JP6575799B2 - 熱交換器およびこれを備えた温水装置 - Google Patents
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Description
同文献に記載された熱交換器は、燃焼ガスが内部に供給されるケース内に、伝熱管が収容されたものであり、ケースの起立状の前壁部には、排気口が設けられている。ケースの底壁部の前部には、ドレン水用の排水口が設けられている。前記熱交換器によって燃焼ガスから潜熱回収を行なうと、強酸性のドレン水が発生するが、このドレン水は、ケースの底壁部の前部上に流れ、かつその後はドレン水用の排水口に流れ込んでケースの外部に排出される。
ところが、特許文献2においては、補助部材の前縁部と排気口の開口縁下部とを当接させ、かつこれらの間に隙間が生じないように接合している。このような構成によれば、前記隙間が生じていない状況下ではとくに問題は生じないものの、たとえば組み立て誤差などに起因し、補助部材の前縁部と排気口の開口縁下部との両者間に微小隙間があると、補助部材の下方領域に流入した燃焼ガスが、前記微小隙間を速い流速で通過することとなる。したがって、排気口の高さが低い場合には、前記した高速の燃焼ガス流によってドレン水が排気口内に運ばれ、最終的には排気口の外部に飛散する虞を生じる。
すなわち、補助部材のカバー板部の下方には、カバー板部に設けられた孔部から加熱用気体が流入する虞があるが、このような加熱用気体は、カバー板部の前縁部と排気口の開口縁下部との相互間に積極的に形成された隙間を介して、排気口内へ円滑に流入させることができる。前記隙間の幅を適度な寸法に予め設定しておくことにより、前記隙間を通過する際の加熱用気体の流速を遅くし、この加熱用気体によってドレン水が排気口内へ運ばれないようにすることが可能である。特許文献2においては、既述したように、組み立て誤差などに起因して補助部材と排気口の開口縁下部との接合箇所に微小隙間が生じると、この微小隙間を通過する際の加熱用気体の流速が速く、ドレン水が排気口内に運ばれる虞があるが、本発明によれば、カバー板部の下方領域を排気口に連通させるためのある程度の大きさの幅をもつ隙間を積極的に設けていることにより、前記した虞を適切に解消することができる。
このようなことから、本発明においては、排気口の開口縁下部がケースの前壁部の低い位置に設けられている場合であっても、底壁部の前部上に存在するドレン水が加熱用気体の影響を受けて排気口に進入しないようにし、排気口から外部にドレン水が飛散することを適切に防止または抑制することができる。
また、このような構成によれば、次のような効果がさらに得られる。
第1に、カバー板部の孔部が前記した曲げ部に設けられていれば、カバー板部上を流れるドレン水が孔部に流れ込み易くなる。したがって、カバー板部上にドレン水が多く滞留することを防止し、カバー板部上のドレン水が加熱用気体によって排気口側に吹き飛ばされることを抑制する上で、より好ましいものとなる。
第2に、カバー板部の前縁部寄り領域(排気口寄りの領域)は、前上がりの傾斜状であるため、カバー板部の前縁部寄り領域上に存在するドレン水は、排気口側へ流れ難くなる。したがって、カバー板部上のドレン水が排気口に進入することを一層好適に防止することができる。
第3に、たとえば前上がり傾斜領域のみに孔部が設けられている場合には、この孔部に加熱用気体が進入し易くなるが、前記曲げ部に孔部が設けられていれば、この孔部に加熱用気体が進入し難くなる効果が得られる。その結果、カバー板部の下方領域に加熱用気体が無駄に多く流入するといったことも適切に防止することができる。
ここで、「略円筒状」には、段付きの円筒状(異径の円筒部分どうしが段差をもって繋がった円筒状)や、外周面または内周面に多少のテーパが付されたものが含まれる。
第1に、カバー板部の横幅方向に複数の孔部が間隔を隔てて設けられているため、カバー板部上を流れるドレン水を、複数の孔部を利用してカバー板部の下方に効率良く流れ込ませることができる。前記構成とは異なり、たとえば孔部を1つのみ設け、かつこの孔部の横幅寸法を長くして対応しようとすると、カバー板部の剛性が低下するが、前記構成によれば、そのような虞も解消することが可能である。
第2に、複数の孔部のうち、前記第1の孔部は、その前後幅および横幅が大きくされているため、カバー板部上のうち、横幅方向において排気口とオーバラップする位置には多くのドレン水が存在しないようにすることができる。このことにより、カバー板部上のドレン水が加熱用気体によって前方に吹き飛ばされて、排気口に進入する虞をより効率よく防止することが可能となる。
なお、図面における矢印Frは、後述する2次熱交換器HE2の前方を示しており、以
降の説明における前後の向き、および位置関係は、これに則したものとする。
2次熱交換器HE2は、本発明に係る熱交換器の一例に相当する。1次熱交換器HE1は、本発明に係る熱交換器には相当しない。
34bに導かれる。図2において、給気口34aにガイドされる燃焼ガスは、1次熱交換器HE1の伝熱管1Aによる顕熱回収を終えたものであり、2次熱交換器HE2の第1の熱交換部21Aに流入する。図示説明は省略するが、補助缶体17内にも仕切部材が設けられており、1次熱交換器HE1の伝熱管1Bによる顕熱回収を終えた燃焼ガスは、給気口34bに導かれ、第2の熱交換部21Bに流入する。
