JP6592812B2 - 高さ可変型堤防装置 - Google Patents

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Description

本発明は、高さ可変型堤防装置に関する。
河川の氾濫を防止するには、河岸である堤防の上に胸壁を設けるようにする方法があるが、この胸壁には、堤防から上向きに突き出す固定式のものと、堤防内に納めておき洪水時に上昇させて壁を形成するようにする可動式のものとがある。固定式のものはその壁自体が河川の景観を損ない、可動式のものでは堤防の天端に構築される固定支柱が河川の景観を損なうことになっていた。
そうしたことから平常時の景観を損なわないようにした堤防として特許文献1に開示の可動堤防の技術が提供された。
特許第2566458号
上記特許文献1にかかる可動堤防は、堤防の天端上方に胸壁を堤防の断面廻りに回動自在に設け、上記胸壁を堤防の断面方向に複数連接すると共に、平常時は上記胸壁を堤防の天端上方に保持して雨よけ、日よけ等とし、洪水時は上記胸壁を転倒して堤防としたことを特徴とするものである。
しかし、この可動堤防によれば、平常時は胸壁を上方に高く待機させて景観を損なわないかのようであるが、胸壁が上方に高く待機していては上方を通じての通覧が阻害されて景観上好ましくないものである。
本発明は、このような問題を解決しようとするものであり、平常時の景観を損なうことなくして洪水や高潮等の水害防止対策が迅速かつ確実にとれるようにした高さ可変型堤防装置を提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、河川岸、海岸、湖沼水畔などを設置対象にして複数連設式に配設されるベンチ式堤防装置である高さ可変型堤防装置であって、下側堤防部材になるベンチ基台と、このベンチ基台の河川等の増水側である背側に設けられる回転連結具と、ベンチ基台に対して回転連結具を介して起倒自在に装備され伏倒時にはベンチ座板ともなり起立時には上側堤防部材となる起倒部材とを備えるとともに、起倒部材を起立状態に保持する起立保持手段と、少なくとも、ベンチ基台の隣り合う間と起立状態の起倒部材の隣り合う間並びに起立状態の起倒部材とベンチ基台との間に設けられて増水側からの水を遮蔽するシール手段とを備えていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の高さ可変型堤防装置において、起倒部材の左右に隣り合う側端部には、起倒部材が回転する方向に対向する関係となるような側突辺部が設けられている。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の高さ可変型堤防装置において、起倒部材の左右に隣り合う側端部に設けた側突辺部間に、起立状態の起倒部材の隣り合う間を遮蔽するシール手段が設けられている。
上述したように請求項1に記載の発明は、河川岸、海岸、湖沼水畔などを設置対象にして複数連設式に配設されるベンチ式堤防装置である高さ可変型堤防装置であって、下側堤防部材になるベンチ基台と、このベンチ基台の河川等の増水側である背側に設けられる回転連結具と、ベンチ基台に対して回転連結具を介して起倒自在に装備され伏倒時にはベンチ座板ともなり起立時には上側堤防部材となる起倒部材とを備えるとともに、起倒部材を起立状態に保持する起立保持手段と、少なくとも、ベンチ基台の隣り合う間と起立状態の起倒部材の隣り合う間並びに起立状態の起倒部材とベンチ基台との間に設けられて増水側からの水を遮蔽するシール手段とを備えていることを特徴とするので、平常時の景観を損なうことなくして洪水や高潮等の水害防止対策が迅速かつ確実にとれるようにした高さ可変型堤防装置を提供することができる。
本発明の高さ可変型堤防装置の一実施形態を示す平面図。 図1のY部拡大図。 図2のA−A線拡大断面図。 起倒部材を起立させた状態で高さ可変型堤防装置を示す平面図。 起倒部材を起立操作する際の様子を示す平面図。 図4のC−C線断面図。 図6のD方向からの矢視図。 図6のE方向からの矢視図。 他の実施形態を示す断面図。 図9のF方向からの矢視図。 図10のH方向からの矢視図。 図10のI方向からの矢視図。 他の実施形態を示す横断面図。 ベンチ基台と起倒部材との他の組み合わせ例を示す斜視図。 ベンチ基台と起倒部材との他の組み合わせ例を示す斜視図。 ベンチ式堤防装置とその間に配備した遮水ゲート装置との関係を示す平面図。 図16をJ方向からみた正面図。 ベンチ式堤防装置の他の実施形態を示す斜視図。 ベンチ式堤防装置の他の実施形態を示す斜視図。 ベンチ式堤防装置と遮水ゲート装置との組み合わせ例を示す平面図。 図20のK−K線断面図。 ベンチ式堤防装置において起倒部材を高く構成した例を示す縦断面図。 ベンチ式堤防装置と遮水ゲート装置との組み合わせ例を示す平面図。 図23を河川側からみた正面図。 図24のL−L線断面図。 ベンチ式堤防装置と遮水ゲート装置との組み合わせ例を示す平面図。 図26の実施形態を河川側からみた正面図。 図27のM−M線断面図。 ベンチ式堤防装置と遮水ゲート装置との組み合わせ例を示す平面図。 図29のN−N線断面図。 ベンチ式堤防装置の他の例を示す平面図。 図31の矢印O方向からみた矢視図。 図31の要部拡大斜視図。 起倒部材の複数を同時にレバーで開くようにした実施形態を歩道側からみた正面図。 図34のP−P線断面図。 起倒部材の複数を同時にレバーで開くようにした実施形態を河川側からみた正面図。 図36のQ−Q線断面図。 起倒部材の複数を同時にレバーで開くようにした実施形態を歩道側からみた正面図。 図38のR−R線断面図。 図38の要部拡大斜視図。
