JP6596756B2 - 鞍乗り型車両 - Google Patents

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Description

本発明は、鞍乗り型車両に関する。
従来、ABSモジュレータおよびバッテリが、シートステーの近傍に配置された鞍乗り型車両がある(例えば、特許文献1参照)。ABSモジュレータは車幅方向の一側に配置され、バッテリは車幅方向の他側に配置されている。
特開2005−145287号公報
ところで、車両のマスの集中の観点から、重量のあるABSモジュレータおよびバッテリはより車体中心に近付けて配置することが求められている。また、特に鞍乗り型車両においては、ABSモジュレータが外乱の影響を受け難くしながらも、メンテナンス性を考慮した配置が求められている。
そこで本発明は、ABSモジュレータおよびバッテリの効率のよい配置を実現することができる鞍乗り型車両を提供する。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、車体骨格をなす車体フレーム(10)と、車載電源であるバッテリ(71)と、ABS制御を行うABSモジュレータ(51)と、を備え、前記車体フレーム(10)は、前部に位置するヘッドパイプ(11)と、前記ヘッドパイプ(11)から車体後方に延出するメインフレーム(12)と、前記メインフレーム(12)の後部から車体下方に延出するセンターフレーム(14)と、前記メインフレーム(12)およびセンターフレーム(14)の少なくとも一方から車体後方に延出するシートレール(15)と、前記センターフレーム(14)と前記シートレール(15)とをつなぐサブフレーム(16)と、を備える鞍乗り型車両(1)において、前記センターフレーム(14)、シートレール(15)およびサブフレーム(16)に囲まれる領域(R1)内に、前記ABSモジュレータ(51)およびバッテリ(71)が配置され、前記ABSモジュレータ(51)は、支持フレーム(55)を介して前記車体フレーム(10)に支持され、前記支持フレーム(55)は、車幅方向で前記ABSモジュレータ(51)の最外側部(52a)よりも突出する突出部(65)を有し、前記ABSモジュレータ(51)の後方に、前記バッテリ(71)を収納するバッテリボックス(72)を備え、前記バッテリボックス(72)は、前記支持フレーム(55)に係止されるフレーム係止部(77b)を有している。
請求項2に記載した発明は、前記ABSモジュレータ(51)の後方に、前記バッテリ(71)を収納するバッテリボックス(72)を備え、前記バッテリボックス(72)は、前記ABSモジュレータ(51)の後方を覆う壁部(78)を備えている。
請求項3に記載した発明は、前記ABSモジュレータ(51)は、前記車体フレーム(10)の内側でサスペンション部品(8)の車幅方向一側に配置され、前記サスペンション部品(8)の車幅方向他側には、エンジン(30)の排気系部品(35)が配置されている。
請求項4に記載した発明は、前記ABSモジュレータ(51)は、エンジン(30)のシリンダ(32)の上端よりも下方に配置されている。
請求項5に記載した発明は、前記バッテリボックス(72)は、下方に延出して前記ABSモジュレータ(51)の後方を覆う壁部(78)と、前方に延出して前記ABSモジュレータ(51)の上方に至る前方延出部(77)と、を備え、前記ABSモジュレータ(51)は、前記壁部(78)と前記前方延出部(77)とで囲まれる凹部(79)内に配置されている。
請求項1に記載した発明によれば、センターフレーム、シートレールおよびサブフレームで囲まれる領域内に、大型かつ重量のあるバッテリおよびABSモジュレータを配置することで、効率のよい部品レイアウトを実現することができる。また、前記領域は車体中心に近いことから、重量物の配置によりマスの集中を図ることができる。また、センターフレーム、シートレールおよびサブフレームによって、ABSモジュレータおよびバッテリに外乱が及び難くすることができる。
また、ABSモジュレータ51の支持フレーム55がABSモジュレータ51よりも車幅方向外側に突出する突出部を有することで、例えば転倒時の衝撃や接地等、車幅方向外側からの外乱がABSモジュレータ51に及び難く、ABSモジュレータ51の保護性を高めることができる。
また、車体フレーム10に固定される支持フレーム55にバッテリボックス72が係止されることで、バッテリボックス72の車体フレーム10への固定部を削減して構造の簡素化を図ることができる。
請求項2に記載した発明によれば、ABSモジュレータに対する後方からの被水等を抑え、ABSモジュレータの保護性をより高めることができる。
