JP6596731B2 - 角度検出装置、無線通信システム、角度検出方法及びプログラム - Google Patents
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このような問題を解決するため、天井等の上記建造物の表面に電波吸収材料を設けて電磁波の反射を抑制することで、想定されていない車両との誤通信を防止する策が講じられている。
このようにすることで、位相差の不確定性により一組のアンテナ素子の組み合わせだけでは、到来角度の解(候補値)を一つに特定できない場合であっても、他の一組のアンテナ素子の組み合わせから得られる解を参照して絞り込むことで、解の確度を向上させることができる。したがって、従来、解を一つに特定できなかった到来角度から入射した場合であっても、当該到来角度から入射したことを精度よく検出することができる。
このようにすることで、アンテナ素子の複数の組み合わせの各々について算出された候補値によっても到来角度を一意に特定できなくなることを防止することができる。
このようにすることで、一のアンテナ素子の組み合わせに係るアンテナ素子の間隔と、他のアンテナ素子の組み合わせに係るアンテナ素子の間隔と、の差を大きくすることができるので、到来角度を一層精度良く特定できる。
このようにすることで、到来角度の検出値を、異なるアンテナ素子の組み合わせに渡って共通する一つの候補値に絞り込むことができるので、簡素な処理で、複数の候補値のうち最も確度の高い一の候補値を検出値として選出することができる。
このようにすることで、到来波についてのベクトル演算(振幅及び位相)に基づいて推定値を一意に特定可能な範囲から電磁波が到来していると見込まれる場合には、別途、当該信号処理に基づく到来角度推定処理を行い、その算出結果である推定値を出力する。したがって、一層精度の高い検出結果を得ることができる。
このようにすることで、信号処理に基づいて推定値を一意に算出可能な到来波の位相差が180°〜−180°(+π〜−π)の範囲で与えられる場合において、当該条件を満たす到来角度で到来波を入射した場合にのみ、信号処理に基づく到来角度推定処理を行うことができる。
以下、第1の実施形態に係る無線通信システムについて、図1〜図7を参照ながら説明する。
図1は、第1の実施形態に係る無線通信システムの概要を示す図である。
第1の実施形態に係る無線通信システム1Aは、図1に示すように、有料道路である高速道路の入口料金所、出口料金所等に敷設された料金収受設備1に備えられる。
ここで、料金収受設備1は、車線L1、L2を走行する車両A1、A2等に搭載された専用の車載器と無線による通信処理(無線通信)を行い、電子決済による課金処理を行う。
無線通信システム1Aは、車両A1、A2に搭載された車載器との無線通信を経て課金処理を行うシステムである。無線通信システム1Aは、料金収受設備1の各車線L1、L2の各々に対応して設けられる。
進入側車両検知器30は、車線L1、L2の路側に設けられ、車線Lを走行する車両A1、A2の車体の存在の有無を判別し、車両A1、A2一台分の進入及び通過を検出する。
発進制御装置40は、車線L1、L2を走行する車両A1、A2の発進制御を行う。例えば、発進制御装置40は、車両A1との課金処理が正規に行われなかった場合には、車両A1の退出を制限すべく車線L1を閉塞する。また、発進制御装置40は、車両A1に対する課金処理が正規に完了した場合には、車線L1を開放する。
無線通信機10は、料金収受設備1に建造される天井Rに取り付けられ、車線L1、L2上において予め規定された通信可能エリアQ1、Q2に進入した車両A1、A2(の車載器)との間で課金処理用の無線通信を行う。
路側システム20は、無線通信機10と車両A1、A2との無線通信の結果に基づいて、課金処理を行う。また、路側システム20は、例えば、車両A1、A2に対する課金処理が正規に行われたことを検知して発進制御装置40を開放するなど、料金収受設備1において必要な連携動作を司る。
ここで、図1において、車線L1に対応して設けられた無線通信機10は、当該車線L1上に規定された通信可能エリアQ1に進入した車両A1との無線通信を行うことが想定されている。同様に、車線L2に対応して設けられた無線通信機10は、当該車線L2上に規定された通信可能エリアQ2に進入した車両A2との無線通信を行うことが想定されている。
