本発明の化合物には、上記に概説されており、本明細書で開示する部類、下位部類および種類でさらに示されるものが含まれる。本明細書で用いるように、別段の表示がない限り、以下の定義が適用されるものとする。本発明のために、化学元素は、Handbook of Chemistry and Physics、75th Edの元素周期表、CAS版によって特定される。さらに、有機化学の一般的原理は、「Organic Chemistry」、Thomas Sorrell、University Science Books、Sausalito:1999年、および「March’s Advanced Organic Chemistry」、5th Ed.、Ed.:Smith、M. B. and March、J.、John Wiley & Sons、New York:2001年に記載されている。これらの内容全体を参照により本明細書に組み込む。
本明細書で用いる「脂肪族」または「脂肪族基」という用語は、完全に飽和しているかまたは1個もしくは複数の不飽和単位を含む直鎖状(すなわち、非分岐状)もしくは分岐状の置換もしくは非置換炭化水素鎖、あるいは、その分子の残りと単一の結合点を有する完全に飽和しているかまたは1個もしくは複数の不飽和単位を含むが、芳香族ではない、単環式炭化水素または二環式炭化水素(本明細書では「炭素環」、「炭素環式」または「シクロアルキル」とも称する)を意味する。別段の指定のない限り、脂肪族基は1〜6個の脂肪族炭素原子を含む。いくつかの実施形態では、脂肪族基は1〜5個の脂肪族炭素原子を含む。他の実施形態では、脂肪族基は1〜4個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の実施形態では、脂肪族基は1〜3個の脂肪族炭素原子を含み、さらに他の実施形態では、脂肪族基は1〜2個の脂肪族炭素原子を含む。いくつかの実施形態では、「脂環式」(または「炭素環」もしくは「シクロアルキル」)は、その分子の残りと単一の結合点を有する完全に飽和しているかまたは1個もしくは複数の不飽和単位を含むが、芳香族ではない単環式C3〜C6炭化水素を指す。例示的な脂肪族基は、直鎖状もしくは分岐状の置換または非置換アルキル、アルケニル、アルキニル基およびその組合せ、例えば(シクロアルキル)アルキル、(シクロアルケニル)アルキルまたは(シクロアルキル)アルケニルである。
「ヘテロ原子」という用語は、酸素、硫黄、窒素、またはリン(窒素、硫黄、またはリンの任意の酸化形態;任意の塩基性窒素の四級化形態;または、複素環の置換可能な窒素、例えばN(3,4−ジヒドロ−2H−ピロリルなどの)、NH(ピロリジニルなどの)またはNR+(N置換ピロリジニルなどの)を含む)の1つまたは複数を意味する。
「アルケニレン」という用語は、二価のアルケニル基を指す。置換アルケニレン鎖は、その1つまたは複数の水素原子が置換基で置き換えられている、少なくとも1つの二重結合を含むポリメチレン基である。適切な置換基には、置換脂肪族基について以下に説明するものが含まれる。
単独か、または「アラルキル」、「アラルコキシ」または「アリールオキシアルキル」のようなより大きな部分の一部として用いられる「アリール」という用語は、合計5〜14の環員を有しており、その環系中の少なくとも1つの環が芳香族であり、環系中の各環が3〜7環員を含む単環式および二環式の環系を指す。「アリール」という用語は、「アリール環」という用語と互換的に用いられる。本発明の特定の実施形態では、「アリール」は、芳香環系を指す。例示的なアリール基は、フェニル、ビフェニル、ナフチル、アントラシルであり、必要に応じて、1つまたは複数の置換基を含む。本明細書で用いるような、芳香環が、インダニル、フタリミジル、ナフチミジル、フェナントリジニルまたはテトラヒドロナフチルなどの1つまたは複数の非芳香環と縮合している基も、やはり「アリール」という用語の範囲に含まれる。
「ヘテロアリール」、および単独か、またはより大きな部分の一部として用いる「ヘテロアル−」という用語、例えば「ヘテロアラルキル」または「ヘテロアラルコキシ」は、5〜10個の環原子、好ましくは5、6または9個の環原子を有し;かつ環状配列中に共有された6、10または14個のπ電子を有し;炭素原子に加えて、1〜5個のヘテロ原子を有する基を指す。「ヘテロ原子」という用語、窒素、酸素または硫黄を指し、窒素または硫黄の任意の酸化形態および塩基性窒素の任意の四級化形態を含む。ヘテロアリール基には、限定されないが、チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、プリニル、ナフチリジニルおよびプテリジニルが含まれる。本明細書で用いる「ヘテロアリール」および「ヘテロアル−」という用語は、複素芳香環が1つまたは複数のアリール環、脂環式環またはヘテロシクリル環と縮合しており、そのラジカルまたは結合点が複素芳香環上にある基も含む。非限定的な例には、インドリル、イソインドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、4H−キノリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニルおよびピリド[2,3−b]−1,4−オキサジン−3(4Η)−オンが含まれる。ヘテロアリール基は、必要に応じて、単環式または二環式である。「ヘテロアリール」という用語は、「ヘテロアリール環」、「ヘテロアリール基」または「複素芳香族」という用語(これらの用語のいずれも、必要に応じて置換された環を含む)と互換的に用いられる。「ヘテロアラルキル」という用語は、そのアルキルおよびヘテロアリール部が独立に必要に応じて置換されている、ヘテロアリールで置換されたアルキル基を指す。
本明細書で用いる「複素環」、「ヘテロシクリル」、「複素環ラジカル」および「複素環」という用語は、互換的に用いられ、飽和しているかまたは部分的に不飽和であり、炭素原子に加えて1個もしくは複数、好ましくは1〜4個の上記定義のヘテロ原子を有する安定な5〜7員単環式または7〜10員の二環式複素環部分を指す。複素環の環原子の関連で用いられる場合、「窒素」という用語は置換された窒素を含む。例としては、酸素、硫黄もしくは窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を有する飽和しているかまたは部分的に不飽和の環において、その窒素は、N(3,4−ジヒドロ−2H−ピロリルなどの)、NH(ピロリジニルなどの)または+NR(N置換ピロリジニルなどの)である。
複素環は、安定な構造をもたらすヘテロ原子または炭素原子でのそのペンダント基と結合していてよく、その環原子のいずれかは必要に応じて置換されていてよい。このような飽和しているかまたは部分的に不飽和の複素環ラジカルの例には、限定されないが、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニルピロリジニル、ピペリジニル、ピロリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、ジアゼピニル、オキサゼピニル、チアゼピニル、モルホリニルおよびキヌクリジニルが含まれる。「複素環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロシクリル環」、「複素環基」、「複素環部分」および「複素環ラジカル」という用語は、本明細書では互換的に用いられ、ヘテロシクリル環が、そのラジカルまたは結合点がヘテロシクリル環上にある、インドリニル、3H−インドリル、クロマニル、フェナントリジニルまたはテトラヒドロキノリニルなどの1つまたは複数のアリール環、ヘテロアリール環または脂環式環と縮合している基も含む。ヘテロシクリル基は、必要に応じて、単環式または二環式である。「ヘテロシクリルアルキル」という用語は、そのアルキルおよびヘテロシクリル部が独立に必要に応じて置換されている、ヘテロシクリルで置換されたアルキル基を指す。
本明細書で用いる「部分的に不飽和(の)」という用語は、少なくとも1つの二重結合または三重結合を含む環部分を指す。「部分的に不飽和(の)」という用語は、複数の不飽和部位を有する環を包含するが、本明細書で定義するアリールまたはヘテロアリール部分は含まないものとする。
本明細書で用いる「薬学的に受容可能な塩」という用語は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、炎症、アレルギー反応などを伴うことなくヒトや下等動物の組織と接触して用いるのに適しており、かつ、妥当な便益/リスク比に相応した塩を指す。薬学的に受容可能な塩は当業界で周知である。例えば、S. M. Bergeらは、J. Pharmaceutical Sciences、1977年、66巻、1〜19頁において薬学的に受容可能な塩を詳細に記載している。これを参照により本明細書に組み込む。本発明の化合物の薬学的に受容可能な塩には、適切な無機および有機の酸および塩基から誘導されるものが含まれる。薬学的に受容可能な非毒性付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸などの無機酸、または酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸もしくはマロン酸などの有機酸と形成させるか、あるいは、イオン交換などの当業界で用いられている他の方法によるアミノ基の塩である。他の薬学的に受容可能な塩には、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモン酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが含まれる。
別段の言及のない限り、本明細書で示す構造は、その構造のすべての異性体(例えば、鏡像異性体的、ジアステレオマー的および幾何学的(または立体配座的))形態;例えば、各不斉中心についてのR型およびS型配置、Z型およびE型二重結合異性体ならびにZ型およびE型の配座異性体を含むことも意味する。したがって、本発明の化合物の単一の立体化学的異性体、ならびに鏡像異性体的、ジアステレオマー的および幾何学的(または立体配座的)混合物は本発明の範囲内である。別段の言及のない限り、本発明の化合物のすべての互変異性形態は本発明の範囲内である。さらに、別段の言及のない限り、本明細書で示す構造は、1つまたは複数の同位体が富化された原子が存在することだけが異なる化合物を含むことも意味する。例えば、水素を重水素または三重水素で置き換えていること、あるいは、炭素を13C−または14C−富化炭素で置き換えていることを含み、本発明の構造を有する化合物は本発明の範囲内である。このような化合物は、例えば、生物学的アッセイにおける分析ツールまたはプローブとして、あるいは、本発明による治療薬として有用である。いくつかの実施形態では、R1基は、1個または複数の重水素原子を含む。
本明細書で用いる「不可逆性」または「不可逆的阻害剤」という用語は、実質的に非可逆的な仕方で標的プロテインキナーゼと共有結合的に結合することができる阻害剤(すなわちある化合物)を指す。すなわち、可逆的阻害剤は標的プロテインキナーゼと結合することができ(しかし、一般にそれと共有結合を形成することはできない)、したがって、標的プロテインキナーゼから解離されることができるが、不可逆的阻害剤は、共有結合がいったん形成されたら、標的プロテインキナーゼと実質的に結合したままとなる。不可逆的阻害剤は通常時間依存性を示し、それによって、阻害剤が酵素と接触している時間と共に阻害の度合いが増大する。特定の実施形態において、不可逆的阻害剤は、一旦共有結合の形成が起こると、キナーゼに実質的に結合したままであり、そしてそのタンパク質の寿命より長い期間にわたって、結合したままである。
ある化合物が不可逆的阻害剤として作用するかどうかを特定する方法は当業者に公知である。このような方法には、これらに限定されないが、プロテインキナーゼ標的での化合物の阻害プロファイルの酵素動力学的解析、阻害剤化合物の存在下で修飾されたタンパク質薬物標的の質量分析の使用、「ウォッシュアウト」実験としても公知の不連続曝露、および酵素の共有結合性修飾を示すための放射性標識阻害剤などの標識化の使用、ならびに当業者に公知の他の方法が含まれる。
当業者は、特定の反応性官能基が「弾頭」として作用することができることを理解されよう。本明細書で用いる「弾頭」または「弾頭基」という用語は、本発明の化合物上に存在する官能基であって、標的タンパク質の結合ポケット中に存在するアミノ酸残基(システイン、リシン、ヒスチジン、または共有結合的に修飾することができる他の残基など)と共有結合し、それによってタンパク質を不可逆的に阻害することができる官能基を指す。本明細書で定義し説明する−L−Y基が、タンパク質を共有結合的かつ不可逆的に阻害するためのこのような弾頭基を提供することを理解されよう。特定の例において、「プロ弾頭基(pro−warhead group)」が、弾頭基の代わりに使用される。このようなプロ弾頭基は、インビボまたはインビトロで、弾頭基に転換する。
本明細書で用いる「阻害剤」という用語は、測定可能な親和力で標的プロテインキナーゼと結合する、かつ/またはそれを阻害する化合物と定義される。特定の実施形態では、阻害剤は、約50μM未満、約1μM未満、約500nM未満、約100nM未満、または約10nM未満のIC50および/または結合定数を有する。
本明細書で用いる「測定可能な親和力」および「測定可能な程度に阻害する(measurably inhibit)」という用語は、本発明の化合物またはその組成物、およびFGFR4を含むサンプルと、前記化合物およびその組成物の非存在下でFGFR4を含む対応するサンプルとの間のFGFR4の活性の測定可能な変化を意味する。
本発明により想定される置換基および変数の組み合わせは、安定な化合物の形成をもたらすもののみである。用語「安定な」とは、本明細書中で使用される場合、製造を可能にするために充分な安定性を有し、そして本明細書中に詳述される目的(例えば、被験体への治療用投与もしくは予防用投与)のために有用であるために充分な期間にわたってその化合物の一体性を維持する、化合物をいう。
本明細書中の可変物の任意の定義における化学基の列挙の記載は、列挙される基の任意の単一の基または組み合わせとしての、その可変物の定義を含む。本明細書中の可変物についてのある実施形態の記載は、任意の単一の実施形態として、または他の任意の実施形態またはその一部との組み合わせとしての、その実施形態を包含する。
3.例示的な化合物の説明
特定の実施形態において、GはHである。特定の実施形態において、GはOである。特定の実施形態において、GはORである。特定の実施形態において、GはN(R)(R)である。
上で一般的に定義されたように、環Aは、必要に応じて置換された基であり、この基は、フェニル、3員〜8員の飽和もしくは部分不飽和の炭素環式環、独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される1個〜4個のヘテロ原子を有する5員〜6員の単環式ヘテロアリール環、独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される1個〜4個のヘテロ原子を有する4員〜7員の飽和もしくは部分不飽和の複素環式環、または7員〜10員の二環式の飽和、部分不飽和もしくはアリールの環から選択される。
特定の実施形態において、環Aは、必要に応じて置換されたフェニル基である。いくつかの実施形態において、環Aは、必要に応じて置換された3員〜8員の飽和もしくは部分不飽和の炭素環式環である。いくつかの実施形態において、環Aは、独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される、1個〜4個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換された5員〜6員の単環式ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、環Aは、独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される1個〜4個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換された4員〜7員の飽和もしくは部分不飽和の複素環式環である。いくつかの実施形態において、環Aは、必要に応じて置換された7員〜10員の二環式の飽和、部分不飽和もしくはアリールの環である。
種々の実施形態において、環Aは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチル、シクロオクチル、[3.3.0]ビシクロオクタニル、[4.3.0]ビシクロノナニル、[4.4.0]ビシクロデカニル、[2.2.2]ビシクロオクタニル、フルオレニル、フェニル、ナフチル、インダニル、テトラヒドロナフチル、アクリジニル、アゾシニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾテトラゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイミダゾリニル、カルバゾリル、NH−カルバゾリル、カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3−b]テトラヒドロフラン、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H−インダゾリル、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3H−インドリル、イソインドリニル、イソインドレニル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル;−1,2,5−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、ピリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾール、ピリドイミダゾール、ピリドチアゾール、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、2H−ピロリル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H−キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、6H−1,2,5−チアジアジニル、1,2,3−−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チエニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニル、トリアジニル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、1,2,5−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリル、またはキサンテニルである。
特定の実施形態において、環Aは、フェニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロペンチル、シクロブチル、シクロプロピル、ピリジン、ピリミジン(pyrmidine)、ピラジン、ピリダジン、ピロール、ピラゾール、ピペリジン、ピペリジン−オン、ピロリジン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェンジオキシド、またはシクロブテンジオンである。
特定の実施形態において、環Aは、必要に応じて置換された基であり、この基は、フェニル、シクロヘキシル、7員〜8員の飽和もしくは部分不飽和の炭素環式環、または独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される1個〜3個のヘテロ原子を有する4員〜7員の飽和もしくは部分不飽和の複素環式環から選択される。
特定の実施形態において、環Aは、3員〜8員の飽和もしくは部分不飽和の炭素環式環、独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される1個〜4個のヘテロ原子を有する4員〜7員の飽和もしくは部分不飽和の複素環式環、または7員〜10員の二環式の飽和もしくは部分不飽和の環であり、ここで環Aの置換基−T−Y−とR1とは、「cis」立体配置にある。
例えば、いくつかの実施形態において、本発明は、環Aが3員〜8員の飽和もしくは部分不飽和の炭素環式環である、式I−cis(1)の化合物を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、環Aが、独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される1個〜4個のヘテロ原子を有する4員〜7員の飽和もしくは部分不飽和の複素環式環である、式I−cis(1)の化合物を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、環Aが7員〜10員の二環式の飽和もしくは部分不飽和の環である、式I−cis(1)の化合物を提供する。
特定の実施形態において、本発明は、環Aが必要に応じて置換されており、そしてシクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロペンチル、シクロブチル、シクロプロピル、ピペリジン、ピペリジン−オン、ピロリジン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェンジオキシド、またはシクロブテンジオンから選択される、式I−cis(1)の化合物を提供する。特定の実施形態において、本発明は、環Aが必要に応じて置換されたテトラヒドロフランである、式I−cis(1)の化合物を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、環Aが、式I−cis(1)に図示される部位においてキラル中心を有することが可能な、上記および本明細書中に記載される構造のいずれかである、式I−cis(2)の化合物を提供する。
例えば、いくつかの実施形態において、本発明は、環Aが3員〜8員の飽和もしくは部分不飽和の炭素環式環である、式I−cis(2)の化合物を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、環Aが、独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される1個〜4個のヘテロ原子を有する4員〜7員の飽和もしくは部分不飽和の複素環式環である、式I−cis(2)の化合物を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、環Aが7員〜10員の二環式の飽和もしくは部分不飽和の環である、式I−cis(2)の化合物を提供する。
特定の実施形態において、本発明は、環Aが必要に応じて置換されており、そしてシクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロペンチル、シクロブチル、シクロプロピル、ピペリジン、ピペリジン−オン、ピロリジン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェンジオキシド、またはシクロブテンジオンから選択される、式I−cis(2)の化合物を提供する。特定の実施形態において、本発明は、環Aが必要に応じて置換されたテトラヒドロフランである、式I−cis(2)の化合物を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明は、環Aが、式I−cis(2)に図示される部位においてキラル中心を有することが可能な、上記および本明細書中に記載される構造のいずれかである、式I−cis(2)の化合物を提供する。
特定の実施形態において、Wは存在しない(すなわち、Wは共有結合である)。特定の実施形態において、Wは、1個もしくは1個より多くのR’’で必要に応じて置換された二価のC1〜3アルキレン鎖であり、そしてWの1個のメチレン単位は、−O−、−S−、または−NR’−で必要に応じて置き換えられている。特定の実施形態において、Cyはフェニルであり、ここでCyは、1個〜3個のRxで必要に応じて置換されている。特定の実施形態において、CyはC3〜7シクロアルキルであり、ここでCyは、1個〜3個のRxで必要に応じて置換されている。特定の実施形態において、Cyは、独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される1個〜3個のヘテロ原子を有する、3員〜7員の単環式もしくは5員〜10員の二環式の、飽和もしくは部分不飽和の複素環式であり、ここでCyは、1個〜3個のRxで必要に応じて置換されている。特定の実施形態において、Cyは、独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される1個〜3個のヘテロ原子を有する、3員〜7員の単環式もしくは5員〜10員の二環式のヘテロアリール環であり、ここでCyは、1個〜3個のRxで必要に応じて置換されている。
特定の実施形態において、本発明は、式I−hの化合物を提供し、式I−hにおいて、環Aは、必要に応じて置換された基であり、この基は、フェニル、3員〜8員の飽和もしくは部分不飽和の炭素環式環、独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される1個〜4個のヘテロ原子を有する5員〜6員の単環式ヘテロアリール環、独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される1個〜4個のヘテロ原子を有する4員〜7員の飽和もしくは部分不飽和の複素環式環、または7員〜10員の二環式の飽和、部分不飽和もしくはアリールの環から選択される。
いくつかの実施形態において、化合物は、式I−hの化合物であり、そして環Aは、必要に応じて置換された単環式環である。いくつかの実施形態において、化合物は、式I−hの化合物であり、そして環Aは、必要に応じて置換された単環式炭素環である。いくつかの実施形態において、化合物は、式I−hの化合物であり、そして環Aは、必要に応じて置換された単環式複素環である。
いくつかの実施形態において、化合物は、式I−hの化合物であり、そして環Aは、必要に応じて置換されたアリールである。特定の実施形態において、化合物は、式I−hの化合物であり、そして環Aは、必要に応じて置換されたフェニルである。
いくつかの実施形態において、化合物は、式I−hの化合物であり、そして環Aは、必要に応じて置換されたヘテロアリールである。特定の実施形態において、化合物は、式I−hの化合物であり、そして環Aは、必要に応じて置換されたピリジニルである。
いくつかの実施形態において、化合物は、式I−hの化合物であり、そして環Aは、独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される1個〜3個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換された4員〜7員の飽和もしくは部分不飽和の複素環式環である。特定の実施形態において、化合物は、式I−hの化合物であり、そして環Aは、独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される1個〜3個のヘテロ原子を有する、必要に応じて置換された5員飽和複素環式環である。
特定の実施形態において、化合物は、式I−hの化合物であり、そして環Aは、フェニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロペンチル、シクロブチル、シクロプロピル、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、ピロール、ピラゾール、ピペリジン、ピペリジン−オン、ピロリジン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェンジオキシド、またはシクロブテンジオンである。
特定の実施形態において、化合物は、式I−hの化合物であり、そして環Aは、必要に応じて置換された基であり、この基は、テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、またはテトラヒドロチオフェンジオキシドから選択される。特定の実施形態において、化合物は、式I−hの化合物であり、そして環Aは、必要に応じて置換されたテトラヒドロピランである。特定の実施形態において、化合物は、式I−hの化合物であり、そして環Aは、非置換テトラヒドロピランである。特定の実施形態において、化合物は、式I−hの化合物であり、そして環Aは、必要に応じて置換されたテトラヒドロフランである。特定の実施形態において、化合物は、式I−hの化合物であり、そして環Aは、非置換テトラヒドロフランである。特定の実施形態において、化合物は、式I−hの化合物であり、そして環Aは、必要に応じて置換されたテトラヒドロチオフェンジオキシドである。特定の実施形態において、化合物は、式I−hの化合物であり、そして環Aは、非置換テトラヒドロチオフェンジオキシドである。
いくつかの実施形態において、化合物は、式I−hの化合物であり、そして環Aは、独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される1個〜3個のヘテロ原子を有する4員〜7員の飽和もしくは部分不飽和の複素環式環であり、ここで環Aは、1個、2個、または3個のR2基で置換されており、これらのR2基の各々は、独立して選択される。
特定の実施形態において、Yは、独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される0個〜3個のヘテロ原子を有する置換された3員〜6員の単環式環であり、ここでYは、1個〜4個のRe基で置換されており、ここで各Reは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりである。
特定の実施形態において、Yは、独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される0個〜3個のヘテロ原子を有する部分不飽和3員〜6員単環式環であり、ここでこの環は、1個〜4個のRe基で置換されており、ここで各Reは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりである。
特定の実施形態において、Yは、独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される0個〜3個のヘテロ原子を有する8員〜10員の二環式の飽和、部分不飽和、もしくはアリールの環であり、ここでこの環は、1個〜4個のRe基で置換されており、ここでReは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりである。別の局面において、Yは、独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される1個〜3個のヘテロ原子を有する9員〜10員の二価の、部分不飽和もしくはアリールの環であり、ここでこの環は、1個〜4個のRe基で置換されており、ここでReは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりである。例示的なこのような二環式環としては、2,3−ジヒドロベンゾ[d]イソチアゾールが挙げられ、ここでこの環は、1個〜4個のRe基で置換されており、ここでReは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりである。
特定の実施形態において、−L−Yの以下の実施形態および組み合わせが適用される:
(a)Lは、二価のC
2〜8の直鎖もしくは分枝鎖の炭化水素鎖であり、ここでLは、少なくとも1個の二重結合を有し、そしてLの1個または2個のさらなるメチレン単位は、−NRC(O)−、−C(O)NR−、−N(R)SO
2−、−SO
2N(R)−、−S−、−S(O)−、−SO
2−、−OC(O)−、−C(O)O−、シクロプロピレン、−O−、−N(R)−、または−C(O)−によって必要に応じて独立して置き換えられており;そしてYは、水素または必要に応じてオキソ、ハロゲン、NO
2、もしくはCNで置換されたC
1〜6脂肪族である;あるいは
(b)Lは、二価のC
2〜8の直鎖もしくは分枝鎖の炭化水素鎖であり、ここでLは、少なくとも1個の二重結合を有し、そしてLの少なくとも1個のメチレン単位は、−C(O)−、−NRC(O)−、−C(O)NR−、−N(R)SO
2−、−SO
2N(R)−、−S−、−S(O)−、−SO
2−、−OC(O)−、または−C(O)O−によって置き換えられており、そしてLの1個または2個のさらなるメチレン単位は、シクロプロピレン、−O−、−N(R)−、または−C(O)−によって必要に応じて独立して置き換えられており;そしてYは、水素または必要に応じてオキソ、ハロゲン、NO
2、もしくはCNで置換されたC
1〜6脂肪族である;あるいは
(c)Lは、二価のC
2〜8の直鎖もしくは分枝鎖の炭化水素鎖であり、ここでLは、少なくとも1個の二重結合を有し、そしてLの少なくとも1個のメチレン単位は、−C(O)−によって置き換えられており、そしてLの1個または2個のさらなるメチレン単位は、シクロプロピレン、−O−、−N(R)−、または−C(O)−によって必要に応じて独立して置き換えられており;そしてYは、水素または必要に応じてオキソ、ハロゲン、NO
2、もしくはCNで置換されたC
1〜6脂肪族である;あるいは
(d)Lは、二価のC
2〜8の直鎖もしくは分枝鎖の炭化水素鎖であり、ここでLは、少なくとも1個の二重結合を有し、そしてLの少なくとも1個のメチレン単位は、−C(O)−によって置き換えられており;そしてYは、水素または必要に応じてオキソ、ハロゲン、NO
2、もしくはCNで置換されたC
1〜6脂肪族である;あるいは
(e)Lは、二価のC
2〜8の直鎖もしくは分枝鎖の炭化水素鎖であり、ここでLは、少なくとも1個の二重結合を有し、そしてLの少なくとも1個のメチレン単位は、−OC(O)−によって置き換えられており;そしてYは、水素または必要に応じてオキソ、ハロゲン、NO
2、もしくはCNで置換されたC
1〜6脂肪族である;あるいは
(f)Lは、−NRC(O)CH=CH−、−NRC(O)CH=CHCH
2N(CH
3)−、−NRC(O)CH=CHCH
2O−、−CH
2NRC(O)CH=CH−、−NRSO
2CH=CH−、−NRSO
2CH=CHCH
2−、−NRC(O)(C=N
2)−、−NRC(O)(C=N
2)C(O)−、− −NRC(O)CH=CHCH
2O−、−NRC(O)C(=CH
2)CH
2−、−CH
2NRC(O)−、−CH
2CH
2NRC(O)−、または−CH
2NRC(O)シクロプロピレン−であり;ここでRは、Hまたは必要に応じて置換されたC
1〜6脂肪族であり;そしてYは、水素または必要に応じてオキソ、ハロゲン、NO
2、もしくはCNで置換されたC
1〜6脂肪族である;あるいは
(g)Lは、−NHC(O)CH=CH−、−NHC(O)CH=CHCH
2N(CH
3)−、−NHC(O)CH=CHCH
2O−、−CH
2NHC(O)CH=CH−、−NHSO
2CH=CH−、−NHSO
2CH=CHCH
2−、−NHC(O)(C=N
2)−、−NHC(O)(C=N
2)C(O)−、−NHC(O)C(=CH
2)CH
2−、−CH
2NHC(O)−、−CH
2CH
2NHC(O)−、または−CH
2NHC(O)シクロプロピレン−であり;そしてYは、水素または必要に応じてオキソ、ハロゲン、NO
2、もしくはCNで置換されたC
1〜6脂肪族である;あるいは
(h)Lは、二価のC
2〜8の直鎖もしくは分枝鎖の炭化水素鎖であり、ここでLは、少なくとも1個のアルキリデニル二重結合を有し、そしてLの少なくとも1個のメチレン単位は、−C(O)−、−NRC(O)−、−C(O)NR−、−N(R)SO
2−、−SO
2N(R)−、−S−、−S(O)−、−SO
2−、−OC(O)−、または−C(O)O−によって置き換えられており、そしてLの1個または2個のさらなるメチレン単位は、シクロプロピレン、−O−、−N(R)−、または−C(O)−によって必要に応じて独立して置き換えられており;そしてYは、水素または必要に応じてオキソ、ハロゲン、NO
2、もしくはCNで置換されたC
1〜6脂肪族である;あるいは
(i)Lは、二価のC
2〜8の直鎖もしくは分枝鎖の炭化水素鎖であり、ここでLは、少なくとも1個の三重結合を有し、そしてLの1個または2個のさらなるメチレン単位は、−NRC(O)−、−C(O)NR−、−N(R)SO
2−、−SO
2N(R)−、−S−、−S(O)−、−SO
2−、−OC(O)−、または−C(O)O−によって必要に応じて独立して置き換えられており、そしてYは、水素または必要に応じてオキソ、ハロゲン、NO
2、もしくはCNで置換されたC
1〜6脂肪族である;あるいは
(j)Lは、−C≡C−、−C≡CCH
2N(イソプロピル)−、−NHC(O)C≡CCH
2CH
2−、−CH
2−C≡C−CH
2−、−C≡CCH
2O−、−CH
2C(O)C≡C−、−C(O)C≡C−、または−CH
2OC(=O)C≡C−であり;そしてYは、水素または必要に応じてオキソ、ハロゲン、NO
2、もしくはCNで置換されたC
1〜6脂肪族である;あるいは
(k)Lは、二価のC
2〜8の直鎖もしくは分枝鎖の炭化水素鎖であり、ここでLの1個のメチレン単位は、シクロプロピレンによって置き換えられており、そしてLの1個または2個のさらなるメチレン単位は独立して、−NRC(O)−、−C(O)NR−、−N(R)SO
2−、−SO
2N(R)−、−S−、−S(O)−、−SO
2−、−OC(O)−、または−C(O)O−によって置き換えられており;そしてYは、水素または必要に応じてオキソ、ハロゲン、NO
2、もしくはCNで置換されたC
1〜6脂肪族である;あるいは
(l)Lは共有結合であり、そしてYは:
(i)オキソ、ハロゲン、NO
2、もしくはCNで置換されたC
1〜6アルキル;
(ii)必要に応じてオキソ、ハロゲン、NO
2、もしくはCNで置換されたC
2〜6アルケニル;または
(iii)必要に応じてオキソ、ハロゲン、NO
2、もしくはCNで置換されたC
2〜6アルキニル;または
(iv)酸素もしくは窒素から選択される1個のヘテロ原子を有する飽和3員〜4員複素環式環であって、ここでこの環は、1個〜2個のR
e基で置換されており、ここで各R
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(v)酸素もしくは窒素から選択される1個〜2個のヘテロ原子を有する置換5員〜6員複素環式環であって、ここでこの環は、1個〜4個のR
e基で置換されており、ここで各R
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(vi)
であって、各R、Q、Z、およびR
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(vii)飽和3員〜6員炭素環式環であって、この環は、1個〜4個のR
e基で置換されており、ここで各R
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(viii)独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される0個〜3個のヘテロ原子を有する部分不飽和3員〜6員単環式環であって、ここでこの環は、1個〜4個のR
e基で置換されており、ここで各R
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(ix)部分不飽和3員〜6員炭素環式環であって、ここでこの環は、1個〜4個のR
e基で置換されており、ここで各R
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(x)
であって、ここで各R
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(xi)独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される1個〜2個のヘテロ原子を有する部分不飽和4員〜6員複素環式環であって、ここでこの環は、1個〜4個のR
e基で置換されており、ここで各R
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(xii)
であって、ここで各RおよびR
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(xiii)0個〜2個の窒素を有する6員芳香環であって、ここでこの環は、1個〜4個のR
e基で置換されており、ここで各R
e基は、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(xiv)
であって、ここで各R
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(xv)独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される1個〜3個のヘテロ原子を有する5員ヘテロアリール環であって、ここでこの環は、1個〜3個のR
e基で置換されており、ここで各R
e基は、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(xvi)
であって、ここで各RおよびR
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(xvii)独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される0個〜3個のヘテロ原子を有する8員〜10員の二環式の飽和、部分不飽和、もしくはアリールの環であって、ここでこの環は、1個〜4個のR
e基で置換されており、ここでR
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの
から選択される;あるいは
(m)Lは−C(O)−であり、そしてYは:
(i)オキソ、ハロゲン、NO
2、もしくはCNで置換されたC
1〜6アルキル;または
(ii)必要に応じてオキソ、ハロゲン、NO
2、もしくはCNで置換されたC
2〜6アルケニル;または
(iii)必要に応じてオキソ、ハロゲン、NO
2、もしくはCNで置換されたC
2〜6アルキニル;または
(iv)酸素もしくは窒素から選択される1個のヘテロ原子を有する飽和3員〜4員複素環式環であって、ここでこの環は、1個〜2個のR
e基で置換されており、ここで各R
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(v)酸素もしくは窒素から選択される1個〜2個のヘテロ原子を有する置換5員〜6員複素環式環であって、ここでこの環は、1個〜4個のR
e基で置換されており、ここで各R
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(vi)
であって、ここで各R、Q、Z、およびR
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(vii)飽和3員〜6員炭素環式環であって、ここでこの環は、1個〜4個のR
e基で置換されており、ここで各R
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(viii)独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される0個〜3個のヘテロ原子を有する部分不飽和3員〜6員単環式環であって、ここでこの環は、1個〜4個のR
e基で置換されており、ここで各R
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(ix)部分不飽和3員〜6員炭素環式環であって、ここでこの環は、1個〜4個のR
e基で置換されており、ここで各R
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(x)
であって、ここで各R
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(xi)独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される1個〜2個のヘテロ原子を有する部分不飽和4員〜6員複素環式環であって、ここでこの環は、1個〜4個のR
e基で置換されており、ここで各R
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(xii)
であって、ここで各RおよびR
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(xiii)0個〜2個の窒素を有する6員芳香環であって、ここでこの環は、1個〜4個のR
e基で置換されており、ここで各R
e基は、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(xiv)
であって、ここで各R
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(xv)独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される1個〜3個のヘテロ原子を有する5員ヘテロアリール環であって、ここでこの環は、1個〜3個のR
e基で置換されており、ここで各R
e基は、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(xvi)
であって、ここで各RおよびR
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(xvii)独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される0個〜3個のヘテロ原子を有する8員〜10員の二環式の飽和、部分不飽和、もしくはアリールの環であって、ここでこの環は、1個〜4個のR
e基で置換されており、ここでR
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの
から選択される;あるいは
(n)Lは−N(R)C(O)−であり、そしてYは:
(i)オキソ、ハロゲン、NO
2、もしくはCNで置換されたC
1〜6アルキル;または
(ii)必要に応じてオキソ、ハロゲン、NO
2、もしくはCNで置換されたC
2〜6アルケニル;または
(iii)必要に応じてオキソ、ハロゲン、NO
2、もしくはCNで置換されたC
2〜6アルキニル;または
(iv)酸素もしくは窒素から選択される1個のヘテロ原子を有する飽和3員〜4員複素環式環であって、ここでこの環は、1個〜2個のR
e基で置換されており、ここで各R
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(v)酸素もしくは窒素から選択される1個〜2個のヘテロ原子を有する置換5員〜6員複素環式環であって、ここでこの環は、1個〜4個のR
e基で置換されており、ここで各R
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(vi)
であって、ここで各R、Q、Z、およびR
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(vii)飽和3員〜6員炭素環式環であって、ここでこの環は、1個〜4個のR
e基で置換されており、ここで各R
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(viii)独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される0個〜3個のヘテロ原子を有する部分不飽和3員〜6員単環式環であって、ここでこの環は、1個〜4個のR
e基で置換されており、ここで各R
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(ix)部分不飽和3員〜6員炭素環式環であって、ここでこの環は、1個〜4個のR
e基で置換されており、ここで各R
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(x)
であって、ここで各R
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(xi)独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される1個〜2個のヘテロ原子を有する部分不飽和4員〜6員複素環式環であって、ここでこの環は、1個〜4個のR
e基で置換されており、ここで各R
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(xii)
であって、ここで各RおよびR
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(xiii)0個〜2個の窒素を有する6員芳香環であって、ここでこの環は、1個〜4個のR
e基で置換されており、ここで各R
e基は、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(xiv)
であって、ここで各R
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(xv)独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される1個〜3個のヘテロ原子を有する5員ヘテロアリール環であって、ここでこの環は、1個〜3個のR
e基で置換されており、ここで各R
e基は、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(xvi)
であって、ここで各RおよびR
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(xvii)独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される0個〜3個のヘテロ原子を有する8員〜10員の二環式の飽和、部分不飽和、もしくはアリールの環であって、ここでこの環は、1個〜4個のR
e基で置換されており、ここでR
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの
から選択される;あるいは
(o)Lは、二価のC
1〜8の飽和もしくは不飽和の、直鎖もしくは分枝鎖の炭化水素鎖であり;そしてYは:
(i)オキソ、ハロゲン、NO
2、もしくはCNで置換されたC
1〜6アルキル;
(ii)必要に応じてオキソ、ハロゲン、NO
2、もしくはCNで置換されたC
2〜6アルケニル;または
(iii)必要に応じてオキソ、ハロゲン、NO
2、もしくはCNで置換されたC
2〜6アルキニル;または
(iv)酸素もしくは窒素から選択される1個のヘテロ原子を有する飽和3員〜4員複素環式環であって、ここでこの環は、1個〜2個のR
e基で置換されており、ここで各R
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(v)酸素もしくは窒素から選択される1個〜2個のヘテロ原子を有する飽和5員〜6員複素環式環であって、ここでこの環は、1個〜4個のR
e基で置換されており、ここで各R
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(vi)
であって、ここで各R、Q、Z、およびR
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(vii)飽和3員〜6員炭素環式環であって、ここでこの環は、1個〜4個のR
e基で置換されており、ここで各R
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(viii)独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される0個〜3個のヘテロ原子を有する部分不飽和3員〜6員単環式環であって、ここでこの環は、1個〜4個のR
e基で置換されており、ここで各R
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(ix)部分不飽和3員〜6員炭素環式環であって、ここでこの環は、1個〜4個のR
e基で置換されており、ここで各R
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(x)
であって、ここで各R
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(xi)独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される1個〜2個のヘテロ原子を有する部分不飽和4員〜6員複素環式環であって、ここでこの環は、1個〜4個のR
e基で置換されており、ここで各R
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(xii)
であって、ここで各RおよびR
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(xiii)0個〜2個の窒素を有する6員芳香環であって、ここでこの環は、1個〜4個のR
e基で置換されており、ここで各R
e基は、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(xiv)
であって、各R
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(xv)独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される1個〜3個のヘテロ原子を有する5員ヘテロアリール環であって、ここでこの環は、1個〜3個のR
e基で置換されているもの、ここで各R
e基は、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(xvi)
であって、ここで各RおよびR
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(xvii)独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される0個〜3個のヘテロ原子を有する8員〜10員の二環式の飽和、部分不飽和、もしくはアリールの環であって、ここでこの環は、1個〜4個のR
e基で置換されており、ここでR
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの
から選択される;あるいは
(p)Lは、共有結合、−CH
2−、−NH−、−C(O)−、−CH
2NH−、−NHCH
2−、−NHC(O)−、−NHC(O)CH
2OC(O)−、−CH
2NHC(O)−、−NHSO
2−、−NHSO
2CH
2−、−NHC(O)CH
2OC(O)−、または−SO
2NH−であり;そしてYは:
(i)オキソ、ハロゲン、NO
2、もしくはCNで置換されたC
1〜6アルキル;または
(ii)必要に応じてオキソ、ハロゲン、NO
2、もしくはCNで置換されたC
2〜6アルケニル;または
(iii)必要に応じてオキソ、ハロゲン、NO
2、もしくはCNで置換されたC
2〜6アルキニル;または
(iv)酸素もしくは窒素から選択される1個のヘテロ原子を有する飽和3員〜4員複素環式環であって、ここでこの環は、1個〜2個のR
e基で置換されており、ここで各R
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(v)酸素もしくは窒素から選択される1個〜2個のヘテロ原子を有する置換5員〜6員複素環式環であって、ここでこの環は、1個〜4個のR
e基で置換されており、ここで各R
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(vi)
であって、ここで各R、Q、Z、およびR
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(vii)飽和3員〜6員炭素環式環であって、ここでこの環は、1個〜4個のR
e基で置換されており、ここで各R
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(viii)独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される0個〜3個のヘテロ原子を有する部分不飽和3員〜6員単環式環であって、ここでこの環は、1個〜4個のR
e基で置換されており、ここで各R
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(ix)部分不飽和3員〜6員炭素環式環であって、ここでこの環は、1個〜4個のR
e基で置換されており、ここで各R
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(x)
であって、ここで各R
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(xi)独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される1個〜2個のヘテロ原子を有する部分不飽和4員〜6員複素環式環であって、ここでこの環は、1個〜4個のR
e基で置換されており、ここで各R
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(xii)
