JP2009275583A - 流体制御弁システム - Google Patents

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博史 加藤
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Abstract

【課題】流体の温度変化に基づくバイパス弁体の往復移動、すなわちバイパス流路の開閉切り替え操作が円滑に行われる流体制御弁システムを提供する。
【解決手段】流体機器50が介装された主流路3と、流体機器50の上流側と下流側とを連通接続するバイパス流路4とを備え、バイパス流路4の途中に介装され、その一部がバイパス流路4を構成する弁体室6と、弁体室6の内部に、バイパス流路4を閉鎖する閉鎖位置とバイパス流路を開放する開放位置との間で摺動自在に設けられたバイパス弁体8と、バイパス弁体8を閉鎖位置に付勢する付勢部材9と、バイパス流路4内の流体の温度上昇に応じて、バイパス弁体8の背面側を主流路3と連通させることによって、バイパス弁体8を閉鎖位置に付勢する付勢力を増加させる補助付勢機構30と、を設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、流体機器が介装された主流路と、前記流体機器の上流側と下流側とを連通接続するバイパス流路とを備えた流路系と共に使用され、前記バイパス流路と連通した弁体室と、前記弁体室の内部で、前記バイパス流路を閉鎖する閉鎖位置と前記バイパス流路を開放する開放位置との間で摺動自在に設けられたバイパス弁体と、を備える流体制御弁システムに関する。
下記に示す特許文献1には、車両用自動変速機に付帯した作動油急速昇温機構という形態で、上記の種類の流体制御弁システムが記されている。
図6に示すように、特許文献1に記された流体制御弁システムでは、流体としてのオイル(流体の一例)がオイルポンプPによって流路系を循環操作される。主流路3には流体機器としてオイルクーラ50が配置され、バイパス流路4に配置したバイパス弁体としては、直線経路を往復移動するスプール状のバルブ40が用いられている。
また、バルブ40を開放位置に向けて付勢する通常の第1バネ41と、バルブ40を第1バネ41とは反対の閉鎖位置に向けて付勢する形状記憶合金製の第2バネ42とが設けられている。
車両のエンジン始動時などでオイルが設定温度以下の時には、形状記憶合金製の第2バネ42による付勢力は弱い。このため、図6(a)に示されるように、バルブ40は第1バネ41によって開放位置に保持されることで、バイパス流路4が開放され、オイルはオイルクーラ50に流入することなくオイル溜め60に戻るので急速に昇温される。他方、オイルが設定温度を越えると、図6(b)に示されるように、第2バネ42が温度によって伸張し、バルブ40を閉鎖位置に移動させる。これにより、バイパス流路4が閉鎖され、オイルは強制的にオイルクーラ50を経由させられるので、オイルクーラ50による冷却が効率的に行われる。
特開昭64−6558号公報(3頁左下欄6行〜4頁左上欄12行、図1)
しかし、特許文献1に記された流体制御弁システムでは、バルブ40が油温により流路を切り替えられる構造であり、例えば、オイルクーラ50の目詰まり時にバルブ40がオイルクーラ50を通過する位置に切り替わった場合、主流路3の油圧が増大してもバルブ40が、オイルクーラ50をバイパスする位置に切り替わらないため、オイルクーラ50前の油圧が過大になり、機器が破損に至るおそれがあった。
特許文献1に記された流体制御弁システムでは、バイパス流路4が開放或いは閉鎖のいずれの状態であるかに関わらず、オイルが常にバルブ40に設けられた多数の狭いポート及びバルブ周辺の狭く長い流路を経てオイル溜め60に流入する必要がある。このため、流体制御弁システムによる圧力損失が大きくなる。その結果、高能力のオイルポンプPを設置する必要が生じたり、エンジンの出力が低下するなどの二次的問題が生じたりした。
