JP2020193700A - 車両の制御装置及び車両の制御方法 - Google Patents

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智英 水野
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昇平 今地
弘道 明保能
Hiromichi Akebono
弘道 明保能
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Abstract

【課題】コストを増大させずにエア吸い判定を行うこと、若しくはエア吸い状態に対する対応を行うこと。【解決手段】動力伝達経路におけるエンジン1の下流に配置されるバリエータ20を有する車両100を制御する車両の制御装置は、車両100が急減速状態となったこと及びバリエータ20のセカンダリプーリ22のSEC圧が設定下限値Plim以下になったことを含む条件が成立すると、オイルポンプ6がエア吸い状態であることを確定するか、若しくはエンジン1の出力制限をするコントローラ10を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、車両の制御装置及び車両の制御方法に関するものである。
特許文献1には、オイルポンプのストレーナ近辺に流量センサを設けることで、オイルポンプが空気を吸っているエア吸い状態であるか否かの判定を実行する無段変速機の制御装置が開示されている。
特開2010−007834号公報
しかしながら、特許文献1の制御装置では、エア吸い状態であるか否かの判定を行うために流量センサを別途設ける必要があるので、コストが増大するおそれがある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、コストを増大させずにエア吸い状態の判定を行うこと、若しくはエア吸い状態に対する対応を行うことを目的とする。
本発明のある態様によれば、動力伝達経路における駆動源の下流に配置される無段変速機を有する車両を制御する車両の制御装置は、前記車両が急減速状態となったこと及び前記無段変速機のセカンダリプーリの実圧が設定下限値以下になったことを含む条件が成立すると、ポンプがエア吸い状態であることを確定する制御部を有する。
また、本発明の他の態様によれば、動力伝達経路における駆動源の下流に配置される無段変速機を有する車両を制御する車両の制御装置であって、前記車両が急減速状態となったこと及び前記セカンダリプーリの実圧が設定下限値以下になったことを含む条件が成立すると、前記駆動源の出力制限をする制御部を有する。
また、本発明の他の態様によれば、動力伝達経路における駆動源の下流に配置される無段変速機を有する車両を制御する車両の制御方法は、前記車両が急減速状態となったこと及び前記無段変速機のセカンダリプーリの実圧が設定下限値以下になったことを含む条件が成立すると、ポンプがエア吸い状態であることを確定する。
上記態様では、車両が急減速状態となったこと及びセカンダリプーリの実圧が設定下限値以下になったことを含む条件が成立すると、制御部は、ポンプがエア吸い状態であることを確定するか、若しくは駆動源の出力制限をする。セカンダリプーリの実圧は、無段変速機の変速のために必須のセンサによって検出できるものである。そのため、流量センサを別途設けなくてもよい。したがって、コストを増大させずにエア吸い状態の判定を行うこと、若しくはエア吸い状態に対する対応を行うことができる。
図1は、本実施形態に係る制御装置を備えた車両の要部を示す図である。 図2は、エア吸い状態を判定するためのフローチャートである。 図3は、実際にエア吸いが発生した状態を説明するタイミングチャートである。 図4は、エア吸いが発生していないときに誤ってエア吸い状態であると判定しないことを説明するタイミングチャートである。 図5は、切換弁のボアが摩耗した場合に誤ってエア吸い状態であると判定しないことを説明するタイミングチャートである。
