以下、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
図1及び図2は、本発明の一実施形態に係る内視鏡装置10の概略的な構成を示す図である。なお、本明細書において、内視鏡とは、医療用内視鏡(上部消化管内視鏡、大腸内視鏡、超音波内視鏡、膀胱鏡、腎盂鏡、気管支鏡、等)及び工業用内視鏡に限定するものではなく、観察体Oに挿入される挿入部を備える機器一般を指している。
以下、内視鏡として医療用内視鏡を例に説明する。
本実施形態に係る内視鏡装置10は、内視鏡12と、本体部(ビデオプロセッサ)14と、画像表示部(モニタ)16と、入力部18と、を有している。内視鏡12と本体部14には、観察体Oに照明光ILを照射する照明部20が設けられている。ここで、観察体Oとは、被検体(例えば体腔(管腔))内における患部や病変部等である。
内視鏡12は、観察体Oに照射された照明光ILの反射散乱光RLを検出して撮像信号を出力する撮像部22を有する。本体部14は、内視鏡12の撮像部22の撮像信号から画像信号を生成する画像処理部24を有している。画像表示部16は、本体部14と接続され、画像処理部24によって生成された画像信号で構成される観察体画像を表示する。入力部18は、本体部14と接続され、あるいは、本体部14上に配置され、詳細は後述するような観察モードの指定など、各種のユーザ指示を本体部14に入力する。
内視鏡12には、湾曲部材である細長い挿入部26と、該挿入部26の基端部と連結した操作部28と、が配設される。内視鏡12は、管状の挿入部26を体腔内に挿入する管状挿入装置である。
挿入部26は、挿入部26の先端部側から基端部側に向かって、先端硬質部30と、湾曲する湾曲部32と、可撓管部34と、を有している。ここで、先端硬質部30の基端部は、湾曲部32の先端部と連結し、湾曲部32の基端部は、可撓管部34の先端部と連結している。
先端硬質部30は、挿入部26の先端部及び内視鏡12の先端部であり、硬い部材となっている。この先端硬質部30には、撮像部22が設けられている。
湾曲部32は、操作部28に設けられた湾曲操作部36のユーザ(医師らの作業者)による操作に応じて、所望の方向に湾曲する。ユーザは、この湾曲操作部36を操作することで、湾曲部32を湾曲させる。この湾曲部32の湾曲により、先端硬質部30の位置と向きが変えられ、観察体Oが観察視野内に捉えられる。こうして捉えられた観察体Oに対し、照明部20からの照明光ILが照射されて、観察体Oが照明される。湾曲部32は、図示しない複数個の節輪が挿入部26の長手軸方向に沿って連結されることにより、構成される。
可撓管部34は、所望な可撓性を有しており、外力によって曲がる。可撓管部34は、操作部28の後述する本体部38から延出されている管状部材である。
操作部28は、本体部(スコープ)38と、把持部40と、ユニバーサルコード42と、を有している。本体部38は、その先端部から可撓管部34が延出している。把持部40は、本体部38の基端部と連結しており、内視鏡12を操作するユーザによって把持される。ユニバーサルコード42は、把持部40と本体部14との間を接続している。
把持部40には、湾曲部32を湾曲するために、図示しない複数の操作ワイヤを操作する湾曲操作部36が配設されている。湾曲操作部36は、湾曲部32を左右に湾曲操作させる左右湾曲操作ノブと、湾曲部32を上下に湾曲操作させる上下湾曲操作ノブと、湾曲した湾曲部32の位置を固定する固定ノブと、を有している。
左右湾曲操作ノブには、この左右湾曲操作ノブによって駆動する図示しない左右方向の湾曲操作駆動部が接続している。また、上下湾曲操作ノブには、この上下湾曲操作ノブによって駆動する図示しない上下方向の湾曲操作駆動部が接続している。上下方向の湾曲操作駆動部と左右方向の湾曲操作駆動部とは、例えば把持部40内に配設されている。
左右方向の湾曲操作駆動部は、操作部28と可撓管部34と湾曲部32とを挿通する図示しない1本の左右方向操作ワイヤと接続しており、この左右方向操作ワイヤの両端は、湾曲部32の先端部と接続している。
また、上下方向の湾曲操作駆動部は、操作部28と可撓管部34と湾曲部32とを挿通する図示しない1本の上下方向操作ワイヤと接続している。上下方向操作ワイヤは、左右方向操作ワイヤとは別体であり、互いに独立な動きが可能である。上下方向操作ワイヤの両端は、湾曲部32の先端部と接続している。
左右湾曲操作ノブは、左右方向の湾曲操作駆動部と左右方向操作ワイヤとを介して湾曲部32を左右方向に湾曲する。また、上下湾曲操作ノブは、上下方向の湾曲操作駆動部と上下方向操作ワイヤとを介して湾曲部32を上下方向に湾曲する。
このような湾曲操作部36(左右湾曲操作ノブと上下湾曲操作ノブ)と、左右方向の湾曲操作駆動部と、左右方向操作ワイヤと、上下方向の湾曲操作駆動部と、上下方向操作ワイヤとは、湾曲部32を湾曲するために、湾曲部32を操作する湾曲操作機構である。
以下、各部について、更に詳細に説明する。
<入力部18>
本実施形態に係る内視鏡装置10は、観察の目的に応じた以下の17種類の観察モードを有し、ユーザは入力部18によって、どの観察モードで観察を行うかを入力する。入力部18によって入力された観察モード情報は、照明部20と画像処理部24とへ出力される。
内視鏡装置10が有する17種類の観察モード(観察モードM1〜M17)は、以下の通りである。
すなわち、観察モードM1(表層血管強調モード)は、観察体Oの表層にある血管のみを強調表示する観察モードである。
観察モードM2(中層血管強調モード)は、観察体Oの中層にある血管のみを強調表示する観察モードである。
観察モードM3(深層血管強調モード)は、観察体Oの深層にある血管のみを強調表示する観察モードである。
観察モードM4(表層-中層血管強調モード)は、観察体Oの表層にある血管と中層にある血管を強調表示する観察モードである。
観察モードM5(表層-深層血管強調モード)は、観察体Oの表層にある血管と深層にある血管を強調表示する観察モードである。
観察モードM6(中層-深層血管強調モード)は、観察体Oの中層にある血管と深層にある血管を強調表示する観察モードである。
観察モードM7(表層-中層-深層血管強調モード)は、観察体Oの表層にある血管と中層にある血管と深層血管を強調表示する観察モードである。
観察モードM8(表層-中層血管強調中間モード1)は、観察モードM1(表層血管強調モード)と観察モードM4(表層-中層血管強調モード)との中間の血管強調表示モードである。この観察モードM8では、表層にある血管を観察モードM1と同様に強調し、中層にある血管を観察モードM1と観察モードM4との中間レベルに強調する。
観察モードM9(表層-中層血管強調中間モード2)は、観察モードM2(中層血管強調モード)と観察モードM4(表層-中層血管強調モード)との中間の血管強調表示モードである。この観察モードM9では、中層にある血管を観察モードM2と同様に強調し、表層にある血管を観察モードM2と観察モードM4との中間レベルに強調する。
観察モードM10(表層-深層血管強調中間モード1)は、観察モードM1(表層血管強調モード)と観察モードM5(表層-深層血管強調モード)との中間の血管強調表示モードである。この観察モードM10では、表層にある血管を観察モードM1と同様に強調し、深層にある血管を観察モードM1と観察モードM5との中間レベルに強調する。
観察モードM11(表層-深層血管強調中間モード2)は、観察モードM3(深層血管強調モード)と観察モードM5(表層-深層血管強調モード)との中間の血管強調表示モードである。この観察モードM11では、深層にある血管を観察モードM3と同様に強調し、表層にある血管を観察モードM3と観察モードM5との中間レベルに強調する。
観察モードM12(中層-深層血管強調中間モード1)は、観察モードM2(中層血管強調モード)と観察モードM6(中層-深層血管強調モード)との中間の血管強調表示モードである。この観察モードM12では、中層にある血管を観察モードM2と同様に強調し、深層にある血管を観察モードM2と観察モードM6との中間レベルに強調する。
観察モードM13(中層-深層血管強調中間モード2)は、観察モードM3(深層血管強調モード)と観察モードM6(中層-深層血管強調モード)との中間の血管強調表示モードである。この観察モードM13では、深層にある血管を観察モードM3と同様に強調し、中層にある血管を観察モードM3と観察モードM6との中間レベルに強調する。
観察モードM14(表層-中層-深層血管強調中間モード1)は、観察モードM1(表層血管強調モード)と観察モードM7(表層-中層-深層血管強調モード)との中間の血管強調表示モードである。この観察モードM14では、表層にある血管を観察モードM1と同様に強調し、中層にある血管を観察モードM1と観察モードM7との中間レベルに強調し、深層にある血管を観察モードM1と観察モードM7との中間レベルに強調する。
観察モードM15(表層-中層-深層血管強調中間モード2)は、観察モードM2(中層血管強調モード)と観察モードM7(表層-中層-深層血管強調モード)との中間の血管強調表示モードである。この観察モードM15では、中層にある血管を観察モードM2と同様に強調し、表層にある血管を観察モードM2と観察モードM7の中間レベルに強調し、深層にある血管を観察モードM2と観察モードM7との中間レベルに強調する。
観察モードM16(表層-中層-深層血管強調中間モード3)は、観察モードM3(深層血管強調モード)と観察モードM7(表層-中層-深層血管強調モード)との中間の血管強調表示モードである。この観察モードM16では、深層にある血管を観察モードM3と同様に強調し、表層にある血管を観察モードM3と観察モードM7との中間レベルに強調し、中層にある血管を観察モードM3と観察モードM7の中間レベルに強調する。
そして、観察モードM17(通常観察モード)は、演色性または色再現性の高い照明光ILを出射する観察モードである。例えば、キセノンランプやハロゲンランプのような広帯域な照明光ILの色を再現する観察モードである。または、キセノンランプやハロゲンランプのような広帯域な照明光ILに照射されたときの観察体Oの色を再現する観察モードである。
<照明部20>
照明部20は、複数、本実施形態では6個、のレーザ光源44−1〜44−6と、光源駆動部46と、6本の光ファイバ48−1〜48−6と、光合波部50と、光ファイバ52と、光変換部54と、を有する。レーザ光源44−1〜44−6、光源駆動部46、光ファイバ48−1〜48−6、光合波部50、及び光ファイバ52の一部は、本体部14内に配設され、光ファイバ52の残りの部分及び光変換部54は、内視鏡12内に配設される。
ここで、レーザ光源44−1(レーザ1)は、ピーク波長415nmのレーザ光源(第1の強調狭帯域光源)であり、第1のレーザ光(第1の強調狭帯域光)を出射する。
レーザ光源44−2(レーザ2)は、ピーク波長445nmのレーザ光源(第1の非強調狭帯域光源)であり、第2のレーザ光(第1の非強調狭帯域光)を出射する。
レーザ光源44−3(レーザ3)は、ピーク波長540nmのレーザ光源(第2の強調狭帯域光源)であり、第3のレーザ光(第2の強調狭帯域光)を出射する。
レーザ光源44−4(レーザ4)は、ピーク波長515nmのレーザ光源(第2の非強調狭帯域光源)であり、第4のレーザ光(第2の非強調狭帯域光)を出射する。
レーザ光源44−5(レーザ5)は、ピーク波長595nmのレーザ光源(第3の強調狭帯域光源)であり、第5のレーザ光(第3の強調狭帯域光)を出射する。
そして、レーザ光源44−6(レーザ6)は、ピーク波長635nmのレーザ光源(第3の非強調狭帯域光源)であり、第6のレーザ光(第3の非強調狭帯域光)を出射する。
光源駆動部46は、これら複数のレーザ光源44−1〜44−6の駆動を制御する。
光ファイバ48−1〜48−6は、これらレーザ光源44−1〜44−6から出射されたレーザ光を光合波部50へ導光する。
光合波部50は、光ファイバ48−1〜48−6を導光されるレーザ光源44−1〜44−6からのレーザ光を合波する、例えば光ファイバコンバイナである。
光ファイバ52は、光合波部50で合波されたレーザ光を光変換部54へ導光する。
光変換部54は、上記撮像部22が配置されている挿入部26の先端硬質部30に配置されている。光変換部54は、本体部14から、内視鏡12のユニバーサルコード42、操作部28、及び挿入部26内を挿通された光ファイバ52によって導光されてきたレーザ光の光学的な特性を変換して、照明光ILとして観察体Oに照射する。
照明部20内の各部の構成は、より具体的には、以下の通りである。
<レーザ光源44−1(レーザ1)>
本実施形態においては、観察体Oに存在する診断対象物質として、血管内の血液に含まれる酸化ヘモグロビンを想定している。図3は、この酸化ヘモグロビン(以下、単にヘモグロビンと記載する)の光吸収スペクトルを示している。
レーザ光源44−1(レーザ1)は、ピーク波長415nmのレーザ光源である。このピーク波長415nmの第1のレーザ光は、観察体Oの表層領域まで侵達長(侵達長の定義については後述)を有する。また、この第1のレーザ光のピーク波長415nmは、診断対象物質であるヘモグロビンの光吸収スペクトルの青色領域(色領域の定義については後述)における極大値をとる極大波長であり、表層の血管内の血液に含まれるヘモグロビン(以下、簡易的に「表層血管」と記載する)における吸収が大きい。そのため、第1のレーザ光を観察体Oへ照射した場合、表層血管における反射散乱光RLに対する光強度と、表層血管周辺における反射散乱光RLに対する光強度と、の間の光強度差が大きい。言い換えると、表層血管に対するコントラストが高い。すなわち、表層血管が強調される。
よって、第1のレーザ光を表層血管に対する強調狭帯域光と称し、また、レーザ光源44−1(レーザ1)を表層血管に対する強調狭帯域光源と称する。
なお、第1のレーザ光のピーク波長は、415nmに限らない。第1のレーザ光のピーク波長は、表層血管に対する強調波長領域にピーク波長または中心波長が含まれれば良い。
また、表層血管に対する強調波長領域は、ヘモグロビンの光吸収スペクトルの青色領域における極大値をとる極大波長を含む波長領域ではなくて、ヘモグロビンの光吸収スペクトルの青色領域における最大値をとる青色領域最大波長を含む波長領域であっても良い。
ここで、表層血管に対する強調波長領域は、ヘモグロビンの吸収スペクトルの青色領域における極大値をとる極大波長、または、青色領域における最大値をとる青色領域最大波長、の少なくとも一方に対して、±20nm以内の波長領域であると、光吸収が大きく、表層血管が強調されるため、好ましい。さらに、±10nm以内の波長領域であると、より光吸収が大きい領域であり、より表層血管が強調されるため、より好ましい。
また、表層血管に対する強調波長領域は、ヘモグロビンの吸収スペクトルの青色領域における極大値、または、青色領域における最大値、に対して、1/2以上の値となる波長領域であると、吸収が大きいため、好ましい。
ヘモグロビンの光吸収スペクトルの青色領域においては、上記極大波長と青色領域最大波長は同じである。
<レーザ光源44−2(レーザ2)>
レーザ光源44−2(レーザ2)は、ピーク波長445nmのレーザ光源である。このピーク波長445nmの第2のレーザ光は、第1のレーザと同様、観察体Oの表層領域まで侵達長を有する。しかしながら、この第2のレーザ光のピーク波長445nmは、上記した表層血管に対する強調波長領域を含まない、表層血管に対する非強調波長領域に含まれる。第2のレーザ光を観察体Oへ照射した場合、表層血管における反射散乱光RLに対する光強度と、表層血管周辺における反射散乱光RLに対する光強度と、の間の光強度差は小さい。言い換えると、表層血管に対するコントラストが低い。すなわち、表層血管は強調されない。
よって、第2のレーザ光を表層血管に対する非強調狭帯域光と称し、また、レーザ光源44−2(レーザ2)を表層血管に対する非強調狭帯域光源と称する。
なお、第2のレーザ光のピーク波長は、445nmに限らない。第2のレーザ光のピーク波長は、表層血管を強調表示しない非強調波長領域に含まれれば良い。
表層血管に対する非強調波長領域は、表層血管に対する強調波長領域を含まない領域である。
また、表層血管に対する非強調波長領域は、ヘモグロビンの光吸収スペクトルの青色領域における極小値をとる極小波長、または、ヘモグロビンの光吸収スペクトルの青色領域における最小値をとる青色領域最小波長、のうち、少なくとも一方を1つ含む領域であると、好ましい。
ここで、表層血管に対する非強調波長領域は、上記極小波長、または、上記最小波長、の少なくとも一方に対して、±20nm以内の波長領域であると、光吸収が小さく、表層血管が強調されないため、好ましい。さらに、±10nm以内の波長領域であると、より光吸収が小さい領域であり、より表層血管が抑制されるため、より好ましい。
また、表層血管に対する非強調波長領域は、青色領域において、上記極小値または上記青色領域の最小値の少なくとも一方に対して、1.5倍以下の値を有する波長領域であると、吸収が小さいため、好ましい。
あるいは、表層血管に対する非強調波長領域は、青色領域において、上記極大値または上記青色領域の最大値の少なくとも一方に対して、1/2以下の値をとる波長領域であると、吸収が小さいため、好ましい。
<レーザ光源44−3(レーザ3)>
レーザ光源44−3(レーザ3)は、ピーク波長540nmのレーザ光源である。このピーク波長540nmの第3のレーザ光は、観察体Oの表層領域よりも深い中層領域まで侵達長を有する。また、この第3のレーザ光のピーク波長540nmは、ヘモグロビンの光吸収スペクトルの緑色領域における極大値をとる極大波長であり、中層血管における吸収が大きい。そのため、第3のレーザ光を観察体Oへ照射した場合、中層血管における反射散乱光RLに対する光強度と、中層血管周辺における反射散乱光RLに対する光強度と、の間の光強度差が大きい。言い換えると、中層血管に対するコントラストが高い。すなわち、中層血管が強調される。
よって、第3のレーザ光を中層血管に対する強調狭帯域光と称し、また、レーザ光源44−3(レーザ3)を中層血管に対する強調狭帯域光源と称する。
なお、第3のレーザ光のピーク波長は、540nmに限らない。第3のレーザ光のピーク波長は、中層血管に対する強調波長領域にピーク波長または中心波長が含まれれば良い。
また、中層血管に対する強調波長領域は、ヘモグロビンの光吸収スペクトルの緑色領域における極大値をとる極大波長を含む波長領域ではなくて、ヘモグロビンの光吸収スペクトルの緑色領域における最大値をとる緑色領域最大波長を含む波長領域であっても良い。
ここで、中層血管に対する強調波長領域は、ヘモグロビンの吸収スペクトルの緑色領域における極大値をとる極大波長、または、緑色領域における最大値をとる緑色領域最大波長、の少なくとも一方に対して、±20nm以内の波長領域であると、光吸収が大きく、中層血管が強調されるため、好ましい。さらに、±10nm以内の波長領域であると、より光吸収が大きい領域であり、より中層血管が強調されるため、より好ましい。
また、中層血管に対する強調波長領域は、ヘモグロビンの吸収スペクトルの緑色領域における極大値、または、緑色領域における最大値、に対して、1/2以上の値となる波長領域であると、吸収が大きいため、好ましい。
<レーザ光源44−4(レーザ4)>
レーザ光源44−4(レーザ4)は、ピーク波長515nmのレーザ光源である。このピーク波長515nmの第4のレーザ光は、第3のレーザ光と同様、観察体Oの中層領域まで侵達長を有する。しかしながら、この第4のレーザ光のピーク波長515nmは、上記した中層血管に対する強調波長領域を含まない、中層血管に対する非強調波長領域に含まれる。第4のレーザ光を観察体Oへ照射した場合、中層血管における反射散乱光RLに対する光強度と、中層血管周辺における反射散乱光RLに対する光強度と、の間の光強度差は小さい。言い換えると、中層血管に対するコントラストが低い。すなわち、中層血管は強調されない。
よって、第4のレーザ光を中層血管に対する非強調狭帯域光と称し、また、レーザ光源44−4(レーザ4)を中層血管に対する非強調狭帯域光源と称する。
なお、第4のレーザ光のピーク波長は、515nmに限らない。第4のレーザ光のピーク波長は、中層血管を強調表示しない非強調波長領域に含まれれば良い。
中層血管に対する非強調波長領域は、中層血管に対する強調波長領域を含まない領域である。
また、中層血管に対する非強調波長領域は、ヘモグロビンの光吸収スペクトルの緑色領域における極小値をとる極小波長、または、ヘモグロビンの光吸収スペクトルの緑色領域における最小値をとる緑色領域最小波長、のうち、少なくとも一方を1つ含む領域であると好ましい。
ここで、中層血管に対する非強調波長領域は、上記極小波長、または、上記最小波長の少なくとも一方に対して、±20nm以内の波長領域であると、光吸収が小さく、中層血管が強調されないため、好ましい。さらに、±10nm以内の波長領域であると、より光吸収が小さい領域であり、より中層血管が抑制されるため、より好ましい。
また、中層血管に対する非強調波長領域は、緑色領域において、上記極小値または上記緑色領域の最小値の少なくとも一方に対して、1.5倍以下の値を有する波長領域であると、吸収が小さいため、好ましい。
あるいは、中層血管に対する非強調波長領域は、緑色領域において、上記極大値または上記緑色領域の最大値の少なくとも一方に対して、1/2以下の値をとる波長領域であると、吸収が小さいため、好ましい。
<レーザ光源44−5(レーザ5)>
