JP6583866B2 - 軟質容器の製造装置 - Google Patents
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Description
一方、先端部材の周側部と胴部の先端部とを重ねる際、両者間にクリアランスがあると、接合後も両者間に隙間が出来るおそれがある。クリアランスを無くすと、両者を重ね合わせるのが困難である。
本発明は、上記事情に鑑み、先端部材の周側部と胴部の先端部とを容易に重ねることができ、かつ両者を隙間無く接合可能な軟質容器の製造装置を提供することを目的とする。
先端に前記先端部材が被せられ、前記先端に続く外周に前記胴部が被せられ、かつ先端近傍の外周において前記先端部材の周側部と前記胴部の先端部とが重ねられるコアと、
前記コアにおける前記先端近傍のコア部分を前記接合時に拡径させるコア駆動手段と、
前記コア部分の外周上に溶着エネルギーを供給する溶着ヘッドと
を備えたことを特徴とする。
前記被せた後、コア駆動手段によって前記先端近傍のコア部分を拡径させる。このため、先端部材の周側部と胴部の先端部との重なり部分に前記コア部分が内周側から押し当てられる。これによって、前記クリアランスを解消できる。すなわち、先端部材の周側部と胴部の先端部との間に隙間ができるのを防止できる。その状態で、前記コア部分の外周上における先端部材の周側部と胴部の先端部との重なり部分に溶着ヘッドから溶着エネルギーが供給される。これによって、先端部材の周側部と胴部の先端部とを隙間なく溶着して接合できる。
その後、前記コア部分を縮径させ、先端部材及び胴部を含む軟質容器をコアから抜く。
溶着ヘッドは、高周波溶着コイルを含む高周波溶着ヘッドであることが好ましい。
前記接合時にはコア駆動手段によって内周押え部材を径方向外側へ前進させる。これによって、前記コア部分が拡径され、先端部材と胴部がしっかりと接合される。
前記接合後、コア駆動手段によって内周押え部材を径方向内側へ後退させる。これによって、前記コア部分が縮径され、軟質容器をコアから抜くことができる。
前記コア駆動手段は、複数の内周押え部材を互いに同期させて進退させることが好ましい。
前記コア駆動手段が、コアの軸線上に配置された駆動軸と、前記駆動軸を前記軸線に沿って前進位置と後退位置との間でスライドさせる駆動部と、前記駆動軸と前記内周押え部材との間に設けられたカム機構と、前記内周押え部材を縮径方向へ付勢する内周付勢手段とを備え、前記駆動軸が前記前進位置へスライドされると前記カム機構によって内周押え部材が径方向外側へ前進され、前記駆動軸が前記後退位置へスライドされると前記内周付勢手段によって前記内周押え部材が径方向内側へ後退されるようになっていることが好ましい。
前記カム機構として、例えば前記駆動軸の先端部に先細テーパなどの凸状のカム面が形成され、かつ前記内周押え部材の内面には、前記テーパ部と当接する凹状のカム面が形成されていることが好ましい。
これによって、先端部材と胴部の重なり部分を前記コア部分と外周押え部材とで挟み付けることができる。したがって、先端部材と胴部との間に隙間ができるのを確実に防止でき、両者をしっかりと接合できる。かつ、外周押え部材によって軟質容器の外径を規定することで、寸法精度を高めることができる。特に先端部材と胴部の重なり部分の径寸法を安定させることができる。
1の環状の外周押え部材によって前記コア部分が囲まれていてもよく、複数の外周押え部材が前記コア部分のまわりに互いに環状に配置されることで、これら複数の外周押え部材によって前記コア部分が囲まれていてもよい。
前記複数の外周押え部材が、前記コア部分の径方向に進退可能であるが好ましい。
前記突起が前記胴部の封筒貼り部又は合掌貼り部を横切るようにすることで、封筒貼り部又は合掌貼り部の長手方向に細長く延びる貼り部内隙間の一箇所を局所的に押し潰し、更には溶着して塞ぐことができる。これによって、軟質容器の内部空間が前記貼り部内隙間を介して外部と連通するのを防止できる。ひいては、内容物が前記貼り部内隙間を通して漏れ出たり外気が前記貼り部内隙間を通して軟質容器内に入り込んだりするのを防止できる。
前記突起は、前記外周押え部材の内側面における、前記封筒貼り部又は合掌貼り部と対面する部分及びその周辺部に少なくとも設けられていればよい。
<封筒貼り軟質容器1>
