JP6582609B2 - ポリイミド前駆体組成物 - Google Patents
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Description
また、特許文献2では、ポリイミドの組成をブロックとすることによって、溶媒に対する溶解性を上げ、白化を抑制することが開示されている。
一方、特許文献1及び2のようにポリイミドを用いて膜を形成する際の白化に関する検討はなされていたが、ポリイミド前駆体に関する検討は十分にされていなかった。ポリイミド前駆体とポリイミドの溶解性は大きく異なるため、ポリイミドを含む組成物の白化抑制に用いられている方法は、ポリイミド前駆体では十分な効果が得られないことがある。
[1] ポリイミド前駆体及び溶媒を含む組成物であって、溶媒として、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、スルホン系溶媒、複素環系溶媒、フェノール系溶媒、ラクトン系溶媒及びエステル系溶媒からなる群より選ばれる1種以上であり、且つ、20℃における蒸気圧が50000Pa以下である溶媒(溶媒A)、並びにアルコール(溶媒B)を含むことを特徴とするポリイミド前駆体組成物。
[2]前記溶媒Bが芳香族アルコール、脂肪族アルコール及びグリコールモノエーテル系アルコールからなる群より選ばれる1種以上である、[1]に記載のポリイミド前駆体組成物。
[3]前記溶媒Bのオクタノール/水分配係数(logρ)が0以上である、[1]又は[2]に記載のポリイミド前駆体組成物。
[4]前記ポリイミド前駆体が、脂肪族骨格を有するものである[1]乃至[3]のいずれか1に記載のポリイミド前駆体組成物。
本発明の溶媒Aは、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、スルホン系溶媒、複素環系溶媒、フェノール系溶媒、ラクトン系溶媒及びエステル系溶媒からなる群より選ばれる1種以上であり、且つ、20℃における蒸気圧が50000Pa以下である溶媒である。溶媒Aを含むことで、溶解性が維持され、膜形成工程でのポリイミド前駆体の析出が抑えられる等の効果が得られる。
溶媒Aの20℃における蒸気圧は、通常50000Pa以下、好ましくは20000Pa以下、さらに好ましくは10000Pa以下、より好ましくは5000Pa以下、特に好ましくは1000Pa以下である。また、下限は無く、低い方が好ましいが、例えば1Pa以上である。溶媒Aの蒸気圧がこの範囲である溶媒を用いることで、組成物中のポリイミド前駆体が析出せず、また塗布途中でのポリイミド前駆体組成物の濃度変化が少ない傾向にある。そのため、膜中成分の均一性、白化抑制及び平滑性に優れた膜が得られる傾向にある。
また、ポリイミド前駆体を製造する際の溶媒として溶媒Aを用い、そのまま溶媒Aをポリイミド前駆体組成物の溶媒とすることもできる。その場合、溶媒Aの沸点が上記範囲であることで、ポリイミド前駆体が得られやすい重合温度となる傾向にある。
上記の中でも、ポリイミド前駆体の溶解性の点から、アミド系溶媒、エーテル系溶媒及びケトン系溶媒からなる群より選ばれる1種以上であることが好ましく、これらの中でも、アミド系溶媒及び/又はエーテル系溶媒が特に好ましい。
(エーテル系溶媒)
エーテル系溶媒としては、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラメチレングリコ―ルジメチルエーテル、アニソール等が挙げられる。
(ケトン系溶媒)
ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。
(アミド系溶媒)
アミド系溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
(スルホン系溶媒)
スルホン系溶媒としては、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
(複素環系溶媒)
複素環系溶媒としては、ピリジン、ピコリン、ルチジン、キノリン、イソキノリン等が挙げられる。
フェノール系溶媒としては、フェノール、クレゾール等が挙げられる。
(ラクトン系溶媒)
ラクトン系溶媒としては、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン等が挙げられる。
(エステル系溶媒)
エステル系溶媒としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等が挙げられる。
本発明の溶媒Bは、アルコールであれば特に制限されない。
溶媒Bの20℃における蒸気圧は特に制限はないが、好ましくは50000Pa以下、より好ましくは20000Pa以下、さらに好ましくは10000Pa以下、より好ましくは5000Pa以下である。また、下限は無く、低い方が好ましいが、例えば1Pa以上である。蒸気圧がこの範囲であることで、ポリイミド前駆体組成物及び膜中成分の均一性、白化抑制並びに平滑性に優れた膜が得られる傾向にある。
