JP6579423B2 - シート体と、オーバーシート体とのセットおよびそれを用いた意匠シートの作製方法 - Google Patents
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Description
前記シート体が、剥離フィルム、粘接着層およびシート体用基材をこの順に備え、前記オーバーシート体が、受容層およびオーバーシート体用基材を備え、
前記粘接着層が、アクリル系ポリマーと、活性光線重合性オリゴマーと、重合開始剤と、架橋剤とを含んでなることを特徴とする、シート体と、オーバーシート体とのセットが提供される。
本明細書において、配合を示す「部」、「%」、「比」などは特に断らない限り質量基準である。また、活性光線硬化性樹脂とは活性光線を照射する前の前駆体または組成物を意味し、活性光線線を照射して活性光線硬化性樹脂を硬化させたものを活性光線硬化樹脂というものとする。
本発明のシート体1は、剥離フィルム2、粘接着層3およびシート体用基材4をこの順に備えるものである(図1参照)。好ましい態様では、シート体1は、粘接着層3と、シート体用基材4との間に、補修用または補強用シートを備える(図示せず)。
剥離フィルムは、粘接着層の表面に剥離可能に設けられ、粘接着層を保護することができる程度の強度や柔軟性を有するものであれば特に限定されず、各種のフィルムを用いることができる。剥離フィルムの材料としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリイミド系樹脂、フェノール系樹脂およびポリウレタン系樹脂などの公知の樹脂を挙げることができる。これらの中でも、透明性、耐熱性、寸法安定性、剛性、柔軟性、積層適性、コストなどの観点から、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。
てもよい。
粘接着層は、アクリル系ポリマーと、活性光線重合性オリゴマーと、重合開始剤と、架橋剤とを含んでなる。本発明に係る被転写シートが備える粘接着層は、活性光線照射前は、高い粘着力を有するものであり、また、活性光線を照射することにより、粘接着層が有する粘着力を低減することができ、被着体から容易に剥離することができる。
アクリル系ポリマーは、特に限定されず、例えば、アクリル酸エステルと他のモノマーとを共重合させたアクリル酸エステル共重合体が挙げられる。
活性光線重合性オリゴマーは、活性光線の照射により重合し得るものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、光ラジカル重合性、光カチオン重合性、光アニオン重合性等のオリゴマーが挙げられる。これらの中でも、光ラジカル重合性オリゴマーが好ましい。硬化速度が速く、また、多種多様な化合物から選択することができ、更には、硬化前の粘着性や硬化後の剥離性等の物性を容易に所望のものに制御することができるからである。光ラジカル重合性のオリゴマーとしては、例えば、ポリウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、シリコーン系(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
粘接着層が、重合開始剤を含んでなることにより、活性光線重合性オリゴマーの感応性を増進させることができ、活性光線による重合硬化時間や活性光線照射量を低減することができる。
重量減少率(%)=[(W1(g)−W2(g))/W1(g)]×100
架橋剤は、特に限定されるものではなく、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤などを用いることができる。イソシアネート系架橋剤としては、例えば、ポリイソシアネート化合物、ポリイソシアネート化合物の3量体、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られるイソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマー、該ウレタンプレポリマーの3量体などが挙げられる。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,5−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、3−メチルジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−2,4′−ジイソシアネート、リジンイソシアネートなどが挙げられる。
粘接着層は、その他、本発明の目的を損なわない範囲で必要に応じて、シランカップリング剤、粘着付与剤、金属キレート剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、着色剤、耐電防止剤、防腐剤、消泡剤、ぬれ性調整剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