であって、ここで各RおよびR
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(xiii)0個〜2個の窒素を有する6員芳香環であって、ここでこの環は、1個〜4個のR
e基で置換されており、ここで各R
e基は、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(xiv)
であって、ここで各R
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(xv)独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される1個〜3個のヘテロ原子を有する5員ヘテロアリール環であって、ここでこの環は、1個〜3個のR
e基で置換されており、ここで各R
e基は、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(xvi)
であって、ここで各RおよびR
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの;または
(xvii)独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される0個〜3個のヘテロ原子を有する8員〜10員の二環式の飽和、部分不飽和、もしくはアリールの環であって、ここでこの環は、1個〜4個のR
e基で置換されており、ここでR
eは、上で定義され、そして本明細書中に記載されるとおりであるもの
から選択される。
(q)Lは、二価のC
2〜8の直鎖もしくは分枝鎖の炭化水素鎖であり、ここでLの2個もしくは3個のメチレン単位は、−NRC(O)−、−C(O)NR−、−N(R)SO
2−、−SO
2N(R)−、−S−、−S(O)−、−SO
2−、−OC(O)−、−C(O)O−、シクロプロピレン、−O−、−N(R)−、または−C(O)−によって必要に応じて独立して置き換えられており;そしてYは、水素または必要に応じてオキソ、ハロゲン、NO
2、もしくはCNで置換されたC
1〜6脂肪族である。
(r)L−Yは、インビトロまたはインビボで不可逆的な弾頭に転換される「プロ弾頭」である。特定の実施形態において、L−Yは
であり、ここでLGは脱離基である。特定の実施形態において、L−Yは
である。特定の実施形態において、この「プロ弾頭」は、以下:
に従って、不可逆的弾頭に転換する。
特定の実施形態において、本明細書中の式のいずれかにおけるY基は、表1、表2、表3、表7、または表8に記載されるものから選択され、ここで各波線は、その分子の残部への結合点を示す。
他の実施形態によれば、本発明は、本発明の化合物またはその薬学的に受容可能な誘導体および薬学的に受容可能なキャリア、アジュバントまたはビヒクルを含む組成物を提供する。本発明の組成物中の化合物の量は、生物学的サンプルまたは患者において、プロテインキナーゼ、特にFGFR4またはその変異体の少なくとも1つを、測定可能な程度に阻害するのに有効な量である。特定の実施形態では、本発明の組成物中の化合物の量は、生物学的サンプルまたは患者において、FGFR4またはその変異体を、測定可能な程度に阻害するのに有効な量である。特定の実施形態では、本発明の組成物を、このような組成物を必要とする患者に投与するために製剤化する。いくつかの実施形態では、本発明の組成物を、患者に経口投与するために製剤化する。
「薬学的に受容可能なキャリア、アジュバントまたはビヒクル」という用語は、それを用いて製剤化される化合物の薬理学的活性を無効にしない非毒性キャリア、アジュバントまたはビヒクルを指す。本発明の組成物で使用される薬学的に受容可能なキャリア、アジュバントまたはビヒクルには、これらに限定されないが、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質、例えばヒト血清アルブミン、緩衝物質、例えばリン酸塩、グリシン、ソルビン酸もしくはソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解質、例えば硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースベースの物質、ポリエチレングリコール、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が含まれる。
「薬学的に受容可能な誘導体」は、レシピエントに投与して、直接的かまたは間接的に、本発明の化合物あるいは阻害剤として活性な代謝産物またはその残基を提供できる本発明の化合物の任意の非毒性塩、エステル、エステルの塩または他の誘導体を意味する。
本明細書で用いる「阻害剤として活性な代謝産物またはその残基」という用語は、代謝産物またはその残基がFGFR4またはその変異体の阻害剤でもあることを意味する。
本発明の組成物は、経口、非経口、吸入噴霧、局所、経直腸、経鼻、頬側、経膣または埋め込み式リザーバーにより投与される。本明細書で用いる「非経口」という用語には、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑液嚢内、胸骨内、髄腔内、肝臓内、病巣内および頭蓋内への注射または注入技術が含まれる。組成物は、経口、腹腔内または静脈内で投与することが好ましい。本発明の組成物の滅菌注射剤の形態は、水性または油性の懸濁液を含む。これらの懸濁液は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて、当業界で公知の技術に従って製剤化される。滅菌注射用製剤は、非毒性の非経口的に許容される希釈剤もしくは溶媒中の滅菌注射液剤または懸濁剤、例えば1,3−ブタンジオール中の液剤である。使用される許容される媒体および溶媒には、水、リンガー溶液および等張性塩化ナトリウム溶液がある。さらに、滅菌固定油は、溶媒または懸濁化媒体として慣用的に使用される。
この目的で、使用される任意の滅菌固定油としては、合成モノまたはジグリセリドが挙げられる。オレイン酸およびそのグリセリド誘導体などの脂肪酸は、注射剤の調製に有用であり、オリーブ油またはヒマシ油などの天然の薬学的に受容可能な油(特にそのポリオキシエチル化されたタイプのもの)も同様に有用である。これらの油状液剤または懸濁剤は、カルボキシメチルセルロース、または乳剤および懸濁剤を含む薬学的に受容可能な剤形の調製で通常用いられる同様の分散剤などの長鎖アルコール希釈剤または分散剤も含む。Tweens、Spansなどの他の通常使用される界面活性剤、および、薬学的に受容可能な固体、液体または他の剤形の製造において通常使用される他の乳化剤または生物学的利用能増進剤が、製剤化のために使用される。
本発明の薬学的に受容可能な組成物は、経口的に許容される任意の剤形で経口投与される。例示的な経口剤形は、カプセル剤、錠剤、水性の懸濁剤または液剤である。経口使用のための錠剤の場合、通常使用されるキャリアには、ラクトースやトウモロコシでんぷんが含まれる。ステアリン酸マグネシウムなどの滑剤も通常添加される。カプセルの形態での経口投与に有用な希釈剤には、ラクトースや乾燥トウモロコシでんぷんが含まれる。経口使用のために水性懸濁剤が必要な場合、活性成分を、乳化剤および懸濁化剤と混合する。望むなら、特定の甘味剤、香味剤または着色剤が、必要に応じて加えられる。
あるいは、本発明の薬学的に受容可能な組成物は、直腸投与のための坐剤の形態で投与することができる。これらは、その薬剤を、室温で固体であるが直腸温度で液体であり、したがって直腸内で溶融して薬物を放出する適切な非刺激性賦形剤と混合することによって調製することができる。このような材料には、ココアバター、蜜ろうおよびポリエチレングリコールが含まれる。
本発明の薬学的に受容可能な組成物は、特に、治療の標的が、眼、皮膚または下部腸管の疾患などの局所使用により容易に到達できる領域または器官を含む場合、局所で投与される。適切な局所製剤は、これらの領域または器官のそれぞれを目的として容易に調製される。
局所使用のために、提供される薬学的に受容可能な組成物は、1つまたは複数のキャリア中に懸濁または溶解させた活性成分を含む適切な軟膏剤で製剤化される。これの化合物の局所投与のための例示的なキャリアは、鉱油、流動ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ろうおよび水である。あるいは、提供される薬学的に受容可能な組成物は、1つまたは複数の薬学的に受容可能なキャリア中に懸濁または溶解させた活性成分を含む適切なローション剤またはクリーム剤で製剤化することができる。適切なキャリアには、これらに限定されないが、鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水が含まれる。
眼での使用のために、提供される薬学的に受容可能な組成物は必要に応じて、塩化ベンジルアルコニウムなどの保存剤を用いてかまたは用いずに、等張性のpH調節滅菌食塩水中の微粉末懸濁剤として、または、好ましくは等張性のpH調節滅菌食塩水中の液剤として製剤化される。あるいは、眼での使用のために、薬学的に受容可能な組成物を、ワセリンなどの軟膏剤で製剤化される。
本発明の薬学的に受容可能な組成物は必要に応じて、鼻エアロゾルまたは吸入により投与される。このような組成物は、製剤製剤化技術分野で周知の技術によって調製され、ベンジルアルコールまたは他の適切な保存剤、生物学的利用能を促進させる吸収促進剤、フルオロカーボンおよび/または他の慣用的な可溶化剤または分散剤を用いて、生理食塩水中の液剤として調製される。
本発明の薬学的に受容可能な組成物は、経口投与用に製剤化することが最も好ましい。このような製剤は、食物と一緒に投与されても、食物と一緒に投与されなくてもよい。いくつかの実施形態において、本発明の薬学的に受容可能な組成物は、食物なしで投与される。他の実施形態において、本発明の薬学的に受容可能な組成物は、食物と一緒に投与される。
キャリア材料と必要に応じて混合して単一剤形の組成物を与える本発明の化合物の量は、治療を受ける宿主、具体的な投与方式によって変わることになる。好ましくは、提供される組成物は、0.01〜100mg/kg体重/日の範囲の阻害剤の投薬量が、これらの組成物を受け入れる患者に投与されるように製剤化すべきである。
特定の任意の患者に対する具体的な投薬および治療レジメンは、使用する具体的な化合物の活性、年齢、体重、全体的な健康、性別、食事、投与時間、排出速度、薬物の組合せ、ならびに担当医の判断および治療を受ける具体的な疾患の重篤度を含む様々な因子に依存することも理解すべきである。組成物中の本発明の化合物の量は、組成物中の具体的な化合物にも依存する。
化合物および薬学的に受容可能な組成物の使用
薬物耐性は、標的化治療に対する有意な難題として出現する。例えば、薬物耐性は、Gleevec(登録商標)およびIressa(登録商標)、ならびに他の数種の開発中のキナーゼ阻害剤について報告されている。さらに、薬物耐性は、cKitおよびPDGFRレセプターについて報告されている。不可逆的阻害剤は、プロテインキナーゼの薬物耐性形態に対して有効であり得ることが報告されている(Kwak,E.L.,R.Sordellaら,(2005).「Irreversible inhibitors of the EGF receptor may circumvent acquired resistance to gefitinib」.PNAS 102(21):7665−7670)。いずれの特定の理論によっても束縛されることを望まないが、本発明の化合物は、プロテインキナーゼの薬物耐性形態の有効な阻害剤である。
本明細書中に記載される化合物および組成物によって阻害されるキナーゼであって、本明細書中に記載される方法が有用であるキナーゼの例としては、FGFR4またはその変異体が挙げられる。いくつかの実施形態において、提供される化合物は、他のFGFRキナーゼと比較して、FGFR4を選択的に阻害する。
本発明において利用される化合物の、FGFR4キナーゼまたはその変異体の試験化合物としての活性は、インビトロで、インビボで、または細胞系統において、アッセイされ得る。インビトロアッセイとしては、活性化FGFR4またはその変異体のリン酸化活性および/もしくはその後の機能的結果、またはATPアーゼ活性のいずれかの阻害を決定するアッセイが挙げられる。代替のインビトロアッセイは、試験化合物がFGFR4に結合する能力を定量する。阻害剤の結合は、結合前に阻害剤を放射線標識し、この試験化合物/FGFR4複合体を単離し、そして結合した放射線標識の量を決定することによって、測定され得る。あるいは、試験化合物の活性は、既知の放射性リガンドと結合したFGFR4と一緒に新規試験化合物がインキュベートされる、競合実験を行うことによって決定され得る。本発明において、FGFR4またはその変異体の試験化合物として利用される化合物をアッセイするための詳細な条件は、以下の実施例に記載されている。
プロテインチロシンキナーゼは、ATPまたはGTPから、タンパク質基質上に位置するチロシン残基への、リン酸基の移動を触媒する酵素のクラスである。レセプターチロシンキナーゼは、リン酸化事象を介して二次伝令エフェクターを活性化させることによって、細胞の外側から内側へとシグナルを伝達するように働く。種々の細胞プロセスが、これらのシグナルによって促進され、これらの細胞プロセスとしては、増殖、炭水化物利用、タンパク質合成、新脈管形成、細胞増殖、および細胞生存が挙げられる。
(a)FGFRファミリー
プロテインチロシンキナーゼ(PTK)レセプターの線維芽細胞増殖因子(FGF)ファミリーは、広範なアレイの生理学的機能(有糸分裂誘発、創傷治癒、細胞分化および新脈管形成、ならびに発育が挙げられる)を調節する。正常な細胞と悪性細胞との両方の、成長および増殖が、FGF(オートクラインおよびパラクリン因子として働く細胞外シグナル伝達分子)の局所濃度の変化の影響を受ける。オートクラインFGFシグナル伝達は、ステロイドホルモン依存性がんがホルモン非依存状態に進行する際に、特に重要であり得る(Powersら,(2000)Endocr.Relat.Cancer,7,165−197)。
2つの典型的なメンバーは、酸性線維芽細胞増殖因子(aFGFまたはFGF1)および塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGFまたはFGF2)であり、そして現在までに、少なくとも20の異なるFGFファミリーメンバーが同定されている。FGFに対する細胞応答は、1〜4の番号が付けられた、4つの型の高親和性膜貫通プロテインチロシンキナーゼ線維芽細胞増殖因子レセプター(FGFR)(FGFR1〜FGFR4)を介して伝達される。リガンドが結合すると、これらのレセプターは二量化し、そして特定の細胞質チロシン残基を自己リン酸化またはリン酸基転移させて、細胞内シグナルを伝達し、この細胞内シグナルが最終的に、核の転写因子エフェクターを調節する。
FGFRを阻害する化合物は、特に新脈管形成を阻害することによって、腫瘍において、増殖を予防するか、またはアポトーシスを誘導する手段を提供するのに有用である。従って、これらの化合物は、がんなどの増殖性障害を処置または予防するのに有用であることが示されると予測される。特に、レセプターチロシンキナーゼの活性化変異体、またはレセプターチロシンキナーゼの上方調節を伴う腫瘍は、これらの阻害剤に対して特に感受性であり得る。
種々の研究が、FGFR4キナーゼ活性またはそのリガンドFGF 19のいずれかを、抗体アンタゴニストで標的化することが、細胞株モデルにおいて、増殖を阻害し、そしてアポトーシスを誘導することを記載している。Hoら(2009)Journal of Hepatology,50は、FGFR4遺伝子に共通の多形を有する患者のうちの3分の1が、高レベルのmRNAを発現し、そしてこれらの腫瘍は、肝細胞癌マーカーであるα−フェトプロテインの高い分泌レベルに関連することを示した。
特定の実施形態において、本発明は、FGFR4またはその変異体の活性を、患者または生物学的サンプルにおいて阻害する方法を提供し、この方法は、本発明による化合物を、この患者に投与する工程、またはこの生物学的サンプルと接触させる工程を包含する。
特定の実施形態において、このFGFR4またはその変異体の活性は、不可逆的に阻害される。特定の実施形態において、FGFR4またはその変異体の活性は、FGFR4のCys 552を共有結合により修飾することによって、不可逆的に阻害される。
特定の実施形態において、本発明は、FGFR4により媒介される障害の処置を必要とする患者において、FGFR4により媒介される障害を処置する方法を提供し、この方法は、この患者に、本発明による化合物またはその薬学的に受容可能な組成物を投与する工程を包含する。
いくつかの実施形態において、本発明は、肝細胞癌の処置を必要とする患者において、肝細胞癌を処置する方法を提供し、この方法は、この患者に、本発明による化合物またはその薬学的に受容可能な組成物を投与する工程を包含する。
いくつかの実施形態において、本発明は、横紋筋肉腫、食道がん、乳がん、または頭部もしくは頚部のがんの処置を必要とする患者において、横紋筋肉腫、食道がん、乳がん、または頭部もしくは頚部のがんを処置する方法を提供し、この方法は、この患者に、本発明による化合物またはその薬学的に受容可能な組成物を投与する工程を包含する。
本明細書で用いる「耐性」という用語は、標的タンパク質をコード化する野生型核酸配列および/または標的のタンパク質配列の変化であって、阻害剤の標的タンパク質に対する阻害効果を低減させるかまたは終わらせる変化を指す。
本明細書で用いる「処置(treatment)」、「処置する(treat)」および「処置する(treating)」という用語は、本明細書で説明するような疾患または障害あるいは1つまたは複数のその症状の発症を逆転、緩和、遅延させるか、あるいはその進行を阻止することを指す。いくつかの実施形態では、処置は、1つまたは複数の症状が発症した後に施される。他の実施形態では、処置は、症状がまだ無いうちに施される。例えば、処置は、症状の発症前にその病気にかかりやすい個体に(例えば、病歴に照らして、かつ/または遺伝的因子または他の感受性因子に照らして)施される。例えばその再発を防止するまたは遅延させるために、症状が解消した後も処置が続行される。
本発明の方法による化合物および組成物は、上に与えられた障害を処置するかまたはその重篤度を軽減するのに有効な任意の量および任意の投与経路を用いて投与される。必要とされる正確な量は、対象の種、年齢および全身状態、感染症の重篤度、具体的な薬剤、その投与方式などによって対象毎に変わることになる。発明の化合物は、好ましくは、投与を容易にし投薬を均一にする投薬単位形態で製剤化する。本明細書で用いる「投薬単位形態」という表現は、治療を受ける患者に適した物理的に離散した薬剤の単位を指す。しかし、本発明の化合物および組成物の合計日用量は、健全な医学的判断の範囲内で、担当医によって判断されることになることを理解されよう。特定の任意の患者または生命体のための具体的な有効量レベルは、治療を受ける障害およびその障害の重篤度;使用する具体的な化合物の活性;使用する具体的な組成物;患者の年齢、体重、全体的な健康、性別および食事;使用する具体的な化合物の投与時間、投与経路および排出速度;治療の期間;使用する具体的な化合物と併用するかまたは同時に使用する薬物を含む様々な因子、ならびに医学的技術分野で周知の同様の因子に依存することになる。
本発明の薬学的に受容可能な組成物は、治療を受ける感染症の重篤度に応じて、経口、経直腸、非経口、嚢内、経膣、腹腔内、局所(粉剤、軟膏剤または滴下剤(drop))、頬側で、また、経口または経鼻スプレーなどでヒトや他の動物に投与される。特定の実施形態では、本発明の化合物は、所望の治療効果を得るために、1日に対象体重当たり約0.01mg/kg〜約50mg/kg、好ましくは約1mg/kg〜約25mg/kgの投薬レベルで、日に1回または複数回、経口または非経口で投与することができる。
経口投与用の液体剤形には、これらに限定されないが、薬学的に受容可能な乳剤、マイクロエマルジョン、液剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤が含まれる。活性化合物に加えて、液体剤形は、当業界で通常用いられる不活性希釈剤、例えば水または他の溶媒、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、オイル(具体的には、綿実油、ラッカセイ油、コーンオイル、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステルならびにその混合物などの可溶化剤および乳化剤などを必要に応じて含む。不活性希釈剤の他に、経口組成物は、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、甘味剤、香味剤ならびに芳香剤などの補助剤も含むことができる。
注射用製剤、例えば滅菌した水性または油性の注射用懸濁剤は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて当分野の公知の技術によって製剤化される。滅菌注射用製剤は、非毒性の非経口的に許容される希釈剤もしくは溶媒中の滅菌注射用の液剤、懸濁剤または乳剤、例えば1,3−ブタンジオール中の液剤である。使用できる許容される媒体および溶媒には、水、リンガー溶液,U.S.P.および等張性塩化ナトリウム溶液がある。さらに、滅菌固定油は、溶媒または懸濁化媒体として慣用的に使用される。そのために、合成モノ−またはジグリセリドを含む任意の滅菌固定油を用いることができる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸が、注射用物質の製剤で使用される。
注射用製剤は、例えば、細菌保持フィルターで濾過するか、あるいは、使用前に滅菌水または滅菌注射用媒体中に溶解または分散させることができる滅菌固体組成物の形態の滅菌剤を混ぜ込むことによって滅菌することができる。
本発明の化合物の作用を持続させるために、皮下または筋肉内注射による化合物の吸収を遅延させることがしばしば望ましい。これは、水への溶解性の低い結晶性または無定型の物質の懸濁液を使用することによって実現される。化合物の吸収速度はその溶解速度に依存する。したがってその速度は結晶サイズや結晶形態に依存する。あるいは、非経口で投与された化合物形態の吸収を遅延させることは、それを油性媒体に溶解または懸濁させることによって実現される。注射用デポー形態は、ポリラクチド−ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中に、化合物のマイクロカプセル化マトリックスを形成させることによって作製される。化合物とポリマーの比、および使用する具体的なポリマーの特性に応じて、化合物の放出速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例には、ポリ(オルトエステル)およびポリ(酸無水物)が含まれる。デポー注射用製剤は、生体組織に適合するリポソームまたはマイクロエマルジョン中に化合物を取り込むことによっても調製される。
経直腸または経膣投与のための組成物は、本発明の化合物を、周囲温度では固体であるが体温で液体であり、したがって、直腸または膣腔内で溶融して活性化合物を放出する、ココアバター、ポリエチレングリコールまたは坐薬用ワックスなどの適切な非刺激性の賦形剤またはキャリアと混合することによって調製することができる。
経口投与用の固体剤形には、カプセル剤、錠剤、丸薬、粉剤および顆粒剤が含まれる。このような固体剤形では、活性化合物を、少なくとも1つの薬学的に受容可能な不活性な賦形剤またはキャリア、例えばクエン酸ナトリウムまたは第二リン酸カルシウム、および/または、a)フィラーすなわち増量剤、例えばでんぷん、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよびケイ酸、b)結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロースおよびアカシア、c)保湿剤、例えばグリセロール、d)崩壊剤、例えば寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカでんぷん、アルギン酸、ある種のケイ酸塩、および炭酸ナトリウム、e)溶解遅延剤、例えばパラフィン、f)吸収促進剤、例えば四級アンモニウム化合物、g)湿潤剤、例えばセチルアルコールおよびグリセロールモノステアレート、h)吸収剤、例えばカオリンおよびベントナイト粘土、ならびに、i)滑剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムおよびその混合物と混合させる。カプセル剤、錠剤および丸薬の場合、その剤形は緩衝剤を必要に応じて含む。
同様の種類の固体組成物は、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量のポリエチレングリコールなどの賦形剤を用いて、軟質および硬質のゼラチンカプセル中のフィラーとして用られる。固体剤形の錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸薬および顆粒剤は、腸溶コーティングおよび製薬技術分野で周知の他のコーティングなどのコーティングおよびシェルを用いて調製することができる。それらは、必要に応じて乳白剤を含み、また、必要に応じて遅延した形で、腸管内の特定の部分において、活性成分だけか、またはそれを優先して放出する組成物でできていてもよい。使用できる埋め込み型組成物の例には、高分子物質およびワックスが含まれる。同種の固体組成物は、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量のポリエチレングリコールなどの賦形剤を用いて、軟質および硬質のゼラチンカプセル中のフィラーとして用られる。
活性化合物は、上記したような1つまたは複数の賦形剤でマイクロカプセル化した形態であってもよい。固体剤形の錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸薬および顆粒剤は、腸溶コーティング、放出制御コーティングおよび製薬技術分野で周知の他のコーティングなどのコーティングおよびシェルを用いて調製することができる。このような固体剤形では、活性化合物を、スクロース、ラクトースまたはでんぷんなどの少なくとも1つの不活性希釈剤と混合することができる。このような剤形は、通常実施されるように、不活性希釈剤以外の他の物質、例えば、ステアリン酸マグネシウムや微結晶性セルロースのような錠剤化用滑剤および他の錠剤化用助剤も含む。カプセル剤、錠剤および丸薬の場合、その剤形は緩衝剤を必要に応じて含む。それらは必要に応じて乳白剤を含み、また、必要に応じて遅延した形で、腸管内の特定の部分において、活性成分だけを放出するか、またはそれを優先して放出する組成物でできていてもよい。使用できる埋め込み型組成物の例には、高分子物質およびワックスが含まれる。
本発明の化合物の局所または経皮投与のための剤形は、軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、粉剤、液剤、噴霧剤、吸入剤またはパッチ剤を含む。活性成分は、無菌条件下で、薬学的に受容可能なキャリア、必要に応じて任意の所要保存剤または緩衝剤と混合する。眼科用製剤、点耳剤および点眼剤も考えられ、これらも本発明の範囲内である。さらに、本発明は、身体に化合物を制御放出するという追加的な利点を有する経皮パッチ剤の使用を考慮する。このような剤形は、適切な媒体中に化合物を溶解または分散させて調製することができる。吸収促進剤を用いて、皮膚を通る化合物のフラックスを増大させることもできる。その速度は、速度制御膜を提供するか、またはポリマーマトリックスもしくはゲル中に化合物を分散させることによって制御することができる。
一実施形態によれば、本発明は、生物学的サンプルにおけるプロテインキナーゼ活性を阻害する方法であって、前記生物学的サンプルを本発明の化合物または前記化合物を含む組成物と接触させるステップを含む方法に関する。
別の実施形態によれば、本発明は、FGFR4またはその変異体の活性を、生物学的サンプルにおいて阻害する方法に関し、この方法は、この生物学的サンプルを、本発明の化合物またはこの化合物を含有する組成物と接触させる工程を包含する。特定の実施形態において、本発明は、FGFR4またはその変異体の活性を、生物学的サンプルにおいて不可逆的に阻害する方法に関し、この方法は、この生物学的サンプルを、本発明の化合物またはこの化合物を含有する組成物と接触させる工程を包含する。
本明細書で用いる「生物学的サンプル」という用語は、これらに限定されないが、細胞培養物またはその抽出物;哺乳動物から得られた生検材料またはその抽出物;および血液、唾液、尿、糞便、精液、涙液または他の体液もしくはその抽出物を含む。
生物学的サンプルにおけるFGFR4またはその変異体の活性の阻害は、当業者に公知の様々な目的に有用である。このような目的の例は、これらに限定されないが、輸血、臓器移植、生物学的サンプルの保管および生物学的アッセイを含む。
本発明の別の実施形態は、患者においてプロテインキナーゼ活性を阻害する方法に関し、この方法は、この患者に、本発明の化合物、またはこの化合物を含有する組成物を投与する工程を包含する。
別の実施形態によれば、本発明は、FGFR4またはその変異体の活性を患者において阻害する方法に関し、この方法は、この患者に、本発明の化合物またはこの化合物を含有する組成物を投与する工程を包含する。特定の実施形態によれば、本発明は、FGFR4またはその変異体の活性を患者において不可逆的に阻害する方法に関し、この方法は、この患者に、本発明の化合物またはこの化合物を含有する組成物を投与する工程を包含する。他の実施形態において、本発明は、FGFR4またはその変異体により媒介される障害の処置を必要とする患者において、FGFR4またはその変異体により媒介される障害を処置する方法を提供し、この方法は、この患者に、本発明による化合物またはその薬学的に受容可能な組成物を投与する工程を包含する。このような障害は、本明細書中に詳細に記載されている。
本発明の化合物またはその医薬組成物は、人工器官、人工弁、代用血管、ステントおよびカテーテルなどの埋め込み型医療用具をコーティングするための組成物中に必要に応じて混ぜ込まれる。例えば、再狭窄(損傷後、血管壁が再度狭まること)を克服するために血管ステントが使用される。しかし、ステントまたは他の埋め込み型用具を使用する患者は、血栓形成または血小板活性化の危険を冒すことになる。キナーゼ阻害剤を含む薬学的に受容可能な組成物でプレコーティングすることによって、これらの望ましくない影響が防止されるかまたはそれが緩和される。本発明の化合物でコーティングされた埋め込み型用具は本発明の別の実施形態である。
5.プローブ化合物
特定の局面において、本発明の化合物は、検出可能部分につなぎ止められて、プローブ化合物を形成する。1つの局面において、本発明のプローブ化合物は、本明細書中に記載されるような任意の式の不可逆的プロテインキナーゼ阻害剤、検出可能部分、およびこの阻害剤をこの検出可能部分に結合させるつなぎ止め部分(tethering moiety)を含む。
本明細書で用いる「検出可能部分」という用語は、「標識」および「リポーター」という用語と互換的に使用され、検出することができる任意の部分、例えば一次標識および二次標識に関係する。検出可能部分の存在は、検討中の系の検出可能部分を定量化する(絶対的、概略的または相対的に)方法を用いて測定することができる。いくつかの実施形態では、このような方法は当業者に周知であり、それらには、リポーター部分(例えば、標識、染料、光架橋剤、細胞毒性化合物、薬物、親和性標識、光親和性標識、反応性化合物、抗体または抗体断片、生体材料、ナノ粒子、スピン標識、フルオロフォア、金属含有部分、放射性部分、量子ドット、新規な官能基、他の分子と共有結合的に結合するかまたは非共有結合的に相互作用する基、光ケージ(photocaged)部分、化学線励起性部分、リガンド、光異性化性部分、ビオチン、ビオチン類似体(例えば、ビオチンスルホキシド)、重原子を組み込んでいる部分、化学的開裂性基、光開裂性基、レドックス活性剤、同位体的に標識化された部分、生物物理学的プローブ、リン光性基、化学発光基、高電子密度基、磁性基、挿入基、発色団、エネルギー移動剤、生物学的活性剤、検出可能な標識および上記の任意の組合せ)を定量化する任意の方法が含まれる。
本明細書で用いる「二次標識」という用語は、検出可能なシグナルを生成するのに第2の中間体の存在を必要とするビオチンや様々なタンパク質抗原などの部分を指す。ビオチンについては、その二次中間体はストレプトアビジン−酵素複合体を含む。抗原標識については、二次中間体は抗体−酵素複合体を含む。非放射性蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)の過程でエネルギーを別の基に移動させ、第2の基が検出されるシグナルを生成するので、いくつかの蛍光基は二次標識として作用する。
本明細書で用いる「蛍光標識」、「蛍光染料」および「フルオロフォア」という用語は、所定の励起波長で光エネルギーを吸収し、別の波長で光エネルギーを放出する部分を指す。蛍光標識の例には、これらに限定されないが:Alexa Fluor染料(Alexa Fluor350、Alexa Fluor488、Alexa Fluor532、Alexa Fluor546、Alexa Fluor568、Alexa Fluor594、Alexa Fluor633、Alexa Fluor660およびAlexa Fluor680)、AMCA、AMCA−S、BODIPY染料(BODIPY FL、BODIPY R6G、BODIPY TMR、BODIPY TR、BODIPY493/503、BODIPY530/550、BODIPY558/568、BODIPY564/570、BODIPY576/589、BODIPY581/591、BODIPY630/650、BODIPY650/665)、カルボキシローダミン6G、カルボキシ−X−ローダミン(ROX)、カスケードブルー、カスケードイエロー、クマリン343、シアニン染料(Cy3、Cy5、Cy3.5、Cy5.5)、ダンシル、Dapoxyl、ジアルキルアミノクマリン、4’,5’−ジクロロ−2’,7’−ジメトキシ−フルオレセイン、DM−NERF、エオシン、エリトロシン、フルオレセイン、FAM、ヒドロキシクマリン、IRDyes(IRD40、IRD700、IRD800)、JOE、リサミンローダミンB、マリーナブルー、メトキシクマリン、ナフトフルオレセイン、Oregon Green488、Oregon Green500、Oregon Green514、Pacific Blue、PyMPO、ピレン、ローダミンB、ローダミン6G、ローダミングリーン、ローダミンレッド、Rhodol Green、2’,4’,5’,7’−テトラ−ブロモスルホン−フルオレセイン、テトラメチル−ローダミン(TMR)、カルボキシテトラメチルローダミン(TAMRA)、Texas Red、Texas Red−X、5(6)−カルボキシフルオレセイン、2,7−ジクロロフルオレセイン、N,N−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−3,4:9,10−ペリレンビス(ジカルボキシイミド、HPTS、エチルエオシン、DY−490XL MegaStokes、DY−485XL MegaStokes、Adirondack Green520、ATTO465、ATTO488、ATTO495、YOYO−1,5−FAM、BCECF、ジクロロフルオレセイン、ローダミン110、ローダミン123、YO−PRO−1、SYTOX Green、Sodium Green、SYBR Green I、Alexa Fluor500、FITC、Fluo−3、Fluo−4、フルオロエメラルド、YoYo−1 ssDNA、YoYo−1 dsDNA、YoYo−1、SYTO RNASelect、Diversa Green−FP、ドラゴングリーン、EvaGreen、Surf Green EX、スペクトルグリーン、NeuroTrace500525、NBD−X、MitoTracker Green FM、LysoTracker Green DND−26、CBQCA、PA−GFP(ポスト活性化)、WEGFP(ポスト活性化)、FlASH−CCXXCC、単量体アザミグリーン、アザミグリーン、緑色蛍光タンパク質(GFP)、EGFP(Campbell Tsien 2003)、EGFP(Patterson 2001)、カエデグリーン、7−ベンジルアミノ−4−ニトロベンズ−2−オキサ−1,3−ジアゾール、Bexl、ドキソルビシン、ルミオグリーンおよびSuperGlo GFPが含まれる。
本明細書で用いる「質量タグ」という用語は、質量分析(MS)検出技術を用いてその質量によって独自の検出可能部分を指す。質量タグの例には、N−[3−[4’−[(p−メトキシテトラフルオロベンジル)オキシ]フェニル]−3−メチルグリセロニル]イソニペコチン酸、4’−[2,3,5,6−テトラフルオロ−4−(ペンタフルオロフェノキシル)]メチルアセトフェノンおよびその誘導体などのエレクトロフォア(electrophore)放出タグが含まれる。これらの質量タグの合成および有用性については、米国特許第4,650,750号、同第4,709,016号、同第5,360,8191号、同第5,516,931号、同第5,602,273号、同第5,604,104号、同第5,610,020号および同第5,650,270号に記載されている。質量タグの他の例には、これらに限定されないが、ヌクレオチド、ジデオキシヌクレオチド、様々な長さおよび塩基組成のオリゴヌクレオチド、オリゴペプチド、オリゴサッカリドおよび様々な長さとモノマー組成の他の合成ポリマーが含まれる。適切な質量範囲(100〜2000ダルトン)の中性のものおよび荷電したもの両方の多種多様の有機分子(生体分子または合成化合物)も質量タグとして使用される。安定した同位元素(例えば、13C、2H、17O、18Oおよび15N)も質量タグとして使用される。
本明細書で用いる「化学発光基」という用語は、化学反応の結果として熱を加えることなく光を放出する基を指す。一例として、ルミノール(5−アミノ−2,3−ジヒドロ−1,4−フタラジンジオン)は、塩基および金属触媒の存在下で、過酸化水素(H2O2)のような酸化剤と反応して励起状態の生成物(3−アミノフタレート、3−APA)を生成する。
本明細書で用いる「高電子密度基」という用語は、電子ビームを浴びたとき電子を散乱させる基を指す。このような基には、これらに限定されないが、モリブデン酸アンモニウム、次硝酸ビスマス、ヨウ化カドミウム、カルボヒドラジド、塩化第二鉄六水和物、ヘキサメチレンテトラミン、無水三塩化インジウム、硝酸ランタン、酢酸鉛三水和物、クエン酸鉛三水和物、硝酸鉛、過ヨウ素酸、リンモリブデン酸、リンタングステン酸、フェリシアン化カリウム、フェロシアン化カリウム、ルテニウムレッド、硝酸銀、「強い」プロテイン銀(Agアッセイ:8.0〜8.5%)、テトラフェニルポルフィン銀(S−TPPS)、塩化金酸ナトリウム、タングステン酸ナトリウム、硝酸タリウム、チオセミカルバジド(TSC)、酢酸ウラニル、硝酸ウラニルおよび硫酸バナジルが含まれる。
本明細書で用いる「エネルギー移動剤」という用語は、別の分子にエネルギーを供与するかそれからエネルギーを受け取る分子を指す。一例として、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)は、それによって蛍光供与体分子の励起状態エネルギーが非放射活性的に非励起受容体分子へ移動し、次いで、より長い波長で供与されたエネルギーを蛍光的に発する双極子−双極子結合過程である。
本明細書で用いる「重原子を組み込んでいる部分」という用語は、一般に炭素より重い原子のイオンを組み込んでいる基を指す。いくつかの実施形態では、このようなイオンまたは原子には、これらに限定されないが、ケイ素、タングステン、金、鉛およびウランが含まれる。
本明細書で用いる「放射性部分」という用語は、その原子核が、自然発生的にα粒子、β粒子またはγ粒子などの放射線を発する基を指す;ここで、α粒子はヘリウムの原子核であり、β粒子は電子であり、γ粒子は高エネルギー光子である。
本明細書で用いる「スピン標識」という用語は、いくつかの実施形態では電子スピン共鳴分光法によって検出され、他の実施形態では別の分子と結合する不対電子スピン(すなわち、安定なパラ磁性基)を示す原子または原子のグループを含む分子を指す。このようなスピン−標識分子には、これらに限定されないが、ニトリルラジカルおよびニトロキシドが含まれ、いくつかの実施形態では、それらは一重スピン標識または二重スピン標識である。
本明細書で用いる「量子ドット」という用語は、いくつかの実施形態では、近赤外で検出され、著しく高い量子収量を有する(すなわち、弱い照射で非常に高い輝度をもたらす)コロイド状半導体ナノ結晶を指す。
当業者は、検出可能部分が適切な置換基を介して提供化合物と結合することを理解されよう。本明細書で用いる「適切な置換基」という用語は、検出可能部分と共有結合的に結合する部分を指す。このような部分は当業者に周知であり、これらには、若干挙げると、例えばカルボキシレート部分、アミノ部分、チオール部分またはヒドロキシル部分を含む基が含まれる。このような部分は、提供化合物と直接結合していても、また、二価の飽和または不飽和炭化水素鎖などのつなぎ止め部分を介していてもよいことを理解されよう。
いくつかの実施形態では、検出可能部分は、提供化合物とクリック化学によって結合する。いくつかの実施形態では、このような部分は、必要に応じて銅触媒の存在下、アルキンとのアジドの1,3−付加環化によって結合する。クリック化学を用いる方法は当業界で公知であり、それらには、Rostovtsevら、Angew.Chem.Int.Ed.2002年、41巻、2596〜99頁およびSunら、Bioconjugate Chem.、2006年、17巻、52〜57頁に記載されているものが含まれる。いくつかの実施形態では、クリックレディ(click ready)阻害剤部分が提供され、クリックレディ−T−Rt部分と反応する。本明細書で用いる「クリックレディ」という用語は、クリック化学反応で使用するためのアジドまたはアルキンを含む部分を指す。いくつかの実施形態では、クリックレディ阻害剤部分はアジドを含む。特定の実施形態では、クリックレディ−T−Rt部分は、銅を用いないクリック化学反応において使用するための歪みシクロオクチンを含む(例えば、Baskinら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA2007年、104巻、16793〜16797頁に記載されている方法を用いて)。
上で一般的に述べたように、提供されるプローブ化合物は、不可逆的阻害剤を検出可能部分と結合させるつなぎ止め部分−T−を含む。本明細書で用いる「つなぎ止める」または「つなぎ止め部分」という用語は、任意の二価の化学スペーサーを指す。例示的なつなぎ止め部分は、共有結合、ポリマー、水溶性ポリマー、必要に応じて置換されたアルキル、必要に応じて置換されたヘテロアルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクロアルキル、必要に応じて置換されたシクロアルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクリル、必要に応じて置換されたヘテロシクロアルキルアルキル、必要に応じて置換されたヘテロシクロアルキルアルケニル、必要に応じて置換されたアリール、必要に応じて置換されたヘテロアリール、必要に応じて置換されたヘテロシクロアルキルアルケニルアルキル、必要に応じて置換されたアミド部分、エーテル部分、ケトン部分、エステル部分、必要に応じて置換されたカルバメート部分、必要に応じて置換されたヒドラゾン部分、必要に応じて置換されたヒドラジン部分、必要に応じて置換されたオキシム部分、ジスルフィド部分、必要に応じて置換されたイミン部分、必要に応じて置換されたスルホンアミド部分、スルホン部分、スルホキシド部分、チオエーテル部分またはその任意の組合せである。
他の実施形態では、つなぎ止め部分は、検出可能部分とプロテインキナーゼ阻害剤部分との間に十分な空間的隔たりを提供する。他の実施形態では、つなぎ止め部分は安定である。さらに他の実施形態では、つなぎ止め部分は、検出可能部分の応答に実質的に影響を及ぼさない。他の実施形態では、つなぎ止め部分は、プローブ化合物に化学的安定性を提供する。他の実施形態では、つなぎ止め部分はプローブ化合物に十分な溶解性を提供する。
いくつかの実施形態では、水溶性ポリマーはポリ(エチレングリコール)部分を含む。他の実施形態では、そのポリマーの分子量は、広い範囲にわたる。例示的な範囲は、約100Da〜約100,000Daまたはそれ以上である。さらに他の実施形態では、ポリマーの分子量は、約100Da〜約100,000Da、約100,000Da、約95,000Da、約90,000Da、約85,000Da、約80,000Da、約75,000Da、約70,000Da、約65,000Da、約60,000Da、約55,000Da、約50,000Da、約45,000Da、約40,000Da、約35,000Da、30,000Da、約25,000Da、約20,000Da、約15,000Da、約10,000Da、約9,000Da、約8,000Da、約7,000Da、約6,000Da、約5,000Da、約4,000Da、約3,000Da、約2,000Da、約1,000Da、約900Da、約800Da、約700Da、約600Da、約500Da、約400Da、約300Da、約200Daおよび約100Daである。いくつかの実施形態では、ポリマーの分子量は約100Da〜50,000Daである。いくつかの実施形態では、ポリマーの分子量は約100Da〜40,000Daである。いくつかの実施形態では、ポリマーの分子量は約1,000Da〜40,000Daである。いくつかの実施形態では、ポリマーの分子量は約5,000Da〜40,000Daである。いくつかの実施形態では、ポリマーの分子量は約10,000Da〜40,000Daである。いくつかの実施形態では、ポリ(エチレングリコール)分子は分岐ポリマーである。他の実施形態では、分枝鎖PEGの分子量は、約1,000Da〜約100,000Daである。例示的な範囲は、約100,000Da、約95,000Da、約90,000Da、約85,000Da、約80,000Da、約75,000Da、約70,000Da、約65,000Da、約60,000Da、約55,000Da、約50,000Da、約45,000Da、約40,000Da、約35,000Da、約30,000Da、約25,000Da、約20,000Da、約15,000Da、約10,000Da、約9,000Da、約8,000Da、約7,000Da、約6,000Da、約5,000Da、約4,000Da、約3,000Da、約2,000Daおよび約1,000Daである。いくつかの実施形態では、分枝鎖PEGの分子量は、約1,000Da〜約50,000Daである。いくつかの実施形態では、分枝鎖PEGの分子量は、約1,000Da〜約40,000Daである。いくつかの実施形態では、分枝鎖PEGの分子量は、約5,000Da〜約40,000Daである。いくつかの実施形態では、分枝鎖PEGの分子量は、約5,000Da〜約20,000Daである。実質的に水溶性の骨格鎖についての上記リストは決して包括的なものではなく単に例示のためであり、いくつかの実施形態では、上記した品質を有するポリマー材料は、本明細書で説明する方法および組成物で使用するのに適している。
いくつかの実施形態では、提供されるプローブ化合物は、プロテインキナーゼのリン酸化された立体配座を共有結合的に修飾する。一態様では、プロテインキナーゼのリン酸化された立体配座は、プロテインキナーゼの活性形態かまたはその不活性形態である。特定の実施形態では、プロテインキナーゼのリン酸化された立体配座は前記キナーゼの活性形態である。特定の実施形態では、プローブ化合物は細胞透過性である。
いくつかの実施形態では、本発明は、患者における、提供される不可逆的阻害剤(すなわち、本明細書中に与えられる式のいずれかの化合物)によるプロテインキナーゼの占有率を測定する方法であって、少なくとも1用量の前記不可逆的阻害剤の化合物を投与された患者から得られる1つまたは複数の組織、細胞型またはその溶解物を提供するステップと、前記組織、細胞型またはその溶解物をプローブ化合物(すなわち、式I−tの化合物)と接触させて前記溶解物中に存在する少なくとも1つのプロテインキナーゼを共有結合的に修飾させるステップと、プローブ化合物によって共有結合的に修飾された前記プロテインキナーゼの量を測定し、前記化合物による前記プロテインキナーゼの占有率を前記プローブ化合物による前記プロテインキナーゼの占有率と比較して判定するステップとを含む方法を提供する。特定の実施形態では、上記方法は、プロテインキナーゼの占有率が増大するように、本明細書中に与えられる式の化合物の用量を調節するステップをさらに含む。特定の他の実施形態では、上記方法は、プロテインキナーゼの占有率が減少するように、本明細書中に与えられる式の化合物の用量を調節するステップをさらに含む。
本明細書で用いる「占有率」または「占有する」という用語は、プロテインキナーゼが、提供される共有結合阻害剤化合物によって修飾されたその度合いを指す。当業者は、所望のプロテインキナーゼ有効占有率が達成される最も少ない用量を投与することが望ましいことを理解されよう。
いくつかの実施形態では、本発明は、哺乳動物における、提供される不可逆的阻害剤の効力を評価するための方法であって、提供される不可逆的阻害剤をその哺乳動物に投与するステップと、提供されるプローブ化合物を、哺乳動物から単離された組織もしくは細胞またはその溶解物に投与するステップと、プローブ化合物の検出可能部分の活性を測定するステップと、その検出可能部分の活性を標準品のそれと比較するステップを含む方法を提供する。
他の実施形態では、本発明は、哺乳動物における、提供される不可逆的阻害剤の薬物動態を評価するための方法であって、提供される不可逆的阻害剤をその哺乳動物に投与するステップと、本明細書で提供するプローブ化合物を、哺乳動物から単離された1つまたは複数の細胞型またはその溶解物に投与するステップと、プローブ化合物の検出可能部分の活性を、阻害剤の投与に続いて異なる時点で測定するステップを含む方法を提供する。
さらに他の実施形態では、本発明は、前記プロテインキナーゼを本明細書で説明するプローブ化合物と接触させるステップを含む、インビトロでプロテインキナーゼを標識化する方法を提供する。一実施形態では、その接触させるステップは、プロテインキナーゼを、本明細書で提供するプローブ化合物でインキュベートするステップを含む。
特定の実施形態では、本発明は、プロテインキナーゼを発現する1つまたは複数の細胞または組織あるいはその溶解物を本明細書で説明するプローブ化合物と接触させるステップを含む、インビトロでプロテインキナーゼを標識化する方法を提供する。
特定の他の実施形態では、本発明は、本明細書で説明するプローブ化合物で標識化されたプロテインキナーゼを含むタンパク質を、電気泳動法により分離し、蛍光発光法によりプローブ化合物を検出することを含む、標識化されたプロテインキナーゼを検出する方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、インビトロで、提供される不可逆的阻害剤の薬物動態を評価する方法であって、提供される不可逆的阻害剤を標的プロテインキナーゼでインキュベートするステップと、本明細書で提供するプローブ化合物を標的プロテインキナーゼに添加するステップと、プローブ化合物により修飾された標的の量を判定するステップを含む方法を提供する。
いくつかの実施形態では、そのプローブをウエスタンブロット法で検出する。他の実施形態では、プローブをELISA法で検出する。特定の実施形態では、プローブをフローサイトメトリーで検出する。
他の実施形態では、本発明は、カイノーム(kinome)を不可逆的阻害剤でプローブする方法であって、1つまたは複数の細胞型またはその溶解物をビオチン化プローブ化合物でインキュベートしてビオチン部分で修飾されたタンパク質を産生させるステップと、タンパク質を消化するステップと、アビジンまたはその類似体で捕獲するステップと、多次元LC−MS−MSを実施してプローブ化合物で修飾されたプロテインキナーゼおよび前記キナーゼの付加部位を特定するステップを含む方法を提供する。
特定の実施形態では、本発明は、細胞中のタンパク質合成を測定する方法であって、細胞を、標的タンパク質の不可逆的阻害剤でインキュベートするステップと、特定の時点で細胞の溶解物を生成させるステップと、前記細胞溶解物を本発明のプローブ化合物でインキュベートして長期間にわたって遊離タンパク質の出現を測定するステップ含む方法を提供する。
他の実施形態では、本発明は、標的プロテインキナーゼの占有率を最大化するために、哺乳動物における投薬スケジュールを決定するための方法であって、本明細書中に与えられる式のいずれかの提供される不可逆的阻害剤を投与された哺乳動物から単離された1つまたは複数の細胞型またはその溶解物(例えば、哺乳動物からの脾細胞、末梢B細胞、全血、リンパ、腸組織または他の組織より得られた)をアッセイするステップを含み、そのアッセイするステップが、前記1つまたは複数の組織、細胞型またはその溶解物を提供されるプローブ化合物と接触させるステップと、プローブ化合物によって共有結合的に修飾されたプロテインキナーゼの量を測定するステップ含む方法を提供する。
例示
以下の実施例に示すように、特定の例示的実施形態では、化合物を以下の基本手順に従って調製する。この基本的方法は本発明の特定の化合物の合成を示すが、以下の基本的方法および当業者に公知の他の方法は、本明細書で説明するすべての化合物ならびにこれらの化合物のそれぞれの下位の部類および種に適用できることを理解されよう。
以下の実施例において利用される化合物番号は、上に記載される化合物番号に対応する。
以下の例示的な実施例において、他に記載されない限り、反応を、18℃〜25℃の範囲の室温または周囲温度で行った。有機溶液を、無水硫酸マグネシウムまたは硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして溶媒のエバポレーションを、ロータリーエバポレーターを使用して減圧下で行った。一般に、反応の経過をTLCまたはLCMSにより追跡したので、反応時間は代表的なものである。収率は、説明のみのために与えられるのであり、必ずしも、丹念なプロセス開発により得られ得るものである必要はない。1HNMRデータは、テトラメチルシラン(TMS)または残留溶媒に対するパーツパーミリオン(ppm)で与えられる、主要な特徴的プロトンについてのδ値である。1HNMRスペクトルを、400MHzで決定した。溶媒の比を、体積:体積(v/v)に換算して与える。質量分析(MS)データを、LCMSシステムで生成した。ここでHPLC成分は一般に、AgilentまたはShimadzu LCMS−2020 Instrumentのいずれかを含み、そしてSepax BR−C18(4.6x50mm,3um)カラムなどで、酸性溶出液で(例えば、0%〜95%の水Iアセトニトリル(0.1%のギ酸またはトリフルオロ酢酸を含む)の勾配を使用して)溶出して実行した。クロマトグラムは、エレクトロスプレー(ESI)ポジティブ、ネガティブ、および/またはUVであった。m/zについてのLCMS値を全体的に一般的に与え、親質量を示すイオンのみを報告する。他に記載されない限り、示される値は、陽イオンモードについて、(M+H)+または(M+1)+である。分取HPLCを、C18逆相シリカで、極性が次第に低下する混合物(例えば、水と、1%のトリフルオロ酢酸を含むアセトニトリルとの、極性が次第に低下する混合物)を溶出液として使用して、実施した。エナンチオ富化された中間体および最終化合物を「abs」により表し、そしてラセミ体アナログを「rac」により表す。エナンチオ富化された生成物および中間体を、キラルHPLCによって、CHIRALPAK AD−H(6×150mm,5um)カラムなどを使用して特徴付けた。これらは一般に、95:5以上のエナンチオマー比を有した。他に特定されない限り、出発物質は、市販で入手したか、または公知の方法に従って合成した。
TFA;トリフルオロ酢酸
THF;テトラヒドロフラン;
DMF;N,N−ジメチルホルムアミド
EtOAc;酢酸エチル
DCM;ジクロロメタン
DMSO;ジメチルスルホキシド
DIPEA;N,N−ジイソプロピルエチルアミン
TBAF;テトラ−n−ブチルアンモニウムフルオリド
DMAP;4−ジメチルアミノピリジン
NMO;N−メチルモルホリンN−オキシド
TBDPSCl:tert−ブチル(クロロ)ジフェニルシラン
NMP;N−メチル−2−ピロリドン
Ms;メシル,メタンスルホニル
SFC;超臨界流体クロマトグラフィー
er;エナンチオマー比
h:時間
min:分
aq:水性
sat:飽和
PBS;リン酸緩衝化生理食塩水
DTT;ジチオトレイトール
ATP;アデノシン三リン酸。
機械撹拌子を備え付けた1Lの3つ口フラスコに、ウラシル(45.0g,401mmol)およびパラホルムアルデヒド(14.5g,483mmol)を入れた。水酸化カリウムの溶液(0.5M,600mL,0.30mol)を一度に添加した。得られた混合物を55℃で一晩撹拌した。この混合物を氷水浴中で冷却し、そしてそのpHを12NのHClで6に調整した。生じた沈殿物を濾過により集め、そして乾燥させて、表題化合物(46.0g)を白色固体として得、これをさらに精製せずに次の工程で使用した。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6):δ 4.12 (d, 2H), 4.78 (t, 1H), 7.24 (s, 1H), 10.64 (s, 1H), 10.98 (s, 1H)。
工程2:中間体2
機械撹拌子を備え付けた500mLの3つ口フラスコに、中間体1(25.0g,176mmol)、トルエン(30mL)、およびオキシ塩化リン(125mL)を入れた。DIPEA(130mL)を10分間かけて滴下により添加した。得られた混合物を一晩加熱還流した。この溶液を濃縮し、そして得られた残渣を、冷却した(0℃)1.5MのHClにゆっくりと注ぎ、そしてEtOAcで抽出した。その有機相を水、飽和水性NaHCO
