JP6528152B2 - 非常用防護装置 - Google Patents

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Description

本発明は、平時は低く納まった待機姿勢とされる一方津波や高潮、河川氾濫危険時などの非常時において堰き止め機能をするようにした非常用防護装置に関する。
先般の東日本大震災のあと下記のような津波対策用の非常用防護装置が提案された。
特開2016−044530
特許文献1に開示された非常用防護装置は、平時は環境を損なわない低い退避姿勢にある一方において津波が襲来してくるような非常時には想定した十分な高さに伸びて待機して津波や船舶やコンテナなどの漂流物等をそこで確実に堰き止め防護するようにしたもので、具体的には、津波・高潮などの襲来が想定される特定地域を対象にして襲来に先立って始動される油圧シリンダや電動シリンダなどの直動式シリンダで垂直に昇降自在な可動堰を配備してなる非常用防護装置であって、この可動堰は、垂直式のピット内に堰端部同士が堰間密閉部材を介して水密式にして隣合う関係で複数枚列状に配備されて平時は上面が閉止された状態でピット内に納まり非常時には直動式シリンダにより地盤より高く上昇するようになっている。
ところで、この非常用防護装置は、横長状矩形板でなる前板と後板を有しその左右の端部に縦長状矩形板でなる端板を有するとともに上端に横細長状の堰蓋を備え底面は開放状としてなる中空体である可動堰を垂直に開けたピット内に装備して直動式で垂直向きのシリンダにより昇降動作可能に構成したものである。この可動堰は、平時はピット内に納まった待機状態とされる一方非常時には直動式シリンダにより持ち上げられて津波に対抗するようにされる。可動堰は、その下側基部である極く一部のみがピット内に残された状態とされる。
可動堰は、堰上部の前後に対応するようにピット側に定置的に配備した上部ガイドローラと堰下部の前後に取り付けられてピット側に対し上下移動自在とした下部ガイドローラとによって昇降自在にガイドされ、上昇限においては、上部ガイドローラとその下側に上昇してきた下部ガイドローラとによって堰基部一部が支持されるようにされていたため、前方から津波流である大きな衝撃負荷が作用すると中空型堰下部が変形して後倒れするおそれがあり、またその後倒れを防止するため上昇に伴い斜めに立ち上がる方式の斜材を付属装備しているのであるが、この斜材は平時において装置の背方へ長く延びた形にセットしておく必要があることから例えば、前後幅が1〜1.5m程度の細幅に限られる防護堤防にこの斜材構造は付属装備しにくく、結局斜材なしの可動堰となるため後倒れなどの損壊のおそれが避けられなかった。
本発明は、このような問題を解決しようとするものであり、斜材構造なしで前後幅の短い装置として堤防などに納められるだけでなく斜材構造なしで津波や高潮などの襲来に強く抵抗して後倒れなどの損壊のおそれのない非常用防護装置を提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、津波・高潮などの襲来が想定される地域の基盤に形成された基礎躯体内には、襲来する側を前側とした場合の左右に相当する方向が長くなった細長溝状をしたピットが形成され、このピット内には、横長な矩形状をなす板であって前後において間隔を置いて対向状に配備される前・後板とその左右端部に設けた縦長状の端板及び上端の堰蓋とを有して扁平矩形の中空体とされた可動堰がピット内に収まった待機姿勢と上昇した堰止姿勢とに昇降装置を介して昇降可能に設けられるとともに、可動堰は、可動堰に対しその前・後板に当たるようにピット上部内に設けられた上部定置ローラーと、可動堰の下部に設けられてピット内に沿って昇降運動する昇降ローラーとを有してピット内で昇降案内されるようにされ、前記昇降装置は、下部がピット底部側に固定された下受台に連結され上部が可動堰上部内に固定された上受台に連結されたパンタグラフ機構と、駆動源を含むものでパンタグラフ機構を昇降駆動させるパンタグラフ駆動機構とを備えたものである非常用防護装置であって、前記ピット内の上部には、可動堰の前・後板に対し滑り得るような固定シューである支圧板が左右複数個所に配備され、前記パンタグラフ機構は、可動堰内の左右位置に対向配置され前記パンタグラフ駆動機構の駆動により対向する左右方向に進退駆動可能とされた進退ジョイントと、前記進退ジョイントの前後面と下受台との間に各連結軸を介して連結装備された前後一対の下側のリンクと、前記進退ジョイントの前後面と上受台との間に各連結軸を介して連結装備された前後一対の上側のリンクとを備えるとともに、前記パンタグラフ機構は、前後一対でなるリンクが可動堰の内面に対し直接あるいは他の層材を介して間接的にスライド可能に構成されていることを特徴とする。パンタグラフ機構とはリンクを菱形、六角形、に組み合わせたものをいう。駆動源には電動モーター、流体・電動シリンダ、噛み合いチェーン、あるいは手動操作手段によるものなどを含む