しかしながら、料金収受設備1の運用において、天井R等の建造物、又は、走行車両等のその他の障害物の存在に起因して、想定しない電磁波の反射が起こり得る。例えば、車線L2を走行する車両A2の車載器が放射した電磁波が天井R等における反射を経て、車線L1に対応して設けられた無線通信機10に到来し得る。そうすると、当該無線通信機10は、到来した電磁波が車線L1を走行する車両A1から発せられたものと誤認識し、路側システム20の誤動作を引き起こす。
図2は、第1の実施形態に係る無線通信システムの機能構成を示す図である。
また、図3は、第1の実施形態に係るアレイアンテナの構造を示す図である。
図2に示すように、無線通信システム1Aは、無線通信機10と、路側システム20と、を備えている。
図3に示すように、アレイアンテナ10Aは、基板11上における所定の基準線(例えば、図3に示すX軸方向)に沿って三つのアンテナ素子(第1アンテナ素子10a、第2アンテナ素子10b及び第3アンテナ素子10c)が配列されてなる。
第1アンテナ素子10aと第2アンテナ素子10bとの間隔d1は、d1=0.6λとなるように配置されている。また、第1アンテナ素子10aと第3アンテナ素子10cとの間隔d2は、d2=1.3λとなるように配置されている。
なお、“λ”は、無線通信機10及び車載器との無線通信に用いる電磁波の波長である。なお、本実施形態において、無線通信機10及び車載器の間で行われる無線通信には、例えば、5.8GHz程度の周波数の電磁波が用いられる。この場合、波長λは、概ね5cm程度となる。
なお、間隔d1、d2に比べ、無線通信機10と車両A1、A2(車載器)との間隔が十分に大きいことを考慮すると、到来波Eは、第1アンテナ素子10a、第2アンテナ素子10b、第3アンテナ素子10cの各々に対し、同一の到来角度θで到来する平面波と見なすことができる。
また、図3に示した各アンテナ素子(第1アンテナ素子10a〜第3アンテナ素子10c)は、各アンテナ素子の配置の態様を模式的に表現したにすぎず、当該アンテナ素子の実際の構造は図3に示すものと異なっていてもよい。例えば、各アンテナ素子は、基板11上に形成されたパッチアンテナ等であってもよい。
具体的には、位相差検出部200は、まず、第1アンテナ素子10aと第2アンテナ素子10bとの組み合わせを選択し、当該第1アンテナ素子10a、第2アンテナ素子10bの各々で受信した到来波Eの位相差φ1を検出する。同様に、位相差検出部200は、第1アンテナ素子10aと第3アンテナ素子10cとの組み合わせを選択し、当該第1アンテナ素子10a、第3アンテナ素子10cの各々で受信した到来波Eの位相差φ2を検出する。
なお、位相差検出部200は、入力された二つの信号波形(到来波Eに基づく信号波形)の位相差に相当する検出信号を生成可能な既存の位相差検出回路等であってよい。また、位相差検出部200は、三つのアンテナ素子のうちいずれか二つが選択された複数の組み合わせ別に複数設けられる態様であってもよい。例えば、角度検出装置20Aは、第1アンテナ素子10aと第2アンテナ素子10bとが接続された位相差検出部200と、第1アンテナ素子10aと第3アンテナ素子10cとが接続された位相差検出部200と、を別個に備える態様であってもよい。
到来角度特定部202は、二つのアンテナ素子の複数の組み合わせの各々について、候補値演算部201より算出された候補値に基づいて、到来角度θの検出値を特定する。
図4、図5は、第1の実施形態に係る角度検出装置の機能を説明する第1、第2の図である。
図4は、アレイアンテナ10Aに対し、到来波Eが、到来角度θ=65°で入射した場合の例を示している。
この場合、第1アンテナ素子10aで受信した到来波Eと第2アンテナ素子10bで受信した到来波Eとの位相差φ1は、間隔d1(=0.6λ)及び式(1)によればφ1=195.8°となる。位相差検出部200は、第1アンテナ素子10aと第2アンテナ素子10bとの組み合わせに係る位相差φ1=195.8°を検出する。
例えば、位相差検出部200の仕様によっては、−164.2°の位相差を、φ1=195.8°(=−164.2°+360°)と検出する場合が考えられる。
