JP2007215009A - マルチモード通信回路、及びこのマルチモード通信回路を備えた無線通信装置、並びにこれらを用いた無線通信システム - Google Patents

マルチモード通信回路、及びこのマルチモード通信回路を備えた無線通信装置、並びにこれらを用いた無線通信システム Download PDF

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Abstract

【課題】同時に2つ以上の無線通信方式の通信を行う際に、無線特性を改善することができるとともに、低消費電力化を図る。
【解決手段】第1の無線通信方式の通信信号を受信する第1アンテナ210と、第1アンテナ210で受信した受信信号を復調する受信回路220と、第2の無線通信方式の通信信号を送信する送信回路330と、送信回路330より出力された送信信号を送信する第2アンテナ310とを備えるとともに、受信回路220は、第1アンテナ210で受信した受信信号に含まれる、第2アンテナ310からの送信信号の周波数帯の信号を、減衰させる送信信号除去フィルタ223と、送信信号の送信電力に応じて、第2アンテナ310からの送信信号が含まれる周波数帯での送信信号除去フィルタ223による減衰量を、送信信号除去フィルタ223に供給する電流を変化させることにより、調整する減衰量調整部225と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、2つ以上の無線通信方式で通信を行う際に、送信回路から受信回路への送信信号の漏れによる無線通信方式間の干渉を低減させることができるマルチモード通信回路、及びこのマルチモード通信回路を備えた無線通信装置、並びにこれらを用いた無線通信システムに関するものである。
近年、携帯電話機、携帯型のテレビジョン、無線LANなどをはじめとするさまざまな移動体通信システムを利用した商品やサービスが急速に普及している。それに伴い、一つの無線端末装置でこれら複数の無線通信方式の通信が行えるマルチモード無線通信装置が求められている。このようなマルチモード無線通信装置としては、例えば、テレビジョン(以下、「TV」とよぶ)受信機能と携帯電話機能を備えたTV受信機能付き携帯電話機や、GPS(Global Positioning System)機能と携帯電話機能を備えたGPS機能付き携帯電話機などが知られている。
次に、このようなマルチモード無線通信装置がかかえる課題について、TV受信機能付き携帯電話機を例に挙げて述べる。
無線通信端末装置である携帯電話機は、一般に、基地局装置から送信された信号を受信するための受信系の回路と、当該携帯電話機から基地局装置へ送信信号を送信するための送信系の回路を備えている。そして、この携帯電話機は、第1の基地局装置のセルから、第2の基地局装置のセルに移行する際に、携帯電話機の所在位置を登録するため、第2の基地局装置に対して位置登録の処理を要求する。即ち、この携帯電話機は、送信回路から第2の基地局装置に対して位置登録処理を要求するために、送信信号を送信するといった位置登録処理動作を行う。
このような位置登録処理動作は、ユーザーが携帯電話機を用いて通話などを行っていない場合においても、ユーザーがその処理を意識することなく、自動的に、かつ、継続的に行われる。
例えば、携帯電話機を持ったままユーザーが移動することにより、第1の基地局装置のセルから、第2の基地局装置のセルに移行する場合を考えてみる。その時には、この携帯電話機は位置登録処理動作を行うために、前述したように、第2の基地局装置に対して送信信号を送信する。
ところで、TV受信機能付き携帯電話機の場合は、携帯電話機としての機能を実現する回路のほかに、TV受信機能を実現するための回路として、TV放送受信回路を備えている。また、このTV受信機能付き携帯電話機においても、TV受信機能を利用してTV放送を視聴する時に、前述の携帯電話機で必要となる位置登録処理動作などを行うため、送信信号を送信することがある。その場合、携帯電話機としての機能を有する部分の回路から送信された送信信号が、テレビ放送の受信回路に漏れやすいことが知られている。
携帯電話機は、一般に、携帯性が重視されるため、できるだけ小型のものをすることが望ましい。その反面、小型にすると、前述した送信系の回路と受信系の回路の距離が近接することになる。即ち、TV受信機能付き携帯電話機の場合、TV放送受信回路に備えたTV放送受信アンテナと、送信系の回路に備えた送信アンテナとの間で、一定のアイソレーションを確保しづらくなる。従って、前述の送信アンテナにより送信された送信信号は、あまり減衰しないまま、前述のTV放送用の受信アンテナにより入力される。従って、TV機能付き携帯電話機においては、TV視聴時に、携帯電話機の位置登録などの送信信号を送信するタイミングで、携帯電話機の送信回路から送信された送信信号があまり減衰せずに、TV放送用の受信回路に入力されることになる。その結果、TV放送用の受信回路が飽和することにより、TV放送の受信品質が劣化するといった問題があった。
そこで、従来、このような問題を解決するために、マルチモード通信回路として次のようなものが知られている。
即ち、複数の無線通信方式に対応したマルチモード通信回路において、ある無線通信方式の信号を受信する受信動作と、それとは異なる他の無線通信方式の信号を送信する送信動作を同時に行うときに、送信信号が十分に減衰されずに、受信回路に入力されることにより受信回路が飽和してしまう問題を、低消費電力で、かつ、少ない感度劣化で解決するマルチモード通信回路として、例えば特許文献1に記載のマルチモード通信回路が知られている。このマルチモード通信回路は、ページャ付き携帯電話回路であり、これについては、以下に図19を参照しながら説明する。
このページャ付き携帯電話回路、つまりマルチモード通信回路1000は、大略構成として、ページャ部1100と、無線電話部1200とを備えている。このうち、ページャ部1100は、アンテナ1101と、送信波減衰回路1102と、ページャ受信回路1103とから構成されている。一方、無線電話部1200は、アンテナ1201と、無線送受信回路1202と、送話器1203と、受話器1204と、制御部1205と、表示部1206と、キー入力部1207と、記憶部1208と、放音部1209とから構成されている。
ページャ部1100の送信波減衰回路1102には、図20に示すノッチフィルタ1300が備えてある。このノッチフィルタ1300は、無線電話部1200のアンテナ1201から放出され、ページャ部1100のアンテナ1101に入力する送信信号を減衰させる。これにより、ページャ部1100のページャ受信回路1103の飽和を防ぎ、ページャ部1100の受信特性劣化を防止している。このようにして、ページャ部1100と無線電話部1200を備えたマルチモード通信回路1000で問題となる、無線通信方式間の干渉が防止できるようになっている。
また、無線電話部1200の制御部1205は、無線電話部1200で通話中の有無を検出して、通話中の場合のみ、ノッチフィルタ1300のCONT端子1301に電圧を印加させ、これを動作させる。これにより、ページャ部1100での消費電流の削減を図るものである。
特開平9−284843
ところで、図19に示す従来のマルチモード通信回路1000の構成では、無線電話部1200での通話中か非通話であるかを検出して、通話中のみページャ部1100に備えたノッチフィルタ1300を動作させる。ところが、この場合、ページャ部1100の受信感度劣化が起こっている。また、ノッチフィルタ1300の動作電流が増加する、といった問題も発生している。
ここで、最初にページャ部1100の受信感度劣化が起こる現象について説明し、次に、ノッチフィルタ1300で必要以上の電流を消費してしまう現象について説明する。
(1)まず、ページャ部1100の受信感度劣化について、図21を用いて説明する。
同図において、αは、ノッチフィルタ1300の周波数特性を示すグラフ、αは非通話のときのノッチフィルタ1300の周波数特性を示すグラフである。
無線電話部1200が非通話のときには、ページャ受信周波数f1の点における受信信号の損失は生じない。一方、通話中には、図20に示すノッチフィルタ1300のCONT端子1301に電圧を印加してノッチフィルタ1300を動作させるので、ノッチフィルタ1300の周波数特性は、図21に示すグラフαのように切り替わる。
しかしながら、ページャ部1100の受信周波数(以下、「ページャ受信周波数」とよぶ)f1と無線電話部1200の送信周波数(以下、「無線電話送信周波数」とよぶ)f2が接近している場合、ページャ受信周波数f1の点において受信信号の信号損失(Δs)を0.2dB以下とするには、ノッチフィルタ1300に10mA程度の非常に大きな電流を流す必要がある。その場合、マルチモード通信回路1000の動作電流に占める、ノッチフィルタ1300での消費電流が大きくなるので、マルチモード通信回路1000の電池寿命が短くなるといった欠点があった。
そこで、この欠点を解消するため、従来のページャ付き携帯電話回路では、無線電話送信周波数f2における約20dBの減衰量をノッチフィルタ1300で得るために、約2mAの動作電流を設定する方法が用いられていた。ところが、この場合には、ページャ受信周波数f1における信号損失(Δs)が約1dB〜2dB生じ、ページャ部1100の受信感度が約1dB〜2dB劣化する、という問題があった。
以上のような事情から、前述した従来のページャ付き携帯電話回路、つまりマルチモード通信回路1000では、低消費電力で良好な受信品質を得ることができなかった。
(2)次に、ノッチフィルタ1300で、必要以上の電流を消費してしまう問題について、図22を用いて説明する。
図22は、ノッチフィルタ1300の消費電流特性を示すものである。同図から分かるように、通話時に送信電力βの大きさが時々刻々と変化した場合においても、ノッチフィルタ1300は常に1〜2mA程度の一定の電流iを消費する。
