JP6578186B2 - 作業車両および作業車両の制御方法 - Google Patents
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Description
特許文献1、2に示す作業車両には、入力されるパイロット圧に応じて油圧アクチュエータに供給する油の流量を調整するステアリング弁と、ステアリング弁に供給するパイロット圧を調整するパイロット弁が設けられている。
このようにオペレータは、ジョイスティックレバーを操作してパイロット弁の操作入力軸を回転することによってステアリング角を変更できる。
このように、弁の変位規制による急な反動によってオペレータの手首に負担が生じるという課題があった。
第2の発明に係る作業車両は、第1の発明に係る作業車両であって、ジョイスティックレバーの回動角は、リアフレームに対するフロントフレームの目標とするステアリング角に対応する。作業車両は、目標ステアリング角検出部と、実ステアリング角検出部と、を更に備える。目標ステアリング角検出部は、目標とするステアリング角度を検出する。実ステアリング角検出部は、実ステアリング角を検出する。制御弁は、目標とするステアリング角と実ステアリング角の角度差が第1の所定角度差になったときにジョイスティックレバーの移動を規制する。制御部は、角度差に基づいて、第1の所定角度差に向かうに従って補助力を除々に小さく又は反力を除々に大きくするよう力付与部を制御する。
第3の発明に係る作業車両は、第2の発明に係る作業車両であって、制御弁は、第1入力部材と、第2入力部材と、規制部とを有する。第1入力部材は、ジョイスティックレバーに連結されジョイスティックレバーの操作に応じて変位する。第2入力部材は、実ステアリング角に応じて変位する。規制部は、第1入力部材の変位を所定範囲内で規制することによりジョイスティックレバーの操作量を所定範囲内に規制する。付勢部は、第1入力部材の変位量が第2入力部材の変位量に一致する中立位置に第1入力部材を付勢する。第1入力部材の変位量と第2入力部材の変位量の差が、角度差に対応する。ジョイスティックレバーは、付勢部の付勢力に対抗して操作される。
また、このように制御弁には付勢部が設けられており、オペレータは付勢部による付勢力に対抗する操作力でジョイスティックレバーを操作する。この付勢力に対抗する操作に対して、規制される前に補助力を減少または反力を増加してジョイスティックレバーの操作に必要な操作力を大きくできる。
第5の発明に係る作業車両は、第2の発明に係る作業車両であって、トルクセンサを更に備える。トルクセンサは、ジョイスティックレバーの操作によって生じるトルクを検出する。制御部は、トルクセンサに基づいて、力付与部を制御する。
第6の発明に係る作業車両は、第5の発明に係る作業車両であって、制御部は、算出部と、動作制御部とを有する。算出部は、検出されたトルクに対して予め設定されている付与力と、角度差に対して予め設定されている反力を合わせることにより、ジョイスティックレバーの操作に対して付与する力を算出する。動作制御部は、算出された力を付与するように力付与部を動作させる。
第7の発明に係る作業車両は、第6の発明に係る作業車両であって、速度検出部を更に備える。速度検出部は、作業車両の速度を検出する。算出部は、検出された速度に基づいて、トルクに対して予め設定されている付与力を変更し、変更した付与力に、角度差に対して予め設定されている反力を合わせることにより、ジョイスティックレバーの操作に対して付与する力を算出する。
第8の発明にかかる作業車両は、第1の発明にかかる作業車両であって、連結部を更に備える。連結部は、ジョイスティックレバーと制御弁を連結する。力付与部は、電動モータと、伝達機構とを有する。電動モータは、補助力または反力を発生する。伝達機構は、電動モータによる補助力または反力を連結部に伝達する。
第9の発明に係る作業車両の制御方法は、フロントフレームとリアフレームが連結されたアーティキュレート式の作業車両の制御方法であって、負荷増加ステップを備える。負荷増加ステップは、フロントフレームのリアフレームに対するステアリング角を変更する油圧アクチュエータに供給される油の流量をジョイスティックレバーの操作量に応じて制御する制御弁によって、ジョイスティックレバーの操作が規制される前に、ジョイスティックレバーの操作に対して付与する補助力を減少または反力を増加する。
(実施の形態)
<1.構成>
(1−1.ホイールローダの構成の概要)
図1は、本実施の形態のホイールローダ1の構成を示す模式図である。本実施の形態のホイールローダ1は、車体フレーム2と、作業機3と、一対のフロントタイヤ4、キャブ5、エンジンルーム6、一対のリアタイヤ7、およびステアリング操作装置8(後述する図2参照)と、を備えている。
車体フレーム2は、いわゆるアーティキュレート式であり、フロントフレーム11とリアフレーム12と、連結軸部13と、を有している。フロントフレーム11は、リアフレーム12の前方に配置されている。連結軸部13は、車幅方向の中央に設けられており、フロントフレーム11とリアフレーム12を互いに揺動可能に連結する。一対のフロントタイヤ4は、フロントフレーム11の左右に取り付けられている。また、一対のリアタイヤ7は、リアフレーム12の左右に取り付けられている。
リフトシリンダ16およびバケットシリンダ17は、油圧シリンダである。リフトシリンダ16の一端はフロントフレーム11に取り付けられており、リフトシリンダ16の他端はブーム14に取り付けられている。リフトシリンダ16の伸縮により、ブーム14が上下に揺動する。バケットシリンダ17の一端はフロントフレーム11に取り付けられており、バケットシリンダ17の他端はベルクランク18を介してバケット15に取り付けられている。バケットシリンダ17が伸縮することによって、バケット15が上下に揺動する。
ステアリング操作装置8は、詳しくは後述するが、ステアリングシリンダ21、22を有しており、ステアリングシリンダ21、22に供給する油の流量を変更することによって、フロントフレーム11のリアフレーム12に対するステアリング角を変更し、ホイールローダ1の進行方向を変更する。
