JP6582436B2 - スケール防止剤及びスケール防止方法 - Google Patents

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Description

本発明は、スケール防止剤及びスケール防止方法に関する。
冷却水系、ボイラー水系などの水と接触する伝熱面や配管内ではスケール障害が発生する。開放循環式冷却水系においては、省資源・省エネルギーの立場から、冷却水の系外への排棄(ブロー)を少なくして、冷却水の高濃縮運転が行われるので、補給水中に溶存している塩類が濃縮され、伝熱面が腐食しやすくなるのみならず、難溶性の塩が析出してスケール化する。特に、近年、節水の観点から、今まで以上の高濃縮運転が求められている。
生成するスケール種としては、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、リン酸亜鉛、水酸化亜鉛、塩基性炭酸亜鉛などがある。冷却水系において使用される水は、通常は工業用水や水道水などであるため、水中には種々のイオン種が溶存しており、冷却水の高濃縮運転が行われた場合、上記のような種々のスケール種が発生する危険性が非常に高い。特に、カルシウム系スケールの生成が冷却水系の効率的な熱伝導や流体の流動を妨げるため、効果的にカルシウム系スケールの発生を防止できるスケール防止剤が求められている。
カルシウム系スケールに対するスケール防止剤としては、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリマレイン酸が汎用されている。
例えば、特許文献1には、アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とのモル比が25:75〜95:5である共重合体が提案されている。
米国特許第3928196号公報
しかしながら、高濃縮運転されている高硬度の冷却水系にポリ(メタ)アクリル酸やポリマレイン酸を添加した場合、カルシウムイオンと結合して不溶性の塩を形成するため、効果的なスケール防止効果は得られない。また、特許文献1に記載された共重合体を1剤で使用してもカルシウム系スケールの発生を効果的に防止することができない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、スケール防止、特にはカルシウム系のスケール防止に関して、配管や熱交換器などの壁面に対するスケールの付着を効果的に防止するスケール防止剤及びスケール防止方法を提供することを主目的とする。
本発明者らは、重合性不飽和カルボン酸単量体を構成単位として少なくとも含有する2種の共重合体及びホスホン酸化合物を含み、2種の共重合体のうち少なくとも1種の共重合体が重合性不飽和カルボン酸単量体の含有量が10モル%〜90モル%の範囲に属する共重合体Bである、スケール防止剤を用いることによって、スケール、特にはカルシウム系のスケールの付着を効果的に防止できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、重合性不飽和カルボン酸単量体を構成単位として少なくとも含有する2種の共重合体及びホスホン酸化合物を含み、該2種の共重合体が少なくとも1種の共重合体Bから少なくとも構成され、該少なくとも1種の共重合体Bは、該重合性不飽和カルボン酸単量体の含有量が10モル%〜90モル%の範囲に属する共重合体であり、該ホスホン酸化合物は、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸若しくはその塩、又は1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸若しくはその塩である、スケール防止剤を提供する。
前記2種の共重合体が1種の共重合体Aと1種の前記共重合体Bとから構成され、該共重合体Aは、前記重合性不飽和カルボン酸単量体の含有量が91モル%〜99モル%の範囲に属する共重合体であってもよい。
前記2種の共重合体が2種の前記共重合体Bから構成されてよい。
また、本発明は、本発明のスケール防止剤を冷却水系に添加する、スケール防止方法も提供する。
本発明によれば、スケール防止、特にはカルシウム系のスケール防止に関して、配管や熱交換器などの壁面に対するスケールの付着を効果的に防止するスケール防止剤及びスケール防止方法が提供される。
図1は、実施例1〜4、及び比較例1〜16で用いられた高熱負荷試験装置を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が限定されて解釈されることはない。
<スケール防止剤>
本発明の実施形態に係るスケール防止剤は、重合性不飽和カルボン酸単量体を構成単位として少なくとも含有する2種の共重合体及びホスホン酸化合物を含み、2種の共重合体が少なくとも1種の共重合体Bから少なくとも構成され、少なくとも1種の共重合体Bは、重合性不飽和カルボン酸単量体の含有量が10モル%〜90モル%の範囲に属する共重合体であり、ホスホン酸化合物は、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸若しくはその塩、又は1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸若しくはその塩である、スケール防止剤である。また、本発明の実施形態に係るスケール防止剤は、重合性不飽和カルボン酸単量体を構成単位として少なくとも含有する2種の共重合体及びホスホン酸化合物を含み、2種の共重合体が1種の共重合体Aと1種の共重合体Bとから構成され、1種の共重合体Aは、重合性不飽和カルボン酸単量体の含有量が91モル%〜99モル%の範囲に属する共重合体であり、1種の共重合体Bは、重合性不飽和カルボン酸単量体の含有量が10モル%〜90モル%の範囲に属する共重合体であり、ホスホン酸化合物は、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸若しくはその塩、又は1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸若しくはその塩である、スケール防止剤でよい。さらに、本発明の実施形態に係るスケール防止剤は、重合性不飽和カルボン酸単量体を構成単位として少なくとも含有する2種の共重合体及びホスホン酸化合物を含み、2種の共重合体が2種の共重合体Bから構成され、共重合体Bは、重合性不飽和カルボン酸単量体の含有量が10モル%〜90モル%の範囲に属する共重合体であり、ホスホン酸化合物は、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸若しくはその塩、又は1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸若しくはその塩である、スケール防止剤でよい。本発明の実施形態に係るスケール防止剤によれば、スケールの防止、特にはカルシウム系のスケールの防止に関して、配管や熱交換器などの壁面に対するスケールの付着が効果的に防止され得る。
