JP6592662B1 - ワーク運搬装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】大がかりな設備や専用装置を用いずに、シリコーン系粘着剤にワークを直接貼付したり、機械的に把持したりしない方法で、ワークを安全に保持、運搬、脱離することができる、ワーク運搬装置を提供する【解決手段】ワーク運搬装置は、運搬時の把持と高電圧発生のための本体部2と、ワークを吸着する吸着部と、本体部と吸着部を接続するジョイント部3から構成され、本体部は筐体と、そこに内蔵された電圧発生回路と、第一正極(負極)とを有する、吸着部は、ベース部と、第一正極(負極)に電気的に接続した第二正極(負極)として設置されたシート状の電極層と、そこに一体的に形成されたシート状の吸着層からなる積層シートからなる。電圧発生回路から発生した電圧を、第一正極(負極)を通じて電極層に印加し、電極層とワークとの間にクーロン引力を発生させ、ワークを吸着させる。【選択図】図1

Description

本発明は、主に薄型プリント基板・フレキシブル基板上への電子部品の実装工程や、半導体製造工程において、プリント基板やシリコーンウエハーなどのワークを保持して運搬するためのワーク運搬装置に関するものである。
電子回路実装工程や半導体製造工程において、薄型プリント基板・フレキシブル基板などのワークに電子部品を実装する場合、ワークが撓んだりずれたりせず、形状や位置を一定に保持するために、従来はガラスエポキシ樹脂製のベースにシリコーン系粘着剤を塗布した基板搬送治具にワークを貼りつけて、取り扱っていた(例えば特許文献1参照)。
ここで、シリコーン系粘着剤は、熱に強い、貼り剥がしが可能であり繰り返し使用できるといった利点がある反面、粘着剤に含まれるシロキサン等の低分子シリコーン成分が基板や部品に転写してはんだ印刷不良を引き起こしたり、ガス化して二酸化ケイ素に分解し、導通不良を引き起こしたりなど、障害の原因になることが問題となっている。
また、特に、ワークがシリコーンウエハーのような脆いものの場合、容易に破損するため、半導体製造工程や太陽電池製造工程において取り扱うときは注意が必要であったが、粘着剤による固定方法では、取り外しに外力を必要とするので、割れてしまう危険性があり、その意味でもこの方法を用いることには弊害が伴った。
さらに、シリコーンウエハーを運搬する方法として、専用の設備や装置があるが、設備が大掛かりであったり、汎用性が低かったりして、導入や維持のための費用が問題となる他、取り扱いも簡単とは言えず、作業効率や品質の安定という面において問題となっている(例えば、特許文献2,3参照)。
特開2009−59790号公報 特開2004−260037号公報 特開2012−522385号公報
この発明の目的は、上記事情に鑑み、大がかりな設備や専用装置を用いずに、シリコーン系粘着剤にワークを直接貼付したり、機械的に把持したりしない方法で、ワークを安全に保持、運搬、脱離することができる、ワーク運搬装置を提供することである。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、印加された電圧により発生する静電力によりワークを吸着する静電チャック型のワーク運搬装置であって、前記ワーク運搬装置は、ワーク運搬時に把持するとともに高電圧を発生する本体部と、ワークを吸着する吸着部と、前記本体部と前記吸着部を機械的に接続するジョイント部を備え、前記本体部は、ワーク運搬時に把持する筐体と、前記筐体に内蔵され、電池を電源として300V以上の高電圧を発生させる電圧発生回路と、同様に前記筐体取り付けられ、前記電圧を出力するための第一正極と第一負極と、を有し、前記吸着部は、平板状のベース部と、第二正極または第二負極として設置されたシート状の電極層と、前記電極層に一体的に形成されたシート状の吸着層からなる積層シートと、を有し、前記ベース部は、厚さが0.5mm以上の樹脂板よりなり、前記電極層は、柔軟性を有する厚さが8μm以上30μm以下の2枚以上の金属箔を有する薄膜よりなり、前記吸着層は、柔軟性を有する厚さが7μm以上300μm以下の樹脂シートよりなり、前記積層シートは、ワークの歪みや凹凸に追従してワークを保持することができるように、その外周部の全部または一部がワークの歪みや凹凸に追従可能なゆとりを持って、前記電極層が前記ベース部に対面する向きで、前記ベース部に着脱自在に固定され、前記第一正極は、前記第二正極に、前記第一負極は前記第二負極に、電気的に接続されている、ことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記ジョイント部は、請求項1に記載のワーク運搬装置であって、前記吸着部の向き・角度を一定の範囲内で調整・保持可能である、ことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2何れか1項に記載のワーク運搬装置であって、前記吸着層の反電極層側に、前記樹脂シートより比誘電率の低い低誘電膜または電気伝導性を有する導電膜が形成されている、ことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3何れか1項に記載のワーク運搬装置であって、前記ベース部の面内に1個以上の開口が形成されている、ことを特徴とする。
これによれば、電池から供給された電圧が、電圧発生回路で300V以上に昇圧され、第一正極、第一負極から端子部を通じて電極層に印加され、吸着層に静電気を発生させ、この静電力によりワークを吸着させる。
請求項1に記載の発明によれば、大がかりな設備や専用装置を用いないでワークを安全に保持・運搬・脱離することが可能となる。ワークを治具にシリコーン系粘着剤で直接貼りつけない為、シリコーンによるワークの汚染を防止し、不具合をなくすことが可能となる。また、吸着層や電極層の貼り剥がしが自在でベース部を繰り返し使用する事ができるので、製造コストの削減が可能となる。また、電極層と吸着層が一体的に形成されているため、取り扱いが容易であるとともに、電極層と吸着層に隙間が生じたときの吸着力の低下を防ぐことが可能である。また、吸着層と電極層の外周のみがベース部に固定されており、適度なゆとりがある為、吸着層がワークの凹凸やたわみに追従して、吸着能力を維持・向上させることが可能になる。
請求項2に記載の発明によれば、ジョイント部により吸着部の向きが一定の範囲内で調整が可能であるので、使用態様に応じて最適な向きでワークを運搬できる。また、使用しないときは、折りたたむことでコンパクトに収納できる。
請求項3に記載の発明によれば、樹脂シートとワークの間に低誘電膜または導電膜を介することにより、電極層内の電荷が消失すると同時に速やかに吸着力が減衰するので、スムーズにワークを脱離することが可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、開口からベース部と積層シートの間に空気が取り込まれることで、吸着層がワークの凹凸やたわみに追従しやすくなるので、より吸着能力を維持・向上させることが可能となる。また、吸着層がたわみやすくなることで、スムーズなワークの脱離が可能となる。また。ワークが吸着されているかどうかを、反対側の面から視覚で確認することが可能となり、使用時の事故を防ぐことが可能となる。
本発明の実施の形態に係る、ワーク運搬装置の概略構成ブロック図である。 本発明の実施の形態に係る、ワーク運搬装置の概略正面図(a)と側面断面図(b)と裏面図(c)である。 本発明の実施の形態に係る、ワーク運搬装置のベース部の概略正面図(ワーク吸着側)である。 本発明の実施の形態に係る、ワーク運搬装置の吸着部の向きの調整状態を示す概略側面図である。
本発明の実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、図面において、図面中の各部の構成の大きさ、間隔、数、その他詳細は、視認と理解の助けのために、実際の物に比べて大幅に簡略化・省略化して表現している。
図1は、ワーク運搬装置1の概略構成ブロック図である。また、図2は、ワーク運搬装置1の概略正面図(a)と側面断面図(b)と裏面図(c)である。ワーク運搬装置1は、ワーク運搬時に把持するとともに高電圧を発生する本体部2と、前記本体部と前記吸着部を機械的に接続するジョイント部3と、ワークを吸着する吸着部4とを備える。
