JP6580509B2 - 固形物除去方法 - Google Patents
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Description
本発明の第一態様は、原子力プラントの運転より生じた放射性核種を吸着したイオン交換樹脂を、硫酸によって溶離処理することにより得られた放射性溶液が供給される蒸発濃縮器内に固着した固形物の除去方法であって、前記蒸発濃縮器内に酸を供給する酸洗浄工程と、前記蒸発濃縮器内にアルカリを供給するアルカリ洗浄工程と、を含む蒸発濃縮器の固形物除去方法である。
また、前記酸洗浄工程、前記アルカリ洗浄工程の順に行うことが好ましい。この順で行うことにより、前記固形物の溶解効率をより一層高めることができる。
前記アルカリはアンモニアであることが好ましい。アンモニアを使用することにより、前記固形物中の酸不溶成分をアンミン錯イオンとして容易に溶解することができる。
前記固形物にシュウ酸ニッケルが含まれることが好ましい。シュウ酸ニッケルは酸に溶解し難い酸不溶成分であるため、アルカリ洗浄工程を行う意義がより一層高まる。また、シュウ酸ニッケルはアンモニアと反応することにより易溶性のアンミンニッケルイオンを形成するので、アルカリ洗浄工程においてアンモニアを使用することがより好ましい。
前記酸洗浄工程において、前記酸とともに過マンガン酸塩を供給することが好ましい。過マンガン酸塩を併用することにより、前記固形物をより一層容易に溶解することができる。
<固形物除去方法>
本発明の第一実施形態は、原子力プラントの運転より生じた放射性核種を吸着したイオン交換樹脂を、硫酸によって溶離処理することにより得られ、さらに水酸化物によって中和された放射性溶液が供給される蒸発濃縮器内に固着した固形物の除去方法である。
前記蒸発濃縮器内に酸を供給する酸洗浄工程と、前記蒸発濃縮器内にアルカリを供給するアルカリ洗浄工程と、を含む。
また、各工程を繰り返す回数は特に限定されず、例えば、2〜10回ずつ交互に行うことが好ましい。
なお、図1の例においては2回目のアルカリ洗浄工程S20までを示しているが、さらに交互に複数回、例えば2〜10回繰り返してもよい。また、図1の例においてはアルカリ洗浄工程S20で処理を終了しているが、酸洗浄工程S10で処理を終了してもよい。
複数の酸洗浄工程S10は、互いに独立した洗浄条件で実施することができる。同様に、複数のアルカリ洗浄工程S20は、互いに独立した洗浄条件で実施することができる。
前記水酸化物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
固着物中の酸不溶成分として、例えばシュウ酸ニッケルが挙げられる。シュウ酸の出所は必ずしも一定ではないと考えられ、現時点では不明である。
固着物中の酸不溶成分を構成するキレート成分は、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸等のキレート能を有するその他の有機酸である場合もある。以下ではシュウ酸が酸不溶成分を構成する場合を説明するが、その他の有機酸が酸不溶成分を構成する場合にも同様に、アルカリ洗浄工程によって当該酸不溶成分を溶解することができる。
酸不溶成分がシュウ酸ニッケルである場合、アンモニアを供給することにより下記式(1)の反応が起こる。
シュウ酸イオン+アンミンニッケルイオン([Ni(NH3)4]2-)+水酸化ニッケル
上記好適な範囲は、図2に示すグラフに基づいている。当該グラフは、シュウ酸ニッケル0.01モルに対して、濃度が異なるアンモニア水溶液を供給した場合のシュウ酸ニッケルの残留量(破線)及び水酸化ニッケルの生成量(実線)の平衡計算結果を表す。このグラフから明らかなように、0.5モル/kg濃度以上のアンモニアを供給することにより、殆どのシュウ酸ニッケルが反応において消費される。アンモニア濃度を0.5モル/kg以上に高めると、水酸化ニッケルの代わりにアンミンニッケルイオンの生成量が高まる。アンモニア濃度を4モル/kgより高めたとしても、一定量の水酸化ニッケルは生成される。水酸化ニッケルは固着物中に残留し、アンミンニッケルイオン及びシュウ酸イオンはアンモニア水溶液中に溶解する。
酸不溶成分がシュウ酸ニッケルであり、アルカリとして前記水酸化物(例えば水酸化ナトリウム)を供給した場合、下記式(2)の反応が起こる。
上記好適な範囲は、図3に示すグラフに基づいている。当該グラフは、シュウ酸ニッケル0.01モルに対して、濃度が異なる水酸化ナトリウム水溶液を供給した場合のシュウ酸ニッケルの残留量(破線)及び水酸化ニッケルの生成量(実線)の平衡計算結果を表す。このグラフから明らかなように、0.01モル/kg濃度以上の水酸化ナトリウムを供給することにより、殆どのシュウ酸ニッケルが反応において消費される。水酸化ナトリウム濃度を1モル/kgより高めたとしても、水酸化ニッケルの生成量は変化しない。水酸化ニッケルは固着物中に残留する。
蒸発濃縮器内の固着物にはクロムが含まれる場合がある。このクロムは、例えばクロマイト化合物(クロム鉄鉱)として含まれる。固着物中のクロム及びその化合物の溶解を促進するために、過マンガン酸塩の水溶液を蒸発濃縮器内に供給することが好ましい。
また、過マンガン酸による酸化力を高めることにより固着物中のクロム等の溶解をさらに促進する観点から、酸洗浄工程において酸とともに過マンガン酸塩の水溶液を供給することがより好ましい。なお、酸洗浄工程とは別に過マンガン酸塩の水溶液を供給しても構わない。
酸洗浄工程及びアルカリ洗浄工程において、蒸発濃縮器内に酸やアルカリの水溶液を供給する方法は特に限定されず、例えば、空の蒸発濃縮器内に水溶液を注いで満たし、固着物の溶解に要する適当な時間が経過した後、水溶液を循環させる方法(Fill&Drain)が挙げられる。
蒸発濃縮器内に供給された洗浄用の水溶液を、容器内で循環したり、加温したりしても構わない。これらの操作によって固着物の溶出効率を高められる場合がある。
また、洗浄用の水溶液を繰り返して使用することは可能であり、放射性廃棄物の減容の観点から、洗浄用の水溶液を繰り返して使用することが好ましい。
Claims (7)
- 原子力プラントの運転より生じた放射性核種を吸着したイオン交換樹脂を、硫酸によって溶離処理することにより得られた放射性溶液が供給される蒸発濃縮器内に固着した固形物の除去方法であって、
前記蒸発濃縮器内に酸を供給する酸洗浄工程と、
前記蒸発濃縮器内にアルカリを供給するアルカリ洗浄工程と、
を含む蒸発濃縮器の固形物除去方法。 - 前記酸洗浄工程と、前記アルカリ洗浄工程とを交互に繰り返す請求項1に記載の固形物除去方法。
- 前記酸洗浄工程、前記アルカリ洗浄工程の順に行う請求項1又は2に記載の固形物除去方法。
- 前記酸が硫酸である請求項1〜3の何れか一項に記載の固形物除去方法。
- 前記アルカリがアンモニアである請求項1〜4の何れか一項に記載の固形物除去方法。
- 前記固形物にシュウ酸ニッケルが含まれる請求項1〜5の何れか一項に記載の固形物除去方法。
- 前記酸洗浄工程において、前記酸とともに過マンガン酸塩を供給する請求項1〜6の何れか一項に記載の固形物除去方法。
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