以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
[第1の実施形態]
図1は、本実施形態における画像形成装置として用いられるMFP100のブロック構成を示す図である。システム10は、MFP100とPC160を含む画像処理システムであり、例えば、PC160からの指示により、MFP100で印刷やスキャン等の画像処理が実行される。また、PC160とMFP100とが連携した画像処理も可能である。
制御部110は、画像入力デバイスであるスキャナ130や画像出力デバイスであるプリンタ140と接続されており、各デバイスとの間での画像情報の入出力を制御する。また、制御部110は、有線媒体や無線媒体のLAN等のネットワーク170に接続され、ネットワーク170を介して外部装置との通信を行う。例えば、制御部110は、LANを介して、外部装置であるPC160から印刷ジョブを受信する。
CPU111は、MFP100の動作を統括的に制御し、例えば、RAM112に格納されたプログラムに基づいて動作する。ROM113は、例えば、ブートROMであり、システムのブートプログラムが格納されている。記憶部114には、システムソフトウェア、画像データ、MFP100の動作を制御するためのプログラム等が格納されている。CPU111は、記憶部114に格納されたプログラムをRAM112にロードし、そのプログラムに基づいてMFP100の動作、例えば本実施形態の動作を実現するようMFP100の各部を制御する。
ネットワークI/F115は、制御部110をLAN等のネットワーク170に接続し、PC160などの外部装置と通信を行い、各種情報の入出力を行う。デバイスI/F116は、画像入出力デバイスであるスキャナ130やプリンタ140と制御部110とを接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。操作部I/F117は、操作部150と制御部110とを接続するインタフェースであり、操作部150に表示するためのデータを操作部150に出力する。操作部150は、パネルとハードウェアキーとを含み、ユーザからの指示や設定の操作を受付可能である。また、操作部150に表示するためのデータには、後述する本実施形態の各ユーザインタフェース画面も含まれる。また、操作部I/F117は、操作部150からユーザが入力した情報をCPU111に伝達する。
画像処理部118は、ネットワーク経由で受信した印刷対象のデータに対して、例えば、設定や入出力デバイスの特性に応じた補正、補間、変換等の画像処理を行う。また、画像処理部118は、デバイスI/F116へ入力もしくはデバイスI/F116から出力される画像データに対して画像処理を行う。画像メモリ119は、画像処理部118によって処理される画像データを一時的に展開するためのメモリである。
図2は、MFP100の外観図である。MFP100では、プリンタ140の上部にスキャナ130が構成されている。プリンタ140には、一つの段に数百枚の用紙を保持できる複数のカセット201と、用紙をユーザ所望の記録媒体に置換可能な手差しトレイ202の2種類の用紙保持部が備えられている。カセット201に載置されている用紙のサイズや種類の情報は、不図示の操作画面を介してユーザによって設定され、各カセットに対応付けられてROM113に記憶されている。なお、カセット201、手差しトレイ202に載置されている用紙のサイズや種類の情報は、例えば、カセット201、手差しトレイ202の複数箇所に設けられたセンサや、媒体からの反射率を検知可能なセンサにより、取得される。
図3は、PC160のハードウェア構成を示す図である。CPU301は、各種プログラムを実行することによりPC160全体を統括的に制御し、様々な機能を実現する。記憶部302は、各種プログラムや設定データ等を記憶する。例えば、CPU301は、記憶部302に記憶されているプログラムをRAM303にロードして実行する。また、RAM303は、CPU301の一時的な作業記憶領域としても用いられる。Input/Outputインタフェース305は、各装置、およびPC160に接続されているディスプレイ(不図示)にデータを送信したり、ポインティングデバイス(不図示)からデータを受信する。NIC(Network Interface Card)306は、PC160をネットワーク170に接続し、ネットワーク170との間での各種情報の入出力を行う。以上の各ブロックは、バス307を介して、相互にデータの送受信が可能なように接続されている。
図4は、PC160上で動作するソフトウェアであるプリンタドライバ400のブロック構成を示す図である。プリンタドライバ400は、記憶部302に格納される。プリンタドライバ400は、アプリケーションからの要求に応じて、MFP100と通信し、PC160上で生成したPDL(Page Description Language)データをMFP100へ送信する機能を有する。
プリンタドライバ400は、UI(User Interface)部401、PDLデータ生成部402、通信部403、プリント設定管理部404、プリンタドライバ設定405を含む。UI部401は、プリンタドライバ400のプリント設定に関するユーザインタフェースを提供する。PDLデータ生成部402は、指定されたプリント設定に基づいて、PDLデータを生成する。通信部403は、NIC306を介してのMFP100とのネットワーク通信を行う。プリント設定管理部404は、UI部401を介して、プリント設定画面をユーザに提示し、指定されたプリント実行に関する設定情報を管理する。プリンタドライバ設定405は、記憶部302に格納されるプリンタドライバ設定情報であり、プリント設定管理部404によって管理される。
図5は、部ごとに給紙する用紙供給元を切り替えるための、プリンタドライバ400のUI画面の一例を示す図である。本実施形態では、MFP100は、複数部数それぞれについて給紙対象として任意に指定された給紙段から印刷物を印刷出力させる、いわゆるカーボンコピーを実行可能である。カーボンコピーの実行の際には、図5(a)や図5(b)に示すようなユーザによる給紙段設定が可能である。
図5(a)は、部数ごとに用紙供給元(給紙段)を選択するためのUI画面である。設定画面500は、用紙供給元設定部数選択部501、用紙供給元選択部502、用紙供給元設定リスト503、OKボタン504、キャンセルボタン505を含む。用紙供給元設定部数選択部501は、用紙供給元を選択したい部数の選択を受け付ける。図5(a)では、3部目の設定を行う場合の例を示している。用紙供給元選択部502は、用紙供給元設定部数選択部501で選択された部数の時に、どの用紙供給元から用紙を給紙するかを選択する際に用いられる。図5(a)では、3部目の印刷の時に、カセット1が選択されている例を示している。用紙供給元選択部502に表示される用紙供給元の数は、MFP100に構成されているカセット201、手差しトレイ202に対応している。