以下、図1から図5を参照して、本発明の実施形態に係る制御装置について説明する。
まず、図1を参照して、制御装置を備えた車両100について説明する。図1は、車両100の要部を示す図である。
車両100は、駆動源としてのエンジン1と、トルクコンバータ2と、自動変速機構3と、車軸部4と、駆動輪5と、ポンプとしてのオイルポンプ6と、制御装置としてのコントローラ10と、油圧制御回路11と、を備える。
エンジン1は、ガソリン、軽油等を燃料とする内燃機関であり、走行用駆動源として機能する。エンジン1は、コントローラ10からの指令に基づいて、回転速度、トルク等が制御される。
トルクコンバータ2は、動力伝達経路におけるエンジン1の下流に配置される。トルクコンバータ2は、流体を介して動力を伝達する。トルクコンバータ2では、ロックアップクラッチ2aを締結することで、動力伝達効率を高めることができる。
自動変速機構3は、動力伝達経路におけるエンジン1及びトルクコンバータ2の下流に配置される。自動変速機構3は、無段変速機としてのバリエータ20と、有段変速機としての副変速機構30と、を備える。自動変速機構3は、動力伝達経路におけるトルクコンバータ2の下流に配置される。自動変速機構3は、入力された回転速度を、変速比に応じた回転速度で出力する。
車軸部4は、減速ギヤ、差動装置、及び駆動車軸を有して構成される。エンジン1の動力は、トルクコンバータ2、バリエータ20、副変速機構30、及び車軸部4によって構成される動力伝達経路を介して駆動輪5に伝達される。
バリエータ20は、プライマリプーリ21と、セカンダリプーリ22と、無端環状部材としてのベルト23と、を備える。バリエータ20は、プライマリプーリ21とセカンダリプーリ22との溝幅をそれぞれ変更することで、ベルト23の巻掛け径を変更して変速を行うベルト式の無段変速機構を構成している。以下では、プライマリをPRIと称し、セカンダリをSECと称する。
PRIプーリ21は、固定プーリ21aと、可動プーリ21bと、PRI室21cと、PRI圧センサ51と、を有する。PRI室21cには、油圧制御回路11によって制御されたPRI圧が供給される。PRI圧が供給されることにより、可動プーリ21bが作動し、PRIプーリ21の溝幅がPRI圧に応じて変更される。
SECプーリ22は、固定プーリ22aと、可動プーリ22bと、SEC室22cと、SEC圧センサ52と、を有する。SEC室22cには、油圧制御回路11によって制御されたSEC圧が供給される。SEC圧が供給されることにより、可動プーリ22bが作動し、SECプーリ22の溝幅がSEC圧に応じて変更される。
ベルト23は、PRIプーリ21とSECプーリ22との間に巻き掛けられる。具体的には、ベルト23は、PRIプーリ21の固定プーリ21aと可動プーリ21bとにより形成されるV字形状をなすシーブ面と、SECプーリ22の固定プーリ22aと可動プーリ22bとにより形成されるV字形状をなすシーブ面とに巻き掛けられる。
ベルト23の支持は、PRI室21c及びSEC室22cに供給されるPRI圧及びSEC圧によって発生する油圧支持力であるベルト挟持力により確保される。
副変速機構30は有段変速機構であり、前進2段、後進1段の変速段を有する。副変速機構30は、前進用変速段として、1速と、1速よりも変速比が小さい2速とを有する。副変速機構30は、バリエータ20の出力側(動力伝達経路における下流側)に直列に設けられる。
バリエータ20と副変速機構30とは、構造上、個別の変速機構として構成されてもよい。また、副変速機構30は、バリエータ20に直接接続されてもよく、ギヤ列など他の構成を介してバリエータ20に間接的に接続されてもよい。
副変速機構30は、締結要素として、Lowブレーキ31と、Highクラッチ32と、後進ブレーキ33と、を備える。Lowブレーキ31、Highクラッチ32、及び後進ブレーキ33は、供給される油圧によって各伝達トルク容量が制御され、締結、解放可能な油圧式クラッチである。
