JP6588220B2 - 窒化物半導体エピタキシャルウェハおよびその製造方法 - Google Patents

窒化物半導体エピタキシャルウェハおよびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6588220B2
JP6588220B2 JP2015087796A JP2015087796A JP6588220B2 JP 6588220 B2 JP6588220 B2 JP 6588220B2 JP 2015087796 A JP2015087796 A JP 2015087796A JP 2015087796 A JP2015087796 A JP 2015087796A JP 6588220 B2 JP6588220 B2 JP 6588220B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nitride semiconductor
epitaxial wafer
layer
radius
epitaxial growth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015087796A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016204201A (ja
Inventor
陽介 藤重
陽介 藤重
学 遠崎
学 遠崎
舞 岡崎
舞 岡崎
多賀雄 木下
多賀雄 木下
淳 小河
淳 小河
大輔 本田
大輔 本田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2015087796A priority Critical patent/JP6588220B2/ja
Publication of JP2016204201A publication Critical patent/JP2016204201A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6588220B2 publication Critical patent/JP6588220B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Description

この発明は、窒化物半導体エピタキシャルウェハおよびその製造方法に関する。
窒化物半導体は、一般式InAlGa1-x-yN(0≦x<1,0≦y<1,0≦x+y<1)で表される。上記窒化物半導体は、その組成によって、バンドギャップを1.95eV〜6eVの範囲で変化させることができることから、紫外域から赤外域までに及ぶ広波長範囲の発光デバイスの材料として研究開発が行われ、実用化されている。
また、上記窒化物半導体を用いたデバイスは、高周波で且つ高出力で動作するパワー素子等に用いられている。中でも、高周波帯域での増幅に適した半導体デバイスとして、例えば高電子移動度トランジスタ(High Electron Mobility Transistor:HEMT)等の電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor:FET)が知られている。
上記窒化物半導体を用いた電子デバイスにおいては、デバイスの価格を抑える方法として、一般的にSi基板が用いられている。
しかしながら、上記窒化物半導体の結晶成長は、1000℃付近の高温で行うために、Siと窒化物半導体との熱膨張係数の違いから、上記窒化物半導体をエピタキシャル成長したエピタキシャル基板(以下、窒化物半導体エピタキシャルウェハと言う)には、大きな反りが生ずる。
上記窒化物半導体エピタキシャルウェハの反りを低減する方法として、エピタキシャル成長される上記窒化物半導体層の層構造に工夫を凝らすことが考えられる。例えば、電子デバイス用の窒化物半導体層の層構造として、AlN層とAlGaN層とのペアの繰返しで構成される超格子層における上記ペア数を減らす等によって、反りは軽減される場合がある。
また、特開2012‐197218号公報(特許文献1)に開示された半導体バルク結晶がある。この半導体バルク結晶においては、下地基板と化合物半導体単結晶とが直接接触する態様で空洞を形成したり、上記下地基板の主面に凹凸を形成したりすることにより、上記化合物半導体単結晶のエピタキシャル成長途中におけるクラックの発生を抑制している。
