JP6589387B2 - 媒体整理装置 - Google Patents

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本発明は、媒体整理装置に関する。
近年、店舗および金融機関などのバックヤードで、媒体の一例である紙幣を計数し、紙幣を所定枚数ごとに結束する紙幣整理装置が利用されている。例えば、紙幣整理装置は、紙幣の正損状態を鑑別する鑑別部、鑑別部による鑑別結果に応じた集積部に紙幣を搬送する搬送部、および集積部に集積された紙幣が所定枚数に達すると当該所定枚数の紙幣を結束する結束部を有する。
当該紙幣整理装置で障害が発生した場合、特許文献1に開示されているように、集積部に集積された紙幣を全て抜き取り、当該紙幣を紙幣整理装置に再度取り込んで集積部に戻す、戻し処理が行われる。なお、戻し処理においても同一紙幣について再度の鑑別が行われる。このため、戻し処理で行われる再度の鑑別において、同一紙幣について前回の鑑別と異なる結果が得られる場合がある。
特開2010−72812号公報
しかし、鑑別部による鑑別結果にのみ応じた集積部に紙幣が搬送されることは望ましくない場合がある。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、媒体搬送の柔軟性を向上することが可能な、新規かつ改良された媒体整理装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、媒体を取り込む取込部と、前記取込部により取り込まれた媒体の状態を鑑別する鑑別部と、媒体を集積する複数の集積部と、前記鑑別部による鑑別の結果に応じた集積部に媒体を搬送する搬送部と、前記取込部により取り込まれる媒体の状態を指定する指定操作を検出する操作検出部と、を備え、前記搬送部は、前記操作検出部による前記指定操作の検出に基づき、前記指定操作により指定された媒体の状態に応じた集積部に媒体を搬送する、媒体整理装置が提供される。
前記媒体整理装置は、ユーザが前記指定操作を行うための指定ボタンを表示する表示部をさらに備えてもよい。
前記取込部による媒体の連続取り込み中に障害が発生し、前記集積部に集積された媒体が前記取込部に再投入された後に行われる、再投入された媒体を前記取込部が取り込む戻し処理において、前記表示部が前記指定ボタンを表示してもよい。
前記複数の集積部は、第1の状態を有する第1の種別の媒体が結束のために集積される第1の集積部と、第2の状態を有する第1の種別の媒体が結束のために集積される第2の集積部と、を含んでもよい。
前記複数の集積部は、所定の状態を有する第1の種別の媒体が結束のために集積される結束用集積部と、他の状態を有する前記第1の種別の媒体がリジェクト媒体として集積されるリジェクト部と、を含んでもよい。
前記鑑別部が行う媒体の状態の鑑別は、媒体の正損状態の鑑別を含み、前記搬送部は、前記操作検出部による前記指定操作の検出に基づき、前記鑑別部により得られた媒体の正損状態に代えて、前記指定操作により指定された媒体の正損状態に応じた集積部に媒体を搬送してもよい。
前記鑑別部は、前記操作検出部による前記指定操作の検出に基づき、媒体の正損状態の鑑別を停止してもよい。
以上説明したように本発明によれば、媒体搬送の柔軟性を向上することが可能である。
本発明の実施形態による紙幣整理装置の内部構成を示す説明図である。 比較例による処理の具体例を示す説明図である。 本発明の実施形態による搬送制御の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態による戻し処理の具体例Aを示す説明図である。 戻し処理画面の一例を示す説明図である。 本発明の実施形態による戻し処理の具体例Bを示す説明図である。 戻し処理画面の一例を示す説明図である。 戻し処理画面の一例を示す説明図である。 本発明の実施形態による戻し処理の具体例Cを示す説明図である。 戻し処理画面の一例を示す説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。
本発明の実施形態は、媒体を整理する媒体整理装置に関する。以下では、本発明の実施形態として、媒体の一例である紙幣を整理する紙幣整理装置について主に説明するが、媒体は、金券およびチケットなどの紙状媒体であってもよく、媒体整理装置は、金券およびチケットなどの紙状媒体を整理する紙状媒体整理装置であってもよい。
