以下の実施の形態では、同一の部品には同一の参照番号を付してある。それらの機能及び名称も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
(第1の実施の形態)
[全体システム構成]
図1を参照して、本実施の形態に係る画像処理システム50は、印刷ジョブを出力する情報処理装置100と、情報処理装置100からの印刷ジョブを受信して印刷処理を実行する画像処理装置200とを含む。情報処理装置100は、パーソナルコンピュータ(PC)等のクライアントコンピュータである。画像処理装置200は、コピーモード、及びプリンタモード等の複数の動作モードを備える複合機(Multifunction Peripheral:MFP)である。この画像処理装置200は、レーザー光を露光に利用する、所謂レーザー方式(電子写真方式)の印刷機能を備える。しかし、他の形式の印刷機能を備えたものであってもよい。情報処理装置100及び画像処理装置200は、ネットワーク60を介して互いに通信可能に接続されている。
画像処理装置200は、記録用紙を収納する多段式の給紙トレイ202a〜202d(以下、総称する場合は給紙トレイ202と記す。)を含む。給紙トレイ202a〜202dには、それぞれ、例えばトレイ1〜トレイ4の名称が付されている。各給紙トレイ202a〜202dには複数枚の記録用紙が収納される。画像処理装置200は、情報処理装置100からの印刷ジョブを受信すると、印刷ジョブによって指定される給紙トレイ202から記録用紙を給紙して当該記録用紙に画像を印刷する。画像処理装置200はさらに、印刷済みの記録用紙が排出される排紙トレイ204を含む。
情報処理装置100は、ユーザの操作入力に応じて、画像処理装置200に印刷ジョブを送信する。この情報処理装置100には、図形描画ツール及びワードプロセッサ等のアプリケーションプログラム、並びに、プリントデータの印刷ジョブを実現するためのプリンタドライバプログラム(以下単に「プリンタドライバ」と記す場合がある。)がインストールされている。情報処理装置100は、上記アプリケーションプログラムを使用するユーザの指示に応じて、文字及び図形等を含む文書を出力するためのプリントデータを作成し、作成したプリントデータをプリンタドライバによってプリンタ記述言語に変換して、画像処理装置200に対して送信できる。
本実施の形態に係る画像処理システム50は、画像処理装置200に対する1回の印刷指示で、画像データの正本(提出用)及び副本(控え用)を印刷するカーボンコピー印刷機能を持つ。カーボンコピー印刷機能では、1回の印刷指示で複数部数の印刷指示が行なわれ、印刷設定において、複数の給紙トレイ202を指定(選択)できる。すなわち、複数部数の印刷指示において、部毎に、給紙トレイ202を指定できる。指定した給紙トレイ202に異なる種類の記録用紙を収納しておけば、同一の画像データが異なる種類の記録用紙に印刷される。本実施の形態では、給紙トレイ202の部毎の指定に加えて、指定された給紙トレイ202の記録用紙を用いた印刷処理の印刷順序(給紙トレイ202の給紙順序)を指定することも可能である。
ユーザによる給紙トレイ202の部毎の指定、及び印刷順序の指定は、情報処理装置100に対して行なわれる。情報処理装置100は、プリンタドライバの後述する給紙トレイ指定画面を介して、こうした指定を受付ける。
カーボンコピー印刷において、複数部数の原稿を1セットとする場合に、原稿の並びを指定したい場合がある。図2を参照して、カーボンコピー印刷機能を用いて、例えば1枚物の原稿の画像データDを、正本(提出用)1部、副本(控え用)2部の合計3部印刷する場合を考える。画像データDを部毎に異なる色(白色、青色、及び黄色)の記録用紙に印刷し、正本及び副本の3枚綴りを1セットとする場合に、セット内で、例えば青色、黄色及び白色の順に印刷原稿を並べたいとする。
従来のカーボンコピー印刷機能では、予め定められた給紙トレイの優先順序に基づいて印刷が実行されるため、印刷原稿の並びが所望の順序とは異なる順序になることがある。この場合、印刷完了後に印刷原稿を所望の順番に並べ替える必要がある。こうした並べ替え作業は、ユーザにとって煩雑であり作業効率が低下する。特に、印刷原稿の部数又は印刷枚数が多くなると、作業効率が大きく低下する。予め定められた給紙トレイの優先順序を考慮して各給紙トレイに所望の記録用紙を収納すれば、印刷原稿の並びが所望の順序となる。しかし、この場合、印刷実行前に収納されている記録用紙を確認する必要がある。確認時に、給紙トレイの優先順序と所望の順番とが異なっていることに気付いた場合、ユーザは、給紙トレイ内の記録用紙を入替える必要がある。こうした作業もユーザにとって煩雑であり作業効率が低下する。特に、情報処理装置から離れた場所に画像処理装置が設置されている場合、情報処理装置のユーザが画像処理装置の設置場所まで出向くのに時間と労力がかかる。
本実施の形態では、給紙トレイ202の部毎の指定に加えて、印刷順序についても指定できるため、印刷原稿の並びが所望の順序となるように印刷できる。すなわち、印刷順序を指定することによって、画像処理装置200では、青色の記録用紙、黄色の記録用紙、及び白色の記録用紙の順に各給紙トレイ202から記録用紙を給紙して印刷が実行される。これにより、青色の印刷原稿30、黄色の印刷原稿32、及び白色の印刷原稿34の順に並んだ3枚綴りの印刷物36が得られる。
[ハードウェア構成]
《情報処理装置100》
図3を参照して、画像処理システム50を構成する情報処理装置100は、制御部110、ハードディスク(HDD)120、光ディスクドライブ130、入力インターフェイス(以下「インターフェイス」を「I/F」と呼ぶ。)140、ディスプレイI/F150、及びネットワークI/F160を含む。
制御部110は、実質的にコンピュータであって、情報処理装置100全体を制御するCPU(Central Processing Unit)112、プログラム等を記憶するためのROM(Read−Only Memory)114、揮発性の記憶装置であるRAM(Random Access Memory)116を含む。CPU112にはバス170が接続されており、このバス170には、ROM114及びRAM116が電気的に接続される。
バス170にはさらに、HDD120、光ディスクドライブ130、入力I/F140、ディスプレイI/F150、及びネットワークI/F160が接続されている。各部間のデータ(制御情報を含む)交換は、バス170を介して行なわれる。
