JP6576192B2 - シート状物の長さの検尺装置 - Google Patents
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Description
検尺する長さの初期値設定は、長さリセットボタンが押されると長さの全桁に0が設定され(0リセットされ)、枚数リセットボタンが押されると枚数の全桁に0が設定される(0リセットされる)。
また、長さリセットボタンが押されると枚数カウントが1加算される。
作業者は手動壁紙糊付機の本体内の糊容器に糊を入れ、手回しハンドルで糊付けローラーを回転させて糊を糊付けローラーの表面に均一に付着させておく。
続いて作業者は、手動壁紙糊付機の本体上部のフレームを開けて、壁紙原反から先頭を引き出して解反した壁紙を糊付けローラーの上において本体上部のフレームを閉める。
続いて作業者は、壁紙の先頭を更に引き出して、裏面に糊が付いた部分を20cmほど作り、本体正面に貼り付ける。
続いて作業者は、本体正面に貼り付いている壁紙を、手動壁紙糊付機の脚部のステンレスステーに沿って、カッターナイフで一直線に切断する。この切断した位置が、1枚目の壁紙の先頭部となる。
壁紙が手で引っ張られることにより糊付けローラーが回転し、糊付けローラーと歯車により連動されるドクターローラーも回転し、定められた厚みの糊が壁紙に付いて排出される。
アナログメータ部の円盤の一の位が目盛り0から9まで回転して再び0に戻る時に桁上げが行われ、現時点までに排出された壁紙の長さが逐次表示される。
作業者は壁紙を手で引っ張りながらアナログメータを目視し、アナログメータの目盛りが自分が糊付けをしたい壁紙の長さに達したら手を止める。
この様な糊付け作業を繰り返し行い、糊が付いた壁紙が数枚でき上がったら壁紙を貼り付ける作業を行っている部屋へ貼りに行く。
この時、本体上部フレームのカウンターステーに装着されている検尺装置が、糊付けローラーに貼りついて保持されている壁紙の上を移動していくので、検尺装置の車輪が回転し、壁紙が搬送されていないにもかかわらず、車輪が回転した分の長さがカウントされる。
また、作業者が、本体上部フレームを開ける前に検尺装置を手動壁紙糊付機の本体のカウンターステーから取り外して一時的に最寄りの物の上に置く場合がある。この時、検尺装置の車輪をうっかり回転させてしまうと、壁紙が搬送されていないにもかかわらず、車輪が回転した分の長さがカウントされる。
どちらの場合も、壁紙が搬送されていない状態で車輪だけが回転した場合などの、車輪の回転量が検尺長さとして加算、あるいは減算され、検尺誤差を生じる。という課題を有している。
シート状物の表面の凹凸や表面に塗布された液体の影響で、検尺装置の車輪が一定の割合で滑りながら回転し、実際に搬送されたシート状物の長さに対して、短く検尺カウントをしてしまうという誤差を生じる場合がある。という課題を有している。
また、シート状物が搬送される時のテンションによりシート状物が一定の割合で伸びている状態のところや、シート状物が送り出し用のローラーに巻き付いて一定の割合で伸びているところに検尺装置の車輪を当てて検尺カウントする場合には、実際に搬送されたシート状物の長さに対して、長く検尺カウントをしてしまうという誤差を生じる。という課題を有している。
しかし、布地捺染前処理機では、捺染処理が施される布地の原反の全長が100m巻、200m巻のものが多く、切断することなく一度に1本分の捺染処理を施し、また、長さ検尺カウント値の表示の最小単位は10cmが見やすく、長さ表示も200m以上の長い表示が必要となる。
このような要望に対して、全長の短い検尺を必要とする装置で使用する場合と全長の長い検尺を必要とする装置で使用する場合で、長さ検尺の最小単位と長さ表示の最小単位を変更することができない。という課題を有している。