以下、本発明である高さ可変型堤防装置の一実施形態を図1ないし図8を参照しつつ説明する。図1ないし図3は装置の平時の状態を示し、図4ないし図8は洪水対応時の状態を示す。この高さ可変型堤防装置はベンチ式堤防装置Bで構成されている。
図1において1は河川(低水路)で、Xはその流れ方向であり、2は右岸堤防、3は左岸堤防を示している。左岸堤防3側には高水敷4から表のり面5を超えたところに歩道6が設けられ、その近くには車道7が通されているとともに車道7の脇には観光地によくみられる土産物屋とか旅館などの諸建物8…が設けられている。9は河川1上を渡す橋である。左岸堤防3の図示範囲の最も上流側部分3aは図3の歩道5の面よりもやや高くなっており、その上流側部分3aから下流側に緩やかに低くなった歩道上に本発明であるベンチ式堤防装置Bを設置するものとする。
ベンチ式堤防装置Bは、河川岸、海岸、湖沼水畔などを設置対象にして複数連設式に配設される形式のもので、ここでは、河川岸の歩道6上における上流側から下流側に向けて1列状に配設されている。ベンチ式堤防装置Bの個々は、下側堤防部材になるコンクリートブロック製のベンチ基台12を備える。ベンチとしてみるとき図3のようにベンチ基台12の左側を前とし右側を後(増水側である背側)として表現すると、このベンチ基台12は、底面が前後560mm×左右1435mmの矩形をしており、高さは500mmになっている。ベンチ基台12の上部は、500mmの高さで前後幅が100mmの上突部分12aとそれよりやや低く70mm下がった430mmの高さで前後幅が460mmある広い台上部分12bとを備える。
台上部分12bの後側には、長さ1435mmで台上部分12bに添って合致した形の等辺アングル型(各辺160mm)のSUS製受金具14が止着具(図示省略)により埋付固定されている。また、台上部分12bの受金具14より前側部分には、U字形をした収納溝15がベンチ基台12の左右幅と同じ長さとなるように一体形成されており、その収納溝15内には、図6に示すような当て板16a付きサポート支柱(突っ支い棒)16を3本縦並びに収容できるようになっている。サポート支柱16は起立保持手段の一つである。台上部分12b上のスペースには、当て板16aに通されるクランプハンドル17が収納されるようになっている。さらに、収納溝15の前側には、サポート支柱16の角形基部が差し入れられる棒受け凹部18が左右3個所に等分配置されるように形成されている。19はドレン孔で、台上部分12b上に洩れ出た水を棒受け凹部18や収納溝15を通じて歩道3側へ排除するためのものである。20は固定杭で、ベンチ基台12の2個所に開けられた通孔を通じて歩道6の表のり面5から少し下がったところにベンチ基台12…を固定するために打設されている。各ベンチ基台12は、歩道6の上面と同面状あるいは少し高くしたコンクリート基礎(図示省略)の上に固定設置するようにしてもよい。固定杭20は、図3のようにベンチ基台12の後基部から突出するフランジを介して打ち込んだものにしてもよい。
22はアングル型をした閉止受金具で、ベンチ基台12の前面上端に添った形で固定されている。この閉止受金具22にはU字ボルトが通される通孔22aが設けられている。図4の隣り合うベンチ基台12,12間には少なくとも隙間23…ができるが、この隙間23の後側端には、図6に破線で示すように、縦向きにシリコン充填剤等の左右隙間シール(シール手段)24を注入固着しておいて河川側(後側)からの洪水の浸入を阻止するようにする。ベンチ基台12の一方あるいは双方の側壁には、図6の破線で示す左右隙間シール24と同等な縦長状シール部材を予め接着しておいてベンチ基台12,12を設置施工する際にそのシール部材が左右からの力で弾性圧潰されてシール作用を発揮するように構成してもよい。
27は伏倒時にはベンチ座板ともなり起立時には上側堤防部材となる起倒部材であり、この起倒部材27は、軽量・強度のあるSUS枠組み製のものとされ、矩形な本体部分(縦790×横1375mm:厚み40mm)27aとその左右端部に60mm突き出した側突辺部27b、27bとよりなる。
本体部分27aは、図3のように相対向する上下の矩形板と前後端および左右端に設けた細長い各板とで扁平矩形枠状フレームとされ、側突辺部27bは、図4に示すように本体部分27aの流れ方向Xの上流側に対応するものが起立時に前側にまた下流側に対応するものが起立時に後側にくるように突設されている。
前後に対応する側突辺部27b、27b間には、本体部分27aの上下長さに合致する長い起倒部材間シール(シール手段)28が介装されている。このシール28は、側突辺部27bの流れ方向下流側のものに取り付けられている。側突辺部27b、27bは、流れ方向の下流側のものが後側にまた上流側のものが前側にあって対向するようにしてあるので、洪水時の流れが側突辺部27b、27b間に浸水しにくくなっているが、図4の右下欄に示すように側突辺部27b、27bが前記と逆向きに突出するようにしてもよい。側突辺部27b、27bは、起倒部材27が回転する方向に対向する関係となるような部分でもある。