上述したように本発明は、津波・高潮などの襲来が想定される地域の基盤に形成された基礎躯体内には、襲来する側を前側とした場合の左右に相当する方向が長くなった細長溝状をしたピットが形成され、このピット内には、横長な矩形状をなす板であって前後において間隔を置いて対向状に配備される前・後板とその左右端部に設けた縦長状の端板及び上端の堰蓋とを有して扁平矩形の中空体とされた可動堰がピット内に収まった待機姿勢と上昇した堰止姿勢とに昇降装置を介して昇降可能に設けられるとともに、可動堰は、可動 堰に対しその前・後板に当たるようにピット上部内に設けられた上部定置ローラーと、可動堰の下部に設けられてピット内に沿って昇降運動する昇降ローラーとを有してピット内で昇降案内されるようにされ、前記昇降装置は、下部がピット底部側に固定された下受台に連結され上部が可動堰上部内に固定された上受台に連結されたパンタグラフ機構と、駆動源を含むものでパンタグラフ機構を昇降駆動させるパンタグラフ駆動機構とを備えたものである非常用防護装置であって、前記ピット内の上部には、可動堰の前・後板に対し滑り得るような固定シューである支圧板が左右複数個所に配備され、前記パンタグラフ機構は、可動堰内の左右位置に対向配置され前記パンタグラフ駆動機構の駆動により対向する左右方向に進退駆動可能とされた進退ジョイントと、前記進退ジョイントの前後面と下受台との間に各連結軸を介して連結装備された前後一対の下側のリンクと、前記進退ジョイントの前後面と上受台との間に各連結軸を介して連結装備された前後一対の上側のリンクとを備えるとともに、前記パンタグラフ機構は、前後一対でなるリンクが可動堰の内面に対し直接あるいは他の層材を介して間接的にスライド可能に構成されていることを特徴とするので、斜材構造なしで前後幅の短い装置として堤防などに納められるだけでなく斜材構造なしで津波や高潮などの襲来に強く抵抗して後倒れなどの損壊のおそれのない非常用防護装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態である非常用防護装置を図2のI−I線に対応して示す平面図。 図1のII−II線断面図。 図2のIII−III線断面図。 第2実施形態である非常用防護装置を図5のIV−IV線に対応して示す断面図。 図4のV−V線断面図。 他の実施形態を示す縦断正面図。 他の実施形態を示す縦断正面図。 他の実施形態を示す縦断正面図。 他の実施形態を示す縦断正面図。 他の実施形態を示す縦断正面図。 他の実施形態を示す正面図。
図1ないし図3は本発明である非常用防護装置の第1実施形態を示すもので、例えば、洪水が発生するおそれのある河川敷を襲来が想定される地域として非常用防護装置を構築したものを示している。
1は河川敷や河岸である基盤で、この基盤1は、土壌地盤であって、図示のようにT字形断面をしたコンクリート製基礎躯体2が数十mの長さをもって構築されている。この基礎躯体2は、例えば、海岸堤防などのように全体がコンクリート製である場合にはそれらと一体とされる。
基盤1は、例えば、航空機が離着陸するための舗装路面である飛行場基盤のこともあり、また、基盤1としては、例えば、船舶が停泊して人の乗り降りや荷役作業などが行われるコンクリート岸壁を含む臨海スペースやコンテナ埠頭などがその対象として挙げられる。基礎躯体2は、図1において下側が、図2において手前側が、図3において左側がそれぞれ前側(洪水や津波などの襲来側)となっている。
基礎躯体2の上面は基盤1と同一高さ面とされるとともに、その内部には細長溝状のピット3が形成されており、このピット3はT字形横断面で全深さ2.8mの溝空間となっている。4は前後の立面壁、5は上段差部、6は底壁である。
立面壁4,4間の対向寸法は600mm、上段差部5は段差寸法が90mmでその高さは770mmとされている。底壁6上には、モルタルによる底版仕上げ7が、また立面壁4,4の対向面上には立面壁仕上げ8,8が形成されている。
底版仕上げ7には、複数の底アンカー10…が設けられ、これら底アンカー10…を介して左右に長くして台枠11が固定設置されている。この台枠11は、例えば、長尺な溝型鋼を前後に配しその長手間に梯子段状をなす連結材を複数配備一体化したものなどにする。
前記上段差部5内を介して支圧板受金具14がピット3の長手方向適所において固定配備され、その対向する各内面には図2の破線のような矩形板状で図3のように一定厚みをもつ固定シューである支圧板15が図2のように左右中間とその左右離間した個所に固定配備されている。支圧板15は、滑り性能が良く強度も充分な樹脂ブロック製のものが用いられる。
17はSUS等の金属製可動堰(ゲート本体)であり、この可動堰17は、前後に離れて対向する前板18と後板19と、その左右各端部に設けた縦長状の端板20,20、及び上端の堰蓋21とを有する扁平矩形中空体とされている。
前板18と後板19とは、縦×横が2.15m×12mの矩形横長板(SUS製)で、端板20は、幅が300mmで高さが2.15mとされている。堰蓋21は、前後幅が76mmで左右長さが12m程度である。