請求項3に記載した発明によれば、ABSモジュレータ51が車体フレーム10の内側に配置されるので、転倒時の衝撃等の外乱が及び難く、ABSモジュレータ51の保護性をより高めることができる。また、ABSモジュレータ51が乗員の身体にも当たり難くなり、居住性を良好にすることができる。
また、車幅方向でサスペンション部品を挟んだ一側にABSモジュレータ51が配置され、他側に排気系部品が配置されるため、車幅方向の重量バランスを良好にすることができる。
請求項4に記載した発明によれば、ABSモジュレータ51の配置位置を下げることで、低重心化に寄与することができる。
請求項5に記載した発明によれば、ABSモジュレータ51がバッテリボックス72の壁部と前方延出部77とで囲まれるため、ABSモジュレータ51の保護性をより高めることができる。

本発明の実施形態における自動二輪車の左側面図である。 上記自動二輪車の後面図である。 上記自動二輪車の要部を示す左側面図である。 図3のIV−IV断面図である。 図3のV−V断面図である。 上記自動二輪車のバッテリボックスの左側面図である。 上記バッテリボックスの前部の斜視図である。 上記バッテリボックスの斜視図である。 上記自動二輪車の燃料供給装置の説明図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ以下に説明する車両における向きと同一とする。また以下の説明に用いる図中適所には、車両前方を示す矢印FR、車両左方を示す矢印LH、車両上方を示す矢印UP、車体左右中心を示す線CLが示されている。
<車両全体>
図1に示す自動二輪車(鞍乗り型車両)1において、車体骨格をなす車体フレーム10は、複数種の鋼材を溶接等により一体に結合して形成されている。車体フレーム10は、前端部に位置して前輪懸架系2を操向可能に支持するヘッドパイプ11と、ヘッドパイプ11から下後方へ斜めに延びるメインフレーム12と、メインフレーム12の下方でメインフレーム12よりも急傾斜をなしてヘッドパイプ11から下後方へ斜めに延びるダウンフレーム13と、メインフレーム12の後部から左右に分岐して下方へ延びて後輪懸架系5のリアスイングアーム7の前端部を上下揺動可能に支持する左右一対のセンターフレーム14と、左右センターフレーム14の上部(又はメインフレーム12の後部)から後方へ延びる左右一対のシートレール15と、左右センターフレーム14の下部から上後方へ斜めに延びて左右シートレール15の後部を支持する左右一対のサブフレーム16と、ダウンフレーム13の下部から左右に分岐して後方へ延びて左右センターフレーム14の下部に接続される左右一対のロアフレーム17と、を備えている。左右センターフレーム14と左右ロアフレーム17とは、例えば連続する鋼管で一体形成されている。なお、メインフレーム12、左右センターフレーム14、ダウンフレーム13および左右ロアフレーム17の何れが相互に一体又は別体であるかは問わない。
図中符号3は前輪、符号4は前輪懸架系2に取り付けられる操向用のバーハンドル、符号6は後輪、符号8は後輪懸架系5のリアクッション、符号30は自動二輪車1の走行用の原動機として車体フレーム10に支持されるエンジン(内燃機関)、符号19は左右シートレール15上に支持される乗員着座用のシート、符号20はシート19の前方でメインフレーム12に支持されてエンジン30の燃料を貯留する燃料タンク、符号21は車体前部を覆うフロントカウル、符号22は車体側面を覆うサイドカバー、符号23は車体後部側面を覆うリアサイドカバー、をそれぞれ示す。
<エンジン>
エンジン30は、クランクシャフト(不図示)の回転中心軸線(クランク軸線)を左右方向(車幅方向)に沿わせた空冷単気筒エンジンである。エンジン30は、クランクケース31の前部上端にシリンダ32を前傾姿勢で起立させている。エンジン30は、ガソリンの他に、エタノール又はガソリンとエタノールとの混合燃料(エタノール燃料と総称する。)を用いて運転可能である。すなわち、自動二輪車1は、複数種の燃料による走行が可能なフレキシブル・フューエル・ビークル(FFV)である。
シリンダ32は、クランクケース31側から順に、シリンダ本体32a、シリンダヘッド32b及びヘッドカバー32cを有している。シリンダ本体32a内にはピストン(不図示)が嵌装され、このピストンの往復動がクランクケース31内の前記クランクシャフトの回転動に変換される。クランクシャフトの回転動力は、クランクケース31後部内のクラッチ及びトランスミッション(何れも不図示)を介して、クランクケース31後部左側に出力される。出力された回転動力は、チェーン式伝動機構9を介して後輪6に伝達される。