本体部2は、ワーク運搬時に把持するプラスチック製の筐体21と、筐体21に内蔵され、高電圧を出力するための第一電極部と、電池を電源として300V以上の高電圧を発生させる電圧発生回路23と、吸着スイッチ251と、脱離スイッチ252と、スリット26とから構成されている。また、第一電極部は、第一正極22Pと第一負極22Nから構成されている。
電圧発生回路23は、ブロッキング発振回路231と、コッククロフト・ウォルトン回路(以下「CW回路」という)232から成り立っている。
ブロッキング発振回路231は、トランスとトランジスタと抵抗から構成される回路であり、電池24から入力された直流電圧を、交流電圧に変換すると同時に昇圧する機能を有する。本実施の形態では、電池24から印加された1.5Vの電圧を300Vの交流電圧に変換・昇圧し、CW回路232に送る。
CW回路232は、複数のコンデンサとダイオードから構成される回路であり、交流電圧を、直流電圧に変換すると共に昇圧する回路であり、2個のダイオードと2個のコンデンサで1組の最小回路単位をつくり、この最小回路単位毎に電圧を2倍に昇圧する。本実施の形態では、2組の最小回路単位を組み、4倍に昇圧させる。すなわち、ブロッキング発振回路231から入力された交流電圧を、CW回路232で直流1200Vに昇圧している。電圧は、低すぎると吸着力が弱くなり、ワークを確りと保持できなくなる一方、高すぎると吸着層43を絶縁破壊してリーク電流を起こしたり、電極層42の2枚の電極間で放電を起こしたり、さらにはワークの脱離性を損なったりするので、吸着層43の材料の絶縁破壊厚さを考慮して、適正な範囲に設定する。具体的には300V以上4000V以下が好ましく、600V以上であるとさらに好ましい。本実施の形態で使用しているポリイミドの絶縁破壊電圧は、約400kV/mであるので、38μm厚では理論上約15kVまで耐えられる。
第一正極22Pと、第一負極22Nは、電圧発生回路23で発生した電圧を、外部へ出力するための電極であり、それぞれ筐体21の外壁に取り付けられた端子から構成されている。
吸着スイッチ251は、電池24とブロッキング発振回路231を電気的に接続するための押しボタンスイッチであり、押下したときにON、離したときにOFFとなる。
脱離スイッチ252は、第一正極22Pと第一負極22Nを、所定の大きさの除電用の電気抵抗(図示略)を介して電気的に接続し、両極に誘起された電荷を打ち消して消滅させて、ワークを吸着部4から脱離するための押しボタンスイッチであり、押下したときにON(脱離)となる。本実施の形態では、除電用の電気抵抗は1MΩを使用している。
スリット26は、本体部2に形成されており、筐体21内の第一正極22P、第一負極22Nと、筐体21外の第二正極42P、第二負極42Nを接続するための細線状の開口である。
ジョイント部3は、本体部2と吸着部4を機械的に接続するためのヒンジ状のプラスチック製の部品であり、本実施の形態では、筐体21とはボルトで接続されている一方(図示略)、ベース部41とは一体的に形成されている。ジョイント部3は、一軸(図3では紙面に垂直な方向)を中心に、図3(a)〜(c)のように、0度以上270度以下の範囲で回動することが可能であり、また、その範囲内の任意の角度で姿態を保持することが可能である。
吸着部4は、平板状のベース部41と、第二正極42Pまたは第二負極42Nとして設置されたシート状の電極層42と、電極層42に一体的に形成されたシート状の吸着層43からなる積層シートとから構成される。
ベース部41は、厚さが0.5mm以上3mm以下の樹脂板よりなる。本実施の形態では、耐熱性や耐薬品性に優れた、厚さ2mmのガラスエポキシ樹脂を使用しているが、0.5mmより薄いと、撓みやすくなり、ワークの自重に負けて曲がりやすくなり、保持性が弱まる。一方、3mmより厚くなると、ベース部41の重量が大きくなるので、ジョイント部3において、姿態保持性が低下する。ここで、ベース部41の主要部は、目的とするワークの大きさや形状によって任意の形態を取ることができる。本実施の形態では、ベース部41は、ワークは直径6インチ(約15cm)サイズの円板状のシリコーンウエハーを吸着するために、主要部が直径16cmの円板形状をしている。ベース部が、ワークサイズより極端に小さいと、ワークの大きさ・重さに対して吸着力が弱くなり、ワークの保持性が低下する。