沸点がこの範囲であることで、塗布等の膜形成時のポリイミド前駆体組成物の濃度変化が少なくなり、そのため、膜中成分の均一性、白化抑制及び平滑性に優れた膜が得られる傾向にある。さらに、乾燥後や加熱後の膜中の残留溶媒が少なくなる傾向にある。
溶媒Bの量がこの範囲であることで、ポリイミド前駆体の溶解性が高くなり、また、膜形成時の白化が抑制される傾向になる。
中でも、ポリイミド前駆体の溶解性が高くなるため、脂肪族アルコール又は芳香族アルコールが好ましい。
脂肪族アルコールの中でも、炭素数が4以上であることが好ましく、炭素数が5以上であることがより好ましい。また20以下であることが好ましく、15以下であることが更に好ましい。また、脂肪族アルコールの中でも、環状又は分岐を有することが好ましく、分岐の場合は、分岐位置がβ及び/又はγ位であることが特に好ましい。上記のように適当な炭素数及び/又は置換位置を有することで、ポリイミド前駆体の溶解性が高くなる傾向にある。
(芳香族アルコール)
芳香族アルコールとしては、ベンジルアルコール、サリチルアルコール、ジフェニルメタノール、バニリルアルコール等が挙げられる。
脂肪族アルコールとしては、例えば、炭素数1であるメタノール;炭素数2であるエタノール;炭素数3である、1−プロパノール及び2−プロパノール;炭素数4である、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール及びt−ブタノール;炭素数5である、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−エチル−1−プロパノール等;炭素数6である、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、3−エチル−2−ブタノール、2,3−ジメチル−1−ブタノール、シクロヘキサノール等;炭素数7である、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、4−ヘプタノール、2−メチル−1−ヘキサノール、2−メチル−3−ヘキサノール、2−メチル−4−ヘキサノール、3−メチル−1−ヘキサノール、3−メチル―2−ヘキサノール、3−メチル−4−ヘキサノール、2−エチル−1−ペンタノール、2−エチル−3−ペンタノール、2,2−ジメチル−1−ペンタノール、2,3−ジメチル−1−ペンタノール、2,4−ジメチル−1−ペンタノール等;炭素数8である、1−オクタノール、2−オクタノール、3−オクタノール、4−オクタノール、2−メチル−1−ヘプタノール、2−メチル−3−ヘプタノール、2−メチル−4−ヘプタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、2−エチル−3−ヘキサノール、2−エチル−4−ヘキサノール、2−プロピル−1−ペンタノール、2−プロピル−3−ペンタノール、2−プロピル−4−ペンタノール、2,3−ジメチル−1−ヘキサノール、2,4−ジメチル−1−ヘキサノール等;炭素数9である、1−ノナノール、2−ノナノール、3−ノナノール、4−ノナノール、5−ノナノール、2−メチル−1−オクタノール、2−メチル−3−オクタノール、2−メチル−4−オクタノール、2−メチル−5−オクタノール、2−メチル−6−オクタノール、2−エチル−1−ヘプタノール、2−エチル−3−ヘプタノール、2−エチル−4−ヘプタノール、2−エチル−5−ヘプタノール、2,6−ジメチル−1−ヘプタノール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール、3,5,5−トリメチル−2−ヘキサノール、2,2,4−トリメチル−1−ヘキサノール等;炭素数10である、1−デカノール、2−デカノール、3−デカノール、4−デカノール、5−デカノール、2−メチル−1−ノナノール、2−メチル−3−ノナノール、2−メチル−4−ノナノール、2−メチル−5−ノナノール、2−エチル−1−オクタノール、2−エチル−3−オクタノール、2−エチル−4−オクタノール、2−エチル−5−オクタノール等;炭素数11である、1−ドデカノール、2−ドデカノール、3−ドデカノール、4−ドデカノール、2−メチルー1−ウンデカノール、2−エチル−1−デカノール、2−プロピル−1−ノナノール等;炭素数12である、1−ドデカノール、2―ドデカノール、3−ドデカノール、1−エチル−1−デカノール、2−エチル−1−デカノール、3−エチル−1−デカノール、2−ブチル−1−オクタノール等;炭素数13である、1−トリデカノール、2―トリデカノール、3−トリデカノール、1−エチル−1−ウンデカノール、2−エチル−1−ウンデカノール、3−エチルー1−ウンデカノール、2−ブチル−1−ノナノール等;炭素14である、1−テトラデカノール、2−テトラデカノール、3−テトラデカノール、2−メチル−1−トリデカノール、2−エチル−1−ドデカノール、2−プロピル−1−ウンデカノール等;炭素15である、1−ペンタデカノール、2−ペンタデカノール、3−ペンタデカノール、2−メチル−1−テトラデカノール、2−エチル−1−トリデカノール、2−プロピル−1−ドデカノール等;炭素16である、1−ヘキサデカノール、2−ヘキサデカノール、3−ヘキサデカノール、2−メチル−1−ペンタデカノール、2−エチル−1−テトラデカノール、2−プロピル−1−トリデカノール等;炭素17である、1−ヘプタデカノール、2−ヘプタデカノール、3−ヘプタデカノール、2−メチル−1−ヘキサデカノール、2−エチル−1−ペンタデカノール、2−プロピル−1−テトラデカノール等;炭素18である、1−オクタデカノール、2−オクタデカノール、3−オクタデカノール、2−メチル−1−ヘプタデカノール、2−エチル−1−ヘキサデカノール、2−プロピル−1−ペンタデカノール等;炭素19である、1−ノナデカノール、2−ノナデカノール、3−ノナデカノール、2−メチル−1−オクタデカノール、2−エチル−1−ヘプタデカノール、2−プロピル−1−ヘキサデカノール等;炭素20である、1−エイコサノール、2−エイコサノール、3−エイコサノール、2−メチル−1−ノナデカノール、2−エチル−1−オクタデカノール、2−プロピル−1−ヘプタデカノール等;等が挙げられる。
グリコールモノエーテル系アルコールとしては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
蒸気圧差が特定の範囲であることで、塗布等の膜形成時のポリイミド前駆体組成物の濃度変化が少なくなり、そのため、白化抑制、膜中成分の均一性及び平滑性に優れた膜が得られる傾向にある。さらに、膜の乾燥後や加熱後の膜中の残留溶媒が少なくなる傾向にある。
沸点差が特定の範囲であることで、膜形成時のポリイミド前駆体組成物の濃度変化が少なくなり、そのため、白化抑制、膜中成分の均一性及び平滑性に優れた膜が得られる傾向にある。さらに、膜の乾燥後や加熱後の膜中の残留溶媒が少なくなる傾向にある。
本発明のポリイミド前駆体組成物は、発明の効果を損なわない限り、溶媒A及び溶媒B以外のその他の溶媒を含んでもよい。その他の溶媒としては、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の炭化水素系溶媒;四塩化炭素、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶媒;等が挙げられる。これらの溶媒は、1種を単独で用いても、2種以上を任意の比率及び組合せで用いてもよい。
本発明のポリイミド前駆体は、ポリアミック酸及び/又はポリアミック酸エステルを有するものである。また、ポリイミド前駆体の一部がポリイミド構造となっていてもよく、またポリアミック酸及び/又はポリアミック酸エステルとポリイミドが混合されていてもよい。
また、本発明のポリイミド前駆体は、1種でも良く、複数種を含んでいてもよい。これらは、同じ反応条件で合成されたもの、又はイミド化率溶媒に対する溶解性が同じもののみである必要は無く、異なる条件で調整され、物性が異なっていてもよい。本発明において、後述するイミド化率及び分子量は、ポリイミド前駆体組成物中のポリイミド前駆体の平均値を表す。
本発明のポリイミド前駆体の構造は特に限定されず、例えば、後述するポリイミド前駆体の原料であるテトラカルボン酸二無水物化合物に由来する単位及びジアミン化合物に由来する単位を有する構造が挙げられる。これらの中でも、溶媒への溶解性の点から、脂肪族骨格を有することが好ましく、さらに脂環式構造を有することが好ましい。また、脂肪族骨格及び脂環式構造の位置は特に限定されないが、ポリイミド前駆体の原料であるテトラカルボン酸二無水物化合物に由来する単位に有することが、ポリイミド前駆体組成物及び膜形成時の粘度を制御しやすい傾向となるため好ましい。
なお、本発明において、「溶媒に可溶」とは、ポリイミド前駆体組成物の溶媒中で、ポリイミド前駆体を室温(25℃)で溶解させた場合に完溶することをいう。完溶する濃度としては通常0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。
本発明のポリイミド前駆体組成物は、上述したポリイミド前駆体及び溶媒以外に、本発明の効果を損なわない範囲でその他の成分を含むことができる。その他の成分としては、例えば、界面活性剤、溶媒、酸化防止剤、滑剤、着色剤、安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、可塑剤、離型剤、レベリング剤、消泡剤等が挙げられる。また、その他必要に応じて、発明の目的を損なわない範囲で、粉末状、粒状、板状、繊維状等の、無機系充填剤又は有機系充填剤を配合してもよい。これらの添加成分は、ポリイミド前駆体組成物を製造するどの工程のどの段階で添加してもよい。
