以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1に係る放送受信装置及び放送受信装置を用いた放送受信システムについて説明する。
[概要]
まず、実施の形態1に係る放送受信装置の概要について説明する。
本実施の形態1に係る放送受信装置は、2224MHz以上3224MHz以下の周波数帯域の信号を含んだ放送波を受信する。
具体的には、放送波は、BS(Broadcast Satellite)左旋円偏波に対応する中間周波数の帯域である、2224MHz以上2681MHz以下の放送信号を含んでいる。また、放送波は、CS(Communication Satellite)左旋円偏波に対応する中間周波数の帯域である、2748MHz以上3224MHz以下の放送信号を含んでいる。現在予定されている4K映像又は8K映像における放送においては、中間周波数の帯域の使用が予定されている。
一方、現在では、放送波は、BS右旋円偏波に対応する中間周波数の帯域である、1032MHz以上1489MHzの放送信号を含んでいる。また、放送波は、CS(Communication Satellite)右旋円偏波に対応する中間周波数の帯域である、1595MHz以上、2071MHzの放送信号が用いられている。
従来の放送受信機は、従来のBS放送及びCS放送だけに対応しており、4K映像又は8K映像における放送に対応していない。このため、従来の放送受信装置では、2.4GHz帯(ISM(Industry Science Medical)バンド)を使用する無線通信端末の信号が妨害源となり得ることが懸念される。
本実施の形態1に係る放送受信装置は、受信する放送信号を無線通信端末が使用する周波数帯域と重複すると、無線通信端末の送信レベル(送信電力)を低下させる機能を有する。つまり、本実施の形態1に係る放送受信装置は、従来の放送受信装置に加えて、4K映像又は8K映像における放送信号に与える影響を低減させる機能を有する。
[構成]
次に、実施の形態1に係る放送受信装置3の構成について説明する。
図1は、実施の形態1に係る放送受信システム1を示すブロック図である。図1では、放送波や電波を破線で示している。
図1に示すように、本実施の形態1の放送受信システム1は、放送受信装置3と、テレビアンテナ5と、アクセスポイント端末11(情報端末の一例)とを備えている。
放送受信装置3は、テレビジョン4と、テレビジョン4に接続されている無線LAN端末7とを有している。放送受信装置3は、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末機、コンピュータ装置等でもよい。テレビジョン4は、アクセスポイント端末11と無線LAN(Local Area Network)端末7(無線通信端末の一例)による無線通信を行う。テレビジョン4は、ケーブルでテレビアンテナ5と接続されている。無線LAN端末7が行う無線通信は、本実施の形態ではWi−Fiである。なお、無線通信としては、無線LAN端末7を用いる他に、例えば、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))、ジグビー(Zigbee(登録商標))等でもよい。
テレビジョン4は、無線LAN端末7により、アクセスポイント端末11を経由してスマートフォン15(情報端末の一例)と通信する。なお、無線LAN端末7とスマートフォン15とがアクセスポイント端末11を経由することなく互いに直接通信をしてもよい。具体的には、Wi−Fi Direct(Miracast)、TDLS(Tunneled Direct Link Setup)などによる通信である。また、アクセスポイント端末11において、1つとは限らず、複数設けられていてもよい。
テレビアンテナ5は、衛星17から受信した放送波を放送信号に変換し、この放送信号をテレビジョン4に伝送する。具体的には、放送信号は、図示しないコンバータによってBS−IF信号(中間周波数(BS−IF)に変換された信号)に周波数変換されており、映像、音声、データ放送用データ等の情報が含まれている多重化データである。放送信号は、周波数変換されても、信号データそのものは変化していない。