Lowブレーキ31が締結され、Highクラッチ32及び後進ブレーキ33が解放されると、副変速機構30の変速段は1速段となる。Highクラッチ32が締結され、Lowブレーキ31及び後進ブレーキ33が解放されると、副変速機構30の変速段は1速段よりも変速比が小さい2速段となる。後進ブレーキ33が締結され、Lowブレーキ31及びHighクラッチ32が解放されると、副変速機構30の変速段は後進段となる。Lowブレーキ31、Highクラッチ32、及び後進ブレーキ33が解放されると、副変速機構30は動力遮断状態になり、自動変速機構3はニュートラル状態となる。
オイルポンプ6は、エンジン1により駆動されて、タンク6aから吸い込んだ作動油を吐出する。オイルポンプ6から吐出された作動油は、油圧制御回路11を通じてバリエータ20や副変速機構30等に供給される。
油圧制御回路11は、オイルポンプ6が吐出した作動油の圧力を調整してバリエータ20や副変速機構30の各部位に伝達する。油圧制御回路11では、ライン圧、PRI圧、及びSEC圧の調整、Lowブレーキ31、Highクラッチ32、及び後進ブレーキ33の締結圧の調整等が行われる。
コントローラ10は、車両100の各種動作を制御する。コントローラ10は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。コントローラ10は、ROMに記憶されたプログラムをCPUによって読み出すことで、車両100の各種動作を制御する。
コントローラ10は、複数のマイクロコンピュータで構成することも可能である。具体的には、コントローラ10は、自動変速機構3を制御するATCU、シフトレンジを制御するSCU、及びエンジン1の制御を行うECU等によって構成することもできる。なお、後述するポンプがエア吸い状態であることを確定する制御部、及び駆動源の出力制限をする制御部とは、コントローラ10が変速制御を実行する機能を仮想的なユニットとしたものである。
コントローラ10には、バリエータ20の入力側の回転速度を検出するための入力側回転速度センサ41、バリエータ20の出力側の回転速度を検出するための出力側回転速度センサ42、及び副変速機構30の出力側の回転速度を検出する回転速度センサ43からの信号が入力される。コントローラ10には、この他、アクセル開度センサ44、ブレーキセンサ45、イグニッションスイッチ46、インヒビタスイッチ47、エンジン回転速度センサ48、勾配センサ49、車速センサ50、PRI圧センサ51、SEC圧センサ52、及び加速度センサ53等からの信号も入力される。
アクセル開度センサ44は、アクセルペダルの操作量を表すアクセル開度を検出する。アクセル開度は、運転者による加速要求を指標する。ブレーキセンサ45は、ブレーキペダルの踏み込みの有無を検知する。ブレーキペダルの踏み込みは、運転者による減速要求を指標する。ブレーキセンサ45は、ブレーキペダルの踏力を表すブレーキ踏力を検出するものであってもよい。インヒビタスイッチ47は、セレクトレバーの位置を検出する。エンジン回転速度センサ48は、エンジン1の回転速度を検出する。勾配センサ49は、路面の勾配を検出する。車速センサ50は、車軸部4に動力を伝達するシャフトの回転速度等から車両100の速度を検出する。PRI圧センサ51は、PRI室21cに供給されるPRI圧を検出する。SEC圧センサ52は、SEC室22cに供給されるSEC圧を検出する。加速度センサ53は、車両100の加速度を検出する。
コントローラ10は、これらの信号に基づき変速制御信号を生成し、生成した変速制御信号を油圧制御回路11に出力する。油圧制御回路11は、コントローラ10からの変速制御信号に基づき、ライン圧、PRI圧、SEC圧、副変速機構30の各締結要素の締結圧を制御するとともに、油圧経路の切り換えを行う。例えば、コントローラ10は、PRI圧の目標値であるPRI指示圧を演算し、PRI圧(実圧)がPRI指示圧に近付くように制御を行う。また、コントローラ10は、SEC圧の目標値であるSEC指示圧を演算し、SEC圧(実圧)がSEC指示圧に近付くように制御を行う。これにより、油圧制御回路11からバリエータ20及び副変速機構30の各部位に変速制御信号に応じた油圧が供給され、バリエータ20及び副変速機構30の変速比が、変速制御信号に応じた変速比、即ち目標変速比に変更される。
