JP6596958B2 - 自在継手および該自在継手を備えたステアリング装置 - Google Patents

自在継手および該自在継手を備えたステアリング装置 Download PDF

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Description

本発明は、ステアリング装置等に用いられる自在継手、および該自在継手を備えたステアリング装置に関する。
従来、車両用電動パワーステアリング装置等において、トルク伝達可能に軸部材同士を連結するために、軸部材との嵌合部がセレーション加工され、ボルトの締め付け力によって該軸部材と結合される自在継手が用いられている。
図5(a)および図5(b)は、車両用電動パワーステアリング装置に用いられている従来の自在継手におけるヨーク120と軸部材との結合構造を示す断面図であり、図5(a)は締結ボルト締め付け前の状態を示し、図5(b)は締結ボルト締め付け後の状態を示している。
図5(a)に示すように、従来の自在継手においては、軸部材107の雄セレーション154の複数の歯155は円周方向に等ピッチで形成されている。また、ヨーク120の雌セレーション138の複数の歯139も円周上等配に、すなわち等ピッチで形成されている。これら軸部材107の雄セレーション154とヨーク120の雌セレーション138とは、ボルト挿通孔144に挿通された締結ボルト(図示省略)の締め付け前の状態においては、軸部材107とヨーク120とを同心に配置すると、雄セレーション154と雌セレーション138との隙間が、図5(a)に示すように、周方向の全周に亘って一定となるように形成されている。
ヨーク120は、締結ボルトを締め付ける際、雌セレーション138の中央軸線Cよりもボルト挿通孔144側すなわちスリット142側の部分(図5(b)の両方向矢印Aで示す範囲)が変形しにくく、中央軸線Cよりもスリット142とは反対側の部分(図5(b)の両方向矢印Bで示す範囲)が変形しやすい構造なので、締結ボルトを締め付けていくと、ヨーク120は不均等に変形する。したがって、締結ボルトの締め付けが完了した状態では、雄セレーション154の歯155と雌セレーション138の歯139とは、図5(b)に示すように、中心軸線Cを挟んでスリット142とは反対側の位置と、締結ボルト挿通孔144近傍の位置においては密着するが、中心軸線Cを挟んでボルト挿通孔144の延在方向に対向する位置では密着せず、雄セレーション154の歯155と雌セレーション138の歯139との間に隙間Sが残ってしまう。
また、締結ボルトの締め付けが完了した状態では、スリット142近傍の雌セレーション138の部分、すなわち図5(b)の○印に示す範囲の雌セレーション138の部分は、雄セレーション154との接触面に局部的に高い面圧が発生してしまう。つまり雌セレーション138の歯139の雄セレーション154の歯155との接触面に、平均応力の高い部分が発生してしまう。平均応力の高い雌セレーション138の部分は、その後のステアリング操作による繰り返しのトルク入力すなわち応力振幅により、局部的に雌セレーション138の歯139の異常磨耗が発生したり、歯139が破損したりする。
このような雌セレーション138の歯139の異常磨耗や歯139の破損を防止するために、特許文献1および2には、ヨークの軸部材嵌合孔の内周面に雌セレーション形成領域と雌セレーション非形成領域すなわち欠歯部とが設けられた自在継手が開示されている。
また、特許文献3には、軸部材である出力軸が、締め付けボルトよりも底部側の軸部材嵌合孔の部分に嵌合する第1の雄セレーションと、締め付けボルトよりも開口側の軸部材嵌合孔の部分に嵌合する第2の雄セレーションとを有し、第1の雄セレーションのモジュールが第2の雄セレーションのモジュールよりも大きく形成された自在継手が開示されている。
特開2012−193798号公報 実開昭52−169641号公報 特開2012−96681号公報
上記特許文献1および2のように、雌セレーションが形成されていない欠歯部を設けることによって雌セレーションの歯の異常磨耗および破損を防止することができるが、上記特許文献1および2のように、軸部材嵌合孔の軸方向全長に亘って欠歯部を設けると、ヨーク全体として、軸部材の雄セレーションと噛み合う歯数が少なくなってしまう。その結果、トルク伝達時に雌セレーションの歯1枚当たりに発生する接線力は、欠歯部を設けていない場合と比べて大きくなり、軸部材と噛み合っている雌セレーションの歯の磨耗が早まる虞がある。
