第2蓄電器が行った後には、第1蓄電器及び第2蓄電器が可能な限り出力を駆動部に供給するため、車両の航続可能距離を最大限に延伸できる。
請求項9の発明によれば、第1変換部が機能しない状態では、駆動部が回生発電した電力を第2蓄電器が受け入れる量を、第1変換部が機能する場合に比べて増大するため、第2蓄電部が放電可能な電力量が増え、第2蓄電器のみが駆動部に電力を供給する際の航続可能距離の減少を抑制できる。
請求項10の発明によれば、第1変換部が機能する正常な状態では第2蓄電器は回生電力を受け入れないため、第2蓄電器の劣化を抑制できる。
請求項11の発明によれば、第1所定値は好適領域における第1変数の最小値であるため、第1蓄電器のみが駆動部に電力を供給する際に、当該第1蓄電器の劣化を抑制しつつ、駆動部への電力供給を最大限に行える。
請求項12の発明によれば、特性の異なる2つの蓄電器を併用する当該駆動装置において、第1変換部が機能しない状態であっても、双方の蓄電器の電力を使用できるため、車両の航続可能距離の減少を最大限に抑制できる。
第1実施形態の電動車両の内部構成を示すブロック図である。 高出力型バッテリのSOCに対する容量劣化係数を示す図である。 第1実施形態における高容量型バッテリ、高出力型バッテリ、VCU、PDU及びモータジェネレータの関係を示す電気回路図である。 VCUが機能しない状態が発生して第1実施形態のECUが放電制御を行った場合の高容量型バッテリと高出力型バッテリの各電圧の経時変化を示す図である。 VCUが機能しない状態が発生した際に第1実施形態のECUが行う処理の流れを示すフローチャートである。 VCUが機能しない状態が発生した際に第1実施形態のECUが行う処理の流れを示すフローチャートである。 第1実施形態において高出力型バッテリのみが電力を供給する場合の高出力型バッテリからモータジェネレータへの電流の流れを示す図である。 第1実施形態において高容量型バッテリのみが電力を供給する場合の高容量型バッテリからモータジェネレータへの電流の流れを示す図である。 第1実施形態において高出力型バッテリ及び高出力型バッテリの双方が電力を供給可能な場合の各バッテリからモータジェネレータへの電流の流れを示す図である。 第2実施形態の電動車両の内部構成を示すブロック図である。 第2実施形態における高容量型バッテリ、高出力型バッテリ、VCU、PDU及びモータジェネレータの関係を示す電気回路図である。 VCUが機能しない状態が発生して第2実施形態のECUが放電制御を行った場合の高容量型バッテリと高出力型バッテリの各電圧の経時変化を示す図である。 VCUが機能しない状態が発生した際に第2実施形態のECUが行う処理の流れを示すフローチャートである。 第2実施形態において高出力型バッテリから高容量型バッテリに電力を移行可能な場合の高出力型バッテリから高容量型バッテリへの電流の流れを示す図である。 第2実施形態において高出力型バッテリのみが電力を供給する場合の高出力型バッテリからモータジェネレータへの電流の流れを示す図である。 第2実施形態において高容量型バッテリのみが電力を供給する場合の高容量型バッテリからモータジェネレータへの電流の流れを示す図である。 第2実施形態において高出力型バッテリ及び高出力型バッテリの双方が電力を供給可能な場合の各バッテリからモータジェネレータへの電流の流れを示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の電動車両の内部構成を示すブロック図である。図1に示す1MOT型の電動車両は、モータジェネレータ(MG)101と、高容量型バッテリES−Eと、高出力型バッテリES−Pと、VCU(Voltage Control Unit)103と、PDU(Power Drive Unit)105と、電圧センサ107p,107eと、電流センサ109p,109eと、車速センサ111と、スイッチ部113と、ECU(Electronic Control Unit)115とを備える。なお、図1中の太い実線は機械連結を示し、二重点線は電力配線を示し、細い実線の矢印は制御信号を示す。
モータジェネレータ101は、高容量型バッテリES−E及び高出力型バッテリES−Pの少なくともいずれか一方から得られる電力によって駆動して、電動車両が走行するための動力を発生する。モータジェネレータ101で発生したトルクは、変速段又は固定段を含むギヤボックスGB及びデファレンシャル・ギアDを介して駆動輪Wに伝達される。また、モータジェネレータ101は、電動車両の減速時には発電機として動作して、電動車両の制動力を出力する。なお、モータジェネレータ101を発電機として動作させることで生じた回生電力は、高容量型バッテリES−Eと高出力型バッテリES−Pの少なくともいずれか一方に蓄えられる。
高容量型バッテリES−Eは、リチウムイオン電池やニッケル水素電池等といった複数の蓄電セルを有し、モータジェネレータ101に高電圧の電力を供給する。また、高出力型バッテリES−Pも、リチウムイオン電池やニッケル水素電池等といった複数の蓄電セルを有し、VCU103を介してモータジェネレータ101に高電圧の電力を供給する。高出力型バッテリES−Pは、VCU103を介して、PDU105に対して高容量型バッテリES−Eと並列に接続されている。また、一般的に、高出力型バッテリES−Pの電圧は、高容量型バッテリES−Eの電圧よりも低い。したがって、高出力型バッテリES−Pの電力は、VCU103によって高容量型バッテリES−Eの電圧と同レベルまで昇圧された後、PDU105を介してモータジェネレータ101に供給される。
なお、高容量型バッテリES−Eや高出力型バッテリES−Pは、前述したニッケル水素電池やリチウムイオン電池といった二次電池や、電池外部より活物質の供給を必要とする燃料電池や空気電池に限定される訳ではない。例えば、蓄電容量が少ないものの、短時間に大量の電力を充放電可能なコンデンサやキャパシタを高出力型バッテリES−Pとして用いても構わない。