シート体用基材としては、転写シートなどから被転写体の受容層へ印画物を転写する際の熱エネルギー(例えば、サーマルヘッドの熱)に耐え得る耐熱性を有しているものであれば、特に制限なく使用することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体、テレフタル酸− シクロヘキサンジメタノール− エチレングリコール共重合体、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンナフタレートの共押し出しフィルムなどのポリエステル系樹脂、ナイロン−6、ナイロン−6,6などのポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのポリビニル系樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート、ポリメチルメタアクリレートなどのポリアクリル系樹脂、ポリイミド、ポリエーテルイミドなどのポリイミド系樹脂、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリアラミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルファイトなどのエンジニアリング系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、高衝撃ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂などのポリスチレン系樹脂、セロファン、セルロースアセテート、ニトロセルロースなどのセルロース系樹脂を用いて作製したフィルム、などを用いることができる。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂からなるフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂からなるフィルムは、耐熱性、機械的強度に優れるため好ましい。また、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルムは、透明性が高く、意匠シートを被着体から剥離する際の粘接着層に対する紫外線照射の妨げとならないため、好ましい。なお、シート体用基材は上記したようなフィルムに限られず、上質紙、コート紙、レジンコート紙、アート紙、キャストコート紙、板紙等を使用することもできる。また、これらを2以上積層した複合シートも使用することができる。
シート体は、所望により、粘接着層と、シート体用基材との間に補修用または補強用シートを備えていてもよい。補修用または補強用シートとしては、コンクリート構造物を補修または補強することができるシートであれば特に限定されない。例えば、コンクリート構造物を劣化させる因子(劣化因子)の侵入を防ぐことができるシートであってもよいし、強度が低下している対象を補強することができるシートであってもよい。さらにこれら以外の機能を有し、対象を補修または補強することができるシートであってもよく、これら全てを満たすシートであってもよい。
本発明のオーバーシート体5は、受容層6およびオーバーシート体用基材7を備えるものである(図2参照)。好ましい態様では、オーバーシート体5は、受容層6と、オーバーシート体用基材7との間に、保護層を備えていてもよく、断熱層を備えていてもよい(図示せず)。また、さらに好ましい態様において、オーバーシート体5は、受容層6または保護層とオーバーシート体用基材7との間に、離型層を備える(図示せず)。
受容層を形成するための材料としては、昇華性染料または熱溶融性インキなどの熱移行性の色材を受容し易い従来公知の樹脂材料を使用することができる。例えば、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体もしくはポリアクリルレートなどのポリビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートもしくはポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンもしくはプロピレンなどのオレフィンと他のビニルポリマーとの共重合体樹脂、アイオノマーもしくはセルロースジアスターゼなどのセルロース系樹脂、ポリカーボネートなどを使用することができ、これらの中でも、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、またはポリ塩化ビニルが好ましく、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体が特に好ましい。
オーバーシート体用基材としては、転写シート等から受容層へ印画物を転写する際の熱エネルギー(例えば、サーマルヘッドの熱)に耐え得る耐熱性を有しているものであれば、特に制限なく使用することができ、シート体用基材として用いられるフィルム等を同様に使用することができる。なお、これらフィルム等に限られず、オーバーシート体用基材として、パッチを使用することもできる。オーバーシート体用基材がパッチであることにより、耐久性がさらに向上する。パッチとしては、透明であり、受容層上の印画物の視認性に悪影響を与えず、意匠シートを被着体から剥離する際の粘接着層に対する紫外線照射の妨げとならないものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート製やポリエステル製のものを用いることができる。
次に、オーバーシート体が所望により備える保護層について説明する。保護層は、シート体と、オーバーシート体とを重ね合わせて作製した意匠フィルムが備える受容層上の印画物の保護を担うものである。
また、オーバーシート体は、所望により、受容層と基材との間、または受容層と保護層との間に断熱層を備えていてもよい。断熱層は、受容層上への熱転写による印画物形成時加えられた熱が、基材などへの伝熱によって損失されることを防止できる断熱性を有するものである。断熱層は、中空層または多孔質層であることが好ましい。