主演算部(2)は、設置角度検出部(4)により検出した、検尺装置(1)の載置時の設置角度を記憶部(3)に記憶し、主演算部(2)は、検尺部(6)により生成される、シート状物の移動に比例した検尺パルスを計数し、シート状物の移動長を算出し表示操作部(5)に表示しつつ、設置角度検出部(4)により検出した検尺装置(1)の現時点の設置角度を、記憶部(3)に記憶している載置時の設置角度と比較し、現時点の設置角度と載置時の設置角度の差が、予め定めた許容範囲よりも大きくなった場合に、検尺パルスの計数を停止し、停止した時点のシート状物の移動長を記憶部(3)に記憶することを特徴とする。
停止した時点のシート状物の移動長を記憶部(3)から読み出し、検尺パルスの計数を再開し、停止した時点のシート状物の移動長に、再開後の検尺パルスを計数して算出したシート状物の移動長を加算したシート状物の移動長を、表示操作部(5)に表示することを特徴とする。
Rは車輪(9)の直径、πは円周率、で表され、)
補正実行パラメータnは、n=1/r。(rは補正率、単位は%、で表されることを特徴とする。)
停止した時点のシート状物の移動長を記憶部から読み出し、検尺パルスの計数を再開し、
停止した時点のシート状物の移動長に、再開後の検尺パルスを計数して算出したシート状物の移動長を加算したシート状物の移動長を、表示操作部に表示するので、シート状物の搬送が途中で中断した場合でも、中断前の移動長に中断後の移動長を加算した移動長を算出できる。
第2計数手段の計数値が、補正率で規定される補正実行パラメータと一致する毎に、
第1計数手段の計数値を修正することにより、移動長の補正を行うので、
布地捺染の前処理機などに装着されて使用されている場合に、シート状物の表面の凹凸や表面に塗布された液体の影響で、検尺装置の車輪が一定の割合で滑りながら回転し、実際に搬送されたシート状物の長さに対して、短く検尺カウントをしてしまうという使用条件においても、また、シート状物が搬送される時のテンションによりシート状物が一定の割合で伸びている状態のところや、シート状物が送り出し用のローラーに巻き付いて一定の割合で伸びているところに検尺装置の車輪を当てて検尺カウントする場合には、実際に搬送されたシート状物の長さに対して、長く検尺カウントをしてしまうという使用条件においても
算出した移動長に誤差を生じることはない。
また、移動長算出定数Pは、P=πR/m、であり、車輪の直径により規定される定数であるので、直径の異なる車輪を取り付けた場合でも補正を実行できる。
主演算部(2)はワンチップマイコンであり、検尺部(6)により生成される検尺パルスを計数し、シート状物の移動長の算出を行い。また、表示操作部(5)や設置角度検出部(4)などの制御を行う。
また、記憶部(3)には、第1計数手段(28)と第2計数手段(29)と車輪直径記憶手段(30)がある。
また、記憶部(3)は、電源をOFFしても記憶内容を保持できるEEPROMとワンチップマイコンに内蔵されているROMとRAMで構成されている。
検尺部(6)のA相パルスとB相パルス、および、長さリセット信号と枚数リセット信号をオープンコレクタ出力で外部機器に伝達する回路である。
また、車輪(9)は本発明の検尺装置(1)を装着する機器に応じて、直径が19.10mmの車輪(9)、直径が47.75mmの車輪(9)、直径が95.50mmの車輪(9)を選択して取り付けすることができる。
回転検出部(図示せず)は、検尺部(6)の回転板(11)が回転することにより生じた磁界の変化を電気信号に変換し、OPアンプ回路によって、A相とB相の2つのパルス信号を生成し、主演算部(2)に取り込み、主演算部(2)は、A相パルス信号とB相パルス信号を4逓倍したものを検尺パルスとして計数してシート状物の移動長を算出し、この値を移動長として、記憶部(3)に記憶する。
本発明の検尺装置(1)では、車輪(9)が1回転すれば、検尺部(6)の回転板(11)も1回転し、A相パルスとB相パルスはそれぞれ15パルス生成され、主演算部(2)は、A相パルスとB相パルスを4逓倍して読み取ったものを検尺パルスとしているので、車輪(9)が1回転すれば、検尺パルスは60個発生する。