こうした起倒部材27は、開閉支点シール(シール手段)30と左右一対の回転連結具31とを介して水平な伏倒状態と垂直な起立状態とに切り換えられるように取付支持されている。開閉支点シール30は、厚さ10tで長さ1435mmの水密ゴム板でなり、この長さはベンチ基台12の左右幅と同じであるが、その左右端部がベンチ基台12,12間にくるようにすると水が浸入するおそれがあるので、図4に示すようにベンチ基台12,12の左右隙間から45mm程度ずれたところに端部間がくるようにしてある。起倒部材27の回転基部裏面には、起立時基部シール33が水平方向に長く設けられ、起倒部材27が垂直に起立したときに図6のようにベンチ基台12の後面に当たって水密状態を保つよ
Figure 0006592812
起倒部材27とベンチ基台12間を通じて浸水が発生しないようになっている。
尚、前記実施形態では、開閉支点シール30と起立時基部シール33が併設されてシール性能が高められているが、それらシール30,33の一方を省略することもある。
さらに、ベンチ基台12と起倒部材27との間には、エアーダンパー(エアースプリング)35の一対が連結され、起倒部材27が常に軽快に起倒操作できるようになっている。また、起倒部材27の裏面にはネジ孔付きの受板36が左右3個所に固着されていて起立時に図6のように支持されたサポート支柱16がクランプハンドル17のねじ付けにより固定支持され起倒部材27が洪水圧力により倒れ込まないようになっている。このとき、サポート支柱16の基部も取付支持するようにすれば起倒部材27の図6の右方向への倒れも防止される。
37は閉止ボルト、38はロック錠で、前記閉止受金具22と組み合わさって図3のように起倒部材27を水平にロックしたり図6のように起立を許したりするために使われる。
図1ないし図3はベンチ式堤防装置Bは平常時にあって全て起倒部材27…が伏倒した状態でまたロック錠38の施錠によりその状態を保持している。起倒部材27はベンチ座面を提供する。起倒部材27には、図3のように背もたれ39を設けてもよく、この場合、背もたれ39は起倒部材27に挿し込み自在にしたり起倒自在に埋め込んで装備してもよい。こうした平時においてはベンチ基台12上に水平で低く起倒部材27が畳まれた状況にあるので、540mm程度と低くなっていて景観に悪影響を与えるものではない。
洪水が発生したときは、それよりも前あるいはその後において、ロック錠38が外されて起倒部材27…を持ち上げて起立させるように対処する。起倒部材27はエアーダンパー35が作用するもと回転連結具31を中心に軽快に持ち上げられる。起倒部材27は、起立時基部シール33が受金具14に弾圧されて停止されるとともにサポート支柱16が図6のようにクランプハンドル17で止め付けられた突っ支い棒として支持される。図4の実施形態では、図5の略図のように右側矢印のように下流側の起倒部材27を持ち上げれば前後に連係関係になった側突辺部27b、27bが起倒部材間シール28…を介して図5の左複数個の起倒部材27…を同時に持ち上げるようになる。
起倒部材27…の持ち上げ手順を事前に決めておくだけで前記連係関係を利用して複数同時の持ち上げが可能になり、記録的短時間大雨情報などが発せられて緊急性を要する場合に起倒部材27を1枚ずつ持ち上げ操作する手間が全く不要で、例えば、図1においてa1の起倒部材27を持ち上げればそれより上流側の複数枚の起倒部材27…が持ち上がりその後a2→a5位置の起倒部材27を順次持ち上げればそれぞれ上流側複数枚(10枚)の起倒部材27…がまとめて持ち上がってゆくので緊急時に素早く堤防構築対策ができる。その際、エアーダンパー35…が起倒部材27…の持ち上げを軽快かつ迅速なものにする。例えば、a2→a4位置の順に起倒部材27を持ち上げればa2位置より上流の20枚の起倒部材27…を、また次にa4位置より上流の20枚の起倒部材27…を次々にまとめて持ち上げることができる。時間的に余裕があれば、最も上流側から起倒部材27を持ち上げてゆけば1枚ずつの起立操作もできる。
図9ないし図12はベンチ式堤防装置Bについての他の実施形態を示す。
図9ないし図12は洪水対応時の装置Bの状態を示し、これらにおいてXは洪水時の流れ方向を示す。3は左岸堤防で、高水敷から表のり面5を超えたところに歩道6が設けられ、その近くには車道が通されているとともに車道の脇には観光地によくみられる土産物屋とか旅館などの諸建物が設けられている。
ベンチ式堤防装置Bは、河川岸、海岸、湖沼水畔などを設置対象にして複数連設式に配設される形式のもので、ここでは、河川岸の歩道6上における上流側から下流側に向けて1列状に配設されている。ベンチ式堤防装置Bの個々は、下側堤防部材になるコンクリートブロック製のベンチ基台42を備える。ベンチとしてみるとき図9のようにベンチ基台42の左側を前とし右側を後として表現すると、このベンチ基台42は、底面が前後610mm×左右1435mmの矩形をしており、高さは500mmになっている。ベンチ基台42の前突部分42aは高さ500mmになっており、後突部分42bは430mmの高さとされ、ベンチ基台42は前後間に大きな凹溝(収納溝)43を形成したU字溝型になっている。