そこで、本発明の目的は、上に例示した従来技術による圧力制御弁の持つ欠点に鑑み、流体機器の目詰まり時などによるバイパス機能を確保し、流体の温度変化に基づくバイパス弁体の往復移動、すなわちバイパス流路の開閉切り替え操作が円滑に行うことができる流体制御弁システムを提供することにある。
また、本発明の別の目的は、より圧力損失が小さな流体制御弁システムを提供することにある。
本発明の第1の特徴構成による流体制御弁システムは、流体機器が介装された主流路と、前記流体機器の上流側と下流側とを連通接続するバイパス流路とを備え、前記バイパス流路の途中に介装され、その一部が前記バイパス流路を構成する弁体室と、前記弁体室の内部に、前記バイパス流路を閉鎖する閉鎖位置と前記バイパス流路を開放する開放位置との間で摺動自在に設けられたバイパス弁体と、前記バイパス弁体を前記閉鎖位置に付勢する付勢部材と、前記バイパス流路内の流体の温度上昇に応じて、前記バイパス弁体の背面側を前記主流路と連通させることによって、前記バイパス弁体を前記閉鎖位置に付勢する付勢力を増加させる補助付勢機構とを備える点にある。
本発明の第1の特徴構成による流体制御弁システムでは、流体の温度上昇に応じて、バイパス弁体を閉鎖位置に付勢する付勢力を流体によって増加させる補助付勢機構を設けてあるので、流体の温度上昇流体の温度変化に応じて、流体の全量を流体機器に流入させる循環状態と、流体の少なくとも一部をバイパス流路に迂回させる循環状態との間で使用形態を自動的に切り替えることができる。
また、バイパス流路内の流体の温度上昇に応じて、バイパス弁体の背面側が主流路と連通されるので、バイパス弁体を閉鎖位置に向けて付勢する手段として、バイパス流路内の油圧を付勢部材の付勢力に加えることができる。このため、付勢部材として用いるバネの付勢力を小さめに設定してもバイパス弁体を閉鎖可能となるため、流体制御弁システムとして十分に機能するという効果が得られる。
この他、弁室にはバイパス流路の上流側から作動油を受け入れるための入口ポートとバイパス流路の下流側に作動油を戻すための出口ポートとの2つのポートを設けるだけで済み、弁室の周辺にもバイパス流路以外の長い流路を設ける必要がないので、圧力損失の小さな流体制御弁システムが得られる。
本発明の他の特徴構成は、前記補助付勢機構は、前記バイパス弁体の背面側を前記主流路と連通接続可能な操作流路と、前記流体の温度の上昇に応じて前記操作流路を開き操作する補助弁体を有する点にある。
本構成であれば、例えば流体制御弁システムを内燃機関の冷却用オイルの循環系に用いた場合、内燃機関の始動時のオイル(流体)の温度が低い状況では付勢部材のみがバイパス弁体を閉鎖位置に付勢する。一方、オイルの温度が上昇すると、付勢部材に加えて主流路内の油圧もまたバイパス弁体を閉鎖位置に付勢する。したがって、内燃機関の中・高速回転時など流路系の油圧が高いほど、必然的にオイルの温度が高くなり、バイパス弁体を開放するために必要な圧力(開弁圧)が高くなる。したがって、作動油の全量がオイルクーラに流入し易くなり、オイルの冷却が効率的に実現されて好都合である。
本発明の他の特徴構成は、前記補助弁体による前記操作流路の閉鎖に基づいて、前記バイパス弁体の背面側が前記操作流路を介してドレン流路との連通状態に切り替えられる点にある。
本構成であれば、補助弁体による操作流路の閉鎖に際して、バイパス弁体の背面側が、ドレン流路を介して大気圧に開放され、バイパス流路の下流側などの油圧から確実に解放される。したがって、例えば内燃機関における始動時に際して、バイパス弁体がバイパス流路の上流側の油圧によって開放位置に操作され、流体機器(オイルクーラなど)への流入のない迅速昇温型の始動形態が可能となる。