また、主演算部(2)は、A相パルスの位相とB相パルスの位相の関係を判別し、A相パルスの位相がB相パルスの位相に対して進んでいる状態を正転とし、この状態で生成される検尺パルスを計数して算出したシート状物の移動長を加算していき、
逆に、A相パルス信号の位相がB相パルス信号の位相に対して遅れている状態を逆転とし、この状態で生成される検尺パルスを計数して算出したシート状物の移動長を減算していく。
MEMS加速度センサは、主演算部(2)などを実装した制御基板(図示せず)に実装し、制御基板(図示せず)は、検尺装置(1)が水平の状態にある時、MEMS加速度センサも水平になる様に取り付けているので、検尺装置(1)が水平状態にある時、MEMS加速度センサにはZ軸方向に重力加速度1Gが働いており、MEMS加速度センサZ軸出力端子には重力加速度1Gに相当する電圧が出力される。X軸方向には加速度は働いていないので、X軸出力端子にはMEMS加速度センサのオフセット電圧(初期値)が出力されている。
一方、検尺装置(1)をX軸方向に角θ傾けられた場合、MEMS加速度センサのX軸方向には、重力加速度1GのX軸方向の分力、Gsinθが働き、X軸出力端子にはGsinθに比例した電圧が出力される。
X軸出力端子電圧をVxとし、 角θ=sin-1Vx/G と表される。
具体的には、検尺装置(1)が、図1−(b)に示す様に水平な状態にある時、X軸方向角=0度とし、検尺装置(1)の正面に設けられている表示操作部(5)が上方へ移動する方向に傾く角度を+のX軸方向角とし、表示操作部(5)が下方へ移動する方向に傾く角度を−のX軸方向角としている。
また、制御基板(図示せず)を電源電圧Vdd=5.00Vで駆動しており、MEMS加速度センサのX軸方向角のX軸出力端子電圧をVxは、
検尺装置(1)が水平(X軸方向角=0度)の時、出力電圧Vx=2.50Vであり、
検尺装置(1)が(X軸方向角=+90度)の時、出力電圧Vx=3.50Vであり、
検尺装置(1)が(X軸方向角=−90度)の時、出力電圧Vx=1.50Vとなる様な回路構成としており、
検尺装置(1)の設置角度に対して出力電圧Vxは比例して変化するので、
角度0度から+90度までの角度の時の出力電圧Vxを設計段階で測定し
出力電圧Vxが2.50V以上、2.61V以下の範囲にある時、X軸方向角=+10度
出力電圧Vxが2.61V以上、2.72V以下の範囲にある時、X軸方向角=+20度
出力電圧Vxが2.72V以上、2.83V以下の範囲にある時、X軸方向角=+30度
出力電圧Vxが2.83V以上、2.94V以下の範囲にある時、X軸方向角=+40度
出力電圧Vxが2.94V以上、3.05V以下の範囲にある時、X軸方向角=+50度
出力電圧Vxが3.05V以上、3.16V以下の範囲にある時、X軸方向角=+60度
出力電圧Vxが3.16V以上、3.27V以下の範囲にある時、X軸方向角=+70度
出力電圧Vxが3.27V以上、3.38V以下の範囲にある時、X軸方向角=+80度
出力電圧Vxが3.38V以上、3.49V以下の範囲にある時、X軸方向角=+90度
出力電圧Vxが3.49V以上の時、X軸方向角=+90度以上
と、出力電圧Vxの範囲とX軸方向角を割付け、
0度から−90度までの角度の時の出力電圧Vxは、
出力電圧Vxが2.50V以下、2.39V以上の範囲にある時、X軸方向角=−10度
出力電圧Vxが2.39V以下、2.28V以上の範囲にある時、X軸方向角=−20度
出力電圧Vxが2.28V以下、2.17V以上の範囲にある時、X軸方向角=−30度
出力電圧Vxが2.17V以下、2.06V以上の範囲にある時、X軸方向角=−40度
出力電圧Vxが2.06V以下、1.95V以上の範囲にある時、X軸方向角=−50度
出力電圧Vxが1.95V以下、1.84V以上の範囲にある時、X軸方向角=−60度
出力電圧Vxが1.84V以下、1.73V以上の範囲にある時、X軸方向角=−70度
出力電圧Vxが1.73V以下、1.62V以上の範囲にある時、X軸方向角=−80度
出力電圧Vxが1.62V以下、1.51V以上の範囲にある時、X軸方向角=−90度