図2は、実施の形態1に係るテレビジョン4の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、テレビジョン4は、チューナ31と、判断部33と、制御部35と、受信品質測定部36と、音出力部37と、表示部39と、電源部41と、インタフェース部43とを備えている。
チューナ31は、ユーザが所望するチャンネルで放送されるテレビジョン放送番組データを選択して受信するための同調装置である。チューナ31は、放送波を受信するテレビアンテナ5及びケーブルを介して映像データや音声データが多重化された放送信号(多重化データ)を取得する。チューナ31は、ケーブルを介して図1のテレビアンテナ5に接続されるとともに、制御部35にも接続されている。
判断部33は、制御部に接続されている。判断部33は、チューナ31で使用しているチャンネルの周波数帯域が、無線LAN端末7で使用しているチャンネルの周波数帯域と重複するか否かを判断する。
制御部35では、チューナ31がテレビアンテナ5を介して受信した多重化データを多重分離したり、又は外部に送信するデータに変換したりする。制御部35により、無線LAN端末7は、無線通信を行う場合に、IPパケットに変換(カプセル化)されてから外部に送信する。
制御部35は、チューナ31に放送信号が入力され、放送信号に基づいて無線LAN端末7の送信レベルを低下させるための制御信号を生成する。制御部35は、送信レベルを低下させるための制御信号を、インタフェース部43を介して無線LAN端末7に出力する回路を有している。
制御部35は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、メインメモリ等が格納されている。CPUは、ROMに格納された制御プログラムを実行するプロセッサである。テレビジョン4が実行する各処理は、CPUが制御プログラムを実行することで実現される。ROMは、制御プログラム等を保持する読み出し専用の記憶領域である。メインメモリは、CPUが制御プログラムを実行するときに使用する揮発性の記憶領域である。
制御部35は、チューナ31で使用しているチャンネルの周波数帯域が、無線LAN端末7で使用しているチャンネルの周波数帯域と重複すると判断部33で判断された場合に、無線LAN端末7の送信レベルを第1閾値以下となるように制御信号を生成する。
ここで、チューナ31で使用しているチャンネルの周波数帯域が、無線LAN端末7で使用しているチャンネルの周波数帯域と重複する場合に、制御部35が無線LAN端末7の送信レベルを第1閾値以下に下げる例を説明する。
図4は、実施の形態1に係る放送受信装置3で使用しているチャンネルの周波数帯域と無線LAN端末7で使用しているチャンネルの周波数帯域との関係を示す説明図である。
図4に示すように、BS−10と重複する無線LAN端末7の周波数帯域は1〜3チャンネル、BS−12と重複する無線LAN端末7の周波数帯域は1〜10チャンネル、BS−14と重複する無線LAN端末7の周波数帯域は7〜14チャンネル、BS−16と重複する無線LAN端末7の周波数帯域は14チャンネルである。無線LAN端末7の送信レベルを10dBm(規定値の一例)とする。
第1閾値は、チューナ31におけるBSの受信チャンネルごとに設定されていることが好ましい。具体的には、図4に示すように、チューナ31におけるBSの受信チャンネルは、2.4GHz帯において、BS−10、BS−12、BS−14、BS−16が存在している。この場合、チューナ31におけるBSの受信チャンネルは、2.4GHz帯において、BS−10、BS−12、BS−14及びBS−16の第1閾値をT10、T12、T14及びT16とする。
ユーザの操作によりBS−10が選択された場合で、無線LAN端末7の1〜3チャンネルのいずれかを使用している場合に、制御部35は、無線LAN端末7における1〜3チャンネルの送信レベルを、例えば10dBmから5dBm(第1閾値の一例)に下げる。また、ユーザの操作によりBS−12が選択された場合で、無線LAN端末7の1〜10チャンネルのいずれかを使用している場合に、制御部35は、無線LAN端末7の1〜10チャンネルの無線LAN端末7の送信レベルを、例えば10dBmから4dBm(第1閾値の一例)に下げる。さらに、ユーザの操作によりBS−14が選択された場合で、無線LAN端末7の7〜14チャンネルのいずれかを使用している場合に、制御部35は、無線LAN端末7の7〜14チャンネルの無線LAN端末7の送信レベルを、例えば10dBmから4dBm(第1閾値の一例)に下げる。また、ユーザの操作によりBS−16が選択された場合で、無線LAN端末7の14チャンネルを使用している場合に、制御部35は、無線LAN端末7の14チャンネルの無線LAN端末7の送信レベルを、例えば10dBmから7dBm(第1閾値の一例)に下げる。
