JP6584981B2 - 凝集沈殿処理装置及び凝集沈殿処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、充填材及び凝集沈殿処理装置に関する。
廃水に対して凝集剤を添加することで有機物等を凝集沈殿させて分離する凝集沈殿槽として、例えば、特許文献1のようなスラッジブランケット型凝集沈殿槽が知られている。スラッジブランケット型凝集沈殿槽は、凝集剤が添加された流入水が上昇するに伴ってフロックが成長するブランケット状のフロック成長ゾーン(スラッジブランケット)を有するスラッジブランケット部と、スラッジブランケット部の下方から流入水を供給するディストリビュータと、を有している。
特開2010−274199号公報
スラッジブランケット型の凝集沈殿処理装置では、通常運転時にはスラッジブランケットの上方の界面がディストリビュータよりも十分高い位置となっている。しかしながら、何らかの事情で流入水の流量が低下すると、スラッジブランケットが収縮して、スラッジブランケットの界面が低下し、処理水質が悪化する可能性が考えられる。
本発明は上記を鑑みてなされたものであり、スラッジブランケットの界面の低下を抑制することが可能な充填材及びこの充填材が用いられた凝集沈殿処理装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る充填材は、凝集沈殿処理に用いられる充填材であって、スラッジブランケット内のスラッジよりも比重が大きいことを特徴とする。
上記の充填材は、スラッジブランケット内のスラッジよりも比重が大きいため、凝集沈殿処理を行う凝集沈殿処理槽に投入すると、スラッジブランケットの底上げをすることができ、スラッジブランケットの界面の低下を抑制することが可能となる。
ここで、上記の充填材は、一の方向から見たときの断面において、外部と連続した空間が形成されている態様とすることができる。
上記のように、一の方向から見たときの断面において、外部と連続した空間が形成されている態様とした場合、スラッジブランケット内に充填材が投入された場合に、充填材により形成された空間や隣接する充填材同士の隙間にスラッジが流入しやすくなり、スラッジブランケットの界面の高さを好適に維持しつつ、スラッジの分散及び混合を促進することができる。
また、上記の充填材は、筒状部を有している態様とすることができる。
上記のように、充填材が筒状部を有している場合、筒状部の内側にスラッジが流入しやすくなり、スラッジブランケットの界面の高さを好適に維持しつつ、スラッジの分散及び混合を促進することができる。
また、上記の充填材は、重心が偏っている態様とすることができる。
上記のように、充填材の重心が偏っている場合、スラッジブランケットにおいて原水の流入水量が低下し、スラッジブランケットが収縮する際に、重心に応じた向きで滞留することになる。これにより、例えば、充填材内にスラッジが入り込まないような向きで充填材を滞留させる等、スラッジブランケットの界面の高さを維持するために好適な向きで充填材を滞留させることが可能となり、原水の流入水量が低下し、スラッジブランケットが収縮する際のスラッジブランケットの界面の低下を抑制することが可能となる。
また、本発明の一形態に係る凝集沈殿処理装置は、凝集フロックを含む流入水を供給し、スラッジブランケットを通過させることで、前記流入水から凝集フロックを分離除去する凝集沈殿槽を有し、前記凝集沈殿槽内に上記の充填材が投入されていることを特徴とする。
上記の凝集沈殿処理装置によれば、スラッジブランケット内のスラッジよりも比重が大きい充填材が凝集沈殿処理槽に投入されるため、スラッジブランケットの収縮時にスラッジブランケットの底上げをすることができ、スラッジブランケットの界面の低下を抑制することが可能となる。
本発明によれば、スラッジブランケットの界面の低下を抑制することが可能な充填材及びこの充填材が用いられた凝集沈殿処理装置が提供される。
