JP6592426B2 - 無塩条件下で疎水性相互作用クロマトグラフィーを使用するタンパク質精製 - Google Patents

無塩条件下で疎水性相互作用クロマトグラフィーを使用するタンパク質精製 Download PDF

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Description

疎水性相互作用関連出願の相互参照
本出願は、2013年3月15日に出願された米国仮出願第61/791,238号の利益を米国特許法第119条(e)に基づいて主張し、その全体は参照によって本明細書に組み込まれる。
本発明はタンパク質精製の分野にある。
疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)は多くのモノクローナル抗体精製プロセス中の最終精製ステップとして使用されている(Shukla and Thommes, Trends in Biotechnol 28(5): 253−261, 2010)。クロマトグラフィーのこの様式は、凝集物除去に特に有用であり、また、宿主細胞タンパク質、浸出したプロテインA及び内在性ウイルスなどの他のプロセス関連の不純物の清澄化を提供する(McCue et al., Bioprocess Biosys Eng 31: 261−275, 2008;Shukla et al., J ChromatogrA 848: 28−39, 2006;Jiang et al., Biotechnol Bioeng 107(6): 985−997, 2010)。HICは、タンパク質の表面の疎水性区画との固定相の疎水性(脂肪族または芳香族)配位子間の相互作用に基づく。疎水性配位子とのタンパク質の相互作用は、通常、硫酸アンモニウム、クエン酸ナトリウム及びリン酸カリウム他などのコスモトロピック塩によって促進される。(Melander et al., J Chromatogr A 317: 67−85, 1984)。コスモトロピック塩は水分子と相互作用し、溶液中のタンパク質分子の溶媒和を低下させ、疎水性区画を露出して結合を促進する(Liu et al., mAbs 2(5): 480−499, 2010)。溶出は、通常、塩濃度を減少させることにより、時には有機移動相修飾剤の使用により容易になる。
疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)は、汚染物質からの所望の生成物分離を達成するのに必要な高濃度のコスモトロピック塩によってその使用に限定されている。これらの塩は、しばしば生産設備において処理問題をもたらし、時々、生成物の沈殿を引き起こす場合がある。本開示は、一部、移動相に塩のない素通り(FT)式でHICを運転する方法を提供することによってこの制約を克服する。このHIC法は、約5から約7の水性移動相pHとの非常に疎水性のクロマトグラフィー樹脂を使用して塩のない状態で、高濃度塩条件下で既存のHIC法を使用して観察されたものに匹敵する生成物収率及び純度を達成することができるということを示す驚くべきデータの認識に基づく。
それにより、様々な態様及び実施形態において、本開示は、疎水性配位子を含むマトリクスを使用し、素通り式で疎水性相互作用クロマトグラフィーに、塩を含まず約5.0から約7.0のpHを有する溶液中の抗体をかけることによって抗体を精製する方法及びキットを提供する。
幾つかの態様において、本開示は、塩を含まず約5.0から約7.0のpHを有する溶液中の抗体を準備し、疎水性配位子を含むマトリクスに溶液を装填し、抗体を含む素通り画分を収集することにより抗体を精製する方法及びキットを提供する。
幾つかの実施形態において、溶液のpHは、約5.0から約6.5、約5.0から約6.0、約5.5から約7.0、または6.0から約7.0である。
幾つかの実施形態において、マトリクスは、ヒドロキシル化メタクリル酸ポリマー、アガロースまたはセファロースを含む。
幾つかの実施形態において、疎水性配位子は、フェニル基、ブチル基、ヘキシル基またはオクチル基である。幾つかの実施形態において、疎水性配位子は、マトリクスに共有結合で結合される。
幾つかの実施形態において、配位子含有マトリクスのリゾチームに対する結合能力は、30mg/mlから55mg/mlの間にある。幾つかの実施形態において、配位子含有マトリクスのリゾチームに対する結合能力は、約33.2mg/mlである(または33.2mg/mlと等しい)。
幾つかの実施形態において、抗体はモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体である。幾つかの実施形態において、抗体は、ヒト抗体、マウス抗体またはキメラ抗体である。
幾つかの様々な態様において、本開示は、疎水性配位子を含有し30mg/mlから55mg/mlのリゾチームに対する結合能力を有するマトリクスを使用し、素通り式で疎水性相互作用クロマトグラフィーに、塩を含まず約5.0から約7.0のpHを有する溶液中の抗体をかけることによって抗体を精製する方法及びキットを提供する。
幾つかの態様において、本開示は、ヘキシル基を含有するヒドロキシル化メタクリル酸ポリマーマトリクスを使用し、素通り式で疎水性相互作用クロマトグラフィーに、塩を含まず約5.0から約7.0のpHを有する溶液中の抗体をかけることによって抗体を精製する方法及びキットを提供する。
本発明のこれら及び他の態様を、本明細書においてより詳細に記載する。
本発明は、以下の記載に述べまたは図面に説明した構造の詳細及び構成要素の配置への適用に限定されるものではない。本発明は、その他の実施形態の能力があり、また、様々な方法で実施または遂行することができる。上記の実施形態及び態様のそれぞれは、他の実施形態または態様に関連づけられてもよい。また、本明細書において使用される語法及び用語は、記載のためにあり、限定すると見なされるべきでない。「含む(including)」、「含む(comprising)」、または「有する(having)」、「含む(containing)」、「含む(involving)」及びその変形の本明細書における使用は、それ以降にリストした品目及びその均等物ならびに追加品目を包含することを意味する。
添付の図面は、縮尺通りに描かれることを意図しない。明瞭さのために、すべての構成要素がすべての図面において標識付けされるとは限らない。図面において:
下降する硫酸アンモニウム勾配を使用して、7種の市販の疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)樹脂に対するリゾチームの直線状保持のグラフを示す。 下降するpH勾配においてヘキシルトヨパール上のmAbA−mAbDの直線状保持のグラフを示す。 本開示の無塩HICFTステップの代表的なクロマトグラムを示す。 フェニルトヨパール樹脂を使用する、下降する硫酸アンモニウム勾配上のmAbB及びmAbDの溶出塩濃度のグラフを示す。(より低濃度塩の溶出はより大きな疎水性を暗示する)。 本開示の無塩HICFTステップの性能へのカラム負荷の影響のグラフを示す。
疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)は、これらのタンパク質とHIC樹脂(例えば疎水性配位子で修飾されたポリマーマトリクス)の疎水性表面の間の可逆的な相互作用を利用することによってその表面疎水性の違いに応じてタンパク質を分離する。一般に、HICマトリクスの疎水性タンパク質と配位子の間の相互作用は、流れる緩衝剤中のコスモトロピック塩の存在によって影響を受ける。高い塩濃度は相互作用を増強するが、塩濃度の低下は相互作用を弱める。緩衝剤のイオン強度が低下するにつれて、タンパク質とマトリクスの間の相互作用が逆転し、最低程度の疎水性を有するタンパク質がまず溶出される。最も疎水性のタンパク質は最後に溶出し、相互作用を逆転するには塩濃度のより大きな低減を必要とする。
高濃度の塩の使用は、多くの生産プロセスで非常に望ましくないが、その理由は、それがステンレス鋼タンクの腐食を引き起こし、最も一般に使用されるコスモトロピック塩である硫酸アンモニウムは処分するのに都市廃水問題のために高価であるからである。(Gagnon P., 2006, Polishing Methods for monoclonal IgG purification. In: Shukla AA, Etzel MR, Gadam S, editor. Process Scale Bioseparations for the Biopharmaceutical Industry. New York: Taylor & Francis, p 491−505)。さらに、負荷材料、素通り(FT)プール、及び/または、HIC中の溶出プール中の塩の存在は、処理ステップ間の試料操作を複雑にし、かなりの希釈または限外濾過/ダイアフィルトレーションを必要とする。(Chen et al., J Chromatogr A 1177: 272−2812008)。
HICにおいて高濃度塩の使用と関係した不都合にもかかわらず、従来のHICに匹敵する生成物収率及び純度を提供しつつ、この問題を回避するプロセスは報告されていない。
本開示は、少なくとも一部は、高濃度塩の条件下で既存のHIC法を使用して観察されたものに匹敵する生成物(例えば抗体)収率及び純度を、pH5から約7の溶液を用いて非常に疎水性のクロマトグラフィー樹脂を使用し、塩のない状態で達成することができることを示す驚くべきデータの認識に基づく。このデータは、(1)HIC中のタンパク質/分子保持へのpHの影響が、それ自体予測不能であり、通常、HIC中で変わるパラメーターでなく、(2)通常、本明細書において使用されるものに匹敵する疎水性を有する樹脂は、結果として低い生成物の回収をもたらす「強すぎる」抗体−樹脂相互作用のために、「結合し溶出する」用途には使用されないので予期しなかった(参照、例えばChen et al., J Chromatogr A 1177: 272−281, 2008)。
それにより、本開示は、とりわけ、無塩条件下でHICを使用して、タンパク質(例えば抗体)を精製する方法を提供する。
疎水性相互作用クロマトグラフィー
疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)は、疎水性に基づいて分子を分離する。HICは、生物学的活性を維持しつつタンパク質を精製するための有用な分離技法である。
ほとんどのタンパク質、及びはるかに少ない程度に親水性分子(例えばDNA及び炭水化物)は、その表面に疎水性区域または区画を有する。これらの区画の溶媒和はエネルギー的に都合が悪く、水性移動相中に疎水性空洞の形成を結果として生じる。疎水性効果の促進(コスモトロピック塩の添加による)の結果、固定相上の疎水性区域(例えば疎水性配位子を含むマトリクス区域)へのタンパク質の疎水性区域の吸着を促す。これは、個々の疎水性空洞の数及び体積を低下させるので熱力学的に好都合である。従来のHICにおいて、コスモトロピック塩の濃度を減少させることにより疎水性相互作用を低下させると、固体支持体からの脱着をもたらす。従来のHICは、高い塩濃度で固定相に結合し低い塩濃度でタンパク質が溶出するという点で他のクロマトグラフ分離法と異なる。これは逆方向の塩濃度勾配に現われ、従来のHICが使用されているという印である。
対照的に、本明細書において提供されるHIC法は、塩(例えば移動相緩衝剤のpHを維持するために使用されるもの以外の塩)のない状態で行われる。本開示は、pH5.0から約7.0(またはpH5.0から7.0)を有する水性移動相緩衝剤(本明細書において移動相緩衝剤と呼ぶ)と組み合わせた非常に疎水性のクロマトグラフィー/HIC樹脂の使用を含むHIC法を提供する。クロマトグラフィー/HIC「樹脂」は、本明細書において使用される場合、その上に固定化した疎水性配位子を有するマトリクス(例えばポリマーマトリクス)を指す。
本開示の例示の実施形態において、タンパク質(例えば未精製または部分精製タンパク質)はクロマトグラフィーカラムに装填され、次いで、装填したタンパク質は、移動相緩衝剤の添加によって「追跡される」。幾つかの実施形態において、タンパク質は、カラムに装填する前に移動相緩衝剤中でまず平衡させてもよい。他の実施形態において、タンパク質はカラムに装填する前に移動相緩衝剤中で平衡させない。精製したタンパク質を、例えば、素通り画分として収集されてもよい。それにより、従来のHIC法と異なり、本開示の方法は複数の異なる緩衝剤(例えば結合緩衝剤、洗浄緩衝剤、溶出緩衝剤)を必要としない。例えば50mM未満の塩を含む本開示の移動相緩衝剤は、クロマトグラフィーカラムを平衡させタンパク質を平衡させるために、ならびに/または精製プロセス中及び精製したタンパク質の収集中にカラム素通り緩衝剤として使用されてもよい。
本開示の方法は、「素通り式」のHICを使用する。素通り式のHICは、凝集物及び他の不純物を除去するためにしばしば使用される。これらの不純物は、標的タンパク質(例えば抗体)と非常に類似した化学的性質を有するが、一般に標的タンパク質より疎水性である。本明細書において提供されるような好適な条件下で、不純物はカラムのHIC樹脂に結合し、標的タンパク質の素通りを可能にする。それにより、「素通り画分」は、本明細書において使用される場合、本明細書において提供される樹脂含有カラムを通り抜けた画分中で収集される移動相緩衝剤中のタンパク質を指す。