レーザ光源44−5(レーザ5)は、ピーク波長595nmのレーザ光源である。このピーク波長595nmの第5のレーザ光は、観察体Oの中層領域よりも深い深層領域まで侵達長を有する。また、この第5のレーザ光のピーク波長595nmは、ヘモグロビンの光吸収スペクトルの赤色領域における最大値をとる赤色領域最大波長590nmに対して、±20nm以内の波長領域である深層血管に対する強調波長領域に含まれ、また、上記赤色領域最大値に対して1/2以上の値となる波長領域であり、深層血管における吸収が大きい。そのため、第5のレーザ光を観察体Oへ照射した場合、深層血管における反射散乱光RLに対する光強度と、深層血管周辺における反射散乱光RLに対する光強度と、の間の光強度差が大きい。言い換えると、深層血管に対するコントラストが高い。すなわち、深層血管が強調される。
よって、第5のレーザ光を深層血管に対する強調狭帯域光と称し、また、レーザ光源44−5(レーザ5)を深層血管に対する強調狭帯域光源と称する。
なお、第5のレーザ光のピーク波長は、595nmに限らない。第5のレーザ光のピーク波長は、深層血管に対する強調波長領域にピーク波長または中心波長が含まれれば良い。
また、深層血管に対する強調波長領域は、ヘモグロビンの光吸収スペクトルの赤色領域における極大値をとる極大波長を含む波長領域ではなくて、ヘモグロビンの光吸収スペクトルの赤色領域における最大値をとる赤色領域最大波長を含む波長領域であっても良い。
ここで、深層血管に対する強調波長領域は、ヘモグロビンの吸収スペクトルの赤色領域における極大値をとる極大波長、または、赤色領域における最大値をとる赤色領域最大波長、の少なくとも一方に対して、±20nm以内の波長領域であると、光吸収が大きく、深層血管が強調されるため、好ましい。さらに、±10nm以内の波長領域であると、より光吸収が大きい領域であり、より深層血管が強調されるため、より好ましい。
また、深層血管に対する強調波長領域は、ヘモグロビンの吸収スペクトルの赤色領域における極大値、または、赤色領域における最大値、に対して、1/2以上の値となる波長領域であると、吸収が大きいため、好ましい。
<レーザ光源44−6(レーザ6)>
レーザ光源44−6(レーザ6)は、ピーク波長635nmのレーザ光源である。このピーク波長635nmの第6のレーザ光は、第5のレーザ光と同様、観察体Oの深層領域まで侵達長を有する。しかしながら、この第6のレーザ光のピーク波長635nmは、上記した深層血管に対する強調波長領域を含まない、深層血管に対する非強調波長領域に含まれる。第6のレーザ光を観察体Oへ照射した場合、深層血管における反射散乱光RLに対する光強度と、深層血管周辺における反射散乱光RLに対する光強度と、の間の光強度差は小さい。言い換えると、深層血管に対するコントラストが低い。すなわち、深層血管は強調されない。
よって、第6のレーザ光を深層血管に対する非強調狭帯域光と称し、また、レーザ光源44−6(レーザ6)を深層血管に対する非強調狭帯域光源と呼ぶ。
なお、第6のレーザ光のピーク波長は、635nmに限らない。第6のレーザ光のピーク波長は、深層血管を強調表示しない非強調波長領域に含まれれば良い。
深層血管に対する非強調波長領域は、深層血管に対する強調波長領域を含まない領域である。
また、深層血管に対する非強調波長領域は、ヘモグロビンの光吸収スペクトルの赤色領域における極小値をとる極小波長、または、ヘモグロビンの光吸収スペクトルの赤色領域における最小値をとる赤色領域最小波長、のうち、少なくとも一方を1つ含む領域であると好ましい。
ここで、深層血管に対する非強調波長領域は、上記極小波長、または、上記最小波長の少なくとも一方に対して、±20nm以内の波長領域であると、光吸収が小さく、深層血管が強調されないため、好ましい。さらに、±10nm以内の波長領域であると、より光吸収が小さい領域であり、より深層血管が抑制されるため、より好ましい。
また、深層血管に対する非強調波長領域は、赤色領域において、上記極小値または上記赤色領域の最小値の少なくとも一方に対して、1.5倍以下の値を有する波長領域であると、吸収が小さいため、好ましい。
あるいは、深層血管に対する非強調波長領域は、赤色領域において、上記極大値または上記赤色領域の最大値の少なくとも一方に対して、1/2以下の値をとる波長領域であると、吸収が小さいため、好ましい。
なお、上記複数の狭帯域光、すなわち、強調狭帯域光及び非強調狭帯域光は、レーザ光以外の光でも良い。ただし、波長幅が50nm以下の狭帯域光が好ましく、波長幅が5nm以下の狭帯域光だとより好ましい。波長幅は、例えば半値全幅(FWHM)や、RMS(Root Mean Square)法による波長幅である。半値幅レーザ光の波長幅は、例えば1nmである。光源としては、例えば、LED、LED光やレーザ光によって励起した蛍光を用いた光源、あるいは広帯域な光源に対して分光フィルタを用いて狭帯域光を生成する構成、でも良い。分光フィルタを用いて狭帯域光を生成する構成においては、例えば分光フィルタを機械的に切り替えることで、出射する狭帯域光の波長を切り替える。
<色領域>
上記した青色領域、緑色領域、及び赤色領域は、以下の波長領域で定義する。
青色領域:400〜510nm、
緑色領域:490〜610nm、
赤色領域:590〜700nm。
この各波長領域は、可視光領域のうち、400〜700nmの波長領域において、3等分したうえで、20nmの重なり領域(オーバーラップ)をもたせた波長領域である。このようにバランスよく設定した波長領域を基に波長設定すると、青色領域、緑色領域、及び赤色領域の各色領域に波長を有した場合に、色再現性の良い照明光ILを生成することが可能となる。
また、例えば400nm未満の波長領域と、700nm以上の波長領域について、それぞれ青色領域及び赤色領域に割り当てても良い。その場合、青色領域、緑色領域、及び赤色領域は、以下の波長領域で定義される。
青色領域:380〜510nm、
緑色領域:490〜610nm、
赤色領域:590〜780nm。
また、例えば、撮像部22においてカラーフィルタを用いて分光画像を取得する場合は、カラーフィルタの分光特性を用いて、青色領域、緑色領域、及び赤色領域を定義しても良い。図4は、青色(B)のカラーフィルタの分光特性56B、緑色(G)のカラーフィルタの分光特性56G、及び赤色(R)のカラーフィルタの分光特性56Rの一例を示している。ここで、例えば、各色のカラーフィルタにおいて20%以上の透過率を有する波長領域を、各色領域と定義する。すなわち、図4に示されるように、青色領域は、400〜525nmであり、緑色領域は、470〜625nmであり、赤色領域は、570〜700nmである。
図4に示されるように、カラーフィルタにおいて透過率がゼロになっている波長領域はほとんどなく、可視光の広い領域で数%から10%程度の透過率を有している。この数%から10%程度の透過率は、カラー画像の撮影において、無視できるレベルだと考えられるため、色領域の定義においては、透過率20%以上の範囲で定義することが望ましい。
<各色領域における極大値と色領域最大値>
酸化ヘモグロビンの吸収スペクトルに対する、各色領域における極大値と色領域最大値は、図5に示すようになる。
すなわち、青色領域58Bにおいて、青色領域極大値60Bをとる極大波長と青色領域最大値62Bをとる色領域最大波長とは同じ波長415nmであり、また、青色領域極小値64Bをとる極小波長と青色領域最小値66Bをとる色領域最小波長とは同じ波長500nmである。
これに対して、緑色領域58Gにおいては、緑色領域極大値60Gをとる極大波長と緑色領域最大値62Gをとる色領域最大波長とは同じであるが、波長540nmと約575nmの2つ存在する。緑色領域極小値64Gをとる極小波長も2つ存在し、1つは波長500nmであり、もつ1つは波長560nmである。緑色領域最小値66Gをとる色領域最小波長は波長610nmである。
そして、赤色領域58Rにおいては、極大値及び極小値は存在せず、赤色領域最大値62Rをとる色領域最大波長は波長590nmであり、赤色領域最小値66Rをとる色領域最小波長は波長685nmである。
<侵達長>
近紫外から近赤外の波長領域の光を生体(観察体O)へ照射した場合、生体組織(上皮や、粘膜や、水分など)における光散乱特性及び光吸収特性により、長波長の光ほど、生体への侵達長が深い。
例えば、図6Aに示すように、生体(観察体O)が持つ血管としては、生体の表面近くに表層血管(毛細血管)68sが存在し、それより深い部分に中層血管(毛細血管よりも太い血管)68mが存在し、更に深部に深層血管(中層血管よりも太い血管)68dが存在する。ここで、表層血管68sが存在する領域を生体の表層領域70s、中層血管68mが存在する領域を中層領域70m、深層血管68dが存在する領域を深層領域70dと称するものとする。
図6Bに示すように、生体(観察体O)に対して短波長側の青色領域58Bの光を照射した場合は、この青色領域58Bの光は、生体の表層領域70sまで侵達長を有し、表層血管68sにおいて吸収の影響を大きく受け、生体(観察体O)画像へ反映される。また、緑色領域58Gの光を照射した場合は、緑色領域58Gの光は生体の中層領域70mまで侵達長を有し、中層血管68mにおいて吸収の影響を大きく受け、生体(観察体O)画像へ反映される。また、赤色領域58Rの光を照射した場合は、赤色領域58Rの光は、生体の深層領域70dまで侵達長を有し、深層血管68dにおいて吸収の影響を大きく受け、生体(観察体O)画像へ反映される。
また例えば、侵達長は、以下のように定義される。
生体(観察体O)内の距離xにおける光強度I(x)は、入射光強度をI0、減衰係数をαとすると、I(x)=I0exp[−αx]として表される。
ここで、減衰係数αの逆数、すなわち、光強度が1/eとなる距離が侵達長として定義される。なお、減衰係数αは、吸収係数をμa、散乱係数をμs、異方性因子g、等価散乱係数をμs’=(1−g)μsとして、以下の(1)式で定義される。
また、例えば減衰係数αとして、単に吸収係数μa、散乱係数μs、等価散乱係数μs’を用いても良い。
吸収係数μa、散乱係数μs、及び異方性因子gは、生体(観察体O)及び波長によって異なる。
<光ファイバ48−1〜48−6、52>
光ファイバ48−1〜48−6、及び光ファイバ52は、例えばコア径数十μm〜数百μmの単線ファイバである。各レーザ光源44−1〜44−6と光ファイバ48−1〜48−6との間には、レーザ光源から射出されたレーザ光を収束させて光ファイバに結合するための結合レンズ(図示していない)を有する。
なお、光ファイバ52の代わりに、複数の光ファイバを束ねて構成されるバンドルファイバを用いても良い。
<光源駆動部46>
光源駆動部46は、レーザ光源44−1〜44−6のON/OFF、駆動電流、駆動方式(連続駆動(CW)、パルス駆動など)を各レーザ光源に対して独立に制御可能である。
光源駆動部46は、入力部18からの観察モード情報に応じて、レーザ光源44−1〜44−6に対して、点灯させるレーザの組み合わせを制御する。
光源駆動部46は、光量比変更部72と記憶部74とを有している。
光量比変更部72は、入力部18に入力された観察モード情報に応じて、第1の光量比と第2の光量比と第3の光量比とを変更する。
ここで、第1の光量比は、レーザ光源44−1(レーザ1)が出射する第1のレーザ光(第1の強調狭帯域光)の光量と、レーザ光源44−2(レーザ2)が出射する第2のレーザ光(第1の非強調狭帯域光)の光量と、の比である。
第2の光量比は、レーザ光源44−3(レーザ3)が出射する第3のレーザ光(第2の強調狭帯域光)の光量と、レーザ光源44−4(レーザ4)が出射する第4のレーザ光(第2の非強調狭帯域光)の光量と、の比である。
第3の光量比は、レーザ光源44−5(レーザ5)が出射する第5のレーザ光(第3の強調狭帯域光)の光量と、レーザ光源44−6(レーザ6)が出射する第6のレーザ光(第3の非強調狭帯域光)の光量と、の比である。
言い換えると、光量比変更部72は、それら第1の光量比と第2の光量比と第3の光量比とを変更することで、観察モードの切り替えを行う。
例えば、観察モードM8(表層-中層血管強調中間モード1)における第2の光量比は、観察モードM1(表層血管強調モード)における第2の光量比(0:1)と観察モードM4(表層-中層血管強調モード)における第2の光量比(1:0)との中間の光量比(例えば、0.5:0.5)である。また、観察モードM9(表層-中層血管強調中間モード2)における第1の光量比は、観察モードM2(中層血管強調モード)における第1の光量比(0:1)と観察モードM4(表層-中層血管強調モード)における第1の光量比(1:0)との中間の光量比(例えば、0.5:0.5)である。その他の観察モードにおける光量比については、後述する。
記憶部74は、各観察モードにおいて点灯するレーザ光源の組み合わせ、及び、各レーザ光源に印加する電流値または電圧値を記憶する。すなわち、記憶部74は、図7に示すような各観察モードにおいて点灯するレーザ光源の組み合わせを記憶している。
なお、光源駆動部46は、入力部18に入力された観察モード情報に応じて第1乃至第3の光量比を変更するだけでなく、ある観察モードから第1乃至第3の光量比を連続的に変更及び調整しても良い。その場合には、内視鏡装置10の構成を、入力部18が第1乃至第3の光量比を変更及び調整するためのユーザ指示を本体部14に入力する機能を備えるように変更すれば良い。
また、この光源駆動部46は、プロセッサにより構成しても良い。この場合、記憶部74は、プロセッサ内蔵のメモリであっても良いし、プロセッサがアクセス可能な外部メモリであっても構わない。また、外部メモリには、プロセッサが実行することで当該プロセッサをこの光源駆動部46として機能させるためのプログラムコードを記憶させておく。
各観察モードにおいて点灯するレーザ光源の組み合わせ及び出射されるレーザ光の組み合わせの詳細については、後述する。
<光変換部54>
光変換部54は、図8に示すように、光ファイバ52の先端にアルミナ粒子などの拡散部材76を配置してなる。これら光ファイバ52の先端と拡散部材76は、ホルダ78によって、保持されると共に、その位置関係が規定される。
拡散部材76は、光ファイバ52によって導光された複数のレーザ光を拡散し、所望な配光に変換する機能を持つ。拡散部材76は、光の波長については変換しない。
なお、光変換部54は、拡散部材76の代わりに、レンズを用いても良いし、レンズと拡散部材76とを組み合わせて用いても良い。
また、光ファイバ52の代わりにバンドルファイバを用いる場合には、上記光変換部54は、拡散部材76の代わりにレンズを用いても良い。
<撮像部22>
撮像部22は、観察体Oからの反射散乱光RLを検出し、撮像信号を生成する。撮像信号は、本体部14の画像処理部24に出力される。
撮像部22は、特に図示はしていないが、赤色領域58Rを検出するR光検出要素と、緑色領域58Gを検出するG光検出要素と、青色領域58Bを検出するB光検出要素と、の3種類の光検出要素を有している。R光検出要素と、G光検出要素と、B光検出要素におけるカラーフィルタの分光特性の一例は図4に示してした通りである。
撮像部22は、R光検出要素、G光検出要素、及びB光検出要素によって、赤色領域58R、緑色領域58G、及び青色領域58Bの3つの波長領域についてそれぞれ分離して独立に、R撮像信号、G撮像信号、及びB撮像信号を生成する。
撮像部22は、具体的には、CCDイメージャやCMOSイメージャである。
なお、撮像部22は、カラーフィルタを有さないモノクロイメージャでも良い。その場合は、異なるタイミングで順次出射された複数のレーザ光に対する反射散乱光RLを、異なるタイミングで順次受光して撮像信号を生成し、画像処理部24においてRGBに割当処理を行う。
<画像処理部24、画像表示部16>
画像処理部24は、撮像部22から出力されたB撮像信号、G撮像信号、R撮像信号に対して、観察モード情報に応じた画像処理を行い、観察体画像を構成する画像信号を生成する。
なお、この画像処理部24は、プロセッサにより構成しても良い。この場合、プロセッサがアクセス可能な外部メモリに、プロセッサが実行することで当該プロセッサをこの画像処理部24として機能させるためのプログラムコードを記憶しておく。
なお、撮像部22が、カラーフィルタを有さないモノクロイメージャの場合は、異なるタイミングで順次生成された撮像信号に対して、BGRへ割当処理を行ったうえで、画像信号を生成する。
画像表示部16は、画像処理部24によって生成された画像信号に従って観察体画像を表示する。画像表示部16は、例えば液晶ディスプレイ等のモニタである。
以下に、以上説明したような構成の内視鏡装置10の動作を説明する。
前述したように、光源駆動部46は、ユーザにより入力された観察モードを示す入力部18からの観察モード情報に応じて、レーザ光源44−1〜44−6に対して、点灯させるレーザの組み合わせを、図9に示すように制御する。これにより、画像表示部16には、各観察モードにおいて、図10に示すように観察体画像が表示される。
なお、図9において、レーザ光スペクトルの縦軸は任意スケールである。また、図9及び図10は、観察モードM1〜M16の何れかの血管強調モードを示しており、観察モードM17の通常観察モードは示していない。
以下、各観察モードについて、詳細に説明する。
<観察モードM1(表層血管強調モード)>
ユーザによって、入力部18に観察モードとして、観察モードM1(表層血管強調モード)が入力されると、入力部18から光源駆動部46と画像処理部24へ観察モードM1(表層血管強調モード)の観察モード情報が出力される。
光源駆動部46は、観察モードM1(表層血管強調モード)の観察モード情報を受け取ると、図7、図9及び図11に示すように、レーザ光源44−1(レーザ1)、レーザ光源44−4(レーザ4)、及びレーザ光源44−6(レーザ6)を点灯し、それらレーザ光源44−1、44−4及び44−6から第1のレーザ光、第4のレーザ光、及び第6のレーザ光を出射させる。
すなわち、光源駆動部46の光量比変更部72は、第1乃至第3の光量比を次のように変更する。
第1のレーザ光と第2のレーザ光の光量比(第1の光量比)=1:0、
第3のレーザ光と第4のレーザ光の光量比(第2の光量比)=0:1、
第5のレーザ光と第6のレーザ光の光量比(第3の光量比)=0:1。
ここで、レーザ光源44−1(レーザ1)は、表層血管68s(表層領域70s)に対する強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−1(レーザ1)から出射される第1のレーザ光は、表層血管68s(表層領域70s)に対する強調狭帯域光である。この表層血管68sに対する強調狭帯域光である第1のレーザ光の波長は、図9及び図11に示すように、415nmであり、青色領域58Bに含まれる。なお、図11において、レーザ光スペクトルの縦軸は任意スケールである。
また、レーザ光源44−4(レーザ4)は、中層血管68m(中層領域70m)における非強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−4(レーザ4)から出射される第4のレーザ光は、中層血管68m(中層領域70m)における非強調狭帯域光である。この中層血管68mに対する非強調狭帯域光である第4のレーザ光の波長は、図9及び図11に示すように、515nmであり、緑色領域58Gに含まる。
そして、レーザ光源44−6(レーザ6)は、深層血管68d(深層領域70d)における非強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−6(レーザ6)から出射される第6のレーザ光は、深層血管68d(深層領域70d)における非強調狭帯域光である。この深層血管68dに対する非強調狭帯域光である第6のレーザ光の波長は、図9及び図11に示すように、635nmであり、赤色領域58Rに含まれる。
これら第1のレーザ光、第4のレーザ光、及び第6のレーザ光は、光ファイバ48−1、48−4、及び48−6を導光した後、光合波部50において合波される。
合波された第1のレーザ光、第4のレーザ光、及び第6のレーザ光は、挿入部26の先端の光変換部54において、所望な配光変換がなされた後、照明光ILとして出射され、観察体Oに照射される。
波長が青色領域58Bに含まれる第1のレーザ光は、表層領域70sまで侵達長を有する。第1のレーザ光が観察体Oへ照射された場合、表層血管68sにおける反射散乱光RLに対する光強度と、表層血管68s周辺における反射散乱光RLに対する光強度と、の間の光強度差が大きい。言い換えると、表層血管68sに対するコントラストが高い。すなわち、表層血管68sが強調される。
観察体Oにおける照明光ILの反射散乱光RLは、撮像部22で検出される。ここで、撮像部22は、波長が青色領域58Bに含まれる第1のレーザ光の反射散乱光RLをB光検出要素で検出し、B撮像信号を生成する。このB撮像信号は、画像処理部24へ出力される。画像処理部24は、撮像部22から出力されたB撮像信号に対して、観察モード情報に応じた画像処理を行い、B画像信号を生成する。
また、波長が緑色領域58Gに含まれる第4のレーザ光は、中層領域70mまで侵達長を有する。第4のレーザ光が観察体Oへ照射された場合、中層血管68mにおける反射散乱光RLに対する光強度と、中層血管68m周辺における反射散乱光RLに対する光強度と、の間の光強度差は小さい。言い換えると、中層血管68mに対するコントラストが低い。すなわち、中層血管68mを強調しない。
撮像部22は、波長が緑色領域58Gに含まれる第4のレーザ光の反射散乱光RLをG光検出要素で検出し、G撮像信号を生成する。このG撮像信号は、画像処理部24へ出力される。画像処理部24は、撮像部22から出力されたG撮像信号に対して、観察モード情報に応じた画像処理を行い、G画像信号を生成する。