また、高容量型バッテリES−Eの特性と高出力型バッテリES−Pの特性は互いに異なる。高容量型バッテリES−Eは、高出力型バッテリES−Pよりも、出力重量密度は低いが、エネルギー重量密度は高い。一方、高出力型バッテリES−Pは、高容量型バッテリES−Eよりも、エネルギー重量密度は低いが、出力重量密度は高い。このように、高容量型バッテリES−Eは、エネルギー重量密度の点で相対的に優れ、高出力型バッテリES−Pは、出力重量密度の点で相対的に優れる。なお、エネルギー重量密度とは、単位重量あたりの電力量(Wh/kg)であり、出力重量密度とは、単位重量あたりの電力(W/kg)である。したがって、エネルギー重量密度が優れている高容量型バッテリES−Eは、高容量を主目的とした蓄電器であり、出力重量密度が優れている高出力型バッテリES−Pは、高出力を主目的とした蓄電器である。
このような高容量型バッテリES−Eと高出力型バッテリES−Pの特性の違いは、例えば電極や活物質、電解質/液といった電池の構成要素の構造や材質等により定まる種々のパラメータに起因するものである。例えば、充放電可能な電気の総量を示すパラメータである蓄電可能容量は、高出力型バッテリES−Pより高容量型バッテリES−Eの方が優れる。一方、充放電に対する蓄電可能容量の劣化耐性を示すパラメータであるCレート特性や充放電に対する電気抵抗値を示すパラメータである内部抵抗(インピーダンス)は、高容量型バッテリES−Eより高出力型バッテリES−Pの方が優れる。
また、高容量型バッテリES−Eは、充電率(SOC:State of Charge)に対する容量劣化係数の変動が小さく、満充電電圧や放電終止電圧においても大幅に劣化することはない。一方、高出力型バッテリES−Pは、図2に示すように、SOCに対する容量劣化係数の変動が大きく、中間域のSOCにおける容量劣化係数は小さいが、中間域以外のSOCにおける容量劣化係数は大きい。したがって、容量劣化係数が所定値以下となるSOCの中間域が、高出力型バッテリES−Pの好適領域に設定される。なお、高出力型バッテリES−Pの中間域よりもSOCが低い領域と高い領域とでは、SOCが中間域から離れる際の容量劣化係数の増加率は高い領域の方が高い。
VCU103は、高出力型バッテリES−Pの出力電圧を直流のまま昇圧する。また、VCU103は、電動車両の減速時にモータジェネレータ101が発電して直流に変換された電力を降圧する。さらに、VCU103は、高容量型バッテリES−Eの出力電圧を直流のまま降圧する。VCU103によって降圧された電力は、高出力型バッテリES−Pに充電される。なお、VCU103が出力する直流電力の電圧レベル又は電流レベルは、ECU115によって制御される。
PDU105は、直流電圧を交流電圧に変換して3相電流をモータジェネレータ101に供給する。また、PDU105は、モータジェネレータ101の回生動作時に入力される交流電圧を直流電圧に変換する。
電圧センサ107pは、高出力型バッテリES−Pの電圧Vpを検出する。電圧センサ107pが検出した電圧Vpを示す信号はECU115に送られる。電圧センサ107eは、高容量型バッテリES−Eの電圧Veを検出する。なお、電圧センサ107eが検出した電圧Veは、高出力型バッテリES−Pの電圧VpをVCU103が昇圧した値に等しい。電圧センサ107eが検出した電圧Veを示す信号はECU115に送られる。
電流センサ109pは、高出力型バッテリES−Pの入出力電流Ipを検出する。電流センサ109pが検出した入出力電流Ipを示す信号はECU115に送られる。電流センサ109eは、高容量型バッテリES−Eの入出力電流Ieを検出する。電流センサ109eが検出した入出力電流Ieを示す信号はECU115に送られる。
車速センサ111は、電動車両の走行速度(車速)VPを検出する。車速センサ111によって検出された車速VPを示す信号は、ECU115に送られる。
スイッチ部113は、高容量型バッテリES−EからPDU105又はVCU103までの電流経路を断接するコンタクタMCeと、高出力型バッテリES−PからVCU103までの電流経路を断接するコンタクタMCpとを有する。各コンタクタMCe,MCpは、ECU115の制御によって開閉される。
図3は、第1実施形態における高容量型バッテリES−E、高出力型バッテリES−P、VCU103、PDU105及びモータジェネレータ101の関係を示す電気回路図である。図3に示すように、VCU103は、高出力型バッテリES−Pの出力電圧を入力電圧として、ハイサイドとローサイドから成る2つのスイッチング素子をオンオフ切換動作することによって、高出力型バッテリES−Pの電圧を昇圧して出力する。また、これら2つのスイッチング素子をオンオフ切換動作せずに、上アーム(ハイサイド)のスイッチング素子をオン状態、下アーム(ローサイド)のスイッチング素子をオフ状態とすれば、高出力型バッテリES−Pは、高容量型バッテリES−E及びPDU105と電気系統的に直結された状態になる。また、PDU105は、高容量型バッテリES−Eの出力電圧を入力電圧として6つのスイッチング素子をオンオフ切換動作することによって、直流電圧を交流電圧に変換してモータジェネレータ101に出力する。これら6つのスイッチング素子をオンオフ切換動作せずに、全てのスイッチング素子をオフ状態とすれば、高容量型バッテリES−E及び高出力型バッテリES−Pは、モータジェネレータ101から電気系統的に開放された状態になる。
ECU115は、PDU105及びVCU103の制御、並びに、スイッチ部113の開閉制御を行う。また、ECU115には、電動車両のドライバによるアクセルペダル操作に応じたアクセルペダル開度(AP開度)を示す信号、車速センサ111からの車速VPを示す信号、電圧センサ107e,107pからの電圧Ve,Vpを示す信号、及び電流センサ109e,109pからの電流Ie,Ipを示す信号が入力される。