後突部分42bには、長さ1435mmのアングル型のSUS製受金具44が止着具により固定されている。46はドレン孔で、凹溝43内に洩れ出た水を排除するためのものである。47は固定杭で、ベンチ基台42の2個所に開けられた通孔を通じて歩道6に対してベンチ基台42を固定するために打設されている。各ベンチ基台42は、歩道6の上面と同面状あるいは少し高くしたコンクリート基礎(図示省略)の上に固定設置するようにしてもよい。
ベンチ基台42,42間には図10のような隙間49…ができるが、この隙間49の後側端には、シリコン充填剤等の左右隙間シール(シール手段)50を注入固着しておいて河川側(後側)からの洪水の浸入を阻止するようにする。ベンチ基台42の一方あるいは双方の側壁には、左右隙間シール50と同等な縦長状シール部材を予め接着しておいてベンチ基台42,42を設置施工する際にそのシール部材が左右からの力で弾性圧潰されてシール作用を発揮するように構成してもよい。
52は伏倒時にはベンチ座板ともなり起立時には上側堤防部材となる起倒部材であり、この起倒部材52は、軽量・強度のあるSUS枠組み製のものとされ、矩形な本体部分(縦790×横1375mm:厚み40mm)52aとその左右端部に60mm程突き出した側突辺部52b、52bとよりなる。
本体部分52aは、相対向する前後の矩形板と上下端および左右端に設けた細長い各板などで扁平矩形枠状フレームとされ、側突辺部52bは、図10に示すように本体部分52aの流れ方向Xの上流側に対応するものが起立時に前側にまた下流側に対応するものが起立時に後側にくるように突設されている。
前後に対応する側突辺部52b、52b間には、本体部分52aの上下長さに合致する長い起倒部材間シール(シール手段)53が介装されている。このシール53は、側突辺部52bの流れ方向下流側のものに取り付けられている。側突辺部52b、52bは、流れ方向の下流側のものが後側にまた上流側のものが前側にあって対向するようにしてあるので、洪水時の流れが側突辺部52b、52b間に浸水しにくくなっている。側突辺部52b、52bは起倒部材52が回転する方向に対向する関係となるような部分ともいえる。
こうした起倒部材52は、左右一対の回転連結具55を介して水平な伏倒状態と垂直な起立状態とに切り換えられるように取付支持されている。起倒部材52の回転基部裏面には、起立時基部シール56が水平方向に長く設けられ、起倒部材52が垂直に起立したときに図9のようにベンチ基台42の後面に当たって水密状態を保つようになっている。同シール56は、図9の紙面に直交する方向い伸びて互いに密になるように連設され、起倒部材52とベンチ基台42間を通じて浸水が発生しないようになっている。
さらに、ベンチ基台42と起倒部材52との間には、エアーシリンダ(起立保持手段の一つ)58が連結して設けられ、起倒部材52…が同時起立連動するようになっている。59はそのためのエアー配管であり、その供給源は図示省略されている。エアーシリンダ58は洪水時の水圧で内部エアーが圧縮されて短縮することも考えられるため、図6のようなサポート支柱16を追加装備することもある。
エアーシリンダ58に代えて油圧あるいは水圧シリンダ(起立保持手段を兼ねる)でもよいし、例えば、油圧方式である場合には、豪雨浸水による停電で使用不可になるおそれのある商用電源は使わず手動レバー式油圧ジャッキにみられるような回路構成のものにすることができる。一方、前記エアーシリンダ58である場合には、充電バッテリ駆動方式の手持型小型コンプレッサを使用するタイプにしてもよい。これらの流体駆動方式は、図1ないし図8にみられるベンチ式堤防装置Bにも適用することができる。一方、図9ないし図12のベンチ式堤防装置Bは、エアーシリンダ方式でなくエアーダンパー方式あるいは起倒部材に付属のカウンタウエイト方式によることができる。
このベンチ式堤防装置Bは、図9の仮想線のように、平常時、起倒部材52が水平に伏倒した状態とされ、その場合起倒部材52はベンチ座面を提供する。起倒部材52の所望のものを起立させて背もたれとしてベンチを使用することもできる。こうした平常時においてはベンチ基台42上に起倒部材52が低く畳まれた状態にあるため、景観に悪影響を与えるものではない。
洪水が発生したときは、それに前後してエアーシリンダ58…が伸長駆動されることで全ての起倒部材52…が持ち上げられて起立状態とされる。起倒部材52は、起立時基部シール56が受金具44に弾圧されて停止されるとともにエアーシリンダ58…がロックされること起倒部材52…が倒れることが阻止される。起倒部材52は、図6のようなサポート支柱16により突っ支い棒として支持されるようにしてもよい。サポート支柱16の他の例として、図13に示すように、筒状ロックスライダ61を備え折畳式としたサポート支柱62にしてもよく、サポート支柱62は平常時はV字形に折り畳まれてロックスライダ61は一方のリンク周りに位置しており、起倒部材52がエアーダンパー63により開かれるとサポート支柱62は1本化してロックスライダ61によりスライドロックされた状態とされるものである。
図14はベンチ式堤防装置Bについてのベンチ基台66と起倒部材67の組み合わせの仕方を示したものである。前記実施形態では1個のベンチ基台に1枚の起倒部材を連結装備したものであったが、図14に示すように、複数個(3個など)のベンチ基台70…に対し1枚の起倒部材71を組み合わせたり、図15に示すように、1個のベンチ基台70に対し複数枚(2枚など)の起倒部材71…を組み合わせたりすることができる。図14の例の場合、起倒部材71を全体的に素早く起立させることができる。図15の右側欄に示すように、ベンチ基台70の端部と起倒部材71の端部同士を合わせる必要はない。
