以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
[第1の実施形態]
図1は、本実施形態における画像形成システムの構成を示す図である。画像形成装置100、101、102は、ネットワーク120に接続されており、有線媒体や無線媒体のネットワーク120を介してPC110(情報処理装置)や他の外部装置と通信可能である。PC110は、例えば、ネットワーク120を介して印刷ジョブを画像形成装置100、101、102に送信する。画像形成装置100、101、102は、印刷ジョブを受信した場合、受信した印刷ジョブに基づいて印刷処理を実行する。以降、説明上、画像形成装置100を画像形成装置100、101、102の代表例として説明する。
図2(a)は、、画像形成装置100の構成を示す図である。本実施形態の画像形成装置100は、プリンタ機能やスキャナ機能等、複数の機能が統合された複合機(MFP:Multfunctional Peripheral)を想定しているが、例えばスキャナ機能を備えないプリンタであっても良い。
CPU201は、ROM202が記憶している制御プログラムを読み出して、画像形成装置100を統括的に制御するための様々な処理を実行する。CPU201は、バス200によって他のユニットと接続されている。ROM202は、例えば、制御プログラムを記憶する。RAM203は、例えば、CPU201の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。HDD204は、例えば、印刷対象のデータやスキャン画像等の様々なデータを記憶する。
画像形成装置100では、1つのCPU201が後述する各フローチャートに示す各処理を実行するものとするが、他の態様であっても良い。例えば、複数のCPUが協働して、後述するフローチャートに示す各処理を実行するようにしても良い。
プリンタI/F206は、プリンタ207(プリンタエンジン)とバス200とを接続する。プリンタ207は、外部装置から受信した印刷対象の画像データやスキャナ209によって読み取られて生成された画像データ等に基づいて印刷処理を実行する。スキャナI/F208は、スキャナ209(スキャナエンジン)とバス200とを接続する。スキャナ209は、原稿を光学的に読み取って画像データを生成する。スキャナ209によって生成された画像データは、画像形成装置100の機能に応じて、プリンタ207によって印刷されたり、HDD204に記憶されたりする。
操作部I/F210は、操作部211とバス200とを接続する。操作部211は、タッチパネル機能を有する液晶表示部やキーボードを備え、各種ユーザインタフェース画面を表示可能である。操作部211は、ユーザからの画像形成装置100に対する指示や情報を受け付ける。ネットワークI/F212は、ネットワーク120に接続してネットワーク120上の装置との通信を実行する。ネットワークI/F212は、例えば、ネットワーク120上の装置から送信された印刷ジョブや印刷対象の画像データを受信する。プリンタ機能が実行される場合、受信した印刷ジョブや画像データに基づいて、プリンタ207によって印刷処理が実行される。
バス200、CPU201、ROM202、RAM203、HDD204、プリンタI/F206、スキャナI/F208、操作部I/F210、ネットワークI/F212を総称してコントロールユニット220と呼ぶ。
図2(b)は、PC110の構成を示す図である。CPU221は、ROM222が記憶している制御プログラムを読み出して、PC110を統括的に制御するための様々な処理を実行する。CPU221は、バス220によって他のユニットと接続されている。ROM222は、例えば、制御プログラムを記憶する。RAM223は、例えば、CPU221の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。HDD224は、例えば、各種ファイル等のデータを記憶する。
操作部I/F230は、操作部231とバス220とを接続する。操作部231は、ポインティングデバイスやキーボードを備え、ユーザからのPC110に対する指示や情報を受け付ける。表示部I/F233は、表示部234とバス220とを接続する。表示部234は、ディスプレイを備え、ユーザに対してPC110の情報や各種インタフェース画面等を表示する。
ネットワークI/F232は、ネットワーク120に接続して、ネットワーク120上の装置との通信を実行する。ネットワークI/F232は、例えば、画像形成装置100へ印刷ジョブや印刷対象の画像データを送信する。
図3は、画像形成装置100のコントロールユニット220を制御するためのソフトウェアの構成を示す図である。なお、図3の各ソフトウェアモジュールは、HDD204にファイルとして格納されており、OSやその他のソフトウェアモジュールによりRAM203にロードされ、CPU201によって実行される。
ジョブ受信部301は、ネットワークI/F212を介して転送された印刷ジョブを受信するための処理を実行する。ここで、印刷ジョブを受信する通信プロトコルとは、例えば、LPRやRAWである。ジョブ受信部301が受信する印刷ジョブは、さまざまな形式なものがある。例えば、LIPSやPostScript等のPDL部(Page Discription Language)にジョブ制御コマンド部が付与された形式で受信する場合もある。ジョブ受信部301が受信する印刷ジョブについての詳細は後述する。ジョブ受信部301が受信した印刷ジョブは、一時的にRAM203に格納される。
ジョブ解析部302は、ジョブ受信部301と接続され、受信した印刷ジョブをジョブ格納部303に通知するか、印刷処理部309に通知するかを決定する。この決定は、予めHDD204に設定された設定値と、ジョブ受信部301がRAM203に格納した印刷ジョブのジョブ制御コマンド部に設定されている情報や、転送元の通信パラメータ(例えばIPアドレス)に基づいて行われる。このため、ジョブ解析部302は、印刷ジョブに含まれるジョブ制御コマンド部を解釈可能である。なお、この決定は、ジョブ受信部301が印刷ジョブの全てのデータを受信するまで待つ必要はなく、ジョブ制御コマンド部を受信した時点で行っても良い。ジョブ制御コマンド部については後述する。
ジョブ格納部303は、ジョブ受信部301で受信した印刷ジョブをHDD204に印刷データ305として保存する。また、ジョブ格納部303は、印刷データの情報を、データ解釈部304を用いて解析し、解析された結果が記録された書誌情報306を作成する。書誌情報には、HDD204に保存された印刷データを特定する情報が含まれる。ジョブ格納部303は、書誌情報もHDD204に保存する。なお、書誌情報は、格納済みジョブ制御部307で検索が高速に行えるようなデータ構造でHDD203に保存されるようにしても良い。
