本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本発明は、主に油圧リリーフバルブAと、感温リリーフバルブBと、オイル循環回路6と、上流流路61と、下流流路62と、オイルポンプ9とからなる(図1,図8参照)。油圧リリーフバルブAは、オイルポンプ9からの吐出圧によって、リリーフ(排出)動作するものである。油圧リリーフバルブAは、弁体1と、弾性部材2と、弁ハウジング3とから構成される(図1,図8参照)。
弁体1は、円筒形状の小径部11と大径部12とから構成され、両者は、同一軸芯で且つ軸方向に一体形成される。小径部11は、略円柱状となるように軸方向に長く形成され、大径部12は扁平円筒形状に形成される。小径部11の軸方向一端の端面〔図1において弁体1の上端面〕は、受圧面11aである。
大径部12の軸方向他端〔図1において弁体1の下端面〕には、円筒形状の突起部14が形成されている。該突起部14は、コイルバネ等の弾性部材2を支持する役目をなすものであり、突起部14は、コイルバネとした弾性部材2内に挿入される構造となる。
弁ハウジング3は、小径弁室31と大径弁室32とから構成される。小径弁室31は、前記弁体1の小径部11が摺動する弁室であり、大径弁室32は、大径部12が摺動する弁室である。なお、小径弁室31では、小径部11のみが摺動するが、大径弁室32では、大径部12と共に小径部11も入り込む。
弁ハウジング3の小径弁室31には、その軸方向端部(図1の弁ハウジング3の上端箇所)に第1リリーフ流入部33が形成される。該第1リリーフ流入部33は、弁ハウジング3と弁体1の頂部との間に配置され、油圧リリーフバルブAにオイルを流入させる役目をなすものである。
また、弁ハウジング3の小径弁室31の軸方向中間箇所から、前記大径弁室32との境界箇所の間の適宜の位置には第1リリーフ流出部34が形成される。該第1リリーフ流出部34は、弁体1の小径部11の往復摺動によって開閉されるものであり、開かれたときにはオイルを弁ハウジング3から外部に排出し、オイルをオイルポンプ9の吸入側又はオイルパン101に戻す役目をなすものである。油圧リリーフバルブAは、上記の構成としたものに限らず、オイルの圧力を感知して作動するものであれば、どのようなものでもかまわない。
また、第1リリーフ流出部34は、2個設けられることもある。この場合、2個の第1リリーフ流出部34,34は、弁体1の移動方向に所定間隔をおいて配置される。第1リリーフ流出部34が2個設けられることによって、より細かい油圧制御が可能になる。
感温リリーフバルブBは、第1及び第2実施形態が存在し、まず第1実施形態から説明する。感温リリーフバルブBは、感温弁体4と感温ハウジング5とから構成される。感温弁体4は、感温弁部41と感温駆動部42とから構成され、感温駆動部42がオイルの温度を検知して、感温弁部41を感温ハウジング5内で摺動させる。感温ハウジング5には、第2リリーフ流入部51と第2リリーフ流出部52が形成されている。
前記感温弁部41の具体的な構造の一例としては、略円筒形状に形成され、その円筒形状の軸方向の中間位置に、外周に沿って円周状の溝とした連通路41aが形成されている。該連通路41aは、感温弁部41が感温ハウジング5内を感温駆動部42によって移動するときに、連通路41aが第2リリーフ流入部51及び第2リリーフ流出部52の位置に到達することによって、第2リリーフ流入部51と第2リリーフ流出部52とが連通し、オイルの流通が行われるものである(図10参照)。
ここで、従来の感温センサを備えた感温リリーフバルブは動作を開始し終了するまでの油温の変化の差が5°C乃至10°C程度を意図して設計されている。しかし、本発明における感温リリーフバルブBは、オイルのリリーフを行うための動作を始めて終了するまでの温度差をさらに大きくしており、具体的には約50°C(必要に応じて約40°C)で動作を開始し、約120°C(必要に応じて約140°C程度)で動作を終了するものであり、その油温の差は約70°C(或いは約100°C)である。
このように、本発明における感温リリーフバルブBのオイルのリリーフを行うための動作を行う温度範囲を従来のものよりも格段に拡げたものである。そして、低い油温から高い油温に向かって感温弁部41が移動方向の始端部から終端部に向かって徐々に移動することができるようになっている。つまり、従来のようなON・OFF制御ではなく、広い油温範囲で油温に追従してゆく制御とすることができるものである。
感温駆動部42は、感温センサとしての役目を具備している。具体的には、シリンダタイプの部材で、シリンダ42aとピストン42bとから構成される。シリンダ42aには、感温センサ42cが設けられている。感温センサ42cとしては、サーモワックスが使用されている。具体的には、シリンダ42aにサーモワックスが充填された部分が設けられ(図1参照)、該サーモワックスが検知する温度の高低により膨張及び熱収縮を行い、前記ピストン42bがシリンダ42aに対して伸縮動作を行うものである。
