本開示の実施例は、本開示の技術的思想を説明する目的で例示されたものである。本開示による権利範囲が、以下に提示される実施例やこれらの実施例に関する具体的説明で限定されるものではない。
本開示に用いられる全ての技術的用語及び科学的用語は、異なって定義されない限り、本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者に一般に理解される意味を有する。本開示に用いられる全ての用語は、本開示をさらに明確に説明する目的で選択されたものであって、本開示による権利範囲を制限するために選択されたものではない。
本開示で用いられる「含む」、「備える」、「有する」などのような表現は、当該表現が含まれる語句または文章で異なって言及されない限り、他の実施例を含む可能性を内包する開放型用語(open−ended terms)と理解されるべきである。
本開示で記述された単数型の表現は、異なって言及しない限り、複数型の意味を含み得、これは請求の範囲に記載された単数型の表現にも同様に適用される。
本開示で用いられる「第1」、「第2」などの表現は、複数の構成要素を相互に区分するために用いられ、当該構成要素の順序または重要度を限定するものではない。
本開示で、ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いたり、「接続されて」いると言及された場合、前記ある構成要素が前記他の構成要素に直接的に連結され得たり、接続され得るものとして、または新たな他の構成要素を介して連結され得たり、接続され得るものとして理解されるべきである。
本開示で用いられた「前方」、「前」などの方向指示語は、釣り竿のチップ(tip)に向かう方向を意味し、「後方」、「後」などの方向指示語は、釣り竿のバット(butt)に向かう方向を意味する。また、本開示で用いられた「上方」、「上」などの方向指示語は、ガイドリングが取付部に対して位置する方向を基準とし、「下方」、「下」などの方向指示語は、上方の反対方向を意味する。
以下、添付の図面を参照し、実施例を説明する。添付の図面で、同一または対応する構成要素には同一の参照符号が付与されている。また、以下の実施例の説明において、同一または対応する構成要素を重複して記述することが省略され得る。しかし、構成要素に関する記述が省略されても、そのような構成要素がある実施例に含まれないものと意図されるものではない。また、開示された製造方法の実施例は、図面に示す段階の一部または全部を含むことができる。図面に示す段階は順次行われることができるか、図面に示す段階の少なくとも2つ以上の段階が同時に行われることができるか、図面に示す段階の1つの段階が他の段階に従属して行われることができる。
以下に説明される実施例と添付の図面に示す例は、釣り糸を案内するガイドリングを有して釣り竿の管状竿に取り付けられる釣り糸ガイド、このような釣り糸ガイドの製造方法及びこのような釣り糸ガイドの製造に用いられる射出成形装置に関連する。実施例による釣り糸ガイドは、ここに開示された製造方法の実施例の1つによって製造され得るものの、実施例による釣り糸ガイドが必ずしも開示された製造方法の実施例の1つによって製造されなければならないものと意図されるものではない。
図1は、本開示の一実施例による釣り糸ガイドを備える釣り竿の一例を示す。図1で、矢印(TD)は、釣り竿のチップ(tip)101に向かう前方方向を指し、矢印(BD)は、釣り竿のバット(butt)102に向かう後方方向を指す。図1に示す釣り竿100は、当該分野で振出式(telescopic)釣り竿として参照され得る。図1に示す釣り竿100は、水辺、浜、船上、磯等での釣りのために用いられるものの、釣り竿100の使用場所が前述の場所に限定されるものではない。
図1を参照すると、釣り竿100は、長い円筒状の竿体110を含む。竿体110は、釣り竿100に作用する種々の外力に抵抗して、釣り竿100の形状を維持する構造物として機能する。竿体110は、複数の管状竿111,112,113,114,115を含む。1つの管状竿が、その次に位置し、それより大きい外径を有する管状竿の内部に嵌められるテレスコピック(telescopic)方式で複数の管状竿が結合して、竿体110を構成する。図1は、拡張された釣り竿100の竿体110を示す。竿体110の管状竿のうち、釣り竿100の後端に位置する管状竿111は、ユーザーが握り得る元竿として機能する。管状竿111にはリールシート120が取り付けられ、リールシート120には釣り糸(図示せず)を放出したり巻くためのリール(図示せず)が除去可能に取り付けられる。
釣り竿100は、竿体110に複数の釣り糸ガイドを備える。釣り糸ガイドは、仕掛けをキャストする際にリールから放出されたり、魚を釣り上げる際にリールに巻かれる釣り糸を案内する。前記複数の釣り糸ガイドとして、開示された種々の実施例のいずれか1つによる釣り糸ガイドが用いられる。いずれか1つの実施例による1つ以上の釣り糸ガイドが、竿体110の管状竿111,112,113,114,115の1つに取り付けられることができる。
図1に示すように、竿体110の管状竿113が釣り糸ガイド1000の環状の取付部を貫通して、釣り糸ガイド1000が竿体110に取り付けられる。釣り糸ガイド1000が竿体110に取り付けられる前に、釣り糸ガイド1000はその取付部で、竿体110に沿って前方方向(TD)または後方方向(BD)にスライド可能であり、竿体110に対して回転可能である。竿体110の管状竿113は、前方方向(TD)に外径が小さくなるテーパ状をとる。従って、釣り糸ガイド1000を後方方向(BD)に移動させるにつれて、釣り糸ガイド1000の取付部が管状竿113の外周面と締まり嵌めで結合することにより、釣り糸ガイド1000が竿体110に取り付けられ得る。実施例による釣り糸ガイドは、当該分野において「遊動ガイド」または「スライディングガイド」として参照され得る。
本開示の第1実施例による釣り糸ガイドの説明のために、図2〜図10に示す例が参照される。図2は、第1実施例による釣り糸ガイドを示す斜視図である。図3は、図2に示す釣り糸ガイドの分解斜視図である。図4は、図2に示す釣り糸ガイドの平面図である。図5は、図2に示す釣り糸ガイドの右側面図である。図6は、図2の6−6線に沿ってとった釣り糸ガイドの断面図である。図7は、図3に示すリングサポートを示す斜視図である。図8は、図7の8−8線に沿ってとったリングサポートの断面図である。図9及び図10はそれぞれ、図7に示すリングサポートの右側面図及び背面図である。
図2を参照すると、釣り糸ガイド1000は、釣り竿の竿体110(詳細には、竿体110を構成する管状竿の1つ)に取り付けられる取付部1100と、釣り糸130が通過するガイドリング1200と、ガイドリング1200を保持及び支持して取付部1100と部分的に結合されるリングサポート1300とを含む。
一実施例において、取付部1100は、リングサポート1300をインサートとして用いて、樹脂材料を射出材料として用いるインサート射出成形によって形成され得る。これにより、取付部1100は、硬化した樹脂材料からなり、リングサポート1300は、取付部1100と部分的に且つ一体に結合する。前記硬化した樹脂材料は、カーボン繊維強化樹脂材料を含むことができる。さらに詳細には、前記硬化した樹脂材料は、カーボン長繊維強化樹脂材料を含むことができる。
図2及び図3に示すように、取付部1100は、環状の形状を有する環状体として形成され、竿体110の管状竿の1つ(例えば、管状竿113)が取付部1100を貫通することができる。取付部1100には、管状竿113が貫通するボア1111が釣り竿の中心軸(CA1)に沿って貫通している。これにより、取付部1100は、管状竿113の外周面と嵌合される内周面1112を有し、内周面1112は、ボア1111の表面になる。ボア1111の直径は、前方方向(TD)または後方方向(BD)に均一であってもよい。管状竿113がボア1111を貫通した状態で、取付部1100は管状竿113に沿ってスライド可能であり、管状竿113に対して回転することができる。管状竿113は、前方方向(TD)に細くなるテーパ状を有する。従って、取付部1100を後方方向(BD)に移動させる途中、管状竿113の外径と内周面1112の直径が略同一となる位置で、取付部1100は管状竿113の外周面と嵌合され得る。この時、取付部1100を後方方向(BD)にさらに移動させると、取付部1100が若干変形されながら、取付部1100は管状竿113に堅固に嵌合されて固定され得る。
一実施例において、図3及び図4に示すように、取付部1100は、釣り竿のチップに向かう前方方向(TD)に位置して外径が相対的に大きい大外径部1113と、後方方向(BD)に位置して大外径部1113より小さい外径を有し大外径部1113に隣接する小外径部1114とを有する。大外径部1113での取付部1100の半径方向厚さは、小外径部1114での取付部1100の半径方向厚さより大きい。図4に示すように、大外径部1113の前方方向(TD)の表面が、取付部1100の環状の前端面1115を形成し、小外径部1114の後方方向(BD)の表面が取付部1100の環状の後端面1116を形成する。
一実施例において、図3に示すように、大外径部1113には、大外径部1113の一部の周りにわたって延長し、外側半径方向に突出する結合部1117が形成されている。結合部1117には、その外面に結合部1117とリングサポート1300との間の境界となる結合口1118が形成されている。リングサポート1300の下側一部が大外径部1113の結合部1117に埋め込まれて、リングサポート1300が大外径部1113と部分的に結合される。
図2及び図3に示すように、ガイドリング1200は、略円形のリング状を有する。釣り糸130は、ガイドリング1200の内周面と接触することができる。ガイドリング1200は、リングサポート1300に嵌合及び接着剤塗布により結合され得る。ガイドリング1200は、セラミック材料からなることができる。
図2及び図3に示すように、リングサポート1300はガイドリング1200を保持し、取付部1100に対してガイドリング1200を支持する。一実施例において、リングサポート1300は、ステンレススチール、ステンレス合金、チタン合金、純チタンなどの金属材料で製造された薄板からなる。リングサポート1300は、その中に形成された曲げ部によりリングサポート1300を構成する部分が互いに対して折り曲げられたり、湾曲している薄板として形成されている。また、リングサポート1300は、前記金属材料の1つからなる薄い金属シート(当該分野で、このような金属シートはブランク(blank)として参照され得る)をパンチング、ブランキング、ベンディングのようなプレス加工によりリングサポート1300の前記薄板に加工することで形成され得る。
一実施例において、リングサポート1300は、ガイドリング1200を保持するリング保持部1310と、リング保持部1310を介してガイドリング1200を支持するリング支持部1320とを含む。リングサポート1300を構成する薄板において、リング支持部1320はリング保持部1310と一体に形成される。図2及び図3に示すように、リングサポート1300は、取付部1100により管状竿113の外周面に対して位置する。リングサポート1300、リング支持部1320の下側一部が取付部1100内に埋め込まれる方式で、取付部1100と部分的に結合される。例えば、取付部1100を成形するための成形空洞にリング支持部1320の下側一部が挿入されるようにリングサポート1300をインサートとして成形空洞に配置し、取付部1100を構成する樹脂材料(例えば、カーボン長繊維強化樹脂材料)によって取付部1100を射出成形することにより、リング支持部1320の下側一部が取付部1100の結合部1117内に埋め込まれながら、リングサポート1300が取付部1100と部分的に結合され得る。
図3に示すように、リング保持部1310は、ガイドリング1200が結合されるリング保持孔1311を有する。リング保持孔1311は、リング保持部1310にリング保持部1310の厚さ方向に貫通している。リング保持孔1311は、ガイドリング1200の外周面に合わせられるように円形の内周面を有する。ガイドリング1200は、その外周面でリング保持孔1311の内周面に嵌合され、点接触、面接触などによりリング保持孔1311の内周面と結合され得る。また、リング保持孔1311の内周面とガイドリング1200の外周面との間には、これらを接着させるための接着剤が塗布されてもよい。リング保持部1310は、リング保持孔1311によりガイドリング1200の全周に沿ってガイドリング1200を保持するように略環状をとる。