データ解釈部304は、印刷データを解釈することで、書誌情報に含める印刷データの少なくとも一部の情報を抽出する。ここで、抽出される情報とは、例えば、印刷ジョブに含まれるジョブ名称、ジョブの所有者情報、ページ数、部数、カラー情報等である。また、データ解釈部304は、印刷データ変更部308で変更可能な印刷設定も抽出する。変更可能な印刷設定とは、例えば、印刷範囲設定、カラー設定、両面プリント設定である。データ解釈部304は、ジョブ制御コマンド部だけではなく、PDLデータ部を解釈して書誌情報に含める印刷データの少なくとも一部の情報を抽出するようにしても良い。PDLデータ部については後述する。
格納済みジョブ制御部307は、操作部I/F210からの入力に基づき、HDD204に保存されている複数の書誌情報の情報を含むユーザインタフェース画面を、操作部I/F210に接続された操作部211に表示する。また、格納済みジョブ制御部307は、ユーザインタフェース画面を表示する前に利用者がログインするためのユーザインタフェース画面(例えばユーザIDとパスワードを含むログイン画面等)を表示するようにしても良い。あるいは、RFID等を利用したカード認証により利用者を特定するようにしても良い。利用者情報が特定できる場合、格納済みジョブ制御部307は、特定された利用者情報に基づき、HDD204に保存されている複数の書誌情報の中から対応する書誌情報を選択してユーザインタフェース画面に表示する。
格納済みジョブ制御部307が表示するユーザインタフェース画面では、例えば、少なくとも一つの書誌情報を選択し、その書誌情報に対応する印刷データの印刷開始等の指示を受け付ける。また、格納済みジョブ制御部307は、印刷データを印刷処理部309に送信する。また、格納済みジョブ制御部307は、印刷処理部309に印刷データを送信する前に、印刷データ変更部308にて印刷データを変更してから送信するようにしても良い。更に、格納済みジョブ制御部307は、印刷データ変更部308で変更された情報に基づき、対応する書誌情報の更新を行う。また、格納済みジョブ制御部307は、印刷データ変更部308で変更された印刷データをHDD203に上書きできる。
印刷データ変更部308は、受信した印刷データと印刷設定情報に基づき、印刷データの変更処理を行う。変更された印刷データは、一時的にRAM203もしくはHDD204に格納される。印刷処理部309は、ジョブ解析部302もしくは格納済みジョブ制御部307から通知された印刷データのラスタライズ処理を行い、生成されたビットマップデータをプリンタI/F206を介してプリンタ207に送信することで印刷処理を行う。
図4は、画像形成システムの全体的な印刷ジョブ処理シーケンスを説明するための図である。まず、PC110は、ユーザからの指示を受け付け(S410)、印刷ジョブの生成を行う(S411)。その後、PC110は、生成された印刷ジョブを画像形成装置100に入稿する(S412)。印刷ジョブが入稿されると、画像形成装置100は、印刷ジョブに対応する書誌情報を生成することで、受信した印刷ジョブを後で印刷できるように登録する(S413)。その後、受信した印刷ジョブを画像形成装置100が備える記憶装置に保存する(S414)。
本実施形態では、画像形成装置100において、画像形成装置100が受信した印刷ジョブをそのまま印刷する留め置きOFFと、一旦留め置いてユーザの指示で印刷を開始する留め置きONとが設定可能である。留め置きONに設定されている場合、ユーザは、ユーザインタフェース画面上で、留め置かれたジョブ名称や印刷設定、プレビューでの画像の確認を行うことができる。また、印刷設定の変更も可能であり、例えば、テンキー入力で部数の変更も可能である。
続いて、ユーザからの操作開始指示を受け付けた画像形成装置100(S415)は、ユーザがログインするためのログイン画面を操作部211のディスプレイに表示する(S416)。続いてユーザのログイン情報入力を受け付けると(S417)、画像形成装置100は、ログイン処理を行う(S418)。更に、画像形成装置100は、S413で登録した印刷ジョブのリストをユーザインタフェース画面に表示する(S419)。
続いて、ユーザから印刷ジョブの選択を受け付けると(S420)、画像形成装置100は、選択された印刷ジョブを選択状態にしてユーザインタフェース画面を再表示する(S421)。続いて、ユーザから部数変更指示を受け付けると(S422)、画像形成装置100は、受け付けた部数変更設定を仮部数として記憶する(S423)。
続いて、選択された印刷ジョブの印刷指示を受け付けると(S424)、画像形成装置100は、選択された印刷ジョブに対する部数変更を検知し(S425)、設定画面を画像形成装置100のディスプレイに表示する(S426)。ユーザが設定画面上で設定を行うと(S427)、画像形成装置100は、S423で変更された印刷設定に基づき印刷処理を行う(S428)。その後、画像形成装置100は、S428で印刷した時の印刷設定情報を履歴情報として記憶する(S429)。ここで、新たな履歴情報の記憶でない場合には、従前に記憶された履歴情報の更新となる。なお、図4では、印刷ジョブとして説明したが、本実施形態において、印刷ジョブにはカーボンコピージョブも含まれる。
図5は、PC100のプリンタドライバでカーボンコピージョブを生成する方法の例について説明する。図5(a)は、PC110にインストールされたプリンタドライバのユーザインタフェース画面(UI画面)である。カーボンコピーの設定ボタン501が押下されると、図5(b)の画面が開く。
図5(b)は、カーボンコピージョブの詳細設定画面で、表示領域302には、原本が出力されるトレイが表示される。カーボンコピーの出力トレイの指定は、表示領域303で行われ、原本が出力されるトレイを除いた画像形成装置100に装着された給紙トレイが選択肢として表示される。ここで、ユーザが例えばトレイ2とトレイ3のチェックボックスにチェックを入れてOKを押下すると、1部目の原本はトレイ1、2部目のカーボンコピーはトレイ2、3部目のカーボンコピーはトレイ3に格納されている用紙で印刷が行われる。
図5(c)は、PC110から画像形成装置100に送信される印刷ジョブに含まれるカーボンコピーに関するジョブ制御情報の一例を示す図である。図5(c)は、図5(b)について説明した設定内容に対応している。図5(c)に示すように、ジョブ制御情報には、原本とカーボンコピーを含めた部数、この場合は、3部が指定されている。また、ジョブ制御情報は、部毎給紙段情報として、指定されたトレイ数(給紙段数)のカウント値を含んでいる。ここでは、指定された給紙段数は3であるので、3が指定されている。また、部毎給紙段情報として、部毎にそれぞれ指定された給紙段の情報が指定されている。ここでは、原本はトレイ1であるので、1部目にトレイ1が指定されている。また、カーボンコピーはトレイ2とトレイ3であるので、2部目にトレイ2、3部目にトレイ3が指定されている。
図6は、カーボンコピージョブをPC110で生成する処理を示すフローチャートである。図6の処理は、例えば、図2(b)のROM222に記憶されたプログラムがRAM223にロードされ、CPU221が実行することで実現される。