HIC樹脂のための配位子及びマトリクスを選ぶ場合、幾つかの因子が考慮に入れられてもよい。考慮に入れるべきそのような1つの因子は配位子の種類である。HICマトリクスは、タンパク質の疎水性区域が吸着する疎水性配位子基で(例えば、共有結合で結合して)修飾されてもよい。タンパク質の吸着挙動は固定化配位子の種類によって決定される。一般に、直鎖アルキル配位子は、疎水性の特性を示すが、アリール配位子は、芳香族及び疎水性相互作用の両方が可能である混合モード挙動を示す(Hofstee and Otillio, J Chromatogr 159, 57−69, 1978)。配位子の種類の選択肢は幾つかの事例において経験的に決定されてもよい。本明細書において使用されてもよい疎水性配位子の例は、エーテル基、ポリプロピレングリコール基、フェニル基、ブチル基、ヘキシル基及びオクチル基を含むがこれらに限定されない。これらの官能性基を有するHIC樹脂の例は、フェニルセファロース、ブチルセファロース、オクチルセファロース、カプトフェニル、トヨパールブチル、トヨパールフェニル、トヨパールヘキシル、トヨパールエーテル及びトヨパールPPGを含むがこれらに限定されない。
考慮に入れるべき別の因子は置換度である。タンパク質結合能力は、固定化配位子の置換度が増加するとともに増加する。高水準の配位子置換では、結合能力は一定になるが、しかし、相互作用の親和性は増加する(Jennissen and Heilmeyer, Biochemistry 14, 754−760, 1975)。これらの条件下に結合したタンパク質は多重点結合のために溶出するのが困難になる場合がある。(Jennissen, J Chromatogr 159, 71−83, 1978)。
なお考慮に入れるべき別の因子はマトリクスの種類である。最も広く使用されるマトリクスは親水性炭水化物:架橋したアガロース及び合成コポリマー物質である。配位子は同じであってもよいが、異なるマトリクス間の選択性は同一でない。本開示による使用されてもよいマトリクスの例は、アガロース、セファロース、ヒドロキシル化メタクリル酸ポリマーを含むがこれらに限定されない。
HIC樹脂の疎水性は、本明細書において樹脂の「リゾチームに対する結合能力」とも呼ばれるリゾチームの保持の尺度に基づいて評価されてもよい。「リゾチームに対する樹脂の結合能力」の値を得るために使用されるアッセイは、塩を含む移動相緩衝溶液を用いる。特に、本明細書においてリストされた値を得るために使用される緩衝溶液は、緩衝溶液の約1mol/Lから約3mol/Lの塩濃度(例えばクエン酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸塩または炭酸塩)を含んでいた。これらの結合能力値が樹脂の一般的な疎水性を特性評価するために使用されているが、これらの値が得られる条件が、本開示によって提供される方法に使用するために企図される条件ではないことは理解されるはずである。それにより、本明細書において提供される幾つかの実施形態において、リゾチームに対する樹脂の結合能力は、30mg/mlから55mg/ml、または30mg/mlから35mg/mlの間にあってもよい。例えば、幾つかの実施形態において、リゾチームに対する結合能力は、約30mg/ml、約35mg/ml、約40mg/ml、約45mg/ml、約50mg/mlまたは約55mg/mlであってもよい。幾つかの実施形態において、リゾチームに対する結合能力は、30.0mg/ml、30.1mg/ml、30.2mg/ml、30.3mg/ml、30.4mg/ml、30.5mg/ml、30.6mg/ml、30.6mg/ml、30.7mg/ml、30.8mg/ml、30.9mg/ml、31.0mg/ml、31.1mg/ml、31.2mg/ml、31.3mg/ml,31.4mg/ml、31.5mg/ml、31.6mg/ml、31.7mg/ml、31.8mg/ml、31.9mg/ml、32.0mg/ml、32.1mg/ml、32.2mg/ml、32.3mg/ml、32.4mg/ml、32.5mg/ml、32.6mg/ml、32.7mg/ml、32.8mg/ml、32.9mg/ml、33.0mg/ml,33.1mg/ml、33.2mg/ml、33.3mg/ml、33.4mg/ml、33.5mg/ml、33.6mg/ml、33.7mg/ml、33.8mg/ml、33.9mg/ml、34.0mg/ml、34.1mg/ml,34.2mg/ml、34.3mg/ml、34.4mg/ml、34.5mg/ml、34.6mg/ml、34.7mg/ml、34.8mg/ml、34.9mg/mlまたは35.0mg/mlである。幾つかの実施形態において、リゾチームに対する樹脂の結合能力は、30mg/ml未満、または55mg/mlを超えてもよい。このように、本明細書において提供される方法は、前述の値のいずれかのリゾチームに対する結合能力を有するHIC樹脂を利用してもよい。例えば、本開示の方法は、ヘキシル基を含有するヒドロキシル化メタクリル酸ポリマーマトリクス、及び約30mg/mlから約35mg/ml、または約33mg/mlの結合能力を有するHIC樹脂を利用してもよい。
驚いたことに、本開示は、タンパク質(例えば抗体)の疎水性区域とマトリクス(例えば樹脂を含有する)の疎水性区域との間の相互作用を調節する塩を使用しないで、移動相緩衝剤のpHは、同様の目的に役立つように修飾することができ、高濃度の塩(例えば50mMを超える塩、または100mMを超える塩)の有害効果がないことを示す。本明細書において提供される移動相中の溶液のpHは、5.0から7.0の間、または5.0から約7.0の間(例えば、終点5.0及び約7.0を含む)、5.0から約6.5の間(例えば、終点5.0及び約6.5を含む)、5.0から約6.0の間(例えば、終点5.0及び約6.0を含む)、5.5から約7.0の間(例えば、終点5.5及び約7.0を含む)、5.5及び約6.5の間(例えば、終点5.5及び約6.5を含む)、または5.5及び約6.0の間(例えば、終点5.5及び約6.0を含む)にあってもよい。例えば、幾つかの実施形態において、移動相中の溶液のpHは、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9または7.0であってもよい。
本明細書において提供される方法は、塩がHIC系に加えられない場合、「塩を含まない」、または「無塩条件」下に行われると考えられる(例えばHIC系中で使用される、移動相緩衝剤などの水性緩衝剤)。タンパク質精製に使用される溶液のpHを維持するために使用される緩衝剤は、幾つかの実施形態において低濃度の塩を含んでもよいことは理解されるべきである。緩衝剤(例えばpH緩衝剤)は、通常、例えば、弱酸の混合物及びその共役塩基を含む。成分を緩衝化する例は、クエン酸/クエン酸ナトリウム、酢酸、KHPO、N−シクロヘキシル−2−アミノエタンスルホン酸(CHES)及びホウ酸塩を含むがこれらに限定されない。幾つかの実施形態において、緩衝剤(例えば移動相緩衝剤)は、100mM以下(例えば50mM以下、25mM以下、20mM以下、15mM以下、10mM以下、5mM以下、2.5mM以下、または中間濃度)の、緩衝溶液中で使用される1種または複数の緩衝剤成分(例えばクエン酸ナトリウム)を含んでもよい。幾つかの実施形態において、本開示の移動相緩衝剤は、1ミリシーメンス/センチメートル(mS/cm)から10mS/cmの伝導率を有する。幾つかの実施形態において、本開示の移動相緩衝剤は10mS/cm未満の伝導率を有する。例えば、本開示の移動相緩衝剤には、9mS/cm(または9mS/cm未満)、8mS/cm(または8mS/cm未満)、7mS/cm(または7mS/cm未満)、6mS/cm(または6mS/cm未満)、5mS/cm(または5mS/cm未満)、4mS/cm(または4mS/cm未満)、3mS/cm(または3mS/cm未満)、2mS/cm(または2mS/cm未満)または1mS/cm(または1mS/cm未満)の伝導率があってもよい。
幾つかの実施形態において、移動相緩衝剤はpH緩衝成分としてクエン酸ナトリウムを含む。幾つかの実施形態において、クエン酸ナトリウムは、3mMから20mMの濃度で移動相緩衝剤中に存在する。例えば、クエン酸ナトリウムは、3mM、4mM、5mM、6mM、7mM、8mM、9mM、10mM、11mM、12mM、13mM、14mM、15mM、16mM、17mM、18mM、19mMまたは20mMの濃度で移動相緩衝剤中に存在してもよい。幾つかの実施形態において、クエン酸ナトリウムは、5mMから10mMの濃度で移動相緩衝剤中に存在する。幾つかの実施形態において、タンパク質がHICカラムに装填され、続いて移動相緩衝剤がカラムへ添加される。幾つかの実施形態において、精製されたタンパク質は、素通り画分から収集される。他の実施形態において、代替緩衝剤(例えば本明細書に記載されるような)はクエン酸ナトリウムの代わりに同様の濃度で使用されてもよいことは理解されるべきである。
精製されるタンパク質試料中に少量の塩(例えばNaCl)が存在してもよいことは理解されるはずであり、そういうものとして、塩は、通常、貯蔵緩衝剤中で可溶性タンパク質安定化のために使用される。
幾つかの実施形態において、クロマトグラフィーカラムは、1から15カラム容量の移動相緩衝剤を用いて平衡させる。例えば、幾つかの実施形態において、クロマトグラフィーカラムは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15カラム容量の移動相緩衝剤を用いて平衡させる。幾つかの実施形態において、クロマトグラフィーカラムは1未満または15カラム容量を超える移動相緩衝剤を用いて平衡させる。幾つかの実施形態において、カラム容量は5mlから50ml以上である。例えば、カラム容量は、5ml、10ml、15ml、20ml、25ml、30ml、35ml、40ml、45mlまたは50mlであってもよい。カラム容量は、用途に応じて、規模を拡大、または縮小してもよい。例えば、大規模用途はより大きなカラム容量を利用してもよい。
幾つかの実施形態において、カラム滞留時間は2分から10分である。本明細書において使用される場合、「滞留時間」は、粒子(例えばタンパク質または不純物)が特定の系(例えばカラム)において費やす時間の平均量を指す。幾つかの実施形態において、カラム滞留時間は、2分、3分、4分、5分、6分、7分、8分、9分または10分である。幾つかの実施形態において、カラム滞留時間は6分である。
幾つかの実施形態において、第1の精製、または「最終精製」ステップ、続いて本明細書において提供される第2のHICFT精製ステップが使用される。第1の最終精製ステップは、例えば陰イオン交換(AEX)クロマトグラフィー(例えば、TMAE FRACTOGEL(登録商標)を使用する)などのイオン交換クロマトグラフィーを使用するタンパク質の精製を含んでもよい。他の精製方法が、幾つかの実施形態において第1の最終精製ステップとして使用されてもよいことは認識されるべきである。幾つかの実施形態において、本開示のHICFT法は、第1の(及び、幾つかの事例において、唯一の)最終精製ステップとして使用される。したがって、本開示の方法は、本明細書において提供される塩を含まないHICFT法と異なる第1の最終精製ステップを必要としない。
幾つかの実施形態において、精製したタンパク質は、例えば限外濾過(UF)及び/またはダイアフィルトレーション(DF)によって濃縮される。
抗体
本明細書において提供される方法は、抗体を精製するのに特に有用である。抗体(複数形と交換可能に使用される)は、免疫グロブリン分子の可変領域に位置する少なくとも1つの抗原識別部によって、例えば、炭水化物、ポリヌクレオチド、脂質またはポリペプチドなどの標的と特異的に結合することができる免疫グロブリン分子である。本明細書において使用される場合、用語「抗体」は、そのままの(例えば全長)ポリクローナルまたはモノクローナル抗体だけでなく、その抗原結合性フラグメント(Fab、Fab’、F(ab’)及びFvなど)、単一鎖(scFv)、その突然変異体、抗体部分を含む融合タンパク質、ヒト化抗体、キメラ抗体、二特異性抗体、線状抗体、単一鎖抗体、多重特異性抗体(例えば二重特異性抗体)、ならびに抗体のグリコシル化変異体、抗体のアミノ酸配列変異体及び共有結合修飾抗体を含む、必要とされる特異性の抗原識別部を含む免疫グロブリン分子の他の修飾配置を包含する。抗体は、IgD、IgE、IgG、IgAまたはIgM(またはそのサブクラス)などの任意のクラスの抗体を含み、抗体が何らかの特定のクラスのものである必要はない。免疫グロブリンは、重鎖の不変領域の抗体アミノ酸配列に応じて異なるクラスに帰属させてもよい。5つの主要なクラスの免疫グロブリン:IgA、IgD、IgE、IgG及びIgMがあり、これらの幾つかは、サブクラス(イソタイプ)、例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、IgA2にさらに分けられてもよい。幾つかの実施形態において、本開示の抗体はIgG1抗体である。異なるクラスの免疫グロブリンに対応する、重鎖不変領域は、それぞれアルファ、デルタ及びイプシロン、ガンマ及びミューと呼ばれる。異なるクラスの免疫グロブリンのサブユット構造及び三次元配置はよく知られている。
本明細書において提供されるHIC法を使用して精製されてもよい抗体は、モノクローンでもポリクローンでもよい。「モノクローナル抗体」は均一抗体集団を指し、「ポリクローナル抗体」は不均一抗体集団を指す。
幾つかの実施形態において、抗体は、ヒト化抗体である。ヒト化抗体は、特異的なキメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖である人類以外(例えばネズミ)の抗体、または人類以外の免疫グロブリンに由来する最小限の配列を含むその抗原結合性フラグメントの形態を指してもよい。ヒト化抗体は、レシピエントの相補性決定領域(CDR)からの残基が、所望の特異性、親和性及び能力を有するマウス、ラットまたはウサギなどの人類以外の種(ドナー抗体)のCDRからの残基と置き換えられたヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)であってもよい。