電極層42は、一定の間隔をおいて水平に配置された、2枚以上の金属箔を有する薄膜よりなる。金属箔は、2枚で1組の正極と負極、すなわち第二正極42Pと第二負極42Nを構成する。厚さは、薄すぎると耐久性が低下するので、5μm以上であることが望ましく、8μm以上であることがさらに好ましい。一方、厚すぎると、柔軟性が低下して、後述するような吸着力の低下が懸念されるので、50μm以下であることが望ましく、30μm以下であるとさらに好ましい。本実施の形態では、電極層42は、厚さ8μmの1組(2枚)の半円形の銅箔である。
吸着層43は、厚さが5μm以上300μm以下の耐熱性絶縁材である樹脂シートで形成されており、本実施の形態1では、耐熱性、耐薬品性や柔軟性、絶縁性、及び吸着力を考慮して、38μm厚のポリイミドシートが使用されている。ここで、吸着層の厚さは、理論上は薄いほど静電気による吸着力が高まるが、あまり薄いと破けやすくなるため、強度を確保する観点から、5μm以上あることが望ましく、7μm以上であるとさらに好ましい。一方、厚すぎると柔軟性が低下して後述するような吸着力の低下が懸念されるので、300μm以下であることが望ましく、200μm以下であるとさらに好ましい。また、大きさは、ベース部41の大きさに応じて適宜調整するが、本実施の形態では、主要部の円板形状は、ベース部41と略同じ直径に設定されている。
ここで、本実施の形態では、電極層42は、吸着層43であるポリイミドシートの片面に、スパッタリングまたは無電解めっきにより厚さ5〜50μmで銅箔を形成した積層シートに対して、フォトリソグラフィ法によりレジストでパターン形成をし、エッチング法により銅箔を溶かして、電極層42の形状に加工したものであり、吸着層43の外周から5〜10mmの余白の内側にある。両電極間の間隔は両電極間の絶縁が保持されるように、印加する電圧により異なる距離をとる。ここで、空気の絶縁耐力は、約3000V/mmであるので、例えば印加電圧が3000Vの場合には、少なくとも1mm以上の間隔をとる必要がある。本実施の形態では、余裕を持って、2mmの間隔を確保している。
吸着層43は、電極層42がベース部41の側に向くようにして、固定手段44によりベース部41に固定されている。固定手段には、熱硬化型接着剤やシリコーン系の粘着剤、耐熱性粘着テープなどが使用されるが、本実施の形態では、剥離と貼り合せを繰り返し行える点で、シリコーン系粘着剤を使用している。
この場合、電極層42または吸着層43の全面を完全にベース部41に固定せずにワークの形状に対応したゆとりを持ってゆとりを持たせることで、電極層42及び吸着層43がワークの凹凸や歪みに追従してワークを確りと保持することで吸着能力が向上する(グラップリング効果)。そこで、本実施の形態では、吸着層43と電極層42は、その外周部の一部または全部がベース部41に固定されている。すなわち、固定手段44であるシリコーン系粘着剤は、ベース部41のワーク吸着側の全面ではなく、外周部にのみ塗布され、吸着層43の余白部(電極層42がない範囲)がその場所に固定されるような形態をしている。
また、前述したように、電極層42と吸着層43は、厚くなりすぎると柔軟性が低下してワークへの追従性が低下するため、グラップリング効果が有効に発揮できるような適正なものに設定されている。
第二正極42Pと第二負極42Nは、スリット26から筐体21内に延伸されており、筐体内部で第一正極22P、第一負極22Nに電気的に接続されている。
次に、本実施の形態に係る、ワーク運搬装置1の使用方法について説明する。本実施の形態では、吸着するワークは、台の上に横向きに載置された、直径6インチのシリコーンウエハーとする。
吸着層43をワークに軽く押し当て、吸着スイッチ251を押下すると、電池24と電圧発生回路23が電気的に接続されて、電圧発生回路23で1200Vの直流電圧が発生する。
直流電圧は、第一正極22P、第一負極22Nを通じて第二正極42P、第二負極42Nに印加され、第二正極42Pには正電荷が、第二負極42Nには負電荷が誘起される。