S601において、CPU221は、印刷画面の表示がされたか否かを判定する。印刷画面の表示がされていないと判定された場合、図6の処理を終了する。印刷画面の表示がされていると判定された場合、S602において、CPU221は、印刷画面上でプリンタのプロパティが押下されたか否かを判定する。プリンタのプロパティが押下されていないと判定された場合、S608に進む。プリンタのプロパティが押下されたと判定された場合、S604において、CPU221は、カーボンコピーの設定ボタン501が押下されたか否かを判定する。
カーボンコピーの設定ボタン501が押下されていないと判定された場合、S608に進む。カーボンコピーの設定ボタン501が押下されたと判定された場合、S604において、CPU221は、図5(b)のカーボンコピー設定画面を表示し、S605において、カーボンコピー設定を受け付ける。
S606において、CPU221は、カーボンコピー設定画面上のOKボタンが押下されたか否かを判定する。OKボタンが押下されていないと判定された場合、S603からの処理を繰り返す。OKボタンが押下されたと判定された場合、S607において、CPU221は、カーボンコピー設定を印刷ジョブに反映させる。S608において、CPU221は、印刷画面上の印刷ボタンが押下されたか否かを判定する。印刷ボタンが押下されていないと判定された場合、S602からの処理を繰り返す。印刷ボタンが押下されたと判定された場合、図6の処理を終了する。
図7は、画像形成装置100のジョブ受信部301が受信する印刷ジョブ(あるいはHDD204で保存される印刷データ)の模式図である。印刷ジョブ700は、ジョブ制御コマンド部710とPDL部720とを含んで構成される。ジョブ制御コマンド部710には、印刷ジョブの全体に関わる属性や印刷設定が記述されている。例えば、印刷ジョブのジョブ名称、ジョブの所有者、PDL部720のフォーマット情報が記載されている。また、ジョブ制御コマンド部710には、印刷ジョブの印刷設定が記述されている。印刷ジョブの印刷設定とは、例えば、部数、両面設定である。PDL部720には、例えば、利用するフォント等を設定する描画パラメータの設定コマンド、描画コマンド、改ページコマンド等が記述されている。データ解釈部304は、PDL部720の改ページのコマンド数を数えることにより、印刷データに含まれるページ数を計上する。また、印刷データ変更部308は、変更指示された内容に基づき、ジョブ制御コマンド部710もしくはPDL部720の変更を行う。
図8は、HDD204に書誌情報を格納する際のデータ構造とXML形式の書誌情報の一例を示す図である。本実施形態において、書誌情報は、ユーザ名をルート、書誌情報をリーフとした木構造としてHDD204に保存される。ここで、ユーザ名とは、ジョブ制御コマンド部710に記述されたジョブの所有者情報そのもの、あるいはその一部、あるいは予め所有者情報毎に一意に割り当てられた文字列である。ジョブ格納部303は、データ解釈部304で抽出した所有者情報に基づきユーザ名を決定し、適切なノードに書誌情報を保存する。
書誌情報820は、XML形式の書誌情報の一例である。記述821は、データ解釈部304で抽出した印刷データ情報の一部である。記述821には、印刷データ変更部308で変更可能な印刷設定内容が含まれている。記述822は、書誌情報820が示す印刷データのステータスが含まれる。印刷データのステータスとは、例えば、印刷が実行されたか、若しくは、未印刷であるかといった情報である。記述823は、対応する印刷データが前回印刷された時に設定された印刷設定のうち、印刷データ変更部308で変更可能な印刷設定を抽出した印刷設定履歴情報である。印刷設定履歴情報は、書誌情報820に対応する印刷データを再印刷する際の印刷設定の初期設定値となる。なお、ジョブ受信部301が受信した印刷ジョブに書誌情報の記述821に記述すべき情報が記載されていない場合もある。この場合、ジョブ解析部302が書誌情報820の記述821に必要な情報を決定する。
図9は、カーボンコピージョブが画像形成装置100に留め置かれた場合、画像形成装置100の操作部211に表示されるユーザインタフェース画面の一例を示す図である。画像形成装置100では、画像形成装置100が受信した印刷ジョブをそのまま印刷する留め置きOFFと、一旦留め置いてユーザの指示で印刷を開始する留め置きONとが設定可能である。留め置きONに設定されている場合、ユーザは、図9の画面上で、留め置かれたジョブ名称や印刷設定、プレビューでの画像の確認を行うことができる。また、印刷設定の変更も可能であり、テキストボックス910上でテンキー入力により部数の変更を受け付けることが可能である。
図9(a)は、格納済みジョブ制御部307が後述する図10のS1003で生成するユーザインタフェース画面の一例を示す図である。画面900のボタン901とボタン902は、表示している印刷データを選択するためのボタンである。ボタン901は、未印刷の印刷データの一覧を表示するためのボタンであり、ボタン902は、印刷済みの印刷データの一覧を表示するためのボタンである。ボタン903は、画面900を更新するためのボタンである。表示領域904と905は、印刷データの一覧を表しており、対応する書誌情報に記述されている印刷データのジョブ名称と印刷データの一部の情報を表示する領域と、印刷データを選択するためのチェックボックス906、907を含む。ここで、表示領域904に表示されている印刷データは、カーボンコピー設定された印刷ジョブである。また、表示領域905に表示されている印刷データは、カーボンコピー設定されていない印刷ジョブである。
表示領域908は、印刷データの総数と選択している印刷データの数を表示する。ボタン909は、一覧に表示されている印刷データを全て選択状態にするためのボタンである。テキストボックス910は、選択状態の印刷データの出力部数を入力するためのテキストボックスである。ボタン911は、選択状態の印刷データの印刷設定を確認・変更するためのボタンである。ボタン912は、選択状態の印刷データのプレビュー表示を行うためのボタンである。ボタン913は、選択状態の印刷データを削除するためのボタンである。ボタン914は、選択状態の印刷データを印刷するためのボタンである。
テキストボックス910は、一つの印刷データが選択されているときのみ表示するように格納済みジョブ制御部307により制御される。テキストボックス910には、選択された印刷データに設定されている部数が初期値として格納済みジョブ制御部307により設定される。図9に示すように、本実施形態では、カーボンコピーが設定された印刷ジョブと、カーボンコピーが設定されていない印刷ジョブとを同様に一覧表示することができる。
次に、図9のユーザインタフェース画面の表示制御の処理について説明する。図10は、図9のユーザインタフェース画面の表示制御の処理を示すフローチャートである。図10の処理は、例えば、CPU201がROM202に記憶されたプログラムをRAM203に読み出して実行することにより実現されるが、以下、プログラム上での格納済みジョブ制御部307が各処理を実行するものとして説明する。