また、特許文献3によれば、締め付けボルトよりも底部側の軸部材嵌合孔の部分に嵌合する第1の雄セレーションと、締め付けボルトよりも開口側の軸部材嵌合孔の部分に嵌合する第2の雄セレーションとの双方を、対応する雌セレーションにタイトに噛み合わせることができる。しかしながら、一般的にステアリングシャフトの雄セレーションは転造加工によって成形されるので、雄セレーションを軸方向に均一の形状にすることにより雄セレーションの精度が確保される。言い換えると、軸方向で雄セレーションの歯の形状が異なると、転造加工時に異なる形状の歯のそれぞれの部分に作用する加工応力が異なるものとなってしまう。その結果、転造加工の精度が低下してしまい、ヨークは出力軸との結合状態において、出力軸に対する所望の軸保持力を得られなくなってしまう可能性がある。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、ヨークが充分な軸保持力を備え、雌セレーションの歯の異常な磨耗および破損を防止し、耐久性能に優れた自在継手、および該自在継手を有するステアリング装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る自在継手は、十字軸と、前記十字軸を介して連結される一対のヨークとからなり、前記一対のヨークは、軸部材の外周面に形成された雄セレーションと噛み合う雌セレーションが内周面に形成され、前記軸部材が挿入される筒状の連結部をそれぞれ備え、前記一対のヨークの少なくとも一方の前記連結部は、外周面から前記内周面まで径方向に貫通し軸方向に延在するスリットを形成する一対の対向部を有し、ねじ部材によって前記一対の対向部を互いに近づく方向に変形させることにより前記軸部材と連結される自在継手において、前記雌セレーションは、前記連結部の中心軸線に関して前記スリットとは反対側で、複数の歯が等ピッチで形成された第1の周方向範囲と、前記第1の周方向範囲よりも前記スリット側で、前記第1の周方向範囲の複数の歯のピッチよりも大きいピッチで複数の歯が形成された第2の周方向範囲とを有していることを特徴とする。
また、本発明の好ましい態様は、前記第2の周方向範囲の前記複数の歯は、前記スリットに近づくに従い、ピッチが徐々に大きくなるように形成されていることを特徴とする。
また、本発明の好ましい態様は、前記第2の周方向範囲の前記複数の歯は、等ピッチで形成されていることを特徴とする。
また、本発明の好ましい態様は、前記第2の周方向範囲は、雌セレーションの周方向範囲のうち、少なくとも前記連結部の中心軸線よりも前記スリット側の半分の範囲であることを特徴とする。
また、本発明の好ましい態様は、前記ねじ部材によって前記一対の対向部を互いに近づく方向に変形させる前の状態において、前記軸部材と前記連結部とを同心に配置すると、前記雄セレーションと前記雌セレーションとの隙間は、前記連結部の中心軸線に関して前記スリットと対向する側の部分から、前記スリットに向かうに従い徐々に大きくなっていることを特徴とする。
また、本発明の好ましい態様は、前記連結部と前記軸部材とが連結された状態において、前記雌セレーションの前記複数の歯は、全てが前記雄セレーションの複数の歯と噛み合っていることを特徴とする。
また、本発明の好ましい態様は、前記ヨークは、鍛造により成形されていることを特徴とする。
また、本発明の好ましい態様は、前記ヨークは、冷間加工により成形されていることを特徴とする。
また、本発明の好ましい態様は、前記雌セレーションは、ブローチツールによって加工され、前記ブローチツールの刃は、円周方向に不等配のピッチで設けられていることを特徴とする。
また、本発明に係るステアリング装置は、上記の自在継手を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、ヨークが充分な軸保持力を備え、雌セレーションの歯の異常な磨耗および破損を防止し、耐久性能に優れた自在継手、および該自在継手を有するステアリング装置を提供することができる。
図1は実施形態に係る自在継手を備えたステアリング装置の全体構成を示す斜視図である。 図2は実施形態に係るアッパー側自在継手の側面図である。 図3は(a)は実施形態に係るアッパー側ヨークをアッパー側端面から見た状態を示し、図3(b)は図3(a)のb−b矢視図であり、図3(c)は図3(a)のc−c矢視図であり、図3(d)は図3(a)のd−d矢視図であり、図3(e)は図3(a)のe−e矢視図であり、図3(f)は図3(c)のf−f矢視図である。 図4(a)および図4(b)は、出力軸が挿入された状態における図3(c)に示すアッパー側ヨークのA−A矢視拡大断面図であり、図4(a)は締結ボルト締め付け前の状態を示し、図4(b)は締結ボルト締め付け後の状態を示している。 図5(a)および図5(b)は、電動パワーステアリング装置に用いられている従来の自在継手におけるヨークと軸部材との結合構造を示す断面図であり、図5(a)は締結ボルト締め付け前の状態を示し、図5(b)は締結ボルト締め付け後の状態を示している。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、本明細書中においては、ステアリング装置および自在継手に係る方向は、特に明記しない限り車体に取り付けられた状態における当該車体の前後、左右方向と同様とする。また、アッパー側と後方側とは同じ方向をいい、ロアー側と前方側とは同じ方向をいう。