ポリイミド前駆体組成物の製造方法は特に制限はない。例えば、ポリイミド前駆体を溶媒Aの全量に溶解させ、次いで溶媒Bを添加する方法;溶媒A及び溶媒Bの混合溶媒にポリイミド前駆体を溶解させる方法;ポリイミド前駆体を溶媒Aの一部に溶解させ、残りの溶媒A及び溶媒Bを混合した溶媒を添加する方法;等が挙げられる。溶媒A及び溶媒Bの添加順序等にも制限は無く、またその他の溶媒を添加する場合も同様である。
本発明のポリイミド前駆体は、テトラカルボン酸二無水物及びジアミン化合物を溶媒中で反応させて得られる。テトラカルボン酸二無水物及びジアミン化合物を溶媒中で反応させる方法は特に限定されない。また、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物の添加順序や添加方法も特に限定されない。例えば、溶媒にテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物を順に投入し、適切な温度で撹拌することにより、ポリイミド前駆体を得ることができる。
テトラカルボン酸二無水及びジアミン化合物の合計質量は、特に制限はないが、テトラカルボン酸二無水物、ジアミン化合物及び溶媒を含む溶液全量に対し、通常1質量%以上、好ましくは5質量%以上であり、通常70%質量以下、好ましくは50質量%以下である。テトラカルボン酸二無水物及びジアミン化合物の濃度が低過ぎないことで、分子量の伸長が起こりやすい傾向にある。また、高過ぎないことで、粘度か高くなり過ぎず、溶液の撹拌が容易である傾向にある。
反応時間は通常1時間以上、好ましくは2時間以上であり、通常100時間以下、好ましくは42時間以下である。このような条件で行うことにより、低コストで収率よくポリイミド前駆体を得ることができる傾向にある。
反応時の圧力は、常圧、加圧及び減圧のいずれでもよい。雰囲気は空気下でも不活性雰囲気下でもよい。
用いる貧溶媒は特に制限は無く、ポリイミド前駆体の種類によって適宜選択し得るが、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、イソブチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒;等が挙げられる。中でも、アルコール系溶媒が効率良く析出物が得られ、沸点が低く乾燥が容易となる傾向にあるため好ましい。これらの溶媒は、1種を単独で用いても、2種以上を任意の比率及び組合せで用いてもよい。
ポリイミド前駆体を再溶解させる方法は特に限定されないが、例えば前述した溶媒Aにポリイミド前駆体を溶解させた後、溶媒Bを添加する方法、溶媒Aと溶媒Bの混合溶媒にポリイミド前駆体樹脂を溶解させる方法等が挙げられる。
本発明のポリイミド前駆体の原料であるテトラカルボン酸二無水物及びジアミン化合物は特に限定されないが、具体的には以下が挙げられる。
テトラカルボン酸二無水物としては、芳香環を有するテトラカルボン酸二無水物及び脂肪族テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。これらの化合物は、1種を単独で用いても、2種以上を任意の比率及び組合せで用いてもよい。
芳香環を有するテトラカルボン酸二無水物としては、1分子内に芳香環が1つであるテトラカルボン酸二無水物、1分子内に独立した2つ以上の芳香環を有するテトラカルボン酸二無水物、1分子内に縮合芳香環を有するテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらの中でも、製造時の粘度が制御しやすいため、分子内に含まれる1分子内に芳香環が1つであるテトラカルボン酸二無水物又は1分子内に独立した2つ以上の芳香環を有するテトラカルボン酸二無水物が好ましく、特に、1分子内に独立した2つ以上の芳香環を有するテトラカルボン酸二無水物が好ましい。
1分子内に2つ以上の芳香環を有するテトラカルボン酸二無水物としては、溶解性の点から、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物又は4,4’−オキシジフタル酸二無水物が好ましい。
(1分子内に含まれる芳香環が1つであるテトラカルボン酸二無水物)
1分子内に含まれる芳香環が1つであるテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
1分子内に独立した2つ以上の芳香環を有するテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、4,4−(p−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物、4,4−(m−フェニレンジオキシ)ジフタル酸二無水物、2,2’,6,6’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’、5,5’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロトリメチレン)−ジフタル酸二無水物、4,4’−(オクタフルオロテトラメチレン)−ジフタル酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物等が挙げられる。