こうして、エピタキシャル成長用基板に予め凹凸加工を施し、窒化物半導体を成長させる等によって、エピタキシャル成長用基板の歪を緩和し、反りの抑制や端部のクラックを抑制するようにしている。
特開2012-197218号公報
しかしながら、上記従来の上記エピタキシャル基板の反りを低減する方法においては、以下のような問題がある。
すなわち、上記AlN層とAlGaN層とのペアの繰返しで構成される超格子層における上記ペア数を減らした電子デバイス用の窒化物半導体層の層構造においては、上記窒化物半導体エピタキシャルウェハの反りが軽減される場合がある。しかしながら、その代償として、プロセス完了後のデバイス特性である耐圧が低減する等の問題が発生する。
以上のように、上記窒化物半導体エピタキシャルウェハにおける上記窒化物半導体層の層構造に制限が加える場合には、他の特性が悪化する可能性が出てくると言う問題がある。
また、上記特許文献1に開示された「半導体バルク結晶」においては、上記下地基板の凹凸加工工程に時間とコストとが掛かり、製造の観点から好ましくない。
そこで、この発明の課題は、反りを低減し、得られる窒化物半導体デバイスの特性を改善することが可能な窒化物半導体エピタキシャルウェハおよびその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の窒化物半導体エピタキシャルウェハは、
エピタキシャル成長用基板と、
上記エピタキシャル成長用基板上に、エピタキシャル結晶成長された窒化物半導体層と
を備え、
上記エピタキシャル成長用基板は、半径Rの略円を成しており、
上記エピタキシャル成長用基板の中心から半径(1/5)Rの円までの円形エリアにおけるGaN(10-12)のX線ロッキングカーブ半値全幅と、半径(4/5)Rの円から半径(R−5mm)の円までのトーラスエリアにおけるGaN(10-12)のX線ロッキングカーブ半値全幅との差分値が、100arcsec以上且つ200arcsec未満である
ことを特徴としている。
また、一実施の形態の窒化物半導体エピタキシャルウェハでは、
上記エピタキシャル成長用基板は、Si,SiC,ZnOおよびサファイアのうちの何れかである。
また、一実施の形態の窒化物半導体エピタキシャルウェハでは、
上記エピタキシャル成長用基板の直径は3インチ以上であり、且つ厚さは1500μm以上である。
また、この発明の窒化物半導体エピタキシャルウェハの製造方法は、
エピタキシャル成長用基板上に、窒化物半導体をエピタキシャル結晶成長させるエピタキシャル成長工程を備え、
上記エピタキシャル成長工程で得られる窒化物半導体エピタキシャルウェハに関して、半径Rの上記エピタキシャル成長用基板の中心から半径(1/5)Rの円までの円形エリアにおけるGaN(10-12)のX線ロッキングカーブ半値全幅と、半径(4/5)Rの円から半径(R−5mm)の円までのトーラスエリアにおけるGaN(10-12)のX線ロッキングカーブ半値全幅との差分値が、100arcsec以上且つ200arcsec未満となるように、上記エピタキシャル成長工程を行う
ことを特徴としている。
また、一実施の形態の窒化物半導体エピタキシャルウェハの製造方法では、
上記エピタキシャル成長工程は、上記エピタキシャル成長用基板上にAlN下地層をエピタキシャル結晶成長させる工程と、上記AlN下地層上に上記窒化物半導体をエピタキシャル結晶成長させる工程とを含んでいる。
以上より明らかなように、この発明は、中心部と外周部との結晶性に差異を生じさせることによって、転位やナノパイプ等における密度および結晶中での曲がり方を制御することができる。
したがって、結晶成長時の温度変化からくる熱膨張係数差による応力に対して、上記中心部と上記外周部との上記エピタキシャル成長用基板からの上記応力の伝わり方を変分散,抑制,変化させて、窒化物半導体エピタキシャルウェハ全体としてのバランスをとり、反りの抑制に効果を与えることができる。
この発明の窒化物半導体エピタキシャルウェハを用いたHEMT用窒化物半導体における断面模式図である。 エピタキシャル成長用基板上におけるエリア(A)の説明図である。 エリア(B)の説明図である。 エリア(C)の説明図である。 エリア(D)の説明図である。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
・第1実施の形態
図1は、本実施の形態の窒化物半導体エピタキシャルウェハを用いたHEMT用窒化物半導体における断面模式図である。