幾つかの実施形態において、抗体は、ヒト抗体からの重い不変部領域及び軽い不変部領域を含むことができるキメラ抗体である。キメラ抗体は、第1の種からの可変領域または可変領域の一部、及び第2の種からの不変部領域を有する抗体を指してもよい。
本明細書において提供されるHIC法を使用して精製されてもよい抗体の例は、以下を含むがこれらに限定されない。アバゴボマブ、アブシキシマブ、アクトクスマブ、アダリムマブ、アデカツムマブ、アフェリモマブ、アフツズマブ、アラシズマブ ペゴル、ALD、アレムツズマブ、アリロクマブ、アルツモマブ ペンテテート、アマツキシマブ、アナツモマブ マフェナトクス、アンルキンズマブ、アポリズマブ、アルシツモマブ、アセリズマブ、アチヌマブ、アトリズマブ、アトロリムマブ、バピネオズマブ、バシリキシマブ、バビツキシマブ、ベクツモマブ、ベリムマブ、ベンラリズマブ、ベルチリムマブ、ベシレソマブ、ベバシズマブ、ベズロトクスマブ、ビシロマブ、ビマグルマブ、ビバツズマブ メルタンシン、ブリナツモマブ、ブロソズマブ、ブレンツキシマブ ベドチン、ブリアキヌマブ、ブロダルマブ、カナキヌマブ、カンツズマブ メルタンシン、カンツズマブ ラブタンシン、カプラシズマブ、カプロマブ ペンデチド、カルルマブ、カツマクソマブ、セデリズマブ、セルトリズマブ ペゴル、セツキシマブ、シタツズマブ ボガトクス、シクスツムマブ、クラザキズマブ、クレノリキシマブ、クリバツズマブ テトラキセタン、コナツムマブ、コンシズマブ、クレネズマブ、ダセツズマブ、ダクリズマブ、ダロツズマブ、ダラツムマブ、デムシズマブ、デノスマブ、デツモマブ、ドルリモマブ アリトクス、ドロジツマブ、ヅリゴツマブ、ヅピルマブ、ヅシギツマブ、エクロメキシマブ、エクリズマブ、エドバコマブ、エドレコロマブ、エファリズマブ、エフングマブ、エルデルマブ、エロツズマブ、エルシリモマブ、エナバツズマブ、エンリモマブ ペゴル、エノキズマブ、エノチクマブ、エンシツキシマブ、エピツモマブ シツキセタン、エプラツズマブ、エルリズマブ、エルツマクソマブ、エタラシズマブ、エトロリズマブ、エボロクマブ、エクスビビルマブ、ファノレソマブ、ファラリモマブ、ファルレツズマブ、ファシヌマブ、FBTA、フェルビズマブ、フェザキヌマブ、フィクラツズマブ、フィギツムマブ、フランボツマブ、ホントリズマブ、ホラルマブ、ホラビルマブ、フレソリムマブ、フルラヌマブ、フツキシマブ、ガリキシマブ、ガニツマブ、ガンテネルマブ、ガビリモマブ、ゲムツズマブ オゾガマイシン、ゲボキズマブ、ギレンツキシマブ、グレムバツムマブ ベドチン、ゴリムマブ、ゴミリキシマブ、グセルクマブ、イバリズマブ、イブリツモマブ チウキセタン、イクルクマブ、イゴボマブ、イムシロマブ、イムガツズマブ、インクラクマブ、インダツキシマブ ラブタンシン、インフリキシマブ、インテツムマブ、イノリモマブ、イノツズマブ オゾガマイシン、イピリムマブ、イラツムマブ、イトリズマブ、イキセキズマブ、ケリキシマブ、ラベツズマブ、ラムパリズマブ、レブリキズマブ、レマレソマブ、レルデリムマブ、レキサツムマブ、リビビルマブ、リゲリズマブ、リンツズマブ、リリルマブ、ロデルシズマブ、ロルボツズマブ メルタンシン、ルカツムマブ、ルミリキシマブ、マパツムマブ、マルゲツキシマブ、マスリモマブ、マブリリムマブ、マツズマブ、メポリズマブ、メテリムマブ、ミラツズマブ、ミンレツモマブ、ミツモマブ、モガムリズマブ、モロリムマブ、モタビズマブ、モキセツモマブ パスドトクス、ムロモナブ−CD、ナコロマブ タフェナトクス、ナミルマブ、ナプツモマブ エスタフェナトクス、ナルナツマブ、ナタリズマブ、ネバクマブ、ネシツムマブ、ネレリモマブ、ネスバクマブ、ニモツズマブ、ニボルマブ、ノフェツモマブ メルペンタン、オカラツズマブ、オクレリズマブ、オヅリモマブ、オファツムマブ、オララツマブ、オロキズマブ、オマリズマブ、オナルツズマブ、オポルツズマブ モナトクス、オレゴボマブ、オルチクマブ、オテリキシズマブ、オキセルマブ、オザネズマブ、オゾラリズマブ、パギバキシマブ、パリビズマブ、パニツムマブ、パノバクマブ、パルサツズマブ、パスコリズマブ、パテクリズマブ、パトリツマブ、ペムツモマブ、ペラキズマブ、ペルツズマブ、ペキセリズマブ、ピジリズマブ、ピナツズマブ ベドチン、ピンツモマブ、プラクルマブ、ポラツズマブ ベドチン、ポネズマブ、プリリキシマブ、プリトキサキシマブ、プリツムマブ、キリズマブ、ラコツモマブ、ラドレツマブ、ラフィビルマブ、ラムシルマブ、ラニビズマブ、ラキシバクマブ、レガビルマブ、レスリズマブ、リロツムマブ、リツキシマブ、ロバツムマブ、ロレヅマブ、ロモソズマブ、ロンタリズマブ、ロベリズマブ、ルプリズマブ、サマリズマブ、サリルマブ、サツモマブ ペンデチド、セクキヌマブ、セリバンツマブ、セトキサキシマブ、セビルマブ、シブロツズマブ、シファリムマブ、シルツキシマブ、シムツズマブ、シプリズマブ、シルクマブ、ソラネズマブ、ソリトマブ、ソネプシズマブ、ソンツズマブ、スタムルマブ、スレソマブ、スビズマブ、タバルマブ、タカツズマブ テトラキセタン、タドシズマブ、タリズマブ、タネズマブ、タプリツモマブ パプトクス、テフィバズマブ、テリモマブ アリトクス、テナツモマブ、テネリキシマブ、テプリズマブ、テプロツムマブ、TGN、チシリムマブ、チルドラキズマブ、チガツズマブ、TNX−、トシリズマブ、トラリズマブ、トシツモマブ、トベツマブ、トラロキヌマブ、トラスツズマブ、TRBS、トレガリズマブ、トレメリムマブ、ツコツズマブ セルモロイキン、ツビルマブ、ウブリツキシマブ、ウレルマブ、ウルトキサズマブ、ウステキヌマブ、バンチクツマブ、バパリキシマブ、バテリズマブ、ベドリズマブ、ベルツズマブ、ベパリモマブ、ベセンクマブ、ビシリズマブ、ボロシキシマブ、ボルセツズマブ マホドチン、ボツムマブ、ザルツムマブ、ザノリムマブ、ザツキシマブ、ジラリムマブ及びゾリモマブアリトクス。
幾つかの実施形態において、抗体は、抗アルファシヌクレイン(A−SYN)(例えば、参照によって本明細書に組み込まれる国際公開第2012177972A1号パンフレット参照)、抗BART(例えば、それぞれ参照によって本明細書に組み込まれる、国際公開第2008081008A1号パンフレット及び米国特許第20110182809号明細書参照)及び抗LINGO(例えば、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第8425910B2号明細書、及び米国特許出願公開第20120014960A1号明細書参照)から選択される。
本発明は、以下の実施例によってさらに説明されるが、さらに限定するものと決して解釈されるべきでない。本出願の全体にわたって引用される参考文献(参考文献、発行された特許、公開された特許出願及び同時係争中の特許出願を含む)のすべての全体内容は、これによって、特に本明細書において参照される教示のために明確に参照により組み込まれる。
実施例
この検討は、既存の高濃度塩HICFTステップ(対照)とプロセス性能において匹敵する、代替の無塩条件下での疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)素通り(FT)ステップの特定を対象とする。
