JP6589942B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

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本発明は、自動変速機の変速制御装置に関する技術分野に属する。
一般に、自動変速機は、供給される制御圧に応じて締結及び解放が可能な複数の摩擦要素を備えていて、これら複数の摩擦要素への制御圧を制御することで、変速制御が行われるように構成されている。この変速制御時においては、上記複数の摩擦要素のうち、締結状態から解放状態へ移行させる摩擦要素である解放側摩擦要素を解放させ、かつ、解放状態から締結状態へ移行させる摩擦要素である締結側摩擦要素を締結させるように、該解放側摩擦要素及び該締結側摩擦要素への制御圧を制御する。
ここで、上記変速制御中に、上記解放側摩擦要素が解放しなくなるというフェール状態(異常状態)になった場合、上記締結側摩擦要素の締結動作が進行すると、やがて上記解放側摩擦要素及び上記締結側摩擦要素が共に締結状態(所謂インターロック状態)になり、この結果、自動変速機が搭載された車両の駆動輪の車輪速が急減速する(駆動輪がロックする)か、又は、上記解放側摩擦要素及び上記締結側摩擦要素の少なくとも一方が破損する可能性が高くなる。
そこで、従来、各摩擦要素に制御圧を供給する供給路に圧力センサ又は圧力スイッチを設けておき、該圧力センサ又は圧力スイッチにより上記解放側摩擦要素がフェール状態にあるか否かを判定するようにしている。
また、特許文献1では、基準時刻から、自動変速機の変速比が閾値となるまでに要する時間が所定時間よりも長いときに、解放側摩擦要素がフェール状態にあると判定するようにしている。
特開2007−255518号公報
上記のように、各摩擦要素に制御圧を供給する供給路に圧力センサ又は圧力スイッチを設ける構成では、コストアップを招くという問題がある。また、圧力スイッチは、圧力センサよりも低コストではあるものの、チャタリング等を生じ易く、判定の精度が低いという問題もある。
そこで、上記特許文献1の構成を更に推し進めて、変速制御中のトルクフェーズ期間が所定期間以上継続したときに、解放側摩擦要素がフェール状態にあると判定するようにすることが考えられる。
しかし、上記所定期間の設定は容易ではなく、解放側摩擦要素が正常であっても、フェール状態にあると誤判定する場合も生じ得る。このため、変速制御中において、解放側摩擦要素がフェール状態にあるか否かの判定を、より確実に行うことが求められる。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、変速制御中に、圧力センサや圧力スイッチを用いることなく、締結状態から解放状態へ移行させる摩擦要素である解放側摩擦要素がフェール状態にあるか否かの判定を出来る限り正確に行うことができる、自動変速機の変速制御装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明では、供給される制御圧に応じて締結及び解放が可能な複数の摩擦要素を備えた自動変速機の変速制御装置を対象として、上記複数の摩擦要素のうち、締結状態から解放状態へ移行させる摩擦要素である解放側摩擦要素を解放させ、かつ、解放状態から締結状態へ移行させる摩擦要素である締結側摩擦要素を締結させるように、該解放側摩擦要素及び該締結側摩擦要素への制御圧を制御することで、上記自動変速機の変速制御を行う変速制御部と、上記変速制御部による上記変速制御中において、上記解放側摩擦要素がフェール状態にあるか否かを判定するフェール判定部とを備え、上記フェール判定部は、上記変速制御中のトルクフェーズ期間が所定期間以上継続したときに、上記解放側摩擦要素がフェール状態にあると仮判定するように構成され、上記変速制御部は、上記フェール判定部により上記解放側摩擦要素がフェール状態にあると仮判定された場合に、上記締結側摩擦要素を解放させるように構成され、更に上記フェール判定部は、上記変速制御部による上記仮判定後における上記締結側摩擦要素の解放後に、上記自動変速機の入力回転速度又は変速比が、上記仮判定時から、予め設定された設定量以上上昇した場合には、上記仮判定を取り消す一方、上記入力回転速度又は変速比が上記仮判定時から上記設定量以上上昇しない場合には、上記解放側摩擦要素がフェール状態にあると本判定するように構成されており、上記自動変速機の出力回転速度の所定以上の減速状態である急減速状態を検出する急減速状態検出部と、上記変速制御部による上記変速制御中において、上記急減速状態検出部により上記急減速状態が検出されたときには、上記フェール判定部による、上記解放側摩擦要素がフェール状態にあるか否かの判定を禁止する判定禁止部とを更に備え、更に上記変速制御部は、上記判定禁止部により上記判定が禁止されたときには、上記解放側摩擦要素及び上記締結側摩擦要素を、上記変速制御前の締結状態及び解放状態にそれぞれ戻すように構成されている、という構成とした。