図4、図9を参照し、シリンダヘッド32bの後側(吸気側)には、スロットルボディ33を含む吸気通路33Bの下流側が接続されている。シリンダヘッド32bの前側には、排気管35の上流側が接続されている。排気管35は、シリンダ32の周囲で適宜湾曲して右側方へ取り回され、車体右側を後方へ延びる。図1、図2を参照し、車体後部右側には、排気管35が接続されるサイレンサ35aが配置されている。
図中符号33aは吸気通路33Bの上流側が接続されるエアクリーナボックス、符号33cはスロットルボディ33とエアクリーナボックス33aとを接続するコネクティングチューブ、をそれぞれ示す。エアクリーナボックス33aは、センターフレーム14、シートレール15およびサブフレーム16で囲まれた側面視三角形状の領域R1(図1参照)内に配置されている。
<燃料供給装置>
図9に示すように、自動二輪車1は、燃料タンク20、燃料ポンプモジュール28、インジェクタ(燃料噴射弁)34等を含んで燃料供給装置29を構成している。
燃料タンク20の燃料は、燃料タンク20内の燃料ポンプモジュール28に吸入され、下流側へ吐出される。燃料ポンプモジュール28は、例えば筒状のケース28aと、ケース28a内に導入した燃料を吸入して下流側に圧送するポンプ本体(不図示)と、ポンプ本体の上流側で燃料を濾過する第一燃料フィルタ(一次フィルタ、不図示)と、ポンプ本体から吐出される燃料の圧力を所定圧力に調整するプレッシャレギュレータ(不図示)と、を備えている。燃料ポンプモジュール28は、燃料タンク20内の燃料に浸漬されることで、ケース28a内に燃料タンク20内の燃料を導入する。
燃料ポンプモジュール28の吐出部に接続される燃料配管には、第二燃料フィルタ(二次フィルタ41)が配置されている。燃料ポンプモジュール28から吐出された燃料は、二次フィルタ41に導入されてさらに濾過された後、インジェクタ34へ供給される。インジェクタ34は、ECU(Electric Control Unit)に作動制御され、スロットルセンサ等の出力に応じて吸気通路33Bへ燃料を噴射する。例えば、ECUは、不図示の排気ガスセンサ(O2センサ)の出力等に基づいて、理論空燃費運転となるよう燃料噴射量をフィードバック制御する。
ここで、燃料噴射量のフィードバック制御に関連して、混合燃料を一時的に貯留するサブタンク(混合室、燃料供給系部品)を設けることがある。サブタンクは、燃料タンク20の下流側で燃料配管の途中に介設され、燃料貯留部として機能する。燃料タンク20から独立した燃料貯留部としてのサブタンクを設けることで、給油直前の燃料と異なる燃料組成の燃料が給油された場合でも、給油前後の燃料の混合が緩やかに行われる。これにより、インジェクタ34に供給する燃料が、給油直前の燃料から異なる種類の燃料に急激に変化することを回避し、フィードバック制御を追従しやすくする。
燃料ポンプモジュール28は、ケース28a内にある程度の燃料を溜めた状態を維持することで、上記サブタンクとしての機能も果たす。また、燃料配管に余長を持たせることで、燃料配管も前記サブタンクとしての機能を果たす。
<二次フィルタ>
二次フィルタ41は、燃料タンク20の外部に配置されている。二次フィルタ41は、燃料タンク20等から分離、独立して車体に配置されるので、メンテナンスが容易であり、かつフィルタ容量を大きくして燃料脈動を減衰しやすい。例えば、二次フィルタ41は、一次フィルタよりも小さい異物を濾過可能なものである。二次フィルタ41は、エタノール燃料等における水溶性の微小異物を確実に濾過可能としている。
図2、図3を参照し、二次フィルタ41は、例えば円筒状のケース42の上端部に、前方かつ車幅方向外側に向けて斜めに延びる第一ノズル43を備えている。第一ノズル43には、L字状の第一ジョイント44の一端側が接続されている。第一ジョイント44の他端側は、上方を指向して延び、この他端側に、燃料ポンプモジュール28の吐出部から延びる第一燃料ホース45が接続されている。
二次フィルタ41は、樹脂製のケース42内に不織布等からなるフィルタ本体(付図示)を収容してなる。第一ノズル43からケース42内に導入された燃料は、フィルタ本体を通過してろ過された後、ケース42の下端部から下方に延びる第二ノズル46からケース42外に導出される。
第二ノズル46には、L字状のホースアダプタ47の一端側が接続されている。ホースアダプタ47の他端側は、前方かつ車幅方向外側を指向して斜めに延びるアダプタノズル47aとされている。アダプタノズル47aには、L字状の第二ジョイント48の一端側が接続されている。第二ジョイント48の他端側は、上方を指向して延び、この他端側に、第二燃料ホース49の一端が接続されている。第二燃料ホース49は、吸気通路33Bの左側方を上方へ延び、吸気通路33Bの上方で下方へ折り返して、スロットルボディ33の上部に配置されたインジェクタ34に他端を接続する。