本発明の実施形態に係るスケール防止剤は、上記のように、重合性不飽和カルボン酸単量体を構成単位として少なくとも含有する2種の共重合体及びホスホン酸化合物を含み、2種の共重合体のうち少なくとも1種の共重合体が、重合性不飽和カルボン酸単量体の含有率、すなわちカルボン酸の含有率が低い1種の共重合体Bである、スケール防止剤である。また、本発明の実施形態に係るスケール防止剤は、上記のように、重合性不飽和カルボン酸単量体を構成単位として少なくとも含有する2種の共重合体及びホスホン酸化合物を含み、2種の共重合体が、重合性不飽和カルボン酸単量体の含有率、すなわちカルボン酸の含有率が高い1種の共重合体A及び重合性不飽和カルボン酸単量体の含有率、すなわちカルボン酸の含有率が低い1種の共重合体Bである、スケール防止剤でよい。さらに、本発明の実施形態に係るスケール防止剤は、上記のように、重合性不飽和カルボン酸単量体を構成単位として少なくとも含有する2種の共重合体及びホスホン酸化合物を含み、2種の共重合体が、重合性不飽和カルボン酸単量体の含有率、すなわちカルボン酸の含有率が低い2種の共重合体Bである、スケール防止剤でよい。したがって、本発明の実施形態に係るスケール防止剤は、重合性不飽和カルボン酸単量体の含有率が高い共重合体、重合性不飽和カルボン酸単量体の含有率が低い共重合体、不飽和カルボン酸重合体、ホスホン酸等を単独で用いたスケール防止剤と比較して、配管や熱交換器などの壁面にスケールが付着するのをより一層効果的に防止することができる。重合性不飽和カルボン酸単量体由来のカルボキシル基およびホスホン酸が、スケール成分の析出を防止するが、カルボキシル基の含有率が高い共重合体Aは、ゲル化して伝熱面や配管壁面に付着してしまい、スケール防止能が著しく低下する場合がある。一方、カルボキシル基以外の単量体に由来する官能基、例えば、スルホン酸基、ノニオン性基等が、重合体のゲル化やゲル化した重合体の伝熱面や配管壁面への付着を防止しているものと考えられる。
(2種の共重合体)
本発明の実施形態に係るスケール防止剤に含まれる2種の共重合体のそれぞれは、重合性不飽和カルボン酸を構成単位として少なくとも含有する。そして、2種の共重合体は少なくとも1種の共重合体Bから少なくとも構成される。すなわち、2種の共重合体は、1種の共重合体Bと、重合性不飽和カルボン酸単量体を構成単位として少なくとも含有するもう1種の共重合体とから構成される。共重合体Bの詳細については後述する。
(共重合体A)
本発明の実施形態に係るスケール防止剤に含まれる2種の共重合体は、1種の共重合体Aと1種の共重合体Bとから構成されてよい。1種の共重合体Aは、重合性不飽和カルボン酸単量体の含有量が91モル%〜99モル%の範囲に属する共重合体であり、重合性不飽和カルボン酸単量体の含有量が92モル%〜99モル%の範囲に属する共重合体であることが好ましく、重合性不飽和カルボン酸単量体の含有量が96モル%〜99モル%の範囲に属する共重合体であることがより好ましい。ここで、共重合体Aとは、重合性不飽和カルボン酸単量体の含有量が91モル%〜99モル%の範囲に属する共重合体の総称である。そして、ある1種の共重合体が、重合性不飽和カルボン酸単量体の含有量が91モル%〜99モル%の範囲に属する共重合体であるならば、その1種の共重合体は、1種の共重合体Aと定義づけることができる。
共重合体A中に構成単位として含有される重合性不飽和カルボン酸単量体以外の単量体は、重合性不飽和カルボン酸単量体と共重合し得るものであれば任意の単量体でよく、例えば、重合性不飽和スルホン酸単量体、重合性不飽和ノニオン性単量体、芳香族不飽和単量体等が挙げられ、好ましくは重合性不飽和スルホン酸単量体である。重合性不飽和カルボン酸単量体以外の任意の単量体は、共重合体A中に1種単独で含まれてもよいし、2種以上含まれてもよい。なお、重合性不飽和カルボン酸単量体以外の任意の単量体が共重合体A中に2種以上含まれる場合は、その2種以上の任意の単量体は、重合性不飽和カルボン酸単量体と共重合してもよいし、2種以上の任意の単量体同士で共重合してもよい。
重合性不飽和カルボン酸単量体以外の単量体の共重合体A中の含有量は1モル%〜9モル%であり、1モル%〜8モル%であることが好ましく、1モル%〜4モル%であることがより好ましい。なお、重合性不飽和カルボン酸単量体以外の任意の単量体が共重合体A中に2種以上含まれる場合は、2種目以降の単量体の共重合体A中の含有量は、0モル%〜10モル%であることが好ましく、0モル%〜5モル%であることがより好ましい。
重合性不飽和カルボン酸単量体の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ビニル酢酸、クロトン酸、イソクロトン酸などを挙げることができる。これらの中で、アクリル酸は、重合性不飽和スルホン酸との共重合性が良好であり、スケール防止効果が大きいので、特に好適に使用することができる。重合性不飽和カルボン酸は、重合性不飽和カルボン酸以外の単量体と共重合してもよいし、種類の異なる重合性不飽和カルボン酸同士が重合してもよい。種類の異なる重合性不飽和カルボン酸同士が重合するとは、例えば、アクリル酸とマレイン酸等の不飽和ジカルボン酸とが重合することをいう。
重合性不飽和スルホン酸単量体の具体例としては、ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、イソプレンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、メタクリル酸4−スルホブチル、アリルオキシベンゼンスルホン酸、メタリルオキシベンゼンスルホン酸、2−スルホエチルメタクリレート及びそれらの金属塩等が挙げられる。重合性不飽和スルホン酸単量体は、重合性不飽和カルボン酸と共重合してもよいし、重合性不飽和カルボン酸単量体及び重合性不飽和スルホン酸単量体以外の単量体と共重合してもよいし、種類の異なる重合性不飽和スルホン酸単量体同士が重合してもよい。種類の異なる重合性不飽和スルホン酸単量体同士が重合するとは、例えば、ビニルスルホン酸と(メタ)アリルスルホン酸とが重合することをいう。
重合性不飽和ノニオン性単量体の具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル等の(メタ)アクリル酸エステル単量体;N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニル−メチルアセトアミド、N−ビニルオキサゾリドン等のN−ビニル単量体;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド等の窒素含有ノニオン性不飽和単量体;3−(メタ)アリルオキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン、(メタ)アリルアルコール、イソプレノール等の水酸基含有不飽和単量体;3−(メタ)アリルオキシ−1,2−ジヒドロキシプロパンにエチレンオキサイドを1〜200モル程度付加させた化合物(3−(メタ)アリルオキシ−1,2−ジ(ポリ)オキシエチレンエーテルプロパン)、(メタ)アリルアルコールにエチレンオキサイドを1〜100モル程度付加させた化合物等のポリオキシエチレン基含有不飽和単量体等が挙げられる。重合性不飽和ノニオン性単量体は、重合性不飽和カルボン酸と共重合してもよいし、重合性不飽和カルボン酸単量体及び重合性不飽和ノニオン性単量体以外の単量体と共重合してもよいし、種類の異なる重合性不飽和ノニオン性単量体同士が重合してもよい。種類の異なる重合性不飽和ノニオン性単量体同士が重合するとは、例えば、(メタ)アクリル酸メチルとN−ビニルピロリドンとが重合することをいう。
芳香族不飽和単量体の具体例としては、例えば、スチレン等が挙げられる。共重合体A中で、芳香族不飽和単量体は、重合性不飽和カルボン酸と共重合してもよいし、重合性不飽和カルボン酸単量体及び芳香族不飽和単量体以外の単量体と共重合してもよいし、種類の異なる芳香族不飽和単量体同士が重合してもよい。
(共重合体B)
本発明の実施形態に係るスケール防止剤に含まれる2種の共重合体は、少なくとも1種の共重合体Bから少なくとも構成される。また、本発明の実施形態に係るスケール防止剤に含まれる2種の共重合体は、2種の共重合体Bから構成されてもよい。1種の共重合体Bは、重合性不飽和カルボン酸単量体の含有量が10モル%〜90モル%の範囲に属する共重合体である。後述するように、重合性不飽和カルボン酸単量体以外の単量体が、好ましい態様である重合性不飽和スルホン酸単量体である場合は、共重合体B中の重合性不飽和カルボン酸単量体の含有量は50モル%〜89モル%であることが好ましい。また、後述するように、重合性不飽和カルボン酸単量体以外の単量体が、好ましい態様である重合性不飽和ノニオン性酸単量体である場合は、共重合体B中の重合性不飽和カルボン酸単量体の含有量は75モル%〜84モル%であることが好ましい。ここで、共重合体Bとは、重合性不飽和カルボン酸単量体の含有量が10モル%〜90モル%の範囲に属する共重合体の総称である。そして、ある1種の共重合体が、重合性不飽和カルボン酸単量体の含有量が10モル%〜90モル%の範囲に属する共重合体であるならば、その1種の共重合体は、1種の共重合体Bと定義づけることができる。