感温センサ42cにサーモワックスが使用される構成にすることによって、装置を安価なものとすることができる。また、サーモワックスは、膨張,収縮が略正確にできることによって、感温弁体4は、より一層円滑に動作することができる。
前述したように、感温リリーフバルブBは、従来のようなON・OFF制御ではなく、広い油温範囲で油温に追従してゆく制御とすることができるものである。そして、感温リリーフバルブBの感温弁体4は、油温の高低の変化に対して、徐々に伸縮量が変化するものである。つまり、感温弁体4は、オイルの油温が上昇することにより、第2リリーフ流入部51と第2リリーフ流出部52との開口を徐々に狭くするように閉じるものであり、第2リリーフ流入部51と第2リリーフ流出部52とを介して流れるオイルの量を徐々に減少させてゆくことができる構成である。
また、油温が下降するときには、第2リリーフ流入部51と第2リリーフ流出部52との全閉状態から徐々に開口面積が広くなるように開き、オイルがリリーフする量を徐々に増加させることができるようにしたものである。つまり、感温弁体4の動作を制御する感温駆動部42は、油温の高低で、単に第2リリーフ流入部51と第2リリーフ流出部52とを、全開状態と全閉状態との何れか一つの状態とする構造としたものではない。
本発明では、第2リリーフ流入部51と第2リリーフ流出部52との全閉と全開の状態に加えて、その開閉途中の状態にすることもできる構成としたものである。すなわち、感温弁体4は、第2リリーフ流入部51と第2リリーフ流出部52の開き面積を、オイルの油温に対応して最適に調整することができるようにしたものである。
このような構造によって、油温の高低の変化により、感温弁部41が感温ハウジング5内を往復移動する。このとき、オイルが低油温の場合には前記第2リリーフ流入部51と前記第2リリーフ流出部52とを全開として、感温リリーフバルブBを通過するオイルのリリーフ量を最大とする。また、オイルが高油温の場合には第2リリーフ流入部51と第2リリーフ流出部52とを全閉として、感温リリーフバルブBによるオイルのリリーフは行われない。
そして、油温が中油温の場合では、中油温の範囲内で低油温寄りでは第2リリーフ流入部51と第2リリーフ流出部52との開口面積は、全開状態のときよりも若干小さくなる。また、中油温の範囲内で高油温寄りでは、第2リリーフ流入部51と第2リリーフ流出部52とは全閉ではなく、開口面積が小さい状態で開く。
つまり、油温が中油温において、低油温寄りでは、オイルのリリーフ量を多い状態にでき、高油温寄りでは、オイルのリリーフ量を少ないものにできる。このように、オイルの油温が中油温では、オイルのリリーフ量を大小に無段階に調整することができる構造としている。
前記感温駆動部42には、感温センサ42cとしてサーモワックスを用いたが、感温駆動部42は、これに限定されることなく、たとえば形状記憶合金,バイメタル等が使用されることもある。前記感温駆動部42に使用するサーモワックス,形状記憶合金,バイメタル等は、電気系統を一切使用しないもので、本発明ではこれを非電子制御部品と称する。前記感温リリーフバルブBにおける感温駆動部42に、非電子制御部品を使用することにより、電子制御系の部品を使用しないので、電気系統の不具合からくる影響を受けることなく、安定した作動にすることができる。
また、感温弁部41は、第2リリーフ流入部51と第2リリーフ流出部52を常時連通状態にする方向に、感温駆動部42の荷重と逆方向に荷重を加えるコイルバネ等の補助弾性部材43が具備されている。
以上のように、感温リリーフバルブBの感温センサ42cには、非電子制御部品が使用されることによって、電子制御系の部品を使用しないので、電気系統の不具合からくる影響を受けることなく、安定した作動にすることができる。
オイルポンプ9は、内接歯車式ポンプであって、ポンプハウジング91と、インナーロータ95と、アウターロータ96とから構成される。ポンプハウジング91内にはロータ室92が形成され、吸入ポート93と吐出ポート94とが形成されている。ポンプハウジング91において、吸入ポート93が形成されている側を吸入部9Aと称し、吐出ポート94が形成されている側を吐出部9Bと称する。そして、吸入部9Aには吸入ポート93と共に該吸入ポート93の吸入口等を含めた構成が備わっており、吐出部9Bには吐出ポート94と共に吐出ポート94の吐出口等を含めた構成が備わっている。
前記ロータ室92には、インナーロータ95とアウターロータ96とが配置されている。インナーロータ95には、外歯が形成され、アウターロータ96には内歯が形成されており、アウターロータ96内にインナーロータ95が配置され、インナーロータ95が駆動して、アウターロータ96と共に回転し、吸入ポート93から吸入したオイルを吐出ポート94から吐出する。