1分子内に縮合芳香環を有するテトラカルボン酸二無水物としては、1,2,5,6−ナフタレンジカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンジカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンジカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
(脂環式テトラカルボン酸二無水物)
脂環式テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、3,3’,4,4’−ビスシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフ
リル) −3−メチル−3−シクロヘキセン−11,2−ジカルボン酸無水物、トリシクロ[6.44.0.02,7]ドデカン−1,8:2,7−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1,2-ジカルボン酸無水物、1,1’−ビシクロヘキサン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
鎖状脂肪族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、エチレンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、meso−ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
ジアミン化合物としては、芳香族ジアミン化合物、脂肪族ジアミン化合物等が挙げられる。これらの化合物は、1種を単独で用いても、2種以上を任意の比率及び組合せで用いてもよい。
芳香族ジアミン化合物としては、1分子内に芳香環が1つであるジアミン化合物、1分子内に独立した2つ以上の芳香環を有するジアミン化合物、1分子内に縮合芳香環を有するジアミン化合物等が挙げられる。これらの中でも、製造時の粘度制御が容易になる点で、1分子内の芳香環が1つであるジアミン化合物又は独立した2つ以上の芳香環を有するジアミン化合物が好ましく、独立した2つ以上の芳香環を有するジアミン化合物が特に好ましい。
1分子内に独立した2つ以上の芳香環を有するジアミン化合物としては、溶解性の点から、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン等が好ましい。
脂肪族ジアミン化合物としては、脂環系ジアミン化合物、鎖状脂肪族系ジアミン化合物等が挙げられる。これらの中で、溶解性の点から、脂環系ジアミン化合物が好ましく、特に、1,4−ジアミノシクロヘキサン又は1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサンが好ましい。
(1分子内に芳香環が1つであるジアミン化合物)
1分子内に芳香環が1つであるジアミン化合物としては、例えば、1,4−フェニレンジアミン、1,2−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン等が挙げられる。
1分子内に独立した2つ以上の芳香環を有するジアミン化合物としては、例えば、4,4’−(ビフェニル−2,5−ジイルビスオキシ)ビスアニリン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ネオペンタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ジメチルビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−アミノ−3−カルボキシフェニル)メタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、N−(4−アミノフェノキシ)−4−アミノベンズアミン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、ビス(3−アミノフェニル)スルホン、ノルボルナンジアミン、4,4’−ジアミノ−2−(トリフルオロメチル)ジフェニルエーテル、5−トリフルオロメチル−1,3−ベンゼンジアミン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、2,2−ビス[4−{4−アミノ−2−(トリフルオロメチル)フェノキシ}フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2−トリフルオロメチル−p−フェニレンジアミン、2,2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。