本発明の一実施形態に係る凝集沈殿処理装置の凝集沈殿処理装置を示す断面図である。 充填材の構成例を説明する図である。 充填材が滞留している際の向きについて説明する図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る凝集沈殿処理装置の凝集沈殿槽を示す断面図である。本実施形態に係る凝集沈殿処理装置は、所謂「スラッジブランケット型」と称される凝集沈殿槽を有している。スラッジブランケット型凝集沈殿槽は、槽内に上昇水流による凝集フロックの流動層(スラッジブランケット)を形成し、その流動層内に、凝集フロックを含む流入水を通過させるものである。このとき、小さな凝集フロックは、流動層における大きな凝集フロックに捕捉されて大きくなり、沈降速度が速まる。これにより、スラッジブランケット型凝集沈殿槽への流入水は、処理水と汚泥に分離され、それぞれ槽外に排出される。なお、流動層に滞留する凝集フロック等のことをスラッジという。
図1に示す凝集沈殿処理装置100は、凝集フロックを含む流入水を導入し、スラッジブランケットSにおいて、凝集フロックを成長させることで、固形物としての凝集フロックを処理水から分離除去する機能を有する。凝集沈殿処理装置100に導入される流入水は、有機性排水等の原水に対して、例えばPAC(ポリ塩化アルミニウム)等の無機凝集剤と、例えば高分子凝集剤と、が供給されたものとすることができる。原水に対して凝集剤を混合させることで、凝集フロックが生成される。
本実施形態の凝集沈殿処理装置100は、図1に示すように、有底円筒状の下筒水槽1と、この下筒水槽1の上方に設けられた有底円筒状の上筒水槽2と、を備える。この凝集沈殿処理装置100にあっては、上筒水槽2の底部が下筒水槽1の底部から上方に所定長離隔しており、2重水槽構造を呈している。なお、本実施形態では、下筒水槽1及び上筒水槽2を円筒状としているが、角筒状であってもよい。
下筒水槽1と上筒水槽2とは軸線Lに沿って同軸に配置されている。そして、下筒水槽1と上筒水槽2とは、下筒水槽1及び上筒水槽2の外周の一部に設けられて、軸線Lに沿って上下方向に延びる流路3によって接続されている。流路3は、上筒水槽2の側壁21の外方において、下筒水槽1の側壁11に形成された開口12と、上筒水槽2の側壁21に設けられた開口22と、を囲うように上下方向に延びる流路壁31によって形成される。なお、下筒水槽1及び上筒水槽2の外周のうち流路3が形成されていない領域では、下筒水槽1の側壁11及び上筒水槽2の側壁21が凝集沈殿処理装置100の外壁を形成する。
図1に示す凝集沈殿処理装置100では、流路3の上方が開放されている構成について示しているが、閉じた構成であってもよい。また、流路3は、上筒水槽2の側壁21に設けられた開口22と下筒水槽1の開口12とを接続している例を示しているが、上筒水槽2の径が下筒水槽1よりも小さい等の場合には、流路3の形状を適宜変更することができる。
下筒水槽1と上筒水槽2との間には、上筒水槽2の底部を形成する中間底板23が設けられる。この中間底板23は、下筒水槽1の天面となる。
凝集沈殿処理装置100の軸線L上には、センターシャフト40が配置されている。センターシャフト40の外側には、センターシャフト40を囲むようにフィードパイプ41が設けられている。フィードパイプ41は、流入水配給管42に連結される。流入水配給管42は、凝集沈殿処理装置100の外壁を形成する上筒水槽2の側壁21を貫通して外側に突き出し、上流側と接続される。流入水配給管42の内部とフィードパイプ41の内部とは連通している。
フィードパイプ41は、上下方向で上部41aと下部41bとに分けられており、上部41aと下部41bとの間は、接続部43により接続されている。接続部43としては、例えば、ラビリンス構造のシール、シール材によるシール、ロータリジョイント等を用いることができる。フィードパイプ41は、その上部41aの側面で流入水配給管42と接続されていて、固定されている。一方、フィードパイプ41の下部41bは、センターシャフト40に対して接続されていて、センターシャフト40と共に回転可能とされている。フィードパイプ41の下部41bには、ディストリビュータ44(分散管)が設けられている。ディストリビュータ44には、複数の流入水吐出口44aが形成されている。ディストリビュータ44は、流入水吐出口44aを上筒水槽2の底部を形成する中間底板23側に向けた状態でセンターシャフト40と共に回転可能とされている。すなわち、センターシャフト40の回転と共に、フィードパイプ41の下部41b及びディストリビュータ44が回転する。