オイルポンプ9は、オイル循環回路6に組み込まれている。該オイル循環回路6は、自動車等のエンジンEにオイルポンプ9によって潤滑油を供給するものである。そして、オイル循環回路6において、オイルポンプ9の吐出部9BからエンジンEまでの流路を上流流路61と称し、エンジンEからオイルポンプ9の吸入部9Aまでの流路を下流流路62と称する。また、下流流路62内には、オイルパン101が設けられ、該オイルパン101を介してオイルポンプ9の吸入部9Aに連通する構成とすることもある。
オイルポンプ9とエンジンEとの間、つまりオイル循環回路6の上流流路61の中間箇所とオイルポンプ9の吸入部9Aとの間には、リリーフ流路7が設けられている。該リリーフ流路7には、前記油圧リリーフバルブAと前記感温リリーフバルブBとが並列となるように設けられている。
リリーフ流路7の構成としては、2つの実施形態が存在し、その第1実施形態では、前記上流流路61からオイルポンプ9側寄りの位置で、第1分岐部7aを介して分岐する第1リリーフ分岐流路71と、エンジンE側寄りの位置で第2分岐部7bを介して分岐する第2リリーフ分岐流路72とに分かれている(図1参照)。
そして、第1リリーフ分岐流路71と第2リリーフ分岐流路72とは並列の流路となり、前記第1リリーフ分岐流路71に油圧リリーフバルブAが設けられ、前記第2リリーフ分岐流路72に感温リリーフバルブBが設けられ、このような構成とすることによって、油圧リリーフバルブAと感温リリーフバルブBとは並列となる。
第1リリーフ分岐流路71において油圧リリーフバルブAが設けられた位置の上流側の流路を、第1リリーフ分岐流路71の第1上流分岐流路71aと称し、下流側の流路を、第1下流分岐流路71bと称する。そして、油圧リリーフバルブAの第1リリーフ流入部33と前記第1上流分岐流路71aが接続され、第1リリーフ流出部34と前記第1下流分岐流路71bとが接続される(図1参照)。
同様に、第2リリーフ分岐流路72において感温リリーフバルブBが設けられた位置の上流側の流路を、第2リリーフ分岐流路72の第2上流分岐流路72aと称し、下流側の流路を、第2下流分岐流路72bと称する。そして、感温リリーフバルブBの第2リリーフ流入部51と前記第2上流分岐流路72aが接続され、第2リリーフ流出部52と前記第2下流分岐流路72bとが接続される(図1参照)。
第1リリーフ分岐流路71と第2リリーフ分岐流路72とは、共にオイルパン101を介してオイルポンプ9の吸入部9A側にオイルを送ることができるようになっている。またリリーフ流路7の第2実施形態としては、オイル循環回路6の上流流路61の中間箇所からオイルポンプ9の吸入部9A側に連通する1本の上流共有流路73が設けられ、該上流共有流路73から上流二股分岐部7cが設けられ、該上流二股分岐部7cから第1リリーフ分岐流路71と第2リリーフ分岐流路72とが並列状態で設けられる(図8参照)。
第1リリーフ分岐流路71と第2リリーフ分岐流路72の一方側には油圧リリーフバルブAが設けられ、他方には感温リリーフバルブBが設けられる。そして、第1リリーフ分岐流路71と第2リリーフ分岐流路72との下流端部で、下流二股合流部7dが設けられ、該下流二股合流部7dから下流共有流路74が設けられる。該下流共有流路74は、オイルポンプ9の吸入部9Aにオイルパン101を介して連通している。
このように、リリーフ流路7の第2実施形態は、上流側端部と下流側端部との間で二股状となるように第1リリーフ分岐流路71と第2リリーフ分岐流路72が設けられ、これらに、油圧リリーフバルブAと感温リリーフバルブBが並列状態となるように配置されている構成としたものである。
第1実施形態のオイル循環回路6の上流流路61において、油圧リリーフバルブAは、オイルポンプ9側寄りの位置に設けられ、感温リリーフバルブBは、エンジンE側寄りに設けられ、特に、エンジンEのメインギャラリにおける上流側の直近又は直前の位置に設けられることが好ましい。これによって、エンジンEのメインギャラリの油温により近い油温によって、感温リリーフバルブBの制御が行なえ、正確な制御を行うことができる。
エンジンEは、特に図示しないが、シリンダーヘッド,シリンダーブロックからなり、該シリンダーブロック内には、前記上流流路61の最下流部分であるメインギャラリ(つまりエンジンE内に設けられた油路)が形成されている。
感温リリーフバルブBは、エンジンEと一体構造となるようにシリンダーブロック内に組み込まれることがあり、油圧リリーフバルブAは、前記オイルポンプ9は一体構造とする構成とし、ポンプハウジング91に組み込まれることもある。このような構成であっても、油圧リリーフバルブAと感温リリーフバルブBとはリリーフ流路7において並列となっている。