また、波長が赤色領域58Rに含まれる第6のレーザ光は、深層領域70dまで侵達長を有する。第6のレーザ光が観察体Oへ照射された場合、深層血管68dにおける反射散乱光RLに対する光強度と、深層血管68d周辺における反射散乱光RLに対する光強度と、の間の光強度差は小さい。言い換えると、深層血管68dに対するコントラストが低い。すなわち、深層血管68dを強調しない。
撮像部22は、波長が赤色領域58Rに含まれる第6のレーザ光の反射散乱光RLをR光検出要素で検出し、R撮像信号を生成する。このR撮像信号は、画像処理部24へ出力される。画像処理部24は、撮像部22から出力されたR撮像信号に対して、観察モード情報に応じた画像処理を行い、R画像信号を生成する。
すなわち、表層血管68sにおける照明光ILの反射散乱光RLに対する光強度は、中層血管68m及び深層血管68dにおける照明光ILの反射散乱光RLに対する光強度よりも、血管周辺部(粘膜部など)における反射散乱光RLに対する光強度との強度差が大きい。
観察モードM1(表層血管強調モード)における照明光ILにおいては、表層領域70sが注目深さ領域であり、中層領域70m及び深層領域70dが非注目深さ領域である。
表層血管68sを詳細に観察したい場合に、この観察モードが有効である。
また、照明光ILにおいて、強調狭帯域光が含まれるのは、3つの色領域のうち、何れか1つの色領域のみである。それにより、表層のみ、あるいは、後述するように中層のみまたは深層のみを強調できる。なおここで、何れか1つの色領域のみとは、他の色領域と領域が重なっている色重なり領域を除外するものではない。この色重なり領域を含めたその1つの色領域を指す。
さらに、照明光ILにおいて、強調狭帯域光が1つのみである。また、照明光ILにおいて、非強調狭帯域光は、強調狭帯域光が含まれる色領域には含まれない。これにより、注目深さの血管を強調することができる。注目深さ領域に強調狭帯域光が複数ある、または強調狭帯域光と非強調狭帯域光が混合されると、注目深さの血管コントラストが低減するためである。
また、第1のレーザ光(強調狭帯域光)と第4のレーザ光(非強調狭帯域光)と第6のレーザ光(非強調狭帯域光)は、同時に点灯して、観察体Oに照射しても良いし、それぞれを異なるタイミングで順次点灯して、順次照射しても良い。特に、撮像部22が、カラーフィルタを有さないモノクロイメージャである場合は、それぞれを異なるタイミングで順次点灯して、順次照射する必要がある。
ただし、強調狭帯域光と、この強調狭帯域光が含まれる色領域と隣り合う色領域(この場合は、緑色領域58G)に含まれる非強調狭帯域光(この場合は、第4のレーザ光)については、それぞれ異なるタイミングで順次出射され、撮像部22において、それぞれB撮像信号とG撮像信号に完全に分離されることが望ましい。撮像部22のカラーフィルタにおいては、隣り合う色領域についても感度を有する場合が多い。その場合、強調狭帯域光が含まれる撮像信号(この場合、B撮像信号)に対して非強調狭帯域光(この場合、第4のレーザ光)も含まれてしまい、注目深さの血管コントラストが低下してしまうためである。
また、第1のレーザ光と第4のレーザ光と第6のレーザ光との強度比は、それら第1、第4及び第6のレーザ光の混合光が白色光となるように設定される。白色光とは、例えばキセノンランプやハロゲンランプのような広帯域な照明光ILの色を再現する色である。または、白色光とは、キセノンランプやハロゲンランプのような広帯域な照明光ILに照射されたときの観察体Oの色を再現する色である。より具体的には、白色光は、例えば、色度座標、相関色温度、黒体軌跡からの色差を用いて定義される。例えば、色度座標においては、(x=0.2〜0.4、y=0.2〜0.4)、(x=0.4〜0.5、y=0.35〜0.45)の範囲の色、また、相関色温度においては、相関色温度2000〜100000Kの範囲の色、あるいは、黒体軌跡においては、黒体軌跡からの色差(duv)が±0.1以内の色、として定義される。また、白色光は、撮像素子の分光感度を考慮して定義しても良い。例えば、照明光ILのスペクトルに撮像素子の分光感度を掛け合わせたスペクトルに対して算出した色度座標または相関色温度に対して、上記のように規定しても良い。
また、用途に応じて、白色以外の色となるように設定されても良い。その場合も、上記のように色度座標等で色を規定する。
照明光ILに含まれる2つの非強調狭帯域光は、強調狭帯域光が含まれていない2つの色領域(この場合、緑色領域58G、赤色領域58R)にそれぞれ含まれる。非強調狭帯域光は、照明光ILの色再現性を高めるように照明光ILを構成する複数の狭帯域光に含まれる。なお、3つの色領域のうち、強調狭帯域光が含まれていないすべての色領域に非強調狭帯域光が含まれることが照明光ILの色再現性向上にとってより望ましいが、少なくとも1つの非強調狭帯域光が、強調狭帯域光が含まれていない色領域に含まれていれば良い(例えば、第1のレーザ光と第4のレーザ光のみ、または、第1のレーザ光と第6のレーザ光のみでも良い)。それにより、照明光ILの色再現性が向上する。さらに、強調狭帯域光と非強調狭帯域光のどちらか一方が3つの色領域の各々に含まれていることが、色再現性向上において、より好ましい。
画像処理部24は、B撮像信号、G撮像信号、R撮像信号のうち、強調狭帯域光が含まれる色領域に対応する撮像信号に対して、コントラスト強調画像処理と、輪郭(エッジ)強調画像処理と、血管構造強調画像処理と、の3種の画像処理のうち、少なくとも1つを行う。
この3つの画像処理自体は、公知の画像処理である。
すなわち、コントラスト強調画像処理は、画像の明暗の差(コントラスト)を広げる画像処理である。
また、輪郭(エッジ)強調画像処理は、画像内の輪郭(エッジ)部(明るさの境目)の明暗の差を広げる画像処理である。
そして、血管構造強調画像処理は、血管模様に対応した周波数成分を強調する画像処理である。
また、画像処理部24は、B撮像信号、G撮像信号、R撮像信号のうち、強調狭帯域光が含まれない色領域に対応する撮像信号に対して、コントラスト抑制画像処理と、輪郭(エッジ)抑制画像処理と、血管構造抑制画像処理と、の3種の画像処理のうち、少なくとも1つを行う。
この3つの画像処理自体は、公知の画像処理である。
すなわち、コントラスト抑制画像処理は、画像の明暗の差(コントラスト)を狭める画像処理である。
また、輪郭(エッジ)抑制画像処理は、画像内の輪郭(エッジ)部(明るさの境目)の明暗の差を狭める画像処理である。
そして、血管構造抑制画像処理は、血管模様に対応した周波数成分を抑制する画像処理である。
また、強調狭帯域光と非強調狭帯域光が2つの色領域のみにしか含まれていない場合(例えば、第1のレーザ光と第4のレーザ光のみの場合)は、公知の色変換処理として、2つの撮像信号を3つの画像信号に割り当てを行って観察体画像を生成しても良い(例えば、G撮像信号からR画像を生成し、B撮像信号からG及びB画像を生成する)。
そして、画像処理部24で生成されたB画像信号、G画像信号、及びR画像信号は、画像表示部16に送信され、図10及び図12に示すように、観察体画像80として表示される。すなわち、この観察体画像80では、表層血管68sを示す表層血管画像82sが強調して表示され、中層血管68m及び深層血管68dを示す中層血管画像82m及び深層血管画像82dについては強調表示されない。
<観察モードM2(中層血管強調モード)>
ユーザによって、入力部18に観察モードとして、観察モードM2(中層血管強調モード)が入力されると、入力部18から光源駆動部46と画像処理部24へ観察モードM2(中層血管強調モード)の観察モード情報が出力される。
光源駆動部46は、観察モードM2(中層血管強調モード)の観察モード情報を受け取ると、図7、図9及び図13に示すように、レーザ光源44−2(レーザ2)、レーザ光源44−3(レーザ3)、及びレーザ光源44−6(レーザ6)を点灯し、それらレーザ光源44−2、44−3及び44−6から第2のレーザ光、第3のレーザ光、及び第6のレーザ光を出射させる。
すなわち、光源駆動部46の光量比変更部72は、第1乃至第3の光量比を次のように変更する。
第1のレーザ光と第2のレーザ光の光量比(第1の光量比)=0:1、
第3のレーザ光と第4のレーザ光の光量比(第2の光量比)=1:0、
第5のレーザ光と第6のレーザ光の光量比(第3の光量比)=0:1。
ここで、レーザ光源44−2(レーザ2)は、表層血管68s(表層領域70s)に対する非強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−2(レーザ2)から出射される第2のレーザ光は、表層血管68s(表層領域70s)に対する非強調狭帯域光である。この表層血管68sに対する非強調狭帯域光である第2のレーザ光の波長は、図9及び図13に示すように、445nmであり、青色領域58Bに含まれる。なお、図13において、レーザ光スペクトルの縦軸は任意スケールである。
また、レーザ光源44−3(レーザ3)は、中層血管68m(中層領域70m)における強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−3(レーザ3)から出射される第3のレーザ光は、中層血管68m(中層領域70m)における強調狭帯域光である。この中層血管68mに対する強調狭帯域光である第3のレーザ光の波長は、図9及び図13に示すように、540nmであり、緑色領域58Gに含まる。
そして、レーザ光源44−6(レーザ6)は、深層血管68d(深層領域70d)における非強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−6(レーザ6)から出射される第6のレーザ光は、深層血管68d(深層領域70d)における非強調狭帯域光である。この深層血管68dに対する非強調狭帯域光である第6のレーザ光の波長は、図9及び図13に示すように、635nmであり、赤色領域58Rに含まれる。
これら第2のレーザ光、第3のレーザ光、及び第6のレーザ光は、光ファイバ48−2、48−3、及び48−6を導光した後、光合波部50において合波される。
合波された第2のレーザ光、第3のレーザ光、及び第6のレーザ光は、挿入部26の先端の光変換部54において、所望な配光変換がなされた後、照明光ILとして出射され、観察体Oに照射される。
波長が青色領域58Bに含まれる第2のレーザ光は、表層領域70sまで侵達長を有する。第2のレーザ光が観察体Oへ照射された場合、表層血管68sにおける反射散乱光RLに対する光強度と、表層血管68s周辺における反射散乱光RLに対する光強度と、の間の光強度差は小さい。言い換えると、表層血管68sに対するコントラストが低い。すなわち、表層血管68sを強調しない。
観察体Oにおける照明光ILの反射散乱光RLは、撮像部22で検出される。ここで、撮像部22は、波長が青色領域58Bに含まれる第2のレーザ光の反射散乱光RLをB光検出要素で検出し、B撮像信号を生成する。このB撮像信号は、画像処理部24へ出力される。画像処理部24は、撮像部22から出力されたB撮像信号に対して、観察モード情報に応じた画像処理を行い、B画像信号を生成する。
また、波長が緑色領域58Gに含まれる第3のレーザ光は、中層領域70mまで侵達長を有する。第3のレーザ光が観察体Oへ照射された場合、中層血管68mにおける反射散乱光RLに対する光強度と、中層血管68m周辺における反射散乱光RLに対する光強度と、の間の光強度差は大きい。言い換えると、中層血管68mに対するコントラストが高い。すなわち、中層血管68mが強調される。
撮像部22は、波長が緑色領域58Gに含まれる第3のレーザ光の反射散乱光RLをG光検出要素で検出し、G撮像信号を生成する。このG撮像信号は、画像処理部24へ出力される。画像処理部24は、撮像部22から出力されたG撮像信号に対して、観察モード情報に応じた画像処理を行い、G画像信号を生成する。
また、波長が赤色領域58Rに含まれる第6のレーザ光は、深層領域70dまで侵達長を有する。第6のレーザ光が観察体Oへ照射された場合、深層血管68dにおける反射散乱光RLに対する光強度と、深層血管68d周辺における反射散乱光RLに対する光強度と、の間の光強度差は小さい。言い換えると、深層血管68dに対するコントラストが低い。すなわち、深層血管68dを強調しない。
撮像部22は、波長が赤色領域58Rに含まれる第6のレーザ光の反射散乱光RLをR光検出要素で検出し、R撮像信号を生成する。このR撮像信号は、画像処理部24へ出力される。画像処理部24は、撮像部22から出力されたR撮像信号に対して、観察モード情報に応じた画像処理を行い、R画像信号を生成する。
すなわち、中層血管68mにおける照明光ILの反射散乱光RLに対する光強度は、表層血管68s及び深層血管68dにおける照明光ILの反射散乱光RLに対する光強度よりも、血管周辺部(粘膜部など)における反射散乱光RLに対する光強度との強度差が大きい。
観察モードM2(中層血管強調モード)における照明光ILにおいては、中層領域70mが注目深さ領域であり、表層領域70s及び深層領域70dが非注目深さ領域である。
中層血管68mを詳細に観察したい場合に、この観察モードが有効である。
画像処理部24は、B撮像信号、G撮像信号、R撮像信号のうち、強調狭帯域光が含まれる色領域に対応する撮像信号(この場合、G撮像信号)に対して、コントラスト強調画像処理と、輪郭(エッジ)強調画像処理と、血管構造強調画像処理と、の3種の画像処理のうち、少なくとも1つを行う。また、画像処理部24は、B撮像信号、G撮像信号、R撮像信号のうち、強調狭帯域光が含まれない色領域に対応する撮像信号(この場合、B撮像信号及びR撮像信号)に対して、コントラスト抑制画像処理と、輪郭(エッジ)抑制画像処理と、血管構造抑制画像処理と、の3種の画像処理のうち、少なくとも1つを行う。
そして、画像処理部24で生成されたB画像信号、G画像信号、及びR画像信号は、画像表示部16に送信され、図10及び図14に示すように、観察体画像80として表示される。すなわち、この観察体画像80では、中層血管68mを示す中層血管画像82mが強調して表示され、表層血管68s及び深層血管68dを示す表層血管画像82s及び深層血管画像82dについては強調表示されない。
<観察モードM3(深層血管強調モード)>
ユーザによって、入力部18に観察モードとして、観察モードM3(深層血管強調モード)が入力されると、入力部18から光源駆動部46と画像処理部24へ観察モードM3(深層血管強調モード)の観察モード情報が出力される。
光源駆動部46は、観察モードM3(深層血管強調モード)の観察モード情報を受け取ると、図7、図9及び図15に示すように、レーザ光源44−2(レーザ2)、レーザ光源44−4(レーザ4)、及びレーザ光源44−5(レーザ5)を点灯し、それらレーザ光源44−2、44−4及び44−5から第2のレーザ光、第4のレーザ光、及び第5のレーザ光を出射させる。
すなわち、光源駆動部46の光量比変更部72は、第1乃至第3の光量比を次のように変更する。
第1のレーザ光と第2のレーザ光の光量比(第1の光量比)=0:1、
第3のレーザ光と第4のレーザ光の光量比(第2の光量比)=0:1、
第5のレーザ光と第6のレーザ光の光量比(第3の光量比)=1:0。
ここで、レーザ光源44−2(レーザ2)は、表層血管68s(表層領域70s)に対する非強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−2(レーザ2)から出射される第2のレーザ光は、表層血管68s(表層領域70s)に対する非強調狭帯域光である。この表層血管68sに対する非強調狭帯域光である第2のレーザ光の波長は、図9及び図15に示すように、445nmであり、青色領域58Bに含まれる。なお、図15において、レーザ光スペクトルの縦軸は任意スケールである。
また、レーザ光源44−4(レーザ4)は、中層血管68m(中層領域70m)における非強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−4(レーザ4)から出射される第4のレーザ光は、中層血管68m(中層領域70m)における非強調狭帯域光である。この中層血管68mに対する非強調狭帯域光である第4のレーザ光の波長は、図9及び図15に示すように、515nmであり、緑色領域58Gに含まる。
そして、レーザ光源44−5(レーザ5)は、深層血管68d(深層領域70d)における強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−5(レーザ5)から出射される第5のレーザ光は、深層血管68d(深層領域70d)における強調狭帯域光である。この深層血管68dに対する強調狭帯域光である第5のレーザ光の波長は、図9及び図15に示すように、595nmであり、赤色領域58Rに含まれる。
これら第2のレーザ光、第4のレーザ光、及び第5のレーザ光は、光ファイバ48−2、48−4、及び48−5を導光した後、光合波部50において合波される。
合波された第2のレーザ光、第4のレーザ光、及び第5のレーザ光は、挿入部26の先端の光変換部54において、所望な配光変換がなされた後、照明光ILとして出射され、観察体Oに照射される。
波長が青色領域58Bに含まれる第2のレーザ光は、表層領域70sまで侵達長を有する。第2のレーザ光が観察体Oへ照射された場合、表層血管68sにおける反射散乱光RLに対する光強度と、表層血管68s周辺における反射散乱光RLに対する光強度と、の間の光強度差は小さい。言い換えると、表層血管68sに対するコントラストが低い。すなわち、表層血管68sを強調しない。
観察体Oにおける照明光ILの反射散乱光RLは、撮像部22で検出される。ここで、撮像部22は、波長が青色領域58Bに含まれる第2のレーザ光の反射散乱光RLをB光検出要素で検出し、B撮像信号を生成する。このB撮像信号は、画像処理部24へ出力される。画像処理部24は、撮像部22から出力されたB撮像信号に対して、観察モード情報に応じた画像処理を行い、B画像信号を生成する。
また、波長が緑色領域58Gに含まれる第4のレーザ光は、中層領域70mまで侵達長を有する。第4のレーザ光が観察体Oへ照射された場合、中層血管68mにおける反射散乱光RLに対する光強度と、中層血管68m周辺における反射散乱光RLに対する光強度と、の間の光強度差は小さい。言い換えると、中層血管68mに対するコントラストが低い。すなわち、中層血管68mを強調しない。
撮像部22は、波長が緑色領域58Gに含まれる第4のレーザ光の反射散乱光RLをG光検出要素で検出し、G撮像信号を生成する。このG撮像信号は、画像処理部24へ出力される。画像処理部24は、撮像部22から出力されたG撮像信号に対して、観察モード情報に応じた画像処理を行い、G画像信号を生成する。
また、波長が赤色領域58Rに含まれる第5のレーザ光は、深層領域70dまで侵達長を有する。第5のレーザ光が観察体Oへ照射された場合、深層血管68dにおける反射散乱光RLに対する光強度と、深層血管68d周辺における反射散乱光RLに対する光強度と、の間の光強度差は大きい。言い換えると、深層血管68dに対するコントラストが高い。すなわち、深層血管68dが強調される。
撮像部22は、波長が赤色領域58Rに含まれる第5のレーザ光の反射散乱光RLをR光検出要素で検出し、R撮像信号を生成する。このR撮像信号は、画像処理部24へ出力される。画像処理部24は、撮像部22から出力されたR撮像信号に対して、観察モード情報に応じた画像処理を行い、R画像信号を生成する。
すなわち、深層血管68dにおける照明光ILの反射散乱光RLに対する光強度は、表層血管68s及び中層血管68mにおける照明光ILの反射散乱光RLに対する光強度よりも、血管周辺部(粘膜部など)における反射散乱光RLに対する光強度との強度差が大きい。
観察モードM3(深層血管強調モード)における照明光ILにおいては、深層領域70dが注目深さ領域であり、表層領域70s及び中層領域70mが非注目深さ領域である。
深層血管68dを詳細に観察したい場合に、この観察モードが有効である。
画像処理部24は、B撮像信号、G撮像信号、R撮像信号のうち、強調狭帯域光が含まれる色領域に対応する撮像信号(この場合、R撮像信号)に対して、コントラスト強調画像処理と、輪郭(エッジ)強調画像処理と、血管構造強調画像処理と、の3種の画像処理のうち、少なくとも1つを行う。また、画像処理部24は、B撮像信号、G撮像信号、R撮像信号のうち、強調狭帯域光が含まれない色領域に対応する撮像信号(この場合、B撮像信号及びG撮像信号)に対して、コントラスト抑制画像処理と、輪郭(エッジ)抑制画像処理と、血管構造抑制画像処理と、の3種の画像処理のうち、少なくとも1つを行う。
そして、画像処理部24で生成されたB画像信号、G画像信号、及びR画像信号は、画像表示部16に送信され、図10及び図16に示すように、観察体画像80として表示される。すなわち、この観察体画像80では、深層血管68dを示す深層血管画像82dが強調して表示され、表層血管68s及び中層血管68mを示す表層血管画像82s及び中層血管画像82mについては強調表示されない。
<観察モードM4(表層-中層血管強調モード)>
ユーザによって、入力部18に観察モードとして、観察モードM4(表層-中層血管強調モード)が入力されると、入力部18から光源駆動部46と画像処理部24へ観察モードM4(表層-中層血管強調モード)の観察モード情報が出力される。
光源駆動部46は、観察モードM4(表層-中層血管強調モード)の観察モード情報を受け取ると、図7、図9及び図17に示すように、レーザ光源44−1(レーザ1)、レーザ光源44−3(レーザ3)、及びレーザ光源44−6(レーザ6)を点灯し、それらレーザ光源44−1、44−3及び44−6から第1のレーザ光、第3のレーザ光、及び第6のレーザ光を出射させる。
