JP6583190B2 - 床置型の空気調和機 - Google Patents
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Description
(1)全体構成
以下、発明の第1実施形態に係る床置型の空気調和機として、図1に示されている床置型の空気清浄機10を例に挙げて説明する。この床置型の空気清浄機10は、空気調和として塵埃などを除去する空気清浄を行い、さらには加湿及び/又は除湿を行う場合もある。空気清浄を行うために、空気清浄機10のケーシング20の中には塵埃を除去するためのエアフィルタ(図示せず)が設置されている。床置型の空気清浄機10は、図2に示されているように、例えば室内の床FLに置かれる。空気清浄機10は、ケーシング20と、ケーシング20内に収納されたファン90(図9参照)と、ケーシング20に取り付けられた可動フラップ40とを備えている。
(2−1)ケーシング20
ケーシング20は、実質的に直方体状であり、図2に示されているように、床FLに置かれたときに安定性の良い形状になっている。ケーシング20は、図1及び図3に示されているように、前面20a、上面20b、右側面20c、左側面20d、背面20e及び底面(図示せず)を有している。ケーシング20は、空気清浄機10の前面に取り付けられる前面パネル30を含んでいる。ケーシング20の内部には、図9に示されているファン90が収納されている。ケーシング20には、空調対象空間である室内空間RSから空気を吸い込む吸込口21,22と、室内空間RSに対して空気を吹き出す吹出口23が設けられている。また、吹出口23には、風向を調整するための可動フラップ40が設けられている。吸込口21は、ケーシング20の右側面20c及び左側面20dに設けられており、吸込口22は、ケーシング20の前側下部に設けられている。吸込口21,22からケーシング20の内部に吸い込まれた空気がエアフィルタを通過して吹出口23から吹き出される。
可動フラップ40は、ファン90(図9参照)が形成した上向きの空気流れを前方に向ける下面40aを有している。この可動フラップ40は、1枚である。可動フラップ40は、前後に回動可能に吹出口23に配置されている。可動フラップ40は、図5に二点差線で示されているように、回転軸41の周りに、実線で示された位置から前後に回動することができる。可動フラップ40の回動は、手動としてもよく、あるいはモータなどのアクチュエータを用いて自動で行わせてもよい。
図9及び図10に示されているファン90は、ケーシング20の内部に収納されている。図9及び図10には、ファン90を空気清浄機10の背面側から見た状態が示されている。ファン90は、背面側から見て円形のファンロータ91を有しており、ファンロータ91の中心にある回転軸92が前後に延びている。ファンロータ91を取り巻く円周上に周壁93が形成され、ファンロータ91と周壁93との間が気流AF1の通路になっている。右上方で周壁93が途切れており、ファンロータ91の上方において舌部94が周壁93に接続されている。ファン出口通路95は、周壁93が途切れるファンロータ91の右上方から左に向かって形成されている。そのため、ファン出口通路95は左に傾いている。このファン出口通路95は、格子部材96を介して吹出通路28に繋がっている。ファン出口通路95が左に傾いていることから、ファン出口通路95を通る気流AF2も真っ直ぐ上に吹き出さずに左に傾いており、さらには吹出通路28を通る気流AF3もファン出口通路95に近い所では左に傾いている。空気を清浄化するためのエアフィルタ(図示せず)は、吸込口21,22とファン90との間に配置されており、ファン90から吹出通路28に流れる気流AF1〜AF3は清浄化された調和空気の流れである。
ファン90は、ファンロータ91の回転数を変更可能に構成されている。その結果、空気清浄機10の風量が変更できるように構成されており、ユーザは、例えば弱風モード、中風モード及び強風モードなど風量設定の異なるモードを操作パネル31のボタン31aなどを使って選択することができる。
(4)全体構成と可動フラップ
