JP6910730B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シフトレバー操作により走行レンジ位置を切り替える自動変速機に関する。
特許文献1には、シフトレバー操作によりDレンジ位置と認識した状態で、エンジンと駆動輪との間に配置されたクラッチが所定回転数差以上であることを検出したときは、いわゆる擬似D状態と判定する技術が開示されている。擬似D状態とは、レンジ位置信号がDレンジ位置であったとしても、シフトレバーに連動して作動するマニュアルバルブの切り替えが十分に行われず、油圧供給が不十分であると判断するものである。擬似D状態と判定された場合、例えばクラッチ締結圧を抑制し、油圧供給が復帰した際のクラッチの急締結に伴うショックを回避する擬似D制御が実施される。
国際公開公報WO2014/034280
しかしながら、特許文献1の技術にあっては、擬似D状態と判定する際の所定回転数差よりも、クラッチの滑りを検出する際の回転数センサの異常を判定する回転数差の方が大きいため、センサの異常検知の前に擬似D状態と判定してしまい、擬似D状態とセンサの異常状態とを判別することが困難であった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、適切に擬似D状態を判定可能な自動変速機を提供することを目的とする。
本発明の自動変速機の制御装置では、駆動源と駆動輪との間に配置されたクラッチと、
前記クラッチと前記駆動輪との間に配置された自動変速機と、
前記クラッチに、シフトレバーの操作に連動して作動するマニュアルバルブを介して締結圧を供給する油圧制御手段と、
前記クラッチの入力側回転数を検出する第1センサと、
前記クラッチの出力側回転数を検出する第2センサと、
運転者が前記シフトレバーを操作して走行レンジを選択したときに、前記第1センサにより検出された前記クラッチの入力側回転数と、前記第2センサにより検出された出力側回転数との回転数差が第1回転数差以上のときは、前記マニュアルバルブの切り替えが不十分である擬似D状態と判定する擬似D状態判定手段と、
前記第1センサと前記第2センサとの回転数差が前記第1回転数差よりも大きな第2回転数差以上のときに、センサ異常と判定するセンサ異常検出手段と、
を備え、
前記擬似D状態判定手段は、前記擬似D状態と判定後、前記センサの状態に基づいて、センサ異常が生じている可能性を検知する検知手段を有し、該検知手段によりセンサ異常が生じている可能性があると検知されたとき、前記擬似D状態の判定結果をクリアすることとした。
よって、擬似D状態と判定された後であっても、センサ異常により擬似D状態と判定された場合を検知することができ、適切に擬似D状態の判定結果をクリアできる。
実施例1の自動変速機の構成を表す概略図である。 擬似D状態を表す模式図である。 実施例1の擬似D制御処理を表すタイムチャートである。 実施例1の擬似D状態判定結果クリア処理を表すフローチャートである。 実施例1の異常領域判定処理で使用するマップである。 実施例1の異常領域判定処理で使用するマップである。 実施例1の異常領域判定処理で使用するマップである。 実施例1の異常領域判定処理で使用するマップである。
[実施例1]
図1は、実施例1の自動変速機の構成を表す概略図である。自動変速機は、エンジン1から出力された回転を変速して駆動輪6に伝達する。自動変速機は、トルクコンバータ2と、前後進切替機構3と、ベルト式無段変速機4と、ディファレンシャルギヤ5と、を有する。トルクコンバータ2は、エンジン1と接続されたエンジン出力軸10と、タービンシャフト11との間を直結するロックアップクラッチ2aを有する。前後進切替機構3は、遊星歯車組と、油圧アクチュエータである二つの摩擦締結要素(締結により前進状態を達成するフォワードクラッチと、締結により後進状態を達成するリバースブレーキ)を有する。以下、この二つの摩擦締結要素を総称してクラッチ3aと記載する。
クラッチ3aの入力側はタービンシャフト11と接続され、クラッチ3aの出力側はベルト式無段変速機4のインプットシャフト12と接続されている。ベルト式無段変速機4は、プライマリプーリ4a,ベルト4b及びセカンダリプーリ4cを有する。セカンダリプーリ4cは、アウトプットシャフト13に接続されている。ディファレンシャルギヤ5と駆動輪6との間には、駆動輪6と一体に回転するドライブシャフト35を有する。