1分子内に縮合芳香環を有するジアミン化合物としては、4,4’−(9−フルオレニリデン)ジアニリン、2,7−ジアミノフルオレン、1,5−ジアミノナフタレン、3,7−ジアミノ−2,8−ジメチルジベンゾチオフェン5,5−ジオキシド等が挙げられる。
(脂環系ジアミン化合物)
脂環系ジアミン化合物としては、例えば、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)等が挙げられる。
鎖状脂肪族系ジアミン化合物としては、例えば、(1,2−エチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,5−ジアミノペンタン、1,10−ジアミノデカン、1,2−ジアミノ−2−メチルプロパン、2,3−ジアミノ−2,3−ブタンジアミン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン)等が挙げられる。
本発明のポリイミド前駆体組成物を用いた膜の形成方法は特には限定されないが、基板等にポリイミド前駆体組成物を塗布する方法、等が挙げられる。
塗布する方法としては、ダイコーティング、スピンコーティング、スクリーン印刷、スプレー、キャスト法、コーターを用いる方法、吹き付けによる方法、浸漬法、カレンダー法、流延法等が挙げられる。これらの方法は、塗布面積及び被塗布面の形状等に応じて適宜選択することができる。
窒素ガス導入管、冷却器、攪拌機を備えた4つ口フラスコに、3,3’,4,4’−ビスシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物16.98g(0.06mol)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物6.99g(0.02mol)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル16.02g(0.08mol)、溶媒AとしてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)120gを加えた。この混合物を撹拌しながら昇温し80℃で6時間反応させ、25質量%のポリイミド前駆体及び溶媒Aを含む組成物X−1を得た。
5.0gの組成物X−1に、溶媒Bとして2−メチル−1−ペンタノール0.41gを加え、撹拌し、ポリイミド前駆体組成物1を得た。
得られたポリイミド前駆体組成物1を、アセトンで洗浄し乾燥させたガラス基板上に、100μm厚みのアプリケーターを用いて幅3cm、長さ8cm程度に塗布し、24℃70%湿度下に静置した。白化試験として、膜が全面白化するまでの時間を計測し、60分以上のものをA、45分以上60分未満のものをB、30分以上45分未満のものをC、30分未満のものをDとした。結果を表1に示す。
なお、用いた各溶媒の蒸気圧(Pa)及びオクタノール/水分配係数(logρ)は表1〜3に示す。
実施例1の3,3’,4,4’−ビスシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物を44.57g(0.15mol)に、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を14.27g(0.05mol)に、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを40.05g(0.20mol)に、NMPを137gに変更した以外は実施例1と同様に合成し、ポリイミド前駆体及び溶媒Aを含む組成物X−2を得た。
5.0gの組成物X−2に、溶媒Bとして2−エチル−1−ブタノール0.41gを加え、撹拌し、ポリイミド前駆体組成物2を得た。また、実施例1と同様に白化試験を行った。結果を表1に示す。
ポリイミド前駆体組成物1の溶媒Bを、2−メチル−1−ペンタノールから2−エチル−1−ヘキサノールに変更した以外は実施例1と同様にし、ポリイミド前駆体組成物3を得た。また、実施例1と同様に白化試験を行った。結果を表1に示す。
ポリイミド前駆体組成物1の溶媒Bを、2−メチル−1−ペンタノールから3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノールに変更した以外は実施例1と同様にし、ポリイミド前駆体組成物4を得た。また、実施例1と同様に白化試験を行った。結果を表1に示す。
ポリイミド前駆体組成物1の溶媒Bを、2−メチル−1−ペンタノールから2,6−ジメチル−4−ヘプタノールに変更した以外は実施例1と同様にし、ポリイミド前駆体組成物5を得た。また、実施例1と同様に白化試験を行った。結果を表1に示す。
ポリイミド前駆体組成物1の溶媒Bを、2−メチル−1−ペンタノールからシクロヘキサノールに変更した以外は実施例1と同様にし、ポリイミド前駆体組成物6を得た。また、実施例1と同様に白化試験を行った。結果を表1に示す。