すなわち、光源駆動部46の光量比変更部72は、第1乃至第3の光量比を次のように変更する。
第1のレーザ光と第2のレーザ光の光量比(第1の光量比)=1:0、
第3のレーザ光と第4のレーザ光の光量比(第2の光量比)=1:0、
第5のレーザ光と第6のレーザ光の光量比(第3の光量比)=0:1。
ここで、レーザ光源44−1(レーザ1)は、表層血管68s(表層領域70s)に対する強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−1(レーザ1)から出射される第1のレーザ光は、表層血管68s(表層領域70s)に対する強調狭帯域光である。この表層血管68sに対する強調狭帯域光である第1のレーザ光の波長は、図9及び図17に示すように、415nmであり、青色領域58Bに含まれる。なお、図17において、レーザ光スペクトルの縦軸は任意スケールである。
また、レーザ光源44−3(レーザ3)は、中層血管68m(中層領域70m)における強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−3(レーザ3)から出射される第3のレーザ光は、中層血管68m(中層領域70m)における強調狭帯域光である。この中層血管68mに対する強調狭帯域光である第3のレーザ光の波長は、図9及び図17に示すように、540nmであり、緑色領域58Gに含まる。
そして、レーザ光源44−6(レーザ6)は、深層血管68d(深層領域70d)における非強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−6(レーザ6)から出射される第6のレーザ光は、深層血管68d(深層領域70d)における非強調狭帯域光である。この深層血管68dに対する非強調狭帯域光である第6のレーザ光の波長は、図9及び図17に示すように、635nmであり、赤色領域58Rに含まれる。
これら第1のレーザ光、第3のレーザ光、及び第6のレーザ光は、前述したように、合波されて、挿入部26の先端の光変換部54から照明光ILとして出射され、観察体Oに照射される。
観察体Oにおける照明光ILの反射散乱光RLは、前述したように、撮像部22で検出され、撮像部22からB撮像信号、G撮像信号、及びR撮像信号が画像処理部24へ出力される。画像処理部24は、撮像部22から出力されたB撮像信号、G撮像信号、及びR撮像信号に対して、観察モード情報に応じた画像処理を行い、B画像信号、G画像信号、及びR画像信号を生成する。
すなわち、表層血管68s及び中層血管68mにおける照明光ILの反射散乱光RLに対する光強度は、深層血管68dにおける照明光ILの反射散乱光RLに対する光強度よりも、血管周辺部(粘膜部など)における反射散乱光RLに対する光強度との強度差が大きい。
観察モードM4(表層-中層血管強調モード)における照明光ILにおいては、表層領域70s及び中層領域70mが注目深さ領域であり、深層領域70dが非注目深さ領域である。
表層血管68s及び中層血管68mを詳細に観察したい場合に、この観察モードが有効である。
画像処理部24は、B撮像信号、G撮像信号、R撮像信号のうち、強調狭帯域光が含まれる色領域に対応する撮像信号(この場合、B撮像信号及びG撮像信号)に対して、コントラスト強調画像処理と、輪郭(エッジ)強調画像処理と、血管構造強調画像処理と、の3種の画像処理のうち、少なくとも1つを行う。また、画像処理部24は、B撮像信号、G撮像信号、R撮像信号のうち、強調狭帯域光が含まれない色領域に対応する撮像信号(この場合、R撮像信号)に対して、コントラスト抑制画像処理と、輪郭(エッジ)抑制画像処理と、血管構造抑制画像処理と、の3種の画像処理のうち、少なくとも1つを行う。
そして、画像処理部24で生成されたB画像信号、G画像信号、及びR画像信号は、画像表示部16に送信され、図10及び図18に示すように、観察体画像80として表示される。すなわち、この観察体画像80では、表層血管68s及び中層血管68mを示す表層血管画像82s及び中層血管画像82mが強調して表示され、深層血管68dを示す深層血管画像82dについては強調表示されない。
<観察モードM5(表層-深層血管強調モード)>
ユーザによって、入力部18に観察モードとして、観察モードM5(表層-深層血管強調モード)が入力されると、入力部18から光源駆動部46と画像処理部24へ観察モードM5(表層-深層血管強調モード)の観察モード情報が出力される。
光源駆動部46は、観察モードM5(表層-深層血管強調モード)の観察モード情報を受け取ると、図7及び図9に示すように、レーザ光源44−1(レーザ1)、レーザ光源44−4(レーザ4)、及びレーザ光源44−5(レーザ5)を点灯し、それらレーザ光源44−1、44−4及び44−5から第1のレーザ光、第4のレーザ光、及び第5のレーザ光を出射させる。
すなわち、光源駆動部46の光量比変更部72は、第1乃至第3の光量比を次のように変更する。
第1のレーザ光と第2のレーザ光の光量比(第1の光量比)=1:0、
第3のレーザ光と第4のレーザ光の光量比(第2の光量比)=0:1、
第5のレーザ光と第6のレーザ光の光量比(第3の光量比)=1:0。
ここで、レーザ光源44−1(レーザ1)は、表層血管68s(表層領域70s)に対する強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−1(レーザ1)から出射される第1のレーザ光は、表層血管68s(表層領域70s)に対する強調狭帯域光である。この第1のレーザ光の波長は、図9に示すように、415nmであり、青色領域58Bに含まれる。
また、レーザ光源44−4(レーザ4)は、中層血管68m(中層領域70m)における非強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−4(レーザ4)から出射される第4のレーザ光は、中層血管68m(中層領域70m)における非強調狭帯域光である。この第4のレーザ光の波長は、図9に示すように、515nmであり、緑色領域58Gに含まる。
そして、レーザ光源44−5(レーザ5)は、深層血管68d(深層領域70d)における強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−5(レーザ5)から出射される第5のレーザ光は、深層血管68d(深層領域70d)における強調狭帯域光である。この第5のレーザ光の波長は、図9に示すように、595nmであり、赤色領域58Rに含まれる。
これら第1のレーザ光、第4のレーザ光、及び第5のレーザ光は、前述したように、合波されて、挿入部26の先端の光変換部54から照明光ILとして出射され、観察体Oに照射される。
観察体Oにおける照明光ILの反射散乱光RLは、前述したように、撮像部22で検出され、撮像部22からB撮像信号、G撮像信号、及びR撮像信号が画像処理部24へ出力される。画像処理部24は、撮像部22から出力されたB撮像信号、G撮像信号、及びR撮像信号に対して、観察モード情報に応じた画像処理を行い、B画像信号、G画像信号、及びR画像信号を生成する。
すなわち、表層血管68s及び深層血管68dにおける照明光ILの反射散乱光RLに対する光強度は、中層血管68mにおける照明光ILの反射散乱光RLに対する光強度よりも、血管周辺部(粘膜部など)における反射散乱光RLに対する光強度との強度差が大きい。
観察モードM5(表層-深層血管強調モード)における照明光ILにおいては、表層領域70s及び深層領域70dが注目深さ領域であり、中層領域70mが非注目深さ領域である。
表層血管68s及び深層血管68dを詳細に観察したい場合に、この観察モードが有効である。
画像処理部24は、B撮像信号、G撮像信号、R撮像信号のうち、強調狭帯域光が含まれる色領域に対応する撮像信号(この場合、B撮像信号及びR撮像信号)に対して、コントラスト強調画像処理と、輪郭(エッジ)強調画像処理と、血管構造強調画像処理と、の3種の画像処理のうち、少なくとも1つを行う。また、画像処理部24は、B撮像信号、G撮像信号、R撮像信号のうち、強調狭帯域光が含まれない色領域に対応する撮像信号(この場合、G撮像信号)に対して、コントラスト抑制画像処理と、輪郭(エッジ)抑制画像処理と、血管構造抑制画像処理と、の3種の画像処理のうち、少なくとも1つを行う。
そして、画像処理部24で生成されたB画像信号、G画像信号、及びR画像信号は、画像表示部16に送信され、図10に示すように、観察体画像80として表示される。すなわち、この観察体画像80では、表層血管68s及び深層血管68dを示す表層血管画像82s及び深層血管画像82dが強調して表示され、中層血管68mを示す中層血管画像82mについては強調表示されない。
<観察モードM6(中層-深層血管強調モード)>
ユーザによって、入力部18に観察モードとして、観察モードM6(中層-深層血管強調モード)が入力されると、入力部18から光源駆動部46と画像処理部24へ観察モードM6(中層-深層血管強調モード)の観察モード情報が出力される。
光源駆動部46は、観察モードM6(中層-深層血管強調モード)の観察モード情報を受け取ると、図7及び図9に示すように、レーザ光源44−2(レーザ2)、レーザ光源44−3(レーザ3)、及びレーザ光源44−5(レーザ5)を点灯し、それらレーザ光源44−2、44−3及び44−5から第2のレーザ光、第3のレーザ光、及び第5のレーザ光を出射させる。
すなわち、光源駆動部46の光量比変更部72は、第1乃至第3の光量比を次のように変更する。
第1のレーザ光と第2のレーザ光の光量比(第1の光量比)=0:1、
第3のレーザ光と第4のレーザ光の光量比(第2の光量比)=1:0、
第5のレーザ光と第6のレーザ光の光量比(第3の光量比)=1:0。
ここで、レーザ光源44−2(レーザ2)は、表層血管68s(表層領域70s)に対する非強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−2(レーザ2)から出射される第2のレーザ光は、表層血管68s(表層領域70s)に対する非強調狭帯域光である。この第2のレーザ光の波長は、図9に示すように、445nmであり、青色領域58Bに含まれる。
また、レーザ光源44−3(レーザ3)は、中層血管68m(中層領域70m)における強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−3(レーザ3)から出射される第3のレーザ光は、中層血管68m(中層領域70m)における強調狭帯域光である。この第3のレーザ光の波長は、図9に示すように、540nmであり、緑色領域58Gに含まる。
そして、レーザ光源44−5(レーザ5)は、深層血管68d(深層領域70d)における強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−5(レーザ5)から出射される第5のレーザ光は、深層血管68d(深層領域70d)における強調狭帯域光である。この第5のレーザ光の波長は、図9に示すように、595nmであり、赤色領域58Rに含まれる。
これら第2のレーザ光、第3のレーザ光、及び第5のレーザ光は、前述したように、合波されて、挿入部26の先端の光変換部54から照明光ILとして出射され、観察体Oに照射される。
観察体Oにおける照明光ILの反射散乱光RLは、前述したように、撮像部22で検出され、撮像部22からB撮像信号、G撮像信号、及びR撮像信号が画像処理部24へ出力される。画像処理部24は、撮像部22から出力されたB撮像信号、G撮像信号、及びR撮像信号に対して、観察モード情報に応じた画像処理を行い、B画像信号、G画像信号、及びR画像信号を生成する。
すなわち、中層血管68m及び深層血管68dにおける照明光ILの反射散乱光RLに対する光強度は、表層血管68sにおける照明光ILの反射散乱光RLに対する光強度よりも、血管周辺部(粘膜部など)における反射散乱光RLに対する光強度との強度差が大きい。
観察モードM6(中層-深層血管強調モード)における照明光ILにおいては、中層領域70m及び深層領域70dが注目深さ領域であり、表層領域70sが非注目深さ領域である。
中層血管68m及び深層血管68dを詳細に観察したい場合に、この観察モードが有効である。
画像処理部24は、B撮像信号、G撮像信号、R撮像信号のうち、強調狭帯域光が含まれる色領域に対応する撮像信号(この場合、G撮像信号及びR撮像信号)に対して、コントラスト強調画像処理と、輪郭(エッジ)強調画像処理と、血管構造強調画像処理と、の3種の画像処理のうち、少なくとも1つを行う。また、画像処理部24は、B撮像信号、G撮像信号、R撮像信号のうち、強調狭帯域光が含まれない色領域に対応する撮像信号(この場合、B撮像信号)に対して、コントラスト抑制画像処理と、輪郭(エッジ)抑制画像処理と、血管構造抑制画像処理と、の3種の画像処理のうち、少なくとも1つを行う。
そして、画像処理部24で生成されたB画像信号、G画像信号、及びR画像信号は、画像表示部16に送信され、図10に示すように、観察体画像80として表示される。すなわち、この観察体画像80では、中層血管68m及び深層血管68dを示す中層血管画像82m及び深層血管画像82dが強調して表示され、表層血管68sを示す表層血管画像82sについては強調表示されない。
<観察モードM7(表層-中層-深層血管強調モード)>
ユーザによって、入力部18に観察モードとして、観察モードM7(表層-中層-深層血管強調モード)が入力されると、入力部18から光源駆動部46と画像処理部24へ観察モードM7(表層-中層-深層血管強調モード)の観察モード情報が出力される。
光源駆動部46は、観察モードM7(表層-中層-深層血管強調モード)の観察モード情報を受け取ると、図7及び図9に示すように、レーザ光源44−1(レーザ1)、レーザ光源44−3(レーザ3)、及びレーザ光源44−5(レーザ5)を点灯し、それらレーザ光源44−1、44−3及び44−5から第1のレーザ光、第3のレーザ光、及び第5のレーザ光を出射させる。
すなわち、光源駆動部46の光量比変更部72は、第1乃至第3の光量比を次のように変更する。
第1のレーザ光と第2のレーザ光の光量比(第1の光量比)=1:0、
第3のレーザ光と第4のレーザ光の光量比(第2の光量比)=1:0、
第5のレーザ光と第6のレーザ光の光量比(第3の光量比)=1:0。
ここで、レーザ光源44−1(レーザ1)は、表層血管68s(表層領域70s)に対する強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−1(レーザ1)から出射される第1のレーザ光は、表層血管68s(表層領域70s)に対する強調狭帯域光である。この第1のレーザ光の波長は、図9に示すように、415nmであり、青色領域58Bに含まれる。
また、レーザ光源44−3(レーザ3)は、中層血管68m(中層領域70m)における強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−3(レーザ3)から出射される第3のレーザ光は、中層血管68m(中層領域70m)における強調狭帯域光である。この第3のレーザ光の波長は、図9に示すように、540nmであり、緑色領域58Gに含まる。
そして、レーザ光源44−5(レーザ5)は、深層血管68d(深層領域70d)における強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−5(レーザ5)から出射される第5のレーザ光は、深層血管68d(深層領域70d)における強調狭帯域光である。この第5のレーザ光の波長は、図9に示すように、595nmであり、赤色領域58Rに含まれる。
これら第1のレーザ光、第3のレーザ光、及び第5のレーザ光は、前述したように、合波されて、挿入部26の先端の光変換部54から照明光ILとして出射され、観察体Oに照射される。
観察体Oにおける照明光ILの反射散乱光RLは、前述したように、撮像部22で検出され、撮像部22からB撮像信号、G撮像信号、及びR撮像信号が画像処理部24へ出力される。画像処理部24は、撮像部22から出力されたB撮像信号、G撮像信号、及びR撮像信号に対して、観察モード情報に応じた画像処理を行い、B画像信号、G画像信号、及びR画像信号を生成する。
観察モードM7(表層-中層-深層血管強調モード)における照明光ILにおいては、表層領域70s、中層領域70m、及び深層領域70dが注目深さ領域である。非強調狭帯域光は無いため、非注目深さ領域は無い。
表層血管68s、中層血管68m、及び深層血管68dのすべてを詳細に観察したい場合に、この観察モードが有効である。
画像処理部24は、B撮像信号、G撮像信号、R撮像信号のすべてに対して、コントラスト強調画像処理と、輪郭(エッジ)強調画像処理と、血管構造強調画像処理と、の3種の画像処理のうち、少なくとも1つを行う。
そして、画像処理部24で生成されたB画像信号、G画像信号、及びR画像信号は、画像表示部16に送信され、図10に示すように、観察体画像80として表示される。すなわち、この観察体画像80では、表層血管68s、中層血管68m、及び深層血管68dを示す表層血管画像82s、中層血管画像82m、及び深層血管画像82dのすべてが強調して表示される。
<観察モードM8(表層-中層血管強調中間モード1)>
ユーザによって、入力部18に観察モードとして、観察モードM8(表層-中層血管強調中間モード1)が入力されると、入力部18から光源駆動部46と画像処理部24へ観察モードM8(表層-中層血管強調中間モード1)の観察モード情報が出力される。
光源駆動部46は、観察モードM8(表層-中層血管強調中間モード1)の観察モード情報を受け取ると、図7、図9及び図19に示すように、レーザ光源44−1(レーザ1)、レーザ光源44−3(レーザ3)、レーザ光源44−4(レーザ4)、及びレーザ光源44−6(レーザ6)を点灯し、それらレーザ光源44−1、44−3、44−4及び44−6から第1のレーザ光、第3のレーザ光、第4のレーザ光、及び第6のレーザ光を出射させる。
この場合、光源駆動部46の光量比変更部72は、第1乃至第3の光量比を次のように変更する。
第1のレーザ光と第2のレーザ光の光量比(第1の光量比)=1:0、
第3のレーザ光と第4のレーザ光の光量比(第2の光量比)=0.5:0.5、
第5のレーザ光と第6のレーザ光の光量比(第3の光量比)=0:1。
ここで、レーザ光源44−1(レーザ1)は、表層血管68s(表層領域70s)に対する強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−1(レーザ1)から出射される第1のレーザ光は、表層血管68s(表層領域70s)に対する強調狭帯域光である。この第1のレーザ光の波長は、図9及び図19に示すように、415nmであり、青色領域58Bに含まれる。
また、レーザ光源44−3(レーザ3)は、中層血管68m(中層領域70m)における強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−3(レーザ3)から出射される第3のレーザ光は、中層血管68m(中層領域70m)における強調狭帯域光である。この第3のレーザ光の波長は、図9及び図19に示すように、540nmであり、緑色領域58Gに含まる。
また、レーザ光源44−4(レーザ4)は、中層血管68m(中層領域70m)における非強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−4(レーザ4)から出射される第4のレーザ光は、中層血管68m(中層領域70m)における非強調狭帯域光である。この第4のレーザ光の波長は、図9及び図19に示すように、515nmであり、緑色領域58Gに含まる。
そして、レーザ光源44−6(レーザ6)は、深層血管68d(深層領域70d)における非強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−6(レーザ6)から出射される第6のレーザ光は、深層血管68d(深層領域70d)における非強調狭帯域光である。この第6のレーザ光の波長は、図9及び図19に示すように、635nmであり、赤色領域58Rに含まれる。
これら第1のレーザ光、第3のレーザ光、第4のレーザ光、及び第6のレーザ光は、前述したように、合波されて、挿入部26の先端の光変換部54から照明光ILとして出射され、観察体Oに照射される。つまり、この観察モードM8(表層-中層血管強調中間モード1)では、中層血管68mを強調する第3のレーザ光と中層血管68mを強調しない第4のレーザ光とが共に観察体Oへ照射される。
観察体Oにおける照明光ILの反射散乱光RLは、前述したように、撮像部22で検出され、撮像部22からB撮像信号、G撮像信号、及びR撮像信号が画像処理部24へ出力される。画像処理部24は、撮像部22から出力されたB撮像信号、G撮像信号、及びR撮像信号に対して、観察モード情報に応じた画像処理を行い、B画像信号、G画像信号、及びR画像信号を生成する。
すなわち、表層血管68sにおける照明光ILの反射散乱光RLに対する光強度は、中層血管68mにおける照明光ILの反射散乱光RLに対する光強度よりも、血管周辺部(粘膜部など)における反射散乱光RLに対する光強度との差が大きい。また、中層血管68mにおける照明光ILの反射散乱光RLに対する光強度は、深層血管68dにおける照明光ILの反射散乱光RLに対する光強度よりも、血管周辺部(粘膜部など)における反射散乱光RLに対する光強度との強度差が大きい。