図2は、ステアリング操作装置8の構成を示す油圧回路図である。本実施の形態のステアリング操作装置8は、一対のステアリングシリンダ21,22と、ステアリング油圧回路23と、ジョイスティックレバー24と、連結部25と、リンク機構26と、力付与部27と、制御部28と、を主に有する。
一対のステアリングシリンダ21、22は、油圧によって駆動される。一対のステアリングシリンダ21、22は、連結軸部13を挟んで車幅方向の左右側に並んで配置されている。ステアリングシリンダ21は、連結軸部13の左側に配置されている(図1参照)。ステアリングシリンダ22は、連結軸部13の右側に配置されている。ステアリングシリンダ21、22は、それぞれの一端がフロントフレーム11に取り付けられており、それぞれの他端が、リアフレーム12に取り付けられている。
ステアリングシリンダ21の伸長ポート21aおよびステアリングシリンダ22の収縮ポート22bに油が供給され、ステアリングシリンダ21の収縮ポート21bおよびステアリングシリンダ22の伸長ポート22aから油が排出されると、ステアリングシリンダ21が伸長し、ステアリングシリンダ22が収縮する。これによってステアリング角θsが変化し車両は右に曲がる。また、ステアリングシリンダ21の収縮ポート21bおよびステアリングシリンダ22の伸長ポート22aに油が供給され、ステアリングシリンダ21の伸長ポート21aおよびステアリングシリンダ22の収縮ポート22bから油が排出されると、ステアリングシリンダ21が収縮し、ステアリングシリンダ22が伸長する。これによってステアリング角θsが変化し車両は左に曲がる。
また、ステアリングシリンダ21には、シリンダのストロークを検出するシリンダストロークセンサ106が設けられており、ステアリングシリンダ22には、シリンダのストロークを検出するシリンダストロークセンサ107が設けられている。これらシリンダストロークセンサ106、107の検出値が制御部28に送られ、ステアリング角θsが検出されてもよい。
ステアリング油圧回路23は、ステアリングシリンダ21、22に供給する油の流量を調整するための油圧回路である。ステアリング油圧回路23は、メイン油圧回路30と、パイロット油圧回路40と、を有する。
(a)メイン油圧経路
メイン油圧回路30は、メイン油圧源31からの油をステアリングシリンダ21、22に供給する回路であり、ステアリング弁32を有している。メイン油圧源31は、油圧ポンプおよびリリーフ弁等から構成される。
パイロット油圧回路40は、パイロット油圧源43からの油をステアリング弁32の第1パイロット室34と第2パイロット室35に供給するための回路である。
パイロット油圧回路40は、可変減圧部41と、パイロット弁42とを有する。
(i)可変減圧部
可変減圧部41は、パイロット油圧源43からパイロット弁42に送られる油圧を減圧して調整する。可変減圧部41は、電磁式減圧弁を内蔵し、制御部28からの指令信号を受けて油圧の制御を行う。
パイロット弁42は、パイロット油圧源43からステアリング弁32に入力されるパイロット圧を調整するロータリー式の弁である。
(パイロット弁の構成概要)
ロータリー式のパイロット弁42は、パイロットポンプポートP5、パイロットドレンポートP6、第1パイロットポートP7、第2パイロットポートP8を有する。パイロットポンプポートP5は、パイロット油圧管路44を介して可変減圧部41と繋がっており、可変減圧部41がパイロット油圧源43に繋がっている。パイロットドレンポートP6は、パイロットドレン管路45を介して油を回収するドレンタンクDTに接続されている。第1パイロットポートP7は、第1パイロット管路46を介して、ステアリング弁32の第1パイロット室34に接続されている。第2パイロットポートP8は、第2パイロット管路47を介して、ステアリング弁32の第2パイロット室35に接続されている。
操作スプール71が操作スリーブ72に対して中立位置Npにある場合は、パイロットポンプポートP5、パイロットドレンポートP6、第1パイロットポートP7、および第2パイロットポートP8がそれぞれ連通する。操作スプール71が操作スリーブ72に対して左パイロット位置Lpに配置されている場合には、パイロットポンプポートP5と第1パイロットポートP7が連通し、パイロットドレンポートP6と第2パイロットポートP8が連通する。また、操作スプール71が操作スリーブ72に対して右パイロット位置Rpに配置されている場合には、パイロットポンプポートP5と第2パイロットポートP8が連通し、パイロットドレンポートP6と第1パイロットポートP7が連通する。
パイロット弁42は、弁体部60と、操作入力軸61と、フィードバック入力軸62と、ハウジング63と、第1スプリング64と、第2スプリング65と、フィードバック部66と、を主に有する。
(操作入力軸)
操作入力軸61は、その中心軸O周りに回転可能に設けられており、ハウジング63に挿入されている。操作入力軸61は、後述するジョイスティックレバー24と連結部25を介して連結されている。操作入力軸61は、ジョイスティックレバー24の左右への回転角θinと同じ回転角で回転する。
フィードバック入力軸62は、操作入力軸61と同軸上に配置されており、中心軸O周りに回転可能に設けられている。フィードバック入力軸62は、操作入力軸61と対向するようにハウジング63に挿入されている。フィードバック入力軸62は、後述するリンク機構26を介してフロントフレーム11と連結されており、フロントフレーム11のリアフレーム12に対するステアリング角θsと同じ回転角で回転する。
ハウジング63には、略円筒状の空間が形成されており、上述したように操作入力軸61およびフィードバック入力軸62が挿入されている。ハウジング63には、弁体部60およびフィードバック部66が収納されており、パイロットポンプポートP5、パイロットドレンポートP6、第1パイロットポートP7、および第2パイロットポートP8が形成されている。
弁体部60は、操作スプール71と、操作スリーブ72とを有し、操作スプール71が操作スリーブ72に対して回転することにより、中立位置Np、左パイロット位置Lp、および右パイロット位置Rpをとる。
