JP6492365B2 - 凝集沈殿処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、凝集沈殿処理装置に関する。
凝集沈殿処理装置の一例として、以下の特許文献1に記載の装置が知られている。この凝集沈殿処理装置には、沈殿槽内に被処理水(原水)を均一に供給するためのディストリビュータが、回転可能な下側センターウェルに取り付けられており、回転するディストリビュータから流出された被処理水中のフロックや粒子が、ブランケット状に浮遊した状態で形成されたスラッジ(汚泥)ゾーンを通過することによって該スラッジに捕捉されると共に、スラッジゾーンを通過することにより凝集したフロックがスラッジゾーン下に沈殿し濃縮されることにより、被処理水をろ過分離している。上記凝集沈殿処理装置には、上記回転可能な下側センターウェルと、固定された上側センターウェルとの間をシールするためのゴム板が摺接可能に設けられている。このゴム板により、上側センターウェルから下側センターウェルへ流れる被処理水が、ディストリビュータを介さずに沈殿槽内に流出することが防止されている。
特開2002−126407号公報
しかしながら、特許文献1のゴム板のように、回転する下側センターウェルと、固定された上側センターウェルとの間を封止するためにシール部材が相手側の部材と摺接する場合、該シール部材が経時により摩耗してシール性能が劣化するので、シール部材の交換など定期的なメンテナンスが必要となる。また、シール部材が摩耗し漏れが発生したまま凝集沈殿処理装置を駆動した場合、処理水が濁りやすくなり、該処理水の清澄度が低下するおそれがある。
本発明は上記を鑑みてなされたものであり、処理水の清澄度の低下を抑制することができる凝集沈殿処理装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る凝集沈殿処理装置は、被処理水が流入して流れる流路を形成するセンターウェルと、回転可能に設けられ、前記流路からの前記被処理水を分散流出させるための回転体と、前記センターウェルと前記回転体との間に設けられ、前記流路に流入した前記被処理水中の浮遊固形物を捕捉可能なスラッジブランケット部と、を備えることを特徴とする。
上記の凝集沈殿処理装置によれば、センターウェルと回転体との間から被処理水が流路の外側に出る場合であっても、スラッジブランケット部が被処理水中の浮遊固形物を捕捉するため、浮遊固形物が流路の外側の処理水と混じることを防ぐことができるため、処理水の清澄度の低下を抑制することができる。
ここで、前記センターウェルの下方に前記回転体が設けられ、前記スラッジブランケット部は、前記回転体側に形成された受け部を有し、前記センターウェルの下端が前記スラッジブランケット部におけるスラッジ濃縮ゾーン内に配置される態様とすることができる。
この場合、下方側に設けられた回転体側に受け部を設けることで、受け部上にスラッジが滞留するためにスラッジ濃縮ゾーンが好適に形成される。また、スラッジ濃縮ゾーン内にセンターウェルの下端が配置される場合、センターウェルと回転体との間から被処理水が流路の外側に出る際に、被処理水は必ずスラッジ濃縮ゾーンを通過することになる。したがって、被処理水とスラッジ濃縮ゾーンとが好適に接触し、浮遊固形物の捕捉が促進されるため、処理水の清澄度の低下を更に抑制することができる。
また、前記受け部は上方に開放された凹部である態様とすることができる。
このように、受け部が凹部である場合、凹部を形成する側壁部分によってスラッジ濃縮ゾーンの移動を規制することができるため、スラッジブランケット部におけるスラッジ濃縮ゾーンを好適に保持することができる。したがって、被処理水中の浮遊固形物をより好適に捕捉することができ、処理水の清澄度の低下を更に抑制することができる。
さらに、前記センターウェルの下端には切欠き部が形成されている態様とすることができる。
