JP6910730B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents
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Description
前記クラッチと前記駆動輪との間に配置された自動変速機と、
前記クラッチに、シフトレバーの操作に連動して作動するマニュアルバルブを介して締結圧を供給する油圧制御手段と、
前記クラッチの入力側回転数を検出する第1センサと、
前記クラッチの出力側回転数を検出する第2センサと、
運転者が前記シフトレバーを操作して走行レンジを選択したときに、前記第1センサにより検出された前記クラッチの入力側回転数と、前記第2センサにより検出された出力側回転数との回転数差が第1回転数差以上のときは、前記マニュアルバルブの切り替えが不十分である擬似D状態と判定する擬似D状態判定手段と、
前記第1センサと前記第2センサとの回転数差が前記第1回転数差よりも大きな第2回転数差以上のときに、センサ異常と判定するセンサ異常検出手段と、
を備え、
前記擬似D状態判定手段は、前記擬似D状態と判定後、前記センサの状態に基づいて、センサ異常が生じている可能性を検知する検知手段を有し、該検知手段によりセンサ異常が生じている可能性があると検知されたとき、前記擬似D状態の判定結果をクリアすることとした。
図1は、実施例1の自動変速機の構成を表す概略図である。自動変速機は、エンジン1から出力された回転を変速して駆動輪6に伝達する。自動変速機は、トルクコンバータ2と、前後進切替機構3と、ベルト式無段変速機4と、ディファレンシャルギヤ5と、を有する。トルクコンバータ2は、エンジン1と接続されたエンジン出力軸10と、タービンシャフト11との間を直結するロックアップクラッチ2aを有する。前後進切替機構3は、遊星歯車組と、油圧アクチュエータである二つの摩擦締結要素(締結により前進状態を達成するフォワードクラッチと、締結により後進状態を達成するリバースブレーキ)を有する。以下、この二つの摩擦締結要素を総称してクラッチ3aと記載する。
時刻t1において、運転者がシフトレバー40をDレンジ位置に移動し、車両が発進する。そして、時刻t2において、燃費改善の観点からロックアップクラッチ2aを締結(ON)する。
時刻t3において、クラッチ3aのスリップ量であるタービン回転数Ntとプライマリ回転数Npとの回転数差ΔNceが、擬似D状態と判定するための所定回転数ΔN1より大きくなると、擬似D状態と判定し、ロックアップクラッチ2aを解放(OFF)する。これにより、クラッチ3aの再締結時にエンジン側のイナーシャトルク変動を抑制する。更に、セカンダリプーリ4cに供給するセカンダリ油圧Psecを高めに設定し、再締結に伴うショックによってベルト4bが滑ることを防止する。また、クラッチ締結圧Pclを締結可能なギリギリの低い容量に設定する。
時刻t4において、クラッチ3aのスリップ量ΔNceが所定回転数ΔN1を下回ると、擬似D状態が解消したと判断し、セカンダリ油圧Psecを高めの設定から通常時の設定に戻し、クラッチ締結圧Pclを低めの設定から通常時の設定に戻す。そして、ロックアップクラッチ2aを締結する。これにより、擬似D状態からマニュアルバルブ21が適正な位置に移動した際の締結ショックを回避する。
ステップS1では、クラッチ3aのスリップ量であるタービン回転数Ntとプライマリ回転数Npriとの回転数差ΔNceが、擬似D状態と判定するための所定回転数ΔN1より大きいか否かを判断し、大きいときは擬似D状態と判定してステップS2に進み、それ以外の場合はステップS6のセンサ異常判定処理に進む。
ステップS2では、上述した擬似D制御処理を実行する。
ステップS3では、異常領域判定処理を実行する。異常領域判定処理は、予めセンサの異常領域が設定されたマップ内に、擬似D制御処理を実行中の各種回転数センサの値を読み込む。尚、異常領域判定処理の詳細については後述する。
ステップS4では、各種センサの値が異常領域内か否かを判定し、異常領域内にあると判定したときはステップS5に進み、それ以外の場合はステップS1に戻って擬似D制御処理を継続する。
ステップS5では、擬似D状態であるとの判定結果をクリアする。
ステップS6では、センサ異常判定処理を実施する。
図5は、アクセルペダルが踏み込まれたドライブ状態における、エンジン回転数センサ31とタービン回転数センサ32との関係に基づいて判定するマップである。擬似D制御処理を実行中は、ロックアップクラッチ2aが解放されるため、ドライブ状態でのエンジン回転数Neとタービン回転数Ntは、トルクコンバータ2における相対回転数分のオフセットが生じた状態である。そこで、擬似D制御処理を開始した時点でのエンジン回転数Neとタービン回転数Ntとの関係によって定まる動作点を通り、エンジン回転数Neとタービン回転数Ntとが比例関係となる基準線を設定する。次に、その基準線の低回転数側に低回転閾値Sminを設定し、基準線の高回転数側に高回転閾値Smaxを設定し、SmaxとSminで囲まれた領域を正常領域、それ以外を異常領域と定義する。