センターシャフト40は、ロータリジョイント等により中間底板23を貫通して、さらに下方へ延びる。センターシャフト40の下端には、濃縮汚泥掻寄機45が設けられている。センターシャフト40の回転に伴って濃縮汚泥掻寄機45も回転する。濃縮汚泥掻寄機45は、凝集沈殿処理装置100の外壁を形成する下筒水槽1の底面13上に設けられ、底面13に堆積した濃縮汚泥を中央に掻き寄せる。掻き寄せられた濃縮汚泥は、排出口14から外方に排出する。
凝集沈殿処理装置100では、上筒水槽2内には、ディストリビュータ44から流入される流入水によって形成される上昇水流により、上筒水槽2内の開口22よりも下側の領域に、凝集フロックによるスラッジブランケットSが形成される。また、上筒水槽2の開口22と下筒水槽1の開口12とを接続する流路3内は、汚泥(スラッジブランケットSで発生した余剰スラッジ)を沈降する沈降ゾーンZ1として機能する。また、下筒水槽1内の濃縮汚泥掻寄機45が設けられている領域は、余剰スラッジを濃縮する濃縮ゾーンZ2として機能する。
ここで、本実施形態に係る凝集沈殿処理装置100では、スラッジブランケットSが形成される上筒水槽2内に、スラッジよりも比重が大きな充填材50が投入されている。
凝集沈殿処理装置100は、通常運転時には、図1に示すようにスラッジブランケットSの上方の界面S1がディストリビュータよりも十分高い位置となっている。しかしながら、何らかの事情で流入水の流量が低下すると、スラッジブランケットSが収縮して、スラッジブランケットSの界面S1が低下することが考えられる。この場合、凝集フロックの均一化や、スラッジブランケットS内での凝集剤との凝集反応が不十分となり、処理水質が悪化することが考えられる。また、流入水の流入が停止した場合には、流量が低下した場合と同様に、スラッジブランケットSの収縮により界面S1が低下するだけでなく、スラッジブランケットSの界面S1がディストリビュータ44よりも下方となることが考えられる。この場合、運転を再開した時点で上筒水槽2内にスラッジブランケットSが形成されていない状態となってしまう。この場合にも、処理水質が悪化することが考えられる。
これに対して、充填材50は、スラッジとは異なる材料により形成されるものであり、凝集沈殿処理装置100におけるスラッジブランケットSの界面S1の高さの低下を抑制するために、スラッジブランケットSに投入される。これにより、充填材50は、スラッジブランケットSの界面S1の高さを維持する機能を有する。
充填材50は、図1に示すように、スラッジブランケットS内に複数投入される。上述したように、充填材50は、スラッジブランケットSに滞留しながら、スラッジブランケットSの界面S1の高さの維持に寄与することが望まれる。したがって、充填材50は、スラッジブランケットSにおけるスラッジの流動と共に流動可能でありつつ、スラッジブランケットSから処理水又は余剰スラッジと共に流出しないことが必要であり、上記の条件に基づいて、充填材50が選択される。充填材50の材料は特に限定されないが、流入水や汚泥等により破損しない程度の耐久性を有していることが好ましい。このような充填材50の材料としては、例えば、天然ゴム、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)、シリコンゴム、フッ素樹脂等が挙げられる。
一般的に、凝集沈殿処理装置100において形成されるスラッジブランケットSに含まれるスラッジの比重は、1.01〜1.2程度である。充填材50の比重は、スラッジの比重よりも大きく設定される。充填材50が、スラッジの比重に対して1%〜10%大きい比重を有する場合、スラッジブランケットSのスラッジと共に好適に流動することができる。