ホースアダプタ47の一端側には、斜め上方を指向して延びる分岐ノズル47bが設けられている。分岐ノズル47bには、余剰燃料を燃料タンク20へ戻す第三燃料ホース47cが接続されている。各燃料ホース(燃料配管)は、ゴム等の可撓性を有する素材からなり、余長をもって配置されている。燃料配管が可撓性をもつことで、燃料噴射量が比較的多いエタノール燃料を用いる際の脈動を抑え易くなる。また、燃料配管が可撓性をもち、かつ余長をもつことで、燃料配管を取り外すことなく撓ませるのみで、燃料供給部品を移動可能となり、燃料供給系部品または周辺部品のメンテナンス作業を容易にする。
二次フィルタ41は、中心軸線を上下方向に沿わせるように配置されている。二次フィルタ41は、左センターフレーム14の車幅方向内側に隣接して配置されている。二次フィルタ41は、車両側面視で少なくとも一部がセンターフレーム14と少なくとも一部が重なるように配置されている。センターフレーム14後方の領域(側面視でセンターフレーム14、シートレール15およびサブフレーム16に囲まれる側面視三角形状の領域R1)は、サイドカバー22により車幅方向外側から覆われている。なお、図3〜図5では左サイドカバー22の図示を略している。
二次フィルタ41は、後述するバッテリボックス72のフィルタ保持部77cに対し、車両前方から車両前後方向に沿うように着脱される。二次フィルタ41に直接または間接的に取り付くジョイント44,48は、車両前方を指向し、車両前方から着脱される。センターフレーム14の前方には、エンジン30のクランクケース31の上方かつシリンダ32の後方に形成された空間K1が位置しており、この空間K1に二次フィルタ41の少なくとも一部が配置されている。これにより、二次フィルタ41の外側方にセンターフレーム14が配置され、二次フィルタ41後方の領域R1がサイドカバー22に覆われる構成であっても、二次フィルタ41を車両前方から着脱しやすくなる。
二次フィルタ41は、燃料タンク20の後部の下方に位置し、スロットルボディ33の左側方に配置されている。スロットルボディ33を含む吸気通路33Bは、車体左右中心に対して全体的に右側方に偏って配置されている。
<ABSモジュレータ>
自動二輪車1は、アンチロックブレーキシステム(「Anti-lock Brake System」、以下、「ABS」という。)を採用している。
例えば、前後輪ブレーキの各々のキャリパ(不図示)は、ABS制御を行うABSモジュレータ51を介して、前後輪ブレーキの各々のマスターシリンダ(不図示)に接続されている。各マスターシリンダは、ブレーキレバーおよびブレーキペダル等のブレーキ操作子の操作によって、ブレーキ液に液圧を発生させる。なお、ABSモジュレータ51は、前後輪ブレーキに対応した2チャンネル式に限らず、例えば前輪ブレーキのみに対応した1チャンネル式であってもよい。
図3、図5を参照し、ABSモジュレータ51は、ブレーキ液の給排を制御するためのバルブおよびアクチュエータ等を含む液圧回路部52と、液圧回路部52の作動制御を行う制御部53と、を一体に備えている。図中符号C1はアクチュエータの駆動モータの中心軸線を示す。ABSモジュレータ51は、左センターフレーム14の後方に配置され、支持フレーム55を介して車体フレーム10に支持されている。
ABSモジュレータ51を支持する支持フレーム55は、複数種の鋼材を一体に接合してなる。支持フレーム55は、側面視で前方に開放するU字状をなす外ビーム56と、外ビーム56の後部から車幅方向内側に延びた後に側面視で外ビーム56と重なるように下方および前方に屈曲して延びる内ビーム57と、車両上下方向と略直交する板状をなして外内ビーム56,57の前下部間に固定される下支持板58と、車両前後方向と略直交する板状をなして外内ビーム56,57の後部間に固定される後支持板59と、を備えている。外内ビーム56,57は小径棒状の鋼材からなり、下後支持板58,59は鋼板からなる。
外ビーム56の上部は、前上がりに傾斜するとともに下部よりも前方へ延出している。外ビーム56の上部の前端部には、上締結ブラケット61が固定されている。上締結ブラケット61は、左センターフレーム14に固定された上支持ブラケット61aに締結される。上締結ブラケット61は、車幅方向に沿うボルトB1によって、上支持ブラケット61aに車幅方向外側から締結される。