図1は、本発明の実施形態に係るアッパー側自在継手を備えたステアリング装置の全体構成を示す斜視図である。本実施形態に係るステアリング装置は、ラックアンドピニオン式のコラムアシスト型電動パワーステアリング装置である。
図1に示すように、ステアリング装置100は、後方側端部にステアリングホイール1が装着されたステアリングシャフト2と、ステアリングシャフト2が内径側に回転自在に支持された筒状のステアリングコラム3と、ステアリングシャフト2の前方側端部に連結された操舵補助機構4とを備えている。
操舵補助機構4は、図示しないトルクセンサと、トルクセンサが検知した操舵トルクに応じて補助操舵トルクを発生する電動モータ5と、電動モータ5と連結されハウジング6Aに収容された減速機構6とを備え、電動モータ5で発生された補助操舵トルクを、減速機構6を介して操舵補助機構4の出力軸7に付与している。
ステアリングシャフト2は、アッパーシャフトであるアウタシャフト8とロアーシャフトであるインナシャフト9とを有し、アウタシャフト8とインナシャフト9とは、衝突時に全長を縮めることができる構造となっている。また、ステアリングコラム3は、アッパーコラムであるアウタコラム10とロアーコラムであるインナコラム11とをテレスコープ状に組み合わせてなり、軸方向の衝撃が加わった場合に、衝撃エネルギーを吸収しつつ全長が縮まるコラプシブル構造となっている。
ステアリングコラム3のアウタコラム10は、アッパー車体側ブラケット12Uによって車体側部材13にチルト位置およびテレスコピック位置調整可能に支持されている。また、減速機構6のハウジング6Aは、車体側部材13に取り付けられたロアー車体側ブラケット12Lに回転自在に設けられたピボット軸14pを中心として上下方向に回動可能に支持されている。
操舵補助機構4の出力軸7には、アッパー側自在継手15を介して中間シャフト16の後方端が連結されている。中間シャフト16の前方端は、ロアー側自在継手17を介してラックアンドピニオン式のステアリングギヤ機構18のピニオン軸19に連結されている。アッパー側自在継手15は、アッパー側のヨーク20とロアー側のヨーク22と、これら一対のヨーク20、22を連結する十字軸24とから構成されている。
ピニオン軸19は、上端部にロアー側自在継手17のロアー側のヨーク26が連結されている。ギヤハウジング18A内にはラック軸(図示省略)が車幅方向に移動可能に支持され、ピニオン軸19のピニオン(図示省略)がラック軸のラック歯(図示省略)と噛合している。ラック軸の両端部は、それぞれタイロッド28、28を介して図示しない転舵輪に連結されている。
ステアリング装置100はこのような構成なので、運転者がステアリングホイール1を回転操作すると、図示しないトルクセンサがステアリングシャフト2に加わる操舵トルクを検知し、検知した操舵トルクに応じて電動モータ5から発生された補助操舵トルクが減速機構6を介して出力軸7に伝達され、さらに中間シャフト16を介してピニオン軸19に伝達される。ピニオン軸19が回転すると、ピニオン軸19と噛合したラック軸(図示省略)が軸方向すなわち車幅方向に駆動され、タイロッド28、28に連結された左右の転舵輪が転舵される。
図2は、本発明の実施形態に係るアッパー側自在継手15の側面図である。
図3は、アッパー側自在継手15のアッパー側ヨーク20の6面図であり、図3(a)はアッパー側ヨーク20をアッパー側端面すなわちステアリングシャフト2の端面側から見た状態を示し、図3(b)は図3(a)のb−b矢視図であり、図3(c)は図3(a)のc−c矢視図であり、図3(d)は図3(a)のd−d矢視図であり、図3(e)は図3(a)のe−e矢視図であり、図3(f)は図3(c)のf−f矢視図である。
図4(a)および図4(b)は、出力軸7が挿入された状態における図3(c)に示すアッパー側ヨーク20のA−A矢視拡大断面図であり、図4(a)は締結ボルト締め付け前の状態を示し、図4(b)は締結ボルト締め付け後の状態を示している。
図2に示すように、本実施形態に係るアッパー側自在継手15は、アッパー側ヨーク20と、ロアー側ヨーク22と、これら一対のヨーク20、22を連結する十字軸24とから構成されている。アッパー側ヨーク20およびロアー側ヨーク22には、それぞれ操舵補助機構4の出力軸7および中間シャフト16が連結されている(図1参照)。
