JP6589728B2 - ロックアップクラッチの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用の変速機に設けられたロックアップクラッチに適用される制御装置に関する。
ロックアップクラッチ制御においては、実差回転(エンジン回転数とトルクコンバータのタービン回転数との回転数差(スリップ量))が目標差回転となるようにロックアップクラッチ油圧をフィードバック制御(以下、スリップ制御ともいう)することが行われている。
このようなロックアップクラッチ制御にあっては、減速中におけるスリップ量が目標スリップ量に至るまでの制御時間が目標時間となるように、フィードバック学習を行っている。そして、その学習から得られる補正値をエンジン構成部品の作動状態に関連づけて保存することにより、ロックアップクラッチのスリップ量の補正精度を高めている(例えば特許文献1参照)。
特開2003−065433号公報
ところで、ロックアップクラッチ制御においては、ロックアップクラッチのパック詰め(クラッチトルク発生の直前状態にする油圧制御)のために、制御開始時にファーストフィル及び定圧待機フェーズを実施している。
従来では、定圧待機フェーズ以降の制御については学習を実施しているが、定圧待機フェーズ以前のフェーズ(パック詰めフェーズ)については、学習は行われていない。ここで、パック詰めフェーズは、減速だけでなく加速においても精度よく制御することが求められる領域であり、減速または加速に関わらず、スリップ制御を実行する場合にパック詰めフェーズの制御精度が悪いと、ショックが発生する場合がある。
本発明はそのような実情を考慮してなされたもので、ロックアップクラッチのパック詰め制御の精度を高めることが可能なロックアップクラッチの制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、車両用の変速機に設けられたロックアップクラッチに適用される制御装置であって、前記ロックアップクラッチの制御開始時にファーストフィル及び定圧待機を実施して当該ロックアップクラッチのパック詰めを行うパック詰め制御手段と、所定の学習条件が成立した際に、実パック詰め時間及び目標パック詰め時間に基づいて、前記ファーストフィルの油圧または実行時間、または、前記定圧待機の油圧または実行時間のうち、少なくとも1つの基本補正量を学習する学習制御手段と、前記ファーストフィルの油圧または実行時間の基本補正量、または、前記定圧待機の油圧または実行時間の基本補正量のうち、少なくとも1つの基本補正量に対して、減速時ゲインを加速時ゲインよりも小さく設定するゲイン設定手段と、を備えている。そして、車両加速時においては前記基本補正量及び前記加速時ゲインに基づいてロックアップクラッチ制御を行い、車両減速時においては前記基本補正量及び前記減速時ゲインに基づいてロックアップクラッチ制御を行うことを特徴としている。
本発明によれば、ファーストフィルと定圧待機とに対し、独立して基本補正量及び補正ゲインを設定することが可能になるので、パック詰め制御の精度が向上する。ここで、減速時にあってはエンジントルクによる駆動トルク制御ができないため、ショックを抑制することは困難であるが、本発明のように、減速時ゲインを加速時ゲインよりも小さく設定することで、学習制御に伴う油圧変化(指示値の変化)が抑制されるので、ショックが発生しにくくなる。
本発明によれば、ロックアップクラッチのパック詰め制御の精度を向上させることができる。
本発明を適用する多板ロックアップクラッチが搭載された車両の一例を示す概略構成図である。 図1に示す自動変速機における各クラッチ及び各ブレーキのギヤ段ごとの係合状態を示す係合表である。 油圧制御回路の回路構成図である。 図3の油圧制御回路においてロックアップOFF時の動作を示す図である。 図3の油圧制御回路においてロックアップON時の動作を示す図である。 ECU等の制御系の構成を示すブロック図である。 基本的なロックアップクラッチ制御の一例を示すタイミングチャートである。 ファーストフィルの油圧及び実行時間と定圧待機の油圧及び実行時間とを示す図である。 ECUが実行する基本補正量の学習制御の具体的な例を示すフローチャートである。 ECUが実行するロックアップクラッチ制御の具体的な例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、本発明を適用する多板ロックアップクラッチが搭載された車両の一例について図1を参照して説明する。
この例の車両300は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)型の車両であって、エンジン1、トルクコンバータ2、多板ロックアップクラッチ3、自動変速機(AT)4、デファレンシャル装置5、駆動輪(前輪)6、従動輪(後輪:図示せず)、油圧制御回路100、及び、ECU(Electronic Control Unit)200などを備えている。