第2実施形態に係る床置型の空気清浄機10Aの構成例を図11に示す。第2実施形態に係る床置型の空気清浄機10Aが第1実施形態の空気清浄機10と異なる点は、第2実施形態に係る床置型の空気清浄機10Aの備える可動フラップ40Aが第1実施形態に係る床置型の空気清浄機10の備える可動フラップ40よりも大きく形成されている点である。可動フラップ40Aは、上方から見て、第1姿勢(ポジションP3)を取るときに吹出口23の直上空間の全てを上から覆うように構成されている。空気清浄機10Aにおいて、第2姿勢は、図11のポジションP1に可動フラップ40Aが回動させられた状態である。なお、外観を良くするために、可動フラップ40Aが吹出口23を塞ぐポジションP4まで回動した状態で可動フラップ40Aがケーシング20Aの上面20bと面一になるように構成されることが好ましい。ケーシング20Aは、上面20bの形状以外は、ケーシング20と同様の構成を持っている。
(5)全体構成と可動フラップ
第3実施形態に係る床置型の空気清浄機10Bの構成例を図12及び図13に示す。図13には、図12に示されている状態の可動フラップ40Bを正面から見た状態の可動フラップ40Bが示されている。第3実施形態に係る床置型の空気清浄機10Bが第1実施形態の空気清浄機10と異なる点は、第3実施形態に係る床置型の空気清浄機10Bの備える可動フラップ40Bが第1姿勢を取るときに、下面40aの下側空間SP2の側方のうち、少なくとも、下面40aの側端の中央点CP2を含む水平面より下の部分(斜線で示された領域Ar1)を囲う側壁45,46を有している点である。図12及び図13に示されているような側壁45,46を有する断面コ字型の可動フラップ40Bを用いれば、上記第1実施形態と同様に、側方に逃げる調和空気を減らして天井CLの遠い位置まで調和空気を到達させることができる。第3実施形態の場合には、ケーシング20Bのように、ケーシング20が有していた側壁51,52を有してなくてもよい。
(6−1)変形例A
上記第1実施形態乃至第3実施形態では、床置型の空気調和機として床置型の空気清浄機10,10A,10Bを例に挙げて説明したが、本発明が適用できる床置型の空気調和機は、床置型の空気清浄機10,10A,10Bに限られるものではない。本発明が適用できる床置型の空気調和機としては、例えば、床置型の加湿機、床置型の除湿機、床置型の暖房装置及び床置型の冷房装置がある。
上記第1実施形態乃至第3実施形態では、可動フラップ40,40A,40Bが1枚である場合について説明したが、前後に複数枚の可動フラップを並べるように設けてもよい。複数枚の可動フラップは、吹出口23を塞ぐときに重なるように配置されてもよく、重ならないように配置されてもよい。
上記第1実施形態乃至第3実施形態では、ケーシング20又は可動フラップ40Bが側壁51,52,45,46によって下面40aの下側空間SP1,SP2の側方のうち、下面40aの側端の中央点CP1,CP2を含む水平面より下の部分(斜線の領域Ar1)を囲う場合について説明したが、ケーシング20と可動フラップ40Bの両方を用いるなどして、ケーシング及び可動フラップが両方の側壁によって下面の下側空間の側方のうち、下面の側端の中央点を含む水平面より下の部分を囲うように構成してもよい。
(7−1)
以上説明したように床置型の空気調和機である床置型の空気清浄機10は、可動フラップ40の下面40aが水平面に対して鋭角に交わる所定の第1姿勢として、角度20度(=θ2)のときの姿勢を例に挙げて説明した。この第1姿勢(θ2=20°)のとき、下面40aの下側空間SP1の側方のうち、下面40aの側端の中央点CP1を含む水平面より下の部分(図6の斜線の領域Ar1)を囲う側壁51,52によって、ファン90により形成された上向きの空気流れのうち側方に逃げる空気が減って、調和空気を天井CLの遠くの位置まで到達させることができている。上記第1乃至第3実施形態では、第1姿勢として可動フラップ40が20度で水平面と交わる姿勢を例に示したが、第1姿勢は、例えば10度以上60度以下の範囲から選ばれてもよい。第1姿勢は、20度以上30度以下の範囲から選ばれてもよい。上記第1乃至第3実施形態では、第2姿勢として、可動フラップ40がポジションP1のように、可動フラップ40の下面40aが実質的に鉛直面に沿って上向きに立ち上がっている場合を例に挙げて説明した。このポジションP1において、可動フラップ40の3分の1以上が側壁51,52の上端よりも高い位置にくるように構成されている。その結果、ケーシング20の高さを抑えてコンパクト化し易くなっている。第2姿勢としては、鉛直面に沿って立ち上がっている場合に限られるものではなく、第1姿勢よりも水平面に対する角度が大きく、可動フラップ40の可動限界の中の最も角度が大きい場合とすればよい。第2姿勢においては可動フラップ40ができるだけ多く側壁51,52よりも突出することが望ましいが、例えば可動フラップ40の側端の長さの4分の1以上であってもよい。以上のことについては、第2実施形態の可動フラップ40A及び第3実施形態の可動フラップ40Bの場合も同様である。