ワークの内部は、静電誘導により電極層42のプラスに対向する部分は電子が引き寄せられてマイナスに、マイナスに対向する部分は電子が遠ざかってプラスに帯電するので、ワークと電極層42の間には、互いに引き寄せあう力(クーロン引力)が働く。このとき、ワークのマイナス(プラス)帯電側と電極層42のプラス(マイナス)帯電側は、それぞれ吸着層43を誘電体とするコンデンサを構成しており、全体として2個のコンデンサを直列に接続した形態となっていると見ることができる。従って、ワークのマイナス(プラス)帯電側と電極層42のプラス(マイナス)帯電側の間には、それぞれ電圧発生回路23から印加された電圧(本実施の形態では1200V)の半分ずつが印加されていると考えられる。
さらに、電気的絶縁体である吸着層43の内部に電場が通過することで、吸着層43には誘電分極による静電気も発生する。この静電気による力(静電気力)によってもワークは吸着部4に吸着される。
ここで、吸着力は、電極層に印加された電圧の自乗、吸着層43の厚さの逆自乗に比例し、吸着層43の比誘電率に比例する。すなわち、電圧と吸着層43の比誘電率が大きければ、吸着力は強くなり、吸着層43の厚さが厚ければ、吸着力は弱くなる。
ワークは吸着部4に保持されたら、吸着スイッチ251を開放して、直流電圧の印加が終了したとしても、電極層42と吸着層43とワークが一種のコンデンサを形成し、吸着層43を介して、電極層42とワークに発生した電荷が引き合うので、数十秒〜数分間吸着力が維持される。
ワークを所定の場所に移動したら、脱離スイッチ252を押下すると、第二正極42Pには正電荷と第二負極42Nの負電荷が打ち消しあい、それにより吸着層43中の分極と、ワーク中に誘導された電荷が消失し、ワークが脱離する。
本実施の形態の発明によれば、大がかりな設備や専用装置を用いないでワークを安全に保持・運搬・脱離することが可能となる。また、ワークを治具にシリコーン系粘着剤で直接貼りつけない為、シリコーンによるワークの汚染を防止し、不具合をなくすことが可能となる。また、吸着層43や電極層42の貼り剥がしが自在でベース部を繰り返し使用する事ができるので、製造コストの削減が可能となる。また、電極層42と吸着層43が一体的に形成されているため、取り扱いが容易であるとともに、電極層42と吸着層43に隙間が生じたときの吸着力の低下を防ぐことが可能である。また、吸着層42と電極層43の外周のみがベース部に固定されており、適度なゆとりがある為、吸着層がワークの凹凸やたわみに追従して、吸着能力を維持・向上させることが可能になる。
また、ジョイント部3により吸着部4の向きが一定の範囲内で調整が可能であるので、使用態様に応じて最適な向きでワークを運搬できる。また、使用しないときは、折りたたむことでコンパクトに収納できる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本願発明の範囲は以上の実施の形態に限られるものではなく、これと同視しうる他の形態に対しても及ぶ。例えば、本実施の形態では、吸着層43は、ポリイミドシートからなり、この上にワークを吸着させていたが、吸着層43のワーク吸着側の面に、ポリイミドシートより比誘電率の低い低誘電膜または電気伝導性を有する導電膜を形成することで、吸着層43全体の厚さをコントロールできるので、吸着力をコントロールできる。また、高誘電膜であるポリイミドシートと低誘電層を重ね合わせることで、吸着層43の全体の比誘電率を調整することが出来るので、吸着力をコントロールできる。これにより、脱離スイッチ252を押下したときに、ワークに接する層の分極が消失し、静電力が消失し易くすることができ、電極層42内の電荷が消失すると同時に速やかに吸着力が減衰するので、スムーズにワークを脱離することが可能となる。導電膜の場合は、より静電力喪失の効果が顕著である。ここで、低誘電性膜としては、例えばPTFEシートが挙げられる。また、導電膜としては、一般に知られている帯電防止剤を吸着層42上に塗布して形成することが挙げられる。なお、この場合でも、ポリイミドシートと低誘電膜または導電膜の厚さの合計は、300μm以下であることが望ましく、200μm以下であることがさらに望ましい。