オイル循環回路6におけるオイルの基本的な流れについて説明する。オイルポンプ9の吐出部9B側から吐出されたオイルは、オイル循環回路6に流れ、上流流路61を介して、エンジンEに潤滑及び冷却としてのオイルが供給される。そして、エンジンE内を循環したオイルは、下流流路62を流れ、再びオイルポンプ9の吸入部9A側に戻る。このとき、下流流路62とオイルポンプ9の吸入部9Aとの間にオイルパン101が設けられているときには、該オイルパン101に溜められる(図1参照)。
次に、本発明におけるリリーフ装置のリリーフ動作を説明する。オイルのリリーフが行われるリリーフ流路7には、前述したように、油圧リリーフバルブAと感温リリーフバルブBとが並列に配置され、それぞれが独立してリリーフ動作を行う。そして、オイルポンプ9からのオイル吐出圧の増加或いは油温の高低によって、油圧リリーフバルブAと感温リリーフバルブBのそれぞれが個別に動作する。
以下、オイルのリリーフ動作を、油温の高低及びエンジンEの回転数の高低に応じて、以下の場合について説明する。ここで、オイルの油温が低油温とは、約50°C以下の場合であり、この低油温には約40°Cから約60°Cより低い温度範囲を有するものである。また、中油温とは、約40°Cから約130°Cの範囲内であるが、本発明では約50°Cから約120°Cとする。また、高油温とは約120°C以上とする。また、図1乃至図8において、オイル循環回路6及びリリーフ流路7に沿って記載された矢印は、オイルの流れとその方向を示すものである。
オイルが低油温で且つエンジンEが低回転数域のときにおけるオイルのリリーフ動作は以下の通りである(図2参照)。前記感温リリーフバルブBは、オイルのリリーフが行われ、前記油圧リリーフバルブAはオイルのリリーフが行われない。このような状況の具体例としては、例えばエンジンEの始動直後であって、オイルが十分に温まっていない場合である。したがって、オイルは低油温で、オイルの粘度は高くなっている。
油圧は低いので、油圧リリーフバルブAによるリリーフ動作は行われない。これに対して、感温リリーフバルブBは、低い油温のときに感温弁体4は、第2リリーフ流入部51と第2リリーフ流出部52とが連通するように開き状態とし、第2リリーフ分岐流路72はオイルが流れ、リリーフが行われる。
オイルが低油温で且つエンジンEが中回転数域及び高回転数域のときにおけるオイルのリリーフ動作は以下の通りである(図3参照)。感温リリーフバルブB及び油圧リリーフバルブAは、共にオイルのリリーフが行われる。つまり、エンジンEが中回転数域及び高回転数域の状態では、オイルの圧力も高くなるので、油圧リリーフバルブAが作動し、油圧によるリリーフが行われる。
オイルが中油温で且つエンジンEが低回転数域のときにおけるオイルのリリーフ動作は以下の通りである(図4参照)。感温リリーフバルブBは、中油温の範囲内における低油温寄りでオイルのリリーフの量が多くなるようにオイルのリリーフが行われる〔図4(A)参照〕。また、中油温の範囲内における高油温寄りでオイルのリリーフの量が少なくなるように第2リリーフ流入部51と第2リリーフ流出部52との連通量を少なくする。油圧リリーフバルブAは、エンジンEが低回転数域の状態であり、オイルの圧力が低いので、オイルのリリーフは行わない〔図4(B)参照〕。
オイルが中油温で且つエンジンEが中回転数域及び高回転数域のときにおけるオイルのリリーフ動作は以下の通りである(図5参照)。感温リリーフバルブBは、中油温の範囲内における低油温寄りでオイルのリリーフの量が多くなるようにオイルのリリーフが行われる〔図5(A)参照〕。また、中油温の範囲内における高油温寄りでオイルのリリーフの量が少なくなるようにオイルのリリーフが行われる。油圧リリーフバルブAは、エンジンEが中回転数域及び高回転数域ではオイルの圧力も上昇するので、オイルのリリーフを行うものである〔図5(B)参照〕。
オイルが高油温で且つエンジンEが低回転数域のときにおけるオイルのリリーフ動作は以下の通りである(図6参照)。感温リリーフバルブBは、高油温では、全閉となりオイルのリリーフは行わない。また、油圧リリーフバルブAは、エンジンEが低回転数域の状態であり、オイルの圧力が低いので、オイルのリリーフは行わない。
オイルが高油温で且つエンジンEが中回転数域及び高回転数域のときにおけるオイルのリリーフ動作は以下の通りである(図7参照)。感温リリーフバルブBは、高油温では、全閉となりオイルのリリーフは行わない。また、油圧リリーフバルブAは、オイルポンプ9からの吐出圧は高いので、オイルのリリーフは行われる。