コラムアシスト型の電動パワーステアリング装置においては、自在継手15に入力されるトルクが大きいので、自在継手15のアッパー側ヨーク20は板材からのプレス成形品ではなく、冷間鍛造成形されたものを用いている。冷間鍛造成形の素材としては、炭素鋼鋳鋼材(SC材)等が用いられる。
図3の各図に示すように、アッパー側ヨーク20(以後、単に「ヨーク20」とも記載する。)は、操舵補助機構4の出力軸7の下端が差し込まれ締め付けられる筒状の連結部30と、連結部30のロアー側端部から連結部30の軸方向外方に延在し十字軸24を介してロアー側ヨーク22と連結される一対のアーム部32、32とを備えている。一対のアーム部32、32は、対向して配置された一対の板状部材であり、各アーム部32には十字軸24が支持される貫通孔34が形成されている。
ヨーク20の連結部30の内周面は円筒状に形成され、その内径側は出力軸7の下端が挿入され嵌合される嵌合孔36となっている。つまり、連結部30の内周面は嵌合孔36の周壁として嵌合孔36を形成している。嵌合孔36は、連結部30のアッパー側端からロアー側端まで貫通している。出力軸7は、連結部30のアッパー側端から嵌合孔36に挿入されている。連結部30の内周面すなわち嵌合孔36の周壁には、雌セレーション38が設けられている。なお、以後の説明においては、連結部30および嵌合孔36の方向について、アッパー側を「軸部材挿入側」といい、ロアー側を「アーム側」という。
連結部30の外周側の部分には、径方向に厚みを有し軸方向に延在して対向する一対の肉厚部40、40が設けられている。肉厚部40、40間に形成されるスリット42は、連結部30の外周面から嵌合孔36まで径方向に貫通し、連結部30の軸部材挿入側端からアーム側端近傍まで、軸方向に延在している。
図3(c)、図3(d)、および図4(a)に示すように、肉厚部40、40の軸部材挿入側端部近傍には、スリット42を横切る方向、すなわちスリット42が連結部30を貫通する径方向と直交し、且つ連結部30の軸方向と直交する方向に肉厚部40、40を貫通してボルト挿通孔44が形成されている。ボルト挿通孔44は、スリット42を交差して形成されている。ボルト挿通孔44には、締め付け用の締結ボルト45(図1参照)が挿通される。ボルト挿通孔44は、嵌合孔36のスリット42側の一部に開いている。すなわち、ボルト挿通孔44と嵌合孔36とは、図4(a)に示すように、互いに一部分が交差している。一方の肉厚部40の外側面には、図3(d)に示すように、ボルト45の頭部が当接する座ぐり50が設けられている。
図4(a)に示すように、出力軸7の外周面には雄セレーション54が形成されている。雄セレーション54の複数の歯55は、円周方向に等ピッチで形成されている。ボルト挿通孔44に挿入された締結ボルト45(図1参照)を締め付けることにより、一対の肉厚部40、40が互いに近づく方向に連結部30が締め付けられ、嵌合孔36に挿入された出力軸7(図1参照)の雄セレーション54の複数の歯55と嵌合孔36の雌セレーション38の複数の歯39とが噛み合い、これにより、出力軸7と連結部30とが連結される。
本実施形態においては、上述したように雄セレーション54の複数の歯55は、円周方向に等ピッチで形成されている。これに対し、ヨーク20の雌セレーション38の複数の歯39は、円周方向に不等配に形成されている。すなわち、雌セレーション38の複数の歯39は全周に亘って等ピッチには形成されていない。
連結部30を軸方向から見て、スリット42の中心線、すなわち嵌合孔36の中心軸線Cを通りスリット42を径方向に貫通して延在する直線を直線Tとし、締結ボルト挿通孔44の中心軸線をDとし、中心軸線Dと平行で、嵌合孔36の中心軸線Cおよび直線Tと直交する直線を直線Eとすると、雌セレーション38は、図4(a)の矢印Fで示す範囲、すなわち直線Eと雌セレーション38のピッチ円との2つの交点Q1、Q2よりもスリット42側の周方向範囲の歯39のピッチが、残りの周方向範囲の歯39のピッチよりも大きく形成されている。具体的には、雌セレーション38は、交点Q1、Q2からスリット42に向かうに従い、歯39のピッチが徐々に大きくなるように形成されている。なお、交点Q1、Q2よりも、中心軸線Cを挟んでスリット42と対向する側、すなわちスリット42とは反対側の雌セレーション38の部分は、歯39は等ピッチで形成されている。