コントロールバルブ20は、エンジン1により駆動されるオイルポンプOPを油圧源とし、各種制御油圧を調圧して油圧アクチュエータに供給する複数の制御弁を有する。コントロールバルブ20には、クラッチ3aを含む油圧アクチュエータへの油圧の供給先を切り替えるマニュアルバルブ21を有する。マニュアルバルブ21は、シフトレバー40と機械的なリンク機構を介して接続されたバルブであり、シフトレバー40の操作に連動する。シフトレバー40がNレンジ位置のときは、クラッチ締結圧Pclをドレンするバルブ位置とされ、Dレンジ位置のときは、クラッチ3aにクラッチ締結圧Pclを供給可能なバルブ位置とされる。
自動変速機は、エンジン出力軸10の回転数(以下、エンジン回転数Neと記載する。)を検出するエンジン回転数センサ31と、タービンシャフト11の回転数(以下、タービン回転数Ntと記載する。)を検出するタービン回転数センサ32と、インプットシャフト(プライマリプーリ4a)12の回転数(以下、プライマリ回転数Npriと記載する。)を検出するプライマリ回転数センサ33と、アウトプットシャフト13(セカンダリプーリ4c)の回転数(以下、セカンダリ回転数Nsecと記載する。)を検出するセカンダリ回転数センサ34と、駆動輪6の回転数(以下、車輪速VWと記載する。)を検出する車輪速センサ35と、運転者が操作するシフトレバー40により選択されたレンジ位置信号を検出するインヒビタスイッチ36と、アクセルペダル開度APOを検出するAPOセンサ37と、を有する。自動変速機コントロールユニット(ATCU)100は、各種センサ群の信号を入力し、走行状態に応じて油圧制御を行い、油圧アクチュエータに油圧を供給する。
図2は、擬似D状態を表す模式図である。図2(A)は、シフトレバー40とインヒビタスイッチ36の位置関係を示し、図2(B)は、シフトレバー40とマニュアルバルブ21の位置関係を示す。インヒビタスイッチ36は、Pレンジ位置、Nレンジ位置、Dレンジ位置の各レンジ位置に応じた領域を有し、シフトレバー40がNレンジ位置信号を出力する領域から、Dレンジ位置信号を出力する領域に移行したときは、Dレンジ位置信号を出力する。図2(A)中の点線で示すシフトレバー40の位置がディテントプレート等によって位置決めされる適正なDレンジ位置である。一方、マニュアルバルブ21は、バルブ収容孔20b内を軸方向に移動可能に設置されている。バルブ収容孔20bには、クラッチ締結圧Pclが供給されるクラッチ締結圧導入油路20aが開口し、クラッチ3aの油圧室と接続されたクラッチ締結圧供給油路20cが開口する。シフトレバー40がNレンジ位置のときは、マニュアルバルブ21によって、クラッチ締結圧導入油路20aとクラッチ締結圧供給油路20cとを非連通状態とする。シフトレバー40がDレンジ位置に向けて移動すると、マニュアルバルブ21は、クラッチ締結圧導入油路20aとクラッチ締結圧供給油路20cとを連通状態とする。図2(B)中の点線で示すマニュアルバルブ21の位置が適正なDレンジ位置に応じたマニュアルバルブ位置である。
図2(A)の実線で示すシフトレバー40の位置のように、運転者がNレンジ位置からDレンジ位置に操作する際、適正なDレンジ位置に至る手前でシフトレバー40の移動を停止する場合がある。このとき、インヒビタスイッチ36のレンジ位置信号はDレンジ位置信号を出力しているものの、図2(B)の実線で示すマニュアルバルブ21の位置のように、クラッチ締結圧導入油路20aとクラッチ締結圧供給油路20cとを完全に連通状態となる位置まで移動していない。よって、クラッチ締結圧Pclが十分に供給されない場合がある。すると、ATCU100では、Dレンジ位置に応じた制御が開始しているのに、クラッチ3aに実際に供給される油圧が低くなり、クラッチ3aの締結容量不足によるスリップが発生する。このように、インヒビタスイッチ36がDレンジ位置信号を出力してる状態で、マニュアルバルブ21の位置が適正な位置まで移動していない状態を、擬似D状態という。