図1において、本HEMT用窒化物半導体は、Si(111)基板1上に、AlN層2,AlGaNバッファ層5,超格子バッファ層10,アンドープGaN層11およびAlGaNバリア層12を、この順に積層して構成されている。
ここで、上記AlGaNバッファ層5は、Al0.50Ga0.50N層3と、このAl0.50Ga0.50N層3上積層されたGaN層4とで構成されている。また、超格子バッファ層10は、AlN層6,Al0.05Ga0.95N層7,Al0.90Ga0.10N層8およびAl0.10Ga0.90N層9が繰返し積層されて構成されている。
次に、上記構成を有するHEMT用窒化物半導体の作成に用いる窒化物半導体エピタキシャルウェハの製造方法について説明する。
先ず、800μm厚のSi(111)基板1を希釈フッ酸で処理し、表面の自然酸化膜を除去する。次に、Si基板1をMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)装置のリアクタ内に導入する。
上記MOCVD装置内において、基板温度を室温から1100℃に昇温させた後、H,N,NH(アンモニア)およびTMA(トリメチルアルミニウム)を供給して、Si基板1の主面に、AlN層2を150nm厚に成長させる。
次に、基板温度を1050℃に変更し、H,N,NH,TMAおよびTMG(トリメチルガリウム)を供給し、AlN層2上に、層厚300nmのAl0.50Ga0.50N層3を成長させる。さらに、層厚20nmのGaN層4を成長させる。こうして、Al0.50Ga0.50N層3とGaN層4とが積層されたAlGaNバッファ層5が形成される。
そうした後、基板温度を1050℃に保持したまま、H,N,NHおよびTMAを供給して、層厚が3.5nmのAlN層6を成長させる。さらに、H,N,NH,TMAおよびTMGを供給して、層厚が1.5nmのAl0.05Ga0.95N層7を成長させる。さらに、H,N,NH,TMAおよびTMGを供給して、層厚が1.5nmのAl0.90Ga0.10N層8を成長させる。さらに、H,N,NH,TMAおよびTMGを供給して、層厚が23.5nmのAl0.10Ga0.90N層9を成長させる。以下、AlN層6〜Al0.10Ga0.90N層9の形成を60回繰返して、超格子バッファ層10が形成される。
その後、基板温度を1040℃に変更して、H,N,NHおよびTMGを供給して、層厚が1200nmのアンドープGaN層11を成長させる。さらにその後に、成長温度を1020℃に変更して、H,N,NH,TMAおよびTMGを供給して、層厚が30.0nmのAl0.20Ga0.80NのAlGaNバリア層12を成長させる。
そうした後に、室温まで冷却することによって、上記Si(111)基板1上に、AlN層2,AlGaNバッファ層5,超格子バッファ層10,アンドープGaN層11およびAlGaNバリア層12が積層されたHEMT用の窒化物半導体エピタキシャルウェハが得られる。
さらに、上記窒化物半導体エピタキシャルウェハにおけるSi(111)基板1上の積層された窒化物半導体エピタキシー構造に対して、フォトリソグラフィー技術を用いて、電極および絶縁膜等を形成し、最終的に基板の研削,研磨およびダイシングを行ってHEMT用窒化物半導体が形成される。さらに、ダイボンディングおよび実装等の工程を経てHEMTデバイスが完成される。
以下、上述のようにして形成された窒化物半導体エピタキシャルウェハにおいて、AlGaNバッファ層5〜AlGaNバリア層12で成る窒化物半導体層の結晶性と反りとの相関を調べる。
(結晶性の面内制御)
上記窒化物半導体層の結晶性におけるウェハ面内の調整は、アンドープGaN層11におけるH,N等のキャリアガスの流量とNH等の材料ガスの流量とを調整することによって行った。
上述のようにして調整された種々の結晶性と反りとの相関は、以下のようである。
図2〜図5には、上記窒化物半導体エピタキシャルウェハに関して、エピタキシャル成長用基板の表面上における各エリアを示している。
図2〜図5において、略円形を成す上記エピタキシャル成長用基板21の表面に、基板中心O、基板半径R、基板半径Rの1/5の長さ(1/5)R、基板半径Rの4/5の長さ(4/5)R、基板半径Rの3/5の長さ(3/5)R、基板半径Rより5mm短い(基板外周の5mm内側までの)長さrを、設定する。
そして、上記エピタキシャル成長用基板21上に上記窒化物半導体層を形成する際に上述のようにして面内の結晶性を制御した窒化物半導体エピタキシャルウェハを作製する。そして、上記設定された基板中心Oからの各長さに基づいて窒化物半導体エピタキシャルウェハに下記のごとく設けられた各エリアに関して、「反り」の評価を行った。