光ディスクドライブ130は、光ディスク132が装着可能であって、光ディスク132に対する情報の書込及び光ディスク132からの情報の読出を行なう。入力I/F140は、マウス142及びキーボード144との間の接続に関するインターフェイスを提供する。ディスプレイI/F150は、ディスプレイ152との間の接続に関するインターフェイスを提供する。ネットワークI/F160は、有線又は無線(本実施の形態においては有線)によりネットワーク60への接続を提供する。
ROM114、RAM116、HDD120、光ディスクドライブ130、入力I/F140、ディスプレイI/F150及びネットワークI/F160は、いずれもCPU112の制御のもとに協調して動作し、情報処理装置100において種々のアプリケーションによる処理を実現する。それらアプリケーションは、例えば、ワードプロセッサ文書作成処理、表計算文書作成処理、又はこれらの作成処理により作成されたプリントデータを画像処理装置200に送信する印刷処理等を実行する。
HDD120は、画像処理装置200に対し、印刷ジョブを実行させるための上記プリンタドライバを記憶する。情報処理装置100は、このプリンタドライバを実行することによって、ユーザによって指定されたファイルの内容に基づく画像を画像処理装置200に印刷させる動作等を実現できる。プリンタドライバにはカーボンコピー印刷機能が搭載されている。情報処理装置100は、プリンタドライバを実行することによって、画像処理装置200にカーボンコピー印刷を実行させることができる。
カーボンコピー印刷における給紙トレイ202の部毎の指定、及び印刷順序の指定は、プリンタドライバの給紙トレイ指定画面300(図4参照)から行なわれる。図4を参照して、給紙トレイ指定画面300は、給紙トレイ202を指定するための複数のドロップダウンリスト302〜306、「OK」キー310、及び「キャンセル」キー320を含む。表示されるドロップダウンリストの数は、プリンタドライバの他のUI画面(図示せず。)にて設定された、カーボンコピー印刷の印刷部数に応じて決定される。例えば、正本及び副本を合わせた印刷部数として3部設定されている場合、給紙トレイ指定画面300には3つのドロップダウンリスト302〜306が表示される。
各ドロップダウンリスト302〜306は、給紙トレイ202a〜202dのいずれかを各給紙トレイ202a〜202dに付された名称によって選択できる。ドロップダウンリスト302は、1部目の印刷時に使用する記録用紙を収納した給紙トレイ202の指定を受付ける。ドロップダウンリスト304は、2部目の印刷時に使用する記録用紙を収納した給紙トレイ202の指定を受付ける。ドロップダウンリスト306は、3部目の印刷時に使用する記録用紙を収納した給紙トレイ202の指定を受付ける。画像処理装置200での印刷処理は、1部目、2部目、及び3部目の順に実行される。図4では、1部目の印刷時に使用する給紙トレイ202として「トレイ2」が指定されており、2部目の印刷時に使用する給紙トレイ202として「トレイ3」が指定されており、3部目の印刷時に使用する給紙トレイ202として「トレイ1」が指定されている。したがって、画像処理装置200での印刷処理時には「トレイ2」、「トレイ3」及び「トレイ1」の順に各給紙トレイ202から記録用紙が給紙される。このように、給紙トレイ指定画面300では、印刷順に部毎の給紙トレイ202の指定を受付けることによって、給紙トレイ202の部毎の指定と印刷順序の指定とが同時に行なわれる。
情報処理装置100は、画像処理装置200と通信して、当該画像処理装置200に登録されている用紙情報を予め取得する。用紙情報は、各給紙トレイ202に収納されている記録用紙の用紙サイズの情報及び用紙種別の情報を含む。各ドロップダウンリスト302〜306には、指定された給紙トレイ202の名称とともに、当該給紙トレイ202の用紙情報が表示される。指定された当該給紙トレイ202の用紙情報は、取得した情報に基づいて表示される。図4では、1部目の給紙トレイ202に指定されている「トレイ2」にはA4サイズの青色の普通紙が収納されていることが示されており、2部目の給紙トレイ202に指定されている「トレイ3」にはA4サイズの黄色の普通紙が収納されていることが示されており、3部目の給紙トレイ202に指定されている「トレイ1」にはA4サイズの普通紙(通常は白色)が収納されていることが示されている。ユーザは、指定した給紙トレイ202に収納されている記録用紙がどのような記録用紙であるか容易に確認できる。「OK」キー310は、給紙トレイ202の指定を確定(設定)するためのキーであり、「キャンセル」キー320は、給紙トレイ202の指定をキャンセルするためのキーである。「OK」キー310が操作されると、給紙トレイ指定画面300において指定された給紙トレイ202及びその印刷順序(給紙トレイ設定)が指定情報としてHDD120に記憶される。
再び図3を参照して、情報処理装置100に上述したような処理を行なわせるためのコンピュータプログラムは、光ディスクドライブ130に挿入される光ディスク132に記憶され、さらにHDD120に転送される。又は、プログラムはネットワーク60を通じて情報処理装置100に送信されHDD120に記載されてもよい。プログラムは実行の際にRAM116にロードされる。光ディスク132から、又はネットワーク60を介して、直接にRAM116にプログラムをロードしてもよい。
これらのプログラムは、情報処理装置100に所定の処理を行なわせる複数の命令を含む。この動作を行なわせるのに必要な基本的機能のいくつかは情報処理装置100上で動作するオペレーティングシステム(OS)若しくはサードパーティのプログラム、又は情報処理装置100にインストールされる各種ツールキットのモジュールにより提供される。したがって、このプログラムはこの実施の形態のシステムを実現するのに必要な機能全てを必ずしも含まなくてよい。このプログラムは、命令のうち、所望の結果が得られるように制御されたやり方で適切な機能又は「ツール」を呼出すことにより、上記した情報処理装置100として所定の処理を実行する命令のみを含んでいればよい。情報処理装置100の実体であるコンピュータの一般的動作は周知であるので、ここでは繰返して説明しない。
《画像処理装置200》
図5を参照して、画像処理システム50を構成する画像処理装置200は、制御部210、記憶装置218、操作ユニット220、原稿読取部230、画像処理部240、画像形成部250、給紙部260、及びNIC(Network Interface Card)270を含む。
制御部210は、実質的にコンピュータであって、画像処理装置200全体を制御するCPU212、プログラム等を記憶するためのROM214、揮発性の記憶装置であるRAM216を含む。CPU212には、BUSライン280が接続されており、このBUSライン280には、ROM214、RAM216及び記憶装置218が電気的に接続される。記憶装置218は、通電が遮断された場合にもデータを保持する不揮発性記憶装置であり、例えばハードディスクドライブ(HDD)又はフラッシュメモリ等である。