共重合体B中に構成単位として含有される重合性不飽和カルボン酸単量体以外の単量体は、重合性不飽和カルボン酸単量体と共重合し得るものであれば任意の単量体でよく、例えば、重合性不飽和スルホン酸単量体、重合性不飽和ノニオン性単量体、芳香族不飽和単量体等が挙げられ、好ましくは重合性不飽和スルホン酸単量体及び重合性不飽和ノニオン性単量体である。重合性不飽和カルボン酸単量体以外の任意の単量体は、共重合体B中に1種単独で含まれてもよいし、2種以上含まれてもよい。なお、重合性不飽和カルボン酸単量体以外の任意の単量体が共重合体A中に2種以上含まれる場合は、その2種以上の任意の単量体は、重合性不飽和カルボン酸単量体と共重合してもよいし、2種以上の任意の単量体同士で共重合してもよい。
重合性不飽和カルボン酸単量体以外の単量体の共重合体B中の含有量は10モル%〜90モル%である。重合性不飽和カルボン酸単量体以外の単量体が、好ましい態様である重合性不飽和スルホン酸単量体である場合は、共重合体B中の重合性不飽和スルホン酸単量体の含有量は11モル%〜50モル%であることが好ましい。また、重合性不飽和カルボン酸単量体以外の単量体が、好ましい態様である重合性不飽和ノニオン性単量体である場合は、共重合体B中の重合性不飽和ノニオン性単量体の含有量は16モル%〜25モル%であることが好ましい。なお、重合性不飽和カルボン酸単量体以外の任意の単量体が共重合体B中に2種以上含まれる場合は、2種目以降の単量体の共重合体B中の含有量は、0モル%〜10モル%であることが好ましく、0モル%〜5モル%であることがより好ましい。
共重合体B中に含有される重合性不飽和カルボン酸単量体、重合性不飽和スルホン酸単量体、重合性不飽和ノニオン性単量体、(メタ)アクリル酸エステル単量体、不飽和ジカルボン酸単量体、芳香族不飽和単量体の具体例は、上記で述べた、共重合体A中に含有される重合性不飽和カルボン酸単量体、重合性不飽和スルホン酸単量体、重合性不飽和ノニオン性単量体、(メタ)アクリル酸エステル単量体、不飽和ジカルボン酸単量体、芳香族不飽和単量体の具体例と同じである。
(ホスホン酸化合物)
本発明の実施形態に係るスケール防止剤にはホスホン酸化合物が含まれ、そのホスホン酸化合物は、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸若しくはその塩、又は1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸若しくはその塩である。また、本発明の実施形態に係るスケール防止剤に含まれるホスホン酸化合物は、ヒドロキシホスホノ酢酸、ニトリロトリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N‘,N’−テトラメチレンホスホン酸、又はこれらの塩でもよい。なお、ホスホン酸化合物であれば、本発明の目的を達成し、本発明の効果を奏するので、本発明の実施形態に係るスケール防止剤に含まれるホスホン酸化合物は任意の種類でよい。
(2種の共重合体のブレンド質量比)
本発明の実施形態に係るスケール防止剤に含まれる2種の共重合体を構成する少なくとも1種の共重合体Bと、重合性不飽和カルボン酸単量体を構成単位として少なくとも含有するもう1種の共重合体とのブレンド質量比は、本発明の目的を達成し、さらに本発明の効果を奏すれば任意のブレンド質量比でよいが、90:10〜50:50であることが好ましい。
(1種の共重合体Aと1種の共重合体Bとのブレンド質量比)
本発明の実施形態に係るスケール防止剤に含まれる2種の共重合体を構成する1種の共重合体Aと1種の共重合体Bとのブレンド質量比は、本発明の目的を達成し、さらに本発明の効果を奏すれば任意のブレンド質量比でよいが、90:10〜50:50であることが好ましい。
(2種の共重合体Bのブレンド質量比)
本発明の実施形態に係るスケール防止剤に含まれる2種の共重合体を構成する2種の共重合体Bのブレンド質量比は、本発明の目的を達成し、さらに本発明の効果を奏すれば任意のブレンド質量比でよいが、90:10〜50:50であることが好ましい。
(2種の共重合体とホスホン酸化合物とのブレンド質量比)
本発明の実施形態に係るスケール防止剤に含まれる2種の共重合体を構成する1種の共重合体Bと、重合性不飽和カルボン酸単量体を構成単位として少なくとも含有するもう1種の共重合体と、ホスホン酸化合物とのブレンド質量比(1種の共重合体Bの質量:もう1種の共重合体の質量:ホスホン酸化合物の質量)は、本発明の目的を達成し、さらに本発明の効果を奏すれば任意のブレンド質量比でよいが、70:20:10〜10:20:70であることが好ましい。
(1種の共重合体Aと1種の共重合体Bとホスホン酸化合物とのブレンド質量比)
本発明の実施形態に係るスケール防止剤に含まれる2種の共重合体を構成する1種の共重合体Aと、1種の共重合体Bと、ホスホン酸化合物とのブレンド質量比(1種の共重合体Aの質量:共重合体Bの質量:ホスホン酸化合物の質量)は、本発明の目的を達成し、さらに本発明の効果を奏すれば任意のブレンド質量比でよいが、80:10:10〜10:20:70であることが好ましく、70:20:10であることがより好ましい。
(2種の共重合体Bとホスホン酸化合物とのブレンド質量比)
本発明の実施形態に係るスケール防止剤に含まれる2種の共重合体を構成する2種の共重合体Bと、ホスホン酸化合物とのブレンド質量比(1種目の共重合体Bの質量:2種目の共重合体Bの質量:ホスホン酸化合物の質量)は、本発明の目的を達成し、さらに本発明の効果を奏すれば任意のブレンド質量比でよいが、90:0.5:0.5〜50:20:30であることが好ましく、70:20:10であることがより好ましい。
(共重合体A及び共重合体Bの分子量)
共重合体A及び共重合体Bの分子量は、本発明の目的を達成し、さらに本発明の効果を奏すれば任意の分子量でよいが、重量平均分子量で、1,000以上50,000未満であることが好ましい。共重合体A及びBの分子量が重量平均分子量で1,000未満50,000以上になると、スケール防止効果が低下する。なお、上記重量平均分子量は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC法)による標準ポリアクリル酸換算の値である。
(共重合体A及び共重合体Bの製造方法)
共重合体A及び共重合体Bを製造する方法は、特に制限はなく、公知のラジカル重合法により共重合することができる。共重合体A又は共重合体Bが、例えば、アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とを含む場合、アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とを水に溶解し、雰囲気を不活性ガスで置換し、アゾ系、過酸化物系などの水溶性ラジカル重合開始剤を用い、重合温度50〜100℃で、水溶液重合を行うことによって、共重合体A又は共重合体Bが得られる。
<スケール防止剤の使用形態>
本発明の実施形態に係るスケール防止剤の使用形態は、特に制限はなく、例えば、亜鉛等の防食剤、マレイン酸系ポリマー等のスケール防止剤、スライムコントロール剤等を含有する水溶液を、1液型の処理剤として用いることができる。
(併用できるスケール防止剤)
併用できるスケール防止剤としては、例えば、ポリマレイン酸、ポリアクリル酸、マレイン酸共重合物、マレイン酸/アクリル酸、マレイン酸/イソブチレン、マレイン酸/スルホン酸、アクリル酸/スルホン酸、アクリル酸/ノニオン基含有モノマーのコポリマー、アクリル酸/スルホン酸/ノニオン基含有モノマーのターポリマー等を挙げることができる。