なお、例えば、チューナ31における受信チャンネルがBS−12及びBS−14のように、無線LAN端末7の送信レベルを同一の下げ幅にしてもよい。また、BS−10が選択された場合では5dBmに下げ、BS−12が選択された場合では4dBmに下げ、BS−14が選択された場合では4dBmに下げ、BS−16が選択された場合では7dBmに下げている。なお、これらの下げ幅は一例であり、これらの数値に限定されない。
また、無線LAN端末7におけるチャンネルの周波数帯域と、BS−10、BS−12及びBS−14の周波数帯域と複数重複する場合に比べて、チューナ31における受信チャンネルがBS−16のように、電波干渉が比較的少ない帯域(互いに重複するチャンネルが少ない帯域)では、無線LAN端末7の送信レベルの下げ幅を最小限にしてもよい。
受信品質測定部36は、テレビアンテナ5を介して放送信号を受信したチューナ31の受信品質を示す受信レベルを検出する。受信品質測定部36は、チューナ31と制御部35とに接続されている。受信品質測定部36は、無線LAN端末7がアクセスポイント端末11やスマートフォン15等の情報端末と無線通信を行っている場合に、チューナ31で受信した放送波の受信レベル(受信電力)を検出する。なお、受信レベルとは、例えば、テレビアンテナ5を介してチューナ31が受信した信号である、RSSI(Received Signal Strength Indication:受信信号強度)、C/N(Carrier−to−noise power ratio)、BER(Bit Error Rate:ビットエラー率)、パケットエラー率、フレームエラー率、チャンネル状態情報(Channel State Information)等に基づいて算出される受信品質を示す指標(影響度の一例)である。
受信品質測定部36は、この機能に基づいて検出した受信レベルから無線LAN端末7の送信レベルの影響度を算出する。影響度とは、テレビアンテナ5を介してチューナ31が受信した受信レベルから無線LAN端末7と電波干渉しあう度合いを算出した値である。受信品質測定部36は、算出した影響度を制御部35に送信する。
影響度は、受信品質を示す指標として、ユーザの操作に応じて受信レベルをユーザが識別することが可能な形式で表示部39に表示してもよい。また、受信レベルの表示形式は、RSSI、C/N、BER、パケットエラー率、フレームエラー率、チャンネル状態情報等に対応した数値を表示するものであってもよく、RSSI、C/N、BER、パケットエラー率、フレームエラー率、チャンネル状態情報等に対応してそれぞれ異なる画像を表示するようなものでもよい。また、影響度は、任意の段階に分けられており、例えば、1段階、3段階、5段階、10段階、15段階等、1以上に分けられていればよい。
制御部35には、所定の規格で定められている規格値よりも小さく、かつ、受信品質測定部36によって算出された影響度に対応した第1閾値が設定されている。所定の規格で定められている規格値とは、電波法で規制されている上限値である。第1閾値は、受信品質測定部36が影響度を算出し、算出した影響度ごとに対応した値である。制御部35は、影響度に対応する第1閾値まで無線LAN端末7の送信レベルを下げる制御信号を生成し、無線LAN端末7に出力する。なお、第1閾値も、影響度に対応するように1以上設けられている。
チューナ31における受信チャンネルにおいて、BS−10が選択された場合では5dBmに下げ、BS−12が選択された場合では4dBmに下げ、BS−14が選択された場合では4dBmに下げ、BS−16が選択された場合では7dBmに下げてもよい。なお、第1閾値以下であればこれらと異なる数値に下げてもよい。これらの数値は、一例であり、これらの数値に限定されない。
音出力部37は、音声データを制御部35で復調して音声信号を出力する装置であり、例えば、スピーカである。
表示部39は、制御部35で復調した映像データを表示する装置であり、例えば、ディスプレイである。