図1に示すようにベンチ式堤防装置Bを河川岸に只単に連設すると景観を良くするとともに洪水対策にもなりが、平常時において高水敷4など河川側に降りたりする必要がある場合に邪魔になったりするおそれもある。図16および図17に示す実施形態は、そうしたことに対応するためのものである。
即ち、ベンチ基台74と起倒部材75との組み合わせでなる1.5m長さのものを6個など複数並べて配置したベンチ式堤防装置B…を一定の間隔をおいて配置し、その間隔位置を河川側へ繋がる階段(あるいはスロープ)76に位置対応させて降りる用のないときはゲート受部77、77間に角落とし式で上下複数段に挿し入れられた遮水ゲート78…によって通過できないようにしかも洪水対策用とし、降りる用が出たときは遮水ゲート78…を抜き去って通過できるように開閉式遮水ゲート装置Gを構成したものである。遮水ゲート78…の上下間およびゲート受部77,77との間など遮水ゲート装置Gは図示しないシール手段で水密構造になっている。また、遮水ゲート78…は、取り外し時起倒部材75上あるいはベンチ基台74内に置いておくことができる。
図18は他の実施形態を示す。80はベンチ基台、81は起倒部材で、起倒部材81は差込孔83を備え、その孔83に挿入ロッド84を挿し込むようにして背もたれ85を脱着自在に構成してベンチとしてより有効に機能するようにしてある。この背もたれ85は、ベンチ基台80内に収納しておくこともできる。背もたれ85は図18の右側欄のように曲げパイプ製にしてもよい。この実施形態は他の実施形態にも適用できる。
図19は他の実施形態を示す。起倒部材80にはヒンジ87を介して起倒自在に背もたれ85が設けられるとともに起倒部材80上には背もたれ85を起立状態に保持する背受け材88が突設されている。この実施形態も他の実施形態に適用することができる。
図20および図21は他の実施形態を示す。この実施形態は、図3および図6に示すようなベンチ式堤防装置Bを前提とする。即ち、このベンチ式堤防装置Bは、底面と前後面および左右面を備え内部に凹所をもって上端開放状にした立体角形をしたコンクリート製ベンチ基台90と、このベンチ基台90に起倒自在にされた金属製や樹脂製などの起倒部材91と、ベンチ基台90に起倒部材91を回転自在につなぐ回転連結具92とを有するもので、回転連結具92はベンチ基台90の後端上に配置されるとともに、起倒部材91は閉止時後方へ張り出すようにされる一方起立されたときはその後端の起立時基部シール93がベンチ基台90の裏面に水密状に当たって起倒部材91を垂直に保持するようになっている。起倒部材91は、サポート支柱94を介して起立状態を維持できるようになっている。
こうしたベンチ式堤防装置Bのベンチ基台90の左右には、一体形成された縦向きのU字溝95を介して縦長(1m)状のゲート受部96が差し込み固定される。このゲート受部96は止着板97によってガイドと抜け止めがなされるよういなっている。このゲート受部96がU字溝95内に挿し込まれるのは洪水のおそれが出て起倒部材91が起立操作されたあとからである。これらゲート受部96の左右に離れて対向するものを介して複数枚の遮水ゲート98…が角落とし式に落とし込まれて水密を確保できるようになっている。遮水ゲート98…同士は図21の左欄や右下欄に設けたゲートシール材99により上下間および下端部において水密化が施されている。
ゲート受部96はベンチ基台90の左右側部に添って上方に500mm程度高く伸び、その高く伸びた後面には図21の右欄のような起倒部材・ゲート間シール100が貼付けられ、このシール100が起立した起倒部材91の左右前面に当たって起倒部材91と遮水ゲート98間の前後間密閉をするようになっている。101は河川に降りる際の階段である。
ベンチ式堤防装置B間の遮水ゲート装置Gは平常時は撤去され開放状態にある。平常時、これらゲート受部96の2本と遮水ゲート98の4本は、図20に仮想線で示すようにベンチ基台90内に収納されるようになっている。遮水ゲート装置Gに対応する開放個所は各所に設けられるが、そのうちの1乃至3個所にのみ前記階段101が対応して河川に降りることができるようになっている。
洪水で危険性が高まる前に全ての起倒部材91…は起立され、その際基部の起立時基部シール93がベンチ基台90裏に当たることにより起倒部材91とベンチ基台90との間の下方からの水密化は図れる。
そのあと取り出されたゲート受部96がU字溝95に差し込まれて起立保持され、それらの対向間には同じく取り出された遮水ゲート98…が落とし込み式にセットされる。これにより、起倒部材・ゲート間シール100が起倒部材91との間の水密化をして洪水対策をする。102は杭である。
図22に示すように、起倒部材91は2つ折畳式にしてさらに上乗せした高さ(1500mm程度)にできるようにしてもよい。この場合ゲート受部96を長くして高く積み上げることができるようにするとともに起倒部材・ゲート間シール100も高く長くし、さらに起倒部材91と遮水ゲート98間を天部連結具104で連結して洪水水圧に対処できるようにする。