図6及び図7は、軟質容器1を、底部が未封止状態(開放状態)で、内容物が未充填の状態で示したものである。軟質容器1は、胴部10と、先端部材20と、吐出口部材30を備えている。胴部10の底部開放部(図7において下端)から内容物が充填された後、前記底部開放部がヒートシールによって封止される。内容物は、例えば接着剤、塗料、飲料等の流動体や粘性体である。
ている。
先端部材20の外面にポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等の硬質樹脂からなる筒状の吐出口部材30が設けられている。吐出口部材30の内部通路の底部は、先端部材20の頂部23によって塞がれている。使用時は、頂部23に穴が開けられることで、内容物(被収容物)が吐出口部材30から吐出される。
図1に示すように、先端部材20と胴部10とは、高周波溶着装置60(軟質容器製造装置における接合装置部分)によって接合される。高周波溶着装置60は、コア61と、外周押え部材62と、溶着ヘッド63を備えている。
トップコア65の外周には、ゴム製の環状弾性部材68が装着されている。各内周押え部材66の外周面には、環状弾性部材68を収容する溝66dが周方向に延びるように形成されている。好ましくは、環状弾性部材68は、自然状態よりも少し拡径されて張力が働いている状態で溝66dに収容されている。このため、内周押え部材66には、環状弾性部材68からの径方向内側への力が常時かかっている。例えば環状弾性部材68としては、シール材として一般的なOリングを転用できる。
トップコア65の内周面には、円錐凹面状のカム面65eが形成されている。各内周押え部材66におけるカム面65eは、半割り円錐凹面状である。テーパ部69eがカム面65eに当たっている。
テーパ部69eとカム面65eとによってカム機構が構成されている。言い換えると、駆動軸69と内周押え部材66との間にカム機構69e,65eが設けられている。
図4(a)に示すように、駆動軸69を上昇させて前進位置にすると、テーパ部69eとカム面65eとのカム作用によって、内周押え部材66が径方向外側へ押し動かされる。したがって、トップコア65が拡径される。これに伴って、連結板67のトップコア65側の端部が外側へ反るように、連結板67が弾性変形される。かつ環状弾性部材68が、拡径方向へ弾性変形される。
なお、図4(a)においてトップコア65の拡径度合は誇張されている。
駆動軸69、軸駆動部71、連結板67及び環状弾性部材68によって、コア駆動手段が構成されている。更に連結板67及び環状弾性部材68は、内周付勢手段を構成している。
軟質容器1の製造方法を、胴部10と先端部材20との接合方法を中心に説明する。
胴部10と先端部材20を別々に作製する。好ましくは胴部10の先端部と先端部材20の周側部21との間に一定のクリアランス(寸法差による隙間)が出来るように、胴部10及び先端部材20を作製する。
先端部材20には吐出口部材30を接合する。好ましくは、先端部材20を樹脂シート材から絞り成形するのと同時に、吐出口部材30を前記樹脂シート材上で射出成形する。これによって、吐出口部材30と先端部材20とを、これらの成形と同時に一体的に接合する。
高周波溶着装置60においては、駆動軸69を後退位置にして、トップコア65を平常径にしておく。また、外周押え部材62及び溶着ヘッド63を退避させておく。
そして、前記吐出口部材30付きの先端部材20をコア61の先端に被せる。
続いて、コア61の先端の下方に続く外周に胴部10を被せる。かつトップコア65の外周上(コア61の先端近傍の外周上)において、先端部材20の周側部21の外周側に胴部10の先端部を重ねる。
トップコア65を平常径にしておくことによって、先端部材20及び胴部10をコア61に確実に被せることができる。しかも、胴部10の先端部と先端部材20の周側部21との間にクリアランスが設けられることによって、先端部材20の周側部21の外周に胴部10の先端部を容易に被せることができる。胴部10を被せる際に胴部10が破けるのを防止できる。
胴部10の封筒貼り部10dは、突起62d付きの外周押え部材62Aの方向へ向けておく。
その後、外周押え部材62及び溶着ヘッド63を図1に示す規定の位置にセットする。
さらに、3つの外周押え部材62を3方向からエアシリンダなどの外周押え駆動部72によって径方向内側へ弾性的に付勢する。