格納済みジョブ制御部307は、操作部I/F210を介して利用者情報を受信し、利用者を特定する(S1001)。例えば、格納済みジョブ制御部307は、ユーザ名やパスワードを入力させるユーザインタフェース画面を操作部I/F210に接続された不図示のLCDに表示させ、利用者により該ユーザインタフェース画面に入力された情報を読み取る。続いて、格納済みジョブ制御部307は、生成するユーザインタフェース画面での表示対象となる印刷データの種類の設定を行う(S1002)。本実施形態では、格納済みジョブ制御部307は、ユーザインタフェース画面に表示する印刷データを、未印刷の印刷データのみにするか、印刷済みの印刷データのみにするかを切り替えることができる。本実施形態では、未印刷の印刷データのみを最初に表示するようにする。なお、格納済みジョブ制御部307は、HDD204に保存されている書誌情報のうち、S1001で特定した利用者の情報から上述のユーザ名を決定し、該ユーザ名に対応するプリントジョブノードに対応する書誌情報を抽出する。その後、該書誌情報に記述されている内容から印刷済みであるか否かを判定し、条件に合致する書誌情報のジョブ名称を書誌情報から抽出して表示する。その後、抽出された複数のジョブ名称を含むユーザインタフェース画面を生成して表示する(S1003)。
続いて、格納済みジョブ制御部307は、ユーザインタフェース画面上での入力を受け付けるまで待機する(S1004)。ユーザインタフェース画面上での入力が、表示している印刷データの種類を変更する入力である場合(S1005でYes)、格納済みジョブ制御部307は、表示する印刷データの種類を切り替えてから、ユーザインタフェース画面を更新する(S1006)。
ユーザインタフェース画面上での入力が、表示している印刷データを選択する入力である場合(S1007でYes)、格納済みジョブ制御部307は、該選択された印刷データを未選択の状態から選択された状態に変更、あるいは選択された状態から未選択の状態に変更する(S1008)。その後、格納済みジョブ制御部307は、ユーザインタフェース画面を更新する。この印刷データの選択状態は、格納済みジョブ制御部307が表示するユーザインタフェース画面が終了するまで、RAM204に保持される。
ユーザインタフェース画面上での入力が、選択状態の印刷データの印刷部数を変更するための入力である場合(S1009でYes)については図11(a)において後述する。ユーザインタフェース画面上での入力が、選択状態の印刷データを印刷するための入力である場合(S1010でYes)については図11(b)において後述する。ユーザインタフェース画面上での入力が、選択状態の印刷データの印刷設定を確認・変更するための入力である場合(S1011でYes)については図12において後述する。
ユーザインタフェース画面上での入力が、選択状態の印刷データを削除するための入力である場合(S1012でYes)、格納済みジョブ制御部307は、選択されている印刷データとそれに対応する書誌情報をHDD204から削除する(S1013)。
ユーザインタフェース画面上での入力が、現在表示しているユーザインタフェース画面の表示を終了させるための入力である場合(S1014でYes)、格納済みジョブ制御部307は、表示しているユーザインタフェース画面を閉じて図10の処理を終了する(S1015)。S1014で、現在表示しているユーザインタフェース画面の表示を終了させるための入力でない場合、S1004からの処理を繰り返す。
次に、格納済みジョブ制御部307が選択状態の印刷データの印刷部数を変更するための入力を受信した時の処理について、図11(a)を参照しながら説明する。
格納済みジョブ制御部307が、図9(a)のテキストボックス910に数値が入力されたことを検知すると、格納済みジョブ制御部307は、部数の入力が完了するまで部数の入力を受け付ける(S1101)。部数は数値であり、一桁ずつ入力を受け付けるためである。部数の入力の完了は、例えばテキストボックス910から入力フォーカスがなくなるまでとしても良い。あるいは他の種別の入力を検知するまでとしても良い。部数の入力の完了を検知すると、格納済みジョブ制御部307は、テキストボックス910に入力された数値を仮部数としてRAM203に格納する(S1102)。仮部数は、印刷を開始するためのボタン914の押下を検知した時に、格納済みジョブ制御部307によって参照されるパラメータである。S1102の処理の後、S1006へ進む。
次に、格納済みジョブ制御部307が選択状態の印刷データを印刷するための入力を受信したときの処理について、図11(b)を参照しながら説明する。
格納済みジョブ制御部307は、図10のフローチャートで選択状態にある印刷データが複数ある場合、一つの印刷データを選択する(S1111)。例えば、印刷データが選択された順番をRAM203に格納し、より早く選択された印刷データを優先的に選択する。続いて、格納済みジョブ制御部307は、S1111で選択された印刷データが印刷済みの印刷データであるか(即ち、再印刷)、未印刷の印刷データであるのかを書誌情報に基づき判定する(S1112)。再印刷である場合、格納済みジョブ制御部307は、HDD204から読み取った書誌情報の印刷設定履歴情報(図8の記述823)から部数の設定値を取得する(S1113)。一方、未印刷の印刷データである場合には、格納済みジョブ制御部307は、書誌情報の印刷データ情報(図8の記述821)から部数の設定値を取得する(S1114)。
S1113若しくはS1114の後、格納済みジョブ制御部307は、RAM203に格納されている仮部数と、S1113若しくはS1114で取得した部数との比較を行う(S1115)。ここで、もし、仮部数が設定されていて、S1113若しくはS1114で取得した部数の値と異なる場合は、図13で後述するカーボンコピー設定を行う。その後、設定されたカーボンコピー設定と印刷データを、印刷データ変更部308に送信して印刷データの変更を行う。ここで、印刷済みの印刷データが対象である場合には、書誌情報の印刷設定履歴情報(図8の記述823)に設定された印刷設定も印刷データ変更部308に送信する。
格納済みジョブ制御部307は、上記のように変更した印刷データを印刷処理部309に送信する(S1116)。なお、カーボンコピー設定も行われず、印刷済みの印刷データが対象でもない場合には、印刷データの変更は行わずに書誌情報に対応する印刷データをHDD204から読み取り、印刷処理部309に送信する。続いて、格納済みジョブ制御部307は、印刷した印刷データに対応する書誌情報の印刷設定履歴情報(図8の記述823)と印刷データのステータス(図8の記述822)を更新する(S1117)。
上述の処理を、選択された印刷データ分繰り返す(S1118)。全ての印刷データの処理が完了すると、格納済みジョブ制御部307は、ユーザインタフェースに表示する印刷データの種類を印刷済みの印刷データにするように設定を切り替える(S1119)。S1119の後、S1006へ進む。
次に、格納済みジョブ制御部307が選択状態の印刷データの印刷設定を確認・変更するための入力を受信したときの処理について、図12を参照しながら説明する。なお、印刷データ変更部308は、一度に一つの印刷データの変更処理のみ行える。このため、格納済みジョブ制御部307は、複数の印刷データが選択されている場合には、印刷設定を変更するための入力を受け付けないようにユーザインタフェースを制御するようにしても良い。