上記の構成により、変速制御中において、解放側摩擦要素が解放されずにフェール状態にある場合に、その解放側摩擦要素がフェール状態にあると仮判定することができる。すなわち、解放側摩擦要素の解放動作と締結側摩擦要素の締結動作とが共に進行すると、やがて変速動作のフェーズがトルクフェーズ期間からイナーシャフェーズ期間に変化する。つまり、変速比(ギヤ比)の変更が行われて、自動変速機の入力回転速度が、変速制御後の変速比に対応する回転速度に向けて大きく変化する。変速制御中のトルクフェーズ期間が所定期間以上継続するということは、解放側摩擦要素が解放されずにフェール状態にあると言える。したがって、変速制御中において、解放側摩擦要素がフェール状態にある場合に、圧力センサや圧力スイッチを用いることなく、その解放側摩擦要素がフェール状態にあると仮判定することができる。このように解放側摩擦要素がフェール状態にあると仮判定された場合には、締結側摩擦要素が解放される。解放側摩擦要素は、正常であれば、やがて解放状態になる。そして、上記仮判定後における締結側摩擦要素の解放後に、解放側摩擦要素及び締結側摩擦要素が共に解放状態になれば、自動変速機の入力回転速度が仮判定時から設定量以上上昇するような吹き上がりが生じる。このとき、自動変速機の出力回転速度は変化しないので、変速比についても入力回転速度と同様に上昇することになる。一方、解放側摩擦要素が解放されずにフェール状態であれば、締結側摩擦要素が解放されても、入力回転速度が上記のように吹き上がることはない。したがって、上記仮判定後における締結側摩擦要素の解放後に、入力回転速度又は変速比が上記仮判定時から上記設定量以上上昇するか否かを確認することによって、解放側摩擦要素がフェール状態にあるか否かの判定を出来る限り正確に行うことができる。
ここで、変速制御部による変速制御中に、急減速状態検出部により出力回転速度の急減速状態が検出されたときには、その急減速状態が、解放側摩擦要素及び締結側摩擦要素が共に締結状態になったことで生じたのか、それとも、自動変速機が搭載された車両のドライバのブレーキペダルの踏み込み操作(特に低μ路でのブレーキペダルの踏み込み操作)により、該車両の駆動輪の車輪速が急減速(駆動輪がロックするような急減速)したことで生じたのかを区別することは困難である。このため、変速制御中にドライバのブレーキペダルの踏み込み操作により駆動輪の車輪速が急減速したときには、イナーシャフェーズ期間になったと誤判定して、誤って、解放側摩擦要素がフェール状態にあると仮判定する可能性がある。そこで、変速制御中に、急減速状態検出部により急減速状態が検出されたときには、解放側摩擦要素がフェール状態にあるか否かの判定を禁止することで、フェール判定部の誤判定を防止することができる。また、解放側摩擦要素及び締結側摩擦要素を変速制御前の締結状態及び解放状態にそれぞれ戻す(自動変速機の変速段を変速制御前の変速段に戻す)ことで、万一、解放側摩擦要素がフェール状態にあっても、安全性を確保することができる。
上記自動変速機の変速制御装置の一実施形態では、上記フェール判定部は、上記所定期間の終了以降における上記自動変速機の入力回転速度の、該所定期間の開始時からの変化量が、所定量以下であるときに、上記トルクフェーズ期間が上記所定期間以上継続したとして、上記解放側摩擦要素がフェール状態にあると仮判定するように構成されている。
このことにより、トルクフェーズ期間における自動変速機の入力回転速度は、大きく変化しないので、入力回転速度の上記変化量が所定量以下であれば、トルクフェーズ期間が上記所定期間以上継続したと判定することができる。したがって、トルクフェーズ期間が上記所定期間以上継続したか否かを容易に判定することができる。
上記自動変速機の変速制御装置の他の実施形態では、上記フェール判定部は、上記所定期間の終了以降における上記自動変速機の変速比の、該所定期間の開始時からの変化量が、所定量以下であるときに、上記トルクフェーズ期間が上記所定期間以上継続したとして、上記解放側摩擦要素がフェール状態にあると仮判定するように構成されている。
すなわち、トルクフェーズ期間における自動変速機の変速比(入力回転速度/出力回転速度)は、変速制御前の変速段の変速比であって、入力回転速度が変化しても一定の値である一方、イナーシャフェーズ期間における自動変速機の変速比は、変速制御前の変速段の変速比から変速制御後の変速段の変速比に向けて徐々に変化する。したがって、変速比の上記変化量が所定量以下であれば、トルクフェーズ期間が上記所定期間以上継続したと判定することができる。よって、トルクフェーズ期間が上記所定期間以上継続したか否かを、入力回転速度の変化の影響を受けずに精度良く判定することができる