例えば、図6のマップの下方に示すように、エンジン回転数センサ31とタービン回転数センサ32が共に正常な場合、タービン回転数Ntの低下に伴ってエンジン回転数Neも低下するため、動作点は正常領域の範囲内で原点に向けて移動するはずである。一方、タービン回転数センサ32に、センサ出力値が徐々に上昇していく異常が生じると、動作点は、正常時に移動すると考えられる方向とは異なる方向に移動し、Smaxを上回って異常領域内に移動する、とは、擬似D状態と判定後、エンジン回転数センサ31により検出されたエンジン回転数Neの時間変化勾配の符号と、タービン回転数センサ32により検出されたタービン回転数Ntの時間変化勾配との符号とが異なることを意味する。このような時間変化勾配の符号に基づいて擬似D状態の判定結果をクリアするため、判定精度が高められる。この場合は、ステップS1で判定した際の回転数差ΔNceがセンサ異常によって発生した可能性があると判断し、擬似D制御処理を中断してセンサ異常判定処理に移行する。すなわち、タービン回転数センサ32に、センサ出力値が徐々に低下していく異常が生じた場合は、ドライブ状態における動作点に基づいて判定し、タービン回転数センサ32に、センサ出力値が徐々に上昇していく異常が生じた場合は、コースト状態における動作点に基づいて判定することで、動作点の動作方向が明らかに異なる状態を検知でき、判定精度を高められる。また、コースト状態では、動作点がSmaxを上回るか否かに基づいて異常領域か否かを判定することで、判定精度を向上できる。
例えば、図8のマップの下方に示すように、プライマリ回転数センサ33とセカンダリ回転数センサ34が共に正常な場合、プライマリ回転数Npriの低下に伴って変速比基準プライマリ回転数Npriも低下するするため、動作点は正常領域の範囲内で原点に向けて移動するはずである。一方、プライマリ回転数センサ33に、センサ出力値が徐々に上昇していく異常が生じると、動作点は、正常時に移動すると考えられる方向とは異なる方向に移動し、Smaxを上回って異常領域内に移動する。この場合は、ステップS1で判定した際の回転数差ΔNceがセンサ異常によって発生した可能性があると判断し、擬似D制御処理を中断してセンサ異常判定処理に移行する。また、コースト状態では、動作点がSmaxを上回るか否かに基づいて異常領域か否かを判定することで、判定精度を向上できる。
(1)エンジン1(駆動源)と駆動輪6との間に配置されたクラッチ3aと、
クラッチ3aと駆動輪6との間に配置されたベルト式無段変速機4(自動変速機)と、
クラッチ3aに、シフトレバー40の操作に連動して作動するマニュアルバルブ21を介してクラッチ締結圧Pclを供給するコントロールバルブ20(油圧制御手段)と、
クラッチ3aの入力側回転数であるタービン回転数Ntを検出するタービン回転数センサ32(第1センサ)と、
クラッチ3aの出力側回転数であるプライマリ回転数Npriを検出するプライマリ回転数センサ33(第2センサ)と、
運転者が前記シフトレバーを操作して走行レンジを選択したときに、タービン回転数センサ32により検出されたタービン回転数Ntと、プライマリ回転数センサ33により検出されたプライマリ回転数Npriとの回転数差ΔNceがΔN1(第1回転数差)以上のときは、マニュアルバルブ21の切り替えが不十分である擬似D状態と判定する擬似D状態判定結果クリア処理(擬似D状態判定手段)と、
タービン回転数センサ32とプライマリ回転数センサ33との回転数差がΔN1よりも大きなΔN2(第2回転数差)以上のときにセンサ異常と判定するセンサ異常判定処理(センサ異常検出手段)と、
を備え、
擬似D状態判定結果クリア処理は、擬似D状態と判定後、センサ異常と判定されたとき、擬似D状態の判定結果をクリアすることとした。
よって、擬似D状態と判定された後であっても、センサ異常により擬似D状態と判定された場合を検知することができ、適切に擬似D状態の判定結果をクリアできる。
擬似D状態と判定されたときは、ロックアップクラッチ2aを解放し、擬似D状態の判定結果がクリアされたときは、ロックアップクラッチ2aを締結するロックアップクラッチ制御手段と、
エンジン回転数Neを検出するエンジン回転数センサ31(第3センサ)と、
ロックアップクラッチ2aが締結されているときに、タービン回転数センサ32,プライマリ回転数センサ33及びエンジン回転数センサ31の検出値に基づいて、センサ異常を検出するセンサ異常判定処理(センサ異常検出手段)と、
を備えた。
よって、擬似D状態と判定された後に、センサ異常判定処理に移行することができ、センサ異常を検知できる。
よって、早い段階で擬似D制御処理を実施しつつ、安定したセンサ異常状態を検知できる。
よって、擬似D状態と判定した理由が、センサ異常か否かを精度よく判定できる。
異常領域判定処理は、擬似D状態と判定後、ベルト式無段変速機4の変速比とセカンダリ回転数センサ34により検出されたセカンダリ回転数Nsecに基づいてプライマリ回転数Npri(R)を推定し、プライマリ回転数センサ33により検出されたプライマリ回転数Npriの時間変化勾配の符号と、推定された変速比基準プライマリ回転数Npri(R)の時間変化勾配の符号とが異なるときは、擬似D状態の判定結果をクリアする。
よって、擬似D状態と判定した理由が、センサ異常か否かを精度よく判定できる。
以上、本発明を実施するための形態を実施例に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は実施例に示した構成に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。実施例1では、駆動源としてエンジンを示したが、エンジンに限らず、電動モータを併用したハイブリッド車両でもよいし、電動モータのみの電動車両であってもよい。また、変速機としてベルト式無段変速機4を示したが、他の有段式自動変速機であってもよい。
