JP6582519B2 - 光偏向装置、2次元画像表示装置、光走査装置及び画像形成装置 - Google Patents

光偏向装置、2次元画像表示装置、光走査装置及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、光偏向装置、2次元画像表示装置、光走査装置及び画像形成装置に関する。
近年、光ビームを偏向、走査する手段として、半導体製造技術を応用したシリコンやガラスを微細加工するマイクロマシニング技術により、基板上に反射面を有する可動部や該可動部を回転振動させる駆動梁を一体形成した小型の光偏向素子が開発されている。
この種の光偏向素子は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラーとも呼ばれている。
駆動梁は、カンチレバーの表面に薄膜化した圧電材料からなる圧電体を重ね合わせて形成されており、圧電体がアクチュエータとして機能する。
圧電体の圧電特性から生じる面内方向の伸縮がカンチレバーに伝わり、カンチレバーを振動させることができる。
カンチレバーの振動によって反射面が回転振動し、光偏向が可能となる。回転振動とは、所定角度の範囲内で回転と戻りを繰り返す動作を意味する。
圧電体への電圧印加によって生じる薄膜の収縮を利用することによって、数mm角程度の素子サイズで、素子内に設けられた直径1mm〜数mm程度の微小なミラーを高速で走査することが可能となる。
特許文献1には、反射面を2軸周りに回転させる光偏光器が開示されている。第1支持部内に設けられた第1圧電アクチュエータにより反射面を有するミラー部が第1軸周りに回転し、第1圧電アクチュエータ及びミラー部を含む第1支持部全体が第2圧電アクチュエータにより第1軸と直交する第2軸周りに回転する構成である。
第1支持部には、第1圧電アクチュエータの圧電駆動により伝達される第1振動と、第2圧電アクチュエータの圧電駆動により伝達される第2振動とを検知する検知用圧電素子が配置されている。
検知用圧電素子で検知されたアクチュエータの実際の変形量をフィードバックすることにより、圧電駆動による反射面の振れ角の制御精度を高めることができる。
MEMSミラーの製造においては、一般的に1つの基板上に複数のMEMSミラーを同時に作製することが行われている。薄膜圧電体はスパッタやゾルゲルのスピンコートによってシリコン基板上に成膜される。しかしながら、成膜時、基板上に膜厚分布が生じることを避けられず、これにより各MEMSミラーごとに駆動力のばらつきが生じてしまう。
すなわち、各MEMSミラーごとに所定の振れ角を得るための印加電圧値が異なる。
ヘッドアップディスプレイやレーザーレーダなどの光学システムにMEMSミラーを組み付ける場合、各駆動梁の初期電圧値を一定にして組み付けを行うと、上記理由により駆動力にばらつきがある。
1つの基板から得られた複数のMEMSミラーのうち圧電体の膜厚が小さいMEMSミラーでは駆動梁の駆動力が小さいため、所定の振れ角を得るためには電圧値を大きくする必要がある。
駆動力の小さいMEMSミラー電圧値を初期電圧値として他の光学システムにも一律に設定した場合、MEMSミラーや圧電駆動部が所望値よりも大きく動いてしてしまうことがあり、駆動梁の破損や絶縁破壊などといった破壊的な故障を引き起こしてしまう問題があった。
光学システムへの組み付け調整前に駆動梁の駆動力を測定して、初期印加電圧値を計算してから電圧を印加することも可能であるが、組み付け調整の工数が増えてしまい、コスト増となってしまう。
特許文献1に記載の光偏光器では、ミラー動作中の駆動力を検知することはできるものの、反射面の振動時の回転角のデータを得るだけにすぎず、MEMSミラーごとの駆動力のばらつきによる上記駆動梁の破損等の問題を解消する対策にはならない。