操作スプール71は、略円筒状であって操作入力軸61と同軸上に配置されており、操作入力軸61と接続されている。ジョイスティックレバー24は、後述する連結部25を介して操作入力軸61と繋がっており、オペレータがジョイスティックレバー24を回転角θin右側に操作すると、操作入力軸61および操作スプール71も中心軸Oを中心に回転角θin右回転する。また、操作スプール71の操作入力軸61寄りには、中心軸Oを挟むように対向する2か所の位置に周方向に沿ってスリット71a、71bが形成されている。
なお、本明細書において右回転および左回転とは、上方から見た場合の回転方向を示す。
第1スプリング64は、互いに回転可能な操作スプール71と操作スリーブ72の間に挿入されており、互いの回転角の差に応じた反力を発生させる。
図4(a)は、中心軸Oに対して垂直なAA´間の矢示断面図である。図4(a)に示すように、操作スプール71には、方形状の孔71c、71dが、直径方向の対向壁のそれぞれに設けられている。また、操作スリーブ72の操作入力軸61側の端には、直径方向の対向壁のそれぞれに矩形状の溝72c、72dが形成されている。第1スプリング64は、複数枚の凸形状の板バネを重ね合わせた2組の板バネ部64aから形成される。2組の板バネ部64aは、図4(a)においてX型になるように、凸同士を対向させるように配置されている。2組の板バネ部64aは、操作スプール71の孔71c、71dを貫通して、両端が操作スリーブ72の溝72c、72dに貫入されている。このように第1スプリング64によって操作スプール71と操作スリーブ72は連結されている。
また、ジョイスティックレバー24を操作することによって、図4(b)に示すように操作スプール71が操作スリーブ72に対して回転し、操作スプール71は操作スリーブ72に対して左パイロット位置Lpまたは右パイロット位置Rpに移動する。ジョイスティックレバー24を右側に回転操作すると、操作スプール71は操作スリーブ72に対して右側に回転し右パイロット位置Rpに移動する。また、ジョイスティックレバー24を左側に回転操作すると、操作スプール71は操作スリーブ72に対して左側に回転し左パイロット位置Lpに移動する。
(フィードバック部)
一方、フィードバック部66は、リアフレーム12に対するフロントフレーム11のステアリング角θsを弁体部60にフィードバックする。フィードバック部66は、フィードバックスプール73と、フィードバックスリーブ74と、ドライブシャフト75と、第1センタピン76と、規制部78と、を主に有する。
規制部78は、フィードバックスリーブ74のフィードバックスプール73に対する回転を所定範囲内の角度に規制する。規制部78は、第2センタピン77と、スリット73a、73bの周方向の両端の壁部73ae、73be(後述する図7参照)によって構成される。
第2スプリング65は、互いに回転可能なフィードバックスプール73とフィードバックスリーブ74の間に挿入されており、互いの回転差に応じた反力を発生させる。図4(c)は、図23のBB´間の矢示断面図である。
図4(c)に示すように、フィードバックスプール73には、方形状の孔73c、73dが、直径方向の対向壁のそれぞれに設けられている。
詳しくは図7を用いて後述するが、操作スプール71が操作スリーブ72に対して規制される角度まで回転し、更に、ジョイスティックレバー24を操作した場合に、図4(d)に示すように、第2スプリング65が撓んでフィードバックスリーブ74はフィードバックスプール73に対して回転する。尚、図4(d)は、図3のBB´間の矢示断面図であり、下方から視ているため、図4(b)と比較して回転方向の矢印が逆向きになっている。
上記フィードバック部66の構成によって、ステアリング角の変化に応じてフィードバック入力軸62が回転するとフィードバックスプール73が回転し、フィードバックスプール73と第2スプリング65を介して連結しているフィードバックスリーブ74も回転する。そして、フィードバックスリーブ74と、第2センタピン77、ドライブシャフト75および第1センタピン76を介して固定されている操作スリーブ72が回転し、操作スプール71と操作スリーブ72の回転角の差に変化が生じパイロット圧が変更される。
(1−2−3.ジョイスティックレバー、連結部)
図5は、キャブ5内の構成を示す側面図である。キャブ5内には、オペレータが着座する運転席5aが設けられている。運転席5aの車幅方向左側にはステアリングボックス80が配置されている。
連結部25は、ジョイスティックレバー24とパイロット弁42とを連結する。連結部25は、ステアリング操作軸81と、連結バー82と、ユニバーサルジョイント部83と、を主に有している。
ステアリング操作軸81は、詳細には、レバー側軸部81aと、入力軸部81bと、弁側軸部81cが順に繋がって構成されている(後述の図8参照)。すなわち、レバー側軸部81aの一端は連結バー82に連結されており、レバー側軸部81aの他端は入力軸部81bの一端に繋がっている。また、入力軸部81bの他端は、弁側軸部81cの一端に繋がっており、弁側軸部81cの他端は、ユニバーサルジョイント部83に繋がっている。入力軸部81bには、後述する力付与部27からの補助力または反力が入力される。
リンク機構26は、フォローアップレバー91と、フォローアップリンク92と、ブラケット93とを有する、
フォローアップリンク92は、パイロット弁42のフィードバック入力軸62に固定されている。ブラケット93は、フロントフレーム11に固定されている。フォローアップリンク92は、フォローアップレバー91とブラケット93とを連結している。
リンク機構26によってリアフレーム12に対するフロントフレーム11のステアリング角θsと、フィードバック入力軸62の回転角θfbは、同じ角度となる。
すなわち、フロントフレーム11がリアフレーム12に対して連結軸部13を中心にしてステアリング角θs右側に回転した場合には、リンク機構26を介してフィードバック入力軸62も回転角θs右回転し、ステアリング角θs左側に回転した場合には、リンク機構26を介してフィードバック入力軸62も回転角θs左回転する。
次に、ジョイスティックレバー24を操作する際に第1スプリング64および第2スプリング65によって生じるレバー反力について説明する。