即ち、無線電話部1200のアンテナ1201から出力され、ページャ部1100のアンテナ1101に入力される送信信号が、ページャ部1100のページャ受信回路1103の飽和が起こらない信号レベルにも係わらず、ノッチフィルタ1300は、前述した送信電力βの最大出力レベルの時と同じ電流iを消費してしまうことになり、必要以上の電流を消費する問題がある。
一般に、ノッチフィルタは、遮断周波数で最大の減衰量が得られ、遮断周波数から離れるにつれて減衰量が低下する特性を持っている。ここで、前述の送信信号の周波数が小さい順に等間隔でLチャネル、Mチャネル、Hチャネルと並んでいると仮定し、ノッチフィルタ1102の遮断周波数fcの設計値を、仮にMチャネルとなるように設計した場合を考える。
その時、Lチャネル、Hチャネルの周波数帯における減衰量は、Mチャネルの周波数帯における減衰量に比べて小さくなる。そのため、ノッチフィルタ1102の減衰量は、LチャネルやHチャネルの周波数帯においても、送信信号の所要の抑制量を十分に満足するように設計する必要がある。即ち、前記送信信号がMチャネルで送信している際は、所定の通信品質を確保するために最小限必要な減衰量に比べて過剰な減衰量で動作することになる。
ここで、ノッチフィルタ1300において、遮断周波数fcにおける減衰量を大きくするためには、ノッチフィルタ1300に備えたPINダイオード1302に供給する電流値を大きくすることが必要であり、これはPINダイオード1302の抵抗値を小さくすることにより実現することができる。即ち、ノッチフィルタ1300のPINダイオード1302に供給する電流値は、LチャネルやHチャネルにおける所要の減衰量を満すように定める必要がある。このため、前記送信信号がMチャネルで送信しているとき、ノッチフィルタ1300では所定の通信品質を得るために必要以上の電流が消費されてしまう、といった問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、同時に2つ以上の無線通信方式の通信を行う際に、無線特性を改善することができるとともに、低消費電力化を図ることができるマルチモード通信回路、及びこのマルチモード通信回路を備えた無線通信装置、並びにそれらを用いた無線通信システムを提供することを目的とする。
本発明のマルチモード通信回路は、2つ以上の無線通信方式で通信を行うマルチモード通信回路であって、第1の無線通信方式の通信信号を受信する第1アンテナと、前記第1アンテナで受信した受信信号を復調する受信回路と、前記第1の無線通信方式とは異なる第2の無線通信方式の通信信号を送信する送信回路と、前記送信回路から出力された送信信号を送信する第2アンテナと、を備えるとともに、前記受信回路は、前記第1アンテナで受信した前記受信信号に含まれる、前記第2アンテナからの前記送信信号の周波数帯の信号を、減衰させる送信信号除去フィルタと、前記送信信号除去フィルタにより減衰させる、前記第2アンテナからの前記送信信号が含まれる周波数帯での減衰量を、前記送信信号の送信電力に応じて、前記送信信号除去フィルタに供給する電流を変化させることにより、調整する減衰量調整部と、を備えるものである。
上記構成によれば、前記送信信号除去フィルタに供給する電流値の適切な制御が可能となり、無線特性が改善可能になるとともに、低消費電力化が可能となる。
また、本発明のマルチモード通信回路は、2つ以上の無線通信方式で通信を行うマルチモード通信回路であって、第1の無線通信方式の通信信号を受信する第1アンテナと、前記第1アンテナで受信した受信信号を復調する受信回路と、前記第1の無線通信方式とは異なる第2の無線通信方式の通信信号を送信する送信回路と、前記送信回路から出力された送信信号を送信する第2アンテナと、を備えるとともに、前記受信回路は、前記第1アンテナで受信した前記受信信号に含まれる、前記第2アンテナからの前記送信信号の周波数帯の信号を、減衰させる送信信号除去フィルタと、前記送信信号除去フィルタに供給する電流値に応じて、前記送信信号除去フィルタにより減衰させる減衰量を、減衰量設定用のテーブルとして記憶した記憶手段と、前記第2アンテナからの前記送信信号の周波数と前記第1アンテナで受信した前記受信信号の周波数のうち少なくとも1つ以上の周波数に応じて、前記記憶手段が前記テーブルに記憶した前記送信信号除去フィルタに供給する電流値情報に基づき、前記送信信号除去フィルタに供給する電流を変化させることにより、前記送信信号が含まれる周波数帯の前記送信信号除去フィルタにより減衰させる減衰量を調整する減衰量調整部と、を備えるものである。
上記構成によれば、第2の無線通信方式の送信信号の周波数と第1の無線通信方式の受信信号の周波数のうち少なくとも1つ以上の周波数が変わった場合においても、送信除去フィルタの減衰量制御を、前記周波数に応じて、前記送信信号除去フィルタへの電流供給で行うことにより、前記送信信号除去フィルタに供給する電流値の適切な制御が可能となり、不必要な動作電流を削減することで、低消費電力化が可能となる。
また、本発明のマルチモード通信回路は、2つ以上の無線通信方式で通信を行うマルチモード通信回路であって、第1の無線通信方式の通信信号を受信する第1アンテナと、前記第1アンテナで受信した受信信号を復調する受信回路と、前記第1の無線通信方式とは異なる第2の無線通信方式の通信信号を送信する送信回路と、前記送信回路から出力された送信信号を送信する第2アンテナと、を備えるとともに、前記受信回路は、前記第1アンテナで受信した前記受信信号に含まれる、前記第2アンテナからの前記送信信号の周波数帯の信号を、減衰させる送信信号除去フィルタと、前記送信信号の周波数と前記受信信号の周波数のうち少なくとも1つ以上の周波数に応じて、前記送信信号が含まれる周波数帯での、前記送信信号除去フィルタにより減衰させる遮断周波数を調整する遮断周波数調整部と、を備えるものである。
上記構成によれば、第2の無線通信方式の送信信号の周波数と第1の無線通信方式の受信信号の周波数のうち少なくとも1つ以上の周波数が変わった場合においても、送信周波数の送信信号を適切に抑制することができ、前記送信信号除去フィルタの遮断周波数fcにおける減衰量を緩和することができるので、その分前記送信信号除去フィルタの消費電流の削減ができる。これによって、受信機の低消費電力化が可能となる。
また、本発明のマルチモード通信回路は、2つ以上の無線通信方式で通信を行うマルチモード通信回路であって、第1の無線通信方式の通信信号を受信する第1アンテナと、前記第1アンテナで受信した受信信号を復調する受信回路と、前記第1の無線通信方式とは異なる第2の無線通信方式の通信信号を送信する送信回路と、前記送信回路から出力された送信信号を送信する第2アンテナと、を備えるとともに、前記受信回路は、前記第1アンテナで受信した前記受信信号に含まれる、前記第2アンテナからの前記送信信号の周波数帯の信号を、減衰させる送信信号除去フィルタと、前記送信信号除去フィルタでの前記受信信号の通過周波数帯における挿入損失を、前記受信信号の受信電界強度に応じて、前記送信信号除去フィルタに供給する電流を変化させることで調整する減衰量調整部と、を備えるものである。
上記構成によれば、第1の無線通信方式の受信電界強度を示すRSSI信号に応じて、送信信号除去フィルタの動作電流調整を行うことで、第1の無線通信方式の受信回路の受信信号レベルが、受信感度点付近の弱電界の場合に、受信回路の受信感度劣化を防ぐ一方、第2の無線通信方式の送信信号が入力された場合においても、受信回路が飽和することなく良好な受信特性を得ることが可能となる。これにより、第1の無線通信方式の受信エリアを拡大できる。
また、本発明のマルチモード通信回路は、2つ以上の無線通信方式で通信を行うマルチモード通信回路であって、第1の無線通信方式の通信信号を受信する第1アンテナと、前記第1アンテナで受信した受信信号を復調する受信回路と、前記第1の無線通信方式とは異なる第2の無線通信方式の通信信号を送信する送信回路と、前記送信回路から出力された送信信号を送信する第2アンテナと、を備えるとともに、前記受信回路は、前記第1アンテナで受信した前記受信信号に含まれる、前記第2アンテナからの前記送信信号の周波数帯の信号を、減衰させる送信信号除去フィルタと、前記送信信号除去フィルタによる、前記受信信号の通過周波数帯における挿入損失と前記送信信号の遮断周波数帯における減衰量とを、前記受信信号の受信電界強度と前記送信信号の送信電力に応じて、前記送信信号除去フィルタのQ値を変化させることで調整する減衰量調整部と、を備えるものである。
上記構成によれば、第1の無線通信方式の受信電界強度を示すRSSI信号と第2の無線通信方式の送信電力(TPC)信号に応じて、受信回路に備えられた送信信号除去フィルタの動作電流調整を行うことで、第1の無線通信方式の受信回路での受信信号レベルが、受信感度点付近で弱電界の場合に、前記送信信号除去フィルタの前記受信信号の通過周波数帯における挿入損失を小さくできる。その結果、受信回路の受信感度劣化を防ぎつつ、第2の無線通信方式の送信信号が入力された場合においても受信回路が飽和することなく、低消費電力化で良好な受信特性を得ることが可能となる。これにより、通信回路の低消費電力化を実現しつつ、第1の無線通信方式の受信エリアを拡大できる。
また、本発明の無線通信装置は、上記の何れかに記載のマルチモード通信回路を備えたものである。
上記構成によれば、マルチモード通信回路の低消費電力化及び受信感度を改善できることから、第1の無線通信方式のエリアを拡大し、電池寿命及び通信時間が長い携帯性に優れたマルチモード無線通信装置を提供できる。
また、本発明の無線通信システムは、上記の何れかに記載のマルチモード通信回路、若しく無線通信装置を備えたものである。
上記構成によれば、電池寿命及び通信時間が長い携帯性に優れたマルチモード通信回路備えた無線通信装置またはマルチモード通信回路を備えた無線通信システムを提供できることから、マルチモード無線システム全体の低消費電力化を図ることができ、無駄なエネルギーの削減により低消費電力化を図った無線通信システムを提供できる。