以上のように、本発明におけるリリーフ装置では、オイルの低油温,中油温,高油温及びエンジンEの低回転数域,中回転数域及び高回転数域でのそれぞれの状況に応じて、適正なオイルのリリーフが行われるものである。これによって、本発明の油圧特性を示すグラフ(図9参照)に示されているように、本発明の油圧特性は、低油温であっても中油温であっても、高油温と同等の低い油圧特性にできる。
以下、本発明の主要な構成を述べる。リリーフ流路7は、第1リリーフ分岐流路71と第2リリーフ分岐流路72とが並列をなすように設けられ、前記第1リリーフ分岐流路71には油圧リリーフバルブAが設けられ、前記第2リリーフ分岐流路72には感温リリーフバルブBが設けられている。
前記感温リリーフバルブBの油温を感知するセンサ(感温センサ42c)は、非電子部品が使用される。さらに、前記感温リリーフバルブBは、油温を感知して移動する感温弁体4の動作は油温の高低の変化に対して徐々に滑らかに移動するものである。
本発明におけるリリーフ装置は以上述べたように、低油温のとき、前記感温リリーフバルブBは、オイルリリーフが行われ、中油温のとき、前記感温リリーフバルブBは低油温寄りでオイルのリリーフの量が多く、高油温寄りでオイルのリリーフの量が少なくなるように行われ、高油温のとき、前記感温リリーフバルブBは、オイルのリリーフは行われないことを特徴としたものである。
また、本発明の実施形態においては、前記オイルポンプ9は内接歯車式ポンプとしたが、これに限定されるものではなく、外接歯車式ポンプ、ベーンポンプ等が使用されても構わない。つまり油圧発生源としてのポンプであればポンプの種類は問わないものである。
さらに、本発明の実施形態においては、感温センサ42cによる制御をより正確に、且つより応答性を良くするため、感温センサ42cは上流流路61に対して隣接又は一部突入して配置されると良い。また、本発明の第2実施形態において、弁ハウジング3と感温ハウジング5とを鋳造等により一体形成される構造にすることにより、部品点数が削減される。
次に、油圧リリーフバルブA及び感温リリーフバルブBの具体的な構成を説明する。ここで、油圧リリーフバルブA及び感温リリーフバルブBは、ポンプハウジング91内に組み込まれ、油圧リリーフバルブA及び感温リリーフバルブBを一体的に組み合わせてユニットとしたオイルポンプ9の構造として説明する(図11参照)。
また、説明を理解し易くするために、ポンプハウジング91に上下方向を設定する。ポンプハウジング91の上下方向は、図11(A)において、インナロータ95及びアウターロータ96の回転する方向を垂直面としたときの垂直方向を上下方向とする。上下方向については、図11に記載されている。図中において、98は駆動軸であり、該駆動軸98は、エンジンEの動力によって回転し、インナーロータ95及びアウターロータ96を回動させる。
油圧リリーフバルブAは、前述したように、弁体1と、弾性部材2と、弁ハウジング3とから構成される。感温リリーフバルブBは、上流流路61に設けられる。該上流流路61は、ポンプハウジング91の吐出部9Bに続く流路であるが、ここでは、上流流路61は、ポンプハウジング91内に一体的に形成されて組み込まれる構造としている〔図11(A)参照〕。
このように上流流路61におけるポンプハウジング91内に形成された部分をハウジング内上流流路611と称する。該ハウジング内上流流路611は、吐出部9Bを構成する流路であり、吐出ポート94からポンプハウジング91の外部へオイルを吐出する吐出口までの油路である。また、ハウジング内上流流路611は、ポンプハウジング91の上下方向に対して水平方向に延在する流路となっている〔図11(A)参照〕。
前記ハウジング内上流流路611の下端面には、弁ハウジング3が形成され、弁ハウジング3には弁体1及び弾性部材2が装着され、弁体1は弾性部材2によって常時上方に弾性付勢されている。弁ハウジング3の上端箇所は、前記ハウジング内上流流路611に交わる部分で、開口3aとなっている。該開口3aは、前記リリーフ流路7と前記第1リリーフ流入部33に相当する部分として使用される部位である。
つまり、リリーフ流路7の第1分岐部7a,第1リリーフ分岐流路71の上流分岐流路71aの部分が前記開口3aにまとめて備わったものである。弁ハウジング3の開口3a部分の内径は、弁体1の外径よりも小さく形成されており、弁体1は、開口3aから上方に突出できない構成となっている。
前記弁ハウジング3の図示しない内周側面3bの適宜の位置に第1リリーフ流出部34が形成されている。該第1リリーフ流出部34は、吸入ポート93に接続され、第1リリーフ流出部34から流出するリリーフオイルは、第1リリーフ分岐流路71の第1下流分岐流路71bによって、吸入ポート93に送り込まれる。前記第1下流分岐流路71bはポンプハウジング91内に一体的に形成されている。前記第1リリーフ流出部34は、2個が弁ハウジング3の左右方向に沿って並列状に設けられている〔図11(A)参照〕。