可動堰17は、これら前・後板18,19と両端板20および堰蓋21の5枚の板を図示のように扁平矩形中空立体型に組み合わせて一体ものとしたものであり、その内側上部上下段には図3にも示すように溝型鋼でなる長横桟23,23が一体溶接して補強を果たしている。
可動堰17の内側左右(長手)端部には、短横桟24…の複数や図示しない縦桟などの補強材を前・後板18,19間に渡るようにして配してもよい。これら短横桟24…は後で述べる昇降のための機構と干渉しないことが必要である。
可動堰17の下端面は完全開放型ではなく例えば、左右端部のように後述する内部機構と昇降時に干渉しないことを条件にして下端ローラーブラケット25…を固定配備してそれらに昇降ローラー26…を配備してある。これらの昇降ローラー25…は、立面壁仕上げ8上に添って垂直に配備したアングル材製ガイドレール28に添って上下するようになっている。
30は上部定置ローラーで、上段差部5内の上部に前後に対向するようにして左右複数配備され、その間に可動堰17が転動により垂直上下に案内されるようになっている。可動堰17は、上部定置ローラー30…の他に、前記支圧板15によっても確実に案内される。
上部定置ローラー30…は省略し支圧板15のみによってスライド式に支持するようにしてもよい。一方、支圧板15の方を省略して上部定置ローラー30の方で案内支持をするようにしてもよい。
32は昇降装置で、可動堰17をピット3内に収まった待機姿勢と上昇した堰止姿勢とに昇降駆動させるものである。
この昇降装置32は、下部がピット3底部側の下受台33に軸支され上部が可動堰17上部内の上受台34に軸支された菱形パンタグラフ機構35を要部として備える。このパンタグラフ機構35は、同じ長さの8本のリンク36と、これらリンク36を左右端部において連結する進退ジョイント37と、各連結軸38…とを有する。
進退ジョイント37はその中心にメネジが形成され、左右のメネジは互いに逆向きのネジになっている。
39はパンタグラフ駆動機構を示し、同機構39のうち40は駆動軸で、左右に配した溝型鋼型昇降受枠41上に設けた軸受42…に軸端側が回転自在に支持されるとともに、左右のネジ部が前記進退ジョイント37,37にねじ込まれて接近あるいは離反運動させるようになっている。昇降受枠41はそれぞれ下側のリンク36間にスライド自在に嵌るようにされる結果回転はしないようになっている。その昇降受枠41内には、台枠11上に立設したステー43に取り付けたゴム製ストッパ44がリンク下降限において嵌り込み停止させるものとされている。
駆動軸40の正面からみて左側には、左クラッチ46が設けられてモーターである駆動源47のモーター軸48が差し込まれており、一方駆動軸40の右側には、右クラッチ49を介して手動連動軸50につながれている。各クラッチ46,49には、遠隔操作レバー52が差し込まれてクラッチON/OFFとされる手動クラッチレバー53がそれぞれ設けられていて、これら各クラッチレバー53,3が連動するようにクラッチ連動ロッド54によりつながれている。
左右のクラッチ46,49は、図2に示すように、ON/OFFが互いに逆になるように設定されている。
即ち、駆動源47を使うことを想定した場合、図2の両レバー53,53は右倒れ状態になって左のレバー53はクラッチ46をONにし右のレバー53はクラッチ49をOFFの状態にする。その結果、手動連動軸50を除くモーター軸48と駆動軸40が回転駆動され進退ジョイント37,37を手動系とは無関係に進退駆動することができる。
一方、先に発生する地震などの非常事態によりライフラインが断切して配電不能となった場合、遠隔操作レバー52を挿し込んで右の手動クラッチレバー53を左向きに振り操作すれば左のレバー53も左向きに連動し、これにより、駆動軸40は駆動源47とは断絶される一方手動連動軸50とはつながって手動による駆動軸40の操作が可能な状態となる。そこで、図2のように手動連動軸50上に設けておいた一対のベベルギア装置のような手動連動ギアボックス56に可動堰17の孔を通じて手動ハンドル軸57を挿し込んで所定方向に回すようにすることでパンタグラフ機構35を非常時に上昇駆動させて可動堰17を手動で持ち上げることができるものとなっている。前記パンタグラフ駆動機構39は、駆動軸40、進退ジョイント37、左右クラッチ46,49、駆動源47、手動連動ギアボックス56および手動ハンドル軸57など、駆動源47(あるいは手動ハンドル軸57)とパンタグラフ機構35との間の駆動機構で構成される。
尚、手動ハンドル軸57は、可動堰17の堰蓋21に開けられた口を通じて挿し込まれるようになっているが、図2に示すように、下部57aと上部57bとより分割結合式に構成しておき、下部57aはその下端が手動連動ギアボックス56内に常に挿し込まれた状態にあってその上端ジョイント部には上部57bの下端が周方向に係合自在に挿し込まれるように構成しておけば非常時に挿し込みが自在かつ確実になって直ぐに手動回転操作までもってゆける有利さをもつものとなる。上部57bはボックス56とともに仮想線のように上昇してくるが堰蓋21よりも常に上位にあるように図示程度高く離れたところにハンドルがあるようにしておく必要がある。