画像処理部24は、B撮像信号、G撮像信号、R撮像信号のうち、強調狭帯域光のみが含まれる色領域に対応する撮像信号(この場合、B撮像信号)に対して、コントラスト強調画像処理と、輪郭(エッジ)強調画像処理と、血管構造強調画像処理と、の3種の画像処理のうち、少なくとも1つを行う。また、画像処理部24は、B撮像信号、G撮像信号、R撮像信号のうち、強調狭帯域光が含まれない色領域に対応する撮像信号(この場合、R撮像信号)に対して、コントラスト抑制画像処理と、輪郭(エッジ)抑制画像処理と、血管構造抑制画像処理と、の3種の画像処理のうち、少なくとも1つを行う。B撮像信号、G撮像信号、R撮像信号のうち、残りの色領域に対応する撮像信号(この場合、G撮像信号)に対しては、特に強調画像処理や抑制画像処理は行わない。
そして、画像処理部24で生成されたB画像信号、G画像信号、及びR画像信号は、画像表示部16に送信され、図10及び図20に示すように、観察体画像80として表示される。すなわち、この観察体画像80では、表層血管68sは、観察モードM1(表層血管強調モード)と同様に表層血管画像82sとして強調して表示され、深層血管68dを示す深層血管画像82dについては強調表示されない。
一方、この観察モードM8(表層-中層血管強調中間モード1)では、中層血管68mを強調する第3のレーザ光と中層血管68mを強調しない第4のレーザ光とが共に観察体Oへ照射される。そのため、結果として、中層血管68mは、第3のレーザ光のみが照射されて強調された状態と、第4のレーザ光のみが照射されて強調されていない状態と、の中間のレベルで強調される。すなわち、中層血管68mを示す中層血管画像82mは、観察モードM1(表層血管強調モード)と観察モードM4(表層-中層血管強調モード)との中間レベルに強調して表示される。
このような、中間レベルの強調状態の画像では、表層血管68sのみ強調された画像、及び、表層血管68sと中層血管68mが強調された画像、よりも奥行き感のある観察体画像80が生成できる。
また、第3のレーザ光と第4のレーザ光の光量比(第2の光量比)は、上記のような0.5:0.5に限るものではない。中層血管68mの強調レベルが、第3のレーザ光のみが照射されて強調された状態と第4のレーザ光のみが照射されて強調されていない状態との間で、所望の強調レベルになるように設定される。また、用途に応じて連続的に第2の光量比を変更して、強調レベルを変更することも可能である。
ここで、第3のレーザ光と第4のレーザ光の光量比(第2の光量比)は、緑色領域58Gにおける光量が一定となるように、変更される。なお、光量が一定とは、出射光量が一定でも良いし、撮像部22の撮像素子で受光される光量が一定でも良い。また、第2の光量比は、撮像素子における分光感度を考慮して変更されても良い。
また、第3のレーザ光と第4のレーザ光の光量比(第2の光量比)の変更において、緑色領域58Gの光量(色)が変化する場合は、第3及び第4のレーザ光が含まれる以外の色領域に含まれるレーザ光の光量変更によって、青色領域58Bの光量と、緑色領域58Gの光量と、赤色領域58Rの光量と、の比率を一定としても良い。
なお、この観察モードM8(表層-中層血管強調中間モード1)では、第6のレーザ光が含まれず、第1のレーザ光と第3のレーザ光と第4のレーザ光のみを用いても良い。
<観察モードM9(表層-中層血管強調中間モード2)>
ユーザによって、入力部18に観察モードとして、観察モードM9(表層-中層血管強調中間モード2)が入力されると、入力部18から光源駆動部46と画像処理部24へ観察モードM9(表層-中層血管強調中間モード2)の観察モード情報が出力される。
光源駆動部46は、観察モードM9(表層-中層血管強調中間モード2)の観察モード情報を受け取ると、図7及び図9に示すように、レーザ光源44−1(レーザ1)、レーザ光源44−2(レーザ2)、レーザ光源44−3(レーザ3)、及びレーザ光源44−6(レーザ6)を点灯し、それらレーザ光源44−1、44−2、44−3及び44−6から第1のレーザ光、第2のレーザ光、第3のレーザ光、及び第6のレーザ光を出射させる。
この場合、光源駆動部46の光量比変更部72は、第1乃至第3の光量比を次のように変更する。
第1のレーザ光と第2のレーザ光の光量比(第1の光量比)=0.5:0.5、
第3のレーザ光と第4のレーザ光の光量比(第2の光量比)=1:0、
第5のレーザ光と第6のレーザ光の光量比(第3の光量比)=0:1。
ここで、レーザ光源44−1(レーザ1)は、表層血管68s(表層領域70s)に対する強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−1(レーザ1)から出射される第1のレーザ光は、表層血管68s(表層領域70s)に対する強調狭帯域光である。この第1のレーザ光の波長は、図9に示すように、415nmであり、青色領域58Bに含まれる。
また、レーザ光源44−2(レーザ2)は、表層血管68s(表層領域70s)に対する非強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−2(レーザ2)から出射される第2のレーザ光は、表層血管68s(表層領域70s)に対する非強調狭帯域光である。この第2のレーザ光の波長は、図9に示すように、445nmであり、青色領域58Bに含まれる。
また、レーザ光源44−3(レーザ3)は、中層血管68m(中層領域70m)における強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−3(レーザ3)から出射される第3のレーザ光は、中層血管68m(中層領域70m)における強調狭帯域光である。この第3のレーザ光の波長は、図9に示すように、540nmであり、緑色領域58Gに含まる。
そして、レーザ光源44−6(レーザ6)は、深層血管68d(深層領域70d)における非強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−6(レーザ6)から出射される第6のレーザ光は、深層血管68d(深層領域70d)における非強調狭帯域光である。この第6のレーザ光の波長は、図9に示すように、635nmであり、赤色領域58Rに含まれる。
これら第1のレーザ光、第2のレーザ光、第3のレーザ光、及び第6のレーザ光は、前述したように、合波されて、挿入部26の先端の光変換部54から照明光ILとして出射され、観察体Oに照射される。つまり、この観察モードM9(表層-中層血管強調中間モード2)では、表層血管68sを強調する第1のレーザ光と表層血管68sを強調しない第2のレーザ光とが共に観察体Oへ照射される。
観察体Oにおける照明光ILの反射散乱光RLは、前述したように、撮像部22で検出され、撮像部22からB撮像信号、G撮像信号、及びR撮像信号が画像処理部24へ出力される。画像処理部24は、撮像部22から出力されたB撮像信号、G撮像信号、及びR撮像信号に対して、観察モード情報に応じた画像処理を行い、B画像信号、G画像信号、及びR画像信号を生成する。
すなわち、中層血管68mにおける照明光ILの反射散乱光RLに対する光強度は、表層血管68sにおける照明光ILの反射散乱光RLに対する光強度よりも、血管周辺部(粘膜部など)における反射散乱光RLに対する光強度との差が大きい。また、表層血管68sにおける照明光ILの反射散乱光RLに対する光強度は、深層血管68dにおける照明光ILの反射散乱光RLに対する光強度よりも、血管周辺部(粘膜部など)における反射散乱光RLに対する光強度との強度差が大きい。
画像処理部24は、B撮像信号、G撮像信号、R撮像信号のうち、強調狭帯域光のみが含まれる色領域に対応する撮像信号(この場合、G撮像信号)に対して、コントラスト強調画像処理と、輪郭(エッジ)強調画像処理と、血管構造強調画像処理と、の3種の画像処理のうち、少なくとも1つを行う。また、画像処理部24は、B撮像信号、G撮像信号、R撮像信号のうち、強調狭帯域光が含まれない色領域に対応する撮像信号(この場合、R撮像信号)に対して、コントラスト抑制画像処理と、輪郭(エッジ)抑制画像処理と、血管構造抑制画像処理と、の3種の画像処理のうち、少なくとも1つを行う。B撮像信号、G撮像信号、R撮像信号のうち、残りの色領域に対応する撮像信号(この場合、B撮像信号)に対しては、特に強調画像処理や抑制画像処理は行わない。
そして、画像処理部24で生成されたB画像信号、G画像信号、及びR画像信号は、画像表示部16に送信され、図10に示すように、観察体画像80として表示される。すなわち、この観察体画像80では、中層血管68mは、観察モードM2(中層血管強調モード)同様に中層血管画像82mとして強調して表示され、深層血管68dを示す深層血管画像82dについては強調表示されない。
一方、この観察モードM9(表層-中層血管強調中間モード2)では、表層血管68sを強調する第1のレーザ光と表層血管68sを強調しない第2のレーザ光とが共に観察体Oへ照射される。そのため、結果として、表層血管68sは、第1のレーザ光のみが照射されて強調された状態と、第2のレーザ光のみが照射されて強調されていない状態と、の中間のレベルで強調される。すなわち、表層血管68sを示す表層血管画像82sは、観察モードM2(中層血管強調モード)と観察モードM4(表層-中層血管強調モード)との中間レベルに強調して表示される。
このような、中間レベルの強調状態の画像では、中層血管68mのみ強調された画像、及び、表層血管68sと中層血管68mが強調された画像、よりも奥行き感のある観察体画像80が生成できる。
なお、第1のレーザ光と第2のレーザ光の光量比(第1の光量比)は、上記観察モードM8(表層-中層血管強調中間モード1)における第3のレーザ光と第4のレーザ光の光量比(第2の光量比)と同様、変更可能なことは勿論である。
<観察モードM10(表層-深層血管強調中間モード1)>
ユーザによって、入力部18に観察モードとして、観察モードM10(表層-深層血管強調中間モード1)が入力されると、入力部18から光源駆動部46と画像処理部24へ観察モードM10(表層-深層血管強調中間モード1)の観察モード情報が出力される。
光源駆動部46は、観察モードM10(表層-深層血管強調中間モード1)の観察モード情報を受け取ると、図7及び図9に示すように、レーザ光源44−1(レーザ1)、レーザ光源44−4(レーザ4)、レーザ光源44−5(レーザ5)、及びレーザ光源44−6(レーザ6)を点灯し、それらレーザ光源44−1、44−4、44−5及び44−6から第1のレーザ光、第4のレーザ光、第5のレーザ光、及び第6のレーザ光を出射させる。
この場合、光源駆動部46の光量比変更部72は、第1乃至第3の光量比を次のように変更する。
第1のレーザ光と第2のレーザ光の光量比(第1の光量比)=1:0、
第3のレーザ光と第4のレーザ光の光量比(第2の光量比)=0:1、
第5のレーザ光と第6のレーザ光の光量比(第3の光量比)=0.5:0.5。
ここで、レーザ光源44−1(レーザ1)は、表層血管68s(表層領域70s)に対する強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−1(レーザ1)から出射される第1のレーザ光は、表層血管68s(表層領域70s)に対する強調狭帯域光である。この第1のレーザ光の波長は、図9に示すように、415nmであり、青色領域58Bに含まれる。
また、レーザ光源44−4(レーザ4)は、中層血管68m(中層領域70m)における非強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−4(レーザ4)から出射される第4のレーザ光は、中層血管68m(中層領域70m)における非強調狭帯域光である。この第4のレーザ光の波長は、図9に示すように、515nmであり、緑色領域58Gに含まる。
また、レーザ光源44−5(レーザ5)は、深層血管68d(深層領域70d)に対する強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−5(レーザ5)から出射される第5のレーザ光は、深層血管68d(深層領域70d)に対する強調狭帯域光である。この第5のレーザ光の波長は、図9に示すように、595nmであり、赤色領域58Rに含まれる。
そして、レーザ光源44−6(レーザ6)は、深層血管68d(深層領域70d)における非強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−6(レーザ6)から出射される第6のレーザ光は、深層血管68d(深層領域70d)における非強調狭帯域光である。この第6のレーザ光の波長は、図9に示すように、635nmであり、赤色領域58Rに含まれる。
これら第1のレーザ光、第4のレーザ光、第5のレーザ光、及び第6のレーザ光は、前述したように、合波されて、挿入部26の先端の光変換部54から照明光ILとして出射され、観察体Oに照射される。つまり、この観察モードM10(表層-深層血管強調中間モード1)では、深層血管68dを強調する第5のレーザ光と深層血管68dを強調しない第6のレーザ光とが共に観察体Oへ照射される。
観察体Oにおける照明光ILの反射散乱光RLは、前述したように、撮像部22で検出され、撮像部22からB撮像信号、G撮像信号、及びR撮像信号が画像処理部24へ出力される。画像処理部24は、撮像部22から出力されたB撮像信号、G撮像信号、及びR撮像信号に対して、観察モード情報に応じた画像処理を行い、B画像信号、G画像信号、及びR画像信号を生成する。
すなわち、表層血管68sにおける照明光ILの反射散乱光RLに対する光強度は、深層血管68dにおける照明光ILの反射散乱光RLに対する光強度よりも、血管周辺部(粘膜部など)における反射散乱光RLに対する光強度との差が大きい。また、深層血管68dにおける照明光ILの反射散乱光RLに対する光強度は、中層血管68mにおける照明光ILの反射散乱光RLに対する光強度よりも、血管周辺部(粘膜部など)における反射散乱光RLに対する光強度との強度差が大きい。
画像処理部24は、B撮像信号、G撮像信号、R撮像信号のうち、強調狭帯域光のみが含まれる色領域に対応する撮像信号(この場合、B撮像信号)に対して、コントラスト強調画像処理と、輪郭(エッジ)強調画像処理と、血管構造強調画像処理と、の3種の画像処理のうち、少なくとも1つを行う。また、画像処理部24は、B撮像信号、G撮像信号、R撮像信号のうち、強調狭帯域光が含まれない色領域に対応する撮像信号(この場合、G撮像信号)に対して、コントラスト抑制画像処理と、輪郭(エッジ)抑制画像処理と、血管構造抑制画像処理と、の3種の画像処理のうち、少なくとも1つを行う。B撮像信号、G撮像信号、R撮像信号のうち、残りの色領域に対応する撮像信号(この場合、R撮像信号)に対しては、特に強調画像処理や抑制画像処理は行わない。
そして、画像処理部24で生成されたB画像信号、G画像信号、及びR画像信号は、画像表示部16に送信され、図10に示すように、観察体画像80として表示される。すなわち、この観察体画像80では、表層血管68sは、観察モードM1(表層血管強調モード)同様に表層血管画像82sとして強調して表示され、中層血管68mを示す中層血管画像82mについては強調表示されない。
一方、この観察モードM10(表層-深層血管強調中間モード1)では、深層血管68dを強調する第5のレーザ光と深層血管68dを強調しない第6のレーザ光とが共に観察体Oへ照射される。そのため、結果として、深層血管68dは、第5のレーザ光のみが照射されて強調された状態と、第6のレーザ光のみが照射されて強調されていない状態と、の中間のレベルで強調される。すなわち、深層血管68dを示す深層血管画像82dは、観察モードM1(表層血管強調モード)と観察モードM5(表層-深層血管強調モード)との中間レベルに強調して表示される。
このような、中間レベルの強調状態の画像では、表層血管68sのみ強調された画像、及び、表層血管68sと深層血管68dが強調された画像、よりも奥行き感のある観察体画像80が生成できる。
なお、第5のレーザ光と第6のレーザ光の光量比(第3の光量比)は、上記観察モードM8(表層-中層血管強調中間モード1)における第3のレーザ光と第4のレーザ光の光量比(第2の光量比)と同様、変更可能なことは勿論である。
<観察モードM11(表層-深層血管強調中間モード2)>
ユーザによって、入力部18に観察モードとして、観察モードM11(表層-深層血管強調中間モード2)が入力されると、入力部18から光源駆動部46と画像処理部24へ観察モードM11(表層-深層血管強調中間モード2)の観察モード情報が出力される。
光源駆動部46は、観察モードM11(表層-深層血管強調中間モード2)の観察モード情報を受け取ると、図7及び図9に示すように、レーザ光源44−1(レーザ1)、レーザ光源44−2(レーザ2)、レーザ光源44−4(レーザ4)、及びレーザ光源44−5(レーザ5)を点灯し、それらレーザ光源44−1、44−2、44−4及び44−5から第1のレーザ光、第2のレーザ光、第4のレーザ光、及び第5のレーザ光を出射させる。
この場合、光源駆動部46の光量比変更部72は、第1乃至第3の光量比を次のように変更する。
第1のレーザ光と第2のレーザ光の光量比(第1の光量比)=0.5:0.5、
第3のレーザ光と第4のレーザ光の光量比(第2の光量比)=0:1、
第5のレーザ光と第6のレーザ光の光量比(第3の光量比)=1:0。
ここで、レーザ光源44−1(レーザ1)は、表層血管68s(表層領域70s)に対する強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−1(レーザ1)から出射される第1のレーザ光は、表層血管68s(表層領域70s)に対する強調狭帯域光である。この第1のレーザ光の波長は、図9に示すように、415nmであり、青色領域58Bに含まれる。
また、レーザ光源44−2(レーザ2)は、表層血管68s(表層領域70s)に対する非強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−2(レーザ2)から出射される第2のレーザ光は、表層血管68s(表層領域70s)に対する非強調狭帯域光である。この第2のレーザ光の波長は、図9に示すように、445nmであり、青色領域58Bに含まれる。
また、レーザ光源44−4(レーザ4)は、中層血管68m(中層領域70m)における非強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−4(レーザ4)から出射される第4のレーザ光は、中層血管68m(中層領域70m)における非強調狭帯域光である。この第4のレーザ光の波長は、図9に示すように、515nmであり、緑色領域58Gに含まる。
そして、レーザ光源44−5(レーザ5)は、深層血管68d(深層領域70d)に対する強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−5(レーザ5)から出射される第5のレーザ光は、深層血管68d(深層領域70d)に対する強調狭帯域光である。この第5のレーザ光の波長は、図9に示すように、595nmであり、赤色領域58Rに含まれる。
これら第1のレーザ光、第2のレーザ光、第4のレーザ光、及び第5のレーザ光は、前述したように、合波されて、挿入部26の先端の光変換部54から照明光ILとして出射され、観察体Oに照射される。つまり、この観察モードM11(表層-深層血管強調中間モード2)では、表層血管68sを強調する第1のレーザ光と表層血管68sを強調しない第2のレーザ光とが共に観察体Oへ照射される。
観察体Oにおける照明光ILの反射散乱光RLは、前述したように、撮像部22で検出され、撮像部22からB撮像信号、G撮像信号、及びR撮像信号が画像処理部24へ出力される。画像処理部24は、撮像部22から出力されたB撮像信号、G撮像信号、及びR撮像信号に対して、観察モード情報に応じた画像処理を行い、B画像信号、G画像信号、及びR画像信号を生成する。
すなわち、表層血管68sにおける照明光ILの反射散乱光RLに対する光強度は、中層血管68mにおける照明光ILの反射散乱光RLに対する光強度よりも、血管周辺部(粘膜部など)における反射散乱光RLに対する光強度との差が大きい。また、深層血管68dにおける照明光ILの反射散乱光RLに対する光強度は、表層血管68sにおける照明光ILの反射散乱光RLに対する光強度よりも、血管周辺部(粘膜部など)における反射散乱光RLに対する光強度との強度差が大きい。
画像処理部24は、B撮像信号、G撮像信号、R撮像信号のうち、強調狭帯域光のみが含まれる色領域に対応する撮像信号(この場合、R撮像信号)に対して、コントラスト強調画像処理と、輪郭(エッジ)強調画像処理と、血管構造強調画像処理と、の3種の画像処理のうち、少なくとも1つを行う。また、画像処理部24は、B撮像信号、G撮像信号、R撮像信号のうち、強調狭帯域光が含まれない色領域に対応する撮像信号(この場合、G撮像信号)に対して、コントラスト抑制画像処理と、輪郭(エッジ)抑制画像処理と、血管構造抑制画像処理と、の3種の画像処理のうち、少なくとも1つを行う。B撮像信号、G撮像信号、R撮像信号のうち、残りの色領域に対応する撮像信号(この場合、B撮像信号)に対しては、特に強調画像処理や抑制画像処理は行わない。
そして、画像処理部24で生成されたB画像信号、G画像信号、及びR画像信号は、画像表示部16に送信され、図10に示すように、観察体画像80として表示される。すなわち、この観察体画像80では、深層血管68dは、観察モードM3(深層血管強調モード)同様に深層血管画像82dとして強調して表示され、中層血管68mを示す中層血管画像82mについては強調表示されない。