これらエンジン1、トルクコンバータ2、多板ロックアップクラッチ3、自動変速機4、油圧制御回路100、及び、ECU200の各部について以下に説明する。
−エンジン−
エンジン1は、走行用の駆動力源であり、例えば多気筒ガソリンエンジンである。エンジン1の出力軸であるクランクシャフト11はトルクコンバータ2に連結されている。クランクシャフト11の回転数(エンジン回転数ne)はエンジン回転数センサ201によって検出される。
−トルクコンバータ−
トルクコンバータ2は、入力軸側のポンプインペラ21と、出力軸側のタービンランナ22と、トルク増幅機能を発現するステータ23と、ワンウェイクラッチ24とを備え、ポンプインペラ21とタービンランナ22との間で流体を介して動力伝達を行う。トルクコンバータ2には、当該トルクコンバータ2の入力側と出力側とを直結またはスリップ状態で連結する多板ロックアップクラッチ3が設けられている。トルクコンバータ2のタービンシャフト26の回転数(タービン回転数nt)はタービン回転数センサ202によって検出される。
図3に示すように、トルクコンバータ2の内部には作動油循環用のコンバータ油室25が形成されている。コンバータ油室25には、作動油を導入するためのT/C入力ポート25a及び作動油を排出するためのT/C出力ポート25bが設けられている。
−多板ロックアップクラッチ−
図3に示すように、多板ロックアップクラッチ3は、クラッチプレート(摩擦係合板)31,32、及び、それらクラッチプレート31とクラッチプレート32とを押圧可能なロックアップピストン33を備えている。クラッチプレート31はトルクコンバータ2のフロントカバー2aに固定されたクラッチハブに軸方向に摺動自在に支持されており、クラッチプレート32はタービンランナ22に接続されたクラッチハブに軸方向に摺動自在に支持されている。ロックアップピストン33は、トルクコンバータ2の内部に軸方向に摺動自在に設けられている。ロックアップピストン33の背面側(フロントカバー2aとは反対側)にロックアップ油室34が形成されている。ロックアップ油室34には、作動油を導入(油圧を導入)したり、作動油を排出したりするためのL/U入力ポート34aが設けられている。
そして、このような構造の多板ロックアップクラッチ3において、ロックアップ油室34に油圧が供給されると、クラッチプレート31とクラッチプレート32とが係合して多板ロックアップクラッチ3が係合状態(完全係合状態またはスリップ状態)になる。一方、ロックアップ油室34に油圧が供給されなくなると、リターンスプリング(図示せず)による弾性力でロックアップピストン33が解放側へ作動して多板ロックアップクラッチ3が解放状態になる。
−自動変速機−
自動変速機4は、有段式の変速機であり、複数の油圧式の摩擦係合要素及び遊星歯車装置を含んでいる。自動変速機4では、複数の摩擦係合要素が選択的に係合されることにより、複数のギヤ段(変速段)を選択的に成立させることが可能である。図1に示すように、自動変速機4の入力軸41はトルクコンバータ2のタービンシャフト26に連結されている。自動変速機4の出力ギヤ42はデファレンシャル装置5等を介して駆動輪6に連結されている。
自動変速機4は、例えば、図2に示すように、油圧式摩擦係合要素として第1クラッチC1〜第4クラッチC4、第1ブレーキB1及び第2ブレーキB2を含んでいる。これら4つのクラッチC1〜C4及び2つのブレーキB1,B2の係合・解放を制御することにより、前進8速のギヤ段(第1速ギヤ段「1st」、第2速「2nd」〜第8速ギヤ段「8th」)、及び、後進のギヤ段(後進ギヤ段「Rev」)が達成される。これらクラッチC1〜クラッチC4、ブレーキB1,ブレーキB2の係合または解放は油圧制御回路100によって制御される。
−油圧制御回路−
次に、油圧制御回路100について図3を参照して説明する。なお、図3にはトルクコンバータ2及び多板ロックアップクラッチ3の油圧回路構成のみを示している。
まず、この例の油圧制御回路100は、図示はしないが、オイルポンプ、プライマリレギュレータバルブ、及び、セカンダリレギュレータバルブなどを備えており、オイルポンプが発生した油圧はプライマリレギュレータバルブにより調圧されてライン圧PLが生成される。そのライン圧PLを元圧としてセカンダリレギュレータバルブによってセカンダリ圧Psecが調圧される。
図3に示す油圧制御回路100は、リニアソレノイドバルブ(SLU)101、ソレノイドバルブ(SL)102、ロックアップリレーバルブ103、及び、サーキュレーションモジュレータバルブ104(以下、Cir-MODバルブ104という)などを備えている。
