JP2019082095A - 非常用防護装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】前後において対向状をなす前・後板とその左右端部に設けた縦長状の端板及び上端の堰蓋とを有する中空体とされ津波・高潮などの襲来が想定される地域の基盤内に形成された細長溝状のピット内に垂直昇降可能に装備した可動堰と、この可動堰をピット内に収まった待機姿勢と上昇した堰止姿勢とに昇降駆動させる昇降装置とを備える非常用防護装置であって、前記昇降装置は、下部がピット底部側に固定され上部が可動堰上部内に連結されたパンタグラフ機構と、駆動源を含むものでパンタグラフ機構を昇降駆動させるパンタグラフ駆動機構とを備えている。
【選択図】図2
Description
ところで、この非常用防護装置は、横長状矩形板でなる前板と後板を有しその左右の端部に縦長状矩形板でなる端板を有するとともに上端に横細長状の堰蓋を備え底面は開放状としてなる中空体である可動堰を垂直に開けたピット内に装備して直動式で垂直向きのシリンダにより昇降動作可能に構成したものである。この可動堰は、平時はピット内に納まった待機状態とされる一方非常時には直動式シリンダにより持ち上げられて津波に対抗するようにされる。可動堰は、その下側基部である極く一部のみがピット内に残された状態とされる。
可動堰は、堰上部の前後に対応するようにピット側に定置的に配備した上部ガイドローラと堰下部の前後に取り付けられてピット側に対し上下移動自在とした下部ガイドローラとによって昇降自在にガイドされ、上昇限においては、上部ガイドローラとその下側に上昇してきた下部ガイドローラとによって堰基部一部が支持されるようにされていたため、前方から津波流である大きな衝撃負荷が作用すると中空型堰下部が変形して後倒れするおそれがあり、またその後倒れを防止するため上昇に伴い斜めに立ち上がる方式の斜材を付属装備しているのであるが、この斜材は平時において装置の背方へ長く延びた形にセットしておく必要があることから例えば、前後幅が1〜1.5m程度の細幅に限られる防護堤防にこの斜材構造は付属装備しにくく、結局斜材なしの可動堰となるため後倒れなどの損壊のおそれが避けられなかった。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のものにおいて、パンタグラフ機構および可動堰の間には、ピット内に固定され立設された内側スライド受板が介装されてパンタグラフ機構および可動堰の双方がスライド自在に案内されるようになっている。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のものにおいて、パンタグラフ駆動機構は、電動式駆動手段や流体あるいは電動シリンダなどの強制駆動手段の他に切換操作により可動堰外からパンタグラフ機構を手動で昇降操作可能にもなっている。
基盤1は、例えば、航空機が離着陸するための舗装路面である飛行場基盤のこともあり、また、基盤1としては、例えば、船舶が停泊して人の乗り降りや荷役作業などが行われるコンクリート岸壁を含む臨海スペースやコンテナ埠頭などがその対象として挙げられる。基礎躯体2は、図1において下側が、図2において手前側が、図3において左側がそれぞれ前側(洪水や津波などの襲来側)となっている。
立面壁4,4間の対向寸法は600mm、上段差部5は段差寸法が90mmでその高さは770mmとされている。底壁6上には、モルタルによる底版仕上げ7が、また立面壁4,4の対向面上には立面壁仕上げ8,8が形成されている。
前記上段差部5内を介して支圧板受金具14がピット3の長手方向適所において固定配備され、その対向する各内面には図2の破線のような矩形板状で図3のように一定厚みをもつ固定シューである支圧板15が図2のように左右中間とその左右離間した個所に固定配備されている。支圧板15は、滑り性能が良く強度も充分な樹脂ブロック製のものが用いられる。
前板18と後板19とは、縦×横が2.15m×12mの矩形横長板(SUS製)で、端板20は、幅が300mmで高さが2.15mとされている。堰蓋21は、前後幅が76mmで左右長さが12m程度である。