以上説明したように、本発明の自動変速機の変速制御装置によると、変速制御中のトルクフェーズ期間が所定期間以上継続したときに、解放側摩擦要素がフェール状態にあると仮判定し、上記解放側摩擦要素がフェール状態にあると仮判定された場合に、締結側摩擦要素を解放させ、上記仮判定後における該締結側摩擦要素の解放後に、自動変速機の入力回転速度又は変速比が、上記仮判定時から、予め設定された設定量以上上昇した場合には、上記仮判定を取り消す一方、上記入力回転速度又は変速比が上記仮判定時から上記設定量以上上昇しない場合には、上記解放側摩擦要素がフェール状態にあると本判定し、また、上記変速制御中において、自動変速機の出力回転速度の所定以上の減速状態である急減速状態が検出されたときには、解放側摩擦要素がフェール状態にあるか否かの判定を禁止し、該判定が禁止されたときには、上記解放側摩擦要素及び上記締結側摩擦要素を、上記変速制御前の締結状態及び解放状態にそれぞれ戻すようにしたことにより、変速制御中に、圧力センサや圧力スイッチを用いることなく、解放側摩擦要素がフェール状態にあるか否かの判定を出来る限り正確に行うことができる。また、変速制御中にドライバのブレーキペダルの踏み込み操作により駆動輪の車輪速が急減速したときに、フェール判定部の誤判定を防止することができるとともに、万一、解放側摩擦要素がフェール状態にあっても、安全性を確保することができる。
本発明の実施形態に係る変速制御装置により制御される自動変速機が搭載された車両における動力伝達系の構成と、制御系の構成とを示す図である。 変速制御部による変速制御時における、入力回転速度、変速比、解放側制御圧指令値、及び、締結側制御圧指令値の変化を示すグラフである。 フェール判定部により解放側摩擦要素がフェール状態にあると仮判定されたときにおける、入力回転速度、解放側制御圧指令値、及び、締結側制御圧指令値の変化を示すグラフである。 コントロールユニットにおけるフェール判定部による処理動作を示すフローチャートである。 コントロールユニットにおける判定禁止部による処理動作を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る変速制御装置により制御される自動変速機3が搭載された車両(ここでは、自動車)における動力伝達系の構成と、制御系の構成とを示す。この車両は、エンジン1と、該エンジン1と該車両の前輪6との間の動力伝達経路上に介設された自動変速機3とを備えている。本実施形態では、エンジン1と自動変速機3との間にトルクコンバータ2が介設されており、自動変速機3の入力軸3aは、トルクコンバータ2のタービンに接続されている。尚、トルクコンバータ2をなくして、自動変速機3の入力軸3aを、エンジン1の出力軸(クランク軸)に接続するようにしてもよい。
自動変速機3の出力軸3bは、ギヤ等を介して差動装置4の入力軸に接続されており、自動変速機3からの動力が、差動装置4及び左右のドライブシャフト5を介して左右の前輪6(図1では、右側の前輪6のみを示す)に伝達される。本実施形態では、上記車両は、前輪6が駆動輪とされたFF車であるが、不図示の後輪が駆動輪とされたFR車であってもよい。尚、以下、前輪6と後輪とを区別する必要がない場合には、それらを車輪という。
自動変速機3は、入力軸3aから出力軸3bへの複数の動力伝達経路(互いに変速比が異なる複数の動力伝達経路)を形成するための複数のプラネタリギヤセット(図示せず)と、上記複数の動力伝達経路の中から1つを選択して動力伝達経路(つまり変速比)を切り換えるための複数の摩擦要素3cとを有している(図1では、摩擦要素3cは、簡略化のために、1つしか描いていない)。これら複数の摩擦要素3cのうちの一部はクラッチであり、残りはブレーキである。自動変速機3は、例えば前進6速又は8速の変速機であるが、これに限るものではない。
上記車両には、自動変速機3の作動を制御するコントロールユニット50が設けられている。このコントロールユニット50は、周知のマイクロコンピュータをベースとするコントローラであって、プログラムを実行する中央演算処理装置(CPU)と、例えばRAMやROMにより構成されてプログラム及びデータを格納するメモリと、電気信号の入出力をする入出力(I/O)バスと、を備えている。コントロールユニット50は、自動変速機3の変速制御装置を構成する。
コントロールユニット50には、上記車両のドライバによるアクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ51からの信号と、4つの車輪の車輪速をそれぞれ検出する4つの車輪速センサ52(図1では、1つのみ記載)からの信号と、上記車両のシフトレバーのレンジ位置を検出するレンジ位置センサ53からの信号と、自動変速機3の入力軸3aの回転速度である入力回転速度を検出する入力回転速度センサ54からの信号と、自動変速機3の出力軸3bの回転速度である出力回転速度を検出する出力回転速度センサ55からの信号と、上記ドライバによるブレーキペダルの踏み込みを検出するブレーキスイッチ56からの信号(ON信号又はOFF信号)と、が入力されるようになっている。尚、コントロールユニット50は、エンジン1を制御するエンジン制御装置を兼ねていてもよく、この場合には、エンジン1の制御に必要な周知のセンサからの信号も入力される。
コントロールユニット50内には、自動変速機3の変速制御を行う変速制御部50aと、フェール判定部50bと、急減速状態検出部50cと、判定禁止部50dとが設けられている。