格納済みジョブ制御部307は、指定された印刷データに対応する書誌情報から該印刷データが印刷済みの印刷データであるのか(即ち、再印刷)、若しくは、未印刷の印刷データであるのかを判定する(S1201)。再印刷の場合、格納済みジョブ制御部307は、書誌情報の印刷設定履歴情報(図8の記述823)から印刷設定情報をRAM203に格納する(S1202)。一方、未印刷の印刷データである場合、格納済みジョブ制御部307は、書誌情報の印刷データ情報(図8の記述821)から印刷設定情報をRAM203に読み込む(S1203)。続いて、格納済みジョブ制御部307は、RAM203に読み込んだ印刷設定情報に基づき、印刷設定の変更を受け付けるユーザインタフェース画面である印刷設定画面を生成して表示する(S1204)。続いて、格納済みジョブ制御部307は、印刷設定画面上での入力を受け付けるまで待機する(S1205)。
印刷設定画面上での入力が、選択中の印刷データの印刷設定を変更するための入力である場合(S1206でYes)、格納済みジョブ制御部307は、それぞれの印刷設定を変更するための画面を表示して入力を受け付ける。その後、格納済みジョブ制御部307は、受け付けた値に基づいてRAM203に格納されている印刷設定情報を変更する(S1207)。その後、S1205からの処理を繰り返す。
印刷設定画面上での入力が、選択中の印刷データを印刷するための入力である場合(S1208でYes)、格納済みジョブ制御部307は、印刷設定された部数と、カーボンコピー設定の部数とが異なるか否かを判定する(S1209)。異なる場合、格納済みジョブ制御部307は、図13で後述するカーボンコピー設定を行う。そして、格納済みジョブ制御部307は、設定されたカーボンコピー設定を印刷設定情報に上書きする(S1211)。その後、格納済みジョブ制御部307は、印刷データ変更部308に、選択中の印刷データと上記の印刷設定情報を印刷データ変更部308に送信して印刷データの変更を行う。その後、変更された印刷データを印刷処理部309に送信する(S1210)。S1209で、印刷設定された部数とカーボンコピー設定の部数とが同じである、若しくは、カーボンコピージョブでない場合、S1210に進む。
続いて、格納済みジョブ制御部307は、上記の印刷設定情報に基づき、対応する書誌情報の印刷設定履歴情報(図8の記述823)を更新する。更に、格納済みジョブ制御部307は、印刷データのステータス(図8の記述822)を更新する(S1212)。その後、格納済みジョブ制御部307は、ユーザインタフェース画面に表示する印刷データの種類を印刷済みの印刷データにするように設定を切り替える(S1213)。
印刷設定画面上での入力が、選択中の印刷データを印刷するための入力でなく、印刷設定画面上での入力が印刷設定画面を閉じるための入力である場合(S1214)、もしくは印刷処理の一連の処理を実行した場合、格納済みジョブ制御部307は、印刷設定画面を閉じる(S1215)。S1215の後、S1006へ進む。
次に、格納済みジョブ制御部307がカーボンコピー設定を行う処理について、図13を参照しながら説明する。
格納済みジョブ制御部307は、カーボンコピー設定を行う必要があることを表すメッセージを含む画面を生成して表示する(S1301)。続いて、格納済みジョブ制御部307は、カーボンコピー設定を行うためのユーザインタフェース画面を生成して表示する(S1302)。ここで、カーボンコピー設定を行うためのユーザインタフェース画面は、選択されている印刷ジョブの印刷設定と、別途ユーザにより設定された部数に基づいて生成される。このユーザインタフェース画面は、設定されている部毎に設定されている給紙段を表示する。また、給紙段が設定されていない部に対しては、給紙段が未設定であることを表示する。このユーザインタフェース画面では、部毎に給紙段を設定することができ、また、部数を変更することができる。続いて、格納済みジョブ制御部307は、ユーザインタフェース画面上での入力を受け付けるまで待機する(S1303)。
ユーザインタフェース画面上での入力が、特定の部に対する給紙段の設定を変更する入力である場合(S1304でYes)、格納済みジョブ制御部307は、給紙段を選択する画面を表示し、対応する部に対する給紙段の設定を受け付ける(S1305)。その後、S1303からの処理を繰り返す。
ユーザインタフェース画面上での入力が部数を変更する入力である場合(S1306でYes)、格納済みジョブ制御部307は、入力に応じて部数を変更する(S1307)。その後、S1303からの処理を繰り返す。
ユーザインタフェース画面上での入力が、カーボンコピー設定を完了するための入力である場合(S1308でYes)、格納済みジョブ制御部307は、全ての部に対して給紙段の設定が行われているか否かを判定する(S1309)。全ての部に対して給紙段の設定が行われていない場合、格納済みジョブ制御部307は、S1301からの処理を繰り返す。全ての部に対して給紙段の設定が行われていると判定された場合、図13の処理を終了する。
図14は、格納済みジョブ制御部307が生成するカーボンコピー設定に関する画面の一例を示す図である。図14(a)は、図13のS1301で表示されるメッセージの一例を示す図である。図14(a)に示すように、図11のS1115で仮部数と印刷データの部数とが異なる場合や、図12のS1209で印刷設定の部数とカーボンコピー設定の部数とが異なる場合には、「カーボンコピー設定に不備があります。全ての部に給紙段を設定して下さい。」のメッセージが表示される。
図14(b)は、カーボンコピー設定を行うためのユーザインタフェース画面の一例を示す図であり、図13のS1302で表示される。表示領域1401は、カーボンコピー設定を変更する印刷データの情報が表示される領域である。チェックボックス1402は、カーボンコピー印刷を行うか否かを選択するためのチェックボックスである。リスト1403は、部毎に設定されている給紙段を表示するリストである。このリスト1403には、更に給紙段の設定を変更するボタン1404と、削除を行うためのボタン1405が含まれる。スライダーバー1406は、リスト1403が一画面に含まれない場合に表示するリストの位置を調整するためのスライダーバーである。ボタン1407は、部数を追加するためのボタンである。ボタン1408は、カーボンコピー設定を終了するためのボタンである。
ボタン1404の押下を検知すると、格納済みジョブ制御部307は、図14(c)に示す給紙段を選択する画面を表示する。図14(c)の画面には、給紙段の選択を受け付けるボタン1411と、選択した給紙段を視覚的に表示する画像1412と、給紙段の選択を終了するボタン1413が含まれる。例えば、カーボンコピー設定として2部が設定された印刷データに対し、図10のS1009で部数を3部に変更して印刷を実行した場合を考える。この場合、リスト1403には予め設定されていた2部分のカーボンコピー設定に加え、給紙段が未設定状態である1部分のカーボンコピー設定のリストが表示される。その結果、ユーザは、未設定状態の給紙段の設定を図14(c)の画面により行うことができる。