3、ブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、そして濃縮して、表題化合物(32.0g)を得、これをさらに精製せずに次の工程で使用した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 4.64 (s, 2H), 8.66 (s, 1H)。
工程3:中間体3
機械撹拌子を備え付けた500mLの3つ口フラスコに、中間体2(32.0g,111mmol)、アセトン(150mL)、NaI(26.5g,177mmol)を入れた。この混合物を周囲温度で15分間撹拌し、次いで30分間加熱還流した。この混合物を周囲温度まで冷却し、そして濾過して、生じた固体を除去した。その濾液を濃縮して、46.0gの表題化合物を得、これをさらに精製せずに次の工程で使用した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 4.39 (s, 2H), 8.60 (s, 1H)。
工程4:中間体4
中間体3(15.0g,47.9mmol)、3,5−ジメトキシアニリン(8.80g,57.4mmol)、およびK
2CO
3(14.4g,104mmol)のアセトン(150mL)中の混合物を周囲温度で一晩撹拌した。この溶液を氷水浴中で冷却し、そして濾過して、生じた固体を除去した。その濾液を濃縮し、そしてその残渣をEtOH(100mL)で摩砕し、次いで0℃で30分間撹拌した。その沈殿物を濾過により集め、そして乾燥させて、9.40gの表題化合物を得た。MS m/z:314.2 (M+H
+)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 3.73 (s, 6H), 4.22 (br s, 1H), 4.40 (s, 2H), 5.74 (d, 2H), 5.94 (t, 1H), 8.53 (s, 1H)。
工程5:中間体5
中間体4(9.40g,29.9mmol)、DIPEA(9.60g,74.3mmol)、およびMeNH
2HCl(2.40g,35.8mmol)のジオキサン(150mL)中の溶液を密封チューブ内60℃で一晩撹拌した。この溶液を周囲温度まで冷却した。DIPEA(9.60g,74.3mmol)を添加し、その後、ジオキサン(60mL)中のトリホスゲン(9.30g,31.3mmol)をゆっくりと添加した。この溶液を周囲温度で1時間撹拌し、その後、これを70℃で3時間加熱した。この溶液を濃縮し、水を添加し、そしてこの混合物を周囲温度で30分間撹拌した。生じた固体を濾過により集め、次いでMeOH/H
2O(135mL/15mL)に溶解させ、そして10分間加熱還流し、その後、この溶液を氷水浴中で冷却し、そして生じた固体を濾過により集め、冷MeOH/H
2O(v/v:18/2)で洗浄し、そして乾燥させて、表題化合物(5.80g)を得、これをさらに精製せずに次の工程で使用した。MS m/z:335.3 (M+H
+)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 3.46 (s, 3H), 3.79 (s, 6H), 4.74 (s, 2H), 6.41 (t, 1H), 6.46 (d, 2H), 8.12 (s, 1H)。
工程6:共通の中間体6
中間体5(5.50g,16.4mmol)のDCM(150mL)中の溶液を0℃まで冷却し、そしてDCM(20mL)中のSO
2Cl
2(4.70g,34.8mmol)を滴下により添加した。得られた混合物を0℃で1時間撹拌し、その後、これを飽和水性NaHCO
3に注ぎ、そしてその有機相を分離し、水、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、そして濃縮して、6.00gの表題化合物を得た。MS m/z:403.3 (M+H
+)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 3.47 (s, 3H), 3.95 (s, 6H), 4.65 (s, 2H), 6.62 (s, 1H), 8.12 (s, 1H)。
実施例2:共通の中間体8の合成
工程1:中間体2
中間体2を、文献の手順に従って、中間体1から調製した(EP2112150 A1,2009)。
工程2:中間体3
中間体2(2.10g,11.0mmol)の、140mLの1,4−ジオキサン中の懸濁物に、3−ニトロベンジルアミン塩酸塩(2.49g,13.2mmol)およびトリエチルアミン(5.22mL,37.5mmol)を添加した。この混合物を95℃で24時間撹拌した。さらなる3−ニトロベンジルアミン塩酸塩(208mg,1.10mmol)およびトリエチルアミン(3.08mL,22.1mmol)を添加し、そしてこの反応物を100℃で17時間撹拌した。この反応混合物を濃縮し、そしてその粗製生成物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーに供した(ヘプタン中50%〜100%のEtOAcの勾配で溶出)。次いで、得られた残渣をEtOAcで摩砕して、2.05gの表題化合物を得た。MS m/z:307.0 (M+H)
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ:8.18 (1H, s), 7.85 (1H, s), 7.74 (1H, d), 7.59 (2H, m), 5.11 (1H, t), 4.66 (2H, d), 4.35 (2H, d), 2.28 (3H, s)。
工程3:中間体4
中間体3(2.10g,6.69mmol)の、140mLのDCM中の溶液に、酸化マンガン(8.02g,53.5mmol)を添加し、そしてこの混合物を周囲温度で17時間撹拌した。この反応混合物をセライトで濾過し、DCMで洗浄し、そしてその濾液を減圧下で濃縮して、1.85gの表題化合物を得、これを精製せずに直接使用した。MS m/z:305.1 (M+H
+)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ:9.75 (1H, s), 9.08 (1H, br s), 8.38 (1H, s), 8.20 (1H, s), 8.15 (1H, d), 7.66 (1H, d), 7.52 (1H, t), 4.87 (2H, d), 2.48 (3H, s)。
工程4:中間体5
中間体4(500mg,1.64mmol)の、9mLのDCM中の溶液に、3,5−ジメトキシアニリン(229mg,1.49mmol)および酢酸(94.1μL,1.64mmol)をアルゴン下で添加した。この混合物を周囲温度で15分間撹拌し、その後、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(2×238mg,2.24mmol)を、間に15分間の間隔を開けて2回に分けて添加した。この反応物を周囲温度で17時間撹拌し、過剰なトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(476mg,2.24mmol)を添加し、そしてこの混合物をさらに6時間撹拌した。この反応を10mLの1MのNaOHでクエンチし(これは、気体の激しい発生を引き起こした)、その後、この混合物を15分間撹拌した。その水層をDCMで抽出し(3回)、そして合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、そして濃縮した。その粗製生成物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーに供し(ヘプタン中50%のEtOAcで溶出)、これにより、591mgの表題化合物を得た。MS m/z:442.1 (M+H)
+。
工程5:中間体6
中間体5(591mg,1.34mmol)の、6mLの2−MeTHF中の溶液に、トリホスゲン(437mg,1.47mmol)を添加し、その後、トリエチルアミン(578μL,4.15mmol)をアルゴン下でゆっくりと添加した。この混合物を周囲温度で1時間、次いで70℃で1.5時間撹拌した。この反応を飽和水性NaHCO
3/H
2O(12mL)の1:1の混合物でクエンチし、そして生じた固体を濾過により除去し、そしてEtOAcで洗浄した。その濾液の層を分離し、そしてその水性物質をEtOAc、その後、DCMで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、そして減圧中で濃縮した。その粗製生成物を、シリカゲルでの乾式フラッシュクロマトグラフィーに供した(ヘプタン中50%〜70%のEtOAcの勾配で溶出)。次いで、得られた残渣をEt
2Oで摩砕して、398mgの表題化合物を得た。MS m/z:468.0 (ES+, M+H
+)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ:8.34 (1H, s), 8.11 (2H, m), 7.80 (1H, d), 7.47 (1H, t), 6.47 (2H, d), 6.40 (1H, t), 5.38 (2H, s), 4.73 (2H, s), 3.77 (6H, s), 2.52 (3H, s)。
工程6:中間体7
中間体6(396mg,0.847mmol)の、7mLのMeCNおよび15mLのDCM中の冷(0℃)溶液に、塩化スルフリル(137μL,1.69mmol)を添加した。この反応物を0℃で15分間撹拌した。この反応を飽和水性NaHCO
3でクエンチし、そしてその水性物質をDCMで抽出した(2回)。合わせた有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、そして減圧中で濃縮して、452mgの表題生成物を得、これを精製せずに直接使用した。MS m/z:536.0 (H
+)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ:8.32 (1H, s), 8.09 (2H, m), 7.78 (1H, d), 7.46 (1H, t), 6.61 (1H, s), 5.38 (2H, s), 4.65 (2H, s), 3.94 (6H, s), 2.49 (3H, s)。
工程7:中間体8
中間体7(451mg,0.841mmol)の、10mLのDCM中の溶液に、mCPBA(228mg,0.925mmol)を添加した。この反応物を周囲温度で1時間撹拌し、次いで6mLの飽和水性NaHCO
3および4mLの2Mのチオ硫酸ナトリウムでクエンチした。この混合物を15分間撹拌し、次いでH
2Oで希釈し、そしてその水性物質をDCMで抽出した(3回)。合わせた有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、そして濃縮して、468mgの表題生成物を得、これを精製せずに直接使用した。MS m/z:552.0 M+H
+)。
実施例3:I−1の合成
工程1:中間体2
実施例2から得た中間体8(150mg,0.27mmol)の1,4−ジオキサン(8mL)中の溶液に、ベンゼン−1,2−ジアミン(88.1mg,0.82mmol)およびp−トルエンスルホン酸(23.4mg,0.14mmol)を添加した。この混合物を窒素下100℃で一晩加熱した。この混合物を周囲温度まで冷却し、水を添加し、そして得られた懸濁物を濾過して、145mgの表題化合物を得た。MS m/z:596.3 (M+H)
+。
工程2:中間体3
中間体2(145mg,0.24mmol)のTHF(15mL)中の溶液に、トリエチルアミン(98.0mg,0.97mmol)および(Boc)
2O(106mg,0.48mmol)を添加した。この反応混合物を一晩加熱還流した。この混合物を周囲温度まで冷却し、水を添加し、そしてその水層をEtOAc(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、そして濃縮した。その粗製生成物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(65%のEtOAc/ヘキサン)に供して、121mgの表題化合物を得た。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6):δ 1.44 (s, 9H), 3.97 (s, 6H), 4.62 (s, 2H), 5.16 (s, 2H), 6.96−7.11 (m, 3H), 7.39 (d, 1H), 7.47−7.57 (m, 3H), 8.04−8.07 (m, 2H), 8.16 (s, 1H), 8.48 (s, 1H), 8.58 (s, 1H)。
工程3:中間体4
中間体3(112mg,0.16mmol)の、エタノール(8mL)および水(4mL)中の溶液に、鉄粉(54.0mg,0.96mmol)およびNH
4Cl(52mg,0.96mmol)を添加した。この混合物を1.5時間加熱還流した。この反応混合物を周囲温度まで冷却し、濾過し、そしてその濾液を濃縮した。得られた残渣に水を添加し、そしてその水層をEtOAc(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO
3で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、そして濃縮して、104.4mgの表題化合物を得、これを精製せずに次の工程で直接使用した。MS m/z:666.4[M+H]
+。
工程4:中間体5
中間体4(98.6mg,0.15mmol)、プロピオン酸(16.4mg,0.22mmol)およびHATU(113mg,0.30mmol)のDMF(6mL)中の混合物を0℃まで冷却した。DIPEA(57.3mg,0.44mmol)を添加し、そしてこの反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。水を添加し、そして得られた混合物をEtOAc(60mL×3)で抽出した。合わせた有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、そして濃縮した。その粗製生成物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(3%のMeOH/DCM)に供して、74mgの表題化合物を得た。MS m/z:722.4[M+H]
+。
工程5:中間体6
中間体5(74.0mg,0.10mmol)のDCM(2mL)中の溶液に、TFA(2mL)を添加し、そしてこの溶液を周囲温度で30分間撹拌した。その溶媒を除去し、そしてその残渣に水を添加し、これをEtOAc(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO
3で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、そして濃縮して、79mgの表題化合物を得、これを精製せずに使用した。MS m/z:622.4[M+H]
+。
工程6:I−1
中間体6(79.0mg,0.13mmol)およびDIPEA(33.0mg,0.25mmol)のTHF(3mL)中の冷(0℃)溶液に、塩化アクリロイル(13.8mg,0.15mmol)を添加した。この反応物を0℃で10分間撹拌した。この反応を飽和水性NaHCO
3でクエンチし、そしてEtOAc(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層を飽和水性NaHCO
3で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、そして濃縮した。その粗製生成物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(5%のMeOH/DCM)に供して、34.3mgの表題化合物にした。MS m/z:676.4[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6):δ 1.08 (t, 3H), 2.29 (q, 2H), 3.96 (s, 6H), 4.60 (s, 2H), 5.06 (s, 2H), 5.68−5.83 (m, 1H), 6.26 (dd, 1H), 6.40−6.56 (m, 1H), 6.83 (d, 1H), 6.95−7.09 (m, 3H), 7.16 (t, 1H), 7.37−7.48 (m, 1H), 7.50−7.53 (m, 3H), 8.14 (s, 1H), 8.53 (s, 1H), 9.70 (s, 1H), 9.74 (s, 1H)。
実施例4:I−2の合成
工程1:中間体2
中間体1(実施例2に記載されるように、工程2においてメチルアミンを3−ニトロベンジルアミンの代わりに使用して調製した(106mg,0.25mmol))、ベンゼン−1,2−ジアミン(80mg,0.74mmol)、およびp−TsOH(21.2mg,0.12mmol)の1,4−ジオキサン(8mL)中の混合物を窒素下で16時間加熱還流した。この反応混合物を周囲温度まで冷却し、そしてEtOAcと水との間で分配した。その有機相を飽和水性NaHCO
3、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、そして減圧中で濃縮した。その粗製生成物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(5%のMeOH/DCM)で精製して、表題化合物(69.3mg)を得た。MS m/z:475.3 (M+H)
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6):δ 3.23 (s, 3H), 3.97 (s, 6H), 4.50 (s, 2H), 4.81 (s, 2H), 6.57 (t, 1H), 6.70−6.79 (m, 1H), 6.83−6.94 (m, 1H), 6.99 (s, 1H), 7.35 (d, 1H), 8.04 (s, 1H), 8.45 (s, 1H)。
工程2:I−2
中間体2(69.1mg,0.15mmol)およびDIPEA(37.4mg,0.29mmol)のTHF(10mL)中の冷(0℃)溶液に、塩化アクリロイル(15.8mg,0.17mmol)を添加した。この反応物を0℃で10分間撹拌した。この反応を飽和水性NaHCO
3でクエンチし、そしてEtOAc(40mL×3)で抽出した。合わせた有機層を飽和水性NaHCO
3で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、そして減圧中で濃縮した。その粗製生成物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(3%のMeOH/DCM)により精製して、I−2(23.3mg)を得た。MS m/z:529.3 (M+H)
+。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6):δ 3.22 (s, 3H), 3.96 (s, 6H), 4.52 (s, 2H), 5.77 (dd, 2.0 Hz, 1H), 6.27 (dd, 2.0 Hz, 1H), 6.47−6.54 (m, 1H), 6.99 (s, 1H), 7.108−7.13 (m, 1H), 7.17−7.22 (m, 1H), 7.56 (d, 1H), 7.80 (d, 1H), 8.09 (s, 1H), 8.59 (s, 1H), 9.76 (s, 1H)。
実施例5:I−3の合成
工程1:中間体2
中間体1(実施例1に記載されるように、工程4においてベンジルアミンをメチルアミンの代わりに使用して調製した(54.0mg,0.11mmol))の混合物に、1,4−ジオキサン(2mL)中のベンゼン−1,2−ジアミン(24.0mg,0.22mmol)および1滴のTFAを添加した。この反応混合物を密封チューブ内で16時間加熱還流し、その後、これを周囲温度まで冷却し、そしてEtOAcと水との間で分配した。その有機相を飽和水性NaHCO
3、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、そして減圧中で濃縮した。その粗製生成物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(100%のEtOAcで溶出)で精製して、表題化合物(34.5mg)を得た。MS m/z:551.0 (M+H)
+。
工程2:I−3
中間体2(14.0mg,0.025mmol)のTHF(1mL)中の冷(0℃)溶液に、塩化アクリロイル(1.9uL,0.023mmol)を添加した。この反応物を0℃で10分間撹拌し、その後、これを逆相HPLC(水中0%〜90%のMeCNの勾配で溶出)により精製した。合わせた画分を飽和水性NaHCO
3と一緒に撹拌し、DCMで抽出し、そしてその有機層を濃縮して、10.6mgの表題化合物を得た。MS m/z:605.2 (M+H)
+。
実施例6:I−4の合成
表題化合物を、実施例3に概説されるように、工程1において3−アミノベンジルカルバミン酸tert−ブチルをベンゼン−1,2−ジアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:690.2 (M+H
+)。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD): δ:8.07 (1H, s), 7.63 (1H, s), 7.45 (1H, s), 7.32 (2H, m), 7.23 (2H, m), 7.00 (2H, m), 6.90 (1H, s), 6.26 (2H, m), 5.66 (1H, m), 5.28 (2H, s), 4.68 (2H, s), 4.33 (2H, s), 3.96 (6H, s), 2.34 (2H, q), 1.89 (3H, t)。
実施例7:I−5の合成
工程1:中間体2
実施例1から得た中間体5(30.1mg,0.09mmol)およびベンゼン−1,2−ジアミン(19.5mg,0.18mmol)の1,4−ジオキサン(1mL)中の混合物に、1滴のTFAを添加した。この反応混合物を密封チューブ内で16時間加熱還流し、その後、これを周囲温度まで冷却し、そしてEtOAcと水との間で分配した。その有機相を飽和水性NaHCO
3、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、そして減圧中で濃縮した。その粗製生成物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(100%のEtOAcで溶出)で精製して、表題化合物(16.7mg)を得た。MS m/z:551.0 (M+H)
+。
工程2:I−5
中間体2(14.0mg,0.034mmol)のTHF(1mL)中の冷(0℃)溶液に、塩化アクリロイル(2.8uL,0.034mmol)を添加した。この反応物を0℃で10分間撹拌した。その後、これを逆相HPLC(0.1%のTFAを含む水中0%〜90%のMeCNの勾配で溶出)により精製した。合わせた画分を濃縮し、飽和水性NaHCO
3と一緒に撹拌し、DCMで抽出し、そしてその有機層を濃縮して、14.6mgの表題化合物を得た。MS m/z:407.2 (M+H)
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6):δ 3.23 (s, 3H), 3.75 (s, 6H), 4.72 (s, 2H), 5.79 (dd, 1H), 6.28 (dd, 1H), 6.56−6.45 (m, 2H), 6.60 (s, 2H), 7.25−7.27 (m, 2H), 7.59 (d, 1H), 7.72 (d, 1H), 8.09 (s, 1H), 9.41 (br s, 1H), 9.88 (s, 1H)。
実施例8:I−6の合成
化合物I−6を、実施例5に記載されるように、工程1において(2−アミノ−4−(トリフルオロメチル)フェニル)カルバミン酸tert−ブチルをベンゼン−1,2−ジアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:673.1 (M+H)
+。
実施例9:I−7,(ラセミ体)の合成
工程1:中間体2
実施例2から得た中間体8(150mg,0.27mmol)のジオキサン(15mL)中の溶液に、trans−シクロヘキサン−1,2−ジアミン(62mg,0.54mmol)および触媒量のp−トルエンスルホン酸を添加した。得られた混合物を16時間加熱還流した。この反応混合物をEtOAcと飽和水性NaHCO
3との間で分配した。その有機層を分離し、乾燥させ(Na
2SO
4)、そしてエバポレートにより乾固させた。この粗製物質をprep−TLC(クロロメタン中6.6%のメタノール)により精製して、表題化合物(150mg)を得た。MS m/z:602.3 (M+H)
+。
工程2:中間体3
中間体2(150mg,0.25mmol)のDCM(15mL)中の溶液に、トリエチルアミン(50mg,0.49mmol)およびジ炭酸ジ−tert−ブチル(65mg,0.29mmol)を添加した。得られた混合物を周囲温度で2時間撹拌した。この反応混合物をEtOAcと水との間で分配した。その有機相を分離し、1NのHCl、飽和水性NaHCO
3で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてエバポレートにより乾固させて、表題化合物(130mg)を得た。MS m/z:702.3 (M+H)
+。
工程3:中間体4
中間体3(130mg,0.180mmol)の、エタノール(15mL)および飽和水性NH
4Cl(2mL)中の懸濁物に、Fe粉(83.0mg,1.48mmol)を添加し、そして得られた混合物を2時間加熱還流し、その後、これをDCM(60mL)で希釈し、その有機相を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてエバポレートにより乾固させて、表題生成物(120mg)を得た。
工程4:中間体5
中間体4(110mg,0.16mmol)、プロピオン酸(18.0mg,0.24mmol)およびHATU(124mg,0.33mmol)をDMF(10mL)に溶解させた。この反応混合物をN
2下で0℃まで冷却し、そしてDIPEA(63mg,0.49mmol)をゆっくりと添加し、そしてこの混合物を周囲温度で16時間撹拌した。この反応混合物をEtOAcと水との間で分配した。その有機相を分離し、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてエバポレートにより乾固させた。その残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(DCM中4%のMeOH)により精製して、表題生成物(80mg)を得た。MS m/z:728.4 (M+H)
+。
工程5:I−7
中間体5(80.0mg,0.11mmol)をDCM(2mL)に溶解させ、その後、TFA(5mL)を添加した。得られた混合物を周囲温度で1時間撹拌し、その後、これを濃縮した。その残渣をDCMに溶解させ、そしてpH=7が達成されるまでDIPEAを添加した。この溶液を0℃まで冷却し、塩化アクリロイル(15.0mg,0.17mmol)を添加し、そしてこの混合物を0℃で10分間撹拌した。この反応を、飽和水性NaHCO
3の添加によりクエンチし、EtOAcで抽出し、そしてその有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、そして濃縮した。その残渣をprep−TLC(DCM中4%のMeOH)により精製して、表題化合物(20mg,26%,2工程)を得た。MS m/z:682.4 (M+H)
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d
6):δ:1.02−1.11 (t, 3H), 1.16−1.30 (m, 3H), 1.49−1.70 (m, 3H), 1.76−1.94 (m, 2H), 2.28 (q, 2H), 3.66−3.75 (m, 1H), 3.96 (s, 6H), 4.50 (s, 2H), 5.11 (s, 2H), 5.46−5.54 (m, 1H), 6.01 (d, 1H), 6.03−6.15 (m, 1H), 6.61− 6.70 (m, 1H), 6.99 (s, 1H), 6.94 (d, 1H), 7.18 (s, 1H), 7.34−7.43 (m, 1H), 7.57−7.65 (m, 1H), 7.96 (s, 1H), 9.76 (s, 1H)。
実施例10:I−8,(ラセミ体)の合成
工程1:中間体2
実施例2から得た中間体8(150mg,0.27mmol)の1,4−ジオキサン(8mL)中の溶液に、cis−シクロヘキサン−1,2−ジアミン(93.0mg,0.82mmol)およびp−TSA(23.4mg,0.14mmol)を添加した。この反応混合物を100℃で16時間加熱した。水を添加し、そして得られた混合物をEtOAc(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、そして減圧中で濃縮して、表題化合物(164mg)を得、これをさらに精製せずに使用した。MS m/z:602.3[M+1]
+。
工程2:中間体3
中間体2(164mg,0.27mmol)のDCM(6mL)中の溶液に、トリエチルアミン(82.6mg,0.82mmol)およびジ炭酸ジ−tert−ブチル(89.0mg,0.41mmol)を添加した。この反応混合物を周囲温度で2時間撹拌した。この反応混合物を濃縮し、そしてその粗製生成物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(2%のMeOH/DCM)に供して、表題化合物(159mg)を得た。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6):δ 1.34 (s, 9H), 1.42−1.52 (m, 2H), 1.56−1.77 (m, 2H), 3.25 (d, 2H), 3.48−3.64 (m, 1H), 3.75−3.91 (m, 1H), 3.97 (s, 6H), 4.55 (s, 2H), 5.25 (s, 2H), 6.31−6.47 (m, 1H), 6.54−6.64 (m, 1H), 7.01 (s, 1H), 7.62 (t, 1H), 7.76 (d, 1H), 8.02 (s, 1H), 8.07−8.18 (m, 2H)。
工程3:中間体4
中間体3(153mg,0.22mmol)の、EtOH(10mL)および水(5mL)中の溶液に、Fe粉(72.0mg,1.31mmol)およびNH
4Cl(70.0mg,1.31mmol)を添加した。この混合物を2時間加熱還流した。この反応混合物を濾過し、そしてその濾液を減圧中で濃縮した。その残渣に水を添加し、そしてこの水溶液をEtOAc(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO
3で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、そして減圧中で濃縮して、表題化合物(96.7mg)を得、これを精製せずに使用した。MS m/z:672.4 (M+H)
+。
工程4:中間体5
中間体4(96.7mg,0.14mmol)のDMF(6mL)中の溶液に、プロピオン酸(16.0mg,0.22mmol)およびHATU(109.5mg,0.29mmol)を添加した。この混合物を0℃まで冷却し、そしてDIPEA(55.7mg,0.43mmol)を添加した。この反応混合物を周囲温度で16時間撹拌した。水を添加し、そしてこの混合物をEtOAc(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、そして減圧中で濃縮した。その粗製生成物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(3%のMeOH/DCM)に供して、表題化合物(98.0mg)を得た。MS m/z:728.5 (M+H)
+。
工程5:中間体6
中間体5(98.0mg,0.13mmol)のDCM(2mL)中の溶液に、TFA(2mL)を添加し、そしてこの反応混合物を周囲温度で30分間撹拌した。この反応混合物を減圧中で濃縮し、水を添加し、そして得られた混合物をEtOAc(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層を飽和水性NaHCO
3で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、そして減圧中で濃縮して、表題化合物(88.3mg)を得、これをさらに精製せずに使用した。MS m/z:628.4 (M+H)
+。
工程6:I−8
中間体6(88.3mg,0.14mmol)およびDIPEA(36.1mg,0.28mmol)の、4mLのTHF中の冷(0℃)溶液に、塩化アクリロイル(15.3mg,0.17mmol)を添加した。この反応物を0℃で10分間撹拌した。この混合物を飽和水性NaHCO
3でクエンチし、そしてEtOAc(40mL×3)で抽出した。合わせた有機層を飽和水性NaHCO
3で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、そして減圧中で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(5%のMeOH/DCM)に供して、表題化合物(55.9mg)を得た。MS m/z:682.3 (M+H)
+。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6):δ 1.07 (t, 3H), 1.22−1.83 (m, 8H), 2.28 (q, 2H), 3.96 (s, 6H), 4.13 (br, 1H), 4.51 (s, 2H), 5.04−5.14 (m, 2H), 5.55 (dd, 2.4 Hz, 1H), 5.74 (s, 1H), 6.05 (dd, 1H), 6.22−6.41 (m, 1H), 6.60 (br s, 1H), 6.91−7.05 (m, 2H), 7.18 (t, 1H), 7.41 (d, 1H), 7.58 (s, 1H), 7.67 (d, 1H), 7.98 (s, 1H), 9.73 (s, 1H)。
実施例11:I−9の合成
表題化合物を、実施例17(下記)に記載されるように、工程2において1−(2−メトキシエチル)ピペラジンをN−エチルピペリジンの代わりに使用し、そして実施例2において中間体6について記載されたような方法で調製した中間体(これを、実施例2に記載されるように、mCPBAを使用して酸化した)を使用して調製した。MS m/z:750.3 (M+H
+)。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD): δ:7.97 (1H, s), 7.63 (1H, s), 7.40 (2H, d), 7.33 (2H, m), 7.16 (1H, t), 6.87 (2H, m), 6.57 (2H, s), 6.45 (1H, dd), 6.39 (1H, m), 5.75 (1H, dd), 5.13 (2H, s), 4.75 (2H, s), 3.77 (6H, s), 3.76 (1H, m), 3.43 (3H, s), 2.36 (2H, q), 1.62 (3H, t)。
実施例12:I−10の合成
化合物I−10を、実施例5に記載されるように、工程1において(2−アミノ−5−(トリフルオロメチル)フェニル)カルバミン酸tert−ブチルをベンゼン−1,2−ジアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:673.1 (M+H
+)。
実施例13:I−11の合成
化合物I−11を、実施例5に記載されるように、工程1において4,5−ジクロロベンゼン−1,2−ジアミンをベンゼン−1,2−ジアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:673.1 (M+H
+)。
実施例14:I−12の合成
化合物I−12を、実施例5に記載されるように、工程1において(3−フルオロフェニル)メタンアミンをメチルアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:623.3 (M+H
+)。
実施例15:I−13の合成
表題化合物を、実施例17(下記)に概説されるように、工程2において2−メトキシ−N−メチルエタンアミンをN−エチルピペリジンの代わりに使用し、そして工程4において、実施例1から得られた中間体5の誘導体(工程5においてベンジルアミンをメチルアミンの代わりに使用して調製した)を中間体4の代わりに使用して調製した。MS m/z:624.3 (M+H
+)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ:7.92 (1H, s), 7.29 (1H, d), 7.21 (6H, m), 6.78 (1H, dd), 6.55 (2H, s), 6.46 (1H, s), 6.41 (2H, m), 5.77 (1H, dd), 5.15 (2H, s), 4.51 (2H, s), 3.78 (6H, s), 3.60 (2H, t), 3.54 (2H, t), 3.06 (3H, t)。
実施例16:I−14の合成
化合物I−14を、実施例17に記載されるように、工程2において2−メトキシ−1−エタノールをN−エチルピペリジンの代わりに使用し、そして工程4において、実施例1から得られた中間体5の誘導体(工程5においてベンジルアミンをメチルアミンの代わりに使用して調製した)を中間体4の代わりに使用して調製した。MS m/z:611.3 (M+H
+)。
実施例17:I−15の合成
工程1:中間体2
中間体1(2.34g,15.0mmol)のDMF(50mL)中の溶液に、(Boc)
2O(6.60g,30.3mmol)およびDMAP(600mg,4.9mmol)を添加した。この反応物を室温で一晩撹拌した。減圧下でDMFを除去した後に、その生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより単離した。MS m/z:357.2 (M+H
+)。
工程2
中間体2(300mg,084mmol)およびN−エチルピペリジン(0.30mL,2.19mmol)をDMF(3.0mL)中で混合した。この混合物を110℃で3.0時間加熱した。次いで、この反応物を減圧中で濃縮し、そしてシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、330mgの表題化合物を得た。MS m/z:351.3 (M+H)
+。
工程3:中間体3
工程2から得た生成物をMeOH(10mL)に溶解させ、そして10wt%のPd/C(100mg)を添加した。この反応混合物をH
2バルーン下周囲温度で4.5時間撹拌した。この反応混合物をセライトのショートプラグで濾過し、そして減圧中で濃縮して、275mgの表題化合物を得、これを精製せずに使用した。MS m/z:292.1 (M+H
+)。
工程4:中間体5
中間体3(200mg,0.68mmol)、中間体6(実施例1から得られた)(150mg,0.37mmol)、およびTFA(5.0μL)を1,4−ジオキサン(2.0mL)に溶解させ、そしてこの反応混合物を110℃で16時間加熱した。この反応混合物を周囲温度まで冷却し、濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、110mgの表題化合物を得た。MS m/z:619.8 (M+H)
+。
工程4:I−15
中間体5を周囲温度で20%のTFA/DCMに溶解させ、そして3.5時間撹拌した。この反応混合物を濃縮し、得られた残渣をDCMに溶解させ、そしてシリカ担持カーボネートで処理し、そしてこの混合物を濾過した。その濾液を濃縮し、次いでTHF(2.0mL)に溶解させ、そして−10℃まで冷却し、その後、塩化アクリロイル(7.0μL,0.086mmol)を添加した。10分後、この反応物を濃縮し、そしてprep−HPLCにより精製した。MS m/z:573.2 (M+H
+)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ:8.67 (1H, s), 7.78 (1H, s), 7.67 (1H, s), 7.48 (1H, d), 6.67 (1H, dd), 6.40 (5H, m), 5.74 (1H, dd), 4.63 (2H, s), 3.77 (6H, s), 3.66 (4H, m), 3.41 (2H, m), 3.33 (3H, s), 3.14 (2H, m), 2.89 (2H, m), 1.39 (3H, t)。
実施例18:I−16の合成
化合物I−16を、実施例5に記載されるように、出発物質を調製するために(4−メトキシフェニル)メタンアミンをメチルアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:635.4 (M+H
+)。
実施例19:I−17の合成
表題化合物を、実施例17に記載されるように、工程2においてモルホリンをN−エチルピペリジンの代わりに使用し、そして工程4において、実施例1から得られた中間体5を中間体6の代わりに使用して調製した。MS m/z:546.2 (M+H
+)。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD): δ:7.87 (1H, s), 7.40 (1H, d), 7.25 (1H, s), 6.98 (1H, dd), 6.54 (2H, s), 6.46 (1H, m), 6.35 (1H, dd), 5.80 (1H, dd), 4.71 (2H, s), 3.84 (4H, t), 3.77 (6H, s), 3.38 (3H, s), 3.21 (4H, t)。
実施例20:I−18(ラセミ体)の合成
化合物I−18を、実施例21に記載されるように、工程1においてmCPBAをSO
2Cl
2の代わりに使用して調製した(mCPBA酸化は、実施例2の工程7に記載されている)。MS m/z:476.4 (M+H
+)。
実施例21:I−19,(ラセミ体)の合成
工程1:中間体2
中間体1(実施例2に記載されるように、工程2においてメチルアミンを3−ニトロベンジルアミンの代わりに使用し、そして工程6を省略して調製した)(250mg,0.72mmol)の、MeCN(2mL)およびDCM(4mL)中の氷冷溶液に、塩化スルフリル(0.12mL,1.44mmol)を添加した。この反応物を0℃で15分間撹拌した。この反応を飽和水性NaHCO
3でクエンチし、そしてその水層をDCM(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、そして減圧中で濃縮した。その粗製生成物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(2%のMeOH/DCM)により精製して、192mgの表題化合物を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6):δ 2.96 (s, 3H), 3.41 (s, 3H), 4.03 (s, 6H), 4.81 (s, 2H), 7.08 (s, 1H), 8.64 (s, 1H)。
工程2:中間体3
中間体2(60.0mg,0.14mmol)の1,4−ジオキサン(5mL)中の溶液に、cis−シクロヘキサン−1,2−ジアミン(47.7mg,0.42mmol)およびp−TSA(12.0mg,0.07mmol)を添加した。この反応物を105℃で一晩加熱した。この混合物を周囲温度まで冷却し、水を添加し、そして得られた混合物をEtOAc(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層を飽和水性NaHCO
3で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、そして減圧中で濃縮した。その粗製生成物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(10%のMeOH/DCM)により精製して、73.9mgの表題化合物を得た。MS m/z:481.3 (M+1)
+。
工程3:I−19
中間体3(73.9mg,0.15mmol)およびDIPEA(39.7mg,0.31mmol)のTHF(3mL)中の氷冷溶液に、塩化アクリロイル(16.7mg,0.18mmol)を添加した。この反応物を0℃で10分間撹拌した。この反応を飽和水性NaHCO
3でクエンチし、そしてEtOAc(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層を飽和水性NaHCO
3で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、そして減圧中で濃縮した。その粗製生成物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(5%のMeOH/DCM)により精製して、40.7mgの表題化合物を得た。MS m/z:535.3 (M+1)
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6):δ1.35−1.84 (m, 8H), 3.96 (s, 6H), 4.11−4.29 (m, 2H), 4.44 (s, 2H), 5.50−5.75 (m, 1H), 5.99−6.25 (m, 1H), 6.23−6.47 (m, 1H), 6.52−6.86 (m, 1H), 6.97−7.18 (m, 1H), 7.66−7.90 (m, 1H), 7.96−8.14 (m, 1H)。
実施例22:I−20の合成
表題化合物を、実施例17に記載されるように、工程2において1−(2−メトキシエチル)ピペラジンをN−エチルピペリジンの代わりに使用し、そして工程4において中間体5(実施例1から得られた)を中間体6の代わりに使用して調製した。MS m/z:603.3 (M+H
+)。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD): δ:7.94 (1H, s), 7.50 (1H, d), 7.40 (1H, d), 7.00 (1H, dd), 6.54 (2H, s), 6.44 (2H, m), 6.39 (1H, m), 5.80 (1H, dd), 4.71 (2H, s), 3.79 (6H, s), 3.44 (5H, m), 3.31 (3H, s)。
実施例23:I−21の合成
表題化合物を、実施例17に記載されるように、工程2において2−メトキシ−N−メチルエタンアミンをN−エチルピペリジンの代わりに使用し、そして工程4において中間体5(実施例1から得られた)を中間体6の代わりに使用して調製した。MS m/z:548.3 (M+H
+)。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD): δ:7.86 (1H, s), 7.39 (1H, d), 7.15 (1H, s), 6.85 (1H, dd), 6.53 (2H, m), 6.46 (1H, m), 6.35 (1H, m), 5.79 (1H, dd), 4.70 (2H, s), 3.77 (6H, s), 3.59 (2H, s), 3.38 (3H, s), 3.06 (3H, s)。
実施例24:I−22(ラセミ体)の合成
化合物I−22を、実施例21に記載されるように、工程2においてtrans−シクロヘキサン−1,2−ジアミンをcis−シクロヘキサン−1,2−ジアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:535.3 (M+H
+)。
実施例25:I−23の合成
工程1:中間体2
中間体1(750mg,3.93mmol)のシクロプロパンアミン(5mL)中の溶液を周囲温度で一晩撹拌し、その後、この溶液を濃縮し、EtOAcで摩砕し、そして濾過して、700mgの表題化合物を得た。MS m/z:212.1 (M+H)
+。
工程2:中間体3
中間体2(700mg,3.32mmol)のDCM(30mL)中の溶液に、酸化マンガン(2.30g,26.4mmol)を添加し、そしてこの混合物を周囲温度で3時間撹拌した。この反応混合物をセライトで濾過し、そしてDCMで洗浄し、そしてその濾液を濃縮して、550mgの表題化合物を得た。MS m/z:210.2 (M+H)
+。
工程3:中間体4
中間体3(550mg,2.63mmol)のDCM(20mL)中の溶液に、3,5−ジメトキシアニリン(480mg,3.14mmol)および酢酸(0.13g,2.17mmol)を窒素下で添加した。この混合物を周囲温度で15分間撹拌し、その後、NaBH(OAc)
3(0.55g×2,5.19mmol)を、15分間の間隔で2回に分けて添加した。この反応物を周囲温度で17時間撹拌し、その後、これを1MのNaOHでクエンチし、そして15分間撹拌した。その水層をDCM(50mL×3)で抽出し、そして合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、そして濃縮した。その粗製生成物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(DCM中10%のEtOAc)に供して、0.83gの表題化合物を得た。MS m/z:347.2 (M+H)
+。
工程4:中間体5
中間体4(830mg,2.41mmol)のTHF(20mL)中の溶液に、トリホスゲン(890mg,3.57mmol)を添加し、その後、トリエチルアミン(1.20g,11.9mmol)を窒素下で添加した。この混合物を周囲温度で1時間撹拌し、次いで3時間還流した。この反応を、飽和水性NaHCO
3/H
2Oの1:1の混合物(20mL)でクエンチし、そしてEtOAc(60mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、そして濃縮した。その粗製生成物をヘキサンで洗浄して、500mgの表題化合物を得た。MS m/z:373.3 (M+H)
+。
工程5:中間体6
中間体5(150mg,0.40mmol)の、MeCN(6mL)およびDCM(12mL)中の氷冷溶液に、塩化スルフリル(108mg,0.80mmol)を添加した。この反応物を0℃で10分間撹拌した。この反応を飽和水性NaHCO
3でクエンチし、そしてその水性物質をDCM(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、そして濃縮した。この粗製物質をprep−TLC(DCM中5%のMeOH)により精製して、60mgの表題化合物を得た。MS m/z:457.2 (M+H)
+。
1H NMR (400MHz, DMSO−d6):δ 0.62−0.70 (m, 2H), 1.09−1.00 (m, 2H), 2.73−2.83 (m, 1H), 2.91 (s, 3H), 3.97 (s, 6H), 4.60−4.69 (m, 2H), 7.01 (s, 1H), 8.62 (s, 1H)。
工程6:中間体7
中間体6(60mg,0.13mmol)のジオキサン(10mL)中の溶液に、ベンゼン−1,2−ジアミン(43mg,0.39mmol)および触媒量のp−TSA(2mg)を添加した。得られた混合物を一晩加熱還流した。この反応混合物を周囲温度まで冷却し、EtOAcで希釈し、飽和水性NaHCO
3で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、そして濃縮した。この粗製生成物をprep−TLC(DCM中2%のMeOH)により精製して、30mgの表題化合物を得た。MS m/z:501.3 (M+H)
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6):δ 0.62 (d, 2H), 0.95 (d, 2H), 2.60 (dd, 1H), 3.95 (s, 6H), 4.39 (s, 2H), 4.83 (s, 2H), 6.47−6.63 (m, 1H), 6.73 (dd, 1H), 6.82−6.86 (m, 1H), 6.98 (s, 1H), 8.06 (s, 1H), 7.51 (d, 1H), 8.39 (s, 1H)。
工程7:I−23
中間体7(30mg,0.06mmol)のTHF(10mL)中の溶液に、DIPEA(15mg,0.12mmol)を添加し、そして−78℃まで冷却した。この反応混合物に、塩化アクリロイル(6.5mg,0.07mmol)を添加した。この反応混合物を−78℃で10分間撹拌した。その後、これを飽和水NaHCO
3溶液でクエンチし、EtOAcで抽出し、そして濃縮した。この粗製物質をprep−TLC(DCM中3%〜4%のMeOH)により精製して、20mgの表題化合物を得た。MS m/z:555.3 (M+H)
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d
6):δ 0.55−0.67 (m, 2H), 0.96 (q, 2H), 2.61−2.64 (m, 1H), 3.95 (s, 6H), 4.41 (s, 2H), 5.78 (dd, 1H), 6.28 (dd, 1H), 6.52 (dd, 1H), 6.98 (s, 1H), 7.06−7.12 (m, 1H), 7.17−7.24 (m, 1H), 7.51 (d, 1H), 7.98 (d, 1H), 8.11 (s, 1H), 8.53 (s, 1H), 9.83 (s, 1H)。
実施例26:I−24の合成
化合物I−24を、実施例25に記載されるように、工程2において(4−クロロ−3−メトキシフェニル)メタンアミンをシクロプロパンアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:669.4 (M+H
+)。
実施例27:I−25の合成
化合物I−25を、実施例25に記載されるように、工程2において(4−フルオロフェニル)メタンアミンをシクロプロパンアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:623.3 (M+H
+)。
実施例28:I−26の合成
化合物I−26を、実施例3からの種々の工程に記載されるように、ただし、以下の順序:工程1、工程6、工程3で調製した。MS m/z:620.4 (M+H
+)。
実施例29:I−27の合成
工程:中間体2
中間体1(466mg,2.15mmol)のDMF(6.0mL)中の溶液に、(Boc)
2O(515mg,2.36mmol)およびDMAP(20mg)を添加した。この反応物を周囲温度で16時間撹拌した。DMFを減圧下で除去し、そしてシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、480mgの表題化合物を得た。MS m/z:317.1 (M+H
+)。
工程2 中間体4
中間体2(90mg,0.28mmol)、中間体3(120mg,0.58mmol)、およびPd(dppf)Cl
2(22.0mg,0.03mmol)を、1,4−ジオキサン(5mL)および2Mの水性Na
2CO
3(1.2mL)中で合わせた。この混合物を110℃で30分間加熱した。この反応混合物をEtOAcで希釈し、飽和水性NaHCO
3およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、そして減圧中で濃縮した。その残渣をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーに供して、47mgの表題化合物を得た。MS m/z:319.2 (M+H
+)。
工程3 中間体4
中間体4(47.0mg,0.15mmol)をMeOH(5mL)に溶解させ、これに、10wt%のPd/C(20mg)を添加した。この反応混合物をH
2バルーン下周囲温度で3.5時間撹拌した。この反応物をセライトのショートプラグで濾過し、そして減圧中で濃縮して、表題化合物(定量的)を得、これを直接使用した。MS m/z:288.1 (M+H
+)。
I−27
表題化合物を、実施例5に概説されるように、実施例1から得られた共通の中間体5を使用して調製した。MS m/z:541.2 (M+H
+)。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD): δ:7.92 (1H, s), 7.31 (2H, m), 7.18 (2H, m), 6.92 (1H, m), 6.86 (1H, s), 6.53 (2H, m), 6.46 (1H, dd), 5.44 (1H, dd), 5.01 (2H, s), 4.89 (6H, s), 4.64 (1H, m), 4.57 (1H, s), 3.93 (3H, s), 3.87 (2H, m), 3.29 (1H, m)。
実施例30:I−28の合成
化合物I−28を、実施例5に記載されるように調製した。その出発物質を、(3−メトキシフェニル)メタンアミンをメチルアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:654.5 (M+H
+)。
実施例31:I−29の合成
工程1:中間体2
中間体1(3.0g,21.3mmol)のメタンアミン(エタノール溶液,30mL)中の溶液を周囲温度で2時間撹拌し、その後、揮発性物質を減圧下でエバポレートした。その残渣にNaHCO