本発明の他の特徴構成は、前記補助弁体は前記バイパス弁体と同軸上で操作されるように配置されている点にある。
本構成であれば、補助弁体などで構成される感温制御手段が弁室と一体化されたコンパクトな流体制御弁システムが得られる。また、流体制御弁システムの部品製作時には、補助弁体のための弁室とバイパス弁体のための弁室とを一度に孔開け加工できるので加工工数を減らすことができる。
本発明の他の特徴構成は、前記補助付勢機構は、前記補助弁体を、前記操作流路を開放した開放位置と閉鎖した閉鎖位置との間で移動操作すべく、その少なくとも一部が前記流体と接触する形状記憶操作体からなる点にある。
本構成であれば、例えば、作動油が高温のとき、形状記憶操作体の感温変形動作によって操作流路が開放され、同操作流路を介してバイパス弁体の背面側に流体の圧力を付加することができる。尚、形状記憶操作体は例えば形状記憶合金により形成でき、形状的には圧縮コイルバネなどの簡素なものでよい。したがって、温度条件によって動作形態が自動的に切り換えられる利便性の高い流体制御弁システムが比較的簡単な構造で得られる。
本発明の他の特徴構成は、前記補助付勢機構は、前記補助弁体を、前記操作流路を開放した開放位置と閉鎖した閉鎖位置との間で移動操作すべく、その少なくとも一部が前記流体と接触する熱膨張ワックスを有する点にある。
本構成であれば、例えば、作動油が高温のとき、熱膨張ワックスの感温膨張動作によって操作流路が開放され、同操作流路を介してバイパス弁体の背面側に流体の圧力を付加することができる。このような熱膨張ワックスを用いた機構も比較的簡単に形成することができるので、利便性の高い流体制御弁システムが比較的簡単な構造で得られる。
本発明の他の特徴構成は、前記バイパス弁体の背面側を前記主流路と連通させる操作流路を備え、前記補助付勢機構は、前記操作流路の開口率を変更可能な弁部材と、前記流体の温度を検出する検出手段と、前記検出手段による温度検出値に応じて、前記弁部材による前記開口率を制御するアクチュエータとを有する点にある。
本構成であれば、温度の検出手段によるオイルの温度検出値に基づいて、ソレノイド機構が操作流路を開閉操作するので、温度条件によって動作形態が自動的に切り換えられる流体制御弁システムが簡単な構造で得られるだけでなく、動作条件となる温度を容易に設定変更することができる。
さらに、温度の検出手段による温度検出値のレベルに応じて、ソレノイド機構による補助弁体の移動距離を複数段階に制御することができ、バイパス弁体に係る開弁圧のきめ細かな設定が可能となる。
以下に本発明による最良の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1に示される流体制御弁システムは、内燃機関の潤滑・冷却用オイル(流体の一例)の循環系に用いられており、内燃機関のクランク軸によって機械的に駆動されるオイルポンプ1の出力部からメインギャラリ2に延びた主流路3を備え、この主流路3にはオイルクーラ50(流体機器の一例)が介装されている。
主流路3にはオイルクーラ50を迂回するバイパス流路4が設けられている。バイパス流路4には、オイルの温度条件に応じて、実質的にバイパス流路4を開閉操作する感温切り替え機構10が設けられている。
感温切り替え機構10は、バイパス流路4と連通した円筒状などの弁体室6を含む。弁体室6の内部には、図1(a)に示すように、バイパス流路4を閉鎖した閉鎖位置と、図1(b)に示すように、バイパス流路4を開放した開放位置との間で摺動移動自在なピストン状のバイパス弁体8が収納されている。また、弁体室6の内部には、バイパス弁体8を前記閉鎖位置に付勢する第1バネ9(付勢部材の一例)が配置されている。
感温切り替え機構10は、オイルの温度上昇に応じて、バイパス弁体8を前記閉鎖位置に付勢する付勢力を増加させる補助付勢機構30を備える。