前記上段差部5の上部には、図3のように下端にリップを備えアングル型にした長尺状の上部閉止枠60が前後対向状に固定配備されており、この閉止枠60は長いピット3に添って長く伸びており、その一部を介して前記上部定置ロードシーブ30…が配置される一方、その上面から可動堰17へ向けて伸びる定置側シールパッキン61が水密状に設けられるとともに、可動堰17の堰蓋21側からは下向きリップ62だけでなくその内側の堰側シールパッキン63が下降時の堰蓋21と前記上部閉止枠60との間において水密構造を構成するように装着されている。
尚、図3の右欄に示すように、連結軸38の頭部をリンク36の外面より内側に収まるようにしてそのリンク36を直接可動堰17の内面にスライドするようにしてもよく、この場合、リンク36はSUSやアルミなどの金属以外に滑りやすい樹脂製にしてもよく、また、前記右欄よりさらに右欄に示すように金属製リンク36の外面に樹脂層材36aを貼付けたものにしてもよい。
平時には、可動堰17がピット3内に収まって待機する。可動堰17は、図1および図2の実線のように複数列横並びに待機する場合と、図示中央の可動堰17のみが待機する場合とがある。このとき、図3のように、堰蓋21は基礎躯体2の上面と同面状にあり、その裏のシールパッキン61,63で密閉化された状態にある。
そのとき昇降受枠41がストッパ44で受け止められることでパンタグラフ機構35は図2のように低く折り畳まれた状態とされる。また、左右の手動クラッチレバー53,53は右方に位置して駆動源47と駆動軸40が接続された状態とされ、駆動軸40と手動連動軸50および手動連動ギアボックス56とは断切した状態とされている。
尚、可動堰17…を複数列配備する場合、相互間にシール材を介装する。また、ピット3内には溜まった水を排除するための排水ポンプを設置することがある。
河岸・河川敷設置の場合に河川水量が異常になって河岸氾濫の危険が出たり、あるいは港湾・海岸線堤防設置の場合に一定震度以上の地震が発生して津波が襲来するおそれが出たりあるいは高潮の危険が出たような場合に、前以って自動であるいは消防など防災係員等の想定操作によって駆動源47が上昇方向に始動される。
駆動源47が始動されると、手動駆動操作系が独立停止される中で駆動軸40が一定方向に回転され、これにより、進退ジョイント37,37が近づくように応動してパンタグラフ機構35は図2の仮想線のように大きく立ち上がる。
左右の昇降受枠41,41はストッパ44,44から離れて浮き上がり、そのとき、昇降受枠41は下側のリンク36の前後間に挟まれながら回転を規制されつつも相対摺動してゆくので、昇降受枠41は駆動軸40回りに勝手に回転するようなことなくそのままの姿勢を保って上昇してゆくことになる。
可動堰17は、昇降ローラー26と上部定置ローラー30及び支圧板15の案内によって垂直に上昇して安定確実に堰止姿勢を得る。
パンタグラフ機構35は、最初は小さい駆動力であっても大きな上昇力を発生する機構上の特徴をもつことから初動が確実になされ、一旦動き始めたあとは上昇性を保ちながら機構上速く上昇してゆくという特徴をもつ。非常時の作動には非常に有利である。また、この実施形態では、可動堰17の堰蓋21に開けた穴(図示省略)を通じて手動ハンドル軸57を挿し入れ手動連動ギアボックス56を連動操作して駆動軸40を駆動源47とは別個に単独手動操作できるようにしてあるが、この際の手動ハンドル軸57の相手であるパンタグラフ駆動機構39はパンタグラフ機構35の上昇に連れて1/2ずつ上昇するものであることから、比較的低く短い手動ハンドル軸57であっても図2のように可動堰17の上方での操作を可能とする。もしも手動連動ギアボックス56が上昇するパンタグラフ駆動機構39上でなく定置位置に設けられているとすればハンドル軸57は非常に長く高いものにしておかねばならず、高すぎると操作しにくくなるという問題がある。
また、可動堰17が上昇された状態では、ローラー26,30や支圧板15などの前後からの支持を得て津波負荷などに大きく抵抗するのであるが、さらにパンタグラフ機構35のリンク機構が内部での支えとなって洪水・津波に大きく抵抗するので、転倒や損傷防止に大きく寄与するものである。
特に、図3の右欄に示すように、リンク36と可動堰17とを面接触した関係にしておくと上昇した可動堰17をより強く確実に支持することができるようになる。リンク36と可動堰17との間には、図3の右下欄に示すように台枠11などの固定側から立設した内側スライド受板65を中間受材として挟むようにすればさらに強く確実な支持が得られる。可動堰17の外側には固定側として外側スライド受板66を配してより確実に支持し得るようにしてもよい。
図4および図5は非常用防護装置についての第2実施形態を示す。この実施形態は、昇降装置32の要部であるパンタグラフ機構35が同調関係にある左右一対をもって構成されている点が第1実施形態とは異なる。第2実施形態では第1実施形態と多少構成上異なるところはあるが基本的に同様とみられる構成については第1実施形態での符号を流用して説明する。
