JP6587119B2 - シート体と、オーバーシート体とのセットおよびそれを用いた意匠シートの作成方法 - Google Patents
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Description
本明細書において、配合を示す「部」、「%」、「比」等は特に断らない限り質量基準である。また、活性光線硬化性樹脂とは活性光線を照射する前の前駆体または組成物を意味し、活性光線を照射して活性光線硬化性樹脂を硬化させたものを活性光線硬化樹脂というものとする。
本発明のシート体1は、剥離フィルム2、粘接着層3およびシート体用基材4をこの順に備えるものである(図1参照)。好ましい態様では、シート体1は、粘接着層3と、シート体用基材4との間に、補修用または補強用シートを備える(図示せず)。
剥離フィルムは、粘接着層の表面に剥離可能に設けられ、粘接着層を保護することができる程度の強度や柔軟性を有するものであれば特に限定されず、各種のフィルムを用いることができる。剥離フィルムの材料としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリイミド系樹脂、フェノール系樹脂およびポリウレタン系樹脂等の公知の樹脂を挙げることができる。これらの中でも、透明性、耐熱性、寸法安定性、剛性、柔軟性、積層適性、コスト等の観点から、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂が好ましい。
粘接着層は、ガラス転移温度(Tg)が15℃以下のアクリル樹脂、液状エポキシ樹脂、固形エポキシ樹脂、および硬化剤を含んでなる。加熱や紫外線照射等の処理前の粘接着層は、シート体または後述する意匠シートを、コンクリート構造物等の対象へ、一時的に粘着させる粘着性能を有する。このため、仮貼りした後に、剥がして再び仮貼りすることが可能である。すなわち、垂直面または天井面のコンクリートのような、貼り付けが困難な場所であっても、容易に、正確な場所へ貼り直すことができ、結果として、施工作業が容易となる。また、粘接着層は、加熱や紫外線、電子線照射等の処理を施すことにより、接着性能を発現するため、仮貼り後、そのままコンクリート等に強固に接着(本貼り)させることもできる。このため、コンクリート構造物の表面に接着剤等を塗布する必要がなく、工程を減らすことが出来るため、作業効率を極めて向上させることができる。さらに、接着場所が、広範囲であっても、その作業効率を維持することができる。なお、本明細書において、「粘着」は一時的な接着現象を意味し、「接着」は永久的な接着現象を意味する。
(メタ)アクリル樹脂は、15℃以下のTgを有し、粘接着層に実用に適した粘着性能を付与する。さらに、粘接着層が、このような(メタ)アクリル樹脂を含んでいることにより、粘接着層を形成する際、粘接着層を形成する塗工液の塗布性および成膜性を向上させることができる。また、好ましくは−45℃以上のTgを有する。なお、Tgは、例えば、固体粘弾性アナライザー(ティー・エイ・インスツルメンツ社製、商品名:RSA−III)を用い、JIS K7244−1に準拠した動的粘弾性測定法で測定できる。
液状エポキシ樹脂は、粘接着層に粘着性能と接着性能を付与する。液状エポキシ樹脂は、常温で液状であれば特に限定されず、各種のエポキシ樹脂を用いることができる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂肪族型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、変性フェノール型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂およびグリシジルアミン型エポキシ樹脂等を挙げることができ、これらから選ばれる1種又は2種以上を使用することができる。
固形エポキシ樹脂は、加熱や活性光線照射等して硬化させた後の粘接着層に高い接着性能を付与するとともに、粘接着層に高い凝集力を付与する。固形エポキシ樹脂は、常温で固形状のエポキシ樹脂であれば特に限定されず、各種のエポキシ樹脂を用いることができる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、変性フェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂肪族型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂およびビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂等を挙げることができ、これらから選ばれる1種または2種以上を使用することができる。
硬化剤は、液状エポキシ樹脂と固形エポキシ樹脂とを硬化させることができるものであれば特に限定されず、例えば、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、メタキシレリレンジアミン(MXDA)等の脂肪族ポリアミン、ジアミノジフェニルメタン(DDM)、m−フェニレンジアミン(MPDA)、ジアミノジフェニルスルホン(DDS)等の芳香族ポリアミン、ジシアンアミド(DICY)、有機酸ジヒドララジド等を含むポリアミン化合物等のアミン系硬化剤、ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTHPA)等の脂環族酸無水物(液状酸無水物)、無水トリメリット酸(TMA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸(BTDA)等の芳香族酸無水物等の酸無水物系硬化剤、フェノール系樹脂等のフェノール系硬化剤を挙げることができる。これらの中でも、DICYは、潜在性の硬化剤であり、保存安定性に優れるため好ましい。また、硬化促進剤としてイミダゾール類を使用することもできる。