3の水溶液(50mL)を添加し、そしてこの混合物をEtOAc(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、そして濃縮して、3.53gの表題化合物を得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3) :δ 3.03 (d, 3H), 6.63−6.67 (m, 1H), 6.84 (d, 1H), 7.43−7.48 (m, 1H), 7.99 (br s, 1H), 8.17 (dd, 1H)。
工程2:中間体3
中間体3(500mg,3.29mmol)およびDIPEA(900mg,7.0mmol)のDMF(5mL)中の溶液に、塩化アクリロイル(acrylol chloride)(1.92g,21.4mmol)を添加した。この反応物を周囲温度で2.5時間撹拌した。この混合物をEtOAcと水との間で分配した。その有機層を分離し、そして水、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、そしてその粗製生成物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(DCM中6%のMeOHで溶出)に供して、583mgの表題化合物を得た。MS m/z:207.2 (M+1)
+。
1H NMR (400MHz, CDCl
3) :δ 3.32 (s, 3H), 5.53 (d, 1H), 5.82−5.89 (m, 1H), 6.37 (d,1H), 7.37 (d, 1H), 7.56 (t, 1H), 7.67−7.71 (m, 1H), 8.01 (d, 1H)。
工程3:中間体4
中間体3(200mg,0.97mmol)およびFe(272mg,4.85mmol)の、水性NH
4Cl(3mL)およびEtOH(6mL)中の混合物を80℃で1時間撹拌した。固体を濾過により除去し、そしてその濾液を濃縮した。その残渣を水で希釈し、そしてEtOAc(20mL×3)で抽出し、その有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、そして減圧中で濃縮した。その粗製生成物を、シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(DCM中5%のMeOHで溶出)により精製して、105mgの表題化合物を得た。MS m/z:177.2 (M+1)
+。
1H NMR (400MHz,CDCl
3) :δ 3.26 (s, 3H), 3.76 (br, 2H), 5.52 (dd, 1H), 6.07 (dd, 1H), 6.39 (dd, 1H), 6.74−6.80 (m, 1H), 6.99 (dd, 1H), 7.14−7.18 (m, 1H),7.26 (s, 1H)。
工程4:I−29
実施例1から得られた中間体6(100mg,0.24mmol)、中間体4(44mg,0.24mmol)、Cs
2CO
3(162mg,0.48mmol)、Pd
2(dba)
3(21.4mg,0.038mmol)、およびXantphos(43.0mg,0.076mmol)の1,4−ジオキサン(2mL)中の混合物を、N
2下95℃で5時間撹拌した。揮発性物質を減圧下でエバポレートした。その残渣をEtOAcと水との間で分配し、そしてその有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、そして減圧中で濃縮した。その粗製生成物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中50%のEtOAcで溶出)に供して、29.8mgmgの表題化合物を得た。MS m/z:543.3 (M+1)
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6):δ 3.15 (s, 3H), 3.25 (s, 3H), 4.00 (s, 6H), 4.52 (s, 2H), 5.34−5.57 (m, 1H), 5.88−6.16 (m, 2H), 7.00 (s, 1H), 7.17−7.23 (m, 2H), 7.34−7.43 (m, 1H), 7.87 (d, 1H), 8.05 (s, 1H), 8.76 (s, 1H)。
実施例32:I−30の合成
化合物I−30を、実施例17に記載されるように、中間体5(実施例1から得られた)を中間体6の代わりに使用して調製した。MS m/z:573.5 (M+H
+)。
実施例33:I−31の合成
工程1:中間体2
中間体1(2.34g,15.0mmol)のDMF(50mL)中の溶液に、(Boc)
2O(6.60g,30.3mmol)およびDMAP(600mg,4.9mmol)を添加した。この反応物を周囲温度で一晩撹拌した。DMFを減圧下で除去し、そして表題化合物をシリカゲルクロマトグラフィーにより単離した。MS m/z:257.2 (M+H
+)。
工程2:中間体3
中間体2(660mg,2.57mmol)とピペリジン(0.65mL,6.60mmol)とをDMF(6.0mL)中で合わせた。この反応混合物を110℃で3時間加熱した。この反応物を減圧中で濃縮し、そしてシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、660mgの表題化合物を得た。MS m/z:322.3 (M+H
+)。
工程3:中間体4
中間体3(660mg,2.06mmol)をMeOH(10mL)に溶解させ、これに、10wt%のPd/C(100mg)を添加した。この反応物をH
2バルーン下で4.5時間撹拌した。この反応物をセライトのショートプラグで濾過し、そして減圧中で濃縮した。精製せずに、この粗製生成物(quant.)を次の工程に直接使用した。MS m/z:292.1 (M+H)
+。
I−31
表題化合物を、中間体4および中間体5(実施例1から得られた)から、実施例5に記載されるような手順を使用して調製した。MS m/z:544.3 (M+H
+)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ:8.65 (1H, s), 8.24 (1H, s), 7.71 (1H, m), 7.44 (1H, m), 6.41 (5H, m), 5.79 (1H, dd), 4.65 (2H, s), 3.77 (6H, s), 3.39 (4H, m), 3.34 (3H, s), 2.00 (4H, m), 1.67 (2H, m)。
実施例34:I−32の合成
化合物I−32を、実施例25に記載されるように、工程1においてアリルアミンをシクロプロパンアミンの代わりに使用し、そして工程5においてmCPBAをSO
2Cl
2の代わりに使用して調製した(mCPBA酸化は、実施例2の工程7に記載されている)。MS m/z:487.1 (M+H
+)。
実施例35:I−33の合成
化合物I−33を、実施例25に記載されるように、工程1において3−アミノプロパン−1,2−ジオールをシクロプロパンアミンの代わりに使用し、そして工程5においてmCPBAをSO
2Cl
2の代わりに使用して調製した(mCPBA酸化は、実施例2の工程7に記載されている)。MS m/z:521.2 (M+H
+)。
実施例36:I−34の合成
化合物I−34を、実施例7に記載されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程5においてシクロプロパンアミンをメチルアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:487.3 (M+H
+)。
実施例37:I−35(ラセミ体)の合成
化合物I−35を、実施例21に記載されるように調製した。出発物質を、実施例2に記載されるように、工程2においてピリジン−3−イルメタンアミンを3−ニトロベンジルアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:612.3 (M+H
+)。
実施例38:I−36の合成
化合物I−36を、実施例7に記載されるように調製した。出発物質を、実施例2に記載されるように、工程2において3−アミノピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルを3−ニトロベンジルアミンの代わりに使用し、そして工程6を省略して調製した。MS m/z:630.3 (M+H
+)。
実施例39:I−37の合成
化合物I−37を、実施例5に記載されるように、工程1において(2−アミノフェニル)(メチル)カルバミン酸tert−ブチルを1,2−ベンゼンジアミンの代わりに使用して調製した。BOC脱保護を、工程2の前に(実施例3の工程5に記載されるように)実施した。MS m/z:619.4 (M+H
+)。
実施例40:I−38の合成
化合物I−38を、実施例53に記載されるように、工程1においてアニリンをシクロプロパンアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:401.3 (M+H
+)。
実施例41:I−39(ラセミ体)の合成
化合物I−39を、実施例21に記載されるように、工程1においてmCPBAをSO
2Cl
2の代わりに使用して(mCPBA酸化は、実施例2の工程7に記載されている)、そして工程2において(cis−2−アミノシクロヘキシル)(メチル)カルバミン酸tert−ブチルをcis−シクロヘキサン−1,2−ジアミンの代わりに使用して調製した。BOC脱保護を、工程3の前に(実施例3の工程5に記載されるように)実施した。MS m/z:481.5 (M+H
+)。
実施例42:I−40の合成
表題化合物を、実施例7に記載されるように調製した。出発物質を、実施例2に記載されるように、工程2において4−アミノピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルを3−ニトロベンジルアミンの代わりに使用し、そして工程6を省略して調製した。最後のBOC脱保護工程を、実施例3の工程5に記載されるように実施した。MS m/z:544.3 (M+H
+)。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD): δ:8.02 (1H, s), 7.76 (1H, d), 7.55 (1H, d), 7.36 (2H, m), 6.53 (2H, s), 6.46 (1H, m), 6.36 (1H, dd), 5.80 (1H, dd), 4.73 (2H, s), 3.82 (2H, d), 3.77 (6H, s), 3.30 (2H, s), 2.81 (2H, t), 1.92 (1H, m), 1.68 (2H, m), 1.30 (2H, q)。
実施例43:I−41の合成
化合物I−41を、実施例7に記載されるように、工程1において(2−アミノ−5−メチルフェニル)カルバミン酸tert−ブチルを1,2−ベンゼンジアミンの代わりに使用して調製した。BOC脱保護を、工程2の前に(実施例3の工程5に記載されるように)実施した。MS m/z:475.4 (M+H
+)。
実施例44:I−42の合成
化合物I−42を、実施例7に記載されるように、工程1において(2−アミノ−5−トリフルオロメチルフェニル)カルバミン酸tert−ブチルを1,2−ベンゼンジアミンの代わりに使用して調製した。BOC脱保護を、工程2の前に(実施例3の工程5に記載されるように)実施した。MS m/z:529.4 (M+H
+)。
実施例45:I−43の合成
表題化合物を、実施例7に記載されるように調製した。出発物質を、実施例2に記載されるように、工程2において3−アミノピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルを3−ニトロベンジルアミンの代わりに使用し、そして工程6を省略して調製した。最後のBOC脱保護工程を、実施例3の工程5に記載されるように実施した。MS m/z:530.2 (M+H
+)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ:7.87 (1H, s), 7.68 (1H, m), 7.43 (1H, m), 7.24 (1H, m), 7.18 (2H, m), 6.32 (4H, m), 5.68 (1H, dd), 4.85 (1H, m), 4.52 (2H, s), 4.13 (1H, m), 3.70 (6H, s), 3.30 (3H, m), 2.39 (2H, m), 1.72 (2H, m), 1.88 (2H, m)。
実施例46:I−44の合成
表題化合物を、実施例5に概説されるように調製した。中間体1を、実施例1に記載されるように、工程5においてピリジン−3−イルメタンアミンをメチルアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:538.3 (M+H
+)。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD): δ:8.62 (2H, m), 8.23 (1H, d), 8.05 (1H, s), 7.78 (1H, m), 7.65 (1H, dd), 7.48 (1H, dd), 7.31 (2H, m), 6.55 (2H, s), 6.46 (1H, s), 6.36 (2H, m), 5.77 (1H, dd), 5.22 (2H, dd), 4.75 (2H, s), 3.77 (6H, s)。
実施例47:I−45(ラセミ体)の合成
化合物I−45を、実施例10に記載されるように調製した。出発物質を、実施例2に記載されるように、工程2において3−アミノピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルを3−ニトロベンジルアミンの代わりに使用し、そして工程6を省略して調製した。MS m/z:636.3 (M+H
+)。
実施例48:I−46(ラセミ体)
表題化合物を、実施例21に記載されるように、工程1においてmCPBAをSO
2Cl
2の代わりに使用して調製した(mCPBA酸化は、実施例2の工程7に記載されている)。出発物質を、実施例2に記載されるように、工程2において3−アミノピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルを3−ニトロベンジルアミンの代わりに使用し、そして工程6を省略して調製した。最後のBOC脱保護工程を、実施例3の工程5に記載されるように実施した。MS m/z:536.3 (M+H
+)。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD): δ:7.98 (1H, s), 6.51 (2H, s), 6.46 (1H, s), 6.17 (2H, m), 5.62 (1H, dd), 5.03 (1H, m), 4.62 (2H, m), 4.28 (1H, m), 3.93 (1H, m), 3.77 (6H, s), 3.40 (2H, m), 2.94 (1H, m), 2.59 (1H, m), 2.10 (2H, m), 1.96 (2H, m), 1.77 (6H, m), 1.54 (2H, m)。
実施例49:I−47,(ラセミ体)
表題化合物を、実施例21に記載されるように調製した。出発物質を、実施例2に記載されるように、工程2において2−アミノアセトニトリルを3−ニトロベンジルアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:560.2 (M+H
+)。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD): δ:8.07 (1H, s), 6.92 (1H, s), 6.33 (1H, m), 6.18 (1H, dd), 5.63 (1H, dd), 5.01 (2H, s), 4.61 (2H, s), 4.48 (2H, m), 3.97 (6H, s), 1.79 (6H, m), 1.55 (2H, m)。
実施例50:I−48,
表題化合物を、実施例4に記載されるように調製した。出発物質を、実施例2に記載されるように、工程2において2−アミノアセトニトリルを3−ニトロベンジルアミンの代わりに使用し、そして工程6を省略して調製した。MS m/z:486.2 (M+H
+)。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD): δ:8.06 (1H, s), 7.76 (1H, d), 7.51 (1H, d), 7.32 (2H, m), 6.56 (2H, s), 6.47 (3H, m), 5.79 (1H, dd), 4.7 (2H, s), 4.72 (2H, s), 3.77 (6H,s)。
実施例51:I−49の合成
化合物I−49を、実施例7に記載されるように、工程1において(2−アミノ−5−メチルフェニル)カルバミン酸tert−ブチルを1,2−ベンゼンジアミンの代わりに使用して調製した。BOC脱保護を、工程2の前に(実施例3の工程5に記載されるように)実施した。MS m/z:475.4 (M+H
+)。
実施例52:I−50の合成
化合物I−50を、実施例7に記載されるように、工程1において(2−アミノ−5−トリフルオロメチルフェニル)カルバミン酸tert−ブチルを1,2−ベンゼンジアミンの代わりに使用して調製した。BOC脱保護を、工程2の前に(実施例3の工程5に記載されるように)実施した。MS m/z:529.4 (M+H
+)。
実施例53:I−51
工程1:中間体1
2,4−ジクロロ−5−(ヨードメチル)ピリミジン(1.70g,5.88mmol)の、MeCN(5mL)およびトルエン(15mL)中の溶液に、水性NaOH(1.5mL 5.88mmol)、MeCN(6mL)/トルエン(6mL)中のシクロプロパンアミン(580mg,5.88mmol)を添加した。この混合物を0℃で4時間撹拌した。この混合物をEtOAcとH
2Oとの間で分配した。その有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、そして濃縮した。その残渣を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中30%のEtOAcで溶出)により精製して、540mgの表題化合物を得た。MS m/z:218.2 (M+1)
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) :δ 0.40−0.54 (m, 4H), 2.13−2.18 (m, 1H), 3.97 (s, 2H), 8.62 (s, 1H)。
工程2:中間体2
中間体1(540mg,2.55mmol)のメタンアミン(エタノール溶液,10mL)中の溶液を0℃で1時間撹拌した。揮発性物質を減圧下でエバポレートした。その残渣をEtOAcと水との間で分配し、そしてその有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、そして濃縮した。その残渣を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(DCM中5%のMeOHで溶出)により精製して、350mgの表題化合物を得た。MS m/z:213.3 (M+1)
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) :δ 0.29〜0.33 (m, 2H), 0.45−0.50 (m, 2H), 2.08−2.13 (m, 1H), 2.98 (d, 3H), 3.74 (s, 2H), 7.17 (br, 1H), 7.75 (s, 1H)。
工程3:中間体3
中間体2(100mg,0.47mmol)、トリホスゲン(83mg,0.28mmol)、TEA(95mg,0.94mmol)のTHF(3mL)中の混合物を80℃で16時間撹拌した。この混合物をEtOAcとH
2Oとの間で分配した。その有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、そして濃縮した。その残渣を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(DCM中2%のMeOHで溶出)により精製して、60mgの表題化合物を得た。MS m/z:239.3 (M+1)
+。
工程4:中間体4
中間体3(60mg,0.25mmol)、ベンゼン−1,2−ジアミン(32.7mg,0.30mmol)、Cs
2CO
3(164mg,0.50mmol)、Pd
2(dba)
3(21.7mg,0.038mmol)およびXantphos(43.7mg,0.076mmol)の1,4−ジオキサン(2mL)中の混合物をN
2雰囲気下90℃で16時間撹拌した。揮発性物質を減圧下でエバポレートした。その残渣を水で希釈し、そしてEtOAc(20mL×3)で抽出した。その有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、そして濃縮した。その残渣を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(DCM中5%のMeOHで溶出)により精製して、39mgの表題化合物を得た。MS m/z:311.3 (M+1)
+。
工程5:I−51
中間体4(39mg,0.13mmol)およびDIPEA(38.7mg,0.3mmol)のTHF(5mL)中の溶液に、−78℃で塩化アクリロイル(13.6g,0.15mmol)を添加した。この反応混合物を−78℃で20分間撹拌した。水を添加し、そしてこの混合物をEtOAc(20mL×3)で抽出した。その有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、そして濃縮した。その残渣を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(DCM中5%のMeOHで溶出)により精製して、9.3mgの表題化合物を得た。MS m/z:365.4 (M+1)
+。
1H NMR (400MHz, CDCl
3):δ 0.63−0.71 (m, 2H), 0.88 (q, 2H), 2.62−2.69 (m, 1H), 3.30 (s, 3H), 4.25 (s, 2H), 5.71 (d, 1H), 6.21 (dd, 1H), 6.38 (d, 1H), 7.18−7.22 (m, 2H), 7.28 (br s, 1H), 7.50 (br, 1H), 7.89 (s, 1H), 8.38 (br s, 1H)。
実施例54:I−52の合成
化合物I−52を、実施例53に記載されるように、工程1においてシクロヘキサンアミンをシクロプロパンアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:407.4 (M+H
+)。
実施例55:I−53の合成
化合物I−53を、実施例21に記載されるように、工程2において(cis−2−アミノシクロヘキシル)(メチル)カルバミン酸tert−ブチルをcis−シクロヘキサン−1,2−ジアミンの代わりに使用して調製した。BOC脱保護を、工程3の前に(実施例3の工程5に記載されるように)実施した。MS m/z:549.5 (M+H
+)。
実施例56:I−54の合成
化合物I−54を、実施例17に記載されるように、(2−アミノ−5−(1−エチルピペリジン−4−イル)フェニル)カルバミン酸tert−ブチルを中間体3の代わりに使用して調製した。MS m/z:572.6 (M+H
+)。
実施例57:I−55の合成
化合物I−55を、実施例17に記載されるように、(5−(4−アセチルピペラジン−1−イル)−2−アミノフェニル)カルバミン酸tert−ブチルを中間体3の代わりに使用して調製した。MS m/z:587.5 (M+H
+)。
実施例58:I−56の合成
化合物I−56を、実施例17に記載されるように、(2−アミノ−5−(1−エチル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル)フェニル)カルバミン酸tert−ブチルを中間体3の代わりに使用して調製した。MS m/z:570.6 (M+H
+)。
実施例59:I−57の合成
化合物I−57を、実施例25に記載されるように、工程1においてブタ−3−エン−1−アミンをシクロプロパンアミンの代わりに使用し、そして工程5においてmCPBAをSO
2Cl
2の代わりに使用して調製した(mCPBA酸化は、実施例2の工程7に記載されている)。MS m/z:501.1 (M+H
+)。
実施例60:I−58の合成
化合物I−58を、実施例25に記載されるように、工程1において4−アミノブタン−1,2−ジオールをシクロプロパンアミンの代わりに使用し、そして工程5においてmCPBAをSO
2Cl
2の代わりに使用して調製した(mCPBA酸化は、実施例2の工程7に記載されている)。MS m/z:535.1 (M+H
+)。
実施例61:I−59
表題化合物を、実施例7に記載されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程5において2−メトキシエタンアミンをメチルアミンの代わりに使用し、そして工程6を省略して調製した。MS m/z:505.3 (M+H
+)。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD): δ:7.97 (1H, s), 7.67 (1H, m), 7.56 (1H, m), 7.34 (2H, m), 6.53 (2H, s), 6.46 (2H, m), 6.39 (1H, m), 5.80 (1H, dd), 4.70 (2H, s), 4.20 (2H, t), 3.77 (6H, s), 3.57 (2H, t), 3.25 (3H, s)。
実施例62:I−60の合成
化合物I−60を、実施例25に記載されるように、工程1において4−(アミノメチル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルをシクロプロパンアミンの代わりに使用し、そして工程5においてmCPBAをSO
2Cl
2の代わりに使用して調製した(mCPBA酸化は、実施例2の工程7に記載されている)。MS m/z:644.7 (M+H
+)。
実施例63:I−61,(ラセミ体)
表題化合物を、実施例116に概説されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程5において2−メトキシエタンアミンをメチルアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:579.2 (M+H
+)。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD): δ:7.97 (1H, s), 6.91 (1H, s), 6.34 (1H, m), 6.17 (1H, dd), 5.63 (1H, d), 4.59 (2H, m), 4.48 (1H, br s), 4.37 (1H, br s), 4.29 (2H, m), 3.97 (6H, s), 3.48(2H, s), 3.35 (3H, s), 1.76 (6H, m)。
実施例64:I−62の合成
化合物I−62を、実施例17に記載されるように、工程2においてピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルをN−エチルピペリジンの代わりに使用して調製した。MS m/z:713.5 (M+H
+)。
実施例65:I−63(ラセミ体)の合成
化合物I−63を、実施例21に記載されるように調製した。中間体1を、実施例2に記載されるように、工程2においてベンジルアミンを3−ニトロベンジルアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:611.4 (M+H
+)。
実施例66:I−64の合成
化合物I−64を、実施例7に記載されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程5においてチアゾール−4−イルメタンアミンをメチルアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:544.4 (M+H
+)。
実施例67:I−65
工程1:中間体2
実施例1から得られた中間体6(100mg,0.25mmol)、2−ニトロフェノール(51.7mg,0.37mmol)、Cs
2CO
3(162mg,0.50mmol)のNMP(5mL)中の混合物を100℃で16時間加熱した。この混合物を周囲温度まで冷却した。水を添加し、そして得られた混合物をEtOAc(35mL×3)で抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、そして減圧中で濃縮した。その粗製生成物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(4%のEtOAc/DCM)により精製して、52.5mgの表題化合物を得た。
工程2:中間体3
中間体2(52.5mg,0.10mmol)、Fe(34.5mg,0.62mmol)、NH
4Cl(33.3mg,0.62mmol)の、エタノール(4mL)およびH
2O(2mL)中の混合物を2時間加熱還流した。この混合物を周囲温度まで冷却し、そして濾過した。その濾液を減圧中で濃縮し、水を添加し、そして得られた混合物をEtOAc(35mL×3)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO
3で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、そして減圧中で濃縮した。その粗製生成物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(3%のMeOH/DCM)により精製して、7.1mgの表題化合物を得た。MS m/z:476.3 (M+1)
+。
工程3:I−65
中間体3(7.10mg,0.02mmol)およびDIPEA(3.9mg,0.03mmol)のTHF(4mL)中の冷(0℃)溶液に、塩化アクリロイル(1.6mg,0.02mmol)を添加した。この反応物を0℃で10分間撹拌し、その後、これを飽和NaHCO
3でクエンチし、そしてEtOAc(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO
3で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、そして減圧中で濃縮した。その残渣を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(DCM中4%のEtOAc)により精製して、3.0mgの表題化合物を得た。MS m/z:530.4 (M+1)
+。
1H NMR (400MHz, CDCl
3):δ 3.45 (s, 3H), 3.94 (s, 6H), 4.57 (s, 2H), 6.08 (d, 1H), 6.41 (dd, 1H), 6.61 (s, 1H), 6.67 (d, 1H), 7.05−7.11 (m, 1H), 7.20 (d, 1H), 7.27−7.30 (m, 1H), 7.97 (s, 1H), 8.38 (d, 1H)。
実施例68:I−66
表題化合物(40mg)を、実施例84に記載されるように、工程3において(1R,2S)−2−アミノシクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチルを(1S,2R)−2−アミノシクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチルの代わりに使用して調製した。MS m/z:611.1 (M+H
+)。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ:7.96 (1H, d), 7.71 (1H, d), 7.28 (4H, m), 7.2 (1H, m), 7.0 (1H, s), 6.3 (1H, dd), 6.05 (1H, dd), 5.55 (1H, dd), 5.12 (1H, br s), 4.5 (2H, s), 3.96 (6H, s), 1.2−1.8 (8H, m)。
実施例69:I−67
工程1:中間体2
実施例1から得られた中間体5(150mg,0.45mmol)、ベンゼン−1,2−ジアミン(48.5mg,0.45mmol)、Cs
2CO
3(292mg,0.90mmol)、Pd
2(dba)
3(41.0mg,0.045mmol)およびxantphos(51.8mg,0.09mmol)の1,4−ジオキサン(6mL)中の混合物を窒素雰囲気下90℃で5時間撹拌した。この混合物を周囲温度まで冷却した。水を添加し、そして得られた混合物をEtOAc(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、そして減圧中で濃縮した。その粗製生成物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(3%のMeOH/DCM)により精製して、88.5mgの表題化合物を得た。MS m/z:407.4 (M+1)
+。
工程2:I−67
中間体2(88.2mg,0.22mmol)およびEt
3N(87.8mg,0.87mmol)のTHF(6mL)中の冷(0℃)溶液に、2−クロロエタンスルホニルクロリド(35.4mg,0.22mmol)を添加した。この反応物を40℃で6時間加熱した。水を添加し、そして得られた混合物をEtOAc(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、そして減圧中で濃縮した。その粗製生成物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(3%のMeOH/DCM)により精製して、8.8mgの表題化合物を得た。MS m/z:497.4 (M+1)
+。
1H NMR (400MHz, CDCl
3):δ 3.40 (s, 3H), 3.79 (s, 6H), 4.64 (s, 2H), 5.86 (d, 1H), 6.14 (d, 1H), 6.39 (s, 1H), 6.48 (d, 2H), 6.55 (dd, 9.6 Hz, 1H), 7.17− 7.27 (m, 3H), 7.46−7.52 (m, 2H), 7.95 (s, 1H), 8.12 (s, 1H)。
実施例70:I−68(ラセミ体)の合成
化合物I−68を、実施例21に記載されるように、実施例25から得られた中間体6を中間体2の代わりに使用して調製した。MS m/z:561.5 (M+H
+)。
実施例71:I−69(ラセミ体)の合成
化合物I−69を、実施例21に記載されるように、実施例116から得られた中間体1を中間体2の代わりに使用して調製した。MS m/z:618.4 (M+H
+)。
実施例72:I−70(ラセミ体)の合成
化合物I−70を、実施例21に記載されるように調製した。出発物質を、実施例2に記載されるように、工程2においてシクロブチルアミンを3−ニトロベンジルアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:575.3 (M+H
+)。
実施例73:I−71(ラセミ体)の合成
化合物I−71を、実施例10に記載されるように、工程1において7−クロロ−3−(3,5−ジメトキシフェニル)−1,4−ジメチル−3,4−ジヒドロピリミド[4,5−d]ピリミジン−2(1H)−オンを中間体8の代わりに使用し(実施例2に記載されるように、1−(2,4−ジクロロピリミジン−5−イル)エタノンを中間体2の代わりに使用し、工程2においてメチルアミンを3−ニトロベンジルアミンの代わりに使用し、そして工程6を省略して調製した)、そして工程2〜5を省略して調製した。MS m/z:481.5 (M+H
+)。
実施例74:I−72(ラセミ体)の合成
化合物I−72を、実施例4に記載されるように、工程1において7−クロロ−3−(3,5−ジメトキシフェニル)−1,4−ジメチル−3,4−ジヒドロピリミド[4,5−d]ピリミジン−2(1H)−オンを中間体1の代わりに使用して(実施例2に記載されるように、1−(2,4−ジクロロピリミジン−5−イル)エタノンを中間体2の代わりに使用し、工程2においてメチルアミンを3−ニトロベンジルアミンの代わりに使用し、そして工程6を省略して調製した)調製した。MS m/z:475.5 (M+H
+)。
実施例75:I−73(ラセミ体)の合成
化合物I−73を、実施例21に記載されるように調製した。その出発物質を、実施例2に記載されるように、工程2においてアンモニアを3−ニトロベンジルアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:521.2 (M+H
+)。
実施例76:I−74
表題化合物を、実施例29に記載されるように、実施例1から得られた中間体6を中間体5の代わりに使用して調製した。MS m/z:609.0 (M+H
+)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ:8.01 (1H, s), 7.95 (2H, m), 7.84 (1H, s), 7.52 (1H, dd), 7.44 (1H, dd), 6.88 (1H, s), 6.47 (1H, dd), 6.38 (1H, dd), 5.80 (1H, dd), 4.60 (2H, s), 3.95 (6H, s), 3.91 (3H, s), 3.35 (3H, s)。
実施例77:I−75の合成
化合物I−75を、実施例102に記載されるように、工程5においてメチルアミンをシクロプロパンアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:495.3 (M+H
+)。
実施例78:I−76(ラセミ体)の合成
化合物I−76を、実施例21に記載されるように調製した。出発物質を、実施例2に記載されるように、工程2においてメチルアミンを3−ニトロベンジルアミンの代わりに使用し、工程4において2−クロロ−3,5−ジメトキシアニリンを3,5−ジメトキシアニリンの代わりに使用し、そして工程6を省略して調製した。MS m/z:501.3 (M+H
+)。
実施例79;I−77
表題化合物を、実施例29に記載されるように、工程1において5−ブロモ−2−ニトロアニリンを中間体1の代わりに使用して調製した。MS m/z:541.2 (M+H
+)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ:8.00 (1H, s), 7.95 (1H, s), 7.84 (1H, s), 7.77 (1H, s), 7.64 (1H, d), 7.53 (1H, m), 6.54 (2H, s), 6.46 (1H, m), 6.41 (1H, m), 5.83 (1H, dd), 4.71 (2H, s), 3.93 (3H, s), 3.78 (6H, s), 3.36 (3H, s)。
実施例80:I−78
表題化合物を、実施例29に概説されるように、工程2において2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)チアゾールを中間体3の代わりに使用して調製した。MS m/z:544.2 (M+H
+)。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ:9.94 (1H, s), 8.91 (1H, s), 8.52 (1H, s), 8.12 (1H, s), 7.89 (1H, d), 7.74 (1H, d), 7.68 (1H, dd), 6.54 (3H, m), 6.41 (1H, m), 6.27 (1H, dd), 5.79 (1H, dd), 4.69 (2H, s), 3.72 (6H, s), 3.26 (3H, s)。
実施例81:I−79の合成
化合物I−79を、実施例7に記載されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程5において1−メチルピペリジン−4−アミンをメチルアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:468.3 (M+H
+)。
実施例82:I−80の合成
化合物I−80を、実施例7に記載されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程5において1−エチルピペリジン−4−アミンをメチルアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:558.4 (M+H
+)。
実施例83:I−81の合成
化合物I−81を、実施例7に記載されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程5において4−アミノピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルをメチルアミンの代わりに使用して調製した。最後のBOC脱保護を(実施例3の工程5に記載されるように)実施した。MS m/z:530.3 (M+H
+)。
実施例84:I−82の合成
工程1:中間体2
表題化合物を、実施例1に記載されるように、工程5においてベンジルアミンをメチルアミンの代わりに使用して調製した。
工程2:中間体3
表題化合物を、文献(Chemistry & Biology 2010,17,285−295)に記載されるように調製した。中間体2(150mg,0.31mmol)およびHOBT(78mg,0.51mmoL)を4mLのDMFに溶解させ、そして90分間撹拌した。アンモニア(3.8mL,ジオキサン中0.5N,1.9mmoL)を添加し、そしてこの反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、そしてその反応混合物を水、ブラインおよびクロロホルムで分配した。その有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてその溶媒を減圧下で除去して、300mgの表題化合物を得、これをそのまま次の反応で使用した。MS m/z:578.2 (M+H
+)。
工程3:中間体4
中間体3(300mg,0.52mmol)、((1S,2R)−2−アミノシクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(214mg,1mmoL)およびDIPEA(170uL,1.56mmoL)の、4mLのDMF中の溶液を70℃で4時間加熱した。この反応混合物を冷却し、そして水、ブラインおよびEtOAcで分配した。その有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてその溶媒を減圧下。その粗製生成物をシリカゲルでのクロマトグラフィー(ヘプタン中0%〜75%のEtOAcの勾配で溶出)に供し、これにより、57mgの表題化合物を得た。MS m/z:657.2 (M+H
+)。
工程4:中間体5
中間体4(57mg,0.087mmol)の、5mLのDCM中の溶液に、500uLのHCl(ジオキサン中4N)を添加し、そしてこの反応物を周囲温度で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、これにより、77mgの表題化合物を得た。MS m/z:557.2 (M+H
+)。
工程5:I−82
中間体5(77mg,0.13mmoL)およびアクリル酸(9ul,0.13mmoL)の、500uLのDMF中の溶液に、DIPEA(114uL,0.65mmoL)およびHATU(49mg,0.13mmoL)を添加した。この反応物を周囲温度で15分間撹拌し、次いで、フラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン中0%〜70%のアセトンの勾配で溶出)により直接精製し、これにより、16mgの表題化合物を得た。MS m/z:611.1 (M+H
+)。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ:7.96 (1H, d), 7.72 (1H, d), 7.28 (4H, m), 7.2 (1H, m), 7.0 (1H, s), 6.31 (1H, dd), 6.05 (1H, dd), 5.55 (1H, dd), 5.12 (2H, br s), 4.5 (2H, s), 3.96 (6H, s), 1.2−1.8 (8H, m)。
実施例85:I−83の合成
工程1:中間体2
表題化合物を、中間体1から、文献の手順(WO 01/29042;PCT/EP00/10088)に従って調製した。
工程2:中間体3
中間体2(53mg,0.14mmol)およびフェニレンジアミン(74mg,0.69mmoL)を、ニートでマイクロ波中120℃で30分間加熱した。その粗製生成物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン中0%〜80%のEtOAcの勾配で溶出)に供して、30mgの表題化合物を得た。MS m/z:415.1 (M+H
+)。
工程3:I−83
中間体3(30mg,0.072mmoL)の、500uLのTHF中の冷(−10℃)溶液に、塩化アクリロイル(6.1μL,0.076mmoL)を添加した。この反応物を−10℃で5分間撹拌し、次いでDIPEA(14uL,0.079mmoL)で処理し、そしてさらに5分間撹拌した。この反応混合物を水とブラインとの間で分配し、そしてその有機層を分離し、そしてシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン中0%〜100%のEtOAcの勾配で溶出)を使用して精製し、これにより、25mgの表題化合物を得た。MS m/z:469.1 (M+H
+)。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ:8.68 (1H, s), 8.12 (1H, s), 7.8 (1H, d), 7.64 (2H, d), 7.58 (1H, d), 7.48 (1H, t), 7.2 (1H, t), 7.12 (1H, t), 6.5 (1H, dd), 6.3 (1H, dd), 5.79 (1H, dd), 4.57 (2H, s), 3.25 (3H, s)。
実施例86:I−84の合成
化合物I−84を、実施例31に記載されるように、工程2において2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)チアゾールを中間体3の代わりに使用して調製した。MS m/z:544.4 (M+H
+)。
実施例87:I−85の合成
化合物I−85を、実施例7に記載されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程5において4−アミノピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルをメチルアミンの代わりに使用して調製した。最後のBOC脱保護を(実施例3の工程5に記載されるように)実施した。MS m/z:598.2 (M+H
+)。
実施例88:I−86の合成
化合物I−86を、実施例7に記載されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程5においてチアゾール−4−イルメタンアミンをメチルアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:612.3 (M+H
+)。
実施例89:I−87の合成
化合物I−87を、実施例7に記載されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程5において4−(アミノメチル)ピリジン−2−アミンをメチルアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:553.4 (M+H
+)。
実施例90:I−88の合成
化合物I−88を、実施例7に記載されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程5においてオキセタン−3−アミンをメチルアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:503.4 (M+H
+)。
実施例91:I−89(ラセミ体)の合成
化合物I−89を、実施例21に記載されるように調製した。N−(3−((7−クロロ−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−2−オキソ−3,4−ジヒドロピリミド[4,5−d]ピリミジン−1(2H)−イル)メチル)フェニル)メタンスルホンアミドを、中間体2の代わりに使用し、そしてこれを、実施例1に記載されるように、工程5においてN−(3−(アミノメチル)フェニル)メタンスルホンアミドをメチルアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:704.3 (M+H
+)。
実施例92:I−90の合成
化合物I−90を、実施例7に記載されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程5において3−(アミノメチル)ベンゾニトリルをメチルアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:562.5 (M+H
+)。
実施例93:I−91
表題化合物を、実施例5に記載されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程5においてチアゾール−2−イルメタンアミンをメチルアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:612.0 (M+H
+)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ:8.07 (1H, s), 7.11 (1H, d), 7.51 (3H, m), 7.23 (2H, m), 6.90 (1H, s), 6.45 (1H, dd), 6.34 (1H, dd), 5.79 (1H, dd), 5.50 (2H, s), 4.67 (2H, s), 3.96 (6H, s)。
実施例94:I−92
表題化合物を、実施例116に概説されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程5においてチアゾール−2−イルメタンアミンをメチルアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:618.2 (M+H
+)。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD): δ:8.00 (1H, s), 7.70 (1H, d), 7.52 (1H, d), 6.92 (1H, s), 6.32 (1H, dd), 6.16 (1H, d), 5.62 (1H, dd), 5.56 (2H, br), 4.65 (2H, s), 3.97 (6H, s), 1.69 (6H, br), 1.51 (2H, br)。
実施例95:I−93の合成
化合物I−93を、実施例116に記載されるように、工程2において((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシル)カルバメートを((1S,2R)−2−アミノシクロヘキシル)カルバメートの代わりに使用して調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程5においてチアゾール−2−イルメタンアミンをメチルアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:618.1 (M+H
+)。
実施例96:I−94の合成
化合物I−94を、実施例116に記載されるように、工程2において((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシル)カルバメートを((1S,2R)−2−アミノシクロヘキシル)カルバメートの代わりに使用して調製した。その出発物質は、実施例1から得られた中間体6であった。MS m/z:535.1 (M+H
+)。
実施例97:I−95の合成
工程1:中間体2
表題化合物(645mg,MS m/z:570.0(M+H
+))を、中間体6(実施例1)から、工程2において実施例84に記載されるように、6−CF
3−HOBTをHOBTの代わりに使用して調製した。
工程2:中間体3
表題化合物(440mg,MS m/z:581.2(M+H
+)を、中間体2から、実施例84の工程3に記載されるように調製した。
工程3:中間体4
中間体3(440mg,0.76mmoL)の、10mLのDCM中の溶液に、10mLのHCl(ジオキサン中4N)を添加し、そしてこの反応物を周囲温度で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、そして得られた固体をその後の反応で直接使用した。
工程4:I−95
表題化合物(190mg)を、実施例84の工程5に記載されるように調製した。MS m/z:535.1 (M+H)
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ:7.96 (1H, s), 7.77 (1H, d), 6.98 (1H, s), 6.7 (1H, br s), 6.32 (1H, br s), 6.04 (1H, d), 5.55 (1H, dd), 4.44 (2H, s), 4.14 (2H, m), 3.97 (6H, s), 3.22 (3H, s), 1.37−1.76 (8H, m)。
実施例98:I−96の合成
化合物I−96を、実施例7に記載されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程5において2−アミノ酢酸tert−ブチルをメチルアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:561.5 (M+H
+)。
実施例99:I−97の合成
化合物I−97を、実施例7に記載されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程5において3−(アミノメチル)ベンズアミドをメチルアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:580.4 (M+H
+)。
実施例100:I−98の合成
化合物I−98を、実施例7に記載されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程5においてシクロプロピルメタンアミンをメチルアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:501.5 (M+H
+)。
実施例101:I−99の合成
化合物I−99を、実施例7に記載されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程5において2,2−ジフルオロプロパン−1−アミンをメチルアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:511.6 (M+H
+)。
実施例102:I−100
工程1:中間体2
125mLの密封チューブ内で、3,5−ジメトキシアニリン(2.00g,13.1mmol)をトルエン(50mL,469mmol)に添加した。無水酢酸(1.36mL,14.4mmol)をゆっくりと添加すると、沈殿物が形成された。この反応物を45℃で30分間加熱し、次いで、この反応物を室温で一晩撹拌した。翌日、この反応物をヘキサンで希釈し、そして濾過し、さらなるヘキサンですすぎ、そして減圧下で乾燥させて、2.5gの表題化合物を得た。MS m/z:196.2 (M+H)
+。
工程2:中間体3
250mLの丸底フラスコに、DCM(75mL)中のN−(3,5−ジメトキシフェニル)アセトアミド(3.20g,16.4mmol)を添加した。この反応混合物を0℃まで冷却した。25mLのDCM中のN−クロロスクシンイミド(2.30g,17.2mmol)をゆっくりと添加し、そしてこの混合物を周囲温度で16時間撹拌した。この反応物を濃縮し、そしてヘキサン−EtOAcの1−1の混合物に溶解させた。生じた沈殿物を濾過し、その濾液を濃縮し、1:1のヘキサン−EtOAcに溶解させ、そして固体を濾過して、2番目の収穫物の固体を得た。集めた沈殿物を合わせ、そしてシリカゲル(ヘキサン中25%のEtOAcで溶出)で精製して、1.50gの表題化合物を得た。MS m/z:230.2 (M+H)
+。
工程3:中間体4
125mLの密封フラスコに、EtOH(50mL,856mmol)中の中間体3(1.90g,8.27mmol)を添加し、その後、10mLの水中の水酸化カリウム(2.32g,41.4mmol)を添加した。この反応物を95℃で16時間撹拌し、その後、これを冷却し、そして濃縮した。得られた油状物を水とEtOAcとの間で分配し、その有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮して、1.00gの表題化合物を得た。MS m/z:188.1 (M+H)
+。
工程4:中間体5の合成