先ず、上記各エリアを示す。
エリア(A) … 半径(1/5)Rの円22内の円エリア(図2参照)
エリア(B) … 上記半径(1/5)Rの円22から半径(3/5)Rの円23までのトーラス(ドーナツ)エリア(図3参照)
エリア(C) … 上記半径(3/5)Rの円23から半径(4/5)Rの円24までのトーラス(ドーナツ)エリア(図4参照)
エリア(D) … 上記半径(4/5)Rの円24から半径rの円25までのトーラス(ドーナツ)エリア(図5参照)
次に、上記エリア(A)〜エリア(D)におけるGaN(10-12)のX線ロッキングカーブ半値全幅(以下、XRC‐FWHMと表記する)と反りとの関係を調査した。その結果、エリア(A)とエリア(D)とにおける「GaN(10-12)のXRC‐FWHM」の差分値と反りとの間に関係が見られた。
すなわち、膜厚分布の(最大値−最小値)/最大値が5%以下に抑えられた上記窒化物半導体エピタキシャルウェハにおいて、エリア(A)の「GaN(10-12)のXRC‐FWHM」から、エリア(D)とにおける「GaN(10-12)のXRC‐FWHM」を引いた値(以下、単に差分値と言う)と、反りの指標であるBOWとを計測した。ここで、上記「BOW」とは、ウェハの中央部で評価した反りの量を指し、ウェハの表面と裏面とからの等距離点を結んだ中間面の凹凸の変位量である。
その場合における差分値の区分は、次に示す通りである。
差分値(1) … 0arcsec以上且つ15arcsec未満
差分値(2) … 15arcsec以上且つ50arcsec未満
差分値(3) … 50arcsec以上且つ100arcsec未満
差分値(4) … 100arcsec以上且つ200arcsec未満
差分値(5) … 200arcsec以上且つ300arcsec未満
差分値(6) … 300arcsec以上
また、上述した各差分値の区分に該当する上記BOWの平均値は、次の通りである。
BOW (1) … −121μm
BOW (2) … −121.3μm
BOW (3) … −63.5μm
BOW (4) … −34.1μm
BOW (5) … −45.2μm
BOW (6) … −58.6μm。
ここで、上記窒化物半導体エピタキシャルウェハにおける中心部(エリア(A))と外周部((エリア(D))との結晶性に差異を生じさせる物理モデルは、ウェハ中心部と外周部との結晶性に差異を生じさせることによって、転位やナノパイプ等における密度および結晶中での曲がり方を制御する。こうすることにより、結晶成長時の温度変化からくる熱膨張係数差による応力に対して、上記中心部と上記外周部とのエピタキシャル成長用基板21からの上記応力の伝わり方を変分散,抑制,変化させて、窒化物半導体エピタキシャルウェハ全体としてのバランスをとり、反りの抑制に効果を与えることである。
上記物理モデルにおいて、BOWを−50μm以上に制御すれば、AlGaNバッファ層5〜AlGaNバリア層12で成る窒化物半導体層内に発生する応力を低減できる。したがって、上記窒化物半導体エピタキシャルウェハの差分値は上記差分値(4)が望ましい。すなわち、上記窒化物半導体エピタキシャルウェハの差分値は100arcsec以上且つ200arcsec未満とするのが望ましい。
ところが、上記差分値が200arcsec以上になると、上記窒化物半導体エピタキシャルウェハを用いて作製されたデバイスにおけるデバイス特性の面内分布が大きくなり過ぎるため好ましくない。したがって、上記差分値は、200arcsec未満が望ましいのである。
尚、上述したエリア(A)とエリア(D)とにおける「GaN(10-12)のXRC‐FWHM」の差分値においては、中心部付近(エリア(a))の結晶性が良好な窒化物半導体エピタキシャルウェハが多い。しかしながら、逆に、外周部(エリア(D))の結晶性の方が良好な場合でも、上記と同様の考え方が適用できる。
以上の結果、半径(1/5)Rの円22内の円エリア(A)と、半径(4/5)Rの円24から半径rの円25までのトーラス(ドーナツ)エリア(D)と、における「GaN(10-12)のXRC‐FWHM」の差分値が100arcsec以上且つ200arcsec未満であることが好ましい。
以上のごとく、上記窒化物半導体層の結晶性におけるウェハ面内の結晶性のバランスを調整して、本窒化物半導体エピタキシャルウェハの反りを制御することができる。したがって、従来においては層厚や層構造に制限を加えていた上記窒化物半導体層の層構造に自由度を増しつつ、望ましい特性のデバイスを得ることが可能になる。