本発明は、このような現状に鑑みて創案されたもので、組み付け調整の工数を増やすことなく駆動梁の破損等の問題を解消できる光偏向装置の提供を、その主な目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の光偏向装置は、反射面を有するミラー部と、該ミラー部を回転可能に支持する梁部と、該梁部を前記ミラー部が回転するように駆動する圧電部材と、該圧電部材の電極に通電するための電極接続部と、前記圧電部材の特性を測定するための圧電膜特性測定部と、を備えた光偏向素子と、前記光偏向素子を駆動制御する素子制御部と、を有し、前記素子制御部は、駆動回路と、該駆動回路を介して前記電極接続部に接続される電源部と、前記圧電膜特性測定部の分極と比誘電率とを測定する圧電膜特性測定回路と、前記圧電膜特性測定部の分極と比誘電率の測定結果から電圧値を算出する駆動電圧演算部と、を有する。
本発明によれば、組み付け調整の工数を増やすことなく駆動梁の破損等の問題を解消できる光偏向装置を実現できる。
本発明の第1の実施形態に係る光偏向装置の構成を示すブロック図である。 光偏向素子の平面図である。 蛇行状梁部の平面図である。 蛇行状梁部の圧電部材に印加する電圧の波形を示す図で、(a)は第1の蛇行状梁部に対する波形を示す図、(b)は第2の蛇行状梁部に対する波形を示す図である。 光偏向素子の動作状態を示す図で、(a)は非駆動状態の斜視図、(b)は駆動状態での蛇行状梁部における各梁部の変形動作を示す側面図である。 蛇行状梁部と圧電部材の要部断面図である。 圧電膜特性測定回路を示す図で、(a)は分極−電界の相関を測定するための回路図、(b)は比誘電率を測定するための回路図である。 第1の実施形態の光偏向素子で分極特性を測定した結果を示す特性図である。 光偏向素子における圧電定数と分極、比誘電率との関係を示す図である。 第2の実施形態に係る1軸走査型の光偏向素子の平面図である。 第3の実施形態に係る2次元画像表示装置としてのプロジェクタの構成を示す図である。 第3の実施形態に係る2次元画像表示装置としてのヘッドアップディスプレイの構成を示す図である。 第4の実施形態に係る光走査装置を示す斜視図である。 第5の実施形態に係る画像形成装置を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図を参照して説明する。
図1乃至図9に基づいて第1の実施形態を説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る光偏向装置1は、光偏向素子(以下、「光偏向器」ともいう)2と、光偏向素子2を駆動生後する素子制御部3とを有している。以下、光偏向素子2の構成を具体的に説明する。
図2に示すように、光偏向素子2は、垂直方向(Y方向)と水平方向(X方向)の光走査が可能な2軸走査型の光偏向素子であり、半導体プロセスにて製造されるMEMSミラーである。
光偏向素子2は、反射面を有するミラー部4と、ミラー部4を含む平板状の可動枠6と、可動枠6の外側を囲むように配置された支持枠8とを有している。
可動枠6のY軸方向を中心とした両側において、可動枠6と支持枠8との間には、ミラー部4を回転可能に支持する梁部としての第1の蛇行状梁部10と、第2の蛇行状梁部12とが設けられている。
第1の蛇行状梁部10の一端10aは支持枠8に固定され、他端10bは可動枠6に固定されている。
同様に、第2の蛇行状梁部12の一端12aは支持枠8に固定され、他端12bは可動枠6に固定されている。
すなわち、可動枠6は、第1の蛇行状梁部10と第2の蛇行状梁部12とにより間接的に支持枠8に支持されている。
第1の蛇行状梁部10と第2の蛇行状梁部12の表面には、圧電部材14が設けられており、電圧を印加することにより変形する構成となっている。
可動枠6には、一端がミラー部4に固定され、ミラー部4を蛇行状梁部の変形による振動方向と直交する方向に回転可能に支持する一対の弾性支持部材としてのトーションバー32、34と、電圧を印加することにより変形する構成を有し、一端がトーションバー32、34の他端側に固定された一対の駆動梁36、38とが設けられている。