外ビーム56の下部の前端部には、下締結ブラケット62が固定されている。下締結ブラケット62は、左センターフレーム14に固定された下支持ブラケット62aに締結される。下締結ブラケット62は、車幅方向に沿うボルトB2によって、下支持ブラケット62aに車幅方向外側から締結される。
内ビーム57の下部の前端部には、下内締結ブラケット63が固定されている。下内締結ブラケット63は、車体フレーム10における左右センターフレーム14の間に渡るクロスフレーム18に固定された下内支持ブラケット(不図示)に締結される。下内締結ブラケット63は、概ね車両上下方向に沿うボルトB3によって、前記下内支持ブラケットに支持される。
以上の三箇所の締結によって、支持フレーム55が車体フレーム10に支持されている。各締結部による支持箇所の何れかは、ラバーブッシュを介したラバーマントとしてもよい。下締結ブラケット62および下内締結ブラケット63は、下支持板58の両側部に一体形成されてもよい。
下支持板58には、ABSモジュレータ51の液圧回路部52の下部が、概ね車両上下方向に沿うボルトB4を下方から締結することで支持されている。
後支持板59には、ABSモジュレータ51の液圧回路部52の後部が、概ね車両前後方向に沿うボルトB5を後方から締結することで支持されている。
以上の二箇所の締結によって、ABSモジュレータ51が支持フレーム55に支持されている。各締結部による支持箇所の何れかは、ラバーブッシュを介したラバーマントとしてもよい。ABSモジュレータ51と支持フレーム55とは、一体の小組体として車体フレーム10に対して着脱可能である。これにより、ABSモジュレータ51および支持フレーム55の組み付け性を向上させることができる。
ABSモジュレータ51および支持フレーム55の車体への組み付け状態において、支持フレーム55の後支持板59は、ABSモジュレータ51の車幅方向の最外側部52aよりも車幅方向外側に突出する外側屈曲部65を有している。これにより、例えば転倒時の衝撃等、車幅方向外側からの外乱がABSモジュレータ51に及び難くなる。
ABSモジュレータ51は、バッテリ71と二次フィルタ41との間に配置されている。ABSモジュレータ51は、車体フレーム10の左右フレーム部材の内側で、リアクッション8の車幅方向一側に配置されている。リアクッション8は、車体左右中心を左右に跨いで配置されている。リアクッション8の車幅方向他側には、排気管35が配置されている。ABSモジュレータ51は、エンジン30のシリンダ32(ヘッドカバー32c)の上端よりも下方に配置されている。
<バッテリボックス>
図6〜図8は、車体後部左側に配置されたバッテリボックス72を示す。
図3を併せて参照し、バッテリボックス72は、ABSモジュレータ51の後上方に、車幅方向外側に開放する箱状をなすボックス本体73を配置している。ボックス本体73は、車載電源であるバッテリ71をほぼ整合状態で収納する中空の直方体状をなしている。ボックス本体73の車幅方向外側の開放部分には、バッテリ71を収納位置に保持するバッテリ押さえ74が着脱可能に取り付けられている。
バッテリボックス72は、ボックス本体73の後方に延出する後方延出部75を有している。後方延出部75は、車幅方向外側に種々の電装部品の一部を保持する電装部品保持部として機能する。種々の電装部品としては、例えばレギュレータ等の充電系部品、点火コイル等の点火系部品、スタータリレー等の始動系部品、各種カプラ、ハーネス、フューズ等の配線部品、等が挙げられる。後方延出部75の車幅方向外側には、電装部品配置スペースを車幅方向外側から覆うようにリアサイドカバー23が取り付けられる。後方延出部75の下部には、例えばツールボックス等の物品収納部76が設けられている。物品収納部76は、リアサイドカバー23に覆われずに車外に露出する(図1参照)。
バッテリボックス72は、ボックス本体73の前方に延出する前方延出部77を有している。前方延出部77は、車幅方向外側に各種電装部品の一部を保持する電装部品保持部として機能する。前方延出部77の下壁部77aは前上がりに傾斜し、この下壁部77aの下方に支持フレーム55の外ビーム56の上部が略平行に配置されている。下壁部77aの下面には、外ビーム56の上部に係止されるフレーム係止部77bが複数(例えば前後一対)突設されている。前方延出部77の前端部には、二次フィルタ41を保持する例えば弾性爪からなるフィルタ保持部77cが設けられている。