前記スケール防止剤におけるスルホン酸としては、例えばビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、イソプレンスルホン酸、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2―メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、メタクリル酸4−スルホブチル、アリルオキシベンゼンスルホン酸、メタリルオキシベンゼンスルホン酸及びそれらの金属塩等が挙げられる。
また、前記スケール防止剤におけるノニオン基含有モノマーとしては、例えば、アルキルアミド(C1〜C5アルキルアミド)、ヒドロキシエチルメタクリレート、付加モル数1〜30の(ポリ)エチレン/プロピレンオキサイドのモノ(メタ)アクリレート、付加モル数1〜30のモノビニルエーテルエチレン/プロピレンオキサイド等が挙げられる。
(併用できる防食剤)
併用できる防食剤としては、例えば、亜鉛塩、ニッケル塩、モリブデン塩、タングステン塩、オキシカルボン酸塩、トリアゾール類、アミン類等を挙げることができる。
(併用できるスライムコントロール剤)
併用できるスライムコントロール剤としては、例えばアルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等の四級アンモニウム塩、クロルメチルトリチアゾリン、クロルメチルイソチアゾリン、メチルイソチアゾリン、又はエチルアミノイソプロピルアミノメチルチアトリアジン、次亜塩素酸、次亜臭素酸、次亜塩素酸とスルホファミン酸の混合物等、酵素、殺菌剤、着色剤、香料、水溶性有機溶媒、及び消泡剤等を含むものであってもよい。
上記のスケール防止剤、防食剤及びスライムコントロール剤は、それぞれ1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
<スケール防止方法>
本発明の実施形態に係るスケール防止方法は、本発明の実施形態に係るスケール防止剤を冷却水系に添加する方法である。本発明の実施形態に係るスケール防止方法は、本発明の実施形態に係るスケール防止剤を、処理対象の水系に添加し、スケール付着(スケール障害)を防止する。なお、本発明の実施形態に係るスケール防止方法を適用する場合の運転条件には特に制限はない。本発明の実施形態に係るスケール防止方法は、上記の使用形態に基づいて、本発明の実施形態に係るスケール防止剤を、適用する水系に、任意の濃度に調整した水溶液として添加することができる。その添加量は、特に制限はなく、添加する水系の水質に応じて適宜選択することができる。
本発明に係る実施形態は、以下のような構成をとることもできる。
[1]重合性不飽和カルボン酸単量体を構成単位として少なくとも含有する2種の共重合体及びホスホン酸化合物を含み、該2種の共重合体が少なくとも1種の共重合体Bから少なくとも構成され、該少なくとも1種の共重合体Bは、該重合性不飽和カルボン酸単量体の含有量が10モル%〜90モル%の範囲に属する共重合体であり、該ホスホン酸化合物は、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸若しくはその塩、又は1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸若しくはその塩である、スケール防止剤。
[2]前記2種の共重合体が1種の共重合体Aと1種の前記共重合体Bとから構成され、該1種の共重合体Aは、前記重合性不飽和カルボン酸単量体の含有量が91モル%〜99モル%の範囲に属する共重合体である、上記[1]に記載のスケール防止剤。
[3]前記1種の共重合体A中に含有される前記重合性不飽和カルボン酸単量体がアクリル酸である、上記[2]に記載のスケール防止剤。
[4]前記1種の共重合体Aが、重合性不飽和スルホン酸単量体を構成単位として含み、前記共重合体A中に含有される該重合性不飽和スルホン酸単量体の含有量が1モル%〜9モル%の範囲に属する共重合体である、上記[2]又は[3]に記載のスケール防止剤。
[5]前記1種の共重合体A中に含有される前記重合性不飽和カルボン酸単量体の含有量が96モル%〜99モル%の範囲であって、かつ、前記1種の共重合体A中に含有される前記重合性不飽和スルホン酸単量体の含有量が1モル%〜4モル%の範囲である、上記[4]に記載のスケール防止剤。
[6]前記1種の共重合体A中に含有される前記重合性不飽和スルホン酸単量体が2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸である、上記[4]又は[5]に記載のスケール防止剤。
[7]前記1種の共重合体B中に含有される前記重合性不飽和カルボン酸単量体がアクリル酸である、上記[2]〜[6]のいずれか1つに記載のスケール防止剤。
[8]前記1種の共重合体Bが、前記重合性不飽和スルホン酸単量体を構成単位として含み、前記共重合体B中に含有される前記重合性不飽和スルホン酸単量体の含有量が10モル%〜90モル%の範囲に属する共重合体である、上記[2]〜[7]のいずれか1つに記載のスケール防止剤。
[9]前記1種の共重合体B中に含有される前記重合性不飽和カルボン酸単量体の含有量が50モル%〜89モル%の範囲であって、かつ、前記1種の共重合体B中に含有される前記重合性不飽和スルホン酸単量体の含有量が11モル%〜50モル%の範囲である、上記[8]に記載のスケール防止剤。
[10]前記1種の共重合体B中に含有される前記重合性不飽和スルホン酸単量体が2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸である、上記[8]又は[9]に記載のスケール防止剤。
[11]前記1種の共重合体Bが、重合性不飽和ノニオン性単量体を構成単位として含み、前記1種の共重合体B中に含有される前記重合性不飽和ノニオン性単量体の含有量が10モル%〜90モル%の範囲に属する共重合体である、上記[2]〜[7]のいずれか1つに記載のスケール防止剤。
[12]前記1種の共重合体B中に含有される前記重合性不飽和カルボン酸単量体の含有量が75モル%〜84モル%の範囲であって、かつ、前記1種の共重合体B中に含有される前記重合性不飽和ノニオン性単量体の含有量が16モル%〜25モル%の範囲である、上記[11]に記載のスケール防止剤。
[13]前記1種の共重合体B中に含有される前記重合性不飽和ノニオン性単量体がメタクリル酸2−ヒドロキシエチルである、上記[11]又は[12]に記載のスケール防止剤。
[14]前記1種の共重合体B中に含有される前記重合性不飽和ノニオン性単量体がN−イソプロピルアクリルアミドである、上記[11]又は[12]に記載のスケール防止剤。
[15]前記1種の共重合体Aと前記1種の共重合体Bとのブレンド質量比が90:10〜50:50である、上記[2]〜[14]のいずれか1つに記載のスケール防止剤。
[16]前記2種の共重合体が2種の前記共重合体Bから構成される、上記[1]に記載のスケール防止剤。
[17]前記2種の共重合体Bのうち、少なくとも1種の前記共重合体B中に含有される前記重合性不飽和カルボン酸単量体がアクリル酸である、上記[16]に記載のスケール防止剤。
[18]前記2種の共重合体Bのうち、少なくとも1種の前記共重合体Bが重合性不飽和スルホン酸単量体を構成単位として含み、少なくとも1種の前記共重合体B中に含有される前記重合性不飽和スルホン酸単量体の含有量が10モル%〜90モル%の範囲である共重合体である、上記[16]又は[17]に記載のスケール防止剤。
[19]前記2種の共重合体Bのうち、少なくとも1種の前記共重合体B中に含有される前記重合性不飽和カルボン酸単量体の含有量が50モル%〜89モル%の範囲であって、かつ、少なくとも1種の前記共重合体B中に含有される前記重合性不飽和スルホン酸単量体の含有量が11モル%〜50モル%の範囲に属する共重合体である、上記[18]に記載のスケール防止剤。