本発明によれば、同時に2つ以上の無線通信方式の通信を行う際に、無線特性を改善することができるとともに、低消費電力化を図ることができ、延いては電池寿命及び通信時間が長く確保できるマルチモード通信回路、及びこのマルチモード通信回路を備えた無線通信装置、並びにそれらを用いた無線通信システムを提供できる。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る無線通信装置、即ち、テレビ受信機能付き携帯電話機において、これに備えたマルチモード通信回路100Aを示すものであり、本実施形態のマルチモード通信回路100Aは、同時に2つの無線通信方式の通信が行える2つの無線通信回路、具体的には、第1無線通信回路200と、第2無線通信回路300とを備えたものである。
即ち、このマルチモード通信回路100Aは、前述のように、第1の無線通信方式で通信を行う第1無線通信回路200と、第2の無線通信方式で通信を行う第2無線通信回路300とから構成されており、第1アンテナから第1の無線通信方式の受信信号を受信しながら、同時に第2アンテナから第2の無線通信方式の送信信号を送信することができる。つまり、本実施形態のマルチモード通信回路100Aでは、第1の無線通信回路200によりテレビ受信を行いながら、第2の無線通信回路300により携帯電話で使用する送信信号を送信できるように構成されている。
第1無線通信回路200は、第1アンテナ210と、第1受信回路220と、第1局部発振信号生成部230と、第1ベースバンド部240と、後述するテーブルT(図8参照)を記憶した図示外の記憶手段と、から構成される。
このうち、第1受信回路220は、帯域制限フィルタ221と、高周波増幅器222と、送信信号除去フィルタ223と、直交復調器224と、送信信号除去フィルタ減衰量調整部(以下、「減衰量調整部」とよぶ)225と、増幅器226A及び増幅器226Bと、帯域制限フィルタ227A及び帯域制限フィルタ227Bとを備えている。
一方、第2無線通信回路300は、第2アンテナ310と、アンテナ共用器320と、送信回路330と、第2受信回路340と、第2局部発振信号生成部350と、第2ベースバンド部360とを備えている。
このうち、アンテナ共用器320は、送信用フィルタ321と、受信用フィルタ322を備えている。送信回路330は、電力増幅器331と、可変利得増幅器332と、帯域制限フィルタ333と、直交変調器334とを備えている。第2ベースバンド部360は、送信電力制御部361を備えている。
次に、第1無線通信回路200及び第2無線通信回路300の動作について説明する。
第1無線通信回路200では、第1アンテナ210から第1の無線通信方式の受信信号と第2の無線通信方式の送信信号を受信し、帯域制限フィルタ221で帯域制限を行い、高周波増幅器222により低雑音増幅する。その後、送信電力制御部361から出力されるTPC(送信電力制御:Transmitting Power Control)信号で制御する減衰量調整部225と送信信号除去フィルタ223を用い、第2の無線通信方式の送信信号を除去する。ここで、送信電力制御(TPC)信号は、可変利得増幅器332に対して、基地局が携帯端末装置に近い時は、電力増幅を小さくし、反対に基地局が携帯端末装置に遠いときは、電力増幅を大きくする信号である。なお、この減衰量調整部225と送信信号除去フィルタ223については、後ほど詳しく説明する。
第1アンテナ210から受信する第1の無線通信方式の受信信号は、第2の無線通信方式の送信信号が除去された後、第1局部発振信号生成部230で生成された局部発振信号と直交復調器224により直交復調され、I経路ベースバンド信号と、Q経路ベースバンド信号に変換される。このうちI経路ベースバンド信号は、増幅器226Aで増幅され、帯域制限フィルタ227Aで帯域制限され、ベースバンド部240へ出力される。一方、Q経路ベースバンド信号は、増幅器226Bで増幅され、帯域制限フィルタ227Bで帯域制限され、ベースバンド部240へ出力される。このベースバンド部240は、前述のI経路ベースバンド信号とQ経路ベースバンド信号とを復号することにより、第1の無線通信方式の受信信号を復号する。
また、第2無線通信回路300では、第2アンテナ310から第2の無線通信方式の受信信号を受信すると、アンテナ共用器320の受信用フィルタ322により、第2の無線通信方式の受信信号は通過させるが、第2の無線通信方式の送信信号を減衰させる。その受信用フィルタ322からの出力信号を第2受信回路340で低雑音増幅、帯域制限、周波数変換を行い、第2受信ベースバンド信号を第2ベースバンド部360へ出力する。
一方、第2ベースバンド部360から送信ベースバンド信号を出力すると、この出力された送信ベースバンド信号が、第2局部発振信号生成部350により生成した局部発振信号と直交変調器334により高周波信号に変換される。その高周波信号は、帯域制限フィルタ333で帯域制限が行われ、送信電力制御部361から出力されるTPC信号により可変利得増幅器332で電力増幅が行われ、更に電力増幅器331で電力増幅が行われる。その電力増幅器331から出力された第2の無線通信方式の送信信号は、アンテナ共用器320の送信用フィルタ321により通過されるが、第2の無線通信方式の受信信号は減衰される。その後、送信用フィルタ321を透過後の送信信号は、第2アンテナ310から第2の無線通信方式の送信信号として送信される。
次に、第2アンテナ310から第2の無線通信方式の送信信号を送信しながら、同時に第1アンテナ210から第1の無線通信方式の受信信号を受信する場合に、第2アンテナ310から第1アンテナ210へ漏れこむ第2の無線通信方式の送信信号を抑制する動作について説明する。
例えば、第2無線通信回路300がW−CDMA方式などでは、第2ベースバンド部360に送信電力制御部361があり、送信電力制御(TPC)信号により、可変利得増幅器332の利得制御を行っている。
ここで、送信電力制御(TPC)信号は、前述したように、可変利得増幅器332に対して、基地局が携帯端末装置に近い時は、電力増幅を小さくし、反対に基地局が携帯端末装置に遠いときは、電力増幅を大きくする信号である。
また、送信電力制御(TPC)信号により行われる送信電力制御には、例えば、携帯端末装置の送信電力を、基地局装置で受信した電界強度の強弱に従って制御するクローズドループ制御や、携帯端末装置が受信した受信電力値にしたがって制御するオープンループ制御などがある。このような送信電力制御は、特にバッテリ駆動が想定される携帯端末装置において良く用いられている技術である。バッテリ駆動される携帯端末装置では、送信電力を、所定の通信品質が確保できる範囲で極力低減させることにより、バッテリに蓄電された電力の消耗を抑えるよう送信電力制御が行われている。
上述の説明から、送信電力制御(TPC)信号と送信電力との間に、1対1の相関関係があることがわかる。従って、この送信電力制御(TPC)信号により第2無線通信回路300の送信電力を大きくした場合は、第2無線通信回路300の第2アンテナ310から第1無線通信回路200の第1アンテナ210に漏れる第2の無線通信方式の送信信号電力の絶対値は大きくなる。反対に、送信電力制御(TPC)信号により第2無線通信回路300の送信電力を小さくした場合は、第1無線通信回路200の第1アンテナ210に漏れる送信信号電力の絶対値は小さくなる。
ところで、送信電力制御(TPC)信号から第2無線通信回路300の送信信号の電力が分かるため、第2アンテナ310から第1アンテナ210に漏れこむ第2の無線通信方式の送信信号電力の絶対値を推定できる。
従って、この送信電力制御(TPC)信号を用い、送信電力を大きくした場合に、図2に示す送信電力制御信号に対する送信信号除去フィルタ223による減衰量特性を示すグラフAから、送信信号除去フィルタ223の動作電流を増加させると、送信信号の減衰量を大きくすることができる。また反対に、送信電力を小さくした場合には、送信信号除去フィルタ223の動作電流を減少させると、送信信号の減衰量を小さくすることができる。なお、送信信号除去フィルタ223の動作電流を電流制御し送信信号除去フィルタ223の減衰量を調整する方法については、後ほど説明する。
その結果、図3に示すように、第2無線通信回路300の送信電力特性を示すグラフBにより、送信電力の大きさに応じて送信信号除去フィルタ223の動作電流iをきめ細かく電流制御できる。このため、不必要な電流の消費を防ぎながら、第2無線通信回路300の送信電力の大きさに応じて送信信号除去フィルタ223の減衰量を調整することができ、第2アンテナ310から第1アンテナ210へ第2の無線通信方式の送信信号の漏れを抑制できる。
なお、第1無線通信回路200の第1受信回路220に備える送信信号除去フィルタ223の減衰量調整は、第2無線通信回路300の送信電力を増加する場合は、第2無線通信回路300の送信電力を増加するよりも前のタイミングで行い、減少する場合は、減少したタイミングと同期するかあるいは遅延させることにより、第2無線通信回路300の送信信号が変化した場合においても、第2無線通信回路300の送信信号の所要の減衰量を確保できる。即ち、マルチモード通信回路100Aの第2の無線通信方式の送信信号の送信電力は、実際に第2無線通信回路300の送信を開始するよりも先に、その設定値を検出することができるため、第2無線通信回路300の送信信号の送信電力や第2無線通信回路300の送信周波数に応じて、きめ細かく送信信号除去フィルタ223の特性を制御し、低消費電力で動作することができる。
次に、第1無線通信回路200の第1受信回路220に備える送信信号除去フィルタ223の構成及び動作について説明する。