バッテリボックス72は、ボックス本体73の下方に延出する下方延出部78を有している。図5を併せ参照し、下方延出部78は、ABSモジュレータ51の後方に、前後に並ぶ複数の立壁(リブ)を形成するように、車幅方向外側に開放した中空状に形成されている。下方延出部78の下後方には後輪6が位置しており、下方延出部78は、後輪6の回転による泥水等の飛散がABSモジュレータ51に直接掛かり難くしている。下方延出部78は、流出したバッテリ液等の排液を案内する流出経路としても機能する。バッテリ71およびABSモジュレータ51は、車体フレーム10の前記領域R1内に配置されている。ABSモジュレータ51は、下方延出部78の前方かつ前方延出部77の下方に形成された凹部79内に配置されている。
以上説明したように、上記実施形態における自動二輪車1は、車体骨格をなす車体フレーム10と、走行用のエンジン30と、前記エンジン30の燃料を貯留する燃料タンク20と、を備え、前記車体フレーム10は、前部に位置するヘッドパイプ11と、前記ヘッドパイプ11から車体後方に延出するメインフレーム12と、前記メインフレーム12の後部から車体下方に延出するセンターフレーム14と、前記メインフレーム12およびセンターフレーム14の少なくとも一方から車体後方に延出するシートレール15と、前記センターフレーム14と前記シートレール15とをつなぐサブフレーム16と、を備え、前記燃料タンク20の外部に前記燃料タンク20から分離した燃料供給系部品(二次フィルタ41)を備え、前記燃料供給系部品は、前記センターフレーム14の車幅方向内側で、側面視で前記センターフレーム14と少なくとも一部が重なるように配置されている。
この構成によれば、燃料供給系部品が、センターフレーム14の車幅方向内側で、側面視でセンターフレーム14と少なくとも一部が重なるように配置されるため、車幅方向外側からの外乱が燃料供給系部品に及び難くなる。
また、燃料供給系部品に対し、センターフレーム14の前方からアクセス可能となるため、サイドカバー22の着脱なしで燃料供給系部品のメンテナンスが可能になる。
これにより、燃料タンク20の外部に燃料供給系部品を備える鞍乗り型車両において、燃料供給系部品の保護性およびメンテナンス性を高めることができる。
また、燃料供給系部品が、センターフレーム14、シートレール15およびサブフレーム16で囲まれる領域R1から退避するため、前記領域R1を他部品の配置スペースとして利用可能となり、限られたスペースの鞍乗り型車両における効率のよい部品レイアウトを図ることができる。
上記自動二輪車1は、前記燃料供給系部品が、燃料フィルタ(二次フィルタ41)を有している。
この構成によれば、燃料タンク20の外部に燃料タンク20から分離して燃料フィルタを設け、この燃料フィルタがメンテナンス性の高い状態に置かれるため、鞍乗り型車両の燃料供給装置29を良好な状態に維持しやすくなり、動力性能および燃費性能を高めることができる。なお、燃料供給系部品は、燃料フィルタに限らず、例えば燃料を一時的に貯留するサブタンク等であってもよい。
上記自動二輪車1は、前記燃料供給系部品が、車両前後方向で取り付けられている。
この構成によれば、燃料供給系部品をセンターフレーム14の前方から着脱可能となるため、燃料供給系部品の着脱を容易にすることができる。
上記自動二輪車1は、前記エンジン30の吸気通路33Bにスロットルボディ33を備え、前記燃料供給系部品が、前記燃料タンク20の下方かつ前記スロットルボディ33の側方に配置されている。
この構成によれば、エンジン30への燃料供給に係る燃料タンク20およびスロットルボディ33に近接して燃料供給系部品を配置するため、燃料供給系部品、燃料タンク20およびスロットルボディ33を相互につなぐ燃料配管の長さを抑えることができる。
上記自動二輪車1は、前記燃料供給系部品が、前記エンジン30のクランクケース31の上方かつシリンダ32の後方に配置されている。
この構成によれば、燃料供給系部品がクランクケース31の上方かつシリンダ32の後方の空間K1に配置されるため、エンジン30周辺の空きスペースを有効活用することができる。
上記自動二輪車1は、前記燃料供給系部品が、燃料配管のジョイント44,48を前方から着脱可能とする。
この構成によれば、燃料配管のジョイント44,48をセンターフレーム14の前方から着脱可能となるため、燃料供給系部品のメンテナンス性を高めることができる。
上記自動二輪車1は、車載電源であるバッテリ71と、前記バッテリ71を収納するバッテリボックス72と、を備え、前記バッテリボックス72は、前記燃料供給系部品を保持する保持部77cを備えている。
この構成によれば、バッテリボックス72で燃料供給系部品を保持することが可能となり、部品点数の削減を図ることができる。
上記自動二輪車1は、ABS制御を行うABSモジュレータ51を備え、前記バッテリ71およびABSモジュレータ51は、前記センターフレーム14、シートレール15およびサブフレーム16で囲まれる領域R1内に配置され、前記ABSモジュレータ51は、前記バッテリ71と前記燃料供給系部品との間に配置されている。