ここで、前進走行中の車両100が急減速した場合には、タンク6a内の作動油が車両100の前方側に偏る。そのため、オイルポンプ6がタンク6aから作動油を充分に吸い上げられずに空気を吸っているいわゆるエア吸い状態になるおそれがある。特に、作動油の温度が低い場合には、作動油の粘性が高い。そのため、急減速時に前方側に偏った作動油の戻りが遅いことや、潤滑等のために自動変速機構3の各所に供給された作動油のタンク6aへの戻り量が充分でないことにより、オイルポンプ6がエア吸い状態になるおそれがある。
オイルポンプ6がエア吸い状態になると、バリエータ20や副変速機構30等に供給される作動油の圧力が低下して、必要な作動油の圧力を下回る場合がある。そこで、コントローラ10は、以下の制御を実行して、オイルポンプ6がエア吸い状態であるか否かを判定する。
以下、図2を参照して、オイルポンプ6がエア吸い状態であるか否かの判定、及びエンジン1の出力制限について説明する。図2は、オイルポンプ6がエア吸い状態であるか否かを判定し、エンジン1の出力制限を実行するためのフローチャートである。制御部(コントローラ10)は、図2に示すルーチンを、例えば10ミリ秒ごとの一定時間隔で繰り返し実行する。
ステップS1では、コントローラ10は、車両100が急減速状態であるか否かを判定する。ステップS1にて、車両100が急減速状態であると判定された場合には、ステップS2に移行する。一方、ステップS1にて、車両100が急減速状態でないと判定された場合には、ステップS7に移行する。
具体的には、車両100が急減速状態であるか否かの判定は、加速度センサ53からの加速度、車速センサ50からの車速、及びブレーキセンサ45からのブレーキペダルの踏力のいずれかの信号に基づいて行う。コントローラ10は、入力された信号から車両100の減速度を演算し、演算した減速度が閾値を超えている場合に急減速状態であると判定する。
ステップS2では、コントローラ10は、SECプーリ22のSEC室22cに供給されるSEC圧が設定下限値Plim以下であるか否かを判定する。SEC圧は、SEC圧センサ52によって検出される。設定下限値Plimは、SEC指示圧に関わらず常に一定の固定値である。ステップS2にて、SEC圧が設定下限値Plim以下であると判定された場合には、ステップS3に移行する。一方、ステップS2にて、SEC圧が設定下限値Plim以下でない、即ちSEC圧が設定下限値Plimよりも高いと判定された場合には、ステップS7に移行する。
ステップS3では、コントローラ10は、SECプーリ22のSEC圧の低下速度dP/dtの絶対値が所定速度以上であるか否かを判定する。ステップS3にて、SEC圧の低下速度dP/dtの絶対値が所定速度以上であると判定された場合には、ステップS4に移行する。一方、ステップS3にて、SEC圧の低下速度dP/dtの絶対値が所定速度以上ではない、即ちSEC圧の低下速度dP/dtの絶対値が所定速度よりも低いと判定された場合には、ステップS7に移行する。
ステップS4では、SEC指示圧とSEC圧との差であるΔPsec(ΔPsec=SEC指示圧−SEC圧)が閾値以上か否かを判定する。ステップS4にて、ΔPsecが閾値以上であると判定された場合には、ステップS5に移行する。一方、ステップS4にて、ΔPsecが閾値以上でない、即ちΔPsecが閾値よりも小さいと判定された場合には、ステップS7に移行する。
ステップS5では、コントローラ10は、オイルポンプ6がタンク6aから作動油を充分に吸い上げられずに空気を吸っているいわゆるエア吸い状態であるとの判定を確定させる。
ステップS6では、コントローラ10は、エンジン1の出力を制限する。具体的には、エンジン1のトルクと回転速度との少なくとも一方を制限する。例えば、エンジン1のトルクを制限する場合は、エンジン1の出力トルクに閾値を設け、アクセル開度に関わらず閾値を上回らないように制御する。