感温リリーフバルブBは、前述したように、感温弁体4と感温ハウジング5とから構成される。感温リリーフバルブBは、前記ハウジング内上流流路611に交わり且つ前記油圧リリーフバルブAに対して下流側に隣接して設けられている。感温ハウジング5は、ハウジング内上流流路611から分岐するようにして形成されている。
感温ハウジング5は、ポンプハウジング91の上下方向に沿って形成され、円筒状の内周側面5bと、円形状の底面5cとによって円筒状の空間に形成されている。感温ハウジング5の上端箇所は、前記ハウジング内上流流路611に交わる部分で、開口5aとなっている。
該開口5aは、前記リリーフ流路7と前記第2リリーフ流入部51に相当する部分として使用される部位である。つまり、リリーフ流路7の第2分岐部7b,第2リリーフ分岐流路72の第2上流分岐流路72aの部分が前記開口5aにまとめて備わったものである。前記内周側面5bの適宜の位置に第2リリーフ流出部52が形成されている。
該第2リリーフ流出部52は、オイルパン101又は吸入ポート93に接続され、第2リリーフ流出部52から流出するリリーフオイルは、第2リリーフ分岐流路72の第2下流分岐流路72bによって、オイルパン101又は吸入ポート93に送り込まれる。前記第2下流分岐流路72bは、ポンプハウジング91内に一体的に形成されることもある。
感温弁体4の感温弁部41は、円筒部411と頂部412とから形成されており、円筒部411の上端に頂部412が一体形成され、略円筒カップ状となしている(図11参照)。該頂部412には、感温駆動部42のピストン42bの軸端が挿入接続される接続部413が形成されている。該接続部413は、ピストン42bが挿入可能な円筒形状に形成されたものである〔図11(B),(C)参照〕。
前記頂部412には、流入孔414が形成されている〔図11(C)等参照〕。該流入孔414は、前記接続部413の周囲の適宜の箇所に1又は複数個が形成されたものである。流入孔414は、オイルが感温弁部41を介して感温ハウジング5に送り込む役目をなすものである。
流入孔414は、種々の形状が存在する。その第1の形状としては、長円〔図11(C)参照〕或いは楕円状である。長円としたものでは、全体の形状が略弧状に形成されている。流入孔414の第2の形状としては、円形状に形成されたものも存在する。流入孔414は、2個形成されるときには、前記接続部413を中心として、2個の流入孔414,414が点対称の位置となるように形成されることが好ましい。流入孔414は、その開口の総面積が前記第2リリーフ流出部52の開口面積よりも小さく形成されている〔図11(D),(E)参照〕。
感温弁部41の流入孔414と、第2リリーフ流出部52が直列状に配置される場合は、リリーフ量は、流入孔414と第2リリーフ流出部52におけるその開口面積が小さい方の面積で略決定される。油温が低い場合は、第2リリーフ流出部52は全開である。
よって油温が低い場合は、感温弁部41の流入孔414の総面積のみでリリーフ量を決めることができる。また、油温が高い時は感温ハウジング5内の第2リリーフ流出部52は、感温弁部41によって全閉しているため、感温リリーフバルブBによる油圧低減は行われない制御とすることが出来る。
感温駆動部42は、前述したように、シリンダ42aとピストン42bとから構成され、前記シリンダ42aには、サーモワックスが充填されている。該サーモワックスは、検知する油温の高低により膨張及び熱収縮を行い、前記ピストン42bがシリンダ42aに対して出没することによる伸縮動作を行うものである。油温を検知する部分を感温センサ42cとする。
感温駆動部42は、前記ハウジング内上流流路611に交わり、且つ前記感温ハウジング5が形成された箇所に対応する位置に装着される〔図11(A),(B)参照〕。ハウジング内上流流路611には、感温駆動部42が装着される装着部97が形成されている。具体的には、ハウジング内上流流路611の感温ハウジング5形成箇所に対して、その直上の位置に感温駆動部42が配置可能な程度の空隙とした装着部97が形成されている〔図11(A),(B)参照〕。
感温駆動部42は、ホルダ44を介して前記装着部97に装着される。ホルダ44は、感温駆動部42を保持する保持部44aと外螺子44bを有し、装着部97には内螺子97aが形成されている。そして、前記保持部44aに感温駆動部42のシリンダ42aが装着され、外螺子44bと内螺子97aとが螺合し、感温駆動部42が装着部97に装着される。感温ハウジング5及び感温駆動部42が備えられる位置は、ハウジング内上流流路611の吐出側端部の近傍である〔図11(A)参照〕。