図5に示すように、候補値演算部201は、例えば、位相差検出部200から位相差φ1=195.8°を受け付けた際には、当該位相差φ1=195.8°、及び、位相差(φ1−360°)=−164.2°の各々に対応する二つの候補値θ11=65°、θ12=−49.5°を算出する。
また、候補値演算部201は、例えば、位相差検出部200から位相差φ1=108.0°を受け付けた際には、当該位相差φ1=108.0°に対応する一つのみの候補値θ11=30°を算出する。
図6は、アレイアンテナ10Aに対し、到来波Eが、到来角度θ=25°で入射した場合の例を示している。
この場合、第1アンテナ素子10aで受信した到来波Eと第3アンテナ素子10cで受信した到来波Eとの位相差φ2は、間隔d2(=1.3λ)及び式(2)によればφ2=197.8°となる。位相差検出部200は、第1アンテナ素子10aと第3アンテナ素子10cとの組み合わせに係る位相差φ2=197.8°を検出する。
図7に示すように、候補値演算部201は、例えば、位相差検出部200から位相差φ2=197.8°を受け付けた際には、当該位相差φ2=197.8°、及び、位相差(φ2−360°)=−162.2°の各々に対応する二つの候補値θ21=25°、θ22=−20.3°を算出する。
また、候補値演算部201は、例えば、位相差検出部200から位相差φ2=81.3°を受け付けた際には、当該位相差φ2=81.3°、位相差(φ2−360°)=−278.7°、及び、位相差(φ2+360°)の各々に対応する三つの候補値θ21=25°、θ22=−20.3°及びθ24=70.5°を算出する。
到来角度特定部202は、第1アンテナ素子10a、第2アンテナ素子10b及び第3アンテナ素子10cの複数の組み合わせの各々について、候補値演算部201の上記処理により算出された候補値に基づいて、到来角度の検出値θdを特定する
具体的には、到来角度特定部202は、第1アンテナ素子10aと第2アンテナ素子10bとの組み合わせについて算出された複数の候補値θ11、θ12、θ13、θ14と、第1アンテナ素子10aと第3アンテナ素子10cとの組み合わせについて算出された複数の候補値θ21、θ22、θ23、θ24と、を参照する。そして、到来角度特定部202は、候補値θ11、θ12、θ13、θ14のうち候補値θ21、θ22、θ23、θ24の何れか一つと共通する一の候補値を、検出値θdとして特定する。
この場合、到来角度特定部202は、第1アンテナ素子10aと第2アンテナ素子10bとの組み合わせに係る候補値θ11=65°、θ12=−49.5°のうち、第1アンテナ素子10aと第3アンテナ素子10cとの組み合わせに係る候補値θ21=65°、θ22=−7.9°、−39.2°の何れか一つと共通する一の候補値として、θ11(=θ21)=65°を選択する。そして、到来角度特定部202は、当該選択したθ11=65°を出力すべき検出値θd=65°として特定する。
なお、図5、図7に示すとおり、上記の場合における到来角度θの真値θ0は、θ0=65°であり、到来角度特定部202が特定した検出値θdは、真値θ0に一致している。
第1の実施形態に係る角度検出装置20Aによれば、まず、位相差検出部200が、基準線に沿って配列された三つ以上のアンテナ素子(第1アンテナ素子10a〜第3アンテナ素子10c)のうち二つのアンテナ素子からなる組み合わせを複数選択し、当該組み合わせに係る二つのアンテナ素子で受信した到来波Eの位相差φ1、φ2を検出する。
そして、候補値演算部201が、位相差φ1、φ2と、当該位相差φ1、φ2の検出に用いた組み合わせに係る二つのアンテナ素子の間隔d1、d2と、に基づいて、到来波Eの到来角度θの候補値θ11〜θ14、θ21〜θ24を算出する。
更に、到来角度特定部202が、複数の組み合わせの各々について算出された候補値θ11〜θ14、θ21〜θ24に基づいて、到来角度θの検出値θdを特定する。
即ち、第1の実施形態に係る角度検出装置20Aによれば、電磁波の到来角度の誤認識を抑制できる。
ここで、「共通する」との文言は、二つの候補値が完全に一致していることを要する意味に限定されず、二つの候補値が予め規定された誤差の許容範囲内に含まれる、との意味を含むものとする。