第2実施形態の非常用防護装置は、河川敷での設置例を示すが、河岸、港湾、海岸堤防などにも設置を可能とする。
1は基盤で土壌地盤であって、コンクリート製基礎躯体2が数十mの長さをもって構築されている。基礎躯体2は、図4の手前側が、図5の左側が前側(洪水や津波などの襲来側)となっている。基礎躯体2の内部には細長溝状のピット3が形成され、このピット3は、前後の立面壁4、上段差部5、底壁6を備え、底壁6上には、モルタルによる底版仕上げ7が、また立面壁4,4の対向面上には立面壁仕上げ8,8が形成されている。
底版仕上げ7には左右に長い台枠11が水平にアンカー固定されている。上段差部5内を介して支圧板受金具14がピット3の長手方向適所において固定配備され、その各内面には図4の破線のような矩形板状の固定シューである支圧板(外側スライド受板)15が左右間とその左右に離間した個所に固定配備されている。支圧板15は、滑り性能が良く強度も充分な樹脂板製のものが用いられる。
17はSUS等の金属製可動堰(ゲート本体)で、前板18・後板19と、その左右各端部の端板20,20、及び上端の堰蓋21とを有して下端開放状の扁平矩形中空体とされている。
32は昇降装置で、可動堰17をピット3内に収まった待機姿勢と上昇した堰止姿勢とに昇降駆動させるもので、下部がピット3底部側の2個所に固定された下受台33に軸支され上部が可動堰17上部内の2個所に設けた上受台34に軸支された左右一対の菱形パンタグラフ機構35,35を要部として備える。各パンタグラフ機構35は、同じ長さの8本のリンク36と、これらリンク36を左右端部において連結する進退ジョイント37と、各連結軸38…とを有する。
進退ジョイント37は各パンタグラフ機構35において左右一対ずつ設けられ、各パンタグラフ機構35における例えば、左側のものが左ネジで右側のものが右ネジとなっている。
39は両パンタグラフ機構35,35を共通の機構として駆動するパンタグラフ駆動機構を示し、同機構39のうち40は長く共通の駆動軸で、左右中間と左右端側に配した溝型鋼型昇降受枠41上にそれぞれ設けた軸受42…に回転自在に支持されるとともに、軸中間2個所と左右端部のネジ部が前記進退ジョイント37,37にねじ込まれて進退ジョイント37…を接近あるいは離反運動させるようになっている。軸受42は駆動軸40の対応する周溝に係合していることから駆動軸40が回転されると昇降受枠41…は左右にずれることなく垂直に昇降するようになっている。昇降受枠41はそれぞれ下側のリンク36間にスライド自在に嵌るようにされる結果回転はしないようになっている。その昇降受枠41内には、台枠11上に立設したステー43に取り付けたゴム製ストッパ44がリンク下降限において嵌り込んでそれ以上の下降を止めるものとされている。
駆動軸40の図4の正面からみて左側には、左クラッチ46が設けられてモーターである駆動源47のモーター軸48が差し込まれており、一方駆動軸40の右側には、右クラッチ49を介して手動連動軸50につながれている。各クラッチ46,49には、遠隔操作レバー52が差し込まれてクラッチON/OFFとされる手動クラッチレバー53がそれぞれ設けられていて、これら各クラッチレバー53,53が連動するようにクラッチ連動ロッド54によりつながれている。
左右のクラッチ46,49は、ON/OFFが互いに逆の関係になるように設定されている。即ち、駆動源47を使うことを想定した場合、図4の両レバー53,53は右倒れ状態になって左のレバー53はクラッチ46をONにし右のレバー53はクラッチ49をOFFにする。その結果、手動連動軸50を除くモーター軸48と駆動軸40が回転駆動され進退ジョイント37,37を手動系とは無関係に進退駆動することができる。これにより、2つのパンタグラフ機構35,35は同期して昇降運動をする。
一方、先に発生する地震などの非常事態によりライフラインが断切して配電不能となった場合、遠隔操作レバー52を挿し込んで右の手動クラッチレバー53を左向きに振り操作すれば左のレバー53も左向きに連動し、これにより、駆動軸40は駆動源47とは断絶される一方手動連動軸50とはつながって手動による駆動軸40の操作が可能な状態となる。そこで、図4のように手動連動軸50上に設けておいた一対のベベルギア装置のような手動連動ギアボックス56に可動堰17の孔を通じて手動ハンドル軸57を挿し込んで所定方向に回すようにすることで2つのパンタグラフ機構35を非常時に上昇駆動させて可動堰17を手動で持ち上げることができるものとなっている。前記パンタグラフ駆動機構39は、駆動軸40、進退ジョイント37、左右クラッチ46,49、駆動源47、手動連動ギアボックス56および手動ハンドル軸57など、駆動源47(あるいは手動ハンドル軸57)とパンタグラフ機構35との間の駆動機構で構成される。