上記第1実施形態乃至第3実施形態において、1枚の可動フラップ40,40A,40Bだけでファン90が形成した上向きの空気流れに対応するように構成されている場合、複数のフラップでファンが吹き出す空気を前方に導く場合に比べて可動フラップ1枚当たりに調和空気の沿う量が多くなる。その結果、可動フラップ40,40A,40Bが1枚の場合、前方に強く吹き出させることができ、前方への空気流れの到達距離を伸ばし易くなって天井CLの遠いところ、つまり室内空間RSの端まで調和空気を到達させることができる。
第1実施形態の可動フラップ40は、吹出口23を塞いだときに可動フラップ40の上端42と吹出口23との間に隙間81(図5参照)ができる長さに設定されている。この隙間81から指を入れて可動フラップ40を回動させて開け閉めすることができ、特に可動フラップ40を手動で回動させる場合に操作を行い易くなり、利便性が向上する。また、可動フラップ40が自動的に回動する場合でも、例えば製造時やメンテナンス時に手で可動フラップ40を操作しなければならない場合があり、そのような場合に便利である。
第2実施形態において説明したように、可動フラップ40Aが第1姿勢を取るときに吹出口23の直上空間の全てを上から覆うことから、例えば第1実施形態の可動フラップ40と比べて鉛直上方に逃げる空気流れを減らして、遠くまで空気流れを形成する効果を向上させられている。
図9及び図10に示されているような回転軸92が前後方向に延びるシロッコファンにあっては、ケーシング20の左右方向、言い換えると横方向の空気流れ成分が生じて斜め上方に吹き上がりがちになる。ところが、ケーシング20又は可動フラップ40Bの側壁51,52及び/又は側壁45,46によってケーシング20,20Aから横斜め上方に向かう空気流れを減らすことができている。
第1実施形態及び第2実施形態の可動フラップ40,40Aの後方に設けられた背面壁53により背面側で生じる誘引風を減らすことができ、床置型の空気調和機である床置型の空気清浄機10の後方にある例えば室内壁などのインテリアを汚れ難くすることができている。
20,20A,20B ケーシング
40,40A,40B 可動フラップ
45,46,51,52 側壁
90 ファン
Claims (7)
- 上方に吹出口を有するケーシング(20,20A,20B)と、
前記ケーシング内に収納され、上向きに空気を吹き出して上向きの空気流れを形成するファン(90)と、
前記ファンが形成した上向きの空気流れを前方に向ける下面及び前記吹出口の後方に位置する回転軸を有し、前後に回動可能に前記吹出口に配置されている可動フラップ(40,40A,40B)と
を備え、
前記ケーシングは、前方斜め上方に向けて空気を吹出させるために前記可動フラップの前記下面が水平面に対して鋭角に交わる所定の第1姿勢を取るときに、前記下面の下側空間の側方のうち、少なくとも、前記下面の側端の中央点を含む水平面より下の部分を囲う側壁(51,52,45,46)を有し、前記ケーシングの上面(20b)が前記側壁よりも高くなく、
前記可動フラップの上端は、前記可動フラップが上向きの第2姿勢を取るときに、前記側壁の上端よりも高くなるように構成されている、床置型の空気調和機。 - 前記可動フラップは、前記ファンが形成した上向きの空気流れに対応するために1枚だけ設けられている、
請求項1に記載の床置型の空気調和機。 - 前記可動フラップ(40)は、前記吹出口を塞いだときに前記可動フラップの前記上端と前記吹出口との間に隙間ができる長さに設定されている、
請求項2に記載の床置型の空気調和機。 - 前記可動フラップ(40A)は、上方から見て、前記第1姿勢を取るときに前記吹出口の直上空間の全てを上から覆うように構成されている、
請求項2に記載の床置型の空気調和機。 - 前記ファンは、回転軸が前後方向に延びるシロッコファンである、
請求項1から4のいずれか一項に記載の床置型の空気調和機。 - 前記ケーシングは、前記可動フラップの後方に設けられ、前記可動フラップが前記第1姿勢を取るときに、少なくとも前記下面の側端の中央点を含む水平面より下の部分を囲う背面壁(53)を有する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の床置型の空気調和機。 - 前記可動フラップの所定の前記第1姿勢は、前記下面が水平面に対して20°で交わるときの姿勢である、
請求項1から6のいずれか一項に記載の床置型の空気調和機。
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