・第2実施の形態
本第2実施の形態は、上記第1実施の形態における窒化物半導体エピタキシャルウェハにおける基板の種類に関する。
上記エピタキシャル成長用基板としてSi,SiC,ZnO,サファイアを用いた場合、通常においてはエピタキシャル成長用基板と窒化物半導体との熱膨張係数差が大きいため、エピタキシャル結晶成長中における昇温および降温時、特に結晶成長終了後の降温時に大きな歪応力が発生する。
そこで、本実施の形態においては、上記第1実施の形態の場合と同様に、上記半径(1/5)Rの円22内の円エリア(A)と、半径(4/5)Rの円24から半径rの円25までのトーラス(ドーナツ)エリア(D)と、における「GaN(10-12)のXRC‐FWHM」の差分値を100arcsec以上且つ200arcsec未満とすることによって、ウェハの中心部と外周部との結晶性に差異を生じさせる。
こうして、転位やナノパイプ等における密度および結晶中での曲がり方を制御することによって、エピタキシャル結晶成長時の温度変化からくる熱膨張係数差による応力に関して、中心部と外周部とに対するエピタキシャル成長用基板からの上記応力の伝わり方を変化させる効果を奏することができる。その結果、本窒化物半導体エピタキシャルウェハにおける反りの制御に大きな影響を与えることが可能となる。
・第3実施の形態
本第3実施の形態は、上記第1実施の形態における窒化物半導体エピタキシャルウェハにおける基板の構成に関する。
本実施の形態においては、エピタキシャル成長用基板のサイズを可能な限り大きく、基板厚を可能な限り厚くしている。こうして、基板サイズを大きくする程または基板厚を厚くする程、結晶成長温度の昇温速度および降温速度の緩和による体積変化速度をより低減することができ、欠陥発生をより効果的に抑制できるという効果を得ることができる。
したがって、例えば、上記エピタキシャル成長用基板の直径を3インチ以上、且つ厚さを1500μm以上にすることによって、結晶成長時の温度変化からくる熱膨張係数差による応力の伝わり方を変分散,抑制,変化させて、本窒化物半導体エピタキシャルウェハにおける反りを抑制することができる。
・第4実施の形態
本第4実施の形態は、上記第1実施の形態における窒化物半導体エピタキシャルウェハの製造方法におけるAlNバッファ層の効果に関する。
窒化物半導体エピタキシャルウェハの製造において、エピタキシャル成長用基板がSiである場合、Siと窒化物半導体であるGaNの反応を抑制するために、AlN層2が下地バッファ層として用いられる。そして、Si基板1との界面に接するAlN層2にはナノパイプ等の適度な大きさ(例えば数nm〜数十nm程度)の欠陥が発生する。
したがって、上記Si基板1と窒化物半導体であるGaNとの反応を、上記ナノパイプ等の適度な大きさの欠陥によって、より効果的に抑制することができ、デバイス特性を改善することができる。
尚、上記各実施の形態においては、HEMT用窒化物半導体を作製するための窒化物半導体エピタキシャルウェハを例に挙げて説明した。しかしながら、この発明は、HEMT用窒化物半導体を作製するための窒化物半導体エピタキシャルウェハに限定されるものではなく、発光素子用の窒化物半導体エピタキシャルウェハ等にも適用できる。
以上を纏めると、この発明の窒化物半導体エピタキシャルウェハは、
エピタキシャル成長用基板1,21と、
上記エピタキシャル成長用基板1,21上に、エピタキシャル結晶成長された窒化物半導体層3〜12と
を備え、
上記エピタキシャル成長用基板1,21は、半径Rの略円を成しており、
上記エピタキシャル成長用基板1,21の中心から半径(1/5)Rの円22までの円形エリア(A)におけるGaN(10-12)のX線ロッキングカーブ半値全幅と、半径(4/5)Rの円24から半径(R−5mm)の円25までのトーラスエリア(D)におけるGaN(10-12)のX線ロッキングカーブ半値全幅との差分値が、100arcsec以上且つ200arcsec未満である
ことを特徴としている。
上記構成によれば、上記窒化物半導体エピタキシャルウェハにおける中心部と外周部との結晶性に差異を生じさせることによって、転位やナノパイプ等における密度および結晶中での曲がり方を制御することができる。したがって、結晶成長時の温度変化からくる熱膨張係数差による応力に対して、上記中心部と上記外周部との上記エピタキシャル成長用基板1,21からの上記応力の伝わり方を変分散,抑制,変化させて、窒化物半導体エピタキシャルウェハ全体としてのバランスをとり、反りの抑制に効果を与えることができる。