4種のモノクローナル抗体(mAbA−mAbD;例えば、それぞれA−SYN、BART、LINGO及びさらなるモノクローナル抗体)を、HIC樹脂上で直線状保持によって決定してそれぞれpI(〜6.5−8.5)及び表面疎水性を変えて、この検討に使用した。これらの抗体はすべて、生産プロセスにおいてHICFTステップを有し、主として凝集物及び宿主細胞タンパク質を減少させる役目をした。硫酸アンモニウムは、所望の選択性を達成するためにコスモトロピック塩として使用し、プロセスにおいて選択した濃度は、分子の疎水性及び所望の分離に依存した。表1は、各分子に必要な硫酸アンモニウム濃度及び各HIC(フェニルセファロース高速(FF)高置換(HS))FTステップの負荷試料を調製するのに必要な希釈を示す。
樹脂選択。無塩HICFTステップを作るために、以下の市販の樹脂(疎水性配位子を含有するマトリクス)を選択し、その疎水性を比較した:カプトフェニル(高置換)、ブチルセファロース4高速(FF)、及びオクチルセファロース4FF(GEヘルスケアライフサイエンス);及びトヨパールフェニル−650M、トヨパールブチル−650M及びトヨパールヘキシル−650C(東ソーバイオサイエンス、LLC)。既存のHIC法は、通常、フェニルセファロースマトリクス(例えば、フェニルセファロースFF HS)を使用し、これをこの検討では対照樹脂として使用した。様々なマトリクスの疎水性を比較するために、下降する塩(硫酸アンモニウム)勾配においてリゾチームの直線状保持を各HIC樹脂について求めた。より疎水性の配位子、例えばフェニル、ブチル、ヘキシル、オクチルをこの実験のために選択し、エーテル及びPPGなどのそれほど疎水性でない配位子は除外した。図1は、試験したマトリクスそれぞれの直線状保持データを示す。示す通り、ヘキシル・トヨパール・ヘキシル−650Cは、対照のフェニルセファロースFF HSより疎水性であったので、さらなる分析のために選択した。ヘキシル・トヨパール・ヘキシル−650C樹脂はまた、硬質のポリマー骨格という利点があり、より高い流速を可能にし、より大規模の充填を容易にする。
pH選択。FTステップに必要な移動相のpHを特定するために、pH勾配は、4種の抗体すべてを用いてトヨパールヘキシル−650C樹脂について分析条件下で実施した。各mAbがこの勾配で溶出されるpHを図2に示し、正確な値は表2にリストする。FTステップ中に装填したタンパク質の量は、対照プロセスと同じに維持した。特定した移動相のpHを使用して、その結果は、生成物収率及び不純物清澄化が対照に匹敵することを示した。抗体のpI及び表面疎水性の両方が最適pHを決定する因子であることが見いだされた。
図3は、無塩HIC素通りステップからのmAbBの代表的なクロマトグラムを示す。表3は、無塩条件下でHICFTステップを使用して、タンパク質(例えば抗体)を単離するために開発した最終条件をリストする。
表2及び3のデータを比較すると、最適pH条件が分析的なpH勾配実験から得られたものに類似していることを示す。予想外に、mAbB及びmAbDは、この範囲の二端(8.7対6.5)でpIを有するにもかかわらず同一の最適pH(pH6.0)を有していた。これは、対照HIC樹脂(図4)の直線状保持によって決定されるように、2種の抗体間の表面疎水性の違いの結果であり得る。mAbBはmAbDほど疎水性ではなく(図4)、それは、より高いpIの影響を打ち消した可能性がある。したがって、各分子に必要な最適pHは、そのpIと表面疎水性の両方に影響を受けた。表3に示すように、2つのHICステップ(無塩及び高濃度塩の対照プロセス)からのプロセスデータ(ステップ回収及び不純物清澄化)は、対照に匹敵する性能がすべての事例において観察されたことを示す。
mAbBを用いてステップ性能についてのカラム負荷の影響を評価するためにさらに調査を行った。図5は、ヘキシル樹脂へのカラム負荷の関数としてFTプールのステップ収率及びHMW水準をプロットしている。HMWがこのステップによって除去する必要がある決定的な不純物であるので、HMWのみをモニターした。より高いHMW%を含むプロテインA溶出液をこの分析に使用した。したがって、HMW水準は表3で報告したものより高い。図5は、収率とHMW水準の両方がカラム負荷の関数として増加したことを示す。これは、最適のカラム負荷が収率と所望のHMW水準の間の最良の妥協に基づいて選択されている素通りステップについては典型的である。この場合の上昇率は、史上最高の塩濃度HICステップで見られたものと類似していることがわかった。〜l00g/Lの平均負荷は、このプロセスが<1%の目標HMW水準を一貫して満たすように選んだ。
移動相条件及びカラム負荷を最終確定させた後、樹脂のロットばらつきも生産規模でのプロセス頑健性を保証するために完了した(表4)。樹脂疎水性がこのステップの選択性への主要因であったので、これが重要であると考えられた。製造業者の仕様書範囲にわたってまたがるヘキシル樹脂の3つのロットをこの検討のために選んだ。HICステップを第2の最終精製ステップとして使用するように設計したので、第1の最終精製ステップ(TMAE FRACTOGEL(登録商標)を用いる陰イオン交換クロマトグラフィーを使用する)からの溶出液をこの検討の負荷として使用した。実験はすべて100mg/mlの樹脂負荷で実施した。表4は収率及び製品品質のデータを要約し、3つの樹脂ロットすべてにわたって一貫した性能を示す。
この検討の結果は、次の理由で予期しなかった。例えば、(1)HIC中の保持へのpHの影響はそれ自体予測不能であり、(2)通常、そのような高い疎水性を有する樹脂、例えばトヨパールヘキシル−650Cは、強すぎる抗体−樹脂相互作用、その結果低い生成物回収のために、「結合し溶出する」用途には使用されない(参照:例えばChen et al, J Chromatogr A 1177: 272−281, 2008)。
塩を用いないHICFTステップの操作は、大規模プロセスにとって並はずれた意味合いを有する。例えば、それは、HICFTステップ前に何らかの希釈(高濃度の塩の添加による)に対する必要性をなくし、タンク容量の制約を克服することによって大規模化に適合する設備を可能にする。本プロセスによるプール容量の極小化はまた、HICFTステップに続く高価なウイルスフィルターの寸法を減少させるのを助けるので経済的影響があった。生産プロセスからの塩(例えば硫酸アンモニウム)の除去は、処理費を低減し、生産により友好的と考えられる。
材料及び方法
材料