図23ないし図25は他の実施形態で、ベンチ式堤防装置Bと遮水ゲート装置Gを交互に配置したものにおいて、特にシール手段を簡易化したものに関する。
110は河岸上の歩道で、ベンチ式堤防装置Bは、コンクリート製で内部に凹所111をもつ上面開放型の角形立体のベンチ基台112と、そのベンチ基台112を固定するための杭113と、起倒部材114を備える。
ベンチ基台112の後端上面2個所には、軸受116と回転軸117が設けられて回転連結具を構成し、起倒部材114の対応する2個所に形成された凹欠部が軸受116に嵌り合うようにされるとともに回転軸117が凹欠部に挿通されることで起倒部材114が起倒自在に連結支持されている。
ベンチ基台112の各左右側面後端には、ベンチ基台112の高さと同じな500mm長さのU字枠状下側ゲート受部119が固着されているとともに、起倒部材114の左右両側にもU字枠状をした上側ゲート受部120が固着されている。下側と上側ゲート受部119,120は枠寸法仕様・長さは同じであるが、上側ゲート受部120の基部端は前隅部が丸くあるいは面取り状になっていて図25のように伏倒と起立状態に切り換え自在になっている。起倒部材114の後端にはウエイト121が設けられていて起倒部材114を起立自在にしストッパとして垂直に保持するようにしている。
平常時は、ベンチ基台112上に起倒部材114が伏倒されてベンチとしても使用できるようにされるが、その中には複数枚の遮水ゲート123…とサポート支柱124が収納されている。平常時、上側ゲート受部120は水平に向いている。洪水の危険がある前には、起倒部材114が垂直に立てられることにより垂直に連続した形になった上下ゲート受部119,120間に遮水ゲート123…を落とし込むようにしてベンチ式堤防装置B間をつなぎ遮水ゲート装置Gを構築するものとする。
上下ゲート受部119,120の境目に遮水ゲート123の境目が一致すると水圧により上側ゲート受部120を含む遮水ゲート123が前側に倒れるので遮水ゲート123の板幅は例えば、250mmにしておけば同ゲート123の中段の上下中間位置が上下ゲート受部119,120間にくるので倒れないようになる。ベンチ基台112と起倒部材114間にはサポート支柱124を突っ支い棒として設けるので起倒部材114の倒れは防止される。
尚、図25の右欄のように、起倒部材114を上下2段にして連結しておけば高くなるとともに遮水ゲート123…も高く得られる。前記起倒部材114はエアーダンパーにより軽快に起倒するようにしたり、エアーあるいはオイルシリンダ駆動にしてもよい。起倒部材114の基端面部にはシールを施すが、それとは別に例えば、ウエイト121を起倒部材114と同様の幅広型にしその裏面にシール材を設けてベンチ基台112の背面に弾性当接するようにしたものを組み合わせればよりシール性が高まる。このことは以下の実施形態でも適用できる。
図26ないし図28は遮水ゲートの差し込み向きを変えた実施形態である。
この実施形態は、ベンチ式堤防装置Bと遮水ゲート装置Gを交互に配置したものにおいて、特にシール手段を簡易化したものに関する。
128は河岸上の歩道で、ベンチ式堤防装置Bは、コンクリート製で内部に凹所129をもつ上面開放型の角形立体のベンチ基台130と、そのベンチ基台130を固定するための杭131と、起倒部材132を備える。
ベンチ基台130の後端上面2個所には、軸受133と回転軸134が設けられて回転連結具を構成し、起倒部材132の対応する2個所に形成された凹欠部が軸受133に嵌り合うようにされるとともに回転軸134が凹欠部に挿通されることで起倒部材132が起倒自在に連結支持されている。
ベンチ基台130の各左右側面後端には、ベンチ基台130の高さと同じ500mm長さのU字枠状下側ゲート受部136が固着されているとともに、起倒部材132の左右両側にもU字枠状をした上側ゲート受部137が固着されている。下側と上側ゲート受部136,137は枠寸法仕様・長さは同じであるが、上側ゲート受部137の基部端は前隅部が丸くあるいは面取り状になっていて図28のように伏倒と起立状態に切り換え自在になっている。起倒部材132の後端にはウエイト138が設けられていて起倒部材132を起立自在にしストッパとして垂直に保持するようにしている。
平常時は、ベンチ基台130上に起倒部材132が伏倒されてベンチとしても使用できるようにされるが、その中には1枚の遮水ゲート140とサポート支柱141が収納されている。平常時、上側ゲート受部137は水平に向いている。洪水の危険がある前には、起倒部材132が垂直に立てられることにより垂直に連続した形になった上下ゲート受部137,136間に遮水ゲート140を落とし込むようにしてベンチ式堤防装置B間をつなぎ遮水ゲート装置Gを構築するものとする。
尚、遮水ゲート140は、1枚板ものになっているが、例えば、縦線を折畳線として図26のように歩道側にヒンジを有する折畳式のものにしてもよい。折畳線は横向きであってもよい。図28の右欄に示すように、ベンチ式堤防装置Bは起倒部材132が反河川側に起立するような位置関係になるような構成にしてもよい。このことは他の実施形態でも適用できる。
図29および図30は他の実施形態を示す。この実施形態は、ベンチ式堤防装置B間に遮水ゲート装置Gを組み合わせ配置するものであって、145は河岸上の歩道で、ベンチ式堤防装置Bは、コンクリート製で内部に凹所146をもつ上面開放型の角形立体のベンチ基台147と、そのベンチ基台147を固定するための杭148と、起倒部材150を備える。