変速制御部50aは、上記シフトレバーのレンジ位置が前進走行レンジ位置(例えばDレンジ位置)にあるときに、上記車両の走行状態から、コントロールユニット50のメモリに予め記憶した変速マップを用いて変速段を決定して、その決定した変速段になるように、各摩擦要素3cの締結及び解放を制御する。具体的には、変速制御部50aは、4つの車輪速センサ52による4つの車輪の車輪速の平均から上記車両の車体速を算出し、この車体速と、アクセル開度センサ51によるアクセル開度とから、上記変速マップを用いて変速段を決定する。この決定した変速段が現在の変速段と異なる場合に、変速制御部50aは、現在の変速段から上記決定した変速段への変速制御を開始する。尚、車速センサからの信号により、車体速を得るようにしてもよい。
各摩擦要素3cは、油圧回路11を介して該摩擦要素3cの締結室に供給される制御圧(制御油圧)に応じて、締結及び解放が可能に構成されている。油圧回路11には、各摩擦要素3cへの制御圧をそれぞれ変更可能な制御バルブが設けられており、各制御バルブに対して、コントロールユニット50(詳細には、変速制御部50a)から、各摩擦要素3cへの制御圧を制御するための制御圧指令値を出力することで、各摩擦要素3cを締結状態にしたり解放状態にしたりすることが可能になっている。
変速制御部50aは、複数の摩擦要素3cのうち、締結状態から解放状態へ移行させる摩擦要素3cである解放側摩擦要素を解放させ、かつ、解放状態から締結状態へ移行させる摩擦要素3cである締結側摩擦要素を締結させるように、該解放側摩擦要素及び該締結側摩擦要素への制御圧を制御することで、自動変速機3の変速制御を行う。すなわち、変速制御部50aは、上記解放側摩擦要素に対応する制御バルブに対して、該解放側摩擦要素への制御圧を制御するための解放側制御圧指令値を出力し、上記締結側摩擦要素に対応する制御バルブに対して、該締結側摩擦要素への制御圧を制御するための締結側制御圧指令値を出力する。
図2に示すように、上記解放側制御圧指令値は、変速制御の開始時刻t0で、上記解放側摩擦要素を締結状態にしていた締結圧Pa0から、第1中間圧Pa1にまで一気に低下し、この第1中間圧Pa1が、後述の如く締結側制御圧指令値が徐々に上昇し始める時刻t1まで維持される。この第1中間圧Pa1は、解放側摩擦要素が基本的に締結状態を維持するような値である。上記時刻t1で、解放側制御圧指令値は、上記第1中間圧Pa1から第2中間圧Pa2にまで一気に低下して、解放側摩擦要素が解放状態へ移行し始める。その後、解放側制御圧指令値は、第2中間圧Pa2から0にまで徐々に低下し、その途中の値で解放側摩擦要素が解放状態になる。
上記締結側制御圧指令値は、時刻t0から、プリチャージ用棚圧Pb1を形成するように、急上昇した後にPb2にまで急降下し、その後、時刻t1で、Pb2から上昇を開始し、徐々に上昇する。これにより、締結側摩擦要素が締結状態へ移行し始め、その後、締結側制御圧指令値は、解放側制御圧指令値が0になるのと略同じタイミングから一定の値Pb3とされ、時刻t2で、締結側摩擦要素が締結状態になる。時刻t2の後に、締結側制御圧指令値は、Pb3よりも高い締結圧にまで上昇する。
時刻t0から時刻t1の直前までは、変速比(つまりギヤ比(入力回転速度/出力回転速度))の変更が行われていないトルクフェーズ期間であり、このトルクフェーズ期間では、入力回転速度(エンジン1の回転速度、又はトルクコンバータ2のタービンの回転速度)は大きく変化(低下)しない。尚、図2は、上記ドライバがアクセルペダルを踏み込んでエンジン1が加速中であるときの変速の様子を示しているので、入力回転速度が上昇している(図3も同様)。
時刻t1から時刻t2までは、変速比(ギヤ比)の変更が行われるイナーシャフェーズ期間であり、このイナーシャフェーズ期間では、入力回転速度が変速制御後の変速比に対応する回転速度に向けて大きく変化する。
ここで、変速制御部50aによる上記変速制御中において、上記解放側摩擦要素が解放しなくなるというフェール状態になった場合、上記締結側摩擦要素の締結動作が進行すると、やがて上記解放側摩擦要素及び上記締結側摩擦要素が共に締結状態(所謂インターロック状態)になり、この結果、前輪6の車輪速が急減速(前輪6がロックするような急減速)するか、又は、上記解放側摩擦要素及び上記締結側摩擦要素の少なくとも一方が破損する可能性が高くなる。
上記解放側摩擦要素がフェール状態にある場合に、時刻t1以降に上記変速制御を継続すると、図2に二点鎖線で示すように、時刻t1以降も、変速比が変化せずに一定であり、入力回転速度が低下しない(トルクフェーズ期間が継続する)。
そこで、本実施形態では、上記フェール判定部50bが、変速制御部50aによる変速制御中において、上記解放側摩擦要素がフェール状態にあるか否かを判定する。