<1.紙幣整理装置の構成>
本発明の実施形態による紙幣整理装置は、操作者により投入された紙幣を整理するための装置であり、詳細には、投入された紙幣を鑑別し、計数し、得られた鑑別結果に応じた搬送先で紙幣を集積し、集積された紙幣を所定の枚数ごとに結束する。このような本発明の実施形態による紙幣整理装置の構成について図1を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明の実施形態による紙幣整理装置10の内部構成を示す説明図である。図1に示したように、本発明の実施形態による紙幣整理装置10は、取込部100、鑑別部102、表裏反転部108、移送部112、紙幣結束部114、操作表示部116、記憶部118、制御部120、搬送部124、及び外部インターフェース部128を備える。また、紙幣整理装置10は、紙幣を集積する集積部として、リジェクトポケット104、オープンポケット106および結束用集積部110A〜110Eを備える。
取込部100は、操作者によって投入された複数の紙幣を取り込む部位である。取込部100は、図1に示したように、ローラ150と、紙幣を収納する収納空間154と、収納空間154からローラ150へ紙幣をガイドするガイド156と、紙幣をガイド156に押し当てるためのビルプレス158とを含む。収納空間154に投入された紙幣は、ビルプレス158によってガイド156に押し当てられ、ガイド156によってローラ150へ押し出され、ローラ150が回転することによって、搬送部124に一枚ずつ繰り出される。なお、取込部100は、ビルプレス158の移動量を検知するセンサ(図示省略)等を有することによって、紙幣整理装置10に投入された全ての紙幣処理の完了(計数完了)を検知することができるように構成される。
鑑別部102は、取込部100から取り込まれた紙幣の鑑別を行う。例えば、鑑別部102は、紙幣の真偽、金種などの紙幣の種類、紙幣の正損状態、紙幣の破れの有無、鑑別時における紙幣の表裏の向きなどを鑑別する。紙幣は、当該鑑別部102による鑑別の結果に応じた搬送先に搬送される。なお、紙幣の正損状態の鑑別は、紙幣が正券であるか損券であるかの鑑別である。損券は、汚れの程度が所定基準を上回る紙幣であり、正券は汚れの程度が所定基準以下である紙幣であってもよい。
リジェクトポケット104は、鑑別部102により、偽券、金種不明または破れがあると鑑別されたリジェクト紙幣を集積するリジェクト部である。
オープンポケット106は、結束対象外の紙幣を集積する紙幣格納部の一例である。鑑別部102による紙幣の鑑別結果として、リジェクトポケット104への搬送対象外で、かつ、予め紙幣整理装置10における結束対象と定められている金種に該当しない金種が得られた場合、当該紙幣がオープンポケット106に搬送される。なお、図1においては、オープンポケット106を2つ備える紙幣整理装置10を示しているが、紙幣整理装置10に設けられるオープンポケット106は1つであってもよい。
表裏反転部108は、紙幣の表裏状態を統一するために、所定の表裏状態を有する紙幣を反転させる。
結束用集積部110は、結束対象に該当すると鑑別部102により鑑別された紙幣を集積する。複数の結束用集積部110A〜結束用集積部110Eは、各々異なる属性を有する紙幣を集積してもよいし、同一の属性を有する紙幣を集積してもよい。例えば、結束用集積部110Aは正券かつ千円札と鑑別された紙幣を集積し、結束用集積部110Bは損券かつ千円札と鑑別された紙幣を集積し、結束用集積部110Cは二千円札と鑑別された紙幣を集積し、結束用集積部110Dは五千円札と鑑別された紙幣を集積し、結束用集積部110Eは一万円札と鑑別された紙幣を集積してもよい。
移送部112は、各結束用集積部110に集積された紙幣を紙幣結束部114へ移送する。具体的には、いずれかの結束用集積部110に集積されている紙幣の枚数が所定の結束枚数に達すると、移送部112は、当該結束用集積部110から結束枚数の紙幣を紙幣結束部114へ移送する。なお、移送部112は、紙幣整理装置10の内部を昇降することにより結束用集積部110と紙幣結束部114との間で紙幣の移送を行う。