用紙供給元設定リスト503は、用紙供給元設定部数選択部501と用紙供給元選択部502によって設定された、部ごとの設定内容を表示する領域である。図5(a)では、1部目の印刷の時に手差しトレイから給紙されるよう選択され、2部目の印刷の時にカセット1から給紙されるよう選択され、3部目の印刷の時にカセット1から給紙されるよう選択されることを示している。用紙供給元設定部数選択部501と用紙供給元選択部502によって、部ごとの用紙供給元が設定された状態でOKボタン504が押下されると、設定画面500上の設定情報がプリンタドライバ設定405として保存される。また、キャンセルボタン505が押下されると、設定情報は破棄される。
なお、不図示の部数設定部により設定された印刷部数より、設定画面500によって設定された用紙供給元の数の方が少ない場合、本実施形態では、用紙供給元設定リスト503の最後に設定された用紙供給元を、残りの部の指定用紙供給元とする。
図5(b)は、本番(原本)用、控用の用途種別を区別し、用紙供給元を切り替える場合のUI画面の一例を示す図である。設定画面510は、本番用供給元選択部511、控用用紙供給元選択部512、OKボタン503、キャンセルボタン504を含む。本番用用紙供給元選択部511は、本番用の印刷時に用いる用紙供給元の選択を受け付ける。控用用紙供給元選択部512は、控用の印刷時に用いる用紙供給元の選択を受け付ける。ここで、本番用用紙供給元選択部511で選択された用紙供給元は、控用用紙供給元選択部512では選択できないように制御される。また、控用用紙供給元選択部512は、複数選択が可能であるようにしても良い。本番用用紙供給元選択部511と控用用紙供給元選択部512によって、用紙供給元が設定された状態でOKボタン513が押下されると、設定画面510上の設定情報がプリンタドライバ設定405として保存される。また、キャンセルボタン514が押下されると、設定情報は破棄される。
次に、PDLジョブのデータについて説明する。図6は、PDLデータ600の概念を示す図である。
PDLデータ600は、属性データ611とページデータ620を含む。属性データ611は、データ名612、部数613、用紙供給元614、用紙サイズ615、用紙向き616、用紙種類617の各情報を含む。データ名612は、PDLデータ600を識別するための名称であり、PDLデータ600の元となるアプリケーションデータのファイル名等に基づいて付与される情報である。部数613は、印刷部数を示す情報である。用紙供給元614は、印刷に使用する用紙の供給元を示す情報である。用紙供給元としてユーザが特定の給紙段を指定した場合は、用紙供給元614の情報は、カセット201または手差しトレイ202のいずれかを示すことになる。なお、PDLジョブに対して用紙供給元を指定することは任意であり、ユーザが用紙供給元を指定しない場合は、例えば、用紙供給元614の情報として「自動選択」を示す情報が格納される。また、部ごとに給紙する用紙供給元を切り替える場合は、用紙供給元614の情報として部ごとの用紙供給元が格納される。このような構成により、用紙供給元614に、用紙供給元が複数設定されている場合、CPU111は、部ごとの用紙供給元切り替え処理を行うとの判断が可能となる。
用紙サイズ615は、ユーザによって指定された用紙サイズを示す情報である。なお、本実施形態では、PDLジョブで用紙サイズの指定は必須とされる。用紙向き616は、ユーザによって指定された用紙向きを示す情報である。ユーザが用紙向きを指定しなかった場合は、用紙向き616の情報は省略される。用紙種類617は、ユーザによって指定された用紙種類を示す情報である。なお、本実施形態では、PDLジョブで用紙種類の指定は任意であり、ユーザが用紙種類を指定しなかった場合は、用紙種類617の情報は省略される。ページデータ620には、各ページの画像データが含まれる。このように、本実施形態では、PDLジョブにはプリント設定やプリンタドライバ設定405の内容が反映され、また、部ごとの用紙供給元を切り替える旨の指定も含まれる。
図7は、部ごとに給紙する用紙供給元を切り替える場合の、他のPDLデータ700の概念を示す図である。PDLデータ700は、属性データ711とページデータ720を含む。属性データ711の、データ名712、部数713、用紙供給元714、用紙サイズ715、用紙向き716、用紙種類717、ページデータ720は、図6のデータ名612~用紙種類617、ページデータ620における説明と同じである。従って、その説明を省略する。属性データ711の、部ごとの用紙供給元切り替え設定718は、プリンタドライバ400から部ごとの用紙供給元切り替えを指示されたかを判断するための情報である。図7に示すPDLジョブが用いられる場合、CPU111は、部ごとの用紙供給元切り替え設定718に基づいて、部ごとの用紙供給元切り替え処理を行うか否かを判断する。
図8は、PDLデータ600の具体的な一例を示す図である。この例では、属性データ811のデータ名812としてtest.txtが、部数813として3部が設定されている。用紙供給元814として、用紙供給元815が示すように、1部目の印刷時の用紙供給元には手差しが設定されている。また、用紙供給元816が示すように、2部目の印刷時の用紙供給元にはカセット1が、用紙供給元817が示すように、3部目の印刷時の用紙供給元にはカセット1が設定されている。図8に示すように、用紙供給元が複数であるので、CPU111は、部ごとの用紙供給元切り替え処理を行うと判断する。用紙サイズ818にはA4、用紙向き819には縦が設定されている。この例では、用紙種類が設定されていない。また、ページデータ821として5ページ分のデータが含まれている。
以下、本実施形態における、基本的なPDLジョブの実行処理について説明する。図9は、部ごとに用紙供給元を切り替えるPDLジョブの実行処理を示すフローチャートである。本実施形態の動作は、PDLデータ600とPDLデータ700の両方が適用可能であるが、以下、特に断らない限り、PDLデータ600を例として説明する。
S901では、CPU111は、PC160からPDLデータ600を受信したか否かを判定する。PDLデータ600を受信したと判定された場合、S902に進み、PDLデータ600を受信していないと判定された場合、S901の処理を繰り返す。S902では、CPU111は、受信したPDLデータ600を解析して、属性データ611から、少なくとも用紙供給元614、用紙サイズ615、用紙向き616、用紙種類617の各情報を取得する。