また、一実施の形態の窒化物半導体エピタキシャルウェハでは、
上記エピタキシャル成長用基板1,21は、Si,SiC,ZnOおよびサファイアのうちの何れかである。
上記エピタキシャル成長用基板1,21として、上記窒化物半導体層3〜12との熱膨張係数差が大きいSi,SiC,ZnOまたはサファイアを用いた場合、結晶成長温度の昇温速度および降温速度、特に結晶成長終了後の降温時に、上記エピタキシャル成長用基板1,21と上記窒化物半導体層3〜12との熱膨張係数差から大きな歪応力が発生する。
この実施の形態によれば、上記窒化物半導体エピタキシャルウェハにおける中心部と外周部との結晶性に差異を生じさせて転位やナノパイプ等における密度および結晶中での曲がり方を制御することによって、結晶成長時の温度変化からくる熱膨張係数差による応力に対して、上記中心部と上記外周部との上記エピタキシャル成長用基板1,21からの上記応力の伝わり方を変分散,抑制,変化させることができる。
したがって、上記窒化物半導体層3〜12との熱膨張係数差が大きいSi,SiC,ZnOあるいはサファイアを上記エピタキシャル成長用基板1,21として用いた場合であっても、反りの抑制に効果を与えることができる。
また、一実施の形態の窒化物半導体エピタキシャルウェハでは、
上記エピタキシャル成長用基板1,21の直径は3インチ以上であり、且つ厚さは1500μm以上である。
この実施の形態によれば、上記エピタキシャル成長用基板1,21の直径を3インチ以上、且つ厚さを1500μm以上としている。したがって、基板サイズを大きく、基板厚を厚くして、結晶成長時の温度変化からくる熱膨張係数差による応力の伝わり方を変分散,抑制,変化させることができる。
また、この発明の窒化物半導体エピタキシャルウェハの製造方法は、
エピタキシャル成長用基板1,21上に、窒化物半導体をエピタキシャル結晶成長させるエピタキシャル成長工程を備え、
上記エピタキシャル成長工程で得られる窒化物半導体エピタキシャルウェハに関して、半径Rの上記エピタキシャル成長用基板1,21の中心から半径(1/5)Rの円22までの円形エリア(A)におけるGaN(10-12)のX線ロッキングカーブ半値全幅と、半径(4/5)Rの円24から半径(R−5mm)の円25までのトーラスエリア(D)におけるGaN(10-12)のX線ロッキングカーブ半値全幅との差分値が、100arcsec以上且つ200arcsec未満となるように、上記エピタキシャル成長工程を行う
ことを特徴としている。
上記構成によれば、上記窒化物半導体エピタキシャルウェハにおける中心部と外周部との結晶性に差異を生じさせることによって、転位やナノパイプ等における密度および結晶中での曲がり方を制御することができる。したがって、結晶成長時の温度変化からくる熱膨張係数差による応力に対して、上記中心部と上記外周部との上記エピタキシャル成長用基板1,21からの上記応力の伝わり方を変分散,抑制,変化させて、窒化物半導体エピタキシャルウェハ全体としてのバランスをとり、反りの抑制に効果を与えることができる。
また、一実施の形態の窒化物半導体エピタキシャルウェハの製造方法では、
上記エピタキシャル成長工程は、上記エピタキシャル成長用基板1,21上にAlN下地層をエピタキシャル結晶成長させる工程と、上記AlN下地層上に上記窒化物半導体をエピタキシャル結晶成長させる工程とを含んでいる。
この実施の形態によれば、上記エピタキシャル成長用基板1,21がSiである場合に、SiとGaNとの反応を抑えるために、下地バッファ層としてAlNが用いられる。その場合に、Siとの界面に接するAlN層2にナノパイプ等の適度な大きさの欠陥が発生する。したがって、上記Si基板と上記窒化物半導体であるGaNとの反応を、上記ナノパイプ等の適度大きさの欠陥によって、より効果的に抑制することができ、デバイス特性を改善することができる。
1 Si(111)基板
2 AlN層
3 Al0.50Ga0.50N層
4 GaN層
5 AlGaNバッファ層
6 AlN層
7 Al0.05Ga0.95N層
8 Al0.90Ga0.10N層
9 Al0.10Ga0.90N層
10 超格子バッファ層
11 アンドープGaN層
12 AlGaNバリア層
21 エピタキシャル成長用基板
22 半径(1/5)Rの円
23 半径(3/5)Rの円
24 半径(4/5)Rの円
25 半径rの円
(A),(B),(C),(D) エリア