また、ECU115は、特性の異なる高容量型バッテリES−Eと高出力型バッテリES−Pの各々の特性を活かすよう、VCU103を用いた電力分配制御を行う。この電力分配制御を行えば、高容量型バッテリES−Eは、電動車両の加速走行時に一定の電力をモータジェネレータ101に電力を供給するよう用いられ、高出力型バッテリES−Pは、電動車両の走行のために大きな駆動力が必要なときに、モータジェネレータ101に電力を供給するよう用いられる。また、電動車両の減速走行時には、ECU115は、モータジェネレータ101が発電した回生電力によって、高出力型バッテリES−Pを優先的に充電する。回生電力による充電はCレートに換算すると高レートな充電に相当するので、本実施形態では、VCU103が機能しない場合を除き、高出力型バッテリES−Pが回生電力を受け入れ、高容量型バッテリES−Eは原則受け入れない。こういった電力分配制御が行われるため、高容量型バッテリES−EのSOCは、0%〜100%までの略全域が使用範囲として設定され、走行に伴い継続的に低下する。一方、高出力型バッテリES−PのSOCは、図2に示した例えば40%〜70%の中間域が好適に使用される領域(好適領域)として設定され、この好適領域に属する所定の中間値を維持するようその近傍で変動する。
また、ECU115は、電圧センサ107p,107eが検出した各電圧及び電流センサ109p,109eが検出した各入出力電流に基づき、電流積算方式及び/又はOCV(開路電圧)推定方式によって、高容量型バッテリES−Eと高出力型バッテリES−Pの各SOCを導出する。また、ECU115は、AP開度及び車速VPに基づき、PDU105及びモータジェネレータ101によって構成される駆動部(以下、単に「駆動部」という。)の要求出力を算出する。ECU115は、駆動部の要求出力に応じた電流又は電圧が当該駆動部に供給されるよう、上記説明した電力分配制御を行う。
さらに、ECU115は、電流センサ109eが検出した電流Ieや電圧センサ107eが検出した電圧Veに基づき、VCU103が機能しない状態を検知する。上述したように、ECU115は、駆動部の要求出力に応じた電流又は電圧が当該駆動部に供給されるよう、VCU103を用いて電力分配制御を行う。このとき、駆動部に対するVCU103の出力が目標値となるよう、ECU115はVCU103の2つのスイッチング素子を所望のデューティ比でオンオフ切換動作する。したがって、電流センサ109eが検出する電流Ie又は電圧センサ107eが検出する電圧Veは、上記目標値に応じた電流又は電圧に略等しくなる。この場合、ECU115は、VCU103が機能していると判断する。しかし、電流センサ109eが検出する電流Ie又は電圧センサ107eが検出する電圧Veが上記目標値に応じた電流又は電圧とは異なる場合、ECU115は、VCU103が機能していないと判断する。
上述したVCU103が機能しない状態の検知は、電流センサ109eが検出した電流Ieや電圧センサ107eが検出した電圧Veに基づくものに限定されるものではない。例えば、電流センサ109eが検出した電流Ieや電圧センサ107eが検出した電圧Veに代えて、VCU103のスイッチング素子を監視したり、ECU115の状態を診断することで、当該状態を検知しても良い。
なお、VCU103が機能しない状態とは、VCU103が故障した状態の他、ECU115がVCU103をオンオフ切換動作するためのスイッチング信号が送信されない又は当該スイッチング信号がVCU103に到達しない状態が含まれる。いずれの状態であっても、VCU103はECU115が所望する動作を行わない。なお、本実施形態では、VCU103の少なくとも上アーム(ハイサイド)のスイッチング素子が常時オフとなるオープン故障した状態が、VCU103が故障した状態である。すなわち、強制的な直結状態が継続する状態を指す。
以下、VCU103が機能しない状態が発生した際のECU115の制御について説明する。図4は、VCU103が機能しない状態が発生して第1実施形態のECU115が放電制御を行った場合の高容量型バッテリES−Eと高出力型バッテリES−Pの各電圧の経時変化を示す図である。また、図5及び図6は、VCU103が機能しない状態が発生した際に第1実施形態のECU115が行う処理の流れを示すフローチャートである。
VCU103が機能する状態では、図4に示すように、ECU115はVCU103を用いた上述の電力分配制御を行っており、スイッチ部113の2つのコンタクタMCe,MCpはそれぞれ閉じられている。このとき、高容量型バッテリES−EのSOCは走行に伴い継続的に低下し、高出力型バッテリES−PのSOCは好適領域内の所定の中間値を維持するようその近傍で変動する。この状態で、VCU103が機能しない状態をECU115が検知すると(ステップS101でYES)、ECU115は、スイッチ部113における高容量型バッテリES−E側のコンタクタMCeを開く(ステップS103)。VCU103が機能しない状態でコンタクタMCeのみを開くと、図7に示すように、駆動部には高出力型バッテリES−Pのみから電力が供給される。なお、このときのVCU103は、上アーム(ハイサイド)のスイッチング素子がオン状態、下アーム(ローサイド)のスイッチング素子がオフ状態であるため、高出力型バッテリES−Pの出力電圧はそのまま駆動部に印加される。その結果、図4に示すように、高出力型バッテリES−PのSOCは電動車両の走行に従い低下し、高容量型バッテリES−EのSOCは変化しない。
なお、VCU103が機能しないため高出力型バッテリES−Pのみが駆動部に電力を供給している状態で電動車両が減速する際、ECU115は、高容量型バッテリES−E側のコンタクタMCeを閉じても良い。VCU103が機能しない状態では、電動車両の減速時に得られた回生電力は、VCU103の上アーム(ハイサイド)のスイッチング素子の寄生ダイオードのために高出力型バッテリES−P側には供給されない。しかし、コンタクタMCeを閉じて駆動部と高容量型バッテリES−Eとの間の回路が閉じた状態であれば、高容量型バッテリES−Eが回生電力を受け入れる。
次に、ECU115は、高出力型バッテリES−PのSOCを導出し(ステップS105)、このSOCが高出力型バッテリES−Pの好適領域の下限値Th1未満であるか否かを判断する(ステップS107)。高出力型バッテリES−PのSOCが下限値Th1未満であればステップS111に進むが、下限値Th1以上であればステップS109に進んで、高出力型バッテリES−Pのみが駆動部に電力を供給する形態を継続する。ステップS109を行った後は、ステップS105に戻る。