またオーバーシート体は、所望により、オーバーシート体用基材と受容層または保護層との間に離型層をさらに備えていてもよい。離型層に用いられる樹脂としては、例えば、メラミン系樹脂、シリコーン、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂、尿素系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、繊維素系樹脂などが挙げられる。これらの中で、転写箔に対し、基材と転写層との適度な接着力を付与することができることから、メラミン系樹脂が好ましい。
一実施形態において、意匠シート10は、上記オーバーシート体5が備える受容層6上に、熱転写により、色材層を有する熱転写シートから熱転写法によって印画物を形成させ(図示せず)、この受容層6を、シート体1が備えるシート体用基材4へラミネートすることにより得ることができる(図3参照)。好ましい態様においては、ラミネート後、オーバーシート体用基材を剥離する(図示せず)。このようにして作製された意匠シートは、印画物が、よりシート体用基材側へ形成されており、耐久性が向上されている。
<シート体の作製>
厚さ30μmのポリプロピレンフィルム(フタムラ化学(株)製、商品名:FOS−BT#30)をシート体用基材として用い、基材上に、下記の組成からなる粘接着層塗工液Aをアプリケーターにより全面塗工した後、乾燥オーブンにより100℃で2分間乾燥させ、厚さ150μmの粘接着層を形成した。
<粘接着層塗工液A>
・紫外線硬化型アクリル系粘着剤 100部
(固形分:40%、日本合成化学社製、商品名:N−4498、アクリル系ポリマー+活性光線重合性オリゴマー、アクリル系ポリマーの質量平均分子量:約40万、活性光線重合性オリゴマー:ポリウレタンアクリレート、アクリル系ポリマーにおける水酸基含有モノマーとカルボキシル基含有モノマーとの質量比:30/1、)
・重合開始剤 1.4部
(光ラジカル発生剤、固形分:100%、BASF ジャパン社製、商品名:イルガキュア754)
・架橋剤 1.5部
(イソシアネート系架橋剤、固形分75%、日本ポリウレタン社製、商品名:コロネートL)
・トルエンおよびメチルエチルケトンの混合溶媒 180部
(質量比1:1、DICグラフィックス株式会社製、商品名:KT11)
厚さ12μmのパッチ(JVC社製、商品名:CY−R10FC−60)上に下記の組成からなる受容層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥状態で2.0g/m2の塗工量となるように塗工した後、乾燥し、受容層を形成させ、オーバーシート体を得た。
<受容層塗工液組成>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 95部
(日信化学工業(株)製、商品名:CNL)
・エポキシ変性シリコーンオイル 5部
(信越化学工業(株)製、商品名:KP−1800U)
・トルエン 200部
・MEK 200部
得られたオーバーシート体の受容層上に、下記のようにして作製した熱転写シートAを下記テストプリンターを用いて転写した。
(テストプリンター)
サーマルヘッド:KEE−57−12GAN2−STA(京セラ(株)製)
発熱体平均抵抗値:3303(Ω)
主走査方向印字密度:300dpi
副走査方向印字密度:300dpi
印画電圧:18(V)
1ライン周期:1.5(msec.)
印字開始温度:35(℃)
パルスDuty比:85%
基材として厚さ4.5μmの易接着処理済みポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、この上に、下記組成の背面層用塗工液を乾燥時0.8g/m2になるように塗工し、背面層を形成した。次いで、基材の他方の面に、下記組成のイエロー染料層用塗工液1、下記組成のマゼンタ染料層用塗工液1、上記組成のシアン染料層用塗工液1をそれぞれ、乾燥時塗工量が0.6g/m2となるように面順次に塗工して、イエロー染料層、マゼンタ染料層、シアン染料層を形成することで熱転写シートを作製した。
・ポリビニルブチラール樹脂 2.0部
(積水化学工業(株)製、商品名:エスレックBX−1)
・ポリイソシアネート 9.2部
(大日本インキ化学工業(株)製、商品名:バーノック D750)
・リン酸エステル系界面活性剤 1.3部
(第一工業製薬(株)製、商品名:プライサーフA208N)
・タルク 0.3部
(日本タルク工業(株)製、商品名:ミクロエースP−3)
・トルエン 43.6部
・メチルエチルケトン 43.6部
・下記一般式(1)で表されるイエロー染料 6.0部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 4.0部
(積水化学工業(株)製、商品名:KS−5)
・シリコーン 0.1部
(信越化学(株)製、商品名:X−22−3939)
・トルエン 45部
・メチルエチルケトン 45部
・下記一般式(2)で表されるマゼンタ染料 7.0部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 7.0部
(積水化学工業(株)製、商品名:KS−5)
・シリコーン 1.4部
(信越化学(株)製、商品名:X−22−3939)
・トルエン 45部
・メチルエチルケトン 45部