S903では、CPU111は、部ごとの用紙供給元の変更設定があるか否かを判定する。変更設定があると判定された場合、S904へ進む。設定変更がないと判定された場合、S909へ進む。部ごとの用紙供給元変更があるか否かについては、CPU111は、用紙供給元614に複数の用紙供給元が格納されているか否かに基づいて判定する。また、PDLデータ700の部ごとの用紙供給元切り替え設定718のように用紙供給元変更のON/OFFの設定に基づいて、部ごとの用紙供給元変更があるか否かの判定が行われても良い。この部ごとの用紙供給元の変更設定は、プリンタドライバのユーザインタフェースなどを用いて、印刷データを送信する側のコンピュータのユーザインタフェース(UI)においてなされてもよい。部ごとの用紙供給元の変更設定には、例えば、プリンタドライバのUIにおいて指定した複数の給紙部から同じ文書を1部ずつ印刷するかの指示、例えば、カーボンコピーの印刷指示を含む。部ごとの用紙供給元の変更設定は、プリントジョブの中または、印刷データの中に設定されて、PC160からMFP100へ送信される。
S904では、CPU111は、部数を表すカウンタNを1で初期化する。S905では、CPU111は、N部数目の用紙供給元情報を取得する。S906では、CPU111は、N部数目の指定用紙供給元から給紙を行い、画像の印刷処理を行う。ここでは、用紙向きに応じた画像回転処理の実施や、用紙種類に応じた定着条件の切り替えなどが行われる場合もある。
S907では、CPU111は、PDLデータ600で設定された部数613と、カウンタNとを比較し、全部数の印刷を完了したか否かを判定する。全部数の印刷を完了したと判定された場合、図9の処理を終了する。一方、全部数の印刷を完了していないと判定された場合、S908へ進む。S908において、CPU111は、カウンタNに1加算し、S905の処理を繰り返す。
一方、S903で設定変更がないと判定された場合、S909において、CPU111は、用紙供給元614を取得する。S910では、CPU111は、用紙供給元614に設定された用紙供給元から給紙を行い、画像の印刷処理を行う。その後、図9の処理を終了する。
図10は、本番用、控用といった用途を区別し、用途別に用紙供給元を切り替えるPDLジョブの実行処理を示すフローチャートである。S1001では、CPU111は、PC160からPDLデータ600を受信したか否かを判定する。PDLデータ600を受信したと判定された場合、S1002に進み、PDLデータ600を受信していないと判定された場合、S1001の処理を繰り返す。S1002では、CPU111は、受信したPDLデータ600を解析して、属性データ611から、少なくとも用紙供給元614、用紙サイズ615、用紙向き616、用紙種類617の各情報を取得する。
S1003では、CPU111は、用途別に用紙供給元の変更設定があるか否かを判定する。変更設定があると判定された場合、S1004へ進む。設定変更がないと判定された場合、S1010へ進む。S1003の判定は、例えば、以下のように行われても良い。例えば、用紙供給元614の各用紙供給元の情報に対して、用途種別、即ち、「本番用」や「控用」を示す属性が付加されるようにしても良い。その場合、CPU111は、各用紙供給元の情報の属性を参照し、用紙供給元の変更設定があるか否かを判定する。また、PDLデータ700の部ごとの用紙供給元切り替え設定718のように用紙供給元変更のON/OFFの設定に基づいて、判定が行われても良い。
S1004では、CPU111は、部数を表すカウンタNを1で初期化する。S1005では、CPU111は、N部数目の用途種別情報を取得する。S1006では、CPU111は、用途種別の用紙供給元情報を取得する。S1007では、CPU111は、N部数目の指定用紙供給元から給紙を行い、画像の印刷処理を行う。ここでは、用紙向きに応じた画像回転処理の実施や、用紙種類に応じた定着条件の切り替えなどが行われる場合もある。
S1008では、CPU111は、PDLデータ600で設定された部数613と、カウンタNとを比較し、全部数の印刷を完了したか否かを判定する。全部数の印刷を完了したと判定された場合、図10の処理を終了する。一方、全部数の印刷を完了していないと判定された場合、S1009へ進む。
S1009において、CPU111は、カウンタNに1加算し、S1005の処理を繰り返す。S1003で設定変更がないと判定された場合、S1010において、CPU111は、用紙供給元614を取得する。S1011では、CPU111は、用紙供給元614に設定された用紙供給元から給紙を行い、画像の印刷処理を行う。その後、図10の処理を終了する。
図11は、ユーザがPC160上でプリンタドライバ400を起動し、MFP100で印刷が完了するまでの全体のシーケンスを示す図である。ユーザがPC160でプリンタドライバ400を起動すると、印刷設定が開始される(S1101)。ユーザから、プリンタドライバ400により部ごとの用紙供給元設定の選択を受付け、部ごとに(1部目~N部目)用紙供給元が設定される(S1102、S1103、S1104、S1105)。
ユーザから、プリンタドライバ400により、MFP100に対する印刷実行指示を受け付ける(S1106)。PC160において、プリンタドライバ400は、指定された印刷設定に基づいて、PDLデータ600を生成する(S1107)。プリンタドライバ400は、MFP100に対して、PDLデータ600を送信する(S1108)。
MFP100は、PC160からPDLデータ600を受信すると、受信したPDLデータ600を解析する(S1109)。MFP100は、解析したPDLデータ600に基づいて、1部目の印刷を実行する。この時、PDLデータ600に設定されている1部目の用紙供給元から用紙を供給する(S1110)。MFP100は、PDLデータ600に設定された部数分(1部目~N部目)、印刷を繰り返し実行する(S1111、S1112)。MFP100は、全部数の印刷を完了すると、PC160に対して、印刷終了を通知する(S1113)。
以下、本実施形態におけるPDLジョブの実行処理において行われる用紙供給元の切り替え処理について説明する。図12は、本実施形態における、部ごとに用紙供給元を切り替えるPDLジョブの実行時に、PDLジョブに設定された用紙と用紙供給元の用紙との比較を行い、給紙動作を制御する処理を示すフローチャートである。S1201~S1205は、S901~S905における説明と同じであるので、その説明を省略する。