充填材50の形状は、特に限定されず、例えば、球状、角柱状等とすることができる。その中でも、充填材50は、一の方向から見たときの断面に外部と連続した空間が形成されていることが好ましい。一の方向から見たときの断面に外部と連続した空間が形成されている形状とは、当該方向から見たときの充填材50の断面図において、隣接する材料間が離間していてその間に空間が形成され、当該空間が外部と連続した構造を有していることをいう。例えば、球状のように中実な構造は断面に空間が形成されている形状に該当しない。また、中空な構造を有していても、外部と連続していない構造の場合には、断面に外部と連続した空間が形成されている形状には該当しない。また、平板状の部材の場合には、断面に外部と連続した空間が形成されている形状には該当しないが、平板を折り曲げた構造を有している場合のように、特定の方向から見たときの断面に凹凸があり、部材間に空間が形成されている場合には、一の方向から見たときの断面に外部と連続した空間が形成されている形状に該当する。
一の方向から見たときの断面に空間が形成されている充填材50の形状の例を図2に示す。図2(A)に示す充填材50Aは、円筒状の筒状部51と筒状部51の一方側の端面に形成された底部52とを有している所謂箱型を呈している。この充填材50Aを筒状部51の延在方向に沿った断面で見た場合、筒状部51の内側に空間が形成され、この空間は外部と連続している。
図2(B)に示す充填材50Bは、円筒状の筒状部51を有しているが、充填材50Aのように一方側の端部が閉じた構造を有していない。このような構成であっても、充填材50Bを筒状部51の延在方向に沿った断面で見た場合、筒状部51の内側に空間が形成され、この空間は外部と連続している。
図2(C)に示す充填材50Cは、平板状の部材53を断面が波形となるように複数の折り曲げ線54に沿って山折り及び谷折りを繰り返した形状を有している。このような構成を有する充填材50Cは、折り曲げ線54に対して交差する方向から見た場合、離れて配置された部材53の間に空間が形成され、この空間は外部と連続している。
図2に示す充填材50A〜50Cのように、一の方向から見たときに、隣接する材料間が離間していて、その間に空間が形成される構造を有していることで、これらの充填材50A〜50CがスラッジブランケットS内に複数投入された場合に、当該充填材に形成された空間内や隣接する充填材同士の隙間にもスラッジが流入しやすくなるため、スラッジブランケットSの界面S1の高さを好適に維持しつつ、スラッジの分散及び混合を促進することができる。なお、図2(A)及び図2(B)の充填材50A,50Bのように、筒状部51が円筒である必要はなく、角筒状であってもよい。また、図2(C)では、平板状の部材が折り曲げられた充填材50Cの例を示したが、ハニカム構造のようにより複雑な構造とすることもできる。
上記のように、充填材50には、充填材を構成する部材間の空隙部分(空間が形成される領域)に、スラッジが入りやすい構造及び大きさであることが好ましい。したがって、図2(A)に示す充填材50Aのように箱型の場合、筒状部51の内径を3mm〜50mm程度とし、筒状部51内側の高さ(筒状部51の延在方向の長さ)を3mm〜50mm程度とすることが考えられる。また、図2(B)に示す充填材50Bのように筒型の場合、筒状部51の内径を3mm〜50mm程度とし、筒状部51内側の高さ(筒状部51の延在方向の長さ)を3mm〜50mm程度とすることが考えられる。ただし、上記の寸法は、スラッジの比重や流動性に応じても適宜変更することができる。
また、上筒水槽2内へ投入される複数の充填材50は、その形状が一種類であってもよいし、互いに異なっていてもよい。充填材50は、上筒水槽2内に投入された後に、互いに重なり合わない状態で存在することが好ましい。したがって、重なり合うことを防ぐ目的から、複数種類の形状を有する充填材50を混在させた状態で上筒水槽2へ投入してもよい。また、外観形状は同じとしながら、大きさ及び重量を互いに異ならせた複数の充填材50を上筒水槽2内へ投入してもよい。この場合、大きさ及び重量等に応じて充填材50が分散するため、スラッジブランケットS内で充填材50を好適に分散させることができると考えられる。