図6に示すステップS111では、ECU115は、スイッチ部113における高容量型バッテリES−E側のコンタクタMCeを閉じて、高出力型バッテリES−P側のコンタクタMCpを開く。VCU103が機能しない状態でコンタクタMCpのみを開くと、図8に示すように、駆動部には高容量型バッテリES−Eのみから電力が供給される。その結果、図4に示すように、高容量型バッテリES−EのSOCは電動車両の走行に従い低下し、高出力型バッテリES−PのSOCは変化しない。なお、この状態で電動車両の減速時に得られた回生電力は、高容量型バッテリES−Eが受け入れる。
次に、ECU115は、高容量型バッテリES−EのSOCを導出し(ステップS113)、このSOCが所定値Th2未満であるか否かを判断する(ステップS115)。高容量型バッテリES−EのSOCが所定値Th2未満であればステップS119に進むが、所定値Th2以上であればステップS117に進んで、高容量型バッテリES−Eのみが駆動部に電力を供給する形態を継続する。なお、所定値Th2は、電動車両が所定値以上の速度で走行可能な駆動力をモータジェネレータ101が出力するために、高容量型バッテリES−Eが供給すべき電力を出力可能なSOCの最低値である。
ステップS119では、ECU115は、スイッチ部113における高出力型バッテリES−P側のコンタクタMCpを閉じる。VCU103が機能しない状態で高出力型バッテリES−PのSOCが好適領域の下限値Th1未満であり、高容量型バッテリES−EのSOCが所定値Th2未満であり、かつ、スイッチ部113のコンタクタMCe,MCpがそれぞれ閉じられると、図9に示すように、駆動部には高出力型バッテリES−P及び高容量型バッテリES−Eの双方が電力を供給可能な状態となる。その結果、図4に示すように、電動車両の走行に従い、高出力型バッテリES−PのSOC及び高容量型バッテリES−EのSOCの少なくとも一方が低下する。なお、この状態で電動車両の減速時に得られた回生電力は、高容量型バッテリES−Eが受け入れる。
次に、ECU115は、高出力型バッテリES−P及び高容量型バッテリES−Eの各SOCを導出し(ステップS121)、少なくとも一方のバッテリのSOCが使用下限値まで低下したか否かを判断する(ステップS123)。少なくとも一方のSOCが使用下限値まで低下した場合はステップS127に進むが、双方のSOCが使用下限値以上であればステップS125に進んで、高出力型バッテリES−P及び高容量型バッテリES−Eの双方が電力を供給可能な形態を継続する。なお、使用下限値は、例えばSOC0%であり、バッテリ毎に異なっても良い。例えば、低SOCで劣化が進行しやすい高出力型バッテリES−Pの使用下限値はSOC10%であるのに対し、高容量型バッテリES−Eの使用下限値はSOC0%であっても良い。
ステップS127では、ECU115は、スイッチ部113のコンタクタMCe,MCpの双方を開き、高出力型バッテリES−P及び高容量型バッテリES−Eの放電処理を禁止する。
以上説明した例では、VCU103が機能しない状態において、スイッチ部113のコンタクタMCe,MCpを開いたり閉じたりする処理を行う基準として、各バッテリのSOCを用いているが、ECU115は、各バッテリの出力電圧を基準に上記処理を行っても良い。この場合、ステップS107で高出力型バッテリES−Pの出力電圧と比較される下限値Th1は、容量劣化係数が所定値以下となる電圧の好適領域の下限値である。また、ステップS115で高容量型バッテリES−Eの出力電圧と比較される所定値Th2は、電動車両が所定値以上の速度で走行可能な駆動力をモータジェネレータ101が出力するために、高容量型バッテリES−Eが供給すべき電力を出力可能な電圧の最低値である。また、ステップS123で高出力型バッテリES−P及び高容量型バッテリES−Eの各出力電圧と比較される使用下限値は、各バッテリの放電終止電圧である。
以上説明したように、本実施形態では、高出力型バッテリES−Pの出力電圧を変換するVCU103が機能しない場合、高出力型バッテリES−PのSOCが好適領域の下限値Th1に低下するまでは、高出力型バッテリES−Pのみが駆動部に電力を供給する。このように、VCU103が機能しない状態となっても、高出力型バッテリES−Pと駆動部とを結ぶ経路を開くことはせずに、高出力型バッテリES−Pが駆動部に電力を供給することによって、電動車両の航続可能距離の減少を抑制できる。
なお、下限値Th1は、好適領域におけるSOCの最小値であるため、高出力型バッテリES−Pのみが駆動部に電力を供給する際に、高出力型バッテリES−Pの劣化を抑制しつつ、駆動部への電力供給を最大限に行える。
また、VCU103が機能しない状態において、高出力型バッテリES−PのSOCが下限値Th1未満であっても、高容量型バッテリES−EのSOCが所定値Th2に低下するまでは、高容量型バッテリES−Eのみが駆動部に電力を供給する。このように、VCU103が機能しない状態において、駆動部への電力供給を高出力型バッテリES−Pが行った後には、高容量型バッテリES−Eが当該電力供給を行うことによって、電動車両の航続可能距離の減少をさらに抑制できる。
なお、所定値Th2は、電動車両が所定値以上の速度で走行可能な駆動力をモータジェネレータ101が出力するために、高容量型バッテリES−Eが供給すべき電力を出力可能なSOCの最低値であるため、高容量型バッテリES−Eからの駆動部への電力供給を最大限に行うことができる。その結果、電動車両は充分な距離を走行できる。
また、VCU103が機能しない状態において、高出力型バッテリES−PのSOCが下限値Th1未満であり、高容量型バッテリES−EのSOCが所定値Th2未満であっても、高出力型バッテリES−P及び高容量型バッテリES−Eの双方が駆動部に電力を供給可能である。このように、VCU103が機能しない状態において、駆動部への電力供給を高容量型バッテリES−Eが行った後には、高出力型バッテリES−P及び高容量型バッテリES−Eが可能な限り出力を駆動部に供給するため、電動車両の航続可能距離の減少を最大限に抑制できる。