上述したように、擬似D状態と判定された状況では、クラッチ締結圧Pclが不十分のため、エンジン回転数Neが吹き上がり気味となる。また、仮に、ATCU100が、擬似D状態と認識することなく、適正なDレンジ位置と認識し、クラッチ3aの締結指令として、プリチャージを行い、徐々にクラッチ締結圧Pclを上昇させ、その後、完全締結に至る指令を出力したとする。この状態で、マニュアルバルブ21が適正な位置に移動すると、クラッチ締結圧供給油路20cからクラッチ3aに対して一気に高いクラッチ締結圧Pclが供給されてしまう。そうすると、吹き上がり気味のエンジン回転数Neを一気に押し下げ、その際のイナーシャトルクが駆動輪6側に出力されるため、締結ショックを招くおそれがある。そこで、擬似D状態と判定後は、締結ショックを回避する擬似D制御処理を実行する。
図3は、実施例1の擬似D制御処理を表すタイムチャートである。このタイムチャートは、シフトレバー40の位置がPレンジ位置で、車両停止状態から発進する状態を表す。
時刻t1において、運転者がシフトレバー40をDレンジ位置に移動し、車両が発進する。そして、時刻t2において、燃費改善の観点からロックアップクラッチ2aを締結(ON)する。
時刻t3において、クラッチ3aのスリップ量であるタービン回転数Ntとプライマリ回転数Npとの回転数差ΔNceが、擬似D状態と判定するための所定回転数ΔN1より大きくなると、擬似D状態と判定し、ロックアップクラッチ2aを解放(OFF)する。これにより、クラッチ3aの再締結時にエンジン側のイナーシャトルク変動を抑制する。更に、セカンダリプーリ4cに供給するセカンダリ油圧Psecを高めに設定し、再締結に伴うショックによってベルト4bが滑ることを防止する。また、クラッチ締結圧Pclを締結可能なギリギリの低い容量に設定する。
時刻t4において、クラッチ3aのスリップ量ΔNceが所定回転数ΔN1を下回ると、擬似D状態が解消したと判断し、セカンダリ油圧Psecを高めの設定から通常時の設定に戻し、クラッチ締結圧Pclを低めの設定から通常時の設定に戻す。そして、ロックアップクラッチ2aを締結する。これにより、擬似D状態からマニュアルバルブ21が適正な位置に移動した際の締結ショックを回避する。
上述したように、擬似D制御処理を行う際、スリップ量ΔNceがΔN1より大きいか否かで判定する。一方、エンジン回転数センサ31や、タービン回転数センサ32といった各種センサ群は、それぞれの回転数センサの検出値の差分を相互に算出し、センサ異常判定処理を実行する。例えば、エンジン回転数センサ31と、タービン回転数センサ32と、プライマリ回転数センサ33との相互の差分(Ne−Npri)、(Ne−Nt)、(Nt−Npri)を監視し、差分が所定回転数ΔN2より大きい場合には、その大きくなった差分の組み合わせから、異常な回転数信号を出力しているセンサを特定し、センサ異常と判定する。
このとき、上記3つのセンサの異常を判定するには、ロックアップクラッチ2aが締結していなければ、正常時において、それぞれの回転数が一致する条件を満たすことができず、センサ異常判定処理を実施できない。また、一般に、ΔN2は、ΔN1よりも大きな回転数に設定されているため、(Nt−Npri)がΔN1に到達すると、擬似D状態と判定してロックアップクラッチ2aを解放してしまい、センサ異常判定処理に進むことができないという問題がある。そこで、実施例1では、擬似D状態と判定後、擬似D制御処理を実施しつつ、各種センサの状態に基づいて、センサ異常が生じている可能性を検知し、センサ異常が生じている可能性があるときは、擬似D状態の判定結果をクリアし、センサ異常判定処理に移行できるようにした。
図4は、実施例1の擬似D状態判定結果クリア処理を表すフローチャートである。
ステップS1では、クラッチ3aのスリップ量であるタービン回転数Ntとプライマリ回転数Npriとの回転数差ΔNceが、擬似D状態と判定するための所定回転数ΔN1より大きいか否かを判断し、大きいときは擬似D状態と判定してステップS2に進み、それ以外の場合はステップS6のセンサ異常判定処理に進む。
ステップS2では、上述した擬似D制御処理を実行する。
ステップS3では、異常領域判定処理を実行する。異常領域判定処理は、予めセンサの異常領域が設定されたマップ内に、擬似D制御処理を実行中の各種回転数センサの値を読み込む。尚、異常領域判定処理の詳細については後述する。