そうすると、一の組み合わせについて算出された複数の候補値と、他の組み合わせについて算出された複数の候補値と、の両方に共通する候補値を一つに特定することができず、候補値の算出結果によっては、確度の高い検出値θdを得ることが困難となる。したがって、アンテナ素子の間隔d1、d2を、上記のような関係を満たさないように(d1≠m×d2)配置することで、どのような到来角度で入射した場合であっても、常に、共通する解を一意に特定することができる。
例えば、第1の実施形態に係るアレイアンテナ10Aは、基板11上の基準線(X軸(図2))に沿って、3つのアンテナ素子(第1アンテナ素子10a〜第3アンテナ素子10c)が所定の間隔で配列されるものとして説明したが、他の実施形態に係るアレイアンテナ10Aはこれに限定されない。
即ち、他の実施形態に係るアレイアンテナ10Aは、第1アンテナ素子10a〜第3アンテナ素子10cに加え、更に、上記基準線上に第4アンテナ素子等を有し、4つ以上のアンテナ素子が配列される態様であってもよい。
また、角度検出装置20Aは、3組以上のアンテナ素子の組み合わせについての候補値を算出してもよい。
例えば、角度検出装置20A(到来角度特定部202)は、3組以上のアンテナ素子の組み合わせについての複数の候補値(例えば、候補値θ11、θ12、・・・、候補値θ21、θ22、・・・、候補値θ31、θ32、・・・)が算出された場合には、上記候補値の最頻値を検出値θdとして特定する態様であってもよい。ここで、候補値θ11、θ12、・・・は第1の組についての候補値、候補値θ21、θ22、・・・は第2の組についての候補値、また、候補値θ31、θ32、・・・は第3の組についての候補値である。
このようにすることで、複数の候補値のうち最も多くの組み合わせに渡って共通する候補値を検出値θdとして特定するので、到来角度の真値θ0に対し、一層精度の高い検出値θdを得ることができる。
例えば、角度検出装置20A(候補値演算部201)は、検出された位相差φ1を基準に、更に、位相差(φ1+720°)等に基づいて算出される5つ以上の候補値を算出してもよい。
ここで、選択した複数の組み合わせに係るアンテナ素子の各間隔(間隔d1、d2)に大きな差がない場合、一の組み合わせについて算出された複数の候補値(候補値θ11、θ12、・・・)と、他の組み合わせについて算出された複数の候補値(候補値θ21、θ22、・・・)と、が互いに類似してしまうことが想定される。そうすると、角度検出装置20Aは、両方に共通する候補値を一つに特定することができない。
しかし、上記他の実施形態のように、一つ以上のアンテナ素子を挟んで配置された二つのアンテナ素子の組み合わせを常に含むことで、一のアンテナ素子の組み合わせに係るアンテナ素子の間隔と、他のアンテナ素子の組み合わせに係るアンテナ素子の間隔と、の差を大きくすることができる。したがって、角度検出装置20Aは、到来角度を一層精度良く特定できる。
次に、第2の実施形態に係る無線通信システムについて、図8〜図9を参照ながら説明する。
図8に示すように、第2の実施形態に係る角度検出装置20Aは、第1の実施形態の構成に加え、更に、信号処理部203を備えている。
信号処理部203は、アレイアンテナ10Aに設けられた三つ以上のアンテナ素子で受信した到来波Eの振幅及び位相に対する信号処理に基づいて到来波Eの到来角度θの推定値θsを算出する。
ここで、信号処理部203は、電磁波(到来波E)の到来角度θを推定する既知の手法であるビームフォーマ法に基づく信号処理を行う。ビームフォーマ法とは、三つ以上のアンテナ素子が基準線に沿って配列されたアレイアンテナを用いて、アレイアンテナ10Aのメインローブ(アレイアンテナ10Aにつき最も放射特性の高い範囲角度)を全方向にわたって走査し、当該アレイアンテナ10Aの出力電力が大きくなる方向を探す方法である。ビームフォーマ法においては、各アンテナ素子で受信した到来波Eについてのベクトル演算(振幅値と位相値とを用いた演算)を行う。そのため、信号処理部203が推定した到来角度の推定値θsは、第1の実施形態に係る到来角度特定部202が特定した検出値θd(位相差φ1、φ2に基づいて算出された値)と比較して、高精度となる。