補助付勢機構30は、バイパス弁体8の背面側を主流路3の下流側と連通させる第1操作流路7、第1操作流路7と連通した補助弁室11、補助弁室11内に収納されたスプール状の補助弁体12を有する。補助弁体12は、図1(a)に示すように第1操作流路7を閉鎖した閉鎖位置と、図1(b)に示すように第1操作流路7を開放した開放位置との間で摺動移動可能に設けられている。補助弁室11と弁体室6とは、互いに軸心を共有しないが、互いに平行に配置されている。補助弁室11の後端は、螺合によって取り付けられたプラグ15によって閉じられている。
補助弁室11には、補助弁体12を閉鎖位置に付勢する第2バネ13と、補助弁体12を逆向きの開放位置に付勢する第3バネ14とが設けられている。第2バネ13は、補助弁体12の補助弁室11の後端を閉じるプラグ15との間に介装されている。
第1バネ9及び第2バネ13は温度の影響を受けない通常のバネである。しかし、第3バネ14は温度の上昇に応じて伸張し、付勢力を増す形状記憶合金製のバネで構成されている。尚、第1バネ9、第2バネ13、第3バネ14はいずれも外形的には圧縮コイルバネであり、第3バネ14も含めて3つのバネはいずれもバイパス弁体8或いは補助弁体12の位置と無関係に常にオイルに浸漬されている。
また、主流路3の油圧が補助弁体12の両端面にほぼ同様に作用する構造となっているので、オイルから補助弁体12に作用する2方向の油圧脈動どうしが互いにキャンセルされ、形状記憶合金製の第3バネ14に対する応力振幅が緩和され、疲労強度を確保することができる。
また、補助弁室11の一部には、オイルパン17に達するドレン流路16が連通接続されている。図1(a)に示す補助弁体12の閉鎖位置では、ドレン流路16は第1操作流路7によるバイパス弁体8の背面側との連通状態を保持し、図1(b)に示す補助弁体12の開放位置では、第1操作流路7によるドレン流路16とバイパス弁体8の背面側との連通状態が補助弁体12によって解除される。そのために、補助弁体12は、軸心に沿った中央部が全周にわたって小径状に中央部が窪んだH字状の縦断面形状を備えている。
第2バネ13及び第3バネ14の各付勢力の大小関係は、次のような作用が実現されるように設定されている。
すなわち、内燃機関の始動時などオイルの温度が低い低温条件では、図1(a)に示すように、両者の付勢力が(第3バネ14<第2バネ13)の関係となり、補助弁体12が閉鎖位置に保持される。このとき、第1操作流路7が遮断される。バイパス弁体8の背面側には主流路3の油圧が作用せず、しかも、バイパス弁体8の背面側はドレン流路16を介して大気開放される。したがって、バイパス弁体8は、実質的に第1バネ9の付勢力のみによって閉鎖位置に付勢された状態となる。
次に、内燃機関のウォームアップが完了した通常運転時などオイルの温度が高い高温条件では、第3バネ14の温度による伸張に基づいて、図1(b)に示すように、両者の付勢力が(第3バネ14>第2バネ13)の関係となる。補助弁体12が開放位置に切り替えられ、しかも、ドレン流路16によるバイパス弁体8の背面側の大気開放は解除される。このため、第1操作流路7が開放されてバイパス弁体8の背面側に主流路3の油圧が作用し始める。したがって、バイパス弁体8は第1バネ9の付勢力と主流路3の油圧との双方によって閉鎖位置に付勢された状態となる。
また、補助弁室11には、第1操作流路7とは別に、補助弁体12の背面側を、バイパス弁体8及び補助弁体12の位置と無関係に、主流路3の下流側と連通維持させるための第2操作流路18が設けられている。したがって、補助弁体12には常に第2バネ13の付勢力と主流路3の下流側の油圧が作用している。