一方、この観察モードM11(表層-深層血管強調中間モード2)では、表層血管68sを強調する第1のレーザ光と表層血管68sを強調しない第2のレーザ光とが共に観察体Oへ照射される。そのため、結果として、表層血管68sは、第1のレーザ光のみが照射されて強調された状態と、第2のレーザ光のみが照射されて強調されていない状態と、の中間のレベルで強調される。すなわち、表層血管68sを示す表層血管画像82sは、観察モードM3(深層血管強調モード)と観察モードM5(表層-深層血管強調モード)との中間レベルに強調して表示される。
このような、中間レベルの強調状態の画像では、深層血管68dのみ強調された画像、及び、表層血管68sと深層血管68dが強調された画像、よりも奥行き感のある観察体画像80が生成できる。
なお、第1のレーザ光と第2のレーザ光の光量比(第1の光量比)は、上記観察モードM8(表層-中層血管強調中間モード1)における第3のレーザ光と第4のレーザ光の光量比(第2の光量比)と同様、変更可能なことは勿論である。
<観察モードM12(中層-深層血管強調中間モード1)>
ユーザによって、入力部18に観察モードとして、観察モードM12(中層-深層血管強調中間モード1)が入力されると、入力部18から光源駆動部46と画像処理部24へ観察モードM12(中層-深層血管強調中間モード1)の観察モード情報が出力される。
光源駆動部46は、観察モードM12(中層-深層血管強調中間モード1)の観察モード情報を受け取ると、図7及び図9に示すように、レーザ光源44−2(レーザ2)、レーザ光源44−3(レーザ3)、レーザ光源44−5(レーザ5)、及びレーザ光源44−6(レーザ6)を点灯し、それらレーザ光源44−2、44−3、44−5及び44−6から第2のレーザ光、第3のレーザ光、第5のレーザ光、及び第6のレーザ光を出射させる。
この場合、光源駆動部46の光量比変更部72は、第1乃至第3の光量比を次のように変更する。
第1のレーザ光と第2のレーザ光の光量比(第1の光量比)=0:1、
第3のレーザ光と第4のレーザ光の光量比(第2の光量比)=1:0、
第5のレーザ光と第6のレーザ光の光量比(第3の光量比)=0.5:0.5。
ここで、レーザ光源44−2(レーザ2)は、表層血管68s(表層領域70s)に対する非強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−2(レーザ1)から出射される第2のレーザ光は、表層血管68s(表層領域70s)に対する非強調狭帯域光である。この第2のレーザ光の波長は、図9に示すように、445nmであり、青色領域58Bに含まれる。
また、レーザ光源44−3(レーザ3)は、中層血管68m(中層領域70m)における強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−3(レーザ3)から出射される第3のレーザ光は、中層血管68m(中層領域70m)における強調狭帯域光である。この第3のレーザ光の波長は、図9に示すように、540nmであり、緑色領域58Gに含まる。
また、レーザ光源44−5(レーザ5)は、深層血管68d(深層領域70d)に対する強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−5(レーザ5)から出射される第5のレーザ光は、深層血管68d(深層領域70d)に対する強調狭帯域光である。この第5のレーザ光の波長は、図9に示すように、595nmであり、赤色領域58Rに含まれる。
そして、レーザ光源44−6(レーザ6)は、深層血管68d(深層領域70d)における非強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−6(レーザ6)から出射される第6のレーザ光は、深層血管68d(深層領域70d)における非強調狭帯域光である。この第6のレーザ光の波長は、図9に示すように、635nmであり、赤色領域58Rに含まれる。
これら第2のレーザ光、第3のレーザ光、第5のレーザ光、及び第6のレーザ光は、前述したように、合波されて、挿入部26の先端の光変換部54から照明光ILとして出射され、観察体Oに照射される。つまり、この観察モードM12(中層-深層血管強調中間モード1)では、深層血管68dを強調する第5のレーザ光と深層血管68dを強調しない第6のレーザ光とが共に観察体Oへ照射される。
観察体Oにおける照明光ILの反射散乱光RLは、前述したように、撮像部22で検出され、撮像部22からB撮像信号、G撮像信号、及びR撮像信号が画像処理部24へ出力される。画像処理部24は、撮像部22から出力されたB撮像信号、G撮像信号、及びR撮像信号に対して、観察モード情報に応じた画像処理を行い、B画像信号、G画像信号、及びR画像信号を生成する。
すなわち、深層血管68dにおける照明光ILの反射散乱光RLに対する光強度は、表層血管68sにおける照明光ILの反射散乱光RLに対する光強度よりも、血管周辺部(粘膜部など)における反射散乱光RLに対する光強度との差が大きい。また、中層血管68mにおける照明光ILの反射散乱光RLに対する光強度は、深層血管68dにおける照明光ILの反射散乱光RLに対する光強度よりも、血管周辺部(粘膜部など)における反射散乱光RLに対する光強度との強度差が大きい。
画像処理部24は、B撮像信号、G撮像信号、R撮像信号のうち、強調狭帯域光のみが含まれる色領域に対応する撮像信号(この場合、G撮像信号)に対して、コントラスト強調画像処理と、輪郭(エッジ)強調画像処理と、血管構造強調画像処理と、の3種の画像処理のうち、少なくとも1つを行う。また、画像処理部24は、B撮像信号、G撮像信号、R撮像信号のうち、強調狭帯域光が含まれない色領域に対応する撮像信号(この場合、B撮像信号)に対して、コントラスト抑制画像処理と、輪郭(エッジ)抑制画像処理と、血管構造抑制画像処理と、の3種の画像処理のうち、少なくとも1つを行う。B撮像信号、G撮像信号、R撮像信号のうち、残りの色領域に対応する撮像信号(この場合、R撮像信号)に対しては、特に強調画像処理や抑制画像処理は行わない。
そして、画像処理部24で生成されたB画像信号、G画像信号、及びR画像信号は、画像表示部16に送信され、図10に示すように、観察体画像80として表示される。すなわち、この観察体画像80では、中層血管68mは、観察モードM2(中層血管強調モード)同様に中層血管画像82mとして強調して表示され、表層血管68sを示す表層血管画像82sについては強調表示されない。
一方、この観察モードM12(中層-深層血管強調中間モード1)では、深層血管68dを強調する第5のレーザ光と深層血管68dを強調しない第6のレーザ光とが共に観察体Oへ照射される。そのため、結果として、深層血管68dは、第5のレーザ光のみが照射されて強調された状態と、第6のレーザ光のみが照射されて強調されていない状態と、の中間のレベルで強調される。すなわち、深層血管68dを示す深層血管画像82dは、観察モードM2(中層血管強調モード)と観察モードM6(中層-深層血管強調モード)との中間レベルに強調して表示される。
このような、中間レベルの強調状態の画像では、中層血管68mのみ強調された画像、及び、中層血管68mと深層血管68dが強調された画像、よりも奥行き感のある観察体画像80が生成できる。
なお、第5のレーザ光と第6のレーザ光の光量比(第3の光量比)は、上記観察モードM8(表層-中層血管強調中間モード1)における第3のレーザ光と第4のレーザ光の光量比(第2の光量比)と同様、変更可能なことは勿論である。
<観察モードM13(中層-深層血管強調中間モード2)>
ユーザによって、入力部18に観察モードとして、観察モードM13(中層-深層血管強調中間モード2)が入力されると、入力部18から光源駆動部46と画像処理部24へ観察モードM13(中層-深層血管強調中間モード2)の観察モード情報が出力される。
光源駆動部46は、観察モードM13(中層-深層血管強調中間モード2)の観察モード情報を受け取ると、図7及び図9に示すように、レーザ光源44−2(レーザ2)、レーザ光源44−3(レーザ3)、レーザ光源44−4(レーザ4)、及びレーザ光源44−5(レーザ5)を点灯し、それらレーザ光源44−2、44−3、44−4及び44−5から第2のレーザ光、第3のレーザ光、第4のレーザ光、及び第5のレーザ光を出射させる。
この場合、光源駆動部46の光量比変更部72は、第1乃至第3の光量比を次のように変更する。
第1のレーザ光と第2のレーザ光の光量比(第1の光量比)=0:1、
第3のレーザ光と第4のレーザ光の光量比(第2の光量比)=0.5:0.5、
第5のレーザ光と第6のレーザ光の光量比(第3の光量比)=1:0。
ここで、レーザ光源44−2(レーザ2)は、表層血管68s(表層領域70s)に対する非強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−2(レーザ2)から出射される第2のレーザ光は、表層血管68s(表層領域70s)に対する非強調狭帯域光である。この第2のレーザ光の波長は、図9に示すように、445nmであり、青色領域58Bに含まれる。
また、レーザ光源44−3(レーザ3)は、中層血管68m(中層領域70m)における強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−3(レーザ3)から出射される第3のレーザ光は、中層血管68m(中層領域70m)における強調狭帯域光である。この第3のレーザ光の波長は、図9及び図19に示すように、540nmであり、緑色領域58Gに含まる。
また、レーザ光源44−4(レーザ4)は、中層血管68m(中層領域70m)における非強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−4(レーザ4)から出射される第4のレーザ光は、中層血管68m(中層領域70m)における非強調狭帯域光である。この第4のレーザ光の波長は、図9及び図19に示すように、515nmであり、緑色領域58Gに含まる。
そして、レーザ光源44−5(レーザ5)は、深層血管68d(深層領域70d)における強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−5(レーザ5)から出射される第5のレーザ光は、深層血管68d(深層領域70d)における強調狭帯域光である。この第5のレーザ光の波長は、図9に示すように、595nmであり、赤色領域58Rに含まれる。
これら第2のレーザ光、第3のレーザ光、第4のレーザ光、及び第5のレーザ光は、前述したように、合波されて、挿入部26の先端の光変換部54から照明光ILとして出射され、観察体Oに照射される。つまり、この観察モードM13(中層-深層血管強調中間モード2)では、中層血管68mを強調する第3のレーザ光と中層血管68mを強調しない第4のレーザ光とが共に観察体Oへ照射される。
観察体Oにおける照明光ILの反射散乱光RLは、前述したように、撮像部22で検出され、撮像部22からB撮像信号、G撮像信号、及びR撮像信号が画像処理部24へ出力される。画像処理部24は、撮像部22から出力されたB撮像信号、G撮像信号、及びR撮像信号に対して、観察モード情報に応じた画像処理を行い、B画像信号、G画像信号、及びR画像信号を生成する。
すなわち、中層血管68mにおける照明光ILの反射散乱光RLに対する光強度は、表層血管68sにおける照明光ILの反射散乱光RLに対する光強度よりも、血管周辺部(粘膜部など)における反射散乱光RLに対する光強度との差が大きい。また、深層血管68dにおける照明光ILの反射散乱光RLに対する光強度は、中層血管68mにおける照明光ILの反射散乱光RLに対する光強度よりも、血管周辺部(粘膜部など)における反射散乱光RLに対する光強度との強度差が大きい。
画像処理部24は、B撮像信号、G撮像信号、R撮像信号のうち、強調狭帯域光のみが含まれる色領域に対応する撮像信号(この場合、R撮像信号)に対して、コントラスト強調画像処理と、輪郭(エッジ)強調画像処理と、血管構造強調画像処理と、の3種の画像処理のうち、少なくとも1つを行う。また、画像処理部24は、B撮像信号、G撮像信号、R撮像信号のうち、強調狭帯域光が含まれない色領域に対応する撮像信号(この場合、B撮像信号)に対して、コントラスト抑制画像処理と、輪郭(エッジ)抑制画像処理と、血管構造抑制画像処理と、の3種の画像処理のうち、少なくとも1つを行う。B撮像信号、G撮像信号、R撮像信号のうち、残りの色領域に対応する撮像信号(この場合、G撮像信号)に対しては、特に強調画像処理や抑制画像処理は行わない。
そして、画像処理部24で生成されたB画像信号、G画像信号、及びR画像信号は、画像表示部16に送信され、図10に示すように、観察体画像80として表示される。すなわち、この観察体画像80では、深層血管68dは、観察モードM3(深層血管強調モード)と同様に深層血管画像82dとして強調して表示され、表層血管68sを示す表層血管画像82sについては強調表示されない。
一方、この観察モードM13(中層-深層血管強調中間モード2)では、中層血管68mを強調する第3のレーザ光と中層血管68mを強調しない第4のレーザ光とが共に観察体Oへ照射される。そのため、結果として、中層血管68mは、第3のレーザ光のみが照射されて強調された状態と、第4のレーザ光のみが照射されて強調されていない状態と、の中間のレベルで強調される。すなわち、中層血管68mを示す中層血管画像82mは、観察モードM3(深層血管強調モード)と観察モードM6(中層-深層血管強調モード)との中間レベルに強調して表示される。
このような、中間レベルの強調状態の画像では、深層血管68dのみ強調された画像、及び、中層血管68mと深層血管68dが強調された画像、よりも奥行き感のある観察体画像80が生成できる。
なお、第3のレーザ光と第4のレーザ光の光量比(第2の光量比)は、上記観察モードM8(表層-中層血管強調中間モード1)におけるそれと同様、変更可能なことは勿論である。
<観察モードM14(表層-中層-深層血管強調中間モード1)>
ユーザによって、入力部18に観察モードとして、観察モードM14(表層-中層-深層血管強調中間モード1)が入力されると、入力部18から光源駆動部46と画像処理部24へ観察モードM14(表層-中層-深層血管強調中間モード1)の観察モード情報が出力される。
光源駆動部46は、観察モードM14(表層-中層-深層血管強調中間モード1)の観察モード情報を受け取ると、図7、図9及び図21に示すように、レーザ光源44−1(レーザ1)、レーザ光源44−3(レーザ3)、レーザ光源44−4(レーザ4)、レーザ光源44−5(レーザ5)、及びレーザ光源44−6(レーザ6)を点灯し、それらレーザ光源44−1、44−3、44−4、44−5、及び44−6から第1のレーザ光、第3のレーザ光、第4のレーザ光、第5のレーザ光、及び第6のレーザ光を出射させる。
この場合、光源駆動部46の光量比変更部72は、第1乃至第3の光量比を次のように変更する。
第1のレーザ光と第2のレーザ光の光量比(第1の光量比)=1:0、
第3のレーザ光と第4のレーザ光の光量比(第2の光量比)=0.5:0.5、
第5のレーザ光と第6のレーザ光の光量比(第3の光量比)=0.5:0.5。
ここで、レーザ光源44−1(レーザ1)は、表層血管68s(表層領域70s)に対する強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−1(レーザ1)から出射される第1のレーザ光は、表層血管68s(表層領域70s)に対する強調狭帯域光である。この第1のレーザ光の波長は、図9及び図21に示すように、415nmであり、青色領域58Bに含まれる。
また、レーザ光源44−3(レーザ3)は、中層血管68m(中層領域70m)における強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−3(レーザ3)から出射される第3のレーザ光は、中層血管68m(中層領域70m)における強調狭帯域光である。この第3のレーザ光の波長は、図9及び図21に示すように、540nmであり、緑色領域58Gに含まる。
また、レーザ光源44−4(レーザ4)は、中層血管68m(中層領域70m)における非強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−4(レーザ4)から出射される第4のレーザ光は、中層血管68m(中層領域70m)における非強調狭帯域光である。この第4のレーザ光の波長は、図9及び図21に示すように、515nmであり、緑色領域58Gに含まる。
また、レーザ光源44−5(レーザ5)は、深層血管68d(深層領域70d)における強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−5(レーザ5)から出射される第5のレーザ光は、深層血管68d(深層領域70d)における強調狭帯域光である。この第5のレーザ光の波長は、図9及び図21に示すように、595nmであり、赤色領域58Rに含まれる。
そして、レーザ光源44−6(レーザ6)は、深層血管68d(深層領域70d)における非強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−6(レーザ6)から出射される第6のレーザ光は、深層血管68d(深層領域70d)における非強調狭帯域光である。この第6のレーザ光の波長は、図9及び図21に示すように、635nmであり、赤色領域58Rに含まれる。
これら第1のレーザ光、第3のレーザ光、第4のレーザ光、第5のレーザ光、及び第6のレーザ光は、前述したように、合波されて、挿入部26の先端の光変換部54から照明光ILとして出射され、観察体Oに照射される。つまり、この観察モードM14(表層-中層-深層血管強調中間モード1)では、中層血管68mを強調する第3のレーザ光と中層血管68mを強調しない第4のレーザ光とが共に観察体Oへ照射されると共に、深層血管68dを強調する第5のレーザ光と深層血管68dを強調しない第6のレーザ光とが共に観察体Oへ照射される。
観察体Oにおける照明光ILの反射散乱光RLは、前述したように、撮像部22で検出され、撮像部22からB撮像信号、G撮像信号、及びR撮像信号が画像処理部24へ出力される。画像処理部24は、撮像部22から出力されたB撮像信号、G撮像信号、及びR撮像信号に対して、観察モード情報に応じた画像処理を行い、B画像信号、G画像信号、及びR画像信号を生成する。
すなわち、表層血管68sにおける照明光ILの反射散乱光RLに対する光強度は、中層血管68m及び深層血管68dにおける照明光ILの反射散乱光RLに対する光強度よりも、血管周辺部(粘膜部など)における反射散乱光RLに対する光強度との差が大きい。
画像処理部24は、B撮像信号、G撮像信号、R撮像信号のうち、強調狭帯域光のみが含まれる色領域に対応する撮像信号(この場合、B撮像信号)に対して、コントラスト強調画像処理と、輪郭(エッジ)強調画像処理と、血管構造強調画像処理と、の3種の画像処理のうち、少なくとも1つを行う。その他の色領域に対応する撮像信号(この場合、G撮像信号及びR撮像信号)に対しては、特に強調画像処理や抑制画像処理は行わない。
そして、画像処理部24で生成されたB画像信号、G画像信号、及びR画像信号は、画像表示部16に送信され、図10及び図22に示すように、観察体画像80として表示される。すなわち、この観察体画像80では、表層血管68sは、観察モードM1(表層血管強調モード)と同様に表層血管画像82sとして強調して表示される。
一方、この観察モードM14(表層-中層-深層血管強調中間モード1)では、中層血管68mを強調する第3のレーザ光と中層血管68mを強調しない第4のレーザ光とが共に観察体Oへ照射される。そのため、結果として、中層血管68mは、第3のレーザ光のみが照射されて強調された状態と、第4のレーザ光のみが照射されて強調されていない状態と、の中間のレベルで強調される。すなわち、中層血管68mを示す中層血管画像82mは、観察モードM1(表層血管強調モード)と観察モードM4(表層-中層血管強調モード)との中間レベルに強調して表示される。
また、深層血管68dを強調する第5のレーザ光と深層血管68dを強調しない第6のレーザ光とが共に観察体Oへ照射される。そのため、結果として、深層血管68dは、第5のレーザ光のみが照射されて強調された状態と、第6のレーザ光のみが照射されて強調されていない状態と、の中間のレベルで強調される。すなわち、深層血管68dを示す深層血管画像82dは、観察モードM1(表層血管強調モード)と観察モードM5(表層-深層血管強調モード)との中間レベルに強調して表示される。
このような、中間レベルの強調状態の画像では、表層血管68sのみ強調された画像、表層血管68sと中層血管68mが強調された画像、及び、表層血管68sと深層血管68dが強調された画像、よりも奥行き感のある観察体画像80が生成できる。
なお、第3のレーザ光と第4のレーザ光の光量比(第2の光量比)は、上記観察モードM8(表層-中層血管強調中間モード1)におけるそれと同様、変更可能なことは勿論である。
また、第5のレーザ光と第6のレーザ光の光量比(第3の光量比)についても、上記観察モードM8(表層-中層血管強調中間モード1)における第3のレーザ光と第4のレーザ光の光量比(第2の光量比)と同様、変更可能なことは勿論である。
<観察モードM15(表層-中層-深層血管強調中間モード2)>
ユーザによって、入力部18に観察モードとして、観察モードM15(表層-中層-深層血管強調中間モード2)が入力されると、入力部18から光源駆動部46と画像処理部24へ観察モードM15(表層-中層-深層血管強調中間モード2)の観察モード情報が出力される。