Claims (5)

  1. エピタキシャル成長用基板と、
    上記エピタキシャル成長用基板上に、エピタキシャル結晶成長された窒化物半導体層とを備え、
    上記エピタキシャル成長用基板は、半径Rの略円を成しており、
    上記窒化物半導体層を構成する超格子層とGaN層のうち、上記超格子層上に形成された上記GaN層の結晶性を調整することで、窒化物半導体エピタキシャルウェハの中心部と外周部との結晶性に差異を生じさせることによって、
    上記エピタキシャル成長用基板の中心から半径(1/5)Rの円までの円形エリアにおけるGaN(10-12)のX線ロッキングカーブ半値全幅と、半径(4/5)Rの円から半径(R−5mm)の円までのトーラスエリアにおけるGaN(10-12)のX線ロッキングカーブ半値全幅との差分値が、100arcsec以上且つ200arcsec未満であり、且つ
    上記窒化物半導体エピタキシャルウェハの中央部の反り量が−50μm以上である
    ことを特徴とする窒化物半導体エピタキシャルウェハ。
  2. 請求項1に記載の窒化物半導体エピタキシャルウェハにおいて、
    上記エピタキシャル成長用基板は、Si,SiC,ZnOおよびサファイアのうちの何れかである
    ことを特徴とする窒化物半導体エピタキシャルウェハ。
  3. 請求項1または請求項2に記載の窒化物半導体エピタキシャルウェハにおいて、
    上記エピタキシャル成長用基板の直径は3インチ以上であり、且つ厚さは1500μm以上である
    ことを特徴とする窒化物半導体エピタキシャルウェハ。
  4. エピタキシャル成長用基板上に、窒化物半導体をエピタキシャル結晶成長させるエピタキシャル成長工程を備え、
    上記エピタキシャル成長工程で得られる窒化物半導体エピタキシャルウェハに関して、上記窒化物半導体層を構成する超格子層とGaN層のうち、上記超格子層上に形成された上記GaN層の結晶性を調整することで、上記窒化物半導体エピタキシャルウェハの中心部と外周部との結晶性に差異を生じさせることによって、半径Rの上記エピタキシャル成長用基板の中心から半径(1/5)Rの円までの円形エリアにおけるGaN(10-12)のX線ロッキングカーブ半値全幅と、半径(4/5)Rの円から半径(R−5mm)の円までのトーラスエリアにおけるGaN(10-12)のX線ロッキングカーブ半値全幅との差分値が、100arcsec以上且つ200arcsec未満となるように、且つ上記窒化物半導体エピタキシャルウェハの中央部の反り量を−50μm以上となるように、上記エピタキシャル成長工程を行う
    ことを特徴とする窒化物半導体エピタキシャルウェハの製造方法。
  5. 請求項4に記載の窒化物半導体エピタキシャルウェハの製造方法において、
    上記エピタキシャル成長工程は、上記エピタキシャル成長用基板上にAlN下地層をエピタキシャル結晶成長させる工程と、上記AlN下地層上に上記窒化物半導体をエピタキシャル結晶成長させる工程とを含んでいる
    ことを特徴とする窒化物半導体エピタキシャルウェハの製造方法。
JP2015087796A 2015-04-22 2015-04-22 窒化物半導体エピタキシャルウェハおよびその製造方法 Active JP6588220B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015087796A JP6588220B2 (ja) 2015-04-22 2015-04-22 窒化物半導体エピタキシャルウェハおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015087796A JP6588220B2 (ja) 2015-04-22 2015-04-22 窒化物半導体エピタキシャルウェハおよびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016204201A JP2016204201A (ja) 2016-12-08
JP6588220B2 true JP6588220B2 (ja) 2019-10-09