この構成によれば、センターフレーム14、シートレール15およびサブフレーム16で囲まれる領域R1内に、大型かつ重量のあるバッテリ71およびABSモジュレータ51を配置することで、限られたスペースの鞍乗り型車両における効率のよい部品レイアウトを実現することができる。また、前記領域R1は車体中心に近いことから、重量物の配置によりマスの集中を図ることができる。また、センターフレーム14、シートレール15およびサブフレーム16によって、ABSモジュレータ51およびバッテリ71に外乱が及び難くすることができる。また、ABSモジュレータ51をバッテリ71と燃料供給系部品で挟むことで、ABSモジュレータ51の保護性をより高めることができる。
また、上記実施形態における自動二輪車1は、車体骨格をなす車体フレーム10と、車載電源であるバッテリ71と、ABS制御を行うABSモジュレータ51と、を備え、前記車体フレーム10は、前部に位置するヘッドパイプ11と、前記ヘッドパイプ11から車体後方に延出するメインフレーム12と、前記メインフレーム12の後部から車体下方に延出するセンターフレーム14と、前記メインフレーム12およびセンターフレーム14の少なくとも一方から車体後方に延出するシートレール15と、前記センターフレーム14と前記シートレール15とをつなぐサブフレーム16と、を備え、前記センターフレーム14、シートレール15およびサブフレーム16に囲まれる領域R1内に、前記ABSモジュレータ51およびバッテリ71が配置されている。
この構成によれば、センターフレーム14、シートレール15およびサブフレーム16で囲まれる領域R1内に、大型かつ重量のあるバッテリ71およびABSモジュレータ51を配置することで、効率のよい部品レイアウトを実現することができる。また、前記領域R1は車体中心に近いことから、重量物の配置によりマスの集中を図ることができる。また、センターフレーム14、シートレール15およびサブフレーム16によって、ABSモジュレータ51およびバッテリ71に外乱が及び難くすることができる。
上記自動二輪車1は、前記ABSモジュレータ51の後方に、前記バッテリ71を収納するバッテリボックス72を備え、前記バッテリボックス72は、前記ABSモジュレータ51の後方を覆う壁部(下方延出部78)を備えている。
この構成によれば、ABSモジュレータ51に対する後方からの被水等を抑え、ABSモジュレータ51の保護性をより高めることができる。
上記自動二輪車1は、前記ABSモジュレータ51が、前記車体フレーム10の内側でサスペンション部品(リアクッション8)の車幅方向一側に配置され、前記サスペンション部品の車幅方向他側には、エンジン30の排気系部品(排気管35)が配置されている。
この構成によれば、ABSモジュレータ51が車体フレーム10の内側に配置されるので、転倒時の衝撃等の外乱が及び難く、ABSモジュレータ51の保護性をより高めることができる。また、ABSモジュレータ51が乗員の身体にも当たり難くなり、居住性を良好にすることができる。
また、車幅方向でサスペンション部品を挟んだ一側にABSモジュレータ51が配置され、他側に排気系部品が配置されるため、車幅方向の重量バランスを良好にすることができる。
上記自動二輪車1は、前記ABSモジュレータ51が、エンジン30のシリンダ32の上端よりも下方に配置されている。
この構成によれば、ABSモジュレータ51の配置位置を下げることで、低重心化に寄与することができる。
上記自動二輪車1は、前記ABSモジュレータ51が、支持フレーム55を介して前記車体フレーム10に支持され、前記支持フレーム55は、車幅方向で前記ABSモジュレータ51の最外側部52aよりも突出する突出部(外側屈曲部65)を有している。
この構成によれば、ABSモジュレータ51の支持フレーム55がABSモジュレータ51よりも車幅方向外側に突出する突出部を有することで、例えば転倒時の衝撃や接地等、車幅方向外側からの外乱がABSモジュレータ51に及び難く、ABSモジュレータ51の保護性を高めることができる。
上記自動二輪車1は、前記バッテリボックス72が、前記支持フレーム55に係止されるフレーム係止部77bを有している。
この構成によれば、車体フレーム10に固定される支持フレーム55にバッテリボックス72が係止されることで、バッテリボックス72の車体フレーム10への固定部を削減して構造の簡素化を図ることができる。
上記自動二輪車1は、前記バッテリボックス72が、前方に延出して前記ABSモジュレータ51の上方に至る前方延出部77を備え、前記ABSモジュレータ51は、前記壁部(下方延出部78)と前記前方延出部77とで囲まれる凹部79内に配置されている。