なお、出力トルクの閾値は固定値であってもよいが、最大上限閾値を設けた上での可変値としてもよい。例えば、SEC圧の大きさに応じて許容できるトルクの大きさが変化することに対応して、最大上限閾値を超えない範囲でSEC圧の大きさに応じた可変値を閾値としてもよい。
このように、車両100が急減速状態となったこと及びSECプーリ22のSEC圧が設定下限値Plim以下になったことを含む条件が成立すると、コントローラ10は、オイルポンプ6がエア吸い状態であることを確定するか、若しくはエンジン1の出力制限をする。SECプーリ22のSEC圧は、自動変速機構3の変速のために必須のSEC圧センサ52によって検出できるものである。そのため、流量センサを別途設けなくてもよい。したがって、コストを増大させずにエア吸い状態の判定を行うこと、若しくはエア吸い状態に対する対応を行うことができる。
また、エア吸い状態では、作動油の圧力が不足することから、自動変速機構3側における変速機自身の保護が難しい状況となる。そのため、エンジン1側の出力制限によりエア吸い状態に対する対応を行うことができる。
また、オイルポンプ6がエア吸い状態であることをコントローラ10が確定する条件には、SECプーリ22のSEC圧の低下速度dP/dtが所定速度以上になったことが含まれる。
オイルポンプ6がエア吸い状態になった場合には、急激に油圧が低下する。一方、緩やかに油圧が低下する原因としては、制御弁の不調等のエア吸いとは別の原因が考えられる。このように別の原因が生じた場合には、エア吸いとは対処が異なる場合がある。よって、SECプーリ22のSEC圧の低下速度dP/dtを条件に追加することで、エア吸いと別の原因とを切り分けることができる。
また、オイルポンプ6がエア吸い状態であることをコントローラ10が確定する条件には、SECプーリ22のSEC指示圧とSEC圧の差であるΔPsecが閾値以上であることが含まれる。このように、SEC指示圧とSEC圧との差であるΔPsecが閾値以上であることを条件に含めることで、エア吸い状態であるか否かの判定精度を高めることができる。
なお、図2のフローでは、ステップS2の判定とステップS3の判定とが共にYesの場合にステップS5に移行してエア吸い状態であるとの判定を確定させる。しかしながら、これに限らず、ステップS2の判定とステップS3の判定とのいずれか一方のみがYesの場合にステップS5に移行してエア吸い状態であるとの判定を確定させるようにしてもよい。
その後、急減速状態が解消するか、若しくは充分な時間が経過する等によりタンク6aの作動油の油面が充分な高さになると、コントローラ10による制御は、ステップS1、ステップS2、ステップS3、若しくはステップS4にてNoと判定されて、ステップS7に移行する。
ステップS7では、コントローラ10は、オイルポンプ6がタンク6aから作動油を充分に吸い上げており、エア吸い状態ではないと判定する。
ステップS8では、コントローラ10は、エンジン1の出力が制限されていた場合には、オイルポンプ6がエア吸い状態ではなくなったので、エンジン1の出力制限を解除する。
次に、図3を参照して、オイルポンプ6がエア吸い状態であるか否かの判定、及びエンジン1の出力制限について具体的に説明する。図3は、実際にエア吸いが発生した状態を説明するタイミングチャートである。
車両100は、ブレーキがオンになると(時刻t1)、車速が低下して急減速状態になる。車両100が急減速状態になると、SECプーリ22をLow側へ戻すためにSEC指示圧が上昇する。そして、SEC指示圧の上昇に伴い、SEC圧が上昇する。
しかしながら、オイルポンプ6がエア吸い状態になった場合には、SEC指示圧の上昇にSEC圧が追従せずに、SEC圧が急激に下降する(時刻t2から時刻t3)。このとき、コントローラ10は、SEC圧が設定下限値Plim以下まで低下したこと、SEC圧の低下速度dP/dtが所定速度以上であること、及びSEC指示圧とSEC圧との差であるΔPsecが閾値以上であることが所定の時間継続した場合に、オイルポンプ6がエア吸い状態であるとの判定を確定させる(時刻t4)。所定の時間継続してから判定するのは、誤判定を防止するためである。