出力電圧Vxが1.51V以下の時、X軸方向角=−90度以上
と、割付け、角度検出の最小単位を10度単位として、出力電圧VxとX軸方向角度の割付け表として記憶部(3)に記憶している。
また、係止部(10)は、各機器の作業者の方向に表示操作部(5)が向く方向に検尺装置(1)を取り付ける形状としている。
長さ表示一の位(12)は、主演算部(2)が算出したシート状物の移動長の一の位を示す。
長さ表示十の位(13)は、主演算部(2)が算出したシート状物の移動長の十の位を示す。
長さ表示百の位(14)は、主演算部(2)が算出したシート状物の移動長の百の位を示す。
長さ表示千の位(15)は、主演算部(2)が算出したシート状物の移動長の千の位を示す。
レベルメーター(18)は、主演算部(2)が算出したシート状物の移動長の一の位以下を示す。
枚数表示一の位(16)は、主演算部(2)が算出したシート状物の枚数一の位を示す。
枚数表示十の位(17)は、主演算部(2)が算出したシート状物の枚数十の位を示す。
+補正表示(20)は、+補正が設定され、実行中であることを示す。
−補正表示(19)は、−補正が設定され、実行中であることを示す。
正回転表示(21)は、A相の位相がB相の位相に対し進んでおり、シート状物の移動長の加算が行われていることを示す。
逆回転表示(22)は、A相の位相がB相の位相に対し遅れており、シート状物の移動長の減算が行われていることを示す。
設定スイッチ(27)は設定値や、動作条件などを設定する際に使うスイッチである。
リセットスイッチ(26)は設定値や、動作条件などを取り消す際に使うスイッチである。
長さリセットスイッチ(25)は、移動長を0クリアする際に使うスイッチである。
枚数リセットスイッチ(24)は、移動長を0クリアする際に使うスイッチである。
電源スイッチ(23)は検尺装置(1)の電源をON/OFFする為のスイッチである。
作業者はまず、糊付けの事前準備をする必要があり、事前準備の最中には本発明の検尺装置(1)は手動壁紙糊付機に装着していない。
事前準備としては、手動壁紙糊付機の本体内の糊容器に糊を入れ、手回しハンドルで糊付けローラーを回転させて糊を糊付けローラーの表面に均一に付着させておく。続いて作業者は、手動壁紙糊付機の本体上部のフレームを開けて、壁紙原反から先頭を引き出して解反した壁紙を糊付けローラーの上において本体上部のフレームを閉める。
続いて作業者は、壁紙の先頭を更に引き出して、裏面に糊が付いた部分を20cmほど作り、本体正面に貼り付ける。
続いて作業者は、本体正面に貼り付いている壁紙を、手動壁紙糊付機の脚部のステンレスステーに沿って、カッターナイフで一直線に切断する。この切断した位置が、1枚目の壁紙の先頭部となる。
手動壁紙糊付機に装着された場合は本発明の検尺装置(1)の設置角度はほぼ水平となる。
図6−(a)は、前回、枚数表示欄には枚数3枚を表示し、長さ表示の欄には長さ200cmを表示し、長さ表示の一の位の右側のレベルメーター(18)の下3つが点灯した状態で電源をOFFしたことを表している。
枚数カウント値に1加算する。
壁紙が手で引っ張られることにより糊付けローラーが回転し、糊付けローラーと歯車により連動されるドクターローラーも回転し、定められた厚みの糊が壁紙に付いて排出される。
検尺部(6)の回転板(11)に配置されているN極とS極による磁界変化がMR素子により検出され、OPアンプ回路により、A相パルスとB相パルスが生成される。
記憶部(3)には、現在の移動長として、長さ+0.25cmを記憶する。
記憶部(3)には、現在の移動長として、長さ+0.50cmを記憶する。
記憶部(3)には、現在の移動長として、長さ+0.75cmを記憶する。
記憶部(3)には、現在の移動長として、長さ+1.00cmを記憶する。
作業者は壁紙を手で引っ張りながら表示部を目視し、長さ表示値が、自分が糊付けをしたい壁紙の長さに達したら手を止める。