リニアソレノイドバルブ(SLU)101は、ECU200からの指令(ロックアップクラッチ指示油圧)に応じて、入力ポート101aに供給されているライン圧PLを調圧した制御油圧を出力ポート101bから出力する。
ソレノイドバルブ(SL)102は、ECU200からの指令によりON制御されると信号圧を出力する。Cir-MODバルブ104は、ライン圧PLを調圧した循環モジュレータ圧(以下、Cir-MOD圧という)を出力する。
ロックアップリレーバルブ103は、ソレノイドバルブ(SL)102からの信号圧により作動して油圧の給排経路を切り替える切替バルブである。
ロックアップリレーバルブ103には、信号圧入力ポート103a、L/U圧入力ポート103b、セカンダリ圧入力ポート103c、及び、Cir-MOD圧入力ポート103dが設けられている。また、ロックアップリレーバルブ103には、L/U圧出力ポート103e、T/C圧出力ポート103f、2つの排圧入力ポート103g,103h、冷却ポート103i、及び、排出ポート103jが設けられている。
信号圧入力ポート103aはソレノイドバルブ(SL)102に接続されている。L/U圧入力ポート103bはリニアソレノイドバルブ(SLU)101の出力ポート101bに接続されている。セカンダリ圧入力ポート103cは上記セカンダリレギュレータバルブに接続されている。Cir-MOD圧入力ポート103dはCir-MODバルブ104に接続されている。L/U圧出力ポート103eは多板ロックアップクラッチ3のL/U入力ポート34aに接続されている。T/C圧出力ポート103fはトルクコンバータ2のT/C入力ポート25aに接続されている。排圧入力ポート103g,103hはトルクコンバータ2のT/C出力ポート25bに接続されている。冷却ポート103iはクーラ(図示せず)に接続されている。
そして、ロックアップリレーバルブ103は、ソレノイドバルブ(SL)102からの信号圧が信号圧入力ポート103aに入力されていないときには(ロックアップOFFの状態のときには)、スプリング132の付勢力によりスプール131が図3の上側位置(スプール131が図3中の左側に示す位置)に配置される。これにより、図4に示すように、セカンダリ圧Psecがロックアップリレーバルブ103を介してトルクコンバータ2のT/C入力ポート25a(コンバータ油室25)に供給される。また、トルクコンバータ2のコンバータ油室25を循環した作動油は、T/C出力ポート25bから出力され、ロックアップリレーバルブ103の2つの排圧入力ポート103g,103hにそれぞれ流入する。図中下側の排圧入力ポート103gに流入した作動油は冷却ポート103iからクーラに供給される。また、図中上側の排圧入力ポート103hに流入した作動油は、L/U圧出力ポート103eから多板ロックアップクラッチ3のL/U入力ポート34aに入力される。
一方、ECU200からの指令により、リニアソレノイドバルブ(SLU)101及びソレノイドバルブ(SL)102がともにONとなり、ソレノイドバルブ(SL)102からの信号圧がロックアップリレーバルブ103の信号圧入力ポート103aに入力されると(ロックアップONの状態になると)、スプール131がスプリング132の付勢力に抗して下側に移動して、図3の下側の位置(スプール131が図3中の右側に示す位置)に配置される。これにより、図5に示すように、Cir-MODバルブ104からのCir-MOD圧がロックアップリレーバルブ103を介してトルクコンバータ2のT/C入力ポート25a(コンバータ油室25)に供給される。また、トルクコンバータ2のコンバータ油室25を循環した作動油は、T/C出力ポート25bから出力され、ロックアップリレーバルブ103の図中下側の排圧入力ポート103gに流入して排出ポート103jから排出される。さらに、リニアソレノイドバルブ(SLU)101が出力する制御油圧がロックアップリレーバルブ103を介して多板ロックアップクラッチ3のL/U圧入力ポート103b(ロックアップ油室34)に供給される。
−ECU−
ECU200は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びバックアップRAMなどを備えている。
ROMには、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPUは、ROMに記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて演算処理を実行する。また、RAMはCPUでの演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAMはエンジン1の停止時などにおいて保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