図15は、格納済みジョブ制御部307が生成する印刷設定の変更を受け付けるユーザインタフェース画面の一例を示す図である。図15の画面は、図9のボタン911が押下されると表示される。表示領域1501は、印刷データの情報のうち、変更されない設定設定情報を表示するための領域である。表示領域1502は、印刷設定の部数を表示する領域である。ボタン1503と1504は、印刷設定の部数を変更するためのボタンである。ボタン1503を押下すると部数が1ずつ減り、ボタン1504を押下すると部数が1ずつ増える。表示領域1505は、現在設定されている印刷設定情報を表示するための領域である。ボタン1506は、カーボンコピー設定を変更するためのボタンである。ボタン1507は、印刷設定情報のカラー設定を変更するためのボタンである。ボタン1508は、印刷設定情報の両面印刷設定を変更するためのボタンである。ボタン1509は、印刷設定画面を閉じるためのボタンである。ボタン1510は、選択中の印刷データを印刷するためのボタンである。
ボタン1506が押下されると、格納済みジョブ制御部307は、図14(b)のカーボンコピー設定画面を表示し、カーボンコピーの設定を受付可能となる。一方、ボタン1503と1504によって部数の変更を受け付けることもできる。この場合、格納済みジョブ制御部307は、ボタン1510の押下を検知したときに、カーボンコピーの設定と部数の設定とに不整合があるか否かを確認し、不整合がある場合には、図14(a)の画面を表示し、図14(b)の画面においてカーボンコピーの設定を行う。
以上のように、本実施形態によれば、カーボンコピー印刷を行う設定の印刷ジョブに対して、カーボンコピー印刷を行わない印刷ジョブと同様に、部数の変更が可能となる。つまり、ユーザは、カーボンコピー設定された印刷ジョブと、カーボンコピー設定されていない印刷ジョブとを同一に扱うことができ、ユーザビリティを向上させることができる。
ここで、ユーザが画像形成装置で留め置きされたカーボンコピージョブについても、部数の変更が可能となることで、ユーザにより設定された部数とカーボンコピー設定との間に不整合が生じてしまう状況があり得る。しかしながら、本実施形態では、ユーザにより設定された部数と、カーボンコピー設定との間に不整合がある場合には、その旨のメッセージを表示し、カーボンコピー設定を行うための画面を表示する。従って、カーボンコピーが設定された印刷ジョブについて画像形成装置で部数の変更が可能であっても、適切な部数の設定により留め置き印刷を行うことができる。
[第2の実施形態]
以下、第2の実施形態について、第1の実施形態と異なる点について説明する。図16は、本実施形態における画像形成システムの全体的な印刷ジョブ処理シーケンスを説明するための図である。
印刷ジョブのリストが表示されている画面で、ユーザがカーボンコピー設定された印刷ジョブを選択すると(S420)、画像形成装置100は、カーボンコピーが設定されている印刷ジョブが選択されたことを検知する(S1601)。すると、画像形成装置100は、印刷ジョブのリストが表示されている画面に配置されている、部数を変更するためのテキストボックス910を書き込み不可な状態にすることで、該テキストボックス910による部数の変更を禁止する(S1602)。
ユーザがカーボンコピー設定の変更を行うために、プリント設定を変更するための通知を行う(S1603)。すると、画像形成装置100は、カーボンコピー設定された印刷ジョブの全般的な印刷設定を変更するための設定画面を表示する(S1604)。このときに表示される画面は、図15の印刷設定画面である。ユーザが印刷設定画面を操作してカーボンコピー設定を変更するように指示すると(S1605)、画像形成装置100は、カーボンコピー設定を変更するためのカーボンコピー設定画面を表示する(S426)。このときに表示される画面は、図14(b)のカーボンコピー設定画面である。ユーザは、カーボンコピー設定画面に入力を行うことで、カーボンコピー設定を指示する(S1606)。
画像形成装置100は、指示されたカーボンコピー設定を保持し(S1607)、ユーザからの印刷指示(S424)に基づき、S1607で保持したカーボンコピー設定で印刷処理を行う(S429)。
以下、図10を参照しながら、本実施形態における図9のユーザインタフェース画面の表示制御の処理について説明する。
ユーザインタフェース画面上での入力が表示している印刷データを選択する入力である場合(S1007でYes)、格納済みジョブ制御部307は、該選択された印刷データを未選択の状態から選択された状態に変更、あるいは選択された状態から未選択の状態に変更する(S1008)。その後、格納済みジョブ制御部307は、ユーザインタフェースの更新を行う(S1006)。この時、本実施形態では、格納済みジョブ制御部307は、印刷ジョブが複数選択されている、もしくは選択されている印刷ジョブがカーボンコピー設定されているジョブである場合、図9(b)に示すように、テキストボックス910を受付不可な状態にする。格納済みジョブ制御部307は、テキストボックス910をグレーアウトすることで、利用者に部数設定が変更できないことを通知することができる。なお、格納済みジョブ制御部307は、S1003で表示する印刷ジョブがそれぞれカーボンコピー設定されているか否かを書誌情報から判定し、その情報を印刷ジョブ毎のフラグ情報としてRAM203に格納しておく。これにより、格納済みジョブ制御部307は、選択された印刷ジョブがカーボンコピー設定されているか否かを高速に判断することができる。
以上のように、本実施形態によれば、印刷指示前にカーボンコピー設定されている印刷ジョブであるか否かをユーザインタフェース画面上で容易に認識可能に表示することができる。また、誤った部数の変更操作によって、ユーザにより設定された部数と、カーボンコピー設定との間に不整合が生じてしまうことを回避することができる。
[第3の実施形態]
以下、第3の実施形態について、第1及び第2の実施形態と異なる点について説明する。図16(b)は、本実施形態における画像形成システムの全体的な印刷ジョブ処理シーケンスを説明するための図である。
印刷ジョブが入稿されると、画像形成装置100は、入稿された印刷ジョブがカーボンコピージョブであるかを検知する(S1611)。カーボンコピージョブであることを検知した場合、画像形成装置100は、受信した印刷ジョブをカーボンコピー設定に基づき、分割して留め置きされた印刷ジョブとして登録する(S1612)。例えば、カーボンコピー設定として2部設定されていれば、2つの留め置き印刷ジョブ、ここでは、分割ジョブ1と分割ジョブ2として登録する。ユーザが分割ジョブ1を選択して部数の指定を行う(S1613)と、画像形成装置100は、分割ジョブ1の部数設定を更新する(S1614)。また、ユーザが分割ジョブ2を選択して部数の指定を行う(S1615)と、画像形成装置100は、分割ジョブ1の部数設定を更新する(S1616)。ユーザが分割ジョブ1及び2の印刷指示を行うと、画像形成装置100は、上記の設定された部数指定に基づき、印刷処理を行う。