ここで、推定可能最大角度θmaxは、例えば、式(1)において、位相差φ1=180°(π)を与える到来角度θとして規定される。即ち、到来角度θの絶対値が、第1アンテナ素子10a、第2アンテナ素子10bの各々で受信した到来波Eの位相差φ1が180°〜−180°の範囲に収まる条件(|θ|≦θmax)を満たす場合には、位相差φ1の不確定性を考慮せずに、一意に正しい到来角度θを推定することができる。
第2の実施形態に係る角度検出装置20Aの具体的な処理フローについて、図9を参照しながら順を追って説明する。
ここで、図9に示す処理フローは、料金収受設備1において、車両A1、A2が通信可能エリアQ1、Q2に到来したことを検知した際に開始される(図1参照)。
一方、|θd|>θmaxとなっている場合には(ステップS02:NO)、角度検出装置20Aは、ビームフォーマ法によっては正しい到来角度の推定値θsを算出できないものと判断し、当該信号処理を行わない。
以上の通り、第2の実施形態に係る角度検出装置20Aによれば、信号処理部203が、三つ以上のアンテナ素子で受信した到来波Eの振幅及び位相に対する信号処理(ビームフォーマ法)に基づいて到来波Eの到来角度の推定値θsを算出する。そして、到来角度特定部202は、候補値θ11、θ12・・・等に基づいて特定した検出値θdが信号処理に応じた推定可能範囲内にある場合(|θd|≦θmax)には、推定値θsを、検出値θdとして特定する。
したがって、第1の実施形態に係る角度検出装置20Aよりも精度の高い検出結果を得ることができる。
一方、ビームフォーマ法に基づいては解を一意に特定可能な範囲から電磁波が到来していないと見込まれる場合には、第1の実施形態による手法で求めた検出値θdをそのまま採用して出力する。これにより、ビームフォーマ法による推定可能範囲外から電磁波が到来した場合であってもその到来角度θを検出することができる。
また、角度検出装置20Aの各種機能が、ネットワークで接続される複数の装置に渡って具備される態様であってもよい。
1A 無線通信システム
10 無線通信機
10A アレイアンテナ
10a 第1アンテナ素子
10b 第2アンテナ素子
10c 第3アンテナ素子
11 基板
20 路側システム
20A 角度検出装置
200 位相差検出部
201 候補値演算部
202 到来角度特定部
203 信号処理部
30 進入側車両検知器
40 発進制御装置
50 発進側車両検知器
A1、A2 車両
L1、L2 車線
Q1、Q2 通信可能エリア
R 天井
E 到来波
E’ 仮想到来波
d1、d2 アンテナ素子間距離
Δ1、Δ2 行路差
φ1、φ2 位相差
θ 到来角度
θ0 到来角度の真値
θ11、θ12、θ13、θ14 到来角度の候補値
θ21、θ22、θ23、θ24 到来角度の候補値
θd 到来角度の検出値
θmax 推定可能最大角度
Claims (9)
- 基準線に沿って配列された三つ以上のアンテナ素子のうち二つの前記アンテナ素子からなる組み合わせを複数選択するとともに、前記組み合わせに係る二つの前記アンテナ素子で受信した到来波の位相差を検出する位相差検出部と、
前記位相差と、当該位相差の検出に用いた前記組み合わせに係る二つの前記アンテナ素子の間隔と、に基づいて、前記到来波の到来角度の候補値を算出する候補値演算部と、
複数の前記組み合わせの各々について算出された前記候補値に基づいて、前記到来角度の検出値を特定する到来角度特定部と、
を備え、
前記候補値演算部は、
複数の前記組み合わせに係る前記位相差(φ)のそれぞれについて、前記位相差(φ)、位相差(φ+360°×n)および位相差(φ−360°×n)(n=1,2,・・)についての到来角度候補を演算し、
前記位相差(φ)、前記位相差(φ+360°×n)および前記位相差(φ−360°×n)についての到来角度候補が算出不可であった場合には、その旨を示す情報を出力し、
前記到来角度特定部は、
三組以上の前記組み合わせのそれぞれについて前記候補値が算出された場合には、前記候補値の最頻値を前記検出値として特定する
角度検出装置。 - 前記位相差検出部は、
一の前記組み合わせに係る二つの前記アンテナ素子の間隔が、他の前記組み合わせに係る二つの前記アンテナ素子の間隔の整数倍とならない複数の前記組み合わせを選択する
請求項1に記載の角度検出装置。 - 前記位相差検出部は、