ポリイミド前駆体組成物1の溶媒Bを、2−メチル−1−ペンタノールから1−デカノールに変更した以外は実施例1と同様にし、ポリイミド前駆体組成物7を得た。また、実施例1と同様に白化試験を行った。結果を表1に示す。
実施例2で得られた20gの組成物X−2にシクロヘキサノンを22g添加し、ポリイミド前駆体及び溶媒Aを含む組成物X−3を得た。さらに、10gの組成物X−3に、溶媒Bとして2−エチルー1−ブタノール0.015gを加え、ポリイミド前駆体組成物8を得た。また実施例1と同様に白化試験を行った。結果を表1に示す。
ポリイミド前駆体組成物8の溶媒Bを、2−エチルー1−ブタノールから2−エチル−1-ヘキサノールに変更した以外は実施例8と同様にし、ポリイミド前駆体組成物9を得た。また実施例1と同様に白化試験をおこなった。結果を表1に示す。
ポリイミド前駆体組成物8の溶媒Bを、2−エチルー1−ブタノールからベンジルアルコールに変更した以外は実施例8と同様にし、ポリイミド前駆体組成物10を得た。また実施例1と同様に白化試験を行った。結果を表1に示す。
ポリイミド前駆体組成物8の溶媒Bを、2−エチルー1−ブタノールからエチレングリコールモノメチルエーテルに変更した以外は実施例8と同様にし、ポリイミド前駆体組成物11を得た。また実施例1と同様に白化試験を行った。結果を表1に示す。
実施例2で得られた20gの組成物X−2にアニソールを22g添加し、ポリイミド前駆体及び溶媒Aを含む組成物X−4を得た。さらに、10gの組成物X−4に、溶媒Bとして2−エチルー1−ブタノール0.015gを加え、ポリイミド前駆体組成物12を得た。また実施例1と同様に白化試験を行った。結果を表1に示す。
ポリイミド前駆体組成物12の溶媒Bを、2−エチルー1−ブタノールから2−エチル−1-ヘキサノールに変更した以外は実施例12と同様にし、ポリイミド前駆体組成物13を得た。また実施例1と同様に白化試験をおこなった。結果を表1に示す。
ポリイミド前駆体組成物12の溶媒Bを、2−エチルー1−ブタノールからベンジルアルコールに変更した以外は実施例12と同様にし、ポリイミド前駆体組成物14を得た。また実施例1と同様に白化試験をおこなった。結果を表1に示す。
ポリイミド前駆体組成物12の溶媒Bを、2−エチルー1−ブタノールからエチレングリコールモノメチルエーテルに変更した以外は実施例12と同様にし、ポリイミド前駆体組成物15を得た。また実施例1と同様に白化試験をおこなった。結果を表1に示す。
実施例2で得られた20gの組成物X−2にジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)を22g添加し、ポリイミド前駆体及び溶媒Aを含む組成物X−5を得た。さらに、10gの組成物X−5に、溶媒Bとしてベンジルアルコール0.015gを加え、ポリイミド前駆体組成物16を得た。また実施例1と同様に白化試験を行った。結果を表1に示す。
ポリイミド前駆体組成物16の溶媒Bを、ベンジルアルコールからエチレングリコールモノメチルエーテルに変更した以外は実施例16と同様にし、ポリイミド前駆体組成物17を得た。また実施例1と同様に白化試験をおこなった。結果を表1に示す。
実施例1の3,3’,4,4’−ビスシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物を25.26g(0.08mol)に、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を24.26g(0.08mol)に、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル27.22g(0.09mol)と4,4’−ジアミノジフェニルスルホン31.66g(0.09mol)に、NMPを135gに変更した以外は実施例1と同様に合成し、ポリイミド前駆体及び溶媒Aを含む組成物X−6を得た。さらに、20gの組成物X−6にシクロヘキサノンを22g添加し、ポリイミド前駆体及び溶媒Aを含む組成物X−7を得た。
10gの組成物X−7に、溶媒Bとして2−エチルー1−ブタノール0.015gを加え、ポリイミド前駆体組成物18を得た。また実施例1と同様に白化試験を行った。結果を表2に示す。
ポリイミド前駆体組成物18の溶媒Bを、2−エチルー1−ブタノールから2−エチル−1-ヘキサノールに変更した以外は実施例18と同様にし、ポリイミド前駆体組成物19を得た。また実施例1と同様に白化試験をおこなった。結果を表2に示す。
ポリイミド前駆体組成物18の溶媒Bを、2−エチルー1−ブタノールからベンジルアルコールに変更した以外は実施例18と同様にし、ポリイミド前駆体組成物20を得た。また実施例1と同様に白化試験をおこなった。結果を表2に示す。
ポリイミド前駆体組成物18の溶媒Bを、2−エチルー1−ブタノールからエチレングリコールモノメチルエーテルに変更した以外は実施例18と同様にし、ポリイミド前駆体組成物21を得た。また実施例1と同様に白化試験をおこなった。結果を表2に示す。