[20]前記2種の共重合体Bのうち、少なくとも1種の前記共重合体B中に含有される前記重合性不飽和スルホン酸単量体が2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸である、上記[18]又は[19]に記載のスケール防止剤。
[21]前記2種の共重合体Bのうち、少なくとも1種の前記共重合体Bが重合性不飽和ノニオン性単量体を構成単位として含み、少なくとも1種の前記共重合体B中に含有される該重合性不飽和ノニオン性単量体の含有量が10モル%〜90モル%の範囲に属する共重合体である、上記[16]又は[17]に記載のスケール防止剤。
[22]前記2種の共重合体Bのうち、少なくとも1種の前記共重合体B中に含有される前記重合性不飽和カルボン酸単量体の含有量が75モル%〜84モル%の範囲であって、かつ、少なくとも1種の前記共重合体B中に含有される前記重合性不飽和ノニオン性単量体の含有量が16モル%〜25モル%の範囲である、上記[21]に記載のスケール防止剤。
[23]前記2種の共重合体Bのうち、少なくとも1種の前記共重合体B中に含有される前記重合性不飽和ノニオン性単量体がメタクリル酸2−ヒドロキシエチルである、上記[21]又は[22]に記載のスケール防止剤。
[24]前記2種の共重合体Bのうち、少なくとも1種の前記共重合体B中に含有される前記重合性不飽和ノニオン性単量体がN−イソプロピルアクリルアミドである、上記[21]又は[22]に記載のスケール防止剤。
[25]前記2種の共重合体Bのブレンド質量比が90:10〜50:50である、上記[16]〜[24]のいずれか1つに記載のスケール防止剤。
[26]上記[1]〜[25]のいずれか1つに記載のスケール防止剤を冷却水系に添加する、スケール防止方法。
[27] 前記少なくとも1種の前記共重合体B中に含有される前記重合性不飽和カルボン酸単量体がアクリル酸である、上記[1]に記載のスケール防止剤。
[28]前記少なくとも1種の共重合体Bが重合性不飽和スルホン酸単量体を構成単位として含み、前記少なくとも1種の共重合体B中に含有される前記重合性不飽和スルホン酸単量体の含有量が10モル%〜90モル%の範囲である共重合体である、上記[1]又は[27]に記載のスケール防止剤。
[29]前記少なくとも1種の共重合体B中に含有される前記重合性不飽和カルボン酸単量体の含有量が50モル%〜89モル%の範囲であって、かつ、前記少なくとも1種の共重合体B中に含有される前記重合性不飽和スルホン酸単量体の含有量が11モル%〜50モル%の範囲に属する共重合体である、上記[28]に記載のスケール防止剤。
[30]前記少なくとも1種の前記共重合体B中に含有される前記重合性不飽和スルホン酸単量体が2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸である、上記[28]又は[29]に記載のスケール防止剤。
[31]前記少なくとも1種の前記共重合体Bが重合性不飽和ノニオン性単量体を構成単位として含み、少なくとも1種の前記共重合体B中に含有される該重合性不飽和ノニオン性単量体の含有量が10モル%〜90モル%の範囲に属する共重合体である、上記[1]又は[27]に記載のスケール防止剤。
[32]前記少なくとも1種の共重合体B中に含有される前記重合性不飽和カルボン酸単量体の含有量が75モル%〜84モル%の範囲であって、かつ、前記少なくとも1種の共重合体B中に含有される前記重合性不飽和ノニオン性単量体の含有量が16モル%〜25モル%の範囲である、上記[31]に記載のスケール防止剤。
[33]前記少なくとも1種の共重合体B中に含有される前記重合性不飽和ノニオン性単量体がメタクリル酸2−ヒドロキシエチルである、上記[31]又は[32]に記載のスケール防止剤。
[34]前記少なくとも1種の共重合体B中に含有される前記重合性不飽和ノニオン性単量体がN−イソプロピルアクリルアミドである、上記[31]又は[32]に記載のスケール防止剤。
[35]前記少なくとも1種の共重合体Bと、重合性不飽和カルボン酸単量体を構成単位として少なくとも含有するもう1種の共重合体とのブレンド質量比が90:10〜50:50である、上記[27]〜[34]のいずれか1つに記載のスケール防止剤。
[36]上記[27]〜[35]のいずれか1つに記載のスケール防止剤を冷却水系に添加する、スケール防止方法。
以下の実施例及び比較例を挙げて、本発明の実施形態に係るスケール防止剤及びスケール防止方法の効果について説明をする。なお、本発明の範囲は実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(スケール付着試験)
伝熱面積が約0.01mの熱交換器を有し、保有水量が0.1mである高熱負荷試験装置(図1参照)を用いて行った。熱交換器は、材質がSUS304で、外径が19mmのチューブを備えている。このモデル冷却水系に、アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のモル比が99:1(アクリル酸:99モル%、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸:1モル%)である共重合体A−1とアクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のモル比が89:11(アクリル酸:89モル%、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸:11モル%)である共重合体B−1と2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸であるホスホン酸(Bayer AG)との組み合わせ(共重合体A−1と共重合体B−1とホスホン酸とのブレンド質量比は7:2:1、合計濃度は10mg−solid/L)を含有する以下の水質条件の試験水を補給水として加えて2日間運転した。この間、循環水の熱交換器入口温度は30℃に保った。また、循環水の熱交換器チューブを通過する速度は0.5m/sとした。2日間運転を継続したのち、熱交換器のチューブを取り外して、スケールの付着したチューブを乾燥、秤量し、スケール付着の前後のチューブの重量差から、スケール付着速度を算出した。さらに、付着物の蛍光X線分析を行い、カルシウム系スケール付着速度(mg/cm/month)を算出した。
(モル比)
共重合体A−1のアクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のモル比、及び共重合体B−1のアクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のモル比は、以下のような条件で1H−NMRを測定し、得られた2.1ppmおよび3.4ppmのピーク積分値を使用し算出した。
使用装置:日本電子社製 FT−NMR(ECA500)
測定核:1H
積算回数:128
溶媒:重水
内部標準物質:3−トリメチルシリルプロピオン酸ナトリウム
プローブ:10mm
(スケール防止剤の作製(ブレンド))
共重合体A−1と共重合体B−1とホスホン酸とのブレンド質量比が7:2:1(合計濃度は10mg−solid/L)となるように、共重合体A−1と共重合体B−1とホスホン酸とを、それぞれ電子天秤を用いて採取し混ぜ合わせ作製した。
Figure 0006582436
(評価基準)
カルシウム系スケール付着速度が0.1mg/cm/month未満を◎、0.1mg/cm/month以上、0.5mg/cm/month未満を○、0.5mg/cm/month以上を×とした。
(実施例2)
アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とのモル比が92:8(アクリル酸:92モル%、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸:8モル%)である共重合体A−3と、アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のモル比が89:11(アクリル酸:89モル%、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸:11モル%)である共重合体B−1と、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸であるホスホン酸との組み合わせ(共重合体A−3と共重合体B−1とホスホン酸のブレンド質量比は7:2:1、合計濃度は10mg−solid/L)を含有する上記の水質条件の試験水を補給水として加えた以外は実施例1と全く同様な方法を用いて、スケール防止剤を作製して、カルシウム系スケール付着速度を評価した。
(実施例3)
アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とのモル比が89:11(アクリル酸:89モル%、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸:11モル%)である共重合体B−1と、アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のモル比が85:15(アクリル酸:85モル%、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸:15モル%)である共重合体B−2と、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸であるホスホン酸との組み合わせ(共重合体B−1と共重合体B−2とホスホン酸のブレンド質量比は7:2:1、合計濃度は10mg−solid/L)を含有する上記の水質条件の試験水を補給水として加えた以外は実施例1と全く同様な方法を用いて、スケール防止剤を作製して、カルシウム系スケール付着速度を評価した。
(実施例4)
アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とのモル比が89:11(アクリル酸:89モル%、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸:11モル%)である共重合体B−1と、アクリル酸と2−ヒドロキシエチルメタクリレートとのモル比が84:16(アクリル酸:84モル%、2−ヒドロキシエチルメタクリレート:16モル%)である共重合体B−5と2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸であるホスホン酸との組み合わせ(共重合体B−1と共重合体B−5とホスホン酸のブレンド質量比は7:2:1、合計濃度は10mg−solid/L)を含有する上記の水質条件の試験水を補給水として加えた以外は実施例1と全く同様な方法を用いて、スケール防止剤を作製して、カルシウム系スケール付着速度を評価した。
(比較例1)
アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とのモル比が99:1(アクリル酸:99モル%、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸:1モル%)である共重合体A−1と、アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のモル比が96:4(アクリル酸:96モル%、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸:4モル%)である共重合体A−2と2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸であるホスホン酸との組み合わせ(共重合体A−1と共重合体A−2とホスホン酸のブレンド質量比は7:2:1、合計濃度は10mg−solid/L)を含有する上記の水質条件の試験水を補給水として加えた以外は実施例1と全く同様な方法を用いて、スケール防止剤を作製して、カルシウム系スケール付着速度を評価した。
(比較例2)
アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とのモル比が99:1(アクリル酸:99モル%、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸:1モル%)である共重合体A−1と、アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のモル比が96:4(アクリル酸:96モル%、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸:4モル%)である共重合体A−2との組み合わせ(共重合体A−1と共重合体A−2とのブレンド質量比は7:3、合計濃度は10mg−solid/L)を含有する上記の水質条件の試験水を補給水として加えた以外は実施例1と全く同様な方法を用いて、スケール防止剤を作製して、カルシウム系スケール付着速度を評価した。
(比較例3)
アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とのモル比が89:11(アクリル酸:89モル%、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸:11モル%)である共重合体B−1と、アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のモル比が85:15(アクリル酸:85モル%、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸:15モル%)である共重合体B−2との組み合わせ(共重合体B−1と共重合体B−2とのブレンド質量比は7:3、合計濃度は10mg−solid/L)を含有する上記の水質条件の試験水を補給水として加えた以外は実施例1と全く同様な方法を用いて、スケール防止剤を作製して、カルシウム系スケール付着速度を評価した。
(比較例4)
アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のモル比が85:15(アクリル酸:85モル%、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸:15モル%)である共重合体B−2とアクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のモル比が50:50(アクリル酸:50モル%、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸:50モル%)である共重合体B−3との組み合わせ(共重合体B−2と共重合体B−3とのブレンド質量比は7:3、合計濃度は10mg−solid/L)を含有する上記の水質条件の試験水を補給水として加えた以外は実施例1と全く同様な方法を用いて、スケール防止剤を作製して、カルシウム系スケール付着速度を評価した。
(比較例5)
アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のモル比が85:15(アクリル酸:85モル%、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸:15モル%)である共重合体B−2とアクリル酸とN−イソプロピルアクリルアミドのモル比が75:25(アクリル酸:75モル%、N−イソプロピルアクリルアミド:25モル%)である共重合体B−4との組み合わせ(共重合体B−2と共重合体B−4とのブレンド質量比は7:3、合計濃度は10mg−solid/L)を含有する上記の水質条件の試験水を補給水として加えた以外は実施例1と全く同様な方法を用いて、スケール防止剤を作製して、カルシウム系スケール付着速度を評価した。