この検討において使用したmAbはすべて、CHO細胞株中で製造した。mAbA−mAbDは、それぞれ〜7.2、8.7、7.4及び6.5の等電点を有するIgG1であった。モデルタンパク質リゾチームは、シグマ(セントルイス、ミズーリ)から購入した。フェニルセファロースHS、カプトフェニルHS、ブチルセファロース4FF及びオクチルセファロース4FFなどのアガロース系樹脂は、GEヘルスケア(ピスカタウェイ、ニュージャージー)から得た。フェニルトヨパール650M、ブチルトヨパール650M及びヘキシルトヨパール650Cなどのメタクリラート系HIC樹脂は、東ソーバイオサイエンス(モンゴメリビル、ペンシルベニア)から得た。SEC分析に使用したTSKゲルG3000 SWXLカラム(7.8mm x 300mm)は、東ソーバイオサイエンス(モンゴメリビル、ペンシルベニア)から購入した。化学物質及び塩はすべてJTベーカー(フィリップスバーグ、ニュージャージー)から購入した。
装置
クロマトグラフィーの実験はすべて、GEヘルスケア(ウプサラ、スウェーデン)からのAKTAエキスプローラークロマトグラフィーシステムで実行した。HPLC分析は、ウォーターズ(ミルフォード、マサチューセッツ)HPLC e2695分離モジュールで実行した。タンパク質試料の吸光度は、パーキンエルマー(ウォルサム、マサチューセッツ)からのラムダ25 UV/可視分光光度計を使用して測定した。
タンパク質保持実験
様々なHIC樹脂についてのリゾチームの直線状保持データは、D0.66cm x L10cmのカラムを使用して、パルス注入(〜5mg/mlの濃度のタンパク質0.1mL)を使用する直線状勾配実験から得られた。塩(硫酸アンモニウム)の下降する勾配を、pH7.0でリン酸緩衝系中の15カラム容量にわたって1.5Mから0Mで実施した。
ヘキシルトヨパールについての様々な抗体の溶出pHは、D0.66cm x L10cmのカラムを使用して、パルス注入(〜5mg/mlの濃度のタンパク質0.5mL)を使用する直線状勾配実験から得られた。pHの下降する勾配を、pH6.0から3.5で10mMクエン酸塩(伝導率〜2−3mS/cm)緩衝系中の15カラム容量にわたって実施した。ピーク最大値での溶出pHは、勾配から計算し、さらに、AKTA系の一部であるオンラインモニターpH/C−900ユニットから得られた溶出液pH痕跡から検証した。
mAbB及びmAbDを用いる塩濃度勾配実験もフェニルセファロース樹脂について同様の方式で実施した。硫酸アンモニウムの下降する勾配は、1.5から0Mの硫酸アンモニウムで10カラム容量にわたってpH6及び7で実施した。ピーク最大値での溶出塩濃度は勾配から計算した。
分取精製実験
HIC分取実験を素通りモードで実施した。D1cm x L20cmのカラムを各実験に使用した。カラムは、移動相(例えば平衡)緩衝剤の3カラム容量でまず平衡させた。その緩衝剤の移動相塩濃度及びpHは、結果の項で説明したようにタンパク質及び樹脂の組み合わせに特異的であった次いで、上に述べたようにカラムに特定の量のタンパク質を装填した。UVが上昇し始めるにつれて、素通りピークの収集が開始され、生成物は移動相(例えば平衡)緩衝剤を用いて追跡した。カラムを3−5カラム容量の水で浄化/洗浄し、0.5NのNaOHで用いて衛生的にした。6分の滞留時間をプロセスの全体にわたって使用した。
分析技法
試料のHMW水準は、分析的なサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によってTSKゲルG3000 SWXLカラムを使用して測定した。100mM NaPO4、200mM NaCl、pH6.8及び1mL/分の流速の移動相を使用した。溶出ピークはUV吸光度によって280nmで検出した。
分取実験からの試料のHCP水準は、メソスケールディスカバリー(Meso Scale Discovery)プラットフォームでの電気化学発光検出を使用して、ELISAに基づく免疫測定法を含む組織内の汎用HCPアッセイを使用して求めた。
他の実施形態
本明細書において開示される特色はすべて、任意に組み合わせられてもよい。本明細書において開示される各特色は、同一、等価または同様の目的に役立つ代替の特色と置き換えられてもよい。したがって、特に断らない限り、開示される各特色は、総括的な一連の等価または同様の特色の単なる例である。
上記の記載から、当業者は、容易に本発明の必須特性を確認することができ、その趣旨及び範囲から離れることなく、様々な使用及び条件にそれを適応させるために本発明の様々な変更及び改変を加えることができる。したがって、他の実施形態もまた特許請求の範囲内にある。
均等物
本発明の幾つかの実施形態が本明細書に記載され例証されたが、当業者は、本明細書において記載された機能を果たし、及び/または、結果及び/または1つもしくは複数の利点を得るために、様々な他の手段及び/または構造の構想を容易に描くであろう。そのような変形及び/または修正はそれぞれ、本明細書において記載された発明の実施形態の範囲内であると見なされる。より一般的には、当業者は、本明細書において記載されたパラメーター、寸法、材料及び配置はすべて、例示であることが意図され、実際のパラメーター、寸法、材料及び/または配置は、本発明の教示が使用される具体的な用途(複数可)に依存することを容易に理解するであろう。当業者は、単なるルーチン実験を使用して、本明細書に記載される本発明の特定の実施形態との多くの均等物を認識し、または確認することができるであろう。したがって、前述の実施形態は例としてのみ提示され、添付された特許請求の範囲及びその均等物の範囲内で、具体的に記載され請求される以外に、本発明の実施形態が実施されてもよいことは理解されるはずである。本開示の発明の実施形態は、本明細書に記載される個々の特色、システム、物品、材料、キット及び/または方法を対象とする。さらに、そのような特色、システム、物品、材料、キット及び/または方法の2以上の任意の組み合わせは、そのような特色、システム、物品、材料、キット及び/または方法が互に矛盾しない限り、本発明の範囲内に包含される。
本明細書で定義され使用される場合、すべての定義は、辞書の定義、参照によって組み込まれる文献中の定義、及び/または定義された用語の通常の意味を超えて優先するものと理解されなければならない。
不定冠詞「a」及び「an」が本明細書及び特許請求の範囲において使用される場合、明白に逆に示されない限り、「少なくとも1つ」を意味するものと理解されるべきである。
語句「及び/または」が本明細書及び特許請求の範囲において使用される場合、そのように結合された要素の「どちらかまたは両方とも」、すなわち、ある場合は結合して存在する要素、また他の場合には分離して存在することを意味するものと理解されるべきである。「及び/または」を用いてリストされた複数の要素は、同一の様式で、すなわち、そのように結合された「1つまたは複数の」要素と解釈されるべきである。具体的に識別された要素と関係があろうとなかろうと、場合によって、他の要素が、「及び/または」項によって具体的に識別された要素以外に存在してもよい。したがって、非限定的な例として、「A及び/またはB」への言及は、「を含む」などの限定のない語法と組み合わせて用いられる場合、一実施形態においては、Aのみ(場合によってB以外の要素を含む);他の実施形態においては、Bのみ(場合によってA以外の要素を含む);さらに他の実施形態においては、AとBの両方(場合によって他の要素を含む)などを指すことができる。