粘接着層は、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて、各種添加剤を含んでなることができる。例えば、粘着層は、コンクリート構造物の表面と粘接着層との密着性を向上させるためのカップリング剤や、粘接着層塗工液の塗膜性を向上させるためのレベリング剤等を含んでなることができる。また、粘着性能を高めるための粘着付与剤や、せん断強度を向上させるためのフィラー等を含んでなることができる。
シート体用基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体、テレフタル酸− シクロヘキサンジメタノール− エチレングリコール共重合体、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンナフタレートの共押し出しフィルム等のポリエステル系樹脂、ナイロン−6 、ナイロン−6,6等のポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のポリビニル系樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート、ポリメチルメタアクリレート等のポリアクリル系樹脂、ポリイミド、ポリエーテルイミド等のポリイミド系樹脂、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリアラミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルファイト等のエンジニアリング系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、高衝撃ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂等のポリスチレン系樹脂、セロファン、セルロースアセテート、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂を用いて作成したフィルム、等を用いることができる。これらの中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂からなるフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂からなるフィルムは、耐熱性、機械的強度に優れるため好ましく、さらにポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルムがより好ましい。なお、シート体用基材は上記したようなフィルムに限られず、上質紙、コート紙、レジンコート紙、アート紙、キャストコート紙、板紙等を使用することができる。また、これらを2以上積層した複合シートも使用することができる。
シート体は、所望により、粘接着層と、シート体用基材との間に補修用または補強用シートを備えていてもよい。補修用または補強用シートとしては、コンクリート構造物を補修または補強することができるシートであれば特に限定されない。例えば、コンクリート構造物を劣化させる因子(劣化因子)の侵入を防ぐことができるシートであってもよいし、強度が低下している対象を補強することができるシートであってもよい。さらにこれら以外の機能を有し、対象を補修または補強することができるシートであってもよく、これら全てを満たすシートであってもよい。
本発明のオーバーシート体5は、受容層6およびオーバーシート体用基材7を備えるものである(図2参照)。好ましい態様では、オーバーシート体5は、受容層6と、オーバーシート体用基材7との間に、保護層を備えていてもよく、断熱層を備えていてもよい(図示せず)。また、さらに好ましい態様において、オーバーシート体5は、保護層に代え、または保護層上にパッチを備える(図示せず)。また、さらに好ましい態様において、オーバーシート体5は、保護層6とオーバーシート体用基材との間に、離型層を備える(図示せず)。
受容層を形成するための材料としては、昇華性染料または熱溶融性インキ等の熱移行性の色材を受容し易い従来公知の樹脂材料を使用することができる。例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体もしくはポリアクリルレート等のポリビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートもしくはポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンもしくはプロピレン等のオレフィンと他のビニルポリマーとの共重合体樹脂、アイオノマーもしくはセルロースジアスターゼ等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート等を使用することができ、これらの中でも、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、またはポリ塩化ビニルが好ましく、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体が特に好ましい。