尚、バイパス弁体8は、バイパス流路4の上流側の油圧によって閉鎖位置から開放位置に向く操作力を受けるように配置されている。したがって、例えば、主流路3のオイルクーラ50に目詰まりなどが生じた場合、目詰まりによってバイパス流路4内の油圧が増大すれば、バイパス弁体8は第1バネ9や主流路3の油圧に抗して、開放位置に操作され、バイパス流路が開通されるので、作動油が完全に遮断されることはない。
但し、前述の解説から理解されるように、本発明による流体制御弁システムでは、バイパス弁体8を開放位置に操作するために必要なバイパス流路4内の油圧(開弁圧)は、オイルの温度条件によって異なる。
すなわち、低温条件における開弁圧は、第1バネ9の付勢力を超える圧力であり、高温条件における開弁圧は、第1バネ9の付勢力と主流路3の油圧との合計を超える必要がある。
したがって、内燃機関の始動時などの低温条件では、図1(a)に例示するように、オイルクーラ50を迂回したバイパス流路4によるオイルの循環が行われ易くなり、オイルの昇温が効率的に実施される。但し、オイルクーラ50に進入する経路が感温切り替え機構10によって遮断されることはなく、オイルクーラ50内のフィルタが完全に目詰まりしていない限り、オイルポンプ1によって送られるオイルの一部はオイルクーラ50を通過可能である。
他方、ウォームアップが完了した通常運転時などの高温条件では、図1(b)に例示するように、バイパス流路4を通らずにオイルクーラ50を通る循環が行われ易くなり、オイルのオイルクーラ50による冷却が積極的に実施される。
因みに、前述の特許文献1に記された流体制御弁システムでは、図6(b)に示すように、バルブ(バイパス弁体)が、油温により油路を切り替える構造であるため、例えば、オイルクーラの目詰まり時にバルブが閉鎖位置に切り替えられた場合には、主流路の油圧が増大してもバルブが開放位置に操作されることはなく、作動油が完全に遮断されてしまう虞がある。
〔別実施形態〕
〈1〉図2に例示した流体制御弁システムでは、前述した補助付勢機構30を構成する形状記憶合金製の第3バネ14の代わりに、その少なくとも一部がオイルと接触し、オイルの温度上昇に基づいて膨張して、補助弁体12を開放位置に操作する円柱状の熱膨張ワックス20を用いている。図2は、内燃機関の始動時などの低温条件における、熱膨張ワックス20が収縮状態で、第1操作流路7によるドレン流路16とバイパス弁体8の背面側との連通状態が補助弁体12によって解除された状態を示している。
〈2〉図3に例示した流体制御弁システムでは、前述した、弁体室6と軸心を共有しない補助弁室11と縦断面がH字状の補助弁体12を用いた補助付勢機構30の代わりに、バイパス弁体と同軸上で操作される補助弁体を用いている。
この実施形態では、上述の弁体室6と補助弁室11との双方の機能を果たす1つの直線状の共通弁体室26が設けられている。この共通弁体室26に、上記の実施形態と同様のバイパス弁体8と、軸心部位が中空の円筒状の補助弁体22とが、互いに軸心を共有した状態で往復移動可能に収納されている。
補助弁体22は、共通弁体室26の内周面に沿って摺動する大径部22aと、大径部22aの両端面から前後にそれぞれ延びた第1小径部22b及び第2小径部22cを一体的に備える。
共通弁体室26には、バイパス弁体8の背面側を主流路3の下流側と連通させることの可能な第1操作流路7、及び、第2小径部22cの背面側を主流路3の下流側と常に連通維持させる第2操作流路18が設けられている。
共通弁体室26の内面における第1操作流路7よりもバイパス弁体8寄りの位置には、第1バネ9の一端部を固定するためのリング状のリテーナ23が設置されている。リテーナ23の内周面は、第1小径部22bの外周面を摺動支持、及び、操作流路7とバイパス弁体8の背面側を遮断するシール面の機能を果たしている。
共通弁体室26には、補助弁体22を閉鎖位置に付勢する第2バネ13と、補助弁体22を逆向きの開放位置に付勢する第3バネ14とが設けられている。