光源駆動部46は、観察モードM15(表層-中層-深層血管強調中間モード2)の観察モード情報を受け取ると、図7及び図9に示すように、レーザ光源44−1(レーザ1)、レーザ光源44−2(レーザ2)、レーザ光源44−3(レーザ3)、レーザ光源44−5(レーザ5)、及びレーザ光源44−6(レーザ6)を点灯し、それらレーザ光源44−1、44−2、44−3、44−5、及び44−6から第1のレーザ光、第2のレーザ光、第3のレーザ光、第5のレーザ光、及び第6のレーザ光を出射させる。
この場合、光源駆動部46の光量比変更部72は、第1乃至第3の光量比を次のように変更する。
第1のレーザ光と第2のレーザ光の光量比(第1の光量比)=0.5:0.5、
第3のレーザ光と第4のレーザ光の光量比(第2の光量比)=1:0、
第5のレーザ光と第6のレーザ光の光量比(第3の光量比)=0.5:0.5。
ここで、レーザ光源44−1(レーザ1)は、表層血管68s(表層領域70s)に対する強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−1(レーザ1)から出射される第1のレーザ光は、表層血管68s(表層領域70s)に対する強調狭帯域光である。この第1のレーザ光の波長は、図9に示すように、415nmであり、青色領域58Bに含まれる。
また、レーザ光源44−2(レーザ2)は、表層血管68s(表層領域70s)に対する非強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−2(レーザ2)から出射される第2のレーザ光は、表層血管68s(表層領域70s)に対する非強調狭帯域光である。この第2のレーザ光の波長は、図9に示すように、445nmであり、青色領域58Bに含まれる。
また、レーザ光源44−3(レーザ3)は、中層血管68m(中層領域70m)における強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−3(レーザ3)から出射される第3のレーザ光は、中層血管68m(中層領域70m)における強調狭帯域光である。この第3のレーザ光の波長は、図9に示すように、540nmであり、緑色領域58Gに含まる。
また、レーザ光源44−5(レーザ5)は、深層血管68d(深層領域70d)における強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−5(レーザ5)から出射される第5のレーザ光は、深層血管68d(深層領域70d)における強調狭帯域光である。この第5のレーザ光の波長は、図9に示すように、595nmであり、赤色領域58Rに含まれる。
そして、レーザ光源44−6(レーザ6)は、深層血管68d(深層領域70d)における非強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−6(レーザ6)から出射される第6のレーザ光は、深層血管68d(深層領域70d)における非強調狭帯域光である。この第6のレーザ光の波長は、図9に示すように、635nmであり、赤色領域58Rに含まれる。
これら第1のレーザ光、第2のレーザ光、第3のレーザ光、第5のレーザ光、及び第6のレーザ光は、前述したように、合波されて、挿入部26の先端の光変換部54から照明光ILとして出射され、観察体Oに照射される。つまり、この観察モードM15(表層-中層-深層血管強調中間モード2)では、表層血管68sを強調する第1のレーザ光と表層血管68sを強調しない第2のレーザ光とが共に観察体Oへ照射されると共に、深層血管68dを強調する第5のレーザ光と深層血管68dを強調しない第6のレーザ光とが共に観察体Oへ照射される。
観察体Oにおける照明光ILの反射散乱光RLは、前述したように、撮像部22で検出され、撮像部22からB撮像信号、G撮像信号、及びR撮像信号が画像処理部24へ出力される。画像処理部24は、撮像部22から出力されたB撮像信号、G撮像信号、及びR撮像信号に対して、観察モード情報に応じた画像処理を行い、B画像信号、G画像信号、及びR画像信号を生成する。
すなわち、中層血管68mにおける照明光ILの反射散乱光RLに対する光強度は、表層血管68s及び深層血管68dにおける照明光ILの反射散乱光RLに対する光強度よりも、血管周辺部(粘膜部など)における反射散乱光RLに対する光強度との差が大きい。
画像処理部24は、B撮像信号、G撮像信号、R撮像信号のうち、強調狭帯域光のみが含まれる色領域に対応する撮像信号(この場合、G撮像信号)に対して、コントラスト強調画像処理と、輪郭(エッジ)強調画像処理と、血管構造強調画像処理と、の3種の画像処理のうち、少なくとも1つを行う。その他の色領域に対応する撮像信号(この場合、B撮像信号及びR撮像信号)に対しては、特に強調画像処理や抑制画像処理は行わない。
そして、画像処理部24で生成されたB画像信号、G画像信号、及びR画像信号は、画像表示部16に送信され、図10に示すように、観察体画像80として表示される。すなわち、この観察体画像80では、中層血管68mは、観察モードM2(中層血管強調モード)と同様に中層血管画像82mとして強調して表示される。
一方、この観察モードM15(表層-中層-深層血管強調中間モード2)では、表層血管68sを強調する第1のレーザ光と表層血管68sを強調しない第2のレーザ光とが共に観察体Oへ照射される。そのため、結果として、表層血管68sは、第1のレーザ光のみが照射されて強調された状態と、第2のレーザ光のみが照射されて強調されていない状態と、の中間のレベルで強調される。すなわち、表層血管68sを示す表層血管画像82sは、観察モードM2(中層血管強調モード)と観察モードM4(表層-中層血管強調モード)との中間レベルに強調して表示される。
また、深層血管68dを強調する第5のレーザ光と深層血管68dを強調しない第6のレーザ光とが共に観察体Oへ照射される。そのため、結果として、深層血管68dは、第5のレーザ光のみが照射されて強調された状態と、第6のレーザ光のみが照射されて強調されていない状態と、の中間のレベルで強調される。すなわち、深層血管68dを示す深層血管画像82dは、観察モードM2(中層血管強調モード)と観察モードM6(中層-深層血管強調モード)との中間レベルに強調して表示される。
このような、中間レベルの強調状態の画像では、中層血管68mのみ強調された画像、表層血管68sと中層血管68mが強調された画像、及び、中層血管68mと深層血管68dが強調された画像、よりも奥行き感のある観察体画像80が生成できる。
なお、第1のレーザ光と第2のレーザ光の光量比(第1の光量比)、及び、第5のレーザ光と第6のレーザ光の光量比(第3の光量比)は、上記観察モードM8(表層-中層血管強調中間モード1)における第3のレーザ光と第4のレーザ光の光量比(第2の光量比)と同様、変更可能なことは勿論である。
<観察モードM16(表層-中層-深層血管強調中間モード3)>
ユーザによって、入力部18に観察モードとして、観察モードM16(表層-中層-深層血管強調中間モード3)が入力されると、入力部18から光源駆動部46と画像処理部24へ観察モードM16(表層-中層-深層血管強調中間モード3)の観察モード情報が出力される。
光源駆動部46は、観察モードM16(表層-中層-深層血管強調中間モード3)の観察モード情報を受け取ると、図7及び図9に示すように、レーザ光源44−1(レーザ1)、レーザ光源44−2(レーザ2)、レーザ光源44−3(レーザ3)、レーザ光源44−4(レーザ4)、及びレーザ光源44−5(レーザ5)を点灯し、それらレーザ光源44−1、44−2、44−3、44−4、及び44−5から第1のレーザ光、第2のレーザ光、第3のレーザ光、第4のレーザ光、及び第5のレーザ光を出射させる。
この場合、光源駆動部46の光量比変更部72は、第1乃至第3の光量比を次のように変更する。
第1のレーザ光と第2のレーザ光の光量比(第1の光量比)=0.5:0.5、
第3のレーザ光と第4のレーザ光の光量比(第2の光量比)=0.5:0.5、
第5のレーザ光と第6のレーザ光の光量比(第3の光量比)=1:0。
ここで、レーザ光源44−1(レーザ1)は、表層血管68s(表層領域70s)に対する強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−1(レーザ1)から出射される第1のレーザ光は、表層血管68s(表層領域70s)に対する強調狭帯域光である。この第1のレーザ光の波長は、図9に示すように、415nmであり、青色領域58Bに含まれる。
また、レーザ光源44−2(レーザ2)は、表層血管68s(表層領域70s)に対する非強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−2(レーザ2)から出射される第2のレーザ光は、表層血管68s(表層領域70s)に対する非強調狭帯域光である。この第2のレーザ光の波長は、図9に示すように、445nmであり、青色領域58Bに含まれる。
また、レーザ光源44−3(レーザ3)は、中層血管68m(中層領域70m)における強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−3(レーザ3)から出射される第3のレーザ光は、中層血管68m(中層領域70m)における強調狭帯域光である。この第3のレーザ光の波長は、図9に示すように、540nmであり、緑色領域58Gに含まる。
また、レーザ光源44−4(レーザ4)は、中層血管68m(中層領域70m)における非強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−4(レーザ4)から出射される第4のレーザ光は、中層血管68m(中層領域70m)における非強調狭帯域光である。この第4のレーザ光の波長は、図9に示すように、515nmであり、緑色領域58Gに含まる。
そして、レーザ光源44−5(レーザ5)は、深層血管68d(深層領域70d)における強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−5(レーザ5)から出射される第5のレーザ光は、深層血管68d(深層領域70d)における強調狭帯域光である。この第5のレーザ光の波長は、図9に示すように、595nmであり、赤色領域58Rに含まれる。
これら第1のレーザ光、第2のレーザ光、第3のレーザ光、第4のレーザ光、及び第5のレーザ光は、前述したように、合波されて、挿入部26の先端の光変換部54から照明光ILとして出射され、観察体Oに照射される。つまり、この観察モードM16(表層-中層-深層血管強調中間モード3)では、表層血管68sを強調する第1のレーザ光と表層血管68sを強調しない第2のレーザ光とが共に観察体Oへ照射されると共に、中層血管68mを強調する第3のレーザ光と中層血管68mを強調しない第4のレーザ光とが共に観察体Oへ照射される。
観察体Oにおける照明光ILの反射散乱光RLは、前述したように、撮像部22で検出され、撮像部22からB撮像信号、G撮像信号、及びR撮像信号が画像処理部24へ出力される。画像処理部24は、撮像部22から出力されたB撮像信号、G撮像信号、及びR撮像信号に対して、観察モード情報に応じた画像処理を行い、B画像信号、G画像信号、及びR画像信号を生成する。
すなわち、深層血管68dにおける照明光ILの反射散乱光RLに対する光強度は、表層血管68s及び中層血管68mにおける照明光ILの反射散乱光RLに対する光強度よりも、血管周辺部(粘膜部など)における反射散乱光RLに対する光強度との差が大きい。
画像処理部24は、B撮像信号、G撮像信号、R撮像信号のうち、強調狭帯域光のみが含まれる色領域に対応する撮像信号(この場合、R撮像信号)に対して、コントラスト強調画像処理と、輪郭(エッジ)強調画像処理と、血管構造強調画像処理と、の3種の画像処理のうち、少なくとも1つを行う。その他の色領域に対応する撮像信号(この場合、B撮像信号及びG撮像信号)に対しては、特に強調画像処理や抑制画像処理は行わない。
そして、画像処理部24で生成されたB画像信号、G画像信号、及びR画像信号は、画像表示部16に送信され、図10に示すように、観察体画像80として表示される。すなわち、この観察体画像80では、深層血管68dは、観察モードM3(深層血管強調モード)と同様に深層血管画像82dとして強調して表示される。
一方、この観察モードM16(表層-中層-深層血管強調中間モード3)では、表層血管68sを強調する第1のレーザ光と表層血管68sを強調しない第2のレーザ光とが共に観察体Oへ照射される。そのため、結果として、表層血管68sは、第1のレーザ光のみが照射されて強調された状態と、第2のレーザ光のみが照射されて強調されていない状態と、の中間のレベルで強調される。すなわち、表層血管68sを示す表層血管画像82sは、観察モードM3(深層血管強調モード)と観察モードM5(表層-深層血管強調モード)との中間レベルに強調して表示される。
また、中層血管68mを強調する第3のレーザ光と中層血管68mを強調しない第4のレーザ光とが共に観察体Oへ照射される。そのため、結果として、中層血管68mは、第3のレーザ光のみが照射されて強調された状態と、第4のレーザ光のみが照射されて強調されていない状態と、の中間のレベルで強調される。すなわち、中層血管68mを示す中層血管画像82mは、観察モードM3(深層血管強調モード)と観察モードM6(中層-深層血管強調モード)との中間レベルに強調して表示される。
このような、中間レベルの強調状態の画像では、深層血管68dのみ強調された画像、表層血管68sと深層血管68dが強調された画像、及び、中層血管68mと深層血管68dが強調された画像、よりも奥行き感のある観察体画像80が生成できる。
なお、第1のレーザ光と第2のレーザ光の光量比(第1の光量比)、及び、第3のレーザ光と第4のレーザ光の光量比(第2の光量比)は、上記観察モードM8(表層-中層血管強調中間モード1)における第3のレーザ光と第4のレーザ光の光量比(第2の光量比)と同様、変更可能なことは勿論である。
<観察モードM17(通常観察モード)>
ユーザによって、入力部18に観察モードとして、観察モードM17(通常観察モード)が入力されると、入力部18から光源駆動部46と画像処理部24へ観察モードM17(通常観察モード)の観察モード情報が出力される。
光源駆動部46は、観察モードM3(深層血管強調モード)の観察モード情報を受け取ると、図7、図9及び図23に示すように、レーザ光源44−1(レーザ1)、レーザ光源44−2(レーザ2)、レーザ光源44−3(レーザ3)、レーザ光源44−4(レーザ4)、レーザ光源44−5(レーザ5)、及び〜レーザ光源44−6(レーザ6)のすべてを点灯し、それらレーザ光源44−1〜44−6から第1のレーザ光、第2のレーザ光、第3のレーザ光、第4のレーザ光、第5のレーザ光、及び乃至第6のレーザ光を出射させる。
この場合、光源駆動部46の光量比変更部72は、第1乃至第3の光量比を次のように変更する。
第1のレーザ光と第2のレーザ光の光量比(第1の光量比)=0.5:0.5、
第3のレーザ光と第4のレーザ光の光量比(第2の光量比)=0.5:0.5、
第5のレーザ光と第6のレーザ光の光量比(第3の光量比)=0.5:0.5。
ここで、レーザ光源44−1(レーザ1)は、表層血管68s(表層領域70s)に対する強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−1(レーザ1)から出射される第1のレーザ光は、表層血管68s(表層領域70s)に対する強調狭帯域光である。この第1のレーザ光の波長は、図9及び図23に示すように、415nmであり、青色領域58Bに含まれる。
また、レーザ光源44−2(レーザ2)は、表層血管68s(表層領域70s)に対する非強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−2(レーザ2)から出射される第2のレーザ光は、表層血管68s(表層領域70s)に対する非強調狭帯域光である。この第2のレーザ光の波長は、図9及び図23に示すように、445nmであり、青色領域58Bに含まれる。
また、レーザ光源44−3(レーザ3)は、中層血管68m(中層領域70m)における強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−3(レーザ3)から出射される第3のレーザ光は、中層血管68m(中層領域70m)における強調狭帯域光である。この第3のレーザ光の波長は、図9及び図23に示すように、540nmであり、緑色領域58Gに含まる。
また、レーザ光源44−4(レーザ4)は、中層血管68m(中層領域70m)における非強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−4(レーザ4)から出射される第4のレーザ光は、中層血管68m(中層領域70m)における非強調狭帯域光である。この第4のレーザ光の波長は、図9及び図23に示すように、515nmであり、緑色領域58Gに含まる。
また、レーザ光源44−5(レーザ5)は、深層血管68d(深層領域70d)における強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−5(レーザ5)から出射される第5のレーザ光は、深層血管68d(深層領域70d)における強調狭帯域光である。この第5のレーザ光の波長は、図9及び図23に示すように、595nmであり、赤色領域58Rに含まれる。
そして、レーザ光源44−6(レーザ6)は、深層血管68d(深層領域70d)における非強調狭帯域光源であり、レーザ光源44−6(レーザ6)から出射される第6のレーザ光は、深層血管68d(深層領域70d)における非強調狭帯域光である。この第6のレーザ光の波長は、図9及び図23示すように、635nmであり、赤色領域58Rに含まれる。
これら第1のレーザ光、第2のレーザ光、第3のレーザ光、第4のレーザ光、第5のレーザ光、及び第6のレーザ光は、前述したように、合波されて、挿入部26の先端の光変換部54から照明光ILとして出射され、観察体Oに照射される。つまり、この観察モードM17(通常観察モード)では、表層血管68sを強調する第1のレーザ光と表層血管68sを強調しない第2のレーザ光とが共に観察体Oへ照射され、中層血管68mを強調する第3のレーザ光と中層血管68mを強調しない第4のレーザ光とが共に観察体Oへ照射され、深層血管68dを強調する第5のレーザ光と深層血管68dを強調しない第6のレーザ光とが共に観察体Oへ照射される。
観察体Oにおける照明光ILの反射散乱光RLは、前述したように、撮像部22で検出され、撮像部22からB撮像信号、G撮像信号、及びR撮像信号が画像処理部24へ出力される。画像処理部24は、撮像部22から出力されたB撮像信号、G撮像信号、及びR撮像信号に対して、観察モード情報に応じた画像処理を行い、B画像信号、G画像信号、及びR画像信号を生成する。
そして、画像処理部24で生成されたB画像信号、G画像信号、及びR画像信号は、画像表示部16に送信され、図10及び図24に示すように、観察体画像80として表示される。
すなわち、この観察モードM17(通常観察モード)では、表層血管68sを強調する第1のレーザ光と表層血管68sを強調しない第2のレーザ光とが共に観察体Oへ照射される。そのため、結果として、表層血管68sは、第1のレーザ光のみが照射されて強調された状態と、第2のレーザ光のみが照射されて強調されていない状態と、の中間のレベルで強調される。すなわち、表層血管68sを示す表層血管画像82sは、観察モードM1(表層血管強調モード)と観察モードM6(中層-深層血管強調モード)との中間レベルに強調して表示される。
また、中層血管68mを強調する第3のレーザ光と中層血管68mを強調しない第4のレーザ光とが共に観察体Oへ照射される。そのため、結果として、中層血管68mは、第3のレーザ光のみが照射されて強調された状態と、第4のレーザ光のみが照射されて強調されていない状態と、の中間のレベルで強調される。すなわち、中層血管68mを示す中層血管画像82mは、観察モードM2(中層血管強調モード)と観察モードM5(表層-深層血管強調モード)との中間レベルに強調して表示される。
そして、深層血管68dを強調する第5のレーザ光と深層血管68dを強調しない第6のレーザ光とが共に観察体Oへ照射される。そのため、結果として、深層血管68dは、第5のレーザ光のみが照射されて強調された状態と、第6のレーザ光のみが照射されて強調されていない状態と、の中間のレベルで強調される。すなわち、深層血管68dを示す深層血管画像82dは、観察モードM3(深層血管強調モード)と観察モードM4(表層-中層血管強調モード)との中間レベルに強調して表示される。
この観察モードM17(通常観察モード)においては、演色性または色再現性の高い照明光ILとなるように、レーザ光源44−1〜44−6の光量比が設定される。したがって、第1のレーザ光と第2のレーザ光の光量比(第1の光量比)、第3のレーザ光と第4のレーザ光の光量比(第2の光量比)及び、第5のレーザ光と第6のレーザ光の光量比(第3の光量比)は、上記のような0.5:0.5に限るものではない。例えば、キセノンランプやハロゲンランプのような広帯域な照明光ILの色を再現する。または、キセノンランプやハロゲンランプのような広帯域な照明光ILに照射されたときの観察体Oの色を再現する。
観察モードM17(通常観察モード)においては、演色性または色再現性を高めるために、血管強調モードに対して、点灯するレーザ光源の数が多い。