オーバーシート体用基材としては、転写シート等から受容層へ印画物を転写する際の熱エネルギー(例えば、サーマルヘッドの熱)に耐え得る耐熱性を有しているものであれば、特に制限なく使用することができ、シート体用基材として用いられるフィルム等を同様に使用することができる。なお、これらフィルム等に限られず、オーバーシート体用基材として、パッチを使用することもできる。オーバーシート体用基材がパッチであることにより、耐久性がさらに向上する。パッチとしては、透明であり、受容層上の印画物の視認性に悪影響を与えないものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート製やポリエステル製のものを用いることができる。
次に、オーバーシート体が所望により備える保護層について説明する。保護層は、シート体と、オーバーシート体とを重ね合わせて作成した意匠フィルムが備える受容層上の印画物の保護を担うものである。
またオーバーシート体は、所望により、受容層と基材との間、または受容層と保護層との間に断熱層をさらに備えていてもよい。断熱層は、受容層上への熱転写による印画物形成時に加えられた熱が、オーバーシート体用基材等への伝熱によって損失されることを防止できる断熱性を有するものである。断熱層は、中空層または多孔質層であることが好ましい。
またオーバーシート体は、所望により、基材と保護層との間に離型層をさらに備えていてもよい。離型層に用いられる樹脂としては、例えば、メラミン系樹脂、シリコーン、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂、尿素系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、繊維素系樹脂などが挙げられる。これらの中で、転写箔に対し、基材と転写層との適度な接着力を付与することができることから、メラミン系樹脂が好ましい。
一実施形態において、意匠シート10は、上記オーバーシート体5が備える受容層6上に、熱転写により、色材層を有する熱転写シートから熱転写法によって印画物を形成させ(図示せず)、この受容層6を、シート体1が備えるシート体用基材4へラミネートすることにより得ることができる(図3参照)。好ましい態様においては、ラミネート後、オーバーシート体用基材を剥離する(図示せず)。このようにして作成された意匠シートは、印画物が、よりシート体用基材側へ形成されており、耐久性が向上されている。
<シート体の作成>
厚さ30μmのポリプロピレンフィルム(フタムラ化学(株)製、商品名:FOS−BT#30)をシート体用基材として用い、基材上に、下記の組成からなる粘接着層塗工液Aをアプリケーターにより全面塗工した後、乾燥オーブンにより100℃で2分間乾燥させ、厚さ150μmの粘接着層を形成した。なお、粘接着層塗工液Aは、液状エポキシ樹脂と硬化剤2種とを配合し、ディスパーにて回転数1000rpmで30分間撹拌した後、固形エポキシ樹脂とアクリル樹脂と希釈溶剤とを配合してディスパーにて回転数1200rpmで30分間撹拌させて調製した。
<粘接着層塗工液A>
・アクリル樹脂 100部
(水酸基が導入された変性メチルメタクリレート−ブチルアクリレート−メチルメタクリレートトリブロック共重合体、Tg:−42℃、アルケマ社製、商品名:M22N)
・液状エポキシ樹脂 50部
(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量:190g/eq.、三菱化学(株)製、商品名:jER828)
・固形エポキシ樹脂 150部
(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量:480g/eq.、三菱化学(株)製、商品名:jER1001)
・硬化剤 7部
(アミン系硬化剤、味の素ファインテクノ(株)製、商品名:アミキュアMY−H)
・硬化剤 11部
(ジシアンジアミド、三菱化学(株)製、商品名:DICY)
・希釈溶剤 122部
(酢酸エチル、DICグラフィックス社製)
厚さ12μmのパッチ(JVC社製、商品名:CY−R10FC−60)上に下記の組成からなる受容層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥状態で2.0g/m2の塗工量となるように塗工した後、乾燥し、受容層を形成させ、オーバーシート体を得た。
<受容層塗工液組成>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 95部
(日信化学工業(株)製、商品名:CNL)
・エポキシ変性シリコーンオイル 5部
(信越化学工業(株)製、商品名:KP−1800U)
・トルエン 200部
・MEK 200部
得られたオーバーシート体の受容層上に、下記のようにして作成した熱転写シートAを下記テストプリンターを用いて転写した。
(テストプリンター)
サーマルヘッド:KEE−57−12GAN2−STA(京セラ(株)製)
発熱体平均抵抗値:3303(Ω)
主走査方向印字密度:300dpi
副走査方向印字密度:300dpi
印画電圧:18(V)
1ライン周期:1.5(msec.)
印字開始温度:35(℃)
パルスDuty比:85%
基材として厚さ4.5μmの易接着処理済みポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、この上に、下記組成の背面層用塗工液を乾燥時0.8g/m2になるように塗工し、背面層を形成した。次いで、基材の他方の面に、下記組成のイエロー染料層用塗工液1、下記組成のマゼンタ染料層用塗工液1、上記組成のシアン染料層用塗工液1をそれぞれ、乾燥時塗工量が0.6g/m2となるように面順次に塗工して、イエロー染料層、マゼンタ染料層、シアン染料層を形成することで熱転写シートを作成した。
・ポリビニルブチラール樹脂 2.0部
(積水化学工業(株)製、商品名:エスレックBX−1)