上記のように、切欠き部を設けることで、切欠き部が設けられている箇所は設けられていない箇所と比較してセンターウェルと回転体との隙間が大きくなり、流路からの被処理水の流出量が大きくすることができる。何らかの事由により、センターウェルの底部と回転体との隙間の大きさに偏りが生じた場合、センターウェルと回転体との間から外部に流れる被処理水の水量に偏りが生じ、外部に偏流が生じる可能性がある。これに対して、切欠き部を設けてある程度の流出量を確保することで、隙間の大きさの偏りに由来する流出量の偏りを吸収することができるため、偏流の発生を抑制し、外部における均一な流動状態を保つことができる。また、装置に振動が生じること等を防ぐことができ、装置全体の駆動の安定化を実現することができる。
本発明によれば、処理水の清澄度の低下を抑制することができる凝集沈殿処理装置が提供される。
図1は、本発明の実施形態に係る凝集沈殿処理装置を示す概略断面図である。 図2(A)、図2(B)は、凝集沈殿処理装置におけるスラッジブランケット部の構成例を示す図である。 図3(A)及び図3(B)は、凝集沈殿処理装置のセンターウェルの下端に切欠き部を入れた例を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る凝集沈殿処理装置を示す概略断面図である。図1に示すように、凝集沈殿処理装置100は、沈殿槽1内に、汚水等の被処理水を流入する(導入する)被処理水流入部2、被処理水中のフロックや粒子(これらを総称して浮遊固形物という)を捕捉するためのスラッジがブランケット状に浮遊した状態で形成されたスラッジゾーン(スラッジブランケット)を有する分離処理部3、及び分離処理部3を通過することにより凝集したフロックが分離処理部3下に沈殿し濃縮される濃縮部4が配置された、所謂スラッジブランケット型の凝集沈殿処理装置である。分離処理部3のスラッジ濃縮ゾーンS1の上方には上澄みである清澄層5が形成され、清澄された処理水は、該装置の上部側に位置する処理水排出部6より排出される。また、濃縮部4に沈殿し濃縮されたフロック(汚泥)は、沈殿槽1の底部中央から汚泥排出部7を介して排出される。
被処理水流入部2は、水平方向に延びて沈殿槽1の周壁1aを貫通して内部に進入し、該被処理水を沈殿槽1内に供給する流入管11と、流入管11に接続され、沈殿槽1の中央にて上下方向(高さ方向)に延びるセンターウェル12と、を有する。センターウェル12は、筒状の中空部材であり、その内部に被処理水が流入して流れる流路2aと、当該センターウェル12の周囲に形成された分離処理部3とを区画するための固定部材である。センターウェル12内部には、高さ方向(以下、単に高さ方向とする)に沿って延在するシャフト8が配置されており、該シャフト8は、上端に取り付けられたモータ等の駆動装置9によって軸心周りに回転可能となっている。センターウェル12とシャフト8とは互いに接しておらず、センターウェル12内をシャフト8が貫通している。この被処理水流入部2内の流路2aを流れる被処理水には、凝集沈殿処理装置100よりも上流で凝集剤が添加することができるが、被処理水流入部2にて凝集剤が添加されてもよい。
分離処理部3は、流路2aから後述する回転体41を介して供給される被処理水中の浮遊固形物を、ブランケット状に浮遊するスラッジによって捕捉して凝集するスラッジ濃縮ゾーンS1(スラッジブランケット)を含む領域である。この分離処理部3は、中央に開口部21aが設けられ沈殿槽1内の下部側に水平に配置された底板21と、底板21の外周の端部の一部から上方に向かって突出して延び、周壁1aに連結された側壁22とによって、沈殿槽1内の底板21よりも上方であって側壁22よりも内周側に画成された区画内に収容されている。そして、この底板21よりも上方に、前述したセンターウェル12の下端が位置している。底板21及び側壁22は沈殿槽1における周壁1aに取り付けられた部材、すなわち、固定された部材である。上述したシャフト8は、開口部21aを介して底板21を貫通しており、底板21よりも下方に向かって延出している。
センターウェル12の下方であって底板21より上方には、シャフト8に固定された中空状の回転体41が設けられる。この回転体41は、センターウェル12と連通する中空の中央部、及び該中央部と連通し、径方向に延出された複数のディストリビュータを有する。これにより、センターウェル12内の流路2aから、中央部を介してディストリビュータへ被処理水が流入する。回転体41の各ディストリビュータの下面には、複数の開口部41aが長手方向(水平方向)に沿って設けられており、これらの開口部41aを介して、流路2aから供給された被処理水を分離処理部3が収容される区画内に流出させる。このような回転体41を用いることによって、被処理水は、分離処理部3内に均等に分散して供給される。