S1206において、CPU111は、検索対象用紙保持部一覧に、取得した用紙供給元を設定する。検索対象用紙保持部一覧については後述する。S1207では、CPU111は、検索対象の用紙保持部(給紙段)に対して、受信したPDLデータ600による印刷を実行可能な用紙サイズ、向きおよび種類が設定されているかを判定する(用紙保持部適合判定)。S1208では、CPU111は、S1207の判定結果(後述)に応じて、次の処理を切り替える。即ち、判定結果がNGであった場合、その用紙保持部では受信したPDLデータ600の印刷を実行できないと判断し、S1211へ進む。一方、判定結果がOKであった場合、その用紙保持部で受信したPDLデータ600の印刷を実行可能と判断し、S1209にて用紙属性情報に応じた画像の印刷処理を行う。
S1210において、CPU111は、PDLデータ600で設定された部数613と、カウンタNとを比較し、全部数の印刷を完了したか否かを判定する。全部数の印刷を完了したと判定された場合、図12の処理を終了する。一方、全部数の印刷を完了していないと判定された場合、S1213へ進む。S1213において、CPU111は、カウンタNに1加算し、S1205の処理を繰り返す。
一方、S1208で判定結果がNGであった場合、S1211では、CPU111は、印刷に適した用紙が無い旨を操作部150に表示する。次に、S1212に進み、CPU111は、いずれかの用紙保持部に対する用紙属性情報の変更を検知するまでそのままの状態で待機する。用紙属性情報の変更を検知した場合には、S1207の処理を繰り返す。ここで、用紙保持部に対する用紙属性情報の変更とは、例えば、ユーザによる給紙段内の用紙の交換である。
S1203で設定変更がないと判定された場合、S1214では、CPU111は、MFP100の全ての用紙保持部(カセット201および手差しトレイ202)から、用紙供給元には成り得ない用紙保持部を除いた検索対象用紙保持部の一覧を作成する。但し、作成された検索対象用紙保持部一覧が既に保持されている場合には、それを読み出して以下の処理に用いても良い。次に、S1215では、CPU111は、S1214で作成した検索対象用紙保持部一覧の各用紙保持部に対して、次のS1216の用紙保持部適合判定処理を行ったか否かを判定する。まだ判定の行っていない用紙保持部がある場合には、S1216へ進む。S1216では、CPU111は、検索対象の用紙保持部に対して、受信したPDLデータ600の印刷を実行可能な用紙サイズ、向きおよび種類が設定されているかを判定する。
S1217では、CPU111は、その判定結果に応じて、次の処理を切り替える。つまり、S1216の判定結果がNGであった場合、その用紙保持部では受信したPDLデータ600の印刷を実行できないと判断し、S1215へ戻り、次の用紙保持部に対する判定を行う。一方、S1216の判定結果がOKであった場合、その用紙保持部で、受信したPDLデータ600の印刷を実行可能と判断し、次のS1218にて、CPU111は、用紙属性情報に応じた画像の印刷処理を行う。
一方、S1215で全ての検索対象用紙保持部に対してS1216の用紙保持部適合判定処理を行った結果、受信したPDLデータ600の印刷を実行できる用紙保持部がなかったと判定された場合、S1219へ進む。S1219では、CPU111は、印刷に適した用紙がない旨を操作部150に表示する。次に、S1220に進み、CPU111は、いずれかの用紙保持部に対する用紙属性情報の変更を検知するまでそのままの状態で待機する。用紙属性情報の変更を検知した場合には、S1214に戻り、再び用紙保持部の検索を開始する。
次に、図13を参照しながら、S1214における検索対象用紙保持部一覧の作成処理について説明する。
S1301では、CPU111は、MFP100の全ての用紙保持部を取得し、検索対象用紙保持部一覧とする。次に、S1302では、CPU111は、取得した用紙保持部を予め定められた優先度に従って並び替えを行う。例えば、カセット201と手差しトレイ202ではカセット201の方がより優先順位が高く、各カセット201においては印刷エンジンに近いほど、即ち、用紙搬送経路が短いほど優先順位が高くなるように定められる。
S1303では、CPU111は、S1202のPDLデータ600の解析結果に基づいて、用紙供給元の指定があるか否かを判定する。用紙供給元の指定があると判定された場合、S1304へ進み、CPU111は、指定された用紙供給元以外の用紙保持部をS1302で並び替えた検索対象用紙保持部一覧から削除する。S1304の後、S1305に進む。一方、用紙供給元の指定がないと判定された場合、用紙保持部の削除を行わずに、S1305に進む。
S1305では、CPU111は、検索対象用紙保持部一覧に手差しトレイ202が含まれているか否かを判定する。手差しトレイ202が含まれていないと判定された場合、検索対象用紙保持部一覧の作成は完了となり、図13の処理を終了する。手差しトレイ202が含まれていると判定された場合、S1306へ進む。S1306では、CPU111は、手差しトレイ202に対する用紙属性情報設定状態をROM113から取得する。
S1307では、CPU111は、S1306にて取得した手差しトレイ202に対する用紙属性情報設定状態に応じて、次に実行する処理を切り替える。用紙属性情報設定状態が「確定状態」である場合、手差しトレイ202は検索対象用紙保持部としてそのまま残し、その後、図13の処理を終了する。一方、「未確定状態」であった場合、S1308に進み、CPU111は、手差しトレイ202を検索対象用紙保持部一覧から削除し、その後、図13の処理を終了する。
次に、図14を参照しながら、S1207、S1216における用紙保持部適合判定処理について説明する。S1401において、CPU111は、用紙保持部適合判定結果を表す変数の値を「NG」で初期化する。次に、S1402では、CPU111は、用紙保持部適合判定において用いる、用紙サイズ、向き、種類からなる印刷用紙属性情報の変数の値を初期化する。
次に、S1403では、CPU111は、検索対象として指定された用紙保持部についてROM113に記憶されている用紙属性情報(後述)を用紙保持部用紙属性情報として取得する。S1404では、CPU111は、印刷ジョブに設定されている用紙属性情報をジョブ用紙属性情報として取得する。例えば、PDLジョブの場合、CPU111は、PDLデータ600に設定された用紙サイズ615、用紙向き616、用紙種類617をジョブ用紙属性情報として取得する。ここで、用紙向き616が設定されていない場合には、用紙サイズ615を用いて補完するものとする。