電源部41は、制御部35に電力を供給する。電源部41が供給する電力は、制御部35を介して各部に供給される。
インタフェース部43は、テレビジョン4の機能を拡張するためのインタフェース群であり、USB(Universal Serial Bus)インタフェース、メモリインタフェース等で構成される。インタフェース部43には、無線LAN端末7が接続されている。
無線LAN端末7は、USB接続部を有し、インタフェース部43のUSBポートに接続している。無線LAN端末7で使用しているチャンネルの周波数帯域は、2.4GHz帯(ISM(Industry Science Medical)バンド)を使用している。なお、無線LAN端末7は、テレビジョン4に内蔵されていてもよい。
[動作]
次に、本実施の形態におけるテレビジョン4の動作について、図3を用いて説明する。
図3は、実施の形態1に係る放送受信装置3のフロー図である。図3は、アクセスポイント端末11と無線LAN端末7とがWi−Fiによる通信を行っている場合を示している。
図3に示すように、制御部35は、チューナ31が使用しているチャンネルの周波数帯域と、無線LAN端末7が使用しているチャンネルの周波数帯域とを取得する(S11)。そして、制御部35は、ステップS11で取得した、チューナ31及び無線LAN端末7が使用しているチャンネルの周波数帯域の情報を判断部33に送信する。
次に、受信品質測定部36は、チューナ31が受信した受信レベルから、無線LAN端末7への影響度を算出する(S12)。制御部35は、チューナ31が使用するチャンネルであるBS−10、BS−12、BS−14及びBS−16ごとに、受信品質測定部36によって算出された影響度に対応した第1閾値を決定する。
制御部35は、アクセスポイント端末11やスマートフォン15等の複数ある情報端末から、チューナ31で使用するチャンネルの周波数帯域と、無線LAN端末7と情報端末との間で使用するチャンネルの周波数帯域とが重複している情報端末を選択する(S13)。制御部35は、選択した情報端末に対して無線LAN端末7により電波を放射させる。制御部35は、制御信号を無線LAN端末7に出力し、この制御信号により無線LAN端末7を制御する。
判断部33は、チューナ31が使用しているチャンネルであるBS−10の周波数帯域と、無線LAN端末7が使用しているチャンネルの周波数帯域とが重複しているか否かを判断する(S14)。チューナ31が使用しているチャンネルであるBS−10の周波数帯域と、無線LAN端末7が使用しているチャンネルの周波数帯域とが重複していると判断部33が判断した場合(S14ではYES)に、制御部35は、無線LAN端末7が使用しているチャンネルの周波数帯域の送信レベルを、影響度に対応する第1閾値のT10まで下げる(S15)。例えば、チューナ31が使用するチャンネルであるBS−10において、影響度を大、中及び小の3段階に分け、これに対応する第1閾値をT10a、T10b及びT10c(T10a、T10b及びT10cは第1閾値のT10の一例)とする。この場合に、無線LAN端末7は、影響度が大では第1閾値のT10aまで下がり、影響度が中では第1閾値のT10bまで下がり、影響度が小では第1閾値のT10cまで下がる。そして、スタートに戻る。なお、第1閾値は、チューナ31が使用するチャンネルに対応する無線LAN端末7におけるチャンネルの周波数帯域ごとに個々に設定できる。
チューナ31が使用しているチャンネルであるBS−10の周波数帯域と、無線LAN端末7が使用しているチャンネルの周波数帯域とが重複していないと判断部33が判断した場合(S14ではNO)は、次のステップS16に進む。判断部33は、チューナ31が使用しているチャンネルであるBS−12の周波数帯域と、無線LAN端末7が使用しているチャンネルの周波数帯域とが重複しているか否かを判断する(S16)。チューナ31が使用しているチャンネルであるBS−12の周波数帯域と、無線LAN端末7が使用しているチャンネルの周波数帯域とが重複していると判断部33が判断した場合(S16ではYES)に、制御部35は、無線LAN端末7が使用しているチャンネルの周波数帯域の送信レベルを影響度に対応する第1閾値のT12まで下げる(S17)。例えば、制御部35は、第1閾値のT12においても、上述のチューナ31が使用するチャンネルであるBS−10場合と同様に、影響度に対応する第1閾値のT12a、T12b・・・(T12a、T12b・・・は第1閾値のT12の一例)まで下げる。そして、スタートに戻る。