CPU212は、操作ユニット220等からの指示に応じて各種コンピュータプログラムを実行することによって、画像処理装置200の各部の動作及び情報処理装置100等の外部機器との通信等の所望の処理を実行する。上記の各種コンピュータプログラムは、予めROM214又は記憶装置218に記憶されており、所望の処理の実行時において、当該ROM214又は記憶装置218から読出されてRAM216に転送される。CPU212は、CPU212内の図示しないプログラムカウンタと呼ばれるレジスタに格納された値によって指定される、RAM216内のアドレスからプログラムの命令を読出し、解釈する。CPU212はまた、読出された命令によって指定されるアドレスから演算に必要なデータを読出し、そのデータに対し命令に対応する演算を実行する。実行の結果も、RAM216、記憶装置218及びCPU212内のレジスタ等の、命令によって指定されるアドレスに格納される。
ROM214又は記憶装置218には、画像処理装置200の一般的な動作等を実現するためのコンピュータプログラムとともに、カーボンコピー印刷処理を実現するためのコンピュータプログラムが記憶される。このコンピュータプログラムは、画像処理装置200の製造時にROM214又は記憶装置218に書込まれる。なお、このコンピュータプログラムは、NIC270を介して、外部機器等から提供されてもよい。さらにこのコンピュータプログラムは、そのコンピュータプログラムが記録された、例えばDVD等の記憶媒体によって提供されてもよい。すなわち、例えばコンピュータプログラムの記録媒体としてのDVDが、画像処理装置200内に内蔵されるDVDドライブ(図示せず。)に装着され、そのDVDからコンピュータプログラムが読出されて記憶装置218にインストールされてもよい。記憶装置218は、他に、画像データ等の各種データを記憶する。
BUSライン280には、さらに、操作ユニット220、原稿読取部230、画像処理部240、画像形成部250、給紙部260、及びNIC270が電気的に接続される。
操作ユニット220はユーザによる操作を受付ける。操作ユニット220は、入出力インターフェイス(図示せず。)を介して、CPU212と通信を行なう。この操作ユニット220は、操作パネル222を含む。操作パネル222は、液晶パネル等で構成された表示パネルと、表示パネルの上に配置され、タッチされた位置を検出するタッチパネルとを含む。表示パネルは、画像処理装置200の状態及び各種処理の状態に関する情報等の各種情報をユーザに提供する。この操作パネル222は、ユーザに対して対話的な操作インターフェイス(UI)を提供する。この対話的な操作インターフェイスは、タッチパネルから画像処理装置200全体の動作に対するユーザの指示を受付け、その指示の内容を表示パネルに表示するとともに、その指示に応じた制御信号を制御部210等に対して出力する。
原稿読取部230は、光源を含む原稿走査ユニット、反射ミラー、光学レンズ及びCCD(Charge−Coupled Device)ラインセンサ(以上いずれも図示せず。)を含む。原稿走査ユニットは、原稿載置台(図示せず。)上に載置された原稿の画像表面に対し光源から光を照射することによって反射光像を得る。反射ミラー及び光学レンズは、得られる反射光像をCCDラインセンサ上に結像させる。CCDラインセンサは、結像した反射光像を順次光電変換して画像データとして画像処理部240に対して出力する。すなわち、原稿読取部230は、原稿のコピー時又はスキャン時に、原稿載置台に載置される原稿から画像情報を読取り、読取った画像情報を電気信号に変換して画像データとして画像処理部240に対して出力する。
画像処理部240は、MPU(Micro Processing Unit、図示せず。)を含む。画像処理部240は、原稿読取部230から入力される画像データに対して、例えば、ラスタライズ処理等の所定の画像処理を施して所定の階調の印刷データを作成し、画像形成部250に対して出力する。
画像形成部250は、画像データによって示される画像をカラー又は単色で記録用紙に印刷するものであって、例えば、感光体ドラム、帯電装置、レーザースキャンユニット(LSU)、現像装置、転写装置、クリーニング装置、定着装置、及び除電装置等を備えている。画像形成部250には、例えば、搬送路が設けられており、給紙部260から給紙されてきた記録用紙が搬送路に沿って搬送される。
給紙部260は、上記した複数の給紙トレイ202a〜202dを含む。給紙部260は、給紙トレイ202a〜202dに収納された記録用紙を1枚ずつ引出して記録用紙を画像形成部250の搬送路へと送り出す。画像形成部250の搬送路に沿って記録用紙が搬送されている途中で、記録用紙が感光体ドラムと転写装置との間を通過し、さらに定着装置を通過して、記録用紙に対する印刷が行なわれる。
感光体ドラムは、一方向に回転し、その表面は、クリーニング装置と除電装置によりクリーニングされた後、帯電装置により均一に帯電される。レーザースキャンユニットは、印刷対象の画像データに基づいてレーザー光を変調し、このレーザー光によって感光体ドラムの表面を主走査方向に繰返し走査して、静電潜像を感光体ドラムの表面に形成する。現像装置は、トナーを感光体ドラムの表面に供給して静電潜像を現像し、トナー像を感光体ドラムの表面に形成する。転写装置は、転写装置と感光体ドラムとの間を通過していく記録用紙に感光体ドラムの表面のトナー像を転写する。定着装置は、記録用紙を加熱するための加熱ローラと、記録用紙を加圧するための加圧ローラとを含む。記録用紙が加熱ローラによって加熱され、かつ、加圧ローラによって加圧されることによって、記録用紙上に転写されたトナー像が記録用紙に定着される。定着装置から排出された(印刷された)記録用紙は排紙トレイ204に排出される。
NIC270は、ネットワーク60とのインターフェイスをとる。画像処理装置200は、このNIC270を介して、ネットワーク60上の情報処理装置100等と、所定の通信プロトコルにしたがったデータ通信を行なうことができる。画像処理装置200は、NIC270を介して、PC等から印刷ジョブ等の各種処理の実行を命令する命令信号を受信できる。
[機能的構成]
図6を参照して、情報処理装置100の制御部110は、給紙トレイ指定部110a及びコマンド生成部110bを含む。HDD120は、給紙トレイ設定記憶部122を含む。給紙トレイ指定部110aは、ディスプレイ152に給紙トレイ指定画面300を表示し、給紙トレイ指定画面300に対するユーザの操作入力に応じて、給紙トレイ202及び印刷順序を指定する機能を持つ機能部である。給紙トレイ設定記憶部122は、給紙トレイ指定部110aによって指定された給紙トレイ及び印刷順序の情報(指定情報)を記憶する記憶領域である。図7を参照して、給紙トレイ設定記憶部122は、指定された給紙トレイ及びその印刷順序を含む指定情報330を記憶する。指定情報330に含まれる印刷順序(部)及び給紙トレイ202は互いに対応付けて記憶されている。