図7(d)は、長さ300cmの糊付き壁紙を得ようとして作業者が手を止めたが少し引きすぎた状態を示している。長さ表示値は300cmであるが、レベルメーター(18)の下側2つが点灯しており、これは、実際の壁紙の長さは、300.50cm以上、300.75cm未満の範囲にあることを示しており、主演算部(2)は記憶部(3)に現在の移動長として、長さ+300.50cmを記憶する。
逆搬送された場合には、車輪(9)が逆回転し、検尺部(6)は、A相パルスの位相がB相パルスの位相に対して遅れたパルス生成するので、主演算部(2)は、この状態で計数した検尺パルスから算出した移動長は減算する。
図8(a)は、図7(d)の状態から、検尺パルス2パルス分、壁紙を逆搬送された状態であり、主演算部(2)は、長さ表示部に300cmを表示し、実際の壁紙の長さは、300.00cm以上、300.25cm未満の範囲にあることを示しており、
レベルメーター(18)は全て消灯し、記憶部(3)に移動長として、長さ+300.00cmを記憶する。
以上の操作により、1枚目の壁紙の糊付けが終わって、2枚の壁紙の糊付けを開始する。
処理STP1では、電源スイッチ(23)がONされ起動を開始した直後に処理STP1を実行する場合は、前回電源スイッチ(23)がOFFされた時に記憶した、補正処理の実行に必要な制御パラメータなどや移動長と枚数を記憶部(3)から読み出して表示操作部(5)に表示するので、前回の続きから糊付けを行う場合は(前回の移動長と枚数に今回の移動長と枚数を加算する場合は)、作業者はそのまま壁紙を引っ張り、最初から行う場合は長さリセットスイッチ(25)を押し、枚数リセットスイッチ(24)を押す。
手動壁紙糊付機に装着された場合は、本発明の検尺装置(1)は、図1−(a)の様に、ほぼ水平に設置さ、出力電圧Vxが2.50Vから2.61Vの範囲になるので、X軸方向角=+10度と求めて、設置基準角度Xθ0=+10度が記憶部(3)に記憶される。
例えば、X軸出力端子の出力電圧Vxが2.61Vから2.72Vの範囲であれば、X軸方向角=+30度となり、現時点の装置設置角度は+30度と検出し、
処理STP5で記憶部(3)に記憶している、載置時の設置基準角度=+10度と比較し、差が20度となるので、許容範囲を超えたと判定し、処理STP11へ処理の流れを分岐する。
許容範囲を超えていない場合は、処理STP4を実行する。
また、MEMS加速度センサのX軸出力端子の出力電圧Vxが、割付け表の範囲外である場合も許容範囲を超えていると判定し、処理STP11へ処理の流れを分岐する。
主演算部(2)は、移動長を、移動長L=t×Pとして算出する。
tは、第1計数手段(28)の現時点の計数値であり、
Pは車輪(9)の直径と車輪(9)が1回転する当たりに生成される検尺パルスの数により定まる移動長算出定数Pであり、
移動長算出定数PはP=πR/m。 (mは車輪(9)の1回転あたりに生成される検尺パルス数であり、Rは車輪(9)の直径であり、πは円周率である。)としている。
主演算部(2)は、表示操作部(5)に、現時点の移動長Lを表示すると同時に、記憶部(3)に現時点の移動長Lと現時点の第1計数手段(28)の現時点の計数値tを記憶する。
糊を補充する為や、壁紙原反を交換する為などに、作業者により、本体上部フレームが全開位置まで開けられた場合、本体上部のカウンターステーに引っかけられている本発明の検尺装置(1)は、表示操作部(5)が上になる方向に(X軸方向に)、ほぼ水平の状態から+120度まで傾いていくが、本発明の検尺装置(1)では、傾きの許容範囲を20度未満と設定しているので、
本体上部フレームが約+30度まで開けられた時点で、処理STP3の判定の、現在の設置角度Xθ1と設置基準角度Xθ0の差が許容範囲を20度未満という条件を超えるので、
主演算部(2)は、本体上部フレームが約+30度開けられた時点で処理の実行を、処理STP3から処理STP9へ移行し、検尺パルスの計数を停止し、現在までの移動長を記憶部(3)に記憶する。
本体上部フレームが約+30度から+120度まで開けられていく間に、本体上部フレームのカウンターステーに装着されている検尺装置(1)が糊付けローラー(図示せず)に貼りついて保持されている壁紙の上を移動して車輪(9)が回転し、検尺パルスが発生するが、主演算部(2)は、この検尺パルスを計数しないので検尺誤差を生じることはない。