ステップS4では、各種センサの値が異常領域内か否かを判定し、異常領域内にあると判定したときはステップS5に進み、それ以外の場合はステップS1に戻って擬似D制御処理を継続する。
ステップS5では、擬似D状態であるとの判定結果をクリアする。
ステップS6では、センサ異常判定処理を実施する。
次に、異常領域判定処理について説明する。図5〜8は、実施例1の異常領域判定処理で使用するマップである。
図5は、アクセルペダルが踏み込まれたドライブ状態における、エンジン回転数センサ31とタービン回転数センサ32との関係に基づいて判定するマップである。擬似D制御処理を実行中は、ロックアップクラッチ2aが解放されるため、ドライブ状態でのエンジン回転数Neとタービン回転数Ntは、トルクコンバータ2における相対回転数分のオフセットが生じた状態である。そこで、擬似D制御処理を開始した時点でのエンジン回転数Neとタービン回転数Ntとの関係によって定まる動作点を通り、エンジン回転数Neとタービン回転数Ntとが比例関係となる基準線を設定する。次に、その基準線の低回転数側に低回転閾値Sminを設定し、基準線の高回転数側に高回転閾値Smaxを設定し、SmaxとSminで囲まれた領域を正常領域、それ以外を異常領域と定義する。
例えば、図5のマップの下方に示す回転数の関係のように、エンジン回転数センサ31とタービン回転数センサ32が共に正常な場合、エンジン回転数Neの上昇に伴ってタービン回転数Ntも上昇するため、動作点は正常領域の範囲内で斜め上方に移動するはずである。一方、タービン回転数センサ32に、センサ出力値が徐々に低下していく異常が生じると、動作点は、正常時に移動すると考えられる方向とは異なる方向に移動し、Sminを下回って異常領域内に移動する。この場合は、ステップS1で判定した際の回転数差ΔNceがセンサ異常によって発生した可能性があると判断し、擬似D制御処理を中断してセンサ異常判定処理に移行する。このように、ドライブ状態で動作点が移動する方向と異なる方向に移動する、とは、擬似D状態と判定後、エンジン回転数センサ31により検出されたエンジン回転数Neの時間変化勾配の符号と、タービン回転数センサ32により検出されたタービン回転数Ntの時間変化勾配との符号とが異なることを意味する。このような時間変化勾配の符号に基づいて擬似D状態の判定結果をクリアするため、判定精度が高められる。また、ドライブ状態では、動作点がSminを下回るか否かに基づいて異常領域か否かを判定することで、判定精度を向上できる。
図6は、アクセルペダルが離されたコースト状態における、エンジン回転数センサ31とタービン回転数センサ32との関係に基づいて判定するマップである。擬似D制御処理を実行中は、ロックアップクラッチ2aが解放されるため、コースト状態でのエンジン回転数Neとタービン回転数Ntは、トルクコンバータ2における相対回転数分のオフセットが生じた状態である。基準線、低回転閾値Smin及び高回転閾値Smaxを図5で説明した場合と同様に設定する。
例えば、図6のマップの下方に示すように、エンジン回転数センサ31とタービン回転数センサ32が共に正常な場合、タービン回転数Ntの低下に伴ってエンジン回転数Neも低下するため、動作点は正常領域の範囲内で原点に向けて移動するはずである。一方、タービン回転数センサ32に、センサ出力値が徐々に上昇していく異常が生じると、動作点は、正常時に移動すると考えられる方向とは異なる方向に移動し、Smaxを上回って異常領域内に移動する、とは、擬似D状態と判定後、エンジン回転数センサ31により検出されたエンジン回転数Neの時間変化勾配の符号と、タービン回転数センサ32により検出されたタービン回転数Ntの時間変化勾配との符号とが異なることを意味する。このような時間変化勾配の符号に基づいて擬似D状態の判定結果をクリアするため、判定精度が高められる。この場合は、ステップS1で判定した際の回転数差ΔNceがセンサ異常によって発生した可能性があると判断し、擬似D制御処理を中断してセンサ異常判定処理に移行する。すなわち、タービン回転数センサ32に、センサ出力値が徐々に低下していく異常が生じた場合は、ドライブ状態における動作点に基づいて判定し、タービン回転数センサ32に、センサ出力値が徐々に上昇していく異常が生じた場合は、コースト状態における動作点に基づいて判定することで、動作点の動作方向が明らかに異なる状態を検知でき、判定精度を高められる。また、コースト状態では、動作点がSmaxを上回るか否かに基づいて異常領域か否かを判定することで、判定精度を向上できる。