尚、手動ハンドル軸57は、可動堰17の堰蓋21に開けられた口を通じて挿し込まれるようになっているが、図2に示すように、下部57aと上部57bとより分割結合式に構成しておき、下部57aはその下端が手動連動ギアボックス56内に常に挿し込まれた状態にあってその上端ジョイント部には上部57bの下端が周方向に係合自在に挿し込まれるように構成しておけば非常時に挿し込みが自在かつ確実になって直ぐに手動回転操作までもってゆける有利さをもつものとなる。上部57bはボックス56とともに仮想線のように上昇してくるが堰蓋21よりも常に上位にあるように図示程度高く離れたところにハンドルがあるようにしておく必要がある。
前記上段差部5の上部には、図5のように下端にリップを備えアングル型にした長尺状の上部閉止枠60が前後対向状に固定配備されており、この閉止枠60は長いピット3に添って長く伸びており、その一部を介して前記上部定置ロードシーブ30…が配置される一方、その上面から可動堰17へ向けて伸びる定置側シールパッキン61が水密状に設けられるとともに、可動堰17の堰蓋21側からは下向きリップ62だけでなくその内側の堰側シールパッキン63が下降時の堰蓋21と前記上部閉止枠60との間において水密構造を構成するように装着されている。
一方、パンタグラフ機構35の動きを安定確実にするため、図4、図5に示すように、台枠11の左右3個所から内側スライド受板65を立設して昇降する連動軸38…が接触しながら円滑かつ確実に昇降し得るようにしてある。この内側スライド板65はその外側にくる前・後板18,19のスライド昇降も助けて可動堰17をより安定確実に昇降させるようにする。その場合、可動堰17は支圧板(外側スライド受板)15による支持ガイドによっても安定確実な昇降が確保されるものとされている。
連結軸38,38の頭部38aは、図4の図内左欄に示すように、長円形のように広い面積のものにすれば接触移動(摺動)が円滑になる。連結軸38の頭部を図5の右欄のようにリンク36の外面より内側に収まるようにしてそのリンク36を直接可動堰17の内面にスライドするようにしてもよく、この場合、リンク36はSUSやアルミなどの金属以外に滑りやすい樹脂製にしてもよく、また、図3の最も右欄に示すように金属製リンク36の外面に樹脂層材36aを貼付けたものにしてもよい。
リンク36を内側スライド受板65に面接触する方式にする場合、図5の左欄のように内側スライド受板65を強度のある波板型にすることができるようになる。図5の右欄の可動堰17についても前・後板18,19を強度のある波型にすることができる。
このようにローラーでなく面接触で摺動可能な方式にすることができたのは、初動力を大きく発生可能なパンタグラフ機構を採用することからであり、そうしたことから上昇した可動堰17はローラーでなく面重合式の支持を得て津波などの負荷に強い構造を得ることになった。
平時には、可動堰17がピット3内に収まって待機する。可動堰17は、図4および図5の実線のように複数列横並びに待機する場合と、図示中央の可動堰17のみが待機する単列待機の場合とがある。このとき、堰蓋21は基礎躯体2の上面と同面状にあり、その裏のシールパッキン61,63で完全密閉状態にある。
そのとき昇降受枠41…がストッパ44で受け止められることでパンタグラフ機構35は図4のように低く折り畳まれた状態とされる。また、左右の手動クラッチレバー53,53は右方に位置して駆動源47と駆動軸40が接続された状態とされ、駆動軸40と手動連動軸50および手動連動ギアボックス56とは断切した状態とされている。尚、可動堰17…を複数列配備する場合、相互間に側部シール材を介装する。また、ピット3内には溜まった水を排除するための排水ポンプを設置することがある。
河岸・河川敷設置の場合に河川水量が異常になって河岸氾濫の危険が出たり、あるいは港湾・海岸線堤防設置の場合に一定震度以上の地震が発生して津波が襲来するおそれが出たりあるいは高潮の危険が出たような場合に、前以って自動であるいは消防など防災係員等の想定操作によって駆動源47が上昇方向に始動される。
駆動源47が始動されると、手動駆動操作系が独立停止される中で駆動軸40が一定方向に回転され、これにより、左右の進退ジョイント37,37の対が近づくように応動して両パンタグラフ機構35は同調して大きく立ち上がる。
各昇降受枠41,41はストッパ44…から離れて浮き上がり、そのとき、昇降受枠41は下側のリンク36の前後間に挟まれながら回転を規制されつつも相対摺動してゆくので、昇降受枠41は駆動軸40回りに勝手に回転するようなことなくそのままの姿勢を保って上昇してゆくことになる。昇降受枠41は第1実施形態でも同様であるが樹脂製にして滑りやすくしてもよい。
パンタグラフ機構35は、最初は小さい駆動力であっても大きな上昇力を発生する機構上の特徴をもつことから初動が確実になされ、一旦動き始めたあとは上昇性を保ちながら機構上速く上昇してゆくという特徴をもつ。このことは電動式から切り換えられることのある手動駆動方式のときにも同様にいえる。非常時の作動には非常に有利である。
図6は非常用防護装置についての他の実施形態を示す。前記のように河川・河岸・港湾・海岸添い堤防などに適用される。70は基盤、71はコンクリート製基礎躯体、72は図の前後に幅狭で左右方向に長い長溝状をしたピットで、ピット72の底には台枠74が水平で長く固定設置されている。台枠74上には、左右中央前後に一対をなして支柱75,75が立設されるとともに左右に離れたところにはゴム製ストッパ76…が突設されている。