ベンチ基台147の後端上面2個所には、軸受151と回転軸152が設けられて回転連結具を構成し、起倒部材150の対応する2個所に形成された凹欠部が軸受151に嵌り合うようにされるとともに回転軸152が凹欠部に挿通されることで起倒部材150が起倒自在に連結支持されている。
ベンチ基台147の各背面左右端には、ベンチ基台147の高さと同じ500mm長さのZ字形下側ゲート受部154がその溝がベンチ基台147間において対向するようにして固着されているとともに、起倒部材150の背面左右両端にもZ字形をした上側ゲート受部155が固着されている。下側と上側ゲート受部154,155は枠寸法仕様・長さは同じである。起倒部材150の後端にはウエイト156が設けられていて起倒部材150を起立自在にしストッパとして垂直に保持するようにしている。
平常時は、ベンチ基台147上に起倒部材150が伏倒されてベンチとしても使用できるようにされるが、その中には1枚の遮水ゲート158とサポート支柱が収納されている。平常時、上側ゲート受部155は水平に向いている。洪水の危険がある前には、起倒部材150が垂直に立てられることにより垂直に連続した形になった上下ゲート受部155,154間を通じて遮水ゲート158を落とし込むようにしてベンチ式堤防装置B間をつなぎ遮水ゲート装置Gを構築するものとする。遮水ゲート158は鍔付き扁平溝型鋼(あるいは樹脂)のような1枚もの(長さ1000mm)である。上下ゲート受部155,154は上下に離れているものの上下に位置が合致しており、そこに遮水ゲート158を上から差し込むことによって一本になるものである。
図31ないし図33は他の実施形態を示す。この実施形態は、一連式のベンチ式堤防装置Bにおいて一つのレバー持上げ操作を行えばそれに連係して複数枚の起倒部材が持ち上がり緊急対策を素早くとれるようにしたものである。
160は河岸上の歩道で、ベンチ式堤防装置Bは、コンクリート製で内部に凹所161をもつ上面開放型の角形立体のベンチ基台162と、そのベンチ基台162を固定するための杭と、起倒部材164を備える。
ベンチ基台162の後端上面2個所には、回転連結具165が設けられ、これら回転連結具165を介して起倒部材164が起倒できるようになっている。166はエアーダンパーであり、起倒部材164の複数枚は、図32に示すように、端部が段付状をなして互いに係合する関係になっている。164aは段付部である。167は一つの起倒部材164に出し入れ自在に設けたレバーで、このレバー167を図33のように引き出して持ち上げることによってレバー167をもつ起倒部材164だけでなくそれに隣り合う起倒部材164、さらに隣の起倒部材164が持ち上がる。レバー167は、図33の仮想線のように、水平に回転させて引き出すようにしてもよい。また、起倒部材164…相互の連係は、図32の上部左欄のように斜め対向面状(シール付き)にしたもの、その右欄のように連結板168で繋いだものにしてもよい。
図34および図35は同じくレバー操作により複数枚の起倒部材を素早く立ち上げて起立状態にすることができる実施形態を示す。170は河岸上の歩道で、ベンチ式堤防装置Bは、コンクリート製で内部に凹所171をもつ上面開放型の角形立体のベンチ基台172と、そのベンチ基台172を固定するための杭と、起倒部材173を備える。
ベンチ基台172の後端上面2個所には、回転連結具174が設けられ、これら回転連結具174を介して起倒部材173が起倒されるようになっている。176はエアーダンパーである。ベンチ基台172の隣り合う複数には、連動軸177が通されており、この連動軸177周りには、くの字状に曲がって先端が起倒部材173に連結された連動リンク178が取り付けられている。この連動リンク178は、図35のように伸ばされることで起立した起倒部材173を裏からロックするようにするものである。180はウエイトであり、181はレバーである。
洪水対策として、レバー181を図35の矢印方向に持ち上げ操作すると、連動軸177を介して連動リンク178…が同時連係して伸展駆動され、これにより起倒部材173…の複数枚が同時に持ち上がって起立し同時に連動リンク178の折れ曲がりロック機能により起倒部材173…は水圧に対向し得る状態とされる。ベンチ式堤防装置Bの左右には遮水ゲート装置Gが設けられる。ベンチ式堤防装置Bには図6のようなサポート支柱を設けてもよい。
図36および図37は1本のレバーの操作により隣り合う複数枚の起倒部材を同時に素早く起立させるようにした他の実施形態を示す。184は河岸上の歩道で、ベンチ式堤防装置Bは、コンクリート製で内部に凹所185をもつ上面開放型の角形立体のベンチ基台186と、そのベンチ基台186を固定するための杭187と、起倒部材188を備える。
ベンチ基台186の後端上面2個所には、回転連結具190が設けられ、これら回転連結具190を介して起倒部材188が起倒されるようになっている。各起倒部材188の後端には後方に突き出す形でウエイト191が設けられている。ベンチ基台186の3個あるうちの両端のものの背面(川側)には、レバー192,192が軸支されて垂直状態と一定角度間を往復可能に設けられ、それらレバー192,192間にはロッド型の連動条材193が掛け通されている。各ベンチ基台186の背面のウエイト191下方に対応する個所には、連動レバー194…が一定角度範囲で回転可能なように支持されて前記連動条材193に連結されている。連動レバー194の各上端にはローラー195が設けられていて持ち上げ時のウエイト191に下方から当たって支えるようになっている。