図17(a)は、本実施形態における格納済みジョブ制御部307が生成するユーザインタフェース画面の一例を示す図である。なお、図17(a)のユーザインタフェース画面は、印刷ジョブのリストの表示方法の点について図9と異なる。表示領域1701は、カーボンコピー設定されている印刷ジョブの1つ目の部を示している。表示領域1702は、カーボンコピー設定されている表示領域1701と同じ印刷ジョブの2つ目の部を示している。
このように本実施形態では、カーボンコピー設定されている印刷ジョブを部単位で分けてリストに表示することで、部数を含む様々な印刷設定を、カーボンコピー設定がされていない印刷ジョブと同様に設定することを可能にする。図17(b)は、カーボンコピージョブが分割されて登録される状態を示している。書誌情報1710に示すカーボンコピージョブとして入力された印刷ジョブは、書誌情報1711、1712として登録される。
本実施形態では、ジョブ格納部303は、印刷ジョブ受信時に受信した印刷ジョブがカーボンコピー設定されているか否かを判定し、カーボンコピー設定されている場合には、カーボンコピー設定の部毎に書誌情報を生成する。この処理について図18のフローチャートを参照しながら説明する。
図18は、カーボンコピー設定の部毎に書誌情報を生成する処理を示すフローチャートである。図18の処理は、例えば、CPU201がROM202に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより実現されるが、以下、プログラム上でのジョブ格納部303が各処理を実行するものとして説明する。
ジョブ格納部303は、受信した印刷ジョブを印刷データとしてHDD204に保存する(S1801)。続いて、ジョブ格納部303は、保存した印刷データの情報を、データ解釈部304を用いて解析する(S1802)。この解析結果に基づき、印刷データがカーボンコピー設定されていると判定された場合には(S1803でYes)、ジョブ格納部303は、カーボンコピー設定の部毎に書誌情報を生成する(S1804)。書誌情報の生成時には、カーボンコピー設定を削除し、代わりに各部に対応する給紙段の設定を付与する。また、更に、ジョブ名称属性を変更しても良い。本実施形態では、ジョブ名称属性に部数の情報を追加する。例えば、一部目に対応する書誌情報のジョブ名称には、“の一部目“という文字列を追加する。
一方、カーボンコピー設定されていない印刷データに対しては、他の実施形態と同様に、書誌情報を生成する(S1805)。続いて、ジョブ格納部303は、生成した書誌情報をHDD203に保存する(S1806)。
次に、本実施形態の格納済みジョブ制御部307の動作について、図19、図18(b)を参照しながら説明する。図19の処理は、例えば、CPU201がROM202に記憶されたプログラムをRAM203に読み出して実行することにより実現されるが、以下、プログラム上での格納済みジョブ制御部307が各処理を実行するものとして説明する。
図19の処理において、ユーザインタフェース画面上での入力が、表示している印刷データを選択する入力である場合(S1007でYes)、図18(b)に示す処理が実行される。
ここで、図18(b)を参照する。格納済みジョブ制御部307は、選択された印刷データが選択状態であるか否かを確認する(S1811)。選択状態である場合には、格納済みジョブ制御部307は、指定された印刷データの選択状態を解除する(S1812)。選択状態でない場合、格納済みジョブ制御部307は、選択された印刷データの状態を選択状態にする(S1813)。
続いて、格納済みジョブ制御部307は、選択状態にした印刷データに対応する書誌情報に設定されている印刷データと同じ印刷データが設定されている書誌情報を、ユーザインタフェース画面に表示している印刷データから検索する(S1814)。印刷データが検索されると、格納済みジョブ制御部307は、検索された印刷データを選択状態にする(S1815)。S1815の後、図19のS1006へ進む。
再び、図19を参照する。ユーザインタフェース画面上での入力が選択状態の印刷データを削除するための入力である場合(S1012)、格納済みジョブ制御部307は、選択されている印刷データに対応する書誌情報をHDD204から削除する(S1901)。続いて、格納済みジョブ制御部307は、印刷データをHDD204から削除して良いかを判定する(S1902)。即ち、S1901で削除した印刷データに対応する書誌情報に設定されていた、HDD204に格納された印刷データと同じ印刷データが設定されている書誌情報をHDD204から検索する。上記のような書誌情報が検索された場合、格納済みジョブ制御部307は、印刷データをHDD204から削除して良いと判断し、その検索された書誌情報に対応する印刷データを削除する(S1903)。一方、上記のような書誌情報が検索されなかった場合、S1902からS1006へ進む。
以上のように、本実施形態によれば、カーボンコピー設定された印刷ジョブを部毎に別々の印刷ジョブとして扱うことができる。その結果、カーボンコピー設定された印刷ジョブ以外の印刷ジョブと同様の印刷設定を行うことができ、画像形成装置上でユーザにより部数が変更されたとしても、カーボンコピージョブで指定されていた、各部と給紙段数との整合性は維持される。
また、カーボンコピー設定により複数の印刷ジョブに分割された場合においても、そのうちの一つの印刷ジョブを選択した場合には、他の分割された印刷ジョブも選択される。その結果、分割後であっても、カーボンコピー設定された印刷ジョブと同様に一括して印刷することができる。また、分割後であっても、カーボンコピー設定された印刷ジョブと同様に一括して削除することができる。
[第4の実施形態]
以下、第4の実施形態について、第1~3の実施形態と異なる点について説明する。
図20を参照しながら、本実施形態におけるカーボンコピージョブの部数が変更された場合に、そのカーボンコピージョブをキャンセルする処理について説明する。図20の処理は、例えば、画像形成装置100のCPU201がROM202に記憶されたプログラムをRAM203に読み出して実行することにより実現される。
S2001において、CPU201は、印刷ジョブ601をネットワークI/F212経由で受信して、RAM203に格納する。S2002において、CPU201は、S2001で受信した印刷ジョブの制御コマンドの解釈処理を実行する。S2003において、CPU201は、S2002で解釈した印刷ジョブが留め置きジョブであるか否かを判定する。ここで、留め置きジョブであると判定された場合、S2004へ進み、留め置きジョブでないと判定された場合、S2008へ進む。
S2004において、CPU201は、S2001で受信した印刷ジョブの留め置き処理を行う。S2005において、CPU201は、印刷設定の変更が指示されたか否かを判定する。印刷設定の変更は、印刷部数の変更を含んでいる。ここで、印刷設定の変更が指示されたと判定された場合、S2006へ進み、印刷設定の変更が指示されなかったと判定された場合、S2007へ進む。S2006において、CPU201は、印刷設定の変更を実行する。S2007において、CPU201は、印刷開始が指示されたか否かを判定する。ここで、印刷開始が指示されたと判定された場合、S2008へ進み、印刷開始が指示されなかったと判定された場合、S2005からの処理を繰り返す。