2 トルクコンバータ
2a ロックアップクラッチ
3 前後進切替機構
3a クラッチ
4 ベルト式無段変速機
4a プライマリプーリ
4b ベルト
4c セカンダリプーリ
5 ディファレンシャルギヤ
6 駆動輪
10 エンジン出力軸
11 タービンシャフト
12 インプットシャフト
13 アウトプットシャフト
20 コントロールバルブ
21 マニュアルバルブ
31 エンジン回転数センサ
32 タービン回転数センサ
33 プライマリ回転数センサ
34 セカンダリ回転数センサ
35 ドライブシャフト
35 車輪速センサ
36 インヒビタスイッチ
37 APOセンサ
40 シフトレバー
Claims (5)
- 駆動源と駆動輪との間に配置されたクラッチと、
前記クラッチと前記駆動輪との間に配置された自動変速機と、
前記クラッチに、シフトレバーの操作に連動して作動するマニュアルバルブを介して締結圧を供給する油圧制御手段と、
前記クラッチの入力側回転数を検出する第1センサと、
前記クラッチの出力側回転数を検出する第2センサと、
運転者が前記シフトレバーを操作して走行レンジを選択したときに、前記第1センサにより検出された前記クラッチの入力側回転数と、前記第2センサにより検出された出力側回転数との回転数差が第1回転数差以上のときは、前記マニュアルバルブの切り替えが不十分である擬似D状態と判定する擬似D状態判定手段と、
前記第1センサと前記第2センサとの回転数差が前記第1回転数差よりも大きな第2回転数差以上のときに、センサ異常と判定するセンサ異常検出手段と、
を備え、
前記擬似D状態判定手段は、前記擬似D状態と判定後、前記センサの状態に基づいて、センサ異常が生じている可能性を検知する検知手段を有し、該検知手段によりセンサ異常が生じている可能性があると検知されたとき、前記擬似D状態の判定結果をクリアすることを特徴とする自動変速機の制御装置。 - 請求項1に記載の自動変速機の制御装置において、
前記駆動源と前記クラッチとの間に配置されたロックアップクラッチ付きトルクコンバータと、
前記擬似D状態と判定されたときは、前記ロックアップクラッチを解放し、前記擬似D状態の判定結果がクリアされたときは、前記ロックアップクラッチを締結するロックアップクラッチ制御手段と、
前記駆動源の駆動源回転数を検出する第3センサと、
前記ロックアップクラッチが締結されているときに、前記第1,第2及び第3センサの検出値に基づいて、センサ異常を検出するセンサ異常検出手段と、
を備えたことを特徴とする自動変速機の制御装置。 - 請求項2に記載の自動変速機の制御装置において、
前記センサ異常検出手段は、前記第1センサと前記第2センサとの回転数差、前記第1センサと前記第3センサとの回転数差、前記第2センサと前記第3センサとの回転数差が前記第1回転数差よりも大きな第2回転数差以上のときにセンサ異常と判定することを特徴とする自動変速機の制御装置。 - 請求項2ないし3いずれか一つに記載の自動変速機の制御装置において、
前記検知手段は、前記第3センサにより検出された駆動源回転数の時間変化勾配の符号と、前記第1センサにより検出された入力側回転数の時間変化勾配との符号とが異なるときは、前記擬似D状態の判定結果をクリアすることを特徴とする自動変速機の制御装置。 - 請求項1ないし4いずれか一つに記載の自動変速機の制御装置において、
前記自動変速機の出力側回転数を検出する第4センサを有し、
前記検知手段は、前記自動変速機の変速比と前記第4センサにより検出された回転数に基づいて前記クラッチの出力側回転数を推定し、前記第2センサにより検出された出力側回転数の時間変化勾配の符号と、前記推定された出力側回転数の時間変化勾配の符号とが異なるときは、前記擬似D状態の判定結果をクリアすることを特徴とする自動変速機の制御装置。
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JP2017208518A JP6910730B2 (ja) | 2017-10-27 | 2017-10-27 | 自動変速機の制御装置 |
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JP2017208518A JP6910730B2 (ja) | 2017-10-27 | 2017-10-27 | 自動変速機の制御装置 |
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JP2019082187A JP2019082187A (ja) | 2019-05-30 |
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JP2017208518A Active JP6910730B2 (ja) | 2017-10-27 | 2017-10-27 | 自動変速機の制御装置 |
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- 2017-10-27 JP JP2017208518A patent/JP6910730B2/ja active Active
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