実施例18で得られた20gの組成物X−6にアニソールを22g添加し、ポリイミド前駆体及び溶媒Aを含む組成物X−8を得た。さらに、10gの組成物X−8に、溶媒Bとして2−エチルー1−ブタノール0.015gを加え、ポリイミド前駆体組成物22を得た。また実施例1と同様に白化試験を行った。結果を表2に示す。
ポリイミド前駆体組成物22の溶媒Bを、2−エチルー1−ブタノールから2−エチル−1-ヘキサノールに変更した以外は実施例22と同様にし、ポリイミド前駆体組成物23を得た。また実施例1と同様に白化試験をおこなった。結果を表2に示す。
ポリイミド前駆体組成物22の溶媒Bを、2−エチルー1−ブタノールからベンジルアルコールに変更した以外は実施例22と同様にし、ポリイミド前駆体組成物24を得た。また実施例1と同様に白化試験をおこなった。結果を表2に示す。
ポリイミド前駆体組成物22の溶媒Bを、2−エチルー1−ブタノールからエチレングリコールモノメチルエーテルに変更した以外は実施例22と同様にし、ポリイミド前駆体組成物25を得た。また実施例1と同様に白化試験をおこなった。結果を表2に示す。
実施例18で得られた20gの組成物X−6にジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)を22g添加し、ポリイミド前駆体及び溶媒Aを含む組成物X−9を得た。さらに、10gの組成物X−9に、溶媒Bとして2−エチルー1−ブタノール0.015gを加え、ポリイミド前駆体組成物26を得た。また実施例1と同様に白化試験を行った。結果を表2に示す。
ポリイミド前駆体組成物26の溶媒Bを、2−エチルー1−ブタノールから2−エチル−1-ヘキサノールに変更した以外は実施例26と同様にし、ポリイミド前駆体組成物27を得た。また実施例1と同様に白化試験をおこなった。結果を表2に示す。
ポリイミド前駆体組成物26の溶媒Bを、2−エチルー1−ブタノールからベンジルアルコールに変更した以外は実施例26と同様にし、ポリイミド前駆体組成物28を得た。また実施例1と同様に白化試験をおこなった。結果を表2に示す。
ポリイミド前駆体組成物26の溶媒Bを、2−エチルー1−ブタノールからエチレングリコールモノメチルエーテルに変更した以外は実施例26と同様にし、ポリイミド前駆体組成物29を得た。また実施例1と同様に白化試験をおこなった。結果を表2に示す。
ポリイミド前駆体組成物1の溶媒Bの代わりに、アニソールを加えた以外は実施例1と同様にし、比較例組成物1を得た。また、実施例1と同様に白化試験を行った。結果を表3に示す。
ポリイミド前駆体組成物1の溶媒Bの代わりに、N−メチル−2−ピロリドンを加えた以外は実施例1と同様にし、比較例組成物2を得た。また、実施例1と同様に白化試験を行った。結果を表3に示す。
ポリイミド前駆体組成物12の溶媒Bの代わりに、アニソールを加えた以外は実施例12と同様にし、比較例組成物3を得た。また、実施例1と同様に白化試験を行った。結果を表3に示す。
ポリイミド前駆体組成物19の溶媒Bの代わりに、シクロヘキサンを加えた以外は実施例19と同様にし、比較例組成物4を得た。また、実施例1と同様に白化試験を行った。結果を表3に示す。
ポリイミド前駆体組成物26の溶媒Bの代わりに、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)を加えた以外は実施例26と同様にし、比較例組成物5を得た。また、実施例3と同様に白化試験を行った。結果を表3に示す。
Claims (3)
- ポリイミド前駆体及び溶媒を含む組成物であって、溶媒として、
エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、スルホン系溶媒、複素環系溶媒、フェノール系溶媒、ラクトン系溶媒及びエステル系溶媒からなる群より選ばれる1種以上であり、且つ、20℃における蒸気圧が50000Pa以下である溶媒(溶媒A)、
並びに芳香族アルコール、脂肪族アルコール及びグリコールモノエーテル系アルコールからなる群より選ばれる1種以上である溶媒(溶媒B)を含み、
溶媒Aは、少なくともエーテル系溶媒又はアミド系溶媒を含み、
溶媒A及び溶媒Bの蒸気圧差が10000Pa以下であり、
該ポリイミド前駆体は、3,3',4,4'−ビスシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物に由来する単位、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカカルボン酸二無水物に由来する単位及びジアミン化合物に由来する単位を有する構造であることを特徴とするポリイミド前駆体組成物。 - 前記溶媒Bのオクタノール/水分配係数(logρ)が0以上である、請求項1に記載のポリイミド前駆体組成物。
- 前記ポリイミド前駆体が、脂肪族骨格を有するものである、請求項1又は2に記載のポリイミド前駆体組成物。
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