図7は、アクセルペダルが踏み込まれたドライブ状態における、プライマリ回転数センサ33と、セカンダリ回転数センサ34をベルト式無段変速機4の変速比に基づいて換算した値との関係に基づいて判定するマップである。擬似D制御処理を実行中であっても、プライマリ回転数Npriは、セカンダリ回転数Nsecを変速比で除した値である変速比基準プライマリ回転数Npri(R)と一対一の関係を有する。そこで、擬似D制御処理を開始した時点でのプライマリ回転数Npriと変速比基準プライマリ回転数Npri(R)との関係によって定まる動作点を通り、プライマリ回転数Npriと変速比基準プライマリ回転数Npri(R)とが比例関係となる基準線を設定する。次に、その基準線の低回転数側に低回転閾値Sminを設定し、基準線の高回転数側に高回転閾値Smaxを設定し、SmaxとSminで囲まれた領域を正常領域、それ以外を異常領域と定義する。
例えば、図7のマップの下方に示す回転数の関係のように、プライマリ回転数センサ33とセカンダリ回転数センサ34が共に正常な場合、プライマリ回転数Npriの上昇に伴って変速比基準プライマリ回転数Npriも上昇するため、動作点は正常領域の範囲内で斜め上方に移動するはずである。一方、プライマリ回転数センサ33に、センサ出力値が徐々に低下していく異常が生じると、動作点は、正常時に移動すると考えられる方向とは異なる方向に移動し、Sminを下回って異常領域内に移動する、とは、擬似D状態と判定後、プライマリ回転数センサ33により検出されたプライマリ回転数Npriの時間変化勾配の符号と、セカンダリ回転数センサ34により検出されたセカンダリ回転数Nsecの時間変化勾配との符号とが異なることを意味する。このような時間変化勾配の符号に基づいて擬似D状態の判定結果をクリアするため、判定精度が高められる。この場合は、ステップS1で判定した際の回転数差ΔNceがセンサ異常によって発生した可能性があると判断し、擬似D制御処理を中断してセンサ異常判定処理に移行する。また、ドライブ状態では、動作点がSminを下回るか否かに基づいて異常領域か否かを判定することで、判定精度を向上できる。
図8は、アクセルペダルが離されたコースト状態における、プライマリ回転数センサ33と、セカンダリ回転数センサ34をベルト式無段変速機4の変速比に基づいて換算した値との関係に基づいて判定するマップである。擬似D制御処理を実行中であっても、プライマリ回転数Npriは、セカンダリ回転数Nsecを変速比で除した値である変速比基準プライマリ回転数Npri(R)と一対一の関係を有する。基準線、低回転閾値Smin及び高回転閾値Smaxを図7で説明した場合と同様に設定する。
例えば、図8のマップの下方に示すように、プライマリ回転数センサ33とセカンダリ回転数センサ34が共に正常な場合、プライマリ回転数Npriの低下に伴って変速比基準プライマリ回転数Npriも低下するするため、動作点は正常領域の範囲内で原点に向けて移動するはずである。一方、プライマリ回転数センサ33に、センサ出力値が徐々に上昇していく異常が生じると、動作点は、正常時に移動すると考えられる方向とは異なる方向に移動し、Smaxを上回って異常領域内に移動する。この場合は、ステップS1で判定した際の回転数差ΔNceがセンサ異常によって発生した可能性があると判断し、擬似D制御処理を中断してセンサ異常判定処理に移行する。また、コースト状態では、動作点がSmaxを上回るか否かに基づいて異常領域か否かを判定することで、判定精度を向上できる。
以上説明したように、実施例1にあっては下記の作用効果が得られる。
(1)エンジン1(駆動源)と駆動輪6との間に配置されたクラッチ3aと、
クラッチ3aと駆動輪6との間に配置されたベルト式無段変速機4(自動変速機)と、
クラッチ3aに、シフトレバー40の操作に連動して作動するマニュアルバルブ21を介してクラッチ締結圧Pclを供給するコントロールバルブ20(油圧制御手段)と、
クラッチ3aの入力側回転数であるタービン回転数Ntを検出するタービン回転数センサ32(第1センサ)と、
クラッチ3aの出力側回転数であるプライマリ回転数Npriを検出するプライマリ回転数センサ33(第2センサ)と、