このように、雌セレーション38は、周方向範囲のうち、中心軸線Cよりもスリット42側の半分の部分の歯39のピッチが、残りの周方向範囲の歯39のピッチよりも大きい構成なので、締結ボルト45を締め付ける前の状態においては、出力軸7とヨーク20とを同心に配置すると、雄セレーション54と雌セレーション38との隙間は、図4(a)に示すように、周方向の全周に亘って一定とはならない。具体的には、雄セレーション54と雌セレーション38との隙間は、中心軸線Cを挟んでスリット42と対向する側の部分から、何れの周方向においても、スリット42に向かうに従い徐々に大きくなっている。
この状態からボルト45を締め付け、出力軸7と連結部30とを連結させてゆく。背景技術の欄でも説明したが、ヨーク20は、雌セレーション38の中央軸線Cよりもスリット42側の部分(図5(b)の両方向矢印Aを参照)が変形しにくく、中央軸線Cよりもスリット42とは反対側の部分(図5(b)の両方向矢印Bを参照)が変形しやすい構造となっている。したがって、締結ボルト45を締め付けていくと、ヨーク20は不均等に変形する。本実施形態においては、締結ボルト45の締め付け前の状態において、雄セレーション54と雌セレーション38との隙間がスリット42に近づくに従って大きくなっているので、締結ボルト45の締め付けが完了した状態では、図4(b)に示すように、雄セレーション54の複数の歯55と雌セレーション38の複数の歯39との隙間が全周に亘って無くなり、全周に亘って雄セレーション54の歯55と雌セレーション38の歯39とが密着して噛み合う状態となる。
つまり、本実施形態においては、ヨーク20の雌セレーション38は、締結ボルト45を締め付けた状態において、全ての歯39が、出力軸7の雄セレーション54の歯55と密着して噛み合う大きさに形成されている。
なお、このような複数の歯39を備えた雌セレーション38は、図示しないブローチツールによって加工される。当該ブローチツールの刃は、雌セレーション38の複数の歯39のピッチに対応して、円周方向に不等配のピッチで設けられている。
このように、本実施形態に係る自在継手15は、締結ボルト45の締め付けが完了した状態において、全周に亘って雄セレーション54の歯55と雌セレーション38の歯39とが密着して噛み合う状態となるので、雌セレーション38の雄セレーション54との接触面の面圧は、全周に亘って均等に分散され、一定となる。つまり、雌セレーション38は、雄セレーション54との接触面において局部的に高い面圧が発生することがない。したがって、雌セレーション38は、雄セレーション54との接触面における平均応力が低減され、その後のステアリング操作による繰り返しのトルク入力すなわち応力振幅に起因する雌セレーション38の歯39の破損を防止することができる。言い換えると、雌セレーション38に関して、グッドマン線図上の平均応力を下げることにより、ステアリング操作による繰り返しのトルク入力すなわち応力振幅に対する雌セレーション38の破損に至るまでの疲れ限度に余裕ができることとなる。その結果、自在継手15の耐久性能を向上することができる。
また、本実施形態に係る自在継手15は、出力軸7の雄セレーション54の歯55は軸方向に均一の形状に形成されているので精度良く形成することができ、さらに締結ボルト45の締め付けが完了した状態において、全周に亘って雄セレーション54の歯55と雌セレーション38の歯39とが密着した噛み合い状態となるので、ヨーク20は充分な軸保持力を備えることができる。
このように、本実施形態によれば、ヨークが充分な軸保持力を備え、雌セレーション歯の異常な磨耗および破損を防止し、耐久性能に優れた自在継手、および該自在継手を有するステアリング装置を実現することができる。
なお、上記実施形態においては、雌セレーション38は、交点Q1、Q2からスリット42に向かうに従い、歯39のピッチが徐々に大きくなるように形成したが、交点Q1、Q2よりもスリット42側の範囲の歯39のピッチを等ピッチとしても良い。すなわち、交点Q1、Q2よりもスリット42側の範囲の歯39のピッチを、残りの範囲の歯39のピッチよりも大きい値で等ピッチに形成しても良い。このような構成としても、上記実施形態と同様の効果を発揮することができる。
また、上記実施形態においては、雌セレーション38は、周方向範囲のうち、中心軸線Cよりもスリット42側の半分の範囲の歯39のピッチを、残りの範囲の歯39のピッチよりも大きい構成としたが、歯39のピッチを大きく形成する範囲は、少なくとも上記実施形態の範囲、すなわちスリット42側の半分の部分であれば良く、これよりも大きい範囲であっても良い。
また、雌セレーション38は、上記交点Q1、Q2よりもスリット42側の範囲の歯39を、他の部分の歯39よりもモジュールを大きくして形成しても良い。すなわち、交点Q1、Q2よりもスリット42側の範囲の歯39の大きさを、他の部分の歯39の大きさよりも大きく形成しても、上記実施形態と同様の効果を発揮することができる。