また、VCU103が機能する正常な状態では高容量型バッテリES−Eは回生電力を受け入れないため、高容量型バッテリES−Eの劣化を抑制できる。しかし、VCU103が機能しない状態では、駆動部が回生発電した電力を高容量型バッテリES−Eが受け入れるため、高容量型バッテリES−Eのみが駆動部に電力を供給する際の航続可能距離の減少を抑制できる。
このように、特性の異なる2つのバッテリを併用する電動車両において、一方のバッテリの出力電圧を変換するVCU103が機能しない状態であっても、双方のバッテリの電力を使用できるため、電動車両の航続可能距離の減少を最大限に抑制できる。
なお、本実施形態のVCU101は、高出力型バッテリES−Pの電圧Vpを昇圧するが、高容量型バッテリES−Eの電圧Veが高出力型バッテリES−Pの電圧Vpよりも低い場合、高出力型バッテリES−Pの電圧Vpを降圧するVCUが用いられる。また、双方向に昇降圧が可能なVCUを用いても良い。また、図10及び図11に示すように、高容量型バッテリES−Eの出力電圧を直流のまま変換する、VCU103と同様のVCU203を設けても良い。2つのVCUを設けることで、駆動部に印加される電圧が高容量型バッテリES−Eに束縛されないため、効率が向上する。
(第2実施形態)
図10は、第2実施形態の電動車両の内部構成を示すブロック図である。また、図11は、第2実施形態における高容量型バッテリ、高出力型バッテリ、VCU、PDU及びモータジェネレータの関係を示す電気回路図である。第2実施形態の電動車両が第1実施形態の電動車両と異なる点は、高容量型バッテリES−Eの電圧を変換するVCU203及び電圧センサ107が設けられたことである。この点以外は第1実施形態と同様であり、図10及び図11に示された構成要素に関して、第1実施形態と同一又は同等部分には同一符号又は相当符号を付して説明を簡略化又は省略する。
VCU203は、高容量型バッテリES−Eの出力電圧を直流のまま降圧する。また、VCU203は、VCU103が機能しない場合に、電動車両の減速時にモータジェネレータ101が発電して直流に変換された電力を昇圧する。さらに、VCU203は、PDU105及びモータジェネレータ101によって構成される駆動部(以下、単に「駆動部」という。)が駆動していない状態であれば、VCU103の出力電圧を直流のまま昇圧可能である。VCU203によって昇圧された電力は、高容量型バッテリES−Eに充電される。図11に示すように、VCU203は、高容量型バッテリES−Eの出力電圧を入力電圧として、ハイサイドとローサイドから成る2つのスイッチング素子をオンオフ切換動作することによって、高容量型バッテリES−Eの電圧を降圧して出力する。
電圧センサ107は、VCU103,203の出力電圧であって、駆動部に印加される電圧を検出する。電圧センサ107が検出した電圧を示す信号はECU1152に送られる。
本実施形態のECU1152は、PDU105及びVCU103,203の制御、並びに、スイッチ部113の開閉制御を行う。また、ECU1152は、第1実施形態のECU115と同様に、高容量型バッテリES−Eと高出力型バッテリES−Pの各SOCの導出及び駆動部の要求出力の算出の判別を行う。また、ECU1152は、VCU103,203を用いた第1実施形態と同様の電力分配制御を行う。
2つのVCU103,203を用いて電力分配制御を行う場合、継続的に放電する高容量型バッテリES−EのVCU203は、目標電圧を出力するための電圧制御モードによる制御が好ましい。一方、駆動部の要求出力に応じて充放電を頻繁に切替える高出力型バッテリES−PのVCU103は、目標電流を出力するための電流制御モードによる制御が好ましい。従って、ECU1152は、電流センサ109pが検出した電流Ipなどに基づき、VCU103が機能しない状態を検知する。
さらに、ECU1152は、電圧センサ107が検出した電圧などに基づき、VCU203が機能しない状態を検知する。上述したように、ECU1152は、駆動部の要求出力に応じた電流又は電圧が当該駆動部に供給されるよう、VCU103,203を用いて電力分配制御を行う。このとき、駆動部に対するVCU103,203の出力が目標値となるよう、ECU1152はVCU103,203をそれぞれ所望のデューティ比でオンオフ切換動作する。したがって、電圧センサ107が検出する電圧は、上記目標値に応じた電圧に略等しくなる。そして、電流センサ109pが検出する電流は、上記目標値に応じた電流に略等しくなる。この場合、ECU1152は、VCU103,203が機能していると判断する。しかし、電流センサ109pが検出する電流Ipが上記目標値に応じた電流とは異なる場合、ECU1152は、VCU103が機能していないと判断する。
上述したVCU103,203が機能しない状態の検知は、電流センサ109pが検出した電流Ipや電圧センサ107が検出した電圧に基づくものに限定されるものではない。例えば、電流センサ109pが検出した電流Ipや電圧センサ107が検出した電圧に代えて、VCU103,203のスイッチング素子を監視したり、ECU1152の状態を診断することで、当該状態を検知しても良い。
なお、VCU103が機能しない状態とは、第1実施形態と同様に、VCU103が故障した状態の他、ECU1152がVCU103をオンオフ切換動作するためのスイッチング信号が送信されない又は当該スイッチング信号がVCU103に到達しない状態が含まれる。いずれの状態であっても、VCU103はECU1152が所望する動作を行わない。なお、本実施形態では、VCU103の少なくとも上アーム(ハイサイド)のスイッチング素子が常時オフとなるオープン故障した状態が、VCU103が故障した状態である。すなわち、強制的な直結状態が継続する状態を指す。
以下、VCU103が機能しない状態が発生した際のECU1152の制御について説明する。図12は、VCU103が機能しない状態が発生して第2実施形態のECU1152が放電制御を行った場合の高容量型バッテリES−Eと高出力型バッテリES−Pの各電圧の経時変化を示す図である。また、図13は、VCU103が機能しない状態が発生した際に第2実施形態のECU1152が行う処理の流れを示すフローチャートである。なお、図13に示されたステップに関して、第1実施形態と同一又は同等部分には同一符号又は相当符号を付して説明を簡略化又は省略する。