洪水対策として、レバー192のいずれかを図36の矢印方向に操作することにより、連動条材193を介して連動レバー194…が同じ方向に揺動させ、これにより、ローラー195…がウエイト191の下から外されて起倒部材188…のすべてを図37のように起立させることになる。196はゲート受部、197は遮水ゲートで、ベンチ式堤防装置Bの左右に遮水ゲート装置Gを構成してあるが、図示したベンチ式堤防装置Bの左右に同じ構成のベンチ式堤防装置B,Bを連続して設けてもよい。ベンチ式堤防装置Bには図37のようなサポート支柱198を設けてもよい。尚、ウエイト191は、図37の右欄のように前後に移設可能にして1枚ずつ起倒部材188を戻しておいてローラー195を戻し回転させさらにウエイト191をローラー195上にくるように戻しておくことで1枚ずつ確実に戻し・ロックできるように構成してもよい。
図38ないし図40は1本のレバーの操作により隣り合う複数枚の起倒部材を同時に素早く起立させるようにした他の実施形態を示す。200は河岸上の歩道で、ベンチ式堤防装置Bは、コンクリート製で内部に凹所201をもつ上面開放型の角形立体のベンチ基台202と、そのベンチ基台202を固定するための杭203と、起倒部材204を備える。
ベンチ基台202の後端上面2個所には、回転連結具205が設けられ、これら回転連結具205を介して起倒部材204が起倒されるようになっている。各起倒部材204の後端には後方に突き出す形でウエイト206が設けられている。ベンチ基台202の3個あるうちの両端のものの前面(歩道側)には、レバー208,208が軸支されて垂直状態と一定角度間を往復可能に設けられ、それらレバー208,208間には連動ロッド209が掛け通されている。
各ベンチ基台202の前面左右間には、連動レバー210…が一定角度範囲で回転可能なように支持されて前記連動ロッド209に連結されている。連動レバー210の各上端には、図40の矢印方向にスプリングで垂直に戻り得るような鉤型閉ロックレバー211が取り付けられている。この閉ロックレバー211は、起倒部材204の前面左右間に突設したロックピン212が上方から乗り掛かると斜めカム213を蹴り出して外してのちさらにロックピン212がレバー211を乗り越えて下がることによりカム213の下側に係合されてロックされるようになっている。
平常時には、図38および図39のように、ロックピン212が閉ロックレバー211に掛け止めされることによりウエイト206が作用しても起倒部材204は伏倒状態に維持されている。洪水対策として、連動レバー210のいずれかを図38の開方向に操作すれば、連動ロッド209を介してすべてのレバー208…が矢印方向に回転シフトされ、それにより先端のピン212から外れることで、ウエイト206の作用で起倒部材204…のすべてが起立するのである。
215はゲート受部、216は遮水ゲートで、ベンチ式堤防装置Bの左右に遮水ゲート装置Gを構成してあるが、図示したベンチ式堤防装置Bの左右に同じ構成のベンチ式堤防装置B,Bを連続して設けることもあるし、一方はベンチ式堤防装置Bで他方は遮水ゲート装置Gとされることもある。ベンチ式堤防装置Bには図39のようなサポート支柱217を設けてもよい。洪水対策を終えたあとは、レバー208を元の垂直状態に戻して置けば連動レバー210および閉ロックレバー211が垂直に戻され、その状態で各起倒部材204を閉方向に戻すことによりロックピン212が図40のようにカム213を蹴り避けたあと復帰して係止ロックされることにより起倒部材204が素早い操作でもって閉状態に保持される。
B…ベンチ式堤防装置 G…遮水ゲート装置 1…河川 2,3…岸堤防 12…ベンチ基台 24,28,30,33…シール手段 27…起倒部材 31…回転連結具。

Claims (3)

  1. 河川岸、海岸、湖沼水畔などを設置対象にして複数連設式に配設されるベンチ式堤防装置である高さ可変型堤防装置であって、下側堤防部材になるベンチ基台と、このベンチ基台の河川等の増水側である背側に設けられる回転連結具と、ベンチ基台に対して回転連結具を介して起倒自在に装備され伏倒時にはベンチ座板ともなり起立時には上側堤防部材となる起倒部材とを備えるとともに、起倒部材を起立状態に保持する起立保持手段と、少なくとも、ベンチ基台の隣り合う間と起立状態の起倒部材の隣り合う間並びに起立状態の起倒部材とベンチ基台との間に設けられて増水側からの水を遮蔽するシール手段とを備えていることを特徴とする高さ可変型堤防装置。
  2. 請求項1に記載の高さ可変型堤防装置において、起倒部材の左右に隣り合う側端部には、起倒部材が回転する方向に対向する関係となるような側突辺部が設けられている高さ可変型堤防装置。
  3. 請求項2に記載の高さ可変型堤防装置において、起倒部材の左右に隣り合う側端部に設けた側突辺部間に、起立状態の起倒部材の隣り合う間を遮蔽するシール手段が設けられている高さ可変型堤防装置。
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