チューナ31が使用しているチャンネルであるBS−12の周波数帯域と、無線LAN端末7が使用しているチャンネルの周波数帯域とが重複していないと判断部33が判断した場合(S16ではNO)は、次のステップS18に進む。判断部33は、チューナ31が使用しているチャンネルであるBS−14の周波数帯域と、無線LAN端末7が使用しているチャンネルの周波数帯域とが重複しているか否かを判断する(S18)。チューナ31が使用しているチャンネルであるBS−14の周波数帯域と、無線LAN端末7が使用しているチャンネルの周波数帯域とが重複していると判断部33が判断した場合(S18ではYES)に、制御部35は、無線LAN端末7が使用しているチャンネルの周波数帯域の送信レベルを影響度に対応する第1閾値のT14まで下げる(S19)。例えば、制御部35は、第1閾値のT14においても、上述のチューナ31が使用するチャンネルであるBS−10の場合と同様に、影響度に対応する第1閾値のT14a、T14b・・・(T14a、T14b・・・は第1閾値のT14の一例)まで下げる。そして、スタートに戻る。
チューナ31が使用しているチャンネルであるBS−14の周波数帯域と、無線LAN端末7が使用しているチャンネルの周波数帯域とが重複していないと判断部33が判断した場合(S18ではNO)は、次のステップS20に進む。判断部33は、チューナ31が使用しているチャンネルであるBS−16の周波数帯域と、無線LAN端末7が使用しているチャンネルの周波数帯域とが重複しているか否かを判断する(S20)。チューナ31が使用しているチャンネルであるBS−16の周波数帯域と、無線LAN端末7が使用しているチャンネルの周波数帯域とが重複していると判断部33が判断した場合(S20ではYES)に、制御部35は、無線LAN端末7が使用しているチャンネルの周波数帯域の送信レベルを、影響度に対応する第1閾値のT16まで下げる(S21)。例えば、制御部35は、第1閾値のT16においても、上述のチューナ31が使用するチャンネルであるBS−10場合と同様に、影響度に対応する第1閾値のT16a、T16b・・・(T16a、T16b・・・は第1閾値のT16の一例)まで下げる。そして、スタートに戻る。
また、チューナ31が使用しているチャンネルであるBS−16の周波数帯域と、無線LAN端末7が使用している周波数帯域とが重複していないと判断部33が判断した場合(S20ではNO)は、ステップS22に進む。判断部33は、チューナ31が使用しているチャンネルの周波数帯域と、無線LAN端末7が使用しているチャンネルの周波数帯域とがBS−10、BS−12、BS−14及びBS−16が重複していないと判断し、制御部35が送信レベルを10dBm(規定値の一例)に戻す(S22)。なお、送信レベルを戻す数値は10dBmに限らず、他の数値でもよい。そして、ステップS11に戻る。
[作用効果]
上述したように、実施の形態1に係る放送受信装置3は、放送波を受信する。放送受信装置3は、チューナ31と、無線LAN端末7と、判断部33と、制御部35とを備える。また、チューナ31は、2.4GHz帯の放送波を受信する。さらに、無線LAN端末7は、2.4GHz帯の電波を使用して無線通信を行う。判断部33は、チューナ31で使用するチャンネルの周波数帯域が、無線LAN端末7で使用するチャンネルの周波数帯域と重複しているか否かを判断する。そして、制御部35は、チューナ31で使用するチャンネルの周波数帯域と、無線LAN端末7で使用するチャンネルの周波数帯域とが重複していると判断部33が判断した場合に、無線LAN端末7の送信レベルを所定の規格で定められている規格値よりも小さい第1閾値以下となるように制御する。
また、実施の形態1に係る放送受信装置3を用いた放送受信システム1は、放送受信装置3と、2.4GHz帯の電波を使用して無線通信を行う複数の情報端末とを有している。
この構成によれば、チューナ31が使用しているチャンネルの周波数帯域と、無線LAN端末7が使用しているチャンネルの周波数帯域とが重複している場合に、制御部35が無線LAN端末7の送信レベルを制御し、LAN端末7の送信レベルが第1閾値以下に下がる。その一方、チューナ31が使用しているチャンネルの周波数帯域と、無線LAN端末7が使用しているチャンネルの周波数帯域とが重複しない場合は、無線LAN端末7の送信レベルを下げることなく通常の通信機能を使用する。このため、チューナ31への電波干渉を抑えつつ、無線LAN端末7の送信レベルを低下させる期間を極力減らすことができる。