上部定置ローラー30…は省略し支圧板15のみによってスライド式に支持するようにしてもよい。一方、支圧板15の方を省略して上部定置ローラー30の方で案内支持をするようにしてもよい。
この昇降装置32は、下部がピット3底部側の下受台33に軸支され上部が可動堰17上部内の上受台34に軸支された菱形パンタグラフ機構35を要部として備える。このパンタグラフ機構35は、同じ長さの8本のリンク36と、これらリンク36を左右端部において連結する進退ジョイント37と、各連結軸38…とを有する。
進退ジョイント37はその中心にメネジが形成され、左右のメネジは互いに逆向きのネジになっている。
即ち、駆動源47を使うことを想定した場合、図2の両レバー53,53は右倒れ状態になって左のレバー53はクラッチ46をONにし右のレバー53はクラッチ49をOFFの状態にする。その結果、手動連動軸50を除くモーター軸48と駆動軸40が回転駆動され進退ジョイント37,37を手動系とは無関係に進退駆動することができる。
そのとき昇降受枠41がストッパ44で受け止められることでパンタグラフ機構35は図2のように低く折り畳まれた状態とされる。また、左右の手動クラッチレバー53,53は右方に位置して駆動源47と駆動軸40が接続された状態とされ、駆動軸40と手動連動軸50および手動連動ギアボックス56とは断切した状態とされている。
尚、可動堰17…を複数列配備する場合、相互間にシール材を介装する。また、ピット3内には溜まった水を排除するための排水ポンプを設置することがある。
駆動源47が始動されると、手動駆動操作系が独立停止される中で駆動軸40が一定方向に回転され、これにより、進退ジョイント37,37が近づくように応動してパンタグラフ機構35は図2の仮想線のように大きく立ち上がる。
可動堰17は、昇降ローラー26と上部定置ローラー30及び支圧板15の案内によって垂直に上昇して安定確実に堰止姿勢を得る。
パンタグラフ機構35は、最初は小さい駆動力であっても大きな上昇力を発生する機構上の特徴をもつことから初動が確実になされ、一旦動き始めたあとは上昇性を保ちながら機構上速く上昇してゆくという特徴をもつ。非常時の作動には非常に有利である。また、この実施形態では、可動堰17の堰蓋21に開けた穴(図示省略)を通じて手動ハンドル軸57を挿し入れ手動連動ギアボックス56を連動操作して駆動軸40を駆動源47とは別個に単独手動操作できるようにしてあるが、この際の手動ハンドル軸57の相手であるパンタグラフ駆動機構39はパンタグラフ機構35の上昇に連れて1/2ずつ上昇するものであることから、比較的低く短い手動ハンドル軸57であっても図2のように可動堰17の上方での操作を可能とする。もしも手動連動ギアボックス56が上昇するパンタグラフ駆動機構39上でなく定置位置に設けられているとすればハンドル軸57は非常に長く高いものにしておかねばならず、高すぎると操作しにくくなるという問題がある。
第2実施形態の非常用防護装置は、河川敷での設置例を示すが、河岸、港湾、海岸堤防などにも設置を可能とする。
底版仕上げ7には左右に長い台枠11が水平にアンカー固定されている。上段差部5内を介して支圧板受金具14がピット3の長手方向適所において固定配備され、その各内面には図4の破線のような矩形板状の固定シューである支圧板(外側スライド受板)15が左右間とその左右に離間した個所に固定配備されている。支圧板15は、滑り性能が良く強度も充分な樹脂板製のものが用いられる。
進退ジョイント37は各パンタグラフ機構35において左右一対ずつ設けられ、各パンタグラフ機構35における例えば、左側のものが左ネジで右側のものが右ネジとなっている。
このようにローラーでなく面接触で摺動可能な方式にすることができたのは、初動力を大きく発生可能なパンタグラフ機構を採用することからであり、そうしたことから上昇した可動堰17はローラーでなく面重合式の支持を得て津波などの負荷に強い構造を得ることになった。
そのとき昇降受枠41…がストッパ44で受け止められることでパンタグラフ機構35は図4のように低く折り畳まれた状態とされる。また、左右の手動クラッチレバー53,53は右方に位置して駆動源47と駆動軸40が接続された状態とされ、駆動軸40と手動連動軸50および手動連動ギアボックス56とは断切した状態とされている。尚、可動堰17…を複数列配備する場合、相互間に側部シール材を介装する。また、ピット3内には溜まった水を排除するための排水ポンプを設置することがある。