再び図6を参照して、コマンド生成部110bは、印刷ジョブの生成時に、給紙トレイ設定記憶部122に記憶されている指定情報(指定された給紙トレイ202及び印刷順序)を読出し、読出した指定情報(給紙トレイ設定)をCARBONCOPYコマンド(以下、単に「コマンド」と呼ぶ場合がある。)に変換する機能を持つ機能部である。すなわち、コマンド生成部110bは、読出した指定情報を含むコマンドを生成する。図7に示す指定情報330が給紙トレイ設定記憶部122に記憶されている場合、コマンド生成部110bは、当該指定情報330を読出して図8に示すコマンド340を生成する。図8を参照して、コマンド340では、「CARBONCOPY=”」とのコマンド文字列に続いて、指定された給紙トレイ202を示す文字(数字)が、指定された印刷順に配列されている。コマンド340の終端には終端文字「”」が付されている。このコマンド340において、「2」は「トレイ2」を示しており、「3」は「トレイ3」を示しており、「1」は「トレイ1」を示している。コマンド340中の「2,3,1」の配列は、左から順に給紙すること、すなわち印刷順序を示している。したがって、このコマンド340は、印刷処理時に、「トレイ2」、「トレイ3」及び「トレイ1」の順に各給紙トレイ202から記録用紙を給紙することを指定する。すなわち、1部目は「トレイ2」、2部目は「トレイ3」、3部目は「トレイ1」から記録用紙を給紙することを指定する。生成されたコマンドは、印刷ジョブとともに画像処理装置200に送信される。
再び図6を参照して、画像処理装置200の制御部210は、コマンド解析部210a及び印刷制御部210bを含む。記憶装置218は、給紙トレイ設定記憶部218aを含む。コマンド解析部210aは、情報処理装置100から送信されるコマンドを解析してコマンドに含まれる指定情報を抽出する機能を持つ機能部である。給紙トレイ設定記憶部218aは、コマンド解析部210aの解析結果(給紙トレイ202の指定及び印刷順序)を記憶する記憶領域である。給紙トレイ設定記憶部218aは、解析結果、すなわち抽出した指定情報を記憶する。指定情報は、図7に示される指定情報330と同様の情報であり、印刷順序(部)と給紙トレイ202とが対応付けられている。給紙トレイ設定記憶部218aには、上記指定情報が設定情報として記憶される。印刷制御部210bは、給紙トレイ設定記憶部218aに記憶されている指定情報(設定情報)に基づいて、1部目から順番に、指定された給紙トレイ202から記録用紙を給紙して印刷を行なうよう、画像形成部250及び給紙部260等の各部を制御する機能を持つ機能部である。
[ソフトウェア構成]
《情報処理装置100》
図9を参照して、画像処理装置200に対してカーボンコピー印刷処理を実行させるために、情報処理装置100で実行されるコンピュータプログラムの制御構造について説明する。このプログラムは、プリントデータ(画像データ)を印刷するためのユーザの操作に応じて開始する。
このプログラムは、ユーザの操作入力に応じて、印刷設定処理を実行するステップS1000と、ステップS1000の後に実行され、画像データを含む印刷ジョブを生成するステップS1010と、ステップS1010の後に実行され、印刷設定時にカーボンコピー印刷の印刷設定が行なわれた場合に当該印刷設定に基づいてコマンドを生成するステップS1020と、ステップS1020の後に実行され、生成されたコマンドを印刷ジョブに付加し、ネットワークI/F160を介して送信するステップS1030とを含む。ステップS1030の処理が終了すると、このプログラムは終了する。
図10は、図9のステップS1000の詳細なフローである。図10を参照して、このルーチンは、印刷設定を行なうためのユーザの操作入力に応じて、印刷設定の処理を実行するステップS1100と、ステップS1100の後に実行され、カーボンコピー印刷を行なう設定にされたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS1110と、ステップS1110において、カーボンコピー印刷を行なう設定にされたと判定された場合に実行され、ディスプレイI/F150を介して、ディスプレイ152に給紙トレイ指定画面300(図4参照)を表示させるステップS1120と、ステップS1120の後に実行され、給紙トレイ指定画面300を介して、給紙トレイ202の指定及び印刷順序の指定を受付けるステップS1130と、ステップS1130の後に実行され、「キャンセル」キー320が操作されたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS1140とを含む。ステップS1140において、「キャンセル」キー320が操作されたと判定された場合は、制御はステップS1100に戻る。
このルーチンはさらに、ステップS1140において、「キャンセル」キー320が操作されていないと判定された場合に実行され、「OK」キー310が操作されたか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れ分岐させるステップS1150と、ステップS1150において、「OK」キー310が操作されたと判定された場合に実行され、指定された給紙トレイ202及び印刷順序の情報を指定情報としてHDD120の給紙トレイ設定記憶部122に格納するステップS1160とを含む。ステップS1150において、「OK」キー310が操作されていないと判定された場合は、制御はステップS1130に戻る。ステップS1160の処理が終了した場合、又は、ステップS1110において、カーボンコピー印刷を行なう設定にされていないと判定された場合は、このルーチンは終了する。
図11は、図9のステップS1020の詳細なフローである。図11を参照して、このルーチンは、カーボンコピー印刷の印刷設定がされているか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS1200と、ステップS1200において、カーボンコピー印刷の印刷設定がされていると判定された場合に実行され、カーボンコピー印刷用のコマンド文字列「CARBONCOPY=“」を生成するステップS1210と、ステップS1210の後に実行され、部数を示す変数iの値を「1」にするステップS1220と、ステップS1220の後に実行され、以下に説明するステップS1240〜ステップS1270を変数iの値が設定部数を超えるまで繰返すステップS1230と、ステップS1230の後に実行され、コマンド文字列に終端文字「”」を追加するステップS1280とを含む。ステップS1200では、「OK」キー310が操作されたか否かに応じて、カーボンコピー印刷の印刷設定がされているか否かが判定される。