密封容器内に、DMA(5mL,53.3mmol)中の中間体4(1.50g,8.00mmol)を添加し、その後、DIPEA(820μl,8.80mmol)を添加した。この反応混合物を周囲温度で10分間撹拌し、そして実施例1から得られた2,4−ジクロロ−5−(ヨードメチル)ピリミジン(2.31g,8.00mmol)を添加した。この反応混合物を60℃で7.5時間撹拌し、次いで周囲温度で16時間撹拌した。この反応混合物を濃縮し、そしてトルエンと一緒に数回共沸した。EtOAcを添加し、そしてその有機層をブラインで洗浄した(3回)。その有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、そしてフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中5%〜25%のEtOAcで溶出)により精製して、1.75gの表題化合物を得た。MS m/z:348.2 (M+H)
+。
工程5:中間体6の合成
中間体5(1.50g,4.30mmol)を1,4−ジオキサン(20mL)に溶解させた。シクロプロピルメタンアミン(612mg,8.61mmol)およびDIPEA(1.54mL,8.61mmol)を添加した。この溶液を35℃で3時間撹拌した。水(20mL)を添加し、そしてその有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルを通すクロマトグラフィー(DCMで溶出)で分離して、1.17gの表題化合物を得た。MS m/z:383.4 (M+H)
+。
工程6:中間体7
中間体6(1.16g,3.03mmol)をDCM(15mL)に溶解させた。トリホスゲン(873mg,3.33mmol)を一度に添加した。この黄色溶液は部分的に曇り、次いで溶液に戻った。この混合物を周囲温度で30分間撹拌した。トリエチルアミン(2.11mL,15.13mmol)を添加し、そして得られた懸濁物を周囲温度で18時間撹拌した。クロロホルメート中間体の形成が観察された([M+H]+=445m/z)。この懸濁物を耐圧容器に移し、そして50℃でさらに48時間撹拌した。この混合物を冷却し、そしてその有機相を水(20mL)および飽和水性重炭酸ナトリウム(20mL)で洗浄した。その有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルを通すクロマトグラフィー(DCM中0%〜5%のEtOAc)で分離して、1.04gの表題化合物を得た。MS m/z:409.4 (M+H)
+。
工程7:中間体8
中間体7を1,4−ジオキサン(3mL)に溶解させ、そしてベンゼン−1,2−ジアミン(52.85mg,489μmol)およびTFA(244μmol)を添加した。この溶液を95℃で20時間撹拌した。この溶液をEtOAcで希釈し、そして飽和水性重炭酸ナトリウム(5mL)およびブライン(5mL)で洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルを通すクロマトグラフィー(DCM中5%のMeOH)により分離して、100mgの表題化合物を得た。MS m/z:481.5 (M+H)
+。
工程8:I−100
中間体8(98.0mg,204μmol)をDCM(2mL)に溶解させた。Et
3N(56.8μl,408μmol)を添加し、その後、塩化アクリロイル(19.9μl,245μmol)を添加した。この溶液を周囲温度で30分間撹拌し、次いでMeOHを添加し、そしてこの反応混合物を減圧下で濃縮した。その残渣を逆相クロマトグラフィー(MeOH、次いでメタノール中1NのNH
3で予め溶出した)によりクロマトグラフィーで分離した。シリカゲルを通してのその後のクロマトグラフィー(DCM中20%〜30%のEtOAc)により、21.0mgの表題化合物を得た。MS m/z:535.6 (M+H)
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 9.84 (s, 1H), 8.56 (s, 1H), 8.08 (d, 1H), 7.74 (dd, 1H), 7.57 (d, 1H), 7.19 (td, 1H), 7.12 (td, 1H), 6.76 (dd, 2H), 6.52 (dd, 1H), 6.28 (dd, 1H), 5.78 (dd, 1H), 4.78−4.67 (m, 1H), 4.47 (d, 1H), 4.14−3.93 (m, 1H), 3.87 (s, 3H), 3.79 (m, 5H), 1.17 (m, 1H), 1.01−0.69 (m, 1H), 0.48 − 0.10 (m, 4H)。
実施例103:I−101
工程1:中間体2
実施例102から得られた中間体7(100mg,244μmol)をcis シクロヘキサン−1,2−ジアミン(69.75mg,610.85μmol)と合わせ、そして1,4−ジオキサン(3mL)に溶解させた。この溶液を95℃で20時間撹拌した。この溶液を周囲温度まで冷却し、そして減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルを通すクロマトグラフィー(DCM中MeOH中3%の1NのNH
3)で分離して、90mgの表題化合物を得た。MS m/z:487.5 (M+H)
+。
工程2:I−101
中間体2(90mg,185μmol)をDCM(2mL)に溶解させた。トリエチルアミン(51.5μl,370μmol)を添加し、その後、塩化アクリロイル(18.0μl,222μmol)を添加した。この溶液を周囲温度で30分間撹拌し、その後、これをMeOHでクエンチし、そして減圧下で濃縮した。その残渣を、逆相HPLC、次いでシリカゲルでクロマトグラフィーにより分離して、表題化合物を得た。MS m/z:541.6 (M+H)
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 7.95 (s, 1H), 7.74 (d, 1H), 6.78 (t, 1H),), 6.73 (d, 1H), 6.60 (br s, 1H), 6.34 (dd, 2H), 6.04 (dd, 1H), 5.56 (dd, 1H), 4.64 (d, 1H), 4.41 (d, 1H), 4.22 (br s, 1H), 4.05 (br s, 1H), 3.90−3.80 (3, 7H), 1.84−1.03 (m, 10H), 0.92−0.73 (m, 1H), 0.61−0.3(m, 4H)。
実施例104:I−102の合成
化合物I−102を、実施例7に記載されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程5において2−フルオロプロパン−1−アミンをメチルアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:493.6 (M+H
+)。
実施例105:I−103の合成
化合物I−103を、実施例7に記載されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程5において2,2−ジフルオロプロパン−1−アミンをメチルアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:579.5 (M+H
+)。
実施例106:I−104の合成
化合物I−104を、実施例7に記載されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程5において2,2−ジフルオロプロパン−1−アミンをメチルアミンの代わりに使用し、そして工程4において2−クロロ−3,5−ジメトキシアニリンを3,5−ジメトキシアニリンの代わりに使用して調製した。MS m/z:545.5 (M+H
+)。
実施例107:I−105(ラセミ体)の合成
化合物I−105を、実施例21に記載されるように調製した。7−クロロ−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−(2,2−ジフルオロエチル)−3,4−ジヒドロピリミド[4,5−d]ピリミジン−2(1H)−オンを、中間体2の代わりに使用し、そしてこれを、実施例1に記載されるように、工程5において2,2−ジフルオロプロパン−1−アミンをメチルアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:585.5 (M+H
+)。
実施例108:I−106(ラセミ体)の合成
化合物I−106を、実施例21に記載されるように調製した。7−クロロ−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−(2−フルオロエチル)−3,4−ジヒドロピリミド[4,5−d]ピリミジン−2(1H)−オンを、中間体2の代わりに使用し、そしてこれを、実施例1に記載されるように、工程5において2−フルオロプロパン−1−アミンをメチルアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:567.5 (M+H
+)。
実施例109:I−107(ラセミ体)の合成
化合物I−107を、実施例21に記載されるように調製した。7−クロロ−3−(2−クロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−(2,2−ジフルオロエチル)−3,4−ジヒドロピリミド[4,5−d]ピリミジン−2(1H)−オンを、中間体2の代わりに使用し、そしてこれを、実施例1に記載されるように、工程5において2,2−ジフルオロプロパン−1−アミンをメチルアミンの代わりに使用し、そして工程4において2−クロロ−3,5−ジメトキシアニリンを3,5−ジメトキシアニリンの代わりに使用して調製した。MS m/z:551.6 (M+H
+)。
実施例110:I−108の合成
工程1:中間体1
125mLの密封チューブに、トルエン(50mL)中の3,5−ジメトキシアニリン(2.00g,13.1mmol)を添加した。無水酢酸(1.36mL,14.4mmol)を添加すると、沈殿物が形成し始めた。この反応物を45℃で30分間加熱し、次いで周囲温度まで冷却し、そして16時間撹拌した。この反応混合物をヘキサンで希釈し、そして濾過した。この固体をさらなるヘキサンですすぎ、そしてその濾液を減圧下で乾燥させて、2.50gの表題化合物を得た。MS m/z:196.2 (M+H)
+。
工程2:中間体2
125mLの丸底フラスコに、セレクトフルオル(5.99g,16.9mmol)およびMeCN(40mL)を添加し、そして0℃まで冷却した。10mLのMeCN中の中間体1(3.00g,15.4mmol)を0℃で添加し、そしてこの反応物を撹拌し、そして16時間かけて周囲温度まで温めた。この反応物を濃縮し、EtOAcおよびH
2Oを添加し、そしてその有機層を分離し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、そしてその濾液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲル(DCM−EtOAcで溶出)で精製した。2回目の精製(DCM中4%のMeOHで溶出)により、800mgの表題化合物を得た。LC. MS m/z:214.2 (M+H)
+。
工程3:中間体3
125mLの丸底に、EtOH(9.6mL)中の中間体2(700mg,3.28mmol)および4mLのH
2O中の水酸化カリウム(918mg,16.4mmol)を添加し、そしてこの反応系を密封し、そして90℃で20時間加熱した。この反応混合物を濃縮し、H
2OおよびEtOAcを添加し、そしてその有機層を分離し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。生じた固体をシリカゲル(ヘキサン中40%のEtOAcで溶出)で精製して、450mgの表題化合物を得た。LC. MS m/z:172.1 (M+H)
+。
工程4:中間体4
密封容器に、中間体3(2.38g,13.9mmol)、DMA(20mL)およびDIPEA(27.8mmol,2.59mL)を添加した。この反応混合物を周囲温度で15分間撹拌し、その後、2,4−ジクロロ−5−(ヨードメチル)ピリミジン(4.02g,13.9mmol)を添加した。この反応混合物を50℃で16時間加熱し、その後、これを周囲温度まで冷却し、次いで飽和水性NH
4Cl(40mL)とEtOAc(40mL)との間で分配した。その有機相を集め、そしてその水相をEtOAc(40mL)でさらに1回抽出した。その有機相を合わせ、MgSO
4で乾燥させ、そして濃縮した。シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中30%のEtOAcで溶出)による精製により、4.07gの表題化合物を得た。MS m/z:332.2 (M+H)
+。
工程5:中間体5
中間体4(1.00g,3.00mmol)のジオキサン(10mL)中の溶液に、DIPEA(0.70mL,7.53mmol)およびTHF中2Mのメチルアミン(4.52mL,9.03mmol)を添加した。この反応混合物を50℃で16時間加熱した。さらなるメチルアミン(9.03mmol,4.52mL)を添加し、そしてこの反応混合物を50℃でさらに16時間撹拌した。この反応混合物を濃縮し、そしてシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン中50%のEtOAcで溶出)により精製して、570mgの表題化合物を得た。MS m/z:327.3 (M+H)
+。
工程6:中間体6
中間体5(570mg,1.74mmol)のTHF(10mL)中の溶液に、周囲温度でトリホスゲン(1.92mmol,569mg)を添加した。この混合物を周囲温度で30分間撹拌し、その後、Et3N(0.74mL,5.23mmol)を添加し、そしてこの反応混合物を周囲温度で5時間撹拌した。H2O(5mL)をこの反応混合物にゆっくりと添加し、その後、10のpHが達成されるまで飽和水性NaH2CO3(20mL)を添加した。
この反応混合物をEtOAc(2×20mL)で抽出し、合わせた有機相をブラインで洗浄し、そしてMgSO
4で乾燥させ、そして溶媒を減圧下で除去した。得られた残渣をEt
2Oで摩砕し、そしてその固体を濾過して、490mgの表題化合物を得た。その濾液を濃縮して、さらに100mgの表題化合物を得、これをシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(DCM中10%のEtOAcで溶出)により精製して、さらに20mgの表題化合物を得た。MS m/z:353.3 (M+H)
+。
工程7:中間体7
中間体6(250mg,0.71mmol)の1,4−ジオキサン(5mL)中の溶液に、周囲温度で1,2−フェニルジアミン(230mg,2.3mmol)を添加し、その後、2滴のTFAを添加した。この反応混合物を95℃で16時間加熱し、その後、これを周囲温度まで冷却し、そして飽和水性NH
4Cl(10mL)とEtOAc(20mL)との間で分配した。その有機相をブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮し、そして得られた残渣をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(DCM中20%のEtOAcで溶出)により精製して、163mgの表題化合物を得た。MS m/z:425.5 (M+H)
+。
工程8:I−108
中間体7(163mg,0.38mmol)のDCM(5mL)中の溶液に、Et
3N(0.05mL,0.38mmol)を添加した。この混合物を0℃まで冷却し、そして塩化アクリロイル(34.8mg,0.38mmol)を滴下により添加した。この反応混合物を0℃で5分間撹拌し、次いで30分間かけて周囲温度まで温めた。この反応混合物を飽和水性NH
4Cl(10mL)とEtOAc(20mL)との間で分配した。その有機相をMgSO4で乾燥させ、濃縮し、そしてその残渣をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(DMC中60%のEtOAcで溶出)により精製して、32mgの表題化合物を得た。MS m/z:479.5 (M+H)
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl3):δ 3.4 (s, 3H), 3.80 (s, 3H), 3.90 (s, 3H), 4.6 (s, 2H), 5.75 (d, 1H), 6.2 (m, 1H), 6.4 (m, 2H), 6.55 (d, 1H), 7.25 (m, 3H), 7.5 (s, 1H), 7.8 (s, 1H), 7.9 (s, 1H), 8.4 (s, 1H)。
実施例111:I−109の合成
化合物I−109を、実施例7に記載されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程5においてシクロプロピルメタンアミンをメチルアミンの代わりに使用し、そして工程4において2−フルオロ−3,5−ジメトキシアニリンを3,5−ジメトキシアニリンの代わりに使用して調製した。MS m/z:519.6 (M+H
+)。
実施例112:I−110の合成
化合物I−110を、実施例7に記載されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程5において2−フルオロプロパン−1−アミンをメチルアミンの代わりに使用し、そして工程4において2−クロロ−3,5−ジメトキシアニリンを3,5−ジメトキシアニリンの代わりに使用して調製した。MS m/z:527.5 (M+H
+)。
実施例113:I−111(ラセミ体)の合成
化合物I−111を、実施例21に記載されるように調製した。7−クロロ−3−(2−クロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−(2−フルオロエチル)−3,4−ジヒドロピリミド[4,5−d]ピリミジン−2(1H)−オンを、中間体2の代わりに使用し、そしてこれを、実施例1に記載されるように、工程5において2−フルオロプロパン−1−アミンをメチルアミンの代わりに使用し、そして工程4において2−クロロ−3,5−ジメトキシアニリンを3,5−ジメトキシアニリンの代わりに使用して調製した。MS m/z:533.5 (M+H
+)。
実施例114:I−112(ラセミ体)の合成
化合物I−112を、実施例21に記載されるように、工程2においてcis−シクロペンタン−1,2−ジアミンをcis−シクロヘキサン−1,2−ジアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:521.3 (M+H
+)。
実施例115:I−113(ラセミ体)の合成
化合物I−113を、実施例21に記載されるように、工程2においてcis−シクロヘキサ−4−エン−1,2−ジアミンをcis−シクロヘキサン−1,2−ジアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:533.4 (M+H
+)。
実施例116:I−114の合成
工程1:中間体2
表題化合物を、中間体1から、文献の手順(WO 2009;PCT/US2009/002401)に従って調製した。中間体1を、実施例1に概説されるように、工程5においてチアゾール−4−イルメタンアミンをメチルアミンの代わりに使用して調製した。中間体1(540mg,1.11mmoL)、HOBT(340mg,2.23mmoL)およびNMP(735uL,6.68mmoL)を12mLのジオキサンに入れ;100℃で2時間加熱した。溶媒を減圧下で除去し、そして水を添加して沈殿を引き起こし、得られた固体を濾過により除去し、そしてその濾液を濃縮して、672mgの表題化合物を得、これを次の反応で直接使用した。MS m/z:585.0 (M+H
+)。
工程2:中間体3
中間体2(672mg,1.15mmoL)、((1S,2R)−2−アミノシクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチル(492mg,2.3mmoL)、およびNMP(400uL,3.67mmoL)の、12mLのDMF/1.2mLのNMP中の溶液を100℃で16時間加熱した。溶媒を減圧下で除去し、そしてその粗製生成物をシリカゲルでのクロマトグラフィー(ヘプタン中0%〜100%のEtOAcの勾配で溶出)に供し、これにより、650mgの表題化合物を得た。MS m/z:664.1 (M+H
+)。
工程3:中間体4
中間体3(650mg,0.98mmoL)の、10mLのDCM中の溶液に、10mLのHCl(ジオキサン中4N)を添加し、そしてこの反応物を周囲温度で2時間撹拌した。その溶媒を減圧下で除去して、表題化合物を得た。MS m/z:564.0 (M+H
+)。
工程4:I−114
中間体4(552mg,0.98mmoL)の、3mLのDMF中の溶液を氷水/メタノール浴中で冷却し、そしてアクリル酸(62ul,0.98mmoL)を添加した。この混合物に、DIPEA(1mL,5.9mmoL)を添加し、次いでHATU(345mg,0.98mmoL)を添加した。この反応物を周囲温度で15分間撹拌し、そしてフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン中0%〜100%のアセトンの勾配で溶出)により直接精製し、これにより、515mgの表題化合物を得た。MS m/z:618.0 (M+H
+)。
実施例117:I−115の合成
工程1:中間体1
1000mLの丸底フラスコに、セレクトフルオル(13.5g,38.2mmol)およびMeCN(400mL)を添加した。この懸濁物を0℃まで冷却し、そして最小量のMeCN中の3,5−ジメトキシ安息香酸メチル(5.00g,25.5mmol)を10分間かけてゆっくりと添加した。この反応混合物を撹拌し、そして2日間かけて室温まで温め、その後、炭酸ナトリウムの飽和水溶液を添加し、そしてこの反応混合物を15分間撹拌し、そしてMeCNを減圧下で除去した。水およびEtOAcを添加し、そしてその有機層をNaClの飽和水溶液で洗浄した(3回)。その有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮により乾燥させ、そしてシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー:(DCM中30%から50%のヘキサンで溶出)により精製して、1.0gの表題化合物を得た。MS m/z:233.3 (M+H
+)。
工程2:中間体2の合成
125mLの密封チューブに、EtOH(25mL)中のメチル中間体1(1.00g,4.31mmol)およびKOH(507mg,9.04mmol)を添加した。この反応混合物を90℃で20時間加熱した。、次いで冷却し、そして濃縮した。水を添加し、そして得られた溶液をpH<3が達成されるまで1NのHClで処理した。白色沈殿物が形成され、これを濾過して水ですすいだ。この固体をEtOAcに溶解させ、MgSO4で乾燥させ、そしてその有機濾液を濃縮して、600mgの表題化合物を得た。MS m/z:219.2 (M+H
+)。
工程3:中間体3
125mLの丸底チューブに、トルエン(5mL)中の中間体2(0.62g,2.84mmol)、ジフェニルホスホロアジデート(diphenyl phosphorazidate)(647μl,2.98mmol)、Et
3N(416μl,2.98mmol)および2−メチルプロパン−2−オール(299μl,3.13mmol)を添加し、そしてこの反応混合物を密封し、そして70℃で2時間加熱した。この反応混合物を冷却し、そしてトルエンを減圧下で除去した。EtOAcを添加し、そしてその有機相を飽和水性Na
2CO
3(2回)および飽和水性NaCl(2回)で順番に洗浄した。その有機相をMgSO
4で乾燥させ、濃縮し、そして得られた残渣をシリカゲル(100%のDCMで溶出)で精製して、500mgの表題化合物を得た。
1H NMR (500 MHz, DMSO−d6):δ 8.81 (s, 1H), 6.89 (t, 1H), 3.32 (s, 6H), 1.42 (s, 9H)。
工程4:中間体4
125mLの丸底フラスコに、中間体3(500mg,1.73mmol)、ジオキサン中4NのHCl(8.64mL,34.6mmol)を添加し、そしてこの反応混合物を周囲温度で5時間撹拌し、その後、これを濃縮して、表題化合物のHCl塩を得た。
1H NMR (500 MHz, DMSO−d6):δ 6.17 (s, 2H), 3.77 (s, 6H)。
工程5:中間体5
125mLのチューブに、DMA(4mL)中の中間体4(360mg,1.60mmol)、2,4−ジクロロ−5−(ヨードメチル)ピリミジン(461mg,1.60mmol)およびDIPEA(848μl,4.79mmol)を添加した。このチューブを密封し、そしてこの反応混合物を65℃まで、撹拌しながら4時間加熱し、その後、これを冷却し、濃縮し、そしてトルエンと一緒に数回共エバポレートした。残留油状物をEtOAcに溶解させ、そして固体を濾過により除去した。その濾液を濃縮し、DCMに溶解させ、そしてシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサンで溶出)により精製して、350mgの表題化合物を得た。MS m/z:350.3 (M+H
+)。
工程6:中間体6
中間体5(128mg,365.56μmol)および2,2−ジフルオロエタンアミン(59.3mg,731μmol)を1,4−ジオキサンに溶解させた。DIPEA(131μl,731μmol)を添加し、そしてこの溶液を45℃で5時間、次いで40℃で2日間撹拌した。この溶液を減圧下で濃縮し、そして得られた残渣をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中30%のEtOAc)により精製して、105mgの表題化合物を得た。MS m/z:395.4 (M+H
+)。
工程7:中間体7
中間体6(103mg,261μmol)をDCM(2mL)に溶解させ、そしてトリホスゲン(85.2mg,287μmol)を添加した。この溶液を周囲温度で1時間撹拌した。Et
3N(182μl,1.30mmol)を添加し、そしてこの溶液をさらに1時間撹拌した。LCMSは、中間体6の消失および塩化カルバミン酸中間体の形成を示した。この反応混合物を50℃で72時間加熱し、その後、これを周囲温度まで冷却し、そして水(2mL)を添加し、その後、飽和水性重炭酸ナトリウム(3mL)を添加した。この混合物を周囲温度で30分間撹拌し、次いでDCMで抽出し、そしてその有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(DCMで溶出)により精製して、80mgの表題化合物を得た。MS m/z:421.4 (M+H
+)。
工程8:中間体8
中間体7(32.0mg,76.1μmol)を1,4−ジオキサン(0.5mL)に溶解させ、そしてcis−シクロヘキサン−1,2−ジアミン(21.7mg,190μmol)を添加した。この溶液を密封チューブ内90℃で18時間撹拌し、その後、これを減圧下で濃縮し、そして得られた残渣をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(DCM中10%のMeOHで溶出)により精製して、33mgの表題化合物を得た。MS m/z:499.6 (M+H
+)。
工程9:I−115
中間体8(30mg,60.2μmol)をDCMに溶解させた。この溶液を0℃まで冷却し、そしてEt
3N(16.8μl,120μmol)を添加し、その後、塩化アクリロイル(4.87μl,60.2μmol)を添加した。この懸濁物を0℃で45分間撹拌した。メタノールを添加し、そして得られた溶液を減圧下で濃縮した。その残渣をシリカゲルを通すクロマトグラフィー(DCM中60%のEtOAcで溶出)で分離して、20mgの表題化合物を得た。MS m/z:553.6 (M+H
+)。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 8.01 (s, 1H), 7.76 (m, 1H), 7.07 (t, 1H), 7.00−6.60 (m, 1H), 6.48−6.11 (m, 2H), 6.03 (dd, 1H), 5.54 (dd, 1H), 4.57 (s, 2H), 4.37 (m, 2H), 4.18 (m, 2H), 4.09 (s, 6H), 1.86−1.24 (m, 8H)。
実施例118:I−116の合成
工程1:中間体2
実施例117から得られた中間体7を1,4−ジオキサン(0.5mL)に溶解させ、そしてベンゼン−1,2−ジアミン(16.5mg,152μmol)および2滴のTFAを添加した。この容器を密封し、そしてこの溶液を90℃で18時間撹拌し、その後、この反応混合物を減圧下で濃縮し、そして得られた残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィー(DCM中60%のEtOAc)により精製して、21.0mgの表題化合物を得た。MS m/z:493.5 (M+H
+)。
工程2:I−116
中間体2(20.0mg,40.6μmol)をDCMに溶解させ、そしてこの溶液を0℃まで冷却した。Et
3N(11.3μl,81.2μmol)を添加し、その後、塩化アクリロイル(3.21μl,40.6μmol)を添加した。この懸濁物を0℃で1.5時間撹拌し、その後、メタノールを添加し、そしてこの混合物を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィー(DCM中30%のEtOAc)により精製して、11.0mgの表題化合物を得た。MS m/z:547.6 (M+H
+)。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 9.82 (s, 1H), 8.75 (s, 1H), 8.14 (s, 1H), 7.72 (dd, 1H), 7.65−7.53 (m, 1H), 7.25−7.01 (m, 3H), 6.51 (dd, 1H), 6.40−6.04 (m, 2H), 5.78 (dd, 1H), 4.65 (s, 2H), 4.32 (m, 2H), 3.90 (s, 6H)。
実施例119;I−117の合成
工程1:中間体2
10mLのチューブに、tert−ブタノール(6ml,62.7mmol)中の実施例1から得られた中間体6(140mg,347μmol)、炭酸カリウム(240mg,1.73mmol)、Brett Phos(16.2mg,17.3μmol)、1−メチル−1H−ピラゾール−3,4−ジアミン二塩酸塩(64.2mg,347μmol)を添加し、そしてこの反応混合物を密封し、そして窒素でパージした。この混合物を110℃で8時間加熱し、その後、これを周囲温度まで冷却し、そして水を添加した。得られた沈殿物を濾過により集めた。そしてその濾液をDCMで抽出した。その有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮した。合わせた固体をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/DCM)により精製して、48.0mgの表題化合物を得た。MS m/z:479.4 (M+H)
+。
1HNMRは、単一の異性体と一致したが、2D NMR相間は、いずれの異性体が形成されたかを確認しなかった。物質を、N−メチルピラゾールアミンの推定された低下した求電子性に基づいて、中間体2の位置化学的帰属に帰属し、そして物質を次の工程に持ち越した。
工程2:I−117
中間体2(48.0mg,100μmol)をDCM(1ml)に溶解させた。この懸濁物を0℃まで冷却した。Et
3N(27.9μl,200μmol)を添加し、その後、塩化アクリロイル(7.92μl,100μmol)を添加した。得られた懸濁物を0℃で90分間撹拌した。メタノールを添加し、そしてこの混合物を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc中30%のDCM)により精製して、30.0mgの表題化合物を得た。MS m/z:533.5 (M+H)
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 10.74 (s, 1H), 8.95 (s, 1H), 8.10 (d, 2H), 7.01 (s, 1H), 6.53 (m, 1H), 6.36 (m, 1H), 5.82 (dd, 1H), 4.53 (s, 2H), 3.98 (s, 6H), 3.81 (s, 3H)。
実施例120:I−119
表題化合物を、実施例116に概説されるように、工程2において((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチルを((1S,2R)−2−アミノシクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチルの代わりに使用して調製した。MS m/z:618.0 (M+H
+)。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ:9.01 (1H, d), 8.0 (1H, s), 7.69 (1H, d), 6.99 (1H, s), 6.3 (1H, dd), 6.05 (1H, dd), 5.55 (1H, dd), 5.26 (2H, bs), 4.52 (2H, s), 3.96 (6H, s), 3.3 (4H, m), 2.16 (4H, m), 1.9 (4H, m)。
実施例121:I−120の合成
化合物I−120を、実施例53に記載されるように、エチルアミンを工程1においてシクロプロパンアミンの代わりに使用し、そして工程2においてメチルアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:367.3 (M+H
+)。
実施例122:I−121の合成
化合物I−121を、実施例7に記載されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程5において(1H−ピラゾール−4−イル)メタンアミンをメチルアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:527.5 (M+H
+)。
実施例123;I−122の合成
工程1、中間体2
DMF(2.0mL)中の中間体1(57.0mg,0.034mmol)およびPMB−NH
2(0.13mL,1.01mmol)を110℃で4時間加熱した。DMFを減圧中で除去し、そして得られた残渣をDCM(5mL)に溶解させ、その後、AcOH(0.1mL)およびN−エチルピペラジン(0.10mL,7.90mmol)を添加した。1時間後、NaHB(OAc)
3(100mg,0.47mmol)を添加し、そしてこの反応物を16時間撹拌した。EtOAcを添加し、そしてその有機相を飽和水性NaHCO
3およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、そして減圧中で濃縮した。シリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより、80mgの表題化合物を得た。MS m/z:385.2 (M+H
+)。
工程2:中間体3
中間体2(80.0mg,0.21mmol)をDCM中20%(v/v)のTFAで周囲温度で処理し、そしてこの反応混合物を30分間撹拌した。この反応混合物を減圧中で濃縮し、そして得られた残渣をシリカ担持カーボネートで処理し、濾過し、そして濃縮して、定量的収率の表題化合物を得、これをさらに精製せずに使用した。MS m/z:265.2 (M+H
+)。
工程3、中間体4
中間体3(56.0mg,0.21mmol)のDMF(4.0mL)中の溶液に、(Boc)
2O(100mg,0.46mmol)およびDMAP(10.0mg,0.08mmol)を添加した。この反応物を周囲温度で一晩撹拌した。DMFを減圧下で除去し、その生成物をシリカゲルクロマトグラフィーにより単離した(98.0mg)。MS m/z:465.3 (M+H
+)。
工程4、中間体5
中間体4(98.0mg,0.21mmol)のMeOH(5mL)中の溶液に、0℃でNiCl
2−6H
2OおよびNaBH
4を添加した。30分後、この反応を水の添加によりクエンチし、セライトで濾過し、そして濃縮して、62.0mgの表題化合物を得、これをさらに精製せずに使用した。MS m/z:335.3 (M+H
+)。
工程5:I−122
表題化合物を、実施例5に記載されるように、実施例1から得られた中間体5を使用して調製した。MS m/z:587.3 (M+H
+)。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD): δ:8.00 (1H, s), 7.79 (1H, d), 7.64 (1H, s), 7.55 (1H, d), 7.29 (1H, dd), 6.53 (2H, s), 6.45 (2H, m), 5.81 (1H, dd), 4.71 (2H, s), 3.78 (6H, s), 3.77 (2H, s), 3.35 (3H, s), 3.35 (4H, d) 3.30 (4H, d) 3.19 (2H, q), 1.32 (3H, t)。
実施例124:I−123の合成
化合物I−123を、実施例128に記載されるように、工程2においてコハク酸をN−ビオチニル−NH−(PEG)2−COOHの代わりに使用して調製した。MS m/z:713.5 (M+H
+)。
実施例125:I−124の合成
化合物I−124を、実施例7に記載されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程5において4−(アミノメチル)−1H−ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルをメチルアミンの代わりに使用して調製した。最後のBOC脱保護工程を(実施例3の工程5に記載されるように)実施した。MS m/z:595.4 (M+H
+)。
実施例126:I−125の合成
化合物I−125を、実施例7に記載されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程5においてアンモニア(amonia)をメチルアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:447.4 (M+H
+)。
実施例127:I−126の合成
工程1:中間体2
中間体1(2.00g,28.53mmol)の、50mLのアセトン/H
2O(4:1)中の溶液に、NMO(10g,50%水溶液,42.7mmol)およびK
2OsO
4・2H
2O(210mg,0.57mmol)を添加した。この反応混合物を周囲温度で16時間撹拌した。Na
2SO
3(8.0g)を添加し、そして得られた混合物を10分間撹拌した。この反応混合物をエバポレートにより乾固させ、そしてその残渣をEtOAcに溶解させた。得られた懸濁物を濾過し、そしてその濾液をエバポレートにより乾固させて、2.50gの表題化合物を得た。
工程2:中間体3
中間体2(2.50g,24.0mmol)およびEt
3N(12.2g,121mmol)のDCM(50mL)中の氷冷溶液に、メタンスルホニルクロリド(13.8g,121mmol)を添加した。この混合物を0℃で30分間撹拌した。飽和水性Na
2CO
3溶液を添加し、そしてこの反応混合物をDCMと水との間で分配した。その有機層を分離し、ブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、そしてエバポレートした。その粗製固体をエタノールで再結晶して、4.83gの表題化合物を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 3.15 (s, 6H), 3.98−4.02 (m, 2H), 4.14−4.19 (m, 2H), 5.18−5.21 (m, 2H)。
工程3:中間体4
中間体3(4.83g,18.6mmol)のDMF(50mL)中の溶液に、15−クラウン−5(0.40g,1.82mmol)およびNaN
3(6.03g,92.8mmol)を添加した。この混合物をN
2下100℃で一晩加熱した。この反応溶液をEtOAcで希釈し、水およびブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、そしてエバポレートにより乾固させて、2.60gの表題化合物を得た。
工程4:中間体5
中間体4(2.60g,16.9mmol)のMeOH(15mL)中の溶液に、Pd/C(10%,w/w,0.78g)を添加し、そしてこの反応混合物を周囲温度で16時間撹拌した。この反応混合物を濾過し、そしてその濾液を濃縮して、1.45gの表題化合物を得、これをさらに精製せずに使用した。
工程5:中間体6
中間体5(0.90g,8.81mmol)および実施例1から得られた中間体6(1.42g,0.40 eq)のNMP(10mL)中の溶液に、DIPEA(2.30g,17.8mmol)を添加した。この反応混合物を窒素下100℃で16時間加熱した。この反応混合物を周囲温度まで冷却し、水を添加し、そしてその水層をEtOAc(40mL×3)で抽出した。合わせた有機層を乾燥させ(無水Na
2SO
4)、濾過し、そして濃縮した。シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(DCM中5%のMeOH)による精製により、162mgの表題化合物を得た。MS m/z:469.4 (M+H)
+。
工程9:I−126
中間体6(162mg,0.35mmol)およびEt
3N(37.5mg,0.41mmol)のDCM(10mL)中の氷冷溶液に、塩化アクリロイル(41.9mg,0.41mmol)を添加した。この混合物を0℃で10分間撹拌した。この反応混合物を飽和水性NaHCO
3でクエンチし、そして得られた混合物をEtOAcで抽出した。その有機相を乾燥させ、濃縮し、そしてその残渣を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(DCM中3%のMeOH)により精製して、112mgの表題化合物を得た。MS m/z:523.4 (M+H)
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ:3.39 (s, 3H), 3.71−3.81 (m, 2H), 3.94 (s, 6H), 4.17−4.21 (m, 2H), 4.52 (s, 2H), 4.73−4.79 (m, 2H), 5.62−5.65 (m, 2H), 6.02−6.07 (m, 1H), 6.26 (d, 1H), 6.32 (br, 1H), 6.60 (s, 1H), 7.84 (s, 1H)。
実施例128:I−127の合成
I−62(30.0mg,0.042mmol)の、2mLのDCM中の溶液に、200uLのTFAを添加し、そしてこの反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、そして得られた固体を300ulのDMFに溶解させた。この溶液に、N−ビオチニル−NH−(PEG)
2−COOH.DIPEA(35mg,0.049mmol)、HOBT(7mg,0.046mmol)、EDC(9mg,0.046mmol)およびNMM(30uL,0.28mmol)を添加し、そしてこの混合物を周囲温度で16時間撹拌した。この粗製生成物を逆相分取HPLC(0.1%の水性TFAを含むH
2O中10%〜90%のMeCNの勾配で溶出)により精製し、これにより、22mgの表題化合物を得た。MS m/z:1155.3 (M+H
+)。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ:9.73 (1H, s), 8.05 (1H, s), 7.77 (2H, m), 7.47 (1H, d), 7.3 (1H, s), 7.0 (1H, s), 6.86 (1H, dd), 6.5 (1H, dd), 6.45 (1H, br s), 6.25 (1H, dd), 5.77 (1H, dd), 4.51 (2H, s), 4.3 (1H, m), 4.1−3.0 (31H, m), 2.8 (1H, dd), 2.34 (3H, m), 2.08 (5H, tt), 1.73 (3H, m), 1.6 (6H, m), 1.5−1.2 (8H, m)。
実施例129:I−128の合成
工程1:中間体2
表題化合物を、中間体1から、文献の手順(WO 01/19825;PCT/US00/17037;WO 2008/051820;PCT/US2007/081899)に従って調製した。
工程2:中間体3
中間体2(200mg,1.04mmol)およびモノ−BOCフェニレンジアミン(450mg,2.07mmol)の、9mLの1:2 THF/IPA中の溶液を100℃で1時間加熱した。その溶媒を減圧下で除去し、そしてこの反応混合物を水とEtOAcとの間で分配した。その有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮した。その粗製生成物をシリカゲルでのクロマトグラフィー(ヘプタン中0%〜50%のEtOAcの勾配で溶出)に供し、これにより、150mgの表題化合物を得た。MS m/z:361.1 (M+H
+)。
工程3:中間体4
中間体3(250mg,0.69mmol)の、6mLのジオキサン中の溶液に、ヒドロ亜硫酸ナトリウムの溶液(12mLの水中1.5g,8.68mmol)および500ulの濃水酸化アンモニウムを添加した。固体が形成され、これを、溶液が達成されるまで超音波処理した。この溶液を濃縮し、そしてブラインおよびEtOAcで分配した。その有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、そしてその溶媒を減圧下で除去して、260mgの表題化合物を得た。MS m/z:331.1 (M+H
+)。
工程4:中間体5
中間体4(260mg,0.79mmol)および2−(3,5−ジメトキシフェニル)−2−オキソ酢酸エチル(220mg,0.94mmol)の、400ulの酢酸を含む10mLのEtOH中の溶液を16時間還流した。固体が形成され、これを濾過して、150mgの表題化合物を得た。MS m/z:505.2 (M+H
+)。
工程6:I−128
中間体5(150mg,0.3mmol)の、10mLのDCM中の溶液に、2mLのTFAを添加し、そしてこの反応混合物を周囲温度で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、そして冷(0℃)飽和NaHCO
3とEtOAcとで分配した。形成した固体を濾過して、122mgの遊離アミン中間体を得た。MS m/z:405.2 (M+H
+)。次いで、この固体を5mLのTHFおよび500uLのDMFに懸濁させ、そしてこの溶液を氷水/メタノール浴中で冷却した。塩化アクリロイル(20μL,0.23mmol)を添加し、そしてこの反応混合物を−10℃で5分間撹拌し、その後、これをDIPEA(50uL,0.276mmol)で処理し、そして周囲温度で30分間撹拌した。その溶媒の体積を減少させ、そしてその粗製生成物をシリカゲルでのクロマトグラフィー(ヘプタン中0%〜75%のEtOAcの勾配で溶出)に供した。表題化合物を逆相分取HPLC(0.1%の水性TFAを含むH
2O中10%〜90%のアセトニトリルの勾配で溶出)により精製し、これにより、10mgの表題化合物を得た。MS m/z:459.0 (M+H
+)。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ:9.87 (1H, s), 9.43 (1H, s), 8.87 (1H, s), 7.81 (1H, d), 7.649 (1H, d), 7.408 (2H, d), 7.25 (2H, m), 6.64 (1H, dd), 6.5 (1H, dd), 6.3 (1H, dd), 5.78 (1H, dd), 3.8 (6H, s), 3.50 (3H, s)。
実施例130:I−129(ラセミ体)の合成
化合物I−129を、実施例21に記載されるように調製した。7−クロロ−1−(シクロプロピルメチル)−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−3,4−ジヒドロピリミド[4,5−d]ピリミジン−2(1H)−オンを、中間体2の代わりに使用し、そしてこれを、実施例1に記載されるように、工程5においてシクロプロピルメタンアミンをメチルアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:575.5 (M+H
+)。
実施例131:I−130の合成
化合物I−130を、実施例7に記載されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程5においてシクロプロピルメタンアミンをメチルアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:569.5 (M+H
+)。
実施例132:I−131の合成
化合物I−131を、実施例7に記載されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程4において2,6−ジフルオロ−3,5−ジメトキシアニリンを3,5−ジメトキシアニリンの代わりに使用して調製した。MS m/z:497.5 (M+H
+)。
実施例133:I−132の合成
工程1:中間体3
実施例1から得られた中間体4(380mg,1.21mmol)、中間体2(US 7713994に記載されるように調製した)(251mg,1.81mmol)およびDIPEA(642μl,3.63mmol)を1,4−ジオキサン(5mL)中で合わせた。この反応容器を密封し、そして50℃で16時間加熱し、その後、これを濃縮し、そして得られた残渣をDCMに溶解させた。固体を濾過し、そしてその濾液をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc中1%〜5%のMeOHで溶出)により精製して、20%の位置異性体不純物を含む160mgの表題化合物を得、これをさらに精製せずに持ち越した。MS m/z:416.4 (M+H
+)。
工程4:中間体4
中間体3(160mg,385μmol)およびトリホスゲン(120mg,404μmol)をTHF(5mL)中で合わせ、そして30分間撹拌した。Et
3N(154μl,1.15mmol)を添加し、そしてこの反応物を50℃で16時間加熱し、その後、これを周囲温度まで冷却し、そして得られた残渣をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(MeOH/DCMで溶出)により精製して、60mgの表題化合物を得た。MS m/z:442.4 (M+H
+)。
工程5:中間体5
中間体4(56mg,127μmol)を、MeCN(0.3mL)およびDCM(0.3mL)に溶解させた。この溶液を0℃まで冷却し、そして二塩化スルフリル(20.6μl,254μmol)を添加した。この混合物を0℃で2時間撹拌した。水を添加し、その後、飽和水性重炭酸ナトリウムを添加し、そしてこの混合物を周囲温度でさらに20分間撹拌した。この反応混合物をDCMで抽出し、そして合わせた有機層をMgSO
4で乾燥させ、そして減圧下で濃縮し、そしてシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーでの分離(DCM中30%のEtOAcで溶出)により精製して、16mgの表題化合物を得た。MS m/z:510 (M+H
+)。
工程6:中間体6
中間体5(16.0mg,31.3μmol)を1,4−ジオキサン(0.5mL)に懸濁させ、そして(cis)−シクロヘキサン−1,2−ジアミン(7.15mg,62.3μmol)およびEt
3N(13.1μl,94.0μmol)を添加した。得られた懸濁物を95℃で6時間撹拌し、その後、この反応混合物を減圧下で濃縮し、そして得られた残渣をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(DCM中15%のMeOHで溶出)により精製して、15.0mgの表題化合物を得た。
工程7:I−132
中間体6(15.0mg,25.5μmol)をDCM(0.25mL)に懸濁させ、そしてEt
3N(7.11μl,51.0μmol)を添加した。この混合物を0℃まで冷却し、そして塩化アクリロイル(1.60μl,25.5μmol)を添加した。この混合物を0℃で30分間撹拌し、次いでMeOH(3mL)を添加した。この溶液を減圧下で濃縮し、そして得られた残渣をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(DCM中10%のMeOH)により精製して、5mgの表題化合物を得た。MS m/z:642.6 (M+H
+)。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 8.01 (m, 1H), 7.68 (d, 1H), 7.61 (d, 1H), 7.00 (s, 1H), 6.74 (m, 1H), 6.40 − 6.23 (m, 1H), 6.17 − 5.98 (m, 3H), 5.54 (dt, 1H), 4.91 (s, 2H), 4.53 (s, 2H), 3.96 (s, 5H), 4.01 (m, 1H), 3.36 (s, 6H), 1.87 − 1.11 (m, 8H)。
実施例134:I−133の合成
化合物I−133を、実施例21に記載されるように調製した。1−((2−アミノピリジン−4−イル)メチル)−7−クロロ−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−3,4−ジヒドロピリミド[4,5−d]ピリミジン−2(1H)−オンを、中間体2の代わりに使用し、そしてこれを、実施例1に記載されるように、工程5において4−(アミノメチル)ピリジン−2−アミンをメチルアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:627.5 (M+H
+)。
実施例135:I−134の合成
化合物I−134を、実施例7に記載されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程5において(2−メチルチアゾール−4−イル)メタンアミンをメチルアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:626.4 (M+H
+)。
実施例136:I−135の合成
化合物I−135を、実施例7に記載されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程5において4−(アミノメチル)ピリジン−2−アミンをメチルアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:621.4 (M+H
+)。
実施例137:I−136の合成
化合物I−136を、実施例7に記載されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程5において(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)メタンアミンをメチルアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:609.4 (M+H
+)。
実施例138:I−137の合成
化合物I−137を、実施例21に記載されるように調製した。7−クロロ−3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシフェニル)−1−((2−メチルチアゾール−4−イル)メチル)−3,4−ジヒドロピリミド[4,5−d]ピリミジン−2(1H)−オンを、中間体2の代わりに使用し、そしてこれを、実施例1に記載されるように、工程5において(2−メチルチアゾール−4−イル)メタンアミンをメチルアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:632.5 (M+H
+)。
実施例139:I−138(ラセミ体)の合成
化合物I−138を、実施例21に記載されるように、工程2においてcis−1−メチルピロリジン−3,4−ジアミンをcis−シクロヘキサン−1,2−ジアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:536.4 (M+H
+)。
実施例140:I−139(ラセミ体)の合成
化合物I−139を、実施例21に記載されるように、工程2においてcis−1−(3,4−ジアミノピロリジン−1−イル)エタノンをcis−シクロヘキサン−1,2−ジアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:564.5 (M+H
+)。
実施例141:I−140の合成
表題化合物(2mg)を、実施例84に記載されるように、工程3において((3R,4R)−4−アミノテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)カルバミン酸tert−ブチルを((1S,2R)−2−アミノシクロヘキシル)カルバメートの代わりに使用し、そして実施例1から得られた中間体6の誘導体(工程5においてベンジルアミンをメチルアミンの代わりに使用して調製した)で出発して調製した。MS m/z:537.2 (M+H
+)。
実施例142:I−141の合成