運転者が前記シフトレバーを操作して走行レンジを選択したときに、タービン回転数センサ32により検出されたタービン回転数Ntと、プライマリ回転数センサ33により検出されたプライマリ回転数Npriとの回転数差ΔNceがΔN1(第1回転数差)以上のときは、マニュアルバルブ21の切り替えが不十分である擬似D状態と判定する擬似D状態判定結果クリア処理(擬似D状態判定手段)と、
タービン回転数センサ32とプライマリ回転数センサ33との回転数差がΔN1よりも大きなΔN2(第2回転数差)以上のときにセンサ異常と判定するセンサ異常判定処理(センサ異常検出手段)と、
を備え、
擬似D状態判定結果クリア処理は、擬似D状態と判定後、センサ異常と判定されたとき、擬似D状態の判定結果をクリアすることとした。
よって、擬似D状態と判定された後であっても、センサ異常により擬似D状態と判定された場合を検知することができ、適切に擬似D状態の判定結果をクリアできる。
(2)エンジン1とクラッチ3aとの間に配置されたロックアップクラッチ2a付きトルクコンバータ2と、
擬似D状態と判定されたときは、ロックアップクラッチ2aを解放し、擬似D状態の判定結果がクリアされたときは、ロックアップクラッチ2aを締結するロックアップクラッチ制御手段と、
エンジン回転数Neを検出するエンジン回転数センサ31(第3センサ)と、
ロックアップクラッチ2aが締結されているときに、タービン回転数センサ32,プライマリ回転数センサ33及びエンジン回転数センサ31の検出値に基づいて、センサ異常を検出するセンサ異常判定処理(センサ異常検出手段)と、
を備えた。
よって、擬似D状態と判定された後に、センサ異常判定処理に移行することができ、センサ異常を検知できる。
(3)センサ異常判定処理は、(Nt−Npri)、(Nt−Ne)、(Ne−Npri)がΔN1よりも大きなΔN2(第2回転数差)以上のときにセンサ異常と判定する。
よって、早い段階で擬似D制御処理を実施しつつ、安定したセンサ異常状態を検知できる。
(4)異常領域判定処理(擬似D状態判定手段)は、擬似D状態と判定後、エンジン回転数センサ31により検出されたエンジン回転数Neの時間変化勾配の符号と、タービン回転数センサ32により検出されたタービン回転数Ntの時間変化勾配との符号とが異なるときは、擬似D状態の判定結果をクリアする。
よって、擬似D状態と判定した理由が、センサ異常か否かを精度よく判定できる。
(5)ベルト式無段変速機4のセカンダリ回転数センサNsec(出力側回転数)を検出するセカンダリ回転数センサ34(第4センサ)を有し、
異常領域判定処理は、擬似D状態と判定後、ベルト式無段変速機4の変速比とセカンダリ回転数センサ34により検出されたセカンダリ回転数Nsecに基づいてプライマリ回転数Npri(R)を推定し、プライマリ回転数センサ33により検出されたプライマリ回転数Npriの時間変化勾配の符号と、推定された変速比基準プライマリ回転数Npri(R)の時間変化勾配の符号とが異なるときは、擬似D状態の判定結果をクリアする。
よって、擬似D状態と判定した理由が、センサ異常か否かを精度よく判定できる。
[他の実施例]
以上、本発明を実施するための形態を実施例に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は実施例に示した構成に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。実施例1では、駆動源としてエンジンを示したが、エンジンに限らず、電動モータを併用したハイブリッド車両でもよいし、電動モータのみの電動車両であってもよい。また、変速機としてベルト式無段変速機4を示したが、他の有段式自動変速機であってもよい。
実施例1では、異常領域判定処理において、ドライブ状態とコースト状態とに分けてセンサ異常を検知する例を示したが、例えば、ドライブ状態であっても、エンジンのトルクダウンを実施中であれば、動作点は、コースト状態と同様の動きをするため、図6や図8のマップを用いて判定してもよい。また、セカンダリ回転数センサ34に代えて、車輪速センサ35の検出値からディファレンシャルギヤ5のギヤ比やベルト式無段変速機4の変速比を考慮して変速比基準プライマリ回転数Npri(R)を算出してもよい。