図7(a)は、パイロット弁42を模式的に示した図である。図7(b)は、車体―レバー偏差角度とレバー反力の関係を示す図である。なお、車体―レバー偏差角度αは、ジョイスティックレバー24の回転角θinと、フロントフレーム11のリアフレーム12に対するステアリング角θs(=θfb)の差(θin―θfb)である。また、図7(c)は、偏差角度αがゼロのときにおける図7(a)のCC´間、DD´間、EE´間およびFF´間の矢示断面図である。図7(d)は、偏差角度αがθ2のときにおける図7(a)のCC´間、DD´間、EE´間およびFF´間の矢示断面図である。図7(e)は、偏差角度αがθ3のときにおける図7(a)のCC´間、DD´間、EE´間およびFF´間の矢示断面図である。図7(a)に示すように、CC´間、DD´間、EE´間およびFF´間の断面図は、いずれも上方から視た図である。尚、図7(b)では、説明を分かり易くするためジョイスティックレバー24の遊びは考慮していない。
すなわち、操作スプール71の回転角と操作スリーブ72の回転角の間に生じた回転角の差が、偏差角度αに対応する(図4(b)参照)。
第1スプリング64は、図7(b)に示すバネ特性S1を有している。第1スプリング64のバネ特性S1では、操作入力軸61を回転させるためには初期反力F1(第1スプリング64を撓ませ始めるために必要な力)以上の力でジョイスティックレバー24を操作する必要がある。また、第1スプリング64のバネ特性S1では、偏差角度αが大きくなるに従ってレバー反力が大きくなる。すなわち、偏差角度αが大きくなるに従って、ジョイスティックレバー24の操作に必要な力が大きくなる。
そして、ジョイスティックレバー24を例えば右側に回転操作して偏差角度αを大きくし、偏差角度αが角度θ2に達すると、図7(d)に示すように、第1センタピン76がスリット71aの周方向に形成されている壁部71aeと、スリット71bの周方向に形成されている壁部71beに当接する。このとき、第2センタピン77は、フィードバックスプール73のスリット73a、73bの中央に配置されている。これは、偏差角度αが角度θ2のときの第1スプリング64による反力をF2とすると、第2スプリング65のバネ特性S2に示すように初期反力(第2スプリング65を撓ませ始めるために必要な力)がF2に設定されているためである。なお、第2スプリング65の初期反力は、F2より大きく設定されていてもよく、F2以上であればよい。
図8は、力付与部27を示す斜視図である。
力付与部27は、ジョイスティックレバー24の操作に対して補助力または反力を付与する。力付与部27は、電動モータ111と、ウォームギア112と、を有する。ウォームギア112は、円筒ウォーム112aとウォームホイール112bを持つ。ウォームホイール112bは、上述した入力軸部81bの周囲に設けられており、円筒ウォーム112aと噛み合っている。電動モータ111の出力軸は、円筒ウォーム112aに接続されており、円筒ウォーム112aを、その中心軸周りに回転させる。電動モータ111は、制御部28に設けられている駆動回路204からの指令に基づいて駆動する。
電動モータ111が駆動されると、円筒ウォーム112aが回転し、その回転によってウォームホイール112bが回転し、ウォームホイール112bと固定されている入力軸部81bにも回転力が生じる。円筒ウォーム112aの回転方向を変えることによって、入力軸部81bに左回転および右回転のいずれの方向にも回転力を加えることができる。
図9は、制御部28の構成を示すブロック図である。図9に示すように、制御部28は、記憶部200と、第1アシストトルク決定部201と、第2アシストトルク決定部202と、算出部203と、駆動回路204とを備える。第1アシストトルク決定部201、第2アシストトルク決定部202、および算出部203は、CPU等の演算装置によって実行される。
第2アシストトルク決定部202は、第1回転角検出部101によって検出される回転角θinと、第2回転角検出部102によって検出される回転角θfb(=θs)の差を計算し偏差角度α(θin―θfb)を算出する。第2アシストトルク決定部202は、記憶部200に記憶されている第2アシストトルク情報に基づいて、偏差角度αから第2アシストトルクを決定する。
駆動回路204は、算出された目標アシストトルクに基づいて電動モータ111を駆動する。
なお、制御部28は、回転角θin、回転角θfb(=θs)、および車速Vに基づいて、図2に示すように可変減圧部41も制御する。これにより、左右のステアリングシリンダ21、22への油の流量が急減に変化しないように、パイロット弁42に送られるパイロット圧の元圧を制御できる。
<2.動作>
以下に、本実施の形態のホイールローダ1のステアリング動作について説明する。
(2−1.ステアリング操作)
ジョイスティックレバー24が中央位置にある場合、操作入力軸61は所定の初期位置に位置しており、操作入力軸61による回転角θinはゼロである。また、ステアリング角θsもゼロであるため、フィードバック入力軸62も所定の初期位置に位置している。なお、本実施の形態では、ステアリング角θsは、図7(a)に示すように、リアフレーム12に対して前後方向に沿った状態をゼロとして、その状態からの角度を示す。また、回転角θinは、図6に示すように、ジョイスティックレバー24の中央位置からの回転角を示す。また、偏差角を求める際には、例えば、右方向への回転をプラスの角度、左方向への回転をマイナスの角度として演算しても良い。
これにより、ステアリング弁32の弁体33が右ステアリング位置Rsに移動し、ステアリングシリンダ21の伸長ポート21aおよびステアリングシリンダ22の収縮ポート22bに油が供給されるとともに、ステアリングシリンダ21の収縮ポート21bおよびステアリングシリンダ22の伸長ポート22aから油が排出される。これによりステアリング角θsが除々に増大し、フロントフレーム11がリアフレーム12に対して右方向に向けられる(図2のR参照)。このステアリング角θsの変化は、リンク機構26によってフィードバック入力軸62へと伝達され、フィードバック入力軸62は回転角θsで回転する。