具体的に、フェール判定部50bは、上記変速制御中のトルクフェーズ期間が所定期間以上継続したときに、解放側摩擦要素がフェール状態にあると仮判定する。上記所定期間は、本実施形態では、時刻t0から、上記解放側制御圧指令値が所定値Pa3になるまでの期間である。上記所定値Pa3は、0よりも高い値でかつ上記第2中間圧Pa2よりも低い値である。上記解放側制御圧指令値が所定値Pa3以下になったときに、該解放側摩擦要素が正常であれば、イナーシャフェーズ期間になっているはずであるが、該解放側制御圧指令値が所定値Pa3以下になってもトルクフェーズ期間が継続している、つまり、トルクフェーズ期間が上記所定期間以上継続している場合には、解放側摩擦要素が解放されずにフェール状態にあると言える。
フェール判定部50bは、上記所定期間の終了以降における変速比の、該所定期間の開始時からの変化量が、所定量以下であるときに、上記トルクフェーズ期間が上記所定期間以上継続しているとして、上記解放側摩擦要素がフェール状態にあると仮判定する。
尚、変速比の代わりに、入力回転速度でもって、解放側摩擦要素がフェール状態にあるか否かを仮判定することも可能である。この場合、フェール判定部50bは、上記所定期間の終了以降における入力回転速度の、該所定期間の開始時からの変化量が、所定量(変速比の変化量についての閾値である所定量とは値が異なる)以下であるときに、上記トルクフェーズ期間が上記所定期間以上継続しているとして、上記解放側摩擦要素がフェール状態にあると仮判定する。
変速制御部50aは、フェール判定部50bにより上記解放側摩擦要素がフェール状態にあると仮判定された場合には、上記締結側摩擦要素を解放させる(図3において、時刻t3で締結側制御圧指令値を0に向けて低下させる)。本実施形態では、上記仮判定の直後(時刻t3)に締結側制御圧指令値を0にまで一気に低下させているが、上記仮判定後において、例えば、解放側制御圧指令値が0になるのと略同じタイミングで締結側制御圧指令値を0に向けて低下させるようにしてもよい。また、締結側制御圧指令値を0にまで徐々に低下させることも可能である。但し、上記締結側摩擦要素を早期に解放状態にすることが好ましく、締結側制御圧指令値を出来る限り早期に低下させることが好ましい。
変速制御部50aは、フェール判定部50bにより上記解放側摩擦要素がフェール状態にあると仮判定された場合でも、解放側摩擦要素の解放動作を継続して(解放側制御圧指令値を低下し続けて)、解放側制御圧指令値を最終的に0にする。これにより、解放側摩擦要素は、正常であれば、やがて解放状態になる。そして、変速制御部50aによる上記仮判定後における締結側摩擦要素の解放後(締結側制御圧指令値を低下させ始めた後)に、解放側摩擦要素及び締結側摩擦要素が共に解放状態になれば、図3の入力回転速度のグラフで破線で示すように、入力回転速度が上記仮判定時から設定量以上上昇するような吹き上がりが生じる。一方、解放側摩擦要素が解放されずにフェール状態であれば、締結側摩擦要素が解放されても、入力回転速度が上記のように吹き上がることはなく、図3の入力回転速度のグラフで実線で示すように、時刻t1までの入力回転速度の上昇と同じ割合で上昇する。
そこで、フェール判定部50bは、変速制御部50aによる上記仮判定後における上記締結側摩擦要素の解放後に、自動変速機3の入力回転速度が、フェール判定部50bによる上記仮判定時から、予め設定された設定量以上上昇した場合には、上記仮判定を取り消す一方、上記入力回転速度が上記仮判定時から上記設定量以上上昇しない場合には、上記解放側摩擦要素がフェール状態にあると本判定する。上記設定量は、図3の入力回転速度のグラフの破線での上記仮判定時からの上昇量と、実線での上記仮判定時からの上昇量との間の量である。本実施形態では、時刻t3から、予め設定された設定時間が経過したタイミング(例えば、解放側摩擦要素が正常であるときに上記入力回転速度が最大に上昇するようなタイミングないしその付近であって、上記2つの上昇量の差が顕著に現れるタイミング)で、上記入力回転速度が、フェール判定部50bによる上記仮判定時から上記設定量以上上昇したか否かを判定する。
尚、自動変速機3の入力回転速度が上記仮判定時から上記設定量以上上昇したとき、自動変速機3の出力回転速度は、通常、変化しないので、変速比についても入力回転速度と同様に上昇することになる。したがって、上記入力回転速度に代えて、変速比が、フェール判定部50bによる上記仮判定時から、予め設定された設定量(入力回転速度の上昇量の閾値である設定量とは値が異なる)以上上昇するか否かに応じて、上記仮判定を取り消すか、又は、上記解放側摩擦要素がフェール状態にあると本判定することも可能である。
上記急減速状態検出部50cは、出力回転速度センサ55による自動変速機3の出力回転速度に基づいて、該出力回転速度の所定以上の減速状態である急減速状態(前輪6がロックするような急減速状態)を検出する。具体的には、急減速状態検出部50cは、上記出力回転速度の時間変化率により上記急減速状態を検出する。尚、出力回転速度センサ55による出力回転速度に代えて、前輪6の車輪速を検出する車輪速センサ52に基づいて、上記急減速状態を検出することも可能である。
上記急減速状態検出部50cにより上記急減速状態が検出されたか否かの情報は、上記判定禁止部50dに送信される。この判定禁止部50dは、変速制御部50aによる変速制御中において、所定条件が成立しかつ急減速状態検出部50cにより上記急減速状態が検出されたときに、フェール判定部50bによる、上記解放側摩擦要素がフェール状態にあるか否かの判定(以下、フェール判定という)を禁止する。