支柱75には、への字形をした昇降アーム77が支持軸78を介して回転自在に設けられている。その受アーム部79には応動軸80が設けられて台枠74の中央から立直する縦向き流体あるいは電動のシリンダ82の上端に設けたシフター83の溝に応動自在に嵌り合っている。昇降アーム77は、左右に手を広げたように左右一対設けられており、そのへの字形駆動アーム部84の先端に設けた昇降駆動軸85が、可動堰87内に対称配備した連動枠88内にシフト自在に噛み合っている。昇降アーム77はへの字形になっているが、直辺形その他の形でもよい。
可動堰87は、横長矩形状の前後板と左右の端板および堰蓋とを備え下端の開放状にした中空体でなるが、その下端開口にはストッパ76に相当する個所に底座89を備えて下降限においてストッパ76上に当たるようになっている。
洪水あるいは津波、高潮などの非常事態に先立って防護のためシリンダ82が始動されると、シフター83が上昇して両昇降アーム77,77が持ち上げられ、昇降駆動軸85が連動枠88,88を持ち上げることで可動堰87が上昇する。
図7は非常用防護装置の他の実施形態を示す。この防護装置は河川・河岸・港湾・海岸添い堤防などに適用される。90は基盤、91はコンクリート製基礎躯体、92は図の前後に幅狭で左右方向に長い長溝状をしたピットで、ピット92の底には台枠94が水平で長く固定設置されている。台枠94上には、左右方向前後に一対をなして支柱95、95が立設されるとともに左右に離れたところにはゴム製ストッパ96…が突設されている。
支柱95には、L字形をした昇降アーム98がその中間に支持軸99を介して回転自在に設けられている。その下向きに伸びた受アーム部100には応動軸101が設けられて両受アーム部100,100間をつなぐ連動ロッド103で連結されている。台枠94から立ち上がり一方の支柱95に固定された台フレーム104上には横向きの流体あるいは電動のシリンダ105の後端が支持される一方シリンダ105の先端は一方の受アーム部100に連結されている。昇降アーム98のへの字形駆動アーム部106の先端に設けた昇降駆動軸107が、可動堰108内に対称配備した連動枠109内にシフト自在に噛み合っている。
可動堰108は、横長矩形状の前後板と左右の端板および堰蓋とを備え下端の開放状にした中空体でなるが、その下端開口にはストッパ96に相当する個所に底座111を備えて下降限においてストッパ96上に当たるようになっている。
洪水あるいは津波、高潮などの非常事態に先立って防護のためシリンダ105が始動されると、一方の昇降アーム98が回転駆動されるとともに連動ロッド103を介して他方の昇降アーム98も同調的に回転駆動されるようになって両昇降駆動軸107が連動枠109,109を持ち上げることで可動堰108が上昇する。
図8は非常用防護装置の他の実施形態を示す。この防護装置は河川・河岸・港湾・海岸添い堤防などに適用される。114は基盤、115はコンクリート製基礎躯体、116は図の前後に幅狭で左右方向に長い長溝状をしたピットで、ピット116の底には台枠118が水平で長く固定設置されている。台枠118上には、左右方向前後に一対をなして支柱119,119が立設されるとともに左右に離れたところにはゴム製ストッパ120…が突設されている。
支柱119には、への字形をした昇降アーム121の一対が互いに相反する方向に向けて張り出すようにして支持軸122を介して回転自在に設けられている。一方の昇降アーム121には斜め上向きの受アーム部123が、また他方の昇降アーム121には斜め下向きの受アーム部123が突設されており、これらに設けられた応動軸124間をつなぐようにして斜め方向の連動ロッド125で連結されている。台枠118から立ち上がり一方の支柱119に固定された台フレーム127上には横向きの流体あるいは電動のシリンダ128の後端が支持される一方シリンダ128の先端は一方の昇降アーム121に連結されている。昇降アーム121のへの字形駆動アーム部129の先端に設けた昇降駆動軸130が、可動堰132内に対称配備した連動枠133内にシフト自在に噛み合っている。
可動堰132は、横長矩形状の前後板と左右の端板および堰蓋とを備え下端の開放状にした中空体でなるが、その下端開口にはストッパ120に相当する個所に底座135を備えて下降限においてストッパ120上に当たるようになっている。
洪水あるいは津波、高潮などの非常事態に先立って防護のためシリンダ128が始動されると、一方の昇降アーム121が回転駆動されるとともに連動ロッド125を介して他方の昇降アーム121も同調的に回転駆動されるようになって両昇降駆動軸130が連動枠133を持ち上げることで可動堰132が上昇する。
図9は非常用防護装置の他の実施形態を示す。この防護装置は河川・河岸・港湾・海岸添い堤防などに適用される。140は基盤、141はコンクリート製基礎躯体、142は図の前後に幅狭で左右方向に長い長溝状をしたピットで、ピット142の底にはゴム製ストッパ143…が突設されている。