次に、オペレータがジョイスティックレバー24を右側位置から中央位置に向けて戻すと、操作入力軸61も同様に回転して操作入力軸61の回転角θinが減少する。このとき、左右のステアリングシリンダ21、22の反応の遅れのために、ステアリング角θsはまだ回転角θ1の状態である。このため、回転角の差α(=θin―θs)はゼロから減少してマイナスになる。すると、操作スプール71が操作スリーブ72に対して左回転して左パイロット位置Lpに移動し、第1パイロットポートP7にパイロット圧が供給される。これにより、ステアリング弁32の弁体33が左ステアリング位置Lsに移動し、ステアリングシリンダ21の収縮ポート21bおよびステアリングシリンダ22の伸長ポート21aに油が供給されるとともに、ステアリングシリンダ21の伸長ポート21aおよびステアリングシリンダ22の収縮ポート21bから油が排出される。これによりステアリング角θsが回転角θ1から除々に減少する。このステアリング角θsの変化は、リンク機構26によってフィードバック入力軸62へと伝達され、フィードバック入力軸62はステアリング角θsの変化と同じ回転角の変化で回転する。
(2−2.力付与部の制御)
次に、上述したようなジョイスティックレバー24の操作が行われた際の力付与部27の制御について説明する。
さらに、本実施の形態のホイールローダ1は、第2アシストトルク情報に基づいて、パイロット弁42によってジョイスティックレバー24の動作が規制される前に、除々にジョイスティックレバー24の操作に大きな力が必要なようにアシストトルクを変更する。
(2−2−1.第1アシストトルク情報)
図10(a)は、入力トルクに対して付与する車速ごとのアシストトルク(第1アシストトルク情報)を示す図である。図10(a)において、実線L1は、車両速度が0km/hにおけるアシストトルク情報を示し、点線L2は車両速度が25km/hにおけるアシストトルク情報を示し、一点鎖線L3は車両速度が40km/hにおけるアシストトルク情報を示す。
図10(b)は、図10(a)に示すアシストトルクを付与した場合および付与しない場合における車体―レバー偏差角度に対するレバー反力を示す図である。図10(b)では、正の偏差角度αがジョイスティックレバー24を右側に移動した場合を示し、負の偏差角度αがジョイスティックレバー24を左側に移動した場合を示す。すなわち、角度θ3は、図7(e)に示すように、ジョイスティックレバー24を右回転させたときに操作が規制される角度を示し、角度−θ3は、ジョイスティックレバー24を左回転させたときに操作が規制される角度を示す。また、角度θ2は、図7(d)に示すように、ジョイスティックレバー24を右回転させたときに第1センタピン76が壁部71ae、71beに当接する角度を示し、角度−θ2は、ジョイスティックレバー24を左回転させたときに第1センタピン76が壁部71ae、71beに当接する角度を示す。
また、速度が上がるに応じて、レバー反力が大きくなるように設定されている。これにより、低速における操作性と高速における走行安定性を両立できる。
第2アシストトルク情報は、パイロット弁42の規制によってジョイスティックレバー24に急激に生じる反動を緩和するために付与するアシストトルクを示す。図11(a)は、車体―レバー偏差角度(α)に対するアシストトルク(第2アシストトルク情報)を示す図である。図11(a)においても、正の車体―レバー偏差角度α(=θin―θs)がジョイスティックレバー24を右側に操作する場合を示し、負の車体―レバー偏差角度αがジョイスティックレバー24を左側に操作する場合を示す。また、正のアシストトルクが入力軸部81bに右回転に力を加える場合を示し、負のアシストトルクが入力軸部81bに左回転に力を加える場合を示す。
詳細には、第2アシストトルク情報では、ジョイスティックレバー24が右側に回転操作されて偏差角度αが角度+θ4に達すると、入力軸部81bには左回転方向に力が加えられるようにアシストトルクが設定されている。また、ジョイスティックレバー24が左側に回転操作されて偏差角度αが角度−θ4に達すると、入力軸部81bには右回転方向に力が加えられるようにアシストトルクが設定されている。角度θ4は、図11(a)に示す角度θ2〜θ3の間に設定されている。角度−θ4は、−θ2〜−θ3の間に設定されている。
図11(b)に示すように、偏差角度αが角度±θ4に達し角度の絶対値が大きくなるとレバー反力が指数関数的に大きくなっていく。
(2−2−3.制御動作)
図12は、力付与部27の制御動作を示すフロー図である。
次にステップS140において、制御部28の第1アシストトルク決定部201は、車速センサ105から車両速度Vの信号を取得する。
制御部28は、図13に示す3つの第1アシストトルク情報(車両速度が0km/hの場合と、25km/hの場合と、40km/hの場合)を記憶している。制御部28は、車速センサ105からの検出値が3つの速度の間の場合(例えば、12km/h)、その車速におけるアシストトルクを補間計算によって算出する。このように補間計算によって、制御部28は、第1アシストトルクを決定する。尚、補間計算により第1アシストトルクを算出することにより、速度変化に応じて連続的にアシストトルクを変化できる。
次に、ステップS170において、算出部203は、第1アシストトルクと第2アシストトルクを合算し、目標アシストトルクを算出する。ここで、目標アシストトルクは正負の値であり、回転方向の情報も含んでいる。例えば、右に回転する場合、図10(a)に示す第1アシストトルク情報では補助力が付与されるが、図11(a)に示す第2アシストトルク情報では偏差角度αが角度θ4を越えると反力が付与される。算出部203において、これらの値が合算されて、反力の絶対値が補助力の絶対値よりも大きい場合には目標アシストトルクはマイナスの値となり、反力の絶対値から補助力の絶対値を差し引いた分の大きさの力が左回転に付与される。一方、補助力の絶対値が反力の絶対値よりも大きい場合には目標アシストトルクはプラスの値となり、補助力の絶対値から反力の絶対値を差し引いた分の大きさの力が右回転に付与される。
<3.特徴等>
(1)