したがって、放送受信装置3及び放送受信装置3を用いた放送受信システム1によれば、チューナ31の受信品質を維持することができる。
また、例えば、チューナ31が使用するチャンネルの1つであるBS−16では、他のBS−10、BS−12及びBS−14と重複している無線LAN端末7におけるチャンネルの周波数帯域に比べて、電波干渉が比較的少ない帯域では、無線LAN端末7の送信レベルの下げ幅を最小限にできる。つまり、無線LAN端末7の送信レベルを最大限維持することができる。
また、実施の形態1に係る放送受信装置3において、チューナ31には、無線LAN端末7が無線通信を行っている場合に、受信した放送波の受信レベルを検出し、受信レベルから無線LAN端末7への影響度を算出する受信品質測定部36が接続されている。また、制御部35には、規格値よりも小さく、影響度に対応した第1閾値が設定されている。そして、制御部35は、無線LAN端末7の送信レベルを、受信品質測定部36によって算出された影響度に対応した第1閾値以下となるように制御する。
この構成によれば、受信品質測定部36は、チューナ31で受信した放送波から、RSSI、C/N、BER、パケットエラー率、フレームエラー率、チャンネル状態情報等に基づいて受信品質を示す影響度を算出する。制御部35は、受信品質測定部36が算出した受信品質の影響度に基づいて、影響度に対応する第1閾値以下となるように送信レベルを制御する。そして、LAN端末7の送信レベルが下がる。このため、チューナ31への電波干渉を抑えつつ、無線LAN端末7の送信レベルの下げ幅を最小限にすることができる。
また、テレビジョン4の機種ごとに無線LAN端末7の設計(配置)が異なることにより、テレビジョン4内におけるチューナ31へ影響する電波干渉が変化しても、テレビジョン4の機種ごとに行う調正を簡略化することができる。
また、実施の形態1に係る放送受信装置3では、制御部35は、スマートフォン15やアクセスポイント端末11といった各情報端末からチューナ31で使用するチャンネルの周波数帯域と、無線LAN端末7と情報端末との間で使用するチャンネルの周波数帯域とが重複している情報端末を選択する。そして、制御部35は、選択されていない情報端末に対して無線LAN端末7により電波を放射させるとともに、選択した情報端末に対しては、無線LAN端末7の送信レベルを第1閾値以下となるように制御する。
この構成によれば、チューナ31が使用しているチャンネルの周波数帯域と、無線LAN端末7が使用しているチャンネルの周波数帯域とが重複している場合に、制御部35が選択していない情報端末に対しては、無線LAN端末7の送信レベルを第1閾値以下となるように制御する。このため、チューナ31への電波干渉を抑えつつ、チューナ31が使用しているチャンネルの周波数帯域に重複していない無線LAN端末7が使用しているチャンネルの周波数帯域で、無線LAN端末7の送信レベルを確保することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態2において、放送受信装置3における他の構成は、実施の形態1の放送受信装置3と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
判断部33は、無線LAN端末7の送信レベルが所定の規格で定められている規格値よりも小さい第2閾値以下であるか否かを判断する。
また、制御部35は、チューナ31で使用しているチャンネルの周波数帯域が、無線LAN端末7で使用しているチャンネルの周波数帯域と重複していると判断部33が判断した場合に、無線LAN端末7の送信レベルを第2閾値以下となるように制御する。第2閾値は、所定の規格で定められている所定値よりも小さく、かつ、実施の形態1の第1閾値よりも小さく、送信レベルをヌル(NULL)点又はヌル点に近づく値である。
[動作]
以下、本実施の形態2に係る放送受信装置3の動作について、図5を用いて説明する。