駆動梁36、38の他端は可動枠6に一体に接続されている。ミラー部4、トーションバー32、34、駆動梁36、38は、可動枠6に溝を形成することにより動作可能となっている。
駆動梁36、38の表面には、蛇行状梁部の梁部と同様に圧電部材40が設けられており、電圧を印加することにより変形する構成となっている。
図3に示すように、第1の蛇行状梁部10と第2の蛇行状梁部12は、細長い梁部Aと梁部BとがX方向に交互に位置する折り返し形状を有している。
梁部Aと梁部Bの表面には、折り返し部を除いて独立の圧電部材14が設けられており、梁部Aと梁部Bとを独立して駆動可能となっている。
梁部Aと梁部Bのそれぞれの圧電部材14に異なる電圧を印加すると、梁部Aと梁部Bとにそれぞれ反り(変形)が発生して隣り合う梁部が異なる方向に撓む。
この撓みが累積されて可動枠6に伝達され、ミラー部4はX軸周り(=垂直方向)に大きな角度で回転振動することになる。これにより、X軸を中心とした垂直方向への光走査が可能となる。図3ではミラー部4は省略している。
一方、駆動梁36、38を駆動することで、ミラー部4を支持するトーションバー32、34にねじれが発生し、ミラー部4がY軸周りに回転振動する。これにより、Y軸を中心とした水平方向での光走査が可能となる。
2次元的に光ビームを走査する際の走査方法として、以下のようなラスタ走査方式が一般的である。すなわち、Y軸を中心とした水平方向には、光偏向器が有する水平方向の共振モードの励振周波数に合わせた高速(数kHz〜数10kHz)の正弦波信号によってミラーを走査する。
一方、X軸を中心とした垂直方向への光走査は、より低速(数Hz〜数10Hz)ののこぎり波の波形信号によってミラーを走査する。
例えば、光ビーム走査を利用した画像描画装置では、光ビームの発光タイミングをミラーの走査角に合わせて点滅させることで、垂直方向の走査周波数と等しい更新時間で画像を描画することができる。
図4及び図5に基づいて、光偏向素子2の駆動原理を説明する。
第1の蛇行状梁部10と第2の蛇行状梁部12の蛇行した各梁部A及びBにそれぞれ設けられた複数の圧電部材14に対して、梁部Aの圧電部材14には、図4(a)に示すのこぎり波の電圧が印加される。
梁部Bの圧電部材14には、図4(b)示すように、図4(a)ののこぎり波とは逆形状ののこぎり波の電圧が印加される。
各梁部A、Bに設けられた圧電部材14に異なる波形の電圧が印加されることにより、第1の蛇行状梁部10と第2の蛇行状梁部12はそれぞれカンチレバーとして動作し、可動枠6が回転振動する。
図4において、符号Ta、Tbは波形周期を、Ta1、Tb2は梁部Aに印加する電圧波形(のこぎり波形)を、Ta2、Tb2は梁部Bに印加する電圧波形(のこぎり波形)を示している。
図5(a)は光偏向素子2の非動作状態を、図5(b)は光偏向素子2の動作状態における蛇行状梁部の変化を示している。
上記のように、駆動梁36、38を駆動することで、ミラー部4を支持するトーションバー32、34にねじれが発生し、ミラー部4がY軸周りに回転振動する。ここでは、駆動梁36、38には正弦波による駆動を行い、ミラー部4の回転は機械的共振を利用することになる。
本発明の光偏向器では、20kHzの正弦波の電圧印加により、ミラー部4がトーションバー32、34のねじれにより20kHzで回動することになる。反射面の回動角度に関しては、機械振れ角±13°の回転が得られるように動作させることができる。
一方、蛇行状梁部を駆動することで、可動枠6がX軸周りに回転し、これに応じてミラー部4もX軸周りに回転振動する。このようにしたY軸方向の機械的共振による正弦波振動と、X軸方向の非共振駆動による回転振動により、2軸方向でのレーザ走査が可能になる。
圧電部材14、40は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)膜を用いて、圧電薄膜として作製した。成膜手法としては、スパッタリング法やゾルゲル液のスピンナーによる塗布形成法等がある。