図3に示すように、リング保持部1310の上側縁は、半円形状または略半円形状を有することができる。前方方向(TD)及び上方方向(UD)に垂直な釣り糸ガイドの幅方向(WD)を仮定すると、リング保持部1310の幅方向(WD)での側端縁は互いに平行であるか、またはほぼ平行であってもよい。またはリング保持部1310の幅方向(WD)での両側縁は、上方方向(UD)に互いに近くなることができる。リング保持部1310の下端縁は、下方方向(LD)に凸なV字状を取り、リング保持部1310はその下端縁でリング支持部1320と一体に連結される。従って、リングサポート1300は、リング保持部1310とリング支持部1320との間に開口や空洞を備えない。リング保持部1310の下端縁の形状に対応し、リング支持部1320の上端縁は、下方方向(LD)に凸なV字状を取り、リング支持部1320はその上端縁でリング保持部1310と一体に連結される。
図2及び図3に示すように、リング支持部1320は、その下側一部で取付部1100内に埋め込まれている。リング支持部1320の幅方向(WD)での側端縁は、上方方向(UD)に互いに近くなることができる。または、リング支持部1320の幅方向(WD)での側端縁は、互いに平行であってもよい。リング支持部1320の下端縁は、上方方向(UD)に凸な円弧状を有する。図4に示すように、リング支持部1320の幅方向(WD)での両側面は互いに平行であり、また釣り竿の中心軸(CA1)と平行である。即ち、リング支持部1320の各側面から側面に平行に延長する仮想の延長線(EL)が中心軸(CA1)と平行である。
一実施例において、リングサポート1300は、リング支持部1320内に形成された第1曲げ部1331を有する。第1曲げ部1331は、幅方向(WD)でリング支持部1320の中央に、または略中央に位置する。リング支持部1320は、第1曲げ部1331を基準として、釣り竿のチップに向かう方向(例えば、前方方向(TD))または釣り竿のバットに向かう方向(例えば、後方方向(BD))に曲げられ得る。
この実施例において、リング支持部1320は、第1曲げ部1331を基準として、釣り竿のチップに向かう方向(例えば、前方方向(TD))に曲げられている。これにより、図3に示すように、リング支持部1320は、対称形状に形成された右半部1321と左半部1322を有する。右半部1321と左半部1322は、第1曲げ部1331を介して一体になっており、前方方向(TD)に互いに向かうように傾いている。
図3及び図4に示すように、第1曲げ部1331は、管状竿113に向かう、またはボア1111の中心を通過する下方方向(LD)にリング支持部1320の下端まで延長し、第1曲げ部1331の上端は結合部1117の外側に位置する。また、幅方向(WD)でリング支持部1320の下端縁の両端間の間隔は、取付部1100のボア1111の直径より小さく、リング支持部1320の下端縁の両端は取付部1100の結合部1117内に位置する。
一実施例において、図2及び図3を参照すると、取付部1100に埋め込まれるリングサポート1300の下側一部は、第1曲げ部1331の下側一部を含むリング支持部1320の下側一部である。このようなリングサポート1300の下側一部が大外径部1113の結合部1117内に埋め込まれる。
一実施例において、図3に示すように、リングサポート1300は、リング保持部1310とリング支持部1320との間の境界となる第2曲げ部1332を有する。第2曲げ部1332は、概ねその中央で第1曲げ部1331に連結される。リング保持部1310は、第2曲げ部1332を基準として、リング支持部1320に対して釣り竿のチップに向かう方向(例えば、前方方向(TD))または釣り竿のバットに向かう方向(例えば、後方方向(BD))に曲げられ得る。この実施例において、リング保持部1310は、第2曲げ部1332を基準として、釣り竿のチップに向かう方向(例えば、前方方向(TD))に曲げられている。
一実施例において、図3に示すように、リングサポート1300は、リング支持部1320の右半部1321と左半部1322にそれぞれ形成された一対の第1開口1351を有する。第1開口1351は、リング支持部1320を釣り竿の中心軸(CA1)に沿って厚さ方向に貫通して形成されており、第1曲げ部1331に対して対称に形成されている。また、第1開口1351は、取付部1100の結合部1117の内側でリング支持部1320に位置する。前述のインサート射出成形時に、取付部1100を構成する樹脂材料が第1開口1351に流入して第1開口1351内で硬化する。即ち、第1開口1351は、硬化した取付部1100の樹脂材料で満たされる。これにより、取付部1100とリングサポート1300との間の結合構造が補強され、釣り糸ガイド1000の強度が向上する。また、リングサポート1300が取付部1100の結合部1117に対して回転したり、結合部1117から分離されることが防止される。
一実施例において、図3及び図4に示すように、リングサポート1300は、リング支持部1320の右半部1321と左半部1322にそれぞれ形成され、第1開口1351の上に位置する第2開口1352を有する。第2開口1352は、リング支持部1320を釣り竿の中心軸(CA1)の方向に厚さ方向に貫通して形成されている。第2開口1352により、釣り糸ガイド1000は、さらに軽量化され得る。
第2開口1352は、第1曲げ部1331に対して対称に形成され、略三角形の形状を有する。第2開口1352は、取付部1100の結合部1117よりも外側でリング支持部1320に位置する。第2開口1352は、結合部1117の外側に位置するリング支持部1320の部分にのみ形成され、結合部1117の内側に埋め込まれるリング支持部1320の部分には形成されない。第2開口1352は、結合部1117の上側輪郭線に重ならないように形成されるため、取付部1100とリングサポート1300との間の結合強度を維持したままでリングサポート1300の軽量化が達成される。また、それぞれの第2開口1352は、リング支持部1320の第1曲げ部1331と重ならないように位置するため、リング支持部1320の強度が低下しない。また、第2開口1352は、第2曲げ部1332と重ならないように位置するため、第1曲げ部1331と第2曲げ部1332が形成するリングサポート1300の曲げ部が切断されることはなく、リングサポート1300の強度が低下しない。
他の実施例において、リングサポート1300は、第1開口1351と第2開口1352を有しないか、または第1開口1351と第2開口1352のいずれか1つのみを有することもできる。例えば、第1開口1351のみがリングサポート1300に形成され得るか、または第2開口1352のみがリングサポート1300に形成され得る。
図5及び図6に示すように、一実施例において、リングサポート1300は、釣り竿の中心軸(CA1)または取付部1100の中心軸(CA2)に垂直な垂直線(HL)に対して傾斜角(TA)で前方方向(TD)に傾いている。
一実施例による釣り糸ガイドは、向上したリングサポート1300の曲げ強度、向上したリングサポート1300の回転防止強度、向上したリングサポート1300の取付強度を有する。前述の第1曲げ部と第2曲げ部によるリングサポート1300の曲げ形状が、このような向上した強度に関連し得る。図7〜図10を参照し、一実施例による釣り糸ガイドの前述の特徴について説明する。
図7〜図10で、第1曲げ部と第2曲げ部は単に簡略な線の形状に示している。釣り糸ガイドの実施例において、第1曲げ部1331と第2曲げ部1332は、リングサポート1300をなす金属製の薄板内で所定の曲率で湾曲した部分を含み得る。リングサポート1300に曲げ形状を用いた強度補強構造を提供するために、第1曲げ部1331と第2曲げ部1332は、多様な幅を有することができる。一実施例において、リングサポート1300の前面1323及び後面1324上で、第1曲げ部1331は、細い線の形状、狭い面の形状、狭い曲面の形状、比較的広い曲面の形状のうちいずれか1つの形状で現れ得る。また、リングサポート1300の横断面をとる際に、第1曲げ部1331は、リングサポート1300の前面1323及び後面1324上で後方方向(BD)に凸な円弧状で現れ得る。第2曲げ部1332は、リングサポート1300の前面1323及び後面1324上で、細い線の形状または狭い面の形状で現れ得る。リングサポート1300の縦断面をとる際に、第2曲げ部1332はリングサポート1300の前面1323及び後面1324上で後方方向(BD)に凸な円弧状で現れ得る。
図7に示すように、リングサポート1300は、リング支持部1320内に形成されてリング支持部1320を右半部1321と左半部1322に区分させる第1曲げ部1331を有する。第1曲げ部1331は、リングサポート1300内で釣り竿の中心軸(CA1)に向かう下方方向(LD)に(または、釣り糸ガイドが取り付けられる管状竿に向かう下方方向に)リング支持部1320の下端まで延長する。また、第1曲げ部1331は、釣り竿の中心軸(CA1)から概ね上方方向(UD)に延長して、第2曲げ部1332の中央と合う。一実施例において、図8に示すように、リング支持部1320は、第1曲げ部1331を基準として、釣り竿のチップに向かう方向(前方方向(TD))に第1曲げ角(BA1)で曲げられている。
図7に示すように、リングサポート1300は、リング保持部1310とリング支持部1320との間の境界となり、リング保持部1310の曲げの基準になる第2曲げ部1332を有する。第2曲げ部1332は、リングサポート1300の一側端から他側端まで延長し、リングサポート1300の下端(リング支持部1320の下端)に向かって凸である。リング保持部1310とリング支持部1320は、共通の縁を有する。これにより、リングサポート1300において、リング保持部1310の下端縁とリング支持部1320の上端縁が、第2曲げ部1332を形成する。一実施例において、第2曲げ部1332は、下方方向(LD)に凸なV字状を有し、第1曲げ部1331の上端に連結される。また、リングサポート1300の側方視において、第2曲げ部1332は、前方方向(TD)と上方方向(UD)との間の斜めの方向に傾いている。他の実施例において、第2曲げ部1332は、下方方向(LD)に凸な円弧状を有することができる。
図7に示すように、第2曲げ部1332は、第1曲げ部1331と第2曲げ部1332との間の連結点(図10に示す第2曲げ部1332の中心点(P1))から第1曲げ部1331に対して鈍角で延長する一対の直線状曲げ部1333,1334を含む。図9に示すように、リング保持部1310は、第2曲げ部1332を基準として、リング支持部1320に対して釣り竿のチップに向かう方向(例えば、前方方向(TD))に第2曲げ角(BA2)で曲げられている。
一実施例において、図7に示すように、互いに合う第1曲げ部1331と第2曲げ部1332は、Y字状形状を形成し、リングサポート1300にY字状曲げ部を形成する。従って、リングサポート1300は、前述の金属シート(ブランク)を第1曲げ部1331と第2曲げ部1332に沿ってプレス加工して形成され得る。詳細には、金属シート(ブランク)を、第1及び第2曲げ部1331、1332を形成し、リング支持部1320を第1曲げ部1331を基準として第1曲げ角(BA1)で曲げ、リング保持部1310を第2曲げ部1332を基準として第2曲げ角(BA2)で曲げるベンディング加工により形成され得る。従って、リングサポート1300は、リング保持部1310、リング支持部1320の右半部1321及びリング支持部1320の左半部1322が互いに向かって曲げられた金属製の薄板として形成される。また、このような金属製の薄板において、リング保持部1310、リング支持部1320の右半部1321及びリング支持部1320の左半部1322は、Y字状曲げ部をなす第1及び第2曲げ部1331,1332を介して一体に形成され、これらが第1及び第2曲げ部1331,1332により互いに向かって曲げられている。