図5は、実施の形態2に係る放送受信装置3のフロー図である。図5では、アクセスポイント端末11と無線LAN端末7とがピアツーピア(P2P:Peer to Peer)接続を行っている場合を示している。
図5に示すように、制御部35は、チューナ31が使用しているチャンネルの周波数帯域と、無線LAN端末7が使用している周波数帯域の情報を取得する(S31)。そして、制御部35は、ステップS31で取得した、チューナ31及び無線LAN端末7が使用しているチャンネルの周波数帯域の情報を判断部33に送信する。
次に、判断部33は、チューナ31が使用しているチャンネルであるBS−10の周波数帯域と、無線LAN端末7が使用しているチャンネルの周波数帯域とが重複しているか否かを判断する(S32)。チューナ31が使用しているチャンネルであるBS−10の周波数帯域と、無線LAN端末7が使用しているチャンネルの周波数帯域とが重複していると判断部33が判断した場合(S32ではYES)に、無線LAN端末7が使用しているチャンネルにおける周波数帯域の送信レベルが第2閾値のU0まで下がる(S36)。そして、スタートに戻る。
チューナ31が使用しているチャンネルであるBS−10の周波数帯域と、無線LAN端末7が使用しているチャンネルの周波数帯域とが重複していないと判断部33が判断した場合(S13ではNO)は、次のステップS33に進む。判断部33は、チューナ31が使用しているチャンネルであるBS−12の周波数帯域と、無線LAN端末7が使用しているチャンネルの周波数帯域とが重複しているか否かを判断する(S33)。チューナ31が使用しているチャンネルであるBS−12の周波数帯域と、無線LAN端末7が使用しているチャンネルの周波数帯域とが重複していると判断部33が判断した場合(S33ではYES)に、無線LAN端末7が使用しているチャンネルにおける周波数帯域の送信レベルが第2閾値のU0まで下がる(S36)。そして、スタートに戻る。
チューナ31が使用しているチャンネルであるBS−12の周波数帯域と、無線LAN端末7が使用しているチャンネルの周波数帯域とが重複していないと判断部33が判断した場合(S33ではNO)は、次のステップS34に進む。判断部33は、チューナ31が使用しているチャンネルであるBS−14の周波数帯域と、無線LAN端末7が使用しているチャンネルの周波数帯域とが重複しているか否かを判断する(S35)。チューナ31が使用しているチャンネルであるBS−14の周波数帯域と、無線LAN端末7が使用しているチャンネルの周波数帯域とが重複していると判断部33が判断した場合(S35ではYES)に、無線LAN端末7が使用しているチャンネルにおける周波数帯域の送信レベルが第2閾値のU0まで下がる(S36)。そして、スタートに戻る。
チューナ31が使用しているチャンネルであるBS−14の周波数帯域と、無線LAN端末7が使用しているチャンネルの周波数帯域とが重複していないと判断部33が判断した場合(S34ではNO)は、次のステップS35に進む。判断部33は、チューナ31が使用しているチャンネルであるBS−16の周波数帯域と、無線LAN端末7が使用しているチャンネルの周波数帯域とが重複しているか否かを判断する(S35)。チューナ31が使用しているチャンネルであるBS−16の周波数帯域と、無線LAN端末7が使用しているチャンネルの周波数帯域とが重複していると判断部33が判断した場合(S35ではYES)に、無線LAN端末7が使用しているチャンネルにおける周波数帯域の送信レベルが第2閾値のU0まで下がる(S36)。そして、スタートに戻る。
また、チューナ31が使用しているチャンネルであるBS−16の周波数帯域と、無線LAN端末7が使用しているチャンネルの周波数帯域とが重複していないと判断部33が判断した場合(S35ではNO)は、ステップS37に進む。次に、判断部33は、チューナ31が使用しているチャンネルの周波数帯域と、無線LAN端末7が使用しているチャンネルの周波数帯域とがBS−10、BS−12、BS−14及びBS−16が重複していないと判断し、制御部35が送信レベルを10dBm(規定値の一例)に戻す(S37)。なお、送信レベルを戻す数値は10dBmに限らず、他の数値でもよい。そして、ステップS11に戻る。この場合に、判断部33は、チューナ31が使用しているチャンネルの周波数帯域と、無線LAN端末7が使用しているチャンネルの周波数帯域とがBS−10、BS−12、BS−14及びBS−16が重複していないと判断する。