VCU103が機能する状態では、図12に示すように、ECU1152はVCU103,203を用いた電力分配制御を行っており、スイッチ部113の2つのコンタクタMCe,MCpはそれぞれ閉じられている。このとき、高容量型バッテリES−EのSOCは走行に伴い継続的に低下し、高出力型バッテリES−PのSOCは好適領域内の所定の中間値を維持するようその近傍で変動する。この状態で、VCU103が機能しない状態をECU1152が検知すると(ステップS101でYES)、ECU1152は、スイッチ部113における高容量型バッテリES−E側のコンタクタMCeを開く(ステップS103)。
次に、ECU1152は、高出力型バッテリES−P及び高容量型バッテリES−Eの各SOCを導出し(ステップS205)、高出力型バッテリES−PのSOCが好適領域の下限値Th1未満であるか否かを判断する(ステップS107)。高出力型バッテリES−PのSOCが下限値Th1未満であればステップS111に進み、下限値Th1以上であればステップS221に進む。
ステップS221では、ECU1152は、モータジェネレータ101が停止状態であれば、または、モータジェネレータ101に給電されていない状態であれば、高出力型バッテリES−P及び高容量型バッテリES−Eの各電圧及びVCU203が動作可能な電圧変換率に基づき、高出力型バッテリES−Pから高容量型バッテリES−Eに電力を移行可能か否かを判断する。すなわち、ECU1152は、図11に示すように高容量型バッテリES−Eから見たVCU203が降圧型ならば、高出力型バッテリES−Pの電圧をVCU203によって昇圧し、高容量型バッテリES−Eに入力できる。従って、ECU1152は、高出力型バッテリES−Pの電圧をVCU203が動作可能な最も高い変換率で変換した値が、高容量型バッテリES−Eの電圧よりも高ければ、高出力型バッテリES−Pから高容量型バッテリES−Eへの電力移行が可能と判断する。
なお、VCU203は前述した降圧型のみならず、昇圧型や昇降圧型であっても良い。VCU203が昇圧型の場合、ECU1152は、高出力型バッテリES−Pの電圧が、高容量型バッテリES−Eの電圧よりも高ければ、高出力型バッテリES−Pから高容量型バッテリES−Eへの電力移行が可能と判断する。
ステップS221において電力移行が可能と判断されるとステップS223に進み、電力移行が不可能と判断されるとステップS109に進む。ステップS223では、ECU1152は、高容量型バッテリES−E側のコンタクタMCeを閉じる。次に、ECU1152は、図14に示すように、高出力型バッテリES−Pから高容量型バッテリES−Eに電力が移行するようVCU203を制御する(ステップS225)。その結果、図12に示すように、高出力型バッテリES−PのSOCは低下し、高容量型バッテリES−EのSOCは増加する。次に、ECU1152は、高容量型バッテリES−E側のコンタクタMCeを開く(ステップS227)。
一方、ステップS109では、ECU1152は、高出力型バッテリES−Pのみから駆動部に電力を供給する図15に示す形態を継続する。その結果、図12に示すように、高出力型バッテリES−PのSOCは電動車両の走行に従い低下し、高容量型バッテリES−EのSOCは変化しない。なお、この状態で電動車両の減速時に得られた回生電力は、VCU203によってその電圧などが調整され高容量型バッテリES−Eが受け入れる。ステップS109又は上述したステップS227を行った後は、ステップS205に戻る。
ステップS111以降の処理は、第1実施形態の図6で説明した処理と同様である。すなわち、VCU103が機能しない状態でコンタクタMCpのみを開くと、図16に示すように、駆動部には高容量型バッテリES−Eのみから電力が供給される。その結果、図12に示すように、高容量型バッテリES−EのSOCは電動車両の走行に従い低下し、高出力型バッテリES−PのSOCは変化しない。その後、高容量型バッテリES−EのSOCが所定値Th2まで低下すると、スイッチ部113のコンタクタMCe,MCpがそれぞれ閉じられ、図17に示すように、駆動部には高出力型バッテリES−P及び高容量型バッテリES−Eの双方が電力を供給可能な状態となる。その結果、図12に示すように、電動車両の走行に従い、高出力型バッテリES−PのSOC及び高容量型バッテリES−EのSOCの少なくとも一方が低下する。なお、図17に示す形態では、VCU203が高容量型バッテリES−Eの出力電圧を高出力型バッテリES−Pの出力電圧と同レベルに変換することによって、高出力型バッテリES−P及び高容量型バッテリES−Eの双方が駆動部に電力を供給する。
本実施形態で説明した例でも、VCU103が機能しない状態において、スイッチ部113のコンタクタMCe,MCpを開いたり閉じたりする処理を行う基準として、各バッテリのSOCを用いているが、ECU1152は、各バッテリの出力電圧を基準に上記処理を行っても良い。この場合、ステップS107で高出力型バッテリES−Pの出力電圧と比較される下限値Th1は、容量劣化係数が所定値以下となる電圧の好適領域の下限値である。また、ステップS115で高容量型バッテリES−Eの出力電圧と比較される所定値Th2は、電動車両が所定値以上の速度で走行可能な駆動力をモータジェネレータ101が出力するために、高容量型バッテリES−Eが供給すべき電力を出力可能な電圧の最低値である。また、ステップS123で高出力型バッテリES−P及び高容量型バッテリES−Eの各出力電圧と比較される使用下限値は、各バッテリの放電終止電圧である。
また、本実施形態では、ECU1152は、VCU103が機能しない状態を検知するが、VCU203が機能しない状態を検知しても良い。VCU203が機能しない状態をECU1152が検知した場合であっても、高出力型バッテリES−PのSOCが好適範囲の下限値Th1に低下するまで、高容量型バッテリES−Eへの電力移行又は高出力型バッテリES−Pのみが駆動部に電力を供給する形態を実行し、高容量型バッテリES−Eのみが駆動部に電力を供給する形態を実行する。