次に、S1405では、CPU111は、S1402にて初期化した印刷用紙属性情報に対して、S1403にて取得した用紙保持部用紙属性情報を設定する。S1406では、CPU111は、用紙保持部用紙属性情報とジョブ用紙属性情報のそれぞれに設定された用紙サイズを比較する。一致すると判定された場合、S1407へ進み、CPU111は、用紙サイズと同様に、用紙保持部用紙属性情報とジョブ用紙属性情報のそれぞれに設定された用紙種類を比較する。ジョブ用紙属性情報に用紙種類が設定されていない場合、S1407の処理は省略するようにしても良い。また、予め印刷ジョブに用紙種類の指定が無い場合、給紙許可として設定した用紙種類が用紙保持部用紙属性情報に設定されているかによって判定を行うようにしても良い。S1406またはS1407において比較結果が一致しないと判定された場合、当該着目している用紙保持部の用紙では印刷ジョブを実行できないとして、図14の処理を終了する。一方、両処理において一致すると判定された場合、S1408に進み、CPU111は、用紙保持部適合判定結果を表す変数の値にOKを設定し、図14の処理を終了する。
図15は、各用紙保持部に格納されている用紙属性情報の一例を示す図である。用紙保持部1501ごとに用紙サイズ1502と用紙種類1503が対応づけて保持される。例えば、用紙属性情報1504は、手差しトレイであれば、用紙サイズがA4であり、用紙種類が普通紙の用紙が保持されていることを示している。
図16(a)は、操作部150に表示する、図12のS1211の指定用紙供給元で給紙できない場合に表示される通知画面の一例を示す図である。画面1600の領域1601には、現在の部での印刷に必要な用紙の情報が表示される。領域1602には、各用紙供給元の情報が表示される。図16(a)に示すように、プリンタに必要な用紙のサイズがA4である一方、指定用紙供給元であるカセット1にはA3が指定されている。このように、指定用紙供給元で給紙できない場合に、画面1600が表示される。また、さらに、「用紙サイズの異なるカーボンコピーが指定されたため、印刷を停止しました。」とメッセージが通知されている。
網掛けは選択不可に表示制御されたボタンであることを表す。この例では、現在の部数としてカセット1が用紙供給元として指定されている場合を表しており、指定用紙供給元以外は選択を受け付けることができない。中止キー1603は、印刷を中止する場合に押下され、押下されるとジョブがキャンセルされ、印刷が中止される。OKキー1604は、ユーザにより用紙の交換が行われ、印刷が実行できるようになった際に、押下可能に表示制御される。OKキー1604が押下されると、印刷処理が再開される。
同様に、画面1610は、指定用紙供給元で給紙できない場合に表示される他の画面の例である。画面1610は、「そのまま給紙」キー1614が表示される点で、画面1600と異なる。「そのまま給紙」キー1614は、用紙サイズが一致しなくてもそのまま指定の用紙供給元で印刷を継続する場合に、押下される。「そのまま給紙」キー1614が押下されると、そのまま指定の用紙供給元で印刷が継続される。「本番用のみ印刷」キー1616や「控用のみ印刷」キー1617については、第2の実施形態において説明する。
以上のように、本実施形態によれば、部ごとにジョブに設定されている用紙サイズ/用紙種類と用紙供給元の用紙サイズ/用紙種類とが比較される。その結果、部ごとに用紙供給元を切り替える場合に、用紙保持部にユーザの意図しないサイズの用紙が設置されている状態で誤ってジョブを実行してしまっても、給紙前に給紙を停止し、適切でない印刷物が出力されてしまうことを防ぐことができる。
[第2の実施形態]
以下、第2の実施形態について第1の実施形態と異なる点について説明する。本実施形態では、部ごとに用紙供給元を切り替えるのではなく、本番用か控用かの用途種別に応じて用紙供給元を切り替える場合に、給紙判断をする方法について説明する。
本実施形態では、PDLデータ600には用途種別ごとの用紙供給元が含まれている。また、部数613のうち、何部目を本番用の部とするか、何部目を控用の部とするかという情報がPDLデータ600に追加されていても良い。また、そのような情報がない場合には、1部目を本番用の部、それ以降を控用の部としてデフォルトで判断するようにする。
図17は、用途種別で用紙供給元を切り替えるPDLジョブの実行時に、ジョブに設定された用紙と用紙供給元の用紙との比較を行い、給紙動作を制御する処理を示すフローチャートである。S1701~S1706は、図10のS1001~S1006における説明と同じであるので、その説明を省略する。
S1707において、CPU111は、検索対象用紙保持部一覧に、取得した用紙供給元を設定する。S1708では、CPU111は、検索対象の用紙保持部に対して、受信したPDLデータ600の印刷を実行可能な用紙サイズ、向きおよび種類が設定されているかを判定する(用紙保持部適合判定)。S1709では、CPU111は、S1709の判定結果に応じて、次の処理を切り替える。即ち、判定結果がNGであった場合、その用紙保持部では受信したPDLデータ600の印刷を実行できないと判断し、S1712へ進む。一方、判定結果がOKであった場合、その用紙保持部で、受信したPDLデータ600の印刷を実行可能と判断し、S1710において用紙属性情報に応じた画像の印刷処理を行う。
S1711において、CPU111は、PDLデータ600で設定された部数613と、カウンタNとを比較し、全部数の印刷を完了したか否かを判定する。全部数の印刷を完了したと判定された場合、図17の処理を終了する。一方、全部数の印刷を完了していないと判定された場合、S1714へ進む。S1714において、CPU111は、カウンタNに1加算し、S1705の処理を繰り返す。
一方、S1709で判定結果がNGであった場合、S1712では、CPU111は、印刷に適した用紙が無い旨を操作部150に表示する。次に、S1713に進み、CPU111は、いずれかの用紙保持部に対する用紙属性情報の変更を検知するまでそのままの状態で待機する。用紙属性情報の変更を検知した場合には、S1708の処理を繰り返す。ここで、用紙保持部に対する用紙属性情報の変更とは、例えば、ユーザによる用紙の交換である。S1715以降は、図12のS1214以降の説明と同じであるので、その説明を省略する。
本実施形態において、S1712において表示される画面には、図16(b)の「本番用のみ印刷」キー1616や「控用のみ印刷」キー1617が表示されるようにしても良い。各キーが押下されることで、用紙サイズが異なった状態であっても、本番用/控用で指定された用紙供給元でそのまま印刷が継続される。
以上のように、本実施形態によれば、用途種別ごとにジョブに設定されている用紙サイズ/用紙種類と用紙供給元の用紙サイズ/用紙種類とが比較される。その結果、用途種別ごとに用紙供給元を切り替える場合に、用紙保持部にユーザの意図しないサイズの用紙が設置されている状態で誤ってジョブを実行してしまっても、給紙前に給紙を停止し、適切でない印刷物が出力されてしまうことを防ぐことができる。