第1バネ9及び第2バネ13は温度の影響を受けない通常のバネであるが、第3バネ14は温度の上昇に応じて伸張し、付勢力を増す形状記憶合金製のバネで構成されている。尚、第1バネ9、第2バネ13、第3バネ14はいずれも外形的には圧縮コイルバネであり、第3バネ14も含めて3つのバネはいずれもバイパス弁体8或いは補助弁体12の位置と無関係に常にオイルに浸漬されている。
第2バネ13は、第2小径部22cの外周面に外嵌され、大径部22aの背面と共通弁体室26の後端との間に介装されている。第3バネ14は、第1小径部22bの外周面に外嵌され、大径部22aの前面とリテーナ23の後端との間に介装されている。
また、共通弁体室26の一部には、オイルパン17に達するドレン流路16が連通接続され、大径部22aの一部には、ドレン流路16と連通接続可能な貫通孔22hが径方向に延設されている。
図3(a)に示す補助弁体22の閉鎖位置では、第1小径部22bの全周がリテーナ23と係合しているために、第1操作流路7はバイパス弁体8の背面側と連通状態になく、且つ、ドレン流路16は貫通孔22hを介したバイパス弁体8の背面側との連通状態を保持している。他方、図3(b)に示す補助弁体22の開放位置では、第1小径部22bの外周の一部がリテーナ23との係合状態から解除されているために、第1操作流路7がバイパス弁体8の背面側との連通状態を獲得し、且つ、貫通孔22hによるドレン流路16とバイパス弁体8の背面側との連通状態が解除されている。
〈3〉図4に例示した流体制御弁システムでは、図3の形状記憶合金製のバネからなる第3バネ14の代わりに、円筒状の熱膨張ワックス20を用いている。
〈4〉図5に例示した流体制御弁システムでは、感温制御手段として、バイパス弁体8の背面側を主流路3の下流側と連通させることの可能な操作流路27が設けられ、操作流路27と弁体室6の後端に形成されたポートとの間に、操作流路27を開閉操作する補助弁室28が配置されている。補助弁室28には、概して球状の補助弁体29が、操作流路27の一部となる補助弁室28のポート28pを開放した開放位置と閉鎖した閉鎖位置との間で移動可能に収納されている。補助弁体29は、補助弁室28に隣接配置されたソレノイド機構31に取り付けられている。また、主流路3の一部には、循環しているオイルの温度を検出するための温度センサ32が配置されている。車両に搭載されたECUなどの制御によって、ソレノイド機構31は、温度センサ27による温度検出値に応じて、補助弁体29を移動操作する。
内燃機関の始動時などオイルの温度が低い低温条件では、図5(a)に示すように、補助弁体29がソレノイド機構31によりポート28pを閉じた閉鎖位置に保持されるために、操作流路27が遮断されており、バイパス弁体8の背面側に主流路3の油圧が作用せず、しかも、バイパス弁体8の背面側はドレン流路16を介して大気開放される。したがって、バイパス弁体8は、実質的に第1バネ9の付勢力のみによって閉鎖位置に付勢された状態となる。
次に、内燃機関のウォームアップが完了した通常運転時などオイルの温度が高い高温条件では、図1(b)に示すように、補助弁体29がソレノイド機構31によりポート28pを開いた開放位置に保持され、しかも、ドレン流路16によるバイパス弁体8の背面側の大気開放は解除される。したがって、操作流路27が開放されてバイパス弁体8の背面側に主流路3の油圧が作用し始め、バイパス弁体8は第1バネ9の付勢力と主流路3の油圧との双方によって閉鎖位置に付勢された状態となる。
図では補助弁体29がポート28pを閉鎖した状態と開放した状態の2状態のみを示すが、この図5の実施形態では、ソレノイド機構31に対する通電量を複数段階で制御することで、補助弁体29によるポート28pの開放度合いを設定できる。したがって、温度センサ32による温度検出値のレベルに応じて、バイパス弁体8の開弁圧をきめ細かく設定でき易い。