本実施形態では、上記所定条件は、自動変速機3が搭載された上記車両が走行する路面の摩擦係数が、予め設定された基準値以下である低μ路でありかつ該車両のドライバがブレーキペダルを踏み込み操作した(ブレーキスイッチ56からの信号がON信号となった)という条件である。
路面の摩擦係数は、判定禁止部50dが以下のようにして推定する。すなわち、判定禁止部50dは、上記のようにして求めた車体速と車輪の車輪速とから、車輪のスリップ率を算出し、該スリップ率とマスタシリンダ圧とに基づいて、周知の方法で路面の摩擦係数を推定する。
尚、判定禁止部50dは、上記変速制御中において、上記所定条件が成立しなくても、急減速状態検出部50cにより上記急減速状態が検出されたときに、フェール判定部50bによる上記フェール判定を禁止するようにしてもよい(後述のフローチャート(図5)のステップS21及びS22をなくす)
変速制御部50aは、判定禁止部50dにより上記フェール判定が禁止されたときには、上記解放側摩擦要素及び上記締結側摩擦要素を上記変速制御前の締結状態及び解放状態にそれぞれ戻す(つまり、自動変速機3の変速段を変速制御前の変速段に戻す)。すなわち、上記仮判定の前に上記フェール判定が禁止されたときには、変速制御部50aは、上記変速制御を中止して、解放側制御圧指令値を上昇させかつ締結側制御圧指令値を低下させることで、自動変速機3の変速段を変速制御前の変速段に戻す。また、上記仮判定の後に上記フェール判定が禁止されたときには、変速制御部50aは、締結側制御圧指令値を0にしたまま、解放側制御圧指令値を上記締結圧にまで上昇させることで、自動変速機3の変速段を変速制御前の変速段に戻す。
次に、上記コントロールユニット50におけるフェール判定部50bによる処理動作について、図4のフローチャートに基づいて説明する。このフローチャートは、変速制御部50aが変速制御を開始するときにスタートする。
変速制御部50aは、変速制御を開始すると、上記したように、締結側制御圧指令値及び解放側制御圧指令値を図2のように変化させて、自動変速機3の変速制御を行う。
変速制御部50aによる変速制御中、フェール判定部50bは、図4のフローチャートに従って、以下のように動作する。すなわち、最初のステップS1で、変速制御開始時の変速比(つまり、上記所定期間の開始時の変速比であって、入力回転速度センサ54による入力回転速度を、出力回転速度センサ55による出力回転速度で割った値)を上記メモリに記憶させ、次のステップS2で、解放側制御圧指令値が所定値Pa3以下になったか否かを判定する。
上記ステップS2の判定がNOであるときには、当該ステップS2の処理動作を繰り返す一方、ステップS2の判定がYESであるときには、ステップS3に進んで、変速制御開始時の変速比から現在の変速比(つまり、上記所定期間の終了以降における変速比)を引いた値の絶対値である変速比変化量を演算する。ここでは、ステップS3の処理動作は、ステップS2の判定がYESになった直後に実行するが、ステップS3の処理動作は、ステップS2の判定がYESになったときから、締結側摩擦要素が締結状態になるまでの間に実行すればよい。但し、ステップS3の処理動作は、出来る限り早期に実行することが好ましい。
次のステップS4では、上記変速比変化量が上記所定量以下であるか否かを判定する。このステップS4の判定がNOであるときには、ステップS5に進んで、解放側摩擦要素が正常であると判定し、しかる後に、フェール判定部50bによる処理動作を終了する。
一方、ステップS4の判定がYESであるときには、ステップ6に進んで、解放側摩擦要素がフェール状態にあると仮判定する。尚、ステップS4の判定がYESであるときには、上記ステップS3及びS4の処理動作を複数回繰り返し、その繰り返しの最後のステップS4の判定がYESであるときに、上記ステップS6に進むようにしてもよい。上記繰り返しの回数は、その繰り返し中のステップS3の処理動作を、ステップS2の判定がYESになったときから、締結側摩擦要素が締結状態になるまでの間に実行できるような回数とすればよいが、仮判定を出来る限り早期に行う観点から、2回又は3回が好ましい。
ここで、フェール判定部50bにより解放側摩擦要素がフェール状態にあると仮判定されると、変速制御部50aは、該仮判定の直後に、締結側摩擦要素を解放させるべく締結側制御圧指令値を0にまで一気に低下させる。
フェール判定部50bは、上記ステップS6の次のステップS7で、入力回転速度センサ54により検出された入力回転速度(つまり、上記仮判定時の入力回転速度)を上記メモリに記憶させ、次のステップS8で、変速制御部50aが締結側制御圧指令値を0に向けて低下させ始めてから、上記設定時間が経過したか否かを判定する。
上記ステップS8の判定がNOであるときには、当該ステップS8の処理動作を繰り返す一方、ステップS8の判定がYESであるときには、ステップS9に進んで、上記仮判定時の入力回転速度から現在の入力回転速度を引いた値の絶対値である入力回転速度変化量を演算する。