ECU200には、図6に示すように、エンジン回転数センサ201、タービン回転数センサ202、スロットルバルブ(図示せず)のスロットル開度を検出するスロットル開度センサ203、アクセルペダル(図示せず)の踏み込み量であるアクセル開度を検出するアクセル開度センサ204、自動変速機4及びトルクコンバータ2(多板ロックアップクラッチ3)等の作動油の温度(ATF油温)を検出する油温センサ205、並びに車両300の車速に応じた信号を出力する車速センサ206などの各種のセンサが接続されており、これらの各センサ(スイッチ類も含む)からの信号がECU200に入力される。
そして、ECU200は、各種センサの検出結果などに基づいて、スロットル開度、燃料噴射量及び点火時期などを制御することにより、エンジン1の運転状態を制御可能に構成されている。
ECU200は、油圧制御回路100を制御することにより、自動変速機4の変速制御、トルクコンバータ2の油圧制御及び多板ロックアップクラッチ3の係合制御(以下、ロックアップクラッチ制御ともいう)を実行する。また、ECU200は、後述する「基本補正量の学習制御」を実行する。
−ロックアップクラッチ制御−
次に、ECU200が実行するロックアップクラッチ制御について説明する。
まず、基本的なロックアップクラッチ制御について説明する。図7に示すように、基本的なロックアップクラッチ制御においては、ロックアップクラッチ油圧を一時的に増大させるファーストフィルを実行し、このファーストフィル後、ロックアップクラッチ油圧を低下させて所定の油圧に一定時間保持(定圧待機)することにより、多板ロックアップクラッチ3のパック詰めを行う。そして、定圧待機を行った後に基本制御を実行する。
基本制御では、エンジン回転数センサ201の出力信号から得られるエンジン回転数neと、タービン回転数センサ202の出力信号から得られるタービン回転数ntとの実差回転(ne−nt)を算出し、その実差回転が目標差回転(必要トルク容量に応じて設定される目標差回転)となるようにロックアップクラッチ油圧をフィードバック制御する。
また、ロックアップクラッチ制御としては、エンジン回転数neがタービン回転数ntよりも大きい場合(ne>nt)の加速スリップ制御と、タービン回転数ntがエンジン回転数neよりも大きい場合(ne<nt)の減速スリップ制御とがある。
−基本補正量の学習制御−
ECU200が実行する基本補正量の学習制御について図7を参照して説明する。
基本補正量の学習制御においては、パック詰め開始(ファーストフィル開始)からパックが詰まるまでのパック詰め時間に基づいて、ファーストフィルや定圧待機について学習を行う。
具体的には、図7に示すように、実差回転(エンジン回転数neとタービン回転数ntとの実差回転(ne−nt))nslpの変化率(傾き)から、パック詰まり時t2を判定し、パック詰めを開始した時点t1からパック詰まり時t2までのパック詰め時間(t1〜t2:差回転変化開始時間)を計測する。そして、そのパック詰め時間に基づいて、図8に示すファーストフィルの油圧(指示油圧)または実施時間、または、定圧待機の油圧(指示油圧)または実施時間のうち、少なくとも1つの基本補正量を学習する。その学習方法については後述する。
ここで、上記パック詰まり時の判定については、エンジン回転数センサ201の出力信号から得られるエンジン回転数neとタービン回転数センサ202の出力信号から得られるタービン回転数ntとの実差回転nslp(図7の実線)と、その実差回転nslpの所定時間(例えば100msごとの平均値(nslp平均値:図7の破線)との偏差Δnslpを算出し、その偏差Δnslpが所定の閾値以上になった時点(図7のt2の時点)をパック詰まり時と判定する。
なお、上記パック詰めがECU200によって実行されることにより、本発明の「パック詰め制御手段」が実現される。
次に、基本補正量の学習制御の具体的な例について、図9のフローチャートを参照して説明する。図9の制御ルーチンはECU200において所定時間(例えば4ms)ごとに繰り返して実行される。
なお、この基本補正量の学習制御において、ECU200は、エンジン回転数センサ201及びタービン回転数センサ202の各出力信号からエンジン回転数ne及びタービン回転数ntを常時算出して実差回転(ne−nt)を常時算出している。
図9の制御ルーチンが開始されると、まずは、ステップST101において、ロックアップクラッチ制御が開始されたか否かを判定し、その判定結果が否定判定(NO)である場合はリターンする。ステップST101の判定結果が肯定判定(YES)である場合はステップST102に進む。
ステップST102では、下記の学習条件の全てが成立しているか否かを判定し、その判定結果が否定判定(NO)である場合はリターンする。ステップST102の判定結果が肯定判定(YES)である場合はステップST103に進む。