ステップS1230で変数iの値が設定部数を超えるまで繰返される処理は、給紙トレイ設定記憶部122からi部目の給紙トレイ設定(給紙トレイ202の指定)を読出すステップS1240と、ステップS1240の後に実行され、読出した給紙トレイ設定をコマンドに変換するステップS1250と、ステップS1250の後に実行され、変換したコマンドをコマンド文字列に追加するステップS1260と、ステップS1260の後に実行され、変数iの値を1だけ増加させるステップS1270とを含む。
ステップS1280の処理が終了した場合、又は、ステップS1200において、カーボンコピー印刷の印刷設定がされていないと判定された場合は、このルーチンは終了する。
《画像処理装置200》
図12を参照して、情報処理装置100からの印刷ジョブに応じて印刷処理を実行するために、画像処理装置200で実行されるコンピュータプログラムの制御構造について説明する。このプログラムは、情報処理装置100から送信される印刷ジョブを受信したことに応じて開始する。
このプログラムは、受信した印刷ジョブにCARBONCOPYコマンドが付加されているか否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS2000と、ステップS2000において、コマンドが付加されていると判定された場合に実行され、付加されているコマンドに応じて、カーボンコピー印刷処理を実行するステップS2010と、ステップS2000において、コマンドが付加されていないと判定された場合に実行され、通常の印刷処理を実行するステップS2020とを含む。ステップS2010の処理又はステップS2020の処理が終了すると、このプログラムは終了する。
図13は、図12のステップS2010の詳細なフローである。図13を参照して、このルーチンは、受信したコマンドにおいて、「CARBONCOPY=“」まで読み飛ばすステップS2100と、ステップS2100の後に実行され、次の文字を読込むステップS2110と、ステップS2110の後に実行され、読込んだ文字から給紙トレイ設定を解析するステップS2120と、ステップS2120の後に実行され、解析によって得られた(抽出した)給紙トレイ設定を記憶装置218(給紙トレイ設定記憶部218a)に記憶するステップS2130と、ステップS2130の後に実行され、その次の文字が終端文字「”」か否かを判定し、判定結果に応じて制御の流れを分岐させるステップS2140とを含む。ステップS2140において、終端文字「”」ではないと判定された場合は、制御はステップS2110に戻る。
このルーチンはさらに、ステップS2140において、その次の文字が終端文字「”」であると判定された場合に実行され、部数を示す変数iの値を「1」にするステップS2150と、ステップS2150の後に実行され、以下に説明するステップS2170〜ステップS2190を変数iの値が設定部数を超えるまで繰返すステップS2160とを含む。
ステップS2160で変数iの値が設定部数を超えるまで繰返される処理は、給紙トレイ設定記憶部218aからi部目の給紙トレイ設定を読出すステップS2170と、ステップS2170の後に実行され、画像形成部250及び給紙部260等の各部を制御することにより、読出した給紙トレイ設定に応じてi部目の印刷処理を実行するステップS2180と、ステップS2180の後に実行され、変数iの値を1だけ増加させるステップS2190とを含む。ステップS2160の処理が終了すると、このルーチンは終了する。
[動作]
本実施の形態に係る画像処理システム50は以下のように動作する。以下の説明では、画像処理システム50の動作の内、本発明に関連する部分のみを説明する。他の動作は従来の画像処理システムの動作と同じである。
情報処理装置100のユーザは、アプリケーションプログラムで作成したデータを画像処理装置200で印刷するために、当該情報処理装置100に対して印刷指示の操作を行なう。ディスプレイ152には、プリンタドライバのUI画面(図示せず。)が表示される。情報処理装置100は、画像処理装置200と通信して当該画像処理装置200に登録されている用紙情報を取得する。ユーザによってUI画面から印刷条件が入力されると、情報処理装置100は、ユーザの操作入力に応じて、印刷設定処理を実行する(図10に示すステップS1100)。UI画面では、通常の印刷設定に加えて、カーボンコピー印刷を行なうか否かの設定、カーボンコピー印刷を行なう場合の印刷部数の設定を行なうことが可能である。ユーザによって、カーボンコピー印刷を行なうよう設定され、印刷部数として例えば3部が設定されたものとする。
情報処理装置100は、カーボンコピー印刷を行なう設定を検出し(ステップS1110においてYES)、ディスプレイ152に給紙トレイ指定画面300(図4参照)を表示する(ステップS1120)。図4を参照して、給紙トレイ指定画面300には、設定された印刷部数に応じた数のドロップダウンリスト302〜306が表示される。ユーザは、各ドロップダウンリスト302〜306を操作することによって、給紙トレイ202の部毎の指定、及びその印刷順序の指定を行なうことができる。各ドロップダウンリスト302〜306では、それぞれ、給紙トレイ202a〜202dのいずれかをその名称によって選択できる。ここでは、1部目の給紙トレイ設定として「トレイ2」が指定され、2部目の給紙トレイ設定として「トレイ3」が指定され、3部目の給紙トレイ設定として「トレイ1」が指定されるものとする。給紙トレイ202の名称の隣には、当該給紙トレイ202に収納されている記録用紙の用紙情報が表示される。ユーザによって「OK」キー310が操作されると(ステップS1150においてYES)、情報処理装置100は、指定された給紙トレイ202及び印刷順序の情報を指定情報として給紙トレイ設定記憶部122に格納(記憶)する(ステップS1160)。給紙トレイ設定記憶部122には、図7に示される指定情報330が格納される。
なお、ユーザによって「キャンセル」キー320が操作されると(ステップS1140においてYES)、情報処理装置100は、給紙トレイ指定画面300を介した給紙トレイ202の指定をキャンセルする。