また、前述の金属シートのプレス加工は、金属シートをなす金属材料が加工硬化を引き起こすまで行われることができる。従って、図7に示すように、リングサポート1300は、前記プレス加工により前記金属材料が加工硬化されて生成する加工硬化部1341,1342を含む。加工硬化部1341,1342の形状は、第1及び第2曲げ部1331,1332のY字状に対応する形状を有する。加工硬化部1341,1342は、第1曲げ部1331と第2曲げ部1332に沿ってリングサポート1300の内部に形成される。加工硬化部1341,1342は、リングサポート1300のリング保持部1310及びリング支持部1320より高い降伏点(yield point)を有するため、リングサポート1300は、加工硬化部1341、1342が生成されている第1及び第2曲げ部1331,1332で塑性変形を引き起こし難い。従って、第1及び第2曲げ部1331,1332がなすY字状曲げ部により、リングサポート1300は、リングサポート1300に加えられる外力に対して強い抵抗を有し、リングサポート1300の強度が補強され得る。
図8に示すように、リング支持部1320は、第1曲げ角(BA1)で第1曲げ部1331を基準として前方方向(TD)に曲げられている。第1曲げ角(BA1)は、120度〜170度の鈍角になってもよい。第1曲げ角(BA1)が鈍角である場合、リング支持部1320の横風と面する面積が減少することができ、強い横風の抗力により釣り竿が撓むことを減少させることができる。第1曲げ角(BA1)が120度以上である場合、横風が強い場合にリング支持部1320に対する横風の抗力による影響を効果的に減少させることができる。また、第1曲げ角(BA1)が120度以上である場合、リング支持部1320に対して曲げられているリング保持部1310の広さを単純な形状で十分に確保することができる。第1曲げ角(BA1)が170度を超える場合、リング支持部1320を第1曲げ部1331を基準としてベンディングさせる際に、第1曲げ部1331に圧縮による加工硬化が発生しないことがある。その場合、リングサポート1300を釣り竿の管状竿を中心として回転させる外力がリングサポート1300に作用すると、折り曲げられたリング支持部1320が外力のベクトル方向に一直線状に変形され易く、リングサポート1300が取付部1100から分離され得る。
図8に示すように、中心軸(CA1)に沿ってリング支持部1320の前端のリング支持部1320の側端縁とリング支持部1320の後端(後面1324上の第1曲げ部1331)との間の距離(ベンディングされたリング支持部の厚さ)(BT)は、0.5mm〜3mmになり得る。樹脂材料の取付部は弾性変形しやすく、小さい応力によっても撓みや変形を引き起こすことがある。距離(BT)が0.5mm未満である場合、リングサポート1300を釣り竿の中心軸(CA1)を中心として回転させる方向の外力がリングサポート1300に加えられる際に(図4及び図7での矢印(F1)参照)、リング支持部1320によって押される結合口1118の表面が変形し、リングサポート1300に必要な反力が作用せず、リング支持部1320が結合口1118を乗り越えて移動することがある。距離(BT)が3mmを超える場合、リングサポート1300が過度に大きくなり得、釣り糸ガイドの軽量化を達成できない。また、取付部1100から突出したリング支持部1320の部分が横風の影響を強く受けることがあり、釣り竿の持ち重り感が著しく悪化することがある。
図9に示すように、リング保持部1310は、リング支持部1320に対して第2曲げ部1332を基準として、第2曲げ角(BA2)で前方方向(TD)に曲げられている。リング保持部1310は、釣り竿100のチップに向かって(前方方向(TD)に)リング支持部1320に対して第2曲げ角(BA2)で傾いている。第2曲げ角(BA2)は、リングサポート1300の曲げ強度の向上と糸絡みの円滑な解除のために、15度〜20度であってもよい。
ユーザーによりまたは外部的な衝撃により、リングサポート1300を管状竿113を中心として(釣り竿の中心軸(CA1)を中心として)回転させる外力(F1)(図4及び図7参照)がリングサポート1300に繰り返し作用することがある。しかし、リングサポート1300のY字状曲げ部により、リングサポート1300は、管状竿113に横方向に作用する外力(F1)に抵抗する向上した回転防止強度を有する。
図8及び図9を参照すると、リング支持部1320は、第1曲げ部1331を基準として、釣り竿のチップに向かう前方方向(TD)に第1曲げ角(BA1)で曲げられている。従って、リング支持部1320の右半部1321と左半部1322は、第1曲げ部1331を基準として、中心軸(CA1)に対して鋭角に斜めに位置して互いに向かっている。リング保持部1310は、リング支持部1320と一体に形成されており、平らである。リング保持部1310は、第2曲げ部1332を基準として釣り竿のチップに向かう前方方向(TD)に第2曲げ角(BA2)で曲げられている。即ち、リング保持部1310は、リング支持部1320から第2曲げ部1332を介して折り曲げられている。リング保持部1310の下端縁とリング支持部1320の上端縁は、V字状の第2曲げ部1332として形成される。第2曲げ部1332のV字状と関連し、第2曲げ部1332の直線状曲げ部1333,1334が第1曲げ部1331の上端からリングサポート1300の上端に向かって傾斜している。即ち、リング支持部1320の右半部1321及び左半部1322のそれぞれの上端縁は、リングサポート1300の幅方向(WD)での中心からリングサポート1300の上端に向かって傾斜している。平らなリング保持部1310は、右半部1321及び左半部1322のそれぞれの上端縁に第2曲げ部1332を介して連結されている。このように、リングサポート1300には、第1曲げ部1331と第2曲げ部1332が形成するY字状曲げ部が提供されている。また、リングサポート1300には、Y字状曲げ部に沿ってY字状の加工硬化部1341、1342が形成されている。
従って、リングサポート1300に外力(F1)が作用しても、リングサポート1300は、リング支持部1320の右半部1321及び左半部1322が開かれたり、狭まる方向に変形したり、撓んだり、捩れたりすることに対して強く抵抗する。また、リングサポート1300は、前記Y字状曲げ部により、外力(F1)に強く抵抗するため、リングサポート1300は向上した回転防止強度を有する。従って、リング支持部1320が取付部1100の結合口1118を拡張させたり、リング支持部1320が取付部1100の結合口1118を乗り越えて取付部1100に対して回転したり、リング支持部1320が取付部1100の結合部1117から抜けてしまうことが防止される。
リングサポート1300には、釣り竿のチップに向かう前方方向(TD)に、または釣り竿のバットに向かう後方方向(BD)に外力(F2)(図5及び図7参照)が作用することがある。例えば、釣りの最中の釣り糸により、または外部衝撃により外力(F2)がリングサポート1300に作用することがある。しかし、リングサポート1300は、外力(F2)に抵抗する向上した曲げ強度を有する。リングサポート1300のY字状曲げ部により、リング保持部1310が外力(F2)の方向に変形したり撓むこと、またはリング支持部1320の右半部1321と左半部1322が外力(F2)の方向に開かれたり撓むことが防止される。このように、リングサポート1300は、外力(F2)に抵抗する向上した曲げ強度を有する。
曲げ強度の向上と糸絡みの円滑な解消のために、特定の寸法範囲にリングサポート1300の各部分が形成され得る。図10を参照すると、第2曲げ部1332のV字状での夾角(IA1)(即ち、直線状曲げ部1333,1334間の夾角)は、曲げ強度の向上と糸絡みの円滑な解除のために、110度〜120度であってもよい。リング支持部1320の両側端縁は互いに向かって傾くように、リング支持部1320はテーパ状をとってもよい。この場合、リング支持部1320の両側端縁がなす夾角(IA2)は、曲げ強度の向上と糸絡みの円滑な解除のために0度超30度以下の角を有することができる。また、第2曲げ部1332の中心点(P1)は第2曲げ部1332の両端点(P2)より下に位置し、リング保持孔1311の最下端点(P3)は第2曲げ部1332の両端点(P2)より下に位置し、糸絡みの円滑な解除に寄与する。
第1曲げ角(BA1)、第2曲げ角(BA2)、夾角(IA1)及び夾角(IA2)が前述のそれぞれの範囲内での角度値を有するようにリングサポート1300が形成される際に、リングサポート1300での糸絡みが円滑に解除され得る。また、第2曲げ部1332の中心点(P1)、第2曲げ部1332の両端点(P2)及びリング保持孔1311の最下端点(P3)間の前述の位置関係により、リングサポート1300での糸絡みが円滑に解除され得る。即ち、前述の範囲を逸脱する角度の値で、第1曲げ角(BA1)、第2曲げ角(BA2)、夾角(IA1)、夾角(IA2)が定められる場合、または前述の位置関係でリング保持孔1311と第2曲げ部1332が位置しない場合、糸絡みの円滑な解除が行われないことがある。一例として、一実施例のリングサポート1300において、第1曲げ角(BA1)は157度と定められてもよく、第2曲げ角(BA2)は20度と定められてもよく、夾角(IA1)は120度と定められてもよく、夾角(IA2)は20度と定められてもよい。
前述の実施例において、リングサポート1300は、第1曲げ部1331とこれに連結される第2曲げ部1332とを含む。他の実施例において、リングサポート1300は、第1曲げ部1331のみを含むこともできる。このような実施例では、リング支持部1320は、第1曲げ部1331を基準として、第1曲げ角(BA1)で釣り竿のチップに向かって曲げられ得、リング保持部1310は、リング支持部1320から曲げなしに延長できる。
前述の実施例において、金属製の薄板からなるリングサポート1300と硬化した樹脂材料からなる取付部1100がインサート射出成形されて一体に結合されている。詳細には、第1曲げ部1331の下側一部及び第1開口1351を含むリング支持部1320の下側一部が大外径部1113の結合部1117内に埋め込まれる方式で、リングサポート1300と取付部1100が射出成形により一体に結合されている。これにより、リングサポート1300は、取付部1100に嵌合される取付リングのような連結部品を備えない。従って、取付部と取付リングが形成されたフレームとが結合される従来技術の釣り糸ガイドと比較して、一実施例の釣り糸ガイドは顕著に小さい重量を有し、軽量化を達成できる。
本開示の第2実施例による釣り糸ガイドの説明のために、図11〜図16に示す例が参照される。図11は、第2実施例による釣り糸ガイドを示す斜視図である。図12〜図14はそれぞれ、図11に示す釣り糸ガイドの右側面図、背面図及び正面図である。図15は、図11に示すリングサポートの斜視図である。図16は、図11の16−16線に沿ってとった断面図である。図11〜図16に示す釣り糸ガイドは、前述の実施例の釣り糸ガイド1000と類似の構成を有し、以下では異なる構成についてのみ説明される。
図11に示すように、釣り糸が通るガイドリング2200は、上下に長い長円形状(oblong shape)を有する。これにより、ガイドリング2200が嵌合されるリング保持孔2311は、ガイドリング2200の形状に対応するように長円形状を有する。リング保持部1310が釣り竿のチップに向かって前方方向(TD)に傾いているため、釣り竿のバットから釣り竿のチップに向かって釣り竿を見ると、ガイドリング2200の内周面は略円形をとる。従って、ガイドリング2200に釣り糸をスムーズに通すことができる十分な空間が確保され得る。
図11に示すように、釣り糸ガイド2000の取付部1100は、その外周面に外側半径方向に突出する3つのリブ2120,2130を含む。前記3つのリブは、上方リブ2120と、一対の側方リブ2130とを含む。
上方リブ2120は、リング支持部1320に隣接して取付部1100の上端に位置する。上方リブ2120は、結合部1117と小外径部1114にわたって形成されている。上方リブ2120の上面2122は、中心軸(CA1)に向かって傾いている。上方リブ2120は、釣り竿のバットに向かう後方方向(BD)にテーパされる形状を有する。これにより、上方リブ2120は、後方方向(BD)での後端面2121から釣り竿のチップに向かう前方方向(TD)に拡大される幅を有する。