紙幣結束部114は、移送部112から移送された結束枚数の紙幣に対して例えばテープを巻き付けて結束することにより、紙幣束を作成する。なお、作成された紙幣束は、放出口(図示省略)へ搬送され、紙幣整理装置10外へ放出される。
操作表示部116は、各種画面を表示する表示部、及び操作者の操作を検出する操作検出部としての機能を包含する。表示部としての機能は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置により実現される。また、操作検出部としての機能は例えばタッチパネルにより実現される。操作表示部116は、後述する制御部120の制御に従って、各種の操作画面、計数結果やエラーメッセージなどを表示し、操作者による紙幣整理装置10に対する各種の入力操作を受け付け、制御部120に伝達する。なお、操作表示部116の操作部と表示部とは、上述のように、操作機能と表示機能の両方の機能を包含する操作表示部として構成されることに限定されるものではなく、例えば、操作部であるキーボードと表示部であるCRTディスプレイ装置との組み合わせのように、別体のものとして構成されていてもよい。
記憶部118は、例えば、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)などにより構成される。記憶部118は、例えば、制御プログラムや鑑別部102による鑑別の際に用いられる情報が格納されるほか、鑑別部102による鑑別結果、計数結果および鑑別された紙幣に関する取引状況が対応づけて記憶される。具体的には、記憶部118に記憶される鑑別結果としては、紙幣の種別(金種)、紙幣の正損、紙幣の表裏、搬送先等が挙げられる。ここで、表裏とは、鑑別時における該当の紙幣の表裏の向きのことであり、搬送先とは、該当の紙幣が搬送される格納先のことである。
制御部120は、CPU(Central Processing Unit)を中心に構成されており、計数処理等の種々の処理のための制御を行うことができる。詳細には、制御部120は、操作表示部116からの入力や外部インターフェース部128が受け入れた外部装置からの情報に基づき、記憶部118から所定のプログラムを読み出して実行することにより、紙幣整理装置10の動作全般を制御することができる。また、制御部120は、鑑別部102による紙幣の鑑別結果に基づいて、紙幣の搬送先を決定する。
搬送部124は、紙幣の移動経路を形成する搬送路、紙幣を搬送するローラ、および当該ローラを駆動するモータからなる。取込部100から取り込まれた紙幣は、搬送部124により、リジェクトポケット104、オープンポケット106または結束用集積部110に搬送される。
<2.基本動作>
以上、本発明の実施形態による紙幣整理装置10の構成を説明した。続いて、本発明の実施形態による紙幣整理装置10の基本動作として、整理処理および戻し処理の動作を説明する。
(整理処理)
まず、操作者が操作表示部116に対して結束対象とする金種と紙幣の正損状態を入力する。例えば、操作者は、千円札の正券のみを結束対象とするか、千円札の損券のみを結束対象とするか、または、千円札の正券および損券の混合を結束対象とするか、などを入力する。そして、操作者が取込部100に紙幣を投入し、操作者が操作表示部116に対して整理処理を指示する操作を行うことにより、整理処理が開始される。
整理処理においては、取込部100が紙幣の取り込みを連続的に行い、鑑別部102が、取込部100から取り込まれた紙幣の鑑別を行い、鑑別結果を制御部120へ通知する。制御部120は、通知される鑑別結果に基づき、紙幣の搬送先となる集積部を搬送部124に指示する。搬送部124は、制御部120からの制御に従った集積部へ紙幣を搬送する。
さらに、いずれかの結束用集積部110に搬送されて集積された紙幣の枚数が結束枚数に達した場合、移送部112が当該結束用集積部110から結束枚数の紙幣を紙幣結束部114へ移送する。そして、紙幣結束部114が、移送部112から移送された結束枚数の紙幣に対して例えばテープを巻き付けて結束することにより、紙幣束を作成する。
その後、結束用集積部110に紙幣が集積されている状態で操作者により整理処理の完了操作が行われると、記憶部118は、各結束用集積部110に集積されている紙幣枚数を端数として記憶する。