PZTは電気−機械エネルギーの変換効率が他の圧電材料に比べると良好で、かつ上記の一般的な製法で安価で作成することができる。
図6に基づいて、光偏向素子2の製造方法を具体的に説明する。
支持層基板には、通常SOI(Silicon On Insulator)基板が使用される。SOI基板は、活性層側のシリコン(第2の支持層21)と、埋め込み酸化膜層と、基材層側のシリコン(第1の支持層)とにより構成される。
SOI基板の表面にシリコン酸化膜が成膜され、その後、下部電極材料18、圧電材料20、上部電極材料22が順に成膜される。
その後、上部電極材料、圧電材料、下部電極材料がそれぞれ異なるパターンでパターン化される。
このとき、それぞれのパターンは光偏向器に要求される性能等に応じて任意の形でパターン化されており、下部電極材料と同一パターンでシリコン酸化膜をエッチングしている。
下部電極材料は配線材料としても活用されるのが一般的である。その後、絶縁層24を成膜し、接続孔25を開口してアルミニウムの引出し配線材料27が成膜されパターン化される。
その後、絶縁膜及びミラー膜が成膜される。その後、活性層と基材層と埋め込み酸化膜とを順次パターン化及びエッチングし、光偏向器が完成する。光偏向器は1つの基板上に複数個同時に作製される。
本実施形態における各部の材質と厚みは以下の通りである。
絶縁層24:SiO(二酸化ケイ素;厚さ0.7μm)
上部電極22:Pt(白金;厚さ0.2μm)
圧電材料20:PZT(チタン酸ジルコン酸鉛;厚さ2μm)
下部電極18:Ir(イリジウム;厚さ0.15μm)
梁部A、B:Si(シリコン;厚さh1=40μm)
第2の支持層:Si(シリコン;厚さh2=200μm)
図2に示すように、光偏向素子2の非可動部分である支持枠8には、圧電膜特性測定部28と、圧電部材の電極に通電するための電極接続部29とが設けられている。
圧電膜特性測定部28は、下記のように梁部A、Bと同様の層構成となっており、面積は0.5mm×0.5mmである。
絶縁膜:SiO(厚さ0.7μm)、
上部電極:Pt(厚さ0.2μm)
圧電材料:PZT(厚さ2μm)
下部電極:Ir(厚さ0.15μm)
第1の支持層:Si(厚さ40μm)
第2の支持層:Si(厚さ200μm)
図1に示すように、素子制御部3は、駆動回路5と、駆動回路5を介して光偏向素子2の電極接続部29に接続される電源部7と、圧電膜特性測定部28の分極と比誘電率とを測定する圧電膜特性測定回路9と、圧電膜特性測定部28の分極と比誘電率の測定結果から電圧値を算出する駆動電圧演算部11とを有している。
図2に示すように、圧電膜特性測定部28は電極接続部29とアルミニウム配線で接続されており、圧電膜特性測定回路9と電極接続部29とを接続することで、圧電膜特性測定部29の分極と比誘電率を測定する。
圧電膜特性測定部28を振動源が存在しない非可動部分に形成することで、分極や比誘電率の測定時に不要な振動を発生させることが無くなり、故障を抑制することができる。
特許文献1では、検知用圧電素子は、本実施形態の可動枠6に相当する第1支持部に設けられており、振動が発生する部分での検知構成となっている。
圧電膜特性測定部28を梁部A、Bと同じ層構成にすることで、蛇行状梁部を形成する製造工程と一体で製作することができ、製造工程を簡易化することができる。
図7に圧電膜特性測定回路9を示す。
本実施形態では、分極−電界の相関を測定するために、図7(a)に示すソーヤ・タワー回路を用いた。
電源部7から電力を供給された回路は、光偏向素子2、測定回路C1、測定回路C2に接続されており、測定回路C1では光偏向素子2に印加した電圧に対する分極量を測定し、測定回路C2では印加電圧を計測する。
その結果が駆動電圧演算部11に入力される。原理として、P−Eヒステリシスループから自発分極Psを計算する。