この送信信号除去フィルタ223は、電流制御により減衰量を調整できるフィルタであるが、本実施形態では、このフィルタとして、例えばJose A.Macedo,“A 1.9-GHz Silicon Receiver with Monolithic Image Filtering”in IEEE JOURNAL OF SOLID-STATE CIRCUITS, VOL. 33, NO. 3, MARCH 1998 (ホセ・A・マセド著、「集積化したイメージフィルタを備えた、1.9GHz シリコンプロセス受信機」IEEE ジャーナル固体物理学回路、第33巻、第3冊、1998年3月)に記載されているノッチフィルタ223A(図4参照)を用いている。
即ち、第1無線通信回路200の高周波増幅器222の出力端子は、ノッチフィルタ223Aの入力端子223Bに接続される。一方、ノッチフィルタ223Aの出力端子223Cは、直交復調器224の入力端子に接続される。なお、図4において、各符号、C3、C7、L3、Cvarは、それぞれ、同図の中の素子の名称とその素子の値とを同時に示すものとする。
ここで、このノッチフィルタ223Aの遮断周波数fcは、下記の[数1]、[数2]に示すとおりである。[数1]、[数2]でのC3、C7、L3、Cvarは、図4中のC3、C7、L3、Cvarの値にそれぞれ対応している。但し、[数1]においてCπ3は、トランジスタQ2のベース−エミッタ間の寄生容量値であり、図4中に示すC3に対して並列接続されたモデルを想定している。
よって、C3、C7、Cvarの値は、ノッチフィルタ223Aの遮断周波数fcが第2の無線通信方式の送信信号の周波数ftxにほぼ一致(fc≒ftx)するように任意に決めればよい。
Figure 2007215009
Figure 2007215009
次に、ノッチフィルタ223Aの遮断周波数fcの減衰量とノッチフィルタ動作電流との関係を、図5に示す。
同図からわかるように、ノッチフィルタ223Aの遮断周波数fcの減衰量とノッチフィルタ動作電流との間には、正の相関性(グラフC)があり、トランジスタQ2のエミッタ電流を増加させることで、ノッチフィルタ223Aの遮断周波数fcの減衰量が大きくなる。また、反対にエミッタ電流を減少させることで、遮断周波数fcの減衰量は小さくなる。
なお、ここで、ノッチフィルタ動作電流は、具体的には、図4に示すノッチフィルタ223Aの回路におけるトランジスタQ2のエミッタ電流によって変化させることができる。また、このノッチフィルタ223AのトランジスタQ2のエミッタ電流は、減衰量調整部225において生成する。例えば、送信電力制御(TPC)信号をカレントミラー回路などで電流変換したものをノッチフィルタ223AのトランジスタQ2のエミッタ電流に用いることで生成可能である。図5に示すように、トランジスタQ2のエミッタ電流を増加させることで、遮断周波数fcにおける減衰量が大きくなる。
前述した送信電力制御(TPC)信号を利用し、ノッチフィルタ223AのトランジスタQ2のエミッタ電流を適宜制御する。即ち、第2無線通信回路300の送信電力が大きい時には、ノッチフィルタ223AのトランジスタQ2のエミッタ電流を増加させてノッチフィルタ223Aの減衰量を大きくする。また、反対に、第2無線通信回路300の送信電力が小さい時には、ノッチフィルタ223AのトランジスタQ2のエミッタ電流を減少させてノッチフィルタ223Aの遮断周波数fcにおける減衰量を小さくすることで、ノッチフィルタ223Aの減衰量を調整できる。
次に、本実施形態のマルチモード通信装置におけるノッチフィルタ223Aの遮断周波数における減衰量の設定について説明する。なお、以下の説明では、簡単のため、各部の特性は第1の無線通信方式の信号と第2の無線通信方式の信号とで同じであるとし、また、帯域制限フィルタ221での信号損失は無視する。
例えば、第2アンテナ310から最大+24dBmの第2の無線通通信方式の送信信号を出力する場合を考える。第2アンテナ310と第1アンテナ210との空間結合により、第2の無線通信方式の信号が30dBの減衰量で第1アンテナ210に入力されるとする。また、高周波増幅器223の信号利得が15dB、直交復調器224の信号利得が20dB、高周波増幅器223の出力が10dBmで飽和、直交復調器224の出力が10dBmで飽和するものとする。
第2アンテナ310から出力された+24dBmの第2の無線通信方式の送信信号は、第1アンテナ210により+24dBm−30dB=−6dBmの信号電力で入力される。高周波増幅器223の出力では、−6dBm+15dB=9dBmとなり、ここでは飽和しない。直交復調器224に許される最大入力は、10dBm−20dB=−10dBmであるから、ノッチフィルタ223Aに要求される減衰量は、9dBm−(−10dBm)=19dB以上となる。
よって、図2の送信電力対送信信号除去フィルタの減衰量特性であるグラフAに示すように、第2無線通信回路300の送信電力(TPC)が最大時の点、すなわち第2アンテナ310からの出力が最大の+24dBmであるときに、ノッチフィルタ223Aの遮断周波数fcの減衰量が19dB以上得られるよう、送信信号除去フィルタ223の減衰量の設定を行なえば良い。なお、送信電力(TPC)と送信信号除去フィルタ223の減衰量の関係は、送信電力1dBの増加に対し送信信号除去フィルタ223の減衰量が1dB増加するように構成すれば良い。
また、ノッチフィルタ223Aの動作電流であるトランジスタQ2のエミッタ電流の設定は、図4に示すノッチフィルタ遮断周波数fcの減衰量とノッチフィルタ動作電流との関係Bに従って設定する。ノッチフィルタ動作電流は、具体的には、図3に示すノッチフィルタ223Aの回路におけるトランジスタQ2のエミッタ電流によって変化させることができる。そこで、ノッチフィルタ223Aの減衰量が19dB得られる電流値をトランジスタQ2のエミッタ電流値に設定する。
なお、上述の説明では、簡単のため、各部の特性は第1の無線通信方式の信号と第2の無線通信方式の信号とで同じであるとし、また、帯域制限フィルタ221での信号損失は無視した。第1の無線通信方式の信号と第2の通信方式の信号に対する各部の特性の差及び帯域制限フィルタ221での信号損失が無視できない場合(あるいは、第1の無線通信方式の信号と第2の無線通信方式の信号でそれが異なる場合)には、その差を考慮してノッチフィルタ223Aの減衰量を設定すれば良い。
このように、本実施形態によれば、第2無線通信回路300の送信電力の大きさに応じてきめ細かい電流制御が可能となり、不必要な電流消費を防ぎながら、第2の無線通信方式の送信信号を抑制できる効果がある。
なお、これまでは、図2に示す送信電力に対するノッチフィルタの減衰量特性を示すグラフAに示すように、送信電力に応じて、ノッチフィルタ223Aの遮断周波数fcの減衰量を1対1で調整し、消費電流を削減する方法について述べてきた。
一方、例えば図6の送信電力に対する送信信号除去フィルタの減衰量特性を示すグラフDに示すように、直交復調器224が飽和する直前の第2無線通信回路300の送信電力の点+5dBmを境に、第2無線通信回路300の送信信号が+5dBm以上の場合には、上述したノッチフィルタ223Aの遮断周波数fcの減衰量を19dBに設定し、第2無線通信回路300の送信信号が+5dBm未満の場合は、ノッチフィルタ223Aにおける所要減衰量を0dBとしても、受信回路は飽和しないため、受信品質は所定の性能を満足することができる。
即ち、第2アンテナ310から+5dBmの信号が出力された場合、第1アンテナ210では+5dBm−30dB=−25dBmの信号を受信し、高周波増幅器222で15dBの利得を得ることで、高周波増幅器222の出力では、−25dBm+15dB=−10dBmの信号レベルとなる。更に、直交復調器224で20dBの利得を得ることで、直交復調器224の出力では、−10dBm+20dB=10dBmの出力飽和レベルに達する。従って、第1アンテナ210から+5dBm以上の信号を受信した場合に、直交復調器224が飽和する。
従って、本実施形態によれば、例えば直交復調器224が飽和する直前の第2無線通信回路300の送信電力+5dBmで、ノッチフィルタ223Aへ供給する電流値を切り換えることで、第1の無線通信方式の受信回路が飽和することなく所定の通信品質を確保することができる。
一方、それに対して、従来の技術である背景技術で説明した特許文献1に記載の方法によれば、送信信号の有無によりノッチフィルタへ供給する電流値切替制御を行っている。ここで、第2の無線通信方式の送信信号電力が可変のシステムである場合において考えてみる。
即ち、この従来の方法では、第2の無線通信方式の送信電力が小さく、第1の無線通信方式の受信回路が飽和しないような場合(送信電力が5dBmの点以下)でも、ノッチフィルタの遮断周波数における減衰量は、送信電力最大値の場合(送信電力が24dBmの点)と同じ値となるように制御される。つまり、図6において、送信電力が+5dBm以下の場合、本実施形態では送信信号除去フィルタ223による減衰量が0dBであるが、従来の方法では送信信号除去フィルタによる減衰量が19dBとなる。
このように、従来の方法では、送信信号除去フィルタにおいて送信信号を除去する必要がない状態のときであっても、第2無線通信回路の送信電力最大時の点(+24dBm)の時に要する減衰量と同じ条件が設定されているので、ノッチフィルタで不必要な電流を消費してしまう。
なお、上記の説明は、特許文献1との差異を分かりやすく説明するために、ノッチフィルタへの電源供給をON/OFF制御する方法について述べたが、本発明は、送信電力制御(TPC)信号に応じてノッチフィルタで消費される電流値を変化するものであり、制御方法を限定するものでない。
以上により、本実施形態によれば、第2の無線通信方式の送信信号を送信時においても、その送信電力が小さく、第1の無線通信方式の受信回路が飽和しない条件下では送信信号除去フィルタ223に供給する電流値を適切に制御することができるので、送信信号除去フィルタ223における不必要な電流消費を防ぎながら、第2の無線通信方式の送信信号を抑制し、第1の無線通信方式の受信品質を確保できるといった効果がある。