(戻し処理)
上記の整理処理の過程で、ジャムなどの障害が発生する場合がある。この場合、操作者は、結束用集積部110に集積されている紙幣を全て抜き取り、当該紙幣を取込部100に再投入する。戻し処理は、この再投入された紙幣の取り込み、鑑別および集積を行う処理である。戻し処理においては、基本的に、整理処理と実質的に同一な手順により紙幣の集積を行うことが可能である。
(背景)
ここで、本発明の実施形態の技術的意義をより明らかにするために、本発明の比較例について説明する。
比較例による紙幣整理装置は、戻し処理において、同一紙幣について再度の鑑別を行う。このため、戻し処理で行われる再度の鑑別において、同一紙幣について前回の鑑別と異なる結果が得られる場合がある。しかし、同一紙幣について前回の鑑別と異なる結果が得られると、抜き取った紙幣が戻り切らなくなる場合があった。この点について、図2を参照して具体的に説明する。
図2は、比較例による処理の具体例を示す説明図である。具体的には、図2は、千円札の正券と損券とで結束用集積部が分かれており、千円札の正券および損券の混合が結束対象である場合における処理例を示している。
まず、比較例による紙幣整理装置が待機中であるときに、図2に示したように、正券の結束用集積部に90枚の千円札が集積されており、損券の結束用集積部に20枚の千円札が集積されていたとする。その後、新たな整理処理のために紙幣の取り込みが開始し、図2に示したように、正券の結束用集積部に95枚の千円札が集積され、損券の結束用集積部に50枚の千円札が集積された状態でジャムが発生すると、操作者は、全ての結束用集積部から紙幣を抜き取り、戻し処理を行う。
しかし、戻し処理では、同一紙幣について前回の鑑別と異なる結果が得られる場合がある。このため、図2に示したように、戻し処理の途中において、正券の結束用集積部に99枚の千円札が集積され、損券の結束用集積部に30枚の千円札が集積され得る。ここで、比較例による紙幣整理装置は、戻し処理においていずれかの結束用集積部に99枚(所定枚数の一例である。所定枚数は100枚であってもよい。)の紙幣が集積された場合に取込みを停止する。このため、戻し処理の途中において、正券の結束用集積部に99枚の千円札が集積されると、戻し処理が停止され、16枚の紙幣が結束用集積部に戻らなくなってしまう。
そこで、本件発明者は、上記事情を一着眼点にして本発明の実施形態を創作するに至った。本発明の実施形態によれば、戻し処理において紙幣が結束用集積部に戻らなくなるケースの発生を抑制することが可能である。以下、このような本発明の実施形態による紙幣整理装置10の動作を説明する。
<3.動作の詳細な説明>
本発明の実施形態による紙幣整理装置10は、例えば操作表示部116への操作者からの操作に基づき、紙幣の正損状態に関係なく紙幣の搬送先を制御することが可能である。以下、この点について図3を参照して概念的に説明した後に、戻し処理の具体的ケースについて順次詳細に説明する。
(3−1.本発明の実施形態による搬送制御)
図3は、本発明の実施形態による搬送制御の流れを示すフローチャートである。戻し処理が開始すると、紙幣整理装置10は、戻し処理が行われていること、および戻し処理の進捗状況を示す戻し処理画面の表示、および紙幣の取り込みを開始する(S204、S208)。そして、取り込まれた紙幣を鑑別部102が鑑別し(S212)、鑑別結果に応じた搬送先に搬送部124が当該紙幣を搬送する(S216)。
続いて、制御部120は、戻し処理の前に各結束用集積部110に集積されていた紙幣の合計枚数に対して、各結束用集積部110に現在集積されている紙幣の不足枚数があるか否かを判断し(S220)、不足枚数が無い場合には戻し処理が終了する(S220/yes)。
そして、不足枚数が有るある間、S208〜S220の処理は、戻し処理画面において紙幣の状態を指定する指定操作として強制正券または強制損券の指定が操作者により行われるまで繰り返される(S224/no)。