・下記一般式(3)で表されるシアン染料 5.0部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 5.0部
(積水化学工業(株)製、商品名:KS−5)
・シリコーン 0.1部
(信越化学(株)製、商品名:X−22−3939)
・トルエン 45部
・メチルエチルケトン 45部
<オーバーシート体の作製>
厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの一方面にメラミン系樹脂の離型層が塗布されたフィルムを基材として用い、その離型層上に、下記の組成からなる保護層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥後の厚みが6μmになるように塗布し乾燥させた後に、UV露光器(Hバルブ使用、反射鏡はコールドタイプ、LH10ランプ、フージョンUVシステムズジャパン社製、商品名:F600V)を用いて紫外線を照射し、保護層を形成させた。次いで、保護層上に実施例1で用いた受容層塗工液を塗工した後、乾燥し、受容層を形成させ、オーバーシート体を得た。
<保護層塗工液組成A>
・多官能アクリレート 40部
(新中村化学工業(株)製、商品名:NKエステルA−9300)
・ウレタンアクリレート 25部
(2官能、新中村化学工業(株)製、商品名:NKオリゴマーUA122−P)
・アクリル共重合体 30部
・光重合開始剤 5部
(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製、商品名:イルガキュア907)
・フィラー(架橋ポリメタクリル酸メチル) 5部
(平均粒径5μm、積水化成品工業(株)製、商品名:MBX−5)
・トルエン 200部
・MEK 200部
得られたオーバーシート体の受容層上に、実施例1と同様にして転写し、転写後、オーバーシート体が備える受容層と、実施例1で作製したシート体が備えるシート体用基材とをラミネートし、次いで、シート体とオーバーシート体の積層体からポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、意匠シートを作製した。
実施例2において用いた保護層塗工液を、下記保護層塗工液b1〜b3を、各バインダー樹脂の含有比率(質量基準)が、b1:b2:b3を0.25:0.25:0.5となるように混練した保護層塗工液Bに変更し、乾燥状態で4.5g/m2の塗工量となるように、オーバーシート体用基材上に塗工することにより保護層を形成した以外は、実施例2と同様にして意匠シートを得た。
<保護層塗工液b1>
・ポリエステル樹脂 20部
(数平均分子量:3000、Tg=53℃、東洋紡績(株)社製、商品名:バイロン220)
・トルエン 40部
・MEK 40部
<保護層塗工液b2>
・ポリエステル樹脂 20部
(数平均分子量:10000、Tg=60℃、東洋紡績(株)社製、商品名:バイロンGK−250)
・トルエン 40部
・MEK 40部
<保護層塗工液b3>
・ポリエステル樹脂 20部
(数平均分子量:3000、Tg=53℃、東洋紡績(株)社製、商品名:バイロン220)
・トルエン 40部
・MEK 40部
粘接着層塗工液の組成を以下に変更した以外は、実施例1と同様にして意匠シートを得た。
<粘接着層塗工液B>
・紫外線硬化型アクリル系粘着剤 100部
(固形分:41%、日本合成化学社製、商品名:N−7257、アクリル系ポリマー+活性光線重合性オリゴマー、アクリル系ポリマーの質量平均分子量:約40万、活性光線重合性オリゴマー:ポリウレタンアクリレート、アクリル系ポリマーにおける水酸基含有モノマーとカルボキシル基含有モノマーとの質量比:3/1)
・重合開始剤 1.4部
(光ラジカル発生剤、固形分:100質量部、BASF ジャパン社製、商品名:イルガキュア754)
・架橋剤 1.5部
(イソシアネート系架橋剤、固形分75%、日本ポリウレタン社製、商品名:コロネートL)
・トルエンおよびメチルエチルケトンの混合溶媒 180部
(質量比1:1、DICグラフィックス株式会社製、商品名:KT11)
シート体用基材を、厚さ60μmのポリプロピレンフィルム(FOS−BT#60、フタムラ化学(株)製)、剥離フィルムを、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂(株)製、商品名:S100−38)に変更した以外は実施例2と同様にして意匠シートを作製した。
実施例1の粘接着層塗工液Aに含まれるアクリル樹脂(水酸基が導入された変性メチルメタクリレート−ブチルアクリレート−メチルメタクリレートトリブロック共重合体、Tg:−42℃、アルケマ社製、商品名:M22N)を、別のアクリル樹脂(エチルアクリレート−メチルメタクリレート共重合体、Tg:18℃、根上工業株式会社製、商品名:W−197C)に変更した以外は、実施例1と同様にして意匠シートを作製した。
実施例1〜5および比較例1で得られた意匠シートを幅25mm×長さ100mmに切断し、試験片を作製した。また、ポリイミドフィルム(膜厚:50μm、東レ・デュポン社製、商品名:カプトン 200H)を60℃の塩化第二鉄溶液に2分間浸漬させた後、蒸留水で30秒間、2回洗浄し、風乾させ、貼付対象(エッチング処理したポリイミドフィルム)を作製した。
試験片の剥離フィルムを剥がし、上記エッチング処理したポリイミドフィルム面に2kgのローラーを用いてラミネートし、常温常湿下にて20分間放置した。その後、万能材料試験機(5565型,インストロン・ジャパン社製)を用いて、粘着力を測定し(JIS Z0237準拠、剥離速度:300mm/min、剥離距離:50mm、剥離角:180°)、以下の評価基準で評価試験を行った。