また、布地捺染の前処理機に装着される場合は、糊付機部の搬送経路、加圧ローラー部の搬送経路、乾燥機部の搬送経路の、いずれの搬送経路に装着されるかによって設置角度は異なるので、載置時の設置基準角度Xθ0は、必ず、作業者が本発明の検尺装置(1)の装着を完了した時点に検出して記憶部(3)に記憶させるようにしている。
作業者により設定スイッチ(27)が押されると、主演算部(2)は設定モード処理(フロー図示せず)を実行し、枚数の表示の十の位にHを表示し、長さの表示の十の位に0を表示し、一の位にも0を表示する。
続いて作業者により、枚数リセットスイッチ(24)が押されると主演算部(2)は、0%→+0.2%→+0.4%から最大補正値+1.7%まで、最小補正値−1.7から、−1.7%→−1.4%→−1.2%と変化させるので、作業者は設定したい補正値を選択する。 あるいは、指示したい補正値の数値を直接、表示操作部(5)から入力してもよい。
主演算部(2)は選択された補正値を記憶部(3)へ記憶し、−補正が設定された場合は、 表示操作部(5)の−補正表示を点灯させ、+補正が設定された場合は+補正表示を点灯させる。
本発明では、移動長Lを算出する為の第1計数手段(28)とは別に、補正実行のタイミングを決定する為の第2計数手段(29)を設けている。
また、補正実行のタイミングを決定する為の制御パラメータとして、補正率により規定される、補正実行パラメータnを、n=1/r rは補正率で単位は%である。
として定めている。
主演算部(3)は、記憶部(3)に記憶している第1計数手段(28)の現時点の計数値tを読み出し、t←(t−1)として、記憶部(3)に記憶する。
主演算部(3)は、記憶部(3)に記憶している第1計数手段(28)の現時点の計数値tを読み出し、t←(t+1)として、記憶部(3)に記憶する。
移動長Lを算出する。
本発明の検尺装置(1)の主演算部(2)は、検尺パルスが1つ生成される毎に、図5に示す補正処理を実行し、第2計数手段(29)の計数値sが補正制御パラメータnで定める計数値と一致する毎に、第1計数手段(28)の計数値tの値を修正することにより、検尺パルスをn=1/r個計数する毎に、移動長Lの補正を行うものである。
例えば、本発明の検尺装置(1)を布地捺染前処理機に装着した場合、布地の特性により、
表示操作部(5)に表示している移動長に対して、実際に搬送された布地が短い、という場合で、その割合が、表示操作部(5)の長さ表示が300cmを表示しているのに対して、実際の布地の長さが297.00cmであるという場合には、+1.0%の補正を指示すると誤差をなくすことができる。
+1.0%の補正が指示されている場合、補正制御パラメータnは、n=100/1.0=100となるので、主演算部(2)は、補正制御パラメータn=100を記憶部(3)に記憶し、第1計数手段(28)の計数値t=0、第2計数手段(29)の計数値s=0から
検尺パルスの計数を始め、検尺パルスを99個計数した時、第1計数手段(28)の計数値t=99で、第2計数手段(29)の計数値s=99であるので、
移動長Lは、L=99×2.5=247.50mmと算出する(99個ではまだ補正を実行しない)。
更に100個の検尺パルスを計数した時に、第1計数手段(28)の計数値tはt=201
となり、第2計数手段(29)の計数値sは再びs=100となり、第2計数手段(29)の計数値が補正制御パラメータn=100と一致するので、第1計数手段(28)の計数値tに、t←(t+1)と修正するので、移動長L=202×2.5=505.00mmと算出する。再び、移動長2.5mmの補正となり、+1.0%の補正となる。
以上のように、主演算部(2)は、+1.0%の補正が指示されている場合には、検尺パルスを100個計数する毎に、2.5mmの補正を行うことにより、+1.0%の補正を実行する。