化合物I−141を、実施例29に記載されるように、工程2において1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾールを中間体3の代わりに使用し、そして工程4において共通の実施例1から得られた中間体6を使用して調製した。MS m/z:609.4 (M+H
+)。
実施例143:I−142の合成
工程1:I−142
実施例4から得られた中間体2(43.0mg,90.5μmol)をDCM(1mL)に懸濁させ、そしてEt
3N(37.8μl,272μmol)を添加した。この懸濁物を0℃まで冷却し、塩化メタクリロイル(9.81μl,99.5μmol)を添加した。この反応混合物を0℃で45分間撹拌し、メタノールを0℃で添加し、そしてこの反応混合物を減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(DCM中5%のEtOAc)により精製して、3.4mgの表題化合物を得た。MS m/z:543.5 (M+H
+)。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ 9.49 (s, 1H), 8.71 (s, 1H), 8.11 (d, 1H), 7.74 (dd, 1H), 7.50 (dd, 1H), 7.17 (ddd, 2H), 7.00 (s, 1H), 5.80 (m, 1H), 5.52 (t, 1H), 4.52 (s, 2H), 3.96 (s, 6H), 3.22 (s, 3H), 1.94 (s, 3H)。
実施例144:I−143
表題化合物を、実施例84に記載されるように、工程2から出発して調製した。中間体2を、実施例117に記載されるように、工程6において中間体7のメチルアミンを2,2−ジフルオロエタンアミンの代わりに用いて調製した。MS m/z:503.1 (M+H
+)。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD): δ:7.94 (1H, s), 6.96 (1H, t), 6.29 (1H, br), 6.19 (1H, dd), 5.64 (1H, dd), 4.65 (2H, s), 4.44 (2H, br), 3.92 (6H, s), 3.42 (3H, s), 1.78 (6H, br), 1.56 (2H, br)。
実施例145:I−144の合成
化合物I−144を、実施例7に記載されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程5において(5−(アミノメチル)−2−フルオロフェニル)カルバミン酸tert−ブチルをメチルアミンの代わりに使用して調製した。最後のBOC脱保護工程を(実施例3の工程5に記載されるように)実施した。MS m/z:638.5 (M+H
+)。
実施例146:I−145の合成
化合物I−145を、実施例17に記載されるように、4−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)−2−ニトロアニリン(Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,18(18),4997−5001;2008)を中間体1の代わりに使用し、そして工程2を省略して調製した。MS m/z:611.4 (M+H
+)。
実施例147:I−146の合成
化合物I−146を、実施例17に記載されるように、4−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)−2−ニトロアニリン(Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,18(18))を中間体1の代わりに使用し、実施例1から得られた中間体5を使用し、そして工程2を省略して調製した。MS m/z:543.5 (M+H
+)。
実施例148:I−147の合成
化合物I−147を、実施例116に記載されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程5において(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)メタンアミンをメチルアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:615.5 (M+H
+)。
実施例149:I−148の合成
化合物I−148を、実施例116に記載されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程5において(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)メタンアミンをメチルアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:605.6 (M+H
+)。
実施例150:I−149の合成
化合物I−149を、実施例7に記載されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程5において(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)メタンアミンをメチルアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:522.6 (M+H
+)。
実施例151:I−150の合成
化合物I−150を、実施例7に記載されるように調製した。工程1において、(2−アミノ−5−((1−メチルピペリジン−4−イル)カルバモイル)フェニル)カルバミン酸tert−ブチルを、ベンゼン−1,2−ジアミンの代わりに使用した。実施例1から得られた中間体6を、中間体5の代わりに使用した。MS m/z:669.5 (M+H
+)。
実施例152:I−151の合成
化合物I−151を、実施例7に記載されるように調製した。工程1において、(2−アミノ−5−((1−メチルピペリジン−3−イル)カルバモイル)フェニル)カルバミン酸tert−ブチルを、ベンゼン−1,2−ジアミンの代わりに使用した。MS m/z:601.5 (M+H
+)。
実施例153:I−152の合成
化合物I−152を、実施例116に記載されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程5において4−(アミノメチル)−1H−ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルをメチルアミンの代わりに使用して調製した。最後のBOC脱保護工程を、実施例3の工程5に記載されるように実施した。MS m/z:601.4 (M+H
+)。
実施例154:I−153の合成
化合物I−154を、実施例17に記載されるように、4−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)−2−ニトロアニリン(PCT Int.Appl.,2007066201,2007年6月14日に記載されるように調製した)を中間体1の代わりに使用し、そして工程2を省略して調製した。MS m/z:611.4 (M+H
+)。
実施例155:I−154(ラセミ体)の合成
化合物I−155を、実施例7に記載されるように調製した。工程1において、cis−1−(1−メチルピペリジン−4−イル)ピロリジン−3,4−ジアミンを、ベンゼン−1,2−ジアミンの代わりに使用した。実施例1から得られた中間体6を、中間体5の代わりに使用した。MS m/z:547.1 (M+H
+)。
実施例156:I−155
中間体7
表題化合物を、文献(J.Med.Chem.2005,48,4628−4653)に従って、上記スキームに概説されるように調製した。
表題化合物を、中間体7から、実施例7の工程2に概説されるように調製した。MS m/z:443.1 (M+H
+)。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d6): δ .9.92 (1H, br s), 9.51 (1H, br s), 8.99 (1H, s), 8.15 (2H, br s), 7.76−7.67 (2H, m), 7.26−7.26 (2H, m), 6.64−6.62 (4H, m), 6.62 (1H, dd), 6.28 (1H, dd), 5.78 (1H, dd)。
実施例157:I−156の合成
化合物I−156を、実施例116に記載されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程5において3−(アミノメチル)−1H−ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルをメチルアミンの代わりに使用して調製した。最後のBOC脱保護工程を、実施例3の工程5に記載されるように実施した。MS m/z:601.4 (M+H
+)。
実施例158:I−157の合成
化合物I−157を、実施例7に記載されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程5において5−(アミノメチル)−1H−ピラゾール−1−カルボン酸tert−ブチルをメチルアミンの代わりに使用して調製した。最後のBOC脱保護工程を、実施例3の工程5に記載されるように実施した。MS m/z:595.4 (M+H
+)。
実施例159:I−158の合成
化合物I−158を、実施例17に記載されるように、4−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)−2−ニトロアニリン(PCT Int.Appl.,2007066201,2007年6月14日に記載されるように調製した)を中間体1の代わりに使用し、実施例1から得られた中間体5を中間体6の代わりに使用し、そして工程2を省略して調製した。MS m/z:543.5 (M+H
+)。
実施例160:I−159(ラセミ体)の合成
化合物I−159を、実施例7に記載されるように調製した。工程1において、cis−3,4−ジアミノピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルを、ベンゼン−1,2−ジアミンの代わりに使用した。実施例1から得られた中間体6を、中間体5の代わりに使用した。MS m/z:622.5 (M+H
+)。
実施例161:I−160(ラセミ体)の合成
化合物I−160を、実施例7に記載されるように調製した。工程1において、(2−((cis)−3,4−ジアミノピロリジン−1−イル)−2−オキソエチル)カルバミン酸tert−ブチルを、ベンゼン−1,2−ジアミンの代わりに使用した。実施例1から得られた中間体6を、中間体5の代わりに使用した。最後のBOC脱保護工程を、実施例3の工程5に記載されるように実施した。MS m/z:579.5 (M+H
+)。
実施例162:I−161(ラセミ体)の合成
化合物I−161を、実施例7に記載されるように調製した。工程1において、1−((cis)−3,4−ジアミノピロリジン−1−イル)−2−ヒドロキシエタノンを、ベンゼン−1,2−ジアミンの代わりに使用した。実施例1から得られた中間体6を、中間体5の代わりに使用した。MS m/z:580.4 (M+H
+)。
実施例163:I−162の合成
化合物I−162を、実施例116に記載されるように、工程2において((1S,2R)−2−アミノシクロペンチル)カルバミン酸tert−ブチルを((1S,2R)−2−アミノシクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチルの代わりに使用し、そして実施例1から得られた中間体6で出発して調製した。MS m/z:521.1 (M+H
+)。
実施例164:I−163の合成
化合物I−163を、実施例7に記載されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程5において5−(アミノメチル)−1H−イミダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルをメチルアミンの代わりに使用して調製した。最後のBOC脱保護工程を、実施例3の工程5に記載されるように実施した。MS m/z:595.4 (M+H
+)。
実施例165:I−164の合成
化合物I−164を、実施例7に記載されるように調製した。工程1において、((cis)−3,4−ジアミノピロリジン−1−イル)(1−メチルピペリジン−4−イル)メタノンを、ベンゼン−1,2−ジアミンの代わりに使用した。実施例1から得られた中間体6を、中間体5の代わりに使用した。MS m/z:647.5 (M+H
+)。
実施例166:I−165の合成
実施例178から得られた中間体10(86.0mg,0.13mmoL)の、2mLのDCM中の溶液に、200uLのHCl(ジオキサン中4N)を添加し、そしてこの反応物を室温で30分間撹拌した。その溶媒を減圧下で除去して、そのアミン塩酸塩を得た。MS m/z:553.2 (M+H
+)。塩およびアクリル酸(10uL,0.13mmoL)の、500uLのDMF中の溶液を、氷水/メタノール浴中で冷却した。この混合物に、DIEA(130uL,0.74mmol)、次いでHATU(55mg,0.13mmol)を添加した。この反応物を室温で15分間撹拌し、そしてフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン中0%〜70%のアセトンの勾配で溶出)により直接精製し、これにより、36mgの表題化合物を得た。MS m/z:607.1 (M+H
+)。
実施例167:I−166(ラセミ体)の合成
化合物I−166を、実施例7に記載されるように調製した。工程1において((cis)−3,4−ジアミノピロリジン−1−イル)(1−メチルピペリジン−2−イル)メタノンを、ベンゼン−1,2−ジアミンの代わりに使用した。実施例1から得られた中間体6を、中間体5の代わりに使用した。MS m/z:647.5 (M+H
+)。
実施例168:I−167(ラセミ体)の合成
化合物I−167を、実施例7に記載されるように調製した。工程1において、((cis)−3,4−ジアミノピロリジン−1−イル)(1−メチルピペリジン−3−イル)メタノンを、ベンゼン−1,2−ジアミンの代わりに使用した。実施例1から得られた中間体6を、中間体5の代わりに使用した。MS m/z:647.5 (M+H
+)。
実施例169:I−168の合成
実施例166から得られたI−165(34.0mg,0.06mmoL)の、500ulずつのIPA、THF、および水中の溶液に、LiOH一水和物(7.50mg,0.18mmoL)を添加し、そしてこの反応混合物を周囲温度で2時間撹拌した。その溶媒を減圧下で除去し、そして得られた残渣を2滴の3NのHClで処理して、沈殿を引き起こした。その沈殿物を濾過し、そして乾燥させて、14.0mgの表題化合物を得た。MS m/z:579.2 (M+H
+)。
実施例170:I−169の合成
化合物I−169を、実施例116に記載されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程4において3−メトキシ−5−(トリフルオロメチル)アニリンを3,5−ジメトキシアニリンの代わりに使用し、そして工程7を省略して調製した。MS m/z:505.5 (M+H
+)。
実施例171:I−170(ラセミ体)の合成
化合物I−170を、実施例7に記載されるように調製した。工程1において、(cis)−1−(ピリジン−2−イル)ピロリジン−3,4−ジアミンを、ベンゼン−1,2−ジアミンの代わりに使用した。実施例1から得られた中間体6を、中間体5の代わりに使用した。MS m/z:559.4 (M+H
+)。
実施例172:I−171の合成
化合物I−171を、実施例116に記載されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程5において5−(アミノメチル)−1H−イミダゾール−1−カルボン酸tert−ブチルをメチルアミンの代わりに使用して調製した。最後のBOC脱保護工程を、実施例3の工程5に記載されるように実施した。MS m/z:601.4 (M+H
+)。
実施例173:I−172(ラセミ体)の合成
化合物I−172を、実施例174に記載されるように、工程4を省略して調製した。MS m/z:463.2 (M+H
+)。
実施例174:I−173の合成
工程1〜2:中間体2
中間体1(WO 2009153313)(102mg,0.37mmol)およびcis−1,2−ジアミノシクロヘキサン(0.20mL,1.67mmol)のジオキサン(2.0mL)中の混合物を110℃で16時間加熱した。この反応混合物を周囲温度まで冷却し、濃縮乾固させ、DCM(20mL)に溶解させ、そして周囲温度で(Boc)
2O(1.20g)で処理し、次いで一晩撹拌した。次いで、この粗製反応物を濃縮し、そしてシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(0%〜100%のEtOAc/ヘキサン)に供して、50mgの表題化合物を得た。MS:452.2[M+H]
+。
工程3:中間体3
中間体2(50.0mg,0.110mmol)および2−(3,5−ジメトキシフェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(60.0mg,0.22mmol)、およびPd(dppf)Cl
2(10.0mg,0.014mmol)を、ジオキサン(3mL)および2.0Mの水性Na
2CO
3(0.7mL)中で合わせた。この混合物をマイクロ波反応器内120℃で30分間加熱した。この反応混合物をEtOAcで希釈し、飽和水性NaHCO
3、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、そして減圧中で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、48mgの表題化合物を得た。MS m/z:509.4 (M+H
+)。
工程4〜5:中間体4
中間体3(40.0mg,0.079mmol)を、DCM(2mL)およびMeCN(2mL)に溶解させた。0℃で、SO
2Cl
2(13μL,0.16mmol)を添加し、そしてその反応物を0℃で2.5時間維持した。溶媒を除去した後に、この粗製混合物を20%のTFA/DCM(4.0mL)で室温で30分間処理した。全ての揮発性物質を蒸発させた後に、その残渣をDCMに溶解させ、そしてシリカ担持カーボネートで処理して、その塩基性アミンを遊離させた。濾過および濃縮後、定量的な量の生成物が得られ、この粗製物質をそのまま次の工程で使用した。MS m/z:477.4 (M+H
+)。
工程6:I−173
中間体4(40mg,0.088mmol)をTHF(3.0mL)に溶解させ、そして−10℃まで冷却した。塩化アクリロイル(7.2μL,0.088mmol)を添加し、そしてこの反応混合物を−10℃で10分間撹拌した。この反応混合物を濃縮し、そして得られた残渣をDMSOに溶解させ、そしてprep−HPLCにより精製した。MS m/z:531.2 (M+H
+)。1H NMR (400 MHz, CD3OD):9.25 (1H, s), 8.15 (1H, s), 7.77 (1H, s), 6.91 (1H, s), 6.36 (1H, dd), 6.16 (1H, dd), 5.62 (1H, dd), 4.56 (2H, m), 3.97 (6H, s), 3.95 (3H, s), 1.86 (6H, m), 1.60 (2H, m)。
実施例175:I−174(ラセミ体)の合成
化合物I−174を、実施例7に記載されるように調製した。工程1において、((trans)−4−アミノ−6−オキソピペリジン−3−イル)カルバミン酸tert−ブチルを、ベンゼン−1,2−ジアミンの代わりに使用した。実施例1から得られた中間体6を、中間体5の代わりに使用した。最後のBOC脱保護工程を、実施例3の工程5に記載されるように実施した。MS m/z:550.4 (M+H
+)。
実施例176:I−175の合成
表題化合物を、実施例102に概説されるように調製した。ここでそのクロロピリミジン環状尿素中間体(実施例102の中間体7に相当)を、実施例102に記載されるように、2−クロロ−6−フルオロ−3,5−ジメトキシアニリンを中間体4の代わりに使用し、工程5においてメチルアミンをシクロプロピルメタンアミンの代わりに使用し、そして工程7において((1S,2R)−2−アミノシクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチルを1,2−ベンゼンジアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:519.4 (M+H)
+。
1H NMR (400 MHz, クロロホルム−d) δ 7.81 (s, 1H), 6.63 (d, 1H), 6.23 (ddd, 1H), 6.03 (ddd, 1H), 5.59 (ddd, 1H), 4.52 (d, 2H), 4.41 (s, 1H), 4.17 (d, 1H), 3.92 (d, 6H), 3.38 (s, 3H), 2.00 − 1.00 (m, 9H)。
実施例177:I−176の合成
化合物I−176を、実施例116に記載されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程4において4−メトキシアニリンを3,5−ジメトキシアニリンの代わりに使用し、そして工程7を省略して調製した。MS m/z:437.4 (M+H
+)。
実施例178:I−177の合成
工程1:中間体10
表題化合物を、文献に従って、上記スキームに概説されるように調製した。中間体8(US 2005/0020645 A1;Bioorganic & Medicinal Chemistry,2009,17,1193−1206)(45.0mg,0.16mmoL)、中間体9(実施例116に記載されるような様式で、実施例1から得られた中間体6を使用して調製した)(45mg,0.08mmoL)、NMM(26uL,0.24mmoL)の、1mLのジオキサンおよび100uLのNMP中の溶液を、100℃で16時間加熱した。その溶媒を減圧下で除去し、そして得られた残渣をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン中0%〜100%のEtOAcの勾配で溶出)により精製し、これにより、40mgの表題化合物を得た。MS m/z:653.2 (M+H
+)。
工程2:中間体11
中間体10(100mg,0.15mmoL)の、1mLのTHFおよび500uLの水中の溶液に、LiOH一水和物(20.0mg,0.46mmoL)を添加し、そしてこの反応物を60℃で2時間撹拌した。その溶媒を減圧下で除去し、そして得られた残渣を5滴の3NのHClで処理して、沈殿を引き起こした。その沈殿物を濾過し、そして乾燥させ、これにより、50mgの表題化合物を得た。MS m/z:625.1 (M+H
+)。
工程3:中間体12
中間体11(50mg,0.08mmoL)の、500uLのTHF中の溶液に、HATU(30.0mg,0.08mmoL)、NMM(26uL,0.24mmoL)および過剰なエチルアミン(THF中2M,5mL)を添加した。この反応混合物を周囲温度で5日間撹拌した。その溶媒を減圧下で除去し、そして得られた残渣をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィー(ヘプタン中0%〜100%のアセトンの勾配で溶出)により精製し、これにより、25.0mgの表題化合物を得た。MS m/z:652.2 (M+H
+)。
工程4および5:I−177
中間体12(25mg,0.04mmoL)の、5mLのDCM中の溶液に、1mLのHCl(ジオキサン中4N)を添加し、そしてこの反応物を周囲温度で30分間撹拌した。その溶媒を減圧下で除去して、中間体12のアミン塩酸塩を得た。MS m/z:552.2(M+H
+)。これを500uLのDMFに溶解させ、そしてアクリル酸(2.4ul,0.04mmoL)を添加した。この反応混合物を氷水/メタノール浴中で冷却し、そしてDIPEA(40uL,0.21mmoL)を添加し、その後、HATU(14.0mg,0.04mmol)を添加した。この反応混合物を周囲温度で15分間撹拌し、次いで分取HPLC(10%〜90%の、0.1%TFAを含む水およびMeCNの勾配で溶出)により精製し、これにより、7.0mgの表題化合物を得た。MS m/z:606.2 (M+H
+)。
実施例180:I−179の合成
表題化合物を、実施例3に記載されるように調製した。工程1において、3−アミノベンジルカルバミン酸tert−ブチルを、ベンゼン−1,2−ジアミンの代わりに使用し、そして工程2のBoc保護を省略した。MS m/z:690.2 (M+H
+)。
実施例181:I−180の合成
表題化合物を、実施例3に記載されるように調製した。工程1において、3−アミノベンジルカルバミン酸tert−ブチルを、ベンゼン−1,2−ジアミンの代わりに使用した。BOC脱保護を、工程2の前に(実施例3の工程5に記載されるように)実施した。MS m/z:690.1 (M+H
+)。
実施例182:I−181の合成
表題化合物を、実施例7に記載されるように調製した。工程1において、3−アミノベンジルカルバミン酸tert−ブチルを、ベンゼン−1,2−ジアミンの代わりに使用した。実施例1から得られた中間体6を、中間体5の代わりに使用した。BOC脱保護を、工程2の前に実施した(Boc脱保護は、実施例3の工程5に記載されている)。MS m/z:543.3 (M+H
+)。
実施例183:I−182(ラセミ体)の合成
表題化合物を、実施例7に記載されるように調製した。工程1において、4,5−ジメトキシシクロヘキサン−cis−1,2−ジアミンを、ベンゼン−1,2−ジアミンの代わりに使用した。実施例1から得られた中間体6を、中間体5の代わりに使用した。MS m/z:595.5 (M+H
+)。
実施例184:I−183(ラセミ体)の合成
表題化合物を、実施例7に記載されるように調製した。工程1において、cis−1−(ピリダジン−3−イル)ピロリジン−3,4−ジアミンを、ベンゼン−1,2−ジアミンの代わりに使用した。実施例1から得られた中間体6を、中間体5の代わりに使用した。MS m/z:600.4 (M+H
+)。
実施例185:I−184(ラセミ体)の合成
表題化合物を、実施例116に記載されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程4において2−クロロ−6−フルオロ−3,5−ジメトキシアニリンを3,5−ジメトキシアニリンの代わりに使用し、そして工程7を省略して調製した。MS m/z:519.4 (M+H
+)。
実施例186:I−185およびI−186のキラル分離
I−126のキラル分離(Chiralpak IA, 250mm×4.6mm ID,5ミクロン,0.4mL/min,EtOH中30%のヘプタン)は、Rt=23分および31分の2つのエナンチオマーを与えた。これらを、それぞれI−186およびI−185の絶対立体配置に帰属した(>98% ee)。絶対立体配置を、酵素および細胞効力に基づいて、I−94およびI−95に対する類似性により帰属した。
I−185,:MS m/z:523.5 (M+H+),[α]D = −20 (C = 1.00 mg/mL, CH2Cl2, 23℃), 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ:3.39 (s, 3H), 3.71−3.81 (m, 2H), 3.94 (s, 6H), 4.17−4.21 (m, 2H), 4.52 (s, 2H), 4.73−4.79 (m, 2H), 5.62−5.65 (m, 2H), 6.02−6.07 (m, 1H), 6.26 (d, 1H), 6.32 (br, 1H), 6.60 (s, 1H), 7.84 (s, 1H)。
I−186:MS m/z:523.5 (M+H+),[α]D = +38 (C = 1.00 mg/mL, CH2Cl2, 23℃), 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ:3.39 (s, 3H), 3.71−3.81 (m, 2H), 3.94 (s, 6H), 4.17−4.21 (m, 2H), 4.52 (s, 2H), 4.73−4.79 (m, 2H), 5.62−5.65 (m, 2H), 6.02−6.07 (m, 1H), 6.26 (d, 1H), 6.32 (br, 1H), 6.60 (s, 1H), 7.84 (s, 1H)。
I−186の絶対立体配置を、以下のスキームに従うエナンチオ選択的合成によって、確認した。N−((3R,4S)−4−アミノテトラヒドロフラン−3−イル)アクリルアミドを、文献(JACS,1995,117,5897−5898)に従って、実施例226に記載されるように、そして実施例127においてcis−テトラヒドロフラン−3,4−ジアミンの代わりに使用して調製した。
I−186の立体化学の証明およびエナンチオ選択的合成
中間体7(上記スキーム)を、実施例226に記載される手順に従って合成した。中間体7を使用して、実施例127から得られた中間体6とカップリングさせ、その後、Boc脱保護およびアクリルアミド形成を、実施例127に記載される手順を使用して行うことにより、I−186を作製した。I−186:MS m/z:523.5 (M+H+), 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ:3.39 (s, 3H), 3.71−3.81 (m, 2H), 3.94 (s, 6H), 4.17−4.21 (m, 2H), 4.52 (s, 2H), 4.73−4.79 (m, 2H), 5.65 (dd, 1H), 6.02−6.07 (m, 1H), 6.26 (d, 1H), 6.32 (br, 1H), 6.60 (s, 1H), 7.84 (s, 1H)。
実施例187:合成
本明細書中に記載される技術を使用して、以下の化合物を調製し得る。ラセミ体またはジアステレオマー混合物として調製される化合物について、単一の異性体は、キラル出発物質を使用すること、またはキラルクロマトグラフィーを行うことのいずれかによって、光学的に純粋な形態で調製され得る。
化合物I−187
表題化合物を、実施例7に記載されるように調製する。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程4において4−アミノビシクロ[2.2.2]オクタン−1−オールを3,5−ジメトキシアニリンの代わりに使用し、そして工程7を省略して調製する。
化合物I−188
表題化合物を、実施例7に記載されるように調製する。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程4において4−アミノビシクロ[2.2.2]オクタン−1−オールを3,5−ジメトキシアニリンの代わりに使用し、工程5においてベンジルアミンをメチルアミンの代わりに使用し、そして工程7を省略して調製する。
化合物I−189
表題化合物を、実施例7に記載されるように調製する。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程4において4−アミノビシクロ[2.2.2]オクタン−1−オールを3,5−ジメトキシアニリンの代わりに使用し、工程5においてシクロプロパンアミンをメチルアミンの代わりに使用し、そして工程7を省略して調製する。
化合物I−190
表題化合物を、実施例116に記載されるように調製する。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程5において3−(アミノメチル)ベンゼンスルホンアミドをメチルアミンの代わりに使用して調製する。
化合物I−191
表題化合物を、実施例7に記載されるように、工程1においてtert−ブチル tert−ブチル (2−アミノ−5−(4−エチルピペラジン−1−イル)シクロヘキシル)カルバメートをベンゼン−1,2−ジアミンの代わりに使用し、実施例1から得られた中間体6を中間体5の代わりに使用し、そして実施例3の工程5に記載されるような最後のBOC脱保護工程を追加して調製する。
化合物I−193
表題化合物を、実施例7に記載されるように、工程1において((cis)−5−アミノ−2−オキソピペリジン−4−イル)カルバミン酸tert−ブチルをベンゼン−1,2−ジアミンの代わりに使用し、実施例1から得られた中間体6を中間体5の代わりに使用し、そして実施例3の工程5に記載されるような最後のBOC脱保護工程を追加して調製する。
化合物I−194
表題化合物を、実施例7に記載されるように、工程1において((cis)−4−アミノ−6−オキソピペリジン−3−イル)カルバミン酸tert−ブチルをベンゼン−1,2−ジアミンの代わりに使用し、実施例1から得られた中間体6を中間体5の代わりに使用し、そして実施例3の工程5に記載されるような最後のBOC脱保護工程を追加して調製する。
化合物I−195
表題化合物を、実施例7に記載されるように、工程1において((trans)−5−アミノ−2−オキソピペリジン−4−イル)カルバミン酸tert−ブチルをベンゼン−1,2−ジアミンの代わりに使用し、実施例1から得られた中間体6を中間体5の代わりに使用し、そして実施例3の工程5に記載されるような最後のBOC脱保護工程を追加して調製する。
実施例188:I−196の合成
表題化合物を、実施例7に記載されるように、工程1において((trans)−4−アミノ−6−オキソピペリジン−3−イル)カルバミン酸tert−ブチルをベンゼン−1,2−ジアミンの代わりに使用し、実施例1から得られた中間体6を中間体5の代わりに使用し、そして実施例3の工程5に記載されるような最後のBOC脱保護工程を追加して調製した。MS m/z:550.4 (M+H+)。
実施例189:合成
本明細書中に記載される技術を使用して、以下の化合物を調製し得る。ラセミ体またはジアステレオマー混合物として調製される化合物について、単一の異性体は、キラル出発物質を使用すること、またはキラルクロマトグラフィーを行うことのいずれかによって、光学的に純粋な形態で調製され得る。
化合物I−197
表題化合物を、実施例127に記載されるように調製する。クロロ環状尿素誘導体を、実施例1に記載されるように、工程4において3,5−ジメトキシ−2,6−ジメチルアニリンを3,5−ジメトキシアニリンの代わりに使用し、そして工程7を省略して調製する。
化合物I−198
表題化合物を、実施例127に記載されるように調製した。クロロ環状尿素誘導体を、実施例1に記載されるように、工程4において2,6−ジフルオロ−3,5−ジメトキシアニリンを3,5−ジメトキシアニリンの代わりに使用し、そして工程7を省略して調製した。MS m/z:491.5 (M+H
+)。
化合物I−199
表題化合物を、実施例116に記載されるように調製する。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程4において2,6−ジメチル−3,5−ジメトキシアニリンを3,5−ジメトキシアニリンの代わりに使用し、そして工程7を省略して調製する。
化合物I−200
表題化合物を、実施例127に記載されるように、2,5−ジヒドロチオフェンを中間体2の代わりに使用し、そして硫黄の酸化を文献(JOC,2010,75,4629−4631)に記載されるように実施して調製した。MS m/z:571.4 (M+H
+)。
化合物I−201
表題化合物を、実施例7に記載されるように、工程1においてcis)−1−(ピリミジン−4−イル)ピロリジン−3,4−ジアミンをベンゼン−1,2−ジアミンの代わりに使用し、そして実施例1から得られた中間体6を中間体5の代わりに使用して調製した。(MS m/z:600.5 (M+H
+)。
実施例190:I−202の合成
表題化合物を、実施例7に記載されるように、工程1において(cis)−1−(ピリジン−2−イル)ピロリジン−3,4−ジアミンをベンゼン−1,2−ジアミンの代わりに使用し、そして実施例1から得られた中間体6を中間体5の代わりに使用して調製した。MS m/z:599.4 (M+H+)。
実施例191:合成
本明細書中に記載される技術を使用して、以下の化合物を調製し得る。ラセミ体またはジアステレオマー混合物として調製される化合物について、単一の異性体は、キラル出発物質を使用すること、またはキラルクロマトグラフィーを行うことのいずれかによって、光学的に純粋な形態で調製され得る。
化合物I−203
表題化合物を、実施例7に記載されるように、工程1において(cis)−1−(1H−ピラゾール−3−イル)ピロリジン−3,4−ジアミンをベンゼン−1,2−ジアミンの代わりに使用し、そして実施例1から得られた中間体6を中間体5の代わりに使用して調製する。
実施例192:I−204の合成
表題化合物を、実施例7に記載されるように、工程1において(cis)−1−(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)ピロリジン−3,4−ジアミンをベンゼン−1,2−ジアミンの代わりに使用し、そして実施例1から得られた中間体6を中間体5の代わりに使用して調製した。MS m/z:602.5 (M+H
+)。
実施例193:I−205の合成
表題化合物を、実施例127に記載されるように調製した。クロロ環状尿素誘導体を、実施例1に記載されるように、工程4において3,5−ジエトキシアニリンを3,5−ジメトキシアニリンの代わりに使用して調製した。MS m/z:551.5 (M+H
+)。
実施例194:I−206の合成
表題化合物を、実施例127に記載されるように調製した。クロロ環状尿素誘導体を、実施例1に記載されるように、工程4において2−クロロ−6−フルオロ−3,5−ジメトキシアニリンを3,5−ジメトキシアニリンの代わりに使用し、そして工程7を省略して調製した。MS m/z:507.4 (M+H
+)。
実施例195:I−207の合成
表題化合物を、実施例127に記載されるように調製した。クロロ環状尿素誘導体を、実施例1に記載されるように、工程4において3,4,5−トリメトキシアニリンを3,5−ジメトキシアニリンの代わりに使用し、そして工程7を省略して調製した。MS m/z:485.5 (M+H
+)。
実施例196:I−208の合成
表題化合物を、実施例127に記載されるように調製した。クロロ環状尿素誘導体を、実施例1に記載されるように、工程4において3,4,5−トリメトキシアニリンを3,5−ジメトキシアニリンの代わりに使用して調製した。MS m/z:553.4 (M+H
+)。
実施例197:I−209の合成
表題化合物を、実施例127に記載されるように調製した。クロロ環状尿素誘導体を、実施例1に記載されるように、工程4において4−メトキシアニリンを3,5−ジメトキシアニリンの代わりに使用し、そして工程7を省略して調製した。MS m/z:425.4 (M+H
+)。
実施例198:I−210の合成
表題化合物を、実施例127に記載されるように調製した。クロロ環状尿素誘導体を、実施例1に記載されるように、工程5においてチアゾール−4−イルメタンアミンをメチルアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:606.4 (M+H
+)。
実施例199:I−212の合成
表題化合物を、実施例127に記載されるように調製した。クロロ環状尿素誘導体を、実施例1に記載されるように、工程5においてシクロプロピルメタンアミンをメチルアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:563.4 (M+H
+)。
実施例200:I−213の合成
表題化合物を、実施例127に記載されるように調製した。クロロ環状尿素誘導体を、実施例1に記載されるように、工程5において(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)メタンアミンをメチルアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:603.5 (M+H
+)。
実施例201:I−214の合成
表題化合物を、実施例127に記載されるように調製した。クロロ環状尿素誘導体を、実施例1に記載されるように、工程5において(1H−ピラゾール−4−イル)メタンアミンをメチルアミンの代わりに使用して調製する。MS m/z:589.5 (M+H
+)。
実施例202:I−215の合成
表題化合物を、実施例127に記載されるように調製した。クロロ環状尿素誘導体を、実施例1に記載されるように、工程5において(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)メタンアミンをメチルアミンの代わりに使用して調製する。MS m/z:603.5 (M+H
+)。
実施例203:I−216の合成
表題化合物を、実施例127に記載されるように調製した。クロロ環状尿素誘導体を、実施例1に記載されるように、工程5において(1H−ピラゾール−3−イル)メタンアミンをメチルアミンの代わりに使用して調製する。MS m/z:589.5 (M+H
+)。
実施例204:I−217の合成
表題化合物を、実施例127に記載されるように調製した。クロロ環状尿素誘導体を、実施例1に記載されるように、工程5においてエチルアミンをメチルアミンの代わりに使用して調製する。MS m/z:537.4 (M+H
+)。
実施例205:I−218の合成
表題化合物を、実施例127に記載されるように、(実施例31の工程1に記載されるような)メチル化工程を工程5の前に用いて調製した。MS m/z:537.5 (M+H
+)。
実施例206:I−219の合成
表題化合物を、実施例116に記載されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程4において3,5−ジエトキシアニリンを3,5−ジメトキシアニリンの代わりに使用して調製した。MS m/z:563.5 (M+H
+)。
実施例207:I−220の合成
表題化合物を、実施例116に記載されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程4において3,4,5 トリメトキシアニリンを3,5−ジメトキシアニリンの代わりに使用し、そして工程7を省略して調製した。MS m/z:497.5 (M+H+)。
実施例208:合成
本明細書中に記載される技術を使用して、以下の化合物を調製し得る。ラセミ体またはジアステレオマー混合物として調製される化合物について、単一の異性体は、キラル出発物質を使用すること、またはキラルクロマトグラフィーを行うことのいずれかによって、光学的に純粋な形態で調製され得る。
化合物I−221
表題化合物を、実施例116に記載されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程4において3,4,5 トリメトキシアニリンを3,5−ジメトキシアニリンの代わりに使用して調製した。MS m/z:565.5 (M+H
+)。
実施例209:I−222の合成
表題化合物を、実施例116に記載されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程4において4−メトキシアニリンを3,5−ジメトキシアニリンの代わりに使用し、そして工程7を省略して調製した。MS m/z:437.5 (M+H
+)。
実施例210:I−223の合成
表題化合物を、実施例224に記載されるように、工程1において((1S,2R)−2−アミノシクロヘキシル)カルバミン酸tert−ブチルをcis−テトラヒドロフラン−3,4−ジアミンの代わりに使用して調製した。MS m/z:532.5 (M+H+)。1HNMR (400 MHz, CDCl3):1.50−1.78 (m , 8H), 3.68 (s, 3H), 3.95 (s, 6H), 4.30 (br, 1H), 4.53 (br, 1H), 5.61 (d, 1H), 5.99−6.05 (m, 1H), 6.26 (d, 1H), 6.63 (s, 1H), 7.41 (s, 1H), 8.44 (s, 1H)。
実施例211:合成
本明細書中に記載される技術を使用して、以下の化合物を調製し得る。ラセミ体またはジアステレオマー混合物として調製される化合物について、単一の異性体は、キラル出発物質を使用すること、またはキラルクロマトグラフィーを行うことのいずれかによって、光学的に純粋な形態で調製され得る。
化合物I−224
表題化合物を、実施例116に記載されるように調製する。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程4において3,5−ビス(トリフルオロメトキシ)アニリンを3,5−ジメトキシアニリンの代わりに使用して調製する。
化合物I−225
表題化合物を、実施例127に記載されるように調製する。クロロ環状尿素誘導体を、実施例1に記載されるように、工程4において3,5−ビス(トリフルオロメトキシ)アニリンを3,5−ジメトキシアニリンの代わりに使用して調製する。
化合物I−226
表題化合物を、実施例7に記載されるように、工程1において3,4−ジアミノシクロブタ−3−エン−1,2−ジオンをベンゼン−1,2−ジアミンの代わりに使用し、そして実施例1から得られた中間体6を中間体5の代わりに使用して調製する。
化合物I−227
表題化合物を、実施例7に記載されるように調製する。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程4において2−ブロモ−6−フルオロ−3,5−ジメトキシアニリンを3,5−ジメトキシアニリンの代わりに使用し、工程5においてシクロプロピルメタンアミンをメチルアミンの代わりに使用し、そして工程7を省略して調製する。
実施例212:I−228の合成
表題化合物を、実施例116に記載されるように調製した。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程4において2−ブロモ−6−フルオロ−3,5−ジメトキシアニリンを3,5−ジメトキシアニリンの代わりに使用し、そして工程7を省略して調製した。MS m/z:563.4 (M+H+)。
実施例213:合成
本明細書中に記載される技術を使用して、以下の化合物を調製し得る。ラセミ体またはジアステレオマー混合物として調製される化合物について、単一の異性体は、キラル出発物質を使用すること、またはキラルクロマトグラフィーを行うことのいずれかによって、光学的に純粋な形態で調製され得る。
化合物I−229
表題化合物を、実施例116に記載されるように調製する。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程4において2,4,6−トリフルオロ−3,5−ジメトキシアニリンを3,5−ジメトキシアニリンの代わりに使用し、そして工程7を省略して調製する。
化合物363 I−230
表題化合物を、実施例116に記載されるように調製する。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程4において2−シクロプロピル−6−フルオロ−3,5−ジメトキシアニリンを3,5−ジメトキシアニリンの代わりに使用し、そして工程7を省略して調製する。
化合物I−231
表題化合物を、実施例116に記載されるように調製する。出発物質を、実施例1に記載されるように、工程4において2−シクロプロピル−6−クロロ−3,5−ジメトキシアニリンを3,5−ジメトキシアニリンの代わりに使用し、そして工程7を省略して調製する。
実施例214:I−118の合成
化合物I−118を、実施例116に記載されるように、工程4においてプロピオン酸をアクリル酸の代わりに使用して調製した。MS m/z:602.2 (M+H
+)。
実施例215:I−232の合成
化合物I−232を、実施例3に記載されるように調製した。工程1において、(3−アミノフェニル)カルバミン酸tert−ブチルを、ベンゼン−1,2−ジアミンの代わりに使用した。MS m/z:676.4 (M+H
+)。
実施例216:I−233の合成
化合物I−233を、実施例3に記載されるように調製した。工程1において、(4−アミノフェニル)カルバミン酸tert−ブチルを、ベンゼン−1,2−ジアミンの代わりに使用した。MS m/z:676.3 (M+H
+)。
実施例217:I−234の合成
化合物I−234を、実施例3に記載されるように調製した。工程6において、塩化プロピオニルを、塩化アクリロイルの代わりに使用した。MS m/z:678.2 (M+H
+)。
実施例218:I−235の合成
化合物I−235を、実施例7に記載されるように調製した。実施例1から得られた中間体6を、中間体5の代わりに使用した。工程2において、塩化プロピオニルを塩化アクリロイルの代わりに使用した。MS m/z:531.0 (M+H
+)。
実施例219:I−236の合成
化合物I−236を、実施例5に記載されるように調製した。工程2において、塩化プロピオニルを塩化アクリロイルの代わりに使用した。MS m/z:607.1 (M+H
+)。
実施例220:I−237の合成
化合物I−237を、実施例7に記載されるように調製した。工程1において、アニリンをベンゼン−1,2−ジアミンの代わりに使用した。MS m/z:392.3 (M+H
+)。
実施例221:I−238の合成
化合物I−238を、実施例7に記載されるように調製した。工程1において、アニリンをベンゼン−1,2−ジアミンの代わりに使用した。実施例1から得られた中間体6を、中間体5の代わりに使用した。MS m/z:460.1 (M+H
+)。
実施例222:I−239の合成
中間体I−186(3.80mg,0.007mmoL)の、500uLのTHF中の溶液に、触媒量の10%のPd/Cを添加した。1atmのH
2をバルーンを介して導入し、そしてこの反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。この反応混合物を、セライトのパッドで濾過し、そしてその溶媒を減圧下で除去して、3.7mgの表題化合物を得た。MS m/z:525.2 (M+H
+)。
実施例223:共通の中間体8の合成
工程1:中間体2
中間体1(1.35g,6.88mmol)のEtOH中の混合物に、conc.H
2SO
4(4滴)を添加した。この反応混合物を85℃で16時間加熱し、その後、これを周囲温度まで冷却し、そして濃縮した。得られた残渣を水(20mL)で希釈し、そしてDCM(25mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、そして濃縮して、表題化合物(2.85g,100%)を黄色固体として得た。
工程2:中間体4
EtOH中のメチルアミン(33%,17.5mL,140mmol)を、中間体3(10.0g,43.1mmol)の、120mLのジクロロメタン中の溶液に、0℃でゆっくりと添加した。この溶液を30分間撹拌した。水(150ml)を添加し、そして得られた混合物を分離し、その有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、そして濃縮して、表題化合物(9.77g,100%)を白色固体として得た。
工程3:中間体5
LAH(2.45g,64.6mmol)の無水THF(30mL)中の混合物に、0℃で、中間体4(9.77g,43.0mmol)の無水THF(45mL)中の溶液を滴下により添加した。この反応混合物を周囲温度で15分間撹拌した。水(18mL)を滴下により注意深く添加した。この混合物を30分間撹拌した。水性NaOH溶液(15%,8.5mL)を滴下により添加し、その後、水(26mL)を添加した。得られた懸濁物を周囲温度で17時間撹拌し、その後、この反応混合物を濾過し、そしてその後、THF(100mL×2)で洗浄した。合わせた濾液と洗浄液とを濃縮し、そして得られた残渣を酢酸エチル/ヘキサン(v/v:2:1,200mL)に懸濁させた。固体を濾過により集めて、表題化合物を黄色固体として得た(4.23g,53%)。
工程4:中間体6
化合物5(4.23g,23.2mmol)をジクロロメタン(1L)に溶解させ、そして撹拌しながら二酸化マンガン(18.0g,207mmol)で処理した。得られた懸濁物を24時間撹拌し、次いでセライトで濾過し、ジクロロメタン(100mL)で洗浄し、そして合わせた有機層を濃縮して、表題化合物(3.00g,75%)を得た。
工程5:中間体7
中間体2(1.29g,5.75mmol)、中間体6(1.00g,5.46mmol)およびK
2CO
3(1.50g,10.9mmol)の、DMF(100mL)中の混合物を110℃で4時間加熱した。この混合物を室温まで冷却し、水に注ぎ、濾過し、そしてその固体を乾燥させて、表題化合物(1.20g,63%)を白色固体として得た。
工程6:中間体8
中間体7(1.33g,3.88mmol)の、DCM(15mL)およびNMP(5mL)中の溶液に、SO
2Cl
2(2.10g,15.6mmol)を滴下により0℃で添加した。得られた混合物を0℃で30分間撹拌し、その後、これを濃縮し、水で希釈し、EtOAc(25mL×4)で抽出し、そして合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させた。その有機層を濃縮して、表題化合物(1.50g,87%)を白色固体として得た。得られた固体を酢酸エチルで再結晶して、またはシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を白色固体として得た(1.20g,70%)。
実施例224:I−211の合成
工程1:中間体1
実施例223から得られた共通の中間体8(300mg,0.68mmol)、cis−テトラヒドロフラン−3,4−ジアミン(204mg,2.0mmol)、およびDIPEA(387mg,3.0mmol)の、NMP(5mL)中の混合物を80℃で3時間加熱した。この混合物を周囲温度まで冷却し、そしてEtOAcと水との間で分配した。その有機相を分離し、水、ブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、そして得られた残渣をシリカでのカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(137mg,44%)を得た。MS m/z:466.3 (M+H
+)。
工程2:I−211
中間体1(3.50g,7.5mmol)、DIPEA(1.94g,15mmol)の、無水DCM(100mL)中の溶液に、0℃で塩化アクリロイル(680mg,7.50mmol)の無水DCM(5mL)中の溶液を滴下により添加した。この反応混合物を10分間撹拌し、その後、DCMとH
2Oとの間で分配した。その有機相を分離し、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、そしてその粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(2.90g,74%)を得た。MS m/z:520.4 (M+H
+)。
1HNMR (400Hz, CDCl
3):3.68−3.85 (m, 5H), 3.95 (s, 6H), 4.16−4.24 (m, 2H), 4.87 (br, 2H), 5.62 (d, 1H), 6.02−6.08 (m, 1H), 6.24−6.39 (m, 3H), 6.63 (s, 1H), 7.43 (s, 1H), 8.47 (s, 1H)。
実施例225:I−240およびI−241を得るためのI−211のキラル分離
I−211のキラルSFC分離(ChiralCel OD−3,150×4.6mm,5ミクロン,2.4mL/min,CO2中0.05%のDEAを含む40%のMeOH)は、Rt=3.46分および4.89分を有する2つのエナンチオマーを与えた。これらを、それぞれI−240およびI−241の絶対立体配置に帰属した(>98% ee)。絶対立体配置を、酵素および細胞効力に基づいて、I−94およびI−95に対する類似性により帰属した。
I−241:MS m/z:520.4 (M+H+),[α]D = +75 (C = 4.00 mg/mL, CH2Cl2, 23℃), 1HNMR (400Hz, CDCl3):3.68−3.85 (m, 5H), 3.95 (s, 6H), 4.16−4.24 (m, 2H), 4.87 (br, 2H), 5.62 (d, 1H), 6.02−6.08 (m, 1H), 6.24−6.39 (m, 3H), 6.63 (s, 1H), 7.43 (s, 1H), 8.47 (s, 1H)。
I−240:MS m/z:520.4 (M+H+),[α]D = −65 (C = 4.00 mg/mL, CH2Cl2, 23℃),1HNMR (400Hz, CDCl3):3.68−3.85 (m, 5H), 3.95 (s, 6H), 4.16−4.24 (m, 2H), 4.87 (br, 2H), 5.62 (d, 1H), 6.02−6.08 (m, 1H), 6.24−6.39 (m, 3H), 6.63 (s, 1H), 7.43 (s, 1H), 8.47 (s, 1H)。
I−241の絶対立体配置を、以下のスキームに従うエナンチオ選択的合成によって、確認した。N−((3R,4S)−4−アミノテトラヒドロフラン−3−イル)アクリルアミドを、文献(JACS,1995,117,5897−5898)に従って、実施例226に記載されるように調製し、そして実施例224において、cis−テトラヒドロフラン−3,4−ジアミンの代わりに使用した。
実施例226:I−241の立体化学の証明およびエナンチオ選択的合成
工程1:中間体2、((3R,4S)−4−アジドテトラヒドロフラン−3−イルオキシ)トリメチルシラン