一対の側方リブ2130は、取付部1100の側端で取付部1100の中心より下に位置する。一対の側方リブ2130は、大外径部1113と小外径部1114にわたって形成されている。側方リブ2130の幅は、上方リブ2120の幅より小さい。上方リブ2120と側方リブ2130との間の中心軸(CA1)に対する角度は、略120度となってもよいが、これに限定されるものではない。
図11及び図12に示すように、上方リブ2120と側方リブ2130は、釣り竿のバットに向かう後方方向(BD)に取付部1100の後端面1116まで延長する。これにより、後方方向(BD)での上方リブ2120の後端面2121と後方方向(BD)での側方リブ2130の後端面2131は、取付部1100の後端面1116と同一表面を形成する。即ち、この実施例において、後方方向(BD)での取付部1100の後端面1116は、上方リブ2120の後端面2121と側方リブ2130の後端面2131を含み、上方リブ2120の後端面2121と側方リブ2130の後端面2131が取付部1100の後端面1116の一部を形成する。
上方リブ2120と側方リブ2130により、取付部1100の周方向での強度が向上する。上方リブ2120の後端面2121と側方リブ2130の後端面2131が、取付部1100の後端面1116と同一表面に位置するため、取付部1100を竿体110の管状竿に押し込む際に発生し得る、取付部1100の後端面1116から発生する割れと後端面1116での白化を防止することができる。即ち、上方リブ2120と側方リブ2130が取付部1100の押込強度を増加させることができる。
上方リブ2120の存在により、取付部1100を成形する際に、取付部1100を構成する樹脂材料が取付部1100の成形のための成形金型内でスムーズに流動することができ、樹脂材料が合流する部分でのウェルドライン強度が補強され得る。例えば、取付部1100の成形のための成形金型の成形表面には、上方リブ2120と側方リブ2130に対応する形状を有し、上方リブ2120と側方リブ2130の位置に対応するように位置するリブ形成部が形成され得る。前記インサート射出成形と関連し、溶融したカーボン長繊維強化樹脂材料が成形金型内に入るゲートは、取付部1100の大外径部1113の最下端に位置することができる。従って、前記ゲートに流入した樹脂は2つの流れに分岐し、2つの樹脂の流れは取付部1100の上端に流動して、取付部1100の上端で合流することができる。取付部1100が厚さの異なる大外径部1113と小外径部1114を有するため、大外径部1113と小外径部1114を通る樹脂の流速に差が生じる。また、上方リブ2120に到達する2つの樹脂の流れに時差が生じ、上方リブ2120の付近で、2つの樹脂の流れは方向を変えながら合流できる。また、上方リブ2120の前述の形状により、2つの樹脂の流れが乱れ、樹脂内のカーボン長繊維が互いに絡み合うことができる。これにより、取付部1100の上端でのクラックなどの成形欠陥が防止され得、取付部1100は、樹脂のウェルドラインで高い強度を有することができる。
取付部1100は、下端から上方へ行くほど厚くなる半径方向厚さを有することができる。即ち、取付部1100の半径方向の厚さは最下端で最も小さく、取付部1100の周方向に沿って上端へ行くほど次第に増加することができる。このような取付部1100の厚さの構成により、カーボン長繊維強化樹脂材料は、金型内部の成形空間を円滑に流動することができ、それにより、溶融樹脂の体積が不十分であるため生じる、所謂、ショートショット(Short Shot)のような成形欠陥のない取付部が成形され得る。
図11に示すように、取付部1100は、大外径部1113内に円弧状に凹んだ複数の凹部2119を有する。凹部2119は、ユーザーが取付部1100を竿体110の管状竿の外周面に嵌め付ける際にユーザーの指に引っ掛かりを提供する。
本開示の第3実施例による釣り糸ガイドの説明のために、図17〜図21に示す例が参照される。図17は、第3実施例による釣り糸ガイドを示す斜視図である。図18は、図17に示すリングサポートを示す斜視図である。図19は、図17に示す釣り糸ガイドの右側面図である。図20は、図17の20−20線に沿ってとった断面図である。図21は、ガイドリングとリングサポートを示す縦断面図である。図17〜図21に示す釣り糸ガイドは、前述の実施例の釣り糸ガイド2000と類似の構成を有し、以下では釣り糸ガイド2000と比較して異なる構成についてのみ説明される。
図17〜図21を参照すると、釣り糸ガイド3000は、さらに強い強度を有するリングサポート1300を備える。リングサポート1300は、強度向上のための構造物であって、リング保持部1310内に補強フランジ3312を備える。補強フランジ3312は、ガイドリング2200の外形に対応するように長円形状の形状を有する。補強フランジ3312は、リング保持部1310から前方方向(TD)及び下方方向(LD)間の斜めの方向に突出する。補強フランジ3312は、リング保持部1310内に位置し、第2曲げ部1332から離隔されている。補強フランジ3312は、その最下端点が第2曲げ部1332の両端点より下に位置するように、リング保持部1310内に位置する。
図18、図20及び図21に示すように、補強フランジ3312は、その内周面でリング保持孔2311を限定する。補強フランジ3312の内周面は、嵌合面3313と案内面3314を含む。嵌合面3313は環状に延長し、ガイドリング2200が嵌合面3313に嵌合される。嵌合面3313は、平面に形成される。補強フランジ3312は、リング保持部1310から垂直に突出する。補強フランジ3312は、嵌合面3313の突出長さ(ST)がリング保持部1310の厚さ(RT)より小さくなるように、リング保持部1310から突出することができる。案内面3314は、嵌合面3313に繋がっている。案内面3314は、嵌合面3313に沿って環状に延長する。案内面3314は、嵌合面3313に対して湾曲しており、曲面に形成される。即ち、案内面3314の直径は、嵌合面3313に向かって縮小される。図21に示すように、ガイドリング2200が補強フランジ3312に嵌合される際に、ガイドリング2200は、案内面3314から嵌合面3313に嵌合され得る。即ち、ガイドリング2200の外周面が案内面3314に沿って嵌合面3313に嵌合され得る。これにより、ガイドリング2200とリング保持部1310との間の嵌合の際にガイドリング2200の外周面での割れが防止され得る。また、ガイドリング2200と補強フランジ3312の嵌合面3313が結合される際に、接着剤が留まることのできる空間が、ガイドリング2200の外周面と補強フランジ3312の案内面3314との間に形成され得るため、ガイドリング2200と補強フランジ3312との間で強い接着強度が達成される。
リング保持部1310に形成された補強フランジ3312により、リングサポート1300の曲げ強度が向上する。補強フランジ3312は、リングサポート1300を成形するための金属シート内にリング保持孔2311の形状に対応する貫通孔を形成し、貫通孔の全周をバーリング(burring)することにより、形成され得る。
この実施例の釣り糸ガイド3000は、リングサポート1300に前述のY字状曲げ部を備えているだけでなく、リング保持部1310内に補強フランジ3312を備えて、全体的に向上した曲げ強度を有するリングサポート1300を備える。
この実施例において、図17に示すように、取付部1100は内周面に、周方向に配列され釣り竿の中心軸(CA1)の方向に延長する複数のセレーション(serration)3140を有する。セレーション3140の横断面の形状は、釣り竿の中心軸(CA1)に向かってとがった三角形を有する。従って、セレーション3140は、三角形状の頂点の部分が管状竿の外周面と密着する。この実施例において、取付部1100は、強度の高い樹脂材料(例えば、カーボン長繊維強化樹脂)からなる。これにより、セレーション3140の三角形状の頂点部分での強度が高く、取付部1100を竿体の管状竿の外周面に嵌め付ける際に、セレーション3140の頂点部分が嵌め付ける力により潰れたり崩れ落ちたりしない。即ち、取付部1100の強い強度により、セレーション3140は、潰れることなく最初に形成された高さを維持する。セレーション3140の頂点部分が潰れないため、取付部1100は、強い回転耐力を有する。
前述の実施例による釣り糸ガイドは、釣り糸の糸絡みが発生しても、糸絡みを円滑に解除するように構成されている。例えば、リングサポートのY字状曲げ部により、釣り糸ガイドに発生した糸絡みが円滑に解除され得る。図22A〜図22Gを参照し、釣り糸の糸絡みが発生する例と糸絡みが解除される例を説明する。図22A〜図22Gにおいて、矢印(F3)は、仕掛けのキャストの際に釣り糸にかかる張力を指し、矢印(F4)は、仕掛けのキャストの際に釣り糸ガイドに加えられる風の力を指し、矢印(F5)は、釣り糸をリール側へ引き戻す力を指す。
図22Aを参照すると、仕掛けのキャストの際にリールから放出された釣り糸130では、風の力(F4)または釣り竿の動きにより釣り糸の一部がリングサポート1300を追い越してループ部131を形成することがある。図22Bを参照すると、ガイドリング2200を通過する前のループ部131が釣り竿のチップに向かう釣り糸の一部132を乗り越えることがある。図22Cを参照すると、ループ部131が風の力(F4)や釣り竿の動きによりリングサポート1300の上端に向かって移動することがある。図22Dを参照すると、ガイドリング2200に進入する前の釣り糸の一部133に、風の向きの変化や釣竿の動きにより、釣り糸をリール側へ引き戻す力(F5)が働き、釣り糸の一部133とリングサポート1300との間にループ部131が入り込んでリングサポート1300を巻くことがある。図22Eを参照すると、釣り竿のチップに向かう張力(F3)と引き戻す力(F5)により、リングサポート1300を巻いているループ部131が引っ張られながら縮小され得る。図22Fを参照すると、引き戻す力(F5)によりループ部131がさらに縮小され、釣り糸130は、リングサポート1300の第1曲げ部1331周辺に巻かれた糸絡み部134を形成しながらロック状態となることがある。図22Fに示すロック状態の糸絡み部134により、釣り糸ガイドに釣り糸の糸絡みが発生し得る。
しかし、実施例による釣り糸ガイドでは、リングサポート1300のY字状曲げ部により、釣り糸の糸絡みは円滑に解除され得る。糸絡みが発生した状況で、釣り糸130には、張力(F3)が継続して加えられている。図22Gを参照すると、ロック状態にある糸絡み部134は、張力(F3)によりリングサポート1300の上端に向かって円滑にスライディングし、リングサポート1300の上端を過ぎると、糸絡み部134が解除され得る。これと関連し、Y字状曲げ部により、リング保持部1310がリング支持部1320に対して曲げられており、リング支持部1320は釣り竿のチップに向かって曲げられているため、補強フランジ3312の下側壁面やガイドリング2200の下側壁面は、Y字状曲げ部が形成する前面1323の凹んだ部分1325に位置する。即ち、補強フランジ3312の最下端点とガイドリング2200の最下端点は、第2曲げ部1332の幅方向での両端点より下側に位置する。また、糸絡み部134は、Y字状曲げ部により凹んだ部分1325に入ることができず、凹んだ部分1325から離隔されている。これにより、糸絡み部134は、補強フランジ3312の下側壁面またはガイドリング2200の下側壁面にかかることなくリングサポート1300の上端にスライディングされて解除され得る。
図22Hは、糸絡みが解除され得ない比較例によるリングサポートを示す。図22Hに示すように、実施例によるY字状曲げ部を備えられないリングサポートでは、糸絡み部134が補強フランジの下側壁面またはガイドリングの下側壁面にかかり、リングサポートの上端に移動されることができず、糸絡みが解除され得ない。
本開示の第4実施例による釣り糸ガイドの説明のために、図23及び図24に示す例が参照される。図23は、第4実施例による釣り糸ガイドのリングサポートを示し、図24は、図23の24−24線に沿ってとった断面図である。