図6に示すように、補助部材Aは、上下高さ方向に起立した起立板部6、この起立板部6の下縁部に繋がったカバー板部7、起立板部6の上縁部に繋がった上板部8、および起立板部6に形成された開口部60の内周縁に連設されたバーリング部61を有している。
するように排気口36の後方に位置する孔部である。図4に示すように、この第1の孔部72aの前後幅Laおよび横幅Waは、これ以外の第2の孔部72(72b)の前後幅Lbおよび横幅Wbよりも大きくされている。好ましくは、第1の孔部72aの横幅Waは、排気口36の基端側開口径以上の寸法とされている(本実施形態とは異なり、排気口36が円形でない場合、横幅Waは、排気口36の基端側開口の横幅以上の寸法である。この点は、後述する孔部80の横幅Wdについても同様)。
スが接触すると、この部分にドレン水が発生する虞がある。筒状突出部33の内周面においてドレン水が発生したのでは、このドレン水は排気口36の外部に飛散し易い。筒状突出部33は、絞り加工によって形成されており、その突出寸法を余り長くできないため、本来的には、ドレン水が外部に飛散し易い。これに対し、本実施形態では、燃焼ガスが筒状突出部33に接触する度合いを少なくし、排気口36内においてドレン水を発生し難くし得る結果、排気口36から外部へのドレン水の飛散を好適に防止することが可能である。
上壁部31aにおいて発生したドレン水については、たとえばこの上壁部31aや上板部8を伝わらせてケース3内の側部に導いてから底壁部35上に導くことが可能であり、排気口36内に進入しないようにすることが可能である。
このような実施形態から理解されるように、本発明でいう補助部材としては、補助部材Aの起立板部6、バーリング部61、および上板部8のうちの全部または一部を具備しない構成としたり、あるいはそれらとは異なる部位をさらに具備する構成とすることができる。
A,A1,A2 補助部材
HE2 2次熱交換器(熱交換器)
Le 管体隙間
Lf ケース内底部隙間
2A,2B 第1および第2の伝熱管(伝熱管)
3 ケース(熱交換器の)
32 前壁部(ケースの)
33 筒状突出部
35 底壁部(ケースの)
35a 前部(底壁部の)
36 排気口
36a 開口縁下部(排気口の)
5 バーナ
51 ファン
7 カバー板部(補助部材の)
7a 前縁部(カバー板部の)
70 曲げ部
71a 前上がり傾斜領域
71b 前下がり傾斜領域
72 孔部
77 隙間
Claims (8)
- 熱回収用の伝熱管と、
この伝熱管を内部に収容しているとともに、内部に供給される加熱用気体の排気口が起立状の前壁部に設けられ、かつ前記伝熱管による前記加熱用気体からの熱回収に伴って発生するドレン水が、前記前壁部の下部に繋がった底壁部の前部に流れてからドレン水用の排水口を介して外部に排出されるように構成されたケースと、
前記底壁部の前部の上方を覆うように前記ケース内に配されたカバー板部を有しており、かつこのカバー板部には、このカバー板部上に流れてきたドレン水を前記底壁部の前部上に流れ落とすことが可能な孔部が設けられている補助部材と、
を備えている、熱交換器であって、
前記カバー板部の前縁部は、前記排気口の開口縁下部からその上方に離間した配置とされ、前記前縁部と前記開口縁下部との間には、前記カバー板部の下方領域を前記排気口に連通させるための隙間が設けられており、
前記カバー板部は、このカバー板部を側面断面視において凹状に屈曲させる曲げ部を有しており、このカバー板部の前縁部寄り領域が前上がり傾斜領域とされ、かつその後側に前記曲げ部を介して前下がり傾斜領域が繋がった形態とされ、
前記孔部は、前記曲げ部に設けられていることを特徴とする、熱交換器。 - 請求項1に記載の熱交換器であって、
前記隙間の上下方向の幅は、前記伝熱管の上下配列方向における管体隙間以上の幅、または前記伝熱管の下部と前記ケースの底壁部との間に形成されたケース内底部隙間以上の幅とされている、熱交換器。 - 請求項1または2に記載の熱交換器であって、
前記ケースの前壁部には、前方へ突出する略円筒状の筒状突出部が絞り加工によって一体的に形成されており、
前記筒状突出部の内側が、前記排気口である、熱交換器。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載の熱交換器であって、
前記孔部は、前記前上がり傾斜領域と前記前下がり傾斜領域との双方に跨がって開口するように設けられている、熱交換器。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載の熱交換器であって、
前記孔部は、前後幅よりも横幅の方が大きい長孔状とされている、熱交換器。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載の熱交換器であって、
前記孔部として、前記カバー板部の横幅方向に間隔を隔てて位置する複数の孔部が設けられており、
前記複数の孔部のうち、横幅方向において前記排気口とオーバラップするように前記排気口の後方に設けられた第1の孔部は、これ以外の他の孔部よりも前後幅および横幅が大きくされている、熱交換器。 - 請求項6に記載の熱交換器であって、
前記第1の孔部の横幅は、前記排気口の基端側開口径または横幅以上の寸法とされている、熱交換器。 - 請求項1ないし7のいずれかに記載の熱交換器を備えていることを特徴とする、温水装置。
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