濃縮部4は、前述した底板21によって区画されて、分離処理部3の下に位置しており、分離処理部3を上昇流で通過することによって凝集したフロックが、側壁22と周壁1aとの間を通って沈降して濃縮されるフロック沈殿ゾーンである。シャフト8の下端部は、底板21を貫通して濃縮部4内に延在し、当該下端部にはレーキ42が取り付けられている。このレーキ42は、濃縮部4に沈降した汚泥を沈殿槽1内の底面中央に掻き寄せて、汚泥排出部7から回収するために設けられている。
凝集沈殿処理装置100において、固定された底板21と回転するシャフト8との間は、接続部31が設けられている。一方、固定されたセンターウェル12と回転する回転体41との間には、スラッジ濃縮ゾーンS1とは別のスラッジ濃縮ゾーンS2を有するスラッジブランケット部33が設けられている。
接続部31について説明する。高さ方向におけるシャフト8の回転体41と底板21との間には、径方向に広がる円板状の板状部材8aが、当該シャフト8に貫通されて固定されている。この板状部材8aは、シャフト8の一部として構成され、回転体41の中央部の底部を兼ねている。板状部材8aの周端には下方へ突出する環状の外周壁、内周壁、及びこれらを連結する環状部分によって、下方に開放された環状の凹部31aが形成されている。一方、底板21は、その開口の縁から上方へ突出する環状の突出部31bを有している。凹部31aの幅は突出部31bの幅に対応していて、突出部31bが、凹部31aの内部に進入した状態で保持されることで接続部31が形成される。
スラッジブランケット部33は、センターウェル12及び回転体41の間に周方向に沿って環状に設けられている。スラッジブランケット部33について、図2(A)も参照しながら説明する。図1及び図2(A)に示すように、回転する回転体41の上端には、径方向に外側及び内側に広がる環状の延出部材33aが連結される。延出部材33aの径方向内側の端部には、内周壁33bが環状に設けられている。また、延出部材33aの径方向外側の端部には、外周壁33cが環状に設けられている。延出部材33a、内周壁33b及び外周壁33cにより、上方に開放された環状の凹部が形成される。一方、センターウェル12は、その下端12aが、内周壁33b及び外周壁33cの間に配置される。このとき、センターウェル12の下端12aが内周壁33bの上端及び外周壁33cの上端の少なくとも一方よりも下方となるように、センターウェル12が配置される。また、延出部材33aの幅をセンターウェル12の幅(厚み)よりも大きくすることで、センターウェル12が、延出部材33a、内周壁33b及び外周壁33cから離間した状態となる。
上記の構成により、センターウェル12、延出部材33a、内周壁33b及び外周壁33cによって形成された連通路33dが形成される。この連通路33dにスラッジが滞留することによりスラッジ濃縮ゾーンS2が形成される。スラッジは、処理水よりも比重が大きいため、延出部材33a、内周壁33b及び外周壁33cにより囲われた凹部内を滞留する。これにより、延出部材33a、内周壁33b及び外周壁33cにより囲われた凹部内に、スラッジ濃縮ゾーンS2を有するスラッジブランケット部33が形成される。センターウェル12の下端12aが内周壁33bの上端よりも低い場合、スラッジは、センターウェル12と内周壁33bの間に滞留しやすくなる。また、センターウェル12の下端12aが外周壁33cの上端よりも低い場合、スラッジは、センターウェル12と外周壁33cの間に滞留しやすくなる。このように、センターウェル12の下端12aと、回転体41に連結された延出部材33aから延びる内周壁33b及び外周壁33cとの高さ関係に応じて、スラッジブランケット部33におけるスラッジ濃縮ゾーンS2の配置は変更される。