<学習条件>
・タービン回転数ntが一定範囲内
・エンジントルクが一定範囲内
・油温が一定範囲内
・フェールではない
・変速中ではない
なお、上記学習条件は一例であって、適宜変更してもよい。
ステップST103では、基本補正量を学習し、その学習値を格納する。このステップST103の処理について以下に具体的に説明する。
まず、上記した処理にて、エンジン回転数neとタービン回転数ntとの実差回転nslpとnslp平均値との偏差Δnslpを算出し、その偏差Δnslpが所定の閾値以上になった時点(図7のt2の時点)をパック詰まり時と判定する。そして、そのパック詰め時間とファーストフィル開始時(パック詰め開始時)とからパック詰め時間(図7のt1〜t2)を算出する。
次に、上記処理にて算出したパック詰め時間(実パック詰め時間)と目標パック詰め時間との差を求め、この差([実パック詰め時間]−[目標パック詰め時間])を特性量とする。そして、その特性量に基づいて基本補正量を求め、その基本補正量を学習値として格納する。
具体的には、上記特性量に、予め実験またはシミュレーションにより設定されたファーストフィル用ゲインを掛けることにより、ファーストフィル(油圧と実行時間)の基本補正量を算出し、それらの基本補正量を学習値(以下、ファーストフィル学習値Aという)として例えばECU200のRAM内に格納する。なお、ファーストフィルの油圧(指示油圧)と実行時間とは、個別のゲインを用いて基本補正量を算出するようにすればよい。
また、上記特性量に、予め実験またはシミュレーションにより設定された定圧待機用ゲインを掛けることにより、定圧待機(油圧と実行時間)の基本補正量を算出し、それらの基本補正量を学習値(以下、定圧待機学習値Bという)として例えばECU200のRAM内に格納する。なお、定圧待機の油圧(指示油圧)と実行時間とは、個別のゲインを用いて基本補正量を算出するようにすればよい。
なお、上記ステップST101〜ステップST103がECU200によって実行されることにより、本発明の「学習制御手段」が実現される。
<ロックアップクラッチ制御の具体的な例>
次に、ロックアップクラッチ制御の具体的な例について、図10のフローチャートを参照して説明する。図10の制御ルーチンはECU200において所定時間(例えば4ms)ごとに繰り返して実行される。
図10の制御ルーチンが開始されると、まずは、ステップST201において、ロックアップクラッチ制御が開始されたか否かを判定し、その判定結果が否定判定(NO)である場合はリターンする。ステップST201の判定結果が肯定判定(YES)である場合はステップST202に進む。
ステップST202では、車速センサ206の出力信号に基づいて車両300が加速時であるか否かを判定し、その判定結果が否定判定(NO)である場合はステップST205に進む。ステップST205の処理については後述する。ステップST202の判定結果が肯定判定(YES)である場合(加速時である場合)はステップST203に進む。
ステップST203では加速時ゲインを設定する。具体的には、例えば、タービン回転数nt、トルクコンバータ2の入力トルク及びクイックアプライ時間学習量ゲイン(加速スリップ制御時のみ)をパラメータとして、予め実験またはシミュレーションにより設定された加速時ゲインマップを用いて加速時ゲインGaを設定する。
そして、ステップST204において、上記図9の制御ルーチンで学習・格納されたファーストフィル学習値A(最新の学習値)及び定圧待機学習値B(最新の学習値)と、ステップST203で設定した加速時ゲインGaとに基づいてロックアップクラッチ制御を実行する。具体的には、ファーストフィル学習値A及び定圧待機学習値Bにそれぞれ加速時ゲインGaを乗算(A×Ga、B×Ga)してパック詰めフェーズの補正量を算出し、その補正量をパック詰め制御に反映して、当該ロックアップクラッチ制御を実行する。その後にリターンする。
一方、ステップST202の判定結果が否定判定(NO)である場合はステップST205に進む。ステップST205では、車速センサ206の出力信号に基づいて車両300が減速時であるか否かを判定し、その判定結果が否定判定(NO)である場合はリターンする。ステップST205の判定結果が肯定判定(YES)である場合(減速時である場合)はステップST206に進む。
ステップST206では減速時ゲインを設定する。具体的には、例えば、タービン回転数nt及びトルクコンバータ2の入力トルクをパラメータとして、予め実験またはシミュレーションにより設定された減速時ゲインマップを用いて減速時ゲインGbを設定する。
ここで、減速時ゲインマップにおいて、減速時ゲインGbは、上記加速時ゲインマップにおいて設定されている加速時ゲインGaよりも小さくなるように設定されている。つまりタービン回転数nt及びトルクコンバータ2の入力トルクなどが同じ条件である場合、減速時ゲインGbは加速時ゲインGaよりも小さく設定される。