[第3の実施形態]
以下、第3の実施形態について第1~第2の実施形態と異なる点について説明する。例えば控用としての用途の場合、本番用と同じ用紙サイズでなくても、原稿画像データが欠けなければ問題ない場合もある。また、ユーザによっては意図的に出力物の一部にメモ用の余白を付けたいために、ジョブで指定される出力用紙サイズよりも大きい用紙に印刷したい場合がある。
本実施形態では、原稿画像データを損なわない場合には、印刷を停止することなく、印刷を継続する。その結果、本番用と同じ用紙サイズでなくても原稿画像データが欠けなければ問題ない場合、ユーザが同じ用紙サイズを準備する必要がなく、ユーザ負担を軽減することができる。また、ユーザが意図的にジョブの出力用紙サイズよりも大きい用紙に印刷したい場合、意図しない印刷の停止動作が発生してしまうことを防ぐことができる。
図18は、操作部150に表示する、部ごとの給紙段変更時にジョブに設定された用紙サイズと用紙供給元の用紙サイズが一致しない場合において動作を切り替えるための設定画面の一例を示す図である。設定画面1800の領域1801の「ON」「OFF」キーは、用紙サイズ不一致時に原稿データが欠けなければ印刷を実行するか否かの設定を受け付ける。この例では、「ON」が押下されている状態を示している。OKキー1802は、設定を終了する場合に押下される。設定が終了すると、用紙サイズ不一致時に原稿データが欠けなければ印刷を実行するか否かの設定内容がROM113に記憶される。
同様に、設定画面1810は、部ごとの給紙段変更時にジョブに設定された用紙サイズと用紙供給元の用紙サイズが一致しない場合において動作を切り替えるための設定画面の一例を示す図である。設定画面1810の領域1811の「ON」「OFF」キーは、用紙サイズ不一致時に原稿データが欠ける場合に印刷を停止するか否かの設定を受け付ける。この例では、「ON」が押下されている状態を示している。OKキー1812は、設定を終了する場合に押下される。設定が終了すると、用紙サイズ不一致時に原稿データが欠ける場合に印刷を停止するか否かの設定内容がROM113に記憶される。
図19は、本実施形態における、部ごとに用紙供給元を切り替えるPDLジョブの実行時に、PDLジョブに設定された用紙と用紙供給元の用紙との比較を行い、給紙動作を制御する処理を示すフローチャートである。S1901~S1905は、S901~S905における説明と同じであるので、その説明を省略する。
S1906において、CPU111は、検索対象用紙保持部一覧に、取得した用紙供給元を設定する。S1907では、CPU111は、検索対象の用紙保持部に対して、受信したPDLデータ600の印刷を実行可能な用紙サイズ、向きおよび種類が設定されているかを判定する(用紙保持部適合判定)。S1908では、その判定結果に応じて、次の処理を切り替える。即ち、判定結果がNGであった場合、その用紙保持部では、受信したPDLデータ600の印刷を実行できないと判断し、S1911へ進む。一方、判定結果がOKであった場合、その用紙保持部を用いて、受信したPDLデータ600の印刷を実行可能と判断し、S1909において用紙属性情報に応じた画像の印刷処理を行う。
S1910において、CPU111は、PDLデータ600で設定された部数613と、カウンタNとを比較し、全部数の印刷を完了したか否かを判定する。全部数の印刷を完了したと判定された場合、図19の処理を終了する。一方、全部数の印刷を完了していないと判定された場合、S1913へ進む。S1913において、CPU111は、カウンタNに1加算し、S1905の処理を繰り返す。
S1908で判定結果がNGであった場合、S1911では、CPU111は、印刷に適した用紙が無い旨を操作部150に表示する。次に、S1912に進み、CPU111は、いずれかの用紙保持部に対する用紙属性情報の変更を検知するまでそのままの状態で待機する。用紙属性情報の変更を検知した場合には、S1907の処理を繰り返す。ここで、用紙保持部に対する用紙属性情報の変更とは、例えば、ユーザによる用紙の交換である。S1914以降は、図12のS1214以降の説明と同じであるので、その説明を省略する。
次に、図20を参照しながら、S1907における用紙保持部適合判定処理について説明する。図20は、図18の設定画面1800を用いて設定を行った場合のフローチャートである。S2001において、CPU111は、用紙保持部適合判定結果を表す変数の値を「NG」で初期化する。次に、S2002では、CPU111は、用紙保持部適合判定において用いる、用紙サイズ、向き、種類からなる印刷用紙属性情報の変数の値を初期化する。
次に、S2003では、CPU111は、検索対象として指定された用紙保持部についてROM113に記憶されている用紙属性情報を用紙保持部用紙属性情報として取得する。S2004では、CPU111は、印刷ジョブに設定されている用紙属性情報をジョブ用紙属性情報として取得する。例えば、PDLジョブの場合、CPU111は、PDLデータ600に設定された用紙サイズ615、用紙向き616、用紙種類617をジョブ用紙属性情報として取得する。ここで、用紙向き616が設定されていない場合には、用紙サイズ615を用いて補完するものとする。
次に、S2005では、CPU111は、S2002で初期化した印刷用紙属性情報に対して、S2003で取得した用紙保持部用紙属性情報を設定する。S2006では、CPU111は、用紙保持部用紙属性情報とジョブ用紙属性情報のそれぞれに設定された用紙サイズを比較する。一致すると判定された場合、S2007へ進み、CPU111は、用紙サイズと同様に、用紙保持部用紙属性情報とジョブ用紙属性情報のそれぞれに設定された用紙種類を比較する。ジョブ用紙属性情報に用紙種類が設定されていない場合、S1407の処理は省略するようにしても良い。また、予め印刷ジョブに用紙種類の指定が無い場合、給紙許可として設定した用紙種類が用紙保持部用紙属性情報に設定されているかによって判定を行うようにしても良い。S2007において比較結果が一致しないと判定された場合、この用紙保持部の用紙では印刷ジョブを実行できないとして、図20の処理を終了する。一方、一致すると判定された場合、S2008に進み、CPU111は、用紙保持部適合判定結果を表す変数の値にOKを設定し、図14の処理を終了する。
S2006で比較結果が一致しないと判定された場合、S2009に進み、CPU111は、画面1800を用いて設定された、サイズ不一致時に原稿データが欠けなければ印刷を実施する設定がONであるか否かを判定する。ONであると判定された場合、S2010に進み、OFFであると判定された場合、図20の処理を終了する。