また、スラッジ濃縮ゾーンS2は、スラッジブランケット部の形状、すなわち、センターウェル12に対して下方に設けられた回転体41側に取り付けられた延出部材、内周壁及び外周壁の形状によってもその配置が変更される。図2(B)は、スラッジブランケット部の形状を変更した例を示している。図2(B)に示すスラッジブランケット部34は、流路2a側の内周壁を備えておらず、且つ、外周壁34cが外方に傾斜している。この場合、スラッジはセンターウェル12の下端12aと延出部材34aとの間よりも外方側、すなわち、外周壁34cとセンターウェル12とにより挟まれた領域にスラッジが滞留するため、スラッジ濃縮ゾーンS2は、図2(B)に示すように、センターウェル12よりも外側にその大部分が形成される。このように、スラッジブランケット部33は、被処理水中のスラッジを捕捉可能な形状をしていればよい。
スラッジ濃縮ゾーンS2を形成するスラッジは、運転開始時等に予めスラッジブランケット部33に導入することができる。また、運転中には、流路2aからスラッジブランケット部33に移動する被処理水から捕捉される浮遊固形物がスラッジ濃縮ゾーンS2に供給される。
なお、スラッジ濃縮ゾーンS2を形成するためには、少なくともスラッジブランケット部33の底板として機能する延出部材33aと、スラッジ濃縮ゾーンS2を支持するための高さ方向に延びる壁部とにより形成された受け部を下方の回転体41側に設けることが好ましい。受け部を設けることで、受け部上にスラッジが滞留するためにスラッジ濃縮ゾーンS2が好適に形成される。また、センターウェル12よりも外側に、延出部材33aと外周壁33cとにより受け部を形成した場合、スラッジ濃縮ゾーンS2をより安定して保持することができる。また、センターウェル12の下端12aがスラッジブランケット部33内、特にスラッジ濃縮ゾーンS2内に存在する場合、連通路33dの少なくとも一部が、スラッジ濃縮ゾーンS2のスラッジにより満たされた状態となる。また、図2(A)に示すように、スラッジブランケット部33の受け部が、上方に開放された凹部となっている場合、凹部の側壁部分によってスラッジ濃縮ゾーンS2の移動を規制することができるため、スラッジ濃縮ゾーンS2をより安定して保持することができる。
本実施形態に係る凝集沈殿処理装置100によれば、固定されたセンターウェル12と回転する回転する回転体41との間に上記のスラッジブランケット部33を設けている。これにより、センターウェル12の内側の流路2aを流れる被処理水の一部がセンターウェル12と回転体41との間から分離処理部3側へ流出する場合に、流出水はスラッジブランケット部33の連通路33dを経由して分離処理部3側へ図2(A)に示す矢印A1のように移動する。このとき、連通路33dにはスラッジ濃縮ゾーンS2が形成されているため、被処理水中の浮遊固形物は、スラッジ濃縮ゾーンS2に捕捉される。そのため、連通路33dを通過した水が浮遊固形物と混合された状態で清澄層5に到達することを防ぐことができる。
従来から、凝集沈殿処理装置におけるセンターウェル12とその下方の回転体41との間のシール性を高めるために種々の工夫が検討されていた。これは、センターウェル12と回転体41との間から被処理水が漏れ出ると処理水の清澄度が低下してしまうためである。被処理水は、回転体41から分離処理部3に対して分散流出された後にスラッジ濃縮ゾーン内を移動することで、浮遊固形物が除去されて清澄度が高められる。ここで、回転体41を通過せずに被処理水が分離処理部3に対して漏れ出ると、処理水の清澄度に影響する。
特に、本実施形態に係る凝集沈殿処理装置100のように、センターウェル12とその下方の回転体41との間の連結部分が、スラッジ濃縮ゾーンS1と清澄層5との界面よりも上方に配置される場合には、スラッジ濃縮ゾーンS1上の清澄層5に対して浮遊固形物を含む被処理水が導入されるため、処理水の清澄度に対して大きく影響を与える。センターウェル12とその下方の回転体41との連結部分がスラッジ濃縮ゾーンS1と清澄層5との界面よりも上方に配置される状況は、装置内への被処理水の流入水量が少ない場合や、装置の運転開始時に発生し得る状況である。また、連結部分がスラッジ濃縮ゾーンS1と清澄層5との界面よりも下方であったとしても、連結部分から漏れ出た被処理水は、それよりも上方のスラッジ濃縮ゾーンS1しか通過できないため、処理が不十分なまま清澄層5に到達し、処理水の清澄度に影響を与える可能性がある。