上記の充填材50は、凝集沈殿処理装置100の通常運転時のように、上筒水槽2内をスラッジが流動している場合には、スラッジと共に流動する。このとき、充填材50を一の方向から見たときの断面に外部と連続した空間が形成されている場合には、この空間にもスラッジが出入りする。例えば、充填材50Aの場合には、箱型の充填材50A自身もスラッジ内を回転しながら流動し、この際には、スラッジが筒状部51の内側にも出入りすると考えられる。また、充填材50Bの場合には、充填材50B自身もスラッジ内を回転しながら流動すると共に、スラッジが筒状部51の内側を流通すると考えられる。また、充填材50Cの場合にも、充填材50C自身もスラッジ内を回転しながら流動すると共に、折り曲げ線54によって形成された部材53の溝部分等をスラッジが移動する。このように、充填材50自身がスラッジと共に流動することで、凝集フロックの均一化や凝集反応が促進される。
一方、スラッジの流動が停止すると、スラッジの比重よりも大きい充填材50は、スラッジブランケットSの下方側へ移動し、滞留する。充填材50がスラッジブランケットSの下方側に沈んだ状態で滞留することで、充填材50が上筒水槽2内におけるスラッジブランケットSを底上げする部材として機能する。したがって、流入水の水量の低下等に伴ってスラッジブランケットSが収縮したとしても、スラッジブランケットSの界面S1が低下することを防ぐ。
上筒水槽2内への充填材50の投入量は特に限定されないが、スラッジブランケットSの収縮により、スラッジブランケットSの界面S1がディストリビュータ44の上面よりも下方になってしまうと、ディストリビュータ44からの流入水が上方へ移動する際に処理水と汚泥との分離を促進するスラッジブランケットSが存在しない状態となることが考えられる。したがって、例えば、上筒水槽内に水が存在しない場合に、充填材50の高さがディストリビュータ44の上面よりも高くなるように充填材50を投入する構成とすることができる。このような構成とすることで、充填材50によりスラッジブランケットSを底上げし、ディストリビュータ44上にスラッジブランケットSが存在する状態を好適に維持することができる。
なお、充填材50を、その重心が偏っている形状とすることで、充填材50のスラッジブランケットSを底上げする部材としての機能をより高めることができる。特に、図2(A)に示す充填材50A及び図2(B)に示す充填材50Bのように、筒状部51の内側に空間が形成されている形状を有している場合、スラッジの流動が減少又は停止した際に、筒状部51内の空間にスラッジが入り込むのを防ぐような向きで充填材がスラッジブランケットSの下方側で滞留することが好ましい。
上記のように、スラッジが内部に入り込んだ状態で充填材50がスラッジブランケットSの下方側に滞留することを防ぐためには、以下の方法を用いることができる。例えば、図2(A)に示すような箱型の充填材50Aの場合には、筒状部51における開放端55(底部52とは逆側の端部)が沈むように開放端55側に重心が偏るような構造とする方法が挙げられる。この場合、図3(A)に示すように、スラッジブランケットSの流動が停止した状態では、中間底板23上で開放端55が下側を向いた状態で充填材50Aが滞留する。そのため、筒状部51の内部に上方からスラッジSL(図3(A)参照)が入り込むことを防ぐことができる。したがって、スラッジブランケットSの界面S1の低下を抑制する効果が高められる。
また、図2(B)に示すような筒状部51の両端が開放している充填材50Bの場合には、中間底板23上で筒状部51自体の外面が下方となって(筒状部51の側面が上筒水槽2の底面と平行の状態で)沈むように、筒状部51の延在方向に沿って比重が特に大きい高比重部56を配置した構造とする方法が挙げられる。この場合、図3(B)に示すように、スラッジブランケットSの流動が停止した状態では、高比重部56が上筒水槽2の底面側に沈んだ状態で充填材50Bが滞留する。そのため、筒状部51は上下方向ではなく、上筒水槽2の底面と平行な方向に延びるため、筒状部51の内部に上方からスラッジSL(図3(B)参照)が入り込むことを防ぐことができる。したがって、スラッジブランケットSの界面S1の低下を抑制する効果が高められる。