複数の前記組み合わせの中に、一つ以上の前記アンテナ素子を挟んで配置された二つの前記アンテナ素子からなる組み合わせを含む
請求項1又は請求項2に記載の角度検出装置。 - 前記到来角度特定部は、
一の前記組み合わせについて算出された複数の前記候補値のうち、他の前記組み合わせについて算出された複数の前記候補値のうちの何れか一つと共通する一の候補値を、前記検出値として特定する
請求項1から請求項3の何れか一項に記載の角度検出装置。 - 三つ以上の前記アンテナ素子で受信した前記到来波の振幅及び位相に対する信号処理に基づいて前記到来波の到来角度の推定値を算出する信号処理部を更に備え、
前記到来角度特定部は、
前記候補値に基づいて特定した前記検出値が前記信号処理に応じた推定可能範囲内にある場合には、前記信号処理に基づいて算出された前記推定値を、前記検出値として特定する
請求項1から請求項4の何れか一項に記載の角度検出装置。 - 前記到来角度特定部は、
複数の前記到来角度の候補値に基づいて特定した前記検出値(θ[rad])が、前記到来波の波長(λ[m])、及び、三つ以上の前記アンテナ素子の間隔(d[m])に対し、|θ|<sin−1(λ/2d)の条件を満たす前記推定可能範囲内にある場合に、前記信号処理に基づいて算出された前記推定値を、前記検出値として特定する
請求項5に記載の角度検出装置。 - 請求項1から請求項6の何れか一項に記載の角度検出装置と、
三つ以上の前記アンテナ素子を有し、車線を走行する車両に搭載された車載器からの前記到来波を受信するアレイアンテナと、
を備える
無線通信システム。 - 基準線に沿って配列された三つ以上のアンテナ素子のうち二つの前記アンテナ素子からなる組み合わせを複数選択するとともに、前記組み合わせに係る二つの前記アンテナ素子で受信した到来波の位相差を検出するステップと、
前記位相差と、当該位相差の検出に用いた前記組み合わせに係る二つの前記アンテナ素子の間隔と、に基づいて、前記到来波の到来角度の候補値を算出するステップと、
複数の前記組み合わせの各々について算出された前記候補値に基づいて、前記到来角度の検出値を特定するステップと、
を有し、
前記到来波の到来角度の候補値を算出するステップでは、更に、
複数の前記組み合わせに係る前記位相差(φ)のそれぞれについて、前記位相差(φ)、位相差(φ+360°×n)および位相差(φ−360°×n)(n=1,2,・・)についての到来角度候補を演算し、
前記位相差(φ)、前記位相差(φ+360°×n)および前記位相差(φ−360°×n)についての到来角度候補が算出不可であった場合には、その旨を示す情報を出力し、
前記前記到来角度の検出値を特定するステップにおいて、
三組以上の前記組み合わせのそれぞれについて前記候補値が算出された場合には、前記候補値の最頻値を前記検出値として特定する
角度検出方法。 - 角度検出装置のコンピュータを、
基準線に沿って配列された三つ以上のアンテナ素子のうち二つの前記アンテナ素子からなる組み合わせを複数選択するとともに、前記組み合わせに係る二つの前記アンテナ素子で受信した到来波の位相差を検出する位相差検出手段、
前記位相差と、当該位相差の検出に用いた前記組み合わせに係る二つの前記アンテナ素子の間隔と、に基づいて、前記到来波の到来角度の候補値を算出する候補値演算手段、
複数の前記組み合わせの各々について算出された前記候補値に基づいて、前記到来角度の検出値を特定する到来角度特定手段、
として機能させ、
前記候補値演算手段は、
複数の前記組み合わせに係る前記位相差(φ)のそれぞれについて、前記位相差(φ)、位相差(φ+360°×n)および位相差(φ−360°×n)(n=1,2,・・)についての到来角度候補を演算し、
前記位相差(φ)、前記位相差(φ+360°×n)および前記位相差(φ−360°×n)についての到来角度候補が算出不可であった場合には、その旨を示す情報を出力し、
前記到来角度特定手段は、
三組以上の前記組み合わせのそれぞれについて前記候補値が算出された場合には、前記候補値の最頻値を前記検出値として特定する
プログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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