一方、強制正券または強制損券の指定が行われると(S224/yes)、紙幣整理装置10は、以降に取り込まれる紙幣を強制的に正券または損券として扱う。すなわち、紙幣整理装置10は、紙幣を取り込み(S228)、取り込んだ紙幣を鑑別し(S232)、鑑別結果がリジェクト紙幣であれば当該紙幣をリジェクトポケット104に搬送し(S236/yes、S240)、鑑別結果がリジェクト紙幣でなければ(S236/no)、強制正券または強制損券の指定に応じた搬送先に紙幣を搬送する(S244)。そして、不足枚数(ここでの不足枚数は、各結束用集積部110に現在集積されている紙幣枚数と、手入力により入力された紙幣枚数の合計枚数の不足枚数である。)が0枚になるまで、S228〜S240の処理が繰り返され(S248)、戻し処理が終了する。なお、鑑別部102は、強制正券または強制損券の指定に基づき、紙幣の正損状態の鑑別を停止してもよい(S232)。
(3−2.具体例A)
以上、本発明の実施形態による搬送制御の流れを説明した。続いて、本発明の実施形態による搬送制御が適用される具体的なケースについて順次に説明する。
図4は、本発明の実施形態による戻し処理の具体例Aを示す説明図である。より詳細には、図4は、結束用集積部110Aが第1の集積部として千円札の正券を集積し、結束用集積部110Bが第2の集積部として千円札の損券を集積し、千円札の正券および損券の混合が結束対象である場合における処理例を示している。
まず、本発明の実施形態による紙幣整理装置10が待機中であるときに、図4に示したように、正券の結束用集積部110Aに90枚の千円札が集積されており、損券の結束用集積部110Bに20枚の千円札が集積されていたとする。その後、新たな整理処理のために紙幣の取り込みが開始し、図4に示したように、正券の結束用集積部110Aに95枚の千円札が集積され、損券の結束用集積部110Bに50枚の千円札が集積された状態でジャムが発生すると、操作者は、全ての結束用集積部110から紙幣を抜き取り、戻し処理を行う。
そして、戻し処理の途中において、正券の結束用集積部110Aに99枚の千円札が集積され、損券の結束用集積部110Bに30枚の千円札が集積されると、操作者は、戻し処理画面において強制正券または強制損券の指定を行い得る。ここで、図5を参照して戻し処理画面の一例を説明する。
図5は、戻し処理画面30の一例を示す説明図である。図5に示したように、戻し処理画面30は、強制損券指定ボタン32と、強制正券指定ボタン34と、手入力ボタン36と、進捗表示38を含む。
強制損券指定ボタン32は、以降に取り込まれる紙幣を、当該紙幣の正損状態に関係なく、紙幣整理装置10に損券として扱うことを指定するための操作表示である。強制正券指定ボタン34は、以降に取り込まれる紙幣を、当該紙幣の正損状態に関係なく、紙幣整理装置10に正券として扱うことを指定するための操作表示である。手入力ボタン36は、各金種の紙幣の集積枚数を人的に入力するための操作表示である。
進捗表示38は、戻し処理の進捗状態を示す。進捗表示38における確定端数は、戻し処理の前に結束用集積部110に集積されていた紙幣の枚数である。進捗表示38における計数枚数は、戻し処理において結束用集積部110に戻された紙幣の枚数である。進捗表示38における手入力は、操作者により入力された紙幣の枚数である。進捗表示38における不足枚数は、戻し処理の前に各結束用集積部110に集積されていた紙幣の合計枚数に対して、計数枚数および手入力枚数の合計枚数が不足している枚数である。進捗表示38における状態は、不足枚数が0枚となった確定済み状態、または不足枚数が1枚以上である未確定状態を示す。
上述したように正券の結束用集積部110Aに99枚の千円札が集積され、紙幣の取り込みが停止すると、操作者は、戻し処理画面における強制損券指定ボタン32を選択することにより、紙幣整理装置10に紙幣の取り込みを再開させることが可能である。操作者が、戻し処理画面における強制損券指定ボタン32を選択すると、図4に示したように、残りの16枚の千円札がリジェクト紙幣を除き損券の結束用集積部110Bに搬送され、戻し処理が終了する。
このように、本発明の実施形態によれば、戻し処理において紙幣が結束用集積部110に戻らなくなるケースの発生を抑制することが可能である。なお、図4を参照して説明した戻し処理では結束用集積部110Bに千円札の正券と損券が混在することになるが、千円札の正券および損券の混合が結束対象である場合には、正券と損券が混在することに支障は無い。
(3−3.具体例B)