さらに、ベース部41の面内に1個以上の開口を形成することで、開口からベース部41と積層シートの間に空気が取り込まれることで、吸着層42がワークの凹凸やたわみに追従しやすくなるので、より吸着能力を維持・向上させることが可能となる。また、吸着層42がたわみやすくなることで、スムーズなワークの脱離が可能となる。また。ワークが吸着されているかどうかを、反対側の面から視覚で確認することが可能となり、使用時の事故を防ぐことが可能となる。
また、吸着層43の樹脂シートは必ずしもポリイミドシートである必要はなく、使用条件(温度、印加電圧など)によっては、ガラス繊維シートや耐熱プラスチックシート、例えばポリ塩化ビニリデンフィルムのような、食品用ラップフィルムに使われており比較的廉価で入手が容易なものを使用しても、吸着能力を発揮することができる。
電圧発生回路23において、ブロッキング発信回路231のみで所望の電圧が得られる場合は、コッククロフト・ウォルトン回路232は必ずしも必要ではない。この場合、コッククロフト・ウォルトン回路232の代わりにダイオードを使用して、ブロッキング発信回路231から出力される交流電圧を直流電圧に変えることができる。なお、ブロッキング発信回路231の出力電圧を高くするためには、コイルの巻き数を変えて、トランスの昇圧性能を高くしたり、電池24の出力を高くしたりする方法がある。
さらに、電極層42は、半円形だけでなく、様々な形状に形成可能である。例えば、グラジエント式と言われる静電チャックは、櫛型に形成した一対の櫛型電極の歯を互い違いに並べて配置するが、本実施の形態でもこれを用いてもよい。
ワークはシリコーンウエハーに限られず、薄型プリント基板、フレキシブル基板、金属片、プラスチック類、繊維なども吸着が可能である。
1 ワーク運搬装置
2 本体部
21 筐体
22 第一電極部
22P 第一正極部
22N 第一負極部
23 電圧発生回路
3 ジョイント部
4 吸着部
41 ベース部
42 電極層
42P 第二正極部
42N 第二負極部

Claims (4)

  1. 印加された電圧により発生する静電力によりワークを吸着する静電チャック型のワーク運搬装置であって、
    前記ワーク運搬装置は、ワーク運搬時に把持するとともに高電圧を発生する本体部と、ワークを吸着する吸着部と、前記本体部と前記吸着部を機械的に接続するジョイント部を備え、
    前記本体部は、ワーク運搬時に把持する筐体と、前記筐体に内蔵され、電池を電源として300V以上の高電圧を発生させる電圧発生回路と、同様に前記筐体取り付けられ、前記電圧を出力するための第一正極と第一負極と、を有し、
    前記吸着部は、平板状のベース部と、第二正極または第二負極として設置されたシート状の電極層と、前記電極層に一体的に形成されたシート状の吸着層からなる積層シートと、を有し、
    前記ベース部は、厚さが0.5mm以上の樹脂板よりなり、
    前記電極層は、柔軟性を有する厚さが8μm以上30μm以下の2枚以上の金属箔を有する薄膜よりなり、
    前記吸着層は、柔軟性を有する厚さが7μm以上300μm以下の樹脂シートよりなり、
    前記積層シートは、ワークの歪みや凹凸に追従してワークを保持することができるように、その外周部の全部または一部がワークの歪みや凹凸に追従可能なゆとりを持って、前記電極層が前記ベース部に対面する向きで、前記ベース部に着脱自在に固定され、
    前記第一正極は、前記第二正極に、前記第一負極は前記第二負極に、電気的に接続されている、
    ことを特徴とする、ワーク運搬装置。
  2. 前記ジョイント部は、前記吸着部の向き・角度を一定の範囲内で調整・保持可能である、
    ことを特徴とする、請求項1に記載のワーク運搬装置。
  3. 前記吸着層の反電極層側に、前記樹脂シートより比誘電率の低い低誘電膜または電気伝導性を有する導電膜が形成されている、
    ことを特徴とする、請求項1または2何れか1項に記載のワーク運搬装置。
  4. 前記ベース部の面内に1個以上の開口が形成されている、
    ことを特徴とする、請求項1から3何れか1項に記載のワーク運搬装置。

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