撹拌棒を備え付けたフラスコに、(R,R)−Salen触媒(600mg,0.02 equiv,Sigma Aldrich,カタログ531944,CAS# 164931−83−3)を入れ、そしてN2でフラッシュした。シクロペンテンオキシド(4.30g,50.0mmol)およびTMSN3(6.00g,1.05 equiv)を周囲温度で順番に添加した。この反応混合物を12時間撹拌し、この時点で、過剰なTMSN3を減圧下で除去し、そしてその残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(30%のEtOAc/ヘキサンで溶出)により精製して、表題化合物を黄色油状物として得た(7.80g,78%,91% ee,JACS,1995,117,5897−5898)。1HNMR (CDCl3, 400MHz):δ 0.00 (s, 9H), 3.46−3.49 (m, 1H), 3.64−3.69 (m, 2H), 3.83 (dd, 1H), 3.89 (dd, , 1H), 4.08−4.11 (m, 1H)。
工程2:中間体3、(3R,4S)−4−アミノテトラヒドロフラン−3−オール
((3R,4S)−4−アジドテトラヒドロフラン−3−イルオキシ)トリメチルシラン(7.80g,38.8mmol)のMeOH(100mL)中の溶液に、TFA(10.0mg,0.002 equiv)を添加し、そしてこの混合物を室温で30分間撹拌した。得られた溶液をPd/C(1.90g,25wt%)で処理し、そしてH2雰囲気下周囲温度で40時間撹拌した。この反応溶液をセライトで濾過し、そしてそのフィルターケーキをMeOHで洗浄した。合わせた有機物を減圧下で濃縮して、表題化合物(3.10g)を得た。1HNMR (CDCl3, 400MHz):δ 3.38−3.40 (m, 2H), 3.54 (m, 2H), 3.68−3.72 (m, 2H), 3.75 (dd, 1H), 3.83 (dd, 1H), 4.00−4.03 (m, 1H)。
工程3:中間体4、(3S,4R)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イルカルバミン酸tert−ブチル
(3R,4S)−4−アミノテトラヒドロフラン−3−オール(1.00g,9.71mmol)のTHF(30mL)中の溶液に、(Boc)2O(2.70g,1.30 equiv)を添加した。この混合物を周囲温度で一晩撹拌した。この反応溶液を減圧下で濃縮した。その残渣をEtOAcと水との間で分配し、その有機層を水およびブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、そして減圧下で濃縮した。その粗製生成物をカラムクロマトグラフィー(5%のEtOAc/ヘキサンで溶出)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(1.20g,61%)。1HNMR (CDCl3, 400MHz):δ 1.45 (s, 9H), 3.11 (s, 1H), 3.60−3.63 (m, 1H), 3.68−3.71 (1H), 3.95 (s, br, 1H), 4.04−4.11 (m, 2H), 4.28−4.30 (m, 1H), 4.74 (s, br, 1H)。
工程4:中間体5、(3R,4S)−4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)テトラヒドロフラン−3−イルメタンスルホネート
(3S,4R)−4−ヒドロキシテトラヒドロフラン−3−イルカルバミン酸tert−ブチル(1.20g,5.91mmol)およびTEA(0.89g,1.50 eq)のDCM(40mL)中の溶液に、メタンスルホニルクロリド(0.88g,1.30 eq)を窒素雰囲気下0℃で数回に分けて添加した。この混合物をゆっくりと室温まで温め、そして1時間撹拌した。得られた溶液を水、1NのHCl、および飽和水性重炭酸ナトリウムで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、そして減圧下で濃縮して、表題化合物(1.60g,96%)を得た。1HNMR (CDCl3, 400MHz):δ 1.45 (s, 9H), 3.21 (s, 3H), 3.70−3.73 (m, 1H), 3.97−3.99 (m, 1H), 4.05−4.07 (m, 1H), 4.17−4.19 (m, 2H), 4.76 (s, 1H), 5.05 (d, 1H)。
工程5、中間体6、(3R,4S)−4−アジドテトラヒドロフラン−3−イルカルバミン酸tert−ブチル:
メタンスルホン酸(3R,4S)−4−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)テトラヒドロフラン−3−イル(1.60g,5.70mmol)のNMP(10mL)中の溶液に、NaN3(0.92g,2.50 eq)を添加した。この混合物を95℃で5時間撹拌した。得られた溶液を水でクエンチし、そして酢酸エチルで抽出した。その有機相をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、そして減圧下で濃縮して、表題化合物(620mg,48%)を得た。1HNMR (CDCl3, 400MHz):δ 1.47 (s, 9H), 3.45 (t, 1H), 3.87−3.89 (m, 1H), 4.02−4.07 (m, 2H), 4.21 (s, br, 1H), 4.36−4.44 (m, 1H), 4.85 (s, br, 1H)。
工程6:中間体7、(3R,4S)−4−アミノテトラヒドロフラン−3−イル カルバミン酸tert−ブチル
(3R,4S)−4−アジドテトラヒドロフラン−3−イルカルバミン酸tert−ブチル(620mg,2.72mmol)のメタノール(15ml)中の溶液に、Pd/C(10%,170mg)を添加した。この混合物を周囲温度水素下で一晩水素化し(3atm)、その後、この反応混合物を濾過し、そしてその濾液を濃縮して、表題化合物(350mg,63%,91% ee)を得た。1HNMR (CDCl3, 400MHz):δ 1.26 (s, br, 1H), 1.46 (s, 9H), 1.68 (s, br, 1H), 3.47−3.49 (m, 1H), 3.57−3.59 (m, 2H), 3.98−4.06 (m, 2H), 4.10 (d, 1H), 5.24 (s, br, 1H)。
中間体7を使用して、実施例224から得られた中間体8とカップリングさせ、その後、実施例224に記載される手順を使用するBoc脱保護およびアクリルアミド形成を行うことによって、I−241を作製した。I−241:MS m/z:520.4 (M+H
+),
1HNMR (400 MHz, CDCl
3):3.68−3.85 (m, 5H), 3.95 (s, 6H), 4.16−4.24 (m, 2H), 4.87 (br, 2H), 5.62 (d, 1H), 6.02−6.08 (m, 1H), 6.24−6.39 (m, 3H), 6.63 (s, 1H), 7.43 (s, 1H), 8.47 (s, 1H)。
実施例227:I−242の合成
工程1:中間体1
4−メトキシ−2−ニトロアニリン(170mg,1.02mmol)の無水NMP(5mL)中の溶液に、NaH(60%,42.0mg,1.02mmol)を添加した。この反応混合物を室温で10分間撹拌し、その後、これを100℃で0.5時間加熱し、その後、実施例223から得られた共通の中間体8(300mg,0.68mmol)を添加した。この反応混合物を100℃で一晩撹拌し、その後、これを室温まで冷却し、そしてEtOAcと水との間で分配した。その有機相を分離し、そして水、ブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、そしてその粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(200mg,55%)を得た。MS m/z:532.4 (M+H
+)。
工程2:中間体2
中間体1(200mg,0.38mmol)、Fe(130mg,2.26mmol)、およびNH
4Cl(130mg,2.43mmol)の、H
2O(6mL)を含むEtOH(10mL)中の混合物を1時間加熱還流した。生じた固体を濾過により除去し、そしてその濾液をDCMで抽出した。その有機相をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、そしてその粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(180mg,95%)を得た。MS m/z:502.4 (M+H
+)。
工程3:I−242
中間体2(180mg,0.36mmol)およびDIPEA(70mg,0.54mmol)の無水DCM(5ml)中の溶液に、0℃で、塩化アクリロイル(40mg,0.43mmol)の無水DCM(1mL)中の溶液を滴下により添加した。10分後、この反応混合物をDCM/H
2Oの間で分配し、そしてその有機相を分離し、ブラインで洗浄し、そしてNa
2SO
4で乾燥させた。得られた固体をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(60.0mg,30%)を得た。MS m/z:556.4 (M+H
+)。
1HNMR (400Hz, DMSO−d6):δ 3.48 (s, 3H), 3.78 (s, 3H), 3.96 (q, 6H), 5.74 (d, 1H), 6.27 (dd, 1H), 6.53 (q, 1H), 6.82 (dd, 1H), 6.99 (s, 1H), 7.40 (br, 1H), 7.58 (br, 1H), 7.76 (s, 1H), 8.73 (s, 1H), 9.15 (s, 1H), 9.68 (br, 1H)。
実施例228:I−243の合成
表題化合物を、実施例227に記載されるように、工程1において4−メチル−2−ニトロアニリンを4−メトキシ−2−ニトロアニリンの代わりに使用して調製した。MS m/z:540.5 (M+H
+)。
実施例229:I−244の合成
表題化合物を、実施例227に記載されるように、工程1において2−ニトロアニリンを4−メトキシ−2−ニトロアニリンの代わりに使用して調製した。MS m/z:526.4 (M+H
+)。
実施例230:I−245の合成
表題化合物を、実施例227に記載されるように、工程1において4−フルオロ−2−ニトロアニリンを4−メトキシ−2−ニトロアニリンの代わりに使用して調製した。MS m/z:544.4 (M+H
+)。
実施例231:I−246の合成
表題化合物を、実施例127に記載されるように、工程5において、4−クロロ−3−(7−クロロ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミド[4,5−d]ピリミジン−3(4H)−イル)−N−(3−(2−シアノプロパン−2−イル)フェニル)ベンズアミドを中間体6の代わりに使用して(これを、実施例1に記載されるように、工程4において3−アミノ−4−クロロ−N−(3−(2−シアノプロパン−2−イル)フェニル)ベンズアミドを3,5−ジメトキシアニリンの代わりに使用して調製した)調製した。MS m/z:615.6 (M+H
+)。
実施例232:I−247の合成
表題化合物を、実施例127に記載されるように、工程5において、N−(3−(tert−ブチル)フェニル)−4−クロロ−3−(7−クロロ−1−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミド[4,5−d]ピリミジン−3(4H)−イル)ベンズアミドを中間体6の代わりに使用して(これを、実施例1に記載されるように、工程4において3−アミノ−N−(3−(tert−ブチル)フェニル)−4−クロロベンズアミドを3,5−ジメトキシアニリンの代わりに使用して調製した)調製した。MS m/z:604.6 (M+H
+)。
実施例233:共通の中間体2
工程1:中間体1
KOH(1.30g,23.6mmol)を、実施例223から得られた共通の中間体8(3.50g,7.88mmol)のTHF/H2O(50/50mL)中の混合物に、0℃で数回に分けて添加した。得られた混合物を室温で4時間撹拌し、その後、これを濃縮し、そしてそのpHを2に調整した。得られた沈殿物を濾過により集め、そして乾燥させて、表題化合物(2.50g,83%)を白色固体として得た。LCMS:382.3[M+1]+。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6):δ 3.46 (s, 3H), 3.96 (s , 6H), 6.99 (s, 1H), 7.63 (s, 1H), 8.57 (s, 1H), 12.43 (s, 1H)。
工程2:共通の中間体2
POCl
3(10.0mL)を、中間体1(2.50g,6.56mmol)のCH
3CN(80mL)中の混合物に添加した。この混合物を90℃で6時間撹拌し、その後、これを濃縮し、そして水に溶解させた。その沈殿物を濾過し、そして乾燥させて(Na
2SO
4)、表題化合物(2.50g,95%)を白色固体として得た。LCMS:400.3[M+1]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d
6):δ 3.65 (s, 3H), 3.98 (s , 6H), 7.04 (s, 1H), 8.09 (s, 1H), 9.08 (s, 1H)。
実施例234:I−248
工程1:中間体2
1−メチル−1H−ピラゾール−3−アミン(2.0g,20.6mmol)、3−ブロモプロパ−1−エン(5.25g,43.4mmol)の乾燥THF(50mL)中の溶液に、NaH(60%,1.73g,43.3mmol)を数回に分けて室温で添加した。この混合物を60℃で16時間撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、そして冷却しながら水を滴下により添加することによって注意深くクエンチした。この反応混合物を濃縮し、そしてEtOAc(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、そして濃縮した。この粗製生成物を、ヘキサン中50%のEtOAcで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(2.07g,54%)を黄色油状物として得た。
工程2:中間体3
中間体2(1.00g,5.65mmol)のトルエン(50mL)中の溶液に、Grubbs第2世代触媒(50mg,43.3mmol)を添加した。この混合物を窒素雰囲気下95℃で16時間撹拌し、その後、これを室温まで冷却し、そして濃縮した。得られた残渣を、ヘキサン中50%のEtOAcで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(130mg,15%)を黄色油状物として得た。LCMS:150.2[M+1]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 3.61−3.64 (m, 2H), 3.75 (s, 3H), 3.77−3.82 (m, 2H), 5.26−5.29 (m, 2H), 5.46 (d, 1H), 7.15(d, 1H)。
工程3:中間体4
中間体3(130mg,0.87mmol)およびK
2O
sO
4 2H
2O(38.0mg,0.10mmol)のTHF(50mL)中の溶液に、50%のNMO(306mg,1.31mmol)を添加した。この混合物を室温で4時間撹拌した。Na
2SO
3(200mg)を添加し、そしてこの反応混合物をさらに30分間撹拌した。この混合物を濃縮し、そして得られた残渣を、DCM中5%のMeOHで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(90mg,60%)を無色油状物として得た。LCMS:184.2[M+1]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 3.27−3.30 (m, 2H), 3.70 (s, 3H), 3.47−3.51 (m, 2H), 4.28 (m, 2H), 5.41 (d, 1H), 7.09 (d, 1H)。
工程4:中間体5
中間体4(456mg,2.49mmol)およびEt
3N(754mg,7.47mmol)のDCM(20mL)中の溶液に、MsCl(115mg,7.43mmol)を滴下により0℃で添加した。この混合物を0℃で30分間撹拌した。この混合物をH
2O(25mL)でクエンチし、そしてDCM(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、そして濃縮して、表題化合物(103g)を薄黄色固体として得、これをさらに精製せずに使用した。LCMS:340.2[M+1]
+。
工程5:中間体6
中間体5(103mg,3.03mmol)、NaN
3(601mg,9.25mmol)、および15−クラウン−5(102mg,0.46mmol)をNMP(4mL)中で合わせ、そして得られた混合物を85℃で一晩撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、そしてEtOAcと水との間で分配した。その有機相を水、ブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、そして濃縮して、表題化合物(905mg)を薄黄色油状物として得、これをさらに精製せずに使用した。LCMS:234.2[M+1]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 3.38−3.42 (m, 2H), 3.58−3.62 (m, 2H), 3.70 (s, 3H), 4.13−4.17 (m, 2H), 5.41 (d, 1H), 7.10 (d, 1H)。
工程6:中間体7
中間体6(905mg,3.88mmol)のMeOH(50mL)中の溶液に、10%のPd/C(200mg)を添加した。得られた懸濁物を減圧下で脱気し、そしてH
2でパージした。この混合物を水素雰囲気下室温で16時間撹拌した。この懸濁物をセライトのパッドで濾過し、そしてMeOHで洗浄した。合わせた濾液を濃縮乾固させて、表題化合物(682mg,97%)を薄黄色油状物として得た。MS:182.2[M+1。
工程7:中間体8
中間体7(100mg,0.55mmol)、実施例233から得られた共通の中間体2(148mg,0.37mmol)、およびDIPEA(142mg,1.10mmol)のNMP(10mL)中の混合物を脱気し、そしてN
2でパージした。得られた反応混合物を100℃で1時間加熱した。この反応混合物を室温まで冷却し、そして氷水に注いだ。生じた固体を濾過し、水で洗浄し、そして乾燥させて、粗製生成物を得、これを、DCM中5%のMeOHで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(170mg,84%)を黄色固体として得た。LCMS:545.6[M+1]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 3.27−3.35 (m, 2H), 3.63−3.67 (m, 1H), 3.73 (br, 3H), 3.75 (s, 3H), 3.77−3.81 (m, 2H), 3.95 (s, 6H), 4.67−4.68 (m, 1H), 5.49 (d, 1H), 6.63 (s, 1H), 7.14 (d, 1H), 7.42 (s, 1H), 8.47 (s, 1H)。
工程8:I−248
中間体8(190mg,0.35mmol)およびDIPEA(90.0mg,0.70mmol)のDCM(10mL)中の溶液に、塩化アクリロイル(31.6mg,0.35mmol)を滴下により0℃で添加した。この混合物を0℃で30分間撹拌した。この混合物を水でクエンチし、そしてDCM(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、そして濃縮した。その残渣を、DCM中5%のMeOHで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(90.0mg,43%)をオフホワイトの固体として得た。MS:599.5[M+1]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 3.38−3.46 (m, 2H), 3.71−3.76 (m, 7H), 3.81−3.85 (m, 1H), 3.95 (s, 6H), 4.91−4.93 (m, 2H), 5.51 (d, 1H), 5.63 (d, 1H), 6.03−6.10 (m, 1H), 6.28 (d, 1H), 6.35 (br, 1H), 6.63 (s, 1H), 7.17 (d, 1H), 7.40 (s, 1H), 8.45 (s, 1H)。
実施例235:I−252
工程1:中間体1
実施例233から得られた共通の中間体2(200mg,0.45mmol)、cis−3,4−ジアミノピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(180mg,0.90mmol)およびDIPEA(116.mg,0.90mmol)のNMP(4mL)中の混合物をN
2下80℃で1時間加熱した。この混合物を室温まで冷却し、そしてEtOAcと水との間で分配した。その有機相を分離し、水、ブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、そしてエバポレートして、表題化合物(270mg,91%)を黄色固体として得た。
工程2:中間体2
アクリロイル化を、上記スキームに従って、先に記載されたように行って、表題化合物を得た。
工程3:中間体3
Boc脱保護を、上記スキームに従って、先に記載されたように行って、表題化合物を得た。
工程3:中間体4
中間体3(207mg,0.40mmol)の1,4−ジオキサン(8mL)中の溶液に、2−クロロピリジン(37.0mg,0.36mmol)、BINAP(46.0mg,0.08mmol)、Pd
2(dba)
3(37.0mg,0.04mmol)およびCs
2CO
3(260mg,0.80mg)を添加し、そしてこの混合物をN
2下95℃で一晩撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、そしてDCMと水との間で分配した。その有機相を分離し、sat.NaHCO
3で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、そしてシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(DCM中5%のMeOHで溶出)に供して、表題化合物(35.0mg,15%)を得た。LCMS:596.1[M+1]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 3.53 (dd, 1H), 3.61 (dd, 1H), 3.71 (s, 3H), 3.95 (s, 6H), 3.96−4.07 (m, 2 H), 4.95 (s, 2H), 5.66 (d, 1H), 6.06 (dd, 1H), 6.30 (d, 1H), 6.41 (d, 1H), 6.61−6.67 (m, 2H), 7.41 (s, 1H), 7.48 (t, 1H), 8.18 (d, 1H), 8.46 (s, 1H)。
実施例236:I−253
工程1:中間体2
実施例223から得られた共通の中間体8(96.0mg,0.22mmol)および((1S,2R)−2−アミノシクロペンチル)カルバミン酸tert−ブチル(200mg,1.00nmol)を1,4−ジオキサン(2.0mL)中110℃で20時間加熱した。この反応混合物を濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィー(0%〜100%のEtOAc/ヘキサン)により精製して、表題化合物(120mg,97%)を得た。LCMS m/z:564.2[M+H]
+。
工程2:中間体3
中間体2(120mg)を4.0MのHCl/ジオキサンに室温で溶解させ、そして2時間撹拌し、その後、この反応混合物をエバポレートにより乾固させ、そして得られた残渣をさらに精製せずに次の工程で使用した。
工程3:I−253
中間体3(23.0mg,0.046mmol)のDCM(2.0mL)中の溶液に、DIPEA(100uL)および3−クロロプロパン−1−スルホニルクロリド(8uL,0.066mmol)を添加した。この反応混合物を室温で4時間撹拌し、次いで濃縮し、そしてprep−HPLCにより精製して、表題化合物を得た。LCMS:554.2[M+H]
+。
実施例237:I−255
工程1:中間体2
中間体1を、実施例223に記載されるように、工程6において3当量のSO
2Cl
2を使用して調製した。中間体1(139mg,0.37mmol)、(3R,4S)−4−アミノテトラヒドロフラン−3−イルカルバミン酸tert−ブチル(これを、実施例226に記載されるように調製した)(112mg,0.55mmol)およびDIPEA(95.0mg,0.74mmol)をNMP(6mL)に溶解させ、そして80℃で1時間加熱した。この混合物を室温まで冷却し、そしてEtOAcと水との間で分配した。その有機相を分離し、水、ブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、そして濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(DCM中10%のMeOH)により精製して、表題化合物(90.0mg,49%)を得た。LCMS:498.6[M+1]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):1.38 (s, 9H), 2.00−2.04 (m, 1H), 2.36−2.40 (m, 1H), 3.73 (s, 3H), 3.95 (s, 6H), 3.83 (s, 6H), 4.23−4.27 (m, 1H), 4.51 (br, 1H), 4.76−4.81 (m, 1H), 4.90 (d, 1H), 6.48 (t, 1H), 6.82 (d, 2H), 7.63 (s, 1H), 8.49 (s, 1H)。
工程2:中間体3
中間体2(70.0mg,0.14mmol)のDCM(2mL)中の溶液に、TFA(4mL)を添加した。この反応混合物を室温で1時間撹拌した。この反応混合物を濃縮して、表題化合物を黄色固体として得た。LCMS:398.4[M+1]
+。
工程3:I−255
中間体2およびDIPEA(39.0mg,0.30mmol)の乾燥DCM(6mL)中の溶液に、塩化アクリロイル(14.0mg,0.15mmol)の乾燥DCM(1mL)中の溶液を滴下により−78℃で添加した。この反応物を10分間撹拌し、その後、これをDCMとH
2Oとの間で分配した。その有機相を分離し、ブラインで洗浄し、そしてNa
2SO
4で乾燥させた。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(50.0mg,74%)を得た。LCMS:452.4[M+1]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):3.72 (s, 3H), 3.75−3.79 (m, 8H), 4.18−4.21 (m, 1H), 4.25−4.29 (m, 1H), 4.83−4.88 (m, 2H), 5.63 (dd, 1H), 5.86 (br, 1H), 5.98−6.05 (m, 2H), 6.26 (dd, 1H), 6.49 (t, 1H), 6.81(d, 2H), 7.62 (s, 1H), 8.49 (s, 1H)。
実施例238:I−256
工程1:中間体2
中間体1(120mg,0.207mmol)のDCM(5mL)中の溶液に、m−CPBA(89.0mg,0.517mmol)を25℃で添加した。この混合物を25℃で5時間撹拌し、その後、これを濃縮し、そして得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(DCM中5%のMeOH)により精製して、表題化合物(40.0mg,31%)を白色固体として得た。LCMS:614.5[M+1]
+。
工程2:中間体3
中間体2(40.0mg,0.065mmol)のDCM(4mL)中の溶液に、TFA(4mL)を25℃で添加し、そしてこの混合物を25℃で4時間撹拌した。この混合物を濃縮して、表題化合物を黄色油状物として得、これをさらに精製せずに使用した。
工程3:I−256
中間体3(33.5mg,0.065mmol)のTHF(20mL)中の溶液に、−20℃で塩化アクリロイル(6.48mg,0.072mmol)を添加した。この混合物を−20℃で30分間撹拌し、その後、これを水でクエンチし、そしてEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、そして濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(DCM中5%のMeOH)により精製して、表題化合物(13.5mg,36%)を白色固体として得た。LCMS:568.5[M+1]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d
6):δ 3.42−3.59 (m, 1H), 3.65 (s, 3H), 3.67−3.77 (m, 3H), 3.96 (s, 6H), 5.00−5.09 (m, 3H), 5.60−5.62 (m, 1H), 6.09−6.23 (m, 3H), 6.97(s, 1H), 7.75 (s, 1H), 8.72 (s, 1H)。
実施例239:I−257
工程1:中間体1
実施例233から得られた共通の中間体2(100mg,0.28mmol)、4,5−ジフルオロベンゼン−1,2−ジアミン(48.0mg,0.34mmol)、Pd
2(dba)
3(50.0mg,0.05mmol)、Davephos(43.0mg,0.11mmol)およびNa
2CO
3(206mg,1.95mmol)のtert−アミルアルコール(4mL)中の混合物を窒素雰囲気下100℃で3時間加熱した。この反応混合物を室温まで冷却し、そして水(25mL)で希釈した。得られた混合物をDCMで抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、そして濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM中1%〜2%のMeOHで溶出)により精製して、表題化合物(25mg,18%)を得た。LCMS:508.4[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 10.88 (s, 1H), 9.28 (d, 1H), 8.74 (s, 1H), 8.60 (s, 1H), 7.92 (d, 1H), 7.58 (s, 1H), 6.66 (s, 1H), 3.96 (s, 6H), 3.84 (s, 3H)。
工程2:I−257
塩化アクリロイル(5.30mg,0.06mmol)を、中間体1(30.0mg,0.05mmol)、DIPEA(14.2mg,0.05mmol)のDCM(10mL)中の混合物に0℃で添加し、そして得られた混合物を0℃で10分間撹拌した。この反応を水でクエンチし、そしてその水性混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、そして濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM中2%〜5%のMeOHで溶出)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(12.1mg,42%)。LCMS:562.5[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 8.53 (s, 1H), 7.94 (s, 1H), 7.83 (t, 1H), 7.68−7.62 (m, 1H), 7.48 (s, 1H), 6.64 (s, 1H), 6.48 (d, 1H), 6.27 (q, 1H), 5.81 (d, 1H), 3.95 (s, 6H), 3.69 (s, 3H)。
実施例240:I−258
工程1:中間体1
2−ニトロ−5−(トリフルオロメチル)アニリン(100mg,0.23mmol)のNMP(10mL)中の溶液に、NaH(5.40mg,0.23mmol)を25℃で滴下により添加した。この混合物を25℃で0.5時間撹拌した。実施例223から得られた共通の中間体8(100mg,0.23mmol)を添加し、そして得られた混合物を100℃で1時間撹拌した。この反応を水でクエンチし、EtOAcで抽出し、そして合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、そして減圧中で濃縮して、表題化合物(100mg,78%)を黄色固体として得た。
工程2:中間体2
中間体1(100mg,0.17mmol)、Fe(59.0mg,1.05mmol)、およびNH
4Cl(57.0mg,1.05mmol)のEtOH(10mL)/水(10mL)中の混合物を1時間還流した。その固体を濾過により除去し、そしてその濾液を濃縮した。得られた残渣をEtOAcで抽出し、そして合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、そして濃縮した。その残渣を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(DCM中2%〜5%のMeOHで溶出)により精製して、表題化合物(10.0mg,11%)を黄色固体として得た。LCMS:540.5[M+H]
+。
工程3:I−258
中間体2(10.0mg,0.02mmol)、DIPEA(4.70mg,0.04mmoL)のTHF(10mL)中の混合物を25℃で撹拌した。塩化アクリロイル(2.00mg,0.02mmol)を0℃で添加し、そして得られた混合物を0℃で10分間撹拌した。この反応を水でクエンチし、そしてEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、そして減圧中で濃縮した。その残渣を、シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(DCM中2%〜5%のMeOHで溶出)により精製して、表題化合物を黄色固体として得た(4.60mg,42%)。LCMS:594.5[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD):δ 8.65 (s, 1H), 8.29 (s, 1H), 7.72 (d, 1H), 7.62 (s, 1H), 7.40 (d, 1H), 6.78 (s, 1H), 6.45−6.31 (m, 2H), 5.73 (d, 1H), 3.86 (s, 6H), 3.56 (s, 3H)。
実施例241:I−259
工程1:中間体1
実施例233から得られた共通の中間体2(50.0mg,0.13mmol)、2−フルオロ−6−ニトロアニリン(23.5mg,0.15mmol)、Pd
2(dba)
3(24.0mg,0.026mmol)、Davephos(20.0mg,0.052mmol)、およびNa
2CO
3(96.0mg,0.91mmol)のtert−アミルアルコール(2mL)中の混合物をN
2雰囲気下100℃で4時間加熱した。この反応混合物を室温まで冷却し、そしてDCMと水との間で分配した。その有機層を分離し、ブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、そして濃縮した。得られた残渣をprep−TLCにより精製して、表題化合物(20.0mg,31%)を得た。LCMS:520.4[M+1]
+。
工程2:中間体2
中間体1(20.0mg,0.038mmol)、Fe(13.0mg,1.40mmol)およびNH
4Cl(80.0mg,1.40mmol)のEtOH/H
2O(10/10ml)中の混合物を80℃まで加熱し、そして4時間撹拌した。その懸濁物を濾過し、そしてその濾液を濃縮した。得られた残渣をprep−TLCにより精製して、生成物(10.0mg,53%)を黄色固体として得た。LCMS:490.4[M+1]
+。
工程3:I−259
中間体2のアクリロイル化を、先の実施例に記載されるように行って、表題化合物を得た。LCMS:544.5[M+1]
+。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD):δ 3.45 (s, 3H), 3.86 (s, 6H), 5.64−5.67 (m, 1H), 6.24−6.29 (m, 1H), 6.33−6.40 (m, 1H), 6.78 (s, 1H), 6.98−7.03 (m, 1H), 7.22−7.27 (m, 1H), 7.55 (d, 1H), 7.60 (s, 1H), 8.58 (s, 1H)。
実施例242:I−265
工程1:中間体1
4−クロロ−3−メチル安息香酸メチル(4.00g,24.0mmol)、n−ブロモスクシンイミド(NBS,4.30g,24.0mmol)および過酸化ベンゾイル(BPO,0.58g,2.40mmol)のCCl
4(50mL)中の混合物を4時間還流した。この混合物を室温まで冷却し、濾過し、そしてその濾液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中2%〜5%のEtOAcで溶出)により精製して、表題化合物(2.70g,43%)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 8.12 (d, 1H), 7.92 (dd, Hz, 1H), 7.47 (d, 1H), 4.61 (s, 2H), 3.93 (s, 3H)。
工程2:中間体2
中間体1(1.00g,3.80mmol)、TMSCN(0.56g,5.69mmol)およびK
2CO
3(786mg,5.69mmol)のCH
3CN(50mL)中の混合物を16時間還流した。この混合物を室温まで冷却し、濾過し、そしてその濾液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中5%〜10%のEtOAcで溶出)により精製して、表題化合物(590mg,75%)を白色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 8.18 (d, 1H), 7.99 (dd, 1H), 7.52 (d, 1H), 3.94 (s, 3H), 3.88 (s, 2H)。
工程3:中間体3
中間体2(920mg,4.41mmol)のMeOH(10mL)中の溶液に、H
2SO
4(4mL)を25℃で添加した。この混合物を60℃で16時間撹拌した。この混合物を飽和水性Na
2CO
3でpH8まで塩基性にし、そしてDCMで抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、そして濃縮して、表題化合物をオフホワイトの固体として得た(910mg,86%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 7.97 (d, 1H), 7.46 (d, 1H), 7.90 (dd, 1H), 3.91 (s, 3H), 3.83 (s, 2H), 3.72 (s, 3H)。
工程4:中間体4
中間体3(270mg,1.11mmol)および4−(メチルアミノ)−2−(メチルチオ)ピリミジン−5−カルバルデヒド(204mg,1.11mmol)のDMF(10mL)中の溶液に、K
2CO
3(307mg,2.22mmol)を25℃で添加した。この混合物を110℃で4時間撹拌し、その後、水を添加し、そして沈殿物を濾過により集めて、表題化合物(320mg,77%)を得た。LCMS:376.3[M+H]
+。
工程5:中間体5
中間体4(320mg,0.85mmol)のTHF(10mL)中の溶液に、5MのNaOH(5mL)を添加した。この混合物を室温で4時間撹拌し、その後、これを1MのHClでpH=6まで塩基性にし、そしてその固体を濾過により集めて、表題化合物(150mg,49%)を得た。
工程6:中間体6
中間体5(180mg,0.50mmol)、HATU(87.0mg,0.23mmol)および3−tert−ブチルアニリン(67.4mg,0.45mmol)のDMF(20mL)中の溶液に、DIPEA(117mg,0.90mmol)を室温で滴下により添加した。この混合物を40℃で4時間撹拌し、その後、これをEtOAcとH
2Oとの間で分配した。その有機相をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮し、そして得られた残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中5%〜10%のEtOAcで溶出)により精製して、表題化合物(100mg,41%)を黄色粉末として得た。LCMS:493.5[M+1]
+。
工程7:中間体7
中間体6(100mg,0.20mmol)のDCM(10mL)中の溶液に、m−CPBA(87mg,0.51mmol)を0℃で添加した。この混合物を室温で16時間撹拌した。この混合物をEtOAcとH
2Oとの間で分配した。その有機相をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮し、その粗製生成物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(DCM中2%〜5%のMeOHで溶出)により精製して、表題化合物(80mg,75%)を黄色粉末として得た。
工程8:中間体8
中間体7(80.0mg,0.15mmol)、(3R,4S)−4−アミノテトラヒドロフラン−3−イルカルバミン酸tert−ブチル(実施例226に記載されるように調製した)(61.0mg,0.30mmol)およびDIPEA(39.0mg,0.30mmol)のNMP中の溶液を脱気し、そしてN
2でパージした。この混合物を80℃で1時間撹拌し、その後、これをEtOAcとH
2Oとの間で分配した。その有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮し、そして得られた残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(DCM中2%〜5%のMeOHで溶出)により精製して、表題化合物(30.0mg,31%)を得た。LCMS:647.7[M+1]
+。
工程9:I−265
中間体8(30.0mg,0.05mmol)の、DCM(2mL)およびTFA(2mL)中の溶液を25℃で1時間撹拌した。この混合物を濃縮し、そしてそのpHを、DIPEAで7より高く調整した。この混合物に、塩化アクリロイル(4.20mg,0.05mmol)を0℃で添加した。この反応混合物をさらに10分間撹拌し、その後、これを飽和水性NaHCO
3(25mL)でクエンチし、そしてDCMで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、そして濃縮した。得られた残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(DCM中5%〜10%のMeOHで溶出)により精製して、表題化合物(7.50mg,25%)を黄色固体として得た。LCMS:601.6[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 9.81 (s, 1H), 8.27 (s, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.85 (d, 2H), 7.61−7.55 (m, 3H), 7.50 (d, 1H), 7.30 (t, 1H), 7.20 (d, 1H), 6.62 (s, 1H), 6.26 (d, 1H), 6.14 (q, 1H), 5.67 (d, 1H), 5.04−4.96 (m, 1H), 4.91−4.88 (m, 1H), 4.24−4.17 (m, 2H), 3.96−3.93 (m, 1H), 3.88−3.83 (m, 1H), 3.72 (s, 3H), 1.32 (s, 9H)。
実施例243:I−269
工程1:中間体1
5−フルオロ−2−ニトロアニリン(2.00g,12.8mmol)、1−エチルピペラジン(1.60g,14.1mmol)およびK
2CO
3(2.65g,119.2mmol)のDMSO(50mL)中の混合物を100℃で12時間撹拌した。この反応混合物をEtOAcとH
2Oとの間で分配し、その有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、そして減圧中で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルに通して(DCM:MeOH=30:1)精製して、表題化合物を黄色固体として得た(1.40g,44%)。
工程2:中間体2
塩化アクリロイル(867mg,9.6mmol)を、中間体1(400mg,1.60mmol)およびDIPEA(2.06g,16.0mmol)のNMP(10mL)中の混合物に滴下により添加した。この反応混合物を30℃で12時間撹拌した。この反応混合物をEtOAcとH
2Oとの間で分配し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、そして減圧中で濃縮して、中間体2を黄色油状物として得た(400mg,粗製)。LCMS:305.4[M+1]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d
6):δ 1.03 (t, 3H), 2.36 (q, 2H), 3.47−3.49 (m, 4H), 3.41−3.44 (m, 4H), 5.84−5.87 (m, 1H), 6.27−6.31 (m, 1H), 6.50−6.56 (m, 1H), 6.84 (dd, 1H), 7.75 (d, 1H), 8.01 (d, 1H), 10.65 (s, 1H)。
工程3:中間体3
先の工程から得られた中間体2、Fe(1.16g,20.7mmol)およびNH
4Cl(1.12g,20.7mmol)をEtOH/H
2O(20mL/10mL)に溶解させ、そして75℃で2時間撹拌し、その後、この反応混合物を冷却し、濾過し、そしてその沈殿物をMeOHで洗浄した。その濾液を減圧中で濃縮し、次いでEtOAcとaq.NaHCO
3との間で分配した。その有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、そして濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(DCM:MeOH:NH
4OH=400:8:4)により精製して、表題化合物を黄色固体として得た(200mg,22%)。LCMS:275.4[M+1]
+。
工程4:I−269
中間体3(200mg,0.73mmol)、実施例233から得られた共通の中間体2(290mg,0.73mmol)およびp−トルエンスルホン酸(62.0mg,0.36mmol)の1,4−ジオキサン(10mL)中の混合物をN
2下100℃で12時間撹拌した。この反応混合物をEtOAcとaq.NaHCO
3との間で分配し、そしてその有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、そして減圧中で濃縮した。得られた残渣を逆相prep−HPLCにより精製して、表題化合物を黄色固体として得た(29.2mg,6%)。LCMS:638.6[M+1]
+。
1H NMR (400MHz, CDCl
3):δ 1.43 (t, 3H), 3.12−3.15 (m, 2H), 3.24−3.33 (m, 4H), 3.63 (s, 3H), 3.70−3.73 (m, 2H), 3.91−3.98 (m, 8H), 5.79 (dd, 1H), 6.37−6.52 (m, 2H), 6.91 (s, 1H), 7.02 (dd, 1H), 7.43 (s, 1H), 7.68−7.70 (m, 2H), 8.70 (s, 1H)。
実施例244:I−274
工程1:中間体1
3,5−ジメトキシ安息香酸メチル(2.00g,10.2mmol)のCH
3CN(20mL)中の溶液に、ジテトラフルオロホウ酸1−(クロロメチル)−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン(セレクトフルオル
TM,5.40g,15.2mmol)を添加した。この反応物を室温で一晩撹拌し、その後、これを水で希釈し、そして酢酸エチルで抽出した。その有機層を水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧中で濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル:10/1)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(800mg,38%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 3.81 (s, 3H), 3.87 (s, 3H), 3.93 (s, 3H), 6.70 (dd, 1H), 6.91 (dd, 1H)。
工程2:中間体2
中間体1(800mg,3.70mmol)のTHF(10mL)中の氷冷溶液に、LiAlH
4(0.30g,7.90mmol)を数回に分けて添加した。この反応物を室温で30分間撹拌し、次いで水をこの混合物にゆっくりと添加し、そして生じた固体を濾過により除去した。その濾液を減圧中で濃縮して、表題化合物を油状物として得(610mg,87.9%)、これを次の工程で直接使用した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 3.79 (s, 3H), 3.86 (s, 3H), 3.88 (s, 1H), 4.74 (d, 2H), 6.45−6.49 (m, 1H), 6.49−6.55 (m, 1H)。
工程3:中間体3
中間体2(610mg,3.30mmol)のDCM(10mL)中の溶液に、PBr
3(1.06g,3.90mmol)を0℃で添加した。この反応物を室温で4時間撹拌した。飽和水性NaHCO
3をこの反応混合物に添加し、そしてこれを水で希釈し、そして酢酸エチルで抽出した。その有機層を水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧中で濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル:10/1)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(640mg,79%)。
工程4:中間体4
中間体3(640mg,2.60mmol)のDCM(15mL)中の溶液に、TMSCN(510mg,5.1mmol)およびK
2CO
3(709mg,5.10mmol)を添加した。この反応物を60℃で一晩撹拌し、その後、この反応混合物を水で希釈し、そして酢酸エチルで抽出した。その有機層を水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧中で濃縮した。その粗製生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル:10/1)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(454mg,90%)。
工程5:中間体5
中間体4(454mg,2.30mmol)のEtOH(4mL)中の溶液に、濃H
2SO
4(1mL)を添加した。この反応物を90℃で4時間撹拌した。この反応混合物を水で希釈し、そして酢酸エチルで抽出した。その有機層を水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧中で濃縮して、表題化合物(400mg,59%)を得、これをさらに精製せずに次の工程で使用した。
工程6:中間体6
中間体5(400mg,1.65mmol)のDMF(10mL)中の溶液に、4−(メチルアミノ)−2−(メチルチオ)ピリミジン−5−カルバルデヒド(302.6mg.1.65mmol)およびK2CO3(456mg,3.3mmol)を添加した。この反応物を110℃で4時間撹拌した。この反応混合物を水で希釈し、そしてその沈殿物を濾過により集めて、表題化合物(500mg,84%)を白色固体として得た。LCMS:362.4[M+1]+。
中間体6(500mg,1.38mmol)のDCM(10mL)中の溶液に、m−CPBA(594mg.3.45mmol)を添加した。この反応物を室温で一晩撹拌し、その後、これを濾過し、そして濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH:40/1)により精製して、表題化合物を薄黄色固体として得た(210mg,30%)。LCMS:394.3[M+1]
+。
工程8:中間体8
中間体7(50.0mg,0.13mmol)のNMP(5mL)中の溶液に、(3R,4S)−4−アミノテトラヒドロフラン−3−イルカルバミン酸tert−ブチル(38.5mg.0.19mmol)およびDIPEA(33.0mg,0.26mmol)を添加した。この反応物を100℃で1時間撹拌し、その後、これを室温まで冷却し、水で希釈し、そして酢酸エチルで抽出した。その有機層を水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧中で濃縮した。この粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH:20/1)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(60.0mg,92%)。LCMS:516.6[M+1]
+。
工程9:中間体9
中間体8(60.0mg,0.11mmol)のDCM(3mL)中の溶液に、TFA(3mL)を添加した。この反応混合物を周囲温度で30分間撹拌し、その後、その溶媒を減圧中でエバポレートして、表題化合物(52.0mg)を得、これをさらに精製せずに次の工程で使用した。
工程10:I−274
中間体9(52.0mg,0.11mmol)のDCM(5mL)中の溶液に、DIPEA(28.4mL,0.22mmol)および塩化アクリロイル(9.00mg,0.10mmol)を0℃で添加した。この反応物を、撹拌しながら30分間で室温まで温めた。この反応混合物を水で希釈し、そしてDCMで抽出した。その有機層を水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、そして減圧中で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH:20/1)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(7.10mg,12%)。LCMS:470.5[M+1]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 3.71 (s, 3H), 3.75−3.78 (m, 1H), 3.80 (s, 3H), 3.81−3.85 (m, 1H), 3.89 (s, 3H), 4.17−4.22 (m, 1H), 4.24−4.31 (m, 1H), 4.81−4.90 (m, 2H), 5.65 (dd, 1H), 5.80−5.89 (m, 1H), 6.04 (d, 2H), 6.26 (dd, 1H), 6.56 (dd, 2H), 7.62 (s, 1H), 8.47 (s, 1H)。
実施例245:I−276
工程1:中間体1
4−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)−2−ニトロアニリン(30.0mg,0.14mmol)のNMP(5mL)中の溶液に、NaH(11.3mg,0.47mmol)を25℃で添加した。この混合物を25℃で0.5時間撹拌した。実施例233から得られた共通の中間体2(50.0mg,0.11mmol)を添加し、そして得られた混合物を100℃で1時間撹拌した。この反応を水でクエンチし、そしてEtOAcで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、そして減圧中で濃縮して、表題化合物(47.0mg,73%)を黄色固体として得た。LCMS:584.4[M+H]
+。
工程2:中間体2
中間体1(47.0mg,0.08mmol)、Fe(27.0mg,0.48mol)、およびNH
4Cl(26.0mg,0.48mol)をEtOH(10mL)/水(10mL)に溶解させ、そして1時間還流した。その固体を濾過により除去し、そしてその濾液を濃縮した。得られた残渣をEtOAcに溶解させ、ブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィー(DCM中2%〜5%のMeOHで溶出)により精製して、表題化合物(30.0mg,68%)を黄色固体として得た。
工程3:I−276