次に、感温リリーフバルブBの動作を説明する。感温弁部41の頂部412には流入孔414が形成されており、ハウジング内上流流路611を流れる吐出オイルの一部は、常時流入孔414から感温ハウジング5内に流れ込む。また、感温リリーフバルブBの感温弁体4は、油温の高低の変化に対して、徐々に伸縮量が変化するものであり、低油温の場合は、感温駆動部42のピストン42bは、感温弁部41を感温ハウジング5の上方に位置させ、第2リリーフ流出部52を全開した状態にある〔図11(A)の想像線参照〕。
これによって、低油温では、流入孔414と第2リリーフ流出部52をオイルが流れ、常時吐出オイルのリリーフが行われる。前記頂部412に形成された流入孔414は、頂部412の外周に形成されず、該頂部412の中心寄りの領域で且つ軸方向に貫通形成される。つまり、流入孔414は、頂部412の外周に交わることはなく、外周から離間した位置に形成される。
これは、流入孔414は、その一部が頂部412の外周縁に交わり、円筒部411側面に溝となる構成にしないものである。これによって、感温弁部41を感温駆動部42のピストン42bに装着すると共に感温弁部41を感温ハウジング5に挿入するときに、該感温ハウジング5内の第2リリーフ流出部52の位置又は位相を考慮することなく、前記ピストン42bを中心軸として水平面上を何れの角度であっても装着することができ、組付け作業が簡単となる。さらに、この組付け作業において、特別な治具や角度(位相)測定装置等を用意する必要もない。
ハウジング内上流流路611のオイルの油温が上昇することにより、感温弁部41は感温ハウジング5内で下方に摺動し、第2リリーフ流出部52との開口を徐々に狭くしてゆく。これによって、第2リリーフ流出部52に流れ込むオイルの量が徐々に減少し、オイルのリリーフは少量となる。
そして、さらに油温が上昇して高油温になると、感温弁部41は、下方に摺動して第2リリーフ流出部52を完全に閉じ(全閉)、第2リリーフ流出部52からのオイルのリリーフはしなくなる〔図10(E)参照〕。オイルが高油温のときは、油圧リリーフバルブAが第1リリーフ流出部34を開いて、オイルのリリーフが行われる。
ポンプハウジング91は、ハウジング本体部911とカバー部912とから構成される。通常では、ハウジング本体部911側に、ロータ室92,吸入ポート93,吐出ポート94等のポンプを構成する主要部が設けられ、ハウジング本体部911にカバー部912が装着されることにより、オイルポンプ9が構成される。また、前記ハウジング本体部911又はカバー部912の何れか一方がエンジン等のケーシングに一体形成されることもある。
次に、オイル循環回路6には、エンジンにオイルを送るためのオイルポンプが設けられ、コンタミdが存在する。このコンタミd(Contami)とは、Contaminationの略語であり、異物,スラッジ,切粉,摩耗粉等の総称であり、該コンタミdがオイル循環回路6を流れる。コンタミdは、オイル循環回路6内を流れ、オイルフィルタによって除去されるものであるが、一部は、感温リリーフバルブB内に入り込む可能性がある。このようなことを防ぐことは、極めて困難である。
オイル循環回路6を流れるコンタミdが、感温リリーフバルブBに入り込んで感温弁部41が感温ハウジング5内を感温駆動部42を介して移動することの障害となることがある。具体的には、感温リリーフバルブBにおいて、低油温及び中油温で、感温ハウジング5の第2リリーフ流入部51と第2リリーフ流出部52とが開いた状態であれば、コンタミdが感温ハウジング5の第2リリーフ流入部51から入り込み第2リリーフ流出部52からそのまま排出されることとなり、特に問題はない〔図10(A)参照〕。
しかし、オイルの温度が低油温から上昇して、中油温から高油温に変化すると、感温ハウジング5内を感温弁部41が移動して、第2リリーフ流入部51及び第2リリーフ流出部52を開き状態から閉じ動作に入る。このとき、感温弁体4と、前記第2リリーフ流入部51及び第2リリーフ流出部52に前記コンタミdが挟まれることが生じる〔図10(B)参照〕。そして、コンタミdが障害となって、感温弁部41の移動が停止し、該感温弁部41が適正な動作ができなくなり、第2リリーフ流入部51及び第2リリーフ流出部52を閉じ切ることができなくなるおそれが有る。
そこで、感温リリーフバルブBでは、感温弁部41を移動させる動力を発生する感温駆動部42のサーモ作動荷重Fは、コンタミdを切断するための切断荷重Tよりも大きく設定される構成としたものである。切断荷重Tとは、コンタミdを切断するために要する荷重のことをいう。切断荷重Tは、せん断荷重Tと称することもある。
すなわち、
となる。
第1実施形態の感温リリーフバルブBでは、前記感温駆動部42のサーモ作動荷重Fは、感温弁部41の連通路41aが前記第2リリーフ流入部51及び前記第2リリーフ流出部52を移動するときに、連通路41aと第2リリーフ流入部51及び連通路41aと第2リリーフ流出部52の片方又は両方にコンタミdが挟まれ挟持通過するときにして、サーモ作動荷重Fは両コンタミdを切断するための切断荷重Tよりも大きく設定される構成としたものである。