(比較例6)
アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とのモル比が85:15(アクリル酸:85モル%、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸:15モル%)である共重合体B−2と、アクリル酸と2−ヒドロキシエチルメタクリレートとのモル比が84:16(アクリル酸:84モル%、2−ヒドロキシエチルメタクリレート:16モル%)である共重合体B−5との組み合わせ(共重合体B−2と共重合体B−5とのブレンド質量比は7:3、合計濃度は10mg−solid/L)を含有する上記の水質条件の試験水を補給水として加えた以外は実施例1と全く同様な方法を用いて、スケール防止剤を作製して、カルシウム系スケール付着速度を評価した。
(比較例7)
アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とのモル比が99:1(アクリル酸:99モル%、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸:1モル%)である共重合体A−1と、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸であるホスホン酸との組み合わせ(共重合体A−1とホスホン酸のブレンド質量比は9:1、合計濃度は10mg−solid/L)を含有する上記の水質条件の試験水を補給水として加えた以外は実施例1と全く同様な方法を用いて、スケール防止剤を作製して、カルシウム系スケール付着速度を評価した。
(比較例8)
アクリル酸と2−ヒドロキシエチルメタクリレートとのモル比が84:16(アクリル酸:84モル%、2−ヒドロキシエチルメタクリレート:16モル%)である共重合体B−5と、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸であるホスホン酸との組み合わせ(共重合体B−5とホスホン酸のブレンド質量比は9:1、合計濃度は10mg−solid/L)を含有する上記の水質条件の試験水を補給水として加えた以外は実施例1と全く同様な方法を用いて、スケール防止剤を作製して、カルシウム系スケール付着速度を評価した。
(比較例9)
アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のモル比が99:1(アクリル酸:99モル%、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸:1モル%)である共重合体A−1を含有する上記の水質条件の試験水を補給水として加えた以外は実施例1と全く同様な方法を用いて、スケール防止剤を作製して、カルシウム系スケール付着速度を評価した。なお、共重合体A−1の重量平均分子量は以下のように測定をした。
(重量平均分子量測定)
共重合体A−1の重量平均分子量は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(東ソー株式会社製「HLC−8220GPC」)を用い、以下の条件で測定した。
検出器 :RI
カラム :東ソー株式会社製 TSK−GEL G2500PWXL+TSK−GEL G4000PWXL
溶離液 :0.1 M リン酸緩衝液/MeCN=80/20
流速 :0.6 ml/分
カラム温度:40℃
検量線 :POLYACRYLIC ACID STANDARD
(比較例10)
アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のモル比が96:4(アクリル酸:96モル%、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸:4モル%)である共重合体A−2を含有する上記の水質条件の試験水を補給水として加えた以外は実施例1と全く同様な方法を用いて、スケール防止剤を作製して、カルシウム系スケール付着速度を評価した。共重合体A−2の重量平均分子量測定は、比較例9の共重合体A−1の重量平均分子量測定方法と全く同様な方法で行った。
(比較例11)
アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のモル比が92:8(アクリル酸:92モル%、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸:8モル%)である共重合体A−3を含有する上記の水質条件の試験水を補給水として加えた以外は実施例1と全く同様な方法を用いて、スケール防止剤を作製して、カルシウム系スケール付着速度を評価した。共重合体A−3の重量平均分子量測定は、比較例9の共重合体A−1の重量平均分子量測定方法と全く同様な方法で行った。
(比較例12)
アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のモル比が89:11(アクリル酸:89モル%、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸:11モル%)である共重合体B−1を含有する上記の水質条件の試験水を補給水として加えた以外は実施例1と全く同様な方法を用いて、スケール防止剤を作製して、カルシウム系スケール付着速度を評価した。共重合体B−1の重量平均分子量測定は、比較例9の共重合体A−1の重量平均分子量測定方法と全く同様な方法で行った。
(比較例13)
アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のモル比が85:15(アクリル酸:85モル%、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸:15モル%)である共重合体B−2を含有する上記の水質条件の試験水を補給水として加えた以外は実施例1と全く同様な方法を用いて、スケール防止剤を作製して、カルシウム系スケール付着速度を評価した。共重合体B−2の重量平均分子量測定は、比較例9の共重合体A−1の重量平均分子量測定方法と全く同様な方法で行った。
(比較例14)
アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のモル比が50:50(アクリル酸:50モル%、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸:50モル%)である共重合体B−3を含有する上記の水質条件の試験水を補給水として加えた以外は実施例1と全く同様な方法を用いて、スケール防止剤を作製して、カルシウム系スケール付着速度を評価した。共重合体B−3の重量平均分子量測定は、比較例9の共重合体A−1の重量平均分子量測定方法と全く同様な方法で行った。
(比較例15)
アクリル酸とN−イソプロピルアクリルアミドのモル比が75:25(アクリル酸:75モル%、N−イソプロピルアクリルアミド:25モル%)である共重合体B−4を含有する上記の水質条件の試験水を補給水として加えた以外は実施例1と全く同様な方法を用いて、スケール防止剤を作製して、カルシウム系スケール付着速度を評価した。共重合体B−4の重量平均分子量測定は、比較例9の共重合体A−1の重量平均分子量測定方法と全く同様な方法で行った。
(比較例16)
アクリル酸と2−ヒドロキシエチルメタクリレートとのモル比が84:16(アクリル酸:84モル%、2−ヒドロキシエチルメタクリレート:16モル%)である共重合体B−5を含有する上記の水質条件の試験水を補給水として加えた以外は実施例1と全く同様な方法を用いて、スケール防止剤を作製して、カルシウム系スケール付着速度を評価した。共重合体B−5の重量平均分子量測定は、比較例9の共重合体A−1の重量平均分子量測定方法と全く同様な方法で行った。
<結果・考察>