S2010において、CPU111は、用紙保持部用紙属性情報に設定された用紙サイズと、ジョブ用紙属性情報に設定された用紙サイズとを比較する。用紙保持部用紙属性情報に設定された用紙サイズの方が大きいと判定された場合、S2007に進み、一方、用紙保持部用紙属性情報に設定された用紙サイズの方が小さいと判定された場合、図20の処理を終了する。
用紙保持部には、トレイが、原本用か、控え用かを指定してもよい。ここで、用紙保持部には、原本用用紙トレイをトレイ1に、控え用用紙トレイ2にPC160のプリンタドライバから用紙設定されているとする。例えば、印刷ジョブの属性を見て、複合機は、カーボンコピーが指定されているジョブであるかどうかを判断する。そして、カーボンコピーのジョブであると判断された場合、1部目は用紙サイズをトレイ1から給紙する。用紙サイズが、不一致ならジョブ停止する。ここで、控えが2部目に設定されているとすると、さらに、2部目(控え)がトレイ2から給紙されると、トレイ2のサイズとジョブの用紙サイズが不一致であっても、所定の条件で続行させるように制御できる。つまり、操作部からの入力の代わりに、S2009時に用いられる設定を控えのトレイからの給紙判断時にはONにし、原本トレイからの給紙判断時にはOFFにするよう、工場出荷時に設定するようにできる。この場合、トレイ1は、用紙サイズおよび用紙タイプの少なくとも一方または両方が一致しない限り給紙を禁止するよう設定できる。また、例えば、トレイ2からの給紙時は、以下の所定の印刷条件を考慮するようにしても良い。例えば、用紙サイズが一致しない場合でも、画像のサイズを変倍することで用紙内に収まる場合に給紙を許可する、または、用紙サイズは一致することは必須だが、用紙タイプの一致までは求めず給紙を進めるなどとしても良い。また、図23のその他の条件が用いられても良い。
図21は、図18の設定画面1810を用いて設定を行った場合のフローチャートである。S2109以外は、図20における説明と同じであるので、その説明を省略する。S2109で、CPU111は、画面1810を用いて設定された、サイズ不一致時に原稿データが欠ける場合に印刷を停止する設定がONであるか否かを判定する。ONであると判定された場合、S2110に進み、OFFであると判定された場合、図21の処理を終了する。
以上のように、本実施形態によれば、ジョブに設定されている用紙サイズと用紙供給元の用紙サイズとが一致しない場合でも、原稿画像データを損なわないのであれば、給紙前に停止することなく、印刷を行うことができる。
[第4の実施形態]
以下、第4の実施形態について第1~第3の実施形態と異なる点について説明する。本実施形態では、部ごとに用紙供給元を切り替えるのではなく、本番用か控用かの用途種別に応じて用紙供給元を切り替える場合に、原稿画像データを損なわないのであれば、印刷を停止することなく印刷を継続する。
本実施形態では、PDLデータ600には用途種別ごとの用紙供給元が含まれている。また、部数613のうち、何部目を本番用の部とするか、何部目を控用の部とするかという情報がPDLデータ600に追加されていても良い。また、そのような情報がない場合には、1部目を本番用の部、それ以降を控用の部としてデフォルトで判断するようにする。
図22は、用途種別で用紙供給元を切り替えるPDLジョブの実行時に、ジョブに設定された用紙と用紙供給元の用紙との比較を行い、給紙動作を制御する処理を示すフローチャートである。S2201~S2206は、図10のS1001~S1006における説明と同じであるので、その説明を省略する。
S2207において、CPU111は、検索対象用紙保持部一覧に、取得した用紙供給元を設定する。S2208では、CPU111は、検索対象の用紙保持部に対して、受信したPDLデータ600の印刷を実行可能な用紙サイズ、向きおよび種類が設定されているかを判定する(用紙保持部適合判定)。S2209では、CPU111は、S2208の判定結果に応じて、次の処理を切り替える。即ち、判定結果がNGであった場合、その用紙保持部では受信したPDLデータ600の印刷を実行できないと判断し、S2212へ進む。一方、判定結果がOKであった場合、その用紙保持部を用いて、受信したPDLデータ600の印刷を実行可能と判断し、S2210において用紙属性情報に応じた画像の印刷処理を行う。
S2211において、CPU111は、PDLデータ600で設定された部数613と、カウンタNとを比較し、全部数の印刷を完了したか否かを判定する。全部数の印刷を完了したと判定された場合、図22の処理を終了する。一方、全部数の印刷を完了していないと判定された場合、S2214へ進む。S2214において、CPU111は、カウンタNに1加算し、S2205の処理を繰り返す。
一方、S2209で判定結果がNGであった場合、S2212では、CPU111は、印刷に適した用紙が無い旨を操作部150に表示する。次に、S2213に進み、CPU111は、いずれかの用紙保持部に対する用紙属性情報の変更を検知するまでそのままの状態で待機する。用紙属性情報の変更を検知した場合には、S2208の処理を繰り返す。ここで、用紙保持部に対する用紙属性情報の変更とは、例えば、ユーザによる用紙の交換である。S2215以降は、図19のS1914以降の説明と同じであるので、その説明を省略する。
以上のように、本実施形態によれば、ジョブに設定されている用紙サイズ/用紙種類と用紙供給元の用紙サイズ/用紙種類とが一致しない場合でも、原稿画像データを損なわないのであれば、給紙前に停止することなく、印刷を行うことができる。
[第5の実施形態]
以下、第5の実施形態について第1~第4の実施形態と異なる点について説明する。本実施形態では、部ごとにジョブに設定されている用紙サイズと用紙供給元の用紙サイズが一致しない場合、用紙供給元の用紙サイズに合わせて画像データサイズを変倍することで、停止することなく印刷を行う。
図23は、操作部150に表示する、部ごとの給紙段変更時にジョブに設定された用紙サイズと用紙供給元の用紙サイズが一致しない場合において動作を切り替えるための設定画面の一例を示す図である。設定画面2300の領域2301の「ON」「OFF」キーは、用紙サイズ不一致時に原稿データを変倍して印刷を実行するか否かの設定を受け付ける。この例では、「ON」が押下されている状態を示している。領域2302の「ON」「OFF」キー等を用いて変倍を行う場合、拡大して印刷することを許可するか否かの設定を受け付ける。領域2303の「ON」「OFF」キー等を用いて変倍を行う場合、縮小して印刷することを許可するか否かの設定を受け付ける。「OK」キー2304は、設定を終了する場合に押下される。設定が終了すると、用紙サイズ不一致時に原稿データの変倍を行うかの設定、および、変倍設定を行う場合には拡大、縮小をそれぞれ許可するかの設定の内容がROM113に記憶される。