このような構成によって、感温弁部41の連通路41aの縁41a’と、第2リリーフ流入部51及び第2リリーフ流出部52との間にコンタミdが挟まれたときに、コンタミdには切断荷重Tがかかり〔図10(B),(E)参照〕、さらに、感温弁部41が移動することにより、感温弁部41の縁41a’と、第2リリーフ流入部51及び、感温弁部41の縁41a’と第2リリーフ流出部52とに挟まれたコンタミdには、サーモ作動荷重Fにより、切断荷重Tを超える荷重がコンタミdにかかり、コンタミdを噛み切る。
つまり、コンタミdが切断(せん断)される〔図10(C)参照〕。これによって、感温弁部41は、コンタミdが障害となっても、これを切断して、感温ハウジング5内で所定の適正な移動動作を継続することができる〔図10(A)乃至(C)及び(D)乃至(F)参照〕。
ここで、感温リリーフバルブBの感温弁部41は、前述したように、感温駆動部42を初期位置に迅速に戻す方向に荷重を加えるコイルバネ等の補助弾性部材43が具備されている。補助弾性部材43は、感温リリーフバルブBを構成する部材であるが、感温駆動部42のみで、感温弁部41を感温ハウジング5内で往復移動させることができるタイプであれば、前記補助弾性部材43は不要となる。
そこで、前記サーモ作動荷重Fは、感温リリーフバルブBの感温駆動部42が補助弾性部材43の存在に係らず、感温弁部41を動作させる荷重のことをいう。つまり、感温リリーフバルブBに補助弾性部材43が含まれている場合は、該補助弾性部材43が含まれた状態でサーモ作動荷重Fが設定され、また、前記補助弾性部材43が含まれない場合は、該補助弾性部材43が含まれない状態でサーモ作動荷重Fが設定されるものとする。
第1実施形態の感温リリーフバルブBでは、前述したように、感温ハウジング5に対して第2リリーフ流入部51及び第2リリーフ流出部52が設けられている。したがって、感温弁部41は、第2リリーフ流入部51と第2リリーフ流出部52の何れか一方でコンタミdを挟み込んだり、或いは第2リリーフ流入部51と第2リリーフ流出部52の両方でコンタミdを挟み込んでしまうことがある〔図10(B)参照〕。
そこで、第1実施形態では、サーモ作動荷重Fは、第2リリーフ流入部51と第2リリーフ流出部52の両方でコンタミdを挟み込んだ場合に、両方のコンタミd,dを切断することができるものとした。これによって、第2リリーフ流入部51と第2リリーフ流出部52の何れか一方のみにコンタミdが挟まれた場合も、十分に切断できるものである。
ここで、サーモ作動荷重Fと、コンタミdの切断荷重Tの数値の実験例について説明する。コンタミdのサイズは、長さL0.9ミリであり、幅W0.14ミリとする。このときの切断荷重Tは、18.9Nであった。したがって、サーモ作動荷重Fは、18.9Nより大きいものとする。例えば、サーモ作動荷重Fの最大荷重を110Nとする。
次に、第2実施形態の感温リリーフバルブBによるコンタミdの切断について説明する。第2実施形態では、感温弁部41は流入孔414を有し、前記感温ハウジング5は内周側面5b内に第2リリーフ流出部52が形成されたものである。前述したように、第2実施形態において、第2リリーフ流入部51に相当する部位は、感温ハウジング5の開口5aとなるが、該開口5aは感温弁部41によって閉鎖されず、前記流入孔414から感温ハウジング5内にオイルが入り込む。
第2実施形態の感温リリーフバルブBでは、第2リリーフ流出部52のみが、感温弁部41の移動によって開閉され、オイルのリリーフが実行又は停止する構成である。第2実施形態の感温リリーフバルブBによるリリーフ動作は、第1実施形態の感温リリーフバルブBと略同等である。
第2実施形態の感温リリーフバルブBでは、前述したように、感温ハウジング5に対して第2リリーフ流出部52のみが感温弁部41によって開閉される構成である。したがって、感温弁部41と第2リリーフ流出部52側のみでコンタミdを挟み込んでしまう。そこで、第2実施形態では、サーモ作動荷重Fは、感温弁部41と第2リリーフ流出部52側のみでコンタミdを挟み込んだ場合の切断荷重Tを超えるものとする。
従来では、オイル循環回路6内においてコンタミdが感温リリーフバルブBに侵入するのを防ぐために、感温リリーフバルブBは、オイルフィルタの設置位置よりも下流側に設置する必要があり、設置位置に制限があった。しかし、本発明によって、感温リリーフバルブB内にコンタミdが侵入しても感温弁部41と、第2リリーフ流入部51,第2リリーフ流出部52とによってコンタミdを切断しつつ、感温弁部41が移動できるものであり、オイル循環回路6内の何れの位置にも感温リリーフバルブBを設置することができ、感温リリーフバルブBの設置位置の自由度が増すものである。