以上のように、本発明の一実施形態に係る内視鏡装置10は、複数の狭帯域光源を有し、互いにピーク波長または中心波長の異なる複数の狭帯域光を含む照明光ILを出射する照明部20を備える内視鏡装置10であって、複数の狭帯域光源は、観察体Oに存在する診断対象物質の光吸収スペクトルに対して、少なくとも1つの極大値をとる少なくとも1つの極大波長、及び、青色領域58B、緑色領域58G、及び赤色領域58Rの3つの色領域のうち何れかの色領域における光吸収スペクトルの最大値である色領域最大値をとる色領域最大波長、の少なくとも一方を1つ含む強調波長領域に、ピーク波長または中心波長が含まれる第1の強調狭帯域光を出射する第1の強調狭帯域光源と、青色領域58B、緑色領域58G、及び赤色領域58Rの強調波長領域を含まない波長領域である非強調波長領域に、ピーク波長または中心波長が含まれる第1の非強調狭帯域光を出射する第1の非強調狭帯域光源と、を少なくとも有し、照明部20は、複数の狭帯域光に含まれる第1の強調狭帯域光と第1の非強調狭帯域光との光量比である第1の光量比を変更する光量比変更部72を更に有する。
このように、第1の強調狭帯域光と第1の非強調狭帯域光との光量比である第1の光量比を変更することで、第1の強調狭帯域光により強調される診断対象物質の強調度合いが変更されるので、特定の深さ領域における、診断対象物質の相対的な強調の度合いを変更可能となる。
ここで、第1の強調狭帯域光及び第1の非強調狭帯域光は、それぞれ、第1の深さ領域まで侵達長を有し、第1の深さ領域は、観察体Oに対する表層領域70s、中層領域70m、及び深層領域70dの3つの深さ領域の何れかである。
従って、観察体Oに対する表層領域70s、中層領域70m、または深層領域70dにおける、診断対象物質の相対的な強調の度合いを変更可能となる。
この場合、表層領域70sまで侵達長を有する狭帯域光は、青色領域58Bに含まれ、中層領域70mまで侵達長を有する狭帯域光は、緑色領域58Gに含まれ、深層領域70dまで侵達長を有する狭帯域光は、赤色領域58Rに含まれ、第1の強調狭帯域光及び第1の非強調狭帯域光は、それぞれ、それら3つの色領域の何れかである第1の色領域に含まれる。
このように、深さ領域と色領域とには相関がある。
なお、光量比変更部72は、照明光ILにおいて、第1の色領域の光量が一定となるように、第1の光量比を変更する。
従って、光量比変更により照明光ILの色が変化しない。
また、複数の狭帯域光源は、更に、第2の強調狭帯域光を出射する第2の強調狭帯域光源と、第2の非強調狭帯域光を出射する第2の非強調狭帯域光源と、のどちらか一方を少なくとも有し、照明光ILにおける複数の狭帯域光は、第2の強調狭帯域光と第2の非強調狭帯域光のどちらか一方を少なくとも含み、第2の強調狭帯域光と第2の非強調狭帯域光は、上記3つの深さ領域の何れかであり、且つ、第1の深さ領域とは異なる第2の深さ領域まで侵達長を有し、また、上記3つの色領域の何れかであり、且つ、第1の色領域とは異なる第2の色領域に含まれる。
このように、第2の色領域に含まれ、第2の深さ領域まで侵達する第2の強調狭帯域光を有することで、2つの深さ領域の中間の強調状態の画像が生成可能となる。また、第2の色領域に含まれ、第2の深さ領域まで侵達する第2の非強調狭帯域光を有することで、色再現性を向上することが可能となる。
またこの場合、複数の狭帯域光源は、第2の強調狭帯域光源と第2の非強調狭帯域光源の両方を有し、光量比変更部72は、第1の光量比に加えて、第2の強調狭帯域光と第2の非強調狭帯域光との光量比である第2の光量比を変更する。
このように、第1の光量比に加え、第2の強調狭帯域光と第2の非強調狭帯域光の光量比(第2の光量比)を変更することで、第2の深さ領域の血管強調の度合いを第2の光量比で変更することが可能となる。従って、例えば血管に対しては、表層血管68sと深層血管68dが強調された画像以外に、表層血管68sのみ強調された画像、深層血管68dのみ強調された画像、及びそれらの中間の強調状態の画像を生成可能となる。また、中間の強調状態の画像では、表層血管68sと深層血管68dとが強調された画像、表層血管68sのみ強調された画像、及び深層血管68dのみ強調された画像、よりも奥行き感のある観察体画像80が生成できる。
なおこの場合、光量比変更部72は、照明光ILにおいて、第2の色領域の光量が一定となるように、第2の光量比を変更することが望ましい。
このように、第2の色領域における光量が一定となるように第2の光量比を変更することで、光量比変更により照明光ILの色が変化しないようにすることができる。
またさらに、複数の狭帯域光源は、更に、第3の強調狭帯域光を出射する第3の強調狭帯域光源と、第3の非強調狭帯域光を出射する第3の非強調狭帯域光源と、のどちらか一方を少なくとも有し、照明光ILにおける複数の狭帯域光は、第3の強調狭帯域光と第3の非強調狭帯域光のどちらか一方を少なくとも含み、第3の強調狭帯域光と第3の非強調狭帯域光は、上記3つの深さ領域の何れかであり、且つ、第1の深さ領域及び第2の深さ領域とは異なる第3の深さ領域まで侵達長を有し、また、上記3つの色領域の何れかであり、且つ、第1の色領域及び第2の色領域とは異なる第3の色領域に含まれる。
このように、第3の色領域に含まれ、第3の深さ領域まで侵達する第3の強調狭帯域光を有することで、3つの深さ領域の中間の強調状態の画像が生成可能となる。また、第3の色領域に含まれ、第3の深さ領域まで侵達する第3の非強調狭帯域光を有することで、色再現性を向上することが可能となる。
またこの場合、複数の狭帯域光源は、第3の強調狭帯域光源と第3の非強調狭帯域光源の両方を有し、光量比変更部72は、第1の光量比と第2の光量比に加えて、第3の強調狭帯域光と第3の非強調狭帯域光との光量比である第3の光量比を変更する。
このように、第1及び第2の光量比に加え、第3の強調狭帯域光と第3の非強調狭帯域光の光量比(第3の光量比)を変更することで、第3の深さ領域の血管強調の度合いを第3の光量比で変更することが可能となる。
なおこの場合、光量比変更部72は、照明光ILにおいて、第3の色領域の光量が一定となるように、第3の光量比を変更することが望ましい。
このように、第3の色領域における光量が一定となるように第3の光量比を変更することで、光量比変更により照明光ILの色が変化しないようにすることができる。
また、照明光ILにおいて、青色領域58Bの光量と、緑色領域58Gの光量と、赤色領域58Rの光量と、の比率を色領域間光量比としたとき、光量比変更部72は、複数の狭帯域光源を、色領域間光量比が一定となるように制御する。
このように、複数の狭帯域光源を、色領域間光量比が一定となるように制御することで、光量比を変えても照明光ILの色が変化しないようにすることができる。なお、強調狭帯域光でも非強調狭帯域光でもない狭帯域光がある場合は、それも含めて一定とする。
この場合、色領域間光量比は、照明光ILが白色となる光量比である。
このように、色領域間光量比を照明光ILが白色となる光量比とすることで、色再現よく観察が可能となる。
また、光量比変更部72は、第1の強調狭帯域光源と第1の非強調狭帯域光源との点灯の組み合わせである第1の点灯組み合わせ(第1の強調狭帯域光源のみ点灯、第1の非強調狭帯域光源のみ点灯、両方点灯)を切り替える。
このように、第1の強調狭帯域光源と第1の非強調狭帯域光源の点灯の組み合わせ(第1の点灯組み合わせ)を変更することで、第1の光量比を変更することができる。
また、光量比変更部72は、第1の強調狭帯域光源と第1の非強調狭帯域光源との点灯の組み合わせである第1の点灯組み合わせ(第1の強調狭帯域光源のみ点灯、第1の非強調狭帯域光源のみ点灯、両方点灯)と、第2の強調狭帯域光源と第2の非強調狭帯域光源との点灯の組み合わせである第2の点灯組み合わせ(第2の強調狭帯域光源のみ点灯、第2の非強調狭帯域光源のみ点灯、両方点灯)と、を切り替える。
このように、第1の強調狭帯域光源と第1の非強調狭帯域光源の点灯の組み合わせ(第1の点灯組み合わせ)と第2の強調狭帯域光源と第2の非強調狭帯域光源の点灯の組み合わせ(第2の点灯組み合わせ)とを変更することで、第1及び第2の光量比を変更することができる。
また、光量比変更部72は、第1の強調狭帯域光源と第1の非強調狭帯域光源との点灯の組み合わせである第1の点灯組み合わせ(第1の強調狭帯域光源のみ点灯、第1の非強調狭帯域光源のみ点灯、両方点灯)と、第2の強調狭帯域光源と前記第2の非強調狭帯域光源との点灯の組み合わせである第2の点灯組み合わせ(第2の強調狭帯域光源のみ点灯、第2の非強調狭帯域光源のみ点灯、両方点灯)と、第3の強調狭帯域光源と第3の非強調狭帯域光源との点灯の組み合わせである第3の点灯組み合わせ(第3の強調狭帯域光源のみ点灯、第3の非強調狭帯域光源のみ点灯、両方点灯)と、を切り替える。
このように、第1の強調狭帯域光源と第1の非強調狭帯域光源の点灯の組み合わせ(第1の点灯組み合わせ)、第2の強調狭帯域光源と第2の非強調狭帯域光源の点灯の組み合わせ(第2の点灯組み合わせ)、及び第3の強調狭帯域光源と第3の非強調狭帯域光源の点灯の組み合わせ(第3の点灯組み合わせ)を変更することで、第1、第2及び第3の光量比を変更することができる。
なお、強調波長領域は、極大波長及び色領域最大波長の少なくとも一方に対して、±20nm以内の波長領域である。
強調波長領域がこのような波長領域であると、光吸収が大きいため、好ましい。
あるいは、強調波長領域は、極大値または色領域最大値が存在する色領域であって、極大値または色領域最大値に対して1/2以上の値を有する波長領域であっても良い。
強調波長領域がこのような波長領域であると、吸収が大きいため、好ましい。
また、非強調波長領域は、診断対象物質の光吸収スペクトルに対して、極小値をとる少なくとも1つの極小波長、及び、3つの色領域のうち何れかの色領域における最小値である色領域最小値をとる色領域最小波長、の少なくとも一方を1つ含む。
非強調波長領域がこのような波長領域であると、吸収が小さいため、好ましい。
この場合、非強調波長領域は、極小波長及び色領域最小波長の少なくとも一方に対して、±20nm以内の波長領域である。
非強調波長領域がこのような波長領域であると、光吸収が小さいため、好ましい。
あるいは、非強調波長領域は、極小値または色領域最小値が存在する色領域であって、極小値及び色領域最小値の少なくとも一方に対して1.5倍以下の値を有する波長領域であっても良い。
非強調波長領域がこのような波長領域であると、吸収が小さいため、好ましい。
また、非強調波長領域は、極大値または色領域最大値が存在する色領域であって、極大値及び色領域最大値の少なくとも一方に対して、1/2以下の値をとる波長領域であっても良い。
非強調波長領域がこのような波長領域であると、吸収が小さいため、好ましい。
なお、観察体Oは、生体組織であり、診断対象物質は、観察体Oに含まれるヘモグロビンである。
これにより、生体組織に存在する血管を強調することができる。
この場合、少なくとも1つの強調狭帯域光のピーク波長は、395乃至435nmの波長領域に含まれる。
これにより、表層血管68sを強調することができる。
あるいは、少なくとも1つの強調狭帯域光のピーク波長は、520乃至560nmまたは560乃至595nmの波長領域のどちらか一方に含まれていても良い。
これにより、中層血管68mまたは深層血管68dを強調することができる。
また、複数の狭帯域光は、波長幅が50nm以下の狭帯域光である。
これにより、複数の狭帯域光源としてLEDを用いることが可能となる。
あるいは、複数の狭帯域光は、波長幅が5nm以下の超狭帯域光であっても良い。
これにより、複数の狭帯域光源としてレーザ光源を用いることが可能となる。
なお、青色領域58Bは、380乃至510nmの波長領域であり、緑色領域58Gは、490乃至610nmの波長領域であり、赤色領域58Rは、590乃至780nmの波長領域である。
このような波長設定とすることで、色再現性の良い照明光ILを生成することが可能となる。
また、内視鏡装置10は、用途に応じた複数の観察モードのうちの1つを入力する入力部18を更に有し、光量比変更部72は、入力部18に入力された観察モードに基づいて、第1の光量比を変更する。
したがって、観察モード入力に基づいて光量比を変更することができる。
また、内視鏡装置10は、観察体Oに照射された照明光ILの反射散乱光RLを検出して撮像信号を出力する撮像部22と、撮像信号から画像信号を生成する画像処理部24と、を更に備える。
従って、例えば第1の強調狭帯域光と第1の非強調狭帯域光との光量比である第1の光量比を変更することで、第1の強調狭帯域光により強調される診断対象物質の強調度合いが変更されるので、特定の深さ領域における、診断対象物質の相対的な強調の度合いを変更可能となる。
[変形例1]
観察モードM1(表層血管強調モード)における照明光スペクトルの変形例を図25乃至図27に示す。
中層血管68mに対する非強調狭帯域光である第4のレーザ光の波長は、515nmではなくて、図25に示すように、560nm(緑色領域58Gにおける極小値)でも良い。
また、照明光ILに含まれる強調狭帯域光と非強調狭帯域光の数が、合わせて4つ以上でも良い。このように狭帯域光の数を4つ以上とした場合、照明光ILの演色性及び色再現性がより良くなる。この場合、図26に示すように、同じ色領域に2つ以上の非強調狭帯域光が含まれていて良い。また、図27に示すように、同じ色領域(観察モードM1(表層血管強調モード)においては青色領域58B)に2つ以上の強調狭帯域光が含まれていても良い。
観察モードM1(表層血管強調モード)以外の強調モードについても、同様である。
[変形例2]
また、複数の観察モードに対応するレーザ光源の組み合わせを順次切り替えることで、画像表示部16に複数の観察モードに対する観察体画像80を複数同時に表示させても良い。
例えば、4つの観察モードに対する観察体画像80を複数同時に表示させる場合には、次のようにする。すなわち、一般的な撮像信号の取得期間である1フレーム期間を、図28に示すように4つのサブフレーム期間に分割し、各サブフレームを一つの観察モードに対応させて、それら複数の観察モードに対応するレーザ光源の組み合わせを順次切り替える。この図28は、観察モードM1(表層血管強調モード)、観察モードM2(中層血管強調モード)、観察モードM3(深層血管強調モード)、及び観察モードM17(通常観察モード)の4つの観察モードに対する観察体画像80を同時に表示させる例である。その他の4つの観察モードに関しても同様である。
光源駆動部46の記憶部74は、この図28に示すようなレーザ光源の点灯タイミング/撮像信号取得のテーブルを記憶しており、光源駆動部46は、サブフレーム毎に、この記憶部74に記憶されているテーブルに基づいて、レーザ光源の組み合わせを順次切り替える。
あるいは、例えば、図29のように、1フレーム期間を2つのサブフレーム期間に分割し、各サブフレームにおいて3つずつレーザ光源を点灯させるようにしても良い。すなわち、2つサブフレームのうち、1つ目のサブフレームにおいて、レーザ光源44−1(レーザ1)とレーザ光源44−3(レーザ3)とレーザ光源44−5(レーザ5)とを点灯させ、2つ目のサブフレームにおいて、レーザ光源44−2(レーザ2)とレーザ光源44−4(レーザ4)とレーザ光源44−6(レーザ6)とを点灯させる。このようにして、2つのサブフレームでレーザ光源44−1〜44−6の撮像信号をすべて取得し、それらの撮像信号を用いて各観察モードにおける画像を生成する。すなわち、光源駆動部46の記憶部74は、この図29に示すようなレーザ光源の点灯タイミング/撮像信号取得テーブルを記憶しており、光源駆動部46は、サブフレーム毎に、この記憶部74に記憶されているテーブルに基づいて、レーザ光源の組み合わせを順次切り替える。
なお、図28及び図29の点灯タイミングは、あくまで一例であり、その他の、複数の観察モードの画像生成に必要な青色、緑色、及び赤色撮像信号の取得方法でも良い。
また、順次切替及び同時表示する観察モードは4つに限らず、任意の2つ以上の観察モードで実施が可能である。
[変形例3]
第1の実施形態においては、ユーザによって入力部18に入力された観察モードに応じて、光量比変更部72は第1の光量比、第2の光量比及び第3の光量比を変更して観察モードを切り替えている。しかし、入力部18を介さずに自動で第1〜第3の光量比を変更して観察モードを切り替えるようにしても良い。
例えば、内視鏡12の挿入部26の先端部と観察体Oとの間の距離に応じて観察モードを切り替える。内視鏡検査においてスクリーニングを行う状況では、挿入部26の先端部から観察体Oまでの距離は比較的遠い。また、スクリーニングにおいては、病変部の発見を目的とするため、表層血管68sに対する観察が重要となる。そのため、挿入部26の先端部と観察体Oとの間の距離が比較的遠い場合には、例えば表層血管68sが強調される観察モードM1(表層血管強調モード)、観察モードM4(表層-中層血管強調モード)、観察モードM8(表層-中層血管強調中間モード1)、及び観察モードM14(表層-中層-深層血管強調中間モード1)の何れかの観察モードとなるように、光量比変更部72は第1の光量比、第2の光量比及び第3の光量比を変更する。
また例えば、内視鏡治療におけるEMR(内視鏡的粘膜切除術)やESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)においては、中層血管68mや深層血管68dのような比較的太い血管を切らないように気を付ける必要がある。そのため、例えば中層血管68mや深層血管68dが強調される観察モードM2(中層血管強調モード)、観察モードM3(深層血管強調モード)、観察モードM6(中層-深層血管強調モード)、観察モードM12(中層-深層血管強調中間モード1)、観察モードM13(中層-深層血管強調中間モード2)、観察モードM15(表層-中層-深層血管強調中間モード2)、及び観察モードM16(表層-中層-深層血管強調中間モード3)の何れかの観察モードとなるように、光量比変更部72は第1の光量比、第2の光量比及び第3の光量比を変更する。このとき、観察モードM12(中層-深層血管強調中間モード1)、観察モードM13(中層-深層血管強調中間モード2)、観察モードM15(表層-中層-深層血管強調中間モード2)、及び観察モードM16(表層-中層-深層血管強調中間モード3)のような中間モードの観察モードを用いると、より奥行き感のある観察体画像80となる。そのため、観察モードM2(中層血管強調モード)、観察モードM3(深層血管強調モード)、及び観察モードM6(中層-深層血管強調モード)のような1つまたは2つの血管を強調する観察モードよりも、これら中間モードの観察モードを用いる方が、中層血管68mや深層血管68dがどれくらいの深さにあるのかを把握し易くなるため、好ましい。
[変形例4]
上記第1実施形態においては、内視鏡装置10は、観察モードM1(表層血管強調モード)と、観察モードM2(中層血管強調モード)と、観察モードM3(深層血管強調モード)と、観察モードM4(表層-中層血管強調モード)と、観察モードM5(表層-深層血管強調モード)と、観察モードM6(中層-深層血管強調モード)と、観察モードM7(表層-中層-深層血管強調モード)と、観察モードM8(表層-中層血管強調中間モード1)と、観察モードM9(表層-中層血管強調中間モード2)と、観察モードM10(表層-深層血管強調中間モード1)と、観察モードM11(表層-深層血管強調中間モード2)と、観察モードM12(中層-深層血管強調中間モード1)と、観察モードM13(中層-深層血管強調中間モード2)と、観察モードM14(表層-中層-深層血管強調中間モード1)と、観察モードM15(表層-中層-深層血管強調中間モード2)と、観察モードM16(表層-中層-深層血管強調中間モード3)と、観察モードM17(通常観察モード)と、の17つの観察モードを有していたが、それらのすべての観察モードを有することは必須では無い。
内視鏡装置10は、上記のうち、観察モードM1(表層血管強調モード)、観察モードM2(中層血管強調モード)、及び観察モードM3(深層血管強調モード)のうち何れか、または、観察モードM8(表層-中層血管強調中間モード1)、観察モードM9(表層-中層血管強調中間モード2)、観察モードM10(表層-深層血管強調中間モード1)、観察モードM11(表層-深層血管強調中間モード2)、観察モードM12(中層-深層血管強調中間モード1)、観察モードM13(中層-深層血管強調中間モード2)、観察モードM14(表層-中層-深層血管強調中間モード1)、観察モードM15(表層-中層-深層血管強調中間モード2)、及び観察モードM16(表層-中層-深層血管強調中間モード3)のうち何れかを含んでいれば良い。
また、内視鏡装置10は、その他の観察モードを有していても良い。内視鏡装置10は、色合いの異なる通常光を照射するモード、観察体Oにおける特定の対象物質を強調表示するその他の特殊光観察モード、観察体Oや薬剤に励起光を照射した際に発生する蛍光を観察する蛍光観察モード、などを有することができる。
[変形例5]
第1実施形態においては、診断対象物質を酸化ヘモグロビンとしたが、その他の物質でも良い。
例えば、診断対象物質は、図30にその吸収スペクトルを示すような、還元ヘモグロビンでも良い。
また、診断対象物質は、酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンが混合された血液でも良い。その場合は、酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンの吸収スペクトルを混合比を掛けた吸収スペクトルとなる。
また、診断対象物質は、ヘモグロビン以外にも、例えば、公知の自家蛍光物質または蛍光薬剤でも良いし、脂肪、ビリルビン、糖、などの生体に含まれる物質でも良い。
以上、実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。