ソーヤ・タワー回路によるヒステリシスループの観測によって得られたヒステリシスループの一例を図8に示す。電界の高い部分において、P−E曲線の傾きが一定になっている。このときの光偏向素子2の飽和電束密度(自発分極)をPsとすると、高電界でのP−E曲線の傾きはD0の変化量に等しく、この部分の直線と分極軸(Y軸)との交点をPSで表す。圧電膜特性測定部28では、自発分極Psを計測する。
図7(b)は、比誘電率を測定するための比誘電率測定回路である。電源部7から電力を供給された回路には光偏向素子2が接続されており、光偏向素子2に流れる電流を電流計測部15で測定する。
測定された電流値をもとに、以下の関係式(1)から静電容量値を算出し、その静電容量値から比誘電率を関係式(2)から算出する。
関係式(2)において、ε0:真空の誘電率、t:圧電特性測定部における圧電体の膜厚、S:圧電体の面積である。
Figure 0006582519
図7で示した分極測定回路と比誘電率を測定する回路との間にはスイッチ回路としてのスイッチ部17を設けることで、共通の電源部から測定する回路方向に電気信号を印加することができる。
このため、それぞれに電源部を設ける必要がなく、素子制御部3を簡易化することができる。
図9は本実施形態の光偏向素子2での圧電定数と分極、比誘電率との関係を示した図である。
一般に、圧電定数と自発分極、比誘電率の関係は、以下の関係式(3)で示すことができる。関係式(3)において、Qは電歪定数である。
Figure 0006582519
光偏向素子2において、製造条件を変えた3パターンを準備して自発分極と比誘電率、圧電定数の測定を行った。その結果をプロットしたものが図9である。
図9から、自発分極と比誘電率の積が圧電定数と比例関係にある結果を得ることができることが分かる。
圧電定数d31と圧電カンチレバー(梁部A、B)の変位δとの関係は、以下の関係式(4)となる。関係式(4)において、L:圧電カンチレバーの長さ、E3:Z方向の電界である。
Figure 0006582519
駆動電圧演算部11では、自発分極と比誘電率の測定結果からカンチレバー変位を一定にするための印加電圧値を算出し、その駆動電圧を駆動回路5で信号生成して光偏向素子2を駆動することで、ミラー部4の振れ角が所望の値となり、大きく振れて破損するなどといった不具合を防ぐことができる。
特許文献1に記載の光偏向器では、検知用圧電素子で検知されたアクチュエータの実際の変形量を振れ角を調整するための制御用データとしてフィードバックするだけである。
これに対し、本実施形態では、光偏向素子が組み込まれた光学システムの初期駆動時に、素子制御部3により圧電膜特性測定部28の分極量と比誘電率の測定が自動的に行われ、その値に基づいて駆動電圧演算部11にて所望の初期印加電圧値を算出し、各光偏向素子ごと(各光学システムごと)に最適な初期電圧を印加する。印加電圧値に応じて梁部のねじれ量やミラー部の振れ角が一定値に決まるため、ミラー部の破損や絶縁破壊などといった故障を抑制することができる。
上記実施形態では、2軸走査型の光偏向素子2を備えた光偏向装置を例示したが、図10に示すように、垂直方向(Y軸方向)の光走査が可能な1軸走査型の光偏向素子26を備えた光偏向装置においても同様に本発明を実施できる(第2の実施形態)。図10において、圧電膜特性測定部28及び電極接続部29は省略している。
なお、本発明における梁部の形状は、上記各実施形態で示した蛇行形状に限定されない。
図11及び図12に基づいて第3の実施形態(2次元画像表示装置)を説明する。
図11は、2次元画像表示装置としてのプロジェクタ50を示している。
プロジェクタ50では、赤色レーザ光源52、緑色レーザ光源54、青色レーザ光源56のそれぞれから発せられた光は、コリメートレンズ58によってそれぞれ平行光になって出射される。
具体的には、赤色レーザとして波長640nm、緑色レーザとして波長520nm、青色レーザとして波長450nmの光源を用いた。
コリメートされたレーザ光は、光路合成手段60に入射される。光路合成手段60は、3本の光路を1つの光路に合成するものであり、ダイクロイックミラーなどの光路合成プリズムを使う。