次のステップS10では、上記入力回転速度変化量が上記設定量以上であるか否かを判定する。このステップS10の判定がYESであるときには、ステップS11に進んで、解放側摩擦要素が正常であると判定して、上記仮判定を取り消し、しかる後に、フェール判定部50bによる処理動作を終了する。一方、ステップS10の判定がNOであるときには、ステップS12に進んで、解放側摩擦要素がフェール状態にあると本判定し、しかる後に、フェール判定部50bによる処理動作を終了する。
フェール判定部50bにより、上記ステップS5で解放側摩擦要素が正常であると判定されたときには、変速制御部50aは変速制御をそのまま継続して、自動変速機3の変速段を変速制御後の変速段にする。
また、フェール判定部50bにより、ステップS11で解放側摩擦要素が正常であると判定されたときには、変速制御部50aは、解放側制御圧指令値を0にしたまま、締結側摩擦要素を締結状態にするべく、締結側制御圧指令値を上昇させて、自動変速機3の変速段を変速制御後の変速段にする。
さらに、フェール判定部50bにより、ステップS12で解放側摩擦要素がフェール状態にあると本判定されたときには、変速制御部50aは、締結側制御圧指令値を0にしたまま、解放側制御圧指令値を上記締結圧にまで上昇させる。つまり、自動変速機3の変速段を変速制御前の変速段に戻す。
図5は、コントロールユニット50における判定禁止部50dによる処理動作を示すフローチャートである。このフローチャートは、変速制御部50aが変速制御を開始するときにスタートして、フェール判定部50bによる処理動作(図4のフローチャート)と並行して実行される。
最初のステップS21では、上記車両が走行する路面の摩擦係数を推定して、該摩擦係数が上記基準値以下である低μ路であるか否かを判定する。このステップS21の判定がNOであるときには、ステップS21の処理動作を繰り返す一方、ステップS21の判定がYESであるときには、ステップS22に進む。
上記ステップS22では、ブレーキスイッチ56からの信号がON信号であるか否かを判定する。このステップS22の判定がNOであるときには、上記ステップS21に戻る一方、ステップS22の判定がYESであるときには、ステップS23に進む。
上記ステップS23では、急減速状態検出部50cにより上記急減速状態が検出されたか否かを判定する。このステップS23の判定がNOであるときには、上記ステップS21に戻る一方、ステップS23の判定がYESであるときには、ステップS24に進んで、フェール判定部50bによるフェール判定を禁止し、しかる後に、判定禁止部50dによる処理動作を終了する。
尚、ステップS23の判定がYESになるよりも前に、フェール判定部50bによる処理動作が終了したときには、判定禁止部50dによる処理動作も終了する。
判定禁止部50dによって、フェール判定部50bによるフェール判定が禁止されたときには、フェール判定部50bはフェール判定を行わなくなるとともに、変速制御部50aは、上記解放側摩擦要素及び上記締結側摩擦要素を上記変速制御前の締結状態及び解放状態にそれぞれ戻す(自動変速機3の変速段を変速制御前の変速段に戻す)。すなわち、上記仮判定の前に上記フェール判定が禁止されたときには、変速制御部50aは、上記変速制御を中止して、解放側制御圧指令値を上昇させかつ締結側制御圧指令値を低下させることで、自動変速機3の変速段を変速制御前の変速段に戻す。また、上記仮判定の後に上記フェール判定が禁止されたときには、変速制御部50aは、締結側制御圧指令値を0にしたまま、解放側制御圧指令値を上記締結圧にまで上昇させることで、自動変速機3の変速段を変速制御前の変速段に戻す。
したがって、本実施形態では、フェール判定部50bは、トルクフェーズ期間が上記所定期間以上継続したときに、解放側摩擦要素がフェール状態にあると仮判定するので、この仮判定を、圧力センサや圧力スイッチを用いることなく行うことができる。そして、変速制御部50aは、フェール判定部50bにより解放側摩擦要素がフェール状態にあると仮判定された場合に、締結側摩擦要素を解放させ、フェール判定部50bは、変速制御部50aによる上記仮判定後における締結側摩擦要素の解放後に、自動変速機3の入力回転速度が、上記仮判定時から上記設定量以上上昇するか否かを確認するので、解放側摩擦要素がフェール状態にあるか否かの判定を出来る限り正確に行うことができる。