駆動源47が始動されると、手動駆動操作系が独立停止される中で駆動軸40が一定方向に回転され、これにより、左右の進退ジョイント37,37の対が近づくように応動して両パンタグラフ機構35は同調して大きく立ち上がる。
パンタグラフ機構35は、最初は小さい駆動力であっても大きな上昇力を発生する機構上の特徴をもつことから初動が確実になされ、一旦動き始めたあとは上昇性を保ちながら機構上速く上昇してゆくという特徴をもつ。このことは電動式から切り換えられることのある手動駆動方式のときにも同様にいえる。非常時の作動には非常に有利である。
156は可動堰であり、横長矩形状の前後板と左右の端板および堰蓋とを備え下端の開放状にした中空体でなるが、その下端開口にはストッパ143に相当する個所に底座157を備えて下降限においてストッパ143上に当たるようになっている。図では可動堰156が1枚のものを示してあるが、仮想線のように左右に複数列設されることもある。
165はパンタグラフ機構で、X型をしたリンクの前後一対でなり、その下部一方は台枠162上に軸止めされ、上部一方は可動堰166内の上部の上部台枠167に軸止めされている。パンタグラフ機構165の他の上下端部は固定ガイド168と昇降ガイド169にそれぞれ案内されるようになっている。171はパンタグラフ駆動機構で、ここでは噛み合いチェーン(2本のチェーンがジッパーのように噛み合うことで1本の強固な柱状となるチェーン)172が使われている。この噛み合いチェーン172は、一対のピンギアを経由して収納ボックス173内に収納されたり逆に図示のように噛合って一体式に上昇したりするものであり、これらチェーンを駆動するものとしてサーボモーター175および減速機176を装備するものになっている。177は可動堰166内の上部台枠167と台枠162間に設けられた中空型の介装体で可動堰166の補強体でもある。
パンタグラフ機構165は図11に示すようにX字型リンクを上下2段に組み合わせて上昇ストロークが大きく得られるようにしてもよい。
Claims (3)
- 前後において対向状をなす前・後板とその左右端部に設けた縦長状の端板及び上端の堰蓋とを有する中空体とされ津波・高潮などの襲来が想定される地域の基盤内に形成された細長溝状のピット内に垂直昇降可能に装備した可動堰と、この可動堰をピット内に収まった待機姿勢と上昇した堰止姿勢とに昇降駆動させる昇降装置とを備える非常用防護装置であって、前記昇降装置は、下部がピット底部側に固定され上部が可動堰上部内に連結されたパンタグラフ機構と、駆動源を含むものでパンタグラフ機構を昇降駆動させるパンタグラフ駆動機構とを備えている非常用防護装置。
- 請求項1に記載のものにおいて、パンタグラフ機構および可動堰の間には、ピット内に固定され立設された内側スライド受板が介装されてパンタグラフ機構および可動堰の双方がスライド自在に案内されるようになっている非常用防護装置。
- 請求項1または請求項2に記載のものにおいて、パンタグラフ駆動機構は、電動式駆動手段や流体あるいは電動シリンダなどの強制駆動手段の他に切換操作により可動堰外からパンタグラフ機構を手動で昇降操作可能にもなっている非常用防護装置。
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JP6967236B1 (ja) * | 2021-03-16 | 2021-11-17 | 株式会社ホリ・コン | リフトアップ装置およびこれを備えた建築物 |
CN114277730A (zh) * | 2022-01-17 | 2022-04-05 | 南京工业大学 | 一种河道堤坝加固机械设备 |
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- 2017-10-30 JP JP2017222280A patent/JP6528152B2/ja active Active
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