・ポリイソシアネート 9.2部
(大日本インキ化学工業(株)製、商品名:バーノック D750)
・リン酸エステル系界面活性剤 1.3部
(第一工業製薬(株)製、商品名:プライサーフA208N)
・タルク 0.3部
(日本タルク工業(株)製、商品名:ミクロエースP−3)
・トルエン 43.6部
・メチルエチルケトン 43.6部
・下記一般式(1)で表されるイエロー染料 6.0部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 4.0部
(積水化学工業(株)製、商品名:KS−5)
・シリコーン 0.1部
(信越化学(株)製、商品名:X−22−3939)
・トルエン 45部
・メチルエチルケトン 45部
・下記一般式(2)で表されるマゼンタ染料 7.0部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 7.0部
(積水化学工業(株)製、商品名:KS−5)
・シリコーン 1.4部
(信越化学(株)製、商品名:X−22−3939)
・トルエン 45部
・メチルエチルケトン 45部
・下記一般式(3)で表されるシアン染料 5.0部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 5.0部
(積水化学工業(株)製、商品名:KS−5)
・シリコーン 0.1部
(信越化学(株)製、商品名:X−22−3939)
・トルエン 45部
・メチルエチルケトン 45部
<オーバーシート体の作成>
厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの一方面にメラミン系樹脂の離型層が塗布されたフィルムを基材として用い、その離型層上に、下記の組成からなる保護層塗工液をグラビアコーティングにより、乾燥後の厚みが6μmになるように塗布し乾燥させた後に、UV露光器(Hバルブ使用、反射鏡はコールドタイプ、LH10ランプ、フージョンUVシステムズジャパン社製、商品名:F600V)を用いて紫外線を照射し、保護層を形成させた。次いで、保護層上に実施例1で用いた受容層塗工液を塗工した後、乾燥し、受容層を形成させ、オーバーシート体を得た。
<保護層塗工液組成A>
・多官能アクリレート 40部
(新中村化学工業(株)製、商品名:NKエステルA−9300)
・ウレタンアクリレート 25部
(2官能、新中村化学工業(株)製、商品名:NKオリゴマーUA122−P)
・アクリル共重合体 30部
・光重合開始剤 5部
(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製、商品名:イルガキュア907)
・フィラー(架橋ポリメタクリル酸メチル) 5部
(平均粒径5μm、積水化成品工業(株)製、商品名:MBX−5)
・トルエン 200部
・MEK 200部
得られたオーバーシート体の受容層上に、実施例1と同様にして転写し、転写後、オーバーシート体が備える受容層と、実施例1で作成したシート体が備えるシート体用基材とをラミネートし、次いで、シート体とオーバーシート体の積層体からポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、意匠シートを作成した。
実施例2において用いた保護層塗工液を、下記保護層塗工液b1〜b3を、各バインダー樹脂の含有比率(質量基準)が、b1:b2:b3を0.25:0.25:0.5となるように混練した保護層塗工液Bに変更し、乾燥状態で4.5g/m2の塗工量となるように、オーバーシート体用基材上に塗工することにより保護層を形成した以外は、実施例2と同様にして意匠シートを得た。
<保護層塗工液b1>
・ポリエステル樹脂 20部
(数平均分子量:3000、Tg=53℃、東洋紡績(株)社製、商品名:バイロン220)
・トルエン 40部
・MEK 40部
<保護層塗工液b2>
・ポリエステル樹脂 20部
(数平均分子量:10000、Tg=60℃、東洋紡績(株)社製、商品名:バイロンGK−250)
・トルエン 40部
・MEK 40部
<保護層塗工液b3>
・ポリエステル樹脂 20部
(数平均分子量:3000、Tg=53℃、東洋紡績(株)社製、商品名:バイロン220)
・トルエン 40部
・MEK 40部
粘接着層塗工液の組成を以下に変更した以外は、実施例2と同様にして意匠シートを得た。
<粘接着層塗工液B>
・アクリル樹脂 10部
(水酸基が導入された変性メチルメタクリレート−ブチルアクリレート−メチルメタクリレートトリブロック共重合体、Tg:−42℃、アルケマ社製、商品名:M22N)
・液状エポキシ樹脂 80部
(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量:190g/eq.、三菱化学(株)製、商品名:jER828)
・固形エポキシ樹脂 120部
(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量:480g/eq.、三菱化学(株)製、商品名:jER1001)
・硬化剤 7部
(アミン系硬化剤、味の素ファインテクノ(株)製、商品名:アミキュアMY−H)
・硬化剤 11部
(ジシアンジアミド、三菱化学(株)製、商品名:DICY)
・希釈溶剤 122部
(酢酸エチル、DICグラフィックス社製)
粘接着層塗工液の組成を以下に変更した以外は、実施例2と同様にして意匠シートを得た。
<粘接着層塗工液C>
・アクリル樹脂 200部
(水酸基が導入された変性メチルメタクリレート−ブチルアクリレート−メチルメタクリレートトリブロック共重合体、Tg:−42℃、アルケマ社製、商品名:M22N)
・液状エポキシ樹脂 80部