本実施の形態のホイールローダ1(作業車両の一例)は、フロントフレーム11とリアフレーム12が連結されたアーティキュレート式である。ホイールローダ1は、ステアリングシリンダ21、22(油圧アクチュエータの一例)と、ジョイスティックレバー24と、パイロット弁42(制御弁の一例)と、力付与部27と、制御部28と、を備えている。ステアリングシリンダ21、22は、油圧によって駆動されフロントフレーム11のリアフレーム12に対するステアリング角θsを変更する。ジョイスティックレバー24は、オペレータによって操作される。パイロット弁42は、ジョイスティックレバー24に連結されジョイスティックレバー24操作による偏差角度α(操作量の一例)に応じてステアリングシリンダ21、22に供給される油の流量を制御し、且つジョイスティックレバー24による偏差角度αを−θ3〜+θ3(所定範囲内の一例)に規制する。力付与部27は、オペレータによるジョイスティックレバー24の操作に対して補助力または反力を付与する。制御部28は、ジョイスティックレバー24の操作がパイロット弁42により規制される前に、補助力を減少または反力を増加するよう力付与部27を制御する。
本実施の形態のホイールローダ1(作業車両の一例)では、ジョイスティックレバー24の回転角θinは、リアフレーム12に対するフロントフレーム11の目標とするステアリング角θsに対応する。ホイールローダ1は、第1回転角検出部101(目標ステアリング角検出部の一例)と、第2回転角検出部102(実ステアリング角検出部の一例)と、を更に備える。第1回転角検出部101は、回転角θin(目標とするステアリング角の一例)を検出する。第2回転角検出部102は、回転角θfb(=θs)(実ステアリング角の一例)を検出する。パイロット弁42は、回転角θin(目標とするステアリング角の一例)とステアリング角θs(実ステアリング角の一例)の回転角の差である偏差角度α(角度差の一例)の絶対値が角度θ3(第1の所定角度差の一例)になったときにジョイスティックレバー24の移動を規制する。パイロット弁42は、偏差角度αに基づいて、角度+θ3または−θ3に向かうに従って補助力を除々に小さく又は反力を除々に大きくするよう力付与部27を制御する。
(3)
本実施の形態のホイールローダ1(作業車両の一例)では、パイロット弁42(制御弁の一例)は、操作入力軸61(第1入力部材の一例)と、フィードバック入力軸62(第2入力部材の一例)と、規制部78と、第1スプリング64(付勢部の一例)および第2スプリング65(付勢部の一例)とを有する。操作入力軸61は、ジョイスティックレバー24に連結されジョイスティックレバー24の操作に応じて変位する。フィードバック入力軸62は、ステアリング角θs(実ステアリング角の一例)に応じて変位する。規制部78は、操作入力軸61の変位を角度−θ3〜+θ3(所定範囲内の一例)で規制することによりジョイスティックレバー24の操作による偏差角度α(操作量の一例)を角度−θ3〜+θ3(所定範囲内の一例)に規制する。第1スプリング64および第2スプリング65は、操作入力軸61の回転角θin(変位量の一例)がフィードバック入力軸62の回転角θfb(=θss)(変位量の一例)に一致する中立位置Npに操作入力軸61を付勢する。操作入力軸61の回転角θinとフィードバック入力軸62の回転角θfb(=θs)の差が、偏差角度αに対応する。ジョイスティックレバー24は、第1スプリング64および第2スプリング65の付勢力に対抗して操作される。
また、このようにパイロット弁42には第1スプリング64および第2スプリング65が設けられており、オペレータは第1スプリング64および第2スプリング65による付勢力に対抗する操作力でジョイスティックレバー24を操作する。この付勢力に対抗する操作に対して、規制される前に補助力を減少または反力を増加してジョイスティックレバー24の操作に必要な操作力を大きくできる。
本実施の形態のホイールローダ1(作業車両の一例)では、規制部78は、第2センタピン77(当接部材の一例)と、壁部73ae、73be(被当接部の一例)とを有する。第2センタピン77は、操作入力軸61と連結され操作入力軸61の変位に従って変位する。詳細には、操作入力軸61とフィードバック入力軸62の偏差角度αが、図7(b)に示す角度θ2を越えてから、第2センタピン77は操作入力軸61の変位に従って変位する。壁部73ae、73beは、フィードバック入力軸62に接続されたフィードバックスプール73(接続された部材の一例)に形成され第2センタピン77が当接する。第2センタピン77は、操作入力軸61のフィードバック入力軸62に対する回転角の差αが角度±θ3(第1の所定角度差)に対応する値に達すると、壁部73ae、73beに当接し操作入力軸61のフィードバック入力軸62に対する変位が規制される。
(5)
本実施の形態のホイールローダ1(作業車両の一例)は、トルクセンサ103を更に備える。トルクセンサ103は、ジョイスティックレバー24の操作によって生じるトルクを検出する。制御部28は、トルクセンサ103に基づいて、力付与部27を制御する。
(6)
本実施の形態のホイールローダ1(作業車両の一例)では、制御部28は、算出部203と、駆動回路204(動作制御部の一例)とを有する。算出部203は、図9に示すように、検出されたトルクに対して予め設定されている付与力と、角度差に対して予め設定されている反力を合わせることにより、ジョイスティックレバー24の操作に対して付与する力を算出する。
(7)
本実施の形態のホイールローダ1(作業車両の一例)は、車速センサ105(速度検出部の一例)を更に備える。車速センサ105(速度検出部の一例)は、ホイールローダ1の速度を検出する。算出部203は、図9に示すように、検出された速度に基づいて、トルクに対して予め設定されている付与力を変更し、変更した付与力に、角度差に対して予め設定されている反力を合わせることにより、ジョイスティックレバー24の操作に対して付与する力を算出する。
(8)
本実施の形態のホイールローダ1は、連結部25を更に備える。連結部25は、ジョイスティックレバー24とパイロット弁42を連結する。力付与部27は、電動モータ111と、ウォームギア112(伝達機構の一例)とを有する。電動モータ111は、補助力または反力を発生する。ウォームギア112は、電動モータ111による補助力または反力を連結部25に伝達する。
(9)