オイルポンプ6がタンク6aから作動油を充分に吸い上げると、SEC圧が設定下限値Plimよりも高くなり、正常な状態に戻る(時刻t5)。そして、コントローラ10は、SEC圧が正常な状態に戻った状態が所定の時間継続した場合に、エア吸い状態でないと判定する(時刻t6)。ここでもまた、所定の時間継続してから判定するのは、誤判定を防止するためである。
次に、図4を参照して、車両100ではオイルポンプ6がエア吸い状態であるとの誤判定を防止できることについて説明する。図4は、エア吸いが発生していないときに誤ってエア吸い状態であると判定しないことを説明するタイミングチャートである。
車両100は、ブレーキがオンになると(時刻t1)、車速が低下して急減速状態になる。車両100が急減速状態になると、SECプーリ22をLow側へ戻すためにSEC指示圧が上昇する(時刻t2)。
ここで、仮に、SEC指示圧とSEC圧との差であるΔPsecが閾値以上であることが所定の時間継続したことだけを条件としてオイルポンプ6がエア吸い状態であるとの判定を確定させる場合について検討する。この場合、SEC指示圧の上昇に伴いΔPsecが閾値以上になるので、破線で示すように、時刻t3にてオイルポンプ6がエア吸い状態であると判定されることになる。
即ち、SEC指示圧に対してSEC圧が追い付かないことが、オイルポンプ6がエア吸い状態であるとの誤判定の原因の一つになり得る。更に、SEC圧が追い付かない場合に、油圧フィードバック制御を実行すると、SEC指示圧とSEC圧との乖離が大きくなるにつれてSEC指示圧が更に引き上げられる。その結果、SEC指示圧とSEC圧との乖離が更に大きくなることも、オイルポンプ6がエア吸い状態であるとの誤判定の原因の一つになり得る。
これに対して、車両100では、コントローラ10は、SEC圧が設定下限値Plim以下まで低下したこと、SEC圧の低下速度dP/dtが所定速度以上であること、及びSEC指示圧とSEC圧との差であるΔPsecが閾値以上であることが所定の時間継続した場合に、オイルポンプ6がエア吸い状態であるとの判定を確定させる。よって、SEC圧が設定下限値Plim以下まで低下していないので、オイルポンプ6がエア吸い状態であるとは判定されない。
したがって、SEC指示圧が上昇してSEC圧との乖離が大きくなることに起因する誤判定を防止することができる。
このように、SEC指示圧とSEC圧との差に加えて、固定値である設定下限値Plimによる判定を加えることで、SEC指示圧とSEC圧との差による判定をメインとした場合における判定精度を高めることができる。
次に、図5を参照して、車両100では油圧制御回路11内における切換弁のボアが摩耗した場合にも、オイルポンプ6がエア吸い状態であるとの誤判定を防止できることについて説明する。図5は、切換弁のボアが摩耗した場合に誤ってエア吸い状態であると判定しないことを説明するタイミングチャートである。
車両100は、ブレーキがオンになると(時刻t1)、車速が低下して急減速状態になる。車両100が急減速状態になると、SECプーリ22をLow側へ戻すためにSEC指示圧が上昇する。そして、SEC指示圧の上昇に伴い、SEC圧が上昇する。
しかしながら、オイルポンプ6がエア吸い状態である場合には、SEC指示圧の上昇にSEC圧が追従できず、SEC圧が急激に下降する(時刻t2から時刻t3)。このとき、コントローラ10は、SEC圧が設定下限値Plim以下まで低下したこと、SEC圧の低下速度dP/dtが所定速度以上であること、及びSEC指示圧とSEC圧との差であるΔPsecが閾値以上であることが所定の時間継続した場合に、オイルポンプ6がエア吸い状態であるとの判定を確定させる(時刻t4)。
ここで、油圧制御回路11内における切換弁の切り換え回数が多くなり、スプールの摺動によるボアの摩耗が進行した場合には、スプールとボアとの間隔が大きくなる。そのため、SEC指示圧に対してSEC圧が上昇しきれずに、SEC指示圧とSEC圧とが乖離した状態になる。この場合、SEC指示圧とSEC圧との差であるΔPsecが依然として閾値以上となるおそれがある。