この実施例の釣り糸ガイド4000において、リングサポート1300の補強フランジ3312は、その内周面(詳細には、嵌合面3313)に形成された複数の嵌合突起4315を有する。図23に示すように、3つの嵌合突起4315が嵌合面3313に形成され得る。嵌合突起4315の個数は3つに限定されず、4つ以上であってもよい。嵌合突起4315は、補強フランジ3312の嵌合面3313から僅かな高さでリング保持孔2311側に突出する。嵌合突起4315は、補強フランジ3312の嵌合面3313をシェービング(shaving)加工により若干の深さで切削することにより形成され得る。
ガイドリング2200は、リング保持孔2311に挿入され、3つの嵌合突起4315の表面と嵌合され得る。ガイドリング2200がリング保持孔2311に挿入されると、嵌合突起4315がガイドリング2200の外周面と接触する。リング保持部1310は、補強フランジ3312の3つの嵌合突起4315によりガイドリング2200を3個所で保持する。即ち、リング保持部1310は、3つの嵌合突起4315を介してガイドリング2200と接触する。ガイドリング2200の外周面は、補強フランジ3312の嵌合面3313と面接触せず、嵌合突起4315と面接触または点接触する。また、図24に示すように、ガイドリング2200は、ガイドリング2200の外周面と補強フランジ3312の内周面(嵌合面3313)との間に形成された隙間を有して嵌合突起4315と嵌合される。このような隙間は、嵌合面3313から突出した嵌合突起4315により形成され、接着剤を収容することができる。ガイドリング2200を3個所での嵌合により保持する構造により、ガイドリング2200の寸法とリング保持孔2311の寸法をガイドリング2200とリング保持孔2311が正確に嵌合されるように加工する必要がない。即ち、ガイドリング2200を3個所での嵌合により保持する構造により、ガイドリング2200とリング保持孔2311との間の嵌合許容公差を拡大させることができる。
本開示の第5実施例による釣り糸ガイドの説明のために、図25〜図27に示す例が参照される。図25は、本開示の第5実施例による釣り糸ガイドを示す斜視図である。図26は、図25に示す釣り糸ガイドの正面図である。図27は、第5実施例による釣り糸ガイドの変形例を示す正面図である。
図25に示す第5実施例による釣り糸ガイド5000は、ガイドリングが管状竿の外径より大きく、リングサポートが取付部に向かって狭くなる形状を有することを除いては、前述の実施例の釣り糸ガイドと同一の構成を有する。
図25を参照すると、釣り糸ガイド5000は、釣り竿の竿体110(詳細には、竿体110を構成する管状竿の1つ)に取り付けられる取付部5100と、釣り糸130が通るガイドリング5200と、ガイドリング5200を保持及び支持して取付部5100と部分的に結合されるリングサポート5300とを含む。
ガイドリング5200は、竿体110の管状竿の外径より大きい外径を有する。これにより、釣り糸ガイド5000は、管状竿の外径より大きい外径を有するガイドリングが用いられる例に適用され得る。ガイドリング5200の形状及び構成は、図3及び図13に示すガイドリングの形状及び構成と類似することができる。
取付部5100は、環状体で形成され、竿体110の管状竿の1つが取付部5100を貫通することができる。前記管状竿が取付部5100を貫通した状態で、取付部5100は前記管状竿に沿ってスライド可能であり、前記管状竿に対して回転することができる。前記管状竿は、前方方向(TD)に細くなるテーパ状を有する。従って、取付部5100を後方方向(BD)に移動させることにより、取付部5100が前記管状竿の外周面と嵌合されて固定され得る。
取付部5100は、リングサポート5300の下側一部が取付部5100内に埋め込まれるように、リングサポート5300と一体に結合される。一例として、リングサポート5300の下側一部が取付部5100内に埋め込まれるようにリングサポート5300をインサートとして用いて樹脂材料の射出成形により、取付部5100とリングサポート5300が一体に結合され得る。取付部5100の前記樹脂材料として、前述のカーボン長繊維強化樹脂材料が用いられるものの、これに限定されるものではない。他の例として、リングサポート5300の下側一部と取付部5100との間の嵌合及び接着剤接合の方式により、リングサポート5300の下側一部が取付部5100内に埋め込まれるように、リングサポート5300と取付部5100が一体に結合されることもできる。
リングサポート5300の材料及び加工方式は、前述の実施例でのリングサポートの材料及び加工方式と類似する。リングサポート5300は、その中に形成された曲げ部によりリングサポート5300を構成する部分が互いに対して折り曲げられたり、湾曲している金属製の薄板として形成されている。
リングサポート5300は、管状竿の外径より大きい外径を有するガイドリング5200に適合した形状を有する。このために、リングサポート5300は、ガイドリング5200から取付部5100に向かって狭くなる形状を有する。即ち、リングサポート5300の各側端縁の一部は、取付部5100に向かう下方方向(LD)にリングサポート5300の中心に近くなるように形成される。
図26を参照すると、一実施例において、リングサポート5300は、一対の第1側端縁5361と、一対の第2側端縁5362と、一対の境界部5363とを含む。一対の第1側端縁5361は、取付部5100から上方方向(UD)に延長し、互いに遠くなるように傾斜している。一対の第2側端縁5362は、一対の第1側端縁5361から上方方向(UD)にそれぞれ延長する。一対の第2側端縁5362は、一対の第1側端縁5361の傾斜角度と異なる傾斜角度で傾斜している。一対の境界部5363は、第1側端縁5361のそれぞれと第2側端縁5362のそれぞれとの間にそれぞれ位置する。境界部5363は、第1側端縁5361と第2側端縁5362との間の境界となる。境界部5363を基準として、第1側端縁5361の傾斜角度と第2側端縁5362の傾斜角度が異なる。
一対の第1側端縁5361は、取付部5100からリングサポート5300の上端に向かって互いに次第に遠くなる。一対の第2側端縁5362は、ガイドリング5200の付近に位置する。一対の第2側端縁5362は、リングサポート5300の上端に向かって互いに次第に近くなる。一対の第2側端縁5362は、0度超30度以下の夾角(IA3)で互いに向かって傾いている。他の例として、一対の第2側端縁5362は互いに平行であり、夾角を有しないこともある。前述の側端縁の形状により、リングサポート5300は、ガイドリング5200に向かって広くなり、境界部5363を過ぎてから再度狭くなる形状を有する。従って、リングサポート5300の幅は、上方方向(UD)に次第に大きくなってから次第に小さくなり、境界部5363で最大となる。
図25及び図26を参照すると、リングサポート5300は、ガイドリング5200を保持するリング保持部5310と、リング保持部5310を介してガイドリング5200を支持するリング支持部5320と、を含む。リングサポート5300を構成する前記金属製の薄板で、リング保持部5310とリング支持部5320は一体に形成され、リング保持部5310は平らである。
リング保持部5310は、ガイドリング5200が結合されるリング保持孔5311を有する。リング保持孔5311は、リング保持部5310にリング保持部5310の厚さ方向に貫通している。リング保持部5310は、リング保持孔5311によりガイドリング5200の全周に沿ってガイドリング5200を保持するように略環状をとる。リング保持孔5311の形状と、リング保持孔5311とガイドリング5200との間の結合は、前述の第1実施例の釣り糸ガイドを参照して説明した形状及び結合と類似することができる。
リング保持部5310の上側縁は、半円形状を有する。リング保持部5310の幅方向(WD)での両側端縁は、取付部5100に向かう下方方向(LD)に互いに遠くなることができる。図26に示すように、リング保持部5310の各側端縁は、前述の第2側端縁5362として形成されている。これにより、リング保持部5310の両側端縁は、リング保持孔5311の中心に対して夾角IA3で互いに向かって傾斜している。他の例として、リング保持部5310の両側端縁は、平行であってもよい。また、他の例として、リング保持部5310の各側端縁の一部が、前述の第2側端縁5362として形成され得る。リング保持部5310の下端縁は、下方方向(LD)に凸なV字状を取り、リング保持部5310はその下端縁でリング支持部5320と一体に連結される。
図26を参照すると、リング支持部5320は、リング保持部5310のV字状の下端縁に対応するV字状の上端縁を有する。リング支持部5320の幅方向(WD)での各側端縁は、前述の第1側端縁5361を含む。これにより、リング支持部5320の両側端縁は、取付部5100に向かう下方方向(LD)に互いに狭くなる。
リングサポート5300は、リング支持部5320内に前述の第1曲げ部1331を有する。第1曲げ部1331は、幅方向(WD)でリング支持部5320の中央に位置する。第1曲げ部1331は、竿体110の管状竿に向かう下方方向(LD)にリング支持部5320の下端まで延長する。リング支持部5320は、第1曲げ部1331を含む下側一部で、取付部5100内に埋め込まれている。
リング支持部5320は、第1曲げ部1331を基準として、釣り竿のチップに向かう方向(前方方向(TD))に前述の第1曲げ角で曲げられている。これにより、図26に示すように、リング支持部5320は、第1曲げ部1331により区分され、対称形状に形成された右半部5321と左半部5322を有する。右半部5321と左半部5322は、第1曲げ部1331を介して一体になっており、前方方向(TD)に前述の第1曲げ角で互いに向かうように傾いている。
リングサポート5300は、リング保持部5310とリング支持部5320との間の境界となる前述の第2曲げ部1332を有する。リング保持部5310の下端縁とリング支持部5320の上端縁が第2曲げ部1332を形成する。リング保持部5310は、第2曲げ部1332を基準として、リング支持部5320に対して釣り竿のチップに向かう方向(前方方向(TD))に前述の第2曲げ角で曲げられている。第2曲げ部1332は、リングサポート5300の一側端から他側端まで延長する。第2曲げ部1332とリングサポート5300の両側端縁との間の接続点が、第2曲げ部の両端点(P2)となる。この実施例において、第1側端縁5361と第2側端縁5362との間の前述の一対の境界部5363は、第2曲げ部1332の両端点(P2)にそれぞれ位置する。
第2曲げ部1332は、リングサポート5300の下端に向かって凸である。図25及び図26を参照すると、第2曲げ部1332は、下方方向(LD)に凸なV字状を有し、その中心点(P1)で第1曲げ部1331の上端に連結される。また、リングサポート5300の側方視において、第2曲げ部1332は、前方方向(TD)と上方方向(UD)との間の斜めの方向に傾いている。図26に示すように、第2曲げ部1332は、第1曲げ部1331と第2曲げ部1332との間の連結点(第2曲げ部1332の中心点(P1))から第1曲げ部1331に対して鈍角で延長する一対の直線状曲げ部1333、1334を含む。
互いに合う第1曲げ部1331と第2曲げ部1332は、Y字状を形成し、リングサポート5300にY字状曲げ部を形成する。従って、リングサポート5300は、リング保持部5310、リング支持部5320の右半部5321及びリング支持部5320の左半部5322が互いに向かって曲げられた金属製の薄板として形成される。また、このような金属製の薄板において、リング保持部5310、リング支持部5320の右半部5321及びリング支持部5320の左半部5322は、Y字状曲げ部をなす第1及び第2曲げ部1331,1332を介して一体に形成され、これらが第1及び第2曲げ部1331,1332により互いに向かって曲げられている。このように、リングサポート5300には、第1曲げ部1331と第2曲げ部1332が形成するY字状曲げ部が提供されている。また、リングサポート5300には、Y字状曲げ部に沿って前述のY字状の加工硬化部が形成されている。従って、釣り糸ガイド5000は、前述の第1曲げ部と第2曲げ部が形成するY字状曲げ部により、向上した曲げ強度、向上した回転防止強度及び向上した取付強度を有する。