次に、第2の無線通信方式の送信信号の周波数が変わる場合において、ノッチフィルタ223Aに供給する電流により、ノッチフィルタ223Aの遮断周波数fcにおいて、所要の減衰量を確保する方法について、図7を用いて説明する。
図7のノッチフィルタ223Aの周波数特性を示すグラフEに示すように、第2の無線通信方式の送信周波数がf2のとき、ノッチフィルタ223Aへ供給する電流は、ノッチフィルタ223Aの遮断周波数fcの減衰量、例えば所要量kが得られる電流値に設定する。
次に、第2の無線通信方式の送信周波数がf1に変わったときには、ノッチフィルタ223Aへ供給する電流を変え、ノッチフィルタ223Aの遮断周波数fcの周波数選択性を変え、ノッチフィルタ223Aの周波数特性がグラフFに示すように、周波数f1において前述の減衰量kが得られる電流値を、ノッチフィルタ223Aに供給する。
その電流値は、図示しない前述の記憶部にあらかじめ記憶しておいた図8のノッチフィルタ減衰量設定テーブルTから、つまり第2の無線通信方式の送信周波数と第2の無線通信方式の送信電力に対応した電流値から求めることができ、この電流値をノッチフィルタ223Aへ供給する。
次に、第1無線通信回路200に備えた図示外の記憶手段に記憶した、図8のノッチフィルタ減衰量設定テーブルTについて説明する。なお、この図8に示すテーブルTにおいて、f1からfnは、第1の無線通信方式で使用する送信周波数を示している。
f1からfnは、送信周波数の1番低い周波数(Lチャネル)から、一番高い周波数(Hチャネル)まで等間隔で並んでいる周波数を示すものである。ここでは送信信号の周波数間隔が等間隔である場合について説明する。これは、一般的なディジタル移動体通信システムにおいて、通信に用いる周波数チャネルが等間隔で規定されているため、それに従ったものであり、送信信号の周波数間隔は本発明の範囲を限定するものではない。
このテーブルTにおいて、P1からPnは、第1の無線通信方式で使用し得る送信電力値を示している。P1からPnは、送信電力値の1番低い値から1番高い値まで等間隔で並んでいる。なお、ここでも、送信信号の送信電力値は等間隔であるものとして説明したが、それは説明を簡単に行うためのものであり、同じく本発明の範囲を限定するものではない。
例えば、第2の無線通信方式の送信周波数がf3のときであって、かつ、その送信電力がP2の場合には、ノッチフィルタ223Aに供給する電流値を、図8に示す「I32」に設定するものとする。
これにより、ノッチフィルタ223Aの遮断周波数fcを調整することなく、ノッチフィルタ223Aに供給する電流値で、ノッチフィルタ223Aの遮断周波数fcの周波数選択性を調整することにより、ノッチフィルタ223Aに要求される遮断周波数fcの減衰量を得ることができる。
従って、第2の無線通信方式の送信信号の周波数が変わった場合においても、ノッチフィルタ223Aに供給する電流値の適切な制御が可能となり、低消費電力化が可能となる。なお、本実施形態では、送信信号除去フィルタ223として、ノッチフィルタ223Aを適用したが、電流制御により第2の無線通信方式の送信信号の周波数帯の減衰量を調整できるフィルタであれば、どのようなフィルタであってもかまわない。
また、本実施形態では、送信信号除去フィルタ223は、第1無線通信回路200の高周波増幅器222と直交復調器224との間に備えた構成を例に挙げて説明したが、この送信信号除去フィルタ223は、高周波増幅器222の前段に備えることによっても、第2の無線通信方式の送信信号の減衰量を所要の減衰量に設定し、不必要な電流消費を防ぐことができる。しかしながら、その場合は、高周波増幅器222よりも前段に本送信信号除去フィルタ223を備える構成であるため、第2受信回路220のNF(雑音指数:Noise Figure)値は、高周波増幅器222よりも後段に備える場合に比べて劣化しやすい傾向があり、第1受信回路220の低NF化の観点でみると、不利な構成である。
このように、本実施形態では、同時に2つ以上の無線通信方式の通信が行える複数の無線通信回路を備えたマルチモード通信回路100Aにおいて、第2無線通信回路300から第1無線通信回路200へ、第2の無線通信方式の送信信号が漏洩する場合であっても、第2無線通信回路300から第1無線通信回路200への第2の無線通信方式の送信信号の漏洩を抑制し、第1受信回路220の飽和を防ぐことで、第1無線通信回路200の受信特性の改善をはかることができるようになるとともに、マルチモード通信回路の低消費電力が実現できる。
以上説明してきたように、本実施形態に係るマルチモード通信回路100Aは、第2無線通信回路300の送信電力の大きさに応じて送信信号除去フィルタ223の動作電流制御を行い、第2の無線通信方式の送信信号の減衰量を調整することで、第2アンテナ310から第1アンテナ210へ漏れる第2の無線通信方式の送信信号を抑制し、第1無線通信回路200の第1受信回路220が飽和することを防ぐことができる。これにより、第1無線通信回路200の無線特性を改善し、マルチモード通信回路100Aの低消費電力化ができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について、説明する。
図9は、第2の実施形態に係る無線通信装置、即ち、第1の実施形態と同様に、テレビ受信機能付き携帯電話機に備えたマルチモード通信回路100Bを示すものであり、本実施形態のマルチモード通信回路100Bも、同時に2つの無線通信方式の通信が行える2つの無線通信回路、具体的には、第1無線通信回路400と、第2無線通信回路500とを備えており、第1無線通信回路400においてテレビ受信を行いながら第2無線通信回路500において携帯電話の送信を行えるものである。
即ち、本実施形態のマルチモード通信回路100Bは、第1の無線通信方式で通信を行う第1無線通信回路400と、第2の無線通信方式で通信を行う第2無線通信回路500とから構成されおり、後述するように、第1アンテナ410から第1の無線通信方式の受信信号を受信しながら、同時に第2アンテナ510から第2の無線通信方式の送信信号を送信する。
このうち、第1無線通信回路400には、第1アンテナ410と、第1受信回路420と、第1局部発振信号生成部430と、第1ベースバンド部440とを備えている。第1受信回路420には、帯域制限フィルタ421と、高周波増幅器422と、送信信号除去フィルタ423と、直交復調器424と、送信信号除去フィルタ遮断周波数調整部(以下、「遮断周波数調整部」とよぶ)425と、増幅器426A及び増幅器426Bと、低域制限フィルタ427と、帯域制限フィルタ428とを備えている。
一方、第2の無線通信回路500は、第2アンテナ510と、アンテナ共用器520と、送信回路530と、第2受信回路540と、第2局部発振信号生成部550と、第2ベースバンド部560とを備えている。このうち、アンテナ共用器520は、送信用フィルタ521と、受信用フィルタ522とを備えている。一方、送信回路530は、電力増幅器531と、可変利得増幅器532と、帯域制限フィルタ533と、直交変調器534とを備えている。第2ベースバンド部560は、送信電力制御部561を備えている。
次に、第1無線通信回路400及び第2無線通信回路500の動作について説明する。
第1無線通信回路400では、第1アンテナ410から第1の無線通信方式の受信信号と第2の無線通信方式の送信信号を受信すると、帯域制限フィルタ421で帯域制限を行い、高周波増幅器422により低雑音増幅する。その後、第2局部発振信号生成部550から出力されるVt電圧で制御する、遮断周波数調整部425と送信信号除去フィルタ423を用い、第2の無線通信方式の送信信号を除去する。第1アンテナ410で受信する第1の無線通信方式の受信信号は、第2の無線通信方式の送信信号が除去された後、第1局部発振信号生成部430で生成された局部発振信号と直交復調器424により、ベースバンド信号に周波数変換され、そのベースバンド信号は、増幅器426Aと増幅器426Bで増幅され、低域制限フィルタ427と帯域制限フィルタ428で帯域制限が行われ、第1受信ベースバンド信号として第1ベースバンド部440へ出力される。なお、遮断周波数調整部425と送信信号除去フィルタ423については、後ほど詳しく説明する。
一方、第2の無線通信回路500では、第2アンテナ510から第2の無線通信方式の受信信号を受信すると、アンテナ共用器520の受信用フィルタ522により、その第2の無線通信方式の受信信号は通過させ、第2の無線通信方式の送信信号は減衰させる。その出力信号は、第2受信回路540で低雑音増幅、帯域制限、周波数変換が行われ、第2受信ベースバンド信号として第2ベースバンド部560へ出力する。
また、第2ベースバンド部560から出力された送信ベースバンド信号は、第2局部発振信号生成部550により生成した局部発振信号と直交変調器534により高周波信号に変換される。その高周波信号は、帯域制限フィルタ533により帯域制限が行われ、送信電力制御部561から出力されるTPC信号により可変利得増幅器532で電力増幅が行われ、更に電力増幅器531で電力増幅が行われる。その電力増幅器531から出力された第2の無線通信方式の送信信号は、アンテナ共用器520の送信用フィルタ521を通過するが、第2の無線通信方式の受信信号は、その送信用フィルタ521により減衰される。その後、第2アンテナ510から第2無線通信方式の送信信号が送信される。
次に、第2の無線通信方式の送信信号の周波数に応じて、送信信号除去フィルタ423の遮断周波数fcを調整し、送信信号除去フィルタ423の遮断周波数fcと第2の無線通信方式の送信信号の周波数ftxを自動的にほぼ一致(fc≒ftx)させる動作について説明する。