光路合成手段60は、3つの反射面を有する。合成されたレーザ光は、画像を描画する2次元走査手段としての2軸走査型の光偏向装置1によって、入射されたレーザ光を2次元に走査し、投影面としてのスクリーン62に画像を形成する。
スクリーン62への画像の形成は、光偏向素子2によるレーザ光の2次元光走査と、各レーザ光源の強度変調によって行われる。
このとき、各光源の強度変調信号はLD駆動部64から素子制御部3へ送られる。光偏向素子2のミラー部4は矢印で示すように回転振動し、スクリーン62への2次元光走査を行う。
画像を形成するためのLD、光偏向素子2の制御は、素子制御部3で行われる。
図12は、2次元画像表示装置としてのヘッドアップディスプレイ72を示している。
ヘッドアップディスプレイ72では、スクリーンとしてマイクロレンズアレイ74を用いており、マイクロレンズアレイ74上に画像が形成される。
観察者76は、投射ミラー78、半透明部材としてのコンバイナ80を介して画像が拡大された虚像82をコンバイナ80の先に視認することができる。
この場合、マイクロレンズアレイ74によりレーザ光が拡散されるため、スペックルノイズの低減された虚像82を視認することができる。
半透明部材として一般的にコンバイナを設置するが、車載用のヘッドアップディスプレイでは車両の窓ガラスを使うことも可能である。
図13に基づいて第4の実施形態(光走査装置)を説明する。
光源としてのレーザ素子84からのレーザ光はコリメート光学系86を経た後、1軸又は2軸走査型の光偏向装置により偏向される。
偏向されたビームは、第1のレンズであるfθレンズ88、第2のレンズであるトロイダルレンズ90及びミラー92からなる結像光学系で感光ドラム等の被走査面94にスポット状に結像する。
図14に基づいて第5の実施形態(画像形成装置)を説明する。
光走査装置100は、記録信号によって変調された1本又は複数本のレーザビームで像担持体としての感光体ドラム102の表面(被走査面)を同ドラムの軸方向に走査する。
感光体ドラム102は矢印方向に回転駆動され、帯電手段104により帯電された表面に光走査装置100により画像情報に基づいて光走査されることによって静電潜像が形成される。
静電潜像は現像手段106でトナー像に可視像化され、このトナー像は転写手段108で被転写体としての記録紙110に転写される。転写されたトナー像は定着手段112によって記録紙110に定着される。
感光体ドラム102の転写手段108に対向する部位を通過した表面部分はクリーニング手段114で残留トナーを除去される。
感光体ドラム102に代えてべルト状の感光体を用いる構成も可能である。
また、トナー像を記録紙以外の転写媒体に一旦転写し、この転写媒体からトナー像を記録紙に転写して定着させる構成とすることも可能である。
光走査装置100は、記録信号によって変調された1本又は複数本のレーザビームを発する光源116と、光源116を変調する光源駆動手段118と、1軸又は2軸走査型の光偏向装置とを有している。
また、光走査装置100は、光偏向器2の反射面に光源116からの光ビームを結像させるための結像光学系120と、反射面で反射された光ビームを感光体ドラム102の表面に結像させるための走査光学系122等を有している。
光偏向装置の光偏向素子2は、その駆動のための集積回路124とともに回路基板126に実装された形で光走査装置100に組み込まれている。
本発明に係る光偏向装置は、回転多面鏡に比べ駆動のための消費電力が小さいため、画像形成装置の省電力化に有利である。
光偏向装置のミラー部4の振動時の風切り音は回転多面鏡に比べ小さいため、画像形成装置の静粛性の改善に有利である。
本発明に係る光走査装置は回転多面鏡に比べ設置スペースが圧倒的に少なくて済み、また、光偏向器の発熱量もわずかであるため、小型化が容易である。したがって、画像形成装置の小型化に有利である。