本明細書及び特許請求の範囲において使用される場合、「または」は、上に定義した「及び/または」と同じ意味を持つと理解されるべきである。例えば、リストの品目を分けるとき、「または」または「及び/または」は、包括的であると解釈されるべきであり、すなわち、少なくとも1つを含むだけでなく、幾つかの要素または要素のリストのうちの複数をも含み、場合によって、リストされていない追加の品目も含むものと解釈されるべきである。反対に、「1つのみの」、「正確に1つの」または特許請求の範囲で使用されるときは「からなる」のような明確に指示した用語だけは、幾つかの要素または要素のリストのうちの正確に1つの要素を含むことを指す。一般に、本明細書で用いられる用語「または」は、「いずれか」、「1つの」、「1つのみの」または「正確に1つの」などの排他性の用語が先行するとき、排他的な択一物(すなわち、「一方または他方であって両方ではない」)を示すものとしてのみ解釈されるものとする。特許請求の範囲において使用される場合、「から本質的になる」は、特許法の分野において用いられる通常の意味を有するものとする。
本明細書及び特許請求の範囲において使用される場合、1つまたは複数の要素のリストに関して、用語「少なくとも1つ」は、要素のリスト中の1つまたは複数の要素から選択される少なくとも1つの要素を意味し、要素のリスト内に特にリストされたそれぞれすべての要素の少なくとも1つを必ずしも含まず、また、要素のリストのいかなる組み合わせをも排除しないと理解されるべきである。この定義は、特に特定された要素に関係しようとしまいと、用語「少なくとも1つ」が指す要素のリスト内で特に特定された要素以外の要素が場合によって存在してもよいものとする。したがって、非限定的例として、「A及びBの少なくとも1つ」(または「AまたはBの少なくとも1つ」と等価、または「A及び/またはBの少なくとも1つ」と等価)は、一実施形態において、Bが存在せず(B以外の要素を場合によって含む)、複数のAを場合によって含む少なくとも1つのAを指し;他の実施形態において、Aが存在せず(A以外の要素を場合によって含む)、複数のBを場合によって含む少なくとも1つのBを指し;さらに他の実施形態においては、複数のAを場合によって含む少なくとも1つのA、及び複数のBを場合によって含む少なくとも1つのB(他の要素を場合によって含む)などを指す。
逆に明示されない限り、複数のステップまたは行為を含む、本明細書において請求されるいかなる方法においても、方法のステップまたは行為の順序は、方法のステップまたは行為が記述される順序に必ずしも限定されないことが理解されるべきである。
本明細書において開示した参考文献、特許及び特許出願はすべて、それぞれが引用される主題に関して参照によって組み込まれ、幾つかの事例において文書の全体を包含してもよい。
上記の明細書においてだけでなく、特許請求の範囲においても、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「担持する(carrying)」、「有する(having)」、「含む(containing)」、「含む(involving)」、「保持する(holding)」、「構成される(composed of)」などのすべての移行句は、限定がない、すなわち、含むが限定されないことを意味すると理解されるべきである。「からなる」及び「から本質的になる」という移行句のみが、United States Patent Office Manual of Patent Examining Procedures Section 2111.03.に記載の、それぞれ閉じたまたは準閉じた移行句であるものとする。

Claims (12)

  1. 抗体の精製方法であって、
    ヘキシル基を含有するヒドロキシル化メタクリル酸ポリマーマトリクスを使用して、疎水性相互作用クロマトグラフィーに素通り式で溶液中の抗体をかけることを含み、ここで、溶液が、100mMを超える塩を含まず、5.0から7.0のpHを有する、前記方法。
  2. 抗体の精製方法であって、
    100mMを超える塩を含まず、5.0から7.0のpHを有する溶液中の抗体を準備することと、
    ヘキシル基を含有するヒドロキシル化メタクリル酸ポリマーマトリクスに溶液を装填することと、
    抗体を含む素通り画分を収集することとを含む、前記方法。
  3. 溶液のpHが、5.0から6.5、5.0から6.0、5.5から7.0、または6.0から7.0である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 抗体が、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 抗体が、ヒト抗体、マウス抗体またはキメラ抗体である、請求項4に記載の方法。
  6. 抗体の精製方法であって、
    ヘキシル基を含有するヒドロキシル化メタクリル酸ポリマーマトリクスを使用して、疎水性相互作用クロマトグラフィーに素通り式で溶液中の抗体をかけることを含み、ここで、溶液が、硫酸アンモニウムを含まず、疎水性相互作用クロマトグラフィーにおいて使用される移動相緩衝剤のpHを維持するために使用されるもの以外の塩を含まず、5.0から7.0のpHを有する、前記方法。
  7. 抗体の精製方法であって、
    硫酸アンモニウムを含まず、疎水性相互作用クロマトグラフィーにおいて使用される移動相緩衝剤のpHを維持するために使用されるもの以外の塩を含まず、5.0から7.0のpHを有する溶液中の抗体を準備することと、
    ヘキシル基を含有するヒドロキシル化メタクリル酸ポリマーマトリクスに溶液を装填することと、
    抗体を含む素通り画分を収集することとを含む、前記方法。
  8. マトリクスが、30mg/ml〜55mg/mlの間のリゾチームに対する結合能力を有する、請求項1、2、6および7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 溶液のpHが、5.0から6.5、5.0から6.0、5.5から7.0、または6.0から7.0である、請求項6または7に記載の方法。
  10. 抗体が、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体である、請求項6または7に記載の方法。
  11. 抗体が、ヒト抗体、マウス抗体またはキメラ抗体である、請求項6または7に記載の方法。
  12. 溶液が、50mMを超える塩を含まず、5.0から7.0のpHを有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
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