さらに、上記実施形態では、判定禁止部50dが、変速制御部50aによる変速制御中において、上記所定条件が成立しかつ急減速状態検出部50cにより上記急減速状態が検出されたときに、フェール判定部50bによるフェール判定を禁止するようにしたので、フェール判定50bの誤判定を防止することができる。すなわち、変速制御部50aによる変速制御中に、急減速状態検出部50cにより出力回転速度の急減速状態が検出されたときには、その急減速状態が、解放側摩擦要素及び締結側摩擦要素が共に締結状態になったことで生じたのか、それとも、低μ路を走行中の上記車両のドライバのブレーキペダルの踏み込み操作により、該車両の前輪6(駆動輪)の車輪速が急減速(前輪6がロックするような急減速)したことで生じたのかを区別することは困難である。このため、変速制御中にドライバのブレーキペダルの踏み込み操作により前輪6の車輪速が急減速したときには、イナーシャフェーズ期間になったと誤判定して、誤って、解放側摩擦要素がフェール状態にあると仮判定する可能性がある。したがって、変速制御中に、上記所定条件が成立しかつ急減速状態検出部50cにより急減速状態が検出されたときには、フェール判定を禁止することで、フェール判定部50bの誤判定を防止することができる。また、解放側摩擦要素及び締結側摩擦要素を変速制御前の締結状態及び解放状態にそれぞれ戻す(自動変速機3の変速段を変速制御前の変速段に戻す)ことで、万一、解放側摩擦要素がフェール状態にあっても、安全性を確保することができる。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
例えば、上記実施形態では、上記所定期間を、時刻t0から、上記解放側制御圧指令値が所定値Pa3になるまでの期間としたが、これに代えて、上記所定期間を、時刻t0から所定時間(上記解放側制御圧指令値が所定値Pa3となるような時間)が経過するまでの期間としてもよい。
上述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、供給される制御圧に応じて締結及び解放が可能な複数の摩擦要素を備えた自動変速機の変速制御装置に有用である。
3 自動変速機
3a 入力軸
3b 出力軸
3c 摩擦要素
50 コントロールユニット(自動変速機の変速制御装置)
50a 変速制御部
50b フェール判定部
50c 急減速状態検出部
50d 判定禁止部

Claims (3)

  1. 供給される制御圧に応じて締結及び解放が可能な複数の摩擦要素を備えた自動変速機の変速制御装置であって、
    上記複数の摩擦要素のうち、締結状態から解放状態へ移行させる摩擦要素である解放側摩擦要素を解放させ、かつ、解放状態から締結状態へ移行させる摩擦要素である締結側摩擦要素を締結させるように、該解放側摩擦要素及び該締結側摩擦要素への制御圧を制御することで、上記自動変速機の変速制御を行う変速制御部と、
    上記変速制御部による上記変速制御中において、上記解放側摩擦要素がフェール状態にあるか否かを判定するフェール判定部とを備え、
    上記フェール判定部は、上記変速制御中のトルクフェーズ期間が所定期間以上継続したときに、上記解放側摩擦要素がフェール状態にあると仮判定するように構成され、
    上記変速制御部は、上記フェール判定部により上記解放側摩擦要素がフェール状態にあると仮判定された場合に、上記締結側摩擦要素を解放させるように構成され、
    更に上記フェール判定部は、上記変速制御部による上記仮判定後における上記締結側摩擦要素の解放後に、上記自動変速機の入力回転速度又は変速比が、上記仮判定時から、予め設定された設定量以上上昇した場合には、上記仮判定を取り消す一方、上記入力回転速度又は変速比が上記仮判定時から上記設定量以上上昇しない場合には、上記解放側摩擦要素がフェール状態にあると本判定するように構成されており、
    上記自動変速機の出力回転速度の所定以上の減速状態である急減速状態を検出する急減速状態検出部と、
    上記変速制御部による上記変速制御中において、上記急減速状態検出部により上記急減速状態が検出されたときには、上記フェール判定部による、上記解放側摩擦要素がフェール状態にあるか否かの判定を禁止する判定禁止部とを更に備え、
    更に上記変速制御部は、上記判定禁止部により上記判定が禁止されたときには、上記解放側摩擦要素及び上記締結側摩擦要素を、上記変速制御前の締結状態及び解放状態にそれぞれ戻すように構成されていることを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  2. 請求項1記載の自動変速機の変速制御装置において、
    上記フェール判定部は、上記所定期間の終了以降における上記自動変速機の入力回転速度の、該所定期間の開始時からの変化量が、所定量以下であるときに、上記トルクフェーズ期間が上記所定期間以上継続したとして、上記解放側摩擦要素がフェール状態にあると仮判定するように構成されていることを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  3. 請求項1記載の自動変速機の変速制御装置において、
    上記フェール判定部は、上記所定期間の終了以降における上記自動変速機の変速比の、該所定期間の開始時からの変化量が、所定量以下であるときに、上記トルクフェーズ期間が上記所定期間以上継続したとして、上記解放側摩擦要素がフェール状態にあると仮判定するように構成されていることを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
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