また、上記実施形態においては、出力軸7に連結するアッパー側自在継手15のアッパー側のヨーク20に本発明を適用したが、本発明は、アッパー側自在継手15のロアー側ヨーク20に適用することもできるし、ロアー側自在継手17に適用することもできる。
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト
3 ステアリングコラム
4 操舵補助機構
5 電動モータ
6 減速機構
6A ハウジング
7 出力軸
8 アウタシャフト
9 インナシャフト
10 アウタコラム
11 インナコラム
12U アッパーブラケット
12L ロアーブラケット
13 車体側部材
14P ピボット軸
15 アッパー側自在継手
16 中間シャフト
17 ロアー側自在継手
18 ステアリングギヤ機構
18A ギヤハウジング
19 ピニオン軸
20 アッパー側ヨーク
22 ロアー側ヨーク
24 十字軸
28 タイロッド
30 連結部
32 アーム部
34 貫通孔
36 嵌合孔
38 雌セレーション
39 雌セレーションの歯
40 肉厚部
42 スリット
44 ボルト挿通孔
45 締結ボルト
50 座ぐり
54 雄セレーション
55 雄セレーションの歯
100 ステアリング装置

Claims (10)

  1. 十字軸と、
    前記十字軸を介して連結される一対のヨークとからなり、
    前記一対のヨークは、軸部材の外周面に形成された雄セレーションと噛み合う雌セレーションが内周面に形成され、前記軸部材が挿入される筒状の連結部をそれぞれ備え、
    前記一対のヨークの少なくとも一方の前記連結部は、外周面から前記内周面まで径方向に貫通し軸方向に延在するスリットを形成する一対の対向部を有し、ねじ部材によって前記一対の対向部を互いに近づく方向に変形させることにより前記軸部材と連結される自在継手において、
    前記雌セレーションは、前記連結部の中心軸線に関して前記スリットとは反対側で、複数の歯が等ピッチで形成された第1の周方向範囲と、前記第1の周方向範囲よりも前記スリット側で、前記第1の周方向範囲の複数の歯のピッチよりも大きいピッチで複数の歯が形成された第2の周方向範囲とを有していることを特徴とする自在継手。
  2. 前記第2の周方向範囲の前記複数の歯は、前記スリットに近づくに従い、ピッチが徐々に大きくなるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の自在継手。
  3. 前記第2の周方向範囲の前記複数の歯は、等ピッチで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の自在継手。
  4. 前記第2の周方向範囲は、雌セレーションの周方向範囲のうち、少なくとも前記連結部の中心軸線よりも前記スリット側の半分の範囲であることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の自在継手。
  5. 前記ねじ部材によって前記一対の対向部を互いに近づく方向に変形させる前の状態において、前記軸部材と前記連結部とを同心に配置すると、前記雄セレーションと前記雌セレーションとの隙間は、前記連結部の中心軸線に関して前記スリットと対向する側の部分から、前記スリットに向かうに従い徐々に大きくなっていることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の自在継手。
  6. 前記連結部と前記軸部材とが連結された状態において、前記雌セレーションの前記複数の歯は、全てが前記雄セレーションの複数の歯と噛み合っていることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の自在継手
  7. 前記ヨークは、鍛造により成形されていることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の自在継手。
  8. 前記ヨークは、冷間加工により成形されていることを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の自在継手。
  9. 前記雌セレーションは、ブローチツールによって加工され、前記ブローチツールの刃は、円周方向に不等配のピッチで設けられていることを特徴とする請求項1から8の何れか一項に記載の自在継手。
  10. 請求項1から9の何れか一項に記載の自在継手を備えたことを特徴とするステアリング装置。
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