なお、記録紙の搬送機構、感光体ドラムの駆動機構、現像手段、転写手段などの制御手段、光源の駆動系などは、従来の画像形成装置と同様であるため図中省略している。
本発明の光偏向装置は、画像表示装置や光走査装置、画像形成装置以外にも、レーザーレーダなどの光センシング装置にも応用できる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定しない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を例示したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
2、26 光偏向素子
3 素子制御部
4ミラー部
5 駆動回路
7 電源部
8 非可動部分としての支持枠
9 圧電膜特性測定回路
10 梁部としての第1の蛇行状梁部
11 駆動電圧演算部
12 梁部としての第2の蛇行状梁部
14 圧電部材
28 圧電膜特性測定部
29 電極接続部
52、54、56 光源
50 光路合成手段
62 投影面としてのスクリーン
84 光源としてのレーザ素子
102 像担持体としての感光体ドラム
106 現像手段
108 転写手段
特開2013−190498号公報

Claims (8)

  1. 反射面を有するミラー部と、該ミラー部を回転可能に支持する梁部と、該梁部を前記ミラー部が回転するように駆動する圧電部材と、該圧電部材の電極に通電するための電極接続部と、前記圧電部材の特性を測定するための圧電膜特性測定部と、を備えた光偏向素子と、
    前記光偏向素子を駆動制御する素子制御部と、
    を有し、
    前記素子制御部は、駆動回路と、該駆動回路を介して前記電極接続部に接続される電源部と、前記圧電膜特性測定部の分極と比誘電率とを測定する圧電膜特性測定回路と、前記圧電膜特性測定部の分極と比誘電率の測定結果から電圧値を算出する駆動電圧演算部と、を有する光偏向装置。
  2. 請求項1に記載の光偏向装置において、
    前記圧電膜特性測定部は、前記光偏向素子の非可動部分に配置されている光偏向装置。
  3. 請求項1又は2に記載の光偏向装置において、
    前記圧電膜特性測定部は、前記圧電部材を有する前記梁部と同じ層構成で形成されている光偏向装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の光偏向装置において、
    前記圧電膜特性測定回路は、分極測定回路と、比誘電率測定回路とを有し、前記分極測定回路及び前記比誘電率測定回路と前記電源部との間にはスイッチ回路が設けられている光偏向装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の光偏向装置において、
    前記圧電部材はチタン酸ジルコン酸鉛からなる光偏向装置。
  6. 複数の異なる波長のレーザ光を出射する光源と、
    前記各レーザ光の光路を一つに合成する光路合成手段と、
    前記合成されたレーザ光を走査して画像を描画する2次元走査手段と、
    を備え、
    前記2次元走査手段が請求項1〜5のいずれか1つに記載の光偏向装置であり、該光偏向装置による光偏向を行い、投影面に画像を投影する2次元画像表示装置。
  7. 光源と、
    前記光源からの光ビームを偏向する光偏向装置と、
    偏向された光ビームを被走査面にスポット状に結像する結像光学系と、
    を備え、
    前記光偏向装置は、請求項1〜のいずれか1つに記載の光偏向装置である光走査装置。
  8. 像担持体と、
    画像情報に基づいて前記像担持体に静電潜像を形成する光走査装置と、
    前記静電潜像を可視像化する現像手段と、
    前記可視像を被転写体に転写する転写手段と、
    を有し、
    前記光走査装置が請求項7に記載の光走査装置である画像形成装置。
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