図6は、本発明の実施形態による戻し処理の具体例Bを示す説明図である。より詳細には、図6は、千円札の正券は結束対象であり、損券は結束対象でない場合、すなわち、千円札の正券は結束用集積部110Aに集積され、千円札の損券はオープンポケット106に集積される場合における処理例を示している。
まず、本発明の実施形態による紙幣整理装置10が待機中であるときに、図6に示したように、正券の結束用集積部110Aに30枚の千円札が集積されていたとする。その後、新たな整理処理のために紙幣の取り込みが開始し、図6に示したように、結束用集積部110Aに50枚の千円札(正券)が集積された状態でジャムが発生すると、操作者は、全ての結束用集積部110から紙幣を抜き取り、戻し処理を行う。
ここで、戻し処理における鑑別では、同一紙幣について前回の鑑別と異なる結果が得られる場合がある。このため、図6に示したように、結束用集積部110Aに正券と鑑別された45枚の千円札が集積され、オープンポケット106に損券と鑑別された5枚の千円札が集積され得る。この場合、操作者は、戻し処理画面30における操作により、抜き出した紙幣全てを結束用集積部110Aに戻すことが可能である。
図7は、戻し処理画面30の一例を示す説明図である。操作者がオープンポケット106に集積された5枚の千円札を取込部100に再度投入し、戻し処理画面30において強制正券ボタン34を選択すると、5枚の千円札が正券として扱われる。このため、強制正券ボタン34の選択により、図6に示したように、50枚の千円札が正券の結束用集積部110Aに集積され、戻し処理が終了する。
なお、本例では千円札の損券は結束対象でないので、千円札の損券を結束用集積部110に搬送する必要は生じ難い。このため、図7に示した戻し処理画面においては、強制損券指定ボタン32が有効化されていないことを示すために、強制損券指定ボタン32を破線にて示している。反対に、千円札の損券が結束対象とされ、千円札の正券が結束対象とされていない場合には、紙幣整理装置10は、戻し処理画面30において、図8に示したように強制正券ボタン34が有効化しなくてもよい。
(3−4.具体例C)
上記では、強制損券指定ボタン32または強制正券指定ボタン34の選択により戻し処理を終了できる例を説明したが、強制損券指定ボタン32または強制正券指定ボタン34を選択しても、リジェクト紙幣はリジェクトポケット104に搬送される。このため、戻し処理のための抜き出しの過程などにおいて紙幣が破損した場合、当該紙幣は強制損券指定ボタン32または強制正券指定ボタン34の選択に関係なくリジェクトポケット104に搬送されてしまう。このような事象には、以下に説明するように、手入力により対応可能である。
図9は、本発明の実施形態による戻し処理の具体例Cを示す説明図である。より詳細には、図9は、一万円札の正券および損券が結束対象であり、一万円札の正券および損券が結束用集積部110Eに集積される場合における処理例を示している。
まず、本発明の実施形態による紙幣整理装置10が待機中であるときに、図9に示したように、結束用集積部110Eに30枚の一万円札が集積されていたとする。その後、新たな整理処理のために紙幣の取り込みが開始し、図9に示したように、結束用集積部110Eに50枚の一万円札が集積された状態でジャムが発生すると、操作者は、全ての結束用集積部110から紙幣を抜き取り、戻し処理を行う。
そして、全ての紙幣の再取り込みが完了した時点で、結束用集積部110Eに48枚の一万円札が集積され、リジェクトポケット104に2枚の一万円札が集積され得る。当初はリジェクト紙幣で無かった一万円札が、戻し処理に際して破損する場合があるので、上記のように一部の一万円札がリジェクトポケット104に搬送され得る。
この場合、操作者は、図10に示した手入力ボタン36を選択し、2枚の一万円札を手入力することにより、戻し処理が終了する。なお、操作者は、リジェクトポケット104に集積されている2枚の一万円札を紙幣整理装置10の外部で保管する。
<4.むすび>
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、強制損券指定ボタン32および強制正券指定ボタン34の導入により、紙幣搬送の柔軟性が向上するので、戻し処理において紙幣が結束用集積部110に戻らなくなるケースの発生を抑制することが可能である。