図24は、本実施形態における、部ごとに用紙供給元を切り替えるPDLジョブの実行時に、PDLジョブに設定された用紙と用紙供給元の用紙との比較を行い、給紙動作を制御する処理を示すフローチャートである。S2401~S2405は、S901~S905における説明と同じであるので、その説明を省略する。
S2406では、CPU111は、画面2300を用いて設定される、用紙サイズ不一致時に原稿データを変倍して印刷を実行するか否かの設定がONであるかを判定する。ONであると判定された場合、S2407に進み、OFFであると判定された場合、S2412に進む。
S2407では、CPU111は、ジョブに設定された用紙サイズと用紙供給元の用紙サイズとの比較を行い変倍が必要であるか否かを判定する。この判定は、後述する変倍実行判定結果の変数の値を参照して行われる。S2408では、その判定結果に応じて、次の処理を切り替える。変倍実行判定結果が変倍の実行を行う必要がある場合、S2409に進む。一方、変倍実行判定結果が変倍の実行が必要ない場合、S2412に進む。S2409では、CPU111は、ジョブに設定された用紙サイズと用紙供給元の用紙サイズから変倍率を求めて設定する。例えば、「用紙供給元の用紙サイズ÷ジョブに設定された用紙サイズ」が変倍率として算出される。
S2410において、CPU111は、用紙属性情報に応じた画像の印刷処理を行う。S2409で変倍率が設定された場合、CPU111は、変倍を行って画像の印刷処理を行う。S2411以降の処理は、図19のS1910以降の説明と同じであるので、その説明を省略する。
次に、図25を参照しながら、S2407における変倍実行判定処理について説明する。S2501において、CPU111は、変倍実行判定結果を表す変数の値を「不実行」で初期化する。
次に、S2502では、CPU111は、用紙保持部適合判定において用いる、用紙サイズ、向き、種類からなる印刷用紙属性情報の変数の値を初期化する。次に、S2503では、CPU111は、検索対象として指定された用紙保持部についてROM113に記憶されている用紙属性情報を用紙保持部用紙属性情報として取得する。S2504では、CPU111は、印刷ジョブに設定されている用紙属性情報をジョブ用紙属性情報として取得する。例えば、PDLジョブの場合、CPU111は、PDLデータ600に設定された用紙サイズ615、用紙向き616、用紙種類617をジョブ用紙属性情報として取得する。ここで、用紙向き616が設定されていない場合には、用紙サイズ615により補完するものとする。
次に、S2505では、CPU111は、S2502にて初期化した印刷用紙属性情報に対して、S2503にて取得した用紙保持部用紙属性情報を設定する。S2506では、CPU111は、用紙保持部用紙属性情報とジョブ用紙属性情報のそれぞれに設定された用紙サイズを比較する。一致すると判定された場合、図25の処理を終了する。S2506で比較結果が一致しないと判定された場合、S2507に進み、CPU111は、用紙保持部用紙属性情報の用紙サイズがジョブ用紙属性情報の用紙サイズより大きいか否かを判定する。大きいと判定された場合、S2508に進み、CPU111は、画面2300を用いて設定される、用紙サイズ不一致時に拡大を許可する設定がONであるか判定する。ONであると判定された場合、S2509に進み、OFFであると判定された場合、図25の処理を終了する。
S2509において、CPU111は、変倍実行判定結果を表す変数に「実行」を設定する。S2507で用紙保持部用紙属性情報の用紙サイズがジョブ用紙属性情報の用紙サイズより小さいと判定された場合、S2510に進む。S2510において、CPU111は、画面2300を用いて設定される、用紙サイズ不一致時に縮小を許可する設定がONであるか判定する。ONであると判定された場合、S2509に進み、OFFであると判定された場合、図25の処理を終了する。
以上のように、本実施形態によれば、ジョブに設定されている用紙サイズと用紙供給元の用紙サイズとが一致しない場合でも、原稿画像データを用紙保持部の用紙サイズに合わせ、変倍処理を実行する。その結果、給紙前に停止することなく、印刷を行うことができる。
[第6の実施形態]
以下、第6の実施形態について第1~第5の実施形態と異なる点について説明する。本実施形態では、本番用か控用かの用途種別に応じて用紙供給元を切り替える場合に、用途種別ごとに設定されている用紙サイズと用紙供給元の用紙サイズが一致しない場合、用紙供給元の用紙サイズに合わせて画像データサイズを変倍することで、印刷を行う。
図26は、用途種別ごとに用紙供給元を切り替えるPDLジョブの実行時に、ジョブに設定された用紙と用紙供給元の用紙との比較を行い、給紙動作を制御する処理を示すフローチャートである。S2601~S2606は、図10のS1001~S1006における説明と同じであるので、その説明を省略する。
S2607では、CPU111は、画面2300を用いて設定される、用紙サイズ不一致時に原稿データを変倍して印刷を実行するか否かの設定がONであるかを判定する。ONであると判定された場合、S2608に進み、OFFであると判定された場合、S2613に進む。
S2608では、CPU111は、ジョブに設定された用紙サイズと用紙供給元の用紙サイズとの比較を行い変倍が必要であるか否かを判定する。この判定は、変倍実行判定結果の変数の値を参照して行われる。S2609では、その判定結果に応じて、次の処理を切り替える。変倍実行判定結果が変倍の実行を行う必要がある場合、S2610に進む。一方、変倍実行判定結果が変倍の実行が必要ない場合、S2613に進む。S2610では、CPU111は、ジョブに設定された用紙サイズと用紙供給元の用紙サイズから変倍率を求めて設定する。例えば、「用紙供給元の用紙サイズ÷ジョブに設定された用紙サイズ」が変倍率として算出される。
S2611にて、CPU111は、用紙属性情報に応じた画像の印刷処理を行う。S2610で変倍率が設定された場合、CPU111は、変倍を行って画像の印刷処理を行う。S2612以降の処理は、図22のS2211以降の説明と同じであるので、その説明を省略する。
以上のように、本実施形態によれば、用途種別ごとに用紙供給元を切り替える場合で用紙サイズが一致しない場合でも、原稿画像データを用紙保持部の用紙サイズに合わせ、変倍処理を実行する。その結果、給紙前に停止することなく、印刷を行うことができる。
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。