1 エンジン
2 トルクコンバータ
2a ロックアップクラッチ
3 前後進切替機構
3a クラッチ
4 ベルト式無段変速機
4a プライマリプーリ
4b ベルト
4c セカンダリプーリ
5 ディファレンシャルギヤ
6 駆動輪
10 エンジン出力軸
11 タービンシャフト
12 インプットシャフト
13 アウトプットシャフト
20 コントロールバルブ
21 マニュアルバルブ
31 エンジン回転数センサ
32 タービン回転数センサ
33 プライマリ回転数センサ
34 セカンダリ回転数センサ
35 ドライブシャフト
35 車輪速センサ
36 インヒビタスイッチ
37 APOセンサ
40 シフトレバー

Claims (5)

  1. 駆動源と駆動輪との間に配置されたクラッチと、
    前記クラッチと前記駆動輪との間に配置された自動変速機と、
    前記クラッチに、シフトレバーの操作に連動して作動するマニュアルバルブを介して締結圧を供給する油圧制御手段と、
    前記クラッチの入力側回転数を検出する第1センサと、
    前記クラッチの出力側回転数を検出する第2センサと、
    運転者が前記シフトレバーを操作して走行レンジを選択したときに、前記第1センサにより検出された前記クラッチの入力側回転数と、前記第2センサにより検出された出力側回転数との回転数差が第1回転数差以上のときは、前記マニュアルバルブの切り替えが不十分である擬似D状態と判定する擬似D状態判定手段と、
    前記第1センサと前記第2センサとの回転数差が前記第1回転数差よりも大きな第2回転数差以上のときに、センサ異常と判定するセンサ異常検出手段と、
    を備え、
    前記擬似D状態判定手段は、前記擬似D状態と判定後、前記センサの状態に基づいて、センサ異常が生じている可能性を検知する検知手段を有し、該検知手段によりセンサ異常が生じている可能性があると検知されたとき、前記擬似D状態の判定結果をクリアすることを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 請求項1に記載の自動変速機の制御装置において、
    前記駆動源と前記クラッチとの間に配置されたロックアップクラッチ付きトルクコンバータと、
    前記擬似D状態と判定されたときは、前記ロックアップクラッチを解放し、前記擬似D状態の判定結果がクリアされたときは、前記ロックアップクラッチを締結するロックアップクラッチ制御手段と、
    前記駆動源の駆動源回転数を検出する第3センサと、
    前記ロックアップクラッチが締結されているときに、前記第1,第2及び第3センサの検出値に基づいて、センサ異常を検出するセンサ異常検出手段と、
    を備えたことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  3. 請求項2に記載の自動変速機の制御装置において、
    前記センサ異常検出手段は、前記第1センサと前記第2センサとの回転数差、前記第1センサと前記第3センサとの回転数差、前記第2センサと前記第3センサとの回転数差が前記第1回転数差よりも大きな第2回転数差以上のときにセンサ異常と判定することを特徴とする自動変速機の制御装置。
  4. 請求項2ないし3いずれか一つに記載の自動変速機の制御装置において、
    前記検知手段は、前記第3センサにより検出された駆動源回転数の時間変化勾配の符号と、前記第1センサにより検出された入力側回転数の時間変化勾配との符号とが異なるときは、前記擬似D状態の判定結果をクリアすることを特徴とする自動変速機の制御装置。
  5. 請求項1ないしいずれか一つに記載の自動変速機の制御装置において、
    前記自動変速機の出力側回転数を検出する第4センサを有し、
    前記検知手段は、前記自動変速機の変速比と前記第4センサにより検出された回転数に基づいて前記クラッチの出力側回転数を推定し、前記第2センサにより検出された出力側回転数の時間変化勾配の符号と、前記推定された出力側回転数の時間変化勾配の符号とが異なるときは、前記擬似D状態の判定結果をクリアすることを特徴とする自動変速機の制御装置。
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