このように、充填材50の形状によっては、スラッジブランケットSの流動が停止した状態において内側にスラッジが入り込まないような傾きで滞留できるように、充填材50の重量に偏りを持たせることで、スラッジブランケットS自体を底上げする効果を高めることができ、スラッジブランケットSの界面S1の低下を抑制する効果が高められる。
以上のように、本実施形態に係る充填材50によれば、スラッジブランケットS内のスラッジよりも比重が大きく、充填材50が凝集沈殿処理装置100の上筒水槽2(凝集沈殿処理槽)に投入されると、スラッジブランケットSの底上げをすることができる。したがって、スラッジブランケットSの界面S1の低下を抑制することが可能となる。
また、充填材50が、一の方向から見たときの断面において、外部と連続した空間が形成されている態様である場合、スラッジブランケットS内に充填材50が投入された場合に、充填材50により形成された空間や隣接する充填材同士の隙間にスラッジが流入しやすくなる。したがって、スラッジブランケットSの界面S1の高さを好適に維持しつつ、スラッジの分散及び混合を促進することができる。
また、充填材50A,50Bのように、筒状部51を有している場合、筒状部51の内側にさらにスラッジが流入しやすくなる。したがって、スラッジブランケットSの界面S1の高さを好適に維持しつつ、スラッジの分散及び混合を促進することができる。
また、充填材50の重心が偏っている構成をさらに備えていると、スラッジブランケットSにおいて充填材50が滞留する際に、重心に応じた向きで滞留することになる。したがって、例えば、図3(A),(B)等に示したように、充填材50内にスラッジが入り込まないような向きで充填材を滞留させることが可能になる。このように、充填材50の重心が偏っている構成とすることで、スラッジブランケットSの界面S1の高さを維持するために好適な向きで充填材を滞留させることが可能となり、特にスラッジが滞留している際のスラッジブランケットSの界面の低下を抑制することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、凝集沈殿処理装置の構成は、上記実施形態の構成には限定されない。上記実施形態では、凝集沈殿処理装置100が2重水槽構造である場合について説明したが、少なくとも凝集沈殿槽を有していればよく、その他の構造は適宜変更することができる。
1…下筒水槽、2…上筒水槽、50,50A〜50C…充填材、100…凝集沈殿処理装置。

Claims (5)

  1. 凝集フロックを含む流入水を供給し、スラッジブランケットを通過させることで、前記流入水から凝集フロックを分離除去する凝集沈殿槽と、
    前記凝集沈殿槽内に投入される充填材と、
    を有する凝集沈殿処理装置であって、
    前記充填材は、前記スラッジブランケット内のスラッジよりも比重が大きく、前記スラッジの流動と共に流動可能である凝集沈殿処理装置。
  2. 前記充填材は、一の方向から見たときの断面において、外部と連続した空間が形成されている請求項1に記載の凝集沈殿処理装置。
  3. 前記充填材は、筒状部を有している請求項1又は2に記載の凝集沈殿処理装置。
  4. 前記充填材は、重心が偏っている請求項1〜3のいずれか一項に記載の凝集沈殿処理装置。
  5. 凝集フロックを含む流入水を供給し、スラッジブランケットを通過させることで、前記流入水から凝集フロックを分離除去する凝集沈殿槽を用いた凝集沈殿処理方法であって、 前記凝集沈殿槽内に、前記スラッジブランケット内のスラッジよりも比重が大きく、前記スラッジの流動と共に流動可能な充填材を投入する凝集沈殿処理方法。
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