本発明では、車輪(9)が交換された場合でも移動長が算出できる様にする為に、記憶部(3)に、車輪(9)の直径を記憶する車輪直径記憶手段(30)を設け、表示操作部(5)により、作業者が入力した車輪(9)の直径を記憶し、現在装着している車輪(9)の直径を用いて、移動長算出定数Pを再計算し、再計算により求めた移動長算出定数Pを使って、移動長Lを算出する。
布地捺染前処理機に装着された場合、車輪(9)の直径はR=95.50mmであるので
P=5.0mmとして、布地の移動長を、2.5cm単位で算出し、表示操作部(5)に表示する長さ表示の一の位は10cmとし、レベルメーター(18)は2.5cm単位として表示する。
2 主演算部
3 記憶部
4 設置角度検出部
5 表示操作部
6 検尺部
7 インターフェイス部
8 電池
9 車輪
10 係止部
11 回転板
12 長さ一の位
13 長さ十の位
14 長さ百の位
15 長さ千の位
16 枚数一の位
17 枚数十の位
18 レベルメーター
19 +補正表示
20 −補正表示
21 正回転表示
22 逆回転表示
23 電源スイッチ
24 枚数リセットスイッチ
25 長さリセットスイッチ
26 リセットスイッチ
27 設定スイッチ
28 第1計数手段
29 第2計数手段
30 車輪直径記憶手段
Claims (5)
- 搬送されるシート状物に接触して従動回転する車輪と、
前記車輪の回転に比例した検尺パルスを生成する検尺部と、
加速度により検尺装置の傾きを検出する設置角度検出部と、
設定値や制御パラメータなどを記憶する記憶部と、
前記検尺装置を操作する為の表示操作部と、
検尺パルスの計数や前記設置角度検出部や前記表示操作部などの制御を行う主演算部と、
シート状物を搬送する機器に載置する為の係止部を備え、
前記係止部により、シート状物の搬送路に載置され、
前記主演算部は、前記設置角度検出部により検出した、前記検尺装置の載置時の設置角度を前記記憶部に記憶し、
前記主演算部は、前記検尺部により生成される、シート状物の移動に比例した検尺パルスを計数し、シート状物の移動長を算出し、前記表示操作部に表示しつつ、
前記設置角度検出部により検出した前記検尺装置の現時点の設置角度を、前記記憶部に記憶している載置時の設置角度と比較し、
現時点の設置角度と載置時の設置角度の差が、予め定めた許容範囲よりも大きくなった場合に、検尺パルスの計数を停止し、停止した時点のシート状物の移動長を前記記憶部に記憶することを特徴とするシート状物の検尺装置。 - 前記主演算部は、作業者により、前記表示操作部から検尺再開指示が出された場合、
停止した時点のシート状物の移動長を前記記憶部から読み出し、検尺パルスの計数を再開し、
停止した時点のシート状物の移動長に、再開後の検尺パルスを計数して算出したシート状物の移動長を加算したシート状物の移動長を、前記表示操作部に表示することを特徴とする前記請求項1のシート状物の検尺装置。 - 前記記憶部に、検尺部により生成される検尺パルスを計数する第1計数手段と第2計数手段を設け、前記主演算部は、前記第1計数手段の計数値に、前記車輪の直径により規定される移動長算出定数を乗算することにより、シート状物の移動長を算出し、
前記第2計数手段の計数値が、補正率で規定される補正実行パラメータと一致する毎に、前記第1計数手段の計数値を修正することにより、移動長の補正を行うことを特徴とする前記請求項2のシート状物の検尺装置。 - 前記移動長算出定数Pは、P=πR/m。mは車輪の1回転あたりの検尺パルス数であり、Rは車輪の直径であり、πは円周率であり、補正実行パラメータnは、n=1/r。rは補正率、単位は%、で表されることを特徴とする前記請求項3のシート状物の検尺装置。
- 前記記憶部に、前記車輪の直径を記憶する車輪直径記憶手段を設け、前記車輪直径記憶手段に記憶している前記車輪の直径に基づいて、前記移動長算出定数を決定することを特徴とする前記請求項4のシート状物の検尺装置。
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