これによって、先端部材20の周側部21と胴部10の先端部との重なり部分1dが、全周にわたって外周押え部材62と内周押え部材66との間に強く挟み付けられる。この結果、先端部材20の周側部21と胴部10の先端部とが全周にわたってぴったりと接し、前記クリアランスが解消される。
これによって、軟質容器1が作製される。
また、外周押え部材62によって、先端部材20と胴部10の重なり部分1dの径寸法を安定させることができ、軟質容器1の寸法精度を高めることができる。
また、外周押え部材62及び溶着ヘッド63を退避させる。
そして、軟質容器1をコア61から上方へ引き抜いて取り出す。胴部10及び先端部材20の周側部21をわずかに先細のテーパ状に形成しておくことで、コア61からの引き抜き操作を容易化できる。
図8及び図9は、軟質容器の変形例を示したものである。
図8に示すように、当該軟質容器1Bにおいては、胴部10を構成するシート19の両端部19e,19fが合掌貼りされている。このため、図9(a)に示すように、先端部材20及び胴部10をコア61に被せた段階では、両端部19e,19fにおける付け根どうし間と、先端部材20の周側部21の外周面との間に貼り部内隙間10eが形成される。
例えば、胴部10及び先端部材20のフィルム構造、材質、製造方法は適宜改変できる。先端部材20の周側部21と胴部10との接合方法として高周波溶着が用いられているが、必ずしもこれに限られるものではなく、超音波溶着や熱溶着等の他の溶着方法を用いてもよい。胴部10の先端部の外周面に先端部材20の周側部21が被さって接合されるようになっていてもよい。コアが加熱され、その熱がコアの外周上の重なり部分1dに伝わり、重なり部分1dが溶着されるようになっていてもよい。
外周押え部材が、複数に分割されていない環状体であってもよい。外周押え部材を省略してもよい。外周押え部材の突起62dを省略してもよい。
1d 重なり部分
9 内容物(被収容物)
10 胴部
10d 封筒貼り部
10e 貼り部内隙間
10f 突起が喰い込んだ部分
10g 合掌貼り部
10p 局所部分
19 シート
19e,19f シート端部
20 先端部材
30 吐出口部材
21 周側部
22 肩部
23 頂部
60 高周波溶着装置(軟質容器製造装置における接合装置部分)
61 コア
62 外周押え部材
62A 1の外周押え部材
62d 突起
62s 内側面
63 高周波溶着ヘッド
64 ベースコア
65 トップコア(先端近傍のコア部分)
65e 円錐凹面
66 内周押え部材
66d 収容溝
67 連結板
68 環状弾性部材
69 駆動軸
69e テーパ部
71 エアシリンダ(軸駆動部)
72 エアシリンダ(外周押え駆動部)
L6 軸線
Claims (4)
- 樹脂層及び金属バリア層を含む軟質容器の柔軟な胴部の先端部に先端部材の周側部を接合する軟質容器製造装置であって、
先端に前記先端部材が被せられ、前記先端に続く外周に前記胴部が被せられ、かつ先端近傍の外周において前記先端部材の周側部と前記胴部の先端部とが重ねられるコアと、
前記コアにおける前記先端近傍のコア部分を前記接合時に拡径させるコア駆動手段と、
高周波誘導加熱コイルを含み、前記高周波誘導加熱コイルに高周波電流を供給することによって前記コア部分の外周上に溶着エネルギーを供給する溶着ヘッドと
を備え、前記コア部分が樹脂からなることを特徴とする軟質容器製造装置。 - 前記コア部分が、周方向に分かれて配置された複数の内周押え部材を有し、
前記コア駆動手段が、前記複数の内周押え部材を前記コアの径方向へ進退させる駆動軸を含み、前記駆動軸と前記内周押え部材とによって前記駆動軸の動きを前記内周押え部材の前記径方向への進退動作に変換するカム機構が構成されており、
前記内周押え部材が樹脂からなり、前記駆動軸が樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の軟質容器製造装置。 - 前記コア部分の外周を囲む外周押え部材を、更に備え、前記外周押え部材が樹脂からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の軟質容器製造装置。
- 前記外周押え部材における前記コア部分を向く面には、周方向へ延びる突起が形成されていることを特徴とする請求項3の記載の軟質容器製造装置。
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