情報処理装置100は、印刷設定に応じて印刷ジョブを生成する(図9に示すステップS1010)。印刷ジョブの生成時には、カーボンコピー印刷を行なう設定がされているか否かが判定される。設定されている場合(図11に示すステップS1200においてYES)、情報処理装置100は、給紙トレイ設定記憶部122に格納されている指定情報に基づいてCARBONCOPYコマンドを生成する。具体的には、情報処理装置100は、コマンド文字列「CARBONCOPY=“」を生成し(ステップS1210)、変数iを初期化する(ステップS1220)。情報処理装置100は、給紙トレイ設定記憶部122から1部目の給紙トレイ設定を読出し(ステップS1240)、読出した給紙トレイ設定をコマンドに変換する(ステップS1250)。1部目の給紙トレイ設定は「トレイ2」であるため、読出した給紙トレイ設定は文字「2」に変換される。情報処理装置100は、変換したコマンド(「2」)をコマンド文字列に追加する。コマンド文字列は、「CARBONCOPY=“2」となる。変数iの値が1だけ増加されて、変数iの値が2になる(ステップS1270)。
情報処理装置100は、給紙トレイ設定記憶部122から2部目の給紙トレイ設定を読出し(ステップS1240)、読出した給紙トレイ設定をコマンドに変換する(ステップS1250)。2部目の給紙トレイ設定は「トレイ3」であるため、読出した給紙トレイ設定は文字「3」に変換される。情報処理装置100は、変換したコマンド(「3」)をコマンド文字列に追加する。コマンド文字列は、「CARBONCOPY=“2,3」となる。変数iの値が1だけ増加されて、変数iの値が3になる(ステップS1270)。
情報処理装置100はさらに、給紙トレイ設定記憶部122から3部目の給紙トレイ設定を読出し(ステップS1240)、読出した給紙トレイ設定をコマンドに変換する(ステップS1250)。3部目の給紙トレイ設定は「トレイ1」であるため、読出した給紙トレイ設定は文字「1」に変換される。情報処理装置100は、変換したコマンド(「1」)をコマンド文字列に追加する。コマンド文字列は、「CARBONCOPY=“2,3,1」となる。変数iの値が1だけ増加されて、変数iの値が4になる(ステップS1270)。
変数iの値(4)が設定部数(3部)を超えるため、ループを抜けて(ステップS1230の処理が終了して)、コマンド文字列に終端文字「”」が追加される(ステップS1280)。コマンド文字列は「CARBONCOPY=“2,3,1”」(図8参照)となる。
このように生成されたコマンドは印刷ジョブに付加される。情報処理装置100は、コマンドが付加された印刷ジョブを、ネットワークI/F160及びネットワーク60を介して、画像処理装置200に送信する(図9に示すステップS1030)。
画像処理装置200は、情報処理装置100から送信された印刷ジョブを受信すると、受信した印刷ジョブにCARBONCOPYコマンドが含まれるか否かを判定する。CARBONCOPYコマンドが含まれる場合(図12に示すステップS2000においてYES)、画像処理装置200は、受信した印刷ジョブ及びCARBONCOPYコマンドに基づいて、カーボンコピー印刷を実行する(ステップS2010)。
カーボンコピー印刷処理では、画像処理装置200は、コマンド中の「CARBONCOPY=“」を読み飛ばし(図13に示すステップS2100)、読み飛ばした次の文字を読込む(ステップS2110)。受信したコマンドが「CARBONCOPY=“2,3,1”」である場合、画像処理装置200は文字「2」を読込む。画像処理装置200は、読込んだ文字から給紙トレイ設定を解析し(ステップS2120)、その解析結果を給紙トレイ設定記憶部218aに格納(記憶)する。読込んだ文字が「2」の場合は、文字「2」から「トレイ2」が解析される。そして、1部目の印刷時の給紙トレイ設定として「トレイ2」が給紙トレイ設定記憶部218aに格納される。画像処理装置200は、その次の文字が終端文字であるか否かを判定し、終端文字と判定されるまで上記の解析処理を繰返す。
具体的には、文字「2」の次の文字は「3」であるため、画像処理装置200は文字「3」を読込む。画像処理装置200は、読込んだ文字「3」から給紙トレイ設定を「トレイ3」と解析し、2部目の印刷時の給紙トレイ設定として「トレイ3」を給紙トレイ設定記憶部218aに格納する。同様に、文字「3」の次の文字は「1」であるため、画像処理装置200は文字「1」を読込む。画像処理装置200は、読込んだ文字「1」から給紙トレイ設定を「トレイ1」と解析し、3部目の印刷時の給紙トレイ設定として「トレイ1」を給紙トレイ設定記憶部218aに格納する。文字「1」の次の文字は終端文字「”」であるため(ステップS2140においてYES)、コマンドの解析処理は終了する。このように、画像処理装置200は、コマンドを解析することによって、当該コマンドから指定情報を抽出して記憶する。給紙トレイ設定記憶部218aには、図7に示される指定情報330と同様の指定情報が設定情報として格納される。
画像処理装置200は、格納された指定情報(設定情報)にしたがって印刷処理を実行する。具体的には、画像処理装置200は、まず変数iを初期化する(ステップS2150)。続いて、画像処理装置200は、給紙トレイ設定記憶部218aから1部目の給紙トレイ設定を読出し(ステップS2170)、読出した給紙トレイ設定に応じて1部目の印刷を行なう(ステップS2180)。1部目の給紙トレイ設定は「トレイ2」であるため、画像処理装置200は、トレイ2内の記録用紙を給紙して1部目の印刷を行なう。1部目の印刷が終了すると、変数iの値が1だけ増加されて、変数iの値が2になる(ステップS2190)。
画像処理装置200は、給紙トレイ設定記憶部218aから2部目の給紙トレイ設定を読出し(ステップS2170)、読出した給紙トレイ設定に応じて2部目の印刷を行なう(ステップS2180)。2部目の給紙トレイ設定は「トレイ3」であるため、画像処理装置200は、トレイ3内の記録用紙を給紙して2部目の印刷を行なう。2部目の印刷が終了すると、変数iの値が1だけ増加されて、変数iの値が3になる(ステップS2190)。
画像処理装置200は、給紙トレイ設定記憶部218aから3部目の給紙トレイ設定を読出し(ステップS2170)、読出した給紙トレイ設定に応じて3部目の印刷を行なう(ステップS2180)。3部目の給紙トレイ設定は「トレイ1」であるため、画像処理装置200は、トレイ1内の記録用紙を給紙して3部目の印刷を行なう。3部目の印刷が終了すると、変数iの値が1だけ増加されて、変数iの値が4になる(ステップS2190)。変数iの値(4)が設定部数(3部)を超えるため、ループを抜けて(ステップS2160の処理が終了して)、印刷処理が終了する。
一方、受信した印刷ジョブにCARBONCOPYコマンドが含まれない場合、画像処理装置200は、受信した印刷ジョブに基づいて、通常の印刷処理を実行する(図12に示すステップS2020)。