ここで、例えば、ユーザの操作により図4のBS−10、BS−12、BS−14及びBS−16が選択された場合で、無線LAN端末7の1〜3チャンネルのいずれかを使用している場合に、制御部35は、無線LAN端末7の1〜3チャンネルの無線LAN端末7の送信レベルを、例えば10dBmから−30dBm(第2閾値の一例)に下げる。なお、第2閾値のU0を、U0a、U0b・・・(U0a、U0b・・・は第2閾値のT0の一例)のように複数設定してもよい。
なお、BS−10、BS−12、BS−14及びBS−16では、無線LAN端末7の送信レベルを全て同一の下げ幅にしているが、それぞれが異なる下げ幅でもよく、一部が同一で一部が異なる下げ幅でもよい。また、これらの下げ幅は一例でありこれらの数値に限定されない。
このように、ピアツーピア接続では、受信レベルの高い周波数帯域が優先的に選ばれるため、送信レベルをヌル点又はヌル点に近い値まで大幅に下げてもよい。なお、制御部35は、無線LAN端末7の送信レベルを第2閾値のU0まで下げてもオーナー権獲得できない場合は、無線LAN端末7がオーナー権を獲得することができるように設定してもよい。
[作用効果]
次に、本実施の形態2に係る放送受信装置3の作用効果について説明する。
上述したように、実施の形態2に係る放送受信装置3では、チューナ31で使用するチャンネルの周波数帯域が、無線LAN端末7で使用するチャンネルの周波数帯域と重複する場合で、かつ、無線LAN端末7がスマートフォン15やアクセスポイント端末11といった他の情報端末とピアツーピアの無線通信を行う場合において、制御部35は、無線LAN端末7の送信レベルをヌル点又はヌル点に近い第2閾値以下となるように制御する。
この構成によれば、無線LAN端末7がアクセスポイント端末11とピアツーピア接続を行う場合に、制御部35は、無線LAN端末7の送信レベルをヌル点又はヌル点に近い第2閾値以下となるように下げる。このため、ピアツーピア接続では、送信レベルの高い周波数帯域が優先的に選ばれるため、無線LAN端末7の送信レベルの下げ幅を大きくすれば(ヌル点又はヌル点に近い値まで下げる)、チューナ31が使用しているチャンネルの周波数帯域と重複し難くなる。このため、チューナ31への電波干渉を抑えつつ、無線LAN端末7の送信レベルを確保することができる。
実施の形態2においても、他の作用効果については、実施の形態1と同様の作用効果を奏する。
(その他変形例等)
以上、本実施の形態1、2に係る放送受信装置及び放送受信装置を用いた放送受信システムについて、実施の形態1、2に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態1、2に限定されるものではない。
例えば、無線LAN端末7と、スマートフォン15やアクセスポイント端末11との接続可能な周波数が2.4GHz帯以外、例えば5GHz帯に対応していれば制御部35は本実施の形態1、2に基づいた方法で5GHz帯のチャンネルの周波数を選択するように無線LAN端末7を制御してもよい。
また、上記実施の形態1、2に係る放送受信装置において、インタフェース部には、リーダー/レコーダ等の外部機器と接続されるブリッジ、SDカード等の記録媒体を装着可能とするためのスロット、ハードディスク等の外部記録メディアと接続するためのドライバ、電話網と接続するモデム等を有していてもよい。なお、この記録媒体は、格納する不揮発性又は揮発性の半導体メモリ素子により電気的に情報の記録を可能としたものである。
また、本実施の形態1、2は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよい。コンピュータプログラムにおいて、コンピュータプログラムまたはデジタル信号をコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray(登録商標) Disc)、半導体メモリなどに記録したものとしてもよい。また、これらの記録媒体に記録されているデジタル信号であるとしてもよい。
その他、実施の形態1、2に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態1、2における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。