糸絡みの円滑な解消のために、特定の寸法範囲にリングサポート5300の各部分が形成され得る。図26を参照すると、第2曲げ部1332の直線状曲げ部1333、1334間の夾角は、前述の夾角(IA1)になり得る。また、第2曲げ部1332の中心点(P1)は、第2曲げ部1332の両端点(P2)より下に位置し、リング保持孔5311の最下端点(P3)は、第2曲げ部1332の両端点(P2)より下に位置し、糸絡みの円滑な解除に寄与する。また、リングサポート5300の側端縁の一対の境界部5363は、第2曲げ部1332の両端点(P2)にそれぞれ位置するか、または第2曲げ部1332の両端点(P2)より上側にそれぞれ位置する。図26に示すように、リングサポート5300の側端縁の一対の境界部5363は、両端点(P2)に位置することができる。第1曲げ角(BA1)、第2曲げ角(BA2)、夾角(IA1)及び夾角IA3が、前述のそれぞれの範囲内での角度値を有するようにリングサポート5300が形成される場合に、リングサポート5300での糸絡みが円滑に解除され得る。また、第2曲げ部1332の中心点(P1)、第2曲げ部1332の両端点(P2)、リング保持孔5311の最下端点(P3)及びリングサポート5300の側端縁の一対の境界部5363間の前述の位置関係により、リングサポート5300での糸絡みが円滑に解除され得る。
図27は、前述の第5実施例の釣り糸ガイドの変形例を示す。図27を参照すると、リングサポート5300の側端縁の一対の境界部5363は、第2曲げ部1332の両端点(P2)より上側に位置する。これにより、リング保持部5310の各側端縁は、前述の第1側端縁5361及び第2側端縁5362の一部を含む。
図28A〜図28Jを参照し、この実施例の釣り糸ガイドで糸絡みの発生と解除の例を説明する。図28A〜図28Jは、図25に示す釣り糸ガイドに糸絡みが発生して糸絡みが解除される例を順次示す。図28A〜図28Jにおいて、矢印(F3)は、仕掛けのキャストの際に釣り糸にかかる張力を指し、矢印(F4)は、釣り糸ガイドに加えられる風の力を指し、矢印(F5)は、釣り糸をリール側へ引き戻す力を指す。
図28Aを参照すると、仕掛けのキャストの際に、リールから放出された釣り糸130の一部は、風の力(F4)または釣り竿の動きによりリングサポート5300を追い越してループ部131を形成することができる。図28Bを参照すると、ガイドリング5200を通過する前のループ部131が釣り竿のチップに向かう釣り糸の一部132を乗り越えることがある。図28Cを参照すると、ループ部131が風の力(F4)や釣り竿の動きによりリングサポート5300の上端を過ぎてリングサポート5300の下端に向かって移動することがある。図28Dを参照すると、ガイドリング5200に進入する前の釣り糸の一部133に風の方向の変化や釣り竿の動きにより、釣り糸をリール側へ引き戻す力(F5)が作用し、ループ部131がリングサポート5300の下端に移動しながらリングサポート5300を巻くことがある。これと関連し、リングサポート5300の一対の第1側端縁5361により、リングサポート5300の幅がリングサポート5300の下端に向かって小さくなるため、ループ部131が取付部5100の付近まで移動する。これにより、リングサポート5300の側方に糸絡み部134が形成されながら、釣り糸はロック状態となることがある。図28Eを参照すると、釣り竿のチップに向かう張力(F3)により、釣り糸の一部135,136,137,138がリングサポート5300に締め込まれ得る。図28Fを参照すると、張力(F3)が継続して作用する状況で、釣り糸の一部136は、張力(F3)により、釣竿のチップ側へ大きく移動して、釣り糸の一部135が最も締め込まるので、釣り糸の一部135が支点となり、釣り糸の一部137と釣り糸の一部138は、張力(F3)によりガイドリング5200に向かって移動することがある。図28Gを参照すると、張力(F3)が継続して作用する状況で、リングサポート5300に絡みついている釣り糸の一部137がリングサポート5300の側端縁の境界部5363を乗り越えてリングサポート5300の上端に向かって移動することがあり、その次に、釣り糸の一部138がリングサポート5300の側端縁の境界部5363を乗り越えてリングサポート5300の上端に向かって移動することがある。図28hを参照すると、張力(F3)が継続して作用する状況で、ループ部131と糸絡み部134がリングサポート5300の上端に向かって移動することがある。図28Iと図28Jを参照すると、張力(F3)が継続して作用する状況で、ループ部131は、リングサポート5300の上端に向かってスライディングし、ループ部131がリングサポート5300の上端を過ぎると、糸絡み部134が解除され得る。
リングサポート5300のY字状曲げ部により、リング保持部5310がリング支持部5320に対して曲げられており、リング支持部5320は釣り竿のチップに向かって曲げられているため、ガイドリング5200の下側壁面は、Y字状曲げ部が形成する凹んだ部分1325の付近に位置する。即ち、ガイドリング5200の最下端点は、第2曲げ部1332の両端点より下側に位置する。また、ループ部131は、Y字状曲げ部により凹んだ部分1325に入ることができず、凹んだ部分1325から離隔されている。これにより、ループ部131は、ガイドリング5200の下側壁面にかかることなくリングサポート5300の上端に円滑にスライディングできる。また、リングサポート5300の側端縁の一対の境界部5363が第2曲げ部1332の両端点に位置するか、または両端点より上側に位置するため、図28F及び図28Gに示す釣り糸の一部137及び釣り糸の一部138が境界部5363を円滑に乗り越えることができ、ループ部131が円滑にリングサポート5300の上端に移動することができる。
図28Kは、糸絡みが解除され得ない比較例による釣り糸ガイドを示す。図28Kに示すリングサポートでは、側端縁の境界部5363が第2曲げ部1332の両端点より下側に位置する。これにより、釣り糸の一部135を支点にして動く、釣り糸の一部137は、境界部5363を乗り越えることができず、張力(F3)が更に加われば、釣り糸の一部137と釣り糸の一部138は締め込まれ、ループ部131は、リングサポートの上端に向かって移動することができず、釣り糸の糸絡みが解除され得ない。
図29〜図36Iを参照し、釣り糸ガイドの製造方法の実施例を説明する。実施例による製造方法により、釣り糸を案内するガイドリング(例えば、図3と図11に示すガイドリング)を有し、釣り竿の管状竿(例えば、図1に示す管状竿の1つの管状竿)に取り付けられる釣り糸ガイドが製造され得る。実施例による釣り糸ガイドの製造方法は、金属製の薄板からなるリングサポート(例えば、図7と図15に示すリングサポート)を加工する段階と、リングサポートをインサートとして用いて、樹脂材料によって取付部(例えば、図3、図11及び図17に示す取付部)を射出成形する段階を共通に含む。
図29は、本開示の第1実施例による釣り糸ガイドの製造方法の段階を示すブロック図である。図30A〜図30Eは、図29に示す段階で行われる具体的な例を示す。
図29を参照すると、第1実施例による釣り糸ガイドの製造方法は、金属製の薄板からなるリングサポートを加工する段階(S100)と、リングサポートをインサートとして用いて、樹脂材料によって取付部を射出成形する段階(S200)とを含む。段階(S100)により、少なくとも、ガイドリングを保持するリング保持部と、リング保持部と一体に形成されるリング支持部と、リング保持部を曲げさせる第1曲げ部を含むリングサポートとが加工される。段階(S200)により、管状竿の外周面と嵌合される内周面(例えば、図3、図11及び図17に示す取付部の内周面)を有する取付部が射出成形される。射出成形工程で注入された樹脂材料が硬化することにより、前記取付部が成形される。取付部を構成する樹脂材料は、カーボン繊維強化樹脂であってもよい。さらに詳細には、取付部を構成する樹脂材料は、カーボン長繊維強化樹脂であってもよい。
カーボン長繊維強化樹脂材料は、カーボン短繊維強化樹脂材料に比べて3〜5倍の高い衝撃強度を有する。カーボン長繊維強化樹脂材料は、高い繊維配合量で高剛性を有し、高温で優れたクリープ特性を有する。カーボン長繊維強化樹脂材料は、高温で高い弾性保持率を有し、低温で優れた衝撃保持率を有する。カーボン長繊維強化樹脂材料は、撓み変形量や引っ張り変形量が小さく、線膨張係数が小さいため寸法安定性が高く、優れた耐摩耗性を有する。
一実施例において、カーボン長繊維強化樹脂材料は、270Mpaの引張強度、340MPaの曲げ強度、17000Mpaの曲げ弾性率、22KJ/m2のノッチ付きシャルピー衝撃強度(Charpy notched impact strength)、178°Cの荷重たわみ温度、1.16g/cm3の密度を有する。カーボン長繊維は、略7mmの長さと円筒状を有することができる。カーボン長繊維強化樹脂材料におけるカーボン含量は略30%になってもよい。カーボン長繊維強化樹脂材料における樹脂は、ナイロン樹脂であってもよい。
図29を参照すると、一実施例において、リングサポートを加工する段階(S100)は、金属シートにガイドリングが結合される貫通孔を形成する段階(S110)と、前記金属シートに前記第1曲げ部が形成されるように前記金属シートをベンディングする段階(S130)と、前記金属シートから前記リングサポートをブランキングする段階(S140)とを含むことができる。
図29と図30Aを参照すると、段階(S110)において、四角の平板である金属シート200が準備され、金属シート200に貫通孔211が形成される。金属シート200は、ステンレススチール、ステンレス合金、チタン合金、純チタンのような金属材料からなることができる。この実施例で、金属シート200は、純チタンの金属材料からなる。貫通孔211の形成は、パンチングまたはドリリングにより行われることができる。貫通孔211が図3に示すリング保持孔になり得、貫通孔211に図3に示すガイドリングが結合され得る。
図29と図30Bを参照すると、段階(S130)において、金属シート200をプレス金型を用いてプレス加工することにより、金属シート200に第1曲げ部1331及び第2曲げ部1332が形成されるように金属シート200をベンディングさせる。第1及び第2曲げ部1331、1332の形成と金属シート200のベンディングは、金属シート200に第1曲げ部1331と第2曲げ部1332を形成できるプレス金型を用いて行われる。前記プレス金型を用いる金属シートのベンディングにより、金属シート200に第1及び第2曲げ部1331、1332が形成されながら、第1曲げ部1331と第2曲げ部1332周辺の金属シート200の部分が前述の第1曲げ角(BA1)と第2曲げ角(BA2)でベンディングされる。第1曲げ部1331は、貫通孔211に隣接し、金属シート200の下端まで延長する。第2曲げ部1332は、金属シート200の下端に凸であり、第1曲げ部1331と連結される。第2曲げ部1332は、金属シート200の一側端から他側端まで延長する。また、第1及び第2曲げ部1331、1332を形成しながら金属シート200をベンディングすることにより、第1曲げ部1331と第2曲げ部1332の形状に対応する加工硬化部(例えば、図7に示す加工硬化部)が金属シート200に生成される。金属シートをベンディングする段階(S130)と関連し、第1曲げ部1331と第2曲げ部1332は、金属シート200に同時に形成され得る。他の例として、第1曲げ部1331が第2曲げ部1332より先に金属シート200に形成されてもよく、または第2曲げ部1332が第1曲げ部1331より先に金属シート200に形成されてもよい。
図29と図30Cを参照すると、段階(S140)において、第1及び第2曲げ部1331、1332が形成され、これらを介してベンディングされた金属シート200から、リングサポート1300が形成される。金属シート200からリングサポート1300を形成することは、プレス金型を用いたブランキングにより行われることができる。金属シート200から得られたリングサポート1300は、ガイドリングを保持するリング保持部1310と、リング保持部1310と一体に形成されるリング支持部1320とを有する金属製の薄板で形成されている。また、リングサポート1300では、リング支持部1320が、リング保持孔1311付近からリング支持部1320の下端まで延長する第1曲げ部1331を基準として、第1曲げ角(BA1)で曲げられている。また、リングサポート1300では、リング保持部1310は、リングサポート1300の一側端から他側端まで延長し、リングサポート1300の下端に凸な第2曲げ部1332を基準として、リング支持部1320に対して第2曲げ角(BA2)で曲げられている。第2曲げ部1332は、リング保持部1310とリング支持部1320との間の境界となり、その中間で第1曲げ部1331に連結される。