[本実施の形態の効果]
以上の説明から明らかなように、本実施の形態に係る画像処理システム50を利用することにより、以下に述べる効果を奏する。
情報処理装置100のユーザは、給紙トレイ指定画面300を操作することによって、印刷に使用する記録用紙が収納された給紙トレイ202の部毎の指定、及び指定された給紙トレイ202の記録用紙を用いた印刷処理の印刷順序の指定を行なうことができる。情報処理装置100は、受付けた指定(指定情報)をコマンドに変換して印刷ジョブとともに画像処理装置200に送信することにより、画像処理装置200に対して、ユーザが指定した給紙トレイ202に収納されている記録用紙に指定した順序で印刷の実行を指示できる。画像処理装置200では、ユーザが所望する順序で印刷が実行されるため、印刷された原稿の並びが所望の順序となる。ユーザは、印刷完了後に印刷された原稿を所望の順番に並べ替える必要がない。さらに、印刷処理の印刷順序をユーザが指定できるため、所望の順序で印刷を実行するために、給紙トレイ202内の記録用紙を優先順位に合わせて入替えるといった作業も不要となる。これにより、ユーザの作業負担が軽減される。その結果、カーボンコピー印刷のように、1回の印刷指示で異なる給紙トレイ202の記録用紙に印刷を行なう場合であっても、印刷作業の効率が低下するのを抑制できる。
(第2の実施の形態)
本実施の形態に係る画像処理システムは、給紙トレイを指定した後に指定の変更が可能な給紙トレイ指定画面が情報処理装置によって表示される点において、第1の実施の形態に係る画像処理システム50とは異なる。その他の点では、各画像処理システムは同一の構成である。
本実施の形態に係る情報処理装置は、図4に示される給紙トレイ指定画面300に代えて、図14に示される給紙トレイ指定画面400をディスプレイ152に表示する。この給紙トレイ指定画面400は、ユーザによる給紙トレイ等の指定を受付けることに加えて、ユーザによる指定の変更操作を受付け可能に構成されている。
図14を参照して、給紙トレイ指定画面400は、印刷処理時に給紙を行なう給紙トレイを選択するためのドロップダウンリスト402、選択された給紙トレイを給紙トレイ設定に追加するための「追加」キー404、給紙トレイ設定(指定された給紙トレイ及びその印刷順序)を表示するための表示領域420、指定された給紙トレイの印刷順序を繰上げる方向に変更するための「印刷順序繰上げ」キー406、指定された給紙トレイの印刷順序を繰下げる方向に変更するための「印刷順序繰下げ」キー408、表示領域420に表示されている給紙トレイ設定を削除するための「削除」キー410、「OK」キー430、及び「キャンセル」キー440を含む。「追加」キー404は、ドロップダウンリスト402から選択された給紙トレイを、部毎に、印刷処理に用いる給紙トレイとして指定するためのキーである。
ユーザによって、ドロップダウンリスト402から「トレイ2」が選択され、「追加」キー404が操作されると、1部目の印刷処理に用いる給紙トレイとして「トレイ2」が指定される。指定された「トレイ2」は1部目の給紙トレイ設定として表示領域420に表示される。続いて、ドロップダウンリスト402から「トレイ3」が選択され、「追加」キー404が操作されると、2部目の印刷処理に用いる給紙トレイとして「トレイ3」が指定される。指定された「トレイ3」は2部目の給紙トレイ設定として表示領域420に表示される。さらに、ドロップダウンリスト402から「トレイ1」が選択され、「追加」キー404が操作されると、3部目の印刷処理に用いる給紙トレイとして「トレイ1」が指定される。指定された「トレイ1」は3部目の給紙トレイ設定として表示領域420に表示される。表示領域420には、給紙トレイ設定がリスト形式で表示される。
表示領域420に表示されている給紙トレイ設定(給紙トレイ)はユーザによる選択が可能である。給紙トレイ設定の1つ又は複数がユーザによって選択され、「印刷順序繰上げ」キー406が操作されると、選択された給紙トレイを用いた印刷処理の印刷順序が繰上げられる。「印刷順序繰下げ」キー408が操作されると、選択された給紙トレイを用いた印刷処理の印刷順序が繰下げられる。このように、「印刷順序繰上げ」キー406又は「印刷順序繰下げ」キー408の操作によって、給紙トレイ設定において、指定された印刷順序が変更される。
表示領域420に表示されている給紙トレイ設定の1つ又は複数がユーザによって選択され、「削除」キー410が操作されると、選択された給紙トレイ設定が削除される。「OK」キー430は、給紙トレイ設定、すなわち、給紙トレイの部毎の指定及びその印刷順序の指定を確定(設定)するためのキーである。「キャンセル」キー440は、給紙トレイ設定をキャンセルするためのキーである。「OK」キー430が操作されると、給紙トレイ指定画面400において指定された給紙トレイ及びその印刷順序(給紙トレイ設定)が指定情報としてHDD120(給紙トレイ設定記憶部122)に記憶される。
なお、本実施の形態に係る給紙トレイ指定画面400では、「追加」キー404及び「削除」キー410によってカーボンコピー印刷時の印刷部数が設定される。そのため、プリンタドライバのUI画面(図示せず。)では、カーボンコピー印刷を行なう場合の印刷部数の設定は行なわれない。
このように、本実施の形態では、給紙トレイ指定画面400において、印刷順序の指定の変更、及び給紙トレイ設定の削除が可能であるため、ユーザは、印刷順序を誤って指定した場合でも最初から指定し直さずに済む。したがって、これによっても、印刷作業の効率が低下するのを抑制できる。
(第3の実施の形態)
本実施の形態に係る画像処理システムは、指定された給紙トレイからの給紙による印刷処理の印刷部数をさらに指定可能な給紙トレイ指定画面が情報処理装置によって表示される点において、第2の実施の形態に係る画像処理システムとは異なる。その他の点では、各画像処理システムは同一の構成である。
本実施の形態に係る情報処理装置は、図14に示される給紙トレイ指定画面400に代えて、図15に示される給紙トレイ指定画面500をディスプレイ152に表示する。この給紙トレイ指定画面500は、ユーザによる給紙トレイ等の指定、及びユーザによる指定の変更操作に加えて、指定された給紙トレイに収納されている記録用紙を用いた印刷処理の印刷部数の指定を受付けることが可能に構成されている。
図15を参照して、給紙トレイ指定画面500は、指定された給紙トレイからの給紙による印刷処理の印刷部数を指定するための部数指定入力欄510をさらに含む。部数指定入力欄510は、「追加」キー404の操作によって、給紙トレイ設定とともに表示領域420に表示される。部数指定入力欄510には、デフォルトの部数として「1」が表示される。この部数は、ユーザの操作入力によって変更可能である。情報処理装置は、給紙トレイ指定画面500を介して、ユーザによって指定された給紙トレイからの給紙による印刷処理の印刷部数の指定を受付ける。