本実施の形態のホイールローダ1(作業車両の一例)の制御方法は、フロントフレーム11とリアフレーム12が連結されたアーティキュレート式のホイールローダの制御方法であって、ステップS170(負荷増加ステップの一例)を更に備える。ステップS170(負荷増加ステップの一例)は、フロントフレーム11のリアフレーム12に対するステアリング角θsを変更するステアリングシリンダ21、22(油圧アクチュエータの一例)に供給される油の流量をジョイスティックレバー24の回転角θin(操作量の一例)に応じて制御するパイロット弁42(制御弁の一例)によって、ジョイスティックレバー24の操作が規制される前に、ジョイスティックレバー24の操作に対して付与する補助力を減少または反力を増加する。
以上、本開示の一実施の形態について説明したが、本開示は上記実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施の形態のホイールローダ1では、ジョイスティックレバー24の左右の操作に対してトルクの絶対値が同じ場合、同様のアシスト力を付与しているが、ジョイスティックレバー24の左右の操作に対するアシスト力を変更してもよい。
(B)
上記実施の形態では、制御部28は3つの速度(0km/h、25km/h、40km/h)の第1アシストトルク情報を記憶しているが、これらの速度に限られるものではない。また、第1アシストトルク情報は3つに限られず、2つまたは4つ以上設けられていてもよい。なお、速度に応じてアシストトルクを滑らかに変化させる場合には、3つ以上設けられているほうが好ましい。
上記実施の形態では、制御部28は3つの第1アシストトルク情報を記憶しており、補間計算によって速度に応じてアシストトルクを連続的に変化させているが、段階的に変化させてもよい。
例えば、低速における第1アシストトルク情報を図13の実線L11とし、中速における第1アシストトルク情報を図13の点線L12とし、高速における第1アシストトルク情報を図13の一点鎖線L13とする。そして、例えば、低速は15km/時未満の速度、中速は15km/時以上25km/時未満の速度、高速は25km/時以上40km/時以下までの速度と設定される。また、例えば、15km/時を第1閾値とし、25km/時を第2閾値と設定できる。
上記実施の形態のホイールローダ1では、速度ごとに第1アシストトルク情報が設けられているが、速度ごとに設けられていなくてもよい。すなわち、トルクセンサ103からの検出値のみに基づいて第1アシストトルクが決定されてもよい。
また、第1アシストトルクの決定の際に、上記実施の形態では、トルクセンサ103によってジョイスティックレバー24の操作方向を検出しているが、ステップS110において検出したレバー―車体偏差角度αを用いて操作方向が検出されてもよい。
さらに、車体―レバー偏差角度αは、シリンダストロークセンサ106、107の検出値から算出されたステアリング角θsと、第1回転角検出部101によって検出される回転角θinとから算出されてもよい。
上記実施の形態では、第2アシストトルク情報(図11(a))と第1アシストトルク情報(図10(a))を合算して電動モータ111を駆動する目標アシストトルクとしているが、第1アシストトルク情報を用いずに、第2アシストトルク情報だけを用いて、アシストトルクを付与するようにしてもよい。この場合、偏差角度αが角度±θ4に達するまでの間はジョイスティックレバー24の操作に対して力付与部27から力の付与が行われず、偏差角度αが角度−θ3〜―θ4の間と、角度+θ3〜+θ4の間において、図11(a)の第2アシストトルク情報に応じたアシストトルクが付与される。
また、上記実施の形態では、角度+θ3から+θ4に向かってアシストトルクが指数関数的に増加し、角度―θ4から−θ3に向かってアシストトルクが指数関数的に減少しているが、これに限らず直線的に増減していてもよい。
(G)
上記実施の形態では、第1スプリング64および第2スプリング65の2つのスプリングが設けられていたが、第2スプリング65が設けられていなくてもよい。この場合、例えば、フィードバックスプール73とフィードバックスリーブ74の間は固定されていればよい。
上記実施の形態では、制御弁の一例であるパイロット弁42から入力されるパイロット圧に応じてステアリング弁32からステアリングシリンダ21、22に供給される油の供給量が制御されるよう構成されていたが、パイロット弁42からの油が直接ステアリングシリンダ21、22に供給される構成であってもよい。
上記実施の形態では、電動モータ111によって力を発生させているが、電動モータに限らず、油圧モータなどであってもよく、要するに付与する力を発生させることができるアクチュエータ等であればよい。
(J)
上記実施の形態では、駆動回路204は制御部28に含まれているが、制御部28に含まれておらず、駆動回路204のみが単体で実装されていてもよい。さらに駆動回路204は、電動モータに実装されていてもよい
(K)
上記実施の形態では、ホイールローダ1を作業車両の一例として記載しているが、ホイールローダに限らなくてもよく、アーティキュレート式のダンプトラック、モータグレーダ等であってもよく、アーティキュレート式の作業車両であればよい。
2 :車体フレーム
3 :作業機
4 :フロントタイヤ
5 :キャブ
5a :運転席
6 :エンジンルーム
7 :リアタイヤ
8 :ステアリング操作装置
11 :フロントフレーム
12 :リアフレーム
13 :連結軸部
14 :ブーム
15 :バケット
16 :リフトシリンダ
17 :バケットシリンダ
18 :ベルクランク
21 :ステアリングシリンダ
21a :伸長ポート
21b :収縮ポート
22 :ステアリングシリンダ
22a :伸長ポート
22b :収縮ポート
23 :ステアリング油圧回路
24 :ジョイスティックレバー
25 :連結部
26 :リンク機構
27 :力付与部
28 :制御部
30 :メイン油圧回路
31 :メイン油圧源
32 :ステアリング弁
33 :弁体
34 :第1パイロット室
35 :第2パイロット室
36 :メイン油圧管路
37 :メインドレイン管路
38 :第1ステアリング管路
39 :第2ステアリング管路
40 :パイロット油圧回路
41 :可変減圧部
41a :減圧弁
41b :可変減圧弁
42 :パイロット弁
43 :パイロット油圧源
44 :パイロット油圧管路
45 :パイロットドレン管路
46 :第1パイロット管路