そして、ステップST207において、上記図9の制御ルーチンで学習・格納されたファーストフィル学習値A(最新の学習値)及び定圧待機学習値B(最新の学習値)と、ステップST206で設定した減速時ゲインGbとに基づいてロックアップクラッチ制御を実行する。具体的には、ファーストフィル学習値A及び定圧待機学習値Bにそれぞれ減速時ゲインGbを乗算(A×Gb、B×Gb)してパック詰めフェーズの補正量を算出し、その補正量をパック詰め制御に反映して、当該ロックアップクラッチ制御を実行する。その後にリターンする。
なお、上記ステップST202〜ステップST203及びステップST205〜ステップST206がECU200によって実行されることにより、本発明の「ゲイン設定手段」が実現される。
<効果>
以上説明したように、本実施形態によれば、ファーストフィルと定圧待機とに対し、独立して基本補正量及び補正ゲインを設定することが可能になるので、パック詰め制御の精度が向上する。ここで、減速時にあってはエンジントルクによる駆動トルク制御ができないため、ショックを抑制することは困難であるが、本実施形態のように、減速時ゲインを加速時ゲインよりも小さく設定することで、学習制御に伴う油圧変化が抑制されるので、ショックが発生しにくくなる。
−他の実施形態−
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、以上の実施形態では、学習制御により得られた基本補正量(ファーストフィル及び定圧待機ごとの基本補正量)に対し、加速時ゲインまたは減速時ゲイン(減速時ゲイン<加速時ゲイン)を設定しているが、これに限られることなく、加速/減速に関係のない他の条件に基づいて、基本補正量に対し異なるゲインを設定するようにしてもよい。
以上の実施形態では、多板ロックアップクラッチ3のロックアップ油室34がトルクコンバータ2内に配置されているが、これに限られることなく、多板ロックアップクラッチのロックアップ油室が、トルクコンバータの外部に配置されたものにも、本発明を適用することができる。
以上の実施形態では、クラッチ及びブレーキ等の摩擦係合装置と遊星歯車装置とを用いてギヤ段を設定する有段式(遊星歯車式)の自動変速機(AT)とエンジンとの間に設けられたトルクコンバータの差動状態を制御可能なロックアップクラッチの制御に本発明を適用した例について説明したが、本発明はこれに限られることなく、変速比を無段階に調整する無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)とエンジンとの間に設けられるトルクコンバータの差動状態を制御可能なロックアップクラッチの制御にも適用できる。
以上の実施形態では、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)方式の車両に搭載された多板ロックアップクラッチに本発明の制御装置を適用した例を示したが、本発明はこれに限られることなく、FR(フロントエンジン・リアドライブ)方式の車両や、4輪駆動方式の車両に搭載されたロックアップクラッチの制御装置にも適用できる。
本発明は、車両用の変速機に設けられたロックアップクラッチの制御に有効に利用することができる。
1 エンジン
2 トルクコンバータ
3 多板ロックアップクラッチ
4 自動変速機
100 油圧制御回路
200 ECU
201 エンジン回転数センサ
202 タービン回転数センサ
206 車速センサ

Claims (1)

  1. 車両用の変速機に設けられたロックアップクラッチに適用される制御装置であって、
    前記ロックアップクラッチの制御開始時にファーストフィル及び定圧待機を実施して当該ロックアップクラッチのパック詰めを行うパック詰め制御手段と、
    所定の学習条件が成立した際に、実パック詰め時間及び目標パック詰め時間に基づいて、前記ファーストフィルの油圧または実行時間、または、前記定圧待機の油圧または実行時間のうち、少なくとも1つの基本補正量を学習する学習制御手段と、
    前記ファーストフィルの油圧または実行時間の基本補正量、または、前記定圧待機の油圧または実行時間の基本補正量のうち、少なくとも1つの基本補正量に対して、減速時ゲインを加速時ゲインよりも小さく設定するゲイン設定手段と、を備え、
    車両加速時においては前記基本補正量及び前記加速時ゲインに基づいてロックアップクラッチ制御を行い、車両減速時においては前記基本補正量及び前記減速時ゲインに基づいてロックアップクラッチ制御を行うことを特徴とするロックアップクラッチの制御装置。
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