Family

ID=57486717

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015087796A Active JP6588220B2 (ja) 2015-04-22 2015-04-22 窒化物半導体エピタキシャルウェハおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6588220B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20230279581A1 (en) * 2020-08-18 2023-09-07 Shin-Etsu Handotai Co., Ltd. Method for producing nitride semiconductor wafer and nitride semiconductor wafer
JP7361990B1 (ja) 2022-02-17 2023-10-16 日本碍子株式会社 Iii族元素窒化物基板およびiii族元素窒化物基板の製造方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4794799B2 (ja) * 2002-08-28 2011-10-19 日本碍子株式会社 エピタキシャル基板及び半導体積層構造
JP2012015303A (ja) * 2010-06-30 2012-01-19 Sumitomo Electric Ind Ltd 半導体基板および半導体装置
US20150206785A1 (en) * 2012-07-26 2015-07-23 Dowa Electronics Materials Co., Ltd. Susceptor, crystal growth apparatus, and crystal growth method

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016204201A (ja) 2016-12-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5785103B2 (ja) ヘテロ接合型電界効果トランジスタ用のエピタキシャルウエハ
JP5665676B2 (ja) Iii族窒化物エピタキシャル基板およびその製造方法
JP5788296B2 (ja) 窒化物半導体基板及びその製造方法
JP6141627B2 (ja) シリコン基板上にGaN層を形成する方法およびGaN基板
WO2012157227A1 (ja) 半導体素子及びその製造方法
JP2018538686A (ja) 薄いケイ素基板の応力制御
JP2016171196A (ja) 半導体装置の製造方法
JP2017147464A (ja) 半導体基板
JP6126906B2 (ja) 窒化物半導体エピタキシャルウェハ
JP2014057020A (ja) 窒化物半導体装置及びその作製条件特定方法
JP6588220B2 (ja) 窒化物半導体エピタキシャルウェハおよびその製造方法
JP6239017B2 (ja) 窒化物半導体基板
TW202105473A (zh) 半導體磊晶結構及其形成方法
JP2012079952A (ja) 窒化ガリウム系化合物半導体基板とその製造方法
JP2013145782A (ja) ヘテロ接合型電界効果トランジスタ用のエピタキシャルウエハ
JP4904726B2 (ja) 半導体エピタキシャルウェハ及びhemt用半導体エピタキシャルウェハの製造方法
JP2014192226A (ja) 電子デバイス用エピタキシャル基板
JP2015103665A (ja) 窒化物半導体エピタキシャルウエハおよび窒化物半導体
JP6484489B2 (ja) 窒化物半導体エピタキシャルウェハおよびその製造方法
US9401420B2 (en) Semiconductor device
JP6205497B2 (ja) 窒化物半導体の製造方法
JP2016058539A (ja) 高電子移動度トランジスタの製造方法
WO2016152106A1 (ja) 半導体ウエハ、半導体装置及び半導体ウエハの製造方法
WO2023248702A1 (ja) 窒化物半導体ウェーハ、及びその製造方法
WO2016039178A1 (ja) 窒化物半導体積層構造及びそれを用いた電子デバイス

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180323

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181018

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181023

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190423

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190618

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190903

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190912

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6588220

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D03

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250