仮に、SEC指示圧とSEC圧との差であるΔPsecが閾値以上であることが所定の時間継続したことだけを条件としてオイルポンプ6がエア吸い状態であるとの判定を確定させる場合について検討する。この場合、SEC指示圧の上昇に伴いΔPsecが閾値以上である状態が継続するので、破線で示すように、時刻t6を過ぎてもオイルポンプ6がエア吸い状態であると継続して判定されることになる。
これに対して、車両100では、コントローラ10は、SEC圧が設定下限値Plim以下まで低下したこと、SEC圧の低下速度dP/dtが所定速度以上であること、及びSEC指示圧とSEC圧との差であるΔPsecが閾値以上であることが所定の時間継続した場合に、オイルポンプ6がエア吸い状態であるとの判定を確定させる。よって、時刻t5にてSEC圧が設定下限値Plimよりも高くなっているので、時刻t6にてオイルポンプ6がエア吸い状態でないと判定される。
したがって、油圧制御回路11内における切換弁のボアが摩耗した場合にも、オイルポンプ6がエア吸い状態であるとの誤判定を防止することができる。
以上のように構成された本発明の実施形態の構成、作用、及び効果をまとめて説明する。
動力伝達経路におけるエンジン1の下流に配置されるバリエータ20を有する車両100を制御する車両の制御装置は、車両100が急減速状態となったこと及びバリエータ20のSECプーリ22のSEC圧が設定下限値Plim以下になったことを含む条件が成立すると、オイルポンプ6がエア吸い状態であることを確定する制御部(コントローラ10)を有する。
動力伝達経路におけるエンジン1の下流に配置されるバリエータ20を有する車両100を制御する車両の制御方法は、車両100が急減速状態となったこと及びバリエータ20のSECプーリ22のSEC圧が設定下限値Plim以下になったことを含む条件が成立すると、オイルポンプ6がエア吸い状態であることを確定する。
これらの構成によれば、車両100が急減速状態となったこと及びSECプーリ22のSEC圧が設定下限値Plim以下になったことを含む条件が成立すると、コントローラ10は、オイルポンプ6がエア吸い状態であることを確定する。SECプーリ22のSEC圧は、自動変速機構3の変速のために必須のSEC圧センサ52によって検出できるものである。そのため、流量センサを別途設けなくてもよい。したがって、コストを増大させずにエア吸い状態の判定を行うことができる(請求項1及び5に対応する効果)。
また、動力伝達経路におけるエンジン1の下流に配置されるバリエータ20を有する車両100を制御する車両の制御装置は、車両100が急減速状態となったこと及びSECプーリ22のSEC圧が設定下限値Plim以下になったことを含む条件が成立すると、エンジン1の出力制限をする制御部(コントローラ10)を有する。
この構成によれば、車両100が急減速状態となったこと及びSECプーリ22のSEC圧が設定下限値Plim以下になったことを含む条件が成立すると、コントローラ10は、エンジン1の出力を制限する。SECプーリ22のSEC圧は、自動変速機構3の変速のために必須のSEC圧センサ52によって検出できるものである。そのため、流量センサを別途設けなくてもよい。したがって、コストを増大させずにエア吸い状態に対する対応を行うことができる。
また、エア吸い状態では、作動油の圧力が不足することから、自動変速機構3側における変速機自身の保護が難しい状況となる。そのため、エンジン1側の出力制限によりエア吸い状態に対する対応を行うことができる(請求項2に対応する効果)。
また、条件には、SECプーリ22のSEC圧の低下速度dP/dtが所定速度以上になったことが含まれる。
この構成によれば、オイルポンプ6がエア吸い状態になった場合には、急激に油圧が低下する。一方、緩やかに油圧が低下する原因としては、制御弁の不調等のエア吸いとは別の原因が考えられる。このように別の原因が生じた場合には、エア吸いとは対処が異なる場合がある。よって、SECプーリ22のSEC圧の低下速度dP/dtを条件に追加することで、エア吸いと別の原因とを切り分けることができる(請求項3に対応する効果)。