固定されたセンターウェル12と回転する回転する回転体41との間のシール性を高める方法としては、上述の特許文献1に記載のように両者の間にゴム板を設ける方法や、両者の隙間をできるだけ小さくした上で、流路を曲げることで圧力損失を設ける方法等が知られている。しかしながら、センターウェル12に対して回転体41は回転するため、上記の方法によりセンターウェル12と回転体41との隙間を完全に塞ぐことはほぼ不可能であるといえる。また、運転時の振動等によってセンターウェル12と回転体41とが衝突することによる破損を防ぐ目的から、センターウェル12と回転体41との間に隙間を設けた構造とする場合もあるため、固定されたセンターウェル12と回転する回転する回転体41との間から被処理水が分離処理部3に対して漏れ出ることを完全に防止できる構造は実現できていなかった。
これに対して、本実施形態に係る凝集沈殿処理装置100では、センターウェル12と回転体41との間に隙間が存在する場合に、それを従来のようにシールするのではなく、隙間から漏れ出る被処理水の清澄度を高めた上で分離処理部3に対して排出することにより、処理水の清澄度の低下を抑制する構造を採用している。凝集沈殿処理装置100によれば、被処理水が回転体41を経由せずに分離処理部3に対して流出する場合であっても、スラッジブランケット部33に形成されるスラッジ濃縮ゾーンS2を通過させることにより、被処理水中の浮遊固形物を除去した後に分離処理部3に対して排出することができるため、清澄層5の処理水の清澄度の低下を抑制することができる。また、センターウェル12と回転体41との間にスラッジブランケット部33を設けることによる処理水の清澄度の低下を抑制する効果は、スラッジ濃縮ゾーンS1と清澄層5との界面の高さ位置に関係なく得ることができる。
また、上記の凝集沈殿処理装置100では、スラッジブランケット部33は、延出部材33a、内周壁33b及び外周壁33cにより形成される凹部を含んでいる。これにより、スラッジ濃縮ゾーンS2が凹部に安定して形成されるため、スラッジ濃縮ゾーンS2を被処理水が通過することによる浮遊固形物の除去に係る効果が向上し、処理水の清澄度の低下を抑制する効果が向上する。
また、センターウェル12の下端12aがスラッジブランケット部33内、特にスラッジ濃縮ゾーンS2内に存在する場合、スラッジブランケット部33の連通路33dの少なくとも一部が、スラッジ濃縮ゾーンS2のスラッジにより満たされた状態となる。したがって、被処理水がスラッジ濃縮ゾーンS2を通過することなく分離処理部3側へ排出されることが防止され、処理水の清澄度の低下を抑制する効果が更に向上する。
なお、スラッジ濃縮ゾーンS2による処理水に係る清澄度の低下の抑制効果を高めるには、スラッジ濃縮ゾーンS2を被処理水が通過する時間を長くすることが好ましい。そのための1つの方法として、スラッジブランケット部33の連通路33dを長くすると共に、連通路33dにおけるスラッジ濃縮ゾーンS2が占める割合を高くする方法がある。この構成を実現するためには、例えば、外周壁33cを十分長くする(例えば、通常運転時のスラッジ濃縮ゾーンS1の高さに対応した長さとする)ことが好ましい。これにより、センターウェル12の外面と外周壁33cとの間に形成される連通路33dにおいてスラッジを好適に保持することができる共に、連通路33dを経て分離処理部3へ排出される被処理水から浮遊固形物を好適に除去することができる。
上記の凝集沈殿処理装置100において、センターウェル12の下端12aの形状は特に限定されないが、例えば、切欠き部を設けることもできる。図3(A)及び図3(B)は、切欠き部の例を示す図である。図3(A)は、センターウェル12の下端12aにV字型の切欠き部12bを形成した例である。また、図3(B)は、センターウェル12の下端12aに矩形型の切欠き部12cを形成した例である。センターウェル12の下端12aに切欠き部を設ける場合、切欠き部は、所定の間隔毎に離間していることが好ましい。また、凝集沈殿処理装置100上方から見たときに、切欠き部は、センターウェル12の中心に対して点対称となるように配置されていることが好ましい。このようにセンターウェル12の下端12aに切欠き部が設けられている場合、切欠き部が設けられている箇所は設けられていない箇所と比較してセンターウェル12と回転体41との隙間が大きくなり、流路2aからの被処理水の流出量が大きくなる。