なお、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
上記では戻し処理において強制損券または強制正券の指定が行われ、通常の整理処理には影響がない例を説明したが、通常の整理処理においても強制損券または強制正券の指定が可能であってもよい。例えば、正損が既知である紙幣について行われる整理処理では、強制損券または強制正券の指定により、適切な整理処理を確実に行うことが可能となる。
また、上記では、戻し処理画面30において常に強制損券指定ボタン32または強制正券指定ボタン34が有効化される例を説明したが、本実施形態はかかる例に限定されない。例えば、紙幣整理装置10は、紙幣が戻り切らない事象が発生した場合に強制損券指定ボタン32または強制正券指定ボタン34を有効化してもよい。かかる構成によれば、不用意に強制損券または強制正券の指定が行われることを防止できる。
また、上記では、強制損券または強制正券の指定が行われ場合に鑑別部102が正損状態についての鑑別を停止する例を説明したが、本実施形態はかかる例に限定されない。例えば、鑑別部102は正損状態についての鑑別を継続し、制御部120は、鑑別部102による正損状態についての鑑別結果に代えて、強制損券または強制正券の指定に従って紙幣の搬送先を制御してもよい。
また、紙幣整理装置10に内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアに、上述した制御部120の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。
10 紙幣整理装置
100 取込部
102 鑑別部
104 リジェクトポケット
106 オープンポケット
108 表裏反転部
110 結束用集積部
112 移送部
114 紙幣結束部
116 操作表示部
118 記憶部
120 制御部
124 搬送部
128 外部インターフェース部
150 ローラ
154 収納空間
156 ガイド
158 ビルプレス

Claims (7)

  1. 媒体を取り込む取込部と、
    前記取込部により取り込まれた媒体の状態を鑑別する鑑別部と、
    媒体を集積する複数の集積部と、
    前記鑑別部による鑑別の結果に応じた集積部に媒体を搬送する搬送部と、
    前記取込部により取り込まれる媒体の状態を指定する指定操作を検出する操作検出部と、
    を備え、
    前記搬送部は、前記操作検出部による前記指定操作の検出に基づき、前記指定操作により指定された媒体の状態に応じた集積部に媒体を搬送する、媒体整理装置。
  2. 前記媒体整理装置は、ユーザが前記指定操作を行うための指定ボタンを表示する表示部をさらに備える、請求項1に記載の媒体整理装置。
  3. 前記取込部による媒体の連続取り込み中に障害が発生し、前記集積部に集積された媒体が前記取込部に再投入された後に行われる、再投入された媒体を前記取込部が取り込む戻し処理において、前記表示部が前記指定ボタンを表示する、請求項2に記載の媒体整理装置。
  4. 前記複数の集積部は、第1の状態を有する第1の種別の媒体が結束のために集積される第1の集積部と、第2の状態を有する第1の種別の媒体が結束のために集積される第2の集積部と、を含む、請求項2に記載の媒体整理装置。
  5. 前記複数の集積部は、所定の状態を有する第1の種別の媒体が結束のために集積される結束用集積部と、他の状態を有する前記第1の種別の媒体がリジェクト媒体として集積されるリジェクト部と、を含む、請求項3に記載の媒体整理装置。
  6. 前記鑑別部が行う媒体の状態の鑑別は、媒体の正損状態の鑑別を含み、
    前記搬送部は、前記操作検出部による前記指定操作の検出に基づき、前記鑑別部により得られた媒体の正損状態に代えて、前記指定操作により指定された媒体の正損状態に応じた集積部に媒体を搬送する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の媒体整理装置。
  7. 前記鑑別部は、前記操作検出部による前記指定操作の検出に基づき、媒体の正損状態の鑑別を停止する、請求項6に記載の媒体整理装置。

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