ピット143内には、鋼管杭である2本1組の固定支柱145が基部を埋め込まれて垂直に立設固定されている。両固定支柱145間には上下の繋ぎパイプ146,146が連結固定されている。各固定支柱145には、下部昇降パイプ147が同期に昇降するように挿通されるとともに、そのパイプ上端間には下部横架材148が一体型に渡されている。下部横架材148には2つの穴が形成され、それら穴を通じて下部昇降パイプ147の上端部が通されて一体固着されている。固定支柱145の上端外部にはブラケットを介して下部シリンダ150が取り付けられており、この下部シリンダ150のロッドが下部横架材148に連結されている。
両下部昇降パイプ147には上部昇降パイプ152が昇降自在に挿通されるとともに、上部昇降パイプ152の上端間には上部横架材153が連結固定されている。上部横架材153には、下部横架材148に取り付けられた上部シリンダ154からのロッドが連結されている。
156は可動堰であり、横長矩形状の前後板と左右の端板および堰蓋とを備え下端の開放状にした中空体でなるが、その下端開口にはストッパ143に相当する個所に底座157を備えて下降限においてストッパ143上に当たるようになっている。図では可動堰156が1枚のものを示してあるが、仮想線のように左右に複数列設されることもある。
洪水あるいは津波、高潮などの非常事態に先立って防護のため上下シリンダ150,154が始動されると上下昇降パイプ152,147が共に伸び、下部横架材148が持ち上がりさらに上部横架材153持ち上がって可動堰156を図示のように大きく上昇させる。
図10は非常用防護装置についての他の実施形態を示す。この防護装置は河川・河岸・港湾・海岸添い堤防などに適用される。160はコンクリート製基礎躯体、161は図の前後に幅狭で左右方向に長い長溝状をしたピットで、ピット161の底には台枠162を介してゴム製ストッパ163…が突設されている。
165はパンタグラフ機構で、X型をしたリンクの前後一対でなり、その下部一方は台枠162上に軸止めされ、上部一方は可動堰166内の上部の上部台枠167に軸止めされている。パンタグラフ機構165の他の上下端部は固定ガイド168と昇降ガイド169にそれぞれ案内されるようになっている。171はパンタグラフ駆動機構で、ここでは噛み合いチェーン(2本のチェーンがジッパーのように噛み合うことで1本の強固な柱状となるチェーン)172が使われている。この噛み合いチェーン172は、一対のピンギアを経由して収納ボックス173内に収納されたり逆に図示のように噛合って一体式に上昇したりするものであり、これらチェーンを駆動するものとしてサーボモーター175および減速機176を装備するものになっている。177は可動堰166内の上部台枠167と台枠162間に設けられた中空型の介装体で可動堰166の補強体でもある。
パンタグラフ機構165は図11に示すようにX字型リンクを上下2段に組み合わせて上昇ストロークが大きく得られるようにしてもよい。
1…基盤 2…基礎躯体 3…ピット 17…可動堰 32…昇降装置 35…パンタグラフ機構 39…パンタグラフ駆動機構 40…駆動軸 47…駆動源。

Claims (1)

  1. 津波・高潮などの襲来が想定される地域の基盤に形成された基礎躯体内には、襲来する側を前側とした場合の左右に相当する方向が長くなった細長溝状をしたピットが形成され、このピット内には、横長な矩形状をなす板であって前後において間隔を置いて対向状に配備される前・後板とその左右端部に設けた縦長状の端板及び上端の堰蓋とを有して扁平矩形の中空体とされた可動堰がピット内に収まった待機姿勢と上昇した堰止姿勢とに昇降装置を介して昇降可能に設けられるとともに、可動堰は、可動堰に対しその前・後板に当たるようにピット上部内に設けられた上部定置ローラーと、可動堰の下部に設けられてピット内に沿って昇降運動する昇降ローラーとを有してピット内で昇降案内されるようにされ、前記昇降装置は、下部がピット底部側に固定された下受台に連結され上部が可動堰上部内に固定された上受台に連結されたパンタグラフ機構と、駆動源を含むものでパンタグラフ機構を昇降駆動させるパンタグラフ駆動機構とを備えたものである非常用防護装置であって、前記ピット内の上部には、可動堰の前・後板に対し滑り得るような固定シューである支圧板が左右複数個所に配備され、前記パンタグラフ機構は、可動堰内の左右位置に対向配置され前記パンタグラフ駆動機構の駆動により対向する左右方向に進退駆動可能とされた進退ジョイントと、前記進退ジョイントの前後面と下受台との間に各連結軸を介して連結装備された前後一対の下側のリンクと、前記進退ジョイントの前後面と上受台との間に各連結軸を介して連結装備された前後一対の上側のリンクとを備えるとともに、前記パンタグラフ機構は、前後一対でなるリンクが可動堰の内面に対し直接あるいは他の層材を介して間接的にスライド可能に構成されていることを特徴とする非常用防護装置。
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