実施例1〜4及び比較例1〜16のカルシウム系スケール付着速度の結果を下記の表2及び3に示す。また、共重合体A−1〜A−3及び共重合体B−1〜B−5(比較例9〜16)の重量平均分子量の測定結果及びスケール主成分の分析結果を下記の表3に示す。なお、スケール主成分は、スケールのX線回折、及びスケール溶解後の水質分析(ポリマー濃度、カルシウム硬度)により分析した。X線回折は、Rigakuロータフレックスを用いた。ポリマー濃度は比濁法により測定し、カルシウム硬度はEDTA滴定法により測定をした。
表2及び表3から明らかなように、共重合体A(共重合体A−1〜A−3)と共重合体B(B−1〜B−5)とホスホン酸、または、共重合体B同士とホスホン酸とを組み合わせた(ブレンドした)ものを含むスケール防止剤は、共重合体A同士とホスホン酸とを組み合わせた(ブレンドした)ものを含むスケール防止剤、共重合体A同士を組み合わせた(ブレンドした)ものを含むスケール防止剤、共重合体B同士を組み合わせた(ブレンドした)ものを含むスケール防止剤、共重合体Aのみの単独を含むスケール防止剤又は共重合体Bのみの単独を含むスケール防止剤と比較して、スケール付着速度が0.1mg/cm/month未満(◎評価)であった。実施例1〜4で用いられたスケール防止剤は、比較例1〜16で用いられたスケール防止剤と比較して、良好なスケール防止効果を奏することが理解できる。
Figure 0006582436
Figure 0006582436
なお、表2及び表3において、AAはアクリル酸、AMPSは、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、NIPAMは、N−イソプロピルアクリルアミド、HEMAは2−ヒドロキシエチルメタクリレートを示す。
1 高熱負荷試験装置
50 タンク
51 ポンプ
52 試験槽
53 チューブ
54 伝熱ヒーター

Claims (13)

  1. アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とを構成単位として含有する2種の共重合体及びホスホン酸化合物を含み、
    該2種の共重合体が、共重合体Aと共重合体Bとから構成され、
    該共重合体Aが、該アクリル酸の含有量が96モル%〜99モル%の範囲に属し、該2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の含有量が1モル%〜4モル%の範囲に属する共重合体であり、
    該共重合体Bが、該アクリル酸の含有量が85モル%〜89モル%の範囲に属し、該2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の含有量が11モル%〜15モル%の範囲に属する共重合体であり、
    該ホスホン酸化合物は、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸若しくはその塩、である、スケール防止剤。
  2. 前記共重合体Aが共重合体A−1であり、
    該共重合体A−1が、前記アクリル酸の含有量が99モル%であり、前記2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の含有量が1モル%である共重合体であり、
    前記共重合体Bが共重合体B−1であり、
    該共重合体B−1が、前記アクリル酸の含有量が89モル%であり、前記2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の含有量が11モル%である共重合体である、請求項1に記載のスケール防止剤。
  3. 前記共重合体Aと前記共重合体Bとのブレンド質量比が90:10〜50:50である、請求項1又は2に記載のスケール防止剤。
  4. 前記共重合体Aと、前記共重合体Bと、前記2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸とのブレンド質量比が7:2:1である、請求項1又は2に記載のスケール防止剤。
  5. アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とを構成単位として含有する2種の共重合体及びホスホン酸化合物を含み、
    該2種の共重合体が、共重合体A−3と共重合体Bとから構成され、
    該共重合体A−3が、該アクリル酸の含有量が92モル%であり、該2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の含有量が8モル%である共重合体であり、
    該共重合体Bが、該アクリル酸の含有量が85モル%〜89モル%の範囲に属し、該2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の含有量が11モル%〜15モル%の範囲に属する共重合体であり、
    該ホスホン酸化合物は、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸若しくはその塩、である、スケール防止剤。
  6. 前記共重合体Bが共重合体B−1であり、
    該共重合体B−1が、前記アクリル酸の含有量が89モル%であり、該2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の含有量が11モル%である共重合体である、請求項5に記載のスケール防止剤。
  7. 前記共重合体A−3と前記共重合体Bとのブレンド質量比が90:10〜50:50である、請求項5又は6に記載のスケール防止剤
  8. 前記共重合体A−3と、前記共重合体Bと、前記2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸とのブレンド質量比が7:2:1である、請求項5又は6に記載のスケール防止剤。
  9. アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とを構成単位として含有する共重合体B、アクリル酸とメタクリル酸2−ヒドロキシエチルとを構成単位として含有する共重合体B−5及びホスホン酸化合物を含み、
    該共重合体Bが、該アクリル酸の含有量が85モル%〜89モル%の範囲に属し、該2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の含有量が11モル%〜15モル%の範囲に属する共重合体であり、
    該共重合体B−5が、該アクリル酸の含有量が84モル%であり、該メタクリル酸2−ヒドロキシエチルの含有量が16モル%である共重合体であり、
    該ホスホン酸化合物は、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸若しくはその塩、である、スケール防止剤。
  10. 前記共重合体Bが共重合体B−1であり、
    該共重合体B−1が、前記アクリル酸の含有量が89モル%であり、前記2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の含有量が11モル%である共重合体であり、
    前記共重合体B−5が、前記アクリル酸の含有量が84モル%であり、前記メタクリル酸2−ヒドロキシエチルの含有量が16モル%である共重合体である、請求項9に記載のスケール防止剤。
  11. 前記共重合体Bと前記共重合体B−5とのブレンド質量比が90:10〜50:50である、請求項9又は10に記載のスケール防止剤。
  12. 前記共重合体Bと、前記共重合体B−5と、前記2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸とのブレンド質量比が7:2:1である、請求項9又は10に記載のスケール防止剤。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載のスケール防止剤を冷却水系に添加する、スケール防止方法。
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