中間体2(30.0mg,0.05mmol)およびDIPEA(14.0mg,0.10mmoL)のDCM(10mL)中の溶液を25℃で撹拌した。塩化アクリロイル(5.00mg,0.05mmol)を0℃で添加し、そして得られた混合物を0℃で10分間撹拌した。この反応を水でクエンチし、そしてEtOAcで抽出した。その有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、そして減圧中で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(DCM中2%〜5%のMeOHで溶出)により精製して、表題化合物を黄色固体として得た(3.60mg,12%)。LCMS:608.6[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d
6):δ 10.01 (s, 1H), 9.63 (s, 1H), 8.85 (s, 1H), 8.22 (s, 1H), 8.15 (d, 1H), 7.84 (s, 1H), 7.75 (d, 1H), 7.00 (s, 1H), 6.60−6.52 (m, 1H), 6.32 (d, 1H), 5.81 (d, 1H), 4.23 (s, 3H), 3.96 (s, 6H), 3.56 (s, 3H)。
実施例246、I−278
工程1:中間体1
6−メチル−3−ニトロピリジン−2−アミン(500mg,3.26mmol)およびPt/C(250mg)のMeOH(12mL)中の混合物を水素雰囲気下室温で4時間撹拌した。この反応混合物を濾過し、そしてその濾液を濃縮して、黄色固体(300mg,収率75%)を得た。LCMS:124.3[M+1]
+。
工程2:中間体2
中間体1(56.0mg,0.45mmol)、実施例233から得られた共通の中間体2(150mg,0.38mmol)およびp−TSA(10.0mg,0.06mmol)の1,4−ジオキサン(12mL)中の混合物を100℃で一晩加熱した。室温まで冷却した後に、この混合物を濃縮し、そして得られた残渣をDCMに溶解させ、sat.aq.NaHCO
3およびブラインで洗浄し、濃縮し、そしてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM中10%のMeOH)により精製して、表題化合物を黄色固体として得た(32.0mg,収率17%)。LCMS:487.4[M+1]
+。
工程3:I−278
中間体2(32.0mg,0.07mmol)およびDIPEA(17.0mg,0.131mmol)のDCM(6mL)中の冷(0℃)溶液に、塩化アクリロイル(6.00mg,0.07mmol)を添加した。この反応物を0℃で10分間撹拌し、その後、これを水の添加によりクエンチし、そしてDCMで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、そして減圧中で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM中1%のMeOH)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(20.0mg,56%)。LCMS:541.5[M+1]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 2.55 (s, 3H), 3.71 (s, 3H), 3.97 (s, 6H), 5.92 (d, 1H), 6.49−6.54 (m, 1H), 6.59−6.67 (m, 2H), 7.19 (br, 1H), 7.46 (s, 1H), 8.50 (br, 1H), 8.57 (s, 1H), 9.50 (br, 1H)。
実施例247:I−279
工程1:中間体1
6−(2−フルオロ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−メチル−2−(メチルスルホニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7(8H)−オン(実施例244に記載されるように調製した)(160mg,0.40mmol)のDCM(10mL)中の氷冷溶液に、SO
2Cl
2(55.0mg,0.38mmol)を添加し、そしてこの反応物を0℃で30分間撹拌した。sat.NaHCO
3を添加し、そしてその有機層を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥させ、そして減圧中で濃縮して、表題化合物(162mg,94%)を得た。
工程2:中間体2
中間体1(180mg,0.42mmol)、(3R,4S)−4−アミノテトラヒドロフラン−3−イルカルバミン酸tert−ブチル(実施例226に記載されるように調製した)(97.0mg,0.48mmol)、DIPEA(10.mg,0.80mmol)のNMP(5mL)中の混合物をN
2下85℃で3時間加熱した。この混合物を室温まで冷却し、そしてEtOAcと水との間で分配した。その有機相を分離し、水、ブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、そして得られた残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(DCM中5%のMeOHで溶出)に供して、表題化合物(90.0mg,40%)を黄色固体として得た。LCMS:550.5[M+1]
+。
工程3:I−279
アクリロイル化を先に記載されたように行って、表題化合物(34%)を得た。キラルHPLCは、アトロプ異性体の1:1の混合物を示し、これらを、MG II分取SFCクロマトグラフィーによって、ChiralCel OD−Hカラムを使用して、エタノール(0.1%NH
3・H
2O)中60%のCO
2の移動相および50mL/分の流量を用いて分離した。純粋な画分を単離し、そして室温で静置すると、混合物に平衡化したので、I−279をアトロプ異性体の混合物として与えた。LCMS:504.5[M+1]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 3.71 (s, 3H), 3.76 (dd, 1H), 3.83 (dd, 1H), 3.92 (d, 6H), 4.19 (dd, 1H),4.22−4.30 (m, 1H), 4.86 (s, 2H), 5.63 (d, 1H), 6.03 (dd, 1H), 6.26 (d, 2H), 6.66 (d, 1H), 7.52 (s, 1H), 8.47 (s, 1H)。
実施例248:I−281
工程1:中間体1
3,5−ジメトキシ安息香酸メチル(500mg,2.55mmol)のCH
3CN(25mL)中の溶液に、ジテトラフルオロホウ酸1−(クロロメチル)−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン(セレクトフルオル
TM,1.80g,5.10mmol)を少量ずつ添加した。得られた混合物を室温で一晩撹拌した。この混合物を水に注ぎ、EtOAcで抽出し、乾燥させ、そしてエバポレートにより乾固させた。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中20%のEtOAcで溶出)により精製して、表題化合物(240mg,49%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 3.89 (s, 6H), 3.96 (s, 3H), 6.73 (t, 1H)。
工程2:中間体2
中間体1(240mg,1.03mmol)のTHF中の氷冷溶液に、LAH(60.0mg,1.58mmol)を添加し、そしてこの混合物を0℃で30分間撹拌した。EtOAcおよび水を添加し、そして得られた混合物をEtOAcで抽出し、乾燥させ、そして減圧中でエバポレートした。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中30%のEtOAcで溶出)により精製して、表題化合物(100mg,43%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 1.93 (t, 1H), 3.88 (s, 6H), 4.80 (d, 2H), 6.62 (t, 1H)。
工程3:中間体3
中間体2(670mg,3.28mmol)およびEt
3N(660mg,6.0mmol)のDCM(20mL)中の氷冷溶液に、MsCl(83.0g,310mmol)を0℃でゆっくりと添加し、そしてこの混合物を0℃で0.5時間撹拌した。この混合物を氷水でクエンチし、DCMで抽出し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、そしてエバポレートにより乾固させて、表題化合物(920mg,99%)を得た。
工程4:中間体4
中間体3(0.92g,3.28mmol)およびTMSCN(650mg,6.57mmol)のCH
3CN(15mL)中の溶液に、K
2CO
3(0.97g,6.57mmol)を添加した。この混合物をN
2下80℃で一晩撹拌した。この混合物を飽和水性NaHCO
3でクエンチし、酢酸エチルで抽出し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、そしてエバポレートにより乾固させて、表題化合物を褐色油状物として得、これは静置すると固化した(0.60g,85%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 3.74 (s, 2H), 3.89 (s, 6H), 6.65 (t, 1H)。
工程5:中間体5
中間体4(600mg,2.82mmol)のEtOH(8mL)中の溶液に、H
2SO
4(4mL)をゆっくりと添加し、そしてこの混合物を16時間加熱還流した。この混合物を飽和水性Na
2CO
3でクエンチし、そのpHを7より高く調整した。その水層を酢酸エチルで抽出し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、そしてエバポレートにより乾固させて、表題化合物(600mg,82%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 1.26 (t, 3H), 3.71 (t, 2H), 3.89 (s, 6H), 4.18 (q, 2H), 6.59 (t, 1H)。
工程6:中間体6
4−(メチルアミノ)−2−(メチルチオ)ピリミジン−5−カルバルデヒド(349mg,1.92mmol)のDMF(10mL)中の溶液に、中間体5(500mg,1.92mmol)およびK
2CO
3(530mg,3.84mmol)を添加し、そしてこの混合物を100℃で20時間撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却し、そして水に注いだ。生じた固体を濾過し、水で洗浄し、そしてエタノールから再結晶して、表題化合物を黄色固体として得た(250mg,34%)。LCMS:380.2[M+1]
+。
工程7:中間体7
中間体6(210mg,0.55mmol)のDCM(20mL)中の溶液に、m−CPBA(146mg,0.85mmol)を一度に添加し、そしてこの混合物を室温で30分間撹拌した。この混合物をDCMで希釈し、sat.Na
2SO
3およびsat.NaHCO
3で洗浄した。その有機層を分離し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、そして減圧中で濃縮して、表題化合物(210mg,97%)を薄黄色固体として得た。LCMS:396.2[M+1]
+。
工程8:中間体8
中間体7(100mg,0.25mmol)、((3R,4S)−4−アミノテトラヒドロフラン−3−イル)カルバミン酸tert−ブチル(実施例226に記載されるように調製した)(77.0mg,0.38mmol)、DIPEA(10.0mg,0.80mmol)のNMP(3mL)中の混合物をN
2下85℃で1.5時間加熱した。この反応混合物を室温まで冷却し、そしてEtOAcと水との間で分配した。その有機相を分離し、水、ブラインで洗浄し、そして無水Na
2SO
4で乾燥させた。得られた残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(DCM中5%のMeOHで溶出)に供して、表題生成物(106mg,79%)を黄色固体として得た。LCMS:534.5[M+1]
+。
工程9:I−281
アクリロイル化を、上記スキームに従って、先に記載されたように行って、表題化合物(54.0mg,69%)を得た。LCMS:488.5[M+1]+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 3.71 (s, 3H), 3.75−3.80 (m, 1H),3.83 (dd, 1H), 3.89 (s, 6H), 4.16−4.22 (m, 1H), 4.24−4.31 (m, 1H), 4.82−4.90 (m, 2H), 5.64 (d, 1H), 6.02 (dd, 2H), 6.27 (d, 1H),6.69 (t, 1H), 7.59 (s, 1H), 8.47 (s, 1H)。
実施例249:I−286
工程1:中間体1
化合物シクロペンタ−3−エノール(1.5g,17.9mmol)の、10mLのDMF中の溶液を0℃まで冷却し、そしてこの混合物に、TBDPSCl(7.35g,26.8mmol)、イミダゾール(3.6g,53.6mmol)およびDMAP(0.2g,1.8mmol)をN
2下で添加した。この混合物をN
2下28℃で一晩撹拌し、その後、これを飽和水性NaHCO
3の添加によりクエンチし、EtOAcで抽出し、乾燥させ、そしてエバポレートにより乾固させた。(5.0g,87%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ1.08 (s, 9H), 2.32−2.51 (m, 4H), 4.54−4.59 (m, 1H) 5.62 (s, 2H), 7.35−7.46 (m, 6H), 7.68 (dd, 4H)。
工程2:中間体5
中間体1を、上記スキームに従って、実施例226に記載されるプロトコルを使用して、中間体5に転換した。
工程6:中間体6
中間体5(233mg,0.57mmol)、実施例233から得られた共通の中間体2(200mg,0.57mmol)、およびDIPEA(125mg,1.00mmol)のNMP(6mL)中の混合物を80℃で1時間加熱した。この混合物を室温まで冷却し、そしてEtOAcと水との間で分配した。その有機相を分離し、水、ブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、そして得られた残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(60.0mg,15%)を得た。LCMS:818.7[M+1]
+。
工程7:中間体7
中間体6(500mg,0.69mmol)の、20mLのDCM中の溶液に、(Boc)
2O(304mg,1.38mmol)を添加し、そしてこの混合物を30℃で2時間撹拌した。この混合物を、NaHSO
4(10%)、sat.NaCl(sat.aq)およびsat.NaHCO
3(sat.aq)でクエンチし、DCMで抽出し、乾燥させ、そして濃縮して、表題化合物(400mg,71%)を得た。LCMS:818.6[M+H]
+。
工程8:中間体8
中間体7(300mg,0.37mmol)の、8mLのTHF中の溶液に、TBAF(311mg,0.73mmol)を添加し、そしてこの混合物を室温で2時間撹拌した。この混合物を水でクエンチし、EtOAcで抽出し、乾燥させ、そしてエバポレートにより乾固させて、表題化合物を得た。(160mg,74%)。LCMS:580.5[M+H]
+。
工程9:中間体9
中間体8(160mg,0.27mmol)の、6mLのDCM中の溶液に、Dess−Martinペルヨージナン(234mg,0.54mmol)を添加し、そしてこの混合物を室温で2時間撹拌した。この混合物をsat.NaHCO
3(sat.aq)でクエンチし、DCMで抽出し、乾燥させ、そしてエバポレートにより乾固させた。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=20:1)により精製して、表題化合物を得た。(120mg,76%)。LCMS:578.5[M+H]
+。
工程10:中間体10
中間体9(50.0mg,0.087mmol)のDCM(2mL)中の溶液に、TFA(2mL)を添加し、そしてこの混合物を室温で30分間撹拌した。溶媒を減圧中で除去して、生成物をTFA塩として得た。
工程11:I−286
中間体10のアクリロイル化を、上記スキームに従って、先に記載されたように行って、表題化合物を得た。LCMS:532.5[M+H]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ2.47−2.61 (m, 2H), 2.80 (s, 2H), 3.63 (d, 3H), 3.95 (d, 6H), 4.81−4.99 (m, 2H), 5.63 (s, 1H), 6.09 (dd, 1H), 6.28 (dd, 1H), 6.63 (s, 1H), 7.44 (s, 1H), 8.48 (s, 1H)。
実施例250:I−288
工程1:中間体2
実施例249から得られた中間体1(60.0mg,0.10mmol)の、10mLのDCM中の溶液を0℃まで冷却し、そしてジメチルアミノ硫黄トリフルオリド(DAST)(8mL)を滴下により添加した。この混合物を0℃で0.5時間撹拌した。この混合物をsat.NaHCO
3でクエンチし、DCMで抽出し、乾燥させ、そして濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=30:1)により精製して、表題化合物(40mg,67%)を得た。LCMS:600.5[M+H]
+。
工程2:I−288
I−288を、中間体2から、先に記載されたように調製した。LCMS:554.5(M+H)
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 2.28−2.41 (m, 2H), 2.65−2.79 (m, 2H),3.68 (s, 3H), 3.95 (s, 6H), 4.74−4.90 (m, 2H),5.64 (dd, 1H), 6.02 (dd, 2H),6.26 (dd, 1H), 6.63 (s, 1H), 7.43 (s, 1H), 8.47 (s, 1H)。
実施例251:I−290
工程1:中間体1
(9.0g,42mmol)の無水THF(50mL)中の溶液に、LiAlH
4(3.2g,84mmol)を0℃で数回に分けて添加し、その後、この混合物を室温で1時間撹拌した。Na
2SO
4−10H
2Oをこの混合物に添加し、その後、濾過した。その濾液を濃縮して、表題化合物を黄色固体として得た(7.55g)。LCMS:172.3[M+1]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 1.38 (dd, 3H), 2.52 (s, 3H), 4.34 (q, 2H), 5.62−5.49 (m, 1H), 8.70 (s, 1H)。
工程2:中間体2
中間体1(7.5g,44mmol)およびMnO
2(55g,630mmol)のDCM(60mL)中の混合物を室温で一晩撹拌した。この混合物を濾過し、そしてその濾液を濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=20:1)により精製して、表題化合物を薄黄色固体として得た(3.85g,52%)。LCMS:170.2[M+1]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 2.55 (s, 3H), 8.42 (s, 1H), 9.78 (s, 1H)。
工程3:中間体3
中間体2(500mg,3.0mmol)、2−(3,5−ジメトキシフェニル)酢酸エチル(1.0g,4.5mmol)、およびK
2CO
3(1.3g,9.4mmol)のDMF(20mL)中の混合物を110℃で一晩加熱した。この混合物を水で希釈し、そして得られた懸濁物を濾過した。その沈殿物を水で洗浄し、そして乾燥させて、表題化合物(830mg)を白色固体として得た。LCMS:330.3[M+1]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d
6):δ 2.59 (s, 3H), 3.79 (s, 6H), 6.55 (t, 1H), 6.89 (d, 2H), 8.14 (s, 1H), 8.89 (s, 1H),12.55 (s, 1H)。
工程4:中間体4
中間体3(500mg,1.5mmol)のNMP(10mL)中の溶液に、SO
2Cl
2(620mg,4.6mmol)を−10℃で滴下により添加し、そして得られた混合物を1時間撹拌した。この混合物を水で希釈し、その沈殿物を濾過により集め、そして乾燥させて、表題化合物をオフホワイトの固体として得た(770mg,100%)。LCMS:430.3[M+1]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 3.45−3.35 (m, 3H), 3.95 (t, 6H), 6.68 (s, 1H), 7.75 (s, 1H), 9.04 (s, 1H), 9.48 (s, 1H)。
工程5:中間体5
中間体4(200mg,0.47mmol)、DIPEA(91mg,0.71mmol)および実施例226から得られた(3R,4S)−4−アミノテトラヒドロフラン−3−イルカルバミン酸tert−ブチル(110mg,0.55mmol)をNMP(10mL)に溶解させ、そしてN
2雰囲気下85℃で3時間撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、水で希釈し、そして酢酸エチルで抽出した。その有機層をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、そして濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(5%のMeOH/DCM)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(214mg,85%)。LCMS:552.5[M+1]
+。
工程6:中間体6
TFA(4ml)を、中間体5(214mg)のDCM(8mL)中の溶液に添加し、そしてこの混合物を室温で0.5時間撹拌した。TFAを減圧中で除去し、その残渣をDCM(20mL)で希釈し、sat.重炭酸ナトリウムで洗浄し、乾燥させ、そして濃縮して、表題化合物を薄黄色固体として得た(170mg)。LCMS:452.4[M+1]
+。
工程7:I−290
中間体6のアクリロイル化を先に記載されたように行って、表題化合物(50mg,55%)を白色固体として得た。LCMS:506.4[M+1]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d
6):δ 3.72−3.92 (m, 2H), 3.98 (d, 8H), 4.83−4.96 (m, 2H), 5.46−5.54 (m, 1H), 5.71−5.81 (m, 1H), 6.07−6.16 (m, 1H), 6.65 (s, 1H), 7.06−7.11 (m, 1H), 7.60 (s, 1H), 8.64 (s, 1H), 8.85−8.77 (m, 1H)。
実施例252:I−292、I−293
工程1〜10:中間体10
中間体10を、上記スキームに従って、I−248について記載されたように調製した。LCMS:585.2[M+1]
+。
1H NMR (400 MHz, DMSO−d
6):δ 3.28−3.31 (m, 1H), 3.39−3.43 (m, 1H), 3.53−3.56 (m, 1H), 3.59 (s, 3H), 3.66−3.70 (m, 1H), 3.96 (s, 6H), 4.70−4.84 (m, 2H), 5.49−5.59 (m, 2H), 5.98−6.08 (m, 1H), 6.18−6.25 (m, 1H), 6.98 (s, 1H), 7.44 (s, 1H), 7.71 (s, 1H), 7.85 (d, 1H), 8.26 (d, 1H), 8.65 (s, 1H), 11.73 (br, 1H)。
工程11:I−292、I−293
中間体10を分取SFCクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を98%より高いer(ChiralCel OJ−Hカラム,250×30mmI.D,移動相MEOH(0.1% NH
3・H
2O)中60%のCO
2,流量=50ml/分,38℃)で得た。絶対立体配置を、酵素および細胞効力に基づいて、I−94/I−95およびI−240/I−241に対する類似性により帰属した。
実施例253:I−294
工程1:中間体1
窒素雰囲気下で、250mlの3つ口フラスコ内で、1−ブロモ−3,5−ジメトキシベンゼン(3.5g)をDMFに溶解させ、そして−20℃まで冷却した。その反応温度を5℃未満に維持しながら、POCl
3(4.8g)を添加漏斗により滴下により添加した。次いで、この反応混合物を90℃まで温め、そして一晩撹拌した。この混合物を氷水に注ぎ、EtOAcで抽出し、NaHCO
3で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、そして減圧中で濃縮した。得られた残渣(5.0g,0.02mol)を次の工程で直接使用した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 3.88 (d, 6H), 6.44 (d, 1H), 6.79 (d, 1H), 10.32 (s, 1H)。
工程2:中間体2
中間体2(5.0g,0.021mol)のエチレングリコール(10mL)中の溶液に、KOH(3.5g,6.3mmol)およびN
2H
4・H
2O(2.1g,42mmol)を添加した。この反応物を3時間加熱還流し、次いで室温まで冷却し、水で希釈し、そしてEtOAcで抽出した。その有機層をNaHCO
3で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、そして減圧中で濃縮した。得られた残渣を次の工程で直接使用した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 2.22 (s, 3H), 378 (d, 6H), 6.38 (d, 1H), 6.70 (d, 1H)。
工程3:中間体3
中間体3の合成の手順は、中間体1についてと同じであった。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 2.28 (s, 3H), 3.92 (d, 6H), 6.43 (s, 1H), 10.38 (s, 1H)。
工程4:中間体4
中間体4の合成の手順は、中間体2についてと同じであった。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 2.27 (s, 6H), 3.82 (d, 6H), 6.43 (s, 1H)。
工程5:中間体5
中間体4(1.0g,4.1mmol)のTHF(5mL)中の溶液に、n−ブチルリチウム(2mL,ヘキサン中2.5M,4.9mmol)のTHF(10mL)中の溶液を−78℃で滴下により添加した。30分後、トリメチルボレート(0.9g,8.2mol)を添加し、そしてこの混合物を室温で一晩温めた。この混合物を10%のHClに注ぎ、そしてEtOAcで抽出した。その有機層を飽和ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、そして濃縮して、表題化合物を褐色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 0.07 (s, 1H), 2.27 (s, 6H), 3.82 (s, 6H), 6.43 (s, 1H)。
工程6:中間体6
カルバミン酸((3R,4S)−4−((6−ブロモ−8−メチル−7−オキソ−7,8−ジヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン−2−イル)アミノ)テトラヒドロフラン−3−イル)(150mg,0.34mmol)のトルエン/H
2O(5mL/0.5mL)中の溶液に、中間体5(200mg,0.68mmol)、Pd(PPh
3)
4(39mg,0.03mmol)、およびNa
2CO
3(73mg,0.7mmol)を添加した。得られた混合物を95℃で一晩撹拌した。この混合物をEtOAcで希釈し、水およびブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、そして濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中50%のEtOAcで溶出)により精製して、表題化合物(80mg,45%)を得た。LCMS:526.3[M+1]
+。
工程7:I−294
中間体6(80mg,0.15mmol)のDCM(5mL)中の溶液に、TFA(5mL)を添加し、そしてこの混合物を室温で30分間撹拌した。揮発性物質を蒸発させて、表題化合物をTFA塩として得、これをDCM(10mL)に溶解させた。pH>7になるまでDIPEAを添加し、この混合物を0℃まで冷却し、そして塩化アクリロイル(14mg,0.15mmol)のDCM(1mL)中の溶液を滴下により添加した。この反応混合物を10分間撹拌し、その後、これをDCMと水との間で分配した。その有機相を分離し、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、そして得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(24mg,34%)を得た。LCMS:480.3[M+1]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 1.90 (d, 6H), 3.73 (s, 3H), 3.87 (d, 7H), 3.96 (dd, 1H), 4.18−4.24 (m, 2H), 4.92 (s, 1H), 5.02 (d, 1H), 5.66 (d, 1H), 6.15 (d, 1H), 6.26 (d, 1H), 6.52 (s, 1H), 6.79−6.81 (dd,1H), 7.27 (s, 1H), 8.20 (s, 1H)。
実施例254:I−296
工程1:中間体1
4−クロロ−2−(メチルチオ)ピリミジン−5−カルボン酸エチル(5.0g,21mmol)およびプロパン−2−アミン(2.5g,43mmol)のNMP(15mL)中の混合物を60℃で一晩撹拌した。この混合物を水で希釈し、そして得られた懸濁物を濾過し、乾燥させ、濃縮し、そしてカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中12.5%の酢酸エチル)により精製して、表題化合物をオフホワイトの固体として得た(4.9g,98%)。LCMS:256.3[M+1]
+。
工程2:中間体2
中間体1(4.9g,19mmol)の無水THF(50mL)中の溶液に、LiAlH
4(1.4g,39mmol)を数回に分けて0℃で添加した。この混合物を室温で1時間撹拌し、次いでNa
2SO
4−10H
2Oを滴下により添加した。この反応混合物を濾過し、そしてその濾液を濃縮して、表題化合物をオフホワイトの固体として得た(4.23g,100%)。LCMS:214.3[M+1]
+。
工程3:中間体3
中間体2(4.2g,19mml)およびMnO
2(18g,210mmol)のDCM(50mL)中の混合物を室温で一晩撹拌した。この混合物を濾過し、そしてその濾液を濃縮し、そしてシリカゲルクロマトグラフィー(DCM:MeOH=20:1)により精製して、表題化合物を褐色固体として得た(3.0g,75%)。LCMS:212.2[M+1]
+。
工程4:中間体4
2−(3,5−ジメトキシフェニル)酢酸エチル(59mg,2.6mmol)、KF/Al
2O
3(1.7g,12mmol)および中間体3(500mg,2.4mmol)のNMP(20ml)中の混合物を室温で0.5時間撹拌した。この混合物をブラインに添加し、EtOAcで抽出し、(Na
2SO
4)で乾燥させ、そして減圧中で濃縮して、表題化合物を油状物として得た。LCMS:312.4[M+1]
+。
工程5:中間体5
中間体4(880mg,2.4mmol)のDCM(30mL)中の溶液に、SO
2Cl
2(640mg,4.7mmol)を滴下により−10℃で添加した。得られた混合物を1時間撹拌し、その後、これを飽和NaHCO
3でクエンチし、そしてDCMで抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO
3で洗浄し、乾燥させ、そして減圧中で濃縮して、表題化合物をオフホワイトの固体として得た(860mg,79%)。LCMS:456.1[M+1]
+。
工程6:中間体6
中間体5(200mg,0.44mmol)、DIPEA(85mg,0.66mmol)および実施例226から得られた(3R,4S)−4−アミノテトラヒドロフラン−3−イルカルバミン酸tert−ブチル(107mg,0.53mmol)をNMP(10mL)中で合わせ、そしてN
2雰囲気下85℃で2時間撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、そしてその有機層をブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、そして濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(1%のMeOH/DCM)により精製して、表題化合物を白色固体として得た(190mg,73%)。LCMS:594.2[M+1]
+。
工程7:中間体7
中間体6のBoc脱保護を先に記載されたように行って、表題化合物(170mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 2.05 (s, 3H), 3.62 −3.66 (m, 1H), 3.68 −3.77 (m, 2H), 3.94 (s, 6H), 4.12 (q, 3H), 4.23−4.31 (m, 1H), 4.46−4.55 (m, 1H) ,5.80 (s, 1H), 6.61 (s, 1H), 7.37 (s, 1H), 8.44 (s, 1H)。
工程8:I−296
中間体7のアクリロイル化を先に記載されたように行って、表題化合物(40mg,46%)を白色固体として得た。LCMS:548.3[M+1]
+。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3):δ 1.61 (d, 6H), 3.86 (s, 3H), 3.94 (s, 6H) ,4.23 (dd, 2H), 4.78−4.93 (m, 2H), 5.66 (dd, 1H), 5.74 (d, 1H), 6.12 (d, 1H), 6.29 (dd, 2H), 6.62 (s, 1H), 7.37 (s, 1H), 8.42 (s, 1H)。
実施例255:I−307
工程1:中間体2
実施例251から得られた中間体1(654mg,1.99mmol)、(R)−3−(((メチルスルホニル)オキシ)メチル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(832mg,2.98mmol)、およびK
2CO
3(550mg,3.98mmol)のNMP(20mL)中の混合物を80℃で3時間加熱した。この混合物を室温まで冷却し、そしてEtOAcと水との間で分配した。その有機相を分離し、水、ブラインで洗浄し、そして無水Na
2SO
4で乾燥させた。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=120:1)により精製して、表題生成物(1.0g,99%)を白色固体として得た。LCMS:513.3[M+1]
+。
工程2:中間体3
中間体2(1.00g,1.95mmol)およびTFA(8mL)のDCM(16mL)中の混合物を室温で1時間撹拌した。この溶液のpHを9に調整し、DCMで希釈し、水、ブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、そして濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH:NH
4OH=300:10:4)により精製して、表題化合物(600mg,75%)を黄色固体として得た。LCMS:413.3[M+1]
+。
工程3:中間体4
Ac
2O(178mg,1.75mmol)を、中間体3(600mg,1.46mmol)およびEt
3N(220mg,2.18mmol)のDCM(20mL)中の混合物に0℃で滴下により添加した。この混合物を0.5時間撹拌し、その後、これを1N・HCl、水性NaHCO
3およびブラインで洗浄した。その有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、そして濃縮して、表題化合物(600mg,91%)を黄色油状物として得た。LCMS:455.3[M+1]
+。
工程4:中間体5
中間体4(200mg,0.44mmol)のDCM(20mL)中の溶液に、SO
2Cl
2(148mg,1.1mmol)を0℃で滴下により添加し、次いでこの混合物を0℃で30分間撹拌し、水性NaHCO
3でクエンチし、ブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、そして濃縮して、表題生成物(270mg)を黄色油状物として得、これを次の工程で直接使用した。LCMS:677.3[M+1]
+。
工程5:中間体6
中間体5(270mg,0.48mmol)、((3R,4S)−4−アミノテトラヒドロフラン−3−イル)カルバミン酸tert−ブチル(127mg,0.63mmol)、DIPEA(186mg,1.44mmol)のNMP(10mL)中の混合物を80℃で3時間加熱した。この混合物を室温まで冷却し、そしてEtOAcと水との間で分配した。その有機相を分離し、水、ブラインで洗浄し、そして無水Na
2SO
4で乾燥させた。得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=40:1)により精製して、表題生成物(200mg,61%)を白色固体として得た。
工程6:中間体7
中間体6(100mg,0.15mmol)およびTFA(2mL)のDCM(4mL)中の混合物を室温で0.5時間撹拌した。この反応溶液を濃縮し、そして得られた残渣を次の工程で直接使用した(100%の収率を仮定)。LCMS:577.2[M+1]
+。
工程7:I−307
中間体7およびDIPEA(194mg,1.5mmol)の乾燥DCM(20mL)中の溶液に、塩化アクリロイル(13mg,0.15mmol)の乾燥DCM(2mL)中の溶液を氷ブライン浴中で滴下により添加した。この反応混合物を10分間撹拌し、その後、これをDCMとH2Oとの間で分配した。その有機相を分離し、ブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、そしてその粗製生成物をprep−HPLCにより精製して、表題化合物(20mg)を白色固体として得た。LCMS[M+1]+:631.2。1H NMR (400 MHz, CD3OD):δ 1.86−2.06 (m, 5H), 2.94−3.00 (m, 1H), 3.32−3.33 (m, 2H), 3.39−3.98 (m, 10H), 4.13−4.24 (m, 2H), 4.47−4.64 (m, 2H), 4.80−4.85 (m, 1H), 4.94−4.97 (m, 1H), 5.54−5.60 (m, 1H), 6.08−6.16 (m, 2H), 6.90 (s, 1H), 7.66 (s, 1H), 8.63 (s, 1H)。
実施例256:さらなる化合物
表7および表8において以下に提示する化合物を、先の実施例に記載されるように合成および特徴付けした。
実施例257:タンパク質質量修飾アッセイ
FGFR4インタクトタンパク質(SignalChem(表9の方法a)またはInvitrogen(表9の方法b)のいずれかから)および本発明の化合物(タンパク質に対して10倍過剰の化合物)を60分間インキュベートした。インキュベーション後、これらのサンプルの5μLのアリコートを、15μLの0.2% TFAで希釈し、その後、マイクロC4 ZipTipプロトコルを使用して脱塩処理し、これを、シナピン酸(0.1%のTFA:アセトニトリル 50:50,v/v中10mg/mL)を吸着マトリックスとして使用して、MALDI標的に直接添加した。コントロールサンプル中のFGFR4の質量中心の質量を、本発明の化合物と一緒にインキュベートしたFGFR4の質量中心の質量と比較した。処理されていないFGFR4と比較した、処理されたFGFR4の質量中心の質量のシフトを、本発明の化合物の分子量で割った。この計算は、1時間のインキュベーション後の修飾タンパク質の百分率を与える。このアッセイは、FGFR4標的が試験化合物に共有結合するか否か(すなわち、このタンパク質の質量が修飾されるか否か)を確認する。
例えば、FGFR4のI−1での質量修飾を評価するために、インタクトなFGFR4(Invitrogen,カタログ番号:P3054)を、単独でと、I−1(タンパク質に対して10倍過剰のI−1)と一緒にとで、インキュベートした。60分後、これらのタンパク質サンプルを、上記のように希釈および調製した。このタンパク質の質量中心の質量(m/z:42761.7;図1のパネルAに示される)を、処理したタンパク質の質量中心の質量(m/z:43350.2;図1のパネルBに示される)と比較した。589Da(87%)の質量中心の質量シフトは、FGFR4のI−1による完全な修飾を示した。他の化合物もまた、この様式で試験した。これらの実験の結果を表9に示す。
表9、表10、および表11は、種々のFGFRアッセイにおける、本発明の選択された化合物の活性を示す。表9、表10、および表11における化合物番号は、上記化合物番号に対応する。
「A」で表される活性を有する化合物は、100nM以下のEC50/IC50/GI50を与えた;「B」で表される活性を有する化合物は、101nM〜500nMのEC50/IC50/GI50を与えた;「C」で表される活性を有する化合物は、501nM〜999nMのEC50/IC50/GI50を与えた;「D」で表される活性を有する化合物は、1000nM以上のEC50/IC50/GI50を与えた。
「E」で表される活性を有する化合物は、70%以上の質量修飾を与えた;「F」で表される活性を有する化合物は、31%〜69%の質量修飾を与えた;「G」で表される活性を有する化合物は、30%以下の質量修飾を与えた。
実施例257:FGFR4酵素に対する効力評価のためのOmniaアッセイプロトコル:
表10の方法aに対応するFGFR4−WT(PR4380CまたはP3054)、(Invitrogen,Carlsbad,CA製)の10倍ストック溶液を、以下に記載されるように調製した。あるいは、表10の方法bに対応するFGFR4−WT(F01−11G)、(SignalChem,Richmond,BC製)の10倍ストック溶液を、以下に記載されるように調製した。1.4倍ATP(AS001A)および5倍Tyr−Sox結合ペプチド基質(KNZ3101)の溶液を、20mMのTris(pH7.5)、5mMのMgCl2、1mMのEGTA、5mMのβ−グリセロホスフェート、5%のグリセロール(10倍ストック,KB002A)および0.2mMのDTT(DS001A)を含む1倍キナーゼ反応バッファ中で調製した。5μLのFGFR4を、0.5μLの体積の100% DMSOを含むCorning(#3574)の384ウェルの、白色非結合表面マイクロタイタープレート(Corning,NY)にピペットで入れた。連続希釈した化合物を、Tecan EVO100で調製した。10μlのTyr−Sox FGFR4基質の2回目の添加物を各ウェルに添加し、そして35μLの1.4倍ATPの添加によって、キナーゼ反応を開始させた。これらの反応を、240分間にわたって71秒ごとに、λex360/λem485で、BioTek(Winooski,VT)製のSynergyプレートリーダーで監視した。各アッセイの終了において、各ウェルから得られた進行曲線を、線形反応速度論について試験し、そして統計学(R2,95%信頼区間,絶対平方和(absolute sum of squares))に当てはめた。各反応からの初期速度(0分〜60分)を、時間(秒)に対する相対蛍光単位のプロットの傾斜から決定し、次いで阻害剤濃度に対してプロットして、IC50を、log[阻害剤]対応答から推定した(GraphPad Software(San Diego,CA)製のGraphPad PrismのVariable Slopeモデル)。
方法:
a)[FGFR4−WT]=10nM、[ATP]=300uM、[Y10−Sox]=10uM(ATP KMapp約300uM)、
b)[FGFR4−WT]=2.5nM、[ATP]=250uM、[Y10−Sox]=10uM(ATP KMapp約250uM)、
tools.invitrogen.com/content/sfs/manuals/omnia_kinase_assay_man.pdf。
これらの実験の、IC
50として報告される結果は、本発明の化合物がFGFR酵素活性を阻害する能力を示す。これらの結果を表10に示す。
実施例258:FGFR4シグナル伝達
細胞の準備:MDA−MB−453(乳癌)細胞およびHuh7(肝細胞癌)細胞を使用した。Huh7細胞を、10%のFBS(Invitrogen)および1%のペニシリン−ストレプトマイシン(P/S,Lonza,Walkersville,MD)を補充したDMEM(Invitrogen,Carlsbad,CA)中で増殖させた。MDA−MB−453細胞を、10%のFBSおよび1%のP/Sを補充した完全RPMI 1640(Invitrogen)中で増殖させた。全ての細胞を、単層培養物として、37℃で、加湿5% CO2インキュベーター内で維持して成長させた。
MSDアッセイおよびELISAアッセイのために、総FGFR4抗体をR&D Systems(Minneapolis,MN)から入手し、そして1:500で使用した。免疫ブロッティング(ウェスタンブロッティング)アッセイのために、総FGFR4抗体をSanta Cruz(Santa Cruz,CA)から入手し、そして1:1000で使用した。Phospho−FGFR抗体をCell Signaling(Danvers,MA)またはR&D Systemsから入手し、そして1:1000で使用した。Cell Signaling製のphopho−FGFR抗体を免疫ブロッティングのために使用し、一方で、R&D製のphopho−FGFR抗体をMSDアッセイおよびELISAアッセイのために使用した。二次抗体を、1:10,000で使用した。ヤギ抗マウスIgG IRDye 800CW抗体をLiCor Biosciences(Lincoln,NE)から入手し、そしてヤギ抗ウサギIgG Alexa Fluor 680をInvitrogenから入手した。抗ウサギSulfoタグ抗体および抗ストレプトアビジンSulfoタグ抗体をMeso Scale Discovery(Gaithersburg,MD)から入手し、そしてそれぞれ、1:1000および1:5000で使用した。
免疫ブロッティング(ウェスタンブロッティング,WB)−方法A(MDA−MB−453についてのみ)
MDA−MB−453細胞シグナル伝達のために、細胞を96ウェルのポリ−D−リジンプレート(BD Bioscience,San Jose,CA)内で90%コンフルエンスまで増殖させ、次いで低血清(0.1%のFBS)培地中で16〜18時間インキュベートした。次いで、これらの細胞を、低血清(0.1%のFBS)培地中5μM、1.25μM、0.31μM、0.078μM、0.020μMまたは0.005μMの試験化合物で1時間処理した。処理後、これらの細胞を冷PBS(Invitrogen)で洗浄し、そして完全プロテアーゼ阻害剤(Roche,Indianapolis,IN)およびPhosphoSTOP(Roche)ホスファターゼ阻害剤を補充した32μLの冷細胞抽出バッファ(Invitrogen)内で3回の凍結/解凍によって即座に溶解した。
MDA−MB−453タンパク質濃度を、BCAアッセイ(Pierce,Rockford,IL)により決定した。各溶解物の50〜100μgのサンプルを、4〜12%の勾配(SDS−PAGE(Invitrogen))により分離し、ニトロセルロース膜(Biorad,Hercules,CA)に移し、そして特異的抗体でプローブした。phospho−タンパク質シグナルを、Odyssey赤外画像化(Li−Cor Biosciences)を使用して定量した。
phospho−FGFRシグナル伝達を評価するために、これらのブロットを抗Phospho−FGFR(Y653/Y654)および総抗FGFR抗体でプローブした。phospho−FGFRシグナルを、各サンプルについて、総FGFR発現に対して標準化した。これらの結果をDMSOコントロールの%として示す。標準化したデータをS字曲線分析プログラム(Graph Pad Prismバージョン5)を使用して可変Hill傾斜に当てはめて、EC50値を決定した。その結果を表11において、「シグナル伝達EC50(nM)」との表題の欄の下に与える。
メソスケールアッセイ(MSD)−方法B(MDA−MB−453とHuh7との両方について)
MDA−MB−453細胞およびHuh7細胞を、96ウェルのポリ−D−リジンプレート(BD Bioscience,San Jose,CA)内で90%コンフルエンスまで増殖させた。次いで、これらの細胞を低血清(0.1%のFBS)培地中で16〜18時間インキュベートし、次いで低血清(0.1%のFBS)培地中5μM、1.67μM、0.56μM、0.185μM、0.068μM、0.021μMまたは0.007μMの試験化合物で1時間処理した。処理後、これらの細胞を冷PBS(Invitrogen)で洗浄し、そして完全プロテアーゼ阻害剤(Roche)およびPhosphoSTOP(Roche)ホスファターゼ阻害剤を補充した32μLの冷細胞抽出バッファ(Invitrogen)内で3回の凍結/解凍によって即座に溶解した。
MSDプレート(Meso Scale Discovery)を総FGFR−4抗体で4℃で一晩コーティングした。溶解物(25μL)をこのMSDプレートに4℃で一晩添加した。MSDシグナルを、phospho−FGFR抗体(R&D Systems)および抗ウサギsulfoタグ抗体(Meso Scale)と一緒に室温で2時間インキュベートすることによって得た。これらの結果をDMSOコントロールの%として示す。これらのデータをS字曲線分析プログラム(Graph Pad Prismバージョン5)を使用して可変Hill傾斜に当てはめて、EC50値を決定した。その結果を表11において、「シグナル伝達EC50(nM)」との表題の欄の下に与える。
ELISA−−方法C(MDA−MB−453についてのみ)
MDA−MB−453細胞を、96ウェルのポリ−D−リジンプレート(BD Bioscience,San Jose,CA)内で90%コンフルエンスまで増殖させた。次いで、これらの細胞を低血清(0.1%のFBS)培地中で16〜18時間インキュベートした。次いで、これらのMDA−MB−453細胞を低血清(0.1%のFBS)培地中5μM、1.67μM、0.56μM、0.185μM、0.068μM、0.021μMまたは0.007μMの試験化合物で1時間処理した。処理後、これらのMDA−MB−453細胞を冷PBS(Invitrogen)で洗浄し、そして完全プロテアーゼ阻害剤(Roche)およびPhosphoSTOP(Roche)ホスファターゼ阻害剤を補充した32μLの冷細胞抽出バッファ(Invitrogen)内で3回の凍結/解凍によって即座に溶解した。
Nunc−イムノプレート(96ウェル;Sigma,St.Louis,MO)を総FGFR−4抗体で4℃で一晩コーティングした。溶解物(25μL)をこのプレートに室温で2時間添加した。phospho−FGFR検出抗体(100μL)を1ウェルあたり室温で2時間添加し、その後、ヤギ抗ウサギHRP抗体(100μL)を45分間添加した。これらの結果をDMSOコントロールの%として示す。これらのデータをS字曲線分析プログラム(Graph Pad Prismバージョン5)を使用して可変Hill傾斜に当てはめて、EC50値を決定した。
これらの実験の結果は、本発明の化合物が、細胞におけるFGFR4のリンシグナル伝達を阻害する能力を示す。これらの結果を、表11において、「シグナル伝達EC50(nM)」との表題の欄の下に示す。MDA−MB−453細胞の結果は、ヘッダ「pFGFR4(MDA)」の下であり、そしてHuh7の結果は、ヘッダ「pFGFR4(Huh)」の下である。
実施例259:細胞増殖
MDA−MB−453細胞およびHuh7細胞を、5%のFBSおよび1%のP/Sを補充した適切な増殖培地中で、96ウェルの組織培養プレート(Corning)内で、表11に示されるようにプレートした。MDA−MB−453細胞とHuh7細胞との両方について、出発密度は、1ウェルあたり5000個の細胞であった。これらの細胞を4時間沈降させ、次いで、5μM、1.25μM、0.31μM、0.078μM、0.020μMまたは0.005μMの試験化合物で、MDA−MB−453細胞については96時間、そしてHuh7細胞については120時間処理した。細胞生存性を、CellTiter Glo(Promega,Madison,WI)により決定し、そしてそれらの結果を、標準曲線を使用して細胞数に転換した。増殖阻害(GI50)値を、Graph Pad Prismにより決定した。
これらの実験の結果は、化合物が、FGFR依存細胞系統において細胞増殖を阻害する能力を示し、これらの結果を、表11において、「細胞増殖GI50(nM)」との表題の欄に示す。MDA−MB−453細胞の結果は、ヘッダ「MDA」の下であり、そしてHuh7細胞の結果は、ヘッダ「Huh」の下である。
実施例260:標的占有率アッセイ
遊離FGFR4タンパク質を評価する目的で、ビオチン化共有結合プローブを利用した。実施例235の方法Bに記載されるように、MDA−MB−453細胞を試験化合物で処理し、洗浄し、そして溶解した。各溶解物(25μL)を96ウェルプレートに添加し、そして2μMのビオチン化共有結合プローブ(I−127)を添加した。この反応物を室温で2時間インキュベートした。これらのサンプルとプローブとの混合物を、FGFR4でコーティングしたMSDプレートに室温で2時間移した。MSDシグナルを、抗ストレプトアビジンSulfoタグ(Meso Scale)抗体を用いて、室温で1時間得た。これらの結果をDMSOコントロールの%として示す。標準化したデータをS字曲線分析プログラム(Graph Pad Prismバージョン5)を使用して可変Hill傾斜に当てはめて、EC50値を決定した。
これらの実験の結果は、遊離FGFR4タンパク質の量を評価することによって、本発明の化合物が、MDA−MB−453細胞において、FGFR4を共有結合により修飾する能力を示す。化合物がFGFR4を完全に(100%)共有結合により修飾する場合、ビオチン化プローブによる共有結合修飾、ならびにその後のストレプトアビジンへの結合および検出のために、遊離FGFR4は利用可能ではないはずである。結果を、表11において、「FGFR4占有率EC
50(nM)」との表題の欄に示す。
実施例261:ウォッシュアウト実験
MDA−MB−453細胞を、10%のFBSおよび1%のP/Sを補充した適切な増殖培地中で、90%コンフルエンスまで、12ウェルまたは96ウェルのいずれかの組織培養プレートでプレートした。これらの細胞を4時間沈降させ、次いで低血清(0.1%のFBS)培地中で一晩維持した。
翌朝、その培地を除去し、そしてこれらの細胞を、低血清培地中1000〜2000nMの試験化合物で1時間処理した。PBS(Invitrogen)を用いて、これらの細胞から試験化合物を完全に洗い落とした(3回)。1セットの細胞を0時間の時点として、上記のように即座に溶解させた。残りの細胞を、適切な完全増殖培地(10〜20%のFBS)と一緒に1時間、2時間、4時間、8時間、16時間(特定の状況において)および24時間インキュベートした。DMSO(0.5%)コントロールを、全ての時点で集めた。
代表的なデータを、図2および図3に示す。図2のデータは、代表的な化合物であるI−69が、細胞が洗浄された後のリン酸化FGFR4(pFGFR4)の検出によって評価される、FGFR4の自己リン酸化の長期の阻害を提供する。図2のグラフは、pFGFR4の阻害が、試験された細胞におけるFGFR4の再合成速度(T1/2約4〜8時間)と矛盾しないことを示す。図3のデータは、共有結合により修飾する(不可逆的)化合物I−1と、その対応する非共有結合修飾する(可逆的)アナログであるI−234との作用の持続時間を比較する。FGFR4を共有結合により修飾するI−1は、細胞におけるFGFR4の再合成速度と矛盾しない作用の長期の持続時間を有し、一方で、I−234は、洗浄後に作用の長期の持続時間を示さない。
本発明の多数の実施形態が本明細書中に記載されたが、その基本的な実施例は、本発明の化合物および方法を利用する、他の実施形態を提供するように変更され得ることが明らかである。従って、本発明の範囲は、例として与えられた具体的な実施例によってよりもむしろ、添付の特許請求の範囲によって規定されるべきであることが、理解される。