また、条件には、SECプーリ22のSEC指示圧とSEC圧との差であるΔPsecが閾値以上であることが含まれる。
この構成によれば、SECプーリ22のSEC指示圧とSEC圧との差であるΔPsecが閾値以上であることを条件に含めることで、エア吸い状態であるか否かの判定精度を高めることができる(請求項4に対応する効果)。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
上記実施形態では、駆動源としてエンジン1を例に説明したが、駆動源はモータであってもよい。また、駆動源としてエンジンとモータを併用するハイブリッド車両に適用してもよい。
また、上記実施形態では、前後進クラッチはバリエータ20の下流に設けられる。オイルポンプ6がエア吸い状態になると、油圧が低下することにより前後進クラッチが一瞬解放状態になる。前後進クラッチが解放状態である間は、ベルト23が滑っている可能性は低い。しかしながら、オイルポンプ6がエア吸い状態から復帰する際、前後進クラッチが完全締結状態に復帰したときに、必要油圧が非常に大きいバリエータ20の推力が復帰しきれていない場合がある。そのときに、アクセルペダルの踏み増し等がされると、バリエータ20の推力が足りずにベルト23が滑るおそれがある。
しかしながら、前後進クラッチがバリエータ20の上流と下流とのどちらであったとしても、バリエータ20の保護制御としてはエンジン1の出力制限が望ましい。よって、前後進クラッチはバリエータ20の上流及び下流のどちらにあってもよい。
100 車両
1 エンジン
3 自動変速機構
6 オイルポンプ(ポンプ)
6a タンク
10 コントローラ(制御装置、制御部)
11 油圧制御回路
20 バリエータ(無段変速機)
21 プライマリプーリ(PRIプーリ)
22 セカンダリプーリ(SECプーリ)
23 ベルト(無端環状部材)
45 ブレーキセンサ
50 車速センサ
52 SEC圧センサ
53 加速度センサ

Claims (5)

  1. 動力伝達経路における駆動源の下流に配置される無段変速機を有する車両を制御する車両の制御装置であって、
    前記車両が急減速状態となったこと及び前記無段変速機のセカンダリプーリの実圧が設定下限値以下になったことを含む条件が成立すると、ポンプがエア吸い状態であることを確定する制御部を有する、
    ことを特徴とする車両の制御装置。
  2. 動力伝達経路における駆動源の下流に配置される無段変速機を有する車両を制御する車両の制御装置であって、
    前記車両が急減速状態となったこと及び前記無段変速機のセカンダリプーリの実圧が設定下限値以下になったことを含む条件が成立すると、前記駆動源の出力制限をする制御部を有する、
    ことを特徴とする車両の制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載の車両の制御装置であって、
    前記条件には、前記セカンダリプーリの実圧の低下速度が所定速度以上になったことが含まれる、
    ことを特徴とする車両の制御装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一つに記載の車両の制御装置であって、
    前記条件には、前記セカンダリプーリの指示圧と実圧の差が閾値以上であることが含まれる、
    ことを特徴とする車両の制御装置。
  5. 動力伝達経路における駆動源の下流に配置される無段変速機を有する車両を制御する車両の制御方法であって、
    前記車両が急減速状態となったこと及び前記無段変速機のセカンダリプーリの実圧が設定下限値以下になったことを含む条件が成立すると、ポンプがエア吸い状態であることを確定する、
    ことを特徴とする車両の制御方法。
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