初めに、第2無線通信回路500の直交変調器534に第2局部発振信号を供給する第2局部発振信号生成部550は、図10に示す基準発振器551と、位相検波器552と、チャージポンプ553と、ループフィルタ554と、VCO(電圧制御発振器:Voltage Controlled Oscillator)555と、プリスケーラ556とから構成される公知のPLLシンセサイザ回路で構成されている。
このループフィルタ554の出力電圧、すなわちVt電圧は、図11に示すVt電圧対VCO出力周波数特性を示すグラフGのように、VCO出力周波数(≒第2無線通信回路500の送信信号の周波数)とVt電圧値とが対応している。よって、Vt電圧値から第2の無線通信方式の送信信号の周波数を推定できる。
次に、電圧制御により遮断周波数を調整できるフィルタについて、説明する。
電圧制御によりフィルタ遮断周波数を調整できるフィルタは、第1の実施形態で説明したノッチフィルタ223Aが知られている。
このノッチフィルタ223Aを用いた第1の実施形態では、電流制御により、フィルタ遮断周波数の減衰量を調整する方法について説明したが、本実施形態では、電圧制御により、フィルタ遮断周波数を調整する方法について説明する。なお、ここでの説明は、第1の実施形態で用いた図4に示すノッチフィルタ223Aを使用して行う。
ノッチフィルタ223Aの遮断周波数fcは、第1の実施形態で述べた[数1]、[数2]に示す通りである。[数1]、[数2]からCvarを調整することで、ノッチフィルタ223Aの遮断周波数fc(≒第2の無線通信方式の送信信号の周波数)を変えることができることは明らかである。
Cvarは、図4のバリアブルキャパシタダイオードCvarの容量値であり、Vvar端子223Dに電圧を印加することにより、容量値を変えることができる。遮断周波数調整部425は、バリアブルキャパシタダイオードCvarの特性により、Vvar端子電圧とノッチフィルタ遮断周波数fcを、図12に示すVvar端子電圧に対するノッチフィルタ223Aの遮断周波数特性を示すグラフHのように調整する。
従って、第2の無線通信方式の送信信号の送信周波数情報を持っているPLLのVt電圧を、第1無線通信回路400の遮断周波数調整部425でVvar端子223D(図4参照)に印加可能な電圧に変換し、電圧制御することで、ノッチフィルタ223Aの遮断周波数fcを第2の無線通信方式の送信信号の周波数ftxにほぼ一致(fc≒ftx)させることができる。
これにより、図4に示すノッチフィルタ223AのVvar端子223Dを、第2無線通信回路500の送信PLLのVt電圧を利用し制御することで、ノッチフィルタ遮断周波数fcを第2の無線通信方式の送信信号の周波数ftxにほぼ一致(fc≒ftx)させることができる。従って、第2の無線通信方式の送信信号の周波数を適切に抑制することができ、送信信号除去フィルタ223の遮断周波数fcの周波数選択性を高める必要がなく、その分送信信号除去フィルタ223の消費電流の削減ができる。この結果、受信機の低消費電力化が可能となる。
なお、Vt電圧は、図13に示すVt電圧に対するVCO出力周波数の特性を示すグラフIのように、第2の無線通信方式の送信信号の周波数ftxを、周波数範囲f1、周波数範囲f2、周波数範囲f3のように、複数の周波数範囲に分け動作するPLL回路においても、Vt電圧と周波数範囲f1、周波数範囲f2、周波数範囲f3を示す周波数範囲情報とにより、第2の無線通信方式の送信信号の周波数ftxを推測できることから、ノッチフィルタ223Aの遮断周波数fcを第2の無線通信方式の送信信号の周波数ftxにほぼ一致(fc≒ftx)させることができる。
なお、本実施形態では、ノッチフィルタ遮断周波数fcを第2の無線通信方式の送信信号の周波数ftxにほぼ一致(fc≒ftx)させるために、公知のPLL回路のVt電圧を用いたが、遮断周波数調整部425において、第2無線通信回路500のPLL回路に与える送信周波数の設定データに基づき、あらかじめ記憶しておいた送信周波数の設定データに対するVvar端子電圧の関係を記載したテーブルを用いて、Vvar端子223Dに印加する電圧を生成して供給する方法でもよい。これにより、送信信号除去フィルタ423の遮断周波数を通信回路個別に行う必要がなく、生産性が向上する効果がある。
また、本実施形態では、同時に2つ以上の無線通信方式の通信が行える複数の無線通信回路を備えたマルチモード通信回路において、第2無線通信回路500の送信信号の周波数ftxが変化しても、第1の無線通信回路の送信信号除去フィルタの遮断周波数fcを第2の無線通信方式の送信信号の周波数ftxにほぼ一致(fc≒ftx)させ、第2の無線通信方式の送信信号の周波数ftxを適切に抑制することができる。
即ち、本実施形態では、第2の無線通信方式の送信信号の周波数に応じて送信信号除去フィルタ423の電圧制御を行い、送信信号除去フィルタ423の遮断周波数fcを、第2の無線通信方式の送信信号の周波数ftxにほぼ一致(fc≒ftx)させることで、適切に第2の無線通信方式の送信信号の周波数ftxを抑制することができる。
これにより、第2アンテナ510から第1アンテナ410へ第2の無線通信方式の送信信号が漏洩しても、第1無線通信回路400の受信回路420の飽和を防ぎ、受信特性の改善ができる。従って、送信信号除去フィルタ423の遮断周波数fcの周波数選択性を高める必要がなく、その分、送信信号除去フィルタ423の消費電流の削減ができ、マルチモード通信回路100Aの低消費電力化が可能となる。
なお、遮断周波数fcとは、前記したように送信信号除去フィルタ423により減衰する周波数を指すものであり、本発明において、例えば3dB減衰周波数などのように減衰量を特定の数値に限定するものではない。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について、説明する。
図14は、第3の実施形態に係る無線通信装置、即ち、テレビ受信機能付き携帯電話機に備えたマルチモード通信回路100Cを示すものであり、このマルチモード通信回路100Cは、第1、第2の実施形態と同様に、同時に2つの無線通信方式の通信が行える2つの無線通信回路、つまり、第1の無線通信方式で通信を行う第1無線通信回路600と、第2の無線通信方式で通信を行う第2無線通信回路700とを備えている。
即ち、本実施形態のマルチモード通信回路100Cは、第1、第2の実施形態と同様に、第1アンテナ610から第1の無線通信方式の受信信号を受信しながら、同時に第2アンテナ710から第2の無線通信方式の送信信号を送信することができるように、具体的には、第1無線通信回路600においてテレビ受信を行いながら第2無線通信回路700において携帯電話の送信を行えるように構成されている。
第1無線通信回路600は、第1アンテナ610と、第1受信回路620と、第1局部発振信号生成部630と、第1ベースバンド部640とを備えている。このうち、第1受信回路620は、帯域制限フィルタ621と、高周波増幅器622と、送信信号除去フィルタ623と、直交復調器624と、送信信号除去フィルタ減衰量調整部(第1の実施例の場合と同様、以下、「減衰量調整部」とよぶ)625と、増幅器626A及び増幅器626Bと、帯域制限フィルタ627と、帯域制限フィルタ628とを備えている。また、第1ベースバンド部640には、受信電界レベル検知部641を備えている。
一方、第2の無線通信回路700は、第2アンテナ710と、アンテナ共用器720と、送信回路730と、第2受信回路740と、第2局部発振信号生成部750と、第2ベースバンド部760とを備える。このうち、アンテナ共用器720は、送信用フィルタ721と、受信用フィルタ722とを備えている。また、送信回路730は、電力増幅器731と、可変利得増幅器732と、帯域制限フィルタ733と、直交変調器734とを備えている。第2ベースバンド部760は、送信電力制御部761を備えている。
次に、第1無線通信回路600及び第2無線通信回路700の動作について説明する。
第1無線通信回路600では、第1アンテナ610から第1の無線通信方式の受信信号と第2の無線通信方式の送信信号を受信し、帯域制限フィルタ621で帯域制限を行い、高周波増幅器622により低雑音増幅する。その後、第2無線通信回路700の送信電力制御部761から出力されるTPC信号で制御する減衰量調整部625と送信信号除去フィルタ623を用い、第2の無線通信方式の送信信号を除去する。この減衰量調整部625と送信信号除去フィルタ623については、後ほど詳しく説明する。
第1アンテナ610から受信する第1の無線通信方式の受信信号は、第2の無線通信方式の送信信号が除去された後、第1局部発振信号生成部630で生成された局部発振信号と直交復調器624により直交復調され、I経路ベースバンド信号と、Q経路ベースバンド信号に変換される。前記I経路ベースバンド信号は、増幅器626Aで増幅され、帯域制限フィルタ627で帯域制限され、第1ベースバンド部640へ出力される。また、Q経路ベースバンド信号は、増幅器626Bで増幅され、帯域制限フィルタ628で帯域制限され、第1ベースバンド部640へ出力される。このベースバンド部640は、前記I経路ベースバンド信号と前記Q経路ベースバンド信号とを復号することにより、前記第1の無線通信方式の受信信号を復号する。また、第1ベースバンド部640に備えられた、受信電界レベル検知部641で、第1アンテナ610から受信した第1の無線通信方式の受信信号の大きさを検知し、この第1の無線信号方式の受信信号の大きさをRSSI(受信信号強度表示信号:Received Signal Strength Indicator)信号として、減衰量調整部625へ出力する。
一方、第2の無線通信回路700では、第2アンテナ710から第2の無線通信方式の受信信号を受信すると、アンテナ共用器720の受信用フィルタ722により、第2の無線通信方式の受信信号は通過させ、第2の無線通信方式の送信信号を減衰させる。その出力信号は、第2受信回路740で低雑音増幅、帯域制限、周波数変換が行われ、第2受信ベースバンド信号として第2ベースバンド部760へ出力される。