以上説明したように、本実施形態では、高出力型バッテリES−Pの出力電圧を変換するVCU103が機能しない場合、高出力型バッテリES−PのSOCが好適領域の下限値Th1に低下するまでは、高出力型バッテリES−Pのみが駆動部に電力を供給するか、高出力型バッテリES−Pから高容量型バッテリES−Eへの電力移行を行う。このように、VCU103が機能しない状態となっても高出力型バッテリES−Pの電力は有効に利用され、高出力型バッテリES−Pのみの電力供給を行えば高出力型バッテリES−Pが駆動部に電力を供給する際の電動車両の航続可能距離の減少を抑制でき、電力移行を行えば高容量型バッテリES−Eが駆動部に電力を供給する際の電動車両の航続可能距離の減少を抑制できる。特に電力移行を行った電力は電圧と電流が制御不能な状態から、制御可能な状態に戻るため、その制御性が格別に向上する。
なお、下限値Th1は、好適領域におけるSOCの最小値であるため、高出力型バッテリES−Pのみが駆動部に電力を供給する際に、高出力型バッテリES−Pの劣化を抑制しつつ、駆動部への電力供給を最大限に行える。
また、高出力型バッテリES−Pのみの電力供給及び電力移行の双方が実行可能であれば電力移行が優先して行われる。駆動部に印加される電圧は調整可能である方が良く、高容量型バッテリES−Eからの電力供給であればVCU203によって電圧変換されるため、電力移行によって高出力型バッテリES−Pの電力を高容量型バッテリES−Eに移した方が、高出力型バッテリES−Pのみの電力供給を行うよりも好ましい。
また、電力移行の実行可否は、高出力型バッテリES−P及び高容量型バッテリES−Eの各電圧及びVCU203が動作可能な電圧変換率に基づき判定され、高出力型バッテリES−Pの電圧が、高容量型バッテリES−Eの電圧よりも高ければ、電力移行が実行可能と判定する。したがって、電力移行は、高出力型バッテリES−Pから高容量型バッテリES−Eへの電力移行が可能な場合に限って行われる。
また、VCU103が機能しない状態において、高出力型バッテリES−PのSOCが下限値Th1未満であっても、高容量型バッテリES−EのSOCが所定値Th2に低下するまでは、高容量型バッテリES−Eのみが駆動部に電力を供給する。このように、VCU103が機能しない状態において、駆動部への電力供給を高出力型バッテリES−Pが行った後には、高容量型バッテリES−Eが当該電力供給を行うことによって、電動車両の航続可能距離の減少をさらに抑制できる。
なお、所定値Th2は、電動車両が所定値以上の速度で走行可能な駆動力をモータジェネレータ101が出力するために、高容量型バッテリES−Eが供給すべき電力を出力可能なSOCの最低値であるため、高容量型バッテリES−Eからの駆動部への電力供給を最大限に行うことができる。その結果、電動車両は充分な距離を走行できる。
また、VCU103が機能しない状態において、高出力型バッテリES−PのSOCが下限値Th1未満であり、高容量型バッテリES−EのSOCが所定値Th2未満であっても、高出力型バッテリES−P及び高容量型バッテリES−Eの双方が駆動部に電力を供給可能である。このように、VCU103が機能しない状態において、駆動部への電力供給を高容量型バッテリES−Eが行った後には、高出力型バッテリES−P及び高容量型バッテリES−Eが可能な限り出力を駆動部に供給するため、電動車両の航続可能距離の減少を最大限に抑制できる。
また、VCU103が機能しない状態において、高出力型バッテリES−PのSOCが下限値Th1未満であり、高容量型バッテリES−EのSOCが所定値Th2未満であっても、VCU203が高容量型バッテリES−Eの出力電圧を高出力型バッテリES−Pの出力電圧と同レベルに変換することによって、高出力型バッテリES−P及び高容量型バッテリES−Eの双方が駆動部に電力を供給する。このように、VCU103が機能しない状態において、駆動部への電力供給を高容量型バッテリES−Eが行った後には、高出力型バッテリES−P及び高容量型バッテリES−Eが可能な限り出力を駆動部に供給するため、電動車両の航続可能距離の減少を最大限に抑制できる。
また、VCU103が機能する正常な状態では高容量型バッテリES−Eは回生電力を受け入れないため、高容量型バッテリES−Eの劣化を抑制できる。しかし、VCU103が機能しない状態では、駆動部が回生発電した電力を高容量型バッテリES−Eが受け入れるため、高容量型バッテリES−Eのみが駆動部に電力を供給する際の航続可能距離の減少を抑制できる。
このように、特性の異なる2つのバッテリを併用する電動車両において、一方のバッテリの出力電圧を変換するVCUが機能しない状態であっても、双方のバッテリの電力を使用できるため、電動車両の航続可能距離の減少を最大限に抑制できる。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。例えば、上記説明した電動車両は、1MOT型のEV(Electrical Vehicle)であるが、複数のモータジェネレータを搭載したEVであっても、少なくとも1つのモータジェネレータと共に内燃機関を搭載したHEV(Hybrid Electrical Vehicle)やPHEV(Plug-in Hybrid Electrical Vehicle)であっても、FCV(Fuel Cell Vehicle)であっても良い。
101 モータジェネレータ(MG)
103,203 VCU
105 PDU
107p,107e,107 電圧センサ
109p,109e 電流センサ
111 車速センサ
113 スイッチ部
115,1152 ECU
ES−E 高容量型バッテリ
ES−P 高出力型バッテリ
MCe,MCp コンタクタ

Claims (14)

  1. 第1蓄電器と、
    第2蓄電器と、
    前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の少なくとも一方から供給される電力により駆動する駆動部と、
    前記第1蓄電器の出力電圧を変換する第1変換部及び前記第2蓄電器の出力電圧を変換する第2変換部を含み、前記第1蓄電器と前記第2蓄電器と前記駆動部の間の電流経路を構成する充放電回路と、