○: 粘着力が、0.8N/25mm以上15N/25mm以下であった。
×: 粘着力が、0.8N/25mm未満、または15N/25mm超であった。
上記試験片の剥離シートを剥がし、上記エッチング処理したポリイミド樹脂面に2kgのローラーを用いてラミネートし、常温常湿下にて20分間放置した。次いで、150℃にて90分間加熱した後、常温常湿下にて1時間放置し、万能材料試験機(5565型、インストロン・ジャパン社製)を用いて、加熱処理後の粘着力を測定し(JIS Z0237準拠、剥離速度:300mm/min、剥離距離:50mm、剥離角:180°)、以下の評価基準で評価試験を行った。
○: 粘着力が、0.8N/25mm以上20N/25mm以下であった。
×: 粘着力が、0.8N/25mm未満、または20N/25mm超であった。
上記試験片の剥離シートを剥がし、上記エッチング処理したポリイミドフィルムに2kgのローラーを用いてラミネートし、常温常湿下にて20分間放置した後、(150℃にて90分間加熱した。)次いで、基材側からフュージョン社製のH・バルブランプを光源とする紫外線を照射(積算光量:200mj/cm2)した後、ポリイミドフィルムから試験片を剥離した。試験片を剥離した後のポリイミドフィルム表面における糊残りの有無を光学顕微鏡(キーエンス社製、倍率200倍、VHS−600)にて確認した。
○: 糊残りがない。
×: 糊残りがある。
実施例1〜5および比較例1で得られた意匠シートが備える受容層上の印画物に、テーバー摩耗試験機で、摩耗輪:CS−10Fを用い、荷重:500gfで250回毎に摩耗輪を研磨し、合計1000回研磨した。研磨後に表面の状態を目視にて観察し、以下の評価基準で評価試験を行った。
◎:1000サイクル実施後の画像が良好である
○:1000サイクル実施後の画像が良好である
△:1000サイクル実施後の画像が良好ではないが実用上問題がない
×:1000サイクル実施後の画像が不良である
2 剥離フィルム
3 粘接着層
4 シート体用基材
5 オーバーシート体
6 受容層
7 オーバーシート体用基材
10 意匠シート
Claims (11)
- シート体と、オーバーシート体とを重ね合わせて、意匠シートを作製するために用いられる、シート体と、オーバーシート体とのセットであって、
前記シート体が、剥離フィルム、粘接着層およびシート体用基材をこの順に備え、前記オーバーシート体が、受容層およびオーバーシート体用基材を備え、
前記粘接着層が、アクリル系ポリマーと、活性光線重合性オリゴマーと、重合開始剤と、架橋剤とを含んでなり、
前記剥離フィルムの前記粘接着層側の表面に、易剥離処理が施されていることを特徴とする、シート体と、オーバーシート体とのセット。 - 前記アクリル系ポリマーは、アクリル酸エステルと、前記アクリル酸エステルと共重合可能な水酸基含有モノマーとの共重合体である、請求項1に記載のセット。
- 前記アクリル系ポリマーは、アクリル酸エステルと、前記アクリル酸エステルと共重合可能な水酸基含有モノマーおよびカルボキシル基含有モノマーとの共重合体である請求項1に記載のセット。
- 前記水酸基含有モノマーと前記カルボキシル基含有モノマーとの質量比が51:49〜100:0である、請求項3に記載のセット。
- 粘接着層に含まれる前記活性光線重合性オリゴマーの量が、前記アクリル系ポリマー100質量部に対して、10質量部以上、60質量部以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のセット。
- 前記活性光線重合性オリゴマーの質量平均分子量(Mw)が、10万以上、110万以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のセット。
- 前記重合開始剤は、昇温温度10℃/minで、30℃から190℃まで昇温させ、190℃にて30分間維持した際の熱重量測定による重量減少率が50%以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のセット。
- 前記シート体が、前記粘接着層と前記シート体用基材との間に、補修用または補強用のシートを備える、請求項1〜7のいずれか一項に記載のセット。
- 前記オーバーシート体が、前記オーバーシート体用基材と前記受容層との間に、保護層を備える、請求項1〜8のいずれか一項に記載のセット。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載のシート体と、オーバーシート体とのセットを用いた意匠シートの作製方法であって、
前記オーバーシート体が備える受容層上に印画物を形成する工程と、
前記受容層と、前記シート体が備えるシート体用基材とをラミネートする工程と、を含んでなることを特徴とする、方法。 - 前記オーバーシート体が備えるオーバーシート体用基材を剥離する工程を含んでなる、請求項10に記載の方法。
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| JP2015099261A JP6579423B2 (ja) | 2015-05-14 | 2015-05-14 | シート体と、オーバーシート体とのセットおよびそれを用いた意匠シートの作製方法 |
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