例えば、「トレイ2」からの給紙による印刷を2部行ないたい場合、「トレイ2」が指定されている給紙トレイ設定の部数指定入力欄510に「2」が入力される。部数指定入力欄510に複数部数の値が入力されると、対応する給紙トレイからの給紙による印刷処理を入力された印刷部数分、連続して実行させる指示となる。そのため、図15では、1部目及び2部目の印刷時に使用する給紙トレイとして「トレイ2」を指定されており、3部目の印刷時に使用する給紙トレイとして「トレイ3」が指定されており、4部目の印刷時に使用する給紙トレイとして「トレイ1」が指定されている。「OK」キー430が操作されると、給紙トレイ指定画面500において指定された給紙トレイ及びその印刷順序(給紙トレイ設定)が指定情報としてHDD120(給紙トレイ設定記憶部122)に記憶される。給紙トレイ設定記憶部122には、指定情報として、図16に示される指定情報332が記憶される。
情報処理装置は、印刷ジョブの生成時に給紙トレイ設定記憶部122に記憶されている指定情報を読出して、読出した指定情報からコマンドを生成する。コマンドの生成は、第1の実施の形態と同様に行なわれる。図16に示す指定情報332が給紙トレイ設定記憶部122に記憶されている場合、情報処理装置は、当該指定情報332を読出して図17に示すコマンド342を生成する。
このように、本実施の形態では、給紙トレイ指定画面500において、指定された給紙トレイからの給紙による印刷処理の印刷部数を指定できる。したがって、同じ給紙トレイからの給紙よる印刷処理を複数部数行ないたい場合に、同じ給紙トレイを複数回指定しなくても済む。給紙トレイ等の指定が容易になるため、これによっても、印刷作業の効率が低下するのを抑制できる。
(第4の実施の形態)
本実施の形態に係る画像処理装置は、操作パネル222に給紙トレイ指定画面を表示して、カーボンコピー印刷における給紙トレイ設定を受付ける点において、第1の実施の形態に係る画像処理装置200とは異なる。その他の点では、各画像処理装置は同一の構成である。
図18を参照して、本実施の形態に係る画像処理装置600は、図6に示される制御部210に代えて制御部610を含む。制御部610は、給紙トレイ指定部610a及び印刷制御部610bを含む。給紙トレイ指定部610aは、操作パネル222に図4に示される給紙トレイ指定画面300と同様の給紙トレイ指定画面を表示し、当該給紙トレイ指定画面に対するユーザの操作入力に応じて、給紙トレイ202及び印刷順序を指定する機能を持つ機能部である。印刷制御部610bは、図6に示される印刷制御部210bと同様の機能を持つ機能部である。
画像処理装置600は、給紙トレイ指定画面において指定された給紙トレイ及び印刷順序の情報(指定情報)を設定情報として給紙トレイ設定記憶部218aに格納(記憶)する。画像処理装置600は、例えばコピー印刷の開始指示を受付けると、給紙トレイ設定記憶部218aに記憶されている設定情報に基づいて、1部目から順番に、指定された給紙トレイから記録用紙を給紙してカーボンコピー印刷を実行する。
本実施の形態に係る画像処理装置600は、操作パネル222に表示される給紙トレイ指定画面を介して、給紙トレイ202の部毎の指定及び印刷順序の指定を受付け、受付けた指定に応じてカーボンコピー印刷処理を実行する。これにより、カーボンコピー印刷において、印刷作業の効率が低下するのを抑制できる。すなわち、画像処理装置600は、第1の実施の形態に係る画像処理システム50と同様の効果を奏する。なお、図14に示される給紙トレイ指定画面400と同様の給紙トレイ指定画面、又は図15に示される給紙トレイ指定画面500と同様の給紙トレイ指定画面が操作パネル222に表示されるように画像処理装置600を構成することもできる。
(変形例)
上記実施の形態では、パーソナルコンピュータからなる情報処理装置を含む画像処理システムの例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。情報処理装置はパーソナルコンピュータ以外の端末装置であってもよい。例えば、情報処理装置はタブレット端末等の端末装置であってもよい。さらに、画像処理システムに含まれる画像処理装置は、複合機以外の例えばプリンタ等であってもよい。
上記実施の形態では、情報処理装置と画像処理装置とがネットワークを介して接続されている例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。例えば、情報処理装置と画像処理装置とは、ネットワークを介さずに、USB(Universal Serial Bus)ケーブル又はプリンタケーブル等を介して直接的に接続される構成であってもよい。
上記実施の形態では、給紙トレイの指定時に、指定した給紙トレイ内の用紙情報を給紙トレイ指定画面に表示する例について示したが、本発明はそのような実施の形態には限定されない。指定した給紙トレイ内の用紙情報を給紙トレイ指定画面に表示しない構成であってもよい。
上記実施の形態において、カーボンコピー印刷時に背景色を印刷するように構成されていてもよい。その場合、給紙トレイ指定画面において、指定した給紙トレイ毎に背景色を指定できるように構成されていると好ましい。
上記実施の形態において、カーボンコピー印刷時に副本の一部を他の排紙トレイに排出するようにしてもよい。さらに、副本の一部を印刷せずに、電子データとしてサーバ装置等の外部機器に送信するようにしてもよい。
さらに上記実施の形態において、情報処理装置を、例えば印刷順序に対して正本印刷及び副本印刷を指定可能とし、画像処理装置から取得した用紙情報に基づいて、正本印刷時に給紙を行なうよう指定された給紙トレイ内に予め定められた用紙が収納されているか否かを検出するようにしてもよい。この場合、情報処理装置は、予め定められた用紙とは異なる用紙が指定された給紙トレイ内に収納されていることを検出すると、ユーザに対してそのことを警告するように構成されていると好ましい。第4の実施の形態に示したように、画像処理装置が給紙トレイの指定を受付ける構成の場合、画像処理装置において、上記と同様、ユーザに対して警告をするように構成されていると好ましい。
上記で開示された技術を適宜組合せて得られる実施の形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上記した実施の形態のみに限定されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含む。