仮に、何らかの事由により、センターウェルの底部と回転体との隙間の大きさに偏りが生じた場合、センターウェルの底部に切欠き部が設けられていないと、センターウェルと回転体との間から外部に流れる被処理水の水量にも偏りが生じる。したがって、分離処理部3に想定していない偏流が生じ、流動状態が不均一となる可能性があり、装置に振動が生じる可能性も考えられる。これに対して、切欠き部を設けてある程度の流出量を確保することで、仮にセンターウェルの底部と回転体との隙間の大きさに偏りがあったとしても、偏りに由来する被処理水の流出量の偏りを吸収することができるため、偏流の発生を抑制し、分離処理部3における均一な流動状態を保つことができる。また、偏流の発生を抑制することにより、装置に振動が生じること等を防ぐことができ、装置全体の駆動の安定化を実現することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。例えば、凝集沈殿処理装置100の形状は、上記実施形態で説明した構成に限定されるものではない。
また、上記実施形態では、被処理水流入部2が回転体41に対して上方にある場合について説明したが、被処理水流入部2が回転体41よりも下方に設けられていてもよい。この場合、被処理水流入部を構成するセンターウェルが回転体よりも下方に配置されることになるが、固定されたセンターウェルと回転する回転体との間から被処理水が分離処理部に対して漏れ出る可能性は同じである。したがって、センターウェルと回転する回転体との間にスラッジブランケット部を設けることで、被処理水が分離処理部に対してそのまま排出される場合と比較して処理水の清澄度の低下を抑制することができる。なお、この場合には、スラッジブランケット部においてスラッジ濃縮ゾーンを形成するための受け部は、下方に配置されたセンターウェルに設けられる態様とすることができる。
また、上記実施形態では、分離処理部3にスラッジ濃縮ゾーンS1が形成された所謂スラッジブランケット型の凝集沈殿処理装置100について説明したが、本発明はスラッジブランケット型に限定されない。すなわち、本発明は、固定されたセンターウェルと回転する回転体とが連結された凝集沈殿処理装置に適用することができる。
1…沈殿槽、2…被処理水流入部、2a…流路、3…分離処理部、4…濃縮部、11…流入管、12…センターウェル、31…接続部、33,34…スラッジブランケット部、41…回転体、100…凝集沈殿処理装置。

Claims (4)

  1. 被処理水が流入して流れる流路を形成するセンターウェルと、
    回転可能に設けられ、前記流路からの前記被処理水を沈殿槽に分散流出させるための回転体と、
    前記センターウェルと前記回転体との間に設けられ、前記流路に流入した前記被処理水中の浮遊固形物を捕捉可能であって、前記沈殿槽の側壁よりも内側に設けられた外周壁を含むスラッジブランケット部と、を備える凝集沈殿処理装置。
  2. 被処理水が流入して流れる流路を形成するセンターウェルと、
    沈殿槽内に設けられ、被処理水中の浮遊固形物を捕捉可能な第1のスラッジ濃縮ゾーンを含む分離処理部と、
    回転可能に設けられ、前記流路からの前記被処理水を前記沈殿槽に分散流出させるための回転体と、
    前記センターウェルと前記回転体との間に設けられ、前記流路に流入した前記被処理水中の浮遊固形物を捕捉可能であって、前記第1のスラッジ濃縮ゾーンとは異なる第2のスラッジ濃縮ゾーンを含むスラッジブランケット部と、を備える凝集沈殿処理装置。
  3. 前記センターウェルの下方に前記回転体が設けられ、
    前記スラッジブランケット部は、前記回転体側に形成された受け部を有し、前記センターウェルの下端が前記スラッジブランケット部におけるスラッジ濃縮ゾーン内に配置される請求項1または2に記載の凝集沈殿処理装置。
  4. 前記受け部は上方に開放された凹部である、または、前記センターウェルの下端には切欠き部が形成されている請求項に記載の凝集沈殿処理装置。
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JP4934925B2 (ja) * 2001-08-10 2012-05-23 栗田工業株式会社 凝集沈澱装置

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