〈5〉以上の各実施形態では、本発明による流体制御弁システムを、オイルの循環経路に用いる場合について解説したが、本発明による流体制御弁システムは、オイルの循環経路に限らず冷却水など他の流体の経路にも適用可能である。
第1実施形態による流体制御弁システムを示す略図 第2実施形態による流体制御弁システムを示す略図 第3実施形態による流体制御弁システムを示す略図 第4実施形態による流体制御弁システムを示す略図 第5実施形態による流体制御弁システムを示す略図 従来技術による流体制御弁システムの例を示す略図
符号の説明
1 オイルポンプ
2 メインギャラリ
3 主流路
4 バイパス流路
6 弁体室
7 第1操作流路(補助付勢機構)
8 バイパス弁体
9 第1バネ(付勢部材)
10 感温切り替え機構(補助付勢機構)
11 補助弁室(補助付勢機構)
12 補助弁体(補助付勢機構)
13 第2バネ(補助付勢機構)
14 第3バネ(補助付勢機構)
16 ドレン流路
17 オイルパン
18 第2操作流路(補助付勢機構)
20 熱膨張ワックス(補助付勢機構)
22 補助弁体(補助付勢機構)
23 リテーナ(補助付勢機構)
26 共通弁体室(補助付勢機構)
27 操作流路(補助付勢機構)
28 補助弁室(補助付勢機構)
29 補助弁体(補助付勢機構)
30 補助付勢機構(補助付勢機構)
31 ソレノイド機構(補助付勢機構)
32 温度センサ(補助付勢機構)
50 オイルクーラ(流体機器)

Claims (7)

  1. 流体機器が介装された主流路と、前記流体機器の上流側と下流側とを連通接続するバイパス流路とを備え、
    前記バイパス流路の途中に介装され、その一部が前記バイパス流路を構成する弁体室と、
    前記弁体室の内部に、前記バイパス流路を閉鎖する閉鎖位置と前記バイパス流路を開放する開放位置との間で摺動自在に設けられたバイパス弁体と、
    前記バイパス弁体を前記閉鎖位置に付勢する付勢部材と、
    前記バイパス流路内の流体の温度上昇に応じて、前記バイパス弁体の背面側を前記主流路と連通させることによって、前記バイパス弁体を前記閉鎖位置に付勢する付勢力を増加させる補助付勢機構とを備える流体制御弁システム。
  2. 前記補助付勢機構は、前記バイパス弁体の背面側を前記主流路と連通接続可能な操作流路と、前記流体の温度の上昇に応じて前記操作流路を開き操作する補助弁体を有する請求項1に記載の流体制御弁システム。
  3. 前記補助弁体による前記操作流路の閉鎖に基づいて、前記バイパス弁体の背面側が前記操作流路を介してドレン流路との連通状態に切り替えられる請求項2に記載の流体制御弁システム。
  4. 前記補助弁体は前記バイパス弁体と同軸上で操作されるように配置されている請求項2または3に記載の流体制御弁システム。
  5. 前記補助付勢機構は、前記補助弁体を、前記操作流路を開放した開放位置と閉鎖した閉鎖位置との間で移動操作すべく、その少なくとも一部が前記流体と接触する形状記憶操作体からなる請求項2から4のいずれか一項に記載の流体制御弁システム。
  6. 前記補助付勢機構は、前記補助弁体を、前記操作流路を開放した開放位置と閉鎖した閉鎖位置との間で移動操作すべく、その少なくとも一部が前記流体と接触する熱膨張ワックスを有する請求項2から4のいずれか一項に記載の流体制御弁システム。
  7. 前記バイパス弁体の背面側を前記主流路と連通させる操作流路を備え、前記補助付勢機構は、前記操作流路の開口率を変更可能な弁部材と、前記流体の温度を検出する検出手段と、前記検出手段による温度検出値に応じて、前記弁部材による前記開口率を制御するアクチュエータとを有する請求項1に記載の流体制御弁システム。
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