また、第2ベースバンド部760から出力された送信ベースバンド信号を、第2局部発振信号生成部750により生成した局部発振信号と直交変調器734により高周波信号に変換する。その高周波信号は、帯域制限フィルタ733により帯域制限を受け、送信電力制御部761から出力されるTPC信号により可変利得増幅器732で電力増幅が行われ、更に電力増幅器731で電力増幅が行われる。その電力増幅器731から出力された第2の無線通信方式の送信信号は、アンテナ共用器720の送信用フィルタ721を通過するが、第2の無線通信方式の受信信号は、送信用フィルタ721で減衰される。その後、第2の無線通信方式の送信信号を第2アンテナ710から送信する。
次に、送信電力の大きさを示す送信電力制御(TPC)信号と受信電界強度を示すRSSI信号の2つの信号を用い、送信信号除去フィルタ623の遮断周波数の減衰量と通過域の挿入損失を調整することで、第2アンテナ710から第1アンテナ610へ漏れこむ第2の無線通信方式の送信信号を送信信号除去フィルタ623で除去しつつ、第1無線通信回路600の受信感度劣化を防ぎ、良好な受信特性を得ることができる方法について説明する。
最初に、受信電界強度を示すRSSI信号を用い、第1受信回路620が受信感度点付近の弱電界の信号を受信しているかどうかを検出する方法について説明する。
一般的に、受信機には、アンテナで受信した信号の大きさを検出する受信電界レベル検出部641が備わっている。この受信電界レベル検出部641から出力されるRSSI信号の電圧特性と受信BER特性は、それぞれ、図15のグラフJとKに示すように、RSSI信号の示す受信電界レベルaにより、第1受信回路620の受信感度点c付近の弱電界レベルbが分かる。
よって、RSSI信号の電圧値から、第1受信回路620が受信感度点付近の弱電界の信号をアンテナから受信している状態であるか、受信感度点付近の弱電界より十分高い受信信号をアンテナから受信しているか、を判定することができる。この判定は、受信電界レベル検出部641から出力されたRSSI信号を、減衰量調整部625へ取り込み行う。
次に、この判定により、送信信号除去フィルタ623による、(第2の無線通信方式の送信信号帯の遮断周波数の)減衰量の制御方法及び(第1の無線通信方式の受信信号の通過域の)挿入損失の制御方法について説明する。
判定結果が受信感度点付近の弱電界の場合、第1受信回路620は十分なS/Nが確保できていない。よって、送信信号除去フィルタ623による、第1の無線通信方式の受信信号の通過域の挿入損失が生じると、第1受信回路620のNF(雑音指数:Noise Figure)が劣化し、受信感度劣化が起こってしまう。
逆に、判定結果が、受信感度点付近の弱電界より十分高い受信信号をアンテナから受信している場合は、第1受信回路620は十分なS/Nが確保できていることから、送信信号除去フィルタ623による、第1の無線通信方式の受信信号の通過域の挿入損失が生じても、受信感度劣化は起こらない。
よって、受信感度点付近の弱電界の場合、送信信号除去フィルタ623の周波数特性である図16のグラフLに示すように、第1の無線通信方式の受信信号の通過域の挿入損失Δdを、受信感度の劣化が許容範囲に収められるようにするため、減衰量調整部625により送信信号除去フィルタ623の動作電流の設定を行う。
送信信号除去フィルタ623は、図4に示すノッチフィルタ223Aを用いることにより、送信信号除去フィルタ623の動作電流、即ち図4のノッチフィルタ動作電流(=Q2のエミッタ電流)を設定することにより、送信信号除去フィルタ623のQ値を設定することができる。このQ値は、ノッチフィルタ動作電流(=Q2のエミッタ電流)を大きくすることで大きくなる。その結果、ノッチフィルタ223Aの第1の無線通信方式の受信信号の通過域の挿入損失が小さくなるとともに、ノッチフィルタ223Aの第2の無線通信方式の送信信号の遮断周波数帯の減衰量を大きくすることが可能となる(なお、減衰量調整部により送信信号除去フィルタの動作電流を制御する方法については、第1の実施形態で既に詳しく説明してある。)。
これにより、第2の無線通信方式の送信信号について、遮断周波数f1における減衰量を所要の値k(図16参照)以上確保しつつ、第1の無線通信方式の受信信号の通過域f2の挿入損失Δdを低減できる。
また、判定結果が受信感度点付近の弱電界より十分高い受信信号をアンテナ610から受信している場合、送信電力制御(TPC)信号に応じて、図16の送信信号除去フィルタ623の周波数特性を示すグラフMに示すように、送信信号除去フィルタ623による、第2の無線通信方式の受信信号の遮断周波数f1について、所要の減衰量kが得られるように、送信信号除去フィルタ623の動作電流を制御する。
即ち、判定結果が受信感度点付近の弱電界より十分高い受信信号をアンテナ610から受信している場合は、第1の実施形態と同様に、送信信号除去フィルタ623の動作電流調整を行うことで、所要の減衰量kを得ることができ、適切な電流制御が可能となり、低消費電力化で第1の無線通信方式の受信エリアの拡大が可能となる。
次に、図17は、第1の無線通信方式の受信エリアを示した説明図である。
本実施形態に係るマルチモード通信回路100Cを用いた無線通信装置10において、第1の無線通信方式の基地局20から第1の無線通信方式の受信信号を受信しつつ、第2の無線通信方式の基地局30から第2の無線通信方式の送信信号を受信する。すると、無線通信装置10に備えた送信信号除去フィルタ623により、第2の無線通信方式の送信信号帯の遮断周波数の減衰量を適切に制御する。即ち、第1の実施形態で詳細に説明したように、第2の無線通信方式の送信信号が漏れて入り込むことによる、第1の無線通信方式の受信信号を受信する第1受信回路620の飽和を防ぐことにより、第1の無線通信方式の受信エリアを、受信エリアγ1から受信エリアγ2へ拡大させることができる。
また、送信信号除去フィルタ623の第1の無線通信方式の受信信号帯の挿入損失を小さくすることにより、第1の無線通信方式の受信エリアが拡大する効果がある。
図18は、第1の無線通信方式の受信エリアを示した説明図である。本実施形態のマルチモード通信回路100Cを用いた無線通信装置10において、第1の無線通信方式の基地局20から第1の無線通信方式の受信信号を受信する。すると、この無線通信装置10に備えた、送信信号除去フィルタ623の第1の無線通信方式での受信信号帯の挿入損失が小さくなることにより、無線通信装置10の受信感度が改善する。従って、第1の無線通信方式の受信エリアを、その受信感度改善量に応じて、受信エリアδ1から受信エリアδ2へ拡大させることができる。
従って、送信電力の大きさを示す送信電力制御(TPC)信号と受信電界強度を示すRSSI信号の両信号を用い、送信信号除去フィルタ623の第2の送信信号の遮断周波数帯の減衰量を得つつ第1の受信信号の通過域の挿入損失を制御する動作と、送信信号除去フィルタ623の遮断周波数fcの減衰量について所要の減衰量が得られる適切な動作電流で送信信号除去フィルタ623を動作させることにより、送信信号除去フィルタ623の不必要な動作電流を削減し低消費電力化を行う動作と、を適宜切り替えることにより、第2アンテナ710から第1アンテナ610へ漏れこむ第2の無線通信方式の送信信号を送信信号除去フィルタ623で除去しつつ、第1無線通信回路600の受信感度劣化を防ぎ、良好な受信特性を低消費電力化で実現できる。また、第1の無線通信方式の受信エリアを拡大できる効果も同時に有する。
ところで、従来は、受信感度劣化を防ぐために、第2無線通信回路の送信中に常にノッチフィルタに10mA程度の非常に大きな電流を流す必要があり、第1無線通信回路の全体電流約40mAに対する割合が非常に大きいので、マルチモード通信回路の電池寿命が短くなってしまう。そこで、通常は、1〜2dB程度の受信感度劣化を許す一方、ノッチフィルタの動作電流を約2mAに抑えるように構成し、換言すれば受信感度を犠牲にすることにより、受信感度と低消費電力の両立を図っていた。
しかし、本実施形態を用いれば、第1無線通信回路600の受信信号レベルが受信感度点付近の弱電界のときのみ10mA程度の電流を通電すればよく、第1無線通信回路600の受信信号レベルが受信感度点付近よりも十分に高いときは、第2無線通信回路700の送信電力制御(TPC)信号に応じてノッチフィルタの動作電流を制御することにより、ノッチフィルタの動作電流を1mA以下に抑えることができるので、マルチモード通信回路100Cについて、低消費電力で良好な受信品質を得る効果がある。
従って、本実施形態によれば、第1の無線通信方式の受信電界強度を示すRSSI信号と第2の無線通信方式の送信電力信号(TPC)の大きさに応じて、受信回路に備えられた、送信信号除去フィルタの動作電流制御を行い、送信信号除去フィルタ623の第2の無線通信方式の送信信号帯の減衰量を調整することで、送信信号除去フィルタ623の第1の無線通信方式の受信信号帯域の挿入損失を小さくしつつ、第2アンテナ710から第1アンテナ610へ漏れる第2の無線通信方式の送信信号を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、第1の無線通信方式での第1受信回路620の受信信号レベルが、受信感度点付近の弱電界の場合に、送信信号除去フィルタ623による第1の無線通信方式の受信信号帯域の挿入損失を小さくすることで、第1受信回路620の受信感度劣化を防ぎつつ、第2の無線通信方式での送信信号が入力された場合においても第1受信回路620が飽和することなく、低消費電力化で良好な受信特性を得ることが可能となる。これにより、第1通信回路620の低消費電力化を実現しつつ、第1の無線通信方式の受信エリアを拡大できる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施し得るものである。