47 :第2パイロット管路
60 :弁体部
61 :操作入力軸
62 :フィードバック入力軸
63 :ハウジング
64 :第1スプリング
64a :板バネ部
65 :第2スプリング
65a :板バネ部
66 :フィードバック部
71 :操作スプール
71a :スリット
71ae :壁部
71b :スリット
71be :壁部
71c :孔
71d :孔
72 :操作スリーブ
72c :溝
72d :溝
73 :フィードバックスプール
73a :スリット
73ae :壁部
73b :スリット
73be :壁部
73c :孔
73d :孔
74 :フィードバックスリーブ
74c :溝
74d :溝
75 :ドライブシャフト
76 :第1センタピン
77 :第2センタピン
78 :規制部
80 :ステアリングボックス
81 :ステアリング操作軸
81a :レバー側軸部
81b :入力軸部
81b1 :第1端
81b2 :第2端
81c :弁側軸部
82 :連結バー
83 :ユニバーサルジョイント部
83a :中央部
83b :ジョイント部
83c :ジョイント部
84 :孔
91 :フォローアップレバー
92 :フォローアップリンク
93 :ブラケット
101 :第1回転角検出部
102 :第2回転角検出部
103 :トルクセンサ
104 :ステアリング角検出部
105 :車速センサ
106 :シリンダストロークセンサ
107 :シリンダストロークセンサ
111 :電動モータ
112 :ウォームギア
112a :円筒ウォーム
112b :ウォームホイール
200 :記憶部
201 :第1アシストトルク決定部
202 :第2アシストトルク決定部
203 :算出部
204 :駆動回路
Claims (9)
- フロントフレームとリアフレームが連結されたアーティキュレート式の作業車両であって、
油圧によって駆動され前記フロントフレームの前記リアフレームに対するステアリング角を変更する油圧アクチュエータと、
オペレータによって操作されるジョイスティックレバーと、
前記ジョイスティックレバーに連結され前記ジョイスティックレバーの操作量に応じて前記油圧アクチュエータに供給される油の流量を制御し、且つ前記ジョイスティックレバーの操作量を所定範囲内に規制する制御弁と、
オペレータによる前記ジョイスティックレバーの操作に対して補助力または反力を付与する力付与部と、
前記ジョイスティックレバーの操作が前記制御弁により規制される前に、前記補助力を減少または前記反力を増加するよう前記力付与部を制御する制御部と、
を備えた、作業車両。 - 前記ジョイスティックレバーの回動角は、前記リアフレームに対する前記フロントフレームの目標とするステアリング角に対応し、
前記目標とするステアリング角を検出する目標ステアリング角検出部と、
実ステアリング角を検出する実ステアリング角検出部と、を更に備え、
前記制御弁は、前記目標とするステアリング角と前記実ステアリング角の角度差が第1の所定角度差になったときに前記ジョイスティックレバーの移動を規制し、
前記制御部は、前記角度差に基づいて、前記第1の所定角度差に向かうに従って前記補助力を除々に小さく又は前記反力を除々に大きくするよう前記力付与部を制御する、
請求項1に記載の作業車両。 - 前記制御弁は、
前記ジョイスティックレバーに連結され前記ジョイスティックレバーの操作に応じて変位する第1入力部材と、
前記実ステアリング角に応じて変位する第2入力部材と、
前記第1入力部材の変位を所定範囲内で規制することにより、前記ジョイスティックレバーの操作量を所定範囲内に規制する規制部と、
前記第1入力部材の変位量が前記第2入力部材の変位量に一致する中立位置に前記第1入力部材を付勢する付勢部と、を有し、
前記第1入力部材の変位量と前記第2入力部材の変位量の差が、前記角度差に対応し、
前記ジョイスティックレバーは、前記付勢部の付勢力に対抗して操作される、
請求項2に記載の作業車両。 - 前記規制部は、
前記第1入力部材と連結され前記第1入力部材の変位に従って変位する当接部材と、
前記第2入力部材に接続された部材に形成され前記当接部材が当接する被当接部を有し、
前記当接部材は、前記第1入力部材の前記第2入力部材に対する変位量の差が、前記第1の所定角度差に対応する値に達すると、前記被当接部に当接し前記第1入力部材の前記第2入力部材に対する変位が規制される、
請求項3に記載の作業車両。 - 前記ジョイスティックレバーの操作によって生じるトルクを検出するトルクセンサを更に備え、
前記制御部は、前記トルクセンサに基づいて、前記力付与部を制御する、
請求項2に記載の作業車両。 - 前記制御部は、
検出された前記トルクに対して予め設定されている付与力と、前記角度差に対して予め設定されている反力を合わせることにより、前記ジョイスティックレバーの操作に対して付与する力を算出する算出部と、
算出された力を付与するように前記力付与部を動作させる動作制御部と、を有する、
請求項5に記載の作業車両。 - 前記作業車両の速度を検出する速度検出部を更に備え、
前記算出部は、
検出された速度に基づいて、前記トルクに対して予め設定されている付与力を変更し、前記変更した付与力に、前記角度差に対して予め設定されている反力を合わせることにより、前記ジョイスティックレバーの操作に対して付与する力を算出する、
請求項6に記載の作業車両。 - 前記ジョイスティックレバーと前記制御弁を連結する連結部を更に備え、
前記力付与部は、
前記補助力または前記反力を発生する電動モータと、
前記電動モータによる前記補助力または前記反力を前記連結部に伝達する伝達機構と、を有する、
請求項1に記載の作業車両。 - フロントフレームとリアフレームが連結されたアーティキュレート式の作業車両の制御方法であって、
前記フロントフレームの前記リアフレームに対するステアリング角を変更する油圧アクチュエータに供給される油の流量をジョイスティックレバーの操作量に応じて制御する制御弁によって、前記ジョイスティックレバーの操作が規制される前に、前記ジョイスティックレバーの操作に対して付与する補助力を減少または反力を増加する負荷増加ステップを備えた、
作業車両の制御方法。
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