この構成によれば、ABSモジュレータ51がバッテリボックス72の壁部と前方延出部77とで囲まれるため、ABSモジュレータ51の保護性をより高めることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、左右センターフレームの間に燃料供給系部品を配置したが、左右一体のセンターフレームの車幅方向内側に部品配置スペースを有する構成であってもよい。
前記鞍乗り型車両には、運転者が車体を跨いで乗車する車両全般が含まれ、自動二輪車(原動機付自転車及びスクータ型車両を含む)のみならず、三輪(前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む)又は四輪の車両も含まれる。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
1 自動二輪車(鞍乗り型車両)
8 リアクッション(サスペンション部品)
10 車体フレーム
11 ヘッドパイプ
12 メインフレーム
14 センターフレーム
15 シートレール
16 サブフレーム
R1 領域
20 燃料タンク
41 二次フィルタ(燃料供給系部品)
30 エンジン
31 クランクケース
32 シリンダ
33 スロットルボディ
33B 吸気通路
35 排気管(排気系部品)
44 第一ジョイント
48 第二ジョイント
51 ABSモジュレータ
52a 最外側部
55 支持フレーム
65 外側屈曲部(突出部)
71 バッテリ
72 バッテリボックス
77 前方延出部
77b フレーム係止部
77c フィルタ保持部(保持部)
78 下方延出部(壁部)
79 凹部

Claims (5)

  1. 車体骨格をなす車体フレーム(10)と、
    車載電源であるバッテリ(71)と、
    ABS制御を行うABSモジュレータ(51)と、を備え、
    前記車体フレーム(10)は、
    前部に位置するヘッドパイプ(11)と、
    前記ヘッドパイプ(11)から車体後方に延出するメインフレーム(12)と、
    前記メインフレーム(12)の後部から車体下方に延出するセンターフレーム(14)と、
    前記メインフレーム(12)およびセンターフレーム(14)の少なくとも一方から車体後方に延出するシートレール(15)と、
    前記センターフレーム(14)と前記シートレール(15)とをつなぐサブフレーム(16)と、を備える鞍乗り型車両(1)において、
    前記センターフレーム(14)、シートレール(15)およびサブフレーム(16)に囲まれる領域(R1)内に、前記ABSモジュレータ(51)およびバッテリ(71)が配置され
    前記ABSモジュレータ(51)は、支持フレーム(55)を介して前記車体フレーム(10)に支持され、
    前記支持フレーム(55)は、車幅方向で前記ABSモジュレータ(51)の最外側部(52a)よりも突出する突出部(65)を有し、
    前記ABSモジュレータ(51)の後方に、前記バッテリ(71)を収納するバッテリボックス(72)を備え、
    前記バッテリボックス(72)は、前記支持フレーム(55)に係止されるフレーム係止部(77b)を有している鞍乗り型車両。
  2. 前記ABSモジュレータ(51)の後方に、前記バッテリ(71)を収納するバッテリボックス(72)を備え、
    前記バッテリボックス(72)は、前記ABSモジュレータ(51)の後方を覆う壁部(78)を備えている請求項1に記載の鞍乗り型車両。
  3. 前記ABSモジュレータ(51)は、前記車体フレーム(10)の内側でサスペンション部品(8)の車幅方向一側に配置され、
    前記サスペンション部品(8)の車幅方向他側には、エンジン(30)の排気系部品(35)が配置されている請求項1又は2に記載の鞍乗り型車両。
  4. 前記ABSモジュレータ(51)は、エンジン(30)のシリンダ(32)の上端よりも下方に配置されている請求項1から3の何れか一項に記載の鞍乗り型車両。
  5. 前記バッテリボックス(72)は、下方に延出して前記ABSモジュレータ(51)の後方を覆う壁部(78)と、前方に延出して前記ABSモジュレータ(51)の上方に至る前方延出部(77)と、を備え、
    前記ABSモジュレータ(51)は、前記壁部(78)と前記前方延出部(77)とで囲まれる凹部(79)内に配置されている請求項1から4の何れか一項に記載の鞍乗り型車両。
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