即ち、本実施形態では、RSSI信号の電圧値により、第1受信回路の受信電界判定を行う方法について述べたが、この方法については、RSSI信号の電圧に限定して行うものではなく、電圧以外の手段で行うようにしてもよい。
また、第1乃至第3の実施形態では、テレビ受信機と携帯電話の2つの無線通信方式に対応したマルチモード通信回路について説明してきたが、本発明のマルチモード通信回路には、2つ以上の無線通信方式に対応したマルチモード通信回路も含まれる。
また、第1乃至第3の実施形態では、第1無線通信回路を受信回路のみの構成で説明したが、第1無線通信回路に送信回路を備え、第1アンテナから第1無線通信方式の送信信号を出力してもよいことは勿論である。
本発明のマルチモード通信回路は、同時に2つ以上の無線通信方式の通信を行う際に、一方の無線通信方式からもう一方への無線通信方式への干渉を抑制することができるので、無線特性を改善することができ、しかも低消費電力化も図ることができるので、電池寿命及び通信時間を長く確保することができ、携帯性に優れた効果を有することができるようになり、このマルチモード通信回路を備えたテレビ受信機能付き携帯電話機などの無線通信装置、或いはこれらを用いた無線通信システム等に有用である。
本発明の第1の実施形態に係る2つの無線通信回路を備えたマルチモード通信回路の構成を示すブロック図 第1の実施形態に係る送信電力制御信号対送信信号除去フィルタの減衰量特性の関係を示す説明図 第1の実施形態に係る送信信号除去フィルタの動作電流を示す説明図 第1の実施形態に係るノッチフィルタの構成を示す回路図 第1の実施形態に係るノッチフィルタの遮断周波数の減衰量に対するノッチフィルタ動作電流の関係を示す説明図 第1の実施形態に係る送信電力制御信号と送信信号除去フィルタの減衰量特性との関係を示す説明図 第1の実施形態に係るノッチフィルタ周波数特性を示すグラフ 同ノッチフィルタの減衰量設定テーブルを示す説明図 本発明の第2実施形態に係る複数の無線通信回路を備えたマルチモード通信回路の構成を示すブロック図 第2実施形態に係るPLL回路を示す回路図 第2実施形態に係るVt電圧とVCO出力周波数との関係を示すグラフ 第2実施形態に係るVvar端子電圧とノッチフィルタの遮断周波数との関係を示すグラフ 第2実施形態に係るVt電圧とVCO出力周波数特性との関係を示すグラフ 本発明の第3実施形態に係る複数の無線通信回路を備えたマルチモード通信回路の構成を示すブロック図 第3実施形態に係るRSSI信号電圧とBERとの関係を示すグラフ 第3実施形態に係るノッチフィルタの周波数特性を示すグラフ 第3実施形態に係る無線通信システムを示す説明図 第3実施形態に係る無線通信システムを示す説明図 従来のマルチモード通信回路の構成を示すブロック図 従来のノッチフィルタを示す回路図 従来のノッチフィルタの通過特性を示すグラフ 従来のノッチフィルタの消費電流特性を示すグラフ
符号の説明
100A、100B、100C マルチモード通信回路
200、400、600 第1無線通信回路
210、410、610 第1アンテナ
220、420、620 第1受信回路
221、421、621 帯域制限フィルタ
222、422、622 高周波増幅器
223、423、623 送信信号除去フィルタ
224、424、624 直交復調器
225、425、625 送信信号除去フィルタ減衰量調整部(減衰量調整部)
226A、426A、626A 増幅器
226B、426B、626B 増幅器
227A、427、627 帯域制限フィルタ
227B、428、628 帯域制限フィルタ
230、430、630 第1局部発振信号生成部
240、440、640 第1ベースバンド部
300、500、700 第2無線通信回路
310、510、710 第2アンテナ
320、520、720 アンテナ共用器
321、521、721 送信用フィルタ
322、522、722 受信用フィルタ
330、530、730 送信回路
331、531、731 電力増幅器
332、532、732 可変利得増幅器
333、533、733 帯域制限フィルタ
334、534、734 直交変調器
340、540、740 第2受信回路
350、550、750 第2局部発振信号生成部
360、560、760 第2ベースバンド部
361、561、761 送信電力制御部
641 受信電界レベル検知部
T テーブル

Claims (7)

  1. 2つ以上の無線通信方式で通信を行うマルチモード通信回路であって、
    第1の無線通信方式の通信信号を受信する第1アンテナと、
    前記第1アンテナで受信した受信信号を復調する受信回路と、
    前記第1の無線通信方式とは異なる第2の無線通信方式の通信信号を送信する送信回路と、
    前記送信回路から出力された送信信号を送信する第2アンテナと、
    を備えるとともに、
    前記受信回路は、
    前記第1アンテナで受信した前記受信信号に含まれる、前記第2アンテナからの前記送信信号の周波数帯の信号を、減衰させる送信信号除去フィルタと、
    前記送信信号除去フィルタにより減衰させる、前記第2アンテナからの前記送信信号が含まれる周波数帯での減衰量を、前記送信信号の送信電力に応じて、前記送信信号除去フィルタに供給する電流を変化させることにより、調整する減衰量調整部と、
    を備えるマルチモード通信回路。
  2. 2つ以上の無線通信方式で通信を行うマルチモード通信回路であって、
    第1の無線通信方式の通信信号を受信する第1アンテナと、
    前記第1アンテナで受信した受信信号を復調する受信回路と、
    前記第1の無線通信方式とは異なる第2の無線通信方式の通信信号を送信する送信回路と、
    前記送信回路から出力された送信信号を送信する第2アンテナと、
    を備えるとともに、
    前記受信回路は、
    前記第1アンテナで受信した前記受信信号に含まれる、前記第2アンテナからの前記送信信号の周波数帯の信号を、減衰させる送信信号除去フィルタと、
    前記送信信号除去フィルタに供給する電流値に応じて、前記送信信号除去フィルタにより減衰させる減衰量を、減衰量設定用のテーブルとして記憶した記憶手段と、
    前記第2アンテナからの前記送信信号の周波数と前記第1アンテナで受信した前記受信信号の周波数のうち少なくとも1つ以上の周波数に応じて、前記記憶手段が前記テーブルに記憶した前記送信信号除去フィルタに供給する電流値情報に基づき、前記送信信号除去フィルタに供給する電流を変化させることにより、前記送信信号が含まれる周波数帯の前記送信信号除去フィルタにより減衰させる減衰量を調整する減衰量調整部と、
    を備えるマルチモード通信回路。
  3. 2つ以上の無線通信方式で通信を行うマルチモード通信回路であって、
    第1の無線通信方式の通信信号を受信する第1アンテナと、
    前記第1アンテナで受信した受信信号を復調する受信回路と、
    前記第1の無線通信方式とは異なる第2の無線通信方式の通信信号を送信する送信回路と、
    前記送信回路から出力された送信信号を送信する第2アンテナと、
    を備えるとともに、
    前記受信回路は、
    前記第1アンテナで受信した前記受信信号に含まれる、前記第2アンテナからの前記送信信号の周波数帯の信号を、減衰させる送信信号除去フィルタと、
    前記送信信号の周波数と前記受信信号の周波数のうち少なくとも1つ以上の周波数に応じて、前記送信信号が含まれる周波数帯での、前記送信信号除去フィルタにより減衰させる遮断周波数を調整する遮断周波数調整部と、
    を備えるマルチモード通信回路。
  4. 2つ以上の無線通信方式で通信を行うマルチモード通信回路であって、
    第1の無線通信方式の通信信号を受信する第1アンテナと、
    前記第1アンテナで受信した受信信号を復調する受信回路と、
    前記第1の無線通信方式とは異なる第2の無線通信方式の通信信号を送信する送信回路と、
    前記送信回路から出力された送信信号を送信する第2アンテナと、
    を備えるとともに、
    前記受信回路は、
    前記第1アンテナで受信した前記受信信号に含まれる、前記第2アンテナからの前記送信信号の周波数帯の信号を、減衰させる送信信号除去フィルタと、
    前記送信信号除去フィルタでの前記受信信号の通過周波数帯における挿入損失を、前記受信信号の受信電界強度に応じて、前記送信信号除去フィルタに供給する電流を変化させることで調整する減衰量調整部と、
    を備えるマルチモード通信回路。
  5. 2つ以上の無線通信方式で通信を行うマルチモード通信回路であって、
    第1の無線通信方式の通信信号を受信する第1アンテナと、
    前記第1アンテナで受信した受信信号を復調する受信回路と、
    前記第1の無線通信方式とは異なる第2の無線通信方式の通信信号を送信する送信回路と、
    前記送信回路から出力された送信信号を送信する第2アンテナと、
    を備えるとともに、
    前記受信回路は、
    前記第1アンテナで受信した前記受信信号に含まれる、前記第2アンテナからの前記送信信号の周波数帯の信号を、減衰させる送信信号除去フィルタと、
    前記送信信号除去フィルタによる、前記受信信号の通過周波数帯における挿入損失と前記送信信号の遮断周波数帯における減衰量とを、前記受信信号の受信電界強度と前記送信信号の送信電力に応じて、前記送信信号除去フィルタのQ値を変化させることで調整する減衰量調整部と、
    を備えるマルチモード通信回路。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載のマルチモード通信回路を備えた無線通信装置。
  7. 請求項1〜5の何れか1項に記載のマルチモード通信回路、若しくは請求項6に記載の無線通信装置を備えた無線通信システム。
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