S2008において、CPU201は、S2007で印刷開始が指示された印刷ジョブがカーボンコピージョブであるか否かを判定する。ここで、カーボンコピージョブであると判定された場合、S2009へ進み、カーボンコピージョブでないと判定された場合、S2012へ進む。S2012において、CPU201は、印刷ジョブの印刷処理を行い、その後、図20の処理を終了する。
S2009において、CPU201は、ユーザにより設定された印刷部数と、印刷ジョブにより指定された給紙段数とが同じであるか否かを判定する。ここで、同じであると判定された場合、S2010において、CPU201は、カーボンコピー印刷を行い、その後、図20の処理を終了する。一方、同じでないと判定された場合、S2011において、CPU201は、印刷開始が指示されたカーボンコピージョブの印刷処理をキャンセルし、その後、図20の処理を終了する。
カーボンコピージョブの印刷処理のキャンセルの際には、その旨のメッセージ画面を表示するようにしても良い。例えば、「設定された部数と給紙段数が異なるため、印刷を実行できません。設定内容を確認して下さい。」といったメッセージを表示することにより、設定内容の確認をユーザに促すことができる。その後、図15の印刷設定画面を表示するようにしても良い。
図21は、本実施形態におけるカーボンコピージョブの部数が変更された場合の他の処理を示すフローチャートである。図21は、S2101とS2102の点で図20と異なる。
S2009で、ユーザにより設定された印刷部数と、印刷ジョブにより指定された給紙段数とが同じでないと判定された場合、S2101へ進む。S2101において、CPU201は、図22に示すような画面を操作部211に表示し、ユーザにより設定された印刷部数を、印刷ジョブにより指定された給紙段数に変更して印刷するか否かの指示を受け付ける。ここで、印刷部数を変更して印刷する指示を受け付けた場合、S2102において、CPU201は、ユーザにより設定された印刷部数を、印刷ジョブにより指定された給紙段数に変更して印刷を行い、その後、図21の処理を終了する。一方、印刷部数を変更しない指示を受け付けた場合、S2011において、印刷開始が指示されたカーボンコピージョブの印刷処理をキャンセルし、その後、図21の処理を終了する。
以上のように、本実施形態によれば、カーボンコピージョブの部数がユーザにより変更され、変更後の部数がカーボンコピージョブで指定された給紙段数と異なる場合には、そのカーボンコピージョブの実行をキャンセルする。若しくは、ユーザによる部数の変更を無視し、ユーザにより設定された印刷部数を給紙段数に変更して印刷する。その結果、ユーザにより設定された印刷部数と印刷ジョブにより指定された給紙段数とが整合しない状況を回避することができる。
[第5の実施形態]
以下、第5の実施形態について、第1~4の実施形態と異なる点について説明する。
図23を参照しながら、本実施形態における留め置きジョブにカーボンコピー設定が含まれる場合、ジョブの留め置き指定を解除する処理について説明する。図23の処理は、例えば、画像形成装置100のCPU201がROM202に記憶されたプログラムをRAM203に読み出して実行することにより実現される。
S2301において、CPU201は、印刷ジョブをネットワークI/F212経由で受信してRAM203に格納する。S2302において、CPU201は、S2301で受信した印刷ジョブの制御コマンドの解釈処理を実行する。S2303において、CPU201は、S2302で解釈した印刷ジョブが留め置きジョブであるか否かを判定する。ここで、留め置きジョブであると判定された場合、S2304へ進み、留め置きジョブでないと判定された場合、S2307へ進む。
S2304において、CPU201は、S2302で解釈した印刷ジョブにカーボンコピー設定が含まれるか否かを判定する。カーボンコピー設定が含まれると判定された場合、S2305において、CPU201は、印刷ジョブの留め置き指定を解除し、S2306へ進む。つまり、本実施形態では、カーボンコピージョブの留め置き指定を解除して印刷を実行することで、留め置き印刷の際に画像形成装置100上で部数を変更可能なユーザインタフェース画面を表示することを抑止する。その結果、カーボンコピージョブの印刷の際、ユーザにより部数が変更されてしまうことを防ぐことができる。
S2303で留め置きジョブでないと判定された場合、S2307において、CPU201は、S2302で解釈した印刷ジョブにカーボンコピー設定が含まれるか否かを判定する。カーボンコピー設定が含まれると判定された場合、S2306において、CPU201は、カーボンコピー印刷を行い、その後、図23の処理を終了する。一方、カーボンコピー設定が含まれないと判定された場合、S2312において、CPU201は、印刷ジョブに対して印刷処理を行い、その後、図23の処理を終了する。
S2304で印刷ジョブにカーボンコピー設定が含まれないと判定された場合、S2308において、CPU201は、印刷ジョブの留め置き処理を実行し、S2309へ進む。S2309において、CPU201は、印刷設定変更が指示されたか否かを判定する。ここで、印刷設定の変更が指示されたと判定された場合、S2310において、CPU201は、印刷設定の変更を実行し、S2311へ進む。一方、S2309で印刷設定の変更が指示されていないと判定された場合、S2311へ進む。
S2311において、CPU201は、印刷開始が指示されたか否かを判定する。ここで、印刷開始が指示されたと判定された場合、S2312へ進む。一方、印刷開始が指示されていないと判定された場合、S2309からの処理を繰り返す。
次に、図24を参照しながら、留め置きジョブにカーボンコピー設定が含まれる場合、印刷ジョブをキャンセルする処理について説明する。図24は、S2401の点について図23と異なる。
S2304で印刷ジョブにカーボンコピー設定が含まれると判定された場合、S2401において、CPU201は、印刷ジョブをキャンセルし、その後、図24の処理を終了する。つまり、本実施形態では、カーボンコピージョブの実行をキャンセルすることで、留め置き印刷の際に画像形成装置100上で部数を変更可能なユーザインタフェース画面を表示することを抑止する。その結果、カーボンコピージョブの印刷の際、ユーザにより部数が変更されてしまうことを防ぐことができる。
カーボンコピージョブの部数設定が変更され、部数と給紙段数に矛盾が生じた場合には、印刷部数が減らされた場合には、所望の給紙段から出力されないおそれがある。また、印刷部数が増やされた場合には、無駄紙が出力されるおそれがある。本実施形態では、以上のように、留め置きジョブにカーボンコピー設定が含まれる場合、印刷ジョブの留め置き指定を解除する。また、印刷ジョブをキャンセルする。その結果、画像形成装置上での部数の変更の機会をユーザに与えることがないので、上記のような不適切な印刷が行われてしまう状況を回避することができる。
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。