次に、図29と図30Dを参照すると、段階(S200)において、リングサポート1300をインサートとして用いて、カーボン長繊維強化樹脂によって取付部1100が射出成形される。リングサポート1300が射出成形のインサートとして用いられる際に、リングサポート1300の下側一部が取付部を射出成形するための成形空洞内に挿入される。これにより、第1曲げ部1331の下側一部を含むリング支持部1320の下側一部が取付部1100に埋め込まれながら、取付部1100が射出成形される。また、リングサポート1300のリング支持部1320と取付部1100が部分的に結合される。
一実施例の釣り糸ガイドの製造方法は、図29に示すように、段階(S200)の後に、ガイドリングをリング保持孔に嵌め合わせる段階(S300)を含むことができる。図3に示すガイドリング1200をリング保持孔1311に嵌め合わせることにより、釣り糸を案内するガイドリング1200を有して釣り竿の管状竿に取り付けられる釣り糸ガイドが製造され得る。
この実施例では、金属シートに第1曲げ部1331及び第2曲げ部1332が形成されるように、金属シートがベンディングされる。他の実施例として、リングサポートは、第1曲げ部のみを備えることができる。従って、前述の金属シートをベンディングする段階は、金属シートに第1曲げ部のみが形成されるように金属シートをベンディングする段階を含むことができる。図30Eは、第1曲げ部のみが形成された金属シートの一例を示す。図30Eに示す金属シートから、第1曲げ部のみを有してリング支持部が第1曲げ部を基準として、第1曲げ角で曲げられているリングサポートが形成され得る。
図30Dに示すリングサポートと取付部とを含む一実施例の釣り糸ガイドにおいて、リングサポート1300は、純チタンからなることができ、取付部1100は、カーボン長繊維強化樹脂材料からなることができる。純チタンの比重は4.51であり、カーボン長繊維強化樹脂の比重は1.16である。一実施例の釣り糸ガイドの軽量化と関連し、比重が1.39であるポリオキシメチレン(polyoxymethylen)樹脂からなる取付部と、比重が5.03であるチタン合金からなり、取付部に嵌合される取付リングを有するリングサポートとを含む比較例の釣り糸ガイドが仮定されることができる。比較例の釣り糸ガイドにおいて、総体積でリングサポートが占める体積の比率は23〜41%になり得る。これに対し、一実施例の釣り糸ガイドにおいて、総体積でリングサポートが占める体積の比率は10〜19%になり得る。また、一実施例の釣り糸ガイドは、比較例の釣り糸ガイドの重量の49〜70%の重量を有することができる。このように、一実施例の釣り糸ガイドは顕著に低い重量を有し、軽量化を達成できる。
図31は、本開示の第2実施例による釣り糸ガイドの製造方法の段階を示すブロック図である。図32A〜図32Fは、図31に示す段階で行われる具体的な例を示す。以下で、この実施例の釣り糸ガイドの製造方法の段階のうち、図29を参照して説明された段階と同一の段階の説明は省略される。
図31と図32Aを参照すると、リングサポートを加工する段階(S100)で、金属シートに貫通孔を形成する段階(S110)により、金属シート200に貫通孔212が形成される。貫通孔212が図11に示すリング保持孔になり得、貫通孔212に図11に示すガイドリングが結合され得る。
図31と図32Bを参照すると、この実施例の釣り糸ガイドの製造方法において、リングサポートを加工する段階(S100)は、金属シートをベンディングする段階(S130)の前に、前記樹脂材料で満たされる一対の第1開口1351を金属シート200に形成する段階(S120)を含む。第1開口1351の形成は、パンチングまたはドリリングにより行われることができる。図32Cに示すように、金属シート200に第1曲げ部1331が形成されると、第1曲げ部1331は、一対の第1開口1351の間を通る。第1開口1351は、第1曲げ部1331に対称に位置する。図32Dに示すように、金属シート200からブランキングされたリングサポート1300で、第1開口1351は、リングサポート1300のリング支持部1320に位置する。
図31と図32Eを参照すると、取付部を射出成形する段階(S200)において、リングサポート1300をインサートとして用いて、カーボン長繊維強化樹脂によって取付部1100が射出成形される。リングサポート1300が射出成形のインサートとして用いられる際に、リングサポート1300の下側一部が取付部を射出成形するための成形空洞内に挿入される。これにより、第1曲げ部1331の下側一部及び第1開口1351を含む、リング支持部1320の下側一部が取付部1100に埋め込まれながら、取付部1100が射出成形される。取付部を射出成形する段階(S200)により、第1開口1351は、取付部1100をなす樹脂材料で満たされる。これにより、第1開口1351は、硬化した前記樹脂材料と結合する。また、取付部を射出成形する段階(S200)により、前述の上方リブ2120と側方リブ2130が取付部1100に形成される。これと関連し、取付部1100を射出成形するための成形空洞には、上方リブと側方リブを形成するためのリブ形成部が備えられている。
次に、図31と図32Eを参照すると、段階(S300)において、図11に示すガイドリングがリング保持部1310のリング保持孔2311に嵌合され、図11に示す釣り糸ガイドが製造され得る。
第1開口を金属シートに形成する段階(S120)と関連し、図2及び図3に示す第2開口の形成が、金属シートをベンディングする段階(S130)の前に行われることができる。図32Fは、金属シートのベンディング前に第2開口1352が金属シートに形成される例を示す。
図33は、本開示の第3実施例による釣り糸ガイドの製造方法の段階を示すブロック図である。図34A〜図34Fは、図33に示す段階で行われる具体的な例を示す。以下で、この実施例の釣り糸ガイドの製造方法の段階のうち、図31を参照して説明された段階と同一の段階の説明は省略される。
図33と図34Aを参照すると、リングサポートを加工する段階(S100)で、金属シートに貫通孔を形成する段階(S110)により、金属シート200に、図17に示すガイドリングが結合され得るリング保持孔を形成するための貫通孔213が形成される。
図33、図34A及び図34Bを参照すると、リングサポートを加工する段階(S100)における貫通孔を形成する段階(S110)は、貫通孔213の全周を金属シート200から突出させて補強フランジ3312を形成する段階(S111)を含む。段階(S111)により、嵌合面3313と案内面3314を有して嵌合面3313によってリング保持孔を限定する、図17に示す補強フランジ3312がリングサポート1300に形成され得る。補強フランジ3312は、金属シート200から垂直に突出することができる。補強フランジ3312の内周面(詳細には、嵌合面3313)が図17に示すリング保持孔2311を形成することができ、補強フランジ3312の内周面に図17に示すガイドリングが嵌合されることができる。補強フランジ3312の形成は、バーリング(burring)により、例えばプレスパンチを用いて貫通孔213の縁部全体を釣り竿のチップに向かうように突出させることにより行われることができる。
図33と図34Eを参照すると、補強フランジ3312が形成された金属シート200から、リングサポート1300がブランキングされる。図33と図34Fを参照すると、補強フランジ3312を有するリングサポート1300をインサートとして用いて、カーボン長繊維強化樹脂によって取付部1100が射出成形される。取付部1100を射出成形する段階(S200)により、取付部1100の内周面1112には、図17に示す複数のセレーション3140が形成される。前記セレーションは、取付部1100を射出成形するための成形空洞内に配置されるコアピンにより形成され得る。前記コアピンは、その外周面に、取付部1100のセレーションの形状に対応するセレーションを有することができる。
次に、図33及び図34Fを参照すると、段階(S300)において、図21に示すガイドリングがリング保持部1310のリング保持孔2311に嵌合され、図17に示す釣り糸ガイドが製造され得る。段階(S300)と関連し、ガイドリングは、案内面3314から嵌合面3313に嵌合されることができる。
図33と図34Cに示すように、リングサポートを加工する段階(S100)は、金属シートに第1開口1351を形成する段階(S120)を含む。段階(S120)と関連し、図2及び図3に示す第2開口の形成が、金属シートをベンディングする段階(S130)の前に第1開口1351の形成とともに行われることができる。図34Gは、金属シートのベンディング前に第2開口1352が金属シートに形成される例を示す。または、リングサポートを加工する段階(S100)は、第1及び第2開口を金属シートに形成する段階を含まないことがある。
図35は、本開示の第4実施例による釣り糸ガイドの製造方法の段階を示すブロック図である。図36A〜図36Iは、図35に示す段階で行われる具体的な例を示す。以下で、この実施例の釣り糸ガイドの製造方法の段階のうち、図33を参照して説明された段階と同一の段階の説明は省略される。
図35と図36Cを参照すると、リングサポートを加工する段階(S100)の貫通孔を形成する段階(S110)は、補強フランジ3312の内周面(詳細には、嵌合面3313)にガイドリングの外周面と接触する複数の嵌合突起4315を形成する段階(S112)を含む。嵌合突起4315の形成は、シェービング(shaving)により行われることができる。例えば、シェービング(shaving)により、嵌合面3313を嵌合突起4315が残るように切削することで、嵌合突起4315が形成され得る。段階(S112)により、ガイドリングを3個所での嵌合により保持する構造がリングサポートに設けられることができる。
図35と図36Fを参照すると、補強フランジ3312及び嵌合突起4315が形成された金属シート200から、リングサポート1300がブランキングされる。図35と図36Gを参照すると、補強フランジ3312及び嵌合突起4315を有するリングサポート1300をインサートとして用いて、カーボン長繊維強化樹脂によって取付部1100がリングサポート1300とともに射出成形される。次に、図35及び図36Gを参照すると、段階(S300)において、図23に示すガイドリングがリング保持部1310のリング保持孔2311に嵌合され、図23に示す釣り糸ガイドが製造され得る。
図35と図36Dに示す第1開口1351を形成する段階(S120)と関連し、この実施例の釣り糸ガイドの製造方法は、図2及び図3に示す第2開口を金属シート200に形成する段階を含むことができ、または第1及び第2開口を金属シートに形成する段階を含まないことができる。図36Hは、金属シートのベンディング前に、第2開口1352が金属シートに形成される例を示す。
図25〜図27に示す釣り糸ガイドは、図29と図30A〜図30Dを参照して説明した製造方法の段階と類似の段階により製造され得る。例えば、図25と図30A〜図30Cを参照して説明した段階と類似の段階により、図25及び図27に示すリングサポート5300が金属シートから加工され得る。これにより、第1曲げ部1331と第2曲げ部1332が形成されたリングサポート5300が金属シートから得られる。リングサポート5300の加工と関連し、図32Bに示す第1開口または図32Fに示す第2開口がリングサポート5300に形成され得る。次に、図25と図30Dを参照して説明した段階と類似の段階により、図25及び図27に示す取付部5100とリングサポート5300は、第1曲げ部の下側一部を含むリングサポート5300の下側一部が取付部5100に埋め込まれるように、リングサポート5300をインサートとして用いて射出成形により一体に結合され得る。