(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量:190g/eq.、三菱化学(株)製、商品名:jER828)
・固形エポキシ樹脂 120部
(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量:480g/eq.、三菱化学(株)製、商品名:jER1001)
・硬化剤 7部
(アミン系硬化剤、味の素ファインテクノ(株)製、商品名:アミキュアMY−H)
・硬化剤 11部
(ジシアンジアミド、三菱化学(株)製、商品名:DICY)
・希釈溶剤 122部
(酢酸エチル、DICグラフィックス社製)
シート体用基材を、厚さ60μmのポリプロピレンフィルム(FOS−BT#60、フタムラ化学(株)製)、剥離フィルムを、厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂(株)製、商品名:S100−38)に変更した以外は実施例2と同様にして意匠シートを作成した。
実施例1の粘接着層塗工液Aに含まれるアクリル樹脂(水酸基が導入された変性メチルメタクリレート−ブチルアクリレート−メチルメタクリレートトリブロック共重合体、Tg:−42℃、アルケマ社製、商品名:M22N)を、別のアクリル樹脂(エチルアクリレート−メチルメタクリレート共重合体、Tg:18℃、根上工業株式会社製、商品名:W−197C)に変更した以外は、実施例1と同様にして意匠シートを作成した。
実施例2の受容層を形成しなかった以外は、実施例2と同様にして意匠シートを形成した。
実施例1〜6および比較例1〜2で得られた意匠シートが備える剥離フィルムを剥がし、露出した粘接着層を粘接着層側から、紫外線照射装置(Hバルブ使用、フージョンUVシステムズジャパン社製、商品名:DRE−10/12QN)を用いて波長300〜370nmの領域で積算光量が1000mJ/cm2となるように紫外線を照射した。次いで、その粘接着層側の面をハンドローラーにて厚さ60nmのコンクリートに貼り付けた後、室温で7日間放置した。このコンクリートに貼り付けた意匠シートをコンクリート用コアカッターを用いて、40mm×40mmの大きさに切断し、剥落防止性能照査試験(JIS 424 2004)により、以下の評価基準で評価試験を行った。
○: 付着強度が1.5N/mm2以上であった
×: 付着強度が1.5N/mm2未満であった
実施例1〜6および比較例1〜2で得られた意匠シートが備える受容層上の印画物に対し、テーバー摩耗試験機で、摩耗輪:CS−10Fを用い、荷重:500gfで250回毎に摩耗輪を研磨し、合計1000回研磨した。研磨後に表面の状態を目視にて観察し、以下の評価基準で評価試験を行った。
○:1000サイクル実施後の画像が良好である
△:1000サイクル実施後の画像が良好ではないが実用上問題がない
×:1000サイクル実施後の画像が不良である
実施例1〜6および比較例1〜2で得られた意匠シートを目視にて観察し、以下の評価基準で評価試験を行った。
○:画像が鮮明である。
×:画像が鮮明でない。
2 剥離フィルム
3 粘接着層
4 シート体用基材
5 オーバーシート体
6 受容層
7 オーバーシート体用基材
10 意匠シート
Claims (7)
- シート体と、オーバーシート体とを重ね合わせて、意匠シートを作成するために用いられる、シート体と、オーバーシート体とのセットであって、
前記シート体が、剥離フィルム、粘接着層およびシート体用基材をこの順に備え、
前記粘接着層が、(メタ)アクリル樹脂、液状エポキシ樹脂、固形エポキシ樹脂および硬化剤を含んでなり、
前記(メタ)アクリル樹脂のガラス転移温度が15℃以下であり、
前記シート体用基材が、ポリエチレンテレフタレートフィルムまたはポリプロピレンフィルムであり、
前記オーバーシート体が、受容層およびオーバーシート体用基材を備え、
前記オーバーシート体が、前記オーバーシート体基材と前記受容層との間に、保護層を備え、
前記受容層が、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体およびポリ塩化ビニルの少なくとも一方を含むことを特徴とする、シート体と、オーバーシート体とのセット。 - 前記(メタ)アクリル樹脂の含有量が、前記(メタ)アクリル樹脂、前記液状エポキシ樹脂および前記固形エポキシ樹脂の合計量に対して、4質量%以上、50質量%以下である、請求項1に記載のセット。
- 前記液状エポキシ樹脂の含有量が、前記液状エポキシ樹脂および前記固形エポキシ樹脂の合計量に対して、20質量%以上、80質量%以下である、請求項1または2に記載のセット。
- 前記液状エポキシ樹脂および前記固形エポキシ樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のセット。
- 前記シート体が、前記粘接着層と前記基材との間に、補修用または補強用のシートを備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載のセット。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載のシート体と、オーバーシート体とのセットを用いた意匠シートの作成方法であって、
前記オーバーシート体が備える受容層上に印画物を形成する工程と、
前記受容層と、前記シート体が備えるシート体用基材とをラミネートする工程と、を含んでなることを特徴とする、方法。 - 前記オーバーシート体が備えるオーバーシート体用基材を剥離する工程を含んでなる、請求項6に記載の方法。
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