    前記第1蓄電器の充電率又は出力電圧である第1変数を検出する第1検出部と、
    前記第1変換部が機能しない状態を検知する検知部と、
    前記充放電回路を介した前記第1蓄電器と前記第2蓄電器と前記駆動部の間の充放電を制御する制御部と、を備えた駆動装置であって、
    前記制御部は、
    前記第1変数と前記第1蓄電器の劣化因子との関係に基づき、前記検知部が前記状態を検知した場合は、前記劣化因子がしきい値以下となる好適領域内の第1所定値に前記第1変数が低下するまで、前記第1蓄電器のみが前記駆動部に電力を供給する第1制御及び前記第1蓄電器の電力を前記第2蓄電器に移す第2制御のいずれか一方を行うよう前記充放電回路を制御する、駆動装置。
  2. 請求項1に記載の駆動装置であって、
    前記制御部は、前記検知部が前記状態を検知した場合、
    前記第1制御の実行可否及び前記第2制御の実行可否を判定し、
    前記第1制御及び前記第2制御の双方が実行可能であれば、前記第1制御より前記第2制御を優先して行うよう前記充放電回路を制御する、駆動装置。
  3. 請求項2に記載の駆動装置であって、
    前記第2蓄電器の充電率又は出力電圧である第2変数を検出する第2検出部を備え、
    前記制御部は、前記第2制御の実行可否を、前記第1変数、前記第2変数及び前記第2変換部の変換率に基づき判定する、駆動装置。
  4. 請求項3に記載の駆動装置であって、
    前記制御部は、
    前記第2変換部が前記第2蓄電器の出力電圧に対する昇圧と降圧のうち昇圧が可能な場合は、前記第1変数に応じた前記第1蓄電器の出力電圧が、前記第2変数に応じた前記第2蓄電器の出力電圧よりも高ければ、前記第2制御が実行可能と判定し、
    前記第2変換部が前記第2蓄電器の出力電圧に対する昇圧と降圧のうち降圧が可能な場合は、前記第1変数に応じた前記第1蓄電器の出力電圧を前記第2変換部の最大の変換率で変換した値が、前記第2変数に応じた前記第2蓄電器の出力電圧よりも高ければ、前記第2制御が実行可能と判定する、駆動装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の駆動装置であって、
    前記第2蓄電器の充電率又は出力電圧である第2変数を検出する第2検出部を備え、
    前記制御部は、前記検知部が前記状態を検知した場合、前記第1変数が前記第1所定値未満であれば、前記第2変数が第2所定値に低下するまで、前記第2蓄電器のみが前記駆動部に電力を供給するよう前記充放電回路を制御する、駆動装置。
  6. 請求項5に記載の駆動装置であって、
    前記第2所定値は、前記駆動部が所定値以上の駆動力を出力可能な前記第2変数の最低値である、駆動装置。
  7. 請求項5又は6に記載の駆動装置であって、
    前記制御部は、前記検知部が前記状態を検知した場合、前記第1変数が前記第1所定値未満、かつ、前記第2変数が前記第2所定値未満であれば、前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の双方が前記駆動部に電力を供給可能であるよう前記充放電回路を制御する、駆動装置。
  8. 請求項5又は6に記載の駆動装置であって、
    前記制御部は、前記検知部が前記状態を検知した場合、前記第1変数が前記第1所定値未満、かつ、前記第2変数が前記第2所定値未満であれば、前記第2変換部が、前記第2蓄電器の出力電圧を、前記第1蓄電器の出力電圧と同レベルに変換し、前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の双方が前記駆動部に電力を供給するよう前記充放電回路を制御する、駆動装置。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の駆動装置であって、
    前記制御部は、前記検知部が前記状態を検知した場合、前記第2蓄電器における前記駆動部が回生発電した電力の受け入れ量を、前記検知部が前記状態を検知しない場合に比べて増大するよう前記充放電回路を制御する、駆動装置。
  10. 請求項9に記載の駆動装置であって、
    前記制御部は、前記検知部が前記状態を検知しない場合、前記駆動部が回生発電した電力を前記第2蓄電器が受け入れないよう前記充放電回路を制御する、駆動装置。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載の駆動装置であって、
    前記第1所定値は、前記好適領域における前記第1変数の最小値である、駆動装置。
  12. 請求項1から11のいずれか1項に記載の駆動装置であって、
    前記第1蓄電器は、前記第2蓄電器に比べて、出力重量密度が優れ、かつ、エネルギー重量密度が劣る、駆動装置。
  13. 請求項1から12のいずれか1項に記載の駆動装置を有する、輸送機器。
  14. 第1蓄電器と、
    第2蓄電器と、
    前記第1蓄電器及び前記第2蓄電器の少なくとも一方から供給される電力により駆動する駆動部と、
    前記第1蓄電器の出力電圧を変換する第1変換部及び前記第2蓄電器の出力電圧を変換する第2変換部を含み、前記第1蓄電器と前記第2蓄電器と前記駆動部の間の電流経路を構成する充放電回路と、
    前記第1蓄電器の充電率又は出力電圧である第1変数を検出する第1検出部と、
    前記第1変換部が機能しない状態を検知する検知部と、
    前記充放電回路を介した前記第1蓄電器と前記第2蓄電器と前記駆動部の間の充放電を制御する制御部と、を備えた駆動装置が行う制御方法であって、
    前記制御部は、
    前記第1変数と前記第1蓄電器の劣化因子との関係に基づき、前記検知部が前記状態を検知した場合は、前記劣化因子がしきい値以下となる好適領域内の第1所定値に前記第1変数が低下するまで、前記第1蓄電器のみが前記駆動部に電力を供給する第1制御及び前記第1蓄電器の電力を前記第2蓄電器に移す第2制御のいずれか一方を行うよう前記充放電回路を制御する、制御方法。
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