図30C、図32D、図34E及び図36Fに示すように、第1及び第2曲げ部1331、1332が形成された金属シート200からリングサポート1300がブランキングにより形成される。即ち、金属シート200に第1及び第2曲げ部1331、1332が形成された後、金属シート200からリングサポート1300がブランキングされる。従って、完成したリングサポート1300で、外側寸法の変化が少ない。図36Iに示すように、金属シート200から破断されたリングサポート1300の破断面(リングサポート1300の側面)がリング保持孔の中心軸に対して角度を有しない。図36Iに示すように、リング保持部1310の側面1312とリング支持部1320の側面1326は、リングサポートの前面または後面と鋭角(AA)を形成する。鋭角(AA)の大きさは、第1曲げ角(BA1)の半分になってもよい。万一、金属シート200からリングサポート1300の平面形状に対応する加工品をブランキングによって得た後、そのような加工品に第1及び第2曲げ部1331,1332を形成する場合、リングサポート1300の破断面はリングサポート1300の前面または後面と略直角を形成し、曲げによる寸法安定性が悪化する。即ち、この場合、リングサポート1300の側面1312,1326がリング保持孔の中心軸の方向に対して傾斜する。しかし、第1及び第2曲げ部1331、1332の形成後にブランキングされたリングサポート1300は、リング保持孔の中心軸に対して角度を有しない破断面を有するため、完成したリングサポート1300は、取付部1100を射出成形するための金型に精密に安着でき、樹脂漏れのような成形不良を予防することができる。
前述の釣り糸ガイドとその製造方法によると、硬化した樹脂材料からなる取付部1100、5100と金属製の薄板からなるリングサポート1300、5300とは、部分的結合により一体に結合されている。第1曲げ部1331の下側一部を含むリング支持部1320、5320の下側一部が、または第1曲げ部1331の下側一部及び第1開口1351を含むリング支持部1320の下側一部が取付部1100,5100内に埋め込まれる方式で、リングサポート1300,5300と取付部1100,5100とがインサート射出成形により一体に結合する。従って、実施例による釣り糸ガイドは、ガイドリングと取付部との間に、取付部に一部が埋め込まれて金属製の薄板からなるリングサポート1300,5300のみを有する。即ち、実施例による釣り糸ガイドは、環状の取付部に嵌合される取付リングのような連結部品を備えない。また、実施例の釣り糸ガイドの製造方法は、リングサポートに取付リングを形成する工程と取付リングを環状の取付部に嵌め合わせる工程とを含まない。これにより、実施例の釣り糸ガイドは、さらに少ない数の製造工程によって製造され得る。また、実施例のリングサポート1300,5300は、取付リングのような連結部品を備えないため、1つのリングサポート1300,5300が多様な外径を有する取付部1100,5100と一体に形成され得る。即ち、多様な外径を有する取付部1100,5100に同一の1つのリングサポート1300,5300が用いられる。従って、実施例の釣り糸ガイドの製造と関連し、要求される金型の数と金型費用が大幅に減少することができる。例えば、前記取付リングのような連結部品を介してリングサポートが取付部に嵌合される釣り糸ガイドと比較し、実施例の釣り糸ガイドの製造に要求される金型の数は、62%程度減少することができ、金型費用は27%程度減少することができる。
一実施例の釣り糸ガイドは、リングサポートをインサートとして用いて、カーボン長繊維強化樹脂によって取付部を射出成形することにより製造され得る。前述の実施例による釣り糸ガイドの製造に用いられる射出成形装置の実施例が図37〜図42に示されている。図37は、釣り糸ガイドの製造に用いられる射出成形装置を概略的に示す。図38は、図37に示す下型を示す平面図である。図39は、図37に示す下型の一部を示す斜視図である。図40は、コアピンとエジェクタースリーブを示す斜視図である。図41は、コアピン、エジェクタースリーブ及び射出成形された取付部を示す斜視図である。図42は、エジェクタースリーブにより行われるエジェクティング動作を例示する。
前述の一実施例によると、釣り糸ガイドは、硬化した樹脂材料からなる環状の取付部(例えば、図3、図11及び図17に示す取付部1100、図25に示す取付部5100)と、取付部と部分的に結合されて金属製の薄板からなるリングサポート(例えば、図7、図15及び図18に示すリングサポート1300、図25及び図27に示すリングサポート5300)とを含む。取付部は、釣り竿の管状竿(例えば、図1に示す管状竿の1つの管状竿)の外周面と嵌合される円筒状の内周面を有する。リングサポートは、釣り糸を案内するガイドリング(例えば、図3及び図11に示すガイドリング1200,2200、図25及び図26に示すガイドリング5200)を保持するリング保持部(例えば、図7、図15、図18に示すリング保持部1310、図25及び図27に示すリング保持部5310)及び前記リング保持部と一体に形成されたリング支持部(例えば、図7、図15、図18に示すリング支持部1320、図25及び図27に示すリング支持部5320)を含む。リング支持部は、管状竿に向かう下方方向における端部まで延長する第1曲げ部(例えば、図7、図15、図18及び図25に示す第1曲げ部1331)を基準として第1曲げ角(例えば、図8に示す第1曲げ角(BA1))で曲げられている。一実施例の射出成形装置は、このような釣り糸ガイドの製造に用いられる。
図37を参照すると、射出成形装置300は、上型320と、下型330と、エジェクター340とを含む。射出成形装置300は、下型330を支持するベース310を有する。下型330は、ベース310により支持され、固定されている。上型320は、下型330に近づいたり下型330から分離されるように、図示していない駆動機構により垂直方向に移動可能である。エジェクター340は、射出成形された取付部1100を下型330から分離させる。
ベース310には、垂直方向に延長するガイドロード311が取り付けられており、ガイドロード311は、下型330を貫通する。ガイドロード311の上端には、図40に示すコアピン312が配置される。コアピン312により、図3に示す取付部1100のボア1111及び内周面1112が形成される。即ち、コアピン312は、取付部1100の内周面の形状に対応する外周面の形状を有する。コアピン312は、スクリュ314によりガイドロード311の上端に取り付けられる。図40に示すように、コアピン312の外周面には、図17に示すセレーション3140の形状に対応するセレーション313が形成されている。他の実施例として、取付部の内周面がセレーションを有しない第1及び第2実施例の釣り糸ガイドを製造する場合、コアピン312の外周面は円筒状を有する。
図37を参照すると、上型320はその下側に、取付部1100の一部を射出成形するように形成された第1成形空洞321を有する。第1成形空洞321は、取付部1100の小外径部1114の形状に略対応するように形成され得る。また、上型320には、溶融した樹脂材料(例えば、カーボン長繊維強化樹脂)が注入される垂直注入路322と、垂直注入路322から延長し、垂直注入路322から分岐した第1水平注入路323が形成されている。第1水平注入路323の端には、第1成形空洞321と通じて樹脂材料が第1成形空洞321に入る第1ゲート324が形成されている。
図37〜図39を参照すると、下型330はその上側に、取付部1100の残りの一部を射出成形するように形成された第2成形空洞331と、第2成形空洞331から延長して形成されたインサートシート(insert seat)334とを有する。
第2成形空洞331は、図3に示す取付部1100の大外径部1113及び結合部1117の形状に略対応するように形成され得る。下型330には、第2成形空洞331と連通する第2水平注入路332が形成されており、第2水平注入路332の端には、第2成形空洞331と通じて樹脂材料が第2成形空洞331に入る第2ゲート333が形成されている。上型320と下型330が閉じられると、第2水平注入路332は、第1水平注入路323とともに1つの水平注入路を形成する。上型320と下型330が閉じられると、第2ゲート333は、第1ゲート324とともに1つのゲートを形成する。このようなゲートは、取付部1100の大外径部1113の最下端に位置する。また、上型320と下型330が閉じられると、第1成形空洞321と第2成形空洞331が取付部を成形するための1つの成形空洞を形成する。図40〜図42に示すコアピン312は、このような1つの成形空洞内に位置する。
図39に示すように、取付部の射出成形のために、リングサポート1300がインサートシート334に安着して固定される。インサートシート334は、リングサポート1300の下側一部が第2成形空洞331内に挿入されるように、第2成形空洞331から延長して形成されている。第2成形空洞331に挿入されるリングサポート1300の前記下側一部は、第1曲げ部1331の下側一部及び第1開口1351を含むリング支持部1320の下側一部である。他の実施例として、第2成形空洞331に挿入されるリングサポート1300の前記下側一部は、第1曲げ部1331の下側一部を含むリング支持部1320の下側一部になることができる。
インサートシート334は、第2成形空洞331と連通し、下型330の上面から凹んでいる。インサートシート334は、第1曲げ部1331と第2曲げ部1332により曲げられたリングサポート1300が安着するように形成されている。図38及び図39を参照すると、インサートシート334は、第2成形空洞331の領域に位置する部分を除いたリングサポート1300の前面と密着するように形成された底壁335と、リングサポート1300の側面(例えば、図36Iに示す側面1312、1326)と密着するように形成された側壁336とを有する。底壁335には、リングサポート1300の第1曲げ部1331の形状に対応する突出部337と、リングサポート1300の第2曲げ部1332の形状に対応する突出部338とが形成され得る。また、底壁335には、リングサポート1300の第2開口1352に挿入され得る突起が形成され得る。図38及び図39に示すインサートシートの底壁と側壁の形状は、単に例示的である。インサートシートの底壁と側壁は、本開示の実施例によるリングサポートを固定できるように形成され得る。
エジェクター340は、取付部1100が射出成形により形成された後、取付部1100を下型330から上方に押し出すように機能する。図37を参照すると、エジェクター340は、円柱状を有するエジェクターピン341と、円筒状を有するエジェクタースリーブ342とを含むことができる。射出成形後、エジェクターピン341とエジェクタースリーブ342が射出成形された取付部1100をエジェクティングする。
図37に示すように、エジェクターピン341は、射出された樹脂が流れる通路に存在し樹脂が硬化した部分であるスプール(spool)351と接触し、スプール351を上方にエジェクティングする。スプール351は取付部1100と連結されており、取付部1100を構成しない。
図37に示すように、エジェクタースリーブ342は、ガイドロード311に取り付けられている。図40に示すように、エジェクタースリーブ342はその上端面に、射出成形された取付部1100の環状の表面(例えば、図14に示す取付部の前端面1115)と全体的に面接触で接触するエジェクティング面343を備える。エジェクティング面343は、環状を有する。これにより、図41及び図42に示すように、取付部1100が前記下型からエジェクティングされる際に、取付部1100の前端面1115は、前端面1115の全周に沿ってエジェクタースリーブ342のエジェクティング面343から均一の力を受けることができる。従って、成形された取付部を下型からエジェクティングする際に発生し得る取付部の変形、取付部の損傷などが防止され得る。
以上、一部実施例と添付の図面に示す例によって本開示の技術的思想が説明されたものの、本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者が理解できる本開示の技術的思想及び範囲を逸脱しない範囲で多様な置換、変形及び変更がなされ得るという点を知っているべきである。また